説明

流量制御装置及び弁開度補正装置

【課題】 配管内を流れる流体の圧力制御に対する応答を早くし、流体の流量制御を安定的に行なう。
【解決手段】 流体を供給する配管に設けられた圧力制御弁7を制御する圧力制御系と、圧力制御弁7の下流側に設けられた流量制御弁24を制御する流量制御系を備え、圧力制御系における圧力制御弁7の下流側に要求される圧力設定値P2Sに対し、圧力制御弁7の下流側の圧力に基づいてフィードバック制御が行なわれる流量制御装置において、圧力設定値P2S、供給先の流量要求値FS、圧力制御弁7の上流側の圧力及び温度から圧力制御弁7の所要弁流量係数を算出し、算出された所要弁流量係数に基づいて圧力制御弁7の補正開度を算出し、この補正開度信号と圧力制御系からの修正量信号を加算した信号により圧力制御弁7の開度を制御する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば発電プラント用ボイラ、産業用ボイラ等において燃料(流体)の供給量を制御するのに好適な流量制御装置及び弁開度補正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばボイラ燃料の流量制御では、流体供給源から供給される燃料の流量を制御するため、流体供給源から供給先へ配置されている配管の前段に圧力制御弁、後段に流量制御弁を設け、まず圧力制御弁を調整して圧力を所定の値に制御し、次に一定の圧力状態に制御された流体に対して流量制御弁を調節して燃料を所望の流量に制御する流量制御方法が提案されている。
【0003】
このような流量制御方法の多くは、流量制御を行なうことによる圧力制御弁の下流側の圧力変化、または何らかの原因で圧力制御弁の上流側の圧力が変化したことによる圧力制御弁の下流側の圧力変化を検知した後、比例制御または比例・積分制御にて圧力制御を行なうフィードバック主体の制御方式が採用されている。
【0004】
また、圧力制御弁の下流側圧力を流量制御弁の下流側圧力に基づいてフィードバック制御する流量制御方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平6−324747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1を含む従来の流量制御は、いずれもフィードバック主体の制御方式であるが、この方法は、流量要求値に急激な変化があった場合、または圧力制御弁の上流側圧力が急激に変化した場合、圧力制御弁下流側の要求された圧力設定値に対する回復が遅れるという問題があった。
また、圧力制御弁の制御に係る圧力制御系と流量制御弁の制御に係る流量制御系における流量制御への相互干渉が避けられないという問題があった。特に、圧力制御系の制御が不安定な場合、例えば圧力制御弁下流側の圧力変化が大きい場合には、流量制御系への影響も大きく、流量制御が不安定になる。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、配管内を流れる流体の圧力制御に対する応答を早くし、流体の流量制御を安定的に行なうことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、流体を供給する配管に設けられた圧力制御弁を制御する圧力制御系と、前記圧力制御弁の下流側に設けられた流量制御弁を制御する流量制御系を備え、少なくとも、この圧力制御系における圧力制御弁の下流側に要求される圧力設定値に対し、圧力制御弁の下流側の圧力に基づいて修正量が算出され圧力制御弁の制御が行なわれる流量制御装置において、圧力設定値、供給先の流量要求値、圧力制御弁の上流側の圧力及び温度から圧力制御弁の所要弁流量係数を算出し、算出された所要弁流量係数に基づいて圧力制御弁の補正開度を算出する弁開度補正手段と、この弁開度補正手段からの補正開度信号と、圧力制御系からの修正量信号を加算して圧力制御弁に出力する加算演算手段を有することを特徴とする。
例えば、上記弁開度補正手段は、圧力設定値、流量要求値、圧力制御弁の上流側の圧力及び温度から前記圧力制御弁の所要弁流量係数を算出する所要弁流量係数演算部と、圧力制御弁全開時の弁流量係数に対する所要弁流量係数の比率を演算する比率演算部と、比率演算部で演算された比率を圧力制御弁の補正開度に変換する関数発生部から構成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、供給先の流量要求値、及び圧力制御弁の下流側の圧力設定値より圧力制御弁の補正開度信号を算出し、この補正開度信号を先行制御信号とすることによりいち早く所定の圧力制御弁の開度が得られるので、フィ−ドバック制御に頼る比率が少なくなり、圧力制御弁下流側の圧力変化を少なくすることができる。そして、圧力制御弁下流側の圧力変化が少なくなることにより、流量制御系への影響も少なくなり、流体流量の制御性が向上し、流体の流量制御を安定して行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明を実施するための最良の形態の例を、添付図面を参照しながら説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態例に係る概略構成図である。本例は、流体の流量を制御する流量制御装置を、ガス燃料を燃料とするボイラの燃料制御装置に適用した例である。
【0011】
図1に示される燃料制御装置は、燃料供給母管(配管)26を通じて燃料供給部25から燃料供給先のバーナ27へガス燃料を供給するものであり、燃料供給母管26の燃料供給部側(上流側)に圧力制御弁(調節弁)7、バーナ側(下流側)に流量制御弁(調節弁)24が設けられている。圧力制御弁7の上流側には温度検出器8及び圧力伝送器10が、下流側には圧力伝送器4が配設されている。また流量制御弁24の上流側には温度検出器17及びオリフィス等からなる流量検出器15が設けられている。
そして、圧力制御弁7にはフィードバック方式及びフィードフォワード方式の双方で燃料の圧力制御を行なう圧力制御系が、また流量制御弁24には燃料の流量制御を行なう流量制御系が形成されている。
【0012】
圧力制御弁7に対するフィードバック方式の圧力制御系は、圧力設定器1、比較演算器3、比例・積分演算器5、及び加算演算器6から構成される。
圧力設定器1は、燃料流量を適切に制御するための圧力設定値P2Sを設定及び記憶する。比較演算器3は、圧力設定器1から出力される圧力設定値P2Sと圧力伝送器4から送られてくる圧力制御弁7下流側の圧力信号(圧力制御弁出口圧力)とを比較して偏差値を演算し、その演算結果を比例・積分演算器5へ出力する。比例・積分演算器5は、比較演算器3で演算された偏差値を比例積分処理し、その演算結果を圧力制御弁7の開度の修正量(比例・積分制御信号)として加算演算器6へ出力する。加算演算器6は、比例・積分演算器5からの修正量信号と弁開度補正部(弁開度補正装置)100からの先行制御信号を加算し、加算後の信号を圧力制御弁7の駆動部へ出力する。
【0013】
また、温度変換器9、CV値演算器11、比率演算器12、関数発生器13から構成される弁開度補正部100は、本発明の特徴である圧力制御弁7に対するフィードフォワード方式の圧力制御系を形成するものである。
【0014】
上記温度変換器9は、温度検出器8で検出される圧力制御弁7上流側の燃料温度をデジタル信号等所定形式の信号に変換してCV値演算器11に出力する。CV値演算器11は、圧力制御弁7の上流側に設けられた圧力伝送器10からの圧力(圧力制御弁入口圧力)、温度変換器9からの温度、圧力設定器1からの圧力設定値P2S、燃料設定部2からの流量要求値FSを基に、圧力制御弁7の所要弁流量係数(以下、「計算CV値」と称する。)を演算する。比率演算器12は、計算CV値と圧力制御弁5全開時のCV値との比率演算を行なう。そして、開数発生器13が、比率演算値を圧力制御弁7の補正後の開度に変換し、加算演算器6に出力する。
【0015】
一方、流量制御弁24に対する流量制御系は、燃料設定部2、関数発生器22、燃料流量演算部101、比較演算器14、比例・積分演算器21、加算演算器23から構成される。
燃料設定器2は、バーナ27で必要とされる燃料の流量要求値FSを設定及び記憶する。開数発生器22は、燃料設定部2の流量要求値FSに基づいて流量制御弁24に先行制御信号を与える。比較演算器14は、燃料設定部2の流量要求値FSと燃料流量演算部101から出力される流量信号20Sとを比較して偏差値を演算し、その演算結果を比例・積分演算器21へ出力する。比例・積分演算器21は、比較演算器14で演算された偏差値を比例積分処理し、その演算結果を加算演算器23へ出力する。加算演算器23は、比例・積分演算器21からの比例・積分制御信号と開数発生器22からの先行制御信号を加算し、加算後の信号を流量制御弁24の駆動部へ出力する。
【0016】
ここで燃料流量演算部101について説明する。燃料流量演算部101は、温度変換器18、密度補正器19、開閉演算器20から構成される。
温度変換器18は、温度検出器17で検出された流量制御弁24上流側の燃料温度をデジタル信号等所定形式の信号に変換して密度補正器19に出力する。密度補正器19は、差圧伝送器16の差圧信号と、温度変換器18の温度信号と、圧力伝送器4の圧力信号(流量制御弁入口圧力)を受信し、差圧信号の密度補正を行い、開平演算器20に出力する。さらに開平演算器20は、密度補正器19からの信号について開平演算して流量信号20Sを得、比較演算器14に出力する。
このように燃料流量演算部101は、差圧伝送器16にて計測された差圧信号を、流量検出器15の設計圧力及び設計温度から遊離した実圧力(圧力伝送器4の出力)、実温度(温度変換器18の出力)に基づいて密度補正し、そして、補正した差圧信号を、開平演算器20にて流量信号20Sとするものである。
【0017】
次に、本発明の特徴である弁開度補正部100について、さらに詳細に説明する。
(a)CV値演算器11における演算
気体流体の流量が重量表示の場合、制御弁のCV値計算式はよく知られた以下の式で表される。
【0018】
[条件1]亜臨界条件(ΔP<0.5CfP1)では、
【数1】


[条件2]臨界条件(ΔP≧0.5CfP1)では、
【数2】


ここで
CV=弁流量係数
Cf=臨界流量係数
G =ガスの比重(0℃1気圧の空気を1)=M/28.96(空気の分子量)
P1=弁入口圧力(MPaA)
P2=弁出口圧力(MPaA)
ΔP=圧力差=P1−P2(MPa)
T =流体温度(°K=273+℃)
W =流量(t/h)
M =当該流体の分子量
なお、MPaAは絶対圧力を示す。
【0019】
調節弁に、ある差圧で流体を流したとき、弁内部の流路が最も絞られる部分(縮流部)では流速が最高になり一次的に静圧が下がり、弁出口付近では流速が遅くなり静圧が回復する現象が現れる。臨界流量係数Cfはこの調節弁内の圧力回復の程度を無次元で表した係数であり、弁入口から縮流部の静圧の差圧をΔPmaxとすると、臨界流量係数Cfは次式で表される。
【0020】
【数3】

【0021】
この臨界流量係数Cfの値(以下、「Cf値」と称する。)は、調節弁の型式、内弁の種類等によって異なるものであり、流量試験にて決定された実験値である。本例の圧力制御弁全開CV値に対する計算CV値の割合とCf値との関係について、一例を図2に示す。
【0022】
ここで、[条件1]の亜臨界条件を動作域とする圧力制御弁7について検討する。
流量要求値FS(t/h)
圧力制御弁7下流側の圧力設定値P2S(MPaA)
圧力制御弁7上流側の圧力伝送器10の出力P1(MPaA)
温度検出器8を入力とする温度変換器9の出力t1(℃)
をCV値演算器11に入力すると、CV値演算器11は次の(4)式の演算を行い、上記各入力条件下で圧力制御弁7に必要な計算CV値を算出する。
【0023】
【数4】

【0024】
次に、[条件2]の臨界条件を動作域とする圧力制御弁7について検討する。
流量要求値FS(t/h)
圧力制御弁7下流側の圧力設定値P2S(MPaA)
圧力制御弁7上流側の圧力伝送器10の出力P1(MPaA)
温度検出器8を入力とする温度変換器9の出力t1(℃)
をCV値演算器11に入力すると、CV値演算器11は次の(5)式の演算を行い、上記各入力条件下で圧力制御弁7に必要な計算CV値を算出する。
【0025】
【数5】

【0026】
臨界条件の場合、(5)式から明らかなように、圧力設定値P2Sは計算式に必要としない。なお、Cf値は制御弁の型式、内弁の型式等によって決まる係数であり、流量試験から求めたものであるとともに制御弁開度の関数となる。これを勘案した複雑な計算式は多数提案されている。ところで、例えば代表的な複座グロ−ブ弁、単座グロ−ブ弁において、制御弁開度によるCf値の変化度合いは最大で7〜8%程度(図2参照)であるから、圧力制御の精度への影響も限定的である。したがって、燃料最小流量制御値から得られたCV値におけるCf値を固定値として扱う方法が、演算が容易になり簡便である。
【0027】
(b)比率演算器12における演算
CV値演算器11で得られた計算CV値は、比率演算器12において圧力制御弁7の全開時のCV値と比較されてその比率(%)が計算される。圧力制御弁7全開時のCV値をCVmaxとすると、比率演算器12の出力は(6)式で得られる。
【0028】
【数6】

【0029】
(c)関数発生器13における演算
比率演算器12の出力(%)を入力とする関数発生器13の演算は、プログラム関数として与えられる。この関数は内弁特性とレンジアビリティ要因から決定されるものであり、図3にその特性の一例を示す。この特性を関数発生器13のプログラム値演算することにより圧力制御弁7の補正開度を算出することができる。図3におけるイコ−ルパーセントの場合の特性は、レンジアビリティ50の場合のものであるが、この特性の場合、圧力制御弁7全開時のCV値に対する計算CV値の割合が30%のときに約67%の弁開度が得られる。
【0030】
得られた弁開度情報(S13)は、先行制御信号として開数発生器13から加算演算器6に出力され、比例・積分演算器5からのフィードバック制御用の修正量信号とともに圧力制御弁7の制御に利用される。
【0031】
上述した弁開度補正部100の出力信号13Sは、流量要求値FS、圧力設定値P2S、圧力制御弁7の供給側の圧力及び温度における所要圧力制御弁開度であり、この信号13Sを加算演算器6に出力して圧力制御弁7を先行制御(フィードフォワード制御)することで、より早くかつ安定した圧力制御が得られる。すなわち、諸条件の急激な変化に追随して圧力制御弁7の適切な開度を計算し、その計算結果を先行値として圧力制御弁7に与え先行制御するので、制御性が向上する。
【0032】
またフィードバック制御に依存する比率が少なくなることで、圧力制御弁7下流側の圧力変化が少なくなる。そして、圧力制御弁7下流側の圧力変化が少なくなることにより、流量制御系への影響も少なくなり、流量制御系の制御性が向上する。つまり、圧力制御系の制御性の向上により、流量制御系すなわち燃料制御装置全体の制御性の向上が図られる。
【0033】
上述した本発明は、液体燃料よりも気体燃料を用いた場合に、より効果が大きくなる。
例えば、湾岸地域のLNG(Liquefied Natural Gas)基地から数km離れた発電所のボイラ設備へ気化したLNGガスを供給する場合のように、液体燃料と比較して気体燃料は燃料供給母管内の圧力変動が大きいので、バーナへの燃料供給量が安定しない。そこで燃料制御装置に本発明を適用することにより、より早くかつ安定した圧力制御が可能となり、ひいては燃料の流量制御を安定的に行なうことできる。
【0034】
なお、上述した実施の形態の例では、ガス供給母管26を流れる燃料がガス燃料の場合について説明したが、液体燃料に適用することもできる。燃料に液体燃料を適用した場合、圧力制御弁のCV値の計算を、液体流体の計算式に置き換えることにより同様に構成できる。
【0035】
また、本発明は、上述した各実施の形態例に限定されるものではなく、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態例に係る概略構成図である。
【図2】圧力制御弁全開時のCV値に対する計算CV値の割合と圧力制御弁開度との関係を表す図である。
【図3】圧力制御弁全開時のCV値に対する計算CV値の割合と臨界流量係数との関係を表した図である。
【符号の説明】
【0037】
1…圧力設定器、2…燃料設定部、3,14…比較演算器、4,10…圧力伝送器、5,21…比例積分演算器、6,23…加算演算器、7…圧力制御弁、8,17…温度検出器、9,18…温度変換器、11…CV値演算器、12…比率演算器、13,22…関数発生器、15…流量検出器、16…差圧伝送器、19…密度補正器、20…開平演算器、24…流量制御弁、25…燃料供給部、26…燃料供給母管、27…バーナ、100…弁開度補正部(弁開度補正装置)、101…燃料流量演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を供給する配管に設けられた圧力制御弁を制御する圧力制御系と、前記圧力制御弁の下流側に設けられた流量制御弁を制御する流量制御系を備え、前記圧力制御系における前記圧力制御弁の下流側に要求される圧力設定値に対し、前記圧力制御弁の下流側の圧力に基づいて修正量が算出され前記圧力制御弁の制御が行なわれる流量制御装置において、
前記圧力設定値、供給先の流量要求値、前記圧力制御弁の上流側の圧力及び温度から前記圧力制御弁の所要弁流量係数を算出し、算出された所要弁流量係数に基づいて前記圧力制御弁の補正開度を算出する弁開度補正手段と、
前記弁開度補正手段からの補正開度信号と、前記圧力制御系からの修正量信号を加算して前記圧力制御弁に出力する加算演算手段を有する
ことを特徴とする流量制御装置。
【請求項2】
前記弁開度補正手段は、
前記圧力設定値、前記流量要求値、前記圧力制御弁の上流側の圧力及び温度から前記圧力制御弁の所要弁流量係数を算出する所要弁流量係数演算部と、
前記圧力制御弁全開時の弁流量係数に対する前記所要弁流量係数の比率を演算する比率演算部と、
前記比率演算部で演算された比率を前記圧力制御弁の補正開度に変換する関数発生部から構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の流量制御装置。
【請求項3】
前記圧力制御系は、
前記圧力設定値を設定する圧力設定部と、
前記圧力設定部から出力される圧力設定値と前記圧力制御弁の下流側の圧力を比較し、偏差値を演算する比較演算部と、
前記比較演算部で演算された偏差値を基に比例・積分演算により前記圧力制御弁の修正量を算出し、該修正量を前記加算演算手段に出力する比例・積分演算部から構成される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の流量制御装置。
【請求項4】
流体を供給する配管に設けられた圧力制御弁を制御する圧力制御系と、前記圧力制御弁の下流側に設けられた流量制御弁を制御する流量制御系を備え、前記圧力制御系における前記圧力制御弁の下流側に要求される圧力設定値に対し、前記圧力制御弁の下流側の圧力に基づいて修正量が算出され前記圧力制御弁の制御が行なわれる流量制御装置に使用される弁開度補正装置であって、
前記弁開度補正装置は、前記圧力設定値、供給先の流量要求値、前記圧力制御弁の上流側の圧力及び温度から前記圧力制御弁の所要弁流量係数を算出し、算出された所要弁流量係数に基づいて前記圧力制御弁の補正開度を算出し、
前記補正開度が前記修正量とともに前記圧力制御弁の制御に利用される
ことを特徴とする弁開度補正装置。
【請求項5】
前記弁開度補正装置は、
前記圧力設定値、前記流量要求値、前記圧力制御弁の上流側の圧力及び温度から前記圧力制御弁の所要弁流量係数を算出する所要弁流量係数演算部と、
前記圧力制御弁全開時の弁流量係数に対する前記所要弁流量係数の比率を演算する比率演算部と、
前記比率演算部で演算された比率を前記圧力制御弁の補正開度に変換する関数発生部から構成される
ことを特徴とする請求項4に記載の弁開度補正装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−11717(P2007−11717A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192203(P2005−192203)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Fターム(参考)】