説明

流体軸受構造及び形状検出装置

【課題】エア軸受構造15を備えた形状検出装置1のランニングコスト及び消費エネルギーを低減すること。
【解決手段】荷重作用領域FAに位置する複数の噴出孔25は、固定軸9の厚み方向TDに対して対応関係にあるロータ11の長手方向の中心11c側に傾斜し、対応関係にあるロータ11の長手方向の中心11cよりも左方側に位置する複数の第1傾斜噴出孔25Aと、対応関係にあるロータ11の長手方向の中心11cよりも右方側に位置する複数の第2傾斜噴出孔25Bとからなり、荷重作用領域FAから外れた領域に位置する複数の噴出孔25Cは、固定軸9の厚み方向TDに平行になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動流体の圧力を利用して円筒状のロータを中空状の固定軸の外周面に対して回転自在に支持するための流体軸受構造等に関する。
【背景技術】
【0002】
圧延材等のシート材を製造する製造ライン上には、シート材の幅方向の張力分布を検出する形状検出装置が配設されており、この形状検出装置は、支持フレームに一体的に設けられかつ水平方向へ延びた中空状の固定軸と、この固定軸に回転可能に設けられかつ走行中のシート材を支持する複数の円筒状のロータとを備えている。そして、形状検出装置は、エアの圧力を利用して複数のロータを固定軸の外周面に対して回転自在に支持するためのエア軸受構造を備えており、このエア軸受構造の具体的な構成等は、次のようになる(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
即ち、固定軸の外周面と複数のロータの内周面の間には、エアのエア膜を生成可能な環状の微小間隙が形成されており、固定軸は、内側に、エア通路を有しており、このエア通路は、エアを供給するエア供給源に接続されている。また、固定軸の外周面には、エアを噴出可能な複数の噴出孔がエア通路に連通するように形成されており、各噴出孔は、固定軸の厚み方向に平行になっている。
【0004】
従って、エア供給源の駆動により固定軸のエア通路にエアを供給することにより、複数の噴出孔からエアを噴出させて、固定軸の外周面と複数のロータの内周面との間にエア膜を生成する。これにより、エアの圧力を利用して複数のロータを固定軸の外周面に対して回転自在に支持することができる。
【0005】
また、複数のロータを固定軸の外周面に対して回転自在に支持した状態の下で、シート材の走行中に、例えば微小間隙における各ロータに対応する部分の上側と下側の差圧を検出し、検出された差圧に基づいてシート材の幅方向の張力分布を演算する。これにより、形状検出装置の運転中に、シート材の平坦度を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−208269号公報
【特許文献2】特開平5−208215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、形状検出装置の運転中に、固定軸の外周方向における一部の領域にはシート材からラジアル負荷加重が複数のロータを介して作用している。一方、ラジアル負荷加重が前記一部の領域に作用した状態においても、エア軸受構造に安定した支持性能を発揮させるには、エアの消費流量を増大して、エアの圧力による支持剛性を十分に高くする必要がある。そのため、エア軸受構造を備えた形状検出装置のランニングコスト及び消費エネルギーが増大するという問題がある。
【0008】
なお、前述の問題は、形状検出装置に用いられるエア軸受構造だけでなく、固定軸の外周方向における一部の領域にラジアル負荷荷重が作用する他の流体軸受構造等においても同様に生じるものである。
【0009】
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成の流体軸受等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の特徴は、作動流体の圧力を利用して円筒状のロータを中空状の固定軸の外周面に対して回転自在に支持するための流体軸受構造において、前記固定軸の外周面と前記ロータの内周面の間に前記作動流体の流体膜を生成可能な環状の微小間隙が形成され、前記固定軸は内側に前記作動流体を供給する作動流体供給源に接続した流体通路を有し、前記固定軸の外周面に前記作動流体を噴出可能な複数の噴出孔が前記流体通路に連通するように形成されてあって、前記固定軸の外周方向におけるラジアル負荷荷重の作用する荷重作用領域の前記作動流体の圧力による支持剛性は、前記固定軸の外周方向における前記荷重作用領域から外れた領域の前記作動流体の圧力による支持剛性よりも高くなっていることを要旨とする。
【0011】
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲の記載において、「作動流体」とは、エア等の気体、及び油等の液体を含む意であって、「流体膜」は、エア膜等の気体膜、及び油膜等の液体膜を含む意である。また、「流体軸受構造」とは、エア軸受構造等の気体軸受構造、及び液体軸受構造を含む意であって、「流体流路」とは、エア流路等の気体流路、及び油流路等の液体流路を含む意である。
【0012】
第1の特徴によると、前記流体供給源の駆動により前記固定軸の前記流体通路に前記作動流体を供給することにより、複数の前記噴出孔から前記作動流体を噴出させて、前記固定軸の外周面と前記ロータの内周面との間に前記流体膜を生成する。これにより、前記作動流体の圧力を利用して前記ロータを前記固定軸の外周面に対して回転自在に支持することができる。
【0013】
前述の作用の他に、前記荷重作用領域の前記作動流体の圧力による支持剛性が前記外れた領域の前記作動流体の圧力による支持剛性よりも高くなっているため、換言すれば、前記荷重作用領域の前記作動流体の圧力による支持剛性を十分に確保しつつ、前記外れた領域の前記作動流体の圧力による支持剛性を低くできるため、ラジアル負荷荷重が前記荷重作用領域に作用した状態にあっても、前記流体軸受構造に安定した支持性能を発揮させつつ、作動流体の消費量を全体として低減することができる。
【0014】
本発明の第2の特徴は、作動流体の圧力を利用してロータ軸を円筒状の固定部材の内周面に対して回転自在に支持するための流体軸受構造において、前記固定部材の内周面と前記ロータ軸の外周面の間に前記作動流体の流体膜を生成可能な環状の微小間隙が形成され、前記固定部材に前記作動流体を供給する作動流体供給源に接続した流体通路が形成され、前記固定部材の内周面に前記作動流体を噴出可能な複数の噴出孔が前記流体通路に連通するように形成されてあって、前記固定部材の内周方向におけるラジアル負荷荷重の作用する荷重作用領域の前記作動流体の圧力による支持剛性は、前記固定部材の内周方向における前記荷重作用領域から外れた領域の前記作動流体の圧力による支持剛性よりも高くなっていることを要旨とする。
【0015】
第2の特徴によると、前記流体供給源の駆動により前記固定部材の前記流体通路に前記作動流体を供給することにより、複数の前記噴出孔から前記作動流体を噴出させて、前記固定部材の内周面と前記ロータ軸の外周面との間に前記流体膜を生成する。これにより、前記作動流体の圧力を利用して前記ロータ軸を前記固定部材の内周面に対して回転自在に支持することができる。
【0016】
前述の作用の他に、前記荷重作用領域の前記作動流体の圧力による支持剛性が前記外れた領域の前記作動流体の圧力による支持剛性よりも高くなっているため、換言すれば、前記荷重作用領域の前記作動流体の圧力による支持剛性を十分に確保しつつ、前記外れた領域の前記作動流体の圧力による支持剛性を低くできるため、ラジアル負荷荷重が前記荷重作用領域に作用した状態であっても、前記流体軸受構造に安定した支持性能を発揮させつつ、作動流体の消費量を全体として低減することができる。
【0017】
本発明の第3の特徴は、シート材の幅方向の張力分布を検出する形状検出装置において、第1の特徴からなる流体軸受構造を用いたこと要旨とする。
【0018】
第3の特徴によると、第1の特徴による作用と同様の作用を奏する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ラジアル負荷荷重が前記荷重作用領域に作用した状態であっても、前記流体軸受構造に安定した支持性能を発揮させつつ、作動流体の消費量を全体として低減できるため、前記流体軸受構造を備えた前記形状検出装置等の装置のランニングコスト及び消費エネルギーを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る形状検出装置を示す部分断面図である。
【図2】図3におけるII-II線に沿った断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る形状検出装置を示す正面図であって、一部を省略してある。
【図4】本発明の第1実施形態に係る形状検出装置の変形例を示す部分断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る形状検出装置の変形例を示す部分断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るエア軸受構造を示す断面図である。
【図7】図6におけるVII-VII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
本発明の実施形態について図1から図3を参照して説明する。なお、図面中、「FF」は、前方向、「FR」は、後方向、「L」は、左方向、「R」は、右方向をそれぞれ指している。
【0022】
図2及び図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る形状検出装置1は、圧延材等のシート材Sを製造する製造ライン上に配設されてあって、シート材Sの幅方向の張力分布を検出する装置である。また、形状検出装置1は、装置フレーム3を備えており、この装置フレーム3は、左右方向へ延びた支持台5と、この支持台5の上面に左右方向に離隔して設けられた一対の側板7等とからなっている。
【0023】
一対の側板7の間には、左右方向(水平方向の一例)へ延びた中空状の固定軸9が一体的に設けられており、この固定軸(共通の固定軸)9には、走行中のシート材Sを支持する複数の円筒状のロータ11が回転可能に設けられている。また、隣接関係にあるロータ11の間、及び隣接関係にある側板7とロータ11の間には、それぞれ、複数のストラストパッド13が周方向に間隔を置いて設けられている。
【0024】
形状検出装置1は、エアの圧力を利用して複数のロータ11を固定軸9の外周面に対して回転自在に支持するためのエア軸受構造15を備えており、このエア軸受構造15の具体的な構成は、次のようになる。
【0025】
固定軸9の外周面と複数のロータ11の内周面の間には、エアのエア膜を生成可能な環状の微小間隙17が形成されており、この微小間隙は、左右方向へ延びている。また、固定軸9は、内側に、エア通路19を有しており、このエア通路19は、エアを供給するエアコンプレッサ等のエア供給源21にエア配管23を介して接続されている。更に、固定軸9の外周面には、エアを噴出可能な複数の噴出孔25がエア通路19に連通するように形成されており、各噴出孔25の出口側には、凹部27が形成されている。
【0026】
図1及び図2に示すように、固定軸9の外周方向におけるラジアル負荷荷重RLの作用する荷重作用領域FAのエアの圧力による支持剛性は、荷重作用領域FAから外れた領域のエアの圧力による支持剛性よりも高くなっている。ここで、本発明の第1実施形態にあって、ラジアル負荷荷重RLとは、シート材Sから複数のロータ11を介して作用するラジアル方向の負荷荷重のことであって、荷重作用領域FAは、固定軸9の外周方向における上側半分の領域のことをいう。
【0027】
具体的には、荷重作用領域FAに位置する複数の噴出孔25(25A,25B)は、固定軸9の厚み方向TDに対して対応関係にあるロータ11の長手方向(左右方向)の中心11c側に傾斜してあって、対応関係にあるロータ11の長手方向の中心11cよりも左方側(一方側)に位置する複数の第1傾斜噴出孔25(25A)と、対応関係にあるロータ11の長手方向の中心11cよりも右方側(他方側)に位置する複数の第2傾斜噴出孔25(25B)とからなっている。そして、荷重作用領域FAから外れた領域に位置する複数の噴出孔25(25C)は、固定軸9の厚み方向TDに平行になっている。
【0028】
なお、荷重作用領域FAに位置する複数の噴出孔25を複数の第1傾斜噴出孔25Aと複数の第2傾斜噴出孔25Bとからなるようにする代わりに、図4に示すように、荷重作用領域FAに位置する複数の噴出孔25(25D)の形成密度(配置密度)を、荷重作用領域FAから外れた領域に位置する複数の噴出孔25(25C)の形成密度よりも高くしたり、図5に示すように、荷重作用領域FAに位置する各噴出孔25(25E)の開口面積を、荷重作用領域FAから外れた領域に位置する各噴出孔25(25C)の開口面積よりも大きくしたりしても構わない。
【0029】
図2に示すように、微小間隙17における各ロータ11に対応する部分の上側と下側の差圧を検出するため、各ロータ11の上側部分及び下側部分には、圧力検出管29が設けられており、各圧力検出管29は、差圧検出器(図示省略)に電気的に接続されている。なお、差圧検出器は、形状検出装置1のコントローラ(図示省略)に電気的に接続されている。
【0030】
続いて、本発明の第1実施形態の作用及び効果について説明する。
【0031】
エア供給源21の駆動により固定軸9のエア通路19にエアを供給することにより、複数の噴出孔25からエアを噴出させて、固定軸9の外周面と複数のロータ11の内周面との間にエア膜を生成する。これにより、エアの圧力を利用して複数のロータ11を固定軸9の外周面に対して回転自在に支持することができる。
【0032】
また、複数のロータ11を固定軸9の外周面に対して回転自在に支持した状態の下で、シート材Sの走行中に、差圧検出器によって微小間隙17における各ロータ11に対応する部分の上側と下側の差圧を検出する。そして、形状検出装置1のコントローラによって微小間隙17における各ロータ11に対応する部分の上側と下側の差圧に基づいてシート材Sの幅方向の張力分布を演算する。これにより、形状検出装置1の運転中に、シート材Sの平坦度を検出することができる。
【0033】
前述の作用の他に、荷重作用領域FAのエアの圧力による支持剛性が荷重作用領域FAから外れた領域のエアの圧力による支持剛性よりも高くなっているため、換言すれば、荷重作用領域FAのエアの圧力による支持剛性を十分に確保しつつ、荷重作用領域FAから外れた領域のエアの圧力による支持剛性を低くできるため、形状検出装置1の運転によってラジアル負荷荷重RLが荷重作用領域FAに作用した状態にあっても、エア軸受構造15に安定した支持性能を発揮させつつ、エアの消費量を全体として低減することができる。
【0034】
よって、本発明の第1実施形態によれば、ラジアル負荷荷重RLが荷重作用領域FAに作用した状態にあっても、エア軸受構造15に安定した支持性能を発揮させつつ、エアの消費量を全体として低減できるため、エア軸受構造15を備えた形状検出装置1のランニングコスト及び消費エネルギーを低減することができる。
【0035】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図6及び図7を参照して説明する。なお、図面中、「FF」は、前方向、「FR」は、後方向、「L」は、左方向、「R」は、右方向をそれぞれ指している。
【0036】
図6及び図7に示すように、本発明の第2実施形態に係るエア軸受構造31は、
エアの圧力を利用してロータ軸33を円筒状の固定部材35の内周面に対して回転自在に支持するための構造であって、エア軸受構造31の具体的な内容は、以下のようになる。なお、固定部材35は、支持フレーム37に複数の支柱39を介して固定されている。
【0037】
固定部材35の内周面とロータ軸33の外周面の間には、エアのエア膜を生成可能な環状の微小間隙41が形成されており、この微小間隙41は、左右方向へ延びている。また、固定部材35には、エア通路43が形成されており、このエア通路43は、エアを供給するエアコンプレッサ等のエア供給源45にエア配管47を介して接続してある。更に、固定部材35の内周面には、エアを噴出可能な複数の噴出孔49がエア通路43に連通するように形成されている。
【0038】
固定部材35の内周方向におけるラジアル負荷荷重RLの作用する荷重作用領域FAのエアの圧力による支持剛性は、固定部材35の内周方向における荷重作用領域FAから外れた領域のエアの圧力による支持剛性よりも高くなっている。ここで、本発明の第2実施形態にあって、ラジアル負荷荷重RLとは、ロータ軸33を介して作用するラジアル方向の負荷荷重のことであって、荷重作用領域FAは、固定部材35の内周方向における下側半分の領域のことをいう。
【0039】
具体的には、荷重作用領域FAに位置する複数の噴出孔49(49A,49B)は、固定部材35の厚み方向TDに対して固定部材35の長手方向(左右方向)の中心35c側に傾斜してあって、固定部材35の長手方向の中心35cよりも左方側(一方側)に位置する複数の第1傾斜噴出孔49(49A)と、固定部材35の長手方向の中心35cよりも右方側(他方側)に位置する複数(1つのみ図示)の第2傾斜噴出孔49(49B)とからなっている。そして、荷重作用領域FAから外れた領域に位置する複数の噴射孔49(49C)は、固定部材35の厚み方向TDに平行になっている。
【0040】
なお、荷重作用領域FAに位置する複数の噴出孔49を複数の第1傾斜噴出孔49Aと複数の第2傾斜噴出孔49Bとからなるようにする代わりに、荷重作用領域FAのエアの圧力による支持剛性が荷重作用領域FAから外れた領域のエアの圧力による支持剛性よりも高くなるように、荷重作用領域FAに位置する複数の噴出孔49の形成密度(配置密度)を、荷重作用領域FAから外れた領域に位置する複数の噴出孔49の形成密度よりも高くしたり、荷重作用領域FAに位置する各噴出孔49の開口面積を、荷重作用領域FAから外れた領域に位置する各噴出孔49の開口面積よりも大きくしたりしても構わない。
【0041】
続いて、本発明の第2実施形態の作用及び効果について説明する。
【0042】
エア供給源45の駆動により固定部材35のエア通路43にエアを供給することにより、複数の噴出孔49からエアを噴出させて、固定部材35の内周面とロータ軸33の外周面との間にエア膜を生成する。これにより、エアの圧力を利用してロータ軸33を固定部材35の内周面に対して回転自在に支持することができる。
【0043】
前述の作用の他に、荷重作用領域FAのエアの圧力による支持剛性が荷重作用領域FAから外れた領域のエアの圧力による支持剛性よりも高くなっているため、換言すれば、荷重作用領域FAのエアの圧力による支持剛性を十分に確保しつつ、荷重作用領域FAから外れた領域のエアの圧力による支持剛性を低くできるため、ラジアル負荷荷重RLが荷重作用領域FAに作用した状態であっても、エア軸受構造31に安定した支持性能を発揮させつつ、エアの消費量を全体として低減することができる。
【0044】
従って、本発明の第2実施形態によれば、ラジアル負荷荷重RLが荷重作用領域FAに作用した状態であっても、エア軸受構造31に安定した支持性能を発揮させつつ、エアの消費量を全体として低減できるため、エア軸受構造31を備えた装置のランニングコスト及び消費エネルギーを低減することができる。
【0045】
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限るものでなく、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
【符号の説明】
【0046】
FA 荷重作用領域
RL ラジアル負荷荷重
S シート材
TD 厚み方向
1 形状検出装置
3 装置フレーム
5 支持台
7 側板
9 固定軸
11 ロータ
11c ロータの中心
15 エア軸受構造
17 微小間隙
19 エア通路
21 エア供給源
25 噴出孔
25A 第1傾斜噴出孔
25B 第2傾斜噴出孔
25C 噴射孔
29 圧力検出管
31 エア軸受構造
33 ロータ軸
35 固定部材
35c 固定部材の中心
41 微小間隙
43 エア通路
45 エア供給源
49 噴出孔
49A 第1傾斜噴出孔
49B 第2傾斜噴出孔
49C 噴射孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動流体の圧力を利用して円筒状のロータを中空状の固定軸の外周面に対して回転自在に支持するための流体軸受構造において、
前記固定軸の外周面と前記ロータの内周面の間に前記作動流体の流体膜を生成可能な環状の微小間隙が形成され、前記固定軸は内側に前記作動流体を供給する作動流体供給源に接続した流体通路を有し、前記固定軸の外周面に前記作動流体を噴出可能な複数の噴出孔が前記流体通路に連通するように形成されてあって、
前記固定軸の外周方向におけるラジアル負荷荷重の作用する荷重作用領域の前記作動流体の圧力による支持剛性は、前記固定軸の外周方向における前記荷重作用領域から外れた領域の前記作動流体の圧力による支持剛性よりも高くなっていることを特徴とする流体軸受構造。
【請求項2】
前記荷重作用領域に位置する複数の前記噴出孔は、前記固定軸の厚み方向に対して前記ロータの長手方向の中心側に傾斜してあって、前記ロータの長手方向の中心よりも一方側に位置する複数の第1傾斜噴出孔と、前記ロータの長手方向の中心よりも他方側に位置する複数の第2傾斜噴出孔とからなっており、
前記外れた領域に位置する複数の前記噴出孔は、前記固定軸の厚み方向に平行になっていることを特徴とする請求項1に記載の流体軸受構造。
【請求項3】
前記荷重作用領域に位置する複数の前記噴出孔の形成密度は、前記外れた領域に位置する複数の噴出孔の形成密度よりも高くなっていることを特徴とする請求項1に記載の流体軸受構造。
【請求項4】
前記荷重作用領域に位置する各噴出孔の開口面積は、前記外れた領域に位置する各噴出孔の開口面積よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の流体軸受構造。
【請求項5】
作動流体の圧力を利用してロータ軸を円筒状の固定部材の内周面に対して回転自在に支持するための流体軸受構造において、
前記固定部材の内周面と前記ロータ軸の外周面の間に前記作動流体の流体膜を生成可能な環状の微小間隙が形成され、前記固定部材に前記作動流体を供給する作動流体供給源に接続した流体通路が形成され、前記固定部材の内周面に前記作動流体を噴出可能な複数の噴出孔が前記流体通路に連通するように形成されてあって、
前記固定部材の内周方向におけるラジアル負荷荷重の作用する荷重作用領域の前記作動流体の圧力による支持剛性は、前記固定部材の内周方向における前記荷重作用領域から外れた領域の前記作動流体の圧力による支持剛性よりも高くなっていることを特徴とする流体軸受構造。
【請求項6】
前記荷重作用領域に位置する複数の前記噴出孔は、前記固定部材の厚み方向に対して前記固定部材の長手方向の中心側に傾斜してあって、前記固定部材の長手方向の中心よりも一方側に位置する複数の第1傾斜噴出孔と、前記固定部材の長手方向の中心よりも他方側に位置する複数の第2傾斜噴出孔とからなっており、
前記外れた領域に位置する複数の前記噴出孔は、前記固定部材の厚み方向に平行になっていることを特徴とする請求項5に記載の流体軸受構造。
【請求項7】
前記荷重作用領域に位置する複数の前記噴出孔の形成密度は、前記外れた領域に位置する複数の噴出孔の形成密度よりも高くなっていることを特徴とする請求項5に記載の流体軸受構造。
【請求項8】
前記荷重作用領域に位置する各噴出孔の開口面積は、前記外れた領域に位置する各噴出孔の開口面積よりも大きくなっていることを特徴とする請求項5に記載の流体軸受構造。
【請求項9】
シート材の幅方向の張力分布を検出する形状検出装置において、
請求項1から請求項4のうちのいずれかの請求項に記載の流体軸受構造を用いたことを特徴とする形状検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−185284(P2011−185284A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47778(P2010−47778)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(506395264)IHIメタルテック株式会社 (25)
【Fターム(参考)】