説明

流動性の又は注入可能な材料のための容器上の計量−分配部材

本発明は、計量部材(30)内へ突出している出口ノズル(12)を備えている流動性の又は塊状の製品のための容器(10,11)上に設けられる計量部材(30)であり、容器(10,11)に対向している側に設けられた入口穴(32)と、出口ノズル(12)と計量部材(30)との解除可能な結合のためのクランプ形材(42)及び急速動作の引っ張り装置(46)と、容器(10,11)から離れる方向を向いている側に設けられたスロット形状の出口穴(34)と、出口ノズル(12)と入口穴(32)との間の環状の隙間(22)と、入口穴(32)と出口穴(34)との間に延び且つ内面(37)と外面(38)とを有している壁(36)と、個々の又は出口ノズル(12)の領域に蓄えられたフォイル形状の材料(20)特に可塑性の又は弾性のフィルム管又はフィルム部分と、を備えている。汚染のない使用及び簡単な洗浄のために、入口穴(32)、壁(37)及びスロット形状の出口穴(34)が、フィルム形状の材料(20)によって覆われている。更に、バッチ状又は塊状の製品を排出する方法が提案されている。当該方法においては、管状のフィルム材料(20)が、環状の隙間(22)を介して計量部材(30)内を摺動せしめられ、最終的に、スロット形状の出口穴(34)を介して計量部材(30)から外部へと導かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1の前段に記載されている流動性の又は注入可能な塊状材料のための容器のための計量−分配部材及び特許請求の範囲の請求項9に記載されている流動性の又は注入可能な塊状材料を充填するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
計量−分配部材は、最終製品を製造するために粉末状又は粒状の多数の異なる原材料が混合プロセス及び/又は精製プロセスのうちの1以上の過程で集められる用途において使用される。化学工業及び製薬工業は、このようなプロセスが行われる例として説明することができる。研究所における開発段階における調合は最少量から混合することができるけれども、最終製品の十分な規模の製造としては工業的な量が含まれる。なぜならば、これは、十分なロットの大きさ及び経済的な製造を達成する唯一の方法であるからである。特に、製薬化学物質においては、使用されている機器及び装置の滅菌性は、原料の純度に次ぐ基本的な重要性を有する。なぜならば、正確な品質管理のみが、これまで殆ど全ての工業区分において保証プロセス状況内で確立されて来た品質基準を確実にするからである。この状況のもとでは、含まれる装置は、使用後すぐに器具が衛生状態試験及び機能点検に合格した後に作動状態へ戻す前に洗浄過程を受けるが、これらのうちの幾つかは極めて費用がかかる。化学物質の製造特に薬品の製造において著しく重要なのは、原料物質及び中間製品の中間貯蔵容器及び/又は混合器内への移送及び製造過程の終了時の輸送又は貯蔵容器内への移送である。
【0003】
たとえ量が多い場合にも、規定された量の配合成分を出来るだけ正確に分配できるようにするために、可変の出口穴を備えた計量−分配部材が使用される。これらの部材は、容器間のみならずホース導管の内側にも配置されて、計量−分配プロセスにおいて必要とされる精度及び速度に応じて製品の流れを手動によって又は自動的に制御する機能を提供することができる。
【0004】
この種の計量−分配部材の使用における問題点は、充填又は分配プロセス中に、当該部材の少なくとも内側が分配されつつある製品と永久的に接触することである。このことは、使用間隔を長くするために分配されるべき各物質に対して特別な計量−分配部材を使用しなければならないか、又は特に上記の品質基準の観点から相互汚染を防止するために各分配プロセスの後に計量−分配部材の洗浄及び点検を行わなければならないという結果をもたらす。
【0005】
分配プロセスの完了後又は充填された容器を取り外した後に、当該充填装置のユーザーは、ある時間間隔で分配された製品と接触状態となり得る。このことが起こるのは、例えば、計量−分配部材内に依然として製品の残りが存在している場合及び/又は粉塵を広がらせる傾向がある粉末状の製品が分配されつつある場合である。このような場合には、ユーザーが汚染状態となるかも知れないこと及びユーザーの皮膚、粘膜又は気管との接触によってユーザーの健康が危険に曝されるかも知れないことを排除することができない。
【0006】
最後に述べた点を排除し且つこれに関連する危険性を出来る限り減じるために、内側バッグ及び外側バッグ(所謂、ばら荷用バッグ)を備えているバッグ用の排出装置がEP 0 835 829に提案されている。当該装置は、ばら荷用バッグのための保持装置を備えており、内側管と外側管とを備えている二重管装置が前記保持装置の下方に心決め整合状態で配置されている。当該排出装置は、内側バッグの底部を把持する機能を果たし且つ外側から作動させることができる引っ張り装置によって上方位置から下方位置へと引っ張ることができる上下に可動のグリッパ装置を内側管に備えているのが好ましい。
【0007】
汚染を生じさせることなく注入可能な材料のための可撓性の容器を空にしたり充填したりするための装置が、WO 2005/056443に記載されている。この装置は、空にされるべき容器と接続ホース又は入口穴との間の結合部材としてフォイルホース(箔製のホース)を使用している。当該フォイルホースは、充填/排出プロセスの後に、可撓性の容器及び/又は充填された容器に縛り付けられ、一緒に切り離され、汚染されたフォイルホースは廃棄される。
【0008】
DE 198 06 932 A1には、貯蔵容器から搬送容器内への注入可能な材料の非汚染給送のための装置が示されている。当該装置においては、閉塞装置が設けられている貯蔵容器の注ぎ出口には、移送容器に接続することができる交換可能なカラーが配置されている。
【0009】
ホース形状の容器を充填するための装置はDE 2660519 C2に提案されている。当該容器は、充填装置の領域に蓄えられ且つ充填プロセス中に充填装置から引っ張り出される。これらの容器が充填された後に、ホース形状の容器は閉じられ且つ当該例において示されている食品包装紙として製品上に残される。
【0010】
上記の装置は種々の利点を有している。これらの装置の全てにおいて、充填材料が不意に流出すること従って周囲空間及び作業者の汚染は出来る限り大幅に防止されるけれども、提案されている装置の全てにおける充填材料は、移送プロセス又は充填プロセス中に充填装置及び/又は計量−分配部材と接触する。従って、この種の装置が重要な用途領域において使用された後に、充填装置又は計量−分配装置全体を洗浄するか又は汚染除去する必要がある。適切な洗浄過程は、長い時間及び費用を要し且つ充填又は計量−分配装置が作動可能状態へと戻され得る前の一連の点検を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明は、汚染を生じさせることなく使用することができ、迅速、容易且つ経済的に洗浄できる計量−分配を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、特許請求の範囲の請求項1に記載の顕著な特徴を備えた流動性の又は注入可能な塊状材料のための容器上に配置される計量−分配部材及び請求項9に記載の流動性の又は注入可能な塊状材料を充填するための方法によって達成される。本発明の更に好ましい実施形態は、特許請求の範囲の従属項の主題とされている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に従って、当該計量−分配部材は、計量−分配部材内に達する注ぎ出口を備えた流動性の又は注入可能な材料の容器上に配置される計量−分配が提供されている。当該計量−分配部材は、容器に対向している面上に設けられた入口穴と、注ぎ出口と計量−分配部材とを解除可能に相互に結合するためのクランプ形材及び/又は急速締結部材と、容器と反対側を向いている面上に設けられたスロット形状の出口穴と、当該出口穴と前記入口穴との間に設けられたリング状の隙間と、前記入口穴と出口穴との間に延びており且つ内面及び外面を備えた壁と、前記注ぎ出口の領域内に蓄えられるフォイル形状の材料特にポリマーフォイルとを備えている。当該容器は、注ぎ出口が堅固に結合例えば溶着される貯蔵ホッパーとすることができる。更に別の可能性として、当該計量−分配部材はまた、漏斗形状の容器上に配置することもでき、当該容器内には、充填口バッグを挿入するか又は大きな貯蔵室の注ぎ出口の下方に設置することができる。
【0014】
更に、前記入口穴、壁の内側及びスロット形状の出口穴は、フォイル形状の材料と直線状に並べることも考えられる。
本発明の好ましい実施形態においては、蓄えられたフォイル形状の材料は、エンドレスホースの形状を有している。別の可能性として、当該材料はまた、個々のホース部分の形状で蓄えることもできる。計量−分配部材を定位置に設置する前又は分配プロセスの前に、前記ホース部分は、計量−分配部材の上又は中を引っ張ることができ且つ同様に容器の注ぎ出口の領域内に蓄えることができる。規定された位置にミシン目を備え且つ引き裂くことによって個々の区分に分割されるエンドレスフォイルホースを蓄えることも更に可能である。更に別の好ましい実施形態においては、使用時にのみ、すなわちフォイル材料が、溶着された継ぎ目の縁を長手方向に結合することによって、注ぎ出口と入口穴との間のリング状の隙間に導入されるときに、溶着されているエンドレスリボンの形態でフォイル形状の材料をホース内に蓄えることが考えられる。エンドレスホース又はエンドレスフォイルを使用するときには、新しいホース部分が引き込まれる前に汚れたホースの汚染されない分離を確保するために、穴のうちの1つの領域内にフォイル分離装置を配置することが有利である。使用されているフォイル材料に応じて、当該分離は、例えばナイフ又は熱線によって行うことができる。
【0015】
これらの提案されている構造よりも優れた構造として、計量−分配材料が充填され且つ充填後に上記の分離装置が例えばクランプ装置によって閉じられるバッグを一つの端縁に沿って付加的な溶着継ぎ目によってフォイルホース自体によって形成することももちろん考えられる。
【0016】
ホース形状のフォイル材料、ホース部分又は計量−分配部材内を通過せしめられているフォイルバッグが、充填又は分配プロセス中に下方へ滑り落ちず又は引っ張り出されないことを確保するために、フォイル形状の材料を、解除可能な方法で、特に少なくとも1つのクランプ、急速締結装置、クランプバンド、ホースクランプ及び/又は出口穴を備えた引っ張りバンドに結合することが特に有利であることが判明している。これらのクランプ又は急速締結装置は計量−分配部材自体に固定され、このようにして、注ぎ出口にクランプすることによって計量−分配部材を固定するために同時に使用することができ又はさもなければこれらはクランプ装置の適当な締結によって別個の円形バンド又はリングの形状に形成することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態の設計は、容器の注ぎ出口と計量−分配部材の入口穴との間に、フォイル形状の材料がその中を通る短い筒状の中間部分を備えている。当該中間部分は、一端に、付加的にフォイル形状の材料を固定する円形の密封スリーブを備えている。当該密封スリーブは、弾性材料によって形成されている唇形状とすることができ且つ滑り接触状態で注ぎ出口の上に押し付けられる。空気圧アクチュエータ又は急速締結装置又はクランプねじによって締結することができる可塑性のクランプ形材を使用することもできる。更に、前記中間部分に結合され且つ当該中間部分及び/又はフォイル形状の材料をクランプするために膨張せしめられる閉塞された円形に延びているホース形体の密封形材を設けることができる。この場合には、当該密封形材に溶接されるか又は当該密封形材から延びている一方の端部又は両方の端部への伸長部を備えているU字形状の形材内に受け入れられて、当該U字形状の形材が同時に中間部分を形成するようにすることができる。
【0018】
上記のクランプ及び締め付け装置は、もちろん、本発明の状況下で生じる全てのクランプ及び締め付けの必要性に対して使用することができ、上記の中間部分だけに使用されることに限定されない。
【0019】
本発明は更に、流動性の又は注入可能な塊状材料を容器に充填する方法をも包含している。当該方法によれば、最初に、ホース形状のフォイル材料が、締め付けられていない状態の計量−分配部材と当該計量−分配部材内に達している注ぎ出口との間に存在するリング状の隙間を介して給送される。次いで、フォイルホースが計量−分配部材の中を通され、最終的にスロット形状の出口穴を通過せしめられて計量−分配部材の外側へと通される。このことにより、入口穴、壁の内側、及び計量−分配部材のスロット形状の出口穴がフォイル形状の材料によって覆われるという結果がもたらされる。当該フォイル材料は、クランプによって注ぎ出口に結合されるのが好ましい。この目的のためには、既に上記したクランプ及び締め付け装置の全てを使用することができる。本発明の一つの実施形態に従って、リボン形状のフォイル材料が使用される場合には、リボンがリング状の隙間内に導入された後で計量−分配部材内を通される前に、分配材料が流出するのを防止するために、リボンが相互に溶着されてフォイルホースとされることも当該方法の一部である。危険性の低い材料が分配される場合又は特別な衛生条件に合致する必要がない場合には、フォイルリボンの縁が十分な量の重なりを有しているならば相互に溶着することなくフォイルリボンを使用することもできる。
【0020】
好ましい概念として、付加的な中間部分が注ぎ出口と計量−分配部材との間に挿入される。特に、可塑性の密封スリーブ又は既に上記した他のクランプ締め付け装置が備えられている中間部分は、計量−分配部材が取り外された後にフォイルを注ぎ出口上の位置に固定し、フォイルホースの取り外し及び交換を補助する。
【0021】
本明細書に従って適切に並べられた計量−分配部材が使用される場合には、計量−分配部材は、分配されるべき製品と接触する状態には決してならず、従って、製品によって汚されず且つ/又は汚染されない。従って、必要とされる計量−分配装置全体の解体による洗浄を省くことができる。なぜならば、新しい分配又は充填プロセスのための準備においては、新しい未使用のホース部分が単に計量−分配部材内へ引っ張られるだけであるからである。このことにより、大規模な洗浄に必要とされる時間が節約され、その結果、関連する付加的な人件費のみならず全体的な衛生及び機能の点検のための費用を著しく減じることができる。当該提案された方法はまた、オペレータ及び特に洗浄作業員の危険性に関する著しい改良をも提供する。従来の計量−分配部材及び/又は装置においては、特に、刺激的な物質が含まれる場合には、作業員及び環境の保護に対して特別な予防措置が必要とされた。このことは、例えば、使用されている計量−分配装置が洗浄のために特別な部屋内へ持ち込まなければならないこと、及び最終的な廃水及び/又は使用済みの洗浄用物品を廃棄するために分離しなければならないことを意味している。
【0022】
本発明を使用し且つ本発明による方法を適用することによって、分配作業が完了するか又は容器が完全に空になった後に、製品と接触状態にあったフォイルホース又はフォイルホースの一部分のみを廃棄する必要があるだけであるので、この甚大な作業及び費用が排除される。
【0023】
更に、本発明は、貯蔵室のような大きな容器内で、容器が定位置に放置され且つ洗浄のために分解されないことを意味するいわゆる現場清掃(CIP)処置を行うことを可能にする。洗浄剤又は濯ぎ落とされた製品の残りの堆積物を除去するため及び次の使用に先立って上記した点検を行うために、使用された計量−分配部材を予め完全に分解せざるを得ないけれども、この作業は最早存在しない。なぜならば、残された作業は、計量−分配部材を覆っているフォイルホース又はフォイルホースの一部分を取り除き且つ廃棄することだけであるからである。
【0024】
使用されているフォイルホースに応じて、フォイルホースを計量−分配部材から取り外す2つの可能な方法が存在する。ばらばらのフォイルホース部分が使用される場合には、分配、排出又は洗浄過程の後の第一のステップは、計量−分配部材上のクランプ又は急速締結部材を緩めること及びこれを注ぎ出口から引き離すことである。この状態で、ホースは計量−分配部材の上方で締め付けられる。密封スリーブを備えた中間部分が使用されている場合には、当該中間部分は、貯蔵容器に向かう方向に注ぎ出口上を滑らせて戻される。密封スリーブの代わりに、ホース形状の膨張可能な密封形材が中間部分上で使用される場合には、当該膨張可能な密封形材は、最初に、密封形材上に配置されている空気圧弁によって空気を抜かれ、次いで、上記したように滑らせて戻される。フォイルホースか別個の締結又はクランプ装置、例えば、急速締結装置又は締結ねじを含むリング又はバンドによって注ぎ出口上に固定される場合には、当該締結又はクランプ装置は、同様に、緩められなければならないであろう。次に、計量−分配部材のスロット形状の出口穴から突出しているホース部分は、ホース内に依然として存在する流動性の又は注入可能な材料が更に流出するのを防止するために、締め付けられなければならない。この状態で、当該計量−分配部材は、ホースから引き離すことができ、ホースは、廃棄するために注ぎ出口から完全に取り外すことができる。注ぎ出口の領域に蓄えられているエンドレスなフォイルホースが使用されている場合には、方法は似ているが、汚染されたホース部分を完全に引き離す代わりに、汚染されていないフォイルホースを再び使用できる状態とするのに必要とされるように、十分な長さの汚染されていないフォイルホースが供給源から繰り出されるだけである。
【0025】
本発明の更に別の利点、特徴及び顕著な特性は、如何なる限定を付加することのない以下に示す本発明の好ましい実施形態の説明によって提供される。以下の説明は、原寸で示されていない図面を参考にしている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、注入可能な塊状材料のための貯蔵ホッパー上に設けられた本発明による計量−分配部材の好ましい実施形態を示している図である。
【図2】図2は、貯蔵ホッパーの注ぎ出口にクランプするために使用されている中間部分上の円形の膨張可能な密封形材の一実施形態を部分断面によって示している図である。
【図3】図3は、注入可能な材料のための漏斗上に設けられ、中間部分が注ぎ口として形成されている本発明による計量−分配部材の好ましい実施形態を示している図である。
【図4】図4は、注入可能な材料のための貯蔵ホッパー上に設けられた本発明による計量−分配部材の好ましい実施形態であり、フォイル形状の材料がバッグ内で相互に溶着されている実施形態を示している図である。
【図5a】図5aは、クランプのために使用されている装置の実施形態を上方から見た図である。
【図5b】図5bは、クランプのために使用されている装置の実施形態を上方から見た図である。
【図6】図6は、膨張可能な密封形材の一実施形態を同様に上から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1の実施形態においては、計量−分配部材30は、注入可能な材料のための貯蔵ホッパー10に締結されている。エンドレスホースの形体のフォイル形状の材料20が、注ぎ出口12の領域に蓄えられている。計量−分配部材30は、注ぎ出口12の下方部分内でクランプ40によって堅固に保持されている。計量−分配部材30を締結する前に、フォイル形状の材料20は、リング形状の隙間22を介して計量−分配部材30内へと通され且つ当該計量−分配部材内を通過させた。これによって、内側は、入口穴32と同様にファイル形状の材料20によって覆われる。フォイル形状の材料20がスロット形状の出口穴34を介して計量−分配部材30の外側へと通過せしめられるという事実により、出口穴34も同様にフォイル形状の材料によって覆われ、その結果、計量−分配部材30は決して注入可能な材料と直に接触状態とならない。前記スロット形状の出口は、フォイル形状の材料が内部を通過しているにも拘わらずその機能を果たし続け、当該プロセスにおける流動性の又は注入可能な材料の正しい分配のみならず製品の流れの正確な閉止を確保している。
【0028】
図2は、貯蔵ホッパー10の注ぎ出口と計量−分配部材30との間に配置されている中間部分50上に設けられた密封形材41の一実施形態を示している。密封形材41は、クランプ用パッド46を備えた円形のホース形状の密封形材41として形成されている。密封形材41の第一の目的は、フォイル形状の材料20を注ぎ出口12に押し付けることである。この圧縮の付加的な結果として、中間部分50と当該中間部分に取り付けられている計量−分配部材30との間を密封する密封作用がもたらされる。当該密封作用は、密封形材41のホース形状の形材においては、密封形材41の膨張程度を空気圧弁48によって制御することができるという事実による。密封形材41は、中間部分50に溶着され又は当該中間部分から延びた伸長部として形成されているU字形状のレールによって作られたクランプ形材42内に収容されている。当該クランプ形材は、中間部分50を注ぎ出口12にクランプすることを可能にする。この設計は、計量−分配部材30を中間部分50に締結する機能を果たすクランプ40を提供する。クランプ40は、締め付けねじ43とクランプ用パッド46とを備えている。クランプ用パッド46を備えているこれらのクランプ40のうちの幾つかは、中間部分50の外周領域に配置されている。締め付けねじ43を締め付けることによって、クランプ用パッド46は中間部分50の外側35に向かう方向に動かされ、その結果、当該クランプ用パッド46は、フォイル形状の材料20及び計量−分配部材30を中間部分50上にクランプすることができる。これと同時に、リング状の隙間22は十分に閉鎖される。
【0029】
本発明による計量−分配部材30の更に別の好ましい実施形態が図3に示されている。図1における状況とは異なり、計量−分配部材30は、貯蔵ホッパー10に取り付けられていないが、例えば化学工業における容器内に種々の配合成分を充填するために使用される漏斗11の注ぎ出口12を塞いでいる。計量−分配部材30に加えて、図示されている漏斗11は、注ぎ口として形成されている中間部分50を備えている。中間部分50は、漏斗の入口13に対向している端部に密封スリーブ52を備えており、これによって、一方では注ぎ出口12の領域にエンドレスホースとして蓄えられているフォイル形状の材料20が注ぎ出口12上の定位置に保持されており、他方では中間部分50を注ぎ出口12上にクランプすることができる。中間部分50における漏斗の入口13と反対側を向いている端部は、計量−分配部材内へと達している。計量−分配部材30は、急速締結装置44によって中間部分50に解除可能に結合されている。フォイル形状の材料20は、リング状の隙間22及び中間部分50を介して計量−分配部材30内へ引き込まれ且つスロット形状の出口穴34を介して外部へと引っ張り出される。従って、これは、中間部分50の入口穴33、中間部分50及び計量−分配部材30の壁39及び37並びにそのスロット形状の出口34を覆っている。図示されている例においては、スロット形状の出口34から突出しているフォイル形状の材料20は、充填されるべき容器60に取り付けられている。この取り付けは、容器60の入口穴61の領域において急速締結装置44によって張力によって保持されているリボン形状のクランプ形材42によって固定されている。
【0030】
充填プロセスが完了した後に、漏斗は、必要とされるか又は規定されている場合には洗浄されるであろう。第一のステップとして、計量−分配部材30のスロット形状の出口34が閉じられるであろう。次いで、フォイル形状の材料20は、締め付けられ且つ計量−分配部材30の下方に分離されるか又は相互に溶着される。これによって、容器60は、同時に閉じられ且つ取り外される。次いで、スロット形状の出口34は再び開かれて洗浄剤が流出せしめられる。洗浄プロセスが完了した後に、計量−分配部材30のスロット形状の出口34は閉じられ、スロット形状の出口34から突出しているフォイル形状の材料の端部は堅固に閉止される。急速締結装置44を解除した後に、計量−分配部材30は中間部分50から引き出される。安全措置として、フォイル形状の材料20は、再び中間部分50の下方で閉止される。この状態で、中間部分50は、注ぎ出口12上を漏斗入口13に向かう方向に摺動せしめられ、これと同時に、フォイル形状の材料20は、十分な量の未使用のフォイル形状の材料20が注ぎ出口12の下方で利用できるようになるまで、中間部分50を介して反対方向に引っ張られる。フォイル形状の材料20の汚された部分は、閉止され、分離され、廃棄される。中間部分50の降下、計量−分配部材30の固定及びスロット形状の出口34を介するフォイル形状の材料の引っ張り出しの後に、新しい分配プロセスを開始することができる。計量−分配部材30は、中間部分50と同様に、分配材料と直接接触しておらず、従って、労働集約的で費用のかかるプロセスによって洗浄し且つ/又は汚染を点検する必要がなく、殆ど使用後すぐに後続の分配プロセスのために再び使用することができる。
【0031】
図4の計量−分配部材30は、注入可能な材料のための貯蔵ホッパー10上で使用されている。フォイル形状の材料20は、エンドレスホースとしての注ぎ出口12の領域に蓄えられている。計量−分配部材30は、バンドクランプによって、注ぎ出口12の底部に堅固に保持されている。ホース型リボン49の張力は、引っ張りねじ72を締め付けることによって発生される。フォイル形状の材料20は、リング状の隙間22を介して計量−分配部材30内へ導入され且つ計量−分配部材の中を通過せしめられる。その結果、内面37、入口穴32及びスロット形状の出口穴34は、フォイル形状の材料20と一直線に並べられる。スロット形状の出口穴34は、フォイル形状の材料20が当該スロット形状の出口穴34内を通過するにも拘わらず、その機能を果たし続け且つ注入可能な材料の正しい分配のみならず必要とされるときに製品の流れの遮断を確保することができる。図4の実施形態におけるフォイル形状の材料は更に、溶着された底部の継ぎ目63を備えている。底部の継ぎ目63においては、バッグ62は、分配される材料のための容器を形成するために、フォイル形状の材料によって作られている。分配プロセスが完了した後に、フォイル形状の材料20は、スロット形状の出口穴34を残して若干下方で相互に溶着され、それによって、一方では充填されたバッグ62が閉じられ、他方では底部の継ぎ目63が充填されるべき後続のバッグのために形成される。溶着後に出来る限り環境の汚染を少なくするために、フォイル形状の材料20は、更に、分配プロセスの後で且つ溶着の前に、計量−分配部材30の下方を閉止することができる。危険性が低い注入可能な材料に対しては、底部の継ぎ目63は、溶着以外の方法で形成することもできることはもちろんである。適切なフォイル形状の材料20が使用される場合には、例えば、底部の継ぎ目63を手持ちのバッグ縫製ミシンによって縫い合わせることも考えられる。
【0032】
図5aは、本発明の範囲に含まれる全てのクランプ作業に対して使用することができるクランプバンド49を示している。クランプバンド49の端部78は、バンドテンショナ74の領域で重なっており且つ引っ張りねじ72によって強く引っ張られている。1以上のクランプバンド49が、計量−分配部材30、中間部分50、容器60及び/又は注ぎ出口12上の適当な場所の定位置に配置された後に、締め付けがなされる。
【0033】
クランプ手段の更に別の実施形態が図5bに示されている。図5bは、同様にクランプ手段として使用することができるクランプバンド70を示している。クランプバンド70が計量−分配部材30、中間部分50、容器60及び/又は出口20の所望の場所の定位置に配置された後に、テンションレバー76を適用することによって締め付けがなされる。クランプバンド70の最終的な締め付けによってクランプ作用がもたらされる。
【0034】
図6は、密封形材41を平面図で示している。密封形材41は、クランプ面46を備えたリング形状のホースとして形成されている。密封形材41の厚みは、空気圧弁48による膨張又は収縮によって制御することができる。膨張せしめられた形材41の最も膨張せしめられた状態は、図6において破線で示されている。従って、密封形材41のクランプ面46を介して、フォイル形状の材料20は、注ぎ出口12に対して押し付けたり注ぎ出口12から解除したりすることができる。更に、圧縮は、充填プロセス中に分配される材料の流出を有効に防止する密封作用を伴う。密封形材41は、U字形状のレールによって作られたクランプ形材42内に収容されている。当該クランプ形材41上には、中間部分50が、溶着されるか又は折り返される伸長部として形成されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性の又は注入可能な塊状材料のための容器(10,11)上に設けられる計量−分配部材(30)であり、前記容器(10,11)は当該計量−分配部材(30)内に達している注ぎ出口(12)を備えており、
−前記容器(10,11)に対向している側に設けられた入口穴(32)と、
−注ぎ出口(12)と計量−分配部材(30)との間に解除可能な結合部を形成する機能を果たすクランプ形材(42)及び/又は急速締結装置(44)と、
−容器(10,11)から離れる方向を向いている側に設けられたスロット形状の出口穴(34)と、
−注ぎ出口(12)と入口穴(32)との間に設けられたリング形状の隙間(22)と、
−入口穴(32)と出口穴(34)との間に延びており且つ内面(37)及び外面(38)を備えている壁(36)と、
−注ぎ出口(12)の領域に蓄えられているフォイル形状の材料(20)特にポリマーフォイルとを備え、
前記入口穴(32)、前記壁(36)の内面(37)及び前記スロット形状の出口穴(34)が、フォイル形状の材料(20)によって覆われていることを特徴とする計量−分配部材。
【請求項2】
請求項1に記載の計量−分配部材であり、
前記フォイル形状の材料(20)がエンドレスホースとして形成されていることを特徴とする計量−分配部材。
【請求項3】
請求項1に記載の計量−分配部材であり、
前記フォイル形状の材料がホースの一部分として形成されていることを特徴とする計量−分配部材。
【請求項4】
請求項1に記載の計量−分配部材であり、
前記フォイル形状の材料(20)がエンドレスフォイルのリボンの形体で蓄えられていることを特徴とする計量−分配部材。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の計量−分配部材であり、
前記フォイル形状の材料が、特に、クランプ(40)及び/又は急速締結装置(44)によって注ぎ出口(12)に解除可能に結合されていることを特徴とする計量−分配部材。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の計量−分配部材であり、
前記計量−分配部材(30)が、前記穴(32,34)のうちの一つの領域にフォイル分離装置を備えていることを特徴とする計量−分配部材。
【請求項7】
請求項4に記載の計量−分配部材であり、
前記計量−分配部材(30)が、前記入口穴(32)の領域に、前記フォイル内に長手方向に延びている溶着された継ぎ目を形成するためのフォイル溶着装置を備えていることを特徴とする計量−分配部材。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の計量−分配部材であり、
前記計量−分配部材(30)が、前記容器(10,11)の注ぎ出口(12)と当該計量−分配部材との間の領域に、短い筒状部分として形成されている中間部分(50)を備えていることを特徴とする計量−分配部材。
【請求項9】
流動性の又は注入可能な塊状材料を充填する方法であり、
−ホース形状のフォイル材料(20)が、リング状隙間(22)を介して計量−分配部材(30)内へ給送され、
−次いで、前記ホース形状のフォイル材料(20)が、計量−分配部材(30)内を通過せしめられ、
−最後に、スロット形状の出口穴(34)内を通されて前記計量−分配部材(30)の外部へと通される、ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であり、
前記フォイル形状の材料(20)が、クランプによって前記注ぎ出口(12)に結合されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であり、
リボン形状のフォイル材料が、リング形状の隙間(22)を介して導入された後で、前記計量−分配部材(30)内を通過せしめられる前に、相互に溶着されてホース形状とされることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9、10又は11のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
前記注ぎ出口(12)と前記計量−分配部材(30)との間に付加的な中間部分(50)が介装され、前記中間部分(50)に、密封機能を果たすクランプ及び/又は締結装置、特に、密封スリーブ(52)が備えられ且つ/又は前記中間部分(50)が短い筒状部分として形成されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−500237(P2010−500237A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523124(P2009−523124)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000358
【国際公開番号】WO2008/017175
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
【Fターム(参考)】