説明

浄水フィルタ及び浄水フィルタ用自立性筒状中空体の製造方法

【課題】 外周面に多数の原水流入用開口をもつ合成樹脂の円筒ケースに活性炭が収納された形態では、この開口によって通水抵抗が大きく浄水の取り出し水量が減少し、開口をフィルタで覆えば活性炭収納容積が減少し浄化効果が低下するため、小型化に制限がある。この改良として繊維状活性炭を採用すれば、空隙が多くて不純物吸着性能が低く、筒状成形体とすれば、活性炭の溶着用バインダー等の量により十分な量の活性炭の充填とはならず、不純物吸着性能が低くなる。本発明は、新規な浄水フィルタを提供する。
【解決手段】 薄い不織布を平滑な外面を有する金属棒に複数回巻きつけ不織布の繊維状部同士の当接部が溶着し金属棒との当接面が平滑面をなす状態に加熱し、形成された不織布の筒状体から金属棒を抜き、浄水フィルタ用の自立性筒状中空体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状中空体内に活性炭を収納し、外側からこの筒状中空体の筒状壁を通過した流水が前記活性炭で浄化される浄水フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
水浄化カートリッジへ原水を供給する原水供給室と、水浄化カートリッジで浄化した浄水を受け入れる浄水流入室を横並び同一面に設けた水浄化カートリッジ内蔵タイプの水栓の改良として発明された浄水器付き水栓がある。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1の浄水器付き水栓は、円筒形状の水浄化カートリッジを縦長の水栓本体内に収納し、水栓本体の下端部に原水の流入部を設け、水栓本体の上端部にて蓋材を介して吐出管が取り付けられ、水浄化カートリッジの下方に手動式開閉弁が組み込まれ、蓋材の開閉によって水浄化カートリッジを交換可能に構成している。これによって、幅および奥行き寸法が小さく、縦長形状の構成できるため、台所カウンタなどを有効に活用できる面積を大きくでき、清掃性に優れ、水栓本体内の通水路の構成が簡単になるため製造費用が安価となり、水浄化カートリッジの交換が簡単になる効果を提唱している。
【特許文献1】特開2004−263504号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1において、水栓に内蔵された水浄化カートリッジは、外周面に多数の原水流入用開口が形成されたプラスチックスの円筒形状ケース内に、活性炭が収納された形態である。このような水浄化カートリッジでは、原水が流入するのは前記原水流入用開口からのみであるため、この開口によって通水抵抗が大きくなり、取り出される浄水の水量が減少する。この通水抵抗を減少されるべく原水流入用開口を大きくしても限度があり、この原水流入用開口から活性炭が流出しないように、この原水流入用開口の内面を細かい目の網や微細通水路を形成した不織布のフィルタで覆えば、その厚さ分に相当して活性炭充填量が減少して浄化効果が低下する。また、この原水流入用開口の外面を細かい目の網や微細通水路を形成した不織布フィルタで覆えば、実質的に円筒形状ケースの外径が大きくなり、水栓に水浄化カートリッジを内蔵できなくなるため、水栓に内蔵可能な寸法に円筒形状ケースの外径を小さくすれば、それに相当して活性炭充填量が減少して浄化効果が低下する。このように、従来の形態では小型化に対して制限がある。
【0005】
また、水浄化カートリジを水栓に内蔵するために、水浄化カートリッジを小型化した結果、活性炭量が減少して浄化効果が低下することは問題であるため、これに対処するために、繊維状や筒状成形体の活性炭を採用した場合、繊維状のものは、空隙が多くて単位体積当りの不純物吸着性能が低くなる。また、筒状成形体とする場合は、活性炭の溶着用バインダー等の量により十分な量の活性炭の充填とはならず、そのために、不純物吸着性能が低くなる。
【0006】
本発明は、このような点に鑑み、筒状中空体内に活性炭を収納し、外側からこの筒状中空体の筒状壁を通過した流水が前記活性炭で浄化される浄水フィルタとして、活性炭充填部分の構成を特別な形態とすることによって、小型化に適した構成でもって、活性炭層に流入する原水の量を多くでき、浄化効果に優れると共に多くの量の浄水を取り出せるようにする。また、活性炭を筒状体内に詰め易い形態として、活性炭充填量を十分とることによって、活性炭での浄化効果に優れたものとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明は、スパンボンド方法等にて作られた所定の幅と長さをもったオレフィン系等の薄い不織布を、平滑な外面を有する金属棒(中空パイプ、又は単なる棒の形態のいずれも含む)に複数回巻きつけたものを加熱炉に入れて前記不織布を半溶融状態に加熱してその不織布の繊維状部同士の当接部を溶着させると共に前記金属棒との当接面に平滑面を形成した後、冷却し形成された不織布の筒状体から前記金属棒を抜くことによって球状微粒子の活性炭を収納する浄水フィルタ用自立性筒状中空体の製造方法である。
【0008】
第2発明は、スパンボンド方法等にて作られた所定の幅と長さをもったオレフィン系等の薄い不織布を、平滑な外面を有する金属棒(中空パイプ、又は単なる棒の形態のいずれも含む)に複数回巻きつけたものを加熱炉に入れて前記不織布を半溶融状態に加熱してその不織布の繊維状部同士の当接部を溶着させると共に前記金属棒との当接面に平滑面を形成した後、冷却し形成された不織布の筒状体から前記金属棒を抜くことによって自立性筒状中空体を製造し、この筒状中空体と同様の方法によってこの筒状中空体よりも小径の自立性の内筒体を製造し、前記筒状中空体内に前記内筒体を配置して前記筒状中空体と前記内筒体との間の環状空間に球状微粒子の活性炭を充填して活性炭層を形成することを特徴とする浄水フィルタの製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
第1の発明に関して、従来のように、プラスチックスの筒状ケースの周囲壁に形成した多数の開口をフィルタで塞いだ活性炭収納形態では、この開口によって通水抵抗が大きくなり浄水の取り出し流量も制限され、また筒状ケースの小型化によって活性炭充填量が減少して浄化効果が減少するが、本発明では、浄水フィルタの活性炭を収納する活性炭収納部が、通水性不織布自体で立った状態を維持するように形成された筒状中空体によって形成されるため、それ自体が活性炭を収納する容器であり、その周囲全体から水が通過できるため、豊富な水量によって浄化効果が向上する。
【0010】
また本発明では、通水性不織布の筒状体そのものが活性炭を収納する容器であるため、同じ外径の上記従来形態のものに比して活性炭収納量を多くできることとなり、小型化を図ることに適するものとなる。更に、活性層を取り巻く筒状体が通水性不織布の自立性筒状体であると共に、活性層が球状微粒子の活性炭の充填にて形成されるため、繊維状活性炭をバインダーで固めて自立性筒状に形成する場合に比して、活性層がかなりの小径となるため、実施例のように、下部が水栓設置面である流し台の上壁等の下方に潜る状態で水栓に適用される小型の浄水フィルタに適したものとなる。
【0011】
第2の発明では、第1の発明の効果に加えて、活性炭は、それぞれ通水性不織布自体で立った状態を維持するように形成された筒状中空体とその内側の内筒体との筒状空間に収納されるため、浄水カートリッジ収納部に流入した水が筒状中空体の筒状壁の周囲から略均等に活性炭へ向けて流入して内筒体の筒状壁を通過する。このように、筒状空間の長さ方向全体から活性炭層へ水が流入し、活性炭で浄化された水は、内筒体の筒状壁をそのまま通過して内筒体内を流れて中空糸膜を通過するようになる。このため、活性炭層での浄化効果が向上すると共に、内筒体が中空糸膜へ導く水の通路を形成するため、浄水カートリッジ内の水の流れを整える構成に優れ、好ましい浄化効果が得られるものとなり、第1の発明の効果同様に小型化に適したものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、スパンボンド方法等にて作られた所定の幅と長さをもったオレフィン系等の薄い不織布を、平滑な外面を有する金属棒(中空パイプ、又は単なる棒の形態のいずれも含む)に複数回巻きつけたものを加熱炉に入れて前記不織布を半溶融状態に加熱してその不織布の繊維状部同士の当接部を溶着させると共に前記金属棒との当接面に平滑面を形成した後、冷却し形成された不織布の筒状体から前記金属棒を抜くことによって球状微粒子の活性炭を収納する浄水フィルタ用自立性筒状中空体の製造方法であり、以下に本発明の実施形態を具体的に記載する。
【実施例1】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について説明する。各図は本発明の実施形態を示しており、図1は発明に係る浄水フィルタを備えた浄水カートリッジの内部構成を半断面で示す全体図、図2は浄水カートリッジの中空糸膜収納部の筒状本体部の断面図、図3は中空糸膜収納部の筒状本体部の上側面図、図4は中空糸膜収納部の筒状本体部の下側面図、図5は浄水カートリッジの中空糸膜収納部のカバー部の断面図、図6は中空糸膜収納部のカバー部の上側面図、図7は中空糸膜収納部のカバー部の下側面図、図8は本発明に係る浄水フィルタの断面図、図9は本発明に係る浄水フィルタの活性炭収納部を形成する通水性不織布の筒状中空体の断面図、図10は図9の筒状中空体の一端部に嵌るシール材の側面図、図11は図10のシール材の上面図、図12は図10のシール材の下面図、図13は図9の筒状体内に配置される通水性不織布の内筒体の断面図、図14は図13の内筒体の一端部に嵌る支持部材の側面図、図15は図14の支持部材の上面図、図16は図14の支持部材の下面図、図17は図9の筒状中空体の他端側に嵌るシール材の側面図、図18は図17のシール材の上面図、図19は図17のシール材の下面図、図20は図13の内筒体の一端底部に図14の支持部材を結合し上端部に図10のシール材を結合した内筒の組み立て体の斜視図、図21は図9の筒状中空体内に図20の内筒の組み立て体を結合して形成した筒状組み立て体の底部を上面とした斜視図、図22は筒状組み立て体の一端開口部の平面図、図23は筒状組み立て体の活性炭充填部内に活性炭を充填した状態の断面図、図24は図23の活性炭を入れた筒状組み立て体の他端側に図17のシール材を結合して完成した浄水フィルタの断面図、図25は金属棒と通水性不織布の斜視図、図26は金属棒に通水性不織布を巻回し始め状態の斜視図、図27は金属棒に通水性不織布を巻回する途中状態の斜視図、図28は金属棒に通水性不織布を巻回し終わって切断した状態の斜視図、図29は金属棒に巻回した通水性不織布の端部をテープ止めした状態の斜視図、図30は加熱にて形成された不織布の剛性筒体から金属棒を抜き取る状態の斜視図、図31は不織布の剛性筒体の長さを整える作業を示す斜視図、図32は加熱によって繊維状部分が溶着した状態を説明する不織布の拡大図、図33は加熱によって金属棒と当接する繊維状部分に平滑面が形成された状態を説明する不織布の拡大図、図34は本発明に係る浄水フィルタを備えた浄水カートリッジを流し台に備えた状態を説明する正面図、図35は本発明に係る浄水フィルタを備えた浄水カートリッジを流し台に備えた状態を説明する縦断側面図である。
【0014】
本発明は、活性炭を収納した浄水フィルタ7Aを備えた浄水カートリッジ7を内蔵し、この浄水カートリッジ7を通過した浄水を取り出す水栓1を、台所の棚部分や調理台や流し台などの水栓取付け部2に取り付ける形態の浄水装置として、内蔵される浄水カートリッジ7の小型化に適し、豊富な浄水が取り出し可能な新規な浄水フィルタ7Aを提供する。これによって、この水栓取付け部2からの上方への突出高さが低くでき、更に、浄水カートリッジ7の交換がし易い浄水装置を提供することができるものとなる。以下、本発明の浄水フィルタ7Aを備えた浄水装置を流し台5に適用した一つの実施例を図に基づき説明することとする。
【0015】
本発明に係る浄水フィルタ7A(活性炭収納フィルタ7Aともいう)を備えた浄水装置は、図34及び図35に示すように、水栓取付け部2である流し台5の上壁(又は天板ともいう)6に上方へ突出状態に水栓1が取り付けられている。水栓1は、浄水カートリッジ7を内蔵した水栓本体11と、水栓本体11に取り付けられて浄水カートリッジ7を通過した浄水を吐水口21から吐出する吐水部材10を備えている。吐水部材10は、水栓本体11にナット部材26によって左右に自由回動可能に取り付けられている。水栓本体11には、水栓取付け部2の壁である流し台5の上壁6を貫通した状態に浄水カートリッジ7が収納され、浄水カートリッジ7は上壁6の上方から着脱可能に水栓本体11に保持された状態である。なお、浄水カートリッジ7へ供給される上水道水の給水路3は、電磁弁4によって開閉される仕組みであり、この電磁弁4の制御操作部25が水栓1の適所に設けられている。図示の形態では、制御操作部25が吐水部材10の先端部において、上面から操作可能な状態に設けられている。
【0016】
これを更に詳述することとする。流し台5は、ステンレススチール等の平板をプレス加工等によって、上壁(又は天板ともいう)6と一体にシンク15を形成している。シンク15には奥側に排水口が形成されている。シンク15は前記排水口の左右の部分が手前側に張り出しており、この張り出しによって形成されたシンク15近傍の上壁6には、水栓1の取付け孔12と後述の原水用給水栓35の取付け孔34が形成されている。この取付け孔12を利用して、水栓本体11が、この取付け孔12を貫通状態に取付けナット13によって上壁6に固定されている。水栓本体11は、円筒状の浄水カートリッジ7を縦長に収納する円筒状の浄水カートリッジ収納部16を備え、この浄水カートリッジ収納部16の下部には水の入口部17が設けられ、浄水カートリッジ7を通過した水の出口部18が、浄水カートリッジ収納部16の上部に円周方向に長く形成されている。
【0017】
浄水カートリッジとして、原水が粒状等の活性炭が収納された部分を通った後、中空糸膜が収納された部分を通って浄化されるものは公知であり、その構造は種々ある。本発明の浄水カートリッジ7も、上水道水である原水が活性炭7Pを通った後、中空糸膜7Qを通って浄化される構造であるが、特定の構成をなすものである。
【0018】
本発明に係る浄水装置の一つの形態は、水栓取付け部2の壁、即ち流し台5の上壁6に水栓1が配置され、水栓本体11には、水栓取付け部2である流し台5の上壁6の上方と下方に渡って、浄水カートリッジ7が上下方向に配置された状態である。また浄水カートリッジ7は、上壁6の上方から着脱可能に水栓本体11に保持され、交換し易い形態である。このような形態に適した浄水カートリッジ7を提供するために、浄水カートリッジ7は、直径の小さい円筒状小径下部を形成する活性炭7Pを収納する浄水フィルタ7Aと、その上方に円筒状大径上部を構成する中空糸膜7Qの収納部7Bとを形成した縦長形状であり、円筒状小径下部である浄水フィルタ7Aの上端部と、円筒状大径上部である中空糸膜7Qの収納部7Bの下端部が結合されている。
【0019】
第1発明に係る浄水フィルタ7Aを備えた浄水カートリッジ7の具体的な構成を以下に説明する。水栓1に縦長形状の浄水カートリッジ7が縦長に収納されるように、浄水カートリッジ収納部16が水栓本体11に形成されている。浄水カートリッジ7は、活性炭7Pを収納する筒状の浄水フィルタ7Aと、その上方に中空糸膜7Qを収納する筒状の中空糸膜収納部7Bを形成し、浄水フィルタ7Aは合成樹脂製の通水性不織布自体で立った状態を維持するように形成された自立性の筒状中空体7H内に活性炭7Pが収納された形態であり、浄化のために浄水カートリッジ収納部16へ流入した原水は、筒状中空体7Hの筒状壁を通過し、活性炭7Pで浄化され、次いで中空糸膜7Qを順次通過して水栓1から浄水が取り出される構成である。
【0020】
次に、第2発明に係る浄水フィルタ7Aを備えた浄水カートリッジ7の具体的な構成を以下に説明する。第1発明は、筒状中空体7H内の空間に活性炭7Pを充填する基本形態を示しているが、第2発明は、第1発明の筒状中空体7H内に自立性の内筒体7Gを配置して、この筒状中空体7Hと内筒体7Gとの間に形成される筒状空間を活性炭充填空間80とする形態である。このため、第2発明は第1発明を基礎的構成としたものである。
【0021】
具体的には、第2発明において、浄水カートリッジ7は、活性炭7Pを収納する筒状の浄水フィルタ7Aと、その上方に中空糸膜7Qを収納する筒状の中空糸膜収納部7Bを形成し、浄水フィルタ7Aは、通水性不織布自体で立った状態を維持するように形成された自立性の筒状中空体7Hと、その内側に略同芯配置され通水性不織布自体で立った状態を維持するように形成された自立性の内筒体7Gとの間に形成される筒状空間が活性炭充填空間80を形成し、この活性炭充填空間80に活性炭7Pが収納され、浄水カートリッジ収納部16に流入した原水が、筒状中空体7Hの筒状壁を通過して活性炭7Pで浄化された後、内筒体7Gの筒状壁を通過して内筒体7G内を上方へ通って中空糸膜7Qに達し、中空糸膜7Qを通過して水栓1から浄水が取り出される構成である。
【0022】
第1発明及び第2発明において、活性炭7Pは、水との接触面積が大きくなるようにするためと、充填量が十分とれるようにするために球状微粒子であり、平均粒子径、即ち粒子の直径が平均50μm〜200μm(μmはマイクロメートル、以下同じ)の球状活性炭を採用する。また、通水性不織布の筒状中空体7Hは、活性炭7P層の略全周囲から水が活性炭7P層へ流入するようにするために、その筒壁を内外に貫通する空間通路が形成される形態であり、スパンボンド方法等にて作られたオレフィン系等の合成樹脂製の不織布70の筒状体である。そして、球状活性炭7Pの充填が良好に行えるようにするために、スパンボンド方法等にて作られたオレフィン系等の不織布70が熱成形によって内面が平滑な筒状体を構成している。
【0023】
この筒状中空体7Hの製造方法の一つを以下に説明する。図25に示すように、スパンボンド方法にて作られたオレフィン系の所定の幅と長さを有し厚さが0.1mm〜0.5mmの薄い帯状に形成された合成樹脂製不織布70がロール状に巻かれた不織布ロール71からその端を引き出し、図26に示すように不織布70の左右両端を引っ張りつつ、図27に示すように、平滑な外面を有する金属棒72(中空パイプ、又は単なる棒の形態のいずれも含む)に、筒状中空体7Hの仕上がり肉厚が1mm〜3mm程度となるように、所定の複数回(例えば、10〜20回)巻きつけ、この状態で図28に示すように切断し、その切断した端を図29に示すように、紙製等のテープ73で止める。そして、これを加熱炉に入れてこの金属棒72と共に巻きつけた不織布70を半溶融状態に加熱し、この加熱によって、その巻きつけにて重なった不織布70の繊維状部同士の当接部70Bが溶着する状態となり、且つ、金属棒72と当接する不織布70の繊維状部の当接面が、半溶融状態によって軟化して滑滑の平滑面70Cとなる。この加熱によって、図32に示すように、巻きつけにて重なった不織布70の繊維状部分70A間には、通水路が残った状態である。
【0024】
このような加熱温度は、金属棒72に巻きつけた薄い不織布70の完全溶融温度(例えば、200℃)よりも低い温度である。即ち、加熱によって、前記繊維状部70A同士の当接部70Bは上記のように半溶融状態となって溶着すると共に、金属棒72との当接面が溶融によって滑滑の平滑面70Cとなるが、この繊維状部分70Aの間に形成された通水路が塞がるようになる完全溶融温度(例えば、200℃)よりも低い温度であり、例えば、130℃〜170℃の範囲が好ましい。このような加熱の後に、加熱炉から取り出されて自然冷却又は送風機による強制冷却されることにより、図33に示すような、内面が平滑面70Cをなす円筒形の筒状中空体7Hが形成される。そして、図30に示すように、冷却された筒状中空体7Hは金属棒72から引き抜かれる。このようにして形成された筒状中空体7Hは、その壁の厚さが1mm〜3mm(mmはミリメートル、以下同じ)程度であって、プラスチックス等の支持筒などで支えなくても、筒形状の通水性不織布自体で立った状態で直線状の筒を維持する(直立状の筒を維持する)ように、十分な剛性を有する自立性筒を形成する。この筒状中空体7Hは、図31に示すように、規定の長さになるように両端部を回転カッター装置74によって切断する。このような製造工程によって、所定長さの筒状中空体7Hが製造される。このようにして形成された筒状中空体7Hは、球状微粒子の活性炭7Pが不織布70の繊維状部分70Aに捕捉される状態であり、球状活性炭7Pよりも十分小さい微細な通水路が、その壁全周に渡ってその壁を貫通して形成され、内面が平滑面70Cをなす。
【0025】
なお、内筒体7Gも、筒状中空体7Hと同様に、スパンボンド方法等にて作られたオレフィン系等の合成樹脂製不織布70が熱成形された内面平滑な筒状体である。この内筒体7Gの製造方法も筒状中空体7Hと同様であり、その製造方法の一つを以下に説明する。即ち、図25に示すように、スパンボンド方法にて作られたオレフィン系の所定の幅と長さを有し厚さが0.1mm〜0.5mmの薄い帯状に形成された合成樹脂製不織布70がロール状に巻かれた不織布ロール71からその端を引き出し、図26に示すように平滑な外面を有する金属棒72(中空パイプ、又は単なる棒の形態のいずれも含む)に、内筒体7Gの仕上がり肉厚が1mm〜3mm程度となるように、所定の複数回(例えば、10〜20回)巻きつけ、この状態で図28に示すように切断し、その切断した端を図29に示すように、紙製等のテープ73で止める。そして、これを加熱炉に入れてこの金属棒72と共に巻きつけた不織布70を半溶融状態に加熱し、この加熱によって、その不織布70の繊維状部同士の当接部70Bが溶着する状態となり、且つ金属棒72との当接面が溶融によって滑滑の平滑面70Cとなる。この加熱によって、図32に示すように、不織布70の繊維状部分70A間には、通水路が残った状態である。
【0026】
このような加熱温度は、金属棒72に巻きつけた薄い不織布70の完全溶融温度(例えば、200℃)よりも低い温度である。即ち、加熱によって、前記繊維状部70A同士の当接部70Bは上記のように半溶融状態となって溶着すると共に、金属棒72との当接面が溶融によって滑滑の平滑面70Cとなるが、この繊維状部分70Aの間に形成された通水路が塞がるようになる完全溶融温度(例えば、200℃)よりも低い温度であり、例えば、130℃〜170℃の範囲が好ましい。このような加熱の後に、加熱炉から取り出されて自然冷却又は送風機による強制冷却されることにより、図33に示すような内面が平滑面をなす円筒形の内筒体7Gが形成される。そして、図30に示すように、冷却された内筒体7Gは金属棒72から引き抜かれる。このようにして形成された内筒体7Gは、その壁の厚さが1mm〜3mm(mmはミリメートル、以下同じ)程度であって、プラスチックス等の支持筒などで支えなくても、筒形状の通水性不織布自体で立った状態で直線状の筒を維持する(直立状の筒を維持する)ように、十分な剛性を有する自立性筒を形成する。この内筒体7Gは、図31に示すように、規定の長さになるように両端部を回転カッター装置74によって切断する。このような製造工程によって、所定長さの内筒体7Gが製造される。このようにして形成された内筒体7Gは、球状微粒子の活性炭7Pが不織布70の繊維状部分70Aに捕捉される状態であり、球状活性炭7Pよりも十分小さい微細な通水路が、その壁全周に渡ってその壁を貫通して形成され、内面が平滑面70Cをなす。なお、筒状中空体7Hおよび内筒体7Gは、オレフィン系以外の合成樹脂でもよく、またスパンボンド方法以外の製造方法によって形成された不織布70を採用することでもよい。
【0027】
第1発明と第2発明は活性炭充填空間の構成が異なるが、その他は共通であり、第2発明は第1発明を基礎的構成としたものである。それ故、筒状中空体7H内に内筒体7Gを配置した第2発明によって第1発明は理解できるため、以下、筒状中空体7H内に内筒体7Gを配置した第2発明をもとに浄水カートリッジ7の組み立てについて説明する。
【0028】
先ず、本発明の浄水フィルタ7Aの製造方法について説明する。上記のように製造された通水性不織布の筒状体、即ち、筒状中空体7Hと内筒体7Gを準備し、内筒体7Gの一端上端部には、図10〜図12に示すような円盤状の合成樹脂製シール材62が、その中心孔62A周縁においてホットメルト等の接着剤によって取り付けられ、また、内筒体7Gの他端下端部には、合成樹脂製支持部材63が取り付けられている。合成樹脂製支持部材63は、図14〜図16に示すように、中央部が円盤状63Bをなし、この円盤状63Bの半径方向に略対称に突出した円弧状の支持腕部63Aを形成した合成樹脂製であり、内筒体7Gの他端下端部と円盤状63Bに形成した環状溝とが、ホットメルト等の接着剤によって接合される。このようにして、図20に示すような内筒の組み立て体7G1が形成され、これを準備する。
【0029】
このようにして構成された内筒の組み立て体7G1は、支持部材63の側から筒状中空体7H内に挿入する。支持部材63の外径は略筒状中空体7Hの内径と同等であるため、支持部材63の支持腕部63Aの外周面は、筒状中空体7Hの内周径に略当接した状態で挿入される。この挿入は、シール材62が筒状中空体7Hに嵌合するまで行われ、シール材62の外周フランジ62Bが筒状中空体7Hの端部に当接する。シール材62と筒状中空体7Hとは、ホットメルト等の接着剤によって接合される。このようにして、図21に示すように、内筒の組み立て体7G1の挿入によって、筒状中空体7Hと内筒体7Gがほぼ同芯状態に配置された筒状組み立て体7Mが形成される。
【0030】
このようにして組み立てられた筒状組み立て体7Mは、シール材62側を図21のように下にし、この状態で、支持部材63の支持腕部63A相互間に形成された活性炭注入開口61から、図23に示すように、筒状中空体7Hと内筒体7Gとの間に形成された活性炭充填空間80に、微粒子の平均粒子径が50μm〜200μmの大きさの球状活性炭7Pを注入する。この場合、支持部材63に達するまでの十分な量の球状活性炭7Pを充填する。この球状活性炭7Pの充填の後、図17〜図19と図24に示すように、外周面に形成した環状溝65Aに弾性Oリング64を嵌めた円盤状の合成樹脂製シール材65を、支持部材63の外側に近接又は当接する重なる位置まで筒状中空体7H内に圧入する。これによって、シール材65の外周面と筒状中空体7Hの内周面とは、弾性Oリング64によってシールされる。そして、シール材65の外周端部と筒状中空体7Hの内周面との結合を強固にするために、この両者をホットメルト等の接着剤によって結合する。このようにして、図24に示すように、筒状中空体7Hと内筒体7Gとの間に形成された活性炭充填空間80に、活性炭7Pが充填された状態の浄水フィルタ7Aが形成される。
【0031】
また、活性炭7Pによる良好な水浄化作用を得ると共に、鉛等の金属イオンの除去も良好に行えるようにするために、活性炭7Pは、球状微粒子であり、平均粒子径が50μm〜200μmの球状活性炭とし、短い長さのイオン交換繊維と共に通水性不織布の筒状中空体7H内の活性炭充填空間に充填した構成とすることができる。このイオン交換繊維は、太さが細いものを採用する程、多くのイオン交換繊維が充填できるため、水との接触表面積が大きくなり、浄化効果が良好になる。このため、平均粒子径が50μm〜200μmの球状活性炭7Pを、太さが5μm〜50μmで長さが0.2mm〜2.0mmのイオン交換繊維と共に通水性不織布70の筒状中空体7H内に充填した構成によって、この球状活性炭7P及びイオン交換繊維と水との接触面積も十分取れる状態となり、金属イオンの除去作用も良好となる。また、中空糸膜7Qは、大径上部7B内にU字状に多数の中空糸膜7Qが接触状態に収納された状態である。
【0032】
上記において、球状活性炭7Pとイオン交換繊維の混合割合については、種々考えられるが、球状活性炭7Pによるトリハロメタンのろ過効果と、イオン交換繊維による鉛イオンのろ過効果を考慮して、イオン交換繊維の体積を1としたとき、球状活性炭7P:イオン交換繊維=200ml〜20ml:5ml(mlはミリリットル、以下同じ)、即ち、40〜4:1の割合の混合比が好ましい。この場合、球状活性炭7Pでろ過するトリハロメタンの量と、イオン交換繊維でろ過する鉛イオンの量を略同じにすることを意図すれば、球状活性炭7P:イオン交換繊維=55ml:5mlの割合、即ち、イオン交換繊維の体積を1としたとき、球状活性炭7Pの体積は11となる割合とすることができる。
【0033】
この場合の測定方法の一つとしては、イオン交換繊維は小さな繊維であるため、ふわふわして測定ばらつきが大きくなり易いので、球状活性炭7Pとイオン交換繊維の混合したものをそれぞれ外筒状体7H内の活性炭充填空間、又は筒状空間の活性炭充填空間80に充填し、この混合したものをそれぞれ取り出して球状活性炭7Pの体積を確認し、この確認した球状活性炭7Pの体積を、それぞれ確認した活性炭充填空間80の体積から差し引くことによって、第1発明及び第2発明において、球状活性炭7Pと混合したイオン交換繊維の体積をそれぞれ算出することができる。
【0034】
一方、合成樹脂製の中空糸膜収納部7Bには、多数の中空糸膜7QがU字状に収納されている。中空糸膜収納部7Bの上部周囲には、中空糸膜7Qを通過した浄水の出口18Aが円周上に長く複数形成され、中空糸膜収納部7Bの上面には、後述のキャップ14と結合する突部7Cを形成している。製造上の制限から、中空糸膜収納部7Bは、中空糸膜7Qを収納する筒状本体部7BBと、これに結合されるカバー部7Dから構成している。内部空間のカバー部7Dは、その周囲壁に浄水の出口18Aが円周上に長く複数形成され、上面には後述のキャップ14と結合する突部7Cを形成している。筒状本体部7BBとカバー部7Dは、中空糸膜7Qが筒状本体部7BB内に収納された状態で、筒状本体部7BBの上端開口7E周縁部7E1にカバー部7Dの開口周縁7D1が超音波溶着されることにより、水漏れがないように両者が接合される。筒状本体部7BBとカバー部7Dは、外面にそれぞれ環状の溝7B3を形成している。
【0035】
上記のように構成された浄水フィルタ7Aの上端部と、中空糸膜収納部7Bの下端とを結合させる。この結合は、中空糸膜収納部7Bの下端開口7B1の周縁に形成した環状フランジ7B2と、シール材62の窪み62Cの内周面とを嵌合させることにより結合される。この結合によって、図1に示すような浄水カートリッジ7が形成される。この結合を強固にするために、環状フランジ7B2とシール材62とは、ホットメルト等の接着剤にて接着されるが、この両者をOリング形状のシールリングを介してネジ結合する構成でもよい。
【0036】
このような構成によって、従来のように、プラスチックスの筒状ケースの周囲壁に形成した多数の開口をフィルタで塞いだ活性炭収納形態では、筒状ケースの小型化によって活性炭充填量が減少して浄化効果が減少するが、本発明の浄水フィルタ7Aは、通水性不織布の筒状中空体7Hそのものが活性炭7Pを収納する容器であるため、同じ外径の上記従来形態のものに比して活性炭収納量を多くできることとなり、小型化を図ることに適するものとなる。そして、実施例のように、浄水カートリッジの下部が水栓設置面である流し台の上壁等の下方に潜る状態で水栓に収納されるタイプに適したものとなる。
【0037】
本発明の活性炭7Pは、球状微粒子であるため、通水性不織布の筒状中空体7Hの内面が平滑面であるため、高い圧力を加えなくてもスムースに活性炭7Pの充填が行えると共に、活性炭7P相互が密着して活性炭充填空間80内の充填量を十分とることができ、浄水フィルタ7Aを小型化した場合にも、活性炭7Pでの浄化効果に優れたものとなる。
【0038】
本発明に係る浄水フィルタ7Aを備えた浄水装置は、上記のように構成された浄水カートリッジ7が、水栓本体11内の浄水カートリッジ収納部16に縦長状態に収納されている。以下、この構成について説明する。浄水カートリッジ7の形状に合わせて、浄水カートリッジ収納部16は、浄水カートリッジ7の円筒状小径下部をなす浄水フィルタ7Aを収納する小径収納部16Aと、浄水カートリッジ7の円筒状大径上部をなす中空糸膜7Qの収納部7Bを収納する大径収納部16Bとを形成している。中空糸膜7Qの収納部7Bの外径は、大径収納部16Bの内径よりも僅かに小さいため、中空糸膜7Qの収納部7Bは大径収納部16Bに略いっぱいに嵌った状態である。また、浄水フィルタ7Aの外径は、小径収納部16Aの内径よりも十分小さいため、浄水フィルタ7Aの周囲には環状の空間28が形成された状態である。この環状空間28は、後述のように、流入する原水が充満する通路となる。
【0039】
浄水カートリッジ収納部16に対応して水栓本体11の外面には、小径収納部16Aと大径収納部16Bとの直径差によって円形状の段差部11Cが現れる。この段差部11Cには、円形環状に弾力性のパッキン19が取り付けられている。水栓取付け部2の補強のために、流し台5の上壁6下面の取付け孔12周縁部には、接着等の手段によって補強部材22が取り付けられている。
【0040】
水栓本体11を取り付ける際には、浄水カートリッジ収納部16の下部の水入口部17には、給水路3を構成するパイプ3Aは接続されていない。この状態で、浄水カートリッジ収納部16の小径収納部16Aが、流し台5の上壁6の取付け孔12を貫通する状態に上方からセットし、パッキン19が流し台5の上壁6の上面に当接した状態で、上壁6の下方から小径収納部16Aの外周面に形成したネジ部23に取付けナット13を螺合させる。この取付けナット13の締め付けによって、パッキン19が圧縮された状態で段差部11Cが流し台5の上壁6に当接し、水栓本体11が上壁6に固定される。このようにして、段差部11Cは、取付け孔12の周縁上面に係止状態となるため、係止部と称することもできる。
【0041】
流し台5の上壁6の取付け孔12は、シンク15の後側と流し台5の背面板5Aとの間に形成された空間50に対応した位置に形成されており、上記のような水栓1の取付けによって、浄水カートリッジ7は、水栓取付け部2である流し台5の上壁6を貫通して空間50に侵入した状態に保持される。このため、主として、浄水フィルタ7Aが、水栓取付け部2の下方の空間50へ潜る(侵入する)状態となり、中空糸膜収納部7Bが、流し台5の上壁6から上方へ突出した状態に保持される。
【0042】
上記のような水栓1の取付け後に、給水路3を構成する給水パイプ3Aが、取付けナット31によって浄水カートリッジ収納部16下部の水の入口部17に接続される。給水パイプ3Aの他端は、電磁弁4の出口側に接続される。電磁弁4の入口側は、市井の上水道水の供給パイプに接続された止水栓40の出口側に接続されている。止水栓40は手で回転可能な摘み41の回転によって、上水道水の供給状態と停止状態とに制御できる。止水栓40の出口側は、分岐管42によって電磁弁4の入口側パイプ36Aと、上壁6に取り付けた原水用給水栓35側の給水パイプ36とに分岐されている。電磁弁4は、ネジ回し(ドライバー)などによってコマ弁を作動して流量調整が可能な流量調整式電磁弁4とすることもできる。
【0043】
浄水カートリッジ7の交換をし易くするために、浄水カートリッジ収納部16は上端が開口しており、この開口は、この開口内面に形成したネジ部29に螺合するネジ部を外面に形成したキャップ14によって、開閉可能である。このキャップ14と浄水カートリッジ収納部16との水密シールパッキン30がキャップ14又は水栓本体11に取り付けられている。そして、浄水カートリッジ7は、浄水カートリッジ収納部16に対してキャップ14の着脱に伴って着脱できる。このため、中空糸膜収納部7Bの上面に形成した突部7Cの外面のネジ部と、キャップ14の中心部に形成した取付け部14Aのネジ部とを螺合させて、キャップ14に浄水カートリッジ7を取り付ける。この状態で、中空糸膜収納部7Bの外面に形成した環状溝7B3に嵌った弾性Oリング30Aによって、キャップ14と浄水カートリッジ7との水密シールが保たれている。
【0044】
このようにして、キャップ14に浄水カートリッジ7が取り付けられた状態で、浄水カートリッジ7を浄水カートリッジ収納部16へ上面開口から挿入し、キャップ14外面のネジ部を浄水カートリッジ収納部16内面のネジ部29に螺合することにより、浄水カートリッジ7が浄水カートリッジ収納部16内に取付け収納される。そして、この逆にキャップ14を回転させることによって、キャップ14が浄水カートリッジ収納部16から外れ、浄水カートリッジ7が、キャップ14と共に浄水カートリッジ収納部16から取外せる。このため、浄水カートリッジ収納部16の上面の突部7Cとキャップ14の取付け部14Aとの螺合を外し、新規な浄水カートリッジ7をキャップ14に取り付けることによって、浄水カートリッジ7を交換することができる。
【0045】
原水用給水栓35は、水栓1と同様の取付けである。即ち、水栓本体37の外面に形成した段差部が上壁6に当接するように、上壁6に形成した取付け孔34を貫通した状態にセットし、上壁6の下面に取り付けた補強材38を介して取付けナット39によって、水栓本体37の外面に形成しネジ部に締め付け固定する。原水用給水栓35は、水栓本体37内の開閉弁をレバー32の上下動によって開閉することにより、吐水部材33からの原水の供給と停止を行なうことができる。
【0046】
上記のように、水栓1に浄水カートリッジ7が収納された状態において、給水路3から供給される原水は、浄水カートリッジ収納部16下部の水の入口部17から、浄水カートリッジ収納部16内に配置される浄水フィルタ7Aの周囲に形成された環状空間28へ入り、環状空間28に充満する。この環状空間28へ流入した原水は、上水道水の供給圧力によって環状空間28に対応した筒状中空体7Hの全周囲面から、繊維状部分70A間に形成される微細な通水路を通過して球状活性炭7Pに達する。球状活性炭7Pに達した原水は、球状活性炭7Pを通過することによって浄化されつつ、内筒体7Gの略全周囲壁面から繊維状部分70A間に形成される微細な通水路を通過して、内筒体7G内側の中空通路7G2に入り、この中空通路7G2を上昇して、シール材62の中心孔62Aから中空糸膜収納部7Bへ流入する。上記のように、加熱成形された内筒体7Gは、中空通路7G2面である内面が平滑面をなすため、中空通路7G2を流れる水の抵抗は少なく水の流れが円滑である。そして、中空糸膜収納部7Bへ流入した浄水は中空糸膜7Qによって更に浄化されて、中空糸膜収納部7Bの上端開口から浄水として流出する。この浄水は、浄水の出口18Aと、これに対応してキャップ14の側壁に貫通形成した出口18Bから、浄水カートリッジ収納部16の上部に形成した水の出口部18を通って、吐水部材10の吐水パイプ部20へ入り吐水口21から吐水する。
【0047】
このような構成によって、従来のように、プラスチックスの筒状ケースの周囲壁に形成した多数の開口をフィルタで塞いだ活性炭収納形態では、上記のように、筒状ケースの小型化によって活性炭充填量が減少して浄化効果が減少するが、本発明では、通水性不織布の筒状中空体7Hそのものが活性炭7Pを収納する容器であるため、同じ外径の上記従来形態のものに比して活性炭収納量を多くできることとなり、浄化効果に優れた小型化を図ることに適するものとなる。そして、実施例のように、浄水カートリッジ7の下部が水栓設置面である流し台5の上壁等の下方に潜る状態で水栓1に収納されるタイプに適したものとなる。
【0048】
吐水部材10は、浄水を導く吐出パイプ部20を合成樹脂製又はステンレススチール等の金属製で偏平パイプ状に形成されたカバー24内に配置されている。このカバー24は、水栓1の吐水パイプ部分の外観デザインを良好にするためのものであるが、単に吐出パイプ部20が吐水部材10を形成する形態でもよい。
【0049】
浄水カートリッジ7へ供給される上水道水の給水路3を開閉する電磁弁4の制御操作部25は、吐水部材10の先端部の上面に設けられている。制御操作部25は電磁弁4の開閉動作用スイッチ25Aを備え、スイッチ25Aは吐水部材10のカバー24内に収納されている。スイッチ25Aの上面は可撓性合成樹脂製フィルム25Dで覆われた手動操作面を形成している。これによって、水栓本体11よりも手前側に制御操作部25が位置するようになるため、操作が楽になる。
【0050】
更に、制御操作部25には、フィルム25Dの下側に表示パネル25Cが設けられており、表示パネル25Cによって、浄水カートリッジ7の交換時期を表示する。その表示方式は、交換時期を年月日で表示する方法と、交換時期を色で表示する方法とがある。実施例では、その後者の方法であり、新規の浄水カートリッジ7を取り付けたときは、表示パネル25Cの青色(ブルー)発光ダイオード(LED)の光がフィルム25Dを通して目視でき、交換時期になればその表示が赤色(レッド)発光ダイオード(LED)の光が目視できるようになる構成である。
【0051】
水栓1の小型化を図るため、また吐水部材10の小型化を図るために、電磁弁4、スイッチ25A及び表示パネル25Cと接続される制御部51は、水栓1から分離した箇所に設けられている。その実施形態として、シンク15下方の流し台5の空間の側壁に取り付けられる制御ボックス51A内に収納されて防水状態である。なお、電磁弁4のソレノイド部を保護するための合成樹脂製カバー4Aを、図のように大きいカバー構成とすることによって、このカバー4A内に制御部51を収納するようにしてもよい。
【0052】
スイッチ25A及び表示パネル25Cと制御部51とはリード線52と52Aを介して接続され、電磁弁4と制御部51とはリード線52Bを介して接続されている。カバー24内に配線されるリード線52は、フレキシブル合成樹脂製の帯状シートの面に電気回路がプリントされた構成のフレキシブルプリントサーキットであり、制御操作部25から延びるこのフレキシブルプリントサーキット52は、パイプ部20に沿ってカバー24内から上壁6の上方に突出した水栓本体11内の空間11Bに延びている。このフレキシブルプリントサーキット52は、空間11B内でシリコンゴム被覆などのリード線52Aに接続され、リード線52Aは、段差部11Cの部分から小径収納部16Aの外周面に形成したネジ部23の部分に縦方向に形成した溝53を通ることによって、取付けナット13の締め付けの邪魔にならない状態で、浄水カートリッジ収納部16Aの外面の溝に沿って取付け孔12から空間50へ延び、制御部51へ接続されている。
【0053】
電磁弁4、スイッチ25A、表示パネル25C、及び制御部51の電源は、乾電池ではなく、商用電源を利用しており、実施例では、商用電源の100ボルトが制御部51に設けた電源部に供給され、この電源部で必要な制御電圧に変換される構成である。このためスイッチ25Aを含む制御操作部25には、人体に危険がない直流の低電圧が供給されるようにしている。このように、乾電池が水栓本体11や吐水部材10内に収納される構成ではないため、水栓1の小型化に適したものとなり、乾電池の電力切れの問題もなく、安定した浄水供給動作が得られるものとなる。
【0054】
水栓1に浄水カートリッジ7が収納された状態において、フィルム25Dの上面から指でスイッチ25Aをプッシュすることにより、制御部51が動作して電磁弁4がONして給水路3を開き、原水が給水路3から浄水カートリッジ7へ入って浄化され、その浄水がパイプ部20を通って吐水口21から吐水する。再度フィルム25Dの上面から指でスイッチ25Aをプッシュすることにより、制御部51が動作して電磁弁4がOFFし、給水路3を閉じて吐水口21からの吐水を止める。このように、スイッチ25Aのプッシュ・プッシュによって電磁弁4をON・OFFして、水栓1からの浄水の取り出しが制御される。
【0055】
ここで、水栓1に新規の浄水カートリッジ7を収納したとき、リセットスイッチを指で押してONさせることによって、制御部51のカウンタ部のリセットができる。このリセットスイッチは、制御操作部25に設けることによって操作し易くなる。このリセットに基づき、制御部51の動作によって表示パネル25Cの青色(ブルー)発光ダイオードが発光してフィルム25Dを通して青色(ブルー)の表示が目視できる。この状態において、最初に操作されるスイッチ25Aのプッシュによって、上記のように電磁弁4がONして制御部51のカウンタ部がカウントを開始し、再度のスイッチ25Aのプッシュによって電磁弁4がOFFし制御部51のカウンタ部がカウントを停止する構成とする。このようにすることによって、電磁弁4のON時間が積算されるため、浄水の取り出し時間が積算されることとなる。この積算カウント値が所定カウントに達したとき、青色(ブルー)発光ダイオードの通電を停止し、赤色(レッド)発光ダイオードに通電して発光させることによって、フィルム25Dを通して赤色(レッド)の表示が目視できる。この赤色(レッド)の表示が、浄水カートリッジ7の交換時期の表示である。
【0056】
上記のように、水栓取付け部2である上壁6には、上方へ突出状態に水栓1が取り付けられ、水栓1の水栓本体11には上壁6を貫通状態に浄水カートリッジ7が収納され、浄水カートリッジ7は上壁6の上方から着脱可能に水栓本体11に保持されている。そして、水栓本体11又は吐水部材10には電磁弁4の開閉動作用スイッチ25Aを備え、浄水カートリッジ収納部16の上部が上壁6から上方へ突出し、浄水カートリッジ収納部16の下部が、上壁6の下方のシンク15後方の空間50へ潜る状態に取り付けられ、浄水カートリッジ収納部16の上面から浄水カートリッジ7を着脱可能としている。
【0057】
水栓の取付けを共通化するために、水栓取付け部2の取付け孔12の直径が規定されている状況においても、浄水カートリッジ収納部16の上部16Bは下部16Aよりも大径にできるため、浄水カートリッジ7は、中空糸膜収納部7Bは浄水フィルタ7Aよりも直径を大きくでき、中空糸膜7Qによる浄化領域の高さを抑えて十分な浄化領域が得られることとなる。例えば、この中空糸膜7Qを詰めた部分7Bは中空糸膜7QをU字状に収納する等の方法によって十分な浄化作用を得ることができ、この中空糸膜7Qによる微細な汚れ除去等の効果を十分発揮できるものとなる。このため、水栓1の取付けを共通化するために、水栓取付け部2の取付け孔12の直径が規定されている状況においても、水栓1の高さを低くでき、しかも浄水カートリッジ7による所期の浄化能力を確保できる装置となる。
【0058】
また、シンク15後方の空間50を有効利用した水栓1の取付け構造となり、しかも、流し台5の上方への水栓1の突出高さを低く抑えることができるものとなる。更に、流し台5の上面側から浄水カートリッジ7を交換できるため、交換作業がし易いものとなる。
【0059】
そして、浄水カートリッジ収納部16は、上端が開口し、この開口がキャップ14によって開閉可能であり、浄水カートリッジ7はキャップ14の着脱と共に浄水カートリッジ収納部16に着脱可能であるため、浄水カートリッジ7の交換がし易くなる。
【0060】
また、浄水カートリッジ7は、球状活性炭7Pが収納された直径の小さい円筒状小径下部の浄水フィルタ7Aと、その上方に中空糸膜7Qが収納された円筒状大径上部の中空糸膜収納部7Bとを形成しており、縦方向に長い形態である。水栓1を備えた流し台等の設置状況によって、水栓1とその上方に設けられた棚等の他物との間隔が小さい場合には、この長い浄水カートリッジ7の交換に際して、浄水カートリッジ7を上方へ引き上げて交換する作業がし難い場合や、交換できない場合も考えられる。これに対応するために、上記のように、中空糸膜収納部7Bの下端部と浄水フィルタ7Aの上端部とが、ネジ結合によって着脱可能に結合される構成とすれば、キャップ14を外して浄水カートリッジ7を持ち上げた状態で、このネジ結合を外すように操作して、浄水フィルタ7Aから中空糸膜収納部7Bを取外すことによって、中空糸膜収納部7Bと浄水フィルタ7Aを別個に取り出すことができる。
【0061】
また、新規の浄水カートリッジ7の装着に際しては、前記ネジ部で浄水フィルタ7Aと中空糸膜収納部7Bとに分解した状態で、浄水フィルタ7Aを先に浄水カートリッジ収納部16に差し入れ、この状態で、中空糸膜収納部7Bを浄水フィルタ7Aにネジ結合して、浄水カートリッジ7を組み立て、これを浄水カートリッジ収納部16に収納し、キャップ14を取り付けることによって交換できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、水栓やその他の部品の構成などは、上記実施形態に限定されず、また、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り種々の変更が考えられ、それに係る種々の変形を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る浄水フィルタを備えた浄水カートリッジの内部構成を半断面で示す全体図である。(実施例1)
【図2】本発明に係る浄水カートリッジの中空糸膜収納部の筒状本体部の断面図である。(実施例1)
【図3】中空糸膜収納部の筒状本体部の上側面図である。(実施例1)
【図4】中空糸膜収納部の筒状本体部の下側面図である。(実施例1)
【図5】浄水カートリッジの中空糸膜収納部のカバー部の断面図である。(実施例1)
【図6】中空糸膜収納部のカバー部の上側面図である。(実施例1)
【図7】中空糸膜収納部のカバー部の下側面図である。(実施例1)
【図8】本発明に係る浄水フィルタの断面図である。(実施例1)
【図9】本発明に係る浄水フィルタの活性炭収納部を形成する通水性不織布の筒状中空体の断面図である。(実施例1)
【図10】図9の筒状中空体の一端部に嵌るシール材の側面図である。(実施例1)
【図11】図10のシール材の上面図である。(実施例1)
【図12】図10のシール材の下面図である。(実施例1)
【図13】図9の筒状体内に配置される通水性不織布の内筒体の断面図である。(実施例1)
【図14】図13の内筒体の一端部に嵌る支持部材の側面図である。(実施例1)
【図15】図14の支持部材の上面図である。(実施例1)
【図16】図14の支持部材の下面図である。(実施例1)
【図17】図9の筒状中空体の他端側に嵌るシール材の側面図である。(実施例1)
【図18】図17のシール材の上面図である。(実施例1)
【図19】図17のシール材の下面図である。(実施例1)
【図20】図13の内筒体の一端底部に図14の支持部材を結合し上端部に図10のシール材を結合した内筒の組み立て体の斜視図である。(実施例1)
【図21】図9の筒状中空体内に図20の内筒の組み立て体を結合して形成した活性炭収納筒部の底部を上面とした斜視図である。(実施例1)
【図22】筒状組み立て体の一端開口部の平面図である。(実施例1)
【図23】筒状組み立て体の活性炭充填部内に活性炭を充填した状態の断面図である。(実施例1)
【図24】図23の活性炭を入れた筒状組み立て体の他端側に図17のシール材を結合して完成した浄水フィルタの断面図である。(実施例1)
【図25】金属棒と通水性不織布の斜視図である。(実施例1)
【図26】金属棒に通水性不織布を巻回し始め状態の斜視図である。(実施例1)
【図27】金属棒に通水性不織布を巻回する途中状態の斜視図である。(実施例1)
【図28】金属棒に通水性不織布を巻回し終わって切断した状態の斜視図である。(実施例1)
【図29】金属棒に巻回した通水性不織布の端部をテープ止めした状態の斜視図である。(実施例1)
【図30】加熱にて形成された不織布の剛性筒体から金属棒を抜き取る状態の斜視図である。(実施例1)
【図31】不織布の剛性筒体の長さを整える作業を示す斜視図である。(実施例1)
【図32】加熱によって繊維状部分が溶着した状態を説明する不織布の拡大図である。(実施例1)
【図33】加熱によって金属棒と当接する繊維状部分に平滑面が形成された状態を説明する不織布の拡大図である。(実施例1)
【図34】本発明に係る浄水フィルタを備えた浄水カートリッジを流し台に備えた状態を説明する正面図である。(実施例1)
【図35】本発明に係る浄水フィルタを備えた浄水カートリッジを流し台に備えた状態を説明する縦断側面図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0064】
1・・・水栓
2・・・水栓取付け部
3・・・給水路
3A・・給水パイプ
4・・・電磁弁
5・・・流し台
6・・・流し台の上壁
7・・・浄水カートリッジ
7A・・浄水フィルタ
7B・・浄水カートリッジの中空糸膜収納部
7H・・筒状中空体(外筒状体)
7G・・・内筒体
7G1・・内筒体7Gの組み立て体
7G2・・内筒体7G内側の中空通路
7M・・・筒状組み立て体
7P・・・球状活性炭
7Q・・・中空糸膜
10・・・吐出部材
11・・・水栓本体
11C・・段差部
12・・・水栓取付け孔
13・・・取付けナット
14・・・キャップ
15・・・シンク
16・・・浄水カートリッジ収納部
16A・・小径収納部
16B・・大径収納部
17・・・水の入口部
18・・・水の出口部
20・・・吐出パイプ部
21・・・吐水口
24・・・カバー
25・・・制御操作部
28・・・環状空間
50・・・空間
51・・・制御部
62・・・合成樹脂製シール材
63・・・合成樹脂製支持部材
65・・・合成樹脂製シール材
70A・・繊維状部分
70B・・繊維状部同士の当接部
70C・・平滑面
80・・・活性炭充填空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパンボンド方法等にて作られた所定の幅と長さをもったオレフィン系等の薄い不織布を、平滑な外面を有する金属棒(中空パイプ、又は単なる棒の形態のいずれも含む)に複数回巻きつけたものを加熱炉に入れて前記不織布を半溶融状態に加熱してその不織布の繊維状部同士の当接部を溶着させると共に前記金属棒との当接面に平滑面を形成した後、冷却し形成された不織布の筒状体から前記金属棒を抜くことによって球状微粒子の活性炭を収納する浄水フィルタ用自立性筒状中空体の製造方法。
【請求項2】
スパンボンド方法等にて作られた所定の幅と長さをもったオレフィン系等の薄い不織布を、平滑な外面を有する金属棒(中空パイプ、又は単なる棒の形態のいずれも含む)に複数回巻きつけたものを加熱炉に入れて前記不織布を半溶融状態に加熱してその不織布の繊維状部同士の当接部を溶着させると共に前記金属棒との当接面に平滑面を形成した後、冷却し形成された不織布の筒状体から前記金属棒を抜くことによって自立性筒状中空体を製造し、この筒状中空体と同様の方法によってこの筒状中空体よりも小径の自立性の内筒体を製造し、前記筒状中空体内に前記内筒体を配置して前記筒状中空体と前記内筒体との間の環状空間に球状微粒子の活性炭を充填して活性炭層を形成することを特徴とする浄水フィルタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2007−83209(P2007−83209A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−278280(P2005−278280)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】