流動拍動性を抑制するデバイス
流体の拍動流を輸送するための流体経路(16)と、流体経路と連通している抑制要素(80)であって、抑制要素は、拍動流の圧力変動を能動的に抑制して拍動流体流動を円滑化するように構成されており、任意の方向に動作可能である、抑制要素と、円滑化された流体流動の流速を測定するように抑制要素の下流で流体経路に沿って配置されている流体流量センサ(50)とを含む、医用流体注入システム(10)。一実施形態において、システムは、流体経路と連通している拍動注入ポンプ(14)を含み、拍動注入ポンプは、拍動流体流動を引き起こす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医用流体送達システムに関する。具体的には、本開示は、注入システムの中の略拍動流体流動を、より円滑な、またはあまり拍動性ではない流体流動に変換するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液状薬剤ならびに他の複合医用および治療流体はしばしば、注入療法を通して患者に投与される。典型的には、注入療法は、注入回路を通して患者の中へ流体を押し進めるために注入ポンプを採用することによって達成される。歩行可能である患者で長期間にわたって流体の注入がおこなわれる時等の、ある状況では、使い捨て注入システムを使用することが望ましい。
【0003】
使い捨て注入システムは、概して、単回使用アイテムであるため、そのようなシステムは、典型的には、比較的単純で安価な構成要素を含む。しかしながら、比較的単純で安価な構成要素を使用することで遭遇する困難のうちの1つは、構成要素がしばしば、使用するために相互に互換性がないことである。例えば、単純で安価な注入ポンプの大多数が、拍動または非連続流体流動を生成する。耐久性のある高価なポンプでさえ、拍動性を生成する。この拍動流体流動は、動的であり、非常に迅速に変化する流速および圧力変動を有する。さらに、最も単純で安価な流体流量センサは、時間分解能、または拍動流体流動の流速を感知および計算する能力を持たない。これらの構成要素の非互換性は、注入回路内の流体流速を監視する能力を有する、経済的な使い捨て注入システムを生産することへの障害を生じる。
【0004】
多くの注入療法用途では、流体は、治療的に有効となるように、ある流体流速で患者に投与されることが要求される。例えば、いくつかの用途では、流体が過度にゆっくりと注入された場合、意図された治療効果が低減されるか、または完全に存在しない場合がある。他の用途では、過度に高速での体内への流体の注入は、危険または過剰投与状況を生じ得る。したがって、いくつかの注入療法用途では、必要に応じて流速を監視し、調整することができるように、ユーザが、システムを通る流体の流速を迅速かつ正確に決定できることが重要である。
【0005】
ユーザが流速を決定できることが重要である場合において、使い捨て注入セットはしばしば、円滑な流体流動を生成する注入ポンプ、または拍動または非連続流体流動の流速を監視および計算する能力を有する流量センサのいずれか一方を含む。円滑流生成注入ポンプ、または拍動流を監視することができる流量センサを使用することの不利点のうちの1つは、これらの構成要素の療法が、比較的高価であり、使い捨て注入セットの全体的費用をかなり増加させる。増加した費用に加えて、高分解能測定を達成することが可能なシステム構成要素はしばしば、複雑な回路、ハードウェア、およびソフトウェアアーキテクチャを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、注入システム内の流体の略非連続または拍動流を、概して、より円滑な、またはあまり拍動性ではない流体流動に変換する抑制要素を含む注入システムを提供する。注入システムへの抑制要素の組み込みは、種々の利益を提供する。例えば、より円滑な流体流動への略拍動流体流動の変換は、流体の拍動流の流速を感知し、計算する時間分解能を持たない比較的安価な流体流量センサが、そのような流体流動を監視し、調整するために使用されることを可能にする。比較的安価な流体流量センサを採用する能力は、注入システムの全体的費用をかなり削減する。
【0007】
一般に、抑制要素は、注入システムの流体経路に沿った場所に配置され、抑制要素の上流にある流体源から、拍動流体流動を有する流体を受け取る。例えば、一実施形態では、本開示の医用流体注入システムは、拍動注入ポンプ、例えば、膜ポンプまたは蠕動ポンプから送出される、流体、例えば、患者に注入するための薬剤の拍動流を輸送するための流体経路を含む。抑制要素が、流体経路と流体連通して配置されている。抑制要素は、拍動流体流動を円滑化するように、拍動流の圧力変動を能動的に抑制する。有利に、抑制要素は、任意の配向で操作することができ、重力依存性ではない。流体流量センサが、円滑化された流体流動の流速を測定するように抑制要素の下流で流体経路に沿って配置されている。システムは、抑制要素および流体流量センサの両方を収納している、共通エンクロージャを提供することができる。
【0008】
抑制要素の多くの異なる構成が、以下で詳細に記載される。例えば、抑制要素は、大気圧である空気または圧縮空気源から加圧された空気を保持する外部筐体と、ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバとを含むことができる。または、抑制要素は、レオロジー流体を保持する外部筐体と、ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバとを含むことができる。代替として、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に圧縮力を能動的に提供するよう、流出された流体によって拡張されるベローズを含む。さらに代替として、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に圧縮力を能動的に提供する、可撓性壁を含むことができる。その上さらに代替として、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に圧縮力を能動的に提供するように、拡張可能管を含むことができる。さらに別の代替実施形態では、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に圧縮力を能動的に提供するように、複数の束になった平行管を含む。
【0009】
具体的には、1つの注入システムは、(i)流体経路と、(ii)流体経路を通して流体の非連続流を送出するための注入ポンプと、(iii)拡張可能膜を取り囲む筐体であって、膜の内側は、流体経路と連通しているチャンバを規定し、筐体内のチャンバの外側は、非連続流を円滑化するように非連続流動流体の圧力変動を吸収する圧縮性ガスを含み、筐体およびチャンバは、任意の配向で動作可能である筐体と、(iv)筐体の下流で流体経路に沿って配置されている流体流量センサであって、円滑化された流体流動の流速を測定するように構成されている流体流量センサとを含む。
【0010】
別の実施形態では、医用流体注入システムは、(i)注入ポンプと、(ii)注入ポンプによって生成される流体の拍動流を輸送するための流体経路と、(iii)流体経路と流体連通している入口および出口を有する、流体保持区画と、(iv)流体の拍動流の変動を抑制する傾向があるよう、流体保持区画の外面の少なくとも実質的に全体の周囲で圧縮性ガスを保持するチャンバと、(v)流体保持区画およびチャンバから下流で流体経路に沿って配置されている流量センサとを含む。ここで、流体保持区画の入口および出口は、流体が流体保持区画に進入した後に方向を変更しなければならないように、互に少なくとも実質的に平行に配置することができる。また、流体保持区画は、拡張可能バルーンを含むこともできる。
【0011】
さらなる実施形態では、医用流体注入システムは、(i)注入ポンプと、(ii)注入ポンプによって生成される流体の拍動流を輸送するための流体経路と、(iii)流体経路と流体連通している入口および出口を有する流体保持区画と、(iv)流体の拍動流の変動を抑制する傾向がある、流体保持区画の内側に位置する少なくとも1つの圧縮性空気バルーンと、(v)流体保持区画から下流で流体経路に沿って配置されている流量センサとを含む。ここで、流体保持区画の入口および出口は、(a)少なくとも1つの圧縮性空気バルーンの周囲で流体の流動を押し進めるように構成され、(b)流体が流体保持区画に進入した後に方向を変更しなければならないように、互に対して配置されることができる。1つの実装では、流体保持区画は、圧縮性空気バルーンのうちの少なくとも2つを分離する分割壁を収納している。
【0012】
さらに別の実施形態では、医用流体注入システムは、(i)流体の少なくとも半拍動流を生成する、注入ポンプと、(ii)注入ポンプから下流に配置されている流量センサと、(iii)注入ポンプから流量センサへ流体の少なくとも半拍動流を運搬するための管であって、ポンプから流量センサへの流体の流動を円滑化するための少なくとも1つの圧縮性空気バルーンを取り囲む管とを含む。1つの実装では、少なくとも1つの空気バルーンの表面は、管の内壁面である。
【0013】
したがって、抑制要素または抑制装置の配向が重要でない、注入ポンプシステム用の流動抑制を提供することが、本開示の利点である。
【0014】
抑制要素が拍動流体流動を円滑化するように拍動流の圧力変動を能動的に抑制する、注入ポンプシステム用の流動抑制を提供することが、本開示の別の利点である。
【0015】
付加的特徴および利点は、本明細書に説明されており、以下の発明を実施するための形態および図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本開示による、注入システムの中に種々の流動拍動性抑制装置を配置するための一実施形態の概略立面図である。
【図2】図2は、本開示による、フィードバックを有する注入システムの中に種々の流動拍動性抑制デバイスを配置するための一実施形態の概略立面図である。
【図3】図3は、本開示の流動拍動性抑制デバイスが、本開示のシステムの医用流体ポンプの出力に固有の拍動性により、どのように陽圧パルスを吸収し、陰圧パルス中に戻し流を生じるかというポンプサイクルあたりの流量の概略図である。
【図4】図4は、本開示の流動拍動性抑制要素の一実施形態を図示する、概略図である。
【図5】図5は、本開示の流動拍動性抑制要素の第2の実施形態を図示する、概略図である。
【図6】図6Aおよび図6Bは、本開示の流動拍動性抑制要素の第3の実施形態を図示する、概略図である。
【図7】図7は、本開示の流動拍動性抑制要素の第4の実施形態を図示する、概略図である。
【図8】図8は、本開示の流動拍動性抑制要素の第5の実施形態を図示する、概略図である。
【図9】図9は、本開示の流動拍動性抑制要素の第6の実施形態を図示する、概略図である。
【図10】図10は、本開示の流動拍動性抑制要素の第7の実施形態を図示する、概略図である。
【図11】図11は、本開示の流動拍動性抑制要素の第8の実施形態を図示する、概略図である。
【図12】図12は、本開示の流動拍動性抑制要素の第9の実施形態を図示する、概略図である。
【図13】図13は、本開示の流動拍動性抑制要素の第10の実施形態を図示する、概略図である。
【図14】図14は、本開示の流動拍動性抑制要素の第11の実施形態を図示する、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、図面、具体的には図1を参照すると、患者に薬剤または他の治療流体等の流体を注入するための注入療法システムまたはセット10が提供される。実施形態での注入療法システム10は、比較的安価な構成要素部品を含む使い捨て注入システムである。示された実施形態では、注入療法システム10は、流体供給12と、注入ポンプ14と、流体経路16とを含む。一般に、注入ポンプ14は、流体供給12から注入経路16を通って、流体を患者に送達する注入デバイス(図示せず)へと流体18を送出する。注入デバイスは、流体を送達するように患者と界面接触するカテーテル、埋込型ポート、静脈内送達デバイス、シャント、または他の機構等の任意の数の注入デバイスであり得る。
【0018】
注入ポンプ14は、マイクロダイヤフラムまたは蠕動ポンプ等の、圧力変動を有する拍動流体流動を生成するポンプである。例えば、ポンプは、例えば、thinXXS Microtechnology AG,Zweibrucken,Germanyによって提供される、マイクロダイヤフラムポンプであり得る。ポンプ自体は、使い捨てであり得る。代替として、ポンプの流体運搬構成要素が、使い捨てである。これらの種類のポンプはしばしば、サイズが小さく、概して軽量で比較的安価である。ポンプ14は、流体を受け取るための入口ポート20と、流体を排出するための出口ポート22とを含む。注入ポンプ14の入口ポート20は、流体供給導管26の遠位端部分24に接続され、流体供給導管26の近位端部分28は、流体供給12に接続される。流体供給導管26とポンプ14との間の接続、本明細書で説明される構成要素の他の接続は、雄・雌ルアー型接続または一体接続等の、当業者に公知である任意の好適な種類の永久または可撤性接続であり得る。
【0019】
流体供給12は、患者に注入される流体18を含む可撓性分注バッグ30を含み得る。実施形態での分注バッグ30は、ポリマー材料でできており、流体供給導管26の近位端部分28に接続される出口ポート32を含む。分注バッグ30は、流体供給導管26を通して注入ポンプ14に流体18を供給する。
【0020】
注入経路16は、ポンプ14からカニューレまたはカテーテル(図示せず)等の注入デバイスへの流体経路を提供する。注入経路16は、近位端部分36および遠位端部分38を有する、第1の流体導管34を含むことができる。第1の流体導管34の近位端部分36は、注入ポンプ14の出口ポート22に接続され、注入ポンプから流体の拍動流を受け取る。例えば、蠕動ポンプの案内溝のローラが、略拍動流を生成する。膜ポンプの中の膜またはダイヤフラムの前後運動もまた、非連続または拍動流を作成する。
【0021】
拍動性抑制デバイスまたは要素(本明細書で説明される抑制装置80、90、100a/100b、120、130、140、150、160、170、180、および190のうちのいずれかを指す)が、注入ポンプ14の下流にある場所で注入経路16に沿って配置されている。第1の流体導管34の遠位端部分38は、抑制要素に接続される。抑制要素は、拍動流体流動を受け取り、それをより円滑または連続的な流体流動に変換する。
【0022】
ここで図2を参照すると、本明細書で論議される抑制装置80、90、100a、100b、120、130、140、150、160、170、180、および190のうちのいずれかを使用する、注入システム110は、流量センサ50および注入ポンプ14と連通している制御ユニット112を含む。制御ユニット112は、注入システムを通る流体の流速を最適化する閉ループ制御注入システムを作成するために採用することができる。例えば、ユーザが、制御ユニット112に所望の流速を入力する。制御ユニット112は、注入ポンプ14と通信して、所望の流速で流体を送出するようにポンプを設定する。制御ユニット112は、注入回路を通る実際の流速に関する情報を流量センサ50から受信し、次いで、実際の流速を計算するように情報を処理する。制御ユニット112は、実際の流速を所望の流速と比較し、実際の流速が所望の流速に等しくなるまで、必要に応じて、注入ポンプ14を調整する、比例/積分/微分(「PID」)型の制御を含むことができる。
【0023】
ここで図3を参照すると、本明細書で記載される異なる抑制装置の実施形態は、流量センサ50の前の注入経路16の中で拡張可能または圧縮可能領域を作成する、拡張可能および/または可撓性材料を使用する。拡張可能または圧縮可能領域は、拍動流体流動によって引き起こされる圧力変動に応答し、それは、流量センサ50への流体のより円滑で連続的な流動をもたらす、変動への即効応答を提供する。図3は、本明細書で論議される種々の抑制実施形態を介して生成される所望の抑制された流量(Q)を表す、点線を示す。拍動圧力サイクルは、「抑制装置がない流量(Q)」を表す実線による、正および負の傾斜を有するものとして示されている。圧力サイクルの増加する圧力傾斜は、抑制されなければ、医用流体流速を、所望の抑制された流量の点線「抑制装置がある流量(Q)」を上回って増加させる。しかしながら、抑制すると、要素は代わりに、流体容量+dvを貯蔵するように膨張させられる。
【0024】
流動の実線「抑制装置がない流量(Q)」が抑制されない場合に、所望の抑制された流量の点線「抑制装置がある流量(Q)」を下回るように、圧力スパイクの正の位置が減退し、圧力パルスの負の傾斜につながると、負の容量−dvを生成する。しかしながら、抑制装置の提供は、拡張可能および/または可撓性材料が収縮することを可能にし、貯蔵容量+dvを返し、所望の流速「抑制装置がある流量(Q)」まで円滑化するように負の容量−dvを打ち消す。次いで、上記で論議された拍動パルスサイクルが、拍動流の周期的な性質につき繰り返される。
【0025】
ここで図4を参照すると、本開示の1つの抑制装置が、抑制装置80によって図示されている。抑制装置80は、使い捨て、例えば、プラスチック筐体、または非使い捨て筐体、例えば、システム10の永久構成要素であり得る、筐体82を含む。筐体82は、メータ50の上流で注入ライン16と流体的に連通する医用流体入口84および医用流体出口86を含むか、または規定する。図示した実施形態での入口84および出口86は、医用流体流動が可撓性抑制要素88内で180°回転するよう押し進められるように、相互に平行および隣接する。入口84および出口86は、代替として、医用流体が、入口84を通って抑制要素88の片側に流入し、出口86を通って抑制要素88の反対側から流出するように、互に対して一列に並んでいる。出口86は、代替として、入口84と垂直であるか、または一列に並んでいる。
【0026】
入口84および出口86は、任意の好適な医療グレード管類で作ることができる。入口84および出口86は、代替として、医療グレード熱硬化性エラストマー、シリコーンゴム、ブチルゴム等の拡張可能かつ圧縮可能である医療グレード材料でできている抑制要素88と一体化して形成されている。抑制要素88は、陽圧スパイクを受けると膨張して、図3に図示される各駆動圧力パルスを超える過剰な容量+dvを吸収する。チャンバ88の柔軟材料は、出口86を通る+dvを返して、図3に示される圧力波の負になる部分によって引き起こされる容量の不足−dvを補うよう、拍動圧力スパイクの減圧時に収縮する。
【0027】
ここで図5を参照すると、代替的な抑制装置90が図示されている。抑制装置90は、多くの反復で抑制装置80と同様であり、外部使い捨てまたは永久筐体92と、入口94と、メータ50の上流で注入ライン16と流体的に連通する出口86とを含む。筐体82、入口84、および出口86について上記で論議される、あらゆる代替実施形態が、筐体92、入口94、および出口96に適用可能である。例えば、抑制装置90は、抑制装置80のように、入口94を通って流れる反対の方向に出口96を配向する。代替実施形態では、出口96は、抑制装置90の入口94を通る流体の流動と垂直に延在することができる。
【0028】
抑制装置90は、半径方向および球状に拡張および圧縮する、上記のバルーンまたは嚢状チャンバ88を、弓状に入口94および出口96から屈曲し、かつそれらに向かって屈曲する、可撓性壁98と置換する。可撓性壁98は、抑制要素88について上記で論議される材料のうちのいずれかで作ることができる。正の拍動圧力スパイク時に、可撓性壁98は、余分な容量+dvを吸収するようにたわむ、または屈曲する。次いで、可撓性壁98は、出口96を通る正の+dv容量を返すよう、拍動圧力スパイクの減圧時に平坦な状態に、たわんだ状態または屈曲した状態から戻る。出口96を通して+dv容量を返すことにより、圧力スパイクの負の部分によって引き起こされた容量の不足−dvを補う(図3参照)。
【0029】
ここで図6Aおよび6Bを参照すると、本開示のさらに別の抑制装置の代替実施形態100aおよび100bが図示されている。抑制装置100aおよび100bは、好適な医療グレードプラスチック等の本明細書で論議される材料のうちのいずれかで作ることができる、筐体102aおよび102bをそれぞれ含む。略垂直筐体102aおよび略水平筐体102b用の入口104および出口106は、上記で論議される、略平行の反対に流れる方式で形成され、メータ50の上流で注入ライン16と流体的に連通する。入口104および出口106は、代替として、互に対して垂直に、または一列に並んで配向することができる。
【0030】
各筐体102aおよび102bは、可撓性、例えば、プラスチック膜でできている抑制要素を形成する、高度に圧縮性の抑制ポーチまたはバルーン108を収納している。ポーチまたはバルーン108は、空気または圧縮性ゲルで充填することができる。医用流体は、入口104から出口106へ移動するにつれて、バルーン108の周囲で、かつそれに接触して流れる。実施形態では、バルーン108は、その抑制効果を最適化するように医用流体との最大表面積接触を有するよう、サイズ決定され、位置付けられる。バルーン108は、球形、長円形、楕円形、または他の好適な形状を有することができる。1つの好ましい実施形態では、バルーン108は、流量センサ50の上流に位置付けられる。
【0031】
正の拍動圧力スパイク時に、バルーンまたはポーチ108は、余分な容量+dvを吸収するように収縮する。次いで、バルーンまたはポーチ108は、出口106を通して+dv容量を返すよう、拍動圧力スパイクの減圧時に、その自然な容量まで減圧する。+dv容量を返すことにより、圧力スパイクの負の位置によって引き起こされた容量の不足−dvを補う(図3参照)。
【0032】
ここで図7を参照すると、抑制装置120は、本開示のさらに別の代替的な抑制装置を図示する。抑制装置120は、本明細書で論議される材料のうちのいずれかで作ることができる、筐体122を含む。筐体122は、本明細書で論議される代替的な方法のうちのいずれかで、医用流体入口124および出口126と連通する。入口124および出口126は、メータ50の上流で注入ライン16と流体的に連通する。
【0033】
筐体122は、抑制要素を形成する、複数の圧縮性空気バッグまたはバルーン128を保持する。図示した実施形態では、バルーン128は、仕切り壁129の両側で分割される。代替として、仕切り壁129は提供されない。バルーンまたはポーチ108と同様に、バルーンまたはポーチ128は、空気または圧縮性ゲルで充填することができる。バルーン129は、集合的に、図6Aおよび6Bの抑制装置100aおよび100bのバルーンまたはポーチ108と一致した方式で、バルーンの外面に沿って、拍動医用流体流動を個別かつ集合的に抑制する。
【0034】
ここで図8を参照すると、抑制装置130は、本開示の別の代替的な抑制の実施形態を図示する。抑制装置130の類似筐体は、入口端134および出口端136を有する、管類132の一部である。管類132は、メータ50の上流で、注入経路16と一体的に形成すること、注入経路16の中へ溶接すること、または融合コネクタ等のコネクタを介して注入経路に接続することができる。
【0035】
管類132は、医用流体がバルーンの周囲で拍動して流れるにつれて、圧縮または減圧することによって拍動圧力スパイクを抑制するよう、上記で説明されるように動作する抑制要素を形成する、抑制ポーチまたはバルーン138を保持する。ポーチまたはバルーン138は、管132から分離して形成するか、または管の一部として形成することができる。後者の場合、例えば、バルーン138は、管132の内壁上でブリスターパックまたは気泡シート型として形成することができる。
【0036】
ここで図9を参照すると、抑制装置140は、本開示のさらに別の代替的な拍動抑制構造を図示する。抑制装置140は、抑制装置130のように、メータ50の上流で注入ライン16と一体的に形成する、その中に継ぎ合わせる(例えば、溶接する、熱融着する、または超音波融着する)、またはその中に接続することができる、抑制要素を形成する、注入ライン16のコイル状部分を含む。コイル抑制装置140の管類は、シリコーン等の薄壁柔軟プラスチックであり得る。抑制装置140は、拍動流を抑制するのに、(i)圧力パルスの正および負の現在の傾斜に応じた、抑制装置140のコイルの捻転および捻転解除、(ii)それぞれ、圧力パルスの正および負の現在の傾斜に応じて、コイル状管類が膨張および収縮するように、高度に柔軟であるコイル140の材料の一方または両方に依存することができる。
【0037】
ここで図10を参照すると、抑制装置150は、本開示のさらに代替的な拍動流抑制の実施形態を図示する。抑制装置150は、矢印の線によって示されるように、拍動圧力スパイクの正および負の現在の傾斜に応じて拡張および収縮する、バルーン筐体152を含む。筐体152は、注入ライン16と流体的に連通する、入口154および出口156と流体的に連通する。入口154および出口156は、示されるように、180°の関係を有するが、代替として、直角または貫流関係を有する。
【0038】
バルーン筐体は、本明細書で記載される材料のうちのいずれか等の薄い柔軟材料で作ることができる、複数のアコーディオン状プリーツまたは壁158を含む。壁またはプリーツ158は、圧力スパイクの正の傾斜を受けると外向きに拡張し、スパイクの負の傾斜を受けると後退する。結果は、圧力スパイク全体にわたる円滑化および抑制された医用流体流動である。
【0039】
ここで図11を参照すると、貫流抑制装置160が図示されている。貫流抑制装置は、注入ライン16とともに形成され、その中に継ぎ合わされ、またはその中に接続される、入口164と一方の端で、出口166と第2端で連通する、可撓性チャンバ162を含む。チャンバ162の1つまたは複数の壁168は、本明細書で説明される柔軟な医学的に容認可能な材料のうちのいずれかでできている。壁168は、圧力スパイクの正の傾斜を受けると外向きに拡張または屈曲し、圧力スパイクの負の傾斜を受けると収縮して、スパイク全体にわたって円滑化された抑制流動を提供する。
【0040】
図12の貫流抑制装置170は、抑制装置160と同様である。しかし、ここでは、可撓性の拡張可能管類部分172は、入口管類174および出口管類176とほぼ同じ直径を有する。抑制装置170は、抑制装置160と一致した方式で機能する。
【0041】
ここで図13を参照すると、抑制装置180は、本開示のさらに代替的な拍動流抑制の実施形態を図示する。断面図で示される抑制装置180は、本明細書で論議される材料のうちのいずれか、または柔軟材料、例えば、1つの好ましい実施形態ではシリコーンである、複数の小直径管184(例えば、0.125インチ直径)を収納する硬質材料であり得る、より大きい管(例えば、1〜1.5インチ外径)182を含む。複数の管184は、圧力スパイクを吸収するように、増加した量の柔軟表面積を提供する。より小さい管184はまた、同様にスパイクを抑制する傾向がある、全体的な制限流動を提供してもよい。
【0042】
ここで図14を参照すると、抑制装置190は、その上さらに代替実施形態を図示する。抑制装置190は、本明細書で説明される代替的方式のうちのいずれかで入口194および出口196と連通する、チャンバ198を密閉して保持する筐体192を含む。入口194および出口196は順に、メータ50の上流で注入経路16と連通する。筐体192が、硬質材料であり得る一方で、チャンバ198は、本明細書で論議される可撓性の拡張可能材料のうちのいずれかでできている。筐体192は、可撓性チャンバ198の外側を包囲する磁性レオロジー流体200を保持する。磁性レオロジー流体は、磁界を受けた時に、その見掛け粘度を変化させることによって動作する。この流体200の粘度の変化は、正の+dv容量を吸収するように始動させることができ、次いで、粘度は、圧力スパイクの負の容量−dv部分の間にそれを返すように増加させることができる。
【0043】
代替実施形態では、磁性レオロジー材料200は、抑制目的で可撓性チャンバ198を包囲する、圧力保持筐体192内の圧縮空気に置換される。圧縮空気は、シリンダ、内蔵空気に由来する、または注入ポンプ14の送出を介することができる。圧縮空気は、代替として、それぞれ図4および5における上記の抑制装置80および90の空気チャンバ89および/または99に注入することができる。
【0044】
以降で説明される概念/実施形態で示されるように、空気/ガスが本明細書で論議される抑制装置のうちのいずれかによって使用される場合(いずれにしても、医用流体が可撓性の空気保持膜の外側または内側を流れる)、ボイルの法則と呼ばれる圧縮ガスの法則を使用して、図2に示される貯蔵流体容量「dv」と圧力変化との間の関係を計算することができる。
(式1) Po*Vo=Pf*Vf=定数
式中、
Po=非圧縮空気/ガスの元の圧力
Pf=圧縮空気/ガスの最終圧力
Vo=非圧縮空気/ガスの元の容量
Vf=圧縮空気/ガスの最終容量
定義によりVf=Vo−dvであるため、式1にVfを代入すると以下を生じ、
Po*Vo=Pf*(Vo−dv)
Po*Vo=Pf*Vo−Pf*dv
(式2) Vo=Pf*dv/(Pf−Po)または
(式3) dv=Vo*(Pf−Po)/Pf
式2および式3は、それぞれ、空気/ガスおよび貯蔵流体の容量を決定するために使用することができる。必要とされる空気/ガスの全容量「dv」は、以降で説明される概念/実施形態で示されるような小型または製造容易な抑制装置を作成するように、上記で示されるような好適な数の形状、形態、または挿入物に分割/分配することができる。
【0045】
本明細書で説明される主題の側面は、単独で、または本明細書で説明される1つ以上の他の側面と組み合わせて有用であり得る。先述の内容を限定することなく、本開示の第1の側面では、医用流体注入システムは、流体の拍動流を輸送するための流体経路と、流体経路と連通している抑制要素であって、抑制要素は、拍動流の圧力変動を能動的に抑制して拍動流体流動を円滑化するように構成され、任意の配向で動作可能である、抑制要素と、円滑化された流体流動の流速を測定するように抑制要素の下流で流体経路に沿って配置されている流体流量センサとを含む。
【0046】
第1の側面と組み合わせて使用され得る本開示の第2の側面によれば、注入は、流体経路と連通している拍動注入ポンプであって、拍動流体流動を引き起こす注入ポンプを含む。
【0047】
第2の側面と組み合わせて使用され得る本開示の第3の側面によれば、注入は、流体流量センサおよび注入ポンプとともに動作可能な制御部であって、流量センサから流速情報を受信するように、および流速情報に基づいて注入ポンプを調整するように構成されている、制御部を含む。
【0048】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第4の側面によれば、抑制要素は、圧縮空気源からの圧縮された空気を保持する外部チャンバと、ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバとを含む。
【0049】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第5の側面によれば、抑制要素は、レオロジー流体を保持する外部チャンバと、ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバとを含む。
【0050】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第6の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するように管類の一部の内壁上に形成されている、複数のポケットを含む。
【0051】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第7の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するよう、流出された流体によって拡張されるベローズを含む。
【0052】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第8の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するように管類のコイル状部分を含む。
【0053】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第9の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するように可撓性壁を含む。
【0054】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第10の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するように拡張可能管を含む。
【0055】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第11の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するように複数の束になった平行管を含む。
【0056】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第12の側面によれば、注入システムは、流体経路と、流体経路を通して流体の非連続流を送出するための注入ポンプと、拡張可能膜を取り囲む筐体であって、膜の内側は、流体経路と連通しているチャンバを規定し、筐体内のチャンバの外側は、非連続流を円滑化するように非連続流動流体の圧力変動を吸収する圧縮性ガスを含み、筐体およびチャンバは、任意の配向で動作可能である、筐体と、筐体の下流で流体経路に沿って配置されている流体流量センサであって、円滑化された流体流動の流速を測定するように構成されている、流体流量センサとを含む。
【0057】
側面12と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第13の側面によれば、チャンバの入口および出口は、流体がチャンバに進入した後に方向を変更しなければならないように、互に少なくとも実質的に平行に配置されている。
【0058】
側面12と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第14の側面によれば、拡張可能膜は、拡張可能バルーンまたは拡張可能壁である。
【0059】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第15の側面によれば、注入システムは、注入ポンプと、注入ポンプによって生成される流体の拍動流を輸送するための流体経路と、流体経路と連通している入口および出口を有する流体保持区画と、流体の拍動流の変動を抑制する傾向がある、流体保持区画の内側に位置する少なくとも1つの圧縮性空気バルーンと、流体保持区画から下流で流体経路に沿って配置されている流量センサとを含む。
【0060】
側面15と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第16の側面によれば、流体保持区画の入口および出口は、少なくとも1つの圧縮性空気バルーンの周囲で流体の流動を押し進めるように構成されている。
【0061】
側面15と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第17の側面によれば、流体保持区画は、圧縮性空気バルーンのうちの少なくとも2つを分離する分割壁を収納している。
【0062】
側面15と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第18の側面によれば、流体保持区画の入口および出口は、流体が流体保持区画に進入した後に方向を変更しなければならないように、互に対して配置されている。
【0063】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第19の側面によれば、注入システムは、医用流体注入システムを含み、医用流体注入システムは、流体の少なくとも半拍動流を生成する注入ポンプと、注入ポンプから下流に配置されている流量センサと、注入ポンプから流量センサへ流体の少なくとも半拍動流を運搬するための管であって、ポンプから流量センサへの流体の流動を円滑化するための少なくとも1つの圧縮性空気バルーンを取り囲む管とを含む。
【0064】
側面19と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第20の側面によれば、少なくとも1つの空気バルーンの表面は、管の内壁面である。
【0065】
本開示の第21の側面によれば、図1に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0066】
本開示の第22の側面によれば、図2に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0067】
本開示の第23の側面によれば、図3に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0068】
本開示の第24の側面によれば、図4に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0069】
本開示の第25の側面によれば、図5に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0070】
本開示の第26の側面によれば、図6Aおよび6Bに関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0071】
本開示の第27の側面によれば、図7に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0072】
本開示の第28の側面によれば、図8に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0073】
本開示の第29の側面によれば、図9に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0074】
本開示の第30の側面によれば、図10に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0075】
本開示の第31の側面によれば、図11に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0076】
本開示の第32の側面によれば、図12に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0077】
本開示の第33の側面によれば、図13に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0078】
本開示の第34の側面によれば、図14に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0079】
本明細書に説明される本好ましい実施形態への種々の変更および修正は、当業者には明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつ意図された利点を軽減することなく、行うことが可能である。したがって、そのような変更および修正は、添付する特許請求の範囲に包含されることを意図する。
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医用流体送達システムに関する。具体的には、本開示は、注入システムの中の略拍動流体流動を、より円滑な、またはあまり拍動性ではない流体流動に変換するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液状薬剤ならびに他の複合医用および治療流体はしばしば、注入療法を通して患者に投与される。典型的には、注入療法は、注入回路を通して患者の中へ流体を押し進めるために注入ポンプを採用することによって達成される。歩行可能である患者で長期間にわたって流体の注入がおこなわれる時等の、ある状況では、使い捨て注入システムを使用することが望ましい。
【0003】
使い捨て注入システムは、概して、単回使用アイテムであるため、そのようなシステムは、典型的には、比較的単純で安価な構成要素を含む。しかしながら、比較的単純で安価な構成要素を使用することで遭遇する困難のうちの1つは、構成要素がしばしば、使用するために相互に互換性がないことである。例えば、単純で安価な注入ポンプの大多数が、拍動または非連続流体流動を生成する。耐久性のある高価なポンプでさえ、拍動性を生成する。この拍動流体流動は、動的であり、非常に迅速に変化する流速および圧力変動を有する。さらに、最も単純で安価な流体流量センサは、時間分解能、または拍動流体流動の流速を感知および計算する能力を持たない。これらの構成要素の非互換性は、注入回路内の流体流速を監視する能力を有する、経済的な使い捨て注入システムを生産することへの障害を生じる。
【0004】
多くの注入療法用途では、流体は、治療的に有効となるように、ある流体流速で患者に投与されることが要求される。例えば、いくつかの用途では、流体が過度にゆっくりと注入された場合、意図された治療効果が低減されるか、または完全に存在しない場合がある。他の用途では、過度に高速での体内への流体の注入は、危険または過剰投与状況を生じ得る。したがって、いくつかの注入療法用途では、必要に応じて流速を監視し、調整することができるように、ユーザが、システムを通る流体の流速を迅速かつ正確に決定できることが重要である。
【0005】
ユーザが流速を決定できることが重要である場合において、使い捨て注入セットはしばしば、円滑な流体流動を生成する注入ポンプ、または拍動または非連続流体流動の流速を監視および計算する能力を有する流量センサのいずれか一方を含む。円滑流生成注入ポンプ、または拍動流を監視することができる流量センサを使用することの不利点のうちの1つは、これらの構成要素の療法が、比較的高価であり、使い捨て注入セットの全体的費用をかなり増加させる。増加した費用に加えて、高分解能測定を達成することが可能なシステム構成要素はしばしば、複雑な回路、ハードウェア、およびソフトウェアアーキテクチャを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、注入システム内の流体の略非連続または拍動流を、概して、より円滑な、またはあまり拍動性ではない流体流動に変換する抑制要素を含む注入システムを提供する。注入システムへの抑制要素の組み込みは、種々の利益を提供する。例えば、より円滑な流体流動への略拍動流体流動の変換は、流体の拍動流の流速を感知し、計算する時間分解能を持たない比較的安価な流体流量センサが、そのような流体流動を監視し、調整するために使用されることを可能にする。比較的安価な流体流量センサを採用する能力は、注入システムの全体的費用をかなり削減する。
【0007】
一般に、抑制要素は、注入システムの流体経路に沿った場所に配置され、抑制要素の上流にある流体源から、拍動流体流動を有する流体を受け取る。例えば、一実施形態では、本開示の医用流体注入システムは、拍動注入ポンプ、例えば、膜ポンプまたは蠕動ポンプから送出される、流体、例えば、患者に注入するための薬剤の拍動流を輸送するための流体経路を含む。抑制要素が、流体経路と流体連通して配置されている。抑制要素は、拍動流体流動を円滑化するように、拍動流の圧力変動を能動的に抑制する。有利に、抑制要素は、任意の配向で操作することができ、重力依存性ではない。流体流量センサが、円滑化された流体流動の流速を測定するように抑制要素の下流で流体経路に沿って配置されている。システムは、抑制要素および流体流量センサの両方を収納している、共通エンクロージャを提供することができる。
【0008】
抑制要素の多くの異なる構成が、以下で詳細に記載される。例えば、抑制要素は、大気圧である空気または圧縮空気源から加圧された空気を保持する外部筐体と、ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバとを含むことができる。または、抑制要素は、レオロジー流体を保持する外部筐体と、ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバとを含むことができる。代替として、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に圧縮力を能動的に提供するよう、流出された流体によって拡張されるベローズを含む。さらに代替として、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に圧縮力を能動的に提供する、可撓性壁を含むことができる。その上さらに代替として、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に圧縮力を能動的に提供するように、拡張可能管を含むことができる。さらに別の代替実施形態では、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に圧縮力を能動的に提供するように、複数の束になった平行管を含む。
【0009】
具体的には、1つの注入システムは、(i)流体経路と、(ii)流体経路を通して流体の非連続流を送出するための注入ポンプと、(iii)拡張可能膜を取り囲む筐体であって、膜の内側は、流体経路と連通しているチャンバを規定し、筐体内のチャンバの外側は、非連続流を円滑化するように非連続流動流体の圧力変動を吸収する圧縮性ガスを含み、筐体およびチャンバは、任意の配向で動作可能である筐体と、(iv)筐体の下流で流体経路に沿って配置されている流体流量センサであって、円滑化された流体流動の流速を測定するように構成されている流体流量センサとを含む。
【0010】
別の実施形態では、医用流体注入システムは、(i)注入ポンプと、(ii)注入ポンプによって生成される流体の拍動流を輸送するための流体経路と、(iii)流体経路と流体連通している入口および出口を有する、流体保持区画と、(iv)流体の拍動流の変動を抑制する傾向があるよう、流体保持区画の外面の少なくとも実質的に全体の周囲で圧縮性ガスを保持するチャンバと、(v)流体保持区画およびチャンバから下流で流体経路に沿って配置されている流量センサとを含む。ここで、流体保持区画の入口および出口は、流体が流体保持区画に進入した後に方向を変更しなければならないように、互に少なくとも実質的に平行に配置することができる。また、流体保持区画は、拡張可能バルーンを含むこともできる。
【0011】
さらなる実施形態では、医用流体注入システムは、(i)注入ポンプと、(ii)注入ポンプによって生成される流体の拍動流を輸送するための流体経路と、(iii)流体経路と流体連通している入口および出口を有する流体保持区画と、(iv)流体の拍動流の変動を抑制する傾向がある、流体保持区画の内側に位置する少なくとも1つの圧縮性空気バルーンと、(v)流体保持区画から下流で流体経路に沿って配置されている流量センサとを含む。ここで、流体保持区画の入口および出口は、(a)少なくとも1つの圧縮性空気バルーンの周囲で流体の流動を押し進めるように構成され、(b)流体が流体保持区画に進入した後に方向を変更しなければならないように、互に対して配置されることができる。1つの実装では、流体保持区画は、圧縮性空気バルーンのうちの少なくとも2つを分離する分割壁を収納している。
【0012】
さらに別の実施形態では、医用流体注入システムは、(i)流体の少なくとも半拍動流を生成する、注入ポンプと、(ii)注入ポンプから下流に配置されている流量センサと、(iii)注入ポンプから流量センサへ流体の少なくとも半拍動流を運搬するための管であって、ポンプから流量センサへの流体の流動を円滑化するための少なくとも1つの圧縮性空気バルーンを取り囲む管とを含む。1つの実装では、少なくとも1つの空気バルーンの表面は、管の内壁面である。
【0013】
したがって、抑制要素または抑制装置の配向が重要でない、注入ポンプシステム用の流動抑制を提供することが、本開示の利点である。
【0014】
抑制要素が拍動流体流動を円滑化するように拍動流の圧力変動を能動的に抑制する、注入ポンプシステム用の流動抑制を提供することが、本開示の別の利点である。
【0015】
付加的特徴および利点は、本明細書に説明されており、以下の発明を実施するための形態および図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本開示による、注入システムの中に種々の流動拍動性抑制装置を配置するための一実施形態の概略立面図である。
【図2】図2は、本開示による、フィードバックを有する注入システムの中に種々の流動拍動性抑制デバイスを配置するための一実施形態の概略立面図である。
【図3】図3は、本開示の流動拍動性抑制デバイスが、本開示のシステムの医用流体ポンプの出力に固有の拍動性により、どのように陽圧パルスを吸収し、陰圧パルス中に戻し流を生じるかというポンプサイクルあたりの流量の概略図である。
【図4】図4は、本開示の流動拍動性抑制要素の一実施形態を図示する、概略図である。
【図5】図5は、本開示の流動拍動性抑制要素の第2の実施形態を図示する、概略図である。
【図6】図6Aおよび図6Bは、本開示の流動拍動性抑制要素の第3の実施形態を図示する、概略図である。
【図7】図7は、本開示の流動拍動性抑制要素の第4の実施形態を図示する、概略図である。
【図8】図8は、本開示の流動拍動性抑制要素の第5の実施形態を図示する、概略図である。
【図9】図9は、本開示の流動拍動性抑制要素の第6の実施形態を図示する、概略図である。
【図10】図10は、本開示の流動拍動性抑制要素の第7の実施形態を図示する、概略図である。
【図11】図11は、本開示の流動拍動性抑制要素の第8の実施形態を図示する、概略図である。
【図12】図12は、本開示の流動拍動性抑制要素の第9の実施形態を図示する、概略図である。
【図13】図13は、本開示の流動拍動性抑制要素の第10の実施形態を図示する、概略図である。
【図14】図14は、本開示の流動拍動性抑制要素の第11の実施形態を図示する、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、図面、具体的には図1を参照すると、患者に薬剤または他の治療流体等の流体を注入するための注入療法システムまたはセット10が提供される。実施形態での注入療法システム10は、比較的安価な構成要素部品を含む使い捨て注入システムである。示された実施形態では、注入療法システム10は、流体供給12と、注入ポンプ14と、流体経路16とを含む。一般に、注入ポンプ14は、流体供給12から注入経路16を通って、流体を患者に送達する注入デバイス(図示せず)へと流体18を送出する。注入デバイスは、流体を送達するように患者と界面接触するカテーテル、埋込型ポート、静脈内送達デバイス、シャント、または他の機構等の任意の数の注入デバイスであり得る。
【0018】
注入ポンプ14は、マイクロダイヤフラムまたは蠕動ポンプ等の、圧力変動を有する拍動流体流動を生成するポンプである。例えば、ポンプは、例えば、thinXXS Microtechnology AG,Zweibrucken,Germanyによって提供される、マイクロダイヤフラムポンプであり得る。ポンプ自体は、使い捨てであり得る。代替として、ポンプの流体運搬構成要素が、使い捨てである。これらの種類のポンプはしばしば、サイズが小さく、概して軽量で比較的安価である。ポンプ14は、流体を受け取るための入口ポート20と、流体を排出するための出口ポート22とを含む。注入ポンプ14の入口ポート20は、流体供給導管26の遠位端部分24に接続され、流体供給導管26の近位端部分28は、流体供給12に接続される。流体供給導管26とポンプ14との間の接続、本明細書で説明される構成要素の他の接続は、雄・雌ルアー型接続または一体接続等の、当業者に公知である任意の好適な種類の永久または可撤性接続であり得る。
【0019】
流体供給12は、患者に注入される流体18を含む可撓性分注バッグ30を含み得る。実施形態での分注バッグ30は、ポリマー材料でできており、流体供給導管26の近位端部分28に接続される出口ポート32を含む。分注バッグ30は、流体供給導管26を通して注入ポンプ14に流体18を供給する。
【0020】
注入経路16は、ポンプ14からカニューレまたはカテーテル(図示せず)等の注入デバイスへの流体経路を提供する。注入経路16は、近位端部分36および遠位端部分38を有する、第1の流体導管34を含むことができる。第1の流体導管34の近位端部分36は、注入ポンプ14の出口ポート22に接続され、注入ポンプから流体の拍動流を受け取る。例えば、蠕動ポンプの案内溝のローラが、略拍動流を生成する。膜ポンプの中の膜またはダイヤフラムの前後運動もまた、非連続または拍動流を作成する。
【0021】
拍動性抑制デバイスまたは要素(本明細書で説明される抑制装置80、90、100a/100b、120、130、140、150、160、170、180、および190のうちのいずれかを指す)が、注入ポンプ14の下流にある場所で注入経路16に沿って配置されている。第1の流体導管34の遠位端部分38は、抑制要素に接続される。抑制要素は、拍動流体流動を受け取り、それをより円滑または連続的な流体流動に変換する。
【0022】
ここで図2を参照すると、本明細書で論議される抑制装置80、90、100a、100b、120、130、140、150、160、170、180、および190のうちのいずれかを使用する、注入システム110は、流量センサ50および注入ポンプ14と連通している制御ユニット112を含む。制御ユニット112は、注入システムを通る流体の流速を最適化する閉ループ制御注入システムを作成するために採用することができる。例えば、ユーザが、制御ユニット112に所望の流速を入力する。制御ユニット112は、注入ポンプ14と通信して、所望の流速で流体を送出するようにポンプを設定する。制御ユニット112は、注入回路を通る実際の流速に関する情報を流量センサ50から受信し、次いで、実際の流速を計算するように情報を処理する。制御ユニット112は、実際の流速を所望の流速と比較し、実際の流速が所望の流速に等しくなるまで、必要に応じて、注入ポンプ14を調整する、比例/積分/微分(「PID」)型の制御を含むことができる。
【0023】
ここで図3を参照すると、本明細書で記載される異なる抑制装置の実施形態は、流量センサ50の前の注入経路16の中で拡張可能または圧縮可能領域を作成する、拡張可能および/または可撓性材料を使用する。拡張可能または圧縮可能領域は、拍動流体流動によって引き起こされる圧力変動に応答し、それは、流量センサ50への流体のより円滑で連続的な流動をもたらす、変動への即効応答を提供する。図3は、本明細書で論議される種々の抑制実施形態を介して生成される所望の抑制された流量(Q)を表す、点線を示す。拍動圧力サイクルは、「抑制装置がない流量(Q)」を表す実線による、正および負の傾斜を有するものとして示されている。圧力サイクルの増加する圧力傾斜は、抑制されなければ、医用流体流速を、所望の抑制された流量の点線「抑制装置がある流量(Q)」を上回って増加させる。しかしながら、抑制すると、要素は代わりに、流体容量+dvを貯蔵するように膨張させられる。
【0024】
流動の実線「抑制装置がない流量(Q)」が抑制されない場合に、所望の抑制された流量の点線「抑制装置がある流量(Q)」を下回るように、圧力スパイクの正の位置が減退し、圧力パルスの負の傾斜につながると、負の容量−dvを生成する。しかしながら、抑制装置の提供は、拡張可能および/または可撓性材料が収縮することを可能にし、貯蔵容量+dvを返し、所望の流速「抑制装置がある流量(Q)」まで円滑化するように負の容量−dvを打ち消す。次いで、上記で論議された拍動パルスサイクルが、拍動流の周期的な性質につき繰り返される。
【0025】
ここで図4を参照すると、本開示の1つの抑制装置が、抑制装置80によって図示されている。抑制装置80は、使い捨て、例えば、プラスチック筐体、または非使い捨て筐体、例えば、システム10の永久構成要素であり得る、筐体82を含む。筐体82は、メータ50の上流で注入ライン16と流体的に連通する医用流体入口84および医用流体出口86を含むか、または規定する。図示した実施形態での入口84および出口86は、医用流体流動が可撓性抑制要素88内で180°回転するよう押し進められるように、相互に平行および隣接する。入口84および出口86は、代替として、医用流体が、入口84を通って抑制要素88の片側に流入し、出口86を通って抑制要素88の反対側から流出するように、互に対して一列に並んでいる。出口86は、代替として、入口84と垂直であるか、または一列に並んでいる。
【0026】
入口84および出口86は、任意の好適な医療グレード管類で作ることができる。入口84および出口86は、代替として、医療グレード熱硬化性エラストマー、シリコーンゴム、ブチルゴム等の拡張可能かつ圧縮可能である医療グレード材料でできている抑制要素88と一体化して形成されている。抑制要素88は、陽圧スパイクを受けると膨張して、図3に図示される各駆動圧力パルスを超える過剰な容量+dvを吸収する。チャンバ88の柔軟材料は、出口86を通る+dvを返して、図3に示される圧力波の負になる部分によって引き起こされる容量の不足−dvを補うよう、拍動圧力スパイクの減圧時に収縮する。
【0027】
ここで図5を参照すると、代替的な抑制装置90が図示されている。抑制装置90は、多くの反復で抑制装置80と同様であり、外部使い捨てまたは永久筐体92と、入口94と、メータ50の上流で注入ライン16と流体的に連通する出口86とを含む。筐体82、入口84、および出口86について上記で論議される、あらゆる代替実施形態が、筐体92、入口94、および出口96に適用可能である。例えば、抑制装置90は、抑制装置80のように、入口94を通って流れる反対の方向に出口96を配向する。代替実施形態では、出口96は、抑制装置90の入口94を通る流体の流動と垂直に延在することができる。
【0028】
抑制装置90は、半径方向および球状に拡張および圧縮する、上記のバルーンまたは嚢状チャンバ88を、弓状に入口94および出口96から屈曲し、かつそれらに向かって屈曲する、可撓性壁98と置換する。可撓性壁98は、抑制要素88について上記で論議される材料のうちのいずれかで作ることができる。正の拍動圧力スパイク時に、可撓性壁98は、余分な容量+dvを吸収するようにたわむ、または屈曲する。次いで、可撓性壁98は、出口96を通る正の+dv容量を返すよう、拍動圧力スパイクの減圧時に平坦な状態に、たわんだ状態または屈曲した状態から戻る。出口96を通して+dv容量を返すことにより、圧力スパイクの負の部分によって引き起こされた容量の不足−dvを補う(図3参照)。
【0029】
ここで図6Aおよび6Bを参照すると、本開示のさらに別の抑制装置の代替実施形態100aおよび100bが図示されている。抑制装置100aおよび100bは、好適な医療グレードプラスチック等の本明細書で論議される材料のうちのいずれかで作ることができる、筐体102aおよび102bをそれぞれ含む。略垂直筐体102aおよび略水平筐体102b用の入口104および出口106は、上記で論議される、略平行の反対に流れる方式で形成され、メータ50の上流で注入ライン16と流体的に連通する。入口104および出口106は、代替として、互に対して垂直に、または一列に並んで配向することができる。
【0030】
各筐体102aおよび102bは、可撓性、例えば、プラスチック膜でできている抑制要素を形成する、高度に圧縮性の抑制ポーチまたはバルーン108を収納している。ポーチまたはバルーン108は、空気または圧縮性ゲルで充填することができる。医用流体は、入口104から出口106へ移動するにつれて、バルーン108の周囲で、かつそれに接触して流れる。実施形態では、バルーン108は、その抑制効果を最適化するように医用流体との最大表面積接触を有するよう、サイズ決定され、位置付けられる。バルーン108は、球形、長円形、楕円形、または他の好適な形状を有することができる。1つの好ましい実施形態では、バルーン108は、流量センサ50の上流に位置付けられる。
【0031】
正の拍動圧力スパイク時に、バルーンまたはポーチ108は、余分な容量+dvを吸収するように収縮する。次いで、バルーンまたはポーチ108は、出口106を通して+dv容量を返すよう、拍動圧力スパイクの減圧時に、その自然な容量まで減圧する。+dv容量を返すことにより、圧力スパイクの負の位置によって引き起こされた容量の不足−dvを補う(図3参照)。
【0032】
ここで図7を参照すると、抑制装置120は、本開示のさらに別の代替的な抑制装置を図示する。抑制装置120は、本明細書で論議される材料のうちのいずれかで作ることができる、筐体122を含む。筐体122は、本明細書で論議される代替的な方法のうちのいずれかで、医用流体入口124および出口126と連通する。入口124および出口126は、メータ50の上流で注入ライン16と流体的に連通する。
【0033】
筐体122は、抑制要素を形成する、複数の圧縮性空気バッグまたはバルーン128を保持する。図示した実施形態では、バルーン128は、仕切り壁129の両側で分割される。代替として、仕切り壁129は提供されない。バルーンまたはポーチ108と同様に、バルーンまたはポーチ128は、空気または圧縮性ゲルで充填することができる。バルーン129は、集合的に、図6Aおよび6Bの抑制装置100aおよび100bのバルーンまたはポーチ108と一致した方式で、バルーンの外面に沿って、拍動医用流体流動を個別かつ集合的に抑制する。
【0034】
ここで図8を参照すると、抑制装置130は、本開示の別の代替的な抑制の実施形態を図示する。抑制装置130の類似筐体は、入口端134および出口端136を有する、管類132の一部である。管類132は、メータ50の上流で、注入経路16と一体的に形成すること、注入経路16の中へ溶接すること、または融合コネクタ等のコネクタを介して注入経路に接続することができる。
【0035】
管類132は、医用流体がバルーンの周囲で拍動して流れるにつれて、圧縮または減圧することによって拍動圧力スパイクを抑制するよう、上記で説明されるように動作する抑制要素を形成する、抑制ポーチまたはバルーン138を保持する。ポーチまたはバルーン138は、管132から分離して形成するか、または管の一部として形成することができる。後者の場合、例えば、バルーン138は、管132の内壁上でブリスターパックまたは気泡シート型として形成することができる。
【0036】
ここで図9を参照すると、抑制装置140は、本開示のさらに別の代替的な拍動抑制構造を図示する。抑制装置140は、抑制装置130のように、メータ50の上流で注入ライン16と一体的に形成する、その中に継ぎ合わせる(例えば、溶接する、熱融着する、または超音波融着する)、またはその中に接続することができる、抑制要素を形成する、注入ライン16のコイル状部分を含む。コイル抑制装置140の管類は、シリコーン等の薄壁柔軟プラスチックであり得る。抑制装置140は、拍動流を抑制するのに、(i)圧力パルスの正および負の現在の傾斜に応じた、抑制装置140のコイルの捻転および捻転解除、(ii)それぞれ、圧力パルスの正および負の現在の傾斜に応じて、コイル状管類が膨張および収縮するように、高度に柔軟であるコイル140の材料の一方または両方に依存することができる。
【0037】
ここで図10を参照すると、抑制装置150は、本開示のさらに代替的な拍動流抑制の実施形態を図示する。抑制装置150は、矢印の線によって示されるように、拍動圧力スパイクの正および負の現在の傾斜に応じて拡張および収縮する、バルーン筐体152を含む。筐体152は、注入ライン16と流体的に連通する、入口154および出口156と流体的に連通する。入口154および出口156は、示されるように、180°の関係を有するが、代替として、直角または貫流関係を有する。
【0038】
バルーン筐体は、本明細書で記載される材料のうちのいずれか等の薄い柔軟材料で作ることができる、複数のアコーディオン状プリーツまたは壁158を含む。壁またはプリーツ158は、圧力スパイクの正の傾斜を受けると外向きに拡張し、スパイクの負の傾斜を受けると後退する。結果は、圧力スパイク全体にわたる円滑化および抑制された医用流体流動である。
【0039】
ここで図11を参照すると、貫流抑制装置160が図示されている。貫流抑制装置は、注入ライン16とともに形成され、その中に継ぎ合わされ、またはその中に接続される、入口164と一方の端で、出口166と第2端で連通する、可撓性チャンバ162を含む。チャンバ162の1つまたは複数の壁168は、本明細書で説明される柔軟な医学的に容認可能な材料のうちのいずれかでできている。壁168は、圧力スパイクの正の傾斜を受けると外向きに拡張または屈曲し、圧力スパイクの負の傾斜を受けると収縮して、スパイク全体にわたって円滑化された抑制流動を提供する。
【0040】
図12の貫流抑制装置170は、抑制装置160と同様である。しかし、ここでは、可撓性の拡張可能管類部分172は、入口管類174および出口管類176とほぼ同じ直径を有する。抑制装置170は、抑制装置160と一致した方式で機能する。
【0041】
ここで図13を参照すると、抑制装置180は、本開示のさらに代替的な拍動流抑制の実施形態を図示する。断面図で示される抑制装置180は、本明細書で論議される材料のうちのいずれか、または柔軟材料、例えば、1つの好ましい実施形態ではシリコーンである、複数の小直径管184(例えば、0.125インチ直径)を収納する硬質材料であり得る、より大きい管(例えば、1〜1.5インチ外径)182を含む。複数の管184は、圧力スパイクを吸収するように、増加した量の柔軟表面積を提供する。より小さい管184はまた、同様にスパイクを抑制する傾向がある、全体的な制限流動を提供してもよい。
【0042】
ここで図14を参照すると、抑制装置190は、その上さらに代替実施形態を図示する。抑制装置190は、本明細書で説明される代替的方式のうちのいずれかで入口194および出口196と連通する、チャンバ198を密閉して保持する筐体192を含む。入口194および出口196は順に、メータ50の上流で注入経路16と連通する。筐体192が、硬質材料であり得る一方で、チャンバ198は、本明細書で論議される可撓性の拡張可能材料のうちのいずれかでできている。筐体192は、可撓性チャンバ198の外側を包囲する磁性レオロジー流体200を保持する。磁性レオロジー流体は、磁界を受けた時に、その見掛け粘度を変化させることによって動作する。この流体200の粘度の変化は、正の+dv容量を吸収するように始動させることができ、次いで、粘度は、圧力スパイクの負の容量−dv部分の間にそれを返すように増加させることができる。
【0043】
代替実施形態では、磁性レオロジー材料200は、抑制目的で可撓性チャンバ198を包囲する、圧力保持筐体192内の圧縮空気に置換される。圧縮空気は、シリンダ、内蔵空気に由来する、または注入ポンプ14の送出を介することができる。圧縮空気は、代替として、それぞれ図4および5における上記の抑制装置80および90の空気チャンバ89および/または99に注入することができる。
【0044】
以降で説明される概念/実施形態で示されるように、空気/ガスが本明細書で論議される抑制装置のうちのいずれかによって使用される場合(いずれにしても、医用流体が可撓性の空気保持膜の外側または内側を流れる)、ボイルの法則と呼ばれる圧縮ガスの法則を使用して、図2に示される貯蔵流体容量「dv」と圧力変化との間の関係を計算することができる。
(式1) Po*Vo=Pf*Vf=定数
式中、
Po=非圧縮空気/ガスの元の圧力
Pf=圧縮空気/ガスの最終圧力
Vo=非圧縮空気/ガスの元の容量
Vf=圧縮空気/ガスの最終容量
定義によりVf=Vo−dvであるため、式1にVfを代入すると以下を生じ、
Po*Vo=Pf*(Vo−dv)
Po*Vo=Pf*Vo−Pf*dv
(式2) Vo=Pf*dv/(Pf−Po)または
(式3) dv=Vo*(Pf−Po)/Pf
式2および式3は、それぞれ、空気/ガスおよび貯蔵流体の容量を決定するために使用することができる。必要とされる空気/ガスの全容量「dv」は、以降で説明される概念/実施形態で示されるような小型または製造容易な抑制装置を作成するように、上記で示されるような好適な数の形状、形態、または挿入物に分割/分配することができる。
【0045】
本明細書で説明される主題の側面は、単独で、または本明細書で説明される1つ以上の他の側面と組み合わせて有用であり得る。先述の内容を限定することなく、本開示の第1の側面では、医用流体注入システムは、流体の拍動流を輸送するための流体経路と、流体経路と連通している抑制要素であって、抑制要素は、拍動流の圧力変動を能動的に抑制して拍動流体流動を円滑化するように構成され、任意の配向で動作可能である、抑制要素と、円滑化された流体流動の流速を測定するように抑制要素の下流で流体経路に沿って配置されている流体流量センサとを含む。
【0046】
第1の側面と組み合わせて使用され得る本開示の第2の側面によれば、注入は、流体経路と連通している拍動注入ポンプであって、拍動流体流動を引き起こす注入ポンプを含む。
【0047】
第2の側面と組み合わせて使用され得る本開示の第3の側面によれば、注入は、流体流量センサおよび注入ポンプとともに動作可能な制御部であって、流量センサから流速情報を受信するように、および流速情報に基づいて注入ポンプを調整するように構成されている、制御部を含む。
【0048】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第4の側面によれば、抑制要素は、圧縮空気源からの圧縮された空気を保持する外部チャンバと、ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバとを含む。
【0049】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第5の側面によれば、抑制要素は、レオロジー流体を保持する外部チャンバと、ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバとを含む。
【0050】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第6の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するように管類の一部の内壁上に形成されている、複数のポケットを含む。
【0051】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第7の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するよう、流出された流体によって拡張されるベローズを含む。
【0052】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第8の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するように管類のコイル状部分を含む。
【0053】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第9の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するように可撓性壁を含む。
【0054】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第10の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するように拡張可能管を含む。
【0055】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第11の側面によれば、抑制要素は、ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するように複数の束になった平行管を含む。
【0056】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第12の側面によれば、注入システムは、流体経路と、流体経路を通して流体の非連続流を送出するための注入ポンプと、拡張可能膜を取り囲む筐体であって、膜の内側は、流体経路と連通しているチャンバを規定し、筐体内のチャンバの外側は、非連続流を円滑化するように非連続流動流体の圧力変動を吸収する圧縮性ガスを含み、筐体およびチャンバは、任意の配向で動作可能である、筐体と、筐体の下流で流体経路に沿って配置されている流体流量センサであって、円滑化された流体流動の流速を測定するように構成されている、流体流量センサとを含む。
【0057】
側面12と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第13の側面によれば、チャンバの入口および出口は、流体がチャンバに進入した後に方向を変更しなければならないように、互に少なくとも実質的に平行に配置されている。
【0058】
側面12と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第14の側面によれば、拡張可能膜は、拡張可能バルーンまたは拡張可能壁である。
【0059】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第15の側面によれば、注入システムは、注入ポンプと、注入ポンプによって生成される流体の拍動流を輸送するための流体経路と、流体経路と連通している入口および出口を有する流体保持区画と、流体の拍動流の変動を抑制する傾向がある、流体保持区画の内側に位置する少なくとも1つの圧縮性空気バルーンと、流体保持区画から下流で流体経路に沿って配置されている流量センサとを含む。
【0060】
側面15と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第16の側面によれば、流体保持区画の入口および出口は、少なくとも1つの圧縮性空気バルーンの周囲で流体の流動を押し進めるように構成されている。
【0061】
側面15と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第17の側面によれば、流体保持区画は、圧縮性空気バルーンのうちの少なくとも2つを分離する分割壁を収納している。
【0062】
側面15と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第18の側面によれば、流体保持区画の入口および出口は、流体が流体保持区画に進入した後に方向を変更しなければならないように、互に対して配置されている。
【0063】
先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の第19の側面によれば、注入システムは、医用流体注入システムを含み、医用流体注入システムは、流体の少なくとも半拍動流を生成する注入ポンプと、注入ポンプから下流に配置されている流量センサと、注入ポンプから流量センサへ流体の少なくとも半拍動流を運搬するための管であって、ポンプから流量センサへの流体の流動を円滑化するための少なくとも1つの圧縮性空気バルーンを取り囲む管とを含む。
【0064】
側面19と組み合わせて先行側面のうちのいずれか1つ以上とともに使用され得る本開示の第20の側面によれば、少なくとも1つの空気バルーンの表面は、管の内壁面である。
【0065】
本開示の第21の側面によれば、図1に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0066】
本開示の第22の側面によれば、図2に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0067】
本開示の第23の側面によれば、図3に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0068】
本開示の第24の側面によれば、図4に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0069】
本開示の第25の側面によれば、図5に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0070】
本開示の第26の側面によれば、図6Aおよび6Bに関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0071】
本開示の第27の側面によれば、図7に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0072】
本開示の第28の側面によれば、図8に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0073】
本開示の第29の側面によれば、図9に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0074】
本開示の第30の側面によれば、図10に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0075】
本開示の第31の側面によれば、図11に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0076】
本開示の第32の側面によれば、図12に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0077】
本開示の第33の側面によれば、図13に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0078】
本開示の第34の側面によれば、図14に関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、先行側面のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る。
【0079】
本明細書に説明される本好ましい実施形態への種々の変更および修正は、当業者には明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつ意図された利点を軽減することなく、行うことが可能である。したがって、そのような変更および修正は、添付する特許請求の範囲に包含されることを意図する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の拍動流(18)を輸送するための流体経路(16)と、
前記流体経路と連通している抑制要素(80、90、100a、100b、120、130、140、150、160、170、180、190)であって、前記抑制要素は、前記拍動流の圧力変動を能動的に抑制して前記拍動流体流動を円滑化するように構成されており、任意の配向で動作可能である、抑制要素と、
前記円滑化された流体流動の流速を測定するように前記抑制要素の下流で前記流体経路に沿って配置されている流体流量センサ(50)と
を備えている、医用流体注入システム(10、110)。
【請求項2】
前記流体経路と連通している拍動注入ポンプ(14)を含み、前記拍動注入ポンプは、前記拍動流体流動を引き起こす、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項3】
前記流体流量センサおよび前記注入ポンプとともに動作可能な制御部(112)を含み、前記制御部は、前記流量センサから流速情報を受信し、前記流速情報に基づいて前記注入ポンプを調整するように構成されている、請求項2に記載の注入システム(110)。
【請求項4】
前記抑制要素(80、190)は、圧縮空気源からの圧縮された空気(89、200)を保持する外部チャンバ(82、192)と、ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバ(88、198)とを含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項5】
前記抑制要素(190)は、レオロジー流体(200)を保持する外部チャンバ(192)と、前記ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバ(198)とを含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項6】
前記抑制要素(130)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するために、管類(132)の一部の内壁上に形成されている複数のポケット(138)を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項7】
前記抑制要素(150)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するために、前記ポンプ送出された流体によって拡張されるベローズ(158)を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項8】
前記抑制要素(140)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するための管類(16)のコイル状部分を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項9】
前記抑制要素(90、160、170)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するための可撓性壁(98、168、172)を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項10】
前記抑制要素(170)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するための拡張可能管(172)を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項11】
前記抑制要素(180)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するための複数の束になった平行管(184)を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項12】
流体経路(16)と、
前記流体経路を通して流体の非連続流(18)を送出するための注入ポンプ(14)と、
拡張可能膜を取り囲む筐体(82、92、192)であって、前記膜の内側は、前記流体経路と連通しているチャンバ(88、198)を規定し、前記筐体内の前記チャンバの外側(89、99、200)は、前記非連続流を円滑化するために、前記非連続流動流体の圧力変動を吸収する圧縮性ガスを含み、前記筐体および前記チャンバは、任意の配向で動作可能である、筐体と、
前記筐体の下流で前記流体経路に沿って配置されている流体流量センサ(50)であって、前記円滑化された流体流動の流速を測定するように構成されている流体流量センサと
を備えている、注入システム(10、110)。
【請求項13】
前記チャンバ(82、92)の入口(84、94)および出口(86、96)は、前記流体が前記チャンバに進入した後に方向を変更しなければならないように、互に少なくとも実質的に平行に配置されている、請求項12に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【請求項14】
前記拡張可能膜は、拡張可能バルーン(88)または拡張可能壁である、請求項12に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【請求項15】
注入ポンプ(14)と、
前記注入ポンプによって生成される流体の拍動流(18)を輸送するための流体経路(16)と、
前記流体経路と連通している入口(84、104、124、134)および出口(86、106、126、136)を有する、流体保持区画(82、102a、102b、122、132)と、
前記流体保持区画の内側に位置する少なくとも1つの圧縮性空気バルーン(88、108、128、138)であって、前記流体の拍動流の変動を抑制する傾向がある少なくとも1つの圧縮性空気バルーンと、
前記流体保持区画から下流で前記流体経路に沿って配置されている流量センサ(50)と
を備えている、医用流体注入(10、110)システム。
【請求項16】
前記流体保持区画(102a、122、132)の入口(104、124、134)および出口(106、126、136)は、前記少なくとも1つの圧縮性空気バルーン(108、128、138)の周囲で前記流体の流動を押し進めるように構成されている、請求項15に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【請求項17】
前記流体保持区画(122)は、前記圧縮性空気バルーン(128)のうちの少なくとも2つを分離する分割壁(129)を収納している、請求項15に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【請求項18】
前記流体保持区画(82、102a、102b、122)の入口(84、104、124)および出口(86、106、126)は、前記流体が前記流体保持区画に進入した後に方向を変更しなければならないように、互に対して配置されている、請求項15に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【請求項19】
流体の少なくとも半拍動流(18)を生成する注入ポンプ(14)と、
前記注入ポンプから下流に配置されている流量センサ(50)と、
前記注入ポンプから前記流量センサへ前記流体の少なくとも半拍動流を運搬するための管(132)と
を備え、
前記管(132)は、前記ポンプから前記流量センサへの前記流体の流動を円滑化するために、少なくとも1つの圧縮性空気バルーン(138)を取り囲んでいる、
医用流体注入システム(10、110)。
【請求項20】
前記少なくとも1つの空気バルーンの表面は、前記管の内壁面である、請求項19に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【請求項1】
流体の拍動流(18)を輸送するための流体経路(16)と、
前記流体経路と連通している抑制要素(80、90、100a、100b、120、130、140、150、160、170、180、190)であって、前記抑制要素は、前記拍動流の圧力変動を能動的に抑制して前記拍動流体流動を円滑化するように構成されており、任意の配向で動作可能である、抑制要素と、
前記円滑化された流体流動の流速を測定するように前記抑制要素の下流で前記流体経路に沿って配置されている流体流量センサ(50)と
を備えている、医用流体注入システム(10、110)。
【請求項2】
前記流体経路と連通している拍動注入ポンプ(14)を含み、前記拍動注入ポンプは、前記拍動流体流動を引き起こす、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項3】
前記流体流量センサおよび前記注入ポンプとともに動作可能な制御部(112)を含み、前記制御部は、前記流量センサから流速情報を受信し、前記流速情報に基づいて前記注入ポンプを調整するように構成されている、請求項2に記載の注入システム(110)。
【請求項4】
前記抑制要素(80、190)は、圧縮空気源からの圧縮された空気(89、200)を保持する外部チャンバ(82、192)と、ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバ(88、198)とを含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項5】
前記抑制要素(190)は、レオロジー流体(200)を保持する外部チャンバ(192)と、前記ポンプ送出された流体を保持する内部チャンバ(198)とを含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項6】
前記抑制要素(130)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するために、管類(132)の一部の内壁上に形成されている複数のポケット(138)を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項7】
前記抑制要素(150)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するために、前記ポンプ送出された流体によって拡張されるベローズ(158)を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項8】
前記抑制要素(140)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するための管類(16)のコイル状部分を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項9】
前記抑制要素(90、160、170)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するための可撓性壁(98、168、172)を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項10】
前記抑制要素(170)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するための拡張可能管(172)を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項11】
前記抑制要素(180)は、前記ポンプ送出された流体上に抑制力を能動的に提供するための複数の束になった平行管(184)を含む、請求項1に記載の注入システム(10、110)。
【請求項12】
流体経路(16)と、
前記流体経路を通して流体の非連続流(18)を送出するための注入ポンプ(14)と、
拡張可能膜を取り囲む筐体(82、92、192)であって、前記膜の内側は、前記流体経路と連通しているチャンバ(88、198)を規定し、前記筐体内の前記チャンバの外側(89、99、200)は、前記非連続流を円滑化するために、前記非連続流動流体の圧力変動を吸収する圧縮性ガスを含み、前記筐体および前記チャンバは、任意の配向で動作可能である、筐体と、
前記筐体の下流で前記流体経路に沿って配置されている流体流量センサ(50)であって、前記円滑化された流体流動の流速を測定するように構成されている流体流量センサと
を備えている、注入システム(10、110)。
【請求項13】
前記チャンバ(82、92)の入口(84、94)および出口(86、96)は、前記流体が前記チャンバに進入した後に方向を変更しなければならないように、互に少なくとも実質的に平行に配置されている、請求項12に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【請求項14】
前記拡張可能膜は、拡張可能バルーン(88)または拡張可能壁である、請求項12に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【請求項15】
注入ポンプ(14)と、
前記注入ポンプによって生成される流体の拍動流(18)を輸送するための流体経路(16)と、
前記流体経路と連通している入口(84、104、124、134)および出口(86、106、126、136)を有する、流体保持区画(82、102a、102b、122、132)と、
前記流体保持区画の内側に位置する少なくとも1つの圧縮性空気バルーン(88、108、128、138)であって、前記流体の拍動流の変動を抑制する傾向がある少なくとも1つの圧縮性空気バルーンと、
前記流体保持区画から下流で前記流体経路に沿って配置されている流量センサ(50)と
を備えている、医用流体注入(10、110)システム。
【請求項16】
前記流体保持区画(102a、122、132)の入口(104、124、134)および出口(106、126、136)は、前記少なくとも1つの圧縮性空気バルーン(108、128、138)の周囲で前記流体の流動を押し進めるように構成されている、請求項15に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【請求項17】
前記流体保持区画(122)は、前記圧縮性空気バルーン(128)のうちの少なくとも2つを分離する分割壁(129)を収納している、請求項15に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【請求項18】
前記流体保持区画(82、102a、102b、122)の入口(84、104、124)および出口(86、106、126)は、前記流体が前記流体保持区画に進入した後に方向を変更しなければならないように、互に対して配置されている、請求項15に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【請求項19】
流体の少なくとも半拍動流(18)を生成する注入ポンプ(14)と、
前記注入ポンプから下流に配置されている流量センサ(50)と、
前記注入ポンプから前記流量センサへ前記流体の少なくとも半拍動流を運搬するための管(132)と
を備え、
前記管(132)は、前記ポンプから前記流量センサへの前記流体の流動を円滑化するために、少なくとも1つの圧縮性空気バルーン(138)を取り囲んでいる、
医用流体注入システム(10、110)。
【請求項20】
前記少なくとも1つの空気バルーンの表面は、前記管の内壁面である、請求項19に記載の医用流体注入システム(10、110)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2013−519849(P2013−519849A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552899(P2012−552899)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2011/023158
【国際公開番号】WO2011/100134
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2011/023158
【国際公開番号】WO2011/100134
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】
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