説明

浄化アセンブリ及び浄化アセンブリの組立方法

【課題】効果的で信頼性の高い浄化アセンブリ及び浄化アセンブリの組立方法を提供する。
【解決手段】浄化アセンブリ10を、浄化ユニット11を内面に配置可能な開口部であるソケット部11を有するブロック部材12と該ブソケット部にに取り付けられた浄化ユニットにより構成し、さらに、該浄化ユニットは内部に空洞52を有する取付具13、および該取付具を貫通する少なくと1つの流体流路14を備え、該流体流路内に透過性浄化要素15を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄化アセンブリ及び浄化アセンブリの組立方法に関する。より特定的には本発明は、例えば半導体の製造といった工業プロセスで使用されるガスを含む流体を浄化するために使用される浄化アセンブリに関する。工業プロセスで使用されるガスは、固形物、コロイド、ゲル及び液体粒子といった微粒子物質、及び均質な、又は分子状汚染物質といった化学物質を除去するために浄化され得る。例えば半導体の製造においてガスは、ガス中の微粒子物質が、製造されている半導体に欠陥を導入する可能性があるので、微粒子物質を除去するために浄化され得る。
【発明の概要】
【0002】
本発明は、極めて効果的で信頼性の高い浄化アセンブリ及び浄化アセンブリの組立方法を提供する。
【0003】
本発明の一態様によれば、浄化アセンブリは、第1の表面と反対側の第2の表面と空洞とを含む浄化ユニットであって、この浄化ユニットは更に第1の表面から空洞を通って第2の表面に延びる流体流路とこの流体流路に亘って空洞内に配置される浄化要素とを含む浄化ユニットと、第1の表面と反対側の第2の表面とを含むブロック部材であって、このブロック部材は更にブロック部材の第1の表面から第2の表面にブロック部材を貫通して延びるソケットを含み、浄化ユニットはソケット内に位置決めされ、ブロック部材は浄化ユニットを取り囲み、ブロック部材の第1の表面はソケットの一方の端部を取り囲んでいて浄化ユニットの第1の表面と同一平面上にあり、またブロック部材の第2の表面はソケットの反対側の端部を取り囲んでいて浄化ユニットの第2の表面と同一平面上にあるブロック部材と、を備え得る。
【0004】
本発明のもう1つの態様によれば、浄化アセンブリは、第1の表面と反対側の第2の表面と第1の表面から第2の表面に延びていて係合面を有するソケットとを含むブロック部材と、第1の表面と第2の表面と空洞と第1の表面から空洞を通って第2の表面に延びる流体流路とこの流体流路に亘って空洞内に配置された浄化要素とを含む浄化ユニットであって、この浄化ユニットは係合面を更に含み、浄化ユニットとブロック部材との係合面の少なくとも1つは軸方向に間隔をあけた第1及び第2の係合面とこれら第1及び第2の係合面間の溝とを備え、また浄化ユニットは互いに緊密に接触する浄化ユニットとブロック部材との係合面によってソケット内に位置決めされる、浄化ユニットと、を備え得る。
【0005】
本発明を具体化する浄化アセンブリは、例えば機械的完全性と有効性と信頼性とを維持しながら、より多様な使用を可能にする小型コンパクトなサイズを含む多くの利点を有する。
【0006】
本発明のもう1つの態様によれば、浄化アセンブリを組み立てるための方法は、ソケットの係合面と浄化ユニットの係合面とを接触させるステップを含む浄化ユニットをブロック部材のソケットに挿入するステップを備える浄化アセンブリの組立方法であって、浄化ユニットとブロック部材との係合面の少なくとも1つは軸方向に間隔をあけた第1及び第2の係合面とこれら第1及び第2の係合面の間の溝とを備え、これらの係合面を接触させるステップは浄化ユニットとブロック部材とのうちの一方の係合面と、浄化ユニットとブロック部材とのうちの他方の第1及び第2の係合面と、を緊密に接触させる工程を備える、浄化アセンブリの組立方法を備え得る。
【0007】
本発明を具体化する浄化アセンブリの組立方法は、多くの利点を有する。例えば浄化ユニットが最初、個別に組み立てられて漏洩試験され、それからブロック部材に設置されることが可能であり、これが浄化ユニットのブロック部材へのより単純な組立てを可能にしている。更にこれらの組立て方法は、小型でコンパクトな浄化アセンブリという結果をもたらすことができ、それによって浄化アセンブリの機械的完全性と有効性と信頼性とを維持しながら浄化アセンブリのより多様な使用を可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】浄化アセンブリの一実施形態の断面図である。
【図2】図1に示された実施形態の上面図である。
【図3】浄化アセンブリの分解断面図である。
【図4】浄化ユニットの分解断面図である。
【図5】浄化アセンブリの一実施形態の断面図である。
【図6】流体操作デバイスと基板とに流体的に連通している浄化アセンブリの断面図である。
【図7】浄化アセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
浄化アセンブリは、例えばブロック浄化器を含む幅広い種々の仕方で具体化され得る。図1及び図2に示されるように浄化アセンブリ10の一例は、ブロック部材12内に配置された浄化ユニット11を含み得る。浄化ユニット11は、取付具13と、この取付具13を貫通する少なくとも1つの流体流路14と、この流体流路14に配置された透過性浄化要素15と、を含み得る。浄化アセンブリは、任意の流体システムに、例えば半導体を製造するための流体システムにおける流体操作デバイスと基板との間に配置され得る。本発明の浄化アセンブリと浄化ユニットは、例えば機械的完全性と有効性と信頼性とを維持しながら、より多様な使用を可能にする小型コンパクトなサイズを含む多くの利点を有する。
【0010】
浄化アセンブリのブロック部材は、不規則な構成、又は円筒形、円板形又は矩形の平行六面体構成といった規則的構成を含む任意の適当な構成を持ち得る。ブロック部材は、図1及び図2に示されるように単一の一体型又は統合型ブロック部材12を備えることが可能であり、あるいはブロック部材は、ブロック部材を形成するために互いに取付け可能な複数の構成要素を備え得る。
【0011】
ブロック部材12は、その外側に互いに反対であり得る取付け面20、21を含み得る。これらの取付け面20、21はまた、図1及び図3に示されるように互いに平行であり得る。取付け面は、他の流体コンポーネントに接触する可能性がある。例えば図6に示されるように、ブロック部材12の一方の取付け面20は流体操作デバイス22に接触し得るが、ブロック部材12の他方の取付け面21は基板23に接触し得る。ブロック浄化器、流体操作デバイス、及び基板といった浄化アセンブリを含む流体アセンブリは、米国特許第6,514,323B1号と2006年8月25日に出願され、発明者としてBrian Palermoが挙げられている「Fluid Assemblies(流体アセンブリ)」と題する米国仮特許出願第60/840,025号とに開示されている。米国特許第6,514,323B1号と米国仮特許出願60/840,025号の両者は、これらの特徴のすべてを更にサポートするために引用することによってここに組み込まれている。ブロック部材12の取付け面20、21は、ブロック部材12が流体コンポーネントにボルト止めされ得るように、図2に示されるようなボルト孔24を更に含み得る。代替としてブロック部材は、例えば溶接又は締り嵌めによって恒久的に又は取り外し可能な状態を含む任意の適当な手法で流体コンポーネントに取り付けられ得る。
【0012】
ブロック部材はまた、ブロック部材を貫通して延びる1つ以上の流体流路を含み得る。例えば図1〜図3に示されたブロック部材12は、1つだけの流体流路25を含む。流体流路25は、ブロック部材12の取付け面20、21間に延びて、ブロック部材12に取り付けられた流体コンポーネント間に流体的連通を与えるために使用され得る。代替としてブロック部材12は、例えば図7に示されるように如何なる流体流路も含まない可能性がある。
【0013】
ブロック部材12は更に、ブロック部材の側面に、上面に、底面に、及び/又は例えば図3に示されているように上面と底面に開く開口部であり得るソケット30を含み得る。ソケット30は、浄化ユニット11を受け入れるように整えられており、浄化ユニット11はソケット30内に配置され得る。ソケットは多数の構成うちの任意の構成を持つことが可能であって、浄化ユニットと同様に構成され得る。例えば円筒形浄化ユニット11が使用されるとき、図1〜図3に示されるようにソケット30は、円筒形開口部を含むことが可能であり、また例えばブロック部材12を貫通して延びて、ブロック部材12の上部と下部部に浄化ユニット11を露出させる。更にソケットはブロック部材内の如何なる流体流路からも間隔をあけて隔離され得る。
【0014】
浄化ユニット11は、多数の手法のうちの任意の手法でブロック部材12に取り付けら得る。例えば浄化ユニット11は溶接によって恒久的に取り付けられ得る。代替として浄化ユニット11は、例えばスナップ嵌め、圧入、摩擦嵌め、又は締り嵌めによってブロック部材に取り外し可能に取り付けられることが可能であり、浄化ユニットの容易な取り外しと交換を可能にしている。浄化ユニットはまたブロック部材にボルト止め、又はねじ嵌合され得る。図3に示された実施形態では浄化ユニット11は、摩擦嵌め又は締り嵌めによってブロック部材12のソケット30に嵌め込まれ得る。
【0015】
浄化ユニットは、不規則な構成又は円筒形、円板形又は矩形の平行六面体構成といった規則的構成を含む任意の適当な構成を持ち得る。浄化ユニットは取付具を含み得る。取付具は一体成形の一体型又は統合型取付具であり得る。代替として例えば図4に示されるように浄化ユニットは、互いに取付け可能な多数の構成要素31、32を備える取付具13を含み得る。取付具ならびにブロック部材は、ステンレス鋼といった金属材料及び/又はポリマー材料を含む種々の材料から形成され得る。取付具とブロック部材の異なる部分は異なる材料から形成され得るが、多くの実施形態では取付具の構成要素を含む部品は同じ材料から、好適にはステンレス鋼といった金属から形成され得る。
【0016】
取付具の構成要素は、例えば溶接又はボンディングによって互いに恒久的に取り付けられることが可能であり、あるいは例えばボルト止め、又はねじ嵌合によって取り外し可能に取り付けられ得る。これらの構成要素は、直接互いに取り付けられるように構成され得る。代替としてこれらの構成要素は、例えば各構成要素を浄化要素に取り付けることによって間接的に取り付けられ得る。これらの構成要素の構成と寸法は、実施形態ごとに幅広く変化し得る。構成要素31、32は図4に示されているように一般に類似の構成を有するが、これらの構成要素は非常に異なる構成、例えば異なる形状及び/又は異なる厚さといった異なる寸法を持つ可能性がある。例えばこれらの構成要素の1つは実質的に取付具全体を備え得るが、もう1つの構成要素は大きな構成要素に嵌合する小さなプラグであり得る。
【0017】
図3及び図4に示される実施形態に示されているように、取付具13は第1及び第2の構成要素31、32を含み得る。例えば取付具13は、互いに接合される第1及び第2の構成要素31、32だけを備え得る。各構成要素31、32は、オープンスペースを取り囲む概ね円筒形の側壁33、34を備え得る。各側壁33、34の一方の端部は、側壁33、34を覆う端面壁35、36によって概ね閉鎖され得る。側壁33、34とは反対に各端面壁35、36の表面40、41は平坦であって、開口部42、43は端面壁35、36の平坦な面40、41から各端面壁35、36を貫通して側壁33、34内の空間にまで延び得る。各側壁33、34の他の端部は、側壁33、34内の空間に開き得る。2つの構成要素31、32は、側壁33、34の開放端で互いに同軸的に嵌合できて取付具13を形成し得る。
【0018】
ある幾つかの実施形態では図4及び図5に示されたものを含めて、構成要素31、32は位置合わせ機構44、45を持ち得る。位置合わせ機構は、これらの機構が互いに嵌合するときに構成要素を位置合わせすることができ、種々の仕方で構成され得る。例えば図5に示されるように、位置合わせ機構44、45は、2つの構成要素31、32の側壁33、34の開放端において段付き横桟(stepped ledge)を嵌め合わせることを含み得る。位置合わせ機構は、取付具の構成要素が浄化要素からはなれて互いに接合され得るようになり得る。例えば図5に示されるように、構成要素31、32は、浄化要素15に接触しない溶接部50によって、例えば浄化要素15から半径方向に間隔をあけて、及び/又は軸方向にずれて配置された溶接部によって位置合わせ機構44、45において接合され得る。それから浄化要素15は、適所に保持され得、例えば取付具13の2つの溶接された構成要素31、32間にクランプされ得る。ある幾つかの実施形態は、浄化要素15が取付具13の構成要素31、32によって過渡に圧縮されるのを防止するストッパ51を含み得る。ストッパ51は、例えば位置合わせ機構44、45が2つの構成要素31、32間に隣接横桟を与える図5に示されるように位置合わせ機構44、45の一部であり得る。代替としてストッパは、位置合わせ機構とは別の機構であり得る。他の実施形態は、ストッパを含み得るが位置合わせ機構を含まない、あるいは取付具の構成要素と共に浄化要素を溶接し得る。
【0019】
浄化ユニット11は、少なくとも1つの流体流路14を含む。流体流路14は、流体流路14に沿って流れる流体が浄化要素15を通り抜けるように浄化ユニット11を貫通して延び得る。取付具13は、例えば取付具13の構成要素31、32の相対する平坦な表面40、41を含む第1及び第2の相対する面を持ち得る。流体流路14は、これらの表面40、41間で延びてこれらの表面40、41上に開き得る。更に浄化ユニット11の平坦な表面40、41の少なくとも一方又は両方は取付け面を備えることができ、またブロック部材12の取付け面20、21と同一平面上にあり、共に浄化アセンブリ10の取付け面を形成し得る。この構成は、浄化アセンブリ10と浄化ユニット11とが2つの流体コンポーネント間に、例えば図6及び図7に示されているように流体操作デバイス22と基板23との間に挟まれて流体的に連通することを可能にする。流体流路14は、例えば直線状構成を含む任意の適当な構成を持ち得る。代替として流体流路は、L字形又はV字形構成を持つことも可能である。ある幾つかの実施形態では浄化ユニットは、単に1つの流体流路を持つことができる。他の実施形態では浄化ユニットは、任意の適当な構成を有する少なくとも第2の流体流路を更に持ち得る。第2の流体流路はまた、取付具を貫通でき、第1の流体流路から隔離されることも、されないこともあり得る。
【0020】
浄化ユニット11は更に、取付具13内に空洞52を含むことが可能であり、浄化要素15は取付具13に入れられた、又は取り囲まれた空洞52内に配置され得る。空洞52は、円筒形、円板形、楕円形又は矩形の平行六面体構成を含む種々の不規則又は規則的構成のいずれでも持ち得る。多くの実施形態では空洞は、浄化要素の構成に類似の構成を持ち得る。
【0021】
取付具13が多数の構成要素31、32を備える場合には、これらの構成要素31、32は共に空洞52を画定し得る。例えば図4の浄化ユニット11では空洞52は、側壁33、34内のオープンスペースによって、取り付けられた構成要素31、32の端面壁35、36の間に画定され得る。代替として空洞は、実質的に、又は完全にこれらの構成要素の一方にだけ配置され得る。
【0022】
浄化要素15は、流体流路14に沿って流れる流体のかなりの量、より好適にはすべてが浄化要素15を通り抜けるように、浄化ユニット11を貫通して延びる流体流路14内の空洞52内に配置され得る。空洞52は流体流路14と流体的に連通しており、流体流路14に沿った任意の位置に配置され得る。例えばある幾つかの実施形態では流体流路14は、例えば開口部42、43が空洞52と流体的に連通し、またより小さい、たとえば空洞52より小さい直径を有する、端面壁35、36に空洞52と開口部42、43とを備え得る。更に空洞52は、浄化要素15のエッジ部分が嵌合できる周囲溝53を持ち得る。浄化要素15は、取付具13の構成要素31、32が取り付けられたとき溝内の適所に、例えばストッパ51と併せて密閉的にクランプされ得る。これは、浄化要素15が摘み切ったり、損傷したり、例えば引き裂いたりせずに、構成要素31、32に対して密封するように十分に圧縮されることを可能にする。
【0023】
浄化要素15は、種々の構成のうちの任意の構成を持ち得る。例えば浄化要素15は、概ね円板形、円筒形、円錐形又はドーム形の構成を有する多孔質の本体を備え得る。浄化要素の表面は、肉眼的スケールでは実質的に平坦であり得るが、表面積を増加させるためにこの表面が畝又は波形で形成されることは可能である。浄化要素はまた、繊維の塊又は粒子の層といった、より不規則な構成を持ち得る。
【0024】
浸透性浄化要素の材料及び細孔構造は、例えば除去されるべき物質、最高動作温度及び浄化要素を通る所望の流れ特性を含む種々の要因にしたがって選択され得る。浄化要素は、ステンレス鋼、ニッケル又はハステロイ(Hastelloy)金属といった耐食性金属材料から作られ得る。代替として浄化要素は、ポリマー膜又はファイバ材料といったポリマー材料から、あるいはガラスファイバ又はセラミック材料から作られ得る。ある幾つかのタイプの浄化要素はまた、本発明のこの、及び他の特徴をサポートするために全体的に引用することによってここに組み込まれている米国特許第5,490,868号と5,545,242号に詳細に説明されている。浄化要素はまた、望ましくないガス状成分といった望ましくない化学物質を含む均質な又は分子的な汚染物質を流体から除去するための媒体、例えば反応性媒体も備え得る。反応性媒体の一例は、本発明のこの、及び他の特徴をサポートするために全体的に引用することによってここに組み込まれているBrown等による国際公報第WO/0168241号に開示されている。
【0025】
浄化アセンブリは、浄化ユニットを形成してこの浄化ユニットをブロック部材内に配置することによって作られ得る。浄化ユニットを形成するために浄化要素は、例えば溶接、蝋付け、ボンディング、クリンピング、クランプ、又はパッキング(packing)を含む種々の仕方で取付具に恒久的に、又は取り外し可能に取り付けられ得る。取付具と浄化要素とが金属から形成されるとき、これらは互いに溶接され得る。取付具と浄化要素とを接合するために、例えばレーザー溶接、TIG(GTAW)溶接又は電子ビーム溶接が使用され得る。取付具と浄化要素とがポリマー材料から形成されるとき、これらはボンディング、例えば溶剤接合、接着剤接合、又は熱接合によって接合され得る。取付具が多数の構成要素を含むとき、浄化要素は、これらの構成要素の1つ又は2つ以上の構成要素に恒久的に、又は取り外し可能に取り付けられ得る。
【0026】
例えばある幾つかの実施形態では浄化要素15は、取付具13の2つの構成要素31、32の開放端の間に配置されることが可能であって、これら2つの構成要素31、32は互いに、及び/又は浄化要素15に接触して同軸的に押圧され、例えば図4及び図5に示されるようにこれら構成要素の間に浄化要素15を挟むことができる。位置合わせ機構44、45は互いに沿って係合して滑動でき、また浄化要素15のエッジ部分は溝53内に密閉圧縮及び/又は2つの構成要素31、32間に密閉クランプされ得る。ストッパ51は互いに接して、浄化要素15の過剰圧縮を防止し得る。更に構成要素31、32は、浄化要素15のエッジ部分に突き出て、浄化要素15と取付具13との間の密封を高める密封畝54、55を含み得る。
【0027】
取付具が多数の構成要素を備える場合これらの構成要素は、同時に、又は浄化要素が取付具の1つ以上の構成要素に取り付けられた後に、取り付けられて取付具を形成し得る。更にこれらの構成要素は、互いに密閉されて浄化ユニットからの流体漏洩を防止できる。構成要素は、例えばねじ又はボルトといったコネクタによって、又は構成要素を互いにねじ嵌合させることによって、又はスナップ嵌め又は締り嵌めによって取り外し可能に取り付けられ得る。代替として構成要素は、例えばクリンピング、ボンディング、蝋付け又は溶接によって恒久的に取り付けられ得る。例えば浄化要素15が取付具13の2つの構成要素31、32間に配置された後に、構成要素31,32は互いに溶接することによって取り付けられ得る。ある幾つかの実施形態では溶接部50は、浄化ユニット11の周囲、例えば外周の周りに周囲方向に延びることが可能であり、また浄化ユニット11の内部を外部から密閉できる。溶接部50は、浄化要素15のエッジ部分から横に、例えば半径方向に間隔をあけた位置に、及び/又は長手方向に、例えば軸方向にずらした位置に作られ得る。浄化要素15は、そのとき溶接プロセスの熱から保護され得る。代替としてある幾つかの実施形態ではこれらの構成要素は、浄化要素に直接隣接して又は浄化要素と一緒に溶接され得る。構成要素が互いに密閉された後に浄化ユニットは漏洩がないことを保証するために試験され、それからブロック部材に取り付けられ得る。密閉された流体密封浄化ユニットをブロック部材に取り付けることは、効果的な信頼性の高い浄化アセンブリを与えながら製造を大幅に単純化する。
【0028】
浄化ユニットは、種々の仕方でブロック部材に取り付けられ得る。浄化ユニットは、例えばクリンピング、蝋付け、溶接又はボンディングによってブロック部材に恒久的に取り付けられ、あるいは例えばボルトといったコネクタによって、又はねじ嵌合によって、スナップ嵌めによって、又は圧入又は摩擦嵌めといった締り嵌めによってブロック部材に取り外し可能に取り付けられ得る。更に浄化ユニットは、ブロック部材の内部に、例えばブロック部材に入れられて、又は取り囲まれて嵌め込まれることができ、あるいはブロック部材に隣接して、例えばブロック部材の側面、上面及び/又は底面に取り付けられ得る。
【0029】
ある幾つかの実施形態では浄化ユニット11は、ブロック部材12のソケット30内に取り付けられ得る。図示の実施形態では浄化ユニット11、例えば取付具13とブロック部材12は、協同係合面61、62を含み得る。これらの係合面61、62は、互いに接触して浄化ユニット11とブロック部材12との間に密封摩擦嵌め又は締り嵌めを与えるように整えられ得る。そして、浄化ユニット11は、浄化ユニット11をブロック部材12に溶接せずに、浄化ユニット11、例えば取付具13をソケット30に単に挿入することによってブロック部材12に取り付けられ得る。係合面61、62は、浄化ユニット11が互いにぴったりと接している係合面61、62によってソケット30内に完全に嵌め込まれるまで、互いに沿って軸方向に滑動する。更に取付具13の構成要素31、32が例えば溶接部50によって互いに密閉される場合には浄化ユニット11は、浄化ユニット11をブロック部材12に密閉せずに、例えば追加の溶接又は密閉なしにブロック部材12に取り付けられ得る。
【0030】
係合面61、62の一方又は両方は、これらの間に高エネルギー高圧力締り嵌めを与えるように構成され得る。例えば図3、図5に示されているように、取付具13は、外側で取付具13の周囲又は側面の回りに周囲方向に延びる溝63を含み得る。溝63は、浄化ユニット11の取付具13上の係合面61を、間の溝63によって取付具13の上部と下部とにそれぞれ配置された2つの軸方向に間隔をあけて周囲方向に延びる係合面61a、61bに分割しうる。溝63は、係合面61の合計面積を間隔をあけた表面61a、61bの合わせた面積に減らす。例えば浄化ユニット11の係合面61a、61bの合計の軸方向長さと、対応する表面積は、取付具13の全軸方向長さ、例えば厚さの約25%未満又は約35%未満又は約50%未満になり得る。係合面61、62の一方又は両方の表面積を減らすことは、浄化ユニット11とブロック部材12との間の境界面又は接触点における圧力を増加させ、それによってブロック部材12のソケット30内の浄化ユニット11のより高いエネルギー接触とより良好な締り嵌めを与える。更に取付具13の2つの構成要素31、32間の溶接部50を溝63内に位置決めすることによって、溶接部50は浄化ユニット11の係合面61の一部でなくてもよく、溶接部50のより困難でない機械加工と研磨を可能にする。
【0031】
浄化アセンブリ10は、例えば図2に示されるように浄化アセンブリ10のボルト孔24を通してボルト止めすることによって、又は溶接によって、又はスナップ嵌め又は締り嵌め、を含む多くの手法のうちの任意の手法で、流体操作デバイス22、基板23又は他の流体コンポーネントに、あるいは装置の構成要素に取り付けられ得る。浄化アセンブリ10の少なくとも1つの流体流路14は、流体操作デバイス22のポート64、例えば入口ポート又は出口ポートと、例えば図6に示されるような基板23の流体導管65との間に流体的連通を与え得る。浄化ユニット及び/又はブロック部材を通って流れる更なる流体流路が存在し得る。これら更なる流路は、例えば同じ流体操作デバイスの異なるポートとこの基板の異なる流体導管との間、同じ流体操作デバイスの異なるポートと異なる流体操作デバイスのポートとの間、又は異なる流体操作デバイスのポートとこの基板の異なる流体導管との間に流体連通を与え得る。例えば図6に示されているように浄化アセンブリ10の浄化ユニット11を貫通する流体流路14は、基板23の流体導管65と流体操作デバイス22の入口ポート64との間に流体連通を与え得る。ブロック部材12を貫通するが浄化ユニット11を貫通しない第2の流体流路25は、流体操作デバイス22の第2のポート、例えば出口ポート70と基板23のもう1つの流体導管71との間に流体連通を与え得る。代替として図7に示されるように、浄化アセンブリ10を通る、例えば浄化ユニット11を通る唯1つの流体流路14が存在することが可能であって、浄化アセンブリ10は、他の流体コンポーネント22、23間に取り付けられて流体コンポーネント22、23間に流体連通を与え得る。ガスケット、Oリング、Cリングシール、Wシール又はZシールといった面シールを含むシール(密閉)は、流体流路と隣接流体コンポーネントとの間の境界面で流体流路の周りに設けられ得る。
【0032】
ガスといった流体を浄化するための方法は、浄化アセンブリの浄化ユニットを通る流体流路に沿って流体を方向付けることを含み得る。例えば図6、図7に示されるようにガスは、基板23の流体導管65に沿って、浄化要素15を含む浄化アセンブリ10の流体流路14内に方向付けられ得る。このガスは、流体流路14に沿って取付具13の1つの開口部を通り抜けて空洞52に入り得る。空洞52ではガスは、上流側から下流側へ浄化要素15を通り抜け、そこでガスは浄化され、例えば濾過されて微粒子を除去する。浄化要素は、例えば取付具13の構成要素31、32間の溝53内に浄化要素15のエッジ部分を密閉するように圧縮することによって、及び/又は浄化ユニット11のエッジ部分に密閉畝54、55を埋め込むことによって、取付具に密閉されるので、ガスの実質的にすべて、又はすべては、浄化要素15を通り抜け、浄化要素15をバイパスするガスはほんの僅かしか、あるいはまったくない。更に取付具13の構成要素31、32は例えば溶接部50によって互いに密閉されているので、ガスは、浄化ユニット11の内部から、例えば空洞52から浄化ユニット11の外部にまったく漏洩しない。浄化要素15の下流側から、浄化されたガスは、空洞52から流体流路14に沿って取付具13の反対側開口部に、したがって流体操作デバイス22の入口ポート64内に進んで行く。
【0033】
第2の流体流路を有する浄化アセンブリでは流体は、浄化要素を通り抜けることなく浄化アセンブリを通り抜けさせられ得る。例えば図6に示されるようにガスは、流体操作デバイス22の出口ポート70からブロック部材12の流体流路25内に進み得る。それからガスは浄化要素を含まないブロック部材12内の流体流路25に沿って進み、基板23の第2の流体導管71内に進む。
【0034】
本発明の種々の態様は幾つかの実施形態を参照しながら図示、説明されてきたが、まったく異なる実施形態だけでなくこれらの実施形態の変形も本発明によって包含され得る。例えば開示された実施形態のうちの任意の実施形態の1つ以上の機構は、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴に代用され、及び/又はこれらの特徴と組み合わされ得る。更に、ある実施形態は各開示された実施形態の特徴のすべてより少ない特徴を含み得る。したがって本発明は、下記の請求項に記載された本発明の精神と範囲のうちに包含されるすべての修正を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面と、反対側の第2の表面と、前記第1の表面から前記第2の表面に延びていて係合面を有するソケットとを含むブロック部材と、
第1の表面と、第2の表面と、空洞と、前記第1の表面から前記空洞を通って前記第2の表面に延びる流体流路と、前記流体流路に亘って前記空洞内に配置された浄化要素と、を含む浄化ユニットであって、前記浄化ユニットが係合面を更に含み、前記浄化ユニットと前記ブロック部材との前記係合面の少なくとも1つが間隔をあけた第1及び第2の係合面と、前記第1及び第2の係合面間の溝と、を備え、また前記浄化ユニットが互いに緊密に接触する前記浄化ユニットと前記ブロック部材との前記係合面によって前記ソケット内に位置決めされる浄化ユニットと、を備える浄化アセンブリ。
【請求項2】
前記浄化ユニットが互いに溶接された第1及び第2の構成要素を含み、前記溶接部が前記浄化ユニット内の前記溝に配置される、請求項1に記載の浄化アセンブリ。
【請求項3】
前記浄化ユニットが側壁を有し、また前記溝が前記浄化ユニットの前記側壁の周りに周囲方向に延びる、請求項1又は2に記載の浄化アセンブリ。
【請求項4】
前記第1及び第2の係合面が前記浄化ユニットの上部と下部に配置された周囲方向に延びる表面を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の浄化アセンブリ。
【請求項5】
ソケットの係合面と浄化ユニットの係合面とを接触させるステップを含む、浄化ユニットをブロック部材のソケットに挿入するステップを備える浄化アセンブリの組立方法であって、前記浄化ユニットと前記ブロック部材との前記係合面の少なくとも1つが、軸方向に間隔をあけた第1及び第2の係合面と、前記第1及び第2の係合面間の溝とを備え、前記係合面を接触させるステップが前記浄化ユニットと前記ブロック部材のうちの一方の前記係合面と、前記浄化ユニットと前記ブロック部材のうちの他方の前記第1及び第2の係合面と、を緊密に接触させる工程を備える、浄化アセンブリの組立方法。
【請求項6】
前記浄化ユニットを前記ソケットに挿入するステップが前記浄化ユニットと前記ブロック部材との間に締り嵌め又は摩擦嵌めを確立する工程を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記浄化ユニット内の前記溝に溶接部を配置するステップを含む前記浄化ユニットを形成するために第1及び第2の構成要素を溶接するステップを更に備える、請求項5又は6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−232304(P2012−232304A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−153593(P2012−153593)
【出願日】平成24年7月9日(2012.7.9)
【分割の表示】特願2009−525703(P2009−525703)の分割
【原出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【Fターム(参考)】