説明

流量制御特徴部分を有するフィルタ

【課題】流量制御特徴部分を有するフィルタを提供すること。
【解決手段】システム(10)は、外面(16)を有するフィルタ(12)を備え、前記外面(16)は、三次元表面モルホロジー(14)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示する主題は、流体フィルタに関する。より具体的には、開示する主題は、様々な工業的及び商業的応用例において用いられるフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタは、吸気及び排気のろ過など、様々な機器及び応用例において用いられる。例えばバッグ収容部は、工業システム又は工場に関連する粒子をろ過するための、多数のフィルタバッグを備えることができる。特に、バッグ収容部は、セメント工場などにおける工業的工程から粒子をろ過するための、十分な数及びサイズのフィルタバッグを備えることができる。排出基準がますます厳しくなってきており、より効率的なろ過システムが必要とされている。蓄積粒子を除去するために、動作中、一定の時間帯にフィルタバッグを撹拌することができる。残念ながら、フィルタバッグを撹拌することにより、望ましくない排出物(例えば水銀など)が急増するおそれがある。ただし、蓄積粒子はフィルタバッグを通る流れを実質的に遮断し、圧力損失を増大させるので、定期的に撹拌しなければ、蓄積粒子によってシステムの圧力低下が増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6110249号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明の幾つかの実施形態について要約する。これらの実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明の可能な形態を簡単にまとめたものである。実際、本発明は、以下に記載する実施形態と同様のものだけでなく、異なる様々な実施形態を包含する。
【0005】
第1の実施形態では、システムは、壁部と壁部上の表面とを有するフィルタを備える。三次元表面モルホロジーが、その表面に沿って配置され、フィルタ全体にわたる圧力低下を低減するように構成される。
【0006】
第2の実施形態では、システムは、壁部と壁部上の表面とを有するフィルタを備える。不均一なパターンを有する三次元表面モルホロジーが、その表面に沿って配置される。不均一なパターンは、フィルタに沿った方向で徐々に変化する。
【0007】
第3の実施形態では、方法は、フィルタの表面に沿って配置される三次元表面モルホロジーによって、フィルタ全体の圧力低下を低減させるステップを含む。この方法はさらに、三次元表面モルホロジーによって、フィルタの表面に沿った蓄積粒子の保持力を増大させるステップをさらに含む。
【0008】
本発明の上記その他の特徴、態様及び利点については、図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができるであろう。図面を通して、同様の部材には同様の符号を付した。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】商業/工業システムに連結されたバッグ収容部の一実施形態の側断面図である。
【図2】フィルタバッグ内へとパルス空気を送るように構成された吹管の一実施形態の部分側面図である。
【図3】フィルタバッグの外面に沿って均一なパターンで構成される、三次元表面モルホロジーの一実施形態を示す図1及び図2の弓形線3−3に沿った部分表面図である。
【図4】フィルタバッグの外面に沿ってノード及びリンクパターンで構成される、三次元表面モルホロジーの一実施形態を示す図1及び図2の弓形線3−3に沿った部分表面図である。
【図5】フィルタバッグの外面に沿って可変密度パターンで構成される、三次元表面モルホロジーの一実施形態を示す図1及び図2の弓形線3−3に沿った部分表面図である。
【図6】フィルタバッグの外面に沿って可変サイズパターンで構成される、三次元表面モルホロジーの一実施形態を示す図1及び図2の弓形線3−3に沿った部分表面図である。
【図7】三次元表面モルホロジーの一実施形態を有する基層及び被覆層を示す、フィルタバッグの壁部を示す部分側断面図である。
【図8】三次元表面モルホロジーの別の実施形態を有する基層及び被覆層を示す、フィルタバッグの壁部を示す部分側断面図である。
【図9】三次元表面モルホロジーのさらに別の実施形態を有する基層及び被覆層を示す、フィルタバッグの壁部を示す部分側断面図である。
【図10】パルスジェット洗浄の前の蓄積粒子の収集を示す、フィルタバッグの表面上に三次元表面モルホロジーを有するフィルタバッグの一実施形態の側断面図である。
【図11】蓄積粒子の部分的な除去及び部分的な保持を生じるパルスジェット洗浄を示す、フィルタバッグの表面上に三次元表面モルホロジーを有するフィルタバッグの一実施形態の側断面図である。
【図12】フィルタバッグの表面からの突起を備える三次元表面モルホロジーを有する、フィルタバッグの一実施形態の側断面図である。
【図13】フィルタバッグの表面に沿った突起及び凹部を備える三次元表面モルホロジーを有する、フィルタバッグの一実施形態の側断面図である。
【図14】蓄積粒子のより多孔的な収集を生じるための突起及び凹部を備える三次元表面モルホロジーを有する、フィルタバッグの表面を示す、図10及び図13の弓形線14−14に沿った部分側断面図である。
【図15】蓄積粒子、壁部内の繊維及び三次元表面モルホロジーの間の寸法上の関係を示す、三次元表面モルホロジーを有するフィルタの一実施形態の壁部の部分側断面図である。
【図16】フィルタ表面内の繊維とフィルタ表面上に配置された三次元表面モルホロジーとの間の寸法上の関係をさらに示す、図15の弓形線16−16に沿ったフィルタの部分側断面図である。
【図17】三次元表面モルホロジーを有するフィルタと、三次元表面モルホロジーをもたないフィルタとの間の差を示す、圧力低下対時間のグラフである。
【図18】三次元表面モルホロジーを有して構成される、アコーディオン式フィルタバッグの一実施形態の側断面図である。
【図19】三次元表面モルホロジーを有して構成される、波型フィルタバッグの一実施形態の上面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の1以上の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するため、現実の実施に際してのあらゆる特徴について本明細書に記載しないこともある。実施化に向けての開発に際して、あらゆるエンジニアリング又は設計プロジェクトの場合と同様に、実施毎に異なる開発者の特定の目標(システム及び業務に関連した制約に従うことなど)を達成すべく、実施に特有の多くの決定を行う必要があることは明らかであろう。さらに、かかる開発努力は複雑で時間を要することもあるが、本明細書の開示内容に接した当業者にとっては日常的な設計、組立及び製造にすぎないことも明らかである。
【0011】
本発明の様々な実施形態の構成要素について紹介する際、単数形で記載したものは、その構成要素が1以上存在することを意味する。「含む」、「備える」及び「有する」という用語は内包的なものであり、記載した構成要素以外の追加の要素が存在していてもよいことを意味する。
【0012】
開示される実施形態は、フィルタの表面(例えば外面又は内面)上の三次元表面モルホロジーを備える、フィルタ(例えばフィルタバッグ)を対象とする。以下の議論は、フィルタバッグに関して三次元表面モルホロジーを主に説明するが、三次元表面モルホロジーは、いかなるタイプ又は構造のフィルタ上で用いることもできる。三次元表面モルホロジーを用いるフィルタ(例えばフィルタバッグ)は、食品、製薬、化学、塗装、セメント、プラスチック、アルミナ、燃焼、発電及び鉄鋼など、様々な産業において見出すことができる。フィルタを必要とする応用例(例えば石炭燃焼、石炭利用又は石炭炉など)は、本発明の一態様による三次元表面モルホロジーフィルタを利用することができる。一般に、フィルタ上の蓄積粒子によって圧力低下が生じ、圧力低下はフィルタの動作中に徐々に増大する。フィルタ(例えばフィルタバッグ)の表面上の蓄積粒子により、洗浄時間期間又は圧力低下設定点に到達すると、洗浄システムを用いてフィルタ上の蓄積粒子を一掃することができる。残念ながら、フィルタ洗浄により、システムからの望ましくない排出物(例えば水銀など)が急増することがある。例えば、水銀蒸気又は他の排出物を吸着(例えば吸着及び/又は吸収)するために、フィルタによって活性炭素吸着剤が捕捉されるときにフィルタが水銀を収集することができるように、活性炭素吸着剤をフィルタの上流の流れに注入することができる。残念ながら、活性炭素吸着剤の粒子は小さいので、フィルタ自体は活性炭素吸着剤の捕捉において特に効果的となり得ないが、蓄積粒子は、活性炭素吸着剤の捕捉により効果的となることがある。その結果、フィルタの洗浄ごとに、水銀の部分的な放出が生じることがあり、それにより水銀の排出が急増する。開示される実施形態では、三次元表面モルホロジーは、いくらかの排出物(例えば活性炭素吸着剤上に吸着される水銀など)の効率的な捕捉を可能にするために、蓄積粒子の少なくとも一部をフィルタ上に保持するように構成することができる一方、フィルタ洗浄の頻度を減少させるために、蓄積粒子によって生じる圧力低下を低減する。
【0013】
以下で詳細に議論するように、本発明の一態様による三次元表面モルホロジーは、フィルタ媒体の内側又はフィルタ(例えばフィルタバッグ)の表面上に蓄積粒子をより多孔的に収集することを可能にし、徐々に増加する蓄積粒子によって生じる圧力低下を減少させる。蓄積粒子の量がより多いにもかかわらず、フィルタが粒子を効果的にろ過することができるので、この圧力低下の減少は、洗浄が必要となる頻度が低減されるという利点を有することができる。ここでも、三次元表面モルホロジーは、フィルタ洗浄の前及び後に粒子の一部を保持するように構成され、それにより、微粒子物質(例えば水銀蒸気を吸着する活性炭素吸着剤など)のろ過を改善する。例えば、ある程度の量の蓄積粒子は、気体流からの他の粒子及び/又は蒸気のろ過を改善するのに役立つことがあるが、過剰な蓄積粒子は、流れを次第に減少させ、フィルタバッグの性能を低下させるおそれがある。すなわち、三次元表面モルホロジーは、粒子サイズ、粒子の所望の保持力、蓄積粒子の所望の多孔性及び他の要因に具体的に相関する、パターン、間隔及び幾何学形状を有することができる。こうした設計上の特徴部分の結果として、三次元表面モルホロジーは、ろ過を改善するために蓄積粒子の一部を保持しながら、粒子のより多孔的な蓄積によってより大きい流れを可能にすることができる。すなわち、三次元表面モルホロジーは、フィルタ洗浄の頻度を減らすことにより、またろ過された粒子の一部をフィルタの表面上に保持することにより、望ましくない排出物(例えば水銀)を減少させることができる。
【0014】
図1は、三次元表面モルホロジー14を有する複数のフィルタバッグ12を収容する、バッグ収容部10の一実施形態の断面図である。図示の実施形態では、三次元表面モルホロジー14は、フィルタバッグ12の外面16など壁部15上に配置される。壁部15は、天然又は合成繊維の織物又はフェルト布地など、布地で製作される布地層とすることができる。例示的な繊維は、天然繊維のセルロース、ポリオレフィン、天然繊維のタンパク質、ポリエステル又はフッ化炭素を含む。或いは、壁部15は、ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の微多孔メンブランとすることができる。ただし、フィルタバッグ12の実施形態は、壁部15の外面16及び/又は内面18上に、三次元表面モルホロジー14を備えることができる。以下で詳細に議論するように、三次元表面モルホロジー14は、均一又は不均一な凹部及び/又は突起のパターンを備えることができる。例えば、三次元表面モルホロジー14は、外面16及び/又は内面18に沿って分布した等しい又は異なるサイズ(例えば長さ、幅及び高さ)の凹部及び/又は突起を含むことができる。さらなる例によれば、三次元表面モルホロジー14は、外面16及び/又は内面18に沿って分散させられる、等しい又は変動する密度の凹部及び/又は突起(例えば単位面積当たりの数など)を含むことができる。三次元表面モルホロジー14は、フィルタバッグ12(例えば外面16)に沿った蓄積粒子の多孔性を高めるように構成され、それにより、蓄積粒子を通る流れを実質的に増大させて、フィルタバッグ洗浄の頻度を低減し、望ましくない排出物(例えば水銀)を減少させる。
【0015】
撹拌器、逆流気体及びプレナムパルス機構を備えるフィルタを洗浄するために、多くのフィルタ洗浄システムを使用することができる。本実施形態は、パルスジェット洗浄システムを用いるが、他の洗浄機構の使用を排除することは意図されない。本実施形態では、バッグ収容部10は、3つの区間、すなわち空気入口区間22、空気清浄化区間24及び空気出口区間26を備えることができる。空気入口区間22は、汚染気体入口28、バッフル30、32、34、36及びホッパ38を備える。空気清浄化区間24は、フィルタバッグ12(例えばフィルタバッグ40、42、44、46)、上方支持体又は管板48、ケージカバー50、52、54、56及びフィルタバッグ40、42、44、46内のケージ58を備える。空気出口区間26は、フィルタバッグ40、42、44及び46をそれぞれ撹拌及び洗浄するためにパルスジェットを用いることができるように、圧縮空気ヘッダ62に結合された吹管60を有するパルスジェット洗浄システム59を備える。空気出口区間26はまた、清浄な空気の出口64を備える。
【0016】
バッグ収容部10は、汚染空気66(例えば粒子状物質、蒸気又は他の汚染物質を担持する空気流又は他の気体流)が、汚染気体入口28を通り空気入口区間22に入ることを可能にする。例えば、商業又は工業システム27は、汚染空気66と同様、排気29、塵埃31及び/又は粒子33を、バッグ収容部10の汚染気体入口28へと出力することがある。汚染空気66は、汚染気体入口28を通過した後に、バッフル30、32、34及び36に接触する。バッフル30、32、34及び36は、汚染空気66を、清浄空気出口64へと向かう方向に向ける。汚染空気66が清浄空気出口64の方向に移動するとき、汚染空気66は、フィルタバッグ12(例えば布地フィルタバッグ40、42、44及び46)に接触する。フィルタバッグ40、42、44及び46は、空気が壁部15を外面16から内面18へと通過し、フィルタバッグ40、42、44及び46の内部20に沿って管板48へと進むことを可能にする。ただし、フィルタバッグ40、42、44及び46は、フィルタ媒体の内側で粒子を保持し、且つ/又は三次元表面モルホロジー14を備える外面16に沿って粒子の進入を遮断する。したがって、汚染空気66がフィルタバッグ40、42、44及び46を通過するとき、遮断される粒子状物質が、フィルタバッグ40、42、44及び46の外面16上に蓄積し、且つ/又はバッグ収容部10から除去するためにホッパ38内に落ちる。フィルタバッグ40、42、44及び46内の清浄空気68は次いで、清浄空気68が清浄空気出口64を通って出ることができる出口区間26に到達するまで、フィルタバッグ40、42、44及び46を通って前進し続ける。
【0017】
フィルタバッグ40、42、44及び46はそれぞれ、管板48に沿った取付け具を用いて空気清浄化区間24に取り付けられる。例えば、この取付け具は、管板48の開口部内に嵌まる帯を備えることができる。本実施形態では、管板48は、フィルタバッグ40、42、44及び46のそれぞれに1つずつ、4つの開口部を備えるが、管板48が、例えば10個から100個の開口部などより多くの開口部又はいかなる数のフィルタバッグを備えることもできることを理解されたい。フィルタバッグ40、42、44及び46内にケージ58が配置されるので、フィルタバッグ40、42、44及び46は、汚染空気66の力を受けながらそれらの形状を維持する。ケージ58は、バッグ収容部10の空気圧力下の変形に抵抗することができる、鋼鉄又は他の金属、プラスチック、或いは合成材料などで製作することができる。ケージ58は、フィルタバッグ40、42、44及び46の形状を維持し、汚染空気66からの圧力下でフィルタバッグ40、42、44及び46が空気ろ過作用を増すことを可能にする。ケージ58は、ケージカバー50、52、54及び56に取り付けられる。ケージカバー50、52、54及び56は、動作中にフィルタバッグを安定化させ、ケージ58のフィルタバッグへの挿入及びフィルタバッグからの取出しを容易にし、フィルタバッグの交換工程を容易にする。
【0018】
バッグ収容部10の動作中に、フィルタバッグ40、42、44及び46の外面16は、ろ過された粒子で徐々に覆われ、そのためフィルタバッグ40、42、44及び46全体にわたる圧力低下が増大する。三次元表面モルホロジー14は、外面16のより多孔性の被覆をもたらすことにより、この圧力低下の増大を遅らせることを助けることができる。特に三次元表面モルホロジー14は、外面16上の蓄積粒子をより大きい空気流が通ることを可能にし、それにより、上方設定点又はフィルタバッグ40、42、44及び46全体にわたる圧力低下の閾値に到達する前に、より多量の粒子の蓄積を可能にする。閾値に到達すると、洗浄システム(例えばパルスジェット洗浄システム59)を用いて、蓄積粒子をフィルタバッグ40、42、44及び46の外面16から除去することができる。図示の実施形態では、パルスジェット洗浄システム59は、空気(又は他の気体)のパルスジェットを、フィルタバッグ40、42、44及び46内へと周期的に出力して、蓄積粒子をフィルタバッグ40、42、44及び46からホッパ38内へと落とす。上述のように、パルスジェット洗浄システム59は、吹管60を備え、吹管60は、圧縮空気のパルスを吹管60へと供給する圧縮空気ヘッダ62に結合される。吹管60は次いで、パルス圧縮空気を、圧縮空気のパルスジェットとして、開口70、72、74及び76を通してフィルタバッグ40、42、44及び46内へと送る。パルスジェットは、蓄積粒子を外面16からホッパ38内へと落とすよう、フィルタバッグ40、42、44及び46を十分に撹拌して、蓄積粒子の厚さ及び/又は密度を減少させる。フィルタバッグ40、42、44及び46の洗浄により、粒子が外面16から除去されるときに、いくらかの排出物(例えば水銀)が一時的に急増することがある。フィルタバッグ40、42、44及び46の外面16上の三次元表面モルホロジー14は、蓄積粒子の一部をフィルタバッグ40、42、44及び46の外面16上に保持することにより、この問題を解決することを助けることができる。保持される蓄積粒子は、洗浄工程中のいくらかの排出物(例えば水銀)の急増を実質的に低減することができるが、同時に、バッグ収容部10の動作中のろ過を改善するのにも役立つ。
【0019】
図2は、フィルタバッグ40内へとパルス空気を送る、吹管60の一実施形態の部分側面図である。上記で議論したように、空気出口区間26は、圧縮空気をフィルタバッグ40、42、44及び46内へと吹き込む吹管60を備える。圧縮空気ヘッダ62からのパルス空気は、吹管60を通って移動し、空気パルス90の形で吹管開口部70から出る。これらの空気パルス90は、フィルタバッグ40に入り、それを揺らし、振動させ、粒子をフィルタバッグ40の外面16から解放するよう十分に撹拌する。三次元表面モルホロジー14は、フィルタバッグ40の表面16上により不均一でより多孔性の蓄積粒子を形成させることにより、パルスジェット洗浄の頻度を低減することを助けることができる。さらに、パルスジェット洗浄時に三次元表面モルホロジー14は、三次元表面モルホロジー14に接触する多孔性蓄積物の一部を保持することにより、システムからの一時的な排出を減少させることを助けることができる。
【0020】
図3は、フィルタバッグ40の外面16に沿って均一なパターン110で構成される、三次元表面モルホロジー14の一実施形態を示す、図1及び図2の弓形線3−3に沿った部分表面図である。図示の実施形態では、均一なパターン110は、フィルタバッグ40の外面16に沿って均一な密度(例えば単位面積当たりの数及び/又は被覆率)で分布した複数の表面特徴部112を備える。さらに、複数の表面特徴部112は、例えばサイズ及び形状など、均一な幾何学形状を有する。例えば、それぞれの表面特徴部112は、外面16に関して均一な長さ、幅及び高さを有する。いくつかの実施形態では、表面特徴部112は、長さ、幅及び/又は高さを、およそ50マイクロメートルから2ミリメートルとすることができる。例えば、表面特徴部112は、長さ、幅及び/又は高さを、約50、100、150又は200マイクロメートル未満とすることができる。図示の表面特徴部112は、外面16に沿った凹部及び/又は突起とすることができる、ほぼ円形の特徴部分である。ただし、表面特徴部112のいくつかの実施形態は、正方形、長方形、三角形、楕円形、五角形、六角形、山形、半円形、弓形又は他の形状の幾何学形状など、他の幾何学形状を含むことができる。さらに、図示の表面特徴部112は一般に、外面16に沿った個別の点として、互いに分離させられる。他の実施形態では、表面特徴部112を互いに連結させることができる。
【0021】
図4は、フィルタバッグ40の外面16に沿ってノード及びリンクパターン130で構成される三次元表面モルホロジー14の一実施形態を示す、図1及び図2の弓形線3−3に沿った部分表面図である。三次元表面モルホロジー14は、より不均一な外面16を作り出し、それにより、蓄積粒子がより不均一且つより多孔的に形成させることを可能にする。図示の実施形態では、ノード及びリンクパターン130は、複数の表面ノード132及び複数のリンク134を、フィルタバッグ40の外面16に沿って備える。リンク134は、リンク134によりノード132が結合させられるようノード132間に延びる、細長い表面特徴部である。図示のノード及びリンクパターン130は、複数のノード132及び複数のリンク134の、均一な密度(例えば単位面積当たりの数及び/又は被覆率)並びに均一な幾何学形状(例えばサイズ、形状及び向き)を有する。例えば、それぞれのノード132は、外面16に関して均一な長さ、幅及び高さを有し、それぞれのリンク134は、外面16に関して、均一な長さ、幅及び高さを有する。ただし、ノード及びリンクパターン130のいくつかの実施形態は、ノード132及びリンク134の不均一な密度及び/又は不均一な幾何学形状を有することができる。図示のノード132は、外面16に沿った凹部及び/又は突起とすることができる、ほぼ円形の特徴部分である。図示のリンク134は、外面16に沿った凹部及び/又は突起とすることができる、細長いほぼ長方形の特徴部分である。ただし、ノード132及びリンク134のいくつかの実施形態は、正方形、長方形、三角形、楕円形、五角形、六角形、山形、半円形、弓形又は他の形状の幾何学形状など、他の幾何学形状を備えることができる。
【0022】
図5は、フィルタバッグ40の外面16に沿って可変密度パターン150で構成される三次元表面モルホロジー14の一実施形態を示す、図1及び図2の弓形線3−3に沿った部分表面図である。図示の実施形態では、可変密度パターン150は、フィルタバッグ40の外面16に沿って可変密度又は不均一な密度(例えば単位面積当たりの数及び/又は被覆率)で分布した複数の表面特徴部152を備える。例えば、表面特徴部152の間の間隔は、垂直方向154及び/又は水平方向156において変化させることができる。垂直方向154では、図示の表面特徴部152は、減少する垂直間隔及び減少する水平間隔を有し、それにより、上方の低密度区域158から下方高密度区域へと、次第に密度の上昇を生じる。例えば、垂直間隔は、上方低密度区域158における上方垂直間隔162から下方高密度区域160における下方垂直間隔164へと、次第に減少する。さらなる実施例によれば、水平間隔は、上方低密度区域158における上方水平間隔166から下方高密度区域160における下方水平間隔168へと、徐々に減少する。こうして、三次元表面モルホロジー14の可変密度パターン150により、フィルタバッグ40の底部に向かってより高い密度がもたらされ、フィルタバッグ40の頂部に向かってより低い密度がもたらされる。以下でより詳細に議論するように、この可変密度パターン168は、例えばフィルタバッグ40の底部での蓄積がより大きく、フィルタバッグ40の頂部での蓄積がより小さいなど、フィルタバッグ40の様々な区間で予想される粒子の蓄積に合わせることができる。
【0023】
図5にさらに示すように、表面特徴部152は、例えばサイズ及び形状などが均一な幾何学形状を有する。例えば、それぞれの表面特徴部152は、外面16に関して均一な長さ170、幅172及び高さを有する。図示の表面特徴部152は、外面16に沿った凹部及び/又は突起とすることができる、ほぼ円形の特徴部分である。ただし、表面特徴部152のいくつかの実施形態は、正方形、長方形、三角形、楕円形、五角形、六角形、山形、半円形、弓形又は他の形状の幾何学形状など、他の幾何学形状を含むことができる。さらに、表面特徴部152のいくつかの実施形態は、不均一な幾何学形状を有することができる。
【0024】
図6は、フィルタバッグ40の外面16に沿って可変サイズパターン180で構成される三次元表面モルホロジー14の一実施形態を示す、図1及び図2の弓形線3−3に沿った部分表面図である。図示の実施形態では、可変サイズパターン180は、フィルタバッグ40の外面16に沿って均一な数密度(例えば単位面積当たりの数)及び不均一な被覆密度(例えば単位面積当たりの被覆率)で分布した複数の表面特徴部182を備える。例えば、表面特徴部182の幾何学形状は、垂直方向154及び/又は水平方向156で変えることができる。垂直方向154では、図示の表面特徴部182は、増大するサイズを有し、それにより、上方低密度区域184から下方高密度区域186へと被覆密度を徐々に増大させる。例えば、表面特徴部182のサイズ(例えば長さ188及び幅190)は、上方低密度区域184から下方高密度区域186へと増大する。さらなる実施例によれば、表面特徴部182のサイズ(例えば長さ188、幅190及び/又は高さ)は、上方低密度区域184から下方高密度区域186へと増大又は低減させることができる。こうして、三次元表面モルホロジー14の可変サイズパターン180により、フィルタバッグ40の底部に向かってより高い被覆密度がもたらされ、フィルタバッグ40の頂部に向かってより低い密度がもたらされる。以下でさらに詳細に議論するように、この可変サイズパターン180は、例えばフィルタバッグ40の底部を通る流れがより大きく、頂部を通る流れがより小さいなど、フィルタバッグ40の様々な区域を通る予想される流量に合わせることができる。
【0025】
図6にさらに示すように、表面特徴部182は、均一な形状を有する。例えば、図示の表面特徴部182は、外面16に沿った凹部及び/又は突起とすることができる、ほぼ円形の特徴部分である。ただし、表面特徴部182のいくつかの実施形態は、正方形、長方形、三角形、楕円形、五角形、六角形、山形、半円形、弓形又は他の形状の幾何学形状など、他の幾何学形状を含むことができる。さらに、表面特徴部182のいくつかの実施形態は、不均一な形状を有することができる。
【0026】
図7、図8及び図9は、第1の又は基層200及び第2の又は被覆層202を三次元表面モルホロジー14の様々な実施形態とともに示す、図3の線7−7に沿ったフィルタバッグ40の壁部15の部分側断面図である。第1及び第2の層200及び202は、互いに同じとすることができ又は異なることができる。例えば、第1の層200及び第2の層202は、同じ又は異なる材料で製作することができる。さらなる実施例によれば、第1の層200及び第2の層202は、異なる性質、耐化学性、耐摩耗性、耐水性又はそれらの組合せを有することができる。図示の実施形態では、第1の層200は、天然又は合成繊維の織物又はフェルト布地など、布地で製作される布地層とすることができる。例示的な繊維は、天然繊維のセルロース、ポリオレフィン、天然繊維のタンパク質、ポリエステル又はフッ化炭素を含む。さらに、第1の層200は、ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)微多孔メンブランとすることができる。第2の層202は、第1の層200と同じ又は異なる布地で製作することができ、或いは第2の層202は、プラスチック、金属、セラミック又は他の天然もしくは合成材料で製作することができる。例えば、第1の層200及び第2の層202は両方とも、メッシュ生地で製作することができる。さらなる実施例によれば、第2の層202は、アクリル系、ポリアミド、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン又はポリウレタンなど、ポリマー材料で製作することができる。さらに、第2の層202は、揮発性汚染物質のさらなる捕捉効果を得るために、ゼオライト又は炭素など、触媒又は吸収材料で製作することができる。
【0027】
三次元表面モルホロジー14を有する第2の層202は、印刷、積層、圧延、塗布又はパターン化されたマスクを用いる吹付け、或いはそれらの任意の組合せなど、様々な技法を用いて第1の層200に適用することができる。例えば、第2の層202は、メッシュ、織物又はパターン化された層とすることができ、適当な接着剤、(例えば部分的な溶融又は硬化を生じるための)加熱又はそれらの組合せを用いて第1の層200に積層される。さらなる実施例によれば、第1の及び第2の層200及び202は、一部片の壁部15の異なる部分とすることができ、第2の層202(又は部分)は、三次元表面モルホロジー14を用いて第1の層200(又は部分)内に直接パターン化することができる。例えば、三次元表面モルホロジー14を作り出すために、目打ち及び/又は突起を有するローラを壁部15に対して押し付け、転がすことができる。
【0028】
図7、図8及び図9に示すように、三次元表面モルホロジー14は、様々な構成を有することができる。例えば、図7は、三次元表面モルホロジー14を画成する個別の突起204を有する、第2の層202の一実施形態を示す。図示のように、個別の突起204は、壁部15の外面16が個別の突起204の間で露出させられるように互いに分離される。図示の突起204は、均一な寸法及び間隔を有する、半円形又はドーム形状の幾何学形状を有する。ただし、他の実施形態では、個別の突起204は、壁部15に沿って、異なる形状、不均一な寸法及び/又は不均一な間隔を有することができる。図8は、長方形の個別の突起206を有する第2の層202の一実施形態を示す。これらの個別の突起206もまた、互いに分離され、壁部15に沿って均一又は不均一な寸法及び/又は間隔を有する。図9は、突出するノード208及び基部連結部210を有する、第2の層202の一実施形態を示す。図7と同様、突出するノード208は、均一な寸法及び間隔を有する、半円形又はドーム形状の幾何学形状を有する。ただし、突出するノード208は、第2の層202の個別の連結部又は共通の基層とすることができる基部連結部210によって、互いに連結させられる。図7〜図9は、層200及び202の3つの実施形態を示すが、三次元表面モルホロジー14をフィルタバッグ40上に設けるために、いかなる適当な構成の層を用いることもできる。
【0029】
図10は、パルスジェット洗浄システム59による洗浄前の蓄積粒子220を有する三次元表面モルホロジー14を備える、フィルタバッグ40の一実施形態の側断面図である。図示の実施形態では、三次元表面モルホロジー14は、フィルタバッグ40の外面16に沿って分布した複数の突起222を備える。図示の突起222は、均一な又は不均一なパターンで構成することができ、突起222は、様々な幾何学形状(例えば形状及びサイズ)を有することができる。固有のパターン又は幾何学形状とは無関係に、突起222は、蓄積粒子220が相対的に多孔性を有し気体流への抵抗がより小さいままとなるよう、三次元表面モルホロジー14を画成するように構成される。すなわち突起222は、蓄積粒子220が蓄積するときに、多孔性を高め、蓄積粒子220全体にわたる圧力低下を低減するように構成され、それにより、パルスジェット洗浄システム59による連続的な洗浄動作の間の間隔を、より長くすることを可能にする。突起222はまた、フィルタバッグ40に沿った蓄積粒子220の保持力を増大させることができ、それにより、フィルタバッグ40からの蓄積粒子220の分離に伴う排出物(例えば水銀)の急増が生じる可能性を低減する。
【0030】
図11は、パルスジェット洗浄システム59による洗浄中に、蓄積粒子220の第1の部分240を解放し蓄積粒子220の第2の部分242を保持する、三次元表面モルホロジー14を有するフィルタバッグ40の一実施形態の側断面図である。上記で議論したように、パルスジェット洗浄システム59は、圧縮空気のパルスジェットをフィルタバッグ40、42、44及び46内へと吐出する吹管60に結合された、圧縮空気ヘッダ62を備える。例えば、圧縮空気のパルスジェット90は、開口70を通り吹管60を出て、フィルタバッグ40の内部20に入る。パルスジェット90は、フィルタバッグ40を揺らし、振動させ、且つ/又は全体的に撹拌し、それにより、蓄積粒子220の第1の部分240を分離させる。ただし、三次元表面モルホロジー14(例えば突起222)は、蓄積粒子220の第2の部分242をフィルタバッグ40の外面16上に保持する。三次元表面モルホロジー14が蓄積粒子220をこのように部分的に保持することにより、蓄積粒子220の分離に伴う望ましくない排出物(例えば水銀)が減少する。すなわち三次元表面モルホロジー14は、蓄積粒子220をすべて分離させるのではなく、第2の部分242を保持しながら、第1の部分240のみが外面16から分離することを可能にする。保持される第2の部分242は、フィルタバッグ40によるろ過も改善する。例えば、保持される第2の部分242自体は、気体流内の粒子及び他の望ましくない汚染物質を捕捉することができる。この場合も、三次元表面モルホロジー14はまた、蓄積粒子全体にわたる圧力低下を低減し、それにより、第2の部分242の保持及びそれに続き、次の洗浄動作を必要とする閾値レベルに到達する前により大量の粒子の蓄積を可能にする。
【0031】
図12は、フィルタバッグ40の壁部15(例えば外面16)に沿って配置される突起262の不均一なパターン260を有する、三次元表面モルホロジー14を示す、フィルタバッグ40の一実施形態の側断面図である。図示のように、不均一なパターン260は、長手方向264で、フィルタバッグ40の長手軸266に沿って変化する。例えば、図示の突起262は、長手方向264で、フィルタバッグ40の開口268から底部270に向かって幾何学形状及び間隔が変化する。図示のように、図示の突起262は、高さ272、長さ及び/又は幅274(例えば直径)が、長手方向264において増大する。その結果、開口268付近の突起262は、底部270付近の突起262よりも相対的に小さい。図示の突起262はまた、長手方向264において間隔276が減少する。その結果、開口268付近の突起262は、底部270付近の突起262よりも、互いにより大きい距離で離隔される。いくつかの実施形態では、突起262は、開口268から底部270へと連続的に変化することができるが、他の実施形態は、開口268から底部270へと、幾何学形状及び間隔の変化の個別の段階又は群を提供することができる。図12は、外面16全体を覆って分布した突起262を示すが、他の実施形態は、例えば約10〜100パーセント、25〜75パーセント又は40〜60パーセントなど、外面16のより小さい部分を覆って突起262を分布させることができる。
【0032】
図13は、フィルタバッグ40の壁部15(例えば外面16)に沿って配置される突起282及び凹部284のパターン280を有する、三次元表面モルホロジー14を示す、フィルタバッグ40の一実施形態の側断面図である。図示のように、パターン280は、長手方向286においてフィルタバッグ40の長手軸288に沿って、突起282と凹部284との間で交互になる。例えば図示のパターン280は、長手方向286において、単一の突起282と単一の凹部284との間で交互になる。他の実施形態では、パターン280は、2つ以上の突起282及び2つ以上の凹部284との間で交互にすることができる。ただし、突起282及び凹部284のいかなる適当なパターン280も、三次元表面モルホロジー14を画成することができる。図示の実施形態では、パターン280は、幾何学形状及び/又は間隔を均一又は不均一にすることができる。例えば、突起282の幾何学形状(例えば高さ290、長さ及び/又は幅292)及び/又は凹部284の幾何学形状(例えば高さ294、長さ及び/又は幅296)は、長手方向286において、フィルタバッグ40の開口298から底部300へと増大又は減少することができる。さらなる実施例によれば、間隔(例えば水平間隔及び/又は垂直間隔302)は、長手方向286において、フィルタバッグ40の開口298から底部300へと増大又は減少することができる。
【0033】
図14は、保持される蓄積粒子304を有する突起282及び凹部284のパターン280を備える、三次元表面モルホロジー14を有するフィルタバッグ40の壁部15(例えば外面16)を示す、図10及び図13の弓形線14−14に沿った部分側断面図である。上記で議論したように、三次元表面モルホロジー14は、フィルタバッグ40の外面16上の蓄積粒子304の多孔性を高めるように構成することができる。粒子が外面16に接触するとき、蓄積粒子304は、少なくとも部分的に三次元表面モルホロジー14によって画成される、不均一な幾何学形状306(例えば三次元の幾何学形状)を形成し、それにより、多孔性がより高く非線形の蓄積粒子304を作り出す。例えば、蓄積粒子304は、突起282及び凹部284に沿って変化可能に着地し、それにより、蓄積粒子304の可変高さ及び厚さを生み出す。いくつかの実施形態では、突起282及び凹部284は、気体流(例えば空気流)及び粒子が横方向307に着地することを可能にするように構成され、蓄積粒子304の多孔性をさらに変化させる。多孔性、高さ及び厚さのこの変動は、実質的に、蓄積粒子304を通る気体流308を改善する。例えば、図14において矢印308で示すように、突起282及び凹部284の付近でより大きい気体流308を生じることができる。蓄積粒子304の多孔性及び三次元的性質が増すことにより、蓄積粒子304全体にわたる圧力低下が低減され、それにより、蓄積物304を除去するためにフィルタ洗浄動作を用いることができる前に、より大量の蓄積物304の蓄積を可能にする。さらに、三次元表面モルホロジー14は、フィルタバッグ40の外面16上の蓄積粒子304の保持力を高めるように構成することができ、それにより、蓄積粒子304が気体流308のろ過を改善することを可能にする。
【0034】
図15は、例えば三次元表面特徴部112など、三次元表面モルホロジーを用いて構成されるフィルタの壁部の部分断面図であり、蓄積粒子、壁部内の繊維及び三次元表面モルホロジーの間の寸法上の関係を示す。三次元表面モルホロジー14の三次元表面特徴部112の高さ290及び間隔(例えば水平間隔及び/又は垂直間隔302)は、フィルタバッグ40の表面上の蓄積粒子の多孔性及び保持力を制御するように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、フィルタバッグ40の表面上の蓄積粒子304の多孔性を増すために、高さ290を少なくとも最小高さとすることができる。さらに、高さ290は、フィルタバッグ40の表面上の蓄積粒子304の保持力を高めるために、最小高さを超えて増大させることができる。例えば、表面特徴部高さ290は、洗浄動作(例えばパルスジェット洗浄)後に、約0〜20ミリメートル、0〜15ミリメートル又は5〜10ミリメートルの厚さ範囲内に、蓄積粒子304を保持するように増大させることができる。
【0035】
さらに、いくつかの実施形態では、三次元表面モルホロジー14は、ろ過されるべき粒子の特徴に基づいて変えることができる。いくつかの実施形態では、三次元表面モルホロジー14の表面特徴部112は、最小間隔(例えば水平間隔及び/又は垂直間隔302)及びろ過されるべき複数の粒子の質量平均直径より大きい最小高さ290を有することができる。三次元表面特徴部112は、蓄積粒子304の質量平均直径310のサイズの約1〜200倍、1〜100倍、5〜50倍又は10〜25倍の範囲の、間隔302を有することができる。いくつかの実施形態では、間隔302は、蓄積粒子304の質量平均直径310のサイズの、約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍又は20倍の大きさにすることができる。例えば、石炭灰ろ過では、典型的な石炭灰粒子質量平均直径は、10ミクロンとすることができ、すなわちフィルタバッグ40は、表面特徴部112の間で、約0.5〜5ミリメートル又は1〜2ミリメートルの間隔302を有するように構成することができる。表面特徴部112の高さ290はまた、蓄積粒子304の質量平均直径310に基づいて構成することもできる。表面特徴部112は、質量平均直径310よりも大きい最小高さ290及び最大で平均直径310の約500倍の最大高さ290を有することができる。いくつかの実施形態では、高さ290の範囲は、質量平均直径310の約1.5〜150倍、5〜100倍又は10〜50倍の間とすることができる。
【0036】
さらに、表面特徴部112の特徴は、三次元表面モルホロジー14を有する壁部312の繊維特徴に基づいて変えることができる。例えば、複数の表面特徴部112は、壁部312を製作する繊維315の平均直径314よりもそれぞれ大きい、最小間隔(例えば水平間隔及び/又は垂直間隔302)、最小高さ290及び最小幅292を有することができる。いくつかの実施形態では、表面特徴部112の高さ290、幅292及び間隔(例えば水平間隔及び/又は垂直間隔302)は、壁部312の繊維315の平均直径314の、約2〜1000倍、2〜500倍、2〜100倍又は2〜50倍の間の範囲とすることができる。例えば、表面特徴部112の高さ290、幅292及び間隔(例えば水平間隔及び/又は垂直間隔302)は、壁部312の繊維315の平均直径314の、約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍又は25倍の大きさとすることができる。
【0037】
図16は、壁部繊維315と、繊維316を有する三次元表面モルホロジー14との間の寸法上の関係をさらに示す、図15の弓形線16−16に沿った部分断面図である。図示のように、三次元表面モルホロジー繊維316は、壁部繊維315の平均直径314より大きい平均直径317を有することができる。三次元表面モルホロジー繊維316の平均直径317は、壁部繊維315の平均直径314のサイズの約2〜100倍、20〜80倍又は30〜50倍の間の範囲とすることができる。例えば、平均直径317は、平均直径315の少なくとも約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍又は20倍以上とすることができる。さらに、三次元表面モルホロジー繊維315と壁部繊維316の間隔は異なることができ、壁部312と三次元表面モルホロジー14との間に多様な多孔性を生み出す。例えば図16では、壁部繊維315がより小さい平均直径314を有し、三次元表面モルホロジー繊維316よりも密に離隔されるので、三次元表面モルホロジー14は、壁部312よりも高い多孔性を有することができる。
【0038】
図17は、三次元表面モルホロジー(プロット318)を有するフィルタと三次元表面モルホロジー(プロット319)をもたないフィルタとの差を示す、圧力低下対時間のグラフである。図示のように、プロット318は、フィルタ上に三次元表面モルホロジーが存在しない場合の、時間とともに増大する圧力低下を示す。反対に、プロット319は、フィルタ上に三次元表面モルホロジーが存在するときの、時間の経過による定常的な(又は最小限に変化する)圧力低下を示す。すなわち、三次元表面モルホロジーの開示される実施形態は、フィルタ上に粒子が蓄積するときに、圧力低下が時間とともに増大する傾向を低減する。ここでも同様に、三次元表面モルホロジーは、より長い耐用期間にわたりフィルタの性能が維持されるように、多孔性を高め、フィルタ及び粒子を通る流れを改善する。次いで、時間とともに圧力低下を低減することにより、フィルタ洗浄の頻度を少なくし、それにより、水銀排出物(例えば活性炭素吸着剤に吸着された水銀)など、いくらかの排出物の望ましくない急増を低減することができる。
【0039】
図18は、三次元表面モルホロジー14を有するアコーディオン式フィルタバッグ40の一実施形態の側断面図である。図示の実施形態では、アコーディオン形状のフィルタバッグ40は、次々に交互となる外向きに傾けられた部分322と内向きに傾けられた部分323のジグザグパターンによって画成される、非線形壁部320を有する。ただし、壁部320のジグザグパターンは、傾けられた部分322及び324に沿って延びる三次元表面モルホロジー14と比較すると、相対的に縮尺が大きい。上記で議論したように、三次元表面モルホロジー14は、均一な又は不均一な凹部及び/又は突起326のパターンを備えることができる。ただし、三次元表面モルホロジー14は、壁部320自体の幾何学形状ではなく、フィルタバッグ40の外面16に沿った幾何学形状として画成される。三次元表面モルホロジー14のサイズ及び形状は、様々な実装形態の間で変えることができる。例えば、突起326及び/又は凹部は、長さ、幅及び/又は高さを、約50、100、150又は200マイクロメートル未満とすることができる。三次元表面モルホロジー14は、アコーディオン形状のフィルタバッグ40の外面16全体又は外面16の一部に沿って適用することができる。
【0040】
図19は、三次元表面モルホロジー14を有する波型フィルタバッグ40の一実施形態の上面断面図を示す。図示の実施形態では、波型フィルタバッグ40は、壁部340の外面16から外向きに突出する複数のリブ342を備える、壁部340を有する。ただし、壁部340のリブ342は、壁部340及びリブ342に沿って延びる三次元表面モルホロジー14と比較すると相対的に縮尺が大きい。上記で議論したように、三次元表面モルホロジー14は、凹部及び/又は突起344の均一又は不均一なパターンを備えることができる。ただし、三次元表面モルホロジー14は、壁部320自体の幾何学形状ではなく、フィルタバッグ40の外面16に沿った幾何学形状として画成される。三次元表面モルホロジー14のサイズ及び形状は、様々な実装形態の間で変えることができる。例えば、突起344及び/又は凹部は、長さ、幅及び/又は高さを、約50、100、150又は200マイクロメートル未満とすることができる。三次元表面モルホロジー14は、波型フィルタバッグ40の外面16全体又は外面16の一部に沿って適用することができる。さらなる実施形態では、フィルタバッグ40は、複数のプリーツを有するプリーツ付フィルタバッグを含むことができ、三次元表面モルホロジー14を、プリーツ付フィルタバッグ40の複数のプリーツに沿って適用することができる。
【0041】
本発明の技術的な効果は、粒子をより多孔的なやり方で収集することができる三次元表面モルホロジーを有する、フィルタバッグを含む。蓄積粒子がより多孔性であることより、圧力低下がより少なくなり、洗浄動作を要求する閾値レベルに圧力低下が到達する前の耐用時間が、効果的に長くなる。すなわち、洗浄動作がより低い頻度で生じ、洗浄動作に関連する望ましくない排出物(例えば水銀)の急増の回数全体を減少させることができる。さらに三次元表面モルホロジーは、保持される部分によって洗浄動作後のろ過が改善されるように、洗浄動作後に蓄積粒子の一部を保持することができる。
【0042】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲の文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0043】
10 バッグ収容部
12 フィルタバッグ
14 三次元表面モルホロジー
15 壁部
16 外面
18 内面
20 内部
22 空気入口区間
24 空気清浄化区間
26 空気出口区間
27 商業又は工業システム
28 汚染気体入口
29 排気
30 バッフル
31 塵埃
32 バッフル
33 粒子
34 バッフル
36 バッフル
38 ホッパ
40 フィルタバッグ
42 フィルタバッグ
44 フィルタバッグ
46 フィルタバッグ
48 管板
50 ケージカバー
52 ケージカバー
54 ケージカバー
56 ケージカバー
58 ケージ
59 パルスジェット洗浄システム
60 吹管
62 圧縮空気ヘッダ
64 清浄空気出口
66 汚染空気を通す
68 清浄空気
70 開口
72 開口
74 開口
76 開口
90 空気パルス
110 均一なパターン
112 表面特徴部
130 リンクパターン
132 表面ノード
134 リンク
150 可変密度パターン
152 表面特徴部
154 垂直方向
156 水平方向
158 上方低密度区域
160 下方高密度区域
162 上方垂直間隔
164 下方垂直間隔
166 上方水平間隔
168 下方水平間隔
170 表面特徴部の均一な長さ
172 表面特徴部の幅
180 可変サイズパターン
182 表面特徴部
184 上方低密度区域
186 下方高密度区域
188 長さ
190 幅
200 基層
202 被覆層
204 個別の突起
206 個別の突起
208 突出するノード
210 基部連結部
220 蓄積粒子
222 突起
240 第1の部分
242 第2の部分
260 不均一なパターン
262 突起
264 長手方向
266 長手軸
268 開口
270 底部
272 高さ
274 幅
276 間隔
280 パターン
282 突起
284 凹部
286 長手方向
288 長手軸
290 高さ
292 幅
294 高さ
296 幅
298 開口
300 底部
302 垂直間隔
304 保持される蓄積粒子
306 不均一な幾何学形状
307 横方向
308 気体流を改善する
310 質量平均直径
312 壁部
314 平均直径
315 繊維
316 繊維
317 平均直径
318 三次元表面モルホロジーを有するフィルタ(プロット)
319 三次元表面モルホロジーをもたないフィルタ(プロット)
320 非線形壁部
322 外向きに傾けられた部分
323 内向きに傾けられた部分
324 傾けられた部分
326 突起
340 壁部
342 リブ
344 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁部(15)と、前記壁部上の表面(16)と、前記表面(16)に沿って配置される三次元表面モルホロジー(14)とを有するフィルタ(12)を備え、前記三次元表面モルホロジー(14)が、前記フィルタ(12)全体にわたる圧力低下を低減するように構成される、システム(10)。
【請求項2】
前記三次元表面モルホロジー(14)が、前記表面(16)上の蓄積粒子の多孔性を高めるように構成される、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記三次元表面モルホロジー(14)が、前記表面上の蓄積粒子(304)の保持力を増大させるように構成される、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項4】
前記三次元表面モルホロジー(14)が、前記表面(16)上の蓄積粒子(304)の多孔性及び保持力を制御するための高さ(290)を有する、複数の表面特徴部(112)を備え、前記高さ(290)が、前記多孔性を高めるための少なくとも最小の高さであり、前記高さが、前記保持力(304)を増大させるための前記最小高さよりも大きい、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項5】
前記三次元表面モルホロジー(14)が、前記表面(16)に沿って分布した複数の突起(282)、複数の凹部(284)又はそれらの組合せを含む、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項6】
前記フィルタ(12)が、質量平均直径(310)を有する複数の粒子をろ過するように構成され、前記三次元表面モルホロジー(14)が、前記質量平均直径(310)より大きい最小間隔(302)及び最小高さ(290)を有する複数の表面特徴部(112)を備える、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項7】
壁部(312)が、第1の平均直径(314)を有する複数の第1の繊維(315)を備え、前記三次元表面モルホロジー(14)が、前記第1の平均直径(314)より大きい最小間隔(302)、最小高さ(290)及び最小幅(292)を有する複数の表面特徴部(112)を備える、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項8】
前記壁部(312)が、第1の平均直径(314)を有する複数の第1の繊維(312)を備え、前記三次元表面モルホロジー(14)が、第2の平均直径(317)を有する複数の第2の繊維(316)を備え、前記第2の平均直径(317)が、前記第1の平均直径(314)よりも大きい、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項9】
前記フィルタ(12)が、第1の層(200)及び第2の層(202)を備え、前記第1の層(200)が、前記表面(16)を備え、前記第2の層(202)が、前記三次元表面モルホロジー(14)を備え、前記第1の層(200)が、第1の材料で製作され、前記第2の層(202)が、第2の材料で製作され、前記第1及び第2の材料が互いに異なる、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項10】
前記フィルタ(12)が、第1の層(200)及び第2の層(202)を備え、前記第1の層(200)が、前記表面(16)を備え、前記第2の層(202)が、前記三次元表面モルホロジー(14)を備え、前記第1の層(200)が、第1の多孔性を有し、前記第2の層(202)が、第2の多孔性を有し及び前記第1及び第2の多孔性が互いに異なる、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項11】
前記三次元表面モルホロジー(14)が、不均一なパターン(260)を備える、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項12】
幾何学形状(290、292)又は前記不均一なパターン(260)の濃度が、前記フィルタ(12)に沿った方向で徐々に変化する、請求項11記載のシステム(10)。
【請求項13】
前記第1の層(200)が、ePTFE微多孔メンブランを備え、或いは前記第2の層(202)が、触媒又は吸着材料又はそれらの組合せを備える、請求項9記載のシステム。
【請求項14】
フィルタ(12)の表面(16)に沿って配置される三次元表面モルホロジー(14)により、前記フィルタ(12)全体の圧力低下を低減するステップと、
前記三次元表面モルホロジー(14)により、前記フィルタ(12)の前記表面(16)に沿って蓄積粒子(304)の保持力を増大させるステップとを含む方法。
【請求項15】
圧力低下を低減するステップが、前記三次元表面モルホロジー(14)の複数の表面特徴部(282、284)内への横方向の流れ(308)を可能にするステップを含み、前記複数の表面特徴部(282、284)が、前記蓄積粒子(304)の多孔性を高めるための最小高さ(290)を有する、請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−143752(P2012−143752A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−862(P2012−862)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】