説明

浄化機能水とその利用方法

【課題】 本発明は、パッナップル酵素,多元素ミネラルおよび荷電活性水の相乗効果により、公共、および工場などの汚水,下水処理等等の大規模な汚水処理に適した新規の浄化機能水を提供するものである。
【解決手段】 本発明は、含ブロメライン植物系の複合酵素80乃至90重量部:第1要素と、緑泥岩等より採取し抽出する1乃至10重量部の多元素ミネラル:第2要素とおよび10乃至20倍量の荷電活性化水:第3要素とを混合して、該第1乃至第3要素が持つそれぞれの特性の相乗により金属イオン錯体物質として触媒機能を倍加増強することで、有用微生物の爆発的な増殖連鎖,酸化還元,相転移,加水分解等の触媒機能を2乃至3倍以上に引上げたことを特徴とする浄化機能水にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浄化機能水とその利用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パイナップルは蛋白質の分解酵素ブロメラインを含有し、このブロメラインにより生肉が柔らかくなる効果は古来より知られていて、酢豚等の料理に日常的に利用されてきており、このパイナップルが含有する含ブロメライン酵素成分は41種類以上におよび、その機能,利用方法は多岐に亘っている。パイナップル酵素のみが持つ大きな特長として“メタルチオ・フォスフォ・グリセレート・フォスフォアターゼ”という酵素が含まれていて、これがグリセリンを分解するということである。
【0003】
塩素化合物を分解することもパイナップル酵素にて試みられてきたが触媒機能が不充分なため生ごみや畜産の糞尿を良質な堆肥に蘇らせることができないでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにして、パッナップル酵素のみでは触媒機能が不充分なため有用微生物の増殖,酸化還元等が緩慢で時間を要すために、公共、および工場などの大規模な汚水,下水処理等には適さないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、含ブロメライン植物系の複合酵素80乃至90重量部:第1要素と、緑泥岩等より採取し抽出する1乃至10重量部の多元素ミネラル:第2要素とおよび10乃至20倍量の荷電活性化水:第3要素とを混合して、該第1乃至第3要素が各別に持つ特性を相乗させることで、金属イオン錯体物質としての触媒機能を倍加増強することで、
・脱水素作用
・脱塩素作用
・脱炭酸作用
・脱酸作用
・脱アミノ作用
・脱サルファー剤作用
等の働きと、それらの元素分子の転換を常温領域で行い、原因物質を元(基)から分解除去する性質を有すこととなる。
有用微生物の捕食連鎖の爆発的なひろがりにより、酸化還元,相転移,加水分解等の触媒機能が2乃至3倍以上に引上げることで、かかる課題を解決するようにしたのである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の浄化機能水は含ブロメライン植物系の多種の複合酵素:第1要素と多元素ミネラル:第2要素および荷電活性化水:第3要素のそれぞれの特性の相乗効果により、高度の耐熱性と複数の対象に触媒機能を発揮し、リグニンの分解に卓越し、細胞賦活作用を有し、有用微生物のための環境を整備する作用とマイナスイオン化剤として有用微生物の捕食連鎖の爆発的なひろがりにより、酸化還元,相転移,加水分解等の触媒機能が2乃至3倍以上に飛躍向上するという効果を生ずる。
【0008】
また浄化機能水は分子集団であるクラスターを小さくして且つマイナスイオンを持続的に保持するので、処理対象物に鋭く浸透して触媒機能を働かせるという効果を生ずる。
【0009】
従って大規模な汚水,下水処理に適し著しく改善するという効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の浄化機能水の構成解説図
【発明を実施するための形態】
【0011】
含グロメライン植物系複合酵素としてパイナップルから、メタルチオ・フォスフォ・グリセレート・フォスフォアターゼを含む41種類以上の酵素:第1要素の80乃至90重量部と、緑泥岩等より採取し抽出する1乃至10重量部の多元素ミネラル:第2要素とおよび10乃至20倍量の荷電活性化水:第3要素とを混合してそれぞれが持つ特性が相乗する浄化機能水を生成するのである。
荷電活性化水:第3要素は、電気を帯びさせた水であり、水の分子集団であるクラスターを小さくして且つマイナスイオンを持続させるようにする。
【0012】
上記の含ブロメライン植物系複合酵素:第1要素と、適量の上記多元素ミネラル群:第2要素および荷電活性化水:第3要素の融合によりそれぞれの特性が相乗することで、金属イオン錯体物質としての触媒機能を倍加増強することになり、従って例えば汚水,下水中に本発明の浄化機能水を適量投入すると有用微生物である好気性微生物の捕食連鎖が爆発的に活発化して、酸化還元等を著しく早めることができることとなる。知られている触媒機能の2〜3倍以上に向上させることになる。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明の浄化機能水の図解であって、この浄化機能水を下水道終末処理場施設,浄化槽施設等のタンク内端末流入水に対して0.01乃至0.015%において添加して有用(好気性)微生物の捕食連鎖環境を見たもので、これによると、流入下水中に含まれるパルプ成分(リグニン)が分解して植物性プランクトンが発生し、それを動物性プランクトンが捕食するタンク内に良好な有用微生物の捕食連鎖が爆発的に活発化する。捕食連鎖環境が爆発的に増殖することで、MLSS(Mixed Liquor Suspended Solids:活性汚泥中の有機物分解に関与する生物量)が従来の3倍以上に向上することとなる。
【0014】
このようにして流入下水中のリグニンの分解からはじまる好気性微生物の格段の増殖によって脱水性の良好な汚泥が生成されてDS(脱水汚泥)の含水率が低下して脱水汚泥量を20〜30%減量させることができることとなる。
【実施例2】
【0015】
本発明の浄化機能水による酸化還元例であって、流入汚水が発生する臭気物質,水処理プロセス・汚泥処理プロセスから発生する悪臭物質は主にアンモニア,メチルメルカブタン,硫化水素,硫化メチル,二酸化メチル,トリメチルアミン,プロピオン酸,ノルマン酪酸,ノルマル吉草酸,イソ吉草酸等の10の物質が主体であるが、これらの悪臭物質は蛋白質や核酸をはじめとした主体成分の分解生成物であり、嫌気的状態にあるときにこれらは悪臭物質の状態でとどまるが、好気性菌が繁殖している状態で完全酸化された場合(酸化還元)したときは無臭物質に変わることとなる。
【0016】
還元性物質である悪臭物質は本発明の浄化機能水が含有するブロメライン(蛋白質分解酵素)と多元素ミネラル、特にクラスターを小にして且つマイナスイオンが持続する荷電活性化水の浸透によって急速に無臭化することとなる。好機的条件下ではアンモニアは無臭の硝酸塩に、硫化水素は無臭の硫酸塩に変化する。
【0017】
またトリメチルアミンやメチルメルカブタン等の有機性の窒素化合物や硫黄化合物の悪臭物質も好機的条件下で最終的に硝酸塩や硫酸塩まで酸化され無臭となる。
このような反応が汚水中あるいは汚泥中で起こるため、水処理プロセス・汚泥処理プロセス・脱水ケーキかせ発生する悪臭の発生が抑制されることとなる。
代表的な生物反応例
トリメチルアミン → アンモニア → 硝酸塩(硝酸ナトリウム等)
(CH3)3N NH3(+CH4) NO3塩(NaNO3等).CO2+H2O
メチルメルカブタン → 硫化水素 → 硫酸塩(硫酸カルシウム等)
CH3SH H2S(+CH4) SO4塩(CaSO4等).CO2+H2O
※核酸:塩基・糖・燐酸から成るヌクレオチドが長い鎖状に結合した高分子物質。
【実施例3】
【0018】
本発明の浄化機能水をごみまたは堆肥化物質上に噴霧または添加して悪臭の発生を抑制し、分解消臭した高品位の完熟堆肥の生成例であって、本発明の浄化機能水をごみまたは堆肥化物質上に適量において噴霧または添加すると浄化機能水の爆発的な脱塩素作用による塩素化合物の分解機能、油脂分解機能および原因物質を元から分解除去することにより良質な堆肥に蘇らせることとなる。
【実施例4】
【0019】
本発明の浄化機能水を汚濁した水域に適量にて投入して水質を改善した例であり、浄化機能水は汚濁した水質を改善して良好な水環境に復元し、ヘドロを分解し、アオコ,赤潮,青潮の発生を抑制することとなる。
【0020】
本発明の浄化機能水の特質をまとめると、
・耐熱性が高い(高温でも効果があり、中高温の方が高い触媒反応を示す)
・酸素多重触媒構造を持つ
・複数の対象に触媒構造を持つ
・有機物単分子化剤である(リグニン分解に卓越した効果を発揮する)
・細胞賦活作用を持つ
・限定微生物のための環境整備をする
・EC(電気伝導度)降下作用を持つ
・アニオン価化剤(マイナスイオン化剤)
の特性が備わることになる。

【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は活性汚泥中の有機物を分解,悪臭物質を無臭化,高品位堆肥の生成,および水質を改善機能にすぐれることにより、大規模な汚水,下水処理に適すほか環境の改善に広く利用されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含ブロメライン植物系の複合酵素80乃至90重量部:第1要素と、緑泥岩等より採取し抽出する1乃至10重量部の多元素ミネラル:第2要素とおよび10乃至20倍量の荷電活性化水:第3要素とを混合して、該第1乃至第3要素が持つそれぞれの特性の相乗により金属イオン錯体物質として触媒機能を倍加増強することで、有用微生物の爆発的な増殖連鎖,酸化還元,相転移,加水分解等の触媒機能を2乃至3倍以上に引上げたことを特徴とする浄化機能水。
【請求項2】
荷電活性化水:第3要素は水の分子集団であるクラスターを小さくして、且つマイナスイオンを持続的に保持させる請求項1に記載の浄化機能水。
【請求項3】
汚水,下水の処理施設内流入量に対して浄化機能水を0.01乃至0.015%添加して該汚水,下水中の不純物を除去し脱水汚泥を最大30%減量し、且つ臭気の発生を抑制し、分解消臭するようにした浄化機能水の利用方法。
【請求項4】
浄化機能水をごみまたは堆肥化物資上に噴霧または添加して悪臭の発生を抑制し、または分解消臭し、高品位の完熟堆肥を生成する浄化機能水の利用方法。
【請求項5】
浄化機能水を汚濁した水域に投入して水質を改善し良好な水環境に復元し、ヘドロを分解し、アオコ,赤潮,青潮の発生を抑制する浄化機能水の利用方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−50318(P2011−50318A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202479(P2009−202479)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(509197564)株式会社OECアルファー (1)
【Fターム(参考)】