説明

浄化水の製造方法およびその製造装置

【課題】 窒素含有物質を含む原水を精密ろ過膜および/または限外ろ過膜でろ過し、そのろ過水を逆浸透膜および/またはナノろ過で処理する浄化水の製造方法において、それぞれの膜面上での微生物増殖あるいは微生物およびその代謝物の膜面への付着を防止することができると同時に、薬品コストを抑え、殺菌剤による膜の劣化を最小限に抑制する。
【解決手段】 窒素含有物質を含む原水を原水タンクに貯留させ、該原水タンクから供給される原水を精密ろ過膜および/または限外ろ過膜でろ過した後、該ろ過によるろ過水を逆浸透膜および/またはナノろ過膜でろ過して浄化水を製造する方法において、精密ろ過膜および/または限外ろ過膜を逆流洗浄する際、塩素含有水をろ過水側から供給して逆流洗浄を行った後、塩素を含有しない水をろ過水側から供給して逆流すすぎ洗浄を行い、逆流すすぎ洗浄時における洗浄排水を原水タンクに流入させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素含有物質を含む原水を、精密ろ過膜および/または限外ろ過膜を用いてろ過した後、さらに、逆浸透膜および/またはナノろ過膜を用いて処理することにより浄化水を製造する方法およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、上下水道や廃水処理等の水処理用途において、膜によって原水中の不純物を分離除去して清澄な水に変換する膜ろ過法の普及が進んでいる。膜の除去対象物質は、膜の種類によって異なるが、精密ろ過膜(以下、MF膜という。)や限外ろ過膜(以下、UF膜という。)の場合は、一般的に懸濁物質、細菌、原虫、コロイド物質等が挙げられ、また、逆浸透膜(以下、RO膜という。)やナノろ過膜(以下、NF膜という。)の場合は、溶解性有機物、ウイルス、イオン物質等が挙げられる。
【0003】
原水(廃水)をMF膜やUF膜でろ過した後、そのろ過水をRO膜やNF膜で処理することにより清澄水を製造する方法はインテグレーテッド廃水再利用技術と呼称されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
このインテグレーテッド廃水再利用技術では、前段のMF膜やUF膜においても、後段のRO膜やNF膜においても、膜ろ過水量が累積的に増加するに伴って、膜表面や膜細孔内にフミン質やタンパク質等の付着量が増大していき、ろ過水量および処理水量の低下あるいは膜差圧の上昇が生じ、ろ過性能および処理性能が低下していく、という問題がある。
【0005】
また、その一方で、膜面上に、原水中で増殖した微生物やその代謝物が付着し、ろ過性能および処理性能の低下を生じさせるという、いわゆるバイオファウリングの問題がある。
【0006】
このバイオファウリングの問題を回避するために、膜分離装置の殺菌法が種々提案されている。殺菌剤としては、次亜塩素酸ナトリウムや塩素等の塩素系殺菌剤が一般的であり、これら殺菌剤は、ろ過する際に常時あるいは間欠的に、原水に注入され、また、逆流洗浄する際に供給される洗浄水に注入されている。
例えば、河川表流水を膜ろ過処理する方法において逆流洗浄する際の洗浄水に塩素系殺菌剤を注入して逆流洗浄を行うことが知られている(特許文献1参照)。
【0007】
また、市水をMF膜やUF膜で前処理した後に、そのろ過水をRO膜で処理することにより純水を製造する方法において、RO膜処理の濃縮水に殺菌剤を添加して、前処理における膜の逆流洗浄を行うことが提案されている(特許文献2参照)。ところが、RO膜は、塩素系殺菌剤や過酸化水素等の殺菌剤と接触すると分離機能層の劣化が促進されるので、前処理における膜の逆流洗浄を、殺菌剤を含む洗浄水で行った場合には、その洗浄排水を系外に取り出し廃棄することが必要である。さらに、逆流洗浄後にろ過を再開した直後には前処理ろ過装置から取り出されるろ過水中にも殺菌剤が含まれるので、殺菌剤濃度が一定水準以下に低減されるまで後段のRO膜ろ過に供給せずに廃棄することが必要である(特許文献2参照)。
【0008】
しかし、このように逆流洗浄排水を系外に取り出して廃棄する方法では、膜ろ過処理して得られたろ過水の一部が排出されて廃棄されるため、水の回収率が低下する問題がある。水の回収率の低下を抑制するためには、逆流洗浄後にろ過を再開した直後に前処理ろ過装置から取り出されるろ過水に還元剤を注入し、遊離塩素を消失させた後に、後段のRO膜処理に供給する方法が考えられるが、この方法では薬品コストが高くなる問題がある。
【0009】
【特許文献1】特開2001−79366号公報
【特許文献2】特開平9−220449号公報
【非特許文献1】山村弘之、“水資源有効利用システム用膜の現状と今後の課題”、「膜(MEMBRANE)」、日本膜学会、Vol.28、No.5、p235
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来の技術の上述した問題点を解決し、窒素含有物質を含む原水をMF膜および/またはUF膜でろ過した後にRO膜および/またはNF膜で処理する方法において、膜面上での微生物増殖を抑制し、微生物やその代謝物の膜面への付着を抑制することが可能であると同時に、薬品コストを抑え、かつ、殺菌剤による膜の劣化を最小限に抑制できる、浄化水の製造方法および製造装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用する。
【0012】
すなわち、窒素含有物質を含む原水を原水タンクに貯留させ、該原水タンクから供給される原水をMF膜および/またはUF膜でろ過した後、該ろ過によるろ過水をRO膜および/またはNF膜で処理して浄化水を製造する方法において、MF膜および/またはUF膜を逆流洗浄する際、塩素含有水をろ過水側から供給して逆流洗浄を行った後、塩素を含有しない水をろ過水側から供給して逆流すすぎ洗浄を行い、逆流すすぎ洗浄時における洗浄排水を原水タンクに流入させることを特徴とする浄化水の製造方法である。
【0013】
このとき、RO膜および/またはNF膜を備えた処理装置へ供給される被処理水にクロラミンが含まれ、そのクロラミン濃度が0.01mg/l以上5mg/l以下であることが好ましい。このクロラミン濃度の調整は、逆流洗浄時に供給する塩素含有水の塩素濃度を調整することにより行うことが好ましい。さらに、逆流すすぎ洗浄時における洗浄排水中の遊離塩素濃度が0.01mg/l以下に低減されるまで逆流すすぎ洗浄を行うことが好ましい。
【0014】
また、本発明の浄化水の製造装置は、窒素含有物質を含有する原水を貯留させる原水タンク、原水をろ過処理するためのMF膜および/またはUF膜を備えた前段膜ろ過装置、該前段膜ろ過装置でろ過処理されたろ過水を貯留させるための前段膜ろ過水タンク、該前段膜ろ過タンクから取り出したろ過水を処理するためのRO膜および/またはNF膜を備えた後段膜処理装置、前段膜ろ過装置のMF膜および/またはUF膜を逆流洗浄する時にMF膜および/またはUF膜のろ過水側に供給する洗浄水に塩素含有薬液を注入させる塩素含有薬液注入装置、及び、前段膜ろ過装置のMF膜および/またはUF膜を逆流すすぎ洗浄する時にすすぎ洗浄排水を原水タンクに流入させる排水還流配管および排水還流バルブを設けたことを特徴とするものである。
【0015】
さらに、前段膜ろ過装置と後段膜処理装置の間の配管にクロラミン濃度を測定できる機器を設け、逆流すすぎ洗浄の洗浄排水を原水タンクに流入させる排水還流配管に遊離塩素濃度を測定できる機器を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、MF膜および/またはUF膜を塩素含有水で逆流洗浄した後に逆流すすぎ洗浄する時の洗浄排水を、原水タンクに流入させることにより、MF膜および/またはUF膜に残留していた遊離塩素を原水タンク内に流入させ、原水タンク内で原水中の窒素含有物質と反応させてクロラミンを生成させる。
【0017】
この原水中のクロラミンが、原水中の浮遊微生物を殺菌し、さらに、MF膜および/またはUF膜を通過したろ過水中に残留しているクロラミンが、後段のRO膜および/またはNF膜の殺菌を行う。この際、後段のRO膜および/またはNF膜の被処理水中にはクロラミンが適量存在するものの遊離塩素は存在しないので、後段のRO膜および/またはNF膜の劣化を抑制することができる。さらに、亜硫酸水素ナトリウムなどの脱塩素剤を使用する必要がなくなり、薬品コストを抑制できる。
【0018】
また、MF膜および/またはUF膜を逆流洗浄した後の逆流すすぎ洗浄の排水を原水タンクに流入させるので、水回収率を落とすことがない。さらに、すすぎ洗浄排水中の残留塩素を再利用することにより薬品コストを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明法においては、原水として、窒素含有物質を含む原水を用いる。この窒素含有物質を含む原水は、例えば、水中に有機物とともに窒素含有物質を含む、畜産農業廃水、し尿、下水等、これらを活性汚泥法で生物処理した後の水である。
【0020】
原水中に含まれる窒素含有物質とは、アンモニア性窒素およびアミノ酸、アミン類など含窒素有機化合物のことである。この含窒素有機化合物中の窒素系成分は塩素と反応することで、クロラミンを生成する。
例えば、原水中の含窒素化合物の中に含まれる窒素系成分のほとんどがアンモニア性窒素である場合、以下の反応により塩素と反応してモノクロラミンが生成される。
【0021】
【化1】

【0022】
この場合、アンモニア性窒素1gにつき、約5gの塩素が消費され、約3.6gのモノクロラミンが生成される。クロラミン含有量を適正水準にするためには、原水中のアンモニア性窒素濃度は0.003mg/l以上であることが好ましく、また、原水タンク中に流入させる逆流すすぎ洗浄排水中の遊離塩素濃度は7mg/l以下とすることが好ましい。
【0023】
クロラミン濃度および遊離塩素濃度の測定には、DPD法、電流法、吸光光度法、などが用いられる。クロラミン濃度はクロラミン濃度と遊離塩素濃度をあわせた濃度である全塩素濃度を求めて、その濃度から遊離塩素濃度を引くことで求めることができる。例えば、RO膜および/またはNF膜に流入する被処理水を採水し、又は、逆流すすぎ洗浄の排水を採水し、DPD法および電流法により通常の測定条件で全塩素濃度および遊離塩素濃度の測定を行なうか、または、吸光光度法を用いた連続自動測定機器により全塩素濃度および遊離塩素濃度の測定を行なうことができる。連続自動測定機器による測定の場合は、塩素濃度計をRO膜および/またはNF膜の流入水配管に取り付けて連続測定を行ない、RO膜および/またはNF膜に流入する被処理水中のクロラミン濃度を測定する。また、逆流すすぎ洗浄排水が原水タンクへと還流される排水環流配管に取り付けて連続測定を行ない、逆流洗浄排水中の遊離塩素濃度を測定する。これら測定により、クロラミン濃度や遊離塩素濃度を監視し、所定範囲内を維持されるように処置する。
【0024】
水中の塩素は遊離塩素と結合塩素の形で存在する。逆流洗浄に用いる塩素含有水に含有される塩素は遊離塩素の形であり、窒素含有物質と反応することで結合塩素の形となる。結合塩素とはクロラミンの形で存在する塩素のことである。
【0025】
クロラミンとは、モノクロラミン(NHCl)、ジクロラミン(NHCl)およびトリクロラミン(NCl)の総称である。殺菌力はジクロラミンの方がモノクロラミンより強く、トリクロラミンには殺菌力はない。クロラミンの生成比率は塩素濃度やアミン化合物濃度、pHなどの影響を受け変化する。また、クロラミンの殺菌力は遊離塩素に比べると約10分の1であり、RO膜等に与える悪影響も遊離塩素よりもはるかに小さい。
【0026】
遊離塩素とは、塩素剤が水と反応して生じる次亜塩素酸(HClO)や次亜塩素酸イオン(ClO)の形で存在する塩素のことで、強い消毒力と酸化力をもっている。遊離塩素は強い酸化力をもっているため、RO膜やNF膜の流入水に遊離塩素が含まれている場合、RO膜やNF膜は劣化してしまうので、RO膜やNF膜の流入水に遊離塩素が含まれる場合は膜の劣化により処理水質が悪化するという問題が生じる。
【0027】
本発明法においては、窒素含有物質を含む原水が貯留されている原水タンク内に、残留塩素を含む逆流すすぎ洗浄時の排水を流入させるので、流入した排水中に含まれる残留塩素と原水中の窒素含有物質の窒素分とが反応してクロラミンを生成する。この際、原水タンクに流入する逆流すすぎ洗浄排水に含有される塩素分はほぼ全量がクロラミン生成で消費され、しかも、主として殺菌力のあるクロラミン成分が生成される。原水タンク内で生成したクロラミンは、原水中の浮遊微生物を殺菌し、さらに、前段膜ろ過装置へと供給されて、そのMF膜やUF膜の付着物も殺菌する。
【0028】
原水中のクロラミンは、前段膜ろ過装置のMF膜および/またはUF膜を透過したろ過水中にも残存し、後段膜処理装置のRO膜および/またはNF膜に供される被処理水中にも含まれ、後段膜処理装置におけるRO膜やNF膜を殺菌することができる。
【0029】
ここで、クロラミンは遊離塩素と比較するとRO膜やNF膜に与える悪影響がはるかに小さいので、RO膜やNF膜を備えた後段膜処理装置の殺菌用に利用することができる。また、本発明において原水タンク内にすすぎ洗浄排水とともに流入する塩素分は、原水タンク中でクロラミン生成にほぼ全量消費されるので、後段膜処理装置へと供給される水の中には遊離塩素は残存せず、遊離塩素によるRO膜やNF膜の損傷を回避することができる。
【0030】
原水中のクロラミンにより後段膜処理装置での膜殺菌効果を十分に発揮しバイオファウリングの抑制を可能とし、かつ、膜の機能層の劣化を防止するためには、後段膜処理装置へ供給される被処理水に含まれるクロラミン濃度を0.01mg/l以上5mg/l以下とすることが好ましい。クロラミン濃度が0.01mg/l未満ではバイオファウリングの抑制をすることができない。また、クロラミン濃度が5mg/lより濃い場合、膜の機能層が劣化してしまう。
【0031】
また、逆流すすぎ洗浄の後は、続いてろ過が開始されるが、ろ過開始直後に前段膜ろ過装置でろ過されたろ過水中に、後段膜処理装置の膜の機能層を劣化させる遊離塩素が実質的に含まれないようにするために、逆流すすぎ洗浄時における洗浄排水中の遊離塩素濃度が0.01mg/l以下に低減されるまで逆流すすぎ洗浄を行なうことが好ましい。遊離塩素濃度が0.01mg/lより濃い場合、前段ろ過装置でろ過されたろ過水中に、遊離塩素が残留してしまい、後段膜処理装置の膜の機能層が劣化してしまう。
【0032】
本発明では、原水タンク中に流入させる排水は、塩素を含有しない水で逆流すすぎ洗浄した時の洗浄排水であり、塩素含有水で逆流洗浄した時の洗浄排水は原水タンクに流入させずに系外に排出する。
【0033】
塩素含有水で前段膜ろ過装置のMF膜やUF膜を逆流洗浄する際には、遊離塩素が検出される程度の塩素、つまり不連続点以上の塩素注入率で、逆洗水に塩素を注入する必要があるので、洗浄排水中にもかなりの遊離塩素が残存している。従って、塩素含有水での逆流洗浄時の洗浄排水を原水タンクに流入させると遊離塩素の全量を消費できず、原水中に遊離塩素が残存することにより、後段膜処理装置において膜の機能層の劣化が促進されるという問題がある。
【0034】
図1及び図2は、それぞれ、本発明に好ましく用いられる膜ろ過装置の一実施様態を示す概略フロー図である。以下、図1や図2に示す実施態様に基づいて本発明をさらに説明する。
【0035】
本発明による浄化水の製造方法に好ましく用いられる膜ろ過装置は、例えば図1に示すように、河川水、湖沼水、下水二次処理水、農業排水等の、窒素含有物質を含む原水を、原水(被処理水)として一旦貯留する原水タンク1と、原水を固液分離(膜ろ過)するための、MF/UF膜モジュール5を備えた前段膜ろ過装置(符号2〜5、8〜17で示すものを図1のように組み合わせた装置)と、取り出した前段ろ過水を一旦貯留する前段膜ろ過水タンク18と、このろ過水をさらに高度処理するための、RO/NF膜モジュール21を備えた後段膜処理装置(符号19〜23で示すものを図1のように組み合わせた装置)と、後段膜処理装置から取り出した後段ろ過水を貯留するための後段ろ過水タンク24とが順に設けられている。
【0036】
また、図2に示す実施態様では、前段膜ろ過装置と後段膜処理装置の間のRO/NF供給配管19にクロラミン濃度計28が設けられ、さらに、逆流すすぎ洗浄排水の排水還流配管26に遊離塩素濃度計30が設けられている。クロラミン濃度計28でのクロラミン濃度の測定値が、クロラミン濃度測定結果送信ケーブル29を通して塩素含有薬液注入装置25に送られ、塩素注入率が調整される。さらに、遊離塩素濃度計30での遊離塩素濃度の測定値が遊離塩素濃度測定結果送信ケーブル31を通して逆洗ポンプ10に送られ、逆洗ポンプの稼動時間が調整される。
【0037】
前段膜ろ過装置には以下の装置が配設されている。すなわち、原水をMF/UF膜モジュール5に供給するための原水ポンプ2、原水タンク1とMF/UF膜モジュールの間の原水配管3、膜の洗浄工程時に閉とするための原水バルブ4、MF/UF膜モジュール5とMF/UF膜ろ過水タンク18との間のろ過水配管8、MF/UF膜モジュール5の膜ろ過時に開とするためのろ過バルブ9、前段ろ過水を逆洗水としてMF/UF膜モジュール5へ導入する際に使用される逆洗ポンプ10、逆洗配管11、逆流洗浄や逆流すすぎ洗浄を行う時に開とするための逆洗バルブ12とが設けられている。なお、本発明における逆流洗浄工程では、塩素含有水を用いる逆流洗浄と空気洗浄を同時に行ってもよいし、それらを順番に行なってもよい。原水の濁度が比較的高い場合は逆流洗浄と空気洗浄を同時に行うことが好ましく、原水の濁度や有機物濃度が高く、膜表面に懸濁成分や有機物が多く付着している場合は、逆流洗浄と空気洗浄を同時に行った後に、さらに空気洗浄を行なうことが好ましい。
【0038】
さらに、MF/UF膜モジュール5の逆流洗浄工程および空気洗浄を行なう時に開とするための空洗バルブ15、空気を送るための空洗ブロワ13、空洗配管15、MF/UF膜モジュール5内の水をモジュール下部から排出する時に開とするための下側排水バルブ16と排水をMF/UF膜モジュール下部から排出するための下側排水配管17、MF/UF膜モジュール5内のエアーを排出する時やMF/UF膜モジュール5内の水を逆流洗浄時に排出する時に開とするための上側排水バルブ7と、エアーや洗浄排水を排出するための上側排水配管6が設けられている。
【0039】
ここで、MF/UF膜モジュール5としては、例えば、中空糸状の分離膜がU字状に湾曲した状態、もしくはI字状に両端ポッティングした状態で筒状のハウジング内部に配置されており、ハウジングの下部には洗浄終了後のMF/UF膜モジュール5内の原水側の水を排出するための排水部が設けられているものを採用することができる。分離膜としては、孔径が0.01μm〜10μm程度のMF膜や孔径が数nm〜数十nm程度のUF膜の少なくとも一方を選択して用いることができ、その素材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、酢酸セルロース(CA)、ポリエチレン(PE)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、セラミックス等が用いられる。
【0040】
後段膜処理装置には、MF/UFろ過水タンクからのろ過水をRO/NF膜モジュール21に送るためのRO/NF供給配管19、供給される被処理水に所定圧力をかけるための高圧ポンプ20、RO/NF膜モジュールからの透過水をRO/NF膜処理水タンク24へ送るためのRO/NF透過水配管22、RO/NF膜モジュールからの濃縮水を排出するためのRO/NF濃縮水配管23が設けられている。
【0041】
RO/NF膜モジュール21に使用される分離膜としては、例えば、脱塩率が93%以上(評価条件 NaCl濃度:500mg/l、操作圧力:0.5MPa)のRO膜や、脱塩率が5%以上93%未満(評価条件 NaCl濃度:500mg/l、操作圧力0.5MPa)のNF膜の少なくとも一方を選択して用いることができ、その素材としては、酢酸セルロース、セルロース系のポリマー、ポリアミド、およびビニルポリマー等の高分子材料を用いることができる。
【0042】
代表的な逆浸透膜(RO膜)としては、酢酸セルロース系またはポリアミド系の非対称膜、および、ポリアミド系の活性層を有する複合膜を挙げることができる。中でも、ポリアミド系の活性層の表層にポリビニルアルコールを被覆させた複合膜は、高排除性能かつ高透水性かつ高耐汚染性を有するので好ましい。NF膜の場合、ポリアミド系、ポリピペラジンアミド系、ポリエステルアミド系、あるいは水溶性のビニルポリマーを架橋したものなどがある。
【0043】
分離膜の形状としては、RO膜、NF膜ともに平膜、中空糸膜があり、例えば膜厚を10μm〜1mmの範囲とし、中空糸膜の場合は外径を50μm〜4mmの範囲とすることが好ましい。
【0044】
RO/NF膜モジュール21のモジュール形状は、分離膜が平膜状の場合はスパイラル型、プリーツ型、プレート・アンド・フレーム型、円盤状のディスクを積み重ねたディスクタイプがあり、中空糸膜の場合は、中空糸をU字状やI字状に束ねて容器に収納した中空糸膜型があるが、本発明はこれらモジュールの形態に左右されるものではない。
【0045】
また、本発明において、RO膜、NF膜のいずれか一方を使用するのもよいし、両方を使用するのもよい。これらは、RO/NF膜処理水の利用目的に応じて適宜選定すればよい。
【0046】
RO/NF膜モジュール21は、多段に配置して、前段のRO/NF膜モジュール21の濃縮水を後段のRO/NF膜モジュール21で処理するように構成してもよい。この場合には、後段のRO/NF膜の濃縮水中のカルシウム、マグネシウム、シリカ等の濃度が溶解度を超えないように注意することである。
【0047】
RO/NF膜モジュール21の操作圧力は、RO/NF膜供給水(MF/UF膜ろ過水)の種類、運転方法等により、0.5〜3.0MPa程度の範囲内で適宜設定することが好ましい。河川水や湖沼水等の淡水を処理する場合は浸透圧が低いため比較的低圧で処理することができる。
【0048】
また、塩素含有薬液注入装置(塩素注入設備)25は、塩素含有薬液(例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩素ガスを水中に溶解した塩素水等)を逆洗水に注入する設備である。塩素ガスは水中に溶解することで次亜塩素酸を生じる(Cl+HO→HOCl+HCl)。
【0049】
塩素ガスの場合、圧力ボンベに貯留した液化塩素を気化器で確実に気化させてから計量注入機で高濃度塩素水をつくり、逆洗水に注入する。計量注入機の代表は湿式真空注入機であり、高速の水流をインジェクタに流し、その狭窄部に生ずる負圧によって塩素ガスを吸引混合して高濃度塩素水をつくり、注入点まで送り込む方法である。
【0050】
以上の塩素と接触する貯留タンク、注入ポンプヘッド、注入配管等の材質は、例えば硬質塩化ビニル、ポリフッ化エチレン樹脂(例えば、「テフロン(登録商標)」など)等の耐食性をもったものを採用することができる。
【0051】
さらに、MF/UF膜モジュール5の逆流すすぎ洗浄を行う際の洗浄排水を原水タンク1に送るための排水還流配管26と、すすぎ洗浄排水を原水タンク1に戻す時に開とするための排水還流バルブ27とが設けられている。
【0052】
上述の処理装置において、浄化水の製造は次のように行われる。
【0053】
まず、原水バルブ4、及び上側排水バルブ7を開とし、ろ過バルブ9、逆洗バルブ12、空洗バルブ15、下側排水バルブ17、及び排水還流バルブ27を閉にした状態で、原水ポンプ2を稼動し、原水をMF/UF膜モジュール5に供給する。MF/UF膜モジュール5内の原水側空間の全てが原水で満たされた後、上側排水バルブ7を閉とし、ろ過バルブ9を開にすることで、原水がろ過され、ろ過水がろ過水タンク18に流入する。
【0054】
しかしながら、このようなろ過運転を長期間継続すると、一部の微生物が、有機物や懸濁成分とともにMF/UF膜表面に付着し、スライム状の代謝物(多糖類、タンパク質等)を生産、蓄積していく。この代謝物はMF/UF膜の細孔を閉塞し、ろ過水量の低下あるいは膜差圧の上昇が起こる。この減少を防止するため、断続的に次に説明する膜洗浄を行う。
【0055】
膜洗浄の一例として、逆流洗浄と空気洗浄を同時に行う場合を示す。まず、原水ポンプ2を停止し、上側排水バルブ7を開にし、ろ過バルブ9を閉にしてろ過工程を停止した後、逆洗バルブ12および空洗バルブ15を開にして逆洗ポンプ10を作動させ、塩素注入設備25から塩素を注入した膜ろ過水で逆流洗浄すると同時に空洗ブロワ13を作動させ、空気洗浄も行う(空洗・逆洗同時工程)。逆洗水に含まれる塩素は、微生物の周囲を保護している有機物を分解し、剥離させる効果を有しており、微生物が膜面に残存していても、有機物による微生物の保護作用が大幅に低減される。この洗浄工程で用いる塩素含有水は、MF/UF膜表面を殺菌可能な塩素量を含有することが必要であり、その塩素濃度は、1〜50mg/l程度とすることが好ましい。
【0056】
次に、逆洗ポンプ10、塩素注入設備25および空洗ブロワ13を停止し、空洗バルブ15および上側排水バルブ7を閉にし、空洗・逆洗同時工程を停止し、続けて、排水還流バルブ27を開にして、逆洗ポンプ10を作動させて、塩素を含有しない水で逆流すすぎ洗浄を行う。その逆流すすぎ洗浄の際の洗浄排水を原水タンク1に戻す。この逆流すすぎ洗浄工程は洗浄排水中の遊離塩素が0.01mg/l以下になるまで行なう。
【0057】
次に、逆洗ポンプ10を停止し、逆洗バルブ12および排水還流バルブ27を閉にし、逆洗すすぎ洗浄工程を停止する。その後、下側排水バルブ17を開にして、MF/UF膜モジュール5内の水を系外に全量排出させる。全量排出した後、排水バルブ17を閉にしてろ過工程を再開し、以後、上述の操作を繰り返す。
【0058】
上述のMF/UF膜処理工程で得られた前段ろ過水のクロラミン濃度が0.01mg/l以上5mg/l以下であることを確認した後、該ろ過水をRO/NF膜モジュール21に供給して、さらに膜処理を行なう。
【実施例】
【0059】
(実施例1)
図2に示す装置を用い、アンモニア濃度が1mg/lの下水二次処理水を2ヶ月間処理した。MF/UF膜モジュール5としては、分離膜として公称孔径0.05μmのポリフッ化ビニリデン製中空糸型MF膜を用いたMF膜モジュールを使用した。ろ過運転方式はろ過流束1.5m/dの定量ろ過運転とし、膜洗浄はろ過工程20分毎に行った。
【0060】
膜洗浄の手順は、まず、原水ポンプ2を停止し、上側排水バルブ7を開にし、ろ過バルブ9を閉にしてろ過工程を停止した後、逆洗バルブ12および空洗バルブ15を開にして逆洗ポンプ10および空洗ブロワ13と塩素注入設備25を作動させ、塩素を注入したMF膜ろ過水で逆流洗浄と空気洗浄を同時に行った(空洗・逆洗同時工程)。空洗・逆洗同時工程の時間は1分で、逆洗流束は3m/dとし、注入した塩素濃度は50mg/lとした。次に、逆洗ポンプ10および空洗ブロワ13、塩素注入設備25を停止し、空洗バルブ13および上側排水バルブ7を閉にし、排水還流バルブ27を開にし、逆洗ポンプ10を作動させ逆流すすぎ洗浄を行った。逆流すすぎ洗浄工程の時間は30秒とした。逆流すすぎ洗浄工程で発生する洗浄排水は原水タンクに戻した。この時、遊離塩素濃度計30で測定した逆流すすぎ洗浄30秒後の排水中の遊離塩素濃度は0mg/lであった。次に、逆洗ポンプ10を停止し、下側排水バルブ17を開にして、モジュール内の水を系外に全量排出させた後、下側排水バルブ17を閉にして上述のろ過工程を再開した。この時、クロラミン濃度計28で測定した後段膜処理装置へ供給される水のクロラミン濃度は0.25mg/lであった。
【0061】
RO/NF膜モジュール16としては、膜材質がポリアミド、脱塩率が99.5%、膜面積が7mのスパイラル型RO膜モジュールを用いた。運転方式は、定流量運転(膜透過流束:0.6m/d)とし、水回収率を60%に設定した。
【0062】
その結果、運転開始時のMF/UF膜モジュール5の膜ろ過差圧は15kPaであったのに対して、運転開始から2ヵ月後の膜ろ過差圧も30kPaと安定していた。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール21の膜ろ過差圧は500kPaであったのに対して、運転開始から2ヵ月後の膜ろ過差圧も550kPaと安定していた。RO/NF膜モジュール16の脱塩率は、運転期間中99.5%を維持していた。
【0063】
(実施例2)
逆流すすぎ洗浄工程の時間を15秒にした以外は実施例1と全く同じにして膜洗浄を行った。この時、後段膜処理装置へ供給される水のクロラミン濃度は0.5mg/lであった。その結果、運転開始時のMF/UF膜モジュール5の膜ろ過差圧は15kPaであったのに対して、運転開始から2ヶ月後の膜ろ過差圧は、25kPaになった。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール21の膜ろ過差圧は500kPaであったのに対して、運転開始から2ヶ月後の膜ろ過差圧も540kPaと安定していた。RO/NF膜モジュール21の脱塩率は、運転期間中99.5%を維持していた。
【0064】
(実施例3)
空洗・逆洗同時工程において注入した塩素濃度を100mg/lにした以外は実施例1と全く同じにして膜洗浄を行った。この時、後段膜処理装置へ供給される水のクロラミン濃度は1mg/lであった。その結果、運転開始時のMF/UF膜モジュール5の膜ろ過差圧は15kPaであったのに対して、運転開始から2ヶ月後の膜ろ過差圧は20kPaと安定していた。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール21の膜ろ過差圧は500kPaであったのに対して、運転開始から2ヶ月後の膜ろ過差圧も530kPaと安定していた。RO/NF膜モジュール21の脱塩率は、運転期間中99.5%を維持していた。
【0065】
(比較例1)
逆流すすぎ洗浄工程を行わなかった以外は実施例1と全く同じにして膜洗浄を行った。この時、後段膜処理装置へ供給される水に3mg/lの遊離塩素が残留していた。その結果、運転開始時のMF/UF膜モジュール5の膜ろ過差圧は15kPaであったのに対して、運転開始から2ヶ月後の膜ろ過差圧は実施例1より上昇しており、90kPaになった。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール21の膜ろ過差圧は500kPaであったのに対して、運転開始から2ヶ月後の膜ろ過差圧も530kPaと安定していた。ところが、運転開始から2ヵ月後のRO/NF膜モジュール21の脱塩率は、塩素による劣化によって実施例1より低下しており、95%となった。
【0066】
(比較例2) 空洗・逆洗同時工程において注入した塩素の量を5mg/lにした以外は実施例1と全く同じにして膜洗浄を行った。この時、後段膜処理装置へ供給される水のクロラミン濃度は0mg/lであった。その結果、運転開始時のMF膜モジュール5の膜ろ過差圧は15kPaであったのに対して、運転開始から1ヶ月後の膜ろ過差圧は200kPaに上昇したため、薬液洗浄せざるを得なかった。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール21の膜ろ過差圧は500kPaであったのに対して、運転開始から2ヶ月後の膜ろ過差圧が1200kPaにまで上昇したため、薬液洗浄せざるを得なかった。RO/NF膜モジュール21の脱塩率は、運転期間中99.5%を維持していた。
【0067】
(比較例3)
逆流すすぎ洗浄工程を行なわかった以外は実施例1と全く同じにして膜洗浄を行ない、かつ、RO/NF膜モジュールの流入水に脱塩素剤として亜硫酸水素ナトリウムを常時添加し、クロラミン濃度を常に0.01mg/l未満とした以外は実施例1と全く同じにして膜ろ過を行った。その結果、運転開始時のMF/UF膜モジュール5の膜ろ過差圧は15kPaであったのに対して、運転開始から2ヶ月後の膜ろ過差圧は実施例1より上昇しており、90kPaになった。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール21の膜ろ過差圧は500kPaであったのに対して、運転開始から2ヶ月後の膜ろ過差圧が1200kPaにまで上昇したため、薬液洗浄せざるを得なかった。RO/NF膜モジュール21の脱塩率は、運転期間中99.5%を維持していた。さらに、薬品の使用コストは実施例1と比べて3.7倍となった。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、水中に有機物とともに窒素含有物質を含有する畜産農業廃水、し尿、下水等を活性汚泥法で生物処理した後の水等を浄化処理して清澄な水を得る際に好適に利用できる。また、浄化処理して得られた水は、工業用水、トイレ水、噴水や人工池のような景観水等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に好ましく用いられる膜ろ過装置の一実施態様を示す概略フロー図である。
【図2】本発明に好ましく用いられる膜ろ過装置の別の一実施態様を示す概略フロー図である。
【符号の説明】
【0070】
1:原水タンク
2:原水ポンプ
3:原水配管
4:原水バルブ
5:MF/UF膜モジュール
6:上側排水配管
7:上側排水バルブ
8:ろ過水配管
9:ろ過水バルブ
10:逆洗ポンプ
11:逆洗配管
12:逆洗バルブ
13:空洗ブロワ
14:空洗配管
15:空洗バルブ
16:下側排水配管
17:下側排水バルブ
18:MF/UF膜ろ過水タンク
19:RO/NF供給配管
20:高圧ポンプ
21:RO/NF膜モジュール
22:RO/NF透過水配管
23:RO/NF濃縮水配管
24:RO/NF膜処理水タンク
25:塩素含有薬液注入装置(塩素注入設備)
26:排水還流配管
27:排水還流バルブ
28:クロラミン濃度計
29:クロラミン濃度測定結果送信ケーブル
30:遊離塩素濃度計
31:遊離塩素濃度測定結果送信ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素含有物質を含む原水を原水タンクに貯留させ、該原水タンクから供給される原水を精密ろ過膜および/または限外ろ過膜でろ過した後、該ろ過によるろ過水を逆浸透膜および/またはナノろ過膜で処理して浄化水を製造する方法において、精密ろ過膜および/または限外ろ過膜を逆流洗浄する際、塩素含有水をろ過水側から供給して逆流洗浄を行った後、塩素を含有しない水をろ過水側から供給して逆流すすぎ洗浄を行い、逆流すすぎ洗浄時における洗浄排水を原水タンクに流入させることを特徴とする浄化水の製造方法。
【請求項2】
逆浸透膜および/またはナノろ過膜を備えたろ過装置へ供給される被処理水にクロラミンが含まれ、そのクロラミン濃度が0.01mg/l以上5mg/l以下であることを特徴とする、請求項1に記載の浄化水の製造方法。
【請求項3】
逆流洗浄時に供給する塩素含有水の塩素濃度を調整することにより、逆浸透膜および/またはナノろ過膜を備えた処理装置へ供給される被処理水中のクロラミン濃度を調整することを特徴とする請求項2に記載の浄化水の製造方法。
【請求項4】
逆流すすぎ洗浄時における洗浄排水中の遊離塩素濃度が0.01mg/l以下に低減されるまで逆流すすぎ洗浄を行なうことを特徴とする、請求項1に記載の浄化水の製造方法。
【請求項5】
窒素含有物質を含む原水を貯留させる原水タンク、原水をろ過処理するための精密ろ過膜および/または限外ろ過膜を備えた前段膜ろ過装置、該前段膜ろ過装置でろ過処理されたろ過水を貯留させるための前段膜ろ過水タンク、該前段膜ろ過タンクから取り出したろ過水を処理するための逆浸透膜および/またはナノろ過膜を備えた後段膜処理装置、前段膜ろ過装置の精密ろ過膜および/または限外ろ過膜を逆流洗浄する時に精密ろ過膜および/または限外ろ過膜のろ過水側に供給する洗浄水に塩素含有薬液を注入させる塩素含有薬液注入装置、及び、前段膜ろ過装置の精密ろ過膜および/または限外ろ過膜を逆流すすぎ洗浄する時にすすぎ洗浄排水を原水タンクに流入させる排水還流配管および排水還流バルブを設けたことを特徴とする浄化水の製造装置。
【請求項6】
前段膜ろ過装置と後段膜処理装置の間の配管にクロラミン濃度を測定することができる機器を設けたことを特徴とする、請求項5に記載の浄化水の製造装置。
【請求項7】
逆流すすぎ洗浄の洗浄排水を原水タンクに流入させる排水還流配管に遊離塩素濃度を測定することができる機器を設けたことを特徴とする、請求項5に記載の浄化水の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−183510(P2008−183510A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19015(P2007−19015)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】