説明

浄化水質生成方法、浄化水質生成システム、これらに用いられる空間形成材

【課題】溶解酸素量が豊富な水をヘドロ全体に供給することでより好気性を発揮して好気性菌によるヘドロ酸化分解を促進し、かつ、その際にヘドロを水中に分散・浮遊させてしまうことをより防止する。
【解決手段】汚泥4と汚泥4中に含まれる水とを固液分離可能な透水性部材たる外郭12で前記汚泥と遮断された空間14を形成する空間形成材10が水底2上であって汚泥4との間に配置される。外郭12で汚泥4中に含まれる水を固液分離して空間14へ透水し、水質を浄化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水質を浄化して浄化水を生成する浄化水質生成方法、浄化水質生成システム、これらに用いられる空間形成材に関する。
【背景技術】
【0002】
産業活動によって生じる種々の汚染物質による水質汚染などが問題となっており、これら汚染物質のより有効的な除去方法が望まれている。
【0003】
水質汚染については、特に有効的な除去方法が望まれている汚染物質がある。その汚染物質としては、川や湖沼、海などの底に堆積または浮遊している汚泥(以下ヘドロともいう)を挙げることができる。ヘドロとは、水底または浮遊している汚濁物質のことで、一般には落葉、落枝、表層土壌の流亡物、工業排水、生活排水および養殖魚の餌などのような汚濁物質が流入または堆積する港湾、湖沼、運河、水路、排水ピット、養魚池および調整池などの主として底部に堆積または浮遊している有機性物質と無機性物質の複雑な混合物であって、黒泥状を呈し、底質、底泥または水底土砂などと呼ばれるもので、港湾、湖沼、運河、水路、養魚池などを汚濁する主要な原因となる物質である。
【0004】
ヘドロを除去や分解して水質を浄化する浄化水質生成方法については従来から様々な報告がされている。その方法の1つとして下記特許文献1に挙げられるような浚渫によりヘドロを汚染水から除去する方法が挙げられる。ヘドロを水中から浚渫により取り除くことで水質を浄化するという方法である。
【0005】
しかし、浚渫された後、ヘドロ自体はその後処分されなければならない。この処分方法としては浚渫した付近の低湿地にそのまま投棄するか、海洋に投棄されることが一般的である。ところが、ヘドロは高有機質で膨軟なため、低地に置いても汚物感があるだけでなく、人が立ち入ると、ぬかるむという問題がある。また、海洋投入処分をすれば海洋を汚染する。埋め立て処分をすることも考えられるが、多くの場合、ヘドロはメタンガス、硫化水素、アンモニアおよびその他の悪臭物質を含有し、埋め立て処分に際し、悪臭や有害ガスの発生により環境破壊問題を引き起こす場合が多い。さらにヘドロを機械的に脱水したり、あるいはセメントまたは消石灰などによる化学的脱水・固化による処理、下記特許文献1のように微生物を添加しても処理する方法も報告されており、これら処理方法を利用することも考えられるが、ヘドロを処理した後の最終処理物の処分地が必要となる。
【0006】
このような処分地を必要としない方法として浚渫されたヘドロを農耕地に還元し、再利用する試みが部分的になされている。しかしながら、ヘドロの処分方法としては問題が多く現実的でない場合が多い。例えば、ヘドロの粒径組成が微細な粘土およびシルトが大部分を占め、単粒状すなわち無構造のため、通気性および透水性が悪いことや、悪臭を伴う還元性物質および有機酸をはじめとする植物生育を阻害する物質も含まれるために、農作物の生育が不良となってしまうことなどを挙げることができる。さらに海中から採取されたヘドロは塩分を当然多量に含むので、そのまま植物培養土に用いれば、植物に対して通常塩害が発生する。また、塩害を防ぐために脱塩・洗浄を行って植物培養土に用いようとしても、有効的な脱塩法や洗浄法は難しく、また脱塩・洗浄を伴う煩雑な処理方法でもある。
【0007】
下記特許文献2には、ヘドロに有機性廃棄物を加え、これを発酵処理し、この際または発酵処理後に団粒化剤により団粒化して植物培養土にすることで優良な植物培養土にする方法が開示されている。
【0008】
ところで下記特許文献1は勿論にして、下記特許文献2についてもヘドロの浚渫作業が定期的に必要となってしまうことには変わりがない。ヘドロの浚渫作業は、それ自体水底に堆積したヘドロを浚渫作業の際に巻き上げ、水中に分散・浮遊させてしまうことになる。したがって、一時的にしろ水質の汚濁を招く場合がある。
【0009】
これに対して、下記特許文献3には、浚渫作業が基本的に不要であるヘドロを好気性菌によって分解して水質を浄化する浄化水質生成方法が開示されている。下記特許文献3には、ヘドロ内の間隙水が極めて好気性菌が生息し難い環境にあることが課題として開示され、ヘドロ中に水浸透性の多孔性素材を投入すると、その多孔性素材に好気性菌が棲み付き易くなり、その好気性菌の棲み付きによってヘドロ中に実質的に好気性菌の生息環境が生まれ、この好気性菌によってヘドロ質の酸化分解反応が促進することが報告されている。この方法によってヘドロ質に過酸化物などを加えて底泥質の酸化を促進しなくても十分に水質環境を良好に持続できることも報告されている。そしてその具体的な方法としてヘドロ内に水浸透可能な平均粒径1〜100mmの粒状多孔質の素材を投入することが報告されている。
【0010】
さらに下記特許文献3にはヘドロ内に埋設した水の内外部への通流が可能な収納材に上記多孔質素材を収納することにより、多孔質素材を分散投入すると好適であることが開示されている。
【0011】
この方法は、水深度のある場所に多孔質素材などを投入する場合、内部への水の通流が可能な収納材(埋設部材)に粒状多孔質素材を充填して、その収納材をヘドロに複数埋設して多孔質素材を分散投入することが説明されている。その具体的方法として収納材自体を中空円筒管の杭として形成し、この杭を完全に埋設せず、上端部が水中又は水面から突き出した状態で設ける方法が説明されている。そして杭構造を利用した方法にあっては酸素の豊富な水が上端部の中空内から通流して、埋設された下端部の多孔質素材間を通過して収納材の通水用孔からヘドロ中に流れ出させる方法であるため、ヘドロに溶解酸素量が豊富な水が供給されることより一層の好気性を発揮し、好気性菌による酸化分解を促進することができることが報告されている。
【0012】
【特許文献1】特開2005−262174号公報
【特許文献2】特開平8−173991号公報
【特許文献3】2005−254139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記特許文献3による通水孔を通じて溶解酸素量が豊富な水をヘドロ内部へ供給する方法は、収納材から通水孔を通じてヘドロ内部からヘドロ上の水中へ向かって水を供給するものである。しかしながらこの方法では、水底に堆積したヘドロ全体に溶解酸素量が豊富な水を供給するには、水底に堆積したヘドロを水の供給の際に水中へ巻き上げてしまうことになる。したがって堆積していたヘドロを水中に分散・浮遊させてしまうことになり、一時的にしろ水質の汚濁を招く場合がある。
【0014】
また、これを防止するために、すなわち、ヘドロを水の供給の際に水中へ巻き上げ、水中に分散・浮遊させることを防止するために溶解酸素量が豊富な水の供給速度を減少させ、穏やかに供給したのでは、通水孔から離れた場所にあるヘドロまで溶解酸素量が豊富な水が供給されにくくなり、ヘドロ全体に好気性を発揮し、好気性菌による酸化分解を促進する効果を得ることが難しくなる場合がある。
【0015】
さらに、通水孔という貫通孔を通じて水を供給するためにヘドロが収納材中に貫通孔を通じて侵入する場合がある。なお、上記特許文献3に記載の収納材は粒状多孔質素材をヘドロ内部まで供給するために供給することを主たる目的としており、溶解酸素量が豊富な水を供給するというのはその付随的な効果とされている。
【0016】
本発明は、上記課題等を解決することに鑑みてなされたものであり、溶解酸素量が豊富な水を水底などに堆積したヘドロ全体に供給することで、例えば、より好気性を発揮し、好気性菌によるヘドロ酸化分解を促進する一方で、堆積したヘドロを溶解酸素量が豊富な水の供給の際に水中へ巻き上げ、水中に分散・浮遊させてしまうことなどをより防止することができる水中に堆積した水質を浄化して浄化水を生成する浄化水質生成方法、浄化水質生成システム、これらに用いる空間形成材の提供をその主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、水質を浄化して浄化水を生成する浄化水質生成方法であって、汚泥と前記汚泥中に含まれる水とを固液分離可能な透水性部材を含み前記汚泥と遮断された空間を形成する空間形成材を水中または汚泥中に配置し、前記透水性部材で前記汚泥と前記汚泥中に含まれる水とを固液分離して前記空間へ透水し、水質を浄化することを特徴とする。
【0018】
前記浄化水質生成方法であって、前記空間形成材は、前記汚泥中に配置されると好適である。
【0019】
前記浄化水質生成方法であって、前記空間形成材として筒状体を用いると好適である。
【0020】
浄化水質生成方法であって、前記空間形成材は、少なくとも一端が開口しており、この開口が水中に接続し、前記空間内が水で満たされて配置されると好適である。
【0021】
前記浄化水質生成方法であって、前記空間形成材は、両端が開口しており、両端の開口ともに水中に接続し、前記空間内が水で満たされて配置されると好適である。
【0022】
前記浄化水質生成方法であって、前記空間形成材を、前記透水性部材が前記汚泥および前記汚泥外の水の重力を受ける方向の位置となるように設置すると好適である。
【0023】
浄化水質生成方法であって、前記空間内を吸引すると好適である。
【0024】
また、本発明は、水質を浄化して浄化水を生成する浄化水質生成システムであって、汚泥と前記汚泥中に含まれる水とを固液分離可能な透水性部材を含み前記汚泥と遮断された空間を形成する空間形成材が水中または汚泥中に配置され、前記透水性部材で前記汚泥と前記汚泥中に含まれる水とを固液分離して前記空間へ透水し、水質を浄化することを特徴とする。
【0025】
前記浄化水質生成システムであって、前記空間形成材は、前記汚泥中に配置されると好適である。
【0026】
前記浄化水質生成システムであって、前記空間形成材として筒状体を用いると好適である。
【0027】
前記浄化水質生成システムであって、前記空間形成材は、少なくとも一端が開口しており、この開口が水中に接続し、前記空間内が水で満たされて配置されると好適である。
【0028】
前記浄化水質生成システムであって、前記空間形成材は、両端が開口しており、両端の開口ともに水中に接続し、前記空間内が水で満たされて配置されると好適である。
【0029】
前記浄化水質生成システムであって、前記空間形成材が、前記透水性部材が前記汚泥および前記汚泥外の水の重力を受ける方向の位置となるように設置されると好適である。
【0030】
前記浄化水質生成システムであって、前記空間内を吸引する吸引装置を備えると好適である。
【0031】
また、本発明は、汚泥と水とを固液分離可能な透水性部材を含み前記汚泥と遮断された空間を形成する空間形成材であって、上記記載の浄化水質生成方法に用いられることを特徴とする。
【0032】
前記空間形成材であって、前記透水性部材は、樹脂と、ロックウールと、ガラス繊維、炭素繊維、及びアルミ繊維から選択される少なくとも1種の無機繊維と、骨材とを含む材質であると好適である。
【0033】
前記空間形成材であって、前記空間形成材の少なくとも一部以上が可撓性部材で形成されてなると好適である。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、溶解酸素量が豊富な水を水底などに堆積したヘドロ全体に供給することで例えば、より好気性を発揮し、好気性菌によるヘドロ酸化分解を促進する一方で、堆積したヘドロを溶解酸素量が豊富な水の供給の際に水中へ巻き上げ、水中に分散・浮遊させてしまうことなどをより防止することができる水中に堆積した水質を浄化して浄化水を生成する浄化水質生成方法、浄化水質生成システム、これらに用いる空間形成材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本実施形態に係る水中に堆積した水質を浄化して浄化水を生成する浄化水質生成方法、浄化水質生成システム、これらに用いる空間形成材について図面を用いて説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではない。図面においては同様の意義のものについて同じ符号を用い、同じ符号についての説明は省略される場合がある。
【0036】
「汚泥内への水の供給方法」
本発明者は、水中に堆積した汚泥(ヘドロ)を分解することで水質を浄化する浄化水質生成方法について検討した。溶解酸素量が豊富な水を水底などに堆積したヘドロ全体に供給することでより好気性を発揮し、好気性菌によるヘドロ酸化分解を促進することができ、一方で、堆積したヘドロを溶解酸素量が豊富な水の供給の際に水中へ巻き上げ、水中に分散・浮遊させてしまうことをより防止することができる方法を鋭意検討した。その結果、汚泥と水とを固液分離可能な透水性部材を含み前記汚泥と遮断された空間を形成する空間形成材を水中または汚泥中に配置し、前記透水性部材で前記汚泥中に含まれる水を固液分離して前記空間へ透水し、水質を浄化する方法を見出すに至った。
【0037】
図1には、本発明の方法により水中に堆積した汚泥を分解することで水質を浄化する原理について説明する原理説明図が示される。図1は、水層6の水底2上にヘドロ4が堆積している態様が示される。水底2とヘドロ4の間には空間形成材10が配置される。空間形成材10は透水性部材から構成される外郭12を有し、外郭12に取り囲まれる構造によって形成される内部の空間14を形成している。ヘドロ4の下に透水性部材から構成される外郭12を隔ててヘドロ4とは遮断された空間14が形成される状態である。ここで遮断されたとは、水を通過させる透水性はあるが、固体であるヘドロを通過させないという固液分離能があることを示す。
【0038】
ヘドロ4には水層6および水層6上の大気圧による圧力がかかり、重力に引かれる方向(単に重力方向とも言う)へ水が押される。この圧力はヘドロ4を伝わり、外郭12に接触するヘドロ4の下端部のヘドロまで伝達される。
【0039】
ヘドロ4の下端部のヘドロは、外郭12によってヘドロ中の水分は空間14へとヘドロと固液分離されて透水する。上部から係る上記圧力によってさらにこの透水は促進される。ヘドロ4の下端部のヘドロが透水されることで元の水分を失ったヘドロ4の下端部のヘドロにはそれに隣接される上部層のヘドロ中から水が供給され、その上部層のヘドロにはさらに隣接されるその上部層のヘドロ中から水が浸潤して供給される。このようにしてヘドロ4中における上部層のヘドロから下部層のヘドロへの水の浸潤しての供給が順次行われることになる。ついには、ヘドロ4の水層6と接触する上端部のヘドロから隣接する下部の水分が減少したヘドロへ水が浸潤され供給されることになる。ヘドロ4の水層6と接触する上端部のヘドロは水分が減少すると水層6からの水が順次浸潤して供給される。このようにしてヘドロ4の水層6と接触する上端部のヘドロは、水層6から供給された水を下部層のヘドロへ送ることができる。上部層のヘドロから下部の水分が不足したヘドロへと水が供給される理由は、一例として一考するにヘドロ内を毛管力に作用および上記圧力による作用などで水が順次下部へ移動するとも考えられる。
【0040】
このようにして空間形成材10による空間形成および透水効果によって順次水層6の水がヘドロ4内を上部層のヘドロから隣接する下部層のヘドロへ浸潤して供給される。そしてついには外郭12によってヘドロとは固液分離されつつ、透水し空間14へ至らされることになる(以下このようにしてヘドロへ水を供給する方法を「本実施形態に係る水の供給方法」ともいう)。水層6の水は、溶解酸素量が豊富な水であり、この溶解酸素量が豊富な水が下部層のヘドロまで全体的に供給されやすくなる。
【0041】
本実施形態に係る水の供給方法を利用すれば、水層6中の溶解酸素量が豊富な水を水底などに堆積したヘドロ全体に供給することでより好気性を発揮し、好気性菌によるヘドロ酸化分解を促進することができる。すなわち、本実施形態に係る水の供給方法では水を通じてそれに溶解する酸素をヘドロ4全体により供給しやすくなるのでヘドロの分解に好適な好気性のバクテリアなどの好気性菌がヘドロ4中全体で繁殖しやすくなる。この好気性のバクテリアなどの好気性菌が繁殖することによりヘドロの分解が促進される。さらに、本実施形態に係る水の供給方法では酸素量が減少した水が空間14へ排出され、溶解酸素量が豊富な水が送られてくるのでバクテリアなどの好気性菌がヘドロ4中全体で繁殖しやすくなる状態を維持することができる。したがって、ヘドロ4の継続的な分解によるヘドロ量の減少または増大の防止を実現することができる。また、水本実施形態に係る水の供給方法を利用すれば、ヘドロ中に埋没していたヘドロ中の水溶成分を、溶かし出すこともでき、溶出によるヘドロ量の減少並びに空間が生じたことによって好気性環境がさらに具備されやすくなるなど水の供給自体によるヘドロの除去効果による水質浄化作用もある。
【0042】
本実施形態に係る水の供給方法を利用すれば、水層6の水をヘドロ4全体に穏やかに循環させることができ、また、ヘドロ4自体も上述説明の圧力によって押圧されているので、ヘドロ除去の際に堆積したヘドロを水中へ巻き上げ、水中に分散・浮遊させてしまうことを有効かつ効率的に防止することができる。なお、本実施形態に係る水の供給方法においては、空間形成材がヘドロ中に設置される場合に限らず、水中に設置される場合であっても適用できる。すなわち、ヘドロが堆積するような場所に本実施形態に係る水の供給方法が実施できる空間形成材を設置しておくことでヘドロの堆積が生じることを防止することができ、ヘドロの堆積が生じたとしても薄層の堆積の段階で好気性菌による分解等によって除去される場合を多くすることができる。
【0043】
「空間形成材」
図2A〜2Eには本実施形態に係る空間形成材10が示される。空間形成材10は透水性部材から構成される外郭12を有し、外郭12に取り囲まれる構造によって形成される内部の空間14を形成している。空間14はヘドロ中に設置された場合、透水性部材から構成される外郭12を隔ててヘドロとは遮断された空間となる。また、図2A〜2Eに係る空間形成材は浄化水を生成する上での使用態様などに応じて一端又は両端が塞がれた構造(矢印A側またはB側、A側およびB側両方とも)とすることができる。
【0044】
図2A〜2Eに示される空間形成材10としては、断面が略円状の略円筒状の形態(パイプ:図2A、図2B、図2D)、断面が略半円状の略半円筒状の形態(ハーフパイプ:図2C)、断面が略多角形(四角形)状の略半多角形(四角形)筒状の形態(図2E)とされている。
【0045】
図2A〜2Eに示される空間形成材10としては、図2Bを除き外郭12は、全体が透水性部材で構成されている。図2Bの外郭12についてはヘドロ中に設置した場合上部となる上部121が透水性部材、ヘドロ中に設置した場合下部となる下部122が不透水性部材で構成されている。
【0046】
図2Dに示される空間形成材10について、外郭12は、紙面左側から左端部12a/
可撓部13a/中央部12b/可撓部13b/右端部12cが連接されて構成されている。可撓部13a、可撓部13bは可撓性部材であり、それ以外は可撓性がない部材である。
【0047】
本実施形態に係る空間形成材は、(1)透水性部材を含みこの透水性部材により汚泥と遮断された空間を形成することができ、(2)空間形成材に接触する汚泥を固液分離して汚泥中に含まれる水を透水性部材から空間へ透水することができるものであればよく特に限られることはない。例えば透水性部材を含むパイプ、ハーフパイプ、一枚の板、板を複数枚組み合わせて空間を形成できるようにしたものなどを挙げることができる。
【0048】
透水性部材とは、固液分離することができるものであればよく特に限られることがない。なお、固液分離とは孔などの貫通孔に比べ固体(ヘドロ)と液体(水)を分離できるもので有れば足りるが、より完全に固体(ヘドロ)と液体(水)を分離できると好適である。なお、「遮断された」とは、ヘドロと空間とを空間形成材に含まれる透水性部材によって遮断していることを意味する。透水性部材としては、特に限られることなく適宜選択して用いることができるが透水性樹脂膜、半透膜、濾過フィルタとなる材などを用いることができる。
【0049】
透水性部材の好適例としては、樹脂と、ロックウールと、ガラス繊維、炭素繊維、及びアルミ繊維から選択される少なくとも1種の無機繊維と、骨材とを含む材質であると好適である。
【0050】
このように樹脂と、ロックウールとを含む複合樹脂構造体であるとロックウールによる増粘作用を含む硬化を得ることができ堅牢な構造体としやすく好適である。さらに樹脂と、ロックウールとに加えてガラス繊維、炭素繊維、及びアルミ繊維から選択される少なくとも1種の無機繊維と、を含むので毛管現象などによる優れた透水性による迅速で効率的な固液分離能などを付与でき、好適である。これらロックウールおよび無機繊維は少なくとも一方が廃棄物であるとリサイクル性の面で好適である。
【0051】
ここで用いられる樹脂は液状合成樹脂であると好適である。液状合成樹脂とは、合成樹脂に溶剤を加えて混合して液体状としたものを意味する。本実施形態に用いられる前記合成樹脂は、熱硬化性のものを主としてもよいが、用途によっては、熱可塑性樹脂に溶剤を加えて液体状として用いてもよい。
【0052】
液状合成樹脂としては、ビニルエステル系、不飽和ポリエステル系、エポキシ系、ウレタン系、熱硬化性アクリル系等を例示することができる。これらは、いずれも、硬化剤と反応することで硬化することが通常であることが多い。合成樹脂の主剤と硬化剤を混合し、これを接着剤として使用したり、骨材等を混合して使用する場合、これらのタイプを二液性と呼ぶ。しかし、この二液性のものとは異なり、予め合成樹脂の主剤と硬化剤とを混合しておき、熱や圧力をかけたり、光を当てたり、あるいは空気に触れることで化学反応を起こして硬化する一液性のタイプもあり、本実施形態では二液性、一液性のいずれも使用することができる。
【0053】
ロックウールは、俗に岩綿と称し、製鉄各社で製造されているものである。一般的に鉄鋼石から鉄分を取り出したあとのスラグに、中間硬度の岩石と軟質の岩石を混合して高温で溶融したものを繊維化したものが、ロックウール(岩綿)である。
【0054】
具体的には、特開2000−038519号公報、特開平11−310719号公報、特開2002−146329号公報、特開平08−020672号公報、特開平07−002565号公報、特開平07−002564号公報、特開平07−002563号公報、特開平07−002562号公報、特開平07−002561号公報、特開平07−002560号公報などに記載される複合樹脂で製造されたパイプなどの複合樹脂構造体を挙げることができる。
【0055】
空間形成材は汚泥と接触するまたは汚泥と将来的に接触するであろう場所少なくとも一箇所以上に透水性部材を含めば足りるのであり、その他の部分が透水性部材であることを要しないが、全体が透水性部材であると製造が容易であるなどの利点がある。
【0056】
透水性部材は、空間形成材の少なくともその一部にあり、透水性部材はヘドロと接触する部位にあればよい。透水性部材は、空間形成材の全体の外郭を形成する部材であると、本実施形態に係る水の供給方法を実施しやすい場合や空間形成材の製造が容易であり好適である場合が多い。
【0057】
空間形成材の形状としては、空間を形成させることができる態様であれば足り特に限られることがないが、筒状体(断面形状にて略円筒状、略円錐筒状、略多角形筒状など)、半筒状体(断面形状にて略半円筒状、略半円錐筒状、略半多角形筒状など)などを挙げることができるが、一枚の板や複数の板をくみあわせた形状であってもよい。筒状体であると設置の際にヘドロの空間内侵入を抑えることができるので好適であることが多い。
【0058】
さらに上記空間形成材の形状としては、少なくとも一端が封止された筒状体であるとヘドロ中に設置される場合にはヘドロの侵入を防止しやすく好適である。さらに封止する封止材も透水性部材であるとこれを利用した透水作用も得ることができるので好適である。
【0059】
空間形成材は、前記透水性部材が前記汚泥および前記汚泥外の水の重力を受ける方向の位置となるように設置すると好適である。水の重力を受ける方向とは、前記透水性部材が重力方向に対して斜めから略垂直である方向であることをいい、最も重力を受けやすい方向である重力方向に対して略垂直方向であることが好適である。
【0060】
空間形成材は、少なくともその一部が可撓性部材で形成されてなると好適である場合が多い。可撓性部材があると水底の形状に応じて配置しやすかったり、使用態様に応じて空間形成材を屈曲させることができたりするので好適であることが多い。可撓性部材としては特に限られることなく選択して採用することができるが、例えば、樹脂材、ゴム材、布類、膜類、金属類などを挙げることもできる。
【0061】
空間形成材によって形成される空間内は、本実施形態に係る水の供給方法を実施できる態様であり、ヘドロが堆積し空間がない場合よりも本実施形態に係る水の供給方法におけるヘドロへの水の浸潤作用を利用できる空間内媒体で満たされていれば足りる。
【0062】
空間には、吸引する機構が備えられると好適である。吸引する機構が備えられると、空間内を吸引して、本実施形態に係る水の供給方法をより促進する意味で空間内媒体を吸引することや、ひいては本実施形態に係る水の供給方法によりヘドロから空間形成材の外郭を透水して形成された空間へ至った水や侵入してしまったヘドロを吸引して空間外へ除去することもでき、好適である。
【0063】
空間内媒体としては、気体、液体、固体に拘わらず適宜選択して決定される。空間内媒体としては、例えば、それぞれ気体、液体、固体を挙げれば空気、水、砂利などを挙げることができる。
【0064】
空間形成材に用いられる可撓性部材としては特に限られることがなく適宜選択して用いることができる。可撓性部材は透水性部材であってもよいが不透水性部材であってもよい。透水性部材、空間形成材全体が可撓性部材であってもよい。
【0065】
「浄化水質生成方法、浄化水質生成システム」
図3A〜図3Kには本実施形態に係る水の供給方法を実施できる本実施形態1〜11に係る浄化水質生成システム101〜111の断面説明図が示される。
【0066】
<実施形態1>
図3Aには、本実施形態1に係る浄化水質生成システム101が示される。浄化水質生成システム101は、パイプ10を主たる構成とし、このパイプ10がヘドロ4中に沈められている状態である。パイプ10の設置の方法は単に沈めればよいが、適宜状況に応じて設置方法を判断すればよい。
【0067】
浄化水質生成システム101は、空間形成材として、A側を透水性部材で封止され、B側が開口された断面が略円筒状の筒状体たる図2Aまたは図2Bに示されるパイプ10を用いている。パイプ10はヘドロ4が堆積していない箇所まで延伸されてB側が開口された状態で設置されている。空間14は、このB側の開口を通じて空間内媒体として水層6で満たされている。
【0068】
パイプ10は水底2にほぼ横たわるように設置される。これにより外郭12(透水性部材)は、その殆どがヘドロ4、ヘドロ4上の水層6の重力を受ける方向の位置となるように設置されている。すなわち、外郭12は円筒形状の外郭であるため屈曲しているがその殆どが重力方向に対して斜めから略垂直である方向に配置されている。
【0069】
このように浄化水質生成システム101は、中部分から左部分にかけての大部分が下から水底2/パイプ10/ヘドロ4/水層6という構成であり、残りの右部分が下から水底2/パイプ10/水層6という構成となっている。
【0070】
次に、浄化水質生成システム101による浄化水質生成方法について説明する。パイプ10の外郭12によりヘドロ4とヘドロ4中の水とを固液分離してヘドロ4中からの水を水層6で満たされた空間14へ導く。これにより本実施形態に係る水の供給を実施することができる。
【0071】
また、空間14内は水層6で満たされておりこの空間14内の水はB側の開口を通じて外部と循環することができる構造となっている。したがって、ヘドロ4中で好気性菌により消費された酸素に乏しい水が空間14に溜まっても水層6中に排出することができる。
【0072】
<実施形態2>
図3Bには、本実施形態2に係る浄化水質生成システム102が示される。浄化水質生成システム102は、ハーフパイプ10を主たる構成とし、このハーフパイプ10がヘドロ4中に沈められている態様である。ハーフパイプ10の設置の方法は単に沈めればよいが、適宜状況に応じて設置方法を判断すればよい。ただしこの場合、ハーフパイプであるためヘドロ4などを空間14内へ巻き込みやすいので静かに沈めることが好適である。巻き込んだ場合は吸引などをして除去してもよい。
【0073】
浄化水質生成システム102は、空間形成材として、A側を透水性部材で封止され、B側が開口された断面形状が半円である略半筒状体たる図2Cに示されるハーフパイプ10を用いている。ハーフパイプ10はヘドロ4が堆積していない箇所まで延伸されてB側が開口された状態で設置されている。空間14は、このB側の開口を通じて空間14内が水層6で満たされている。
【0074】
ハーフパイプ10は水底2にほぼ横たわるように設置される。これにより外郭12(透水性部材)は、その殆どがヘドロ4、ヘドロ4上の水層6の重力を受ける方向の位置となるように設置されている。すなわち、外郭12は円筒形状の外郭であるため屈曲しているがその殆どが重力方向に対して斜めから略垂直である方向に配置されている。
【0075】
このように浄化水質生成システム102は、中央部から左部分にかけての大部分が下から水底2/ハーフパイプ10/ヘドロ4/水層6という構成であり、残りの右部分が水底2/ハーフパイプ10/水層6という構成となっている。
【0076】
次に、浄化水質生成システム102による浄化水質生成方法について説明する。ハーフパイプ10の外郭12によりヘドロ4とヘドロ4中の水とを固液分離して水を水層6で満たされた空間14へ導く。これにより本実施形態に係る水の供給を実施することができる。空間14内は水層6で満たされておりこの空間14内の水はB側の開口を通じて外部と循環することができる構造となっている。したがって、ヘドロ4中で好気性菌により消費された酸素に乏しい水が空間14に溜まっても水層6中に排出することができる。また、水底2に吸収されてもよい。
【0077】
<実施形態3>
図3Cには、本実施形態3に係る浄化水質生成システム103が示される。浄化水質生成システム103は、パイプ10から構成され一部分を残して大部分がヘドロ4中に沈められている。パイプ10の設置の方法は単に沈めればよいが、適宜状況に応じて設置方法を判断すればよい。
【0078】
浄化水質生成システム103は、空間形成材として、図2Dに示されるパイプの一部を用いたパイプ10を用いている。パイプ10は図2Dに示されるパイプのうち中央部12b/可撓部13b/右端部12cから構成され、中央部12bについて透水性部材で中央部12bのA側が封止され、右端部12cについてはB側が開口された断面形状が略円形状の筒状体である。
【0079】
パイプ10は中央部12bと右端部12cとが可撓部13bで屈曲され、略L字状に屈曲した形とされている。なお、本実施形態では便宜上、可撓部13bの可撓性を利用して屈曲された形状としているが、適宜選択された成形方法により略L字状に屈曲した形としてパイプ10を形成すれば可撓性部材を設けなくても同形状のパイプを作成することができる。
【0080】
パイプ10の右端部12cは水底2にほぼ横たわる中央部12bに対して略直立し堆積したヘドロ4を突き抜け、水層6中で開口された状態で設置されている。空間14は、このB側の開口を通じて水層6と連通し、水で満たされている。空間14内に存在する水の循環性などの観点から右端部12cは水層6中で開口されていると好適であるが、状況に応じてさらに延伸されて水層6上の大気中で開口されるようにしてもよい。
【0081】
パイプ10の中央部12bは水底2にほぼ横たわるように設置される。これにより外郭12(透水性部材)は、右端部12cを除けばその殆どがヘドロ4、ヘドロ4上の水層6の重力を受ける方向の位置となるように設置されている。すなわち、外郭12は円筒形状の外郭であるため屈曲しているがその殆どが重力方向に対して斜めから略垂直である方向に配置されている。なお、右端部12cでも固液分離は行われている。
【0082】
このように浄化水質生成システム103は、下から水底2/パイプ10/ヘドロ4/水層6という構成であり、右端部12cが開口して上層部の水層6に突き抜けた構成となっている。
【0083】
次に、浄化水質生成システム103による浄化水質生成方法について説明する。パイプ10の外郭12によりヘドロ4とヘドロ4中の水とを固液分離して水を水層6で満たされた空間14へ導く。これにより本実施形態に係る水の供給を実施することができる。空間14内は水層6で満たされておりこの空間14内の水はB側の開口を通じて外部と循環することができる構造となっている。したがって、ヘドロ4中で好気性菌により消費された酸素に乏しい水が空間14に溜まっても水層6中に排出することができる。
【0084】
<実施形態4>
図3Dには、本実施形態4に係る浄化水質生成システム104が示される。浄化水質生成システム104は、パイプ10の大部分がヘドロ4中に沈められている態様である。パイプ10の設置の方法は単に沈めればよいが、適宜状況に応じて設置方法を判断すればよい。
【0085】
浄化水質生成システム104は、空間形成材として、図2Dに示されるパイプを用いている。パイプ10は左端部12a/可撓部13a/中央部12b/可撓部13b/右端部12cから構成され、A側、B側共に開口された断面が略半円形状の筒状体である。
【0086】
パイプ10は中央部12bと左端部12a、右端部12cとがそれぞれ可撓部13a、可撓部13bで屈曲され、略U字状に屈曲した形とされている。なお、本実施形態では可撓部13a、可撓部13bの可撓性を利用して屈曲された形状としているが成形により略U字状に予め屈曲した形としてパイプ10を形成すれば可撓性部材を設けなくてもよい。
【0087】
パイプ10の左端部12a、右端部12cは、ほぼ横たわる中央部12bに対して直立し、堆積したヘドロ4を突き抜け、水層6中で開口された状態で設置されている。空間14は、この両開口を通じて空間14内が水層6で満たされている。左端部12a、右端部12cは空間14内の水の循環性などの観点から水層6中で開口されていると好適であるが、状況に応じてさらに延伸されて一方がまたは両方が水層6上の大気中で開口されるようにしてもよい。
【0088】
パイプ10の中央部12bは水底2にほぼ横たわるように設置される。これにより外郭12(透水性部材)は、左端部12a、右端部12cを除けばその殆どがヘドロ4、ヘドロ4上の水層6の重力を受ける方向の位置となるように設置されている。すなわち、外郭12は円筒形状の外郭であるため屈曲しているがその殆どが重力方向に対して斜めから略垂直である方向に配置されている。なお、左端部12a、右端部12cで固液分離は行われてもよい。
【0089】
このように浄化水質生成システム104は、下から水底2/パイプ10/ヘドロ4/水層6という構成であり、左端部12a、右端部12cが開口して上層部の水層6に突き抜けた構成となっている。
【0090】
次に、浄化水質生成システム104による浄化水質生成方法について説明する。パイプ10の外郭12によりヘドロ4とヘドロ4中の水とを固液分離して水を水層6で満たされた空間14へ導く。これにより本実施形態に係る水の供給を実施することができる。空間14内は水層6で満たされておりこの空間14内の水は両開口を通じて外部と循環することができる構造となっている。したがって、ヘドロ4中で好気性菌により消費された酸素に乏しい水が空間14に溜まっても水層6中に排出することができる。浄化水質生成システム104では、両端が開口したパイプを用いているので水層6とこの空間14内の水との循環性が向上し、排出された水を空間14外へ排出しやすくなる。
【0091】
<実施形態5>
図3Eには、本実施形態5に係る浄化水質生成システム105が示される。浄化水質生成システム105は、パイプ10から構成され、パイプ10の大部分がヘドロ4中に沈められている態様である。パイプ10の設置の方法は単に沈めればよいが、適宜状況に応じて設置方法を判断すればよい。浄化水質生成システム105は川底の凹凸形状に対応して設置することがきるので設置に好適である。
【0092】
浄化水質生成システム105は、空間形成材として、図2Dに示されるパイプを用いている。すなわち、パイプ10は左端部12a/可撓部13a/中央部12b/可撓部13b/右端部12cから構成され、A側、B側共に開口された断面が略半円形状の筒状体である。
【0093】
パイプ10は中央部12bと左端部12a、右端部12cとがそれぞれ可撓部13a、可撓部13bで屈曲され、水底2の凸型形状により略U字状に屈曲した形とされている。なお、可撓部13a、可撓部13bのみならず左端部12a、中央部12b、右端部12cのいずれかを可撓性部材またはパイプ10の外郭12全体を可撓性部材としてもよい。
【0094】
パイプ10の左端部12a、右端部12cはほぼ横たわる中央部12bに対して水底2の凹凸形状に応じて屈曲し、堆積したヘドロ4を突き抜け、水層6中で開口された状態で設置されている。空間14は、この両開口を通じて空間14内が水層6で満たされている。左端部12a、右端部12cは空間14内の水の循環性などの観点から水層6中で開口されていると好適であるが、状況に応じてさらに延伸されて一方がまたは両方が水層6上の大気中で開口されるようにしてもよい。
【0095】
パイプ10の中央部12bは水底2にほぼ横たわるように設置される。これにより外郭12(透水性部材)は、左端部12a、右端部12cを含みその殆どがヘドロ4、ヘドロ4上の水層6の重力を受ける方向の位置となるように設置されている。すなわち、外郭12は円筒形状の外郭であるため屈曲しているがその殆どが重力方向に対して斜めから略垂直である方向に配置されている。なお、このように浄化水質生成システム105は、下から水底2/パイプ10/ヘドロ4/水層6という構成であり、左端部12a、右端部12cが開口して上層部の水層6に突き抜けた構成となっている。
【0096】
次に、浄化水質生成システム105による浄化水質生成方法について説明する。パイプ10の外郭12によりヘドロ4とヘドロ4中の水とを固液分離して水を水層6で満たされた空間14へ導く。これにより本実施形態に係る水の供給を実施することができる。空間14内は水層6で満たされておりこの空間14内の水は両開口を通じて外部と循環することができる構造となっている。したがって、ヘドロ4中で好気性菌により消費された酸素に乏しい水が空間14に溜まっても水層6中に排出することができる。浄化水質生成システム105では、両端が開口したパイプを用いているので水層6とこの空間14内の水との循環性が向上する。なお、浄化水質生成システム105は可撓性部材によって川底の凹凸形状に柔軟に対応可能であり、この可撓性を利用して他の使用上の便宜性に応じることもできる。
【0097】
<実施形態6>
図3Fには、本実施形態6に係る浄化水質生成システム106が示される。浄化水質生成システム106はパイプ10から構成され、パイプ10がヘドロ4中に沈められている態様である。パイプ10の設置の方法は単に沈めればよいが、適宜状況に応じて設置方法を判断すればよい。
【0098】
浄化水質生成システム106は、空間形成材として、A側とB側ともに開口された筒状体たる図2Aまたは図2Bに示されるパイプ10を用いている。パイプ10はヘドロ4が全くあるいはそれほど堆積していない箇所の水層6と接続される箇所まで延伸されてヘドロ4で完全には塞がれないようにA側とB側ともにB側が開口された状態で設置されている。空間14は、この開口を通じて空間内媒体として水層6で満たされている。
【0099】
パイプ10は水底2にほぼ横たわるように設置される。これにより外郭12(透水性部材)は、その殆どがヘドロ4、ヘドロ4上の水層6の重力を受ける方向の位置となるように設置されている。すなわち、外郭12は円筒形状の外郭であるため屈曲しているがその殆どが重力方向に対して斜めから略垂直である方向に配置されている。
【0100】
このように浄化水質生成システム106は、下から水底2/パイプ10/ヘドロ4/水層6という構成となっている。
【0101】
次に、浄化水質生成システム106による浄化水質生成方法について説明する。パイプ10の外郭12によりヘドロ4とヘドロ4中の水とを固液分離して水を水層6で満たされた空間14へ導く。これにより本実施形態に係る水の供給を実施することができる。空間14内は水層6で満たされておりこの空間14内の水は両側の開口を通じて外部と循環することができる構造となっている。したがって、ヘドロ4中で好気性菌により消費された酸素に乏しい水が空間14に溜まっても水層6中に排出することができる。また、浄化水質生成システム106では、両端が開口したパイプを用いているので水層6とこの空間14内の水との循環性が向上し、空間14内の水の排出性も向上する。
【0102】
<実施形態7>
図3Gには、本実施形態7に係る浄化水質生成システム107が示される。浄化水質生成システム107は、パイプ10と吸引装置20とから構成される。パイプ10はヘドロ4中に沈められておりこれに吸引装置20が接続されている。パイプ10、吸引装置20の設置の方法は単に沈めたりすればよいが、適宜状況に応じて設置方法を判断すればよい。吸引装置20は、空間14内の空間内を吸引する吸引管22と吸引動力源なるポンプ24、および吸引された空間内媒体や水などの吸引物を水層6へ排出する排出管26とから主に構成されている。
【0103】
浄化水質生成システム107は、空間形成材として、A側とB側ともに封止され、密閉された断面が略半円形状の筒状体たる図2Aまたは図2Bに示されるパイプ10を用いている。この密閉されたパイプには吸引管22が接続され、吸引装置20によって内部の空間内媒体を吸引することができる構造である。
【0104】
空間14は、空間内媒体として投入当初は大気などで満たされているが、適宜状況に応じて水など他の媒体で満たしてもよい。
【0105】
パイプ10は水底2にほぼ横たわるように設置される。これにより外郭12(透水性部材)は、その殆どがヘドロ4、ヘドロ4上の水層6の重力を受ける方向の位置となるように設置されている。すなわち、外郭12は円筒形状の外郭であるため屈曲しているがその殆どが重力方向に対して斜めから略垂直である方向に配置されている。
【0106】
このように浄化水質生成システム107は、下から水底2/パイプ10/ヘドロ4/水層6という構成となっており、これに吸引装置20が接続されている構成である。
【0107】
次に、浄化水質生成システム107による浄化水質生成方法について説明する。パイプ10の外郭12の上面部によりヘドロ4とヘドロ4中の水とを固液分離して水を水層6で満たされた空間14へ導く。この際に吸引装置20により空間14内を吸引して負圧化し、固液分離を促進させる。これにより本実施形態に係る水の供給を実施することができる。本実施形態7では吸引装置20により空間14内が吸引されるので封止された横方向からの固液分離による透水作用も促進されることになる。透水された水は吸引装置20によって吸引され、排出管26によって水層6へと戻されてもよく、処理されてもよい。
【0108】
<実施形態8>
図3Hには、本実施形態8に係る浄化水質生成システム108が示される。浄化水質生成システム108は、ハーフパイプ10と吸引装置20とから構成される。ハーフパイプ10はヘドロ4中に沈められ、これに吸引装置20が接続された構成である。パイプ10、吸引装置20の設置の方法は単に沈めたりすればよいが、適宜状況に応じて設置方法を判断すればよい。吸引装置20は、空間14内の空間内を吸引する吸引管22と吸引動力源なるポンプ24、および吸引された空間内媒体や水などの吸引物を水層6へ排出する排出管26とから主に構成されている。
【0109】
浄化水質生成システム108は、空間形成材として、A側とB側ともに封止され、密閉された筒状体たる図2Cに示されるハーフパイプ10を用いている。この密閉されたパイプには吸引管22が接続され、吸引装置20によって内部の空間内媒体を吸引することができる構造である。
【0110】
空間14は、空間内媒体として投入当初は通常大気などで満たされている。ヘドロ4が混入する場合があるが吸引装置20によって吸引して処理することができる。
【0111】
ハーフパイプ10は水底2にほぼ横たわるように設置される。これにより外郭12(透水性部材)は、その殆どがヘドロ4、ヘドロ4上の水層6の重力を受ける方向の位置となるように設置されている。すなわち、外郭12は円筒形状の外郭であるため屈曲しているがその殆どが重力方向に対して斜めから略垂直である方向に配置されている。
【0112】
このように浄化水質生成システム108は、下から水底2/ハーフパイプ10/ヘドロ4/水層6という構成となっており、これに吸引装置20が接続されている構成である。
【0113】
次に、浄化水質生成システム108による浄化水質生成方法について説明する。パイプ10の外郭12の上面部によりヘドロ4とヘドロ4中の水とを固液分離して水を水層6で満たされた空間14へ導く。この際に吸引装置20により空間14内を吸引して負圧化し、固液分離を促進させる。これにより本実施形態に係る水の供給を実施することができる。本実施形態7では吸引装置20により空間14内が吸引されるので封止された横方向からの固液分離による透水作用も促進されることになる。透水された水は吸引装置20によって吸引され、排出管26によって水層6へと戻されてもよく、処理されても、水底2に吸収されてもよい。
【0114】
<実施形態9>
図3Iには、本実施形態9に係る浄化水質生成システム109が示される。浄化水質生成システム109は、パイプ10がヘドロ4中に沈められている態様であり、水底2までヘドロ4の下層部が硬直化していることなどにより沈めることができずヘドロ4中に全体が囲まれた構成となっている。
【0115】
浄化水質生成システム109は、空間形成材として、A側とB側ともに封止され、密閉された断面が略円形状の筒状体たる図2Aまたは図2Bに示されるパイプ10を用いている。空間14における空間内媒体として投入当初は大気などで満たされているが、適宜状況に応じて水など他の媒体で満たしてもよい。
【0116】
パイプ10はヘドロ4中にほぼ横たわるように設置される。これにより外郭12(透水性部材)は、その殆どがヘドロ4、ヘドロ4上の水層6の重力を受ける方向の位置となるように設置されている。すなわち、外郭12は円筒形状の外郭であるため屈曲しているがその殆どが重力方向に対して斜めから略垂直である方向に配置されている。ただし、下層部のヘドロの硬直化のばらつきなどにより、パイプ10は傾けられ、斜め方向とされることもある。
【0117】
このように浄化水質生成システム109は、下から水底2/ヘドロ4/パイプ10/ヘドロ4/水層6という構成となっている。
【0118】
次に、浄化水質生成システム109による浄化水質生成方法について説明する。パイプ10の外郭12の全体(封止面部、上面部、側面部、下面部、)によりヘドロ4とヘドロ4中の水とを固液分離して水を水層6で満たされた空間14へ導く。これにより本実施形態に係る水の供給を実施することができる。封止されたパイプ10は一定期間経過後、回収し、空間内から水を除去するか、別の封止されたパイプ10を投入してもよい。
【0119】
<実施形態10>
図3Jには、本実施形態10に係る浄化水質生成システム110が示される。浄化水質生成システム110は、パイプ10と吸引装置20とから構成される。パイプ10は水底2に対して垂直に水層6、ヘドロ4を貫通して立てられている。パイプ10の設置の方法は適宜状況に応じて設置方法を判断すればよい。吸引装置20は、空間14内の空間内を吸引する吸引管22と吸引動力源なるポンプ24、および吸引された空間内媒体や水などの吸引物を水層6へ排出する排出管26とから主に構成されている。
【0120】
浄化水質生成システム110は、空間形成材として、A側とB側ともに開口されているが、どちらかが水底2で封止される断面が略円形状の筒状体たる図2Aに示されるパイプ10を用いている。パイプ10には吸引管22がその水底部まで延伸されており、吸引装置20によって空間14内部の空間内媒体および透水してきた水を吸引することができる構造である。
【0121】
空間14は、空間内媒体として投入当初は大気などで満たされているが、適宜状況に応じて水など他の媒体で満たしてもよい。
【0122】
このように浄化水質生成システム110は、水底2に対してパイプ10が垂直に直立し、その周囲をヘドロ4およびヘドロ4上の水層6が取り囲む構成となっており、その内部であって水底2近傍まで吸引管22が伸び、これに吸引装置20が接続されている構成である。
【0123】
次に、浄化水質生成システム110による浄化水質生成方法について説明する。パイプ10の外郭12の側面部によりヘドロ4とヘドロ4中の水とを固液分離して水を水層6で満たされた空間14へ導く。これにより本実施形態に係る水の供給を実施することができる。なお本実施形態10では吸引装置20を設けており、これにより空間14内が吸引されるので透水された水は吸引装置20によって吸引される。吸引された水は排出管26によって水層6へと戻されてもよく、処理されてもよく、水底2に吸収されてもよい。
【0124】
<実施形態11>
図3Kには、本実施形態11に係る浄化水質生成システム111が示される。浄化水質生成システム111は、パイプ10から構成される。パイプ10は、ヘドロが現時点では堆積していないが、将来的にヘドロが堆積するおそれがある水層6中に沈められている。パイプ10の設置の方法は単に沈めればよいが、適宜状況に応じて設置方法を判断すればよい。
【0125】
浄化水質生成システム111は、空間形成材として、A側とB側ともに開口された断面が略円形状の筒状体たる図2Aまたは図2Bに示されるパイプ10を用いている。空間14は、開口を通じて空間内媒体として水層6で満たされている。
【0126】
パイプ10は水底2にほぼ横たわるように設置される。これにより外郭12(透水性部材)は、その殆どが水層6の重力を受ける方向の位置となるように設置されている。すなわち、外郭12は円筒形状の外郭であるため屈曲しているがその殆どが重力方向に対して斜めから略垂直である方向に配置されている。
【0127】
このように浄化水質生成システム111は下から水底2/パイプ10/水層6という構成となっている。
【0128】
次に、浄化水質生成システム111による浄化水質生成方法について説明する。パイプ10の外郭12表面にヘドロの薄層ができた場合、このヘドロとヘドロ中の水とを固液分離して水を水層6で満たされた空間14へ導く。これにより本実施形態に係る水の供給を実施することができる。空間14内は水層6で満たされておりこの空間14内の水は両側の開口を通じて外部と循環することができる構造となっている。したがって、ヘドロ4中で好気性菌により消費された酸素に乏しい水が空間14に溜まっても水層6中に排出することができる。浄化水質生成システム111では、両端が開口したパイプを用いているので水層6とこの空間14内の水との循環性が向上し、排出性も向上する。また、ヘドロが薄層の内に除去を促進するので、ヘドロが堆積することを予め防止することができる。
【0129】
以上述べてきた本実施形態に係る浄化水質生成方法を用いると、溶解酸素量が豊富な水を水底などに堆積したヘドロ全体に供給することで、例えば、より好気性を発揮し、好気性菌によるヘドロ酸化分解を促進する一方で、堆積したヘドロを溶解酸素量が豊富な水の供給の際に水中へ巻き上げ、水中に分散・浮遊させてしまうことなどをより防止することができる水中に堆積した水質を浄化して浄化水を生成する浄化水質生成方法、浄化水質生成システム、これらに用いる空間形成材を提供することができる。
【0130】
なお、本実施形態と他の汚泥の除去方法、汚泥の分解方法、汚泥の形成方法は組み合わせられて用いることもできる。例えば、ヘドロの種類を分析し、これを分解しやすい好気性菌を人工的にヘドロ中へ投入して本実施形態に係る水の供給による好気性菌によるヘドロ酸化分解をより促進させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本実施形態に係る汚泥内への水の供給を説明する模式図である。
【図2A】本実施形態に係る空間形成材を示す斜視図である。
【図2B】本実施形態に係る空間形成材を示す斜視図である。
【図2C】本実施形態に係る空間形成材を示す斜視図である。
【図2D】本実施形態に係る空間形成材を示す斜視図である。
【図2E】本実施形態に係る空間形成材を示す斜視図である。
【図3A】本実施形態に係る浄化水質生成システムを示す断面説明図である。
【図3B】本実施形態に係る浄化水質生成システムを示す断面説明図である。
【図3C】本実施形態に係る浄化水質生成システムを示す断面説明図である。
【図3D】本実施形態に係る浄化水質生成システムを示す断面説明図である。
【図3E】本実施形態に係る浄化水質生成システムを示す断面説明図である。
【図3F】本実施形態に係る浄化水質生成システムを示す断面説明図である。
【図3G】本実施形態に係る浄化水質生成システムを示す断面説明図である。
【図3H】本実施形態に係る浄化水質生成システムを示す断面説明図である。
【図3I】本実施形態に係る浄化水質生成システムを示す断面説明図である。
【図3J】本実施形態に係る浄化水質生成システムを示す断面説明図である。
【図3K】本実施形態に係る浄化水質生成システムを示す断面説明図である。
【符号の説明】
【0132】
2 水底、4 汚泥(ヘドロ)、6 水層、10 空間形成材、20 吸引装置、101〜111 浄化水質生成システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水質を浄化して浄化水を生成する浄化水質生成方法であって、
汚泥と前記汚泥中に含まれる水とを固液分離可能な透水性部材を含み前記汚泥と遮断された空間を形成する空間形成材を水中または汚泥中に配置し、
前記透水性部材で前記汚泥と前記汚泥中に含まれる水とを固液分離して前記空間へ透水し、水質を浄化する浄化水質生成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の浄化水質生成方法であって、
前記空間形成材は、前記汚泥中に配置される浄化水質生成方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の浄化水質生成方法であって、
前記空間形成材として筒状体を用いる浄化水質生成方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の浄化水質生成方法であって、
前記空間形成材は、少なくとも一端が開口しており、この開口が水中に接続し、前記空間内が水で満たされて配置される浄化水質生成方法。
【請求項5】
請求項4に記載の浄化水質生成方法であって、
前記空間形成材は、両端が開口しており、両端の開口ともに水中に接続し、前記空間内が水で満たされて配置される浄化水質生成方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の浄化水質生成方法であって、
前記空間形成材を、前記透水性部材が前記汚泥および前記汚泥外の水の重力を受ける方向の位置となるように設置する浄化水質生成方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の浄化水質生成方法であって、
前記空間内を吸引する浄化水質生成方法。
【請求項8】
水質を浄化して浄化水を生成する浄化水質生成システムであって、
汚泥と前記汚泥中に含まれる水とを固液分離可能な透水性部材を含み前記汚泥と遮断された空間を形成する空間形成材が水中または汚泥中に配置され、
前記透水性部材で前記汚泥と前記汚泥中に含まれる水とを固液分離して前記空間へ透水し、水質を浄化する浄化水質生成システム。
【請求項9】
請求項8に記載の浄化水質生成システムであって、
前記空間形成材は、前記汚泥中に配置される浄化水質生成システム。
【請求項10】
請求項8または9に記載の浄化水質生成システムであって、
前記空間形成材として筒状体を用いる浄化水質生成システム。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか1つに記載の浄化水質生成システムであって、
前記空間形成材は、少なくとも一端が開口しており、この開口が水中に接続し、前記空間内が水で満たされて配置される浄化水質生成システム。
【請求項12】
請求項11に記載の浄化水質生成システムであって、
前記空間形成材は、両端が開口しており、両端の開口ともに水中に接続し、前記空間内が水で満たされて配置される浄化水質生成システム。
【請求項13】
請求項8から12のいずれか1つに記載の浄化水質生成システムであって、
前記空間形成材が、前記透水性部材が前記汚泥および前記汚泥外の水の重力を受ける方向の位置となるように設置される浄化水質生成システム。
【請求項14】
請求項8から13のいずれか1つに記載の浄化水質生成システムであって、
前記空間内を吸引する吸引装置を備える浄化水質生成システム。
【請求項15】
汚泥と水とを固液分離可能な透水性部材を含み前記汚泥と遮断された空間を形成する空間形成材であって、請求項1〜7のいずれか1つに記載の浄化水質生成方法に用いられる空間形成材。
【請求項16】
請求項15に記載の空間形成材であって、
前記透水性部材は、樹脂と、ロックウールと、ガラス繊維、炭素繊維、及びアルミ繊維から選択される少なくとも1種の無機繊維と、骨材とを含む材質である空間形成材。
【請求項17】
請求項15または16に記載の空間形成材であって、
前記空間形成材の少なくとも一部以上が可撓性部材で形成されてなる空間形成材。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図3E】
image rotate

【図3F】
image rotate

【図3G】
image rotate

【図3H】
image rotate

【図3I】
image rotate

【図3J】
image rotate

【図3K】
image rotate


【公開番号】特開2008−36501(P2008−36501A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−212553(P2006−212553)
【出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(500395772)
【Fターム(参考)】