浄水器
【課題】濾過材を収納するカートリッジの交換作業を容易に行うことができる浄水器を提供する。
【解決手段】被処理液を浄化する浄水器であって、一方端が開口し他方端が閉塞壁により閉塞される筒状のケーシングと、内部に濾過体を備え、前記ケーシングの開口から前記ケーシング内に挿入されるカートリッジとを備え、前記ケーシングにおける閉塞壁には、前記ケーシング内外を連通し、被処理液が流通可能な流入部及び流出部が設けられており、前記カートリッジの挿入方向端部には、前記カートリッジの内外を連通し被処理液を前記カートリッジ内部に導入可能な導入部と、前記カートリッジの内外を連通し、前記カートリッジ内部の濾過材により濾過された被処理液を排出可能な導出部とが設けられており、前記流入部及び前記導入部、並びに、前記流出部及び前記導出部が、それぞれ嵌合可能に構成される浄水器。
【解決手段】被処理液を浄化する浄水器であって、一方端が開口し他方端が閉塞壁により閉塞される筒状のケーシングと、内部に濾過体を備え、前記ケーシングの開口から前記ケーシング内に挿入されるカートリッジとを備え、前記ケーシングにおける閉塞壁には、前記ケーシング内外を連通し、被処理液が流通可能な流入部及び流出部が設けられており、前記カートリッジの挿入方向端部には、前記カートリッジの内外を連通し被処理液を前記カートリッジ内部に導入可能な導入部と、前記カートリッジの内外を連通し、前記カートリッジ内部の濾過材により濾過された被処理液を排出可能な導出部とが設けられており、前記流入部及び前記導入部、並びに、前記流出部及び前記導出部が、それぞれ嵌合可能に構成される浄水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から水道水には殺菌用の塩素添加が義務づけられており、これにより水道水が雑菌により汚染される懸念は少ないが、カルキ臭により水の味は損なわれていた。また、この塩素と水道水中に含まれるフミン質などの有機物質とが反応することにより、発ガン性を有するトリハロメタンが水道水中に生成することも確認されている。更に、近年の河川、湖沼の汚染等により、これらを原水とする水道水中には、カビ臭原因物質が微量成分として含まれていることも確認されている。そこで、これらの水の味を損ねる物質や有害物質を除去するために、浄水器が広く使用されている。
【0003】
浄水器の一般的な構造は、活性炭のような粒状濾材充填した粒状濾材層を有するカートリッジと、当該カートリッジが収納されるケーシングとを備えている。このような浄水器は、浄水処理されていない水道水等の被処理液が導かれる給水配管や、カートリッジ内を通過し有害物質等が除去された被処理液を外部に導く吐水管等に接続されて使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の浄水器においては、浄水処理されていない水道水等の被処理液が導かれる給水配管や、カートリッジ内を通過し有害物質等が除去された被処理液を外部に導く吐水管(排水配管)との接続構造が複雑であり、浄化能力を失ったカートリッジを交換する場合に、その交換作業に時間を要し、簡便にカートリッジを交換することが難しいという問題があった。例えば、キッチンシンク下のアンダーカウンター内に浄水器を設置しているような場合、カートリッジを交換するには、作業者がアンダーカウンター内に頭部や腕部を挿入して、給水配管や排水配管等を外してカートリッジを交換する必要があり、カートリッジの交換作業に多大な時間と労力を要している。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、濾過材を収納するカートリッジの交換作業を容易に行うことができる浄水器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、被処理液を浄化する浄水器であって、一方端が開口し他方端が閉塞壁により閉塞される筒状のケーシングと、内部に濾過体を備え、前記ケーシングの開口から前記ケーシング内に挿入されるカートリッジとを備え、前記ケーシングにおける閉塞壁には、前記ケーシング内外を連通し、被処理液が流通可能な流入部及び流出部が設けられており、前記カートリッジの挿入方向端部には、前記カートリッジの内外を連通し被処理液を前記カートリッジ内部に導入可能な導入部と、前記カートリッジの内外を連通し、前記カートリッジ内部の濾過材により濾過された被処理液を排出可能な導出部とが設けられており、前記流入部及び前記導入部、並びに、前記流出部及び前記導出部が、それぞれ嵌合可能に構成される浄水器により達成される。
【0007】
このような構成によれば、内部に濾過体を備えるカートリッジをケーシング内に挿入し押し込むという動作のみで、カートリッジをケーシングにセットすることが可能となり、また、ケーシングにセットされているカートリッジを引き抜くという動作のみでケーシングからカートリッジを取り外すことが可能となる。つまり、カートリッジの脱着が極めて簡便となり、カートリッジの交換作業を容易に行うことが可能となる。
【0008】
また、上記浄水器において、前記カートリッジの外周面の一部領域は、前記ケーシングの内周面と当接可能に構成されており、前記カートリッジの外周面の他の一部領域は、前記ケーシングの内周面との間に空間部を形成するように構成されていることが好ましい。このようにカートリッジの外周面の一部領域が、ケーシングの内周面と当接可能に構成することにより、ケーシングに対するカートリッジの挿入位置(挿入姿勢)を正しい状態(ケーシングの軸線と、カートリッジの軸線とを一致させた状態)に維持することができ、カートリッジをケーシングにスムーズ且つ確実にセットすることが可能となる。更に、カートリッジの外周面とケーシングの内周面との間に形成される空間部を形成することにより、当該空間部は、ケーシング内へのカートリッジに挿入時において、カートリッジにより押し出されるケーシング内の空気の通り道(逃げ道)としての機能を発揮することから、ケーシング内にカートリッジをスムーズに挿入することが可能となる。また、当該空間部は、カートリッジ取り出し時において、ケーシング外の空気をケーシング内へと導く通り道(導入路)としての機能を発揮するため、カートリッジ引き出し時に、ケーシング内周面とカートリッジ外周面との間が真空状態(低圧状態)となることを効果的に抑制することができ、ケーシングからカートリッジをスムーズに取り出すことが可能となる。
【0009】
また、前記ケーシングの内周面と前記カートリッジの外周面との間に空隙部を形成するスペーサ部材を備えることが好ましい。また、前記スペーサ部材は、前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジの外周面の少なくともいずれか一方に設けられる、複数の凸部により構成されることが好ましい。このようなスペーサ部材(複数の凸部)を設けることにより、ケーシングの内周面と、カートリッジの外周面との間に空隙部を形成することができる。当該空隙部は、カートリッジをケーシング内に挿入する際には、カートリッジにより押し出されるケーシング内の空気の通り道(逃げ道)としての機能を発揮することから、ケーシング内にカートリッジをスムーズに挿入することが可能となる。また、当該空隙部は、ケーシング内にセットされたカートリッジを取り出す際には、ケーシング外の空気をケーシング内へと導く通り道(導入路)としての機能を発揮するため、カートリッジ引き出し時に、ケーシング内周面とカートリッジ外周面との間が真空状態(低圧状態)となることを効果的に抑制することができ、ケーシングからカートリッジをスムーズに取り出すことが可能となる。更に、このようなスペーサ部材を備えることにより、ケーシングに対するカートリッジの挿入位置(挿入姿勢)を正しい状態(ケーシングの軸線と、カートリッジの軸線とを一致させた状態)に維持することができ、カートリッジをケーシングにスムーズ且つ確実にセットすることが可能となる。
【0010】
また、前記流入部及び前記導入部の嵌合状態、並びに、前記流出部及び前記導出部の嵌合状態を維持する保持手段を更に備えることが好ましい。このような保持手段を備えることにより、流入部及び導入部の嵌合状態や、流出部及び導出部の嵌合状態を確実に維持できるため、ケーシングのカートリッジに対する保持力(ホールド力)を強固なものとすることが可能となり、カートリッジ内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジの離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを防止することが可能となる。
【0011】
また、前記保持手段は、前記ケーシングの前記閉塞壁及び前記カートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体と、他方に配置され前記磁石体との間でくっつく力が発生する磁性部材であることが好ましい。ここで、磁性部材とは、磁石にくっつく部材のことをいい、鉄やニッケル等の金属から形成される部材や、永久磁石や電磁石等の磁石体をも含む概念である。このような構成により、カートリッジをケーシング内に挿入して、カートリッジの導入部及び導出部をそれぞれケーシングの流入部及び流出部に押し込むという動作のみで、自動的に、ケーシングの閉塞壁及びカートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体が、この磁石体に対応して配置される磁性部材とくっついてホールドし、ケーシングとカートリッジとの一体性を確保でき、カートリッジ内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジの離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを防止することが可能となる。
【0012】
また、前記保持手段は、前記ケーシングと前記カートリッジとを固定する螺合部材であってもよい。このような螺合部材により保持手段を構成する場合、より確実にケーシングとカートリッジとの一体性を確保することが可能となり、カートリッジ内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジの離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを確実に防止することができる。
【0013】
また、前記ケーシングの前記閉塞壁及び前記カートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される電磁石と、他方に配置される磁石体とを更に備えることが好ましい。このような構成によれば、電磁石に流れる電流の向きを変化させることにより、電磁石と磁石体とが互いに引き合う或いは反発するように構成することが可能となり、ケーシング内にカートリッジをセットする際に電磁石と磁石体とが互いにくっつくように、或いは、ケーシングからカートリッジを取り出す際に電磁石と磁石体とが互いに反発するように構成することができる。つまり、カートリッジセット時には、電磁石と磁石体とのくっつく力の作用によりカートリッジとケーシングとの連結を強固な状態に維持することができ、ケーシングからカートリッジを取り出す際には、電磁石と磁石体との反発作用により、ケーシングの流入部及び流出部にそれぞれ嵌合されるカートリッジの導入部及び導出部を、流入部及び流出部から抜き出すことが容易となり、カートリッジの交換作業をより簡便に行うことが可能となる。なお、上述のケーシングの閉塞壁及びカートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体と、この磁石体に対応して配置される磁性部材とを備える場合には、更に備える電磁石と磁石体とが互いに反発するように構成することが好ましい。このような場合、ケーシングの閉塞壁及びカートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体と、この磁石体に対応して配置される磁性部材との間で生じるくっつく力により、ケーシングとカートリッジとの連結を強固なものとすることができると共に、ケーシングからカートリッジを取り出す際に電磁石に電流を流して電磁石と磁石体との間で反発力を発生させれば、ケーシングとカートリッジとの間で発生する磁力によるくっつく力が低下するため、ケーシングからカートリッジを容易に抜き出すことが可能となる。
【0014】
また、前記電磁石は、発生する磁力の大きさが変更可能となるように構成されることが好ましい。このような構成によれば、例えば、上述のケーシングの閉塞壁及びカートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体と、この磁石体に対応して配置される磁性部材とを備える場合において、これら磁石体と磁性部材との間で生じるくっつく力が、更に備える電磁石と磁石体との間で生じる反発力よりも僅かに大きくなるように電磁石の磁力を調節することができ、ケーシングからカートリッジを抜き出す際の離脱感(カートリッジを取り外したという感触)や、ケーシング内にカートリッジを挿入してセットする際のくっつき感(カートリッジが確実にセットされたという感触)を得ることができると共に、かかる離脱感やくっつき感を浄水器利用者の好みに合致させることが可能となる。
【0015】
また、前記ケーシングの一方端に配設され前記ケーシングの開口を閉塞する蓋部材を備えており、前記蓋部材は、前記ケーシング内に挿入される前記カートリッジに当接可能に構成されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、ケーシング内にセットされたカートリッジが、当該カートリッジ内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によってケーシングから離脱するような力を受けたとしても、カートリッジに当接する蓋部材が、カートリッジの移動を拘束することとなり、ケーシングの流入部とカートリッジの導入部との嵌合状態、及び、ケーシングの流出部とカートリッジの導出部との嵌合状態を維持することが可能となり、流入部と導入部との連結個所や、流出部と導出部との連結個所からの液漏れを効果的に抑制することが可能となる。
【0017】
また、前記ケーシングの前記閉塞壁と前記カートリッジの挿入方向端部との間に配置される衝撃吸収部材を備えることが好ましい。この衝撃吸収部材は、弾性部材により構成することが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、カートリッジをケーシング内に挿入して、カートリッジの導入部及び導出部をそれぞれケーシングの流入部及び流出部に押し込む際の衝撃を衝撃吸収部材が吸収するため、ケーシングやカートリッジに損傷が発生することを効果的に防止することが可能となる。
【0019】
また、前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジの外周面のいずれか一方には、所定間隔をあけて配置される一対の第1ガイド部が設けられており、他方には、前記一対の第1ガイド部間を通過可能な第2ガイド部が設けられていることが好ましい。このような第1ガイド部及び第2ガイド部を備えることにより、カートリッジをケーシング内に挿入するときのケーシングに対するカートリッジの挿入姿勢を一定の状態とすることができ、ケーシングの流入部及び流出部のそれぞれに、カートリッジの導入部及び導出部を確実に嵌合させてケーシングとカートリッジとを連結することが可能となる。
【0020】
また、前記カートリッジが前記ケーシング内に誤った姿勢で挿入されることを防止する誤挿入防止部材を備えており、前記誤挿入防止部材は、前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジのいずれか一方に設けられ、前記カートリッジが前記ケーシング内に誤った姿勢で挿入された場合に、前記第2ガイド部と干渉して前記カートリッジの挿入を阻止する突起体であることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、濾過材を収納するカートリッジの交換作業を容易に行うことができる浄水器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る浄水器の概略構成断面図である。
【図2】図1に示す浄水器を構成するケーシング及びカートリッジに関して、ケーシング内にカートリッジを挿入する途中の状態を示す概略構成断面図である。
【図3】ケーシングの要部拡大断面図である。
【図4】図1に示す浄水器の設置例を示す説明図である。
【図5】カートリッジが備える濾過体の構成を説明する説明図である。
【図6】カートリッジが備える濾過体の変形例を示す説明図である。
【図7】カートリッジが備える濾過体の変形例を示す説明図である。
【図8】ケーシングの要部拡大図である。
【図9】ケーシングの要部拡大図である。
【図10】図1に示す浄水器の変形例を示す説明図である。
【図11】図1に示す浄水器の変形例を示す説明図である。
【図12】図1に示す浄水器の変形例を示す説明図である。
【図13】図1に示す浄水器の変形例を示す説明図である。
【図14】図1に示す浄水器の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る浄水器について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る浄水器1の概略構成断面図であり、図2は、浄水器1を構成するケーシング2及びカートリッジ3に関して、ケーシング2内にカートリッジ3を挿入する途中の状態を示す概略構成断面図である。なお、各図面は、構成の理解を容易にするため、実寸比ではなく部分的に拡大又は縮小されている。
【0024】
本実施形態に係る浄水器1は、水道水等の被処理液を浄化する浄水器1であって、図1及び図2に示すように、ケーシング2と、当該ケーシング2に収容される浄水器用のカートリッジ3と、蓋部材4とを備えている。
【0025】
ケーシング2は、一方端が開口し他方端が閉塞壁21により閉塞される筒状の部材であり、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属若しくはABS樹脂やPBT樹脂等の合成樹脂等により形成されている。特に磁気に反応しない金属やABS樹脂等により形成することが好ましい。このケーシング2は、一方端の開口からカートリッジ3を挿入して収納できるように構成されている。このケーシング2の底部を構成する閉塞壁21には、ケーシング2内外を連通し、被処理液が流通可能な流入部22及び流出部23が設けられている。これら流入部22及び流出部23は、それぞれ閉塞壁21に形成される貫通孔により構成されている。貫通孔により構成される流入部22及び流出部23の一方の端部(ケーシング2内側に配置される端部)の内面形状は、図3の要部拡大断面図に示すように、ラッパ状となるように形成することが好ましい。このようにラッパ状とすることにより、後述のカートリッジ3が備える導入部32及び導出部33をスムーズに受け入れることが可能となる。また、流入部22の他方の端部(ケーシング2外側に配置される端部)には、浄化処理されていない水道水等の被処理液が導かれる給水配管5が接続できるように構成されている。また、流出部23の他方の端部(ケーシング2外側に配置される端部)には、後述のカートリッジ3によって有害物質等が除去された被処理液が流通する排水配管6が接続できるように構成されている。ここで、ケーシング2の外形形状は、円柱状や楕円柱状であってもよく、直方体状であってもよい。本実施形態においては、厚さ40mm程度、高さ180mm程度、幅400mm程度の直方体状にケーシング2の外形形状を構成している。また、本実施形態においては、図4に示すように、プレート状の土台7にケーシング2の側面を設置し、該土台7をキッチンシンク下のアンダーカウンターの内壁等に固定できるように構成されている。また、土台7に対するケーシング2の設置姿勢は任意となるように構成することができる。本実施形態においては、簡単にケーシング2からカートリッジ3を取り出すことができるように、ケーシング2の一方端(開口が形成される側の端部)が、ケーシング2の閉塞壁21よりも上方位置となるように約45°傾斜させて土台7に設置している。
【0026】
カートリッジ3は、内部に濾過体31を備え、ケーシング2の開口から該ケーシング2内に挿入される部材であり、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属材料、合成樹脂素材(例えば、ABS樹脂やPBT樹脂等)等の材料により形成されている。特に磁気に反応しない金属やABS樹脂等により形成することが好ましい。カートリッジ3内部の濾過体31によって被処理液に含まれる有害物質や臭気成分は除去される。ケーシング2に対するカートリッジ3の挿入方向端部3aには、カートリッジ3の内外を連通し被処理液をカートリッジ3内部に導入可能な導入部32と、カートリッジ3の内外を連通し、カートリッジ内部の濾過体31により濾過された被処理液を排出可能な導出部33とが設けられている。導入部32及び導出部33は、カートリッジ3の挿入方向端部3aから外方に突出する管状体により構成されている。これら導入部32及び導出部33は、ケーシング2の閉塞壁21に貫通孔として形成される流入部22及び流出部23にそれぞれ嵌合可能となるように構成されている。なお、導入部32と流入部22との連結個所や、導出部33と流出部23との連結個所での液漏れを防止する観点から、管状体として形成される導入部32及び導出部33の外周面上にOリング等のパッキンを設置して、導入部32と流入部22、導出部33と流出部23をそれぞれ嵌合するように構成してもよい。また、カートリッジ3の挿入方向端部3aとは反対側の端部3bには、把手35が設けられている。なお、この把手35を省略してカートリッジ3を構成してもよい。
【0027】
カートリッジ3の内部に収納される濾過体31としては、カートリッジ3に形成される導入部32から導かれた被処理液から有害物質や細菌、臭気成分等を除去すると共に、浄化後の被処理液を導出部33を介して外部に導くことができる構成であれば、特にその構成は限定されず、例えば、図5や図6に示すような構成を採用することができる。この濾過体31は、粒状の活性炭等の濾過材が内部に充填される流路34を複数備えるように構成されており、カートリッジ3の導入部32に導かれた被処理液を各流路34に分散して通過させながら活性炭の作用により有害物質や臭気成分等を除去し、これら有害物質等が除去された浄化後の被処理液をカートリッジ3の導出部33に導くことができるように構成されている。なお、粒状の活性炭の代わりに、繊維状の活性炭や、イオン交換樹脂等を使用してもよく、或いは、これらを混合した物を使用してもよい。また、複数の流路34を設けず、図7に示すように、単一の空間35内に前記活性炭やブロック状成型活性炭、イオン交換樹脂等の濾過材を充填するように構成し、この濾過材が充填された領域を、カートリッジ3の導入部32に導かれた被処理液が通過すると共に、浄化後の被処理液をカートリッジ3の導出部33に導くように、濾過体31を構成してもよい。
【0028】
また、例えば、中空糸膜体により形成される中空糸膜層を濾過材として採用し、カートリッジ3の内部に配置してもよい。ここで、中空糸膜層は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン等の素材からなる多数の中空糸束をその各端部においてボッティング樹脂により一体的に固定して形成された中空糸膜体により構成されている。このような中空糸膜体を被処理水が通過することにより、被処理水中の鉄錆及び雑菌等の細かい汚れが濾過され除去される。なお、中空糸膜体と、活性炭やイオン交換樹脂等の濾過材とを組み合わせて濾過体31を構成してもよい。
【0029】
このようなケーシング2とカートリッジ3との構成により、給水配管5により導かれた水道水等の被処理液は、ケーシング2における流入部22及びカートリッジ3における導入部32を介してカートリッジ3内に導かれ、カートリッジ3内の濾過体31の作用により有害物質や臭気成分等が除去された後、カートリッジ3の導出部33及びケーシング2の流出部23を介して排水配管6に導かれて外部に供給される。
【0030】
また、本発明に係る浄水器1は、ケーシング2における流入部22及びカートリッジ3における導入部32の嵌合状態、並びに、ケーシング2における流出部23及びカートリッジ3における導出部33の嵌合状態を良好な状態に維持する保持手段8を更に備えている。この保持手段8は、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、他方に配置され磁石体81との間でくっつく力を及ぼす磁性部材82により構成されている。ここで、磁性部材82とは、磁石にくっつく部材のことをいい、鉄やニッケル等の金属から形成される部材や、永久磁石や電磁石等の磁石体をも含む概念である。本実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21に磁石体81としての永久磁石を配設し、カートリッジ3の挿入方向端部3aに磁性部材82としての永久磁石を配設し、カートリッジ3をケーシング2内に設置した場合に、両永久磁石が互いに引き合って、カートリッジ3とケーシング2との連結状態を強固に維持できるように構成している。なお、磁石体81と磁性部材82との衝突の衝撃によって発生するおそれのある磁石体81や磁性部材82の損傷や、ケーシング2或いはカートリッジ3からの磁石体81や磁性部材82の脱落を回避するために、ケーシング2内にカートリッジ3をセットした状態において、磁石体81と磁性部材82との間に僅かな隙間が形成されるように、磁石体81や磁性部材82の位置や大きさを設定することが好ましい。
【0031】
また、本発明に係る浄水器1は、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される電磁石85と、他方に配置される磁石体86とを更に備えるように構成している。また、電磁石85のON/OFFといった作動を制御する制御部(図示せず)や電磁石85を駆動させるための操作部(図示せず)を備えている。本実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21に電磁石85を配置し、この電磁石85と対向する位置におけるカートリッジ3の挿入方向端部3aに永久磁石(磁石体86)を配置している。なお、この永久磁石の代わりに別の電磁石をカートリッジ3の挿入方向端部3aに配置してもよい。また、本実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21に配置される電磁石85に通電することにより発生する磁極が、カートリッジ3の挿入方向端部3aに配置される永久磁石86の磁極と同一(例えば、N極とN極、或いは、S極とS極)となるように構成し、電磁石85と永久磁石86とが互いに反発するように構成している。制御部は、操作部から入力された信号に基づいて、例えば電磁石85に所定時間(例えば5分間)通電させるように制御したり、電磁石85が発生する磁力の大きさを制御する機能を有している。また、操作部は、例えばタッチパネル式の入力装置により構成されており、所定の部位をタッチすることにより、電磁石85に通電させる信号やその通電を停止させる信号等を制御部に送信可能となるように構成されている。また、操作部を操作することにより、電磁石85が発生する磁力の大きさを変更できるように構成されている。
【0032】
なお、図8の要部拡大断面図に示すように、永久磁石(磁石体86)に対して対向配置される電磁石85は、永久磁石(磁石体86)を案内可能に構成されるラッパ状に形成された受け部87をその先端部に備えるように構成してもよい。このような構成により、ケーシング2内にカートリッジ3を挿入する際に生じ得るカートリッジ3の位置ズレを微調整し、カートリッジ3を正しいセット位置に導くことが容易となる。
【0033】
更に、本発明に係る浄水器1は、ケーシング2の閉塞壁21とカートリッジ3の挿入方向端部3aとの間に配置される衝撃吸収用の衝撃吸収部材9を備えるように構成している。この衝撃吸収部材9は、弾性部材により形成されることが好ましい。衝撃吸収部材9は、ケーシング2の閉塞壁21或いはカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に、或いは両方に設置してもよい。
【0034】
蓋部材4は、ケーシング2の一方端に配設され当該ケーシング2の開口を閉塞する蓋体であり、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属材料、合成樹脂素材(例えば、ABS樹脂やPBT樹脂等)等の材料により形成されている。特に磁気に反応しない金属やABS樹脂等により形成することが好ましい。この蓋部材4は、ケーシング2内に挿入されるカートリッジ3の挿入方向端部3aとは反対側の端部3bに設けられる把手35に当接可能に構成されている。このような蓋部材4としては、ケーシング2に対してボルト等により取り付け可能な蓋体であってもよく、或いは、ケーシング2の開口近傍に形成されるガイド溝にスライドさせて挿入しケーシング2開口を閉塞させるスライドプレートやスライドシャッターにより構成してもよい。図1に示す浄水器1においては、蓋部材4をスライドプレートにより構成している。ここで、蓋部材4をスライドプレートやスライドシャッターにより構成する場合、図9の要部拡大断面図に示すように、スライドプレートやスライドシャッターの閉める方向側の端部4aの所定領域に磁石体88を設置すると共に、スライドプレートやスライドシャッターを閉めた状態において磁石体88に対向するケーシング2の開口の所定領域に、磁石体88との間でくっつく力を及ぼす磁性部材89を設置するようにしてもよい。このような構成により、スライドプレートやスライドシャッターにより構成される蓋部材4をケーシング2の開口に固定させることができるため、ケーシング2の開口を確実に閉塞させることが可能となる。ここで、磁性部材89とは、磁石にくっつく部材のことをいい、鉄やニッケル等の金属から形成される部材や、永久磁石や電磁石等の磁石体をも含む概念である。なお、このように蓋部材4が磁石体88と磁性部材89とを備えるような構成を採用する場合、磁石体88と磁性部材89とのくっつく力の作用により蓋部材4(スライドプレートやスライドシャッター)がケーシング2の開口部分が衝突し、磁石体88や磁性部材89、蓋部材4或いはケーシング2の開口部分が損傷する恐れがある。このような事態が発生することを防止するために、蓋部材4(スライドプレートやスライドシャッター)の閉める方向側の端部4aの所定領域や、蓋部材4(スライドプレートやスライドシャッター)の閉める方向側の端部4aに対向するケーシング2の開口の所定領域に、衝撃吸収用の蓋用衝撃吸収部材(図示せず)を配置することが好ましい、
【0035】
本発明に係る浄水器1は、上記の如く構成されているため、内部に濾過体31を備えるカートリッジ3をケーシング2内に挿入して押し込むという動作のみで、カートリッジ3をケーシング2にセットすることが可能となり、また、ケーシング2にセットされているカートリッジ3を引き抜くという動作のみでケーシング2からカートリッジ3を容易に取り外すことが可能となる。つまり、カートリッジ3の脱着が極めて簡便となり、カートリッジ3の交換作業を容易に行うことが可能となる。
【0036】
また、上記浄水器1においては、ケーシング2の流入部22及びカートリッジ3の導入部32の嵌合状態、並びに、ケーシング2の流出部23及びカートリッジ3の導出部33の嵌合状態を維持する保持手段8を備えるように構成しているため、流入部22及び導入部32の嵌合状態や、流出部23及び導出部33の嵌合状態を確実に維持できるため、ケーシング2のカートリッジ3に対する保持力(ホールド力)を強固なものとすることが可能となり、カートリッジ3内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジ3の離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを防止することが可能となる。
【0037】
特に、上記実施形態においては、保持手段8が、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、他方に配置され磁石体81との間でひっつく力を及ぼす磁性部材82を備えるように構成しているため、カートリッジ3をケーシング2内に挿入して、カートリッジ3の導入部32及び導出部33をそれぞれケーシング2の流入部22及び流出部23に押し込むという動作のみで、自動的に、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81が、この磁石体81に対応して配置される磁性部材82を引き付けてケーシング2とカートリッジ3との一体性をより強固に確保することができるため、簡便かつ確実に、カートリッジ3内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジ3の離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを防止することが可能となる。
【0038】
また、上記実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される電磁石85と、他方に配置される磁石体86とを更に備えるように構成し、ケーシング2の閉塞壁21に配置される電磁石85に通電することにより発生する磁極が、カートリッジ3の挿入方向端部3aに配置される磁石体86の磁極と同一となるように構成して、電磁石85と磁石体86とが互いに反発するように構成している。このような構成により、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、この磁石体81に対応して配置される磁性部材82との間で生じるくっつく力が、電磁石85と磁石体86との間で生じる反発力によって低減されるため、ケーシング2からカートリッジ3を容易に抜き出すことが可能となる。特に、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、この磁石体81に対応して配置される磁性部材82との間で生じるくっつく力が、電磁石85と磁石体86との間で生じる反発力よりも僅かに大きくなるように電磁石85の磁力を調節することにより、ケーシング2からカートリッジ3を抜き出す際の離脱感(カートリッジ3を取り外したという感触)や、ケーシング2内にカートリッジ3を挿入してセットする際のくっつき感(カートリッジ3が確実にセットされたという感触)を得ることができ、カートリッジ3の交換作業を正確かつ確実に行うことができたという安心感を得ることができる。また、電磁石85が発生する磁力の大きさを変更可能に構成すれば、上記離脱感やくっつき感を浄水器利用者の家族構成(大人、子供、老人、男性、女性)にあわせて磁力の大きさ(強、中、弱など)を基本設定することができる。また、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、この磁石体81に対応して配置される磁性部材82との間で生じるくっつく力よりも、電磁石85と磁石体86との反発力の方が強くなるように電磁石85の磁力を制御する場合には、カートリッジ3には、抜き出す方向への磁力が作用することになるため、簡便にケーシング2からカートリッジ3を抜き出すことが可能となる。
【0039】
また、上記実施形態においては、ケーシング2の一方端に配設されケーシング2の開口を閉塞する蓋部材4を備え、この蓋部材4が、ケーシング2内に挿入されるカートリッジ3に当接可能に構成されているため、ケーシング2内にセットされたカートリッジ3が、当該カートリッジ3内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によってケーシング2から離脱するような力を受けたとしても、カートリッジ3に当接する蓋部材4が、カートリッジ3の移動を拘束することとなり、ケーシング2の流入部22とカートリッジ3の導入部32との嵌合状態、及び、ケーシング2の流出部23とカートリッジ3の導出部33との嵌合状態を維持することが可能となり、流入部22と導入部32との連結個所や、流出部23と導出部33との連結個所からの液漏れを効果的に抑制することが可能となる。
【0040】
また、上記実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21とカートリッジ3の挿入方向端部3aとの間に配置される衝撃吸収部材9を備えるように構成しているため、カートリッジ3をケーシング2内に挿入して、カートリッジ3の導入部32及び導出部33をそれぞれケーシング2の流入部22及び流出部23に押し込む際の衝撃を衝撃吸収部材9が吸収するため、ケーシング2やカートリッジ3に損傷が発生することを効果的に防止することが可能となる。
【0041】
以上、本発明に係る浄水器1の一実施形態について説明したが、浄水器1の具体的構成は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態において、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、他方に配置され磁石体81との間でくっつく力を及ぼす磁性部材82により構成される保持手段8を備えるように構成しているが、保持手段8の構成としてはこのようなものに限定されず、例えば、ケーシング2とカートリッジ3とを固定する螺合部材によって保持手段8を構成してもよい。螺合部材としてはボルト等の結合部材を例示することができる。このような螺合部材を介してケーシング2とカートリッジ3とを一体化することにより、カートリッジ3内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジ3の離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを確実に防止することができる。なお、螺合部材の設置個所は特に限定されず、ケーシング2とカートリッジ3とが確実に一体化されるような任意の位置に設置することができる。
【0042】
また、上記実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される電磁石85と、他方に配置される磁石体86とを備え、カートリッジ3の交換時には、電磁石85と磁石体86とが互いに反発するように構成しているが、このような構成に限定されない。例えば、電磁石85に流れる電流の向きを変更できるようにして電磁石85と磁石体86とが互いに引き合う又は反発するように構成してもよい。このような構成によれば、カートリッジ3セット時には、電磁石85と磁石体86とのくっつく力の作用によりカートリッジ3とケーシング2との連結を強固な状態に維持することができ、ケーシング2からカートリッジ3を取り出す際には、電磁石85と磁石体86との反発作用により、ケーシング2の流入部22及び流出部23にそれぞれ嵌合されるカートリッジ3の導入部32及び導出部33を、流入部22及び流出部23から抜き出すことが容易となり、カートリッジ3の交換作業を簡便に行うことが可能となる。
【0043】
また、上記実施形態において、カートリッジ3の外周面の一部領域が、ケーシング2の内周面と当接可能に構成すると共に、カートリッジ3の外周面の他の一部領域が、ケーシング2の内周面との間に空間部を形成するように構成してもよい。例えば、ケーシング2及びカートリッジ3共に直方体状に形成する場合、図10に示すように、カートリッジ3の3つの外側側面が、ケーシング2の3つの内側側面に当接するように構成すると共に、カートリッジ3の残りの1つの外側側面と、ケーシング2の残りの1つの内側側面とが互いに当接せず空間部Zを形成するように構成する。なお、図10は、ケーシング2の開口から内部を見た状態を示す説明図である。このようにカートリッジ3の外周面の一部領域が、ケーシング2の内周面と当接可能に構成することにより、ケーシング2に対するカートリッジ3の挿入位置(挿入姿勢)を正しい状態(ケーシング2の軸線と、カートリッジ3の軸線とを一致させた状態)に維持することができ、カートリッジ3をケーシング2にスムーズ且つ確実にセットすることが可能となる。更に、カートリッジ3の外周面とケーシング2の内周面との間に空間部Zを形成することにより、当該空間部Zは、ケーシング2内へのカートリッジ3挿入時において、カートリッジ3により押し出されるケーシング2内の空気の通り道(逃げ道)としての機能を発揮することから、ケーシング2内にカートリッジ3をスムーズに挿入することが可能となる。また、当該空間部Zは、カートリッジ3取り出し時において、ケーシング2外の空気をケーシング2内へと導く通り道(導入路)としての機能を発揮するため、カートリッジ3取り出し時に、ケーシング2の内周面とカートリッジ3の外周面との間が真空状態(低圧状態)となることを効果的に抑制することができ、ケーシング2からカートリッジ3をスムーズに取り出すことが可能となる。
【0044】
また、上記実施形態において、例えば図11に示すように、ケーシング2の内周面とカートリッジ3の外周面との間に空隙部10aを形成するスペーサ部材10を設けるように構成してもよい。図11の構成においては、スペーサ部材10を、ケーシング2の内周面に設けられる複数の凸部により構成している。この複数の凸部は、カートリッジ3の外周面に摺接可能となるように形成されている。なお、図11は、ケーシング2の開口から内部を見た状態を示す説明図である。このようなスペーサ部材10(複数の凸部)を設けることにより、ケーシング2の内周面と、カートリッジ3の外周面との間に空隙部10aを形成することができる。当該空隙部10aは、カートリッジ3をケーシング2内に挿入する際には、カートリッジ3により押し出されるケーシング2内の空気の通り道(逃げ道)としての機能を発揮することから、ケーシング2内にカートリッジ3をスムーズに挿入することが可能となる。また、当該空隙部10aは、ケーシング2内にセットされたカートリッジ3を取り出す際には、ケーシング2外の空気をケーシング2内へと導く通り道(導入路)としての機能を発揮するため、カートリッジ3引き出し時に、ケーシング2の内周面とカートリッジ3の外周面との間が真空状態(低圧状態)となることを効果的に抑制することができ、ケーシング2からカートリッジ3をスムーズに取り出すことが可能となる。更に、このようなスペーサ部材10を備えることにより、ケーシング2に対するカートリッジ3の挿入位置(挿入姿勢)を正しい状態(ケーシング2の軸線と、カートリッジ3の軸線とを一致させた状態)に維持することができ、カートリッジ3をケーシング2にスムーズ且つ確実にセットすることが可能となる。なお、本実施形態においては、ケーシングやカートリッジは直方体の形状となっているので、前記軸線を中心として、ケーシングの中でカートリッジが回転することはない。
【0045】
なお、凸部として形成されるスペーサ部材10の形状は特に限定されず、例えば、直方体状或いは円錐状、半球状に形成してもよく、或いは、カートリッジ3の挿入方向に沿って伸びる突条となるようにスペーサ部材10を形成してもよい。また、スペーサ部材10をケーシング2の内周面に形成する代わりに、カートリッジ3の外周面に形成してもよく、或いは、ケーシング2の内周面及びカートリッジ3の外周面の両方に凸部10を形成してもよい。また、スペーサ部材10をケーシング2の内周面上やカートリッジ3の外周面上に形成するのではなく、ケーシング2の内周面とカートリッジ3の外周面との間にスペーサ部材10を配置してもよい。例えば、所定間隔をあけて配置される複数の棒部材を各棒部材が略平行となるような態様で連結した部材として、カートリッジ3を取り巻き、凸部がある単数のリング又は複数のリングの連結体として、或いは、波形状のプレートとしてスペーサ部材10を構成し、このようなスペーサ部材10を、ケーシング2の内周面とカートリッジ3の外周面との間に配置し、空隙部10aを形成するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態において、ケーシング2の内周面及びカートリッジ3の外周面のいずれか一方に、所定間隔をあけて配置される一対の第1ガイド部11を設け、他方には、当該一対の第1ガイド部11間を通過可能な第2ガイド部12を設けるように構成してもよい。第1ガイド部11としては、例えば、図12(a)に示すように、カートリッジ3の挿入方向に沿って伸び所定間隔をあけて配置される一対の突条として構成することができる。また、第2ガイド部12としては、ケーシング2の内周面に形成される一対の突条(一対の第1ガイド部11)の間を通過可能な突起物として構成することができる。また、図12(b)に示すように、ケーシング2の内周面に形成される突起物として第2ガイド部12を構成すると共に、カートリッジ3の外周面に形成される一対の突条として第1ガイド部11を構成し、この一対の突条の間を、突起物により構成される第2ガイド部12が通過可能となるように構成してもよい。ここで、図12(a)(b)は、ケーシング2の開口から内部を見た状態を示す要部拡大図である。このような第1ガイド部11及び第2ガイド部12を備えることにより、カートリッジ3をケーシング2内に挿入するときのケーシング2に対するカートリッジ3の挿入姿勢を一定の状態とすることができ、ケーシング2の流入部22及び流出部23のそれぞれに、カートリッジ3の導入部32及び導出部33を確実に嵌合させてケーシング2とカートリッジ3とを連結することが可能となる。なお、第1ガイド部11及び第2ガイド部12に対して、例えば、同じ色彩の塗料を塗布する等の目印を付与することが好ましい。このように第1ガイド部11及び第2ガイド部12を同じ色彩に着色する等の目印を付与することにより、カートリッジ3をケーシング2に挿入する際に、第1ガイド部11に対して第2ガイド部12を一致させるようにカートリッジ3を挿入することの注意喚起を行うことが可能となり、カートリッジ3の正確かつスピーディーな挿入を確保することができる。
【0047】
また、カートリッジ3がケーシング2内に誤った姿勢で挿入され、ケーシング2の流入部22とカートリッジ3の導出部33とが嵌合し、ケーシング2の流出部23がカートリッジ3の導入部32とが嵌合することを防止する誤挿入防止部材15を備えるように構成してもよい。このような誤挿入防止部材15は、例えば、図13(a)に示すように、一対の第1ガイド部11により挟まれる領域に対向するケーシング2の内周面領域に配置される突起体として構成される。このような突起体を備える場合、カートリッジ3がケーシング2に正しい姿勢(向き)で挿入される際には、図13(a)に示すように、突起体(誤挿入防止部材15)と第2ガイド部12とが互いに干渉することなく、カートリッジ3をケーシング2内に挿入することが可能となるが、図13(b)に示すように、カートリッジ3を誤った姿勢(向き)でケーシング2内に挿入される際には、第2ガイド部12と突起体(誤挿入防止部材15)とが互いに干渉してカートリッジ3の挿入を阻止することができる。これら第1ガイド部11、第2ガイド部12及び突起体(誤挿入防止部材15)によってケーシング2内に挿入されるカートリッジ3は、上下左右の位置取りを正しく行うことができる。なお、このような第1ガイド部11、第2ガイド部12及び突起体(誤挿入防止部材15)の組み合わせを複数設けるように構成してもよい。ここで、図13(a)(b)は、ケーシング2の開口から内部を見た状態を示す要部拡大図である。
【0048】
また、上記実施形態において、図14に示すように、ケーシング2の下方に配置される漏液収容ケース16を備えるように構成してもよい。この漏液収容ケース16は、脱着可能となるように構成されている。このような漏液収容ケース16を設ける場合、ケーシング2の所定位置に貫通孔2aを形成し、ケーシング2からカートリッジ3を取り外す際に、ケーシング2内側の流入部22や流出部23から、或いは、カートリッジ3の導入部32や導出部33から漏れ出す被処理液を漏液収容ケース16に導くことができるように構成する。この漏液収容ケース16は、内部に貯留される被処理液の量を確認し易いように透明又は半透明の材料により形成することが好ましい。
【符号の説明】
【0049】
1 浄水器
2 ケーシング
21 閉塞壁
22 流入部
23 流出部
3 カートリッジ
31 濾過体
32 導入部
33 導出部
35 把手
4 蓋部材
5 給水配管
6 排水配管
7 土台
8 保持手段
81 磁石体
82 磁性部材
85 電磁石
86 磁石体
88 磁石体
89 磁性部材
9 衝撃吸収部材
10 スペーサ部材(複数の凸部)
11 第1ガイド部
12 第2ガイド部
15 誤挿入防止部材
16 漏液収容ケース
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から水道水には殺菌用の塩素添加が義務づけられており、これにより水道水が雑菌により汚染される懸念は少ないが、カルキ臭により水の味は損なわれていた。また、この塩素と水道水中に含まれるフミン質などの有機物質とが反応することにより、発ガン性を有するトリハロメタンが水道水中に生成することも確認されている。更に、近年の河川、湖沼の汚染等により、これらを原水とする水道水中には、カビ臭原因物質が微量成分として含まれていることも確認されている。そこで、これらの水の味を損ねる物質や有害物質を除去するために、浄水器が広く使用されている。
【0003】
浄水器の一般的な構造は、活性炭のような粒状濾材充填した粒状濾材層を有するカートリッジと、当該カートリッジが収納されるケーシングとを備えている。このような浄水器は、浄水処理されていない水道水等の被処理液が導かれる給水配管や、カートリッジ内を通過し有害物質等が除去された被処理液を外部に導く吐水管等に接続されて使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の浄水器においては、浄水処理されていない水道水等の被処理液が導かれる給水配管や、カートリッジ内を通過し有害物質等が除去された被処理液を外部に導く吐水管(排水配管)との接続構造が複雑であり、浄化能力を失ったカートリッジを交換する場合に、その交換作業に時間を要し、簡便にカートリッジを交換することが難しいという問題があった。例えば、キッチンシンク下のアンダーカウンター内に浄水器を設置しているような場合、カートリッジを交換するには、作業者がアンダーカウンター内に頭部や腕部を挿入して、給水配管や排水配管等を外してカートリッジを交換する必要があり、カートリッジの交換作業に多大な時間と労力を要している。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、濾過材を収納するカートリッジの交換作業を容易に行うことができる浄水器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、被処理液を浄化する浄水器であって、一方端が開口し他方端が閉塞壁により閉塞される筒状のケーシングと、内部に濾過体を備え、前記ケーシングの開口から前記ケーシング内に挿入されるカートリッジとを備え、前記ケーシングにおける閉塞壁には、前記ケーシング内外を連通し、被処理液が流通可能な流入部及び流出部が設けられており、前記カートリッジの挿入方向端部には、前記カートリッジの内外を連通し被処理液を前記カートリッジ内部に導入可能な導入部と、前記カートリッジの内外を連通し、前記カートリッジ内部の濾過材により濾過された被処理液を排出可能な導出部とが設けられており、前記流入部及び前記導入部、並びに、前記流出部及び前記導出部が、それぞれ嵌合可能に構成される浄水器により達成される。
【0007】
このような構成によれば、内部に濾過体を備えるカートリッジをケーシング内に挿入し押し込むという動作のみで、カートリッジをケーシングにセットすることが可能となり、また、ケーシングにセットされているカートリッジを引き抜くという動作のみでケーシングからカートリッジを取り外すことが可能となる。つまり、カートリッジの脱着が極めて簡便となり、カートリッジの交換作業を容易に行うことが可能となる。
【0008】
また、上記浄水器において、前記カートリッジの外周面の一部領域は、前記ケーシングの内周面と当接可能に構成されており、前記カートリッジの外周面の他の一部領域は、前記ケーシングの内周面との間に空間部を形成するように構成されていることが好ましい。このようにカートリッジの外周面の一部領域が、ケーシングの内周面と当接可能に構成することにより、ケーシングに対するカートリッジの挿入位置(挿入姿勢)を正しい状態(ケーシングの軸線と、カートリッジの軸線とを一致させた状態)に維持することができ、カートリッジをケーシングにスムーズ且つ確実にセットすることが可能となる。更に、カートリッジの外周面とケーシングの内周面との間に形成される空間部を形成することにより、当該空間部は、ケーシング内へのカートリッジに挿入時において、カートリッジにより押し出されるケーシング内の空気の通り道(逃げ道)としての機能を発揮することから、ケーシング内にカートリッジをスムーズに挿入することが可能となる。また、当該空間部は、カートリッジ取り出し時において、ケーシング外の空気をケーシング内へと導く通り道(導入路)としての機能を発揮するため、カートリッジ引き出し時に、ケーシング内周面とカートリッジ外周面との間が真空状態(低圧状態)となることを効果的に抑制することができ、ケーシングからカートリッジをスムーズに取り出すことが可能となる。
【0009】
また、前記ケーシングの内周面と前記カートリッジの外周面との間に空隙部を形成するスペーサ部材を備えることが好ましい。また、前記スペーサ部材は、前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジの外周面の少なくともいずれか一方に設けられる、複数の凸部により構成されることが好ましい。このようなスペーサ部材(複数の凸部)を設けることにより、ケーシングの内周面と、カートリッジの外周面との間に空隙部を形成することができる。当該空隙部は、カートリッジをケーシング内に挿入する際には、カートリッジにより押し出されるケーシング内の空気の通り道(逃げ道)としての機能を発揮することから、ケーシング内にカートリッジをスムーズに挿入することが可能となる。また、当該空隙部は、ケーシング内にセットされたカートリッジを取り出す際には、ケーシング外の空気をケーシング内へと導く通り道(導入路)としての機能を発揮するため、カートリッジ引き出し時に、ケーシング内周面とカートリッジ外周面との間が真空状態(低圧状態)となることを効果的に抑制することができ、ケーシングからカートリッジをスムーズに取り出すことが可能となる。更に、このようなスペーサ部材を備えることにより、ケーシングに対するカートリッジの挿入位置(挿入姿勢)を正しい状態(ケーシングの軸線と、カートリッジの軸線とを一致させた状態)に維持することができ、カートリッジをケーシングにスムーズ且つ確実にセットすることが可能となる。
【0010】
また、前記流入部及び前記導入部の嵌合状態、並びに、前記流出部及び前記導出部の嵌合状態を維持する保持手段を更に備えることが好ましい。このような保持手段を備えることにより、流入部及び導入部の嵌合状態や、流出部及び導出部の嵌合状態を確実に維持できるため、ケーシングのカートリッジに対する保持力(ホールド力)を強固なものとすることが可能となり、カートリッジ内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジの離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを防止することが可能となる。
【0011】
また、前記保持手段は、前記ケーシングの前記閉塞壁及び前記カートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体と、他方に配置され前記磁石体との間でくっつく力が発生する磁性部材であることが好ましい。ここで、磁性部材とは、磁石にくっつく部材のことをいい、鉄やニッケル等の金属から形成される部材や、永久磁石や電磁石等の磁石体をも含む概念である。このような構成により、カートリッジをケーシング内に挿入して、カートリッジの導入部及び導出部をそれぞれケーシングの流入部及び流出部に押し込むという動作のみで、自動的に、ケーシングの閉塞壁及びカートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体が、この磁石体に対応して配置される磁性部材とくっついてホールドし、ケーシングとカートリッジとの一体性を確保でき、カートリッジ内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジの離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを防止することが可能となる。
【0012】
また、前記保持手段は、前記ケーシングと前記カートリッジとを固定する螺合部材であってもよい。このような螺合部材により保持手段を構成する場合、より確実にケーシングとカートリッジとの一体性を確保することが可能となり、カートリッジ内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジの離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを確実に防止することができる。
【0013】
また、前記ケーシングの前記閉塞壁及び前記カートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される電磁石と、他方に配置される磁石体とを更に備えることが好ましい。このような構成によれば、電磁石に流れる電流の向きを変化させることにより、電磁石と磁石体とが互いに引き合う或いは反発するように構成することが可能となり、ケーシング内にカートリッジをセットする際に電磁石と磁石体とが互いにくっつくように、或いは、ケーシングからカートリッジを取り出す際に電磁石と磁石体とが互いに反発するように構成することができる。つまり、カートリッジセット時には、電磁石と磁石体とのくっつく力の作用によりカートリッジとケーシングとの連結を強固な状態に維持することができ、ケーシングからカートリッジを取り出す際には、電磁石と磁石体との反発作用により、ケーシングの流入部及び流出部にそれぞれ嵌合されるカートリッジの導入部及び導出部を、流入部及び流出部から抜き出すことが容易となり、カートリッジの交換作業をより簡便に行うことが可能となる。なお、上述のケーシングの閉塞壁及びカートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体と、この磁石体に対応して配置される磁性部材とを備える場合には、更に備える電磁石と磁石体とが互いに反発するように構成することが好ましい。このような場合、ケーシングの閉塞壁及びカートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体と、この磁石体に対応して配置される磁性部材との間で生じるくっつく力により、ケーシングとカートリッジとの連結を強固なものとすることができると共に、ケーシングからカートリッジを取り出す際に電磁石に電流を流して電磁石と磁石体との間で反発力を発生させれば、ケーシングとカートリッジとの間で発生する磁力によるくっつく力が低下するため、ケーシングからカートリッジを容易に抜き出すことが可能となる。
【0014】
また、前記電磁石は、発生する磁力の大きさが変更可能となるように構成されることが好ましい。このような構成によれば、例えば、上述のケーシングの閉塞壁及びカートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体と、この磁石体に対応して配置される磁性部材とを備える場合において、これら磁石体と磁性部材との間で生じるくっつく力が、更に備える電磁石と磁石体との間で生じる反発力よりも僅かに大きくなるように電磁石の磁力を調節することができ、ケーシングからカートリッジを抜き出す際の離脱感(カートリッジを取り外したという感触)や、ケーシング内にカートリッジを挿入してセットする際のくっつき感(カートリッジが確実にセットされたという感触)を得ることができると共に、かかる離脱感やくっつき感を浄水器利用者の好みに合致させることが可能となる。
【0015】
また、前記ケーシングの一方端に配設され前記ケーシングの開口を閉塞する蓋部材を備えており、前記蓋部材は、前記ケーシング内に挿入される前記カートリッジに当接可能に構成されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、ケーシング内にセットされたカートリッジが、当該カートリッジ内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によってケーシングから離脱するような力を受けたとしても、カートリッジに当接する蓋部材が、カートリッジの移動を拘束することとなり、ケーシングの流入部とカートリッジの導入部との嵌合状態、及び、ケーシングの流出部とカートリッジの導出部との嵌合状態を維持することが可能となり、流入部と導入部との連結個所や、流出部と導出部との連結個所からの液漏れを効果的に抑制することが可能となる。
【0017】
また、前記ケーシングの前記閉塞壁と前記カートリッジの挿入方向端部との間に配置される衝撃吸収部材を備えることが好ましい。この衝撃吸収部材は、弾性部材により構成することが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、カートリッジをケーシング内に挿入して、カートリッジの導入部及び導出部をそれぞれケーシングの流入部及び流出部に押し込む際の衝撃を衝撃吸収部材が吸収するため、ケーシングやカートリッジに損傷が発生することを効果的に防止することが可能となる。
【0019】
また、前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジの外周面のいずれか一方には、所定間隔をあけて配置される一対の第1ガイド部が設けられており、他方には、前記一対の第1ガイド部間を通過可能な第2ガイド部が設けられていることが好ましい。このような第1ガイド部及び第2ガイド部を備えることにより、カートリッジをケーシング内に挿入するときのケーシングに対するカートリッジの挿入姿勢を一定の状態とすることができ、ケーシングの流入部及び流出部のそれぞれに、カートリッジの導入部及び導出部を確実に嵌合させてケーシングとカートリッジとを連結することが可能となる。
【0020】
また、前記カートリッジが前記ケーシング内に誤った姿勢で挿入されることを防止する誤挿入防止部材を備えており、前記誤挿入防止部材は、前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジのいずれか一方に設けられ、前記カートリッジが前記ケーシング内に誤った姿勢で挿入された場合に、前記第2ガイド部と干渉して前記カートリッジの挿入を阻止する突起体であることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、濾過材を収納するカートリッジの交換作業を容易に行うことができる浄水器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る浄水器の概略構成断面図である。
【図2】図1に示す浄水器を構成するケーシング及びカートリッジに関して、ケーシング内にカートリッジを挿入する途中の状態を示す概略構成断面図である。
【図3】ケーシングの要部拡大断面図である。
【図4】図1に示す浄水器の設置例を示す説明図である。
【図5】カートリッジが備える濾過体の構成を説明する説明図である。
【図6】カートリッジが備える濾過体の変形例を示す説明図である。
【図7】カートリッジが備える濾過体の変形例を示す説明図である。
【図8】ケーシングの要部拡大図である。
【図9】ケーシングの要部拡大図である。
【図10】図1に示す浄水器の変形例を示す説明図である。
【図11】図1に示す浄水器の変形例を示す説明図である。
【図12】図1に示す浄水器の変形例を示す説明図である。
【図13】図1に示す浄水器の変形例を示す説明図である。
【図14】図1に示す浄水器の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る浄水器について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る浄水器1の概略構成断面図であり、図2は、浄水器1を構成するケーシング2及びカートリッジ3に関して、ケーシング2内にカートリッジ3を挿入する途中の状態を示す概略構成断面図である。なお、各図面は、構成の理解を容易にするため、実寸比ではなく部分的に拡大又は縮小されている。
【0024】
本実施形態に係る浄水器1は、水道水等の被処理液を浄化する浄水器1であって、図1及び図2に示すように、ケーシング2と、当該ケーシング2に収容される浄水器用のカートリッジ3と、蓋部材4とを備えている。
【0025】
ケーシング2は、一方端が開口し他方端が閉塞壁21により閉塞される筒状の部材であり、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属若しくはABS樹脂やPBT樹脂等の合成樹脂等により形成されている。特に磁気に反応しない金属やABS樹脂等により形成することが好ましい。このケーシング2は、一方端の開口からカートリッジ3を挿入して収納できるように構成されている。このケーシング2の底部を構成する閉塞壁21には、ケーシング2内外を連通し、被処理液が流通可能な流入部22及び流出部23が設けられている。これら流入部22及び流出部23は、それぞれ閉塞壁21に形成される貫通孔により構成されている。貫通孔により構成される流入部22及び流出部23の一方の端部(ケーシング2内側に配置される端部)の内面形状は、図3の要部拡大断面図に示すように、ラッパ状となるように形成することが好ましい。このようにラッパ状とすることにより、後述のカートリッジ3が備える導入部32及び導出部33をスムーズに受け入れることが可能となる。また、流入部22の他方の端部(ケーシング2外側に配置される端部)には、浄化処理されていない水道水等の被処理液が導かれる給水配管5が接続できるように構成されている。また、流出部23の他方の端部(ケーシング2外側に配置される端部)には、後述のカートリッジ3によって有害物質等が除去された被処理液が流通する排水配管6が接続できるように構成されている。ここで、ケーシング2の外形形状は、円柱状や楕円柱状であってもよく、直方体状であってもよい。本実施形態においては、厚さ40mm程度、高さ180mm程度、幅400mm程度の直方体状にケーシング2の外形形状を構成している。また、本実施形態においては、図4に示すように、プレート状の土台7にケーシング2の側面を設置し、該土台7をキッチンシンク下のアンダーカウンターの内壁等に固定できるように構成されている。また、土台7に対するケーシング2の設置姿勢は任意となるように構成することができる。本実施形態においては、簡単にケーシング2からカートリッジ3を取り出すことができるように、ケーシング2の一方端(開口が形成される側の端部)が、ケーシング2の閉塞壁21よりも上方位置となるように約45°傾斜させて土台7に設置している。
【0026】
カートリッジ3は、内部に濾過体31を備え、ケーシング2の開口から該ケーシング2内に挿入される部材であり、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属材料、合成樹脂素材(例えば、ABS樹脂やPBT樹脂等)等の材料により形成されている。特に磁気に反応しない金属やABS樹脂等により形成することが好ましい。カートリッジ3内部の濾過体31によって被処理液に含まれる有害物質や臭気成分は除去される。ケーシング2に対するカートリッジ3の挿入方向端部3aには、カートリッジ3の内外を連通し被処理液をカートリッジ3内部に導入可能な導入部32と、カートリッジ3の内外を連通し、カートリッジ内部の濾過体31により濾過された被処理液を排出可能な導出部33とが設けられている。導入部32及び導出部33は、カートリッジ3の挿入方向端部3aから外方に突出する管状体により構成されている。これら導入部32及び導出部33は、ケーシング2の閉塞壁21に貫通孔として形成される流入部22及び流出部23にそれぞれ嵌合可能となるように構成されている。なお、導入部32と流入部22との連結個所や、導出部33と流出部23との連結個所での液漏れを防止する観点から、管状体として形成される導入部32及び導出部33の外周面上にOリング等のパッキンを設置して、導入部32と流入部22、導出部33と流出部23をそれぞれ嵌合するように構成してもよい。また、カートリッジ3の挿入方向端部3aとは反対側の端部3bには、把手35が設けられている。なお、この把手35を省略してカートリッジ3を構成してもよい。
【0027】
カートリッジ3の内部に収納される濾過体31としては、カートリッジ3に形成される導入部32から導かれた被処理液から有害物質や細菌、臭気成分等を除去すると共に、浄化後の被処理液を導出部33を介して外部に導くことができる構成であれば、特にその構成は限定されず、例えば、図5や図6に示すような構成を採用することができる。この濾過体31は、粒状の活性炭等の濾過材が内部に充填される流路34を複数備えるように構成されており、カートリッジ3の導入部32に導かれた被処理液を各流路34に分散して通過させながら活性炭の作用により有害物質や臭気成分等を除去し、これら有害物質等が除去された浄化後の被処理液をカートリッジ3の導出部33に導くことができるように構成されている。なお、粒状の活性炭の代わりに、繊維状の活性炭や、イオン交換樹脂等を使用してもよく、或いは、これらを混合した物を使用してもよい。また、複数の流路34を設けず、図7に示すように、単一の空間35内に前記活性炭やブロック状成型活性炭、イオン交換樹脂等の濾過材を充填するように構成し、この濾過材が充填された領域を、カートリッジ3の導入部32に導かれた被処理液が通過すると共に、浄化後の被処理液をカートリッジ3の導出部33に導くように、濾過体31を構成してもよい。
【0028】
また、例えば、中空糸膜体により形成される中空糸膜層を濾過材として採用し、カートリッジ3の内部に配置してもよい。ここで、中空糸膜層は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン等の素材からなる多数の中空糸束をその各端部においてボッティング樹脂により一体的に固定して形成された中空糸膜体により構成されている。このような中空糸膜体を被処理水が通過することにより、被処理水中の鉄錆及び雑菌等の細かい汚れが濾過され除去される。なお、中空糸膜体と、活性炭やイオン交換樹脂等の濾過材とを組み合わせて濾過体31を構成してもよい。
【0029】
このようなケーシング2とカートリッジ3との構成により、給水配管5により導かれた水道水等の被処理液は、ケーシング2における流入部22及びカートリッジ3における導入部32を介してカートリッジ3内に導かれ、カートリッジ3内の濾過体31の作用により有害物質や臭気成分等が除去された後、カートリッジ3の導出部33及びケーシング2の流出部23を介して排水配管6に導かれて外部に供給される。
【0030】
また、本発明に係る浄水器1は、ケーシング2における流入部22及びカートリッジ3における導入部32の嵌合状態、並びに、ケーシング2における流出部23及びカートリッジ3における導出部33の嵌合状態を良好な状態に維持する保持手段8を更に備えている。この保持手段8は、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、他方に配置され磁石体81との間でくっつく力を及ぼす磁性部材82により構成されている。ここで、磁性部材82とは、磁石にくっつく部材のことをいい、鉄やニッケル等の金属から形成される部材や、永久磁石や電磁石等の磁石体をも含む概念である。本実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21に磁石体81としての永久磁石を配設し、カートリッジ3の挿入方向端部3aに磁性部材82としての永久磁石を配設し、カートリッジ3をケーシング2内に設置した場合に、両永久磁石が互いに引き合って、カートリッジ3とケーシング2との連結状態を強固に維持できるように構成している。なお、磁石体81と磁性部材82との衝突の衝撃によって発生するおそれのある磁石体81や磁性部材82の損傷や、ケーシング2或いはカートリッジ3からの磁石体81や磁性部材82の脱落を回避するために、ケーシング2内にカートリッジ3をセットした状態において、磁石体81と磁性部材82との間に僅かな隙間が形成されるように、磁石体81や磁性部材82の位置や大きさを設定することが好ましい。
【0031】
また、本発明に係る浄水器1は、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される電磁石85と、他方に配置される磁石体86とを更に備えるように構成している。また、電磁石85のON/OFFといった作動を制御する制御部(図示せず)や電磁石85を駆動させるための操作部(図示せず)を備えている。本実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21に電磁石85を配置し、この電磁石85と対向する位置におけるカートリッジ3の挿入方向端部3aに永久磁石(磁石体86)を配置している。なお、この永久磁石の代わりに別の電磁石をカートリッジ3の挿入方向端部3aに配置してもよい。また、本実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21に配置される電磁石85に通電することにより発生する磁極が、カートリッジ3の挿入方向端部3aに配置される永久磁石86の磁極と同一(例えば、N極とN極、或いは、S極とS極)となるように構成し、電磁石85と永久磁石86とが互いに反発するように構成している。制御部は、操作部から入力された信号に基づいて、例えば電磁石85に所定時間(例えば5分間)通電させるように制御したり、電磁石85が発生する磁力の大きさを制御する機能を有している。また、操作部は、例えばタッチパネル式の入力装置により構成されており、所定の部位をタッチすることにより、電磁石85に通電させる信号やその通電を停止させる信号等を制御部に送信可能となるように構成されている。また、操作部を操作することにより、電磁石85が発生する磁力の大きさを変更できるように構成されている。
【0032】
なお、図8の要部拡大断面図に示すように、永久磁石(磁石体86)に対して対向配置される電磁石85は、永久磁石(磁石体86)を案内可能に構成されるラッパ状に形成された受け部87をその先端部に備えるように構成してもよい。このような構成により、ケーシング2内にカートリッジ3を挿入する際に生じ得るカートリッジ3の位置ズレを微調整し、カートリッジ3を正しいセット位置に導くことが容易となる。
【0033】
更に、本発明に係る浄水器1は、ケーシング2の閉塞壁21とカートリッジ3の挿入方向端部3aとの間に配置される衝撃吸収用の衝撃吸収部材9を備えるように構成している。この衝撃吸収部材9は、弾性部材により形成されることが好ましい。衝撃吸収部材9は、ケーシング2の閉塞壁21或いはカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に、或いは両方に設置してもよい。
【0034】
蓋部材4は、ケーシング2の一方端に配設され当該ケーシング2の開口を閉塞する蓋体であり、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属材料、合成樹脂素材(例えば、ABS樹脂やPBT樹脂等)等の材料により形成されている。特に磁気に反応しない金属やABS樹脂等により形成することが好ましい。この蓋部材4は、ケーシング2内に挿入されるカートリッジ3の挿入方向端部3aとは反対側の端部3bに設けられる把手35に当接可能に構成されている。このような蓋部材4としては、ケーシング2に対してボルト等により取り付け可能な蓋体であってもよく、或いは、ケーシング2の開口近傍に形成されるガイド溝にスライドさせて挿入しケーシング2開口を閉塞させるスライドプレートやスライドシャッターにより構成してもよい。図1に示す浄水器1においては、蓋部材4をスライドプレートにより構成している。ここで、蓋部材4をスライドプレートやスライドシャッターにより構成する場合、図9の要部拡大断面図に示すように、スライドプレートやスライドシャッターの閉める方向側の端部4aの所定領域に磁石体88を設置すると共に、スライドプレートやスライドシャッターを閉めた状態において磁石体88に対向するケーシング2の開口の所定領域に、磁石体88との間でくっつく力を及ぼす磁性部材89を設置するようにしてもよい。このような構成により、スライドプレートやスライドシャッターにより構成される蓋部材4をケーシング2の開口に固定させることができるため、ケーシング2の開口を確実に閉塞させることが可能となる。ここで、磁性部材89とは、磁石にくっつく部材のことをいい、鉄やニッケル等の金属から形成される部材や、永久磁石や電磁石等の磁石体をも含む概念である。なお、このように蓋部材4が磁石体88と磁性部材89とを備えるような構成を採用する場合、磁石体88と磁性部材89とのくっつく力の作用により蓋部材4(スライドプレートやスライドシャッター)がケーシング2の開口部分が衝突し、磁石体88や磁性部材89、蓋部材4或いはケーシング2の開口部分が損傷する恐れがある。このような事態が発生することを防止するために、蓋部材4(スライドプレートやスライドシャッター)の閉める方向側の端部4aの所定領域や、蓋部材4(スライドプレートやスライドシャッター)の閉める方向側の端部4aに対向するケーシング2の開口の所定領域に、衝撃吸収用の蓋用衝撃吸収部材(図示せず)を配置することが好ましい、
【0035】
本発明に係る浄水器1は、上記の如く構成されているため、内部に濾過体31を備えるカートリッジ3をケーシング2内に挿入して押し込むという動作のみで、カートリッジ3をケーシング2にセットすることが可能となり、また、ケーシング2にセットされているカートリッジ3を引き抜くという動作のみでケーシング2からカートリッジ3を容易に取り外すことが可能となる。つまり、カートリッジ3の脱着が極めて簡便となり、カートリッジ3の交換作業を容易に行うことが可能となる。
【0036】
また、上記浄水器1においては、ケーシング2の流入部22及びカートリッジ3の導入部32の嵌合状態、並びに、ケーシング2の流出部23及びカートリッジ3の導出部33の嵌合状態を維持する保持手段8を備えるように構成しているため、流入部22及び導入部32の嵌合状態や、流出部23及び導出部33の嵌合状態を確実に維持できるため、ケーシング2のカートリッジ3に対する保持力(ホールド力)を強固なものとすることが可能となり、カートリッジ3内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジ3の離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを防止することが可能となる。
【0037】
特に、上記実施形態においては、保持手段8が、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、他方に配置され磁石体81との間でひっつく力を及ぼす磁性部材82を備えるように構成しているため、カートリッジ3をケーシング2内に挿入して、カートリッジ3の導入部32及び導出部33をそれぞれケーシング2の流入部22及び流出部23に押し込むという動作のみで、自動的に、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81が、この磁石体81に対応して配置される磁性部材82を引き付けてケーシング2とカートリッジ3との一体性をより強固に確保することができるため、簡便かつ確実に、カートリッジ3内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジ3の離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを防止することが可能となる。
【0038】
また、上記実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される電磁石85と、他方に配置される磁石体86とを更に備えるように構成し、ケーシング2の閉塞壁21に配置される電磁石85に通電することにより発生する磁極が、カートリッジ3の挿入方向端部3aに配置される磁石体86の磁極と同一となるように構成して、電磁石85と磁石体86とが互いに反発するように構成している。このような構成により、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、この磁石体81に対応して配置される磁性部材82との間で生じるくっつく力が、電磁石85と磁石体86との間で生じる反発力によって低減されるため、ケーシング2からカートリッジ3を容易に抜き出すことが可能となる。特に、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、この磁石体81に対応して配置される磁性部材82との間で生じるくっつく力が、電磁石85と磁石体86との間で生じる反発力よりも僅かに大きくなるように電磁石85の磁力を調節することにより、ケーシング2からカートリッジ3を抜き出す際の離脱感(カートリッジ3を取り外したという感触)や、ケーシング2内にカートリッジ3を挿入してセットする際のくっつき感(カートリッジ3が確実にセットされたという感触)を得ることができ、カートリッジ3の交換作業を正確かつ確実に行うことができたという安心感を得ることができる。また、電磁石85が発生する磁力の大きさを変更可能に構成すれば、上記離脱感やくっつき感を浄水器利用者の家族構成(大人、子供、老人、男性、女性)にあわせて磁力の大きさ(強、中、弱など)を基本設定することができる。また、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、この磁石体81に対応して配置される磁性部材82との間で生じるくっつく力よりも、電磁石85と磁石体86との反発力の方が強くなるように電磁石85の磁力を制御する場合には、カートリッジ3には、抜き出す方向への磁力が作用することになるため、簡便にケーシング2からカートリッジ3を抜き出すことが可能となる。
【0039】
また、上記実施形態においては、ケーシング2の一方端に配設されケーシング2の開口を閉塞する蓋部材4を備え、この蓋部材4が、ケーシング2内に挿入されるカートリッジ3に当接可能に構成されているため、ケーシング2内にセットされたカートリッジ3が、当該カートリッジ3内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によってケーシング2から離脱するような力を受けたとしても、カートリッジ3に当接する蓋部材4が、カートリッジ3の移動を拘束することとなり、ケーシング2の流入部22とカートリッジ3の導入部32との嵌合状態、及び、ケーシング2の流出部23とカートリッジ3の導出部33との嵌合状態を維持することが可能となり、流入部22と導入部32との連結個所や、流出部23と導出部33との連結個所からの液漏れを効果的に抑制することが可能となる。
【0040】
また、上記実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21とカートリッジ3の挿入方向端部3aとの間に配置される衝撃吸収部材9を備えるように構成しているため、カートリッジ3をケーシング2内に挿入して、カートリッジ3の導入部32及び導出部33をそれぞれケーシング2の流入部22及び流出部23に押し込む際の衝撃を衝撃吸収部材9が吸収するため、ケーシング2やカートリッジ3に損傷が発生することを効果的に防止することが可能となる。
【0041】
以上、本発明に係る浄水器1の一実施形態について説明したが、浄水器1の具体的構成は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態において、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される磁石体81と、他方に配置され磁石体81との間でくっつく力を及ぼす磁性部材82により構成される保持手段8を備えるように構成しているが、保持手段8の構成としてはこのようなものに限定されず、例えば、ケーシング2とカートリッジ3とを固定する螺合部材によって保持手段8を構成してもよい。螺合部材としてはボルト等の結合部材を例示することができる。このような螺合部材を介してケーシング2とカートリッジ3とを一体化することにより、カートリッジ3内に導かれる被処理液の流体圧力(水圧等)の反動によるカートリッジ3の離脱(移動)に起因する被処理液の液漏れを確実に防止することができる。なお、螺合部材の設置個所は特に限定されず、ケーシング2とカートリッジ3とが確実に一体化されるような任意の位置に設置することができる。
【0042】
また、上記実施形態においては、ケーシング2の閉塞壁21及びカートリッジ3の挿入方向端部3aのいずれか一方に配置される電磁石85と、他方に配置される磁石体86とを備え、カートリッジ3の交換時には、電磁石85と磁石体86とが互いに反発するように構成しているが、このような構成に限定されない。例えば、電磁石85に流れる電流の向きを変更できるようにして電磁石85と磁石体86とが互いに引き合う又は反発するように構成してもよい。このような構成によれば、カートリッジ3セット時には、電磁石85と磁石体86とのくっつく力の作用によりカートリッジ3とケーシング2との連結を強固な状態に維持することができ、ケーシング2からカートリッジ3を取り出す際には、電磁石85と磁石体86との反発作用により、ケーシング2の流入部22及び流出部23にそれぞれ嵌合されるカートリッジ3の導入部32及び導出部33を、流入部22及び流出部23から抜き出すことが容易となり、カートリッジ3の交換作業を簡便に行うことが可能となる。
【0043】
また、上記実施形態において、カートリッジ3の外周面の一部領域が、ケーシング2の内周面と当接可能に構成すると共に、カートリッジ3の外周面の他の一部領域が、ケーシング2の内周面との間に空間部を形成するように構成してもよい。例えば、ケーシング2及びカートリッジ3共に直方体状に形成する場合、図10に示すように、カートリッジ3の3つの外側側面が、ケーシング2の3つの内側側面に当接するように構成すると共に、カートリッジ3の残りの1つの外側側面と、ケーシング2の残りの1つの内側側面とが互いに当接せず空間部Zを形成するように構成する。なお、図10は、ケーシング2の開口から内部を見た状態を示す説明図である。このようにカートリッジ3の外周面の一部領域が、ケーシング2の内周面と当接可能に構成することにより、ケーシング2に対するカートリッジ3の挿入位置(挿入姿勢)を正しい状態(ケーシング2の軸線と、カートリッジ3の軸線とを一致させた状態)に維持することができ、カートリッジ3をケーシング2にスムーズ且つ確実にセットすることが可能となる。更に、カートリッジ3の外周面とケーシング2の内周面との間に空間部Zを形成することにより、当該空間部Zは、ケーシング2内へのカートリッジ3挿入時において、カートリッジ3により押し出されるケーシング2内の空気の通り道(逃げ道)としての機能を発揮することから、ケーシング2内にカートリッジ3をスムーズに挿入することが可能となる。また、当該空間部Zは、カートリッジ3取り出し時において、ケーシング2外の空気をケーシング2内へと導く通り道(導入路)としての機能を発揮するため、カートリッジ3取り出し時に、ケーシング2の内周面とカートリッジ3の外周面との間が真空状態(低圧状態)となることを効果的に抑制することができ、ケーシング2からカートリッジ3をスムーズに取り出すことが可能となる。
【0044】
また、上記実施形態において、例えば図11に示すように、ケーシング2の内周面とカートリッジ3の外周面との間に空隙部10aを形成するスペーサ部材10を設けるように構成してもよい。図11の構成においては、スペーサ部材10を、ケーシング2の内周面に設けられる複数の凸部により構成している。この複数の凸部は、カートリッジ3の外周面に摺接可能となるように形成されている。なお、図11は、ケーシング2の開口から内部を見た状態を示す説明図である。このようなスペーサ部材10(複数の凸部)を設けることにより、ケーシング2の内周面と、カートリッジ3の外周面との間に空隙部10aを形成することができる。当該空隙部10aは、カートリッジ3をケーシング2内に挿入する際には、カートリッジ3により押し出されるケーシング2内の空気の通り道(逃げ道)としての機能を発揮することから、ケーシング2内にカートリッジ3をスムーズに挿入することが可能となる。また、当該空隙部10aは、ケーシング2内にセットされたカートリッジ3を取り出す際には、ケーシング2外の空気をケーシング2内へと導く通り道(導入路)としての機能を発揮するため、カートリッジ3引き出し時に、ケーシング2の内周面とカートリッジ3の外周面との間が真空状態(低圧状態)となることを効果的に抑制することができ、ケーシング2からカートリッジ3をスムーズに取り出すことが可能となる。更に、このようなスペーサ部材10を備えることにより、ケーシング2に対するカートリッジ3の挿入位置(挿入姿勢)を正しい状態(ケーシング2の軸線と、カートリッジ3の軸線とを一致させた状態)に維持することができ、カートリッジ3をケーシング2にスムーズ且つ確実にセットすることが可能となる。なお、本実施形態においては、ケーシングやカートリッジは直方体の形状となっているので、前記軸線を中心として、ケーシングの中でカートリッジが回転することはない。
【0045】
なお、凸部として形成されるスペーサ部材10の形状は特に限定されず、例えば、直方体状或いは円錐状、半球状に形成してもよく、或いは、カートリッジ3の挿入方向に沿って伸びる突条となるようにスペーサ部材10を形成してもよい。また、スペーサ部材10をケーシング2の内周面に形成する代わりに、カートリッジ3の外周面に形成してもよく、或いは、ケーシング2の内周面及びカートリッジ3の外周面の両方に凸部10を形成してもよい。また、スペーサ部材10をケーシング2の内周面上やカートリッジ3の外周面上に形成するのではなく、ケーシング2の内周面とカートリッジ3の外周面との間にスペーサ部材10を配置してもよい。例えば、所定間隔をあけて配置される複数の棒部材を各棒部材が略平行となるような態様で連結した部材として、カートリッジ3を取り巻き、凸部がある単数のリング又は複数のリングの連結体として、或いは、波形状のプレートとしてスペーサ部材10を構成し、このようなスペーサ部材10を、ケーシング2の内周面とカートリッジ3の外周面との間に配置し、空隙部10aを形成するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態において、ケーシング2の内周面及びカートリッジ3の外周面のいずれか一方に、所定間隔をあけて配置される一対の第1ガイド部11を設け、他方には、当該一対の第1ガイド部11間を通過可能な第2ガイド部12を設けるように構成してもよい。第1ガイド部11としては、例えば、図12(a)に示すように、カートリッジ3の挿入方向に沿って伸び所定間隔をあけて配置される一対の突条として構成することができる。また、第2ガイド部12としては、ケーシング2の内周面に形成される一対の突条(一対の第1ガイド部11)の間を通過可能な突起物として構成することができる。また、図12(b)に示すように、ケーシング2の内周面に形成される突起物として第2ガイド部12を構成すると共に、カートリッジ3の外周面に形成される一対の突条として第1ガイド部11を構成し、この一対の突条の間を、突起物により構成される第2ガイド部12が通過可能となるように構成してもよい。ここで、図12(a)(b)は、ケーシング2の開口から内部を見た状態を示す要部拡大図である。このような第1ガイド部11及び第2ガイド部12を備えることにより、カートリッジ3をケーシング2内に挿入するときのケーシング2に対するカートリッジ3の挿入姿勢を一定の状態とすることができ、ケーシング2の流入部22及び流出部23のそれぞれに、カートリッジ3の導入部32及び導出部33を確実に嵌合させてケーシング2とカートリッジ3とを連結することが可能となる。なお、第1ガイド部11及び第2ガイド部12に対して、例えば、同じ色彩の塗料を塗布する等の目印を付与することが好ましい。このように第1ガイド部11及び第2ガイド部12を同じ色彩に着色する等の目印を付与することにより、カートリッジ3をケーシング2に挿入する際に、第1ガイド部11に対して第2ガイド部12を一致させるようにカートリッジ3を挿入することの注意喚起を行うことが可能となり、カートリッジ3の正確かつスピーディーな挿入を確保することができる。
【0047】
また、カートリッジ3がケーシング2内に誤った姿勢で挿入され、ケーシング2の流入部22とカートリッジ3の導出部33とが嵌合し、ケーシング2の流出部23がカートリッジ3の導入部32とが嵌合することを防止する誤挿入防止部材15を備えるように構成してもよい。このような誤挿入防止部材15は、例えば、図13(a)に示すように、一対の第1ガイド部11により挟まれる領域に対向するケーシング2の内周面領域に配置される突起体として構成される。このような突起体を備える場合、カートリッジ3がケーシング2に正しい姿勢(向き)で挿入される際には、図13(a)に示すように、突起体(誤挿入防止部材15)と第2ガイド部12とが互いに干渉することなく、カートリッジ3をケーシング2内に挿入することが可能となるが、図13(b)に示すように、カートリッジ3を誤った姿勢(向き)でケーシング2内に挿入される際には、第2ガイド部12と突起体(誤挿入防止部材15)とが互いに干渉してカートリッジ3の挿入を阻止することができる。これら第1ガイド部11、第2ガイド部12及び突起体(誤挿入防止部材15)によってケーシング2内に挿入されるカートリッジ3は、上下左右の位置取りを正しく行うことができる。なお、このような第1ガイド部11、第2ガイド部12及び突起体(誤挿入防止部材15)の組み合わせを複数設けるように構成してもよい。ここで、図13(a)(b)は、ケーシング2の開口から内部を見た状態を示す要部拡大図である。
【0048】
また、上記実施形態において、図14に示すように、ケーシング2の下方に配置される漏液収容ケース16を備えるように構成してもよい。この漏液収容ケース16は、脱着可能となるように構成されている。このような漏液収容ケース16を設ける場合、ケーシング2の所定位置に貫通孔2aを形成し、ケーシング2からカートリッジ3を取り外す際に、ケーシング2内側の流入部22や流出部23から、或いは、カートリッジ3の導入部32や導出部33から漏れ出す被処理液を漏液収容ケース16に導くことができるように構成する。この漏液収容ケース16は、内部に貯留される被処理液の量を確認し易いように透明又は半透明の材料により形成することが好ましい。
【符号の説明】
【0049】
1 浄水器
2 ケーシング
21 閉塞壁
22 流入部
23 流出部
3 カートリッジ
31 濾過体
32 導入部
33 導出部
35 把手
4 蓋部材
5 給水配管
6 排水配管
7 土台
8 保持手段
81 磁石体
82 磁性部材
85 電磁石
86 磁石体
88 磁石体
89 磁性部材
9 衝撃吸収部材
10 スペーサ部材(複数の凸部)
11 第1ガイド部
12 第2ガイド部
15 誤挿入防止部材
16 漏液収容ケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理液を浄化する浄水器であって、
一方端が開口し他方端が閉塞壁により閉塞される筒状のケーシングと、
内部に濾過体を備え、前記ケーシングの開口から前記ケーシング内に挿入されるカートリッジとを備え、
前記ケーシングにおける閉塞壁には、前記ケーシング内外を連通し、被処理液が流通可能な流入部及び流出部が設けられており、
前記カートリッジの挿入方向端部には、前記カートリッジの内外を連通し被処理液を前記カートリッジ内部に導入可能な導入部と、前記カートリッジの内外を連通し、前記カートリッジ内部の濾過材により濾過された被処理液を排出可能な導出部とが設けられており、
前記流入部及び前記導入部、並びに、前記流出部及び前記導出部が、それぞれ嵌合可能に構成される浄水器。
【請求項2】
前記カートリッジの外周面の一部領域は、前記ケーシングの内周面と当接可能に構成されており、前記カートリッジの外周面の他の一部領域は、前記ケーシングの内周面との間に空間部を形成するように構成されている請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
前記ケーシングの内周面と前記カートリッジの外周面との間に空隙部を形成するスペーサ部材を備える請求項1又は2に記載の浄水器。
【請求項4】
前記スペーサ部材は、前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジの外周面の少なくともいずれか一方に設けられる、複数の凸部により構成される請求項3に記載の浄水器。
【請求項5】
前記流入部及び前記導入部の嵌合状態、並びに、前記流出部及び前記導出部の嵌合状態を維持する保持手段を更に備える請求項1から4のいずれかに記載の浄水器。
【請求項6】
前記保持手段は、前記ケーシングの前記閉塞壁及び前記カートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体と、他方に配置され前記磁石体との間でくっつく力が発生する磁性部材である請求項5に記載の浄水器。
【請求項7】
前記磁性部材は、磁石体である請求項6に記載の浄水器。
【請求項8】
前記保持手段は、前記ケーシングと前記カートリッジとを固定する螺合部材である請求項5に記載の浄水器。
【請求項9】
前記ケーシングの前記閉塞壁及び前記カートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される電磁石と、他方に配置される磁石体とを更に備える請求項1から8のいずれかに記載の浄水器。
【請求項10】
前記電磁石は、発生する磁力の大きさが変更可能となるように構成される請求項9に記載の浄水器。
【請求項11】
前記ケーシングの一方端に配設され前記ケーシングの開口を閉塞する蓋部材を備えており、
前記蓋部材は、前記ケーシング内に挿入される前記カートリッジに当接可能に構成されている請求項1から10のいずれかに記載の浄水器。
【請求項12】
前記ケーシングの前記閉塞壁と前記カートリッジの挿入方向端部との間に配置される衝撃吸収部材を備える請求項1から11のいずれかに記載の浄水器。
【請求項13】
前記衝撃吸収部材は、弾性部材により構成されている請求項12に記載の浄水器。
【請求項14】
前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジの外周面のいずれか一方には、所定間隔をあけて配置される一対の第1ガイド部が設けられており、他方には、前記一対の第1ガイド部間を通過可能な第2ガイド部が設けられている請求項1から13のいずれかに記載の浄水器。
【請求項15】
前記カートリッジが前記ケーシング内に誤った姿勢で挿入されることを防止する誤挿入防止部材を備えており、
前記誤挿入防止部材は、前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジのいずれか一方に設けられ、前記カートリッジが前記ケーシング内に誤った姿勢で挿入された場合に、前記第2ガイド部と干渉して前記カートリッジの挿入を阻止する突起体である請求項14に記載の浄水器。
【請求項1】
被処理液を浄化する浄水器であって、
一方端が開口し他方端が閉塞壁により閉塞される筒状のケーシングと、
内部に濾過体を備え、前記ケーシングの開口から前記ケーシング内に挿入されるカートリッジとを備え、
前記ケーシングにおける閉塞壁には、前記ケーシング内外を連通し、被処理液が流通可能な流入部及び流出部が設けられており、
前記カートリッジの挿入方向端部には、前記カートリッジの内外を連通し被処理液を前記カートリッジ内部に導入可能な導入部と、前記カートリッジの内外を連通し、前記カートリッジ内部の濾過材により濾過された被処理液を排出可能な導出部とが設けられており、
前記流入部及び前記導入部、並びに、前記流出部及び前記導出部が、それぞれ嵌合可能に構成される浄水器。
【請求項2】
前記カートリッジの外周面の一部領域は、前記ケーシングの内周面と当接可能に構成されており、前記カートリッジの外周面の他の一部領域は、前記ケーシングの内周面との間に空間部を形成するように構成されている請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
前記ケーシングの内周面と前記カートリッジの外周面との間に空隙部を形成するスペーサ部材を備える請求項1又は2に記載の浄水器。
【請求項4】
前記スペーサ部材は、前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジの外周面の少なくともいずれか一方に設けられる、複数の凸部により構成される請求項3に記載の浄水器。
【請求項5】
前記流入部及び前記導入部の嵌合状態、並びに、前記流出部及び前記導出部の嵌合状態を維持する保持手段を更に備える請求項1から4のいずれかに記載の浄水器。
【請求項6】
前記保持手段は、前記ケーシングの前記閉塞壁及び前記カートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される磁石体と、他方に配置され前記磁石体との間でくっつく力が発生する磁性部材である請求項5に記載の浄水器。
【請求項7】
前記磁性部材は、磁石体である請求項6に記載の浄水器。
【請求項8】
前記保持手段は、前記ケーシングと前記カートリッジとを固定する螺合部材である請求項5に記載の浄水器。
【請求項9】
前記ケーシングの前記閉塞壁及び前記カートリッジの挿入方向端部のいずれか一方に配置される電磁石と、他方に配置される磁石体とを更に備える請求項1から8のいずれかに記載の浄水器。
【請求項10】
前記電磁石は、発生する磁力の大きさが変更可能となるように構成される請求項9に記載の浄水器。
【請求項11】
前記ケーシングの一方端に配設され前記ケーシングの開口を閉塞する蓋部材を備えており、
前記蓋部材は、前記ケーシング内に挿入される前記カートリッジに当接可能に構成されている請求項1から10のいずれかに記載の浄水器。
【請求項12】
前記ケーシングの前記閉塞壁と前記カートリッジの挿入方向端部との間に配置される衝撃吸収部材を備える請求項1から11のいずれかに記載の浄水器。
【請求項13】
前記衝撃吸収部材は、弾性部材により構成されている請求項12に記載の浄水器。
【請求項14】
前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジの外周面のいずれか一方には、所定間隔をあけて配置される一対の第1ガイド部が設けられており、他方には、前記一対の第1ガイド部間を通過可能な第2ガイド部が設けられている請求項1から13のいずれかに記載の浄水器。
【請求項15】
前記カートリッジが前記ケーシング内に誤った姿勢で挿入されることを防止する誤挿入防止部材を備えており、
前記誤挿入防止部材は、前記ケーシングの内周面及び前記カートリッジのいずれか一方に設けられ、前記カートリッジが前記ケーシング内に誤った姿勢で挿入された場合に、前記第2ガイド部と干渉して前記カートリッジの挿入を阻止する突起体である請求項14に記載の浄水器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−94715(P2013−94715A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238432(P2011−238432)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【特許番号】特許第4984310号(P4984310)
【特許公報発行日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【出願人】(506267662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【特許番号】特許第4984310号(P4984310)
【特許公報発行日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【出願人】(506267662)
【Fターム(参考)】
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