説明

流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサー

【課題】製品を送出し、製品の漏れを防止することができる流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサーを提供する。
【解決手段】ディスペンサーは、流通形圧縮性ガスケット及び製品を収容する貯蔵槽を有するハウジングを含んでいる。流通形圧縮性ガスケットは、少なくとも1つの開口を有し、ディスペンサーが開放位置にあるとき、製品送出通路を提供し、ディスペンサーが閉鎖位置にあるとき、漏れを防止する。いくつかの実施例においては、流通形圧縮性ガスケットは、ゴム弾性を有する材料から作られ得る。したがって、流通形圧縮性ガスケットは、ディスペンサーに対してシールを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品、医薬品、食品、家庭用品、又はその他の製品を供給するための装置が存在する。そのような装置は、通常、外側ハウジング、異なる種類の製品を供給する送出機構、及び塗布器具からなる。例えば、様々な産業において、粉末、ゲル、クリーム、又はローション(lotions)を塗布する装置が採用されている。化粧品業界や介護業界においては、装置は、口紅、リップクリーム、スキンクリーム、ローション、化粧用コンパクト、ルースパウダー(loose powder)、及びその他の化粧品を顔や身体の部分に塗布するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に、これらの装置は、多くの欠点を有している。例えば、製品が一定量で供給されない恐れがある。すなわち、製品は装置から出てくる量が少なすぎたり多すぎたりすることがある。別の問題は、装置の塗布器具が、一旦所望の量の製品が供給されると、製品が装置から流出し続ける恐れがある点にある。例えば、特に、日中、再使用のためにある場所から別の場所へ持ち運ぶとき、製品が装置から漏れ出したり、こぼれ出たりする恐れがあり、結果として、使用者にとり、製品の浪費と液漏れによる汚れを招く。したがって、この分野において装置が改良される必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この欄は、以下の詳細な説明でさらに詳しく説明される流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサーの簡略化された概念を紹介するために提供されている。この欄は、クレームされた発明の本質的特徴を特定することを目的とするものではないし、クレームされた発明の範囲を決定するのに使用するためのものでもない。
【0005】
本発明は、少なくとも1つの開口を有する流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサーを対象とする。本発明は、ディスペンサーが粉末化粧品を収容する貯蔵槽を有するハウジングを含むことを述べている。該ディスペンサーは、少なくとも1つの開口を有する流通形圧縮性ガスケットを含んでいる。ディスペンサーは、流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口を通して粉末化粧品を選択的に送出するために作動可能な外側ダイヤルを有する。さらに、流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサーは、製品を送出し、製品の漏れを防止することが可能である。
【0006】
本発明は、また、概略円形、又は、概略砂時計のようにくびれた形状である少なくとも1つの開口を有する流通形圧縮性ガスケットを対象とする。流通形圧縮性ガスケットは、熱可塑性エラストマー材料から成る。
【0007】
上に述べた、又は、以下に述べられるだろう特徴、機能及び利点は、様々な実施例において独立して達成され得るか、又は、さらに別の実施例で組み合され得る。そのさらなる詳細は、以下の説明及び図面を参照して理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】1つの実施例に係る具体的な流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサーの分解組立図である。
【図2】ディスペンサー用の代表的塗布器具の斜視図である。
【図3】A−A線に沿い及びC−C線に沿って断面される、図1のディスペンサー用の代表的ディスペンサー・キャップの平面図である。
【図4】図1のディスペンサーの断面図である。
【図5a】1つの実施例に係る流通形圧縮性ガスケットの底面図である。
【図5b】1つの実施例に係る流通形圧縮性ガスケットの平面図である。
【図5c】1つの実施例に係る流通形圧縮性ガスケットの斜視図である。
【図6】図1のディスペンサーの外観図である。
【図7】図1のディスペンサーの外観図である。
【図8】流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサーの別の具体的な実施例の分解組立図である。
【図9】図8の実施例に係る外側ダイヤルの斜視図である。
【図10】図8の実施例に係る内側ダイヤルの斜視図である。
【図11a】ある実施例に係る具体的な流通形圧縮性ガスケットの前方斜視図である。
【図11b】ある実施例に係る具体的な流通形圧縮性ガスケットの平面図である。
【図11c】ある実施例に係る具体的な流通形圧縮性ガスケットの側面図である。
【図12】図8の具体的な流通形ディスペンサーのA−A線に沿う断面図である。
【図13】図8の具体的な流通形ディスペンサーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な内容が添付の図面を参照して説明される。図において、参照番号の最も左の数字は、該参照番号が最初に表れる図を特定する。異なる図面における同じ参照番号の使用は、同じすなわち同一の品目を示す。
【0010】
(総括)
本発明の1つの実施例は、回転運動において、製品を供給し、製品の漏れを防止する流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサーを対象としている。例えば、化粧用ディスペンサーは、粉末化された化粧品を収容する貯蔵槽を有するハウジングを含んでいる。ディスペンサーは、少なくとも1つの開口を有する流通形圧縮性ガスケット(a flow-through compressible gasket)を含んでいる。さらに、ディスペンサーは、流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口を通して粉末化された化粧品を選択的に送出するために作動可能である少なくとも1つの開口を有する外側ダイヤルを含んでいる。流通形圧縮性ガスケットは、外側ダイヤルと内側ダイヤルとの間に機械的シールを提供する。ディスペンサーは、製品送出通路が塗布器具で終了するように、粉末化された化粧品を塗布する、外側ダイヤルに結合された塗布器具を含んでいる。
【0011】
別の実施例は、少なくとも1つの開口を有する流通形圧縮性ガスケット付き製品ディスペンサーを含んでいる。流通形圧縮性ガスケットに結合された外側ダイヤルは、製品送出通路を画定する開放位置と製品の漏れを防止する閉鎖位置との間で回転可能である。回転により開放位置にある外側ダイヤルは、流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口を内側ダイヤル及び/又は外側ダイヤルの1以上の開口に整列させる。さらに、回転により閉鎖位置にある外側ダイヤルは、流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口を内側ダイヤル及び/又は外側ダイヤルの複数の隆起部分に整列させ、シールを形成する。該シールは、製品の漏れを防止する効果がある。
【0012】
さらに別の実施例においては、少なくとも1つの開口を有する流通形圧縮性ガスケットは、砂時計のようにくびれた形状構造を含み得る。また、該ガスケットは、ゴム状弾性を有する材料から成り得る。
【0013】
一例としてであってこれに限定されるものではないが、本明細書における流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサーは、多くの状況や環境の中で適用され得る。例えば、流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサーは、医薬品、化粧業界や介護業界、粉末化された化粧品、鉱物性製品(mineral products)、食品、香辛料、じゅうたん用消臭脱臭剤、ベーキング・ソーダ(baking soda)などに対して実施され得る。例えば、様々な産業において、流通形圧縮性ガスケット付き装置は、粉末化された製品、ゲル状製品、クリーム状製品、又はローション製品を塗布するために使用され得る。化粧業界や介護業界においては、流通形圧縮性ガスケット付き装置は、口紅、リップクリーム、スキンクリーム、ローション、粉末化されたルースパウダー及びその他の化粧品を顔や身体の部分に塗布するのに使用され得る。
【0014】
(具体的な流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサー)
図1は、具体的な回転機構を有するディスペンサー100の分解組立図である。この実施例においては、ディスペンサー100は、開放位置と閉鎖位置との間で、らせん運動で選択的に回転可能であり得る。開放位置は、製品を送出するために、開いた状態にあると考えられる。閉鎖位置は、製品が全く送出されない閉じた状態にあると考えられる。製品の送出が全くない場合、ディスペンサーは、持ち運びを容易にするために保管され得る。
【0015】
図1は、貯蔵槽付きのハウジング102を有するディスペンサー100を示す。ハウジング102は、首部を取り囲む隆線(a ridge)を含んでいる。ある場合には、ハウジング102は、透明な、実質的に不透明な、又は半透明な材料から作られ得る。ディスペンサー100は、内側ダイヤル106に結合されるOリング・シール104を有する。内側ダイヤル106は、一例として、圧入、スナップ嵌め、接着剤、及び/又は、1以上の係合機構による係合によってハウジング102に固定される。例示される実施例において、ハウジング102は、内側ダイヤル106に結合する補強リブを含んでいる。とはいえ、別の実施例においては、内側ダイヤルは、一体のものとして貯蔵槽及びハウジング102と一体成形されてもよい。一体のものとして構成される場合、ハウジングの内側ダイヤル及び貯蔵槽は、異なる、又は、同じ材料から作られてもよい。
【0016】
Oリング・シール104は、通常、リング、すなわち、環状であるように例示されている。しかしながら、Oリング・シール104は、楕円形、長円形、球形、曲線状、台形などのような事実上全ての所望の形状に構成されてもよい。Oリング・シール104は、内側ダイヤル106をハウジング102に保持し、シールを形成するのに役立つ。Oリング104は、限定されるものではないが、ニトリルゴム、ブナN、アクリロニトリルとブタジエンの合成ゴム共重合体、熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコーンなどを含む材料から作られ得る。
【0017】
内側ダイヤル106は、製品をハウジング102の貯蔵槽から製品送出用塗布器具へ搬送する1以上の開口を含み得る。内側ダイヤル106は、また、内側ダイヤルの1以上の開口と交互に配置される1以上の隆起部分を含み得る。1以上の隆起部分は、限定されるものではないが、内側ダイヤルと同じ材料から作られ、オーバーモールドされた(over molded)熱可塑性エラストマー材料から形成され、複数の隆起したバンプ(bumps)から作られ、小さな層から作られ、又はバンプ又は隆起部分を取り囲む熱可塑性エラストマー・リングから作られるものを含んでいる。
【0018】
例示される実施例において、ディスペンサー100は、概略円盤状の流通形圧縮性ガスケット108を含んでいる。実施例においては、流通形圧縮性ガスケットは、内側ダイヤル106内の溝に配置され得る。内側ダイヤル106は、使用者による作動時、流通形圧縮性ガスケット108を保持するために凹部が所定の位置に作られ得る。いくつかの実施例においては、内側ダイヤル106は、流通形圧縮性ガスケット108とは別部材として構成され得る。一方、別の実施例においては、内側ダイヤルは、流通形圧縮性ガスケットと一体のものとして構成され得る。一体のものとして一緒に一体成形される場合、内側ダイヤル及び流通形圧縮性ガスケットは、異なる材料から作られてもよい。
【0019】
ディスペンサー100は、また、例えば、製品と反応しない熱可塑性ポリマーから作られ得る外側ダイヤル110を含んでいる。実施例においては、外側ダイヤルは、外側ダイヤルの1以上の開口と交互に配置される1以上の隆起部分を含み得る。1以上の隆起部分は、限定されるものではないが、外側ダイヤルと同じ材料で作られ、オーバーモールドされた熱可塑性エラストマー材料から形成され、複数の隆起したバンプから作られ、小さな層から作られ、又はバンプ又は隆起部分を取り囲む熱可塑性エラストマー・リングから作られるものを含んでいる。
【0020】
外側ダイヤル110は、例えば、圧入、スナップ嵌め、接着剤、及び/又は、1以上の係合機構による係合によって、内側ダイヤル106に固定され得る。例示された実施例においては、外側ダイヤル110は、内側ダイヤル106に結合する補強リブを含んでいる。該補強リブは、外側ダイヤルが閉鎖位置又は開放位置へ回転することを許容する。また、外側ダイヤル110は、引っ込んだ所に配置された開口及び外周縁を取り囲む1以上の隆線を含んでいる。
【0021】
流通形圧縮性ガスケット108は、閉鎖位置において作動が起きた場合にシールを作り出すのに役立つ。この閉鎖位置において、流通形圧縮性ガスケット108は、漏れている化粧品の痕跡を残すという経験をすることなしに、ある場所から別の場所への充填されたディスペンサー100の度重なる搬送を可能とする。とはいえ、閉鎖位置において、流通形圧縮性ガスケット108は、シールにより送出通路に沿う製品の移動を妨げている。さらに、流通形圧縮性ガスケット108は、開放位置において一回で一定量の製品が供給されることを可能とする。この開放位置において、一定量の製品は、ルースパウダーが使用者の体一面に塗布されることなしに塗布される。流通形圧縮性ガスケット108のより詳細な説明が図5において引き続きなされる。
【0022】
シールは、異なる方法で作り出され得る。実施例においては、外側ダイヤルが所定の位置に流通形圧縮性ガスケットを保持する。この実施例においては、内側ダイヤルは、流通形圧縮性ガスケットの1以上の開口と整列し得る1以上の隆起部分を含んでいる。外側ダイヤルが作動すると、下向きの回転が内側ダイヤルの1以上の隆起部分を流通形圧縮性ガスケットの1以上の開口に対して圧縮させる。流通形ガスケットは圧縮性であるので、内側ダイヤルの1以上の隆起部分または小さなバンプまたは平滑な領域と流通形圧縮性ガスケットの1以上の開口との間のこの圧縮は、シールを作り出し、製品が漏れることを防止する。あるいは、流通形圧縮性ガスケットの1以上の開口が、内側ダイヤルの1以上の隆起部分を圧縮し、シールを作り出す。ある場合には、下向きの回転により圧力が加えられてもよい。
【0023】
さらに別の実施例においては、内側ダイヤルが流通形圧縮性ガスケットを所定の位置に保持する。この実施例においては、外側ダイヤルが、外側ダイヤルの底面側から見ることができる、又は外側ダイヤルの下に見られる1以上の隆起部分を含み得る。1以上の隆起部分又は平滑な領域又は小さなバンプは、外側ダイヤルの1以上の開口と交互に配置される。この実施例においては、外側ダイヤルが作動すると、外側ダイヤルの1以上の隆起部分が整列し、流通形圧縮性ガスケットの1以上の開口を圧縮し、シールを作り出す。流通形ガスケットは、圧縮性であるので、外側ダイヤルの1以上の隆起部分と流通形圧縮性ガスケットの1以上の開口との間のこの圧縮は、シールを作り出し、製品が漏れることを防止し得る。あるいは、流通形圧縮性ガスケットの1以上の開口が整列し、外側ダイヤルの1以上の隆起部分を圧縮し得る。ある場合には、下向きの回転により圧力が加えられてもよい。製品送出機構の説明は、図4において引き続きなされる。
【0024】
例示されている実施例において、外側ダイヤル110は、また、概略円筒形状のパイプであり、ハウジング102内の製品に対して製品送出通路を形成する1以上のパイプ112を含み得る。複数の円筒状パイプ112の断面は、ほぼ円形又はほぼ楕円形である。実施例においては、1以上のパイプ112は、ほぼ円形である3本のほぼ円筒形状をしたパイプを含み得る。別の実施態様においては、外側ダイヤル110は、それを貫通して延在するパイプを含んでいなくてもよい。
【0025】
ハウジング102、内側ダイヤル106、及び外側ダイヤル110は、例えば、ガラス、金属、木材、プラスチック、ポリマー、その複合材料などを含む材料から構成され得る。いくつかの実施例においては、ハウジング102、内側ダイヤル106、及び外側ダイヤル110は、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABC)、スチレン・アクリロニトリル(SAN)、ペンタクロロチオアニソール(PCTA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン、それらの組み合わせなどのような合成樹脂から少なくとも部分的に作られ得る。
【0026】
いろいろな具体的実施例の特徴が述べられているけれども、その他の実施態様において、ハウジング102、Oリング104、内側ダイヤル106、及び外側ダイヤル110は、ディスペンサー100に収容される製品の塗布に適正な形状で構成され得る。ハウジング102、Oリング104、内側ダイヤル106、及び外側ダイヤル110は、円形、円盤形、楕円形、長円形、球形、曲線形、台形などのような事実上全ての所望の形状でそれぞれ構成され得る。
【0027】
(流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサー用の具体的な塗布器具及びキャップ)
図1は、塗布器具114の上部を覆って嵌合するように所定の大きさに作られている取り外し可能なキャップ116すなわちカバーに加えて塗布器具114を有するディスペンサー100を示している。実施例においては、取り外し可能なキャップ116は、ハウジング102にスナップ嵌めされ得る。別の実施例においては、取り外し可能なキャップ116は、ハウジング102にねじ止めするねじ山を含み、該ハウジング102と結合し得る。別の実施例においては、ディスペンサー100は、透明なプラスチック・カバー、引き上げ式のカバーなどを含んでいてもよい。本実施例においては、ディスペンサー100は、ディスペンサー100が使用されていないとき、塗布器具114を密封する取り外し可能なキャップ116を含んでいる。さらに別の実施例では、ディスペンサー100は、取り外し可能なキャップすなわちカバーを含んでいなくてもよい。
【0028】
取り外し可能なキャップ116は、製品を塗布するとき、容易に鏡118を使用できるという使用者の便宜上、鏡118を含んでいてもよい。鏡118は、厚さが少なくとも約2mmから最大約8mmまでの範囲に及び得る。様々な実施例において、鏡118は、接着剤、圧入、スナップ嵌め、1以上のリブ又は返し(barbs)、又はその他の適切な固定手段により、取り外し可能なキャップ116に結合され得る。鏡118は、取り外し可能なキャップ116の上部、側部、又は下に配置され得る。別の実施例では、ディスペンサー100は、鏡を含んでいなくてもよい。実際のところ、塗布器具114、取り外し可能なキャップ116、及び鏡118は、円盤状、楕円形、長円形、球形、曲線状、台形などのような事実上全ての所望の形状で構成され得る。
【0029】
図2は、ディスペンサー100用の代表的な塗布器具200の斜視図を示している。塗布器具200は、外側ダイヤル110に結合されるベース部分202を含んでいる。様々な実施例において、塗布器具200は、接着剤、圧入、スナップ嵌め、1以上のリブ又は返し、又はその他の適切な固定手段により、ベース部分202に結合される。塗布器具200の上部は、限定されるものではないが、製品を塗布するために、ブラシ204、スポンジ206又はパウダーパフ208を含んでいる。いくつかの実施例においては、塗布器具200は、限定されるものではないが、化粧用の粉末化された製品、医薬用の粉末化された製品などを含む製品を塗布するのに使用され得る。
【0030】
様々な具体的実施例の特徴が述べられているけれども、塗布器具200は、ディスペンサーに収容される製品を塗布するのに適した形状で構成され得る。例えば、塗布器具200は、その他の適切な形状、大きさで構成されてもよいし、所定の塗布に要求される適切な質量、表面仕上げ、及び/または表面処理を有していてもよい。実際に、塗布器具200は、円盤状、楕円形、長円形、球形、曲線状、台形などのような事実上全ての所望の形状で構成され得る。
【0031】
図3は、A−A線及びC−C線に沿って断面される、図1のディスペンサー用の具体的なディスペンサー・キャップの上面図である。
【0032】
(流通形圧縮性ガスケットを用いる具体的な機構)
図4は、図1の実施例に係る流通形圧縮性ガスケット付きの具体的ディスペンサーの断面図である。図4に示されるように、ディスペンサー400は、製品送出通路402がハウジング102から延在し、塗布器具114の開口で終了する、ハウジング102を有する。
【0033】
以下は、限定されるものではないが、開放位置において製品を供給し、閉鎖位置において製品の漏れを防止する、送出機構の実施例の説明である。実施例は、回転又は逆回転動作を用いて実施され得る。それにより、使用者は、時計方向又は反時計方向のどちらかに内側ダイヤルに対して外側ダイヤルを動かすことでディスペンサー100を動作させ得る。回転は、左から右へ及び右から左へ動かし得る。開放位置及び閉鎖位置は、限定されるものではないが、時計方向及び/又は反時計方向、左及び/又は右への移動、上及び/又は下運動などを含む回転に適用し得る。
【0034】
内側ダイヤル106、流通形圧縮性ガスケット108、及び外側ダイヤル110の開口の大きさは、塞がれることなく製品送出を可能とするのに十分な大きさ及び十分な開度を有している。例えば、開口の大きさは、少なくとも約1mmから最大約6mmまでの幅に及び得る。1つの実施例においては、それぞれの開口は、大きさが少なくとも約2.5mmである。
【0035】
開口の構成は、2つの開口又は互いに対して120度離れて配置される3つの開口から成る。別の実施例においては、開口の構成は、互いに対して90度離れて配置される4つの開口から成っていてもよい。さらに別の実施例においては、内側ダイヤル、流通形圧縮性ガスケット、又は外側ダイヤルの中心又は中心を外れて配置される1つの開口であってもよい。開口は、約45度から約180度までにわたる角度で離れて配置され得る。
【0036】
各構成要素における開口の数は、少なくとも1から約4までの範囲にわたる。上述したように、隆起部分の数は、内側ダイヤル又は外側ダイヤルの窓の数を代替し得る。
【0037】
内側ダイヤル106、流通形圧縮性ガスケット108、及び外側ダイヤル110の形状、大きさ及び開口の数は、相互の関連で異なっていてもよい。例えば、流通形圧縮性ガスケットは1つの開口であり、内側ダイヤル及び外側ダイヤルそれぞれは、2つの開口であってもよい。さらに、流通形圧縮性ガスケットの開口の形状は、円形であり、内側ダイヤルの形状は、楕円形であり、外側ダイヤルの形状は、台形であってもよい。開口の形状、大きさ及び数のどのような組み合わせもあり得る。
【0038】
1つの実施例においては、外側ダイヤル110は、開放位置において製品送出を可能とする操作機構として働く。開放位置への外側ダイヤルの回転は、製品がこの製品送出通路402を通って搬送されるように、流通形圧縮性ガスケット108の1以上の開口を内側ダイヤル106及び/又は外側ダイヤル110の1以上の開口に整列させる。別の実施例においては、複数のパイプを有する外側ダイヤルが、開放位置において製品送出を可能とする操作機構として働く。該機構は、上述のものと同じであるのに対して、外側ダイヤルの回転は、複数のパイプを流通形圧縮性ガスケットの1以上の開口及び内側ダイヤルの1以上の開口と整列させる開放位置へ行く。したがって、製品は、流通形圧縮性ガスケットの開口及び複数のパイプのこの製品の送出通路を通って搬送される。
【0039】
さらに別の実施例においては、外側ダイヤル110は、閉鎖位置において製品の漏れを防止する操作機構として働く。さらに、使用者による作動は、外側ダイヤル110を閉鎖位置にある流通形圧縮性ガスケット108に対して下方に向って圧力を加えさせることにより、螺旋形である回転機構を備えている。この閉鎖位置において、外側ダイヤル110は、前に述べたように、流通形圧縮性ガスケット108の少なくとも1つの開口を内側ダイヤル106及び/又は外側ダイヤル110の複数の隆起部分又は領域に整列させることでカム運動によるシールを提供する。したがって、閉鎖位置は、製品送出通路402をシールすることで製品が漏れることを防止する。
【0040】
図4において、限定されるものではないが、フィルター(a filter)、ストレーナー(a strainer)、又はディフューザー(a diffuser)などを含む404が示されている。フィルター、ストレーナー、又はディフューザー404は、いくつかの実施例において、ガスケットまで移動する前に製品をろ過し、漉し、又は拡散するのを促すように使用される。この変形例は、図4に示されており、図1には示されていない。
【0041】
実施例において、回転機構は、開放位置まで、少なくとも約10度から最大約359度までの回転を含んでいる。別の実施例においては、回転機構は、最小で少なくとも約5度から最大で約350度までの回転を含んでいる。製品を供給する送出機構の別の実施例は、流通形圧縮性ガスケットの十分な数の少なくとも1つの開口及び十分な大きさの少なくとも1つの開口に対して、少なくとも約180度の回転であってもよい。
【0042】
作動は、また、回転させること、押し下げること、摺動させること、傾斜させること、又は外側カバー、外側カバーのツマミを操縦することにより、及び/又はその他の適切な供給機構により起こり得る。ある実施例においては、外側カバーのツマミが開放位置での製品送出を可能にしている。しかしながら、その他の実施例においては、適切な送出機構が使用され得る。
【0043】
(具体的な流通形圧縮性ガスケット)
図5a、5b及び5cは、それぞれ、1つの実施例に係る具体的な流通形圧縮性ガスケットの底面図、上面図、及び斜視図である。図5aは、上面に上部中心隆起部分504を有する概略円盤状の本体502を有する流通形圧縮性ガスケット500を示している。上部中心隆起部分504は、概略円形、概略正方形、又は、概略楕円形であり得る。この図においては、上部中心隆起部分504は、概略円形である。上部中心隆起部分504は、嵌合面(a mating side)の凹部に対応する。該凹部は、内側ダイヤル又は外側ダイヤルどちらかに配置されている。
【0044】
図5aは、概略円盤状の本体502に配置される少なくとも1つの開口506を示している。少なくとも1つの開口506は、内側ダイヤル106及び/又は外側ダイヤル110の少なくとも1つの開口と整列し、あるいは、いくつかの実施例では、粉末化された製品を送出する外側ダイヤルの複数のパイプと整列する。流通形圧縮性ガスケット500の開口506は、限定されるものではないが、概略円形、概略正方形、又は概略楕円形の形状を有し得る。概略円形の開口506が示されている。
【0045】
少なくとも1つの開口506の大きさは、詰まることなく製品の送出を可能とするのに十分な大きさを有する。開口の大きさは、少なくとも1つの開口506を通って粉末化された微粒子が移動できるのに十分な開度を有する。例えば、流通形圧縮性ガスケット500の開口506の大きさは、少なくとも約1mmから最大約6mmにまで及び得る。1つの実施例においては、開口506は、直径が少なくとも約2mmである。
【0046】
少なくとも1つの開口506の数は、開放位置において製品送出を可能とするのに十分な数を有するが、開口の大きさにある程度依存する。実施例においては、示されるように、3つの開口がある。他の実施例においては、該開口は、限定されるものではないが、少なくとも約1つの開口から最大約4つの開口まで含み得る。
【0047】
開口506の配列は、示されるように、三角配置であり得る。別の実施例においては、その配列は、限定されるものではないが、正方形、円形又は砂時計のようなくびれた配置を含む様々な配置であってもよい。
【0048】
概略円盤状の本体502は、該円盤状の本体502の両面に、円形のリング508を含んでいる。1つの実施例では、第1の円形リングは、開口を取り囲み、一方の面で内側ダイヤル106に結合することになり、第2の円形リングは、開口を取り囲み、他方の面で外側ダイヤル110に結合することになる。
【0049】
流通形圧縮性ガスケット500は、概略円盤状の本体上に、複数の平坦な側面510と複数の円弧状の側面512を交互に有する外縁を含んでいる。複数の円弧状の側面512により、様々な実施例における作動時、流通形圧縮性ガスケット500は外側ダイヤル110又は内側ダイヤル106に対して安定して保持されている。複数の平坦な側面510は、概略円盤状の本体502のどのような面にも適合し得る。例えば、平坦な側面510は、限定されるものではないが、三角形の配列又は配置に配列された3つの面を含み得る。円弧状の側面512は、概略円盤状の本体502のどのような面にも適合し得る。
【0050】
円弧状の側面512は、三角形の配列又は配置に配列されている。実施例においては、概略円盤状の本体502は、交互に配置されている平坦な側面510と円弧状の側面512を含み得る。円弧状の側面と平坦な側面の数は、それぞれ、少なくとも約1から最大約4までの範囲に及び得る。
【0051】
図5bは、流通形圧縮性ガスケットの概略円盤状の本体502の別の面を示している。流通形圧縮性ガスケット500の中心隆起部分514は、概略正方形であり得る。中心隆起部分514は、限定されるものではないが、概略円形、概略正方形、又は概略楕円形を含む形状を有し得る。中心隆起部分514は、嵌合面の凹部に対応する。該凹部は、内側ダイヤル又は外側ダイヤルどちらかに配置されている。
【0052】
図5cは、流通形圧縮性ガスケット500の斜視図を示している。流通形圧縮性ガスケット500は、ゴム状弾性を有し得る材料から作られている。材料は、限定されるものではないが、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル共重合体、スチレン共重合体、オレフィン、エチレン・アクリル樹脂、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素化炭素、ゴムを含む。他方、別の実施例では、エラストマー材料は、ブチルゴム、シリコーン、ブタジエンゴム、ネオプレン、ニトリル、フルオロシリコーン、スチレンブタジエンゴム(SBR)などのような比較的柔軟な材料又はゲル状物質を含み得る。
【0053】
様々な具体的実施例の特徴が述べられているけれども、別の実施例では、流通形圧縮性ガスケット500は、ディスペンサーに収容される製品の塗布に適した形状であればどのようなものであってもよい。例えば、流通形圧縮性ガスケット500は、その他の適切な形状及び大きさで構成されてもよく、所定の塗布に望まれる開口の適切な数、適切な開口の大きさ、適切な開口の形状を有していてもよい。流通形圧縮性ガスケット500の開口の大きさ、数、及び形状は、実施例の間で変化し得る。ディスペンサー及び流通形圧縮性ガスケット500の製造は、別々の製造工程、一体成形工程、又はその他の適切な製造工程を介して達成され得る。
【0054】
図6及び7は、図1のディスペンサーの外観図である。
【0055】
(具体的な、砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサー)
図8は、流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサーの別の実施例の分解組立図である。図8は、1つの実施例に係る砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット付きディスペンサー800を例示している。この実施例においては、ディスペンサー800は、アクチュエータ(an actuator)が砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口を外側ダイヤル及び/又は内側ダイヤルの少なくとも1つの開口に整列させると、開放位置へ回転し、製品通路を画定し得る。さらに、ディスペンサー800は、アクチュエータが砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口を内側ダイヤル及び/又は外側ダイヤルの平滑な領域に整列させると、閉鎖位置に回転し、製品通路が画定され得ない。便宜上、用語「砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット」は、「流通形圧縮性ガスケットH」という縮めた言い方で同じ意味で使用され得る。
【0056】
図8は、製品を収容する貯蔵槽付のハウジング804に結合される端部キャップ802を有する具体的なディスペンサー800を示している。ハウジング804は、底部に隆線を有し、貯蔵槽には、製品を再充填すべく端部キャップ802を取り外すことにより、製品が再充填され得る。ある場合には、ハウジング804は、透明な、ほぼ不透明な、又は半透明な材料から作られ得る。実施例において、ハウジング及び端部キャップは、一緒に成形され得る。ハウジング及び端部キャップが一緒に成形されると、貯蔵槽は、ハウジングの上部で充填される。
【0057】
ディスペンサー800は、ディスペンサーの様々な構成要素を覆う摺動体(a slide)806を含んでいる。別の実施例においては、摺動体806は、摺動運動で上方位置へ及び下方位置へ選択的に移動し、塗布器具用ブラシを格納する。使用者は、使用しない時は、摺動運動で上方位置へ摺動体806を選択的に動かし、摺動体806が引き上げられ、塗布器具用ブラシの形状を保護する。さらに、使用者は、摺動運動で下方位置へ摺動体806を選択的に動かし、塗布器具用ブラシを露出させ、該ブラシを利用できるようにする。したがって、摺動体806は、塗布器具用ブラシを格納する。
【0058】
ディスペンサーは、内側ダイヤル又は内側バルブ808、砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット810、及び外側ダイヤル又は外側バルブ812を含んでいる。内側ダイヤル808は、例えば、圧入、スナップ嵌め、接着剤、及び/又は、1以上の係合機構による係合によって、ハウジング804及び摺動体806に固定され得る。例示されている実施例においては、内側ダイヤル808は、摺動体806に及びハウジング804に結合し、確実な嵌合を提供すべく、側部係合機構を含んでいる。内側ダイヤル808は、少なくとも1つの開口と交互になっている複数の平滑領域を有する中心隆起部分を含んでいる。
【0059】
以下に、限定されるものではないが、開放位置で製品を供給し、閉鎖位置で製品の漏れを防止する送出機構の実施例が説明される。実施例は、回転動作又は逆回転動作を使用して実行される。それにより、使用者は、外側ダイヤル812を内側ダイヤル808に対して時計方向に又は反時計方向に動かすことにより、ディスペンサー800を操作し得る。回転は、左から右へ、及び/又は右から左へ移動し得る。開放位置及び閉鎖位置は、限定されるものではないが、時計方向及び/又は反時計方向、左及び/又は右への移動、上及び/又は下への運動などを含む回転に適用し得る。
【0060】
流通形圧縮性ガスケットH810の開口は、内側ダイヤル808及び/又は上部ダイヤル812の少なくとも1つの開口に整列させ、ディスペンサー800を開放位置にさせる。この開放位置は、製品の送出を可能とする。
【0061】
内側ダイヤル808、流通形圧縮性ガスケットH810、及び外側ダイヤル812の少なくとも1つの開口は、限定されるものではないが、概略砂時計のようなくびれた形状、概略円盤状、概略円形状、該略正方形状、概略楕円形状、又は概略台形状を含む形状を有し得る。
【0062】
内側ダイヤル808、流通形圧縮性ガスケットH810、及び外側ダイヤル812の開口の大きさは、詰まることなく製品の送出を可能とするのに十分な大きさ及び適切な開度を持っている。例えば、開口の大きさは、少なくとも約1mmから最大約5mmの範囲にあり得る。1つの実施例においては、開口それぞれは、少なくとも約2mmの大きさである。
【0063】
内側ダイヤル808、流通形圧縮性ガスケットH810、及び外側ダイヤル812の開口の数は、少なくとも1から約4の範囲にあり得る。
【0064】
内側ダイヤル808、流通形圧縮性ガスケットH810、及び外側ダイヤル812の開口の形状、大きさ及び数は、相互の関連で異なっていてもよい。例えば、流通形圧縮性ガスケットにおいては1つの開口であり、内側ダイヤル及び外側ダイヤルそれぞれにおいては、2つの開口であってもよい。さらに、流通形圧縮性ガスケットの開口の形状は、概略砂時計のようなくびれた形状であり、内側ダイヤルは、円盤状であり、外側ダイヤルは、台形状であってもよい。開口の形状、大きさ、及び数の組み合わせは、いかなるものも可能である。
【0065】
内側ダイヤル808及び/又は外側ダイヤル812の複数の平滑領域は、流通形圧縮性ガスケットH810の少なくとも1つの開口に整列し、ディスペンサーを閉鎖位置にさせる。この閉鎖位置は、送出通路に沿う製品の移動を妨げる。さらに、流通形圧縮性ガスケットH810は、ルースパウダーが使用者全体にわたって分配されることなく、一定量の製品が一回で供給されることを可能とする。
【0066】
ディスペンサー800は、また、開口及びアクチュエータの外周を取り囲む少なくとも1以上の隆線を含み得るアクチュエータ814を含んでいる。アクチュエータ814は、また、外側ダイヤルであってもよい。アクチュエータ814は、製品送出通路を画定するのに役立つ少なくとも1つの支柱を含み得る。
【0067】
アクチュエータ814は、限定されるものではないが、圧入、スナップ嵌め、接着剤、及び/又は、1以上の係合機構による係合を伴って外側ダイヤル812に固定され得る。また、アクチュエータ814は、使用者がアクチュエータを回転させる便宜上、外周を取り囲む少なくとも1以上の隆線を含み得る。
【0068】
端部キャップ802、ハウジング804、摺動体806、内側ダイヤル808、外側ダイヤル812、及びアクチュエータ814は、限定されるものではないが、木材、プラスチック、ポリマー、熱可塑性樹脂、それらの複合材料などを含む材料から構成され得る。いくつかの実施例においては、上述した構成要素は、少なくとも部分的に、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、スチレン・アクリロニトリル(SAN)、ペンタクロロチオアニソール(PCTA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン、それらの複合材料などのような樹脂から作られ得る。
【0069】
図8は、塗布器具を有するディスペンサー800を示している。塗布器具は、塗布器具818に結合されている塗布器具用保持具816を含んでいる。塗布器具用保持具816は、ブラシ形塗布器具818を保持するベースとして、又は、スポンジ形塗布器具用ベースとして、あるいは、パウダーパフ形塗布器具用ベースとして用いられる。
【0070】
いくつかの実施例において、塗布器具は、少なくとも1つの開口を含み得るスポンジを含み得る。該開口は、数において、少なくとも1つから最大6つの範囲にあり得る。スポンジ形塗布器具(不図示)の開口は、大きさにおいて、直径で、少なくとも約1mmから最大約4mmの範囲にあり得る。
【0071】
ディスペンサー800は、塗布器具818の上部を覆って嵌合する大きさに作られ、嵌合する形状に作られている取り外し可能なキャップ820又はカバーを含んでいる。実施例においては、取り外し可能なキャップ820は、ハウジング804にスナップ嵌めされ得る。別の実施例においては、取り外し可能なキャップ820は、ねじ山を含み、それに一緒になるようにハウジング804にねじ止めされる。ある場合には、取り外し可能なキャップ820は、透明な、ほぼ不透明な、又は半透明の材料から作られ得る。別の実施例において、ディスペンサー800は、透明なプラスチック・カバー、摺動引き上げ式カバーなどを含み得る。この例では、ディスペンサー800は、ディスペンサー800が使用されない場合塗布器具818を密封する、取り外し可能なキャップ820を含んでいる。別の実施例においては、ディスペンサーは、取り外し可能なキャップ又はカバーを含んでいなくてもよい。
【0072】
取り外し可能なキャップ820は、製品を塗布するとき、容易に使用できる鏡を有するという使用者の便宜上、鏡(不図示)を含み得る。該鏡は、厚さで、少なくとも約2mmから最大約8mmまでの範囲にある。様々な実施例において、鏡は、接着剤、圧入、スナップ嵌め、1以上のリブと返し、又は、その他の適切な固定手段により、取り外し可能なキャップに結合され得る。鏡は、取り外し可能なキャップの上部、側部又は内側に配置され得る。別の実施例では、ディスペンサー800は、鏡を含んでいなくてもよい。
【0073】
様々な具体的実施例の特徴が述べられているけれども、別の実施例では、端部キャップ802、ハウジング804、摺動体806、内側ダイヤル808、外側ダイヤル812、アクチュエータ814、塗布器具用保持具816、塗布器部818、及びキャップ820は、ディスペンサー800に収容される製品の塗布に適切な形状に構成され得る。例えば、上記リストアップされた品目は、別の適切な形状及び大きさで構成され得るし、所定の塗布に望まれる、適切な質量、表面仕上げ、及び/又は表面処理を有し得る。実際に、上記リストアップされた品目は、円盤状、楕円形、長円形、球形、曲線状、台形などのような所望の形状で構成され得る。
【0074】
図9は、図8のディスペンサー用の内側ダイヤル808の斜視図である。図10は、図8のディスペンサー用の外側ダイヤル812の斜視図である。
【0075】
(流通形圧縮性ガスケットH)
図11a、11b及び11cは、それぞれ、流通形圧縮性ガスケットH810の前方斜視図、上面図及び側面図である。これらの図において、流通形圧縮性ガスケットH810は、ガスケットの上面及び底面に円形リングにより取り囲まれている概略砂時計のようなくびれた形状を有する開口を含んでいる。
【0076】
砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット810は、熱可塑性及びゴム状弾性の両方を有することが可能な材料から作られる。該材料は、限定されるものではないが、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ゴム、熱可塑性ポリマー、エラストマーなどを含んでいる。いくつかの実施例においては、エラストマー材料は、ポリウレタン、ポリエステル共重合体、スチレン共重合体、オレフィン、エチレン・アクリル樹脂、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素化炭素を含み、他方、別の実施例では、エラストマー材料は、ブチルゴム、シリコーン、ブタジエンゴム、ネオプレン、ニトリル、フルオロシリコーン、スチレンブタジエンゴム(SBR)などのような比較的柔軟な材料、又は、ゲル状の材料を含み得る。
【0077】
図11aは、砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット810の前方斜視図を示している。図11aには、流通形圧縮性ガスケットHが中心隆起部分を持つ概略円形状の本体をどのように含んでいるかが示されている。該本体及び中心隆起部分は、限定されるものではないが、概略円形、概略正方形、又は、概略楕円形を含む別の構成及び形状になっていてもよい。
【0078】
砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット810は、概略円形の本体に配置される少なくとも1つの開口を含んでいる。該少なくとも1つの開口は、内側ダイヤルの少なくとも1つの開口及び外側ダイヤルの少なくとも1つの開口に整列し、製品を送出する。砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット810の少なくとも1つの開口は、限定されるものではないが、概略円形、概略正方形、又は概略楕円形を含む形状を有し得る。この実施例においては、該少なくとも1つの開口は、概略砂時計のようなくびれた形状である。
【0079】
該少なくとも1つの開口の数は、製品送出を可能とするのに十分な数であるが、開口の大きさに依存する。実施例においては、該少なくとも1つの開口は、2つの開口を含んでいる。別の実施例においては、該少なくとも1つの開口は、限定されるものではないが、少なくとも1つの開口から最大4つの開口を含んでいてもよい。該少なくとも1つの開口の配列は、図11aに示されるように、2つの開口で砂時計のようなくびれた形状であってもよいし、あるいは、少なくとも直径2mmの3つの円形開口から作られてもよい。
【0080】
図11cは、砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット810の側面図を示している。砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット810は、一方の面で概略円形の本体に接続する第1の円形リング及び第他方の面で概略円形の本体に接続する第2の円形リングを含んでいる。
【0081】
様々な具体的実施例の特徴が述べられているけれども、別の実施例では、砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット810は、ディスペンサー800に収容されている製品の塗布に適した形状に構成され得る。例えば、砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット810は、その他の適切な形状及び大きさで構成され得るし、所定の塗布に対して望まれる開口の適切な数、開口の大きさ、開口の形状を有し得る。ディスペンサー及び砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケット810の製造は、別々の製造工程、一体成形工程、又は、その他の適切な製造工程を介して達成され得る。
【0082】
(砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケットのための具体的な送出機構)
図12は、図8の具体的ディスペンサーのA−A線に沿って断面される前方斜視図である。図13は、図8のディスペンサーに係る該ディスペンサーの断面図である。
【0083】
以下は、これに限定されるものではないが、開放位置で製品を供給し、閉鎖位置で製品の漏れを防止する送出機構の実施例が説明される。実施例は、回転又は逆回転動作を使って実行される。それにより、使用者は、アクチュエータをシフター(a sifter)に対して時計方向又は反時計方向のどちらかに移動させることで、ディスペンサー800を操作し得る。しかしながら、別の実施例では、適切な送出機構が使用され得る。
【0084】
図14には、製品送出通路がハウジングからどのように延び、塗布器具においてどのように終了するかが示されている。1つの実施例において、開放位置で製品送出を可能とするために、アクチュエータが操作機構として用いられる。開放位置へのアクチュエータの回転が、製品がこの製品送出通路を通って搬送されるように、流通形圧縮性ガスケットHの少なくとも1つの開口を内側ダイヤル又は外側ダイヤルの少なくとも1つの開口に整列させる。製品は、ハウジングの貯蔵槽から塗布器具を通って送出される。
【0085】
1つの実施例において、アクチュエータは、砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケットに対して下向きの圧力を加え、シールを作りだすことで製品の漏れを防止する操作機構として用いられる。さらに、使用者による作動は、閉鎖位置のために、アクチュエータに砂時計のようなくびれた形状を有する流通形圧縮性ガスケットに対して下向きの圧力を加えさせることにより、らせん状である回転機構を含んでいる。この閉鎖位置において、アクチュエータは、外側ダイヤル及び/又は内側ダイヤルの平滑領域を流通形圧縮性ガスケットHの少なくとも1つの開口に整列させることによるカム動作シールを提供する。したがって、閉鎖位置は、製品送出通路をシールすることにより製品の漏れを防止する。
【0086】
いくつかの実施例において、回転機構は、開放位置への少なくとも約10度から最大約359度までの回転を含み得る。その他の実施例では、回転機構は、少なくとも約5度の最小値から最大約350度までの回転を含み得る。製品を供給する送出機構のための別の実施例は、流通形圧縮性ガスケットHの少なくとも1つの開口の十分な数と少なくとも1つの開口の十分な大きさに対して、少なくとも約180度の回転であってもよい。送出機構は、限定されるものではないが、時計方向又は反時計方向の回転、左又は右への移動、開放位置又は閉鎖位置などを含んでいる。
【0087】
作動は、また、外側カバー、外側カバーのツマミを、及び/又はその他の適切な供給機構で回転させること、押し下げること、摺動すること、傾斜すること、又は、操作することにより起こる。実施例においては、外側カバーのツマミが製品送出を可能としている。このことは、流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口を外側カバーの少なくとも1つの開口に整列するようにツマミを摺動することにより起こる。しかしながら、別の実施例では、適切な送出機構が使用され得る。
【0088】
(終わりに)
本発明は、構造上の特徴及び/又は方法論的動きに特定された言葉で説明されてきたが、本発明は、記載された特定の特徴又は動きに限定される必要がないことが理解されるべきである。むしろ、特定の特徴及び動きは、本発明を実施する具体的な形として開示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末化された化粧品を収容する貯蔵槽を有するハウジング、
ハウジングに結合される内側ダイヤルであって、少なくとも1つの開口を有する内側ダイヤル、
少なくとも1つの開口を備える流通形圧縮性ガスケット、
流通形圧縮性ガスケットに、及び内側ダイヤルに結合される外側ダイヤルであって、少なくとも1つの開口を有し、
i)ディスペンサーが粉末化された化粧品を送出する開放位置と、ii)送出通路をシールする閉鎖位置、の間を回転運動で選択的に作動可能である外側ダイヤル、
粉末化された化粧品を塗布する、外側ダイヤルに結合されている塗布器具、
を備えていることを特徴とする化粧用ディスペンサー。
【請求項2】
流通形圧縮性ガスケットは、熱可塑性エラストマー(TPE)材料からなることを特徴とする請求項1の化粧用ディスペンサー。
【請求項3】
流通形圧縮性ガスケットは、
上面に上部中心隆起部分を、底面に下部中心隆起部分を有する概略円盤状の本体、
概略円盤状の本体に配置され、粉末化された化粧品用の送出通路を画定するために整列することができる少なくとも1つの開口、
概略円盤状の本体の底面上で少なくとも1つの開口を取り囲む第1の円形リングであって、流通形圧縮性ガスケットを内側ダイヤルに結合する第1の円形リング、
概略円盤状の本体の上面上で少なくとも1つの開口を取り囲む第2の円形リングであって、流通形圧縮性ガスケットを外側ダイヤルに結合する第2の円形リング、
概略円盤状の本体に交互に配置される複数の平坦な側面及び複数の円弧状の側面を備える外縁であって、複数の円弧状の側面は、作動時、流通形圧縮性ガスケットを所定の位置に保持する外縁、
を備えていることを特徴とする請求項1の化粧用ディスペンサー。
【請求項4】
流通形圧縮性ガスケットは、
概略円形状の本体、
概略円形状の本体に配置され、粉末化された化粧品用の送出通路を画定するために整列することができる少なくとも1つの開口、
概略円形状の本体の底面上で少なくとも1つの開口を取り囲む第1の円形リングであって、流通形圧縮性ガスケットを内側ダイヤルに結合する第1の円形リング、
概略円形状の本体の上面上で少なくとも1つの開口を取り囲む第2の円形リングであって、流通形圧縮性ガスケットを外側ダイヤルに結合する第2の円形リング、
概略円形状の本体を備える外縁、
を備えていることを特徴とする請求項1の化粧用ディスペンサー。
【請求項5】
流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口は、概略円形、概略正方形、概略楕円形、又は、概略砂時計のようなくびれた形状を備えていることを特徴とする請求項1の化粧用ディスペンサー。
【請求項6】
流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口は、少なくとも約2mmmの大きさを備えていることを特徴とする請求項1の化粧用ディスペンサー。
【請求項7】
ディスペンサーの構成要素を覆う摺動体であって、ハウジングに結合され、上方位置と下方位置の間を、ブラシ塗布器具を越えて摺動運動で選択的に移動可能である摺動体をさらに備えていることを特徴とする請求項1の化粧用ディスペンサー。
【請求項8】
作動は、少なくとも約10度から最大約350度までの回転機構からなっていることを特徴とする請求項1の化粧用ディスペンサー。
【請求項9】
ハウジングに配置される貯蔵槽は、再充填可能なキャップが貯蔵槽に製品を再充填するために取り外されるように、再充填可能なキャップを備えていることを特徴とする請求項1の化粧用ディスペンサー。
【請求項10】
製品を収容する貯蔵槽を有するハウジング、
ハウジングに結合されている外側ダイヤルであって、開放位置及び閉鎖位置へ選択的に回転可能である外側ダイヤル、
製品を塗布するためにハウジングに結合されている塗布器具、
貯蔵槽と塗布器具との間に置かれている流通形圧縮性ガスケットであって、少なくとも1つの開口を備え、エラストマー材料からなる流通形圧縮性ガスケット、
を備えていることを特徴とするディスペンサー。
【請求項11】
外側ダイヤルは、製品を送出する開放位置と製品の漏れを防止する閉鎖位置との間で回転可能であることを特徴とする請求項10のディスペンサー。
【請求項12】
外側ダイヤルの開放位置への回転は、流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口を、製品を送出するために、外側ダイヤルの少なくとも1つの開口に整列させることを特徴とする請求項10のディスペンサー。
【請求項13】
外側ダイヤルの閉鎖位置への回転は、流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口を、送出通路が全くない平滑領域に整列させることを特徴とする請求項10のディスペンサー。
【請求項14】
流通形圧縮性ガスケットは、
ガスケットの本体の底面で少なくとも1つの開口を取り囲んでいる第1の円形リング、
ガスケットの本体の上面で少なくとも1つの開口を取り囲んでいる第2の円形リング、
を備えていることを特徴とする請求項10のディスペンサー。
【請求項15】
流通形圧縮性ガスケットは、
上部中心隆起部分及び底部中心隆起部分を有する概略円盤状の本体、
概略円形状を有する少なくとも1つの開口、
をさらに備え、
流通形圧縮性ガスケットの外縁は、概略円盤状の本体に交互に配置される複数の平坦な側面及び複数の円弧状の側面からなることを特徴とする請求項14のディスペンサー。
【請求項16】
流通形圧縮性ガスケットは、
概略円形の本体、
概略砂時計のようなくびれた形状を有する少なくとも1つの開口、
をさらに備えていることを特徴とする請求項14のディスペンサー。
【請求項17】
流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口は、少なくとも約2mmの大きさであることを特徴とする請求項10のディスペンサー。
【請求項18】
外側ダイヤルは、送出中塗布器具を通って製品を案内する複数のパイプを備えていることを特徴とする請求項10のディスペンサー。
【請求項19】
外側ダイヤルのパイプは、少なくとも、概略円形、概略正方形、又は概略楕円形を含んでいることを特徴とする請求項18のディスペンサー。
【請求項20】
ガスケットの本体に配置される少なくとも1つの開口、
本体の底面で少なくとも1つの開口を取り囲んでいる第1の円形リング、
本体の上面で少なくとも1つの開口を取り囲んでいる第2の円形リング、
ガスケットの本体を取り囲む外縁、
を備え、
熱可塑性エラストマー(TPE)材料からなることを特徴とする流通形圧縮性ガスケット。
【請求項21】
流通形圧縮性ガスケットの少なくとも1つの開口は、少なくとも、概略円形、概略正方形、概略楕円形、又は、概略砂時計のようなくびれた形状のいずれかを含んでいることを特徴とする請求項20の流通形圧縮性ガスケット。
【請求項22】
外縁は、概略円盤状の本体において、概略円形の外縁、又は、複数の円弧状側面と交互に配置される複数の平坦な側面からなることを特徴とする請求項20の流通形圧縮性ガスケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−110598(P2010−110598A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−309807(P2008−309807)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(508140730)エイチシーティー アジア リミテッド (5)
【Fターム(参考)】