説明

流量制御弁

【課題】流量制御弁において、制御上の有効ストローク幅をより大きくし、分解能をより高くするとともに、それに伴い、外乱等によるストロークの微小変動に対しての許容幅も大きくする。
【解決手段】流量制御弁1に、内部に入口側流路3及び出口側流路4を有する弁ボディ2と、この弁ボディ2の入口側流路3と出口側流路4との間に設けられ、前記入口側流路3に連通する横孔5aを設けてなる筒状のスリーブ5と、このスリーブ5の内部を進退可能である球状の弁体6とを具備し、この弁体とスリーブの横孔との隙間を流体が通過する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流量を制御すべく設けられる流量制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体の流量を制御すべく設けられる流量制御弁においては、固定シートと可動弁体とを有し、弁体を移動させることによりシートと弁体との間の円環状の微小流路を変化させ、この微小流路を通過する流量を制御する構成が広く用いられている。このような流量制御弁の弁体として、ポペット、ボール、ニードル等が挙げられる(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところで、このような流量制御弁の弁体のストローク及び流路面積を設定するためのパラメータは、シート径と、弁体角度又は弁体径とのみであり、種々の開度特性やその他固有の特色を与えることが困難である。
【0004】
また、従来の流量制御弁の構成では、弁体とシートとが同軸に配置されているので、流路が円環状である。そのため、特に弁体としてポペットやボールを用いる場合、弁体のストロークに対する流路面積の変化率が比較的大きく、制御上の有効ストローク幅は小さくなる。それに伴い、外乱等によるストロークの微小変動に対しての許容幅が小さくなる。また、分解能の限界点も低くなり、ハンチングが発生するという不具合も起こり得る。
【0005】
加えて、上述した従来の流量制御弁の弁体の構成では、いずれも弁体とシートとが噛み込む形で接触して流れを遮断するようにしているので、弁体とシートとが線接触する。従って、片当りを防ぐべく、弁体とシートとを同軸に配置する際に精度を高くする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】登録実用新案公報第314402号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の点に着目し、少なくとも、制御上の有効ストローク幅をより大きくし、分解能をより高くするとともに、それに伴い、外乱等によるストロークの微小変動に対しての許容幅も大きくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本実施形態に係る流量制御弁は、入口側流路と出口側流路との間に設けられ、前記入口側流路に連通する横孔を設けてなる筒状のスリーブと、このスリーブの内部を進退可能であるとともに赤道が前記スリーブの内壁に接する球状の弁体とを具備することを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、弁体が球状であり、この弁体とスリーブの横孔との間の隙間を流体が通過するので、従来の流量制御弁の構成と比較して、弁体のストロークに対する流量の変化量を小さくできる。従って、制御上の有効ストローク幅をより大きくし、分解能をより高くするとともに、それに伴い、外乱等によるストロークの微小変動に対しての許容幅も大きくすることができる。
【0010】
上述した課題に加えて、種々の特性を有する流量制御弁を容易に実現させるという課題を解決するための構成として、前記横孔の径又は個数のうち少なくとも一方が異なる複数のスリーブを選択的に取り付け可能であるものが挙げられる。このようなものであれば、弁体のストローク及び流路面積を設定するためのパラメータとして、弁体の径だけでなく、前記横孔の径又は個数のうち少なくとも一方を有するので、これらのパラメータを変化させることにより、弁体の移動距離に対する流量の変化量を種々に設定できるからである。
【0011】
一方、内部に直径が異なる弁体をそれぞれ収納してなる複数のスリーブを選択的に付け替え可能であるものであっても、弁体の径を変化させることにより、弁体の移動距離に対する流量の変化量を種々に設定できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る流量制御弁の構成によれば、弁体を球状とし、弁体の赤道がスリーブの空間の内壁に接しつつ該空間内を進退可能にし、この弁体とスリーブの横孔との間の隙間を流体が通過するようにしているので、従来の流量制御弁の構成と比較して、弁体のストロークに対する流量の変化量を小さくできる。従って、制御上の有効ストローク幅をより大きくし、分解能をより高くするとともに、それに伴い、外乱等によるストロークの微小変動に対しての許容幅も大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る流量制御弁を示す概略図。
【図2】同実施形態の流量制御弁の弁体及びスリーブを示す中央縦断面図。
【図3】同実施形態の流量制御弁の弁体及びスリーブを示す概略斜視図。
【図4】同実施形態の流量制御弁の弁体とスリーブとの間の隙間の形成態様を示す概略縦断面図。
【図5】同実施形態の流量制御弁の弁体とスリーブとの間の隙間の形成態様を示す概略横断面図。
【図6】同実施形態の流量制御弁の弁体の移動距離と開口面積との関係を示す図。
【図7】同実施形態の流量制御弁の弁体の移動距離と開口面積との関係を示す図。
【図8】本発明の他の実施形態に係る流量制御弁を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態に係る流量制御弁1は、図1〜図3に示すように、入口側流路3及び出口側流路4を内部に形成してなる弁ボディ2と、弁ボディ2の入口側流路3と出口側流路4との間に配してなり側面に横孔5aを有する筒状のスリーブ5と、スリーブ5内に進退移動可能に収納してなり、赤道6aが前記スリーブ5の横孔5aより出口側流路寄り4に位置した状態で入口側流路3と出口側流路4との間を遮断するとともに進退移動により横孔5aとの間に空隙を形成して流量を調整するための球状の弁体6と、この弁体6を出口側流路4に向けて付勢する付勢手段たる弁体付勢ばね7と、この弁体付勢ばね7の付勢力に抗して前記弁体6を入口側流路3に向けて移動させるための作用を与えるためのダイヤフラム9、このダイヤフラム9と一体に設けられこのダイヤフラム9と前記弁体6とを接続するロッド10、前記ダイヤフラム9に一端部を接続してなる圧力調整ばね11、この圧力調整ばね11の他端部に接続してなるとともに前記ダイヤフラム9に対向させて設けたプレート12、及びこのプレート12に接続してなり該プレート12を進退移動させることによりダイヤフラム9から弁体6に与える作用を調整するための調整ねじ13を備えた圧力調整機構8とを具備する。
【0015】
より具体的には、前記弁ボディ2は、上述したように、流体の供給を受ける入口側流路3と、流体の排出口に連通する出口側流路4と、これら入口側流路3及び出口側流路4の間に設けてなり、前記スリーブ5を収納するためのスリーブ収納空間2aと、前記圧力調整機構8を収納するための機器収容空間2bとを内部に有する。
【0016】
前記スリーブ5は、前記図1〜図3に示すように、円柱状をなし、側面に入口側流路3と連通する横孔5aを有するとともに基端部を前記スリーブ収納空間2aに収納させてなるスリーブ本体14、及びこのスリーブ本体14の位置決めを行うべくこのスリーブ本体14の出口側流路4側に設けてなる鍔部15を具備する。また、このスリーブ5は、前記弁体6の赤道6aとスリーブ本体14とが摺接可能である。すなわち、この弁体6の直径と一致する直径の筒状の弁体収納空間14sをスリーブ本体14の内部に有する。また、本実施形態では、スリーブ本体14に前記横孔5aを複数設けている。これら複数の横孔5aは、直径及び長手方向位置がすべて同一である。さらに本実施形態では、横孔5aの個数、横孔5aの直径、及び前記弁体収納空間14sの直径がそれぞれ異なる複数のスリーブ5を用意し、これら複数のスリーブ5のうち1つを選択的にスリーブ収納空間2a内に取り付け可能にしている。
【0017】
一方、前記弁体6は、球状をなす金属製の部材で、上述したように、また、前記図1、図2に示すように、その赤道6aが前記スリーブ5の弁体収納空間14sの周壁14aに摺接する。また、この弁体6は、上述したように弁体付勢ばね7によって出口側流路4に向かう付勢力を受けている。そして、この弁体6が前記付勢力に抗して出口側流路4から遠ざかる方向に移動し、この弁体6の赤道6aが前記スリーブ5の横孔5aの下流側端縁と上流側端縁との間の位置をとると、この弁体6と前記横孔5aとの間に弓形の隙間が形成される。また、本実施形態では、直径が異なる複数の弁体6を用意しているとともに、上述したように、弁体収納空間14sの直径が異なるスリーブ5を複数用意できるようにしている。そして、これら複数のスリーブ5を選択的に付け替え可能にしている。
【0018】
前記圧力調整機構8のダイヤフラム9は、前記図1に示すように、前記弁ボディ2内を、作動流体の流路を形成し、前記入口側流路3、前記出口側流路4、及び前記スリーブ5内の弁体収納空間14sからなる流路空間と、作動流体が流通せず前記圧力調整ばね11等の部品を調整する機器収容空間2bとに仕切るものである。
【0019】
前記圧力調整ばね11は、前記図1に示すように、前記ダイヤフラム9に自由端を接続してなるとともに、前記プレート12に固定端を接続していて、前記ダイヤフラム9を流路空間側に向けて付勢している。
【0020】
前記プレート12は、前記図1に示すように、前記ダイヤフラム9に対向するように設けていて、ダイヤフラム9に向かう側と反対側を前記調整ねじ13に突き当てている。
【0021】
前記調整ねじ13は、前記図1に示すように、前記弁ボディ2に螺合させているとともに、プレート12に対して螺進退可能であり、その先端をプレート12に衝き当てている。また、この調整ねじ13を螺進退させることにより、前記圧力調整ばね11の付勢力を調整するようにしている。
【0022】
すなわち、この圧力調整機構8は、ダイヤフラム9の流路空間側の面である受圧面と流路空間と反対側の面との間の差圧により発生する力と、前記圧力調整ばね11の付勢力とが釣り合うまで、ロッド10を介して前記弁体6を出口側流路に対して接離する方向に動作させるための機構である。すなわち、この圧力調整機構8は、ダイヤフラム9の両側の差圧に応じて発生するダイヤフラム9の上下動を弁体6の往復動作すなわち開閉動作に変換するものである。
【0023】
ここで、上述した調整ねじ13に操作が加えられると、前記弁体6は、弁体付勢ばね7の付勢力に抗して入口側流路3に向けて移動するか、或いは弁体付勢ばね7の付勢力を受けて出口側流路4に向けて移動する。また、上述したようにダイヤフラム9の両側の差圧が変化した場合も、前記弁体6は入口側流路3又は出口側流路4のいずれかに向けて移動する。
【0024】
すると、弁体6の赤道6aがスリーブ5の内壁、より具体的には弁体収納空間14sの周壁14aと接触する位置が変化し、弁体6とスリーブ5との間に形成される開口の幅も変化する。
【0025】
ここで、図4及び図5に示すように、弁体6の開閉動作の方向をz軸、このz軸に直交する2つの線分をx軸及びy軸とした場合において、横孔5aの中心から弁体6の中心
O’から横孔5aの開口端縁上の点Xに向かう線分とz軸とがなす角度をθとするとともに、弁体6の半径をR1、横孔5aの半径をR2、弁体6の中心O’から前記点Xまでの距離をR3、横孔5aの中心Oと弁体6の中心O’との間のz軸方向の距離をΔzとすると、前記距離R3のx成分及びy成分はR1に等しく、前記距離R3のz成分は以下の式(1)を満たす。
【0026】
R3={R12+(R2cosθ−Δz)21/2 (1)
従って、横孔5aの中心と前記点Xとの間の距離dは以下の式(2)を満たす。
【0027】
d=R3−R1={R12+(R2cosθ−Δz)21/2−R1 (2)
そして、弁体6の外周と、横孔5aの開口端縁と、横孔5aの中心から前記点Xに向かう線分と、横孔5aの中心を起点とし横孔5aの中心から前記点Xに向かう線分となす角度がdθである線分とにより囲まれた区画の面積dAは、以下の式(3)で表される。
【0028】
dA=(R3−R1)R2dθ (3)
そして、各横孔5aと弁体6との間の隙間の面積すなわち流路面積は、前記dAを、弁体6と横孔5aとの間に隙間が存在する範囲すなわち図5の範囲Rnにおいて角度θにより積分することにより算出される。
【0029】
ここで、弁体6の赤道6aが横孔5aの出口側流路より端縁となる位置からの弁体6の移動距離と流路面積との関係を示すグラフを図6及び図7に示す。
【0030】
なお、前記図6において、実線La412、実線La414、実線La416、及び実線La418は、それぞれ弁体6の直径が4mm、横孔5aの直径が1mmであり、横孔5aを2個、4個、6個、及び8個それぞれ設けた場合を示す。また、同図において、破線La422及び破線La424は、それぞれ弁体6の直径が4mm、横孔5aの直径が2mmであり、横孔5aを2個及び4個それぞれ設けた場合を示す。そして、同図において、二点鎖線Lx425及び二点鎖線Lx43は、直径4mmの球状の弁体を利用するとともに、この弁体を着座させるべき弁体の直径を2.5mm及び3mmとした従来の流量調整弁の場合を示す。
【0031】
一方、前記図7において、破線La422及び破線La424は、それぞれ弁体の直径が4mm、横孔5aの直径が2mmであり、横孔5aを2個及び4個それぞれ設けた場合を示す。また、同図において、実線La622及び実線La624は、それぞれ弁体の直径が6mm、横孔5aの直径が2mmであり、横孔5aを2個及び4個それぞれ設けた場合を示す。そして、同図において、二点鎖線Lx43及び二点鎖線Lx63は、直径4mm及び6mmの球状の弁体をそれぞれ利用するとともに、この弁体を着座させるべき弁体の直径を3mmとした従来の流量調整弁の場合を示す。
【0032】
すなわち、前記図6及び図7に示すように、このような流量制御弁1の弁体6が移動すると、従来の流量制御弁と比較して、同一の移動距離に対して流量は小さくなる。また、弁体6が横孔5aから完全に入口側流路側に離間すると、この流量制御弁1は全開状態となるが、全閉状態から全開状態まで変化させるのに必要な弁体6の移動量すなわち制御上の有効ストローク幅は大きくなる。
【0033】
以上に述べたように、本実施形態に係る流量制御弁1の構成によれば、弁体6が球状であり、この弁体6とスリーブ5の横孔5aとの間の隙間を流体が通過するので、従来の流量制御弁の構成と比較して、弁体6のストロークに対する流量の変化量を小さくできる。従って、制御上の有効ストローク幅をより大きくし、分解能をより高くするとともに、それに伴い、外乱等によるストロークの微小変動に対しての許容幅も大きくすることができる。
【0034】
また、前記横孔5aの径又は個数のうち少なくとも一方が異なる複数のスリーブ5を弁ボディ2に選択的に付け替え可能であるので、弁体6のストローク及び流路面積を設定するためのパラメータとして、前記横孔5aの径又は個数のうち少なくとも一方を変化させることにより、弁体6の移動距離に対する流量の変化量を種々に設定できる。従って、種々の特性を有する流量制御弁1を容易に実現できる。
【0035】
さらに、内部に直径が異なる弁体6をそれぞれ収納してなる複数のスリーブ5を選択的に取り付け可能であるので、弁体6の径を変化させることによっても、弁体6の移動距離に対する流量の変化量を種々に設定できる。
【0036】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0037】
例えば、図8に示すように、入口側流路X3に連通する横孔X5a、作動液供給対象であるアクチュエータAに作動液を供給するため出口側流路X4に連通する第1の作動液吐出口X5b、及び図示しないタンクに作動液を戻すための流路に連通する第2の作動液吐出口X5cを有する筒状のスリーブX5と、このスリーブX5の内部を進退可能であるとともに赤道X6aが前記スリーブX5の内壁に接する球状の弁体X6と、この弁体を前記第1の作動液吐出口X5bから離間する方向に付勢する付勢手段である圧縮コイルばねX7と、この圧縮コイルばねX7の付勢力に抗して弁体X6を前記第1の作動液吐出口X5b側に移動させるための作用を与えるための送りねじによる直動機構X8とを備える構成の流量調整弁X1が考えられる。ここで、前記直動機構X8は、先端部を前記弁体X6に衝き当たててなるとともに基端部に雄ネジ部X9aを形成してなるロッドX9と、このロッドX9の雄ネジ部に螺合させてなり、該ロッドX9が回転動作した際に該ロッドX9を螺進退させるための回転動作不能な雌ネジ部X10と、前記ロッドX9に回転動作力を付与するための動力源である図示しないモータとを備えている。
【0038】
この流量調整弁X1では、弁体X6により、スリーブX5の内部空間は、前記第1の作動液吐出口X5bを経て出口側流路X4に連通するアクチュエータ側空間X5sと、前記第2の作動液吐出口X5cを経て前記タンクに連通するタンク側空間X5tとに区画される。そして、前記圧縮コイルばねX7の付勢力及び前記直動機構X8のロッドX9からの作用により弁体X6を進退させることにより開度を変化させることができる。
【0039】
このような構成の流量調整弁X1でも、弁体X6が球状であり、この弁体X6とスリーブX5の横孔X5aとの間の隙間を流体が通過するので、従来の流量制御弁の構成と比較して、弁体X6のストロークに対する流量の変化量を小さくできる。従って、制御上の有効ストローク幅をより大きくし、分解能をより高くするとともに、それに伴い、外乱等によるストロークの微小変動に対しての許容幅も大きくすることができる。さらに、横孔X5aの径、横孔X5aの数、及び内部に収納させるべき弁体X6の径がそれぞれ異なる複数のスリーブを選択的に取り付け可能なものであれば、種々の特性を有する流量制御弁X1を容易に実現できる。なお、弁体X6を移動させるための作用を与える機構として、前記直動機構X8に替え、例えば、ソレノイドを利用してロッドX9を進退させるもの等、他の構成のものを用いてもよい。
【0040】
また、上述した実施形態のスリーブは円筒状に形成しているが、例えば、縦断面視円弧状をなすとともに横断面視円形状をなす形状にスリーブを形成し、弁体が円弧上を進退する構成を採用してもよい。
【0041】
さらに、上述した実施形態では付勢手段であるバネの弾性力により弁体を上方に付勢し、この弾性力に抗して弁体を下方に移動させることにより流量が増大するように構成しているが、例えば、弁体の自重を利用して弁体を下方に付勢し、弁体の自重に抗して弁体を上方に移動させることにより流量が増大する構成等、他の構成を採用してもよい。
【0042】
加えて、上述した実施形態では複数の横孔の長手方向位置を全て一致させているが、それぞれ長手方向位置が異なる横孔を複数設けてもよい。
【0043】
そして、スリーブの内部空間は円筒状のものに限らず、例えば弁体が進退する際に弁体の中心が描く軌跡が円弧状となるもの等、他の形状であってもよい。
【0044】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0045】
1、X1…流量調整弁
3、X3…入口側流路
4、X4…出口側流路
5、X5…スリーブ
5a、X5a…横孔
6、X6…弁体
6a、X6a…弁体の赤道

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口側流路と出口側流路との間に設けられ、前記入口側流路に連通する横孔を設けてなる筒状のスリーブと、このスリーブの内部を進退可能であるとともに赤道が前記スリーブの内壁に接する球状の弁体とを具備することを特徴とする流量制御弁。
【請求項2】
前記横孔の径又は個数のうち少なくとも一方が異なる複数のスリーブを選択的に付け替え可能である請求項1記載の流量制御弁。
【請求項3】
内部に直径が異なる弁体をそれぞれ収納してなる複数のスリーブを選択的に付け替え可能である請求項1又は2記載の流量制御弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−123572(P2011−123572A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278892(P2009−278892)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】