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浄水処理方法及び浄水処理装置
説明

浄水処理方法及び浄水処理装置

【課題】処理水の回収率を高く維持しながら膜面へのケーキの付着を防止し、かつ低動力で効率的な運転が可能な浄水処理方法及びその方法に用いられる装置を提供すること。
【解決手段】槽内の固形物含有水の固形物濃度が、限界固形物濃度(Ct)として、0.1Ct〜Ct、又は該固形物濃度が3000〜30000mg/Lとなるまで該固形物含有水の膜ろ過を実施する膜ろ過工程、前記膜ろ過工程後に該槽内の固形物含有水の全量又は一部を排水する排水工程、前記排水工程後に該槽内に原水を供給するとともに固形物含有水中の粉末活性炭濃度が50mg/L以上の目標値となるように制御する充水工程を含む、浄水処理方法。槽、膜エレメント及び集水部を有し槽内に浸漬される膜モジュール、及び槽下部に設置された散気装置を有する膜ろ過装置、及び粉末活性炭注入装置を含む、上記の浄水処理方法を実施するための浄水処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水処理方法及び浄水処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本の浄水技術分野においては、従来の砂ろ過技術に変わり、膜ろ過技術の普及が進んでいる。膜ろ過には、水中の懸濁物質や細菌、原虫類を除去できる、限外ろ過膜(UF膜)や精密ろ過膜(MF膜)と呼ばれる孔径が0.01〜0.1μm程度の膜を使うのが一般的である。また膜エレメントは中空糸と呼ばれるマカロニ状の膜を用いるのが一般的である。
膜の型式では、膜エレメントを多数束ねたうえで専用の耐圧容器に収め、比較的高い圧力でろ過するケーシング収納方式と、膜エレメントを直接水槽等(浸漬槽)に浸漬させる、浸漬方式がある。浸漬方式は、一般的に低圧力でろ過するため、必要な動力が小さい、高濁度負荷の原水でも安定して処理できるなどの特長を有する。
【0003】
MF膜やUF膜では、水中の懸濁物質や細菌、原虫類の除去は可能であるが、膜の孔径よりも小さい物質や溶解性の物質除去はできない。一方で一般的な表流水を原水とした場合、飲料に適した水に処理するためには、膜ろ過のみでは不十分で、溶解性有機物の除去も合わせて必要な場合が多い。
これらの原水に対応した処理としては、例えば引用文献1のように、膜の前処理として粉末状の活性炭添加を行い、溶解性有機物を活性炭に吸着させ、活性炭自体を膜ろ過で除去する技術が知られている。あるいは引用文献2のように、処理水の回収率を99%以上と高くし、浸漬槽内の活性炭濃度を高めることで、原水の水質変動によらず一定の粉末活性炭注入量で処理できる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−154470号公報
【特許文献2】特開平9−285779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらの技術では次のような課題があった。原水濁度が高い場合や、粉末活性炭の注入濃度が高い場合等、供給水の固形物濃度が高い場合、処理水の回収率を高くするに従って槽内固形物濃度が高くなり、膜モジュールの内部に、固形物含有水中の固形物がケーキ状に固形化し、蓄積して膜の有効面積を減少させることで膜ろ過水量が低下するという問題がある。したがって膜供給水固形物濃度の高い場合は、処理水の回収率を下げて膜面への固形物の付着を防止しなければならなかった。しかし、回収率を低下させることは、排水処理設備への負担を大きくし設備全体の効率の低下を招くこととなり、なるべく高く維持することがのぞましい。あるいは、これらを解決するために、例えばエアスクラビングを常時行うことで膜面への固形物の付着を防止する例があるが、エアスクラビングのブロワ動力が多大に必要になるといった欠点があった。あるいは膜の集積度を低下させ、疎に配置することで膜間のケーキ状固形物(以下、ケーキともいう)の蓄積を防止することもできるが、処理量当たりの設置面積が大きくなり、設備効率が低下するという欠点があった。
【0006】
本発明では、こうした従来技術の欠点を克服し、処理水の回収率を高く維持しながら膜面へのケーキの付着を防止し、かつ低動力で効率的な運転が可能な浄水処理方法及びその方法に用いられる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のとおりである。
1)槽内の固形物含有水の固形物濃度が、限界固形物濃度(Ct)として、0.1Ct〜Ct、又は該固形物濃度が3000〜30000mg/Lとなるまで該固形物含有水の膜ろ過を実施するとともに定期的な洗浄の実施を含む膜ろ過工程、前記膜ろ過工程後に該槽内の固形物含有水の全量又は一部を排水する排水工程、前記排水工程後に該槽内に原水を供給するとともに固形物含有水中の粉末活性炭濃度が50mg/L以上の目標値となるように制御する充水工程を含む、浄水処理方法。
2)槽、膜エレメント及び集水部を有し槽内に浸漬される膜モジュール、及び槽下部に設置された散気装置を有する膜ろ過装置、及び粉末活性炭注入装置を含む、上記1)の浄水処理方法を実施するための浄水処理装置。
【0008】
本発明は、限界固形物濃度(Ct)、又は固形物濃度範囲を予備的な試験や経験則などから予め決定し、槽内の固形物含有水の固形物濃度が0.1Ct〜Ct、又は3000〜30000mg/Lとなるまで固形物含有水を膜ろ過し、次いで該固形物含有水を排水することにより該固形物を排出して槽内を清浄化するとともに膜表面や膜周囲の固形物を低減し、その後、原水を該槽内に供給するとともに固形物含有水中の粉末活性炭濃度が一定の目標値となるように充水することにより、処理水の性能を維持しつつ、処理水の回収率を高く維持しながら膜面へのケーキの付着を防止し、かつ低動力で効率的な運転が可能としたものである。
本発明において、限界固形物濃度(Ct)とは、槽内の固形物濃度Cがある一定の濃度になると、エアスクラビング洗浄を膜に対して実施しても膜面に付着したケーキが剥離できなくなり、該ケーキが成長しはじめる時の固形物濃度をCtと定義するものである。ここで、固形物には、粉末活性炭(以下、活性炭ともいう)、原水のSS成分(例えば、粘土鉱物に由来する微粒子など)、該SS成分の凝集剤による凝集フロック、等及びそれらの混合物が含まれる。
また、初期の膜供給水固形物濃度Cは、実用的には以下の式にて算出される。
=D・E1+C1・E2+C2
D:原水濁度
E1:濁度とSS(浮遊物質)との換算率
C1:凝集剤注入率(酸化アルミニウム換算)
E2:水酸化アルミニウムと酸化アルミニウムの比 1.53
C2:粉末活性炭注入率
本発明は、膜ろ過工程で定期的に洗浄、粉末活性炭の注入等を実施することができるので、該Cは、膜ろ過工程の間、上記所定の固形物濃度になるまで増加することになる。そして、該所定の濃度になったときに、本発明の排水工程が実施される。
【0009】
Ctは、上述の定義から実用的には一定の閾値とはならず、幅をもった遷移領域となる。Ctの具体的値は、原水水質や凝集剤、活性炭の添加量など固形物由来成分の組成にもよるが、発明者が数多く実験を繰り返した経験からは3000〜30000mg/L付近と結論付けられる。
従って、膜面へのケーキの付着を防止するには、槽内の固形物濃度の最大濃度(槽内最大固形物濃度)CmaxをCt以下、又は3000〜30000mg/Lにしなければならない。Ct、ひいては、Cmaxは、運転管理者が適宜設定し得る理論値である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、定期的に全量排水又は一定の条件で部分排水を行うことで処理水の回収率を高く維持した上で、かつ膜面へのケーキの付着を防止することができ、また活性炭による吸着効果を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の方法の実施に適用される浄水処理装置の一例を説明する図である。
【図2】図1の膜ろ過装置を説明する図である。
【図3】本発明法と本発明外の方法における、槽内固形物濃度の経時変化を概念的に示すグラフである。縦軸Cが、槽内固形物濃度、横軸が時間を示す。
【図4】本発明法と本発明外の方法における、槽内活性炭濃度の経時変化を概念的に示すグラフである。縦軸aが、槽内活性炭濃度、横軸が時間を示す。
【図5】本発明法と本発明外の方法において、経時における槽内への活性炭注入率を示すグラフである。縦軸Aが、槽内への活性炭注入率、横軸が時間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の膜ろ過工程は、固形物含有水を膜ろ過し、浄水を得る工程である。また、膜ろ過工程は、膜ろ過工程の間、膜は洗浄手段により定期的に洗浄される。ここで、定期的とは、膜ろ過工程の間、連続して洗浄を行うことがないことであり、運転管理者が水質、装置構成等の諸条件を勘案して、任意に設定可能な時間間隔を設けて、かつ任意に設定可能な時間洗浄を行うことをいう。ここで、洗浄手段も任意に選定される。本発明では洗浄を、上記のように断続的に行う方式であり、省力的であるという利点がある。例えば、該洗浄として、エアスクラビング洗浄を適用する場合、エアスクラビング洗浄は、30〜60分間隔で、1〜2分程度の実施で十分である。また、膜ろ過工程におけるろ過時間、排水工程と排水工程の間隔は、1〜10日間程度である。
膜ろ過工程に用いる膜ろ過装置としては、特に制限はないが、槽、膜エレメント及び集水部を有し槽内に浸漬される膜モジュール、及び槽下部に設置された散気装置を有するものが挙げられる。
【0013】
本発明の排水工程は、前記膜ろ過工程後に該槽内の固形物含有水の全量又は一部を排水する工程である。この排水工程では、槽内固形物濃度CがCmaxとみなせる時、即ちCmaxとなった時に、排水が開始される。
この排水工程で一部排水の場合は、固形物には、活性炭も含有されるので、活性炭が一部乃至全部残るように選択的に排水することもできる。
すなわち、本発明では、充水工程での充水後の固形物濃度が0.1Ct以下、又は3000mg/L以下になるように固形物含有水を排水することが好ましい。
また、充水工程は、固形物含有水中の活性炭濃度が50mg/L以上の目標値となるように制御することが好ましい。この活性炭は、新たに新鮮なものを使用しても、その一部乃至全部を排水工程において残したものに代替したものであってもよい。
【0014】
また、本発明の膜ろ過工程は、上記条件を満たすのであれば、上述のようにCmaxに到達するまで、基本的には、随時、原水に対して、活性炭、凝集剤、pH調整剤等種々の添加剤の添加が可能である。
本発明では、膜ろ過工程において、充水工程後、原水水質に応じて活性炭を注入する工程を有することが好ましい。活性炭を注入する工程は、連続的でも断続的でも、一定でも不定でも、それらの併用でもよい。膜ろ過工程における固形物含有水の活性炭濃度は、例えば、Cmax時に50〜500mg/Lが挙げられる。
【0015】
本発明において、運転管理者は、原水性状に応じて、Cmaxを決定し、膜ろ過装置の槽容量(固形物含有水受容量)等を考慮して、膜ろ過工程、排水工程、充水工程における、ろ過時間、排水時間、充水時間、活性炭注入時間等のタイムスケジュール、及び膜ろ過工程における洗浄条件、凝集剤注入率、粉末活性炭注入率等を決定する。本発明の浄水処理装置は、このように決定した運転管理条件を記憶し、該管理条件を実施させるために、活性炭注入装置、膜ろ過装置等に連絡した、制御部を有することができる。上記管理条件の具体的構成は、原水性状に応じて、適宜変更可能である。
【0016】
以下、本発明の好ましい態様の一例を、図を参照して説明する。
本発明の装置の一例を図1及び2に示す。
膜ろ過装置Fは、図2に詳細を示すように、槽4、膜エレメント5a、集水部5b、及び下部支持体5cを有する膜モジュール5、散気装置6、ブロワ7、及び排泥弁8を備えている。
原水1は、必要に応じてpH調整剤11を添加された後に凝集剤12が添加され、混和槽2へと流入される。攪拌機3により凝集された後に、流入弁14を通過した後、活性炭13が添加され、固形物含有水(膜供給水)15は槽4の通常水位Lまでに流入される。固形物含有水15は膜モジュール5を通過してろ過水17となり、吸引ポンプ9によって処理水槽10に導かれる。一方、固形物含有水中の懸濁物質は膜モジュール5を通過できないため、槽4内に滞留する。
槽内の固形物含有水濃度がCmaxとなったら、槽内水を排泥弁8より一部もしくは全量の固形物含有水を排水16する。排水時には散気装置6から洗浄空気18によりエアスクラビングをすることで、液面付近で泡が破裂する際の水流により、膜面に付着しかけているケーキ剥離をさらに促進することができる。排水は全量行うことが望ましいが、排水先の条件等により排水量の制限がある場合等は一部排水でもよい。その際は、図2に示す通り、排水後の槽4内の水位Lが膜エレメント5aの最下部よりも低い位置に達するまで排水し、膜エレメント全体が空気中に露出するようにする。
全量排水後、流入弁14より膜供給水15を槽4内に充水する。全量排水した場合は、槽内固形物濃度Cは膜供給水の固形物濃度Coまで一旦低下する。
なお、槽内の固形物濃度の最大濃度Cmaxは、該Co、処理水の回収率をRとして、Cmax=Co/(1−R)で近似される。
また、全量排水までのろ過時間T(h)は、槽の容積をV(m)、排水容量の槽容量に対する割合をαとすると(全量排水時はα=1)、時間あたりの流入量(膜供給水量)をQ(m/h)として、R=Q・T/(Q・T+αV)の関係がなりたつ。これより、T=αR・V/(Q・(1−R))となり、ろ過時間T毎に槽内水を全量排水することで、膜面にケーキが付着しない範囲で高い回収率を維持することができる。
本方法のメリットを示すために、定常状態となった槽内の固形物濃度Cの概念的な経時変化を図3に示す。なお、以降では、排水時に全量排水する事例(前述のα=1)にて説明する。
本運転方法による装置(全量排水時を想定する)を点線1で示す。比較対照として連続的に排水を行う装置の例を実線2で、洗浄毎に極少量部分的に排水を行う装置の例を点破線3で示す。いずれも装置としての回収率Rは排水量を制御することにより同じに設定できる。槽内のCmaxもいずれも同じだが、膜ろ過工程の間、点線1が最も平均濃度が低いことがわかる。この平均濃度は該線と時間軸との間の面積に比例するから、上記は自明である。
Cmaxが、Ctより十分低い場合は、いずれの方法もケーキの成長の危険性はほとんどない。しかし実用的には回収率Rは高い方が好ましく、従ってCmaxはCt付近に設定することが多い。その場合、点線1の本運転方法は槽内固形物濃度がCt付近となる時間、即ち、Ctの遷移領域Cttとなる、あるいはCtt内に存在する時間Tctt1が最も短く、従ってケーキの成長の危険性が最も低いことがわかる。従来法2、3では、Ctt内に存在する時間Tctt2,3は、定常状態で常にCtt内にある。
一方、固形物含有水中の活性炭の槽内濃度を概念的に示したのが図4、活性炭の注入率を示したのが図5である。本方法による活性炭注入方法を点線1で、従来の一定注入方法を実線2で示す。
原水1に添加された活性炭は、ろ過及び洗浄を繰り返すにつれて槽内に蓄積する。排水工程直前には、槽内の活性炭の濃度は最大値amaxとなる。
次ぎに排水工程では、活性炭は排水とともに槽外に流出する。全量排水した場合、排水後は槽内の活性炭量は0となる。あるいは一部排水を行った場合でも、槽内の活性炭量は、排水前の1−α倍の量に低下する。(αは前述の、槽容量に対する排水量の割合)。従って、ろ過開始直後は槽内の活性炭量が十分でなく、従来技術にあるような一定注入では、有機物の除去効果が十分に期待できない。これらを是正するため、本方法では、活性炭注入率Aは、全量排水後の充水工程時(時間はtで、Tより十分に短い)に一時的に高い注入率(A)の活性炭を添加し、槽内の濃度をaとする。その後ろ過時間Tの間は、時間と共に低下する槽内の活性炭吸着能を補う目的で、Aより少ない注入率(A)で運転する。槽内の活性炭濃度は、運転経過に伴い漸増する。これを式で表すと以下の通りとなる。
a(t)=a+AQ(t−t)/V
max=a+AQT/V
a(t):運転t時間後の槽内活性炭濃度
:充水時間t後の槽内活性炭濃度
Q:槽への時間当たりの流入量(膜供給水量)
V:槽容量
t:経過時間
:初期充水時間
T:ろ過時間
【0017】
このような運転を行うことにより、ろ過初期からろ過時間Tを通じて安定した活性炭による処理が可能となる。
なお、活性炭の注入率について、水道施設設計指針2000(日本水道協会発行、p291)によれば、異臭味除去の場合10〜30mg/L、トリハロメタン前駆物質除去の場合30〜100mg/Lとされるが、実際には経済性の観点から5〜25mg/L程度の範囲で運用されることが多い。一方、活性炭の吸着性能の効果が持続する平均時間を5〜10時間とした場合、浸漬槽内の一般的滞留時間を30分とすると、浸漬槽内では実際の注入率の、10〜20倍の活性炭が蓄積する計算になる。これよりA値はA値の10〜20倍、すなわち50〜500mg/Lと高濃度とすることで、ろ過初期の有機物質除去能力を発現することができる。またろ過時間(排水と排水の間隔)は、膜ろ過流束、回収率によるが、通常、1日〜10日間程度の間となる。一方、充水時間tは10分〜60分程度である。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明はこの実施例により何等制限されるものではない。
【0019】
本発明の成果を示す一例を表1に示す。図1〜5の装置構成並びに方法に準じて、実験1,2(比較例)は、20分間の洗浄毎に従来法による少量排水(1.2〜1.5L)した実験例であり、実験3(実施例)では、同20分間の洗浄毎には排水せず、約8日に1回全量を排水した。いずれも前記回収率Rは99.7%であるが、全量排水する方が槽内平均濁度は低い。また、ケーキの付着は、実験中、実験1、2では見られたのに対し、実験3ではケーキの膜面への付着は、実験中、いずれの工程でも見られなかった。
また紫外線吸光度を指標とする処理水水質は、1〜3いずれにおいても大きな違いはなく良好に処理された。
【0020】
【表1】

【0021】
なお、実験の運転条件は以下の通りである。
原水:河川表流水
膜ろ過流速:0.8〜1.0m/d
膜供給水量Q:0.02〜0.025m/L
膜浸漬槽容積V:0.7m
活性炭添加量A:0〜25mg/L
回収率R:99.7%
原水紫外線吸光度:平均0.362
Cmaxは膜供給水固形物濃度Coと回収率Rから換算した数値
試験期間はいずれも30日以上
原水及び処理水の紫外線吸光度は、上水試験法(2001、社団法人日本水道協会)に従い波長260nmの吸光度を50mmのセルにより測定した。
【0022】
以上より、実験3に示される本特許法を用いた運転は、膜へのケーキ付着を抑制しつつ、良好な処理水水質を得る上で有効であることがわかった。
【符号の説明】
【0023】
1:原水、2:混和槽、3:攪拌機、F:膜ろ過装置、4:槽、5:膜モジュール、5a:膜エレメント、5b:集水部、5c:下部支持体、6:散気装置、7:ブロワ、8:排泥弁、9:吸引ポンプ、10:処理水槽、11:pH調整剤、12:凝集剤、13:粉末活性炭、14:流入弁、15:固形物含有水(膜供給水)、16:排水、17:ろ過水、18:洗浄空気、L:通常水位、L:排水後の水位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽内の固形物含有水の固形物濃度が、限界固形物濃度(Ct)として、0.1Ct〜Ctとなるまで該固形物含有水の膜ろ過を実施するとともに定期的な洗浄の実施を含む膜ろ過工程、前記膜ろ過工程後に該槽内の固形物含有水の全量又は一部を排水する排水工程、前記排水工程後に該槽内に原水を供給するとともに固形物含有水中の粉末活性炭濃度が50mg/L以上の目標値となるように制御する充水工程を含む、浄水処理方法。
【請求項2】
槽内の固形物含有水の固形物濃度が、3000〜30000mg/Lとなるまで該固形物含有水の膜ろ過を実施するとともに定期的な洗浄の実施を含む膜ろ過工程、前記膜ろ過工程後に該槽内の固形物含有水の全量又は一部を排水する排水工程、前記排水工程後に該槽内に原水を供給するとともに固形物含有水中の粉末活性炭濃度が50mg/L以上の目標値となるように制御する充水工程を含む、浄水処理方法。
【請求項3】
前記排水工程は、充水工程での充水後の固形物濃度が0.1Ct以下、又は3000mg/L以下になるように固形物含有水を排水する、請求項1又は2の浄水処理方法。
【請求項4】
前記膜ろ過工程は、充水工程後、原水水質に応じて粉末活性炭を注入する工程を有する、請求項1〜3のいずれか1項の浄水処理方法。
【請求項5】
前記排水工程において、排水する際に、前記膜に空気を供給する、請求項1〜4のいずれか1項の浄水処理方法。
【請求項6】
前記排水工程後の槽内水位が、膜エレメントの最下部より低い位置となるように排水する、請求項1〜5のいずれか1項の浄水処理方法。
【請求項7】
槽、膜エレメント及び集水部を有し槽内に浸漬される膜モジュール、及び槽下部に設置された散気装置を有する膜ろ過装置、及び粉末活性炭注入装置を含む、請求項1〜6のいずれか1項の浄水処理方法を実施するための浄水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−223697(P2012−223697A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92918(P2011−92918)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(591030651)水ing株式会社 (94)
【Fターム(参考)】