説明

流動層ガス化方法及び装置

【課題】流動層ガス化炉を、有機物原料が供給されて熱分解反応によりタールを含む熱分解ガスを生成する室と、熱分解反応によって生成した熱分解残渣を導入してガス化ガスを生成する室とに分けることによって、良質のガス化ガスの生成が高められるようにする。
【解決手段】流動層ガス化炉2を第1室31と第2室32とで構成し、第1室31に有機物原料Mを供給するようにし、第1室31で有機物原料Mを熱分解反応させて熱分解ガス55を生成し、第1室31で有機物原料Mが熱分解反応して生成した熱分解残渣M’は第2室32の流動層16の内部に導入してガス化反応によりガス化ガス35を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機物原料をガス化する流動層ガス化方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
流動層燃焼炉及び流動層ガス化炉を備え、流動層ガス化炉でバイオマス、石炭等の有機物原料のガス化を行い、流動層ガス化炉で生成したチャーを流動層燃焼炉で燃焼させて流動媒体を加熱し、加熱した流動媒体を前記流動層ガス化炉に戻す流動層ガス化装置が提案されている(特許文献1等参照)。
【0003】
図11は上記特許文献1の流動層ガス化装置を示したもので、図中1は、流動層ガス化炉2で有機物原料Mをガス化した際に生成するチャー(ガス化未反応残渣)と流動媒体とを下部に導入するようにした流動層燃焼炉であり、該流動層燃焼炉1は、下部の風箱3に空気管4により供給される空気でチャーと流動媒体を高速で流動化させつつ上昇する間にチャーを燃焼させて流動媒体を加熱する。5は流動層燃焼炉1の流動層に補助燃料を供給する補助燃料管、6は流動層燃焼炉1内上部に設けた熱回収用の熱交換器である。
【0004】
流動層燃焼炉1の上部は移送管7を介してサイクロンからなる分離器8に接続されており、該分離器8は外筒9と内筒10からなり、移送管7から外筒9内に接線方向に導入された未燃チャーと流動媒体を含む排ガスは遠心分離され、排ガス及び粒径の細かい灰分は内筒10から排出され、粒径の粗い未燃チャーと流動媒体11は、外筒9に接続した降下管12により下部の流動層ガス化炉2に供給されるようになっている。
【0005】
流動層ガス化炉2は、分離器8で分離された流動媒体11を導入する導入部13と、原料供給ライン14から供給された有機物原料Mを流動媒体11の熱でガス化するガス化部15と、導入部13とガス化部15とを流動層16内で連通して導入部13からガス化部15へ流動媒体11を移送させる連通部17と、導入部13、連通部17及びガス化部15の下部に渡って形成されたボックス部18とからなり、そのボックス部18に水蒸気供給ライン19を介してガス化剤としての水蒸気を供給することにより流動層16を形成している。尚、図11において導入部13とガス化部15を連通部17で分けているのは、ガス化部15内で有機物原料Mがガス化されることによる圧力の上昇によって、流動層ガス化炉2内の流動媒体11が分離器8に逆流するのを防止するためである。
【0006】
ガス化部15では流動層16により有機物原料が加熱されて水分(水蒸気)が除去されると共に、熱分解反応(メタンCH、タール等の炭化水素CHを含む成分、その他一酸化炭素CO、二酸化炭素CO、水素H等の熱分解ガスの生成)と、ガス化反応(水蒸気ガス化の場合は一酸化炭素CO、水素Hが主成分のガス化ガスの生成)とが混在して起こっており、生成ガス20は、排出管21により回収器22に導かれて生成ガス20中に同伴した微粉末23が除去された後、内管24から導出され、例えば、加圧された後ガスタービン等に供給される。
【0007】
又、ガス化部15でガス化されなかったチャーと流動媒体の一部は、オーバーフロー管25から流動層燃焼炉1に循環され、再度流動燃焼されるようになっている。
【特許文献1】特開2005−41959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の流動層ガス化装置においては、図11に示すように流動層ガス化炉2のガス化部15に有機物原料Mを供給して流動加熱によりガス化するようにしているため、有機物原料Mはしばらくガス化部15の流動層16上に滞留して熱分解反応とガス化反応とが同時進行するが、ガス化部15で生成する生成ガスは直ちに流動層16上部の気相に放出されることになるため、この生成ガス20は流動層16内部の流動媒体11との接触による熱履歴を更に受けることがない。尚、有機物原料Mをガス化する初期には多量のタールが発生するが、このタールも流動媒体11による熱履歴を受けることがないために、分解されることなく生成ガス20と共に排出管21から排出されることになる。
【0009】
ここで、有機物原料の熱分解反応によって発生するタールは、水性ガス化反応(炭素+水蒸気→一酸化炭素+水素)を阻害する作用があるとの研究報告がある(林ら.Fuel.2005;Volume84:p1612)。
【0010】
このように、ガス化部15において多量のタールが発生することにより、ガス化反応が阻害されるために反応の進行が遅くなってガス生成量が減少することになり、反応時間を長く保持してガス生成量を高めるためにはガス化部15、延いては流動層ガス化炉2の容積を大型化する必要があるという問題がある。
【0011】
更に、ガス化部15で発生するタールがガス化されずに排出されてしまうことから、ガス化部15でのガス化率が更に低下すると共に、回収器22から取り出される生成ガス20をタール除去装置に導いてタールを除去するためのタール除去装置の負荷が増大するという問題がある。
【0012】
一方、上記タールの発生を減少させる方法の1つとしては、有機物原料Mをスクリューフィーダ等を用いて流動層16の内部に直接供給することが考えられる。この方法によれば、有機物原料Mと流動媒体との接触が高められるためタールが分解され、よってタールが排出されることによる問題を低減できる効果が期待できる。しかし、このようにスクリューフィーダにて有機物原料Mを流動層16の内部に直接供給するようにした場合には、スクリューフィーダ内で原料の熱分解が起こり、又水蒸気の流入・凝縮によって原料がスクリューフィーダ内で固化する問題があり、このためにスクリューフィーダを安定して運転できないという問題がある。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、流動層ガス化炉を、有機物原料が供給されて熱分解反応によりタールを含む熱分解ガスを生成する室と、熱分解反応によって生成した熱分解残渣を導入してガス化ガスを生成する室とに分けることによって、良質のガス化ガスの生成が高められるようにした流動層ガス化方法及び装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、有機物原料のガス化時に生成したチャーと流動媒体とを流動層燃焼炉に導入して流動させつつチャーを燃焼させて流動媒体を加熱し、流動層燃焼炉からの流動媒体を分離器により分離し、分離した流動媒体を流動層ガス化炉に導入して流動層を形成し、流動層ガス化炉に有機物原料を供給して有機物原料のガス化により生成する生成ガスを取り出すと共に、有機物原料のガス化時に生成したチャーと流動媒体の一部を流動層燃焼炉に循環するようにしている流動層ガス化方法であって、
流動層ガス化炉を第1室と第2室とで構成し、第1室に有機物原料を供給して熱分解反応により熱分解ガスを生成し、第1室で有機物原料が熱分解反応して生成した熱分解残渣を前記第2室の流動層の内部に導入してガス化反応によりガス化ガスを生成することを特徴とする流動層ガス化方法である。
【0015】
請求項2の発明は、第1室で有機物原料が熱分解反応して生成した熱分解ガスを流動層燃焼炉に供給して流動媒体の加熱に供することを特徴とする請求項1に記載の流動層ガス化方法である。
【0016】
請求項3の発明は、第1室で生成した熱分解ガスの取り出し量を調節して第1室の圧力を制御することにより熱分解残渣を第2室に導入することを特徴とする請求項1又は2に記載の流動層ガス化方法である。
【0017】
請求項4の発明は、有機物原料の単位量を流動加熱した際に生成する炭化水素CH含有成分の生成量を計測する試験を予め行ってCH基準値を求めておき、第1室での熱分解反応により生成する炭化水素成分の生成量を計測してCH計測値を得ると共に、第1室に供給する有機物原料の供給量を計測して原料供給量を得、前記CH計測値が、原料供給量とCH基準値から求められるCH予測値に一致することを第1室での熱分解反応の終了の指標とし、CH計測値がCH予測値に一致するように第1室の圧力を制御して熱分解残渣を第2室に導入することを特徴とする請求項3に記載の流動層ガス化方法である。
【0018】
請求項5の発明は、分離器からの流動媒体を第1室と第2室とに分配して供給し、第1室に供給する流動媒体の供給量を調節することにより第1室の温度を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の流動層ガス化方法である。
【0019】
請求項6の発明は、第2室でのガス化反応により生成するタールを計測し、タール計測値がタール設定値と一致することを第1室での熱分解反応の終了の指標とし、タール計測値がタール設定値に一致するように第1室の温度を制御することを特徴とする請求項5に記載の流動層ガス化方法である。
【0020】
請求項7の発明は、有機物原料のガス化時に生成したチャーと流動媒体とを流動層燃焼炉に導入して流動させつつチャーを燃焼させて流動媒体を加熱し、流動層燃焼炉からの流動媒体を分離器により分離し、分離した流動媒体を流動層ガス化炉に導入して流動層を形成し、流動層ガス化炉に有機物原料を供給し、有機物原料のガス化により生成する生成ガスを取り出すと共に、有機物原料のガス化時に生成したチャーと流動媒体の一部を流動層燃焼炉に循環するようにしている流動層ガス化装置であって、
流動層ガス化炉を、原料供給装置を備えて有機物原料の熱分解反応を行う第1室と、第1室で有機物原料の熱分解反応により生成した熱分解残渣を流動層の内部に導入してガス化反応を行う第2室とで構成し、第1室の温度を制御する温度制御手段と、第1室で生成した熱分解ガスの取り出しを調節することにより第1室の圧力を制御する圧力制御手段を備えたことを特徴とする流動層ガス化装置である。
【0021】
請求項8の発明は、第1室で有機物原料が熱分解反応して生成した熱分解ガスを流動層燃焼炉に供給する熱分解ガス管を備えたことを特徴とする請求項7に記載の流動層ガス化装置である。
【0022】
請求項9の発明は、原料供給装置は、第1室の流動層の上部空間に有機物原料を供給するよう設けられたことを特徴とする請求項7又は8に記載の流動層ガス化装置である。
【0023】
請求項10の発明は、温度制御手段は、分離器からの流動媒体を第1室と第2室とに分配して供給する分配装置と、第1室内の温度を計測する温度計と、該温度計の検出温度が設定温度になるように前記分配装置により第1室と第2室とに供給する流動媒体の供給量を制御する流動媒体制御器とからなることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の流動層ガス化装置である。
【0024】
請求項11の発明は、圧力制御手段は、第1室で生成した熱分解ガスの取り出し量を調節するガス取出量制御器であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の流動層ガス化装置である。
【0025】
請求項12の発明は、第1室での熱分解反応により生成する炭化水素CH含有成分の生成量を計測するCH計測器からのCH計測値と、原料供給装置により第1室に供給する有機物原料の供給量を計測する原料供給量検出器からの原料供給量と、予め有機物原料の単位量を流動加熱した際に生成する炭化水素成分の生成量を求めておいたCH基準値とを入力し、前記CH計測値が、CH基準値と原料供給量から求められるCH予測値に一致するように圧力制御手段による圧力を補正するCH補正器を備えたことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1つに記載の流動層ガス化装置である。
【0026】
請求項13の発明は、第2室でのガス化反応により発生するタールの発生量を計測するタール計測器と、該タール計測器からのタール計測値を入力し該タール計測値がタール設定値になるように温度制御手段による温度を補正するタール補正器とを備えたことを特徴とする請求項7〜12のいずれか1つに記載の流動層ガス化装置である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の請求項1〜13に記載の流動層ガス化方法及び装置によれば、第1室に有機物原料を供給して有機物原料の熱分解反応により熱分解ガスを生成し、この時、第1室で生成した熱分解ガスの取り出し量を調節して第1室の圧力を制御することによって熱分解反応で生成した熱分解残渣を第2室の流動層の内部に導入して、第2室でのガス化反応によりガス化ガスを生成させるようにしたので、第1室で熱分解反応が終了した後の熱分解残渣を第2室に導入することによって第2室でのタールの発生が極力抑えられ、よって第2室でのガス化反応が効果的に高められてガス化ガスの生成量を増加できる効果があり、これにより、第2室、延いては流動層ガス化炉を小型化できる効果がある。
【0028】
更に、第1室で生成した熱分解ガスを流動層燃焼炉に供給して流動媒体の加熱に供するようにしたので、従来のように流動層燃焼炉におけるチャー(ガス化未反応残渣)の燃焼熱のみで流動媒体を加熱昇温している場合に比して、熱分解ガスの燃焼熱が加えられる分流動層燃焼炉でのチャーの燃焼量は少なくて済み、よって、燃焼減少分を見込んで流動層ガス化炉でのガス化量を増加できるため、ガス化ガスの生成量が増大するという効果がある。
【0029】
又、第2室で熱分解残渣をガス化することにより生成されるガス化ガスは従来に比べてタールやメタンCH等が少なく、一酸化炭素CO、水素Hの割合が多くなるため、ガス化ガスの化学原料や液体燃料の合成用ガスとしての利用価値が高い良質のガス化ガスを生成できる効果がある。
【0030】
又、ガス化ガスに含有されるタールが減少するため、タールを除去するための後処理の負荷も低減できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0032】
図1は本発明を実施する形態の一例を示すフローチャートであり、基本的な構成は図11のものと略同様であり、図11と同一の部分には同じ符号を付して説明は省略し、以下では本発明の特徴部分についてのみ詳述する。
【0033】
図1、図2に示すように、内部に流動層16が形成される流動層ガス化炉2は、内側上部から流動層16内部に亘って延設した分離壁30によって第1室31と第2室32とに区画している。この時、流動層ガス化炉2の下部に水蒸気、空気等のガス化剤を導入するボックス部18と前記分離壁30の下端との間には、流動層16内部を通して第1室31と第2室32とを連通するようにした連通部33を形成している。
【0034】
前記第1室31には流動層16上部の空間に有機物原料Mを供給するためのスクリューフィーダ等の原料供給装置34を設ける。
【0035】
上記構成において、原料供給装置34により第1室31に供給された有機物原料Mは、第1室31内の流動層16の流動媒体により加熱されて水分が除去され、更に熱分解反応が行われてメタンCH、タール等の炭化水素CHを含む成分が生成すると共に、その他一酸化炭素CO、二酸化炭素CO、水素H等を含む熱分解ガスが生成されるようにしている。
【0036】
更に、第1室31において有機物原料Mの熱分解反応時に生成する熱分解残渣M'は、白抜き矢印で示すように前記分離壁30下部の連通部33を潜るように流動層16内部を通って第2室32に導かれ、第2室32の流動層16による加熱によりガス化反応がわれ、ガス化剤が水蒸気の場合には一酸化炭素CO、水素Hを主成分とするガス化ガスが生成されるようにしている。この時、第2室32で生成したガス化ガス35はガス化ガス管36により取出され、サイクロン等からなる固形分除去装置37に導かれて固形分が除去された後、ガス処理装置38を介してガス化ガス取出ファン39に導かれるようになっている。
【0037】
尚、前記第1室31と第2室32は、前記したように流動層ガス化炉2内に分離壁30を設けることによって形成する以外の方法によっても形成することができる。例えば、図3に示すように、別体に構成した第1室31と第2室32を流動層16内の下部位置で連通路40により接続し、第1室31での熱分解反応によって生成した熱分解残渣M'及び流動媒体を、連通路40を通して第2室32に供給するようにしたり、図4に示すように、別体に構成した第1室31と第2室32を、第1室31での熱分解反応によって生成した熱分解残渣M'及び流動媒体がオーバーフロー管41によって第2室32の流動層16の内部に供給されるようにしたり、図5に示すように、流動層ガス化炉2内に区画壁42を設け、且つ流動層16内下部に連通部43を設けるようにして第1室31と第2室32を形成するようにしてもよい。
【0038】
ここで、前記分割壁30や区画壁42については、金属板としてもよいが、より耐久性を向上させるために水冷管で構成された水冷壁や、更に耐火レンガを施す構造にすることもできる。
【0039】
図1の流動層燃焼炉1からの流動媒体と未燃のチャーを含む排ガスは、移送管7によりサイクロンからなる分離器8に導かれて排ガスが分離され、排ガスは排ガス処理装置44を介して排ガスファン45に導かれるようになっている。
【0040】
上記したように、第1室31では熱分解反応を行わせ、第2室32では第1室31で熱分解反応によって生成した熱分解残渣M'のガス化反応を行わせるようにするためには、先ず第1室31で熱分解反応が終了したことを知る必要があり、このために、本発明者らは第1室31で熱分解反応が終了したことを知ることができ指標となるものを見出すための実験を図6に示す試験装置を用いて行った。
【0041】
図6に示すように、砂aを挿入した容器bの下部にガス化剤として水蒸気cを3.0g/minの供給量で供給することにより流動層を形成し、容器bを外部に設けた電気炉dで砂層温度が830℃になるように加熱した状態において、前記容器bの内部に石炭e(褐炭)1.8g(水分35%)を一度に投入(連続投入ではない)してガス化を行い、その時生成するガスfの水素Hと、二酸化炭素COと、一酸化炭素COと炭化水素CH(mol−C/kg)の各ガス成分の積算量を計測した。その結果を図7に示した。
【0042】
図7の結果から、水素Hと、二酸化炭素COと、一酸化炭素COは、石炭eの投入後時間の経過と共に生成量が増加しているのに対し、炭化水素CHは石炭eの投入から1分前後で生成が終了しその後は生成されないことが判明した。このように炭化水素CHは石炭eの投入から1分前後の短い時間に生成が終了してしまうので、炭化水素CHの生成が完了する時点を「熱分解反応が終了した時」とすることを考えた。又、前記炭化水素CHの生成が完了した時点では、水分は乾燥され、タールの発生も略終了していることが判明した。
【0043】
従って、上記実験の結果から石炭単位当たりの炭化水素CHの生成量であるCH基準値を求めることができる。
【0044】
従って、原料供給装置34によって第1室31に連続供給する有機物原料Mの供給量を計測して該原料供給量に前記CH基準値を掛け算すると、第1室31で生成される炭化水素CHの生成量を推測することができる。従って、第1室31で生成される炭化水素CHの生成量を計測して、このCH計測値が前記CH推測値に一致するように炭化水素CHの生成量を調整すれば、第1室において熱分解反応が終了した状態に保持できることを見出した。
【0045】
上記第1室31で生成する炭化水素CHの生成量を調整するための構成としては、第1室31の温度を制御するための温度制御手段100と、第1室31の圧力を制御して第1室31で生成した熱分解残渣M'が第2室32に導かれるまでの滞留時間を制御するための圧力制御手段200とを備えた。
【0046】
温度制御手段100は次のように構成される。
【0047】
図1、図2に示す如く、分離器8で分離した未燃チャーを含む流動媒体11が降下する降下管12には分配装置46を設け、該分配装置46には分配管47,48を接続して、降下管12の流動媒体11を第1室31と第2室32とに分配して供給するようにしている。
【0048】
更に、前記第1室31には、該第1室31内上部の温度を検出する温度計49を設置し、該温度計49の検出温度が所定の設定温度Tになるように前記分配装置46により分配管47,48を介して第1室31と第2室32とに供給する流動媒体11の供給量を制御する流動媒体制御器50を設けている。ここで、前記流動媒体制御器50に設定される設定温度Tは、例えば900℃前後に加熱されて降下してくる流動媒体11が第1室31に供給されることによって、有機物原料Mの乾燥と熱分解反応を行う温度である。即ち、設定温度Tは例えば第2室32でのガス化反応時の温度である約830℃よりも低い温度の600〜800℃前後(例えば780℃)に設定するようにしている。
【0049】
尚、前記分配装置46には、図8に示すように降下管12にコントロールダンパ51を備えてダンパ角度を流動媒体制御器50からの信号によって制御するようにしたものを用いることができ、又、図9に示すように降下管12から水平分岐した分配管47,48の水平部の夫々の内底部に空気を噴出するバブリング装置52a,52bを設け、各バブリング装置52a,52bに空気を供給する空気管53a,53bに設けた流量調節弁54a,54bの夫々の開度を流動媒体制御器50からの信号によって制御するようにしたもの等を用いることができる。図9の場合はバブリング装置52a,52bからの空気の噴出を停止すると対応する分配管47,48への流動媒体11の供給は停止され、空気の噴出を増加すると流動媒体11の供給量は増加されるので、これによって流動媒体11の振り分けが調整できる。
【0050】
又、圧力制御手段200は次のように構成される。
【0051】
図1の第1室31の上部には、第1室31内で生成した熱分解ガス55を取り出すための熱分解ガス管56が接続されている。熱分解ガス管56から取り出される熱分解ガス55は、種々の利用場所に供給するようにしてもよく、又、第2室32からのガス化ガス35と混合して用いてもよく、又廃棄してもよい。図1の形態では熱分解ガス管56はエゼクタ57を介して流動層燃焼炉1に供給するようにしている。エゼクタ57には空気管58を介して空気を供給する空気ファン59を接続し、該空気ファン59によってエゼクタ57に空気を供給することにより熱分解ガス管56の熱分解ガス55を同伴して流動層燃焼炉1に供給できるようにしている。更に、第1室31には、該第1室31内の圧力を検出する圧力計60を設け、該圧力計60の検出圧力が所定の設定圧力Pに保持されるように空気ファン59を制御し、エゼクタ57により第1室31から取り出す熱分解ガス55の取出量を調整して第1室31の圧力を制御するようにしたガス取出量制御器61を設けている。
【0052】
そして、図1においては、前記したように第1室31において生成される炭化水素成分(CH)を指標として、圧力制御手段200による圧力の制御を補正する構成を備えている。
【0053】
即ち、第1室31での熱分解反応により生成する炭化水素CH含有成分の生成量を計測するCH計測器62を設けると共に、原料供給装置34により第1室31に供給する有機物原料Mの供給量を計測する原料供給量検出器63を設け、前記CH計測器62からのCH計測値64と、原料供給量検出器63からの原料供給量65と、前記実験によって得たCH基準値66とをCH補正器67に入力している。CH補正器67では、前記原料供給量65とCH基準値66とを掛け算することによってCH予測値Xを求め、前記CH計測値64がCH予測値Xに一致するようにガス取出量制御器61に制御信号68を送って圧力制御手段200による圧力の制御を補正するようにしている。即ち、CH計測値64がCH予測値Xに対して低い場合には、第1室31での有機物原料Mの滞留時間が短いのであるから、ガス取出量制御器61の設定圧力Pを低くする補正を行って、空気ファン59によるエゼクタ57への空気供給量を減少させて第1室31から流動層燃焼炉1に供給する熱分解ガス55の取り出し量を減少させるようにしている。これにより、第1室31の圧力が下げられて第1室31での有機物原料Mの滞留時間が長く保持されることによって第1室31での熱分解反応が終了されるようになる。
【0054】
尚、上記形態では第1室31の熱分解ガス55を、エゼクタ57と空気ファン59により流動層燃焼炉1に供給する場合について示したが、熱分解ガス管56に図示しない取出ファンを設置し、該取出ファンによって分解ガス55を流動層燃焼炉1に供給するようにしたり、或いは分解ガス55を他の利用場所に供給したり、又、第2室32からのガス化ガス35に混合するように供給したり、或いは廃棄場所に供給するようにしてもよく、又、この場合にも前記したガス取出量制御器61及びCH補正器67の構成を備えて第1室31の圧力を制御することができる。
【0055】
図1に示した形態の作動を説明する。
【0056】
流動層ガス化炉2底部のボックス部18に水蒸気、空気等のガス化剤を供給して流動層16を形成した状態において、原料供給装置34により第1室31に有機物原料Mを定量供給する。この時、第1室31内上部の温度を検出している温度計49からの検出温度が流動媒体制御器50に入力され、該流動媒体制御器50は、前記温度計49による第1室31の検出温度が有機物原料Mの熱分解に適した設定温度T(例えば780℃)になるように前記分配装置46を調節して分配管47,48を介し第1室31と第2室32とに分配する流動媒体11の供給量を制御する。
【0057】
更に、第1室31内上部の圧力を検出している圧力計60からの検出圧力がガス取出量制御器61に入力され、該ガス取出量制御器61は、前記圧力計60による検出圧力が第1室31で有機物原料Mが熱分解されるのに適した滞留時間になるように設定された設定圧力Pを保持するように、空気ファン59によりエゼクタ57に送る空気量を調節して第1室31から流動層燃焼炉1に導く熱分解ガス55の取出量を制御する。
【0058】
上記温度制御手段100の流動媒体制御器50によって第1室31の温度が設定温度Tに制御され、圧力制御手段200のガス取出量制御器61によって第1室31の圧力が設定圧力Pに制御されることにより、第1室31に供給された有機物原料Mは、第1室31内での滞留時間が調整されることにより熱分解反応が行われ、熱分解反応で生成した熱分解ガス55はエゼクタ57により流動層燃焼炉1に供給され、熱分解反応で生成した熱分解残渣M'は白抜き矢印のように分離壁30下部の連通部33を潜るように流動層16の内部を通って第2室32に導かれる。
【0059】
上記において、第1室31で熱分解反応が終了していない場合には、第2室32において熱分解反応が起こることによって第2室32で発生するタールが増加してしまう問題がある。
【0060】
しかし、図1に示すように、第1室31で生成される炭化水素CHの生成量を計測しているCH計測器62からのCH計測値64と、原料供給量検出器63からの原料供給量65と、前記実験によって得られたCH基準値66とをCH補正器67に入力しており、CH補正器67は、前記原料供給量65とCH基準値66とを掛け算することによってCH予測値Xを求め、前記CH計測値64がCH予測値Xに一致するようにガス取出量制御器61に制御信号68を送って圧力制御手段200による圧力の制御を補正している。
【0061】
従って、CH計測値64がCH予測値Xに対して低い場合には、第1室31での有機物原料Mの滞留時間が短いので、ガス取出量制御器61の設定圧力Pを低くする補正を行い、これにより空気ファン59によるエゼクタ57への空気供給量を減少して第1室31から流動層燃焼炉1に供給する熱分解ガス55の取り出し量を減少することによって、第1室31の圧力を低下させる。これにより、第1室31での有機物原料Mの滞留時間が長く保持されることにより第1室31での熱分解反応が終了するようになる。
【0062】
上記したように、第1室31に有機物原料Mを供給して有機物原料Mの熱分解反応により熱分解ガス55を生成させ、生成した熱分解ガス55は流動層燃焼炉1に供給して流動媒体の加熱に供し、この時、流動層燃焼炉1に供給する熱分解ガス55の供給量を調整して第1室31の圧力を制御することで熱分解反応により生成した熱分解残渣M'を第2室32の流動層16の内部に導入し、第2室32でのガス化反応によりガス化ガス35を生成させるようにしたので、第1室31で熱分解反応が終了した後の熱分解残渣M'が第2室32に導入されるために、第2室32でのタールの発生量が極力抑えられ、よって第2室32でのガス化反応が効果的に行われることによってガス化ガス35の生成量を増加することができ、これにより、第2室32、延いては流動層ガス化炉2を小型化することができる。
【0063】
この時、CH補正器67によりガス取出量制御器61を制御して圧力制御手段200による圧力の制御を補正するので、第1室31において熱分解反応が終了するように制御できるため、第2室32においてガス化反応によって利用価値の高い良質のガス化ガス35が生成されるようになる。
【0064】
更に、第1室31で生成した熱分解ガス55を流動層燃焼炉1に供給して流動媒体の加熱に供するようにしたので、従来のように流動層燃焼炉におけるチャー(ガス化未反応残渣)の燃焼熱のみで流動媒体を加熱昇温している場合に比して、熱分解ガス55の燃焼熱が加えられる分流動層燃焼炉1でのチャーの燃焼量は少なくて済み、よって、燃焼減少分を見込んで流動層ガス化炉でのガス化量を増加できるため、ガス化ガス35の生成量が増大するようになる。よって燃焼に利用されないチャーは再び第2室32に導かれてガス化されることになるため、ガス化ガス35の生成量が増大するようになる。
【0065】
又、第2室32において熱分解残渣M'をガス化して生成されるガス化ガス35は従来に比べてタールやメタンCH等が少なく、一酸化炭素CO、水素Hの割合が多くなるため、ガス化ガス35は化学原料や液体燃料の合成用ガスとしての利用価値が高められる。
【0066】
又、ガス化ガス35に含有されるタールが減少するため、タールを除去するための後処理の負荷も低減されるようになる。
【0067】
図10は本発明を実施する形態の他の例を示したものである。図10では、図1に示した炭化水素CHを指標とすることに代えて、第2室32でのガス化反応時に発生するタールの発生量を指標として第1室31で熱分解反応が終了したことを判断するようにしている。即ち、ガス化ガス管36から取り出されるガス化ガス35中のタールの発生量を計測するタール計測器69を設け、該タール計測器69からのタール計測値70をタール補正器72に入力している。
【0068】
タール補正器72は、第1室31の温度が流動媒体制御器50によって設定温度Tに保持されている場合には、ガス取出量制御器61に制御信号73を送って圧力制御手段200による圧力の制御を補正することで第1室31での熱分解反応が終了するように制御し、又、第1室31の圧力がガス取出量制御器61によって設定圧力Pに保持されている場合には、流動媒体制御器50に制御信号74を送って温度制御手段100による温度の制御を補正することで第1室31での熱分解反応が終了するように制御することができる。
【0069】
ここで、前記タールは連続して計測することができないため、タールを指標としたタール補正器72による制御の補正は間欠的となるが、この方法においても、第1室31で熱分解反応が終了するように制御することができる。
【0070】
更に、図1に示した炭化水素CHを指標とするCH補正器67を備える構成に加えて、図10に示したタールを指標とするタール補正器72をバックアップとして備えた構成とすれば、第1室31での熱分解反応が終了するように更に高い精度で制御することができるようになる。
【0071】
尚、本発明の流動層ガス化方法及び装置は、種々の有機物原料のガス化に用い得ること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示すフローチャートである。
【図2】図1における流動層ガス化炉部の詳細説明図である。
【図3】本発明における第1室と第2室からなる流動層ガス化炉の構成の一例を示す概略側面図である。
【図4】本発明における第1室と第2室からなる流動層ガス化炉の他の構成例を示す概略側面図である。
【図5】本発明における第1室と第2室からなる流動層ガス化炉の更に他の構成例を示す概略側面図である。
【図6】本発明において熱分解反応が終了したことを知るための実験に用いた試験装置の概略図である。
【図7】図6の試験装置による実験で得られた各ガス成分の積算量を示す線図である。
【図8】本発明における分配装置の一例を示す側面図である。
【図9】本発明における分配装置の他の例を示す側面図である。
【図10】本発明を実施する形態の他の例を示すフローチャートである。
【図11】従来の流動層ガス化装置の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 流動層燃焼炉
2 流動層ガス化炉
8 分離器
11 流動媒体
16 流動層
31 第1室
32 第2室
34 原料供給装置
35 ガス化ガス
46 分配装置
49 温度計
50 流動媒体制御器
55 熱分解ガス
56 熱分解ガス管
60 圧力計
61 ガス取出量制御器
62 CH計測器
63 原料供給量検出器
64 CH計測値
65 原料供給量
66 CH基準値
67 CH補正器
69 タール計測器
70 タール計測値
72 タール補正器
100 温度制御手段
200 圧力制御手段
M 有機物原料
M' 熱分解残渣
設定圧力
設定温度
X CH予測値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物原料のガス化時に生成したチャーと流動媒体とを流動層燃焼炉に導入して流動させつつチャーを燃焼させて流動媒体を加熱し、流動層燃焼炉からの流動媒体を分離器により分離し、分離した流動媒体を流動層ガス化炉に導入して流動層を形成し、流動層ガス化炉に有機物原料を供給して有機物原料のガス化により生成する生成ガスを取り出すと共に、有機物原料のガス化時に生成したチャーと流動媒体の一部を流動層燃焼炉に循環するようにしている流動層ガス化方法であって、
流動層ガス化炉を第1室と第2室とで構成し、第1室に有機物原料を供給して熱分解反応により熱分解ガスを生成し、第1室で有機物原料が熱分解反応して生成した熱分解残渣を前記第2室の流動層の内部に導入してガス化反応によりガス化ガスを生成することを特徴とする流動層ガス化方法。
【請求項2】
第1室で有機物原料が熱分解反応して生成した熱分解ガスを流動層燃焼炉に供給して流動媒体の加熱に供することを特徴とする請求項1に記載の流動層ガス化方法。
【請求項3】
第1室で生成した熱分解ガスの取り出し量を調節して第1室の圧力を制御することにより熱分解残渣を第2室に導入することを特徴とする請求項1又は2に記載の流動層ガス化方法。
【請求項4】
有機物原料の単位量を流動加熱した際に生成する炭化水素CH含有成分の生成量を計測する試験を予め行ってCH基準値を求めておき、第1室での熱分解反応により生成する炭化水素成分の生成量を計測してCH計測値を得ると共に、第1室に供給する有機物原料の供給量を計測して原料供給量を得、前記CH計測値が、原料供給量とCH基準値から求められるCH予測値に一致することを第1室での熱分解反応の終了の指標とし、CH計測値がCH予測値に一致するように第1室の圧力を制御して熱分解残渣を第2室に導入することを特徴とする請求項3に記載の流動層ガス化方法。
【請求項5】
分離器からの流動媒体を第1室と第2室とに分配して供給し、第1室に供給する流動媒体の供給量を調節することにより第1室の温度を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の流動層ガス化方法。
【請求項6】
第2室でのガス化反応により生成するタールを計測し、タール計測値がタール設定値と一致することを第1室での熱分解反応の終了の指標とし、タール計測値がタール設定値に一致するように第1室の温度を制御することを特徴とする請求項5に記載の流動層ガス化方法。
【請求項7】
有機物原料のガス化時に生成したチャーと流動媒体とを流動層燃焼炉に導入して流動させつつチャーを燃焼させて流動媒体を加熱し、流動層燃焼炉からの流動媒体を分離器により分離し、分離した流動媒体を流動層ガス化炉に導入して流動層を形成し、流動層ガス化炉に有機物原料を供給し、有機物原料のガス化により生成する生成ガスを取り出すと共に、有機物原料のガス化時に生成したチャーと流動媒体の一部を流動層燃焼炉に循環するようにしている流動層ガス化装置であって、
流動層ガス化炉を、原料供給装置を備えて有機物原料の熱分解反応を行う第1室と、第1室で有機物原料の熱分解反応により生成した熱分解残渣を流動層の内部に導入してガス化反応を行う第2室とで構成し、第1室の温度を制御する温度制御手段と、第1室で生成した熱分解ガスの取り出しを調節することにより第1室の圧力を制御する圧力制御手段を備えたことを特徴とする流動層ガス化装置。
【請求項8】
第1室で有機物原料が熱分解反応して生成した熱分解ガスを流動層燃焼炉に供給する熱分解ガス管を備えたことを特徴とする請求項7に記載の流動層ガス化装置。
【請求項9】
原料供給装置は、第1室の流動層の上部空間に有機物原料を供給するよう設けられたことを特徴とする請求項7又は8に記載の流動層ガス化装置。
【請求項10】
温度制御手段は、分離器からの流動媒体を第1室と第2室とに分配して供給する分配装置と、第1室内の温度を計測する温度計と、該温度計の検出温度が設定温度になるように前記分配装置により第1室と第2室とに供給する流動媒体の供給量を制御する流動媒体制御器とからなることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の流動層ガス化装置。
【請求項11】
圧力制御手段は、第1室で生成した熱分解ガスの取り出し量を調節するガス取出量制御器であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の流動層ガス化装置。
【請求項12】
第1室での熱分解反応により生成する炭化水素CH含有成分の生成量を計測するCH計測器からのCH計測値と、原料供給装置により第1室に供給する有機物原料の供給量を計測する原料供給量検出器からの原料供給量と、予め有機物原料の単位量を流動加熱した際に生成する炭化水素成分の生成量を求めておいたCH基準値とを入力し、前記CH計測値が、CH基準値と原料供給量から求められるCH予測値に一致するように圧力制御手段による圧力を補正するCH補正器を備えたことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1つに記載の流動層ガス化装置。
【請求項13】
第2室でのガス化反応により発生するタールの発生量を計測するタール計測器と、該タール計測器からのタール計測値を入力し該タール計測値がタール設定値になるように温度制御手段による温度を補正するタール補正器とを備えたことを特徴とする請求項7〜12のいずれか1つに記載の流動層ガス化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−156552(P2008−156552A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349262(P2006−349262)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)