流動物包装体、食品容器、容器入り食品セット
【課題】煩雑な加工工程を経ることなく比較的低コストで製造可能であるにもかかわらず、内部に収納している流動物を簡単かつ確実に外部に吐出できる流動物包装体を提供すること。
【解決手段】本発明の流動物包装体11は、発泡樹脂シート14からなる包装体本体12と、その主面12a側を覆って密閉するシール材13とを備える。包装体本体12は、主面12aにて開口する流動物収納凹部21を有する。包装体本体12には、主面12a側に谷折りする際の折曲予定線L1が設定される。流動物収納凹部21に連通する開裂溝22が、折曲予定線L1を横断するように配置される。包装体本体12を折曲予定線L1に沿って谷折りすることで、開裂溝22の折曲予定線横断部位23が開裂する。
【解決手段】本発明の流動物包装体11は、発泡樹脂シート14からなる包装体本体12と、その主面12a側を覆って密閉するシール材13とを備える。包装体本体12は、主面12aにて開口する流動物収納凹部21を有する。包装体本体12には、主面12a側に谷折りする際の折曲予定線L1が設定される。流動物収納凹部21に連通する開裂溝22が、折曲予定線L1を横断するように配置される。包装体本体12を折曲予定線L1に沿って谷折りすることで、開裂溝22の折曲予定線横断部位23が開裂する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状調味料などに代表される流動物を包装するための流動物包装体、並びにそれを一部に利用した食品容器及び容器入り食品セットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液状調味料などの流動物を収納しておき、必要に応じて外部に吐出させることができる流動物包装体が各種提案されている。一般的にこの種の包装体は、流動物収納凹部を有する樹脂材料製の包装体本体と、その包装体本体の上面側を塞ぐ比較的硬質な樹脂材料からなる上蓋とを組み合わせた構造を有している。上蓋の略中央部には薄い切れ目が形成されるとともに、例えば嘴状の突起部が形成されている。そして、このような包装体は、指で摘むととともに切れ目に沿って上蓋を山折りすることにより、突起部が破断して開封する。その結果、流動物収納凹部内の流動物が包装体外部に吐出されるようになっている。
【0003】
上記構造の包装体は、片手で容易に開封できることから、従来の袋やカップとは異なり、手を汚すことなく中身を完全に押し出すことができる点で優れている。ゆえに、このように非常に便利な包装体は、特に食品容器として広く活用されている。なお、上記構造の包装体はいくつかの従来公報においても開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2584253号公報
【特許文献2】特許第3140016号公報
【特許文献3】特許第4458595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、これら従来技術の包装体の場合、いずれも上蓋を硬質な樹脂材料を用いて形成している点で共通している。このため、製造に際して樹脂使用量が多くなりやすく、材料コストがかかるといった欠点がある。また、硬質な上蓋を山折りするためにはある程度大きい力がいることから、あらかじめ上蓋に薄い切れ目を入れておくことが必須である。それに加え、上蓋には嘴状の突起部を形成しておく必要もある。このため、加工工程が煩雑になりコスト高となりやすい。さらに、硬質な上蓋の角が尖ったままだと使用者の手を傷付けるおそれがあるため、角を丸くトリミングする等の煩雑な加工工程が必要になり、これも高コスト化の原因となっている。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、煩雑な加工工程を経ることなく比較的低コストで製造可能であるにもかかわらず、内部に収納している流動物を簡単かつ確実に外部に吐出されることができる流動物包装体を提供することにある。また、本願発明の別の目的は、そのような優れた流動物包装体を備えた食品容器、容器入り食品セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のコスト低減という課題に鑑み、本願発明者らは樹脂材料そのものに着目しその変更について試行錯誤を行ったところ、硬質で緻密な樹脂材料ではなく、この種の流動物包装体において通常使用されない「発泡樹脂」に代替することを思い付いた。即ち、発泡樹脂は本来軟質であるが、ある程度硬いシートに加工することも可能であるという利点があるからである。なおかつ、発泡樹脂を使用した場合には、硬質で緻密な樹脂に比べて極端に樹脂使用量が少なくて済むため、コスト低減につながるという利点があるからである。そこで、本願発明者らはさらに鋭意研究を行い、上記課題を解決するための手段[1]〜[8]を想到した。以下それらを列挙する。
【0008】
[1]樹脂シートからなり主面にて開口する流動物収納凹部を有する包装体本体と、前記包装体本体の前記主面側を覆って密閉するシール材とを備える流動物包装体であって、前記樹脂シートは発泡樹脂シートであり、前記包装体本体には、前記主面側に谷折りする際の折曲予定線が設定されるとともに、前記流動物収納凹部に連通する開裂溝が前記折曲予定線を横断するように配置され、前記包装体本体を前記折曲予定線に沿って谷折りすることで、前記開裂溝の折曲予定線横断部位が開裂しうるように構成されていることを特徴とする流動物包装体。
【0009】
従って、手段1に記載の発明によると、包装体本体を折曲予定線に沿って谷折りすると、その折曲予定線を横断するように配置した開裂溝の折曲予定線横断部位が開裂する。その結果、包装体本体の流動物収納凹部に収納されていた流動物が開裂溝を介して開裂箇所に到達し、そこから包装体本体の外部に吐出される。この場合、包装体本体が発泡樹脂シートからなるため、硬質な樹脂材料を使用する場合に必須であった薄い切れ目を設けなくても、包装体本体を比較的容易に主面側に谷折りすることができる。ゆえに、内部に収納している流動物を簡単かつ確実に外部に吐出されることができる。また、発泡樹脂シートからなる包装体本体によれば、従来品に比べて極端に樹脂使用量が少なくて済み、比較的低コストで製造することができる。さらに、発泡樹脂シートであれば手を傷付ける心配がないのでトリミング加工が不要になることに加え、切れ目加工も不要なため、煩雑な加工工程を経ることなく包装体本体を低コストで製造することができる。また、包装体本体側に流動物収納凹部及び開裂溝の両方を形成して包装体本体側から流動物を吐出される構造を採用しているため、上蓋として機能するシール材側を折り曲げて開裂させる必要がない。ゆえに、シール材に切れ目や嘴状の突起部を形成しなくてもよく、シール材を単純な構造にすることができる。このことも製造コストの低減につながる。なお、本発明における「折曲予定線」とは、あくまで折り曲げる際の基準となる仮想上の線のことを意味し、包装体本体における所定箇所に実際上の線が引かれていることを必須とするものではない。ただし、このような実際上の線が引かれていることを妨げるものでもない。なお、従来品は折り曲げ時に流動物収納部同士を押し付け合って流動物を押し出す構造を採用しているため、粘性の高い流動物でも容易に吐出することができるが、本発明の流動物包装体は折り曲げ時の山折り側に流動物収納部が設けられているため、従来品のように流動物収納部同士を押し付け合う構造ではない。しかし、発泡樹脂は弾性が強く伸びやすいため折り曲げ時に外側から指などで押し出すことが可能であり、粘性の高い流動物でも問題なく吐出できる。
【0010】
[2]手段1において、前記発泡樹脂シートは、気泡の長軸方向が略同一方向に沿って配列している配向性を有し、前記折曲予定線は、前記発泡樹脂シートにおける前記気泡の配向方向に対して±45°以内の角度をなすように設定されることを特徴とする流動物包装体。
【0011】
本願発明者が検討したところ、発泡樹脂は硬質な樹脂材料に比べて弾性が強く伸びやすいため、折り曲げ時に突起部がうまく破断して開裂しないことがあることを知見した。また、ある程度破断できたしても、開裂部位の形状がシャープでないと、発泡樹脂のカスの発生につながるおそれがあることも併せて知見した。
【0012】
通常、発泡樹脂シートの原反は、原料である発泡樹脂をシート状に押し出して巻き取ることにより作製される。その際、発泡樹脂が原反シートの巻き取り方向(原反の長手方向)に引き伸ばされることに伴い、発泡樹脂中の気泡がそれと略同一方向に長くなり、回転長円体状(あるいは回転楕円体状)となる。つまり、気泡の長軸方向が原反シートの巻き取り方向に沿って配列した状態を有することを、ここでは「(原反)配向性を有する」と定義している。従って、「気泡の配向方向」と言った場合には、気泡の長軸方向、即ち原反シートの巻き取り方向(原反の長手方向)のことを意味する。本願発明者らは、発泡樹脂をシート状に成形した場合に発現する上記性質に鑑みて試行錯誤を行ったところ、気泡の配向方向に対する折曲予定線の角度の絶対値が小さいほど(即ち±0°に近いほど)、曲げ強度が小さくて済み、シャープに開裂する(即ち、パキっと折れることで直線的に開裂する)ことを知見した。逆に、気泡の配向方向に対する折曲予定線の角度の絶対値が大きいほど(即ち±90°に近いほど)、曲げ強度が大きくなり、シャープに開裂しにくいことも知見した。
【0013】
このような知見に基づいてなされた手段2に記載の発明によると、包装体本体を主面側に谷折りする際の折曲予定線を、発泡樹脂シートにおける気泡の配向方向に対して±45°以内の角度をなすように設定しているので、発泡樹脂シートを折り曲げる際の曲げ強度が比較的小さくて済むようになる。このため、わざわざ切れ目を設けなくても、小さい力で包装体本体を主面側に簡単に谷折りすることができ、開裂部位をシャープに開裂することができる。よって、内部に収納している流動物を簡単かつ確実に外部に吐出されることができる。なお、折曲予定線が気泡の配向方向に対してなす角度は±30°以内が好ましく、より好ましくは±20°以内、さらに好ましくは±10°以内、特に好ましくは0°である。
【0014】
[3]手段1において、前記発泡樹脂シートは、気泡の長軸方向が略同一方向に沿って配列している配向性を有し、前記開裂溝における少なくとも前記折曲予定線横断部位は、前記配向性が低減または喪失されていることを特徴とする流動物包装体。
【0015】
手段3に記載の発明によると、開裂溝における少なくとも折曲予定線横断部位は、配向性が低減または喪失されているため、配向性を有する箇所に比べて弾性が弱く伸びにくくなっている。ゆえに、谷折り時に当該箇所に応力が集中すると、当該箇所が優先的に破断してシャープに開裂する。よって、発泡樹脂のカスを発生させずに、流動物をより簡単かつ確実に外部に吐出されることができる。なお、発泡樹脂シートの配向性を低減または喪失する手法としては、特に限定されないが、例えば発泡樹脂シートの所定部位に短時間ヒートツールを接触させるような熱加工がある。この熱加工によると、発泡樹脂の所定部位が一旦溶融した後に固化することで、その部位の気泡が減少(縮小)または消失し、これに伴い配向性が低減または喪失する。配向性の低減の程度としては、例えば前記部位表面の気泡を6割以下とすることが好ましく、さらには3割以下とすることが好ましい。なお、配向性の低減または喪失は、開口溝における折曲予定線横断部位の全体にわたって施されていることまでは必須ではなく、谷折り時に最初に開裂が起こる箇所(即ち谷折り時に最も応力が加わる箇所)の配向性が低減または喪失されていればよい。
【0016】
また、上記の手段2、3に記載の発明に加えて、例えば、発砲樹脂シートの厚さが3mm以内である場合、開裂溝の深さを3mm以上(好ましくは5mm以上、特には7mm以上)とし、かつ、開裂溝の長さを10mm以上とすることがよい。このような寸法設定によれば、開裂溝がよりいっそう破断して開裂しやすくなり、発砲樹脂のカスの発生をより確実に防止することができる。
【0017】
[4]手段1乃至3のいずれか1項において、前記シール材は、前記包装体本体の前記主面側に溶着された略平坦な樹脂フィルムであることを特徴とする流動物包装体。
【0018】
従って、手段4に記載の発明によると、上蓋として機能するシール材が略平坦な樹脂フィルムであることから、切れ目や突起部がない極めて単純な構造となり、加工コストを低く抑えることができる。また、シール材側を折り曲げて開裂する必要がないことから、薄い樹脂フィルムを使用することができ、材料コストを低く抑えることができる。さらに、このような樹脂フィルムを包装体本体の主面側に溶着することで、漏れを防止しつつ流動物を確実に収納することができる。しかも、上蓋として機能する樹脂フィルムが略平坦であると、例えば複数の流動物包装体を積み重ねて配置した場合の安定性が増すという利点がある。
【0019】
[5]手段1乃至4のいずれか1項において、前記流動物収納凹部の底部は、前記開裂溝に向って傾斜していることを特徴とする流動物包装体。
【0020】
従って、手段5に記載の発明によると、流動物収納凹部の底部が開裂溝に向って傾斜しているため、流動物収納凹部から開裂箇所に向けて流動物がスムーズに案内される。よって、流動物をより簡単かつ確実に外部に吐出されることができる。
【0021】
[6]手段1乃至5のいずれか1項において、前記包装体本体における前記折曲予定線上の少なくとも一部には、前記主面側にて開口する折曲溝または折曲用ミシン目が形成されていることを特徴とする流動物包装体。
【0022】
従って、手段6に記載の発明によると、折曲予定線上の少なくとも一部に折曲溝または折曲用ミシン目をあらかじめ形成しておくことで、折曲予定線に沿って正確にかつ極めて簡単に谷折りすることができる。よって、所望とする部位にて開裂溝を確実に開裂させることができ、流動物をより簡単かつ確実に外部に吐出されることができる。また、このような折曲溝または折曲用ミシン目があれば、折り曲げ時にユーザーが折曲予定線の存在を認知しやすくなるという利点もある。
【0023】
[7]食品収納凹部を有する容器本体と前記容器本体を塞ぐ蓋体とからなる食品容器において、手段1乃至6のいずれか1項に記載の流動物包装体を前記蓋体に設けたことを特徴とする食品容器。
【0024】
従って、手段7に記載の発明によると、蓋体に設けられた流動物包装体から流動物を簡単かつ確実に吐出されることができる。よって、食品収納凹部に収納された食品に流動物を速やかに、かつ、手を汚すことなく注ぐことができる。従って、小袋等の小容器に流動物を収納して添付しておくものとは異なり、小袋を破って流動物を注ぐ面倒な作業が不要になり、手が汚れるなどの欠点も解消される。以上の結果、利便性の高い食品容器を提供することが可能となる。さらに、蓋体が流動体包装体の役割をも果たすことになるため、例えば小袋等のような余分な廃棄物の発生を抑えるという利点もある。また小袋等を使用する場合には当該小袋の製造工程、小袋添付工程など煩雑な工程が必要となるが、手段7に記載の発明によれば、シンプルな製造工程とすることが可能となる。即ち、ラインを流れる食品容器の食品収納凹部に食品を充填後、蓋体を閉める工程を経て、蓋体に設けられた流動物収納凹部に流動物を充填し、シール材で密閉する、といったインラインの工程を採用することができる。もちろん、流動物を充填・密閉をした後に食品を食品収納凹部に充填するといった工程でもよい。
【0025】
上記食品容器において、容器本体と蓋体とは別体として構成されてもよいが、一体として構成されていてもよい。このとき、容器本体と蓋体との境目にミシン目を入れておくと蓋体を容器本体から分離することが容易となり、流動物包装体を設けた蓋体を折り曲げやすいなどの取り扱いが容易となる。また、蓋体で容器本体を塞いだときに、流動物包装体の包装体本体が食品収納凹部側を向き、上蓋がその反対側を向くことが好ましい。この場合、包装体本体全体が食品収納凹部によって覆われて、食品容器から非露出の状態となる。ゆえに、包装体本体の流動物収納凹部や開裂溝の破損や変形を未然に防止することができる。また、開裂溝があらかじめ食品収納凹部側を向いているため、特に向きを変えることなく、そのまま流動物を吐出させることができる。よって、食品に流動物を速やかに注ぐうえで非常に好都合である。
【0026】
[8]手段7に記載の食品容器における前記容器本体の前記食品収納凹部に固形食品を収納し、前記流動物包装体の前記流動物収納凹部に流動性調味料を収納してなる容器入り食品セット。
【0027】
従って、手段8に記載の発明によると、蓋体に設けられた流動物包装体から流動性調味料を簡単かつ確実に吐出されることができる。よって、食品収納凹部に収納された固形食品に流動性調味料を速やかに、かつ、手を汚すことなく注ぐことができる。従って、小袋等の小容器に流動性調味料を収納して添付しておくものとは異なり、小袋を破って流動性調味料を注ぐ面倒な作業が不要になり、手が汚れるなどの欠点も解消される。以上の結果、利便性の高い容器入り食品セットを提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
従って、請求項1〜6に記載の発明によれば、煩雑な加工工程を経ることなく比較的低コストで製造可能であるにもかかわらず、内部に収納している流動物を簡単かつ確実に外部に吐出されることができる流動物包装体を提供することができる。請求項7,8に記載の発明によれば、そのような優れた流動物包装体を蓋体に備えた結果、利便性の高い食品容器、容器入り食品セットをそれぞれ提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の液体調味料包装体(流動物包装体)を示す一部破断平面図。
【図2】上記実施形態の液体調味料包装体を示す正面図。
【図3】図1のA−A線断面図。
【図4】上記実施形態の液体調味料包装体を示す右側面図。
【図5】図1のB−B線断面図。
【図6】図1のC−C線断面図。
【図7】上記実施形態の包装体本体を示す平面図。
【図8】上記液体調味料包装体を折り曲げたときの様子を示す正面図。
【図9】上記液体調味料包装体を蓋体として備える食品容器を示す正断面図。
【図10】別の実施形態における液体調味料包装体の包装体本体を示す平面図。
【図11】別の実施形態における液体調味料包装体の包装体本体を示す平面図。
【図12】別の実施形態における液体調味料包装体の包装体本体を示す平面図。
【図13】別の実施形態における液体調味料包装体の包装体本体を示す平面図。
【図14】別の実施形態における液体調味料包装体の包装体本体を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を液体調味料包装体に具体化した一実施の形態を図1〜図9に基づき詳細に説明する。図1等に示されるように、本実施形態の液体調味料包装体11は、流動物の一種である液体調味料31を内部に収納しておき、必要に応じて所定部位から外部に吐出させることができる包装体である。この液体調味料包装体11は、基本的に包装体本体12と、その包装体本体12の主面12a側を塞ぐ樹脂フィルム13とを組み合わせた構造を有している。
【0031】
図1、図7等に示されるように、本実施形態の包装体本体12は、平面視で長方形状を呈する発泡樹脂シート14製の部材である。発泡樹脂シート14は厚さ3mm以内であることがよく、ここでは厚さ約1.5mmのものを使用している。発泡樹脂シート14を構成する樹脂としては、発泡ポリスチレン樹脂を使用しているが、発泡ポリエチレン樹脂や発泡ポリウレタン樹脂等を使用してもよい。そして、この発泡樹脂シート14では、短辺の方向(即ち図7の上下方向)が原反シートの巻き取り方向(原反の長手方向)となっている。図7の円C1内にて概念的に示すように、発泡樹脂シート14は、内部に多数の気泡25を有している。これらの気泡25は回転長円体状(あるいは回転楕円体状)の独立気泡であって、長軸が一定の方向に沿って配列した状態となっている。この方向のことを「気泡25の配向方向D1」と呼ぶことにする。従って、この発泡樹脂シート14においては、短辺の方向に気泡25が配向していると把握できる。
【0032】
そして本実施形態では、包装体本体12を主面12a側に谷折りする際の折曲予定線L1が、発泡樹脂シート14の中央部を通って気泡25の配向方向D1に平行となるように設定されている(図7参照)。折曲予定線L1は、発泡樹脂シート14における気泡25の配向方向D1に対して、±45°以内の角度θをなすように設定される。本実施形態では折曲予定線L1と気泡25の配向方向D1とが平行であるため、θ=0°となっている。
【0033】
図1〜図7に示されるように、本実施形態の包装体本体12は、主面12aにて開口する一対の流動物収納凹部21と、同じく主面12aにて開口する1本の断面略V字状の開裂溝22とを有している。開裂溝22と一対の流動物収納凹部21とは互いに連結している。一対の流動物収納凹部21及び開裂溝22は、もともと平坦であった発泡樹脂シート14を金型成形して、所定部分を裏面側に膨出させることで形成されたものである。開裂溝22は、発泡樹脂シート14の中央部に位置し、切断予定線L1を横断している。従って、開裂溝22は、気泡25の配向方向D1に対して直交する方向に沿って延びていることになる。一対の流動物収納凹部21は、開裂溝22を挟んでその両側にそれぞれ配置されている。なお、本実施形態における一対の流動物収納凹部21は、大きさ及び形状が等しいが、必ずしもそうでなくてもよい。また、発泡樹脂シート14の平面視において、流動物収納凹部21は、開裂溝22に向うに従って幅が徐々に狭くなる形状となっている。
【0034】
図3等に示されるように、流動物収納凹部21の底部24は、開裂溝22に向って5°〜30°ほど傾斜している。このような傾斜は、底部24の全体に設けられていなくてもよく、一部に設けられていればよい。流動物収納凹部21は、開裂溝22と連結する部位において最も深くなっている。図2に示されるように、流動物収納凹部21の最深部の深さは、特に限定されないが5mm以上となるように設定されることがよい(本実施形態では約8mm)。開裂溝22の最浅部の深さは、特に限定されないが5mm以上となるように設定されることがよい(本実施形態では約7mm)。なお、開裂溝22の長さについては、特に限定されないが10mm以上となるように設定されることがよい(本実施形態では約12mm)。
【0035】
図7に示されるように、発泡樹脂シート14の平面視において、開裂溝22にて折曲予定線L1を横断している部位(以下、折曲予定線横断部位23)は、谷折りした際に最も応力が加わりやすい部位となっている。開裂溝22における少なくとも折曲予定線横断部位23は、配向性が低減または喪失されている。ここでは、流動物収納凹部21及び開裂溝22が形成された発泡樹脂シート14を用意し、その折曲予定線横断部位23(具体的には、応力が最も加わりやすい開裂溝22の底部中央部P1)に熱加工を施す手法を採用している。この熱加工では、ヒートツールとしてホットローラを用い、包装体本体12の搬送時にそのホットローラを開裂溝22の底部中央部P1に接触させるようにしている。
【0036】
図1、図5、図7等に示されるように、包装体本体12における折曲予定線L1上には、主面12a側にて開口する折曲溝32が2箇所に形成されている。折曲溝32は、開裂溝22を挟んでその両側に一対配置されている。個々の折曲溝32の長さは、発泡樹脂シート14の短辺の長さの1/3程度に設定されている。つまり、折曲溝32は、折曲予定線L1に沿って発泡樹脂シート14の全幅にわたり形成されているわけではなく、その2/3程度の長さ分で形成されている。なお、折曲溝32は、折曲予定線L1に沿って発泡樹脂シート14のほぼ全幅にわたり形成されていてもよい。ただし、液体調味料31の漏れを防ぐために、折曲溝32と開裂溝22とを連結しない構造であることが好ましい。また、これらの折曲溝32は、流動物収納凹部21及び開裂溝22ほど深くなくてよく、3mm以下(本実施形態では約1mm)となっている。なお、折曲予定線横断部位23とは異なり、折曲溝32についてはむしろ配向性を維持しておくことが望ましい。その理由は、谷折り時に折曲溝32に破断が生じるのを防ぐことができるからである。
【0037】
図1〜図6に示されるように、包装体本体12の主面12a側には、可撓性及び液体不透過性を有するシール材として、樹脂フィルム13が熱溶着されている。この樹脂フィルム13は、特に凹凸加工を施したものではなく、略平坦でシンプルな構成を有している。樹脂フィルム13を形成する樹脂としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等といった汎用樹脂が使用可能である。樹脂フィルム13は、主面12aの全体を覆うように熱溶着されることで、流動物収納凹部21内の液体調味料31を密閉している。樹脂フィルム13は透明、不透明を問わず選択することが可能である。例えば、前者であると、収納後であっても液体調味料31の状態等を目視確認または検査機による確認をすることができる。後者であると、液体調味料31の光による劣化等を防止することができる。
【0038】
次に、本実施形態の液体調味料包装体11の使用方法を図8に基づいて説明する。まず、液体調味料包装体11における両方の短辺の箇所を指で摘み、流動物収納凹部21及び開裂溝22が形成されている包装体本体12の裏面側を下側に向けるようにする。この状態で指に力を加え、包装体本体12を折曲予定線L1に沿って主面12a側に谷折りする(図8参照)。つまり、従来品と反対の方向に折り曲げるようにする。すると、包装体本体12に形成された開裂溝22の折曲予定線横断部位23、とりわけ底部中央部P1が左右方向に引っ張られ、当該箇所に応力が集中するため、底部中央部P1が他の部分より優先的に破断してシャープに開裂する。その結果、液体調味料31が液体調味料包装体11の外部に吐出されるようになっている。なお、本実施形態では折曲予定線L1と気泡25の配向方向D1とが平行(θ=0°)であるため、開裂溝22の折曲予定線横断部位23が比較的シャープに開裂できる構造となっているが、さらにシャープに開裂することを求める場合や、θが大きい場合(例えば±45°より大きい角度)には配向性低減ないし喪失の処理を施すこともできる。
【0039】
図9には、本実施形態の液体調味料包装体11を蓋体42として備える食品容器51が示されている。この食品容器51は、食品収納凹部43を有する容器本体41を備えている。食品収納凹部43には固形食品44が収納されるようになっている。蓋体42である液体調味料包装体11は、容器本体41の開口部に配置されることで容器本体41を塞いでいる。その結果、食品容器51に流動性調味料31及び固形食品44を個別に収納してなる容器入り食品セットが構成されている。ここで「流動性調味料31と固形食品44」の好適な組み合わせとしては、プリンとカラメル、アイスクリームとフルーツソース、トコロテンとトコロテン用たれ、納豆と納豆用たれ、そばとそばつゆ、サラダとドレッシング、たこ焼きとマヨネーズ、フライドチキンとケチャップ、ソーセージとマスタード、餃子とラー油入り酢醤油、エビフライとレモン汁、豚カツと味噌だれ、などを挙げることができる。
【0040】
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0041】
(1)本実施形態の液体調味料包装体11によると、開裂溝22に生じた開裂箇所から、流動物収納凹部21内に収納している液体調味料31を液体調味料包装体11の外部に吐出させることができる。この場合、包装体本体12が発泡樹脂シート14からなるため、硬質な樹脂材料を使用する場合に必須であった薄い切れ目を設けなくても、包装体本体12を比較的容易に主面12a側に谷折りすることができる。ゆえに、内部に収納している液体調味料31を簡単かつ確実に外部に吐出させることができる。また、発泡樹脂シート14からなる包装体本体12によれば、従来品に比べて極端に樹脂使用量が少なくて済み、比較的低コストで製造することができる。さらに、発泡樹脂シート14であれば手を傷付ける心配がないのでトリミング加工が不要になることに加え、切れ目加工も不要なため、煩雑な加工工程を経ることなく包装体本体12を低コストで製造することができる。また、包装体本体12側に流動物収納凹部21及び開裂溝22の両方を形成して包装体本体12側から液体調味料31を吐出される構造を採用しているため、上蓋として機能するシール材側を折り曲げて開裂させる必要がない。ゆえに、シール材に切れ目や嘴状の突起部を形成しなくてもよく、シール材を単純な構造にすることができる。このことも製造コストの低減につながる。
【0042】
(2)本実施形態の液体調味料包装体11では、包装体本体12を主面12a側に谷折りする際の折曲予定線L1を、発泡樹脂シート14における気泡25の配向方向D1に対して0°の角度θをなすように設定している。そのため、発泡樹脂シート14を折り曲げる際の曲げ強度を最小限にすることができる。ゆえに、わざわざ切れ目を設けなくても、小さい力で包装体本体12を主面12a側に簡単に谷折りすることができ、開裂部位をシャープに開裂することができる。よって、内部に収納している液体調味料31を簡単かつ確実に外部に吐出させることができる。
【0043】
(3)本実施形態の液体調味料包装体11では、開裂溝22における折曲予定線横断部位23の配向性が低減または喪失されている。そのため、折曲予定線横断部位23は、配向性を有する箇所に比べて弾性が弱く伸びにくくなっている。ゆえに、谷折り時に当該箇所に応力が集中すると、当該箇所が優先的に破断してシャープに開裂する。よって、発泡樹脂のカスを発生させずに、液体調味料31をより簡単かつ確実に外部に吐出させることができる。
【0044】
(4)本実施形態の液体調味料包装体11では、上蓋として機能するシール材が略平坦な樹脂フィルム13であることから、切れ目や突起部がない極めて単純な構造となり、加工コストを低く抑えることができる。また、シール材側を折り曲げて開裂する必要がないことから、薄い樹脂フィルム13を使用することができ、材料コストを低く抑えることができる。さらに、このような樹脂フィルム13を包装体本体12の主面12a側に溶着することで、漏れを防止しつつ液体調味料31を確実に収納することができる。しかも、上蓋として機能する樹脂フィルム13が略平坦であると、例えば複数の液体調味料包装体11を積み重ねて配置した場合の安定性が増すという利点がある。
【0045】
(5)本実施形態の液体調味料包装体11では、流動物収納凹部21の底部24が開裂溝22に向って傾斜している。そのため、流動物収納凹部21から開裂箇所に向けて液体調味料31がスムーズに案内される。よって、液体調味料31をより簡単かつ確実に外部に吐出させることができる。
【0046】
(6)本実施形態の液体調味料包装体11では、折曲予定線L1上の一部に折曲溝32をあらかじめ形成しておくようにしている。そのため、折曲予定線L1に沿って正確にかつ極めて簡単に包装体本体12を主面12a側に谷折りすることができる。よって、所望とする部位(即ち底部中央部P1)にて開裂溝22を確実に開裂させることができ、液体調味料31をより簡単かつ確実に外部に吐出させることができる。また、このような折曲溝32があれば、折り曲げ時にユーザーが折曲予定線L1の存在を認知しやすくなるという利点もある。
【0047】
(7)また、図9に示した本実施形態の容器入り食品セットによれば、蓋体42の備える流動物包装体11から液体調味料31を簡単かつ確実に吐出させることができる。よって、食品収納凹部43に収納された固形食品44に液体調味料31を速やかに、かつ、手を汚すことなく注ぐことができる。従って、小袋等の小容器に液体調味料31を収納して添付しておくものとは異なり、小袋を破って液体調味料31を注ぐ面倒な作業が不要になり、手が汚れるなどの欠点も解消される。以上の結果、利便性の高い容器入り食品セットとすることが可能となる。さらに、蓋体42が流動体包装体11の役割をも果たすことになるため、例えば小袋等のような余分な廃棄物の発生を抑えるという利点もある。また小袋等を使用する場合には当該小袋の製造工程、小袋添付工程など煩雑な工程が必要となるが、本実施形態の容器入り食品セットであれば、シンプルな製造工程とすることが可能となる。即ち、ラインを流れる食品容器本体41の食品収納凹部43に固形食品44を充填後、蓋体42を閉める工程を経て、蓋体42に設けられた流動物収納凹部21に液体調味料31を充填し、シール材13で密閉する、といったインラインの工程を採用することができる。もちろん、液体調味料31を充填・密閉をした後に固形食品44を食品収納凹部43に充填するといった工程でもよい。
【0048】
(8)上記の容器入り食品セットでは、蓋体42で容器本体41を塞いだときに、液体調味料包装体11の包装体本体12が食品収納凹部43側を向くように構成されている。この場合、包装体本体12全体が食品収納凹部43によって覆われて保護され、食品容器51の外に非露出の状態となる。ゆえに、包装体本体12の流動物収納凹部21や開裂溝22の破損や変形を未然に防止することができる。また、開裂溝22があらかじめ食品収納凹部43側を向いているため、特に向きを変えることなく、そのまま液体調味料31を吐出させることができる。よって、固形食品44に液体調味料31を速やかに注ぐことができ、非常に好都合である。
【0049】
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
【0050】
・上記実施形態の包装体本体12では、折曲予定線L1が、発泡樹脂シート14における気泡25の配向方向D1に対して0°の角度θをなすように設定されていた。しかし、この角度θは0°に限定されず、±45°以内であれば任意の角度θに設定することが許容される。ちなみに、図10に示す別の実施形態の包装体本体12Aでは、この角度θが±45°に設定されている。
【0051】
・上記実施形態では、包装体本体12に2つの流動物収納凹部21を設けたものを示したが、流動物収納凹部21の数は2つに限らず、1つのみあるいは3つ以上であってもよい。例えば、図11に示す別の実施形態の包装体本体12Bでは、流動物収納凹部21を1つのみ設けている。
【0052】
・上記実施形態では、切断予定線L1を1本のみ設定したが、2つ以上設定することも可能である。複数の切断予定線L1を設定する場合、それらは平行であってもよく、そうでなくてもよい。
【0053】
・上記実施形態の液体調味料包装体11では、折曲予定線L1上の一部に、折り曲げを容易に行うための構造物として、あらかじめ折曲溝32を加工形成しておくようにした。これに代えて、例えば、図12に示す別の実施形態の包装体本体12Cでは、折曲予定線L1上の一部に、発泡樹脂シート14の主面12a及び裏面を貫通する折曲用ミシン目33をあらかじめ加工形成しておくようにしている。このような構造を有するものであっても、折曲予定線L1に沿って正確にかつ極めて簡単に包装体本体12を主面12a側に谷折りすることができる。
【0054】
・上記実施形態ではシール材として樹脂フィルム13を用いたが、樹脂フィルム13以外のものを使用してもよい。つまり、ある程度薄くて可撓性や液体不透過性を有するものであれば、必ずしも樹脂製でなくてもよい。そのようなものとして、例えば、油含浸紙、フィルムコート紙、金属ラミネートフィルム、金属箔などを挙げることができる。
【0055】
・上記実施形態では複数ある流動物収納凹部21に同じ種類の液体調味料31を収納したが、それぞれ異なるもの(例えば醤油と酢、ケチャップとマヨネーズ、ケチャップとマスタード、など)を収納しておき、谷折りによって吐出させる際にミックスするようにしてもよい。なお、複数の流動物をミックスしたくない場合には、以下のような構造が有利である。例えば、図13に示す別の実施形態の包装体本体12Dでは、流動物収納凹部21を2つ同じ向きに配置しており、それに対応して開裂溝22を個別かつ平行に設けている。従って、谷折り時にそれぞれの開裂溝22が開裂して(つまり異なる位置にて開裂して)、異種の液体調味料31を個別に吐出させることができる。また、図14に示す別の実施形態の包装体本体12Eのようにしてもよい。この包装体本体12Eでは、2つの流動物収納凹部21が互いに反対方向を向くとともに、互いに発泡樹脂シート14の短辺方向に若干オフセットして配置されている。また、2つの流動物収納凹部21に対応して開裂溝22を個別かつ並列に設けている。従って、谷折り時にそれぞれの開裂溝22が開裂して、異種の液体調味料31を個別に吐出させることができる。なお、この構成によると、開裂溝22を近接させることができるので、比較的近い位置にて2種類の液体調味料31を吐出させることができるとともに、全体の大型化を回避しやすい構造とすることができる。
【0056】
・上記実施形態では、液状調味料31を収納するための流動物包装体として本発明を具体化したが、それ以外の流動物(例えばジュース、お茶、牛乳などの飲料)を収納するためのものとして具体化することができる。さらに、食品以外の流動物(例えば液状の化粧品、液状の洗浄剤、液状の医薬品など)収納するためのものとして本発明を具体化することも許容される。
【0057】
次に、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)手段1乃至8のいずれか1項において、前記折曲予定線は、前記発泡樹脂シートにおける前記気泡の配向方向に対して±30°以内(好ましくは±20°以内、特に好ましくは±10°以内)の角度をなすように設定されること。
(2)手段1乃至8のいずれか1項において、前記発泡樹脂シートの厚さが3mm以下、前記開裂溝の最浅部の深さが3mm以上、前記開裂溝の長さが10mm以上であること。
(3)手段1乃至8のいずれか1項において、前記開裂溝と前記流動物収納凹部とが連結する部位の深さは、前記開裂溝における前記折曲予定線横断部位の深さよりも深いこと。
(4)手段1乃至8のいずれか1項において、前記流動物収納部は複数であること。
(5)手段1乃至8のいずれか1項において、前記流動物収納部は前記開裂溝を挟んで一対配置されていること。
【符号の説明】
【0058】
11…流動物包装体としての液体調味料包装体
12,12A,12B,12C,12D,12E…包装体本体
12a…主面
13…シール材としての樹脂フィルム
14…(発泡)樹脂シート
21…流動物収納凹部
22…開裂溝
23…折曲予定線横断部位
24…流動物収納凹部の底部
31…流動性調味料としての液体調味料
32…折曲溝
33…折曲用ミシン目
41…容器本体
42…蓋体
43…食品収納凹部
44…固形食品
51…食品容器
D1…気泡の配向方向
L1…折曲予定線
θ…角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状調味料などに代表される流動物を包装するための流動物包装体、並びにそれを一部に利用した食品容器及び容器入り食品セットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液状調味料などの流動物を収納しておき、必要に応じて外部に吐出させることができる流動物包装体が各種提案されている。一般的にこの種の包装体は、流動物収納凹部を有する樹脂材料製の包装体本体と、その包装体本体の上面側を塞ぐ比較的硬質な樹脂材料からなる上蓋とを組み合わせた構造を有している。上蓋の略中央部には薄い切れ目が形成されるとともに、例えば嘴状の突起部が形成されている。そして、このような包装体は、指で摘むととともに切れ目に沿って上蓋を山折りすることにより、突起部が破断して開封する。その結果、流動物収納凹部内の流動物が包装体外部に吐出されるようになっている。
【0003】
上記構造の包装体は、片手で容易に開封できることから、従来の袋やカップとは異なり、手を汚すことなく中身を完全に押し出すことができる点で優れている。ゆえに、このように非常に便利な包装体は、特に食品容器として広く活用されている。なお、上記構造の包装体はいくつかの従来公報においても開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2584253号公報
【特許文献2】特許第3140016号公報
【特許文献3】特許第4458595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、これら従来技術の包装体の場合、いずれも上蓋を硬質な樹脂材料を用いて形成している点で共通している。このため、製造に際して樹脂使用量が多くなりやすく、材料コストがかかるといった欠点がある。また、硬質な上蓋を山折りするためにはある程度大きい力がいることから、あらかじめ上蓋に薄い切れ目を入れておくことが必須である。それに加え、上蓋には嘴状の突起部を形成しておく必要もある。このため、加工工程が煩雑になりコスト高となりやすい。さらに、硬質な上蓋の角が尖ったままだと使用者の手を傷付けるおそれがあるため、角を丸くトリミングする等の煩雑な加工工程が必要になり、これも高コスト化の原因となっている。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、煩雑な加工工程を経ることなく比較的低コストで製造可能であるにもかかわらず、内部に収納している流動物を簡単かつ確実に外部に吐出されることができる流動物包装体を提供することにある。また、本願発明の別の目的は、そのような優れた流動物包装体を備えた食品容器、容器入り食品セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のコスト低減という課題に鑑み、本願発明者らは樹脂材料そのものに着目しその変更について試行錯誤を行ったところ、硬質で緻密な樹脂材料ではなく、この種の流動物包装体において通常使用されない「発泡樹脂」に代替することを思い付いた。即ち、発泡樹脂は本来軟質であるが、ある程度硬いシートに加工することも可能であるという利点があるからである。なおかつ、発泡樹脂を使用した場合には、硬質で緻密な樹脂に比べて極端に樹脂使用量が少なくて済むため、コスト低減につながるという利点があるからである。そこで、本願発明者らはさらに鋭意研究を行い、上記課題を解決するための手段[1]〜[8]を想到した。以下それらを列挙する。
【0008】
[1]樹脂シートからなり主面にて開口する流動物収納凹部を有する包装体本体と、前記包装体本体の前記主面側を覆って密閉するシール材とを備える流動物包装体であって、前記樹脂シートは発泡樹脂シートであり、前記包装体本体には、前記主面側に谷折りする際の折曲予定線が設定されるとともに、前記流動物収納凹部に連通する開裂溝が前記折曲予定線を横断するように配置され、前記包装体本体を前記折曲予定線に沿って谷折りすることで、前記開裂溝の折曲予定線横断部位が開裂しうるように構成されていることを特徴とする流動物包装体。
【0009】
従って、手段1に記載の発明によると、包装体本体を折曲予定線に沿って谷折りすると、その折曲予定線を横断するように配置した開裂溝の折曲予定線横断部位が開裂する。その結果、包装体本体の流動物収納凹部に収納されていた流動物が開裂溝を介して開裂箇所に到達し、そこから包装体本体の外部に吐出される。この場合、包装体本体が発泡樹脂シートからなるため、硬質な樹脂材料を使用する場合に必須であった薄い切れ目を設けなくても、包装体本体を比較的容易に主面側に谷折りすることができる。ゆえに、内部に収納している流動物を簡単かつ確実に外部に吐出されることができる。また、発泡樹脂シートからなる包装体本体によれば、従来品に比べて極端に樹脂使用量が少なくて済み、比較的低コストで製造することができる。さらに、発泡樹脂シートであれば手を傷付ける心配がないのでトリミング加工が不要になることに加え、切れ目加工も不要なため、煩雑な加工工程を経ることなく包装体本体を低コストで製造することができる。また、包装体本体側に流動物収納凹部及び開裂溝の両方を形成して包装体本体側から流動物を吐出される構造を採用しているため、上蓋として機能するシール材側を折り曲げて開裂させる必要がない。ゆえに、シール材に切れ目や嘴状の突起部を形成しなくてもよく、シール材を単純な構造にすることができる。このことも製造コストの低減につながる。なお、本発明における「折曲予定線」とは、あくまで折り曲げる際の基準となる仮想上の線のことを意味し、包装体本体における所定箇所に実際上の線が引かれていることを必須とするものではない。ただし、このような実際上の線が引かれていることを妨げるものでもない。なお、従来品は折り曲げ時に流動物収納部同士を押し付け合って流動物を押し出す構造を採用しているため、粘性の高い流動物でも容易に吐出することができるが、本発明の流動物包装体は折り曲げ時の山折り側に流動物収納部が設けられているため、従来品のように流動物収納部同士を押し付け合う構造ではない。しかし、発泡樹脂は弾性が強く伸びやすいため折り曲げ時に外側から指などで押し出すことが可能であり、粘性の高い流動物でも問題なく吐出できる。
【0010】
[2]手段1において、前記発泡樹脂シートは、気泡の長軸方向が略同一方向に沿って配列している配向性を有し、前記折曲予定線は、前記発泡樹脂シートにおける前記気泡の配向方向に対して±45°以内の角度をなすように設定されることを特徴とする流動物包装体。
【0011】
本願発明者が検討したところ、発泡樹脂は硬質な樹脂材料に比べて弾性が強く伸びやすいため、折り曲げ時に突起部がうまく破断して開裂しないことがあることを知見した。また、ある程度破断できたしても、開裂部位の形状がシャープでないと、発泡樹脂のカスの発生につながるおそれがあることも併せて知見した。
【0012】
通常、発泡樹脂シートの原反は、原料である発泡樹脂をシート状に押し出して巻き取ることにより作製される。その際、発泡樹脂が原反シートの巻き取り方向(原反の長手方向)に引き伸ばされることに伴い、発泡樹脂中の気泡がそれと略同一方向に長くなり、回転長円体状(あるいは回転楕円体状)となる。つまり、気泡の長軸方向が原反シートの巻き取り方向に沿って配列した状態を有することを、ここでは「(原反)配向性を有する」と定義している。従って、「気泡の配向方向」と言った場合には、気泡の長軸方向、即ち原反シートの巻き取り方向(原反の長手方向)のことを意味する。本願発明者らは、発泡樹脂をシート状に成形した場合に発現する上記性質に鑑みて試行錯誤を行ったところ、気泡の配向方向に対する折曲予定線の角度の絶対値が小さいほど(即ち±0°に近いほど)、曲げ強度が小さくて済み、シャープに開裂する(即ち、パキっと折れることで直線的に開裂する)ことを知見した。逆に、気泡の配向方向に対する折曲予定線の角度の絶対値が大きいほど(即ち±90°に近いほど)、曲げ強度が大きくなり、シャープに開裂しにくいことも知見した。
【0013】
このような知見に基づいてなされた手段2に記載の発明によると、包装体本体を主面側に谷折りする際の折曲予定線を、発泡樹脂シートにおける気泡の配向方向に対して±45°以内の角度をなすように設定しているので、発泡樹脂シートを折り曲げる際の曲げ強度が比較的小さくて済むようになる。このため、わざわざ切れ目を設けなくても、小さい力で包装体本体を主面側に簡単に谷折りすることができ、開裂部位をシャープに開裂することができる。よって、内部に収納している流動物を簡単かつ確実に外部に吐出されることができる。なお、折曲予定線が気泡の配向方向に対してなす角度は±30°以内が好ましく、より好ましくは±20°以内、さらに好ましくは±10°以内、特に好ましくは0°である。
【0014】
[3]手段1において、前記発泡樹脂シートは、気泡の長軸方向が略同一方向に沿って配列している配向性を有し、前記開裂溝における少なくとも前記折曲予定線横断部位は、前記配向性が低減または喪失されていることを特徴とする流動物包装体。
【0015】
手段3に記載の発明によると、開裂溝における少なくとも折曲予定線横断部位は、配向性が低減または喪失されているため、配向性を有する箇所に比べて弾性が弱く伸びにくくなっている。ゆえに、谷折り時に当該箇所に応力が集中すると、当該箇所が優先的に破断してシャープに開裂する。よって、発泡樹脂のカスを発生させずに、流動物をより簡単かつ確実に外部に吐出されることができる。なお、発泡樹脂シートの配向性を低減または喪失する手法としては、特に限定されないが、例えば発泡樹脂シートの所定部位に短時間ヒートツールを接触させるような熱加工がある。この熱加工によると、発泡樹脂の所定部位が一旦溶融した後に固化することで、その部位の気泡が減少(縮小)または消失し、これに伴い配向性が低減または喪失する。配向性の低減の程度としては、例えば前記部位表面の気泡を6割以下とすることが好ましく、さらには3割以下とすることが好ましい。なお、配向性の低減または喪失は、開口溝における折曲予定線横断部位の全体にわたって施されていることまでは必須ではなく、谷折り時に最初に開裂が起こる箇所(即ち谷折り時に最も応力が加わる箇所)の配向性が低減または喪失されていればよい。
【0016】
また、上記の手段2、3に記載の発明に加えて、例えば、発砲樹脂シートの厚さが3mm以内である場合、開裂溝の深さを3mm以上(好ましくは5mm以上、特には7mm以上)とし、かつ、開裂溝の長さを10mm以上とすることがよい。このような寸法設定によれば、開裂溝がよりいっそう破断して開裂しやすくなり、発砲樹脂のカスの発生をより確実に防止することができる。
【0017】
[4]手段1乃至3のいずれか1項において、前記シール材は、前記包装体本体の前記主面側に溶着された略平坦な樹脂フィルムであることを特徴とする流動物包装体。
【0018】
従って、手段4に記載の発明によると、上蓋として機能するシール材が略平坦な樹脂フィルムであることから、切れ目や突起部がない極めて単純な構造となり、加工コストを低く抑えることができる。また、シール材側を折り曲げて開裂する必要がないことから、薄い樹脂フィルムを使用することができ、材料コストを低く抑えることができる。さらに、このような樹脂フィルムを包装体本体の主面側に溶着することで、漏れを防止しつつ流動物を確実に収納することができる。しかも、上蓋として機能する樹脂フィルムが略平坦であると、例えば複数の流動物包装体を積み重ねて配置した場合の安定性が増すという利点がある。
【0019】
[5]手段1乃至4のいずれか1項において、前記流動物収納凹部の底部は、前記開裂溝に向って傾斜していることを特徴とする流動物包装体。
【0020】
従って、手段5に記載の発明によると、流動物収納凹部の底部が開裂溝に向って傾斜しているため、流動物収納凹部から開裂箇所に向けて流動物がスムーズに案内される。よって、流動物をより簡単かつ確実に外部に吐出されることができる。
【0021】
[6]手段1乃至5のいずれか1項において、前記包装体本体における前記折曲予定線上の少なくとも一部には、前記主面側にて開口する折曲溝または折曲用ミシン目が形成されていることを特徴とする流動物包装体。
【0022】
従って、手段6に記載の発明によると、折曲予定線上の少なくとも一部に折曲溝または折曲用ミシン目をあらかじめ形成しておくことで、折曲予定線に沿って正確にかつ極めて簡単に谷折りすることができる。よって、所望とする部位にて開裂溝を確実に開裂させることができ、流動物をより簡単かつ確実に外部に吐出されることができる。また、このような折曲溝または折曲用ミシン目があれば、折り曲げ時にユーザーが折曲予定線の存在を認知しやすくなるという利点もある。
【0023】
[7]食品収納凹部を有する容器本体と前記容器本体を塞ぐ蓋体とからなる食品容器において、手段1乃至6のいずれか1項に記載の流動物包装体を前記蓋体に設けたことを特徴とする食品容器。
【0024】
従って、手段7に記載の発明によると、蓋体に設けられた流動物包装体から流動物を簡単かつ確実に吐出されることができる。よって、食品収納凹部に収納された食品に流動物を速やかに、かつ、手を汚すことなく注ぐことができる。従って、小袋等の小容器に流動物を収納して添付しておくものとは異なり、小袋を破って流動物を注ぐ面倒な作業が不要になり、手が汚れるなどの欠点も解消される。以上の結果、利便性の高い食品容器を提供することが可能となる。さらに、蓋体が流動体包装体の役割をも果たすことになるため、例えば小袋等のような余分な廃棄物の発生を抑えるという利点もある。また小袋等を使用する場合には当該小袋の製造工程、小袋添付工程など煩雑な工程が必要となるが、手段7に記載の発明によれば、シンプルな製造工程とすることが可能となる。即ち、ラインを流れる食品容器の食品収納凹部に食品を充填後、蓋体を閉める工程を経て、蓋体に設けられた流動物収納凹部に流動物を充填し、シール材で密閉する、といったインラインの工程を採用することができる。もちろん、流動物を充填・密閉をした後に食品を食品収納凹部に充填するといった工程でもよい。
【0025】
上記食品容器において、容器本体と蓋体とは別体として構成されてもよいが、一体として構成されていてもよい。このとき、容器本体と蓋体との境目にミシン目を入れておくと蓋体を容器本体から分離することが容易となり、流動物包装体を設けた蓋体を折り曲げやすいなどの取り扱いが容易となる。また、蓋体で容器本体を塞いだときに、流動物包装体の包装体本体が食品収納凹部側を向き、上蓋がその反対側を向くことが好ましい。この場合、包装体本体全体が食品収納凹部によって覆われて、食品容器から非露出の状態となる。ゆえに、包装体本体の流動物収納凹部や開裂溝の破損や変形を未然に防止することができる。また、開裂溝があらかじめ食品収納凹部側を向いているため、特に向きを変えることなく、そのまま流動物を吐出させることができる。よって、食品に流動物を速やかに注ぐうえで非常に好都合である。
【0026】
[8]手段7に記載の食品容器における前記容器本体の前記食品収納凹部に固形食品を収納し、前記流動物包装体の前記流動物収納凹部に流動性調味料を収納してなる容器入り食品セット。
【0027】
従って、手段8に記載の発明によると、蓋体に設けられた流動物包装体から流動性調味料を簡単かつ確実に吐出されることができる。よって、食品収納凹部に収納された固形食品に流動性調味料を速やかに、かつ、手を汚すことなく注ぐことができる。従って、小袋等の小容器に流動性調味料を収納して添付しておくものとは異なり、小袋を破って流動性調味料を注ぐ面倒な作業が不要になり、手が汚れるなどの欠点も解消される。以上の結果、利便性の高い容器入り食品セットを提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
従って、請求項1〜6に記載の発明によれば、煩雑な加工工程を経ることなく比較的低コストで製造可能であるにもかかわらず、内部に収納している流動物を簡単かつ確実に外部に吐出されることができる流動物包装体を提供することができる。請求項7,8に記載の発明によれば、そのような優れた流動物包装体を蓋体に備えた結果、利便性の高い食品容器、容器入り食品セットをそれぞれ提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の液体調味料包装体(流動物包装体)を示す一部破断平面図。
【図2】上記実施形態の液体調味料包装体を示す正面図。
【図3】図1のA−A線断面図。
【図4】上記実施形態の液体調味料包装体を示す右側面図。
【図5】図1のB−B線断面図。
【図6】図1のC−C線断面図。
【図7】上記実施形態の包装体本体を示す平面図。
【図8】上記液体調味料包装体を折り曲げたときの様子を示す正面図。
【図9】上記液体調味料包装体を蓋体として備える食品容器を示す正断面図。
【図10】別の実施形態における液体調味料包装体の包装体本体を示す平面図。
【図11】別の実施形態における液体調味料包装体の包装体本体を示す平面図。
【図12】別の実施形態における液体調味料包装体の包装体本体を示す平面図。
【図13】別の実施形態における液体調味料包装体の包装体本体を示す平面図。
【図14】別の実施形態における液体調味料包装体の包装体本体を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を液体調味料包装体に具体化した一実施の形態を図1〜図9に基づき詳細に説明する。図1等に示されるように、本実施形態の液体調味料包装体11は、流動物の一種である液体調味料31を内部に収納しておき、必要に応じて所定部位から外部に吐出させることができる包装体である。この液体調味料包装体11は、基本的に包装体本体12と、その包装体本体12の主面12a側を塞ぐ樹脂フィルム13とを組み合わせた構造を有している。
【0031】
図1、図7等に示されるように、本実施形態の包装体本体12は、平面視で長方形状を呈する発泡樹脂シート14製の部材である。発泡樹脂シート14は厚さ3mm以内であることがよく、ここでは厚さ約1.5mmのものを使用している。発泡樹脂シート14を構成する樹脂としては、発泡ポリスチレン樹脂を使用しているが、発泡ポリエチレン樹脂や発泡ポリウレタン樹脂等を使用してもよい。そして、この発泡樹脂シート14では、短辺の方向(即ち図7の上下方向)が原反シートの巻き取り方向(原反の長手方向)となっている。図7の円C1内にて概念的に示すように、発泡樹脂シート14は、内部に多数の気泡25を有している。これらの気泡25は回転長円体状(あるいは回転楕円体状)の独立気泡であって、長軸が一定の方向に沿って配列した状態となっている。この方向のことを「気泡25の配向方向D1」と呼ぶことにする。従って、この発泡樹脂シート14においては、短辺の方向に気泡25が配向していると把握できる。
【0032】
そして本実施形態では、包装体本体12を主面12a側に谷折りする際の折曲予定線L1が、発泡樹脂シート14の中央部を通って気泡25の配向方向D1に平行となるように設定されている(図7参照)。折曲予定線L1は、発泡樹脂シート14における気泡25の配向方向D1に対して、±45°以内の角度θをなすように設定される。本実施形態では折曲予定線L1と気泡25の配向方向D1とが平行であるため、θ=0°となっている。
【0033】
図1〜図7に示されるように、本実施形態の包装体本体12は、主面12aにて開口する一対の流動物収納凹部21と、同じく主面12aにて開口する1本の断面略V字状の開裂溝22とを有している。開裂溝22と一対の流動物収納凹部21とは互いに連結している。一対の流動物収納凹部21及び開裂溝22は、もともと平坦であった発泡樹脂シート14を金型成形して、所定部分を裏面側に膨出させることで形成されたものである。開裂溝22は、発泡樹脂シート14の中央部に位置し、切断予定線L1を横断している。従って、開裂溝22は、気泡25の配向方向D1に対して直交する方向に沿って延びていることになる。一対の流動物収納凹部21は、開裂溝22を挟んでその両側にそれぞれ配置されている。なお、本実施形態における一対の流動物収納凹部21は、大きさ及び形状が等しいが、必ずしもそうでなくてもよい。また、発泡樹脂シート14の平面視において、流動物収納凹部21は、開裂溝22に向うに従って幅が徐々に狭くなる形状となっている。
【0034】
図3等に示されるように、流動物収納凹部21の底部24は、開裂溝22に向って5°〜30°ほど傾斜している。このような傾斜は、底部24の全体に設けられていなくてもよく、一部に設けられていればよい。流動物収納凹部21は、開裂溝22と連結する部位において最も深くなっている。図2に示されるように、流動物収納凹部21の最深部の深さは、特に限定されないが5mm以上となるように設定されることがよい(本実施形態では約8mm)。開裂溝22の最浅部の深さは、特に限定されないが5mm以上となるように設定されることがよい(本実施形態では約7mm)。なお、開裂溝22の長さについては、特に限定されないが10mm以上となるように設定されることがよい(本実施形態では約12mm)。
【0035】
図7に示されるように、発泡樹脂シート14の平面視において、開裂溝22にて折曲予定線L1を横断している部位(以下、折曲予定線横断部位23)は、谷折りした際に最も応力が加わりやすい部位となっている。開裂溝22における少なくとも折曲予定線横断部位23は、配向性が低減または喪失されている。ここでは、流動物収納凹部21及び開裂溝22が形成された発泡樹脂シート14を用意し、その折曲予定線横断部位23(具体的には、応力が最も加わりやすい開裂溝22の底部中央部P1)に熱加工を施す手法を採用している。この熱加工では、ヒートツールとしてホットローラを用い、包装体本体12の搬送時にそのホットローラを開裂溝22の底部中央部P1に接触させるようにしている。
【0036】
図1、図5、図7等に示されるように、包装体本体12における折曲予定線L1上には、主面12a側にて開口する折曲溝32が2箇所に形成されている。折曲溝32は、開裂溝22を挟んでその両側に一対配置されている。個々の折曲溝32の長さは、発泡樹脂シート14の短辺の長さの1/3程度に設定されている。つまり、折曲溝32は、折曲予定線L1に沿って発泡樹脂シート14の全幅にわたり形成されているわけではなく、その2/3程度の長さ分で形成されている。なお、折曲溝32は、折曲予定線L1に沿って発泡樹脂シート14のほぼ全幅にわたり形成されていてもよい。ただし、液体調味料31の漏れを防ぐために、折曲溝32と開裂溝22とを連結しない構造であることが好ましい。また、これらの折曲溝32は、流動物収納凹部21及び開裂溝22ほど深くなくてよく、3mm以下(本実施形態では約1mm)となっている。なお、折曲予定線横断部位23とは異なり、折曲溝32についてはむしろ配向性を維持しておくことが望ましい。その理由は、谷折り時に折曲溝32に破断が生じるのを防ぐことができるからである。
【0037】
図1〜図6に示されるように、包装体本体12の主面12a側には、可撓性及び液体不透過性を有するシール材として、樹脂フィルム13が熱溶着されている。この樹脂フィルム13は、特に凹凸加工を施したものではなく、略平坦でシンプルな構成を有している。樹脂フィルム13を形成する樹脂としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等といった汎用樹脂が使用可能である。樹脂フィルム13は、主面12aの全体を覆うように熱溶着されることで、流動物収納凹部21内の液体調味料31を密閉している。樹脂フィルム13は透明、不透明を問わず選択することが可能である。例えば、前者であると、収納後であっても液体調味料31の状態等を目視確認または検査機による確認をすることができる。後者であると、液体調味料31の光による劣化等を防止することができる。
【0038】
次に、本実施形態の液体調味料包装体11の使用方法を図8に基づいて説明する。まず、液体調味料包装体11における両方の短辺の箇所を指で摘み、流動物収納凹部21及び開裂溝22が形成されている包装体本体12の裏面側を下側に向けるようにする。この状態で指に力を加え、包装体本体12を折曲予定線L1に沿って主面12a側に谷折りする(図8参照)。つまり、従来品と反対の方向に折り曲げるようにする。すると、包装体本体12に形成された開裂溝22の折曲予定線横断部位23、とりわけ底部中央部P1が左右方向に引っ張られ、当該箇所に応力が集中するため、底部中央部P1が他の部分より優先的に破断してシャープに開裂する。その結果、液体調味料31が液体調味料包装体11の外部に吐出されるようになっている。なお、本実施形態では折曲予定線L1と気泡25の配向方向D1とが平行(θ=0°)であるため、開裂溝22の折曲予定線横断部位23が比較的シャープに開裂できる構造となっているが、さらにシャープに開裂することを求める場合や、θが大きい場合(例えば±45°より大きい角度)には配向性低減ないし喪失の処理を施すこともできる。
【0039】
図9には、本実施形態の液体調味料包装体11を蓋体42として備える食品容器51が示されている。この食品容器51は、食品収納凹部43を有する容器本体41を備えている。食品収納凹部43には固形食品44が収納されるようになっている。蓋体42である液体調味料包装体11は、容器本体41の開口部に配置されることで容器本体41を塞いでいる。その結果、食品容器51に流動性調味料31及び固形食品44を個別に収納してなる容器入り食品セットが構成されている。ここで「流動性調味料31と固形食品44」の好適な組み合わせとしては、プリンとカラメル、アイスクリームとフルーツソース、トコロテンとトコロテン用たれ、納豆と納豆用たれ、そばとそばつゆ、サラダとドレッシング、たこ焼きとマヨネーズ、フライドチキンとケチャップ、ソーセージとマスタード、餃子とラー油入り酢醤油、エビフライとレモン汁、豚カツと味噌だれ、などを挙げることができる。
【0040】
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0041】
(1)本実施形態の液体調味料包装体11によると、開裂溝22に生じた開裂箇所から、流動物収納凹部21内に収納している液体調味料31を液体調味料包装体11の外部に吐出させることができる。この場合、包装体本体12が発泡樹脂シート14からなるため、硬質な樹脂材料を使用する場合に必須であった薄い切れ目を設けなくても、包装体本体12を比較的容易に主面12a側に谷折りすることができる。ゆえに、内部に収納している液体調味料31を簡単かつ確実に外部に吐出させることができる。また、発泡樹脂シート14からなる包装体本体12によれば、従来品に比べて極端に樹脂使用量が少なくて済み、比較的低コストで製造することができる。さらに、発泡樹脂シート14であれば手を傷付ける心配がないのでトリミング加工が不要になることに加え、切れ目加工も不要なため、煩雑な加工工程を経ることなく包装体本体12を低コストで製造することができる。また、包装体本体12側に流動物収納凹部21及び開裂溝22の両方を形成して包装体本体12側から液体調味料31を吐出される構造を採用しているため、上蓋として機能するシール材側を折り曲げて開裂させる必要がない。ゆえに、シール材に切れ目や嘴状の突起部を形成しなくてもよく、シール材を単純な構造にすることができる。このことも製造コストの低減につながる。
【0042】
(2)本実施形態の液体調味料包装体11では、包装体本体12を主面12a側に谷折りする際の折曲予定線L1を、発泡樹脂シート14における気泡25の配向方向D1に対して0°の角度θをなすように設定している。そのため、発泡樹脂シート14を折り曲げる際の曲げ強度を最小限にすることができる。ゆえに、わざわざ切れ目を設けなくても、小さい力で包装体本体12を主面12a側に簡単に谷折りすることができ、開裂部位をシャープに開裂することができる。よって、内部に収納している液体調味料31を簡単かつ確実に外部に吐出させることができる。
【0043】
(3)本実施形態の液体調味料包装体11では、開裂溝22における折曲予定線横断部位23の配向性が低減または喪失されている。そのため、折曲予定線横断部位23は、配向性を有する箇所に比べて弾性が弱く伸びにくくなっている。ゆえに、谷折り時に当該箇所に応力が集中すると、当該箇所が優先的に破断してシャープに開裂する。よって、発泡樹脂のカスを発生させずに、液体調味料31をより簡単かつ確実に外部に吐出させることができる。
【0044】
(4)本実施形態の液体調味料包装体11では、上蓋として機能するシール材が略平坦な樹脂フィルム13であることから、切れ目や突起部がない極めて単純な構造となり、加工コストを低く抑えることができる。また、シール材側を折り曲げて開裂する必要がないことから、薄い樹脂フィルム13を使用することができ、材料コストを低く抑えることができる。さらに、このような樹脂フィルム13を包装体本体12の主面12a側に溶着することで、漏れを防止しつつ液体調味料31を確実に収納することができる。しかも、上蓋として機能する樹脂フィルム13が略平坦であると、例えば複数の液体調味料包装体11を積み重ねて配置した場合の安定性が増すという利点がある。
【0045】
(5)本実施形態の液体調味料包装体11では、流動物収納凹部21の底部24が開裂溝22に向って傾斜している。そのため、流動物収納凹部21から開裂箇所に向けて液体調味料31がスムーズに案内される。よって、液体調味料31をより簡単かつ確実に外部に吐出させることができる。
【0046】
(6)本実施形態の液体調味料包装体11では、折曲予定線L1上の一部に折曲溝32をあらかじめ形成しておくようにしている。そのため、折曲予定線L1に沿って正確にかつ極めて簡単に包装体本体12を主面12a側に谷折りすることができる。よって、所望とする部位(即ち底部中央部P1)にて開裂溝22を確実に開裂させることができ、液体調味料31をより簡単かつ確実に外部に吐出させることができる。また、このような折曲溝32があれば、折り曲げ時にユーザーが折曲予定線L1の存在を認知しやすくなるという利点もある。
【0047】
(7)また、図9に示した本実施形態の容器入り食品セットによれば、蓋体42の備える流動物包装体11から液体調味料31を簡単かつ確実に吐出させることができる。よって、食品収納凹部43に収納された固形食品44に液体調味料31を速やかに、かつ、手を汚すことなく注ぐことができる。従って、小袋等の小容器に液体調味料31を収納して添付しておくものとは異なり、小袋を破って液体調味料31を注ぐ面倒な作業が不要になり、手が汚れるなどの欠点も解消される。以上の結果、利便性の高い容器入り食品セットとすることが可能となる。さらに、蓋体42が流動体包装体11の役割をも果たすことになるため、例えば小袋等のような余分な廃棄物の発生を抑えるという利点もある。また小袋等を使用する場合には当該小袋の製造工程、小袋添付工程など煩雑な工程が必要となるが、本実施形態の容器入り食品セットであれば、シンプルな製造工程とすることが可能となる。即ち、ラインを流れる食品容器本体41の食品収納凹部43に固形食品44を充填後、蓋体42を閉める工程を経て、蓋体42に設けられた流動物収納凹部21に液体調味料31を充填し、シール材13で密閉する、といったインラインの工程を採用することができる。もちろん、液体調味料31を充填・密閉をした後に固形食品44を食品収納凹部43に充填するといった工程でもよい。
【0048】
(8)上記の容器入り食品セットでは、蓋体42で容器本体41を塞いだときに、液体調味料包装体11の包装体本体12が食品収納凹部43側を向くように構成されている。この場合、包装体本体12全体が食品収納凹部43によって覆われて保護され、食品容器51の外に非露出の状態となる。ゆえに、包装体本体12の流動物収納凹部21や開裂溝22の破損や変形を未然に防止することができる。また、開裂溝22があらかじめ食品収納凹部43側を向いているため、特に向きを変えることなく、そのまま液体調味料31を吐出させることができる。よって、固形食品44に液体調味料31を速やかに注ぐことができ、非常に好都合である。
【0049】
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
【0050】
・上記実施形態の包装体本体12では、折曲予定線L1が、発泡樹脂シート14における気泡25の配向方向D1に対して0°の角度θをなすように設定されていた。しかし、この角度θは0°に限定されず、±45°以内であれば任意の角度θに設定することが許容される。ちなみに、図10に示す別の実施形態の包装体本体12Aでは、この角度θが±45°に設定されている。
【0051】
・上記実施形態では、包装体本体12に2つの流動物収納凹部21を設けたものを示したが、流動物収納凹部21の数は2つに限らず、1つのみあるいは3つ以上であってもよい。例えば、図11に示す別の実施形態の包装体本体12Bでは、流動物収納凹部21を1つのみ設けている。
【0052】
・上記実施形態では、切断予定線L1を1本のみ設定したが、2つ以上設定することも可能である。複数の切断予定線L1を設定する場合、それらは平行であってもよく、そうでなくてもよい。
【0053】
・上記実施形態の液体調味料包装体11では、折曲予定線L1上の一部に、折り曲げを容易に行うための構造物として、あらかじめ折曲溝32を加工形成しておくようにした。これに代えて、例えば、図12に示す別の実施形態の包装体本体12Cでは、折曲予定線L1上の一部に、発泡樹脂シート14の主面12a及び裏面を貫通する折曲用ミシン目33をあらかじめ加工形成しておくようにしている。このような構造を有するものであっても、折曲予定線L1に沿って正確にかつ極めて簡単に包装体本体12を主面12a側に谷折りすることができる。
【0054】
・上記実施形態ではシール材として樹脂フィルム13を用いたが、樹脂フィルム13以外のものを使用してもよい。つまり、ある程度薄くて可撓性や液体不透過性を有するものであれば、必ずしも樹脂製でなくてもよい。そのようなものとして、例えば、油含浸紙、フィルムコート紙、金属ラミネートフィルム、金属箔などを挙げることができる。
【0055】
・上記実施形態では複数ある流動物収納凹部21に同じ種類の液体調味料31を収納したが、それぞれ異なるもの(例えば醤油と酢、ケチャップとマヨネーズ、ケチャップとマスタード、など)を収納しておき、谷折りによって吐出させる際にミックスするようにしてもよい。なお、複数の流動物をミックスしたくない場合には、以下のような構造が有利である。例えば、図13に示す別の実施形態の包装体本体12Dでは、流動物収納凹部21を2つ同じ向きに配置しており、それに対応して開裂溝22を個別かつ平行に設けている。従って、谷折り時にそれぞれの開裂溝22が開裂して(つまり異なる位置にて開裂して)、異種の液体調味料31を個別に吐出させることができる。また、図14に示す別の実施形態の包装体本体12Eのようにしてもよい。この包装体本体12Eでは、2つの流動物収納凹部21が互いに反対方向を向くとともに、互いに発泡樹脂シート14の短辺方向に若干オフセットして配置されている。また、2つの流動物収納凹部21に対応して開裂溝22を個別かつ並列に設けている。従って、谷折り時にそれぞれの開裂溝22が開裂して、異種の液体調味料31を個別に吐出させることができる。なお、この構成によると、開裂溝22を近接させることができるので、比較的近い位置にて2種類の液体調味料31を吐出させることができるとともに、全体の大型化を回避しやすい構造とすることができる。
【0056】
・上記実施形態では、液状調味料31を収納するための流動物包装体として本発明を具体化したが、それ以外の流動物(例えばジュース、お茶、牛乳などの飲料)を収納するためのものとして具体化することができる。さらに、食品以外の流動物(例えば液状の化粧品、液状の洗浄剤、液状の医薬品など)収納するためのものとして本発明を具体化することも許容される。
【0057】
次に、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)手段1乃至8のいずれか1項において、前記折曲予定線は、前記発泡樹脂シートにおける前記気泡の配向方向に対して±30°以内(好ましくは±20°以内、特に好ましくは±10°以内)の角度をなすように設定されること。
(2)手段1乃至8のいずれか1項において、前記発泡樹脂シートの厚さが3mm以下、前記開裂溝の最浅部の深さが3mm以上、前記開裂溝の長さが10mm以上であること。
(3)手段1乃至8のいずれか1項において、前記開裂溝と前記流動物収納凹部とが連結する部位の深さは、前記開裂溝における前記折曲予定線横断部位の深さよりも深いこと。
(4)手段1乃至8のいずれか1項において、前記流動物収納部は複数であること。
(5)手段1乃至8のいずれか1項において、前記流動物収納部は前記開裂溝を挟んで一対配置されていること。
【符号の説明】
【0058】
11…流動物包装体としての液体調味料包装体
12,12A,12B,12C,12D,12E…包装体本体
12a…主面
13…シール材としての樹脂フィルム
14…(発泡)樹脂シート
21…流動物収納凹部
22…開裂溝
23…折曲予定線横断部位
24…流動物収納凹部の底部
31…流動性調味料としての液体調味料
32…折曲溝
33…折曲用ミシン目
41…容器本体
42…蓋体
43…食品収納凹部
44…固形食品
51…食品容器
D1…気泡の配向方向
L1…折曲予定線
θ…角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂シートからなり主面にて開口する流動物収納凹部を有する包装体本体と、前記包装体本体の前記主面側を覆って密閉するシール材とを備える流動物包装体であって、
前記樹脂シートは発泡樹脂シートであり、
前記包装体本体には、前記主面側に谷折りする際の折曲予定線が設定されるとともに、前記流動物収納凹部に連通する開裂溝が前記折曲予定線を横断するように配置され、
前記包装体本体を前記折曲予定線に沿って谷折りすることで、前記開裂溝の折曲予定線横断部位が開裂しうるように構成されている
ことを特徴とする流動物包装体。
【請求項2】
前記発泡樹脂シートは、気泡の長軸方向が略同一方向に沿って配列している配向性を有し、
前記折曲予定線は、前記発泡樹脂シートにおける前記気泡の配向方向に対して±45°以内の角度をなすように設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の流動物包装体。
【請求項3】
前記発泡樹脂シートは、気泡の長軸方向が略同一方向に沿って配列している配向性を有し、
前記開裂溝における少なくとも前記折曲予定線横断部位は、前記配向性が低減または喪失されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流動物包装体。
【請求項4】
前記シール材は、前記包装体本体の前記主面側に溶着された略平坦な樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の流動物包装体。
【請求項5】
前記流動物収納凹部の底部は、前記開裂溝に向って傾斜していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に流動物包装体。
【請求項6】
前記包装体本体における前記折曲予定線上の少なくとも一部には、前記主面側にて開口する折曲溝または折曲用ミシン目が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に流動物包装体。
【請求項7】
食品収納凹部を有する容器本体と前記容器本体を塞ぐ蓋体とからなる食品容器において、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の流動物包装体を前記蓋体に設けたことを特徴とする食品容器。
【請求項8】
請求項7に記載の食品容器における前記容器本体の前記食品収納凹部に固形食品を収納し、前記流動物包装体の前記流動物収納凹部に流動性調味料を収納してなる容器入り食品セット。
【請求項1】
樹脂シートからなり主面にて開口する流動物収納凹部を有する包装体本体と、前記包装体本体の前記主面側を覆って密閉するシール材とを備える流動物包装体であって、
前記樹脂シートは発泡樹脂シートであり、
前記包装体本体には、前記主面側に谷折りする際の折曲予定線が設定されるとともに、前記流動物収納凹部に連通する開裂溝が前記折曲予定線を横断するように配置され、
前記包装体本体を前記折曲予定線に沿って谷折りすることで、前記開裂溝の折曲予定線横断部位が開裂しうるように構成されている
ことを特徴とする流動物包装体。
【請求項2】
前記発泡樹脂シートは、気泡の長軸方向が略同一方向に沿って配列している配向性を有し、
前記折曲予定線は、前記発泡樹脂シートにおける前記気泡の配向方向に対して±45°以内の角度をなすように設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の流動物包装体。
【請求項3】
前記発泡樹脂シートは、気泡の長軸方向が略同一方向に沿って配列している配向性を有し、
前記開裂溝における少なくとも前記折曲予定線横断部位は、前記配向性が低減または喪失されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流動物包装体。
【請求項4】
前記シール材は、前記包装体本体の前記主面側に溶着された略平坦な樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の流動物包装体。
【請求項5】
前記流動物収納凹部の底部は、前記開裂溝に向って傾斜していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に流動物包装体。
【請求項6】
前記包装体本体における前記折曲予定線上の少なくとも一部には、前記主面側にて開口する折曲溝または折曲用ミシン目が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に流動物包装体。
【請求項7】
食品収納凹部を有する容器本体と前記容器本体を塞ぐ蓋体とからなる食品容器において、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の流動物包装体を前記蓋体に設けたことを特徴とする食品容器。
【請求項8】
請求項7に記載の食品容器における前記容器本体の前記食品収納凹部に固形食品を収納し、前記流動物包装体の前記流動物収納凹部に流動性調味料を収納してなる容器入り食品セット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−140141(P2012−140141A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292818(P2010−292818)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(301058355)株式会社ミツカン (32)
【出願人】(398065531)株式会社ミツカングループ本社 (157)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(301058355)株式会社ミツカン (32)
【出願人】(398065531)株式会社ミツカングループ本社 (157)
【Fターム(参考)】
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