説明

流体計量容器

本発明は、試薬をマイクロフルイディックシステム中に計量分配する流体用容器(1)に関する。容器は、チャンバ(4)及びチャンバ(4)を密閉して流体をチャンバ内に封入するようにするための第1のフィルム(3)を有する。有利には、第1のフィルム(3)は、アルミニウム製の密封フィルムである。第2のフィルム(7)が第1のフィルムに、例えばこれらフィルム層の接着によって、密封的に被着されている。これらフィルムは、圧力を両方のフィルムに同時に加えた場合、第1のフィルムが裂け、第2のフィルムが弾性的に且つ/或いは可塑的に変形するよう引裂き強さが互いに異なっている。第1のフィルムを引き裂くことによって容器チャンバと入口チャネルとの間に連結部が作られ、チャンバ内に入れられている流体がマイクロフルイディックシステム中に流れるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載された、マイクロフルイディック器具に流体を貯蔵したり計量したりするための容器に関する。本発明は、更に、請求項21の前文に記載されたブリスタストリップ、請求項22の前文に記載されたマイクロフルイディックカートリッジ及び請求項30の前文に記載されたマイクロフルイディック器具に関する。更に、本発明は、請求項36の前文に記載された医学的分析器械及び請求項37の前文に記載された容器の製造方法並びに請求項40の前文に記載された流体の計量分配方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロフルイディック器具(場合によっては、マイクロ流体器具又はマイクロ流路器具と呼ばれることがある)では、多くの場合、少量の液体を正確な容積で計量しなければならない。計量されるべき液体の例は、溶剤、緩衝溶液、栄養液、試薬又はこれらの組み合わせである場合がある。マイクロフルイディック器具は、大抵の場合生物学的及び/又は化学的反応を分析するための分析において用いられている。分析器具のコアは、毛管チャネル及びチャンバが設けられたカートリッジであり、毛管作用又は外力は、検査されるべき液体が運搬されるようにする。毛管チャネルは、入口領域と分析領域との連結部を形成し、チャネル網は、サンプル液体、例えば特に尿、血液若しくは血漿又は他の生物学的サンプル溶液の分配を保証する。
【0003】
運搬は、例えば、サンプル流体とカートリッジ内に入れられている試薬の混合を保証する。複雑な検出反応又は複雑な分析にあたり、一連の種々の溶液を特定のシーケンスで正確な容積の状態で計量することが必要である。分析器具のオペレータは、誤った操作の恐れが生じないようにできるだけ単純である操作手順を実施することが要求されるべきなので、貯蔵容器及び軽量手段をカートリッジに結合することが有利である。
【0004】
その結果、オペレータは、サンプル流体の困難な取り扱いを実施する必要性がなくなり、オペレータの入力は、分析機器においてカートリッジを一体形計量機構体で置き換えることになる。
【0005】
この場合、分析機器は、他の全てのステップ、例えば溶剤の追加の制御、特定温度の選択、溶液の混合及び起こった特定の生物学的又は化学的反応の関数としてのサンプル液体中における物理的又は化学的変化の検出を実施する。マイクロフルイディックカートリッジ内における液体の計量の際の操作プロセスの自動化は、液体容器をカートリッジ中に組み込むことにより又は溶液若しくは試薬を収容した容器をカートリッジに流体結合することにより達成できる。この結合は、容器又は多数個の容器を備えたブリスタをカセット又はカートリッジに後で連結することにより実施できる。製造後、容器又はブリスタをカセット又はカートリッジ上に置き又は変形例としてこれに接着し又は溶接する。
【0006】
試薬は、パウチ、ブリスタに形成されたウェル又は凹部内に容易に詰め込み可能である。ブリスタの製造にあたり、熱可塑性変形によって作られた窪みは、典型的には、1枚のプラスチックストリップ又はキャリヤフィルムに形成され、窪みの各々には所望の溶液又は試薬を充填し、充填状態のブリスタパウチをカバーフィルムによって流体密状態に密封する。
【0007】
次に、カートリッジとカートリッジに合うように構成されたブリスタストリップを互いに対して位置決めすると共に/或いは互いに結合し、流体で満たされたブリスタチャンバとカートリッジのマイクロフルイディックネットワークとの間に結合部を作ることができるようにする。
【0008】
ブリスタ又はカートリッジ‐ブリスタカセットが貯蔵に適するようにするためには、ブリスタチャンバ内の液体又は溶液を蒸発及び漏れが阻止されるように収容しなければならない。
【0009】
カートリッジ‐ブリスタカセットの操作の際、ブリスタチャンバを或る特定の箇所で開く。これは、例えば、ブリスタフィルムをチャンバベースの付近で切断して液体が切断箇所を通って流れ出て、次に、カートリッジの検査チャンバ内に滴下し又は入口領域、例えばカートリッジのチャネル開口部によって吸収されるようにすることによって実施可能である。
【0010】
独国特許出願公開第3800036(A1)号明細書から、この種の容器及び検査器具が知られており、他方、この独国特許出願公開明細書によれば、密閉液体容器又はブリスタチャンバを外部から穿通するか穿通操作のために円錐形先端部を容器内に設けるかのいずれかの構成が提供されている。後者の場合、指の力でチャンバを押すことにより、チャンバ内に一体化された穿通ツールの先端部を独国特許出願公開第3800036(A1)号明細書の図17に示されているように密封フィルムを刺し通し、その結果、ブリスタチャンバ内に入れられている液体は、流れ去ることができる。
【0011】
同様な容器が国際公開第2006/07982(A2)号パンフレットに開示されており、この場合、押し込み可能なドーム状容器がこの中に鋭利なスパイクを有している。スパイクは、変形可能なドームを凹ましたときに、スパイクの先端部が密封フィルムを穿孔するようにドームの頂点のところに配置されている。このように、ドーム又はチャンバの内部に入っている液体は、孔を通ってチャネル内に流入することができ、チャネルの入口領域は、チャンバに向かって延びている。
【0012】
変形例として、密封フィルムを、単に圧力をドームの外部に加えることによって引裂いて開けることが想定でき、この場合、スパイクは用いられない。上述の先行技術の欠点は、利用可能なチャンバ容積がチャンバ内に配置されたスパイクによって制限されるということにある。密封フィルムを穿孔するために入っている液体に対してスパイクを運動させることができるようにするために、チャンバは、ほんの約75%の液体で一杯になる。液体の計量中に望ましくない気泡を生じさせる場合のあるガスが残留容積部内に封入されており、それにより、毛管作動式カートリッジの誤動作が生じる。
【0013】
さらに、この種のチャンバは、制限された程度まで、即ち、スパイクにより密封フィルムの穿孔によって制限される運動範囲を超えて或る特定の条件下でのみ変形可能であるに過ぎない。したがって、全体が先行技術に従って充填されるチャンバを空にすることができない。
【0014】
先行技術のもう1つの欠点は、穿通スパイクを動かすためにチャンバを変形させる必要があるので、チャンバ内に圧力が生じるということにある。これは、密封フィルムを穿通したときに、圧力の印加及びスパイクの運動に応じて、望ましくないことに、不定量の液体が急に放出されるという作用効果を有する。
【0015】
容器の重要な一要件は、容器内の液体が規定されたインターフェイスを通って制御された仕方でマイクロフルイディック器具中に流入しなければならないということにある。気泡が液体として生じて容器から出ることは阻止されるべきである。液体は、マイクロフルイディック器具、特にフルイディック微細構造中への液体の制御された移送のためには圧力が加わっていないものでなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】独国特許出願公開第3800036(A1)号明細書
【特許文献2】国際公開第2006/07982(A2)号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、上述した先行技術の背景に鑑みて、課題は、改良型容器、この容器の製造方法、この種の容器を備えた改良型ブリスタストリップ及び改良型マイクロフルイディック器具を提供することである。もう1つの課題は、容器からマイクロフルイディックカートリッジ内への改良型計量分配方式を提供することにある。
【0018】
具体的にいえば、この課題は、実質的に気泡のない充填マイクロフルイディックカートリッジを達成すると共に容器からマイクロフルイディックネットワーク中への液体の制御された計量分配を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
これら目的は、請求項1に記載の容器、請求項21記載のブリスタストリップ、請求項22記載のマイクロフルイディックカートリッジ、請求項30記載のマイクロフルイディック器具、請求項36記載の分析器具、請求項37記載の容器の製造方法及び請求項40記載の流体の計量分配方法によって達成される。
【0020】
上述の課題を解決するため、容器が試薬を計量するための液体のために提供されるべきことが想定され、この容器は、チャンバ及び第1のフィルムを有し、第1のフィルムは、液体がチャンバ内に封入されるような仕方でチャンバを密閉する。第2のフィルムが第1のフィルムに密着した状態で配置される。このことは、第2のフィルムが第1のフィルムの表面に取り付けられ、第1のフィルムに密着することを意味している。第1のフィルムは、全体にわたって接着され又は積層されるのが良く、変形例として、局所的に、平坦な接着部が存在せず、その結果、第1のフィルムと第2のフィルムがこれら局所領域では互いに取り付けられず、互いに密着した状態のままであっても良い。フィルムは、圧力を両方のフィルムに同時に加えたときに、第1のフィルムが裂け、第2のフィルムが弾性的に且つ/或いは可塑的に変形するよう互いに異なる破断強さのものである。
【0021】
破断強さは、フィルムの厚さ及び/又はフィルムの幾何学的形状と関連してもたらされる延伸に対するフィルムの物性を意味している。破断強さは、材料の断面、破断点伸び及び材料の密度に関連付けられた弾性限度又は引裂き強さという物性の両方を含む。例えば、第1のフィルムは、金属薄膜、特にアルミニウム箔であるのが良い。アルミニウム又はアルミニウム合金は、典型的には、破断点伸びが30%〜50%であり、Al合金の破断点伸びは、5%〜10%である。これとは対照的に、TPEプラスチックに関し、プラスチックの破断点伸びは、数百パーセント、例えば200%〜2000%、好ましくは300%〜700%である。これにより、好ましくは破断点伸びが30%未満の金属から成る第1のフィルムは、圧力が加えられると、伸びが殆どない状態で裂け、これに対し、第2の外側の弾性プラスチックフィルムは、弾性及び/又は塑性変形を受けるに過ぎない。
【0022】
第2の弾性フィルムのフィルム材料は、合成ゴム、TPE(熱可塑性エラストマー)、シリコーン、ビトン又は他のプラスチックフィルム若しくは天然弾性材料であるのが良い。
【0023】
金属箔の使用の代替例として、第1のフィルムは、好ましくは破断点伸びが50%未満の脆性プラスチックから成っていても良い。検討対象となりうる別の変形例は、セラミックフィルム材料の使用である。セラミックフィルム又はプラスチックフィルムが用いられる場合、かかる材料は、カプセル内に入れられた流体に対して流体密である必要がある。これは、例えば、チャンバの内部に拡散防止且つ流体密被膜を施すことにより達成できる。拡散防止又は流体密被膜は、例えば、第1のフィルムを金属フィルム又は高密度プラスチックフィルムで被覆することにより、例えば、箔へのフィルムの蒸着、スパッタリング、融着又は電着によって得られる。
【0024】
第1のフィルムの厚さは、5ミクロン〜100ミクロンであり、好ましくは、15ミクロン〜60ミクロンである。
【0025】
第1のフィルムは、数ニュートンの圧力が加えられると裂ける。第1のフィルムの裂け傾向を高めるため又は引裂ける場所を突き止めるため、チャンバの付近で第1のフィルムに脆弱な箇所、例えば切欠きを設けることが可能である。切欠きにより、フィルムの断面が減少すると同時に第1のフィルムの割れ又は裂けの始まる起点としての裂けピークが形成される。種々の機械的方法、例えばスタンディング(standing)、エンボス加工、スクラッチング又は他の付形方法及び材料除去法、例えばエッチング、レーザ加工又はエネルギービーム加工によって切欠きを形成することができる。脆弱箇所又は切欠きは、第1のフィルムに優先的破断箇所を形成する。
【0026】
容器チャンバは、プラスチックシート又はプラスチックフィルムの塑性変形により作られる。変形例として、チャンバ形成材料は、金属又は種々のコンポーネント、例えば金属、特にアルミニウム及び熱可塑性プラスチックで構成された複合材料から成っていても良い。好ましくは熱可塑性変形により、板状基体に複数個の窪み、特に半球形チャンバが作られ、このようにして、ブリスタストリップが製造される。
【0027】
チャンバ又は窪みに液体、特に試薬を充填し、次に流体密の第1のフィルムをブリスタのベースに特に接着又は融着により固定し、第1のフィルムがチャンバ内の液体を環境から出ないように封入するようにする。
【0028】
チャンバ又はパウチの形状は、パウチの形状を圧縮することができるように半部の形をし、ドームの形をし、長円形であり又は管の形をしている。好ましい実施形態では、ブリスタの材料は、ポリプロピレン、PVC、PCTFE又はPVDCという材料のうちの1つから成る。特に好ましい実施形態では、材料は、ポリプロピレンから成り、その厚さは、20ミクロン〜300ミクロン、特に60ミクロン〜120ミクロンである。チャンバ壁及び第1のフィルムの材料は、液体が逃げ出ないように且つガスが入り込まないように液体及びガスに対して拡散防止性を示すことが必要である。有利には、材料は、ブリスタストリップが貯蔵に適していて、半年よりも長い期間にわたってこれらの機能を保持するよう選択される。
【0029】
この期間内で又は1年又は18ヶ月という長い期間にわたり、キャリヤ材料、ベースフィルムの材料及び接着剤に応じて、ブリスタパウチからの液体の損失分は、液体の量又は液体の体積で測定して5%未満、好ましくは1%未満であることが必要である。ガス流入係数に関し、これは、特に貯蔵期間中、溶液又は試薬の酸化を阻止するよう酸素が流入しないようなものであるべきである。
【0030】
チャンバのサイズは、有利には、容器チャンバが少なくとも5マイクロリットルの溶液を収容することができるようなものである。容器容積に関する他のサイズとしては、特定の液体についての必要性に応じて、10、20、50、150、250、300、500、1000、2000、5000、10000、20000及び50000マイクロリットルの試薬体積又は液体体積が挙げられる。例えば洗浄ステップが分析中に必要な場合、多量の液体が用いられる。
【0031】
1つのブリスタストリップには種々のサイズのリザーバ又は容器が設けられる場合がある。容器は、好ましくは、平べったい平面状ベースを有し、容器の開口部は、第1及び第2のフィルムによって閉鎖される平坦な平面内に位置し、これら開口部は、平坦な表面の上方に延びるパウチによって形成される。代表的には、本体は、ベース又は底面のところに1mm〜5cmの断面を有する。断面長さは、表面を通る対角線として測定され、この断面は、ベース又は開口部に平行な部分によって得られる。
【0032】
高さ、この場合パウチの底部からドームへの表面垂線の長さは、好ましくは200ミクロン〜800ミクロンである。代表的には、容器は、完全充填されるが、部分充填、例えば容器の全容積の5%、10%、25%、50%又は75%が満たされるようにほんの僅かな量、例えば50マイクロリットルの試薬が必要である場合がある。代表的には、部分充填リザーバ又は容器は、投与されるべき試薬に応じて、少なくとも10マイクロリットル、50マイクロリットル又は少なくとも100マイクロリットルを収容する。
【0033】
別のステップでは、少なくとも1つの弾性の第2のフィルムを例えばフィルムの積層又は内張りにより第1のフィルムに被着させる。
【0034】
本発明の一実施形態では、少なくとも1枚の他の中間フィルムが第1のフィルムと外側の第2の弾性フィルムとの間に配置される。中間フィルムは、開口部、特に隙間穴を有する。この穴は、好ましくは、チャンバの内部の方に差し向けられている。また、複数の穴を中間フィルムに設けることが可能である。さらに、チャンバの付近に入口領域を備えた1つ又は2つ以上のチャネルを中間フィルムに設けるのが良い。好ましくは、上述の開口部を備えた1本又は複数本のチャネルは、流体接触関係をなし、特に、この種の開口部は、1本又は2本以上のチャネルの入口領域を形成する。
【0035】
中間フィルムの厚さは、50〜500ミクロン、特に150〜250ミクロンであり、中間フィルムは、プラスチック材料から成る。
【0036】
中間フィルムに凹部又は窪みとして形成された貫通開口部又はこれと同様に設けられたチャネルは、第1のフィルムにより容器チャンバから流体的に分離される。力がフィルムに加えられると、チャンバの内部のフィルムは、裂け、フィルムにより形成された仕切り壁は、チャンバとチャネルとの間で開く。変形例として、上述の開口部又は上述のチャネルをチャンバに流体結合すると共に密封フィルムが開口部又はチャネルを封止することが可能である。
【0037】
チャネルは、出口領域を更に有する。本発明の好ましい実施形態では、出口領域は、少なくとも1枚の中間フィルムの第2の貫通流れ開口部によって形成される。外側の第2の弾性フィルムにも、この第2の開口部のところに開口部が設けられるのが良く、従って、容器からの流体は、破断し又は裂けた第1のフィルムを通ってチャネルの入口領域に流入し、チャネルを通ってチャネルの外側領域内に運び込まれるようになっている。特定の出口開口部のところで規定された仕方でチャネルを介して容器を空にすることができる。
【0038】
好ましい実施形態では、チャネルの第2の開口部は、外側の弾性フィルムにより封止される。第2の開口部及びこれに隣接した領域では、中間フィルムと第2の弾性フィルムは、取り付けられないで互いに衝合する。これは、例えば、平らなチャネル上の部分に中間フィルムと第2のフィルムが接着されていないということによって達成できる。この接着剤が施されていない領域は、中間フィルムの開口部をこの領域の長さだけずれている中間フィルム又はキャリヤ材料の別の開口部に結合する。弾性フィルムも又、接着が行われていない領域で中間フィルムに密接して位置するので、液体は、第1のフィルムの破断にもかかわらず封入されたままである。
【0039】
次に、圧力を液体又は溶液に加えた場合、液体は、中間フィルムの開口部を通って非取付け状態の領域に押し込まれ、それにより、弾性フィルムがこの領域で拡張され、外側の第2の弾性フィルム又はキャリヤ材料(ブリスタ)の外側開口部に通じるチャネルが形成される。有利には、弾性フィルムは、その弾性復元力により絞り作用を流れに及ぼし、その結果、流体は、弾性チャネル内で乱流を生じることなく一様に流れる。一様に絞れた流れの結果として、気泡形成が回避される。
【0040】
本発明の一実施形態では、ブリスタストリップは、マイクロフルイディックプラットホームと組み合わされる。マイクロフルイディックプラットホームは、板状基体、特にプラスチックシートであり、この基体にはチャネル及び毛管チャネル網が形成される。少なくとも1つの毛管チャネルは、液体の計量目的でブリスタの少なくとも1つの容器に流体結合可能な入口領域を有する。
【0041】
このために、ブリスタストリップに設けられている出口開口部をマイクロフルイディックプラットホームに設けられている入口領域に整列させ、ブリスタストリップをマイクロフルイディックプラットホームに取り付ける。この取付けは、例えば、ブリスタストリップをプラットホームに接着することにより又はこれらブリスタストリップを相互案内状態に配置することにより実施できる。
【0042】
特に好ましい実施形態では、ユーザに提供される器具は、マイクロフルイディックプラットホームを備えたカートリッジ又はカセットユニット及び1つの容器又は一連の容器を有する。液体又は試薬を計量したり運搬したりするためのマイクロフルイディックチャネルを有するマイクロフルイディックプラットホームは、製造プロセス中に1つ又は2つ以上の容器に直接連結される。マイクロフルイディックプラットホームは、チャネルが形成された板状基体から成る。チャネルは、プラスチック、好ましくは透明なプラスチックで作られたカバーフィルム又はカバーキャリヤによって外側が閉鎖される。変形例として、チャネル及び他の構造は、開けられたマイクロフルイディック穴又は切欠きが形成されている中間フィルム又はシートによって形成されても良い。次に、チャネル又は構造のベースが扁平なキャリヤプレートによって形成され、上側クロージャがカバーフィルム又はカバープレートによって形成される。
【0043】
好ましくは、両面接着フィルムが、キャリヤプレートとカバープレートを接着力によって互いに結合する中間フィルムとして用いられる。有利には、カバープレートは、容器を収容することができる凹部、特に窪みを有する。凹部のベースは、貫流開口部を有し、この貫流開口部は、マイクロフルイディックチャネル又は別のマイクロフルイディック構造、例えば入口領域、収集領域又は分離領域、特にフィルタ領域に開口し、又はこの構造に流体結合される。
【0044】
流体結合部という用語は、例えば、弁としての役目を果たし、外力を受けた場合にのみ連結部となる部分、即ち、作動機構体又は力に応じて流体運搬機能を実現する部分を意味している。容器は、特に、窪み内に接着によって固定される。容器は、第1のフィルムにより密閉され、第1のフィルムは、流体を容器チャンバ内に封入する。
フィルムは、好ましくは、アルミニウムで作られ、ツール、例えばダイの作用によりフィルムを切断することができる。有利には、容器蓋としても見なすことができる第1のフィルムは、両面接着プラスチックストリップによって窪みのベースに取り付けられる。接着ストリップは、貫流開口部の付近に対応の凹部を更に有する。
【0045】
第2の弾性フィルムが第1のフィルムに直接被着され、特に、これに平べったい状態で結合されるか、有利には第2のフィルムが貫流穴の反対側に被着されるのが良い。第2の弾性フィルムは、基体のところでフルイディック構造を密閉する。第2の弾性フィルムは、好ましくは、貫流開口部がフィルムによって覆われるようにチャネルの側壁を形成し又は基体で支持される。好ましくは、第2のフィルムは、基体に部分的に取り付けられているに過ぎず、その結果、非取付け領域では、基体と第2のフィルムとの間にチャネルが形成され又はフィルムの拡張によってチャネルを形成することができるようになっている。
【0046】
パウチを形成するよう硬質プラスチック材料の熱可塑性変形により形作られた容器に代えて、容器として柔軟性袋又は管を用いても良い。この種の袋は、第1のフィルムで密閉されたクロージャを有する。袋又は管は、凹部内に配置されると同時に第1のフィルムが特に接着及び溶接によって貫流開口部又はマイクロフルイディックプラットホームの入口領域に密封的に結合される。
【0047】
圧力を加えることにより柔軟性袋を容易に圧縮することができる。好ましくは、袋は、弁又は連結部を介して圧縮力により作用を受けることができるチャンバ内に配置される。外部から作用する圧縮力は、袋を圧縮し、それにより流体をマイクロフルイディック構造中に導く。
【0048】
さらに、加圧部材、特に円錐形ピンが、好ましくは、このようにして形成されたマイクロフルイディック器具に設けられ、このピンは、ブリスタチャンバ又はブリスタパウチに対して動くことができる。ブリスタチャンバのベースの付近で想定される運動中、円錐形ピンがチャンバに押し込まれ、第1のフィルムの裂け又は破断が生じ、それによりブリスタの流体チャネルとマイクロフルイディックプラットホームの毛管チャネルとの流体結合部が開かれる。
【0049】
本発明の好ましい実施形態では、複数本のピンがブリスタに押し込まれ、流体経路が互いに異なる容器からの複数種類の液体のために開かれるようになり又は多くの入口箇所からのプラットホームのマイクロフルイディックネットワーク中への特定溶液の流体結合部が得られるようになる。
【0050】
溶液又は試薬の計量は、容器を圧縮することによって行われる。好ましくは、圧縮は、例えば作業員が自分の指の先で容器の外面を押すことにより圧力を容器壁に及ぼして圧縮が行われる。解決策としての自動化手段により、ダイによって容器チャンバを圧縮し、それにより流体を隣接のチャネル中に押し込む。
【0051】
好ましくは、プラットホームのサイズの平べったいダイが分析器械によって規定された量動かされる。マイクロフルイディックプラットホームの表面上に幾何学的に延びている容器チャンバに表面圧力を及ぼすことによりチャンバが変形し、流体を計量してプラットホームのチャネル系中に供給する。
【0052】
別の好ましい実施形態では、ダイが用いられることが想定され、そのダイ表面は、容器の表面を覆い、ダイは、変位機構体によって次々に互いに異なる容器に当接するようになり、それにより流体又は試薬を規定された仕方で順次計量し、ダイを下降させ、容器を圧縮することによりマイクロフルイディックプラットホーム中に供給する。調節機構体又は作動駆動装置は、分析器具によって制御される位置決めスライダであるのが良く、これは、段階式駆動手段又は微小機械的アクチュエータである。
【0053】
分析器具は、例えば、アクチュエータによって作動され、それにより、オペレータは、ブリスタストリップをプラットホーム上に配置することによりマイクロフルイディックプラットホーム、カセット又はカートリッジを先ず最初に本発明のブリスタストリップに連結し、ブリスタストリップ及びプラットホームは、これらの平べったい側部が互いに向いた状態で位置するようになる。次に、分析器具にこのようにして形成されたマイクロフルイディック器具を装填し、分析プロセスを開始させる。
【0054】
想定される分析のプロセスステップに応じて、マイクロフルイディックプラットホームに別のブリスタを暫定的に再装填する必要のある場合がある。この目的のため、マイクロフルイディックプラットホーム及びブリスタを有するマイクロフルイディック器具を分析器具から取り出し、使用済みのブリスタを取り出し、新品のブリスタをプラットホーム上に置き、器具を分析器具中に戻す。変形例として、この操作ステップは、例えば対応のステップを実施する実験室ロボットによって自動的に実施することも可能である。
【0055】
好ましい実施形態では、マイクロフルイディックプラットホーム、即ちカセット又はカートリッジは、製造プロセスそれ自体の間に本発明の容器に連結される。この目的のため、プラットホームは、凹部を有し、この凹部にはその開放した側部から容器が挿入される。容器を凹部の付近で例えばプラットホームに接着し又は溶接する。
【0056】
プラットホームは、凹部又は切欠きの付近に、マイクロフルイディックチャネルのための入口領域を有し、容器を密閉しているフィルムを切断した後、容器内に入れられていた流体がチャネル中に流れることができるようにする。プラットホームと関連した容器の動作にとって、容器とプラットホームのマイクロフルイディックチャネルのための入口領域との間の漏れ止め結合部が設けられることが必要不可欠である。この結合は、有利には、密封手段、例えば入口領域を包囲する弾性シールによって提供される。
【0057】
変形例として、かかる結合は、入口領域をプラットホームに、そして出口領域を容器に溶接すると共に密封的に連結する局所接着又は溶接によって提供されても良い。特に有利には、容器とプラットホームは、両面接着フィルム材料によって接着され、それにより、平べったい流体結合部の付近には、接着フィルム材料には凹部の形態をした開口部が設けられる。接着フィルムは、容器をプラットホームに固定的に結合して連結領域を封止する。
【0058】
好ましい実施形態では、分析器具は、コントロール装置、特にプロセスコンピュータを有し、これは、適当な制御ソフトウェアによって実施されている分析ステップをモニタすると共にこれらを調節する。制御コンピュータは、容器からの液体又は試薬の計量を検出すると共に実現するセンサ及び/又はアクチュエータに接続されている。
【0059】
制御装置は、好ましくは、少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はASICを有し、かかるマイクロプロセッサ又はASICは、D/A及び/又はA/Dインターフェイスを介してセンサデータを検出し、制御信号をアクチュエータ、特に作動駆動部に送る。制御信号に応じて、1本又は2本以上のピン又はダイを動かして第1のフィルムを穿通し、別のステップでは、1本又は2本以上のダイを動かして容器を圧縮し、このようにして、1種類又は2種類以上の試薬を規定された仕方でマイクロフルイディックプラットホームのチャネル中に放出する。
【0060】
以下に説明する図を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の容器の縦断面図である。
【図2a】容器の断面図である。
【図2b】容器の斜視図である。
【図2c】容器の断面図である。
【図2d】容器の断面図である。
【図2e】容器の断面図である。
【図3】複数枚の密封フィルムを備えた容器の実施形態を示す図である。
【図4】チャネルを容器に対して開口させる手段を備えた容器を示す図である。
【図5a】中間フィルム及び絞り流体チャネルを備えた容器を示す図である。
【図5b】中間フィルム及び絞り流体チャネルを備えた容器を示す図である。
【図5c】中間フィルム及び絞り流体チャネルを備えた容器を示す図である。
【図6a】出口チャネルを備えたマイクロフルイディックカートリッジを示す図である。
【図6b】出口チャネルを備えたマイクロフルイディックカートリッジを示す図である。
【図6c】出口チャネルを備えたマイクロフルイディックカートリッジを示す図である。
【図7a】柔軟性容器袋を備えたマイクロフルイディックカートリッジを示す図である。
【図7b】柔軟性容器袋を備えたマイクロフルイディックカートリッジを示す図である。
【図8】部分的に取り付けられていない第1のフィルムを備えたマイクロフルイディックカートリッジを示す図である。
【図9】出口領域を備えた容器を有するマイクロフルイディックカートリッジを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、本発明の容器(1)を示しており、この容器では、弾性材料の第2のフィルム(7)が容器ベースを覆っている。容器は、キャリヤストリップ、特にPPで作られたプラスチックストリップ(2)で作られ、このキャリヤストリップ内には、パウチ(4)が熱成形により形成されている。この材料で作られた容器壁の厚さは、100ミクロン〜300ミクロン、好ましくは180ミクロン〜220ミクロンである。容器パウチ(4)の容積は、100マイクロリットル〜1000マイクロリットルであり、図示の実施形態によれば、好ましくは、20マイクロリットル〜400マイクロリットルである。
【0063】
窪み(4)は、半球形であり、圧力により、特に指圧により、具体的にはオペレータの加えた指圧により弾性変形可能である。好ましくは、プラスチックストリップは、拡散防止であり、ガス密であり且つ流体密であるパウチ又は窪み(4)を形成するよう金属箔、特にアルミニウム箔と積層され、これで内張りされ又は被覆されている。
【0064】
第1のフィルム(3)が容器開口部を流体密状態で覆っている。第1のフィルム(3)の流体密結合部は、第1のフィルム(3)を第1の溶接連結部(11)に沿って容器ベースの付近の容器壁まで溶接することにより作られている。変形例として、第1のフィルムは、プラスチックストリップの平坦な領域によって形成された容器のベース(2)に取り付けられても良く、この取付けは、第1のフィルム(3)を接着部に沿ってプラスチックストリップ(2)に接着することによって行われている。有利には、第1のフィルム(3)と第2の弾性フィルム(7)は、互いの頂部上に平べったい状態で位置している。
【0065】
第1のフィルム(3)は、好ましくは、金属、特にアルミニウムで作られ、容器パウチを流体密状態で密閉している。第1のフィルムは、その表面全体にわたってプラスチックストリップ(2)に溶接され又は接着されるのが良い。好ましくは、この実施形態1によれば、第1のフィルムは、パウチの付近にのみ被着されている。第1のフィルムは、0.5〜25ニュートンという圧力、特に3〜10ニュートンという低い圧力、例えば指の圧力を加えることによって破断することができるのに十分薄く作られている。
【0066】
弾性の第2の弾性フィルム(7)は、容器ベースを閉鎖している。有利には、第2のフィルムは、キャリヤストリップ(2)又はブリスタストリップのベースを覆っている。第2のフィルムは、容器の表面、特にパウチ及び密封フィルムで形成されたブリスタストリップに取り付けられ、特に、その表面が上述のブリスタストリップ及び/又は第1のフィルム(3)に接着され又は溶接されている。
【0067】
この実施形態では、ベース開口部(12)又は上方に向いた容器開口部(12)の付近に第1の貫流開口部(6)が設けられている。この場合、圧力が容器開口部(12)の付近で第1のフィルム(3)及び第2のフィルム(7)に加えられると、第1のフィルム(3)は、破断し、容器に入っている液体は、容器から第1の貫流開口部(6)を通って逃げ出ることができる。
【0068】
図2a、図2b、図2c、図2d及び図2eに記載された別の実施形態では、キャリヤ(2)が容器(1)のためのパウチ(4)を形成するよう第1の場合と同様に形作られている。キャリヤ材料は、アルミニウム‐プラスチック複合材から成り、アルミニウムがプラスチック上に積層されている。液体、特に試薬がブリスタパウチ(4)内に収容され、ブリスタパウチ(4)は、容器(4)の製造中、容器チャンバを形成する。第1のフィルム(3)、特に金属箔が接着部(5)、積層、粘着、溶接又は他の取付け方法により容器の縁部(9)に連結されており、第1のフィルム(3)は、容器の縁部に結合して容器開口部(12)を封止するようになっている。第1のフィルムは、容器の周りにぐるりと平坦な表面を覆い、或いは局所的にのみ被着されている。
【0069】
別の中間フィルム(13)が第1のフィルム(3)及びキャリヤストリップ(2)に特に平べったい状態でこれらに被着された状態で設けられている。中間フィルムは、好ましくは、圧力が加えられると変形可能な弾性材料から成る。中間フィルム(13)は、容器開口部の付近に第1の貫流開口部(6)を有し、この第1の貫流開口部は、容器チャンバの縁部(9)から1mm〜10mmの間隔を置いたところに配置され、この第1の貫流開口部は、100ミクロン〜5000ミクロンの開口部直径を備えた穴又はボアとして形成されている。穴又は開口部(6)は、半球形パウチ(4)の方に向いている。
【0070】
中間フィルム(13)は、好ましくは弾性である。しかしながら、中間フィルムは、図2c〜図2eに記載された他の好ましい実施形態の場合と同様非弾性材料から成っていても良い。中間フィルム(13)は、容器開口部(12)が容器縁部(9)のところに包囲自由空間を有するよう容器開口部(12)の付近に構成されている。容器開口部のところに位置する中間フィルム(13)の表面の部分は、中間フィルム(13)の残部に連結されておらず、その結果、容器開口部のところに位置する中間フィルムの部分は、中間フィルムの残部に対して自由に動くことができる。変形例として、中間フィルムのこれら部分相互間のスポット連結部は、包囲自由空間に位置したままであっても良く、これら連結部は、圧力が加えられると破断される。
【0071】
第2のフィルム(7)が平べったい取付け部によって中間フィルム(13)に連結されている。第2のフィルム(7)の表面溶接(11)又は接着(5)は、パウチ縁部(9)から第2の貫流開口部(10)まで延びる領域(8)には、ブリスタストリップ(2)への弾性の第2のフィルム(7)のしっかりとしたくっつきが存在しないよう実施される。第2の弾性フィルム(7)は、非取付け領域(8)に弾性密封状態で当たる。第2のフィルムの貫流開口部(10)は、キャリヤ又はブリスタストリップ(2)の貫流開口部(10)と合同関係をなす。
【0072】
図2c及び図2eによれば、容器(1)は、マイクロフルイディック器具(20)内に位置した状態で示されており、この容器は、マイクロフルイディックプラットホーム(17)に連結されている。ブリスタストリップの一部であっても良いプラットホーム(17)及び容器(1)は、支持体(14)によって保持されている。マイクロフルイディックプラットホーム(17)は、入口領域(18)を有し、試験流体又は試薬は、この入口領域を通ってプラットホーム(17)のフルイディックネットワーク又はチャネル内に流入することができる。好ましくは、液体は、毛管力によりマイクロフルイディックプラットホーム(17)中に分配される。
【0073】
液体を容器(1)内に放出し、液体をマイクロフルイディックプラットホーム(17)中に計量分配するため、ダイ又はラム(15)を支持体(14)に設けられた開口部中に動かし、このダイ又はラムは、当初、その平坦な断面方向表面が第2の弾性外側フィルム(7)の上に位置する。ダイ(17)の移動が図2dに示されているように支持平面(19)を越えた場合(この平面は、支持体(14)及び平坦な容器側部によって構成される)、外側の第2のフィルム(7)、中間フィルム(13)及び第1のフィルム(3)は、容器の内部に向かって押される。外側の第2のフィルム(7)は、弾性変形し、中間フィルム(13)は、実質的に力を加えないで動かされ、破断点伸びが小さい第1のフィルム(3)は、第1の貫流開口部(6)の付近で裂ける。包囲する裂けが容器の縁部の付近で生じることが想定できる。
【0074】
次のステップでは、第1のダイ(15)を支持平面(19)に戻し、他方、第2のフィルム(7)の弾性の結果として、第2のフィルム(7)は、その定位置に戻り、第1のダイ(15)の運動によって容器の内部に生じた圧力が再び低下する。
【0075】
次のステップでは、図2eに示されているように、第2のダイ(16)を動かしてドーム状容器を圧縮する。静水圧成形により、液体が容器の内部(4)から押し出され、この液体は、露出状態の開口部(6)を通って流れる。非取付け状態の領域(8)内に密封的に当たっている第2のフィルム(7)の弾性の結果として、形成された流れチャネルは、当初、依然として緊密に密封されている。
【0076】
流体の圧力が或る特定のレベルを超えると、第2のフィルム(7)の復元力及び非取付け領域(8)における中間フィルム(13)へのそのくっつきに打ち勝ち、流体は、非取付け領域(8)内におけるフィルム(7)の凸により形成されたチャネルを通って流れるようになる。このチャネル経路は、フィルム(7)の復元力によりチャネル中への液体の一様な流入が生じるので、流れにとって絞りとして働くという性質を有する。
【0077】
これにより、気泡がチャネルの入口のところで生じるのが阻止される。領域(8)のチャネルから始まって、液体又は試薬は、次に、中間フィルム及びキャリヤ(2)の第2の開口部(10)を通って流れてマイクロフルイディックプラットホーム(17)の入口領域(18)に流入する。
【0078】
図3によれば、フィルムは、互いに対して別々に層状に積み重ねられても良い。この場合、中間フィルム(13)は、キャリヤフィルム(2)に直接被着され、キャリヤフィルム(2)は、容器チャンバ(4)を備えた容器(1)を形成している。中間フィルム(13)は、引裂き強さの小さい第1のフィルム(3)及び第2のフィルム(7)によって覆われている。中間フィルム(13)と第2のフィルムの両方は、弾性である。第1のフィルム(3)は、その表面が特に接着により中間フィルム(13)に結合されている。
【0079】
第1のフィルム(3)も又、その表面が第2のフィルム(7)に、非取付け領域(8)が残されたままの状態で接着されている。力が加えられると、第2の外側フィルム(7)及び中間フィルム(13)は、弾性変形し、これに対し、第1のフィルムは裂ける。この種の容器チャンバ(4)を圧縮すると、キャリヤ(2)及び中間フィルム(13)にしっかりと結合された第1のフィルム(3)と外側の弾性フィルム(7)との間にはチャネルが形成され、流体は、このチャネルを通ってマイクロフルイディック器具(20)の入口領域に流入することができる。
【0080】
図4a及び図4bに示されている本発明の一実施形態によれば、尖っていないツール、即ち、第1のダイ(15)を備えたマイクロフルイディックプラットホーム(17)が分析器具の可動板に取り付けられ、この可動板は、機械の中で分析器具の回転中心回りに動くことができる。マイクロフルイディック分析器具は、取付け状態の且つ完全に満たされたブリスタパッケージと共にマイクロフルイディック器具(20)内に挿入される。
【0081】
ブリスタパックの下面は、接着層により頂部に設けられている異形アルミニウム複合フィルムに被着された薄い平べったいアルミニウム箔(3)から成っている。分析器械中の機構により、可動板は、これに取り付けられた状態の尖っていないダイツール(15)、特に円錐形ダイと共に器械内のマイクロフルイディックプラットホーム(17)の下面まで回転中心回りに動く。そのようにする際、マイクロフルイディックプラットホーム(17)又はブリスタの下面に被着されている弾性フィルムは、尖っていないツールにより壊れないで弾性変形する。マイクロフルイディックプラットホーム(17)の下面から多少の間隔を置いてその上方に配置されたブリスタパックの薄いアルミニウム箔は、尖っていないツールによって破断され、その結果、容器内に入っている液体は、逃げ出てマイクロフルイディックプラットホーム(17)に達することができるようになっている。
【0082】
マイクロフルイディックプラットホーム(17)又はブリスタの下面に被着されている弾性フィルムが変形するが破断されないので、マイクロフルイディックプラットホーム(17)は、閉鎖且つ密閉状態のままであり、従って、分析器械の汚染の恐れが生じないようになっている。器具内のダイツール(16)により、ブリスタパックの異形頂部をブリスタパックの開放後に制御された仕方で器械によって変形させ、測定中の流体がマイクロフルイディックプラットホーム(17)上に制御された仕方で移送される。
【0083】
図5a〜図5cは、本発明の別の有利な実施形態としての容器(1)を示している。容器は、基体ストリップ(2)内の容器チャンバ(4)を有している。容器(1)は、基体ストリップ(2)の板状平面に向かって開放する。円錐形容器(1)は、平面から突き出ており、ブリスタストリップは、複数個のかかる容器チャンバ(4)又はパウチを有している。中間フィルム(13)が容器(1)又はブリスタストリップのベース平面上に貼り付けられている。
【0084】
中間フィルム(13)は、容器チャンバ(4)の付近に第1の貫流開口部(6)を有し、更に、貫通穴の形態をした第2の貫流開口部(10)が中間フィルム(13)に設けられており、この第2の貫流開口部は、キャリヤストリップ(2)の開口部に隣接して位置している。
【0085】
第2の開口部の上に、密封手段(30)、特に貫流開口部を備えた両面接着シール(30)が設けられており、容器(1)とフルイディック器具の入口領域との間の流体密結合部をシール(30)を介して作ることができるようになっている。
【0086】
第3の取付け部(29)が第1のフィルムを平坦な容器表面に貼り付けることにより形成されている。この積層連結部(29)は、中間フィルム(13)とキャリヤ(2)との間に流体型バリヤ層を形成しており、従って、流体は、第1の貫流開口部(6)及び第2の貫流開口部(10)を通って容器のチャンバの内部(4)内にしか流入することができないようになっている。
【0087】
第1の、好ましくは流体密且つガス密アルミニウム箔(3)が中間フィルムに貼り付けられている。第1の箔又はフィルムも又、第2の貫流開口部(10)の付近に開口部を有し、該開口部は、好ましくは、キャリヤ(2)及び中間フィルム(13)の開口部に隣接して位置している。
【0088】
貼り付け又は積層により、接着層又は溶接部の形態をした第2の取付け部(27)が形成され、この第2の取付け部は、中間フィルム(13)を貫流開口部(6,10)を除き、その表面全体にわたって第1のフィルムに流体密状態で結合している。
【0089】
中間フィルム(13)と容器キャリヤ(2)及び第1のフィルム(3)の積層の代替手段として、両面接着中間フィルム(13)を設けても良い。第2のフィルム(7)が第1のフィルム(3)に貼り付けられ、この貼り付けは、この場合も又第1の貫流開口部(6)を第2の貫流開口部(10)に結合する非取付けチャネル領域(8)を除き、表面全体にわたって実施される。貼り付けにより、第1の取付け部(23)が形成される。図5aで理解できるように、チャネルを形成する中間隙間が作られるのが良く、或いは、外側フィルム(7)は、図5aの記載とは対照的に、第1のフィルム(3)及び第2の貫流開口部(10)に密封的に当たる。
【0090】
第2の弾性フィルム(7)及び第1のフィルム(3)は、圧力を加えると、第1のフィルムが裂け、第2のフィルム(7)が弾性的に且つ/或いは可塑的に変形するようこれらの引張強さが互いに異なっている。
【0091】
第1のフィルム(3)、即ち容器(1)のための密封フィルムを切断するため、第1のダイ(15)、即ち分離ダイを第1の貫流開口部(6)の方向に動かす。分離ダイ(15)は、尖っていないダイ表面を有し、このダイは、これが開口部(6)に入ることができるような寸法のものである。第1のフィルム(3)は、図5bに示されているように裂ける。
【0092】
好ましくは、ブリスタチャンバ(4)は、完全に満杯の状態である。今や分離ダイ(15)を引っ込めた場合、第2のフィルム(7)は、その弾性の結果としてその初期位置にほぼ戻る。
【0093】
別のステップでは、カートリッジ(20)内における容器(1)の使用中、第2のダイ(16)が容器に作用する。カートリッジ(20)によって保持された容器は、加圧ダイ(16)によって圧縮され、流体が容器から押し出される。
【0094】
発生した流体圧力により、非取付け領域(8)における第2のフィルム(7)の拡張が生じ、その結果、流体チャネルが作られ、これを通って容器流体が流出するようになる。
【0095】
容器(1)の外側カバーフィルムとしての第2のフィルム(7)の復元力の結果として、フィルムにより境界付けられたこの流体チャネルの壁は、絞りとして働き、その結果チャネル内での流体の一様な流れが得られる。特に、絞り効果により、乱流が回避されるので気泡の流入が抑制される。好ましい実施形態では、外側弾性カバーフィルム(7)は、両面接着フィルムである。接着フィルム(7)は、一方の接着側が密封フィルム(3)にくっつけられるのが良い。
【0096】
すると、接着フィルム(7)の第2の外側の接着側は、容器(1)又は複数個の容器の場合、ブリスタストリップを透明なマイクロフルイディック器具に取り付け、特にこれをマイクロフルイディックカートリッジに接着し又は溶接するのに役立つ。
【0097】
図6aに記載された別の実施形態では、マイクロフルイディックプラットホーム(17)が凹部を備えた板状基体から成り、これら凹部は、マイクロフルイディックネットワークのための入口開口部(18)を有している。凹部は、基体の第1の側に、例えば頂部に形成され、これら凹部は、容器(1)を部分的に又は全体的に受け入れることができる。フルイディック構造、特にチャネル又はチャンバの形態をした凹部が基体の下面に形成されている。入口開口部(18)は、流体に対して開口した仕方でマイクロフルイディック構造に結合されており、従って、入口開口部(18)に流入した試薬は、マイクロフルイディックネットワーク中に流れるようになっている。
【0098】
チャネル(40)が入口開口部(18)にすぐ隣接して位置している。
【0099】
弾性の第2のカバーフィルム(7)が固定層(27)に沿って基体の下面上に貼り付けられ、それにより、マイクロフルイディック構造を流体密状態で閉鎖している。容器チャンバ(4)を流体密且つガス密状態で封入する第1の密封フィルム(3)を備えた容器(1)が外側フィルム表面を介して凹部内に設けられている。
【0100】
容器のベースを形成する密封フィルムは、第1の取付け層(23)に沿って接着され、入口開口部(18)を流体密状態で頂部から封止している。
【0101】
マイクロフルイディックプラットホーム(17)及びこれに取り付けられた容器(1)により形成されるカートリッジ(22)は、平面(19)に沿って分析器具の入れ物(24)に当接する。入れ物(24)は、入口開口部(18)と位置が合った状態の貫通ボアを有する。分離ダイ(15)がボア内で案内され、この分離ダイは、入口開口部(18)の方向に動く。軟質で弾性の第2のフィルム(7)が入口開口部を通って押し込まれ、遂には、これが第1のフィルムに当たるようになる。第1のフィルムは破断点伸び又は引裂き強さが極めて制限されているので、それ以上の運動により、第1のフィルムが裂ける。
【0102】
移動距離は、図において誇張して示されている。代表的には、チャネル(40)の高さは、10ミクロン〜100ミクロンであり、入口開口部(18)の付近における基体キャリヤの厚さは、10ミクロン〜5mmである。第1のダイ(15)の作動距離の結果として、200ミクロン〜5mmのストロークが生じる。
【0103】
分離ダイの直径は、1mm〜10mmであり、この直径は、入口開口部(18)の直径に対応している。
【0104】
分離ダイは、適当なアクチュエータ、例えば圧電駆動装置によって自動的に動かされるのが良い。有利には、分離ウェッジ(25)が入口開口部の付近で第2のフィルム(7)に設けられるのが良く、その目的は、分離プロセスを助けることにある。この分離ウェッジは、一箇所における力の導入及び密封フィルム(3)の分離に役立つ。分離ウェッジ(25)は、好ましくは、第2のフィルム(7)と同一材料から成り、或いは、変形例として、非弾性材料で作られ、その後、第1のフィルム(3)に取り付けられる。
【0105】
カートリッジ(22)を挿入すると、分離ダイ(15)が引っ込められる。弾性カバーフィルム(7)は、その元の位置をほぼ再びとる。今や、図6cに示されているように加圧ダイ(16)をドーム状容器(1)上に置く。加圧ダイ(16)の直径は、プラットホーム(17)の凹部の直径にほぼ一致しており、従って、加圧ダイを凹部中に下降させることができる。
【0106】
有利には、ダイ(16)は、平べったくした円錐形先端部を有する。球形部分の平べったい頂部は、容器ベース上に載り、容器の内容物を入口開口部(18)からチャネル(40)又はチャネル系中に押し出す。
【0107】
次に、容器壁が折り畳まれる。ダイ(16)の円錐形先端部は、ダイの表面よりも小さなベース面積を有し、従って、折り畳み状態の容器壁は、縁部領域でダイ(16)の外周部に当たって位置するようになる。その結果、容器を大幅に圧縮し、この中に入っている液体をプラットホーム(17)中に完全に追い出すことが可能である。
【0108】
図7aに記載されている別の実施形態では、カートリッジ(22)は、凹部が形成されたキャリヤ基体を備えたマイクロフルイディックプラットホーム(17)、チャネル(40)を密封的に覆う弾性カバーフィルム(7)及び入口開口部(18)を有している。カバーフィルム(7)は、その表面が基体に取り付けられ、特に、この基体上に貼り付けられ、他方、非取付け領域(8)は、基体に設けられた貫流開口部(18)とマイクロフルイディック構造(40)との間の流体結合部をもたらしている。
【0109】
入口開口部(18)は、凹部内で密封フィルム(3)によって覆われ、この密封フィルムは、取付け層(23)、特に接着剤又は溶接ラインによって基体に流体密且つガス密状態で固定的に取り付けられている。
【0110】
凹部内において、柔軟性袋が容器(1)として設けられ、容器のクロージャは、密封フィルムによって形成されている。クロージャは、接着によって密封フィルムが取り付けられたカラー状貫流領域(ここでは示されていない)を有するのが良い。
【0111】
凹部は、弁又は変形例としてガス開口部を備えたカバーによってガス密状態に封止されている。カバーは、例えば基体に溶接されている。すると、ガスを高い圧力下で連結部又は弁(21)中に導入することができる。
【0112】
次に、密封フィルム(3)を上述したように切断した場合、柔軟性袋は、ガス圧力によって圧縮され、この中に入っている流体は、図7bに示されているようにチャネル(40)中に流れる。この実施形態の場合も又、チャネルの長さは、非取付け領域(8)に絞り作用を与える。
【0113】
図8のカートリッジ(22)がポット状キャリヤストリップ(2)から成る容器(1)を有し、このキャリヤストリップ(2)は、第1の取付け平面(23)に沿って内張りアルミニウムフィルムに貼り付けられている。アルミニウム箔(3)の内張り又は貼り付けは、先の作業で実施されており、この作業では、貫流開口部(10)を備えた弾性フィルム(7)の表面全体をチャネル状領域(8)を除きアルミニウム箔に取り付けられる。カートリッジ(22)は、マイクロフルイディックプラットホーム(17)を更に有し、このマイクロフルイディックプラットホームは、流体運搬構造のための入口開口部(18)を有すると共に分離ダイ(15)を案内する開口部を備えている。
【0114】
プラットホーム(17)は、締結層、例えば接着層、溶接連結部又は両面接着ストリップ(29)により容器(1)に取り付けられている。
【0115】
図9に示されている実施形態では、カートリッジ(22)は、容器(1)を有し、この容器は、アルミニウムで作られた密封フィルム(3)により閉鎖され、プラットホーム(17)に設けられた凹部内に挿入されている。
【0116】
容器(1)とプラットホーム(17)は、弾性カバーフィルムにより互いに結合され、カバーフィルム(7)は、プラットホームの入口領域(18)に開口したチャネル(40)を有している。カバーフィルム(7)は、両面が粘着性であり、従って、接着により結合部が作られるようになっている。有利には、容器は、チャネル(40)上に延び、流体の流れについて優先的な方向を定めるチャネル(35)を有している。
【符号の説明】
【0117】
1 容器
2 キャリヤストリップ
3 第1のフィルム
4 容器チャンバ
5 接着層
6 第1の貫流開口部
7 第2のフィルム
8 非取付け領域
9 容器の縁部
10 第2の貫流開口部
11 溶接連結部
12 容器開口部
13 中間フィルム
14 支持体
15 第1のダイ
16 第2のダイ
17 マイクロフルイディックプラットホーム
18 入口開口部
19 支持平面
20 マイクロフルイディック器具
21 弁
22 カートリッジ
23 第1の取付け部
24 入れ物
25 分離部分
27 第2の取付け部
29 第3の取付け部
30 チャネル
35 容器チャネル
40 チャネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬を計量するための流体用容器(1)であって、チャンバ(4)と、前記流体を前記チャンバ(4)内に封入するよう前記チャンバ(4)を密閉する第1のフィルムとを有する容器(1)において、
第2のフィルム(7)が前記第1のフィルム(3)に密封的に被着され、前記フィルムは、圧力を両方のフィルムに同時に加えたとき、前記第1のフィルム(3)が裂け、前記第2のフィルム(7)が弾性的且つ/或いは可塑的に変形するよう前記フィルムの引裂き強さが互いに異なっている、
ことを特徴とする容器(1)。
【請求項2】
前記チャンバ(4)は、キャリヤフィルム(2)に設けられた窪みである、
請求項1記載の容器(1)。
【請求項3】
チャネル(40)が前記チャンバ(4)に隣接して位置し、前記第1のフィルム(3)は、前記チャンバ(4)と前記チャネルとの間の流体分離部を形成している、
請求項1又は2記載の容器(1)。
【請求項4】
前記第1のフィルム(3)は、金属箔である、
請求項1、2又は3記載の容器(1)。
【請求項5】
前記第1のフィルム(3)は、アルミニウム箔である、
請求項4記載の容器(1)。
【請求項6】
前記第1のフィルム(3)は、破断点伸びが50%未満のプラスチックから成る、
請求項1、2又は3記載の容器(1)。
【請求項7】
前記プラスチックフィルム(3)は、前記チャンバの内部寄りに拡散防止層を有する、
請求項6記載の容器(1)。
【請求項8】
前記第1のフィルム(3)は、厚さが5〜100ミクロン、好ましくは15〜100ミクロンである、
請求項4ないし7のいずれか1項に記載の容器(1)。
【請求項9】
前記第2のフィルム(7)は、破断点伸びが300〜2000%、特に300〜700%、特に好ましくは400〜600%の弾性材料から成る、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の容器(1)。
【請求項10】
前記第2のフィルム(7)のフィルム材料は、ゴムである、
請求項9記載の容器(1)。
【請求項11】
前記第2のフィルム(7)のフィルム材料は、次の材料、即ち、
・TPE(熱可塑性エラストマー)
・シリコーン
・ビトン
・PVCのうちの1つである、
請求項9記載の容器(1)。
【請求項12】
前記第1のフィルム(3)と前記チャンバ(4)との間には少なくとも1つの中間フィルム(13)が設けられ、該中間フィルムは、開口部(6)、特に貫通穴(6)を有する、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の容器(1)。
【請求項13】
前記中間フィルム(13)は、プラスチックから成り、その厚さは、50〜1000ミクロンである、
請求項12記載の容器(1)。
【請求項14】
前記チャンバ(4)は、ブリスタパック(2)に設けられた窪みである、
請求項1ないし13のいずれか1項に記載の容器(1)。
【請求項15】
前記チャンバ(4)の壁は、プラスチック及び/又は金属から成る、
請求項14記載の容器(1)。
【請求項16】
前記窪み(4)は、桶形又は楕円形であり、前記チャンバ(4)の前記チャンバ壁の外面を押して変形させることにより圧力を発生させることができる、
請求項14記載の容器(1)。
【請求項17】
変形可能な、特に圧縮可能な前記チャンバ(4)の壁厚は、200〜300ミクロンである、
請求項16記載の容器(1)。
【請求項18】
前記チャンバ(4)の容積は、100〜500マイクロリットル、特に200〜300マイクロリットルである、
請求項17記載の容器(1)。
【請求項19】
前記第2のフィルム(7)は、その表面が前記第1のフィルム(3)に取り付けられ、前記フィルムの非取付け領域がチャネル(40)を形成するようになっている、
請求項3記載の容器(1)。
【請求項20】
前記第1のフィルムは、材料を薄肉化した部分、特に切欠きの形態をした脆弱な箇所を有し、圧力を加えると、前記第1のフィルムは、前記脆弱な箇所のところが優先的に裂けるようになっている、
請求項1ないし19のいずれか1項に記載の容器(1)。
【請求項21】
ブリスタストリップ(2)であって、
請求項1ないし20のいずれか1項に記載のチャンバを複数個備えたブリスタストリップ(2)。
【請求項22】
液体をチャネル内に計量分配するマイクロフルイディックカートリッジ(22)であって、
・貫流開口部(6,10)を備えた板状基体(17)を有し、
・第1のフィルム(3)によって緊密に密閉されたチャンバ(4)を有し、前記第1のフィルム(3)は、前記貫流開口部(6,10)のところに配置され、
・前記貫流開口部(6,10)のところに設けられた第2のフィルム(7)を有し、前記フィルムは、圧力を両方のフィルムに同時に加えたとき、前記第1のフィルム(3)が裂け、前記第2のフィルム(7)が弾性的且つ/或いは可塑的に変形するよう前記フィルムの引裂き強さが互いに異なっている、
ことを特徴とするマイクロフルイディックカートリッジ(22)。
【請求項23】
前記第2のフィルムは、前記基体と協働してチャネルを形成することができる、
請求項22記載のマイクロフルイディックカートリッジ(22)。
【請求項24】
前記貫流開口部(6,10)は、前記チャネル(40)に流体結合されている、
請求項22又は23記載のマイクロフルイディックカートリッジ(22)。
【請求項25】
前記第2のフィルムは、非取付け領域(8)で前記基体に密着し、前記第2のフィルムの前記非取付け領域の拡張の結果として、前記基体と前記フィルムとの間にチャネルが形成可能である、
請求項23記載のマイクロフルイディックカートリッジ(22)。
【請求項26】
前記チャネルは、前記基体(17)及び前記第2のフィルムに設けられた凹部によって形成される、
請求項24記載のマイクロフルイディックカートリッジ(22)。
【請求項27】
前記チャンバ(4)は、前記第1のフィルム(3)により包囲された容器(1)により形成される、
請求項24記載のマイクロフルイディックカートリッジ(22)。
【請求項28】
前記第1のフィルムを備えた前記容器は、その表面が前記基体(2)に取り付けられ、特に、前記基体(2)に接着され又は溶接される、
請求項27記載のマイクロフルイディックカートリッジ(22)。
【請求項29】
前記容器(1)は、前記板状キャリヤに設けられた凹部内に配置される、
請求項27又は28記載のマイクロフルイディックカートリッジ(22)。
【請求項30】
チャネル網が形成された板状基体(17)を有するマイクロフルイディック器具(20)であって、前記基体を容器(1)に対して配置することにより、前記チャネル網中のチャネルの少なくとも1つの受け入れ開口部(18)を前記容器に流体結合することができ、前記容器は、第1のフィルム(3)及び第2のフィルム(7)を有し、前記第1のフィルム(3)は、試薬が前記チャンバ内に収容されるよう前記チャンバ(4)を密閉し、第2のフィルム(7)は、前記第1のフィルム(3)に密封的に被着され、前記フィルムは、圧力を両方のフィルムに同時に加えたとき、前記第1のフィルム(3)が裂け、前記第2のフィルム(7)が弾性的且つ/或いは可塑的に変形するよう前記フィルムの引裂き強さが互いに異なっており、前記流体結合は、前記第1のフィルム(3)を引き裂くことにより実現される、
ことを特徴とするマイクロフルイディック器具(20)。
【請求項31】
前記マイクロフルイディック器具(20)には型押し部材、特に円錐形ピン(15)が取り付けられ、前記型押し部材は、前記フィルム(3,7,13)に対して動くことができ、前記型押し部材(15)を前記フィルム(3,7,13)に押し込むと、毛管チャネルとチャンバ(4)との間に流体結合部が作られる、
請求項30記載のマイクロフルイディック器具(20)。
【請求項32】
前記型押し部材(15)は、レバーアームに取り付けられ、前記型押し部材は、前記レバーアームを回動させることにより動く、
請求項30記載のマイクロフルイディック器具(20)。
【請求項33】
前記マイクロフルイディック器具にはアクチュエータが取り付けられ、前記アクチュエータは、特にモータ駆動によって作動される、
請求項31記載のマイクロフルイディック器具(20)。
【請求項34】
可動ダイ(16)が前記チャンバ(4)に対して配置され、前記ダイ(16)を用いて前記チャンバ壁を変形させることにより、特に、球形チャンバ(4)を圧縮することにより、前記液体が少なくとも1つのチャネル中に計量分配される、
請求項30ないし33のいずれか1項に記載のマイクロフルイディック器具(20)。
【請求項35】
前記受け入れ開口部には密封手段が設けられ、該密封手段は、前記容器から前記受け入れ開口部に至る流体通路を有する、
請求項30ないし33のいずれか1項に記載のマイクロフルイディック器具(20)。
【請求項36】
請求項30ないし34のいずれか1項に記載のマイクロフルイディック器具(20)を有する医学的分析器械であって、前記分析器械は、制御装置及びアクチュエータを有し、試薬の計量分配は、前記アクチュエータの作動により実施される、器械。
【請求項37】
請求項1ないし21のいずれか1項に記載の容器(1)の製造方法であって、半球形チャンバ(4)を備えた容器を塑性変形によりフィルム(2)から作り、前記凹み(4)に液体、特に試薬を充填し、流体密フィルム(3)をブリスタのベース(2)に取り付けて前記容器の内部を流体密状態に且つガス密状態に密閉し、少なくとも1つの弾性の追加の第2のフィルム(7)を前記第1のフィルム(3)に被着させる、方法。
【請求項38】
積層又は内張りにより前記フィルム(3,7,13)を互いに取り付ける、
請求項37記載の容器(1)の製造方法。
【請求項39】
スクラッチし、型押しし又は照射することにより前記フィルム(3)に切欠きの形態の窪みを脆弱箇所として設ける、
請求項37又は38記載の容器(1)の製造方法。
【請求項40】
容器(1)から液体を計量分配する方法であって、可動ピン(15)が所与の力により、外部から容器チャンバの第1の密封フィルム(3)及び第2の密封フィルム(7)に作用し、それにより、外側の前記第2のフィルム(7)が非損傷状態のままで前記第1の流体密フィルム(3)を引裂き、前記第1のフィルム(3)の引裂きにより、前記チャンバ(4)と前記チャンバに隣接して位置するチャネルとの間に流体結合部が作られる、
ことを特徴とする方法。
【請求項41】
前記ピン(15)の運動を作動駆動装置により行わせる、
請求項40記載の方法。
【請求項42】
回転可能に取り付けられたレバーアームを回動させることにより前記ピン(15)を動かす、
請求項40記載の方法。
【請求項43】
前記流体結合の開放後に、前記チャンバ(4)をダイ(16)により圧縮し、前記試薬を前記チャネル中に押し込む、
請求項40記載の方法。
【請求項44】
圧縮中に生じる圧力の結果として、前記チャネルを外部に対して閉鎖する前記フィルム(7,13)をチャネル開口部の付近で拡張させ、このようにして、絞り部として働く弾性開口部を作る、
請求項43記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−524313(P2011−524313A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513905(P2011−513905)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003907
【国際公開番号】WO2009/152952
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(503277020)ベーリンガー インゲルハイム マイクロパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (17)
【氏名又は名称原語表記】Boehringer Ingelheim microParts GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauert 7,D−44227 Dortmund,Germany
【Fターム(参考)】