説明

浄水機能付きシャワーヘッド

【課題】原水と浄水との流路の切換が容易であり、取扱が容易な製造が容易で、浄水機能付きシャワーヘッドを提供することを課題とする。
【解決手段】シャワー吐出口を有する頭部と水質浄化用カートリッジを交換可能に収容する把持部とを一体に形成し、この把持部の水質浄化用カートリッジ収容箇所の上流側または下流側に浄水と原水とを切り換える流路切換弁を設け、この流路切換弁を弁座流路に対して平行な軸の軸回りに弁体を回動する回動式遮断弁として形成するとともに前記把持部の外部に前記流路切換弁の操作部を配置し、さらに前記頭部の吐出口の上流側に前記流路切換弁とは独立に機能してシャワー吐出とストレート吐出とを切り換える吐出切換弁を設け、この吐出切換弁を弁座流路に対して交差方向に弁体が移動する遮断弁として形成するとともに前記頭部の外部に前記吐出切換弁の操作部を配置するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所または厨房、洗面所あるいは風呂場等で用いられ、使用時に吐出する水および/または湯を浄化する能力を具備した浄水機能付きシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面所あるいは風呂場等で用いられる洗面装置やシャワー装置等に取り付けられ、水、湯、または湯水混合水(以下、単に混合水という)の水質浄化能力を具備したシャワーヘッドには、例えば特許文献1(特開平11−9485号)記載の浄水シャワーがあった。
この浄水シャワーでは、把持部内に保湿剤充填部と脱塩素剤充填部とを設けて切り換え装置により脱塩素剤充填部のみを通過して塩素除去するか、または保湿剤充填部と脱塩素剤充填部の両方を通過して塩素除去するとともに保湿成分を含む水とすることができる。
【0003】
〔問題点〕
このような従来の浄水シャワーでは脱塩素剤充填部のみを通過して塩素除去するか、または保湿剤充填部と脱塩素剤充填部の両方を通過して塩素除去するとともに保湿成分を含むようにすることができるようにしているが、原水をそのまま吐出することができるような構成にはなっていないため、保湿剤および脱塩素剤の消耗が激しく、また、原水を直に使用したい場合には、他の蛇口を使用しなければならない不便さがあって、原水吐出もできるものが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−9485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の技術における前記問題点に鑑みて成されたものであり、これを解決するため具体的に設定された課題は、原水と浄水との流路の切換が容易であり、取扱いおよび製造が容易で、安価な浄水機能付きシャワーヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を効果的に解決できるように構成した手段としての、本発明における請求項1に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、シャワー吐出口を有する頭部と水質浄化用カートリッジを交換可能に収容する把持部とを一体に形成し、この把持部の水質浄化用カートリッジ収容箇所の上流側または下流側に浄水と原水とを切り換える流路切換弁を設け、この流路切換弁を弁座流路に対して平行な軸の軸回りに弁体を回動する回動式遮断弁として形成するとともに前記把持部の外部に前記流路切換弁の操作部を配置して前記把持部の外部より操作可能に形成し、さらに前記頭部の吐出口の上流側に前記流路切換弁とは独立に機能してシャワー吐出とストレート吐出とを切り換える吐出切換弁を設け、この吐出切換弁を弁座流路に対して交差方向に弁体が移動する遮断弁として形成するとともに前記頭部の外部に前記吐出切換弁の操作部を配置して前記頭部の外部より操作可能に形成したことを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、前記流路切換弁を把持部に固定されて把持部を軸方向に2分割する板状部材に弁座流路を穿設して弁座を形成し、この弁座と同心的に形成された板状回動部材を前記弁座に回動自在に取り付け、取り付けた板状回動部材に浄水用流路と原水用流路とをそれぞれ穿設したことを特徴とする。
また、請求項3に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、前記水質浄化用カートリッジには外周面にフィルタを設け、外周側から内面側へ抜ける浄化流路を形成したことを特徴とする。
また、請求項4に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、前記水質浄化用カートリッジには内面にフィルタを設け、内面側から外周面側へ抜ける浄化流路を形成したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項5に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、前記吐出切換弁を弁座流路に対して平行な軸の回りに弁体を回動する回動式遮断弁として形成したことを特徴とする。
また、請求項6に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、前記吐出切換弁を弁軸に対して前記弁体の板面を略垂直に向け、アーム部を介して前記弁軸から離間した位置に前記板面を配置して、前記弁体を弁軸回りに回動する回動式遮断弁として形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明では、請求項1に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、シャワー吐出口を有する頭部と水質浄化用カートリッジを交換可能に収容する把持部とを一体に形成し、この把持部の水質浄化用カートリッジ収容箇所の上流側または下流側に浄水と原水とを切り換える流路切換弁を設け、この流路切換弁を弁座流路に対して平行な軸の軸回りに弁体を回動する回動式遮断弁として形成するとともに前記把持部の外部に前記流路切換弁の操作部を配置して前記把持部の外部より操作可能に形成し、さらに前記頭部の吐出口の上流側に前記流路切換弁とは独立に機能してシャワー吐出とストレート吐出とを切り換える吐出切換弁を設け、この吐出切換弁を弁座流路に対して交差方向に弁体が移動する遮断弁として形成するとともに前記頭部の外部に前記吐出切換弁の操作部を配置して前記頭部の外部より操作可能に形成したことにより、原水と浄水との流路の切換えが容易にでき、また吐出切換が流路切換と独立にできて、原水と浄水とのそれぞれにつきシャワー吐出とストレート吐出とが選択でき、操作性が良く、製造も容易となり、しかも安価にできる。
【0010】
また、請求項2に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、前記流路切換弁を把持部に固定されて把持部を軸方向に2分割する板状部材に弁座流路を穿設して弁座を形成し、この弁座と同心的に形成された板状回動部材を前記弁座に回動自在に取り付け、取り付けた板状回動部材に浄水用流路と原水用流路とをそれぞれ穿設したことにより、弁座に対して板状回動部材を回動することにより原水と浄水との切換ができ、流路構成が簡素化され、流路切換弁の軸方向の専有領域が小さく構成できて水質浄化材の収容容積を大きくすることができ、簡単な構成で、操作性良く、容易に流路の切換えができる。
また、請求項3に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、前記水質浄化用カートリッジには外周面にフィルタを設け、外周側から内面側へ抜ける浄化流路を形成したことにより、フィルタを大きく形成できて流路抵抗を小さくすることができ、また、外周側の流路を原水吐出と浄水吐出との両方の場合に共用される流路を形成した場合には、浄水吐出時に蓄積された目詰まりを引き起こすような固形物質を原水吐出時に洗い流すことができて、目詰まりしにくくするとともに水質浄化用カートリッジの寿命を長くすることができる。
また、請求項4に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、前記水質浄化用カートリッジには内面にフィルタを設け、内面側から外周面側へ抜ける浄化流路を形成したことにより、フィルタを小さく形成でき、流路構成が簡素化され、また、内面側の流路を原水吐出と浄水吐出との両方の場合に共用される流路を形成した場合には、浄水吐出時に蓄積された目詰まりを引き起こすような固形物質を原水吐出時に洗い流すことができて、目詰まりしにくくするとともに水質浄化用カートリッジの寿命を長くすることができる。
【0011】
また、請求項5に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、前記吐出切換弁を弁座流路に対して平行な軸の回りに弁体を回動する回動式遮断弁として形成したことにより、弁体を薄板状に形成して収容空間を流路方向に圧縮することができ、頭部の大きさをより小さくすることができる。
また、請求項6に係る浄水機能付きシャワーヘッドは、前記吐出切換弁を弁軸に対して前記弁体の板面を略垂直に向け、アーム部を介して前記弁軸から離間した位置に前記板面を配置して、前記弁体を弁軸回りに回動する回動式遮断弁として形成したことにより、弁体の回動角に対する弁体の移動距離を大きくとれて、離間距離により弁座から弁体を外すことができ、狭い収容空間に設けた弁体の動作を効果的にして、弁座から離間する場合に少ない回転角で弁座から弁体を外すことができ、混合水の出力方向であるシャワー吐出とストレート吐出とを効果的に切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態の浄水機能付きシャワーヘッドを示す平面図である。
【図2】同上浄水機能付きシャワーヘッドを示す右側面図である。
【図3】同上浄水機能付きシャワーヘッドを示す左側面図である。
【図4】同上浄水機能付きシャワーヘッドを浄水吐出時の状態で示す側面断面図(図1のA−A矢視図)である。
【図5】同上浄水機能付きシャワーヘッドを浄水吐出時の状態で示す平面断面図(図2のB−B矢視図)である。
【図6】同上浄水機能付きシャワーヘッドの浄水吐出時の状態における流路切換弁の位置で示す横断面図(図2のC−C矢視図)である。
【図7】同上浄水機能付きシャワーヘッドの頭部を示す下平面図である。
【図8】同上浄水機能付きシャワーヘッドの頭部を示す側面断面図(図7のD−D矢視図)である。
【図9】同上浄水機能付きシャワーヘッドの頭部に形成された流路切換弁配設位置における横断面図(図8のE−E矢視図)である。
【図10】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける把持部のホース接続側の筒部を示す側面図である。
【図11】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける把持部のホース接続側の筒部を示す正面図である。
【図12】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける把持部のホース接続側の筒部を示す後正面図である。
【図13】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける把持部のホース接続側の筒部を示す縦断面図(図10のF−F矢視図)である。
【図14】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の突出部を示す正面図である。
【図15】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の突出部を示す下平面図である。
【図16】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の突出部を示す縦断面図(図14のG−G矢視図)である。
【図17】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁座形成部材を示す正面図である。
【図18】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁座形成部材を示す縦断面図(図17のH−H矢視図)である。
【図19】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁座形成部材を示す後正面図である。
【図20】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す正面図である。
【図21】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す浄水吐出側の孔を通る縦断面図(図20のI−I矢視図)である。
【図22】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す原水吐出側の孔を通る縦断面図(図20のJ−J矢視図)である。
【図23】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す後正面図である。
【図24】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける仕切部材を示す平面図である。
【図25】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける仕切部材を示す側面断面図(図24のK−K矢視図)である。
【図26】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける仕切部材を示す下平面図である。
【図27】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける集合通過部材を示す平面図である。
【図28】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける集合通過部材を示す側面断面図(図27のL−L矢視図)である。
【図29】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける集合通過部材を示す下平面図である。
【図30】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおけるシャワープレートを示す平面図である。
【図31】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおけるシャワープレートを示す左側面図である。
【図32】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおけるシャワープレートを示す縦断面図(図30のM−M矢視図)である。
【図33】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおけるシャワープレートを示す下平面図である。
【図34】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおけるストレート吐出用流路形成部材を示す平面図である。
【図35】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおけるストレート吐出用流路形成部材を示す縦断面図(図34のN−N矢視図)である。
【図36】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおけるストレート吐出用流路形成部材を示す下平面図である。
【図37】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける吐出切換弁の切換レバーを示す説明図であり、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は後正面図、(D)は平面図、(E)は下平面図である。
【図38】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける吐出切換弁の弁体を示す説明図であり、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は後正面図、(D)は平面図、(E)は下平面図である。
【図39】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける吐出切換弁の弁体を示す側面断面図(図38(D)のP−P矢視図)である。
【図40】同上浄水機能付きシャワーヘッドを原水吐出時の状態で示す平面断面図(図2のB−B矢視相当図)である。
【図41】同上浄水機能付きシャワーヘッドを原水吐出時の状態で示す側面断面図(図1のA−A矢視相当図)である。
【図42】同上浄水機能付きシャワーヘッドを原水吐出時の状態で示す流路切換弁の位置における横断面図(図2のC−C矢視相当図)である。
【図43】本発明の第2実施形態の浄水機能付きシャワーヘッドにおける浄水吐出時の状態を示す平面断面図(図2のB−B矢視相当図)である。
【図44】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける浄水吐出時の状態を示す側面断面図(図1のA−A矢視相当図)である。
【図45】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の位置で示す横断面図(図2のC−C矢視相当図)である。
【図46】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける把持部のホース接続側の筒部を示す下平面図である。
【図47】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける把持部のホース接続側の筒部を示す正面図である。
【図48】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける把持部のホース接続側の筒部を示す後正面図である。
【図49】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける把持部のホース接続側の筒部を示す側面断面図(図46のF−F矢視図)である。
【図50】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁座形成部材を示す正面図である。
【図51】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁座形成部材を示す側面断面図(図50のH−H矢視図)である。
【図52】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す正面図である。
【図53】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す原水吐出側の孔を通る縦断面図(図52のI−I矢視図)である。
【図54】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す浄水吐出側の孔を通る縦断面図(図52のJ−J矢視図)である。
【図55】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す後正面図である。
【図56】同上浄水機能付きシャワーヘッドを原水吐出時の状態で示す平面断面図(図2のB−B矢視相当図)である。
【図57】同上浄水機能付きシャワーヘッドを原水吐出時の状態で示す側面断面図(図1のA−A矢視相当図)である。
【図58】同上浄水機能付きシャワーヘッドの原水吐出時の状態における流路切換弁の位置で示す横断面図(図2のC−C矢視相当図)である。
【図59】本発明の第3実施形態の浄水機能付きシャワーヘッドを示す平面図である。
【図60】同上浄水機能付きシャワーヘッドを示す右側面図である。
【図61】同上浄水機能付きシャワーヘッドを示す左側面図である。
【図62】同上浄水機能付きシャワーヘッドを浄水吐出時の状態で示す平面断面図(図60のB−B矢視図)である。
【図63】同上浄水機能付きシャワーヘッドを浄水吐出時の状態で示す側面断面図(図59のA−A矢視図)である。
【図64】同上浄水機能付きシャワーヘッドを浄水吐出時の状態における流路切換弁の位置で示す横断面図(図60のC−C矢視図)である。
【図65】同上浄水機能付きシャワーヘッドの頭部を示す下平面図である。
【図66】同上浄水機能付きシャワーヘッドの頭部を示す側面断面図(図65のD−D矢視図)である。
【図67】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおけるホース接続側の把持部を示す平面図である。
【図68】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおけるホース接続側の把持部を示す正面図である。
【図69】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおけるホース接続側の把持部を示す後正面図である。
【図70】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおけるホース接続側の把持部を示す側面断面図(図67のF−F矢視図)である。
【図71】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の突出部を示す正面図である。
【図72】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の突出部を示す下平面図である。
【図73】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の突出部を示す側面断面図(図71のG−G矢視図)である。
【図74】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁座形成部材を示す正面図である。
【図75】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁座形成部材を示す側面断面図(図74のH−H矢視図)である。
【図76】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁座形成部材を示す後正面図である。
【図77】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す正面図である。
【図78】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す原水吐出側の孔を通る側面断面図(図77のI−I矢視図)である。
【図79】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す浄水吐出側の孔を通る側面断面図(図77のJ−J矢視図)である。
【図80】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける流路切換弁の弁体形成部材を示す後正面図である。
【図81】同上浄水機能付きシャワーヘッドを原水吐出時の状態で示す平面断面図(図60のB−B矢視相当図)である。
【図82】同上浄水機能付きシャワーヘッドを原水吐出時の状態で示す側面断面図(図59のA−A矢視相当図)である。
【図83】同上浄水機能付きシャワーヘッドの原水吐出時の状態における流路切換弁の位置で示す横断面図(図60のC−C矢視相当図)である。
【図84】本発明の第4実施形態の浄水機能付きシャワーヘッドにおける浄水吐出時の状態を示す平面断面図(図60のB−B矢視相当図)である。
【図85】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける浄水吐出時の状態を示す側面断面図(図59のA−A矢視相当図)である。
【図86】同上浄水機能付きシャワーヘッドにおける浄水吐出時の状態を流路切換弁の位置で示す横断面図(図60のC−C矢視相当図)である。
【図87】同上浄水機能付きシャワーヘッドの頭部を示す下平面図である。
【図88】同上浄水機能付きシャワーヘッドの頭部を示す側面断面図(図87のD−D矢視図)である。
【図89】同上浄水機能付きシャワーヘッドの頭部を示す後正面図(図88のE矢視図)である。
【図90】同上浄水機能付きシャワーヘッドを原水吐出時の状態で示す平面断面図(図60のB−B矢視相当図)である。
【図91】同上浄水機能付きシャワーヘッドを原水吐出時の状態で示す側面断面図(図59のA−A矢視相当図)である。
【図92】同上浄水機能付きシャワーヘッドの原水吐出時の状態における流路切換弁の位置で示す横断面図(図60のC−C矢視相当図)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における以下の実施の形態では、把持部の外面に沿わせた切換部材を有する流路切換弁を設けた場合について、具体的に説明する。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるため具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
【0014】
〔第1実施形態〕
〔構成〕
ここで用いられる把持部の外面に沿わせた切換部材を有する流路切換弁を設けた浄水機能付きシャワーヘッドは、通常、台所の流しで混合水を必要に応じて浄化して使用するシャワーヘッドとして形成する。
このため、浄水機能付きシャワーヘッド100は、図1〜3の外観図に示すように、図示しない混合水栓または混合水栓に設けられたホースに取付けできる端部を有する把持部110と、この把持部110の混合水栓取付側とは反対側の端部でシャワー吐出することができるようにした頭部120とを備える。
【0015】
把持部110は、頭部120側に直結した筒部111と混合水栓取付側の筒部112とに中間部で分け、この中間部に両筒部111,112を着脱自在かつ一体的に組み合わせることができるようにするねじ結合部を形成した中継部113を形成し、この中継部113の螺合を解除して筒部111と筒部112を分離することにより、把持部110の内部に水質浄化用カートリッジ130(図4,5参照)を収容することができるようにし、そして、混合水栓取付側の端部には厚肉円筒状のホース接続部114を設け、その先端部にホース取付ねじ115を形成して、ホースとの着脱を容易にする。
また、把持部110の頭部直近の端部には、流路切換弁140(図4,5参照)の操作端である突出部141を突き出して、把持部110の外部から流路切換弁140を操作できるように形成する。
【0016】
頭部120は、把持部110から流入した混合水が滞留する空間(空洞)120a(図4,5参照)を形成するとともに混合水が一様に吐出する吐出面を有するシャワープレート121を着脱自在に形成し、そのシャワープレート121の中央部にストレート吐出口122(図4参照)を設け、その周囲を囲むようにシャワー吐出口123(図4参照)を設け、ストレート吐出とシャワー吐出とを切り換える吐出切換弁150(図4参照)を内設し、その吐出切換弁150の操作部となる切換レバー151をシャワープレート121の外部に突出配置する。
【0017】
水質浄化用カートリッジを収容した浄水機能付きシャワーヘッド100は、図4,5に示すように、水質浄化用カートリッジ130の外周側流路131を原水流路の一部とし、水質浄化用カートリッジ130の中央空間部132を浄水流路の一部として利用する。
この場合の水質浄化用カートリッジ130は、中心軸と同心的に軸方向に長い貫通孔(中央空間部132)を設けて筒状に形成した活性炭を主成分とする水質浄化材133と、その外周面に不織布、スポンジまたは網等からなるフィルタ134を周設したものに、把持部内で同心的に嵌め合い位置固定するための端部用キャップ130a,130bを各端部に取り付けたものである。
【0018】
把持部110の頭部120側に位置する筒部111には、内部に水質浄化用カートリッジ130の下流側(頭部側)の端部を差し込み固定する円筒状のカートリッジ受け116を突設した流路切換弁140を内蔵し、流路切換弁140の操作部である突出部141を指掛け可能に突設し、前記のカートリッジ受け116に水質浄化用カートリッジ130に設けられた下流側の端部用キャップ130aの挿入端を差し込むことによって、水質浄化用カートリッジ130の下流側端部を芯出しおよび位置固定できるようにし、中継部113を螺合して筒部112を筒部111に組付けることによって水質浄化用カートリッジ130の上流側(ホース接続側)の端部を筒部112の上流側に位置する端部の内側に設けられたリブ112aによって芯出しおよび位置固定して、把持部110の中に水質浄化用カートリッジ130を略同軸的に収容する。
【0019】
そして、カートリッジ受け116の外周側の流路116aは、水質浄化用カートリッジ130の外周側流路131と連通して原水流路の一部となり、さらにカートリッジ受け116の内面側の流路116bは、水質浄化用カートリッジ130の中央空間部132と連通して浄水流路の一部として利用される。
【0020】
流路切換弁140の突出部141を浄水吐出位置に合わせた場合(図6参照)には、流路切換弁140のカートリッジ受け外面側に形成された流路116aに連通する流路が閉鎖状態となり、把持部110内に流入した混合水が、水質浄化用カートリッジ130の外周側流路131からフィルタ134および水質浄化材133を通過して水質を浄化しつつ水質浄化材133の中央空間部132に流出して、カートリッジ受け116の内面側の流路116bを介して頭部120に形成された空間120aに流出し、吐出切換弁150の選択に従って、空間120aからストレート吐出口122またはシャワー吐出口123を介してシャワープレート121の外部に吐出する。
【0021】
また、流路切換弁140の突出部141を原水吐出位置に合わせた場合(図42参照)は、流路切換弁140のカートリッジ受け外面側に形成された流路116aに連通する流路が開放状態となり、把持部110内に流入した混合水が、水質浄化用カートリッジ130の外周側流路131を通過し、カートリッジ受け116の外面側の流路116aを介して頭部120に形成された空間120aに流出し、吐出切換弁150の選択に従って、ストレート吐出口122またはシャワー吐出口123を介してシャワープレート121の外部に吐出する。
【0022】
頭部120の内部に形成された空間120aの下流側であって吐出切換弁150を収容する部分の上流側には、空間120aとシャワー吐出面上流側空間120cとの間を仕切る仕切部材125を設け、その仕切部材125の円盤状仕切板125aの中央部に集合通過部材126を設ける。
仕切部材125の下流側に設けられる吐出切換弁150は、その弁体150aが集合通過部材126の直下に位置できるように配置する。
集合通過部材126および吐出切換弁150の弁体150aが上下に配置された位置の、さらに下流側には、シャワープレート121に形成されたストレート吐出口122に連通するストレート吐出用流路形成部材127を立設する。
【0023】
吐出切換弁150は、弁体150aを集合通過部材126から僅かに隙間をあけた直近の下流に配置し、弁体150aの下面をストレート吐出用流路形成部材127の上端に形成された開口127aに接触できる直近の位置に配置して、ストレート吐出用流路形成部材127の蓋として上部から覆い被さることができるようにし、また、切換レバー151の操作によって、弁体150aが開口127aの真上の位置から弁体150aの全体が開口127aの位置から外れるまでの範囲で、弁体150aがストレート吐出用流路形成部材127の上端に出入り自在に回動できるように、切換レバー151の回動角度を設定する。
【0024】
頭部120は、図7〜9に示すように、把持部側に筒部111を突出し、その突出した筒部111の先端部には筒部112との嵌合用の円筒内面113aと雌ねじ113bとを内面側に形成して中継部113の雌側として筒部112とのねじ結合ができるようにし、雌ねじ113bの奥には流路切換弁140を内嵌する嵌合用内面として必要な径の円筒内面113dを形成し、この円筒内面113dを形成した箇所の軸方向中央部に流路切換弁140の操作端となる突出部141を貫通させる周方向に長辺を向けた平面形状が長方形の孔111aを穿設する。この長方形の孔111aの長辺の長さは流路切換弁140の操作角に従う突出部141の最大移動距離に合わせて規定する。
そして、吐出側には頂部が曲面に形成され主要部が略円筒状に形成されて内部に特別な突出部が設けられていない空洞となっている頭部外皮120bを形成し、仕切板や吐出切換弁等を収容することができるようにする。
【0025】
中継部113を介して頭部120に一体化された筒部111と分離結合可能に形成されるホース接続側の筒部112は、図10〜13に示すように、略円筒形状で、ホース接続側の端部に円形の孔を設けた端面112bを有し、その端面から厚肉円筒状のホース接続部114を突出し、その先端部にホース取付ねじ115を形成し、ホース接続部114を設けた端部の反対側に位置する端部には、外面側に雄ねじ113cと筒部111の円筒内面113aに嵌合するための円筒外面113eとを形成して中継部113の雄側を形成する。
【0026】
筒部112の内面側には、上流側の端部および端面112bに水質浄化用カートリッジ130のホース接続側の端部用キャップ130bの端縁部の寸法に合わせて内側の寸法を形成した複数のリブ112a,…,112aを突出し、水質浄化用カートリッジ130の収容時に端部用キャップ130bの端縁部を支持して、水質浄化用カートリッジ130を同心的に位置固定することができるようにするとともに、混合水がホース接続側より流入する場合のガイドおよび渦消し部材とする。
また、ホース接続部114の外周側には突起部114aを突出し、水栓本体のホルダ部に嵌め込み支持する際の位置決めリブとする。
【0027】
原水と浄水とを切り換える流路切換弁140は、図4〜6に示すように、弁開閉動作を行うための操作部材となる突出部141と、筒部111に固定する弁座形成部材142と、突出部141により動かされる弁体形成部材143とからなる。
突出部141は、図14〜16に示すように、中央部に指掛部141aを放射方向外方に突設し、筒部111の外周に沿って湾曲させて、操作時の動作範囲全域について筒部111に穿設された長方形の孔111aを覆うことができる湾曲板状に形成された操作部材141bと、この操作部材141bの指掛部突設側とは反対側の位置(湾曲面の内側中央部)に突設した弁体形成部材143に対する係止部141cとからなる。
【0028】
弁座形成部材142は、図17〜19に示すように、筒部111の水質浄化用カートリッジ収容部側と頭部120の空間形成側との間を仕切る仕切板を形成する円板部142aと、その外周縁の一面側に筒部111に内嵌する嵌合用の外形を形成してリング状に突出した周縁突出部142bと、他面側に弁体形成部材143を内嵌する円筒状に形成された弁体嵌合部142cと、円板部142aの中心と周辺との中間位置に厚肉部142dを形成してその中心位置に穿設した流路となる孔142eと、弁体内嵌側の面における孔142eを穿設した位置の周囲に刻設したOリング溝142fとを形成する。
【0029】
弁体形成部材143は、図20〜23に示すように、弁座形成部材142の円板部142aに当接する面を有する厚肉円板部143aを形成し、その厚肉円板部143aの一面側を弁座形成部材142の円板部142aに当接する面とし、他面側には中央部に内筒部となるカートリッジ受け116を円板中心に対して同心的に突出し、厚肉円板部143aの周縁部に円筒状の外筒部143bを同心的に突出して一端側が閉じられた二重円筒形に形成する。
この二重円筒の外筒部143bの端縁部には筒部111に内嵌するために必要な外形寸法を有し外周側に厚みが厚くなるように形成された厚肉部143cを設け、この厚肉部143cの外周面にOリング溝143dを刻設する。
【0030】
そして、厚肉円板部143aの中心と周辺との中間位置に同一円周上で中心角で約 90 度離れた位置に各1つの流路となる孔143e,143fを穿設し、弁座形成部材142の円板部142aに当接しない面の孔周辺部をカートリッジ受け116の厚みと同じ厚みの有底円筒の一部を形成する壁面により、孔143eの周辺であってカートリッジ受け116の外周側の位置を覆い、孔143fのカートリッジ受け116の内周側を同様に覆うことにより、カートリッジ受け116の内面側と外面側とのそれぞれに対する孔143e,143fに連通する流路を形成する。
【0031】
さらに、外筒部143bの外周側には、厚肉部143cの厚肉円板部配置側に向いた端面を背にして逆T字形の溝143gを形成する互いに突出側を向き合わせた鍵形部材143h,143iを突出して、突出部141側の係止部141cを係合可能かつ弁体形成部材143の軸方向に出入自在に形成する。
また、厚肉円板部143aの弁座形成部材当接側の面には外周縁部にOリング溝の代わりにOリングを嵌め込むことができるように形成した段差部143jを設ける。
Oリング(図4,5参照)はNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)等の熱湯から冷水までの範囲で利用できるゴム製のものを使用する。
【0032】
これにより、弁体形成部材143の鍵形部材143h,143i間に突出部141の係止部141cを係合し、弁座形成部材142の水質浄化用カートリッジ収容側の面に弁体形成部材143の円板部142aに当接する面を密着して、厚肉円板部143aの中心軸回りに 90 度時計回りまたは反時計回りに回動すると、弁座形成部材142に設けられた孔142eに弁体形成部材143の孔143eまたは孔143fが同一中心軸上に揃うことにより、それぞれ浄水または原水の流路に対する弁開状態となり、浄水または原水が通過できるようになる。
【0033】
頭部120の内部に組み込まれる仕切部材125は、図24〜26に示すように、円盤状仕切板125aの各面側の外周縁に短い円筒状の環状部材125b,125cを突設し、円盤状仕切板125aの中央部にシャワー吐出側またはストレート吐出側への入口部へ移行するための集合通過部材126(図28参照)を嵌合する嵌合孔125dを穿設する。そして、外周縁の下側の環状部材125cには外周面に条数2の多条雄ねじ125eを形成してシャワープレート121を螺合できるようにし、ねじ形成箇所の上側にはOリング溝125fを形成して漏れ止めできるようにする。
嵌合孔125dは、径が2段に分けられて、上部には円形の軸方向に対して同一径の孔が形成され、下部には軸方向下方に向けて縮径される孔に形成され、それらの中間には段差を設けて上方から集合通過部材126を嵌め込めるように形成する。
【0034】
集合通過部材126は、図27〜29に示すように、鍔側の端面を浅く削り込んで外縁付き平面形にした有鍔円柱の円柱部126aに、環状の溝126bを鍔側の浅く削り込んだ端面から軸方向に深くかつ貫通しない程度に刻設し、環状の溝126bの外周に外側の先端部が鍔部126dにまで達する多数の光芒126cを刻設し、この光芒126cを有する環状の溝126bを設けた円柱部126aの外径を鍔部126dの外径よりも小さくして、光芒126cの外側の下端部が側方に開口した形状に形成する。
この集合通過部材126は円柱部126aと鍔部126dの外形寸法を仕切部材125(図25参照)の嵌合孔125dに嵌め込むことができる外径にし、円柱部126aの側面に形成された開口が仕切部材125の嵌合孔125dに形成された下方に縮径される孔の位置に達するように軸方向の寸法を調節して、開口から径方向外下方へ流出する原水または浄水を縮径される孔により中心部下方に集中するように流出させる。
【0035】
仕切部材125の下流側に位置する吐出面形成部材としてのシャワープレート121は、図30〜33に示すように、平板状の円板部121aとその外周縁を立ち上げて形成した張出部121bとを形成し、円板部121aの中央部にストレート吐出口122を穿設し、このストレート吐出口122に隣接して吐出切換弁150の弁軸151a(図37参照)を貫通させて軸支する軸孔124を穿設し、ストレート吐出口122と軸孔124とを除いた面のストレート吐出口122の周囲にシャワー吐出口123となる小孔を多数個について略均等な間隔で穿設する。
【0036】
このシャワープレート121は、各孔を穿設した円板部121aの張出部形成側を混合水の流入側(上流側)とし、張出部121bの内周面側には条数が2の多条雌ねじ121cを形成して、仕切部材125に設けた多条雄ねじ125eに螺合できるようにする。
また、張出部121bの上端部の内側には拡径した段差部121dを設けてOリング溝に対する押圧面を形成し、仕切部材125のOリング溝125fに取り付けたOリング(図4参照)を外側から押圧して仕切部材125との螺合時に漏止めができるようにする。
【0037】
さらに、ストレート吐出口122の上部には、ストレート吐出用流路形成部材127(図35参照)を嵌合させる凹部121eを設け、シャワープレート中央部にストレート吐出用流路形成部材127を立設して、ストレート吐出側の流路(ストレート吐出流路127b)とシャワー吐出側の流路(シャワー吐出面上流側空間120c)とを仕切ることができるようにする。
さらにまた、張出部121bの外周面には、軸孔124を設けた位置の外周側に、軸孔穿設位置の外周面を挟むように2つの突出部121f,121fを突設し、吐出切換弁150の弁軸151aが軸孔124を貫通して軸支されて切換レバー151が2つの突出部121f,121fの間に設けられたとき、切換レバー151の操作範囲を2つの突出部121f,121fの間隔によって与えられた回動角に規制できるようにする。
【0038】
シャワープレート中央部に立設するストレート吐出用流路形成部材127は、図34〜36に示すように、上端縁が内面側に縮径された端部を有する円筒形状に形成され、円筒部の内部がストレート吐出流路127bとして利用される。
上端に形成された開口127aの開口径が円筒部分の内径よりも小さくなるように形成して、吐出切換弁150の弁体150a(図38参照)を載置し易くする。また、下端部の外径はシャワープレート121の中央部に形成された凹部121eの内径に嵌合できる大きさを有し、嵌合後にシャワープレート121の中央部に立設できるように嵌合状態が緊密になるように形成する。
【0039】
吐出切換弁150は、図4に示すように、シャワープレート121の円板部121aを貫通して軸回りに回動自在に支持される弁軸151aを一体に設けた切換レバー151と、集合通過部材126とストレート吐出用流路形成部材127との間に設けられた隙間に配置できるように上面を浅い凹面に形成した薄い皿状に形成した弁体150aとに分割される。
【0040】
切換レバー151は、図37に示すように、弁軸151aに対して垂直な方向にレバー部151bを延設し、その操作片であるレバー部151bの先端にレバー回動方向に対して略垂直な面を形成する指掛け部151cには両面側にそれぞれ凹部151dを形成して指の係止を容易にする。弁軸151aの先端には、弁体側に形成された嵌合孔150d(図38参照)に挿入して弁体150aと結合し、結合後の抜けを防止するための拡張側に付勢されている断面が矩形に形成された弾性係止部151e,151eを突出させる。
【0041】
弁体150aは、図38,39に示すように、上面を浅い凹面に形成した薄い皿状に形成し、下面を板厚分長くした曲率半径で湾曲した凸面に形成した皿部150bと、この皿部150bから放射方向の一方向へ延設したアーム部150cと、このアーム部150cの先端部に弁軸側の弾性係止部151e,151eを挿入して内嵌する矩形断面の嵌合孔150dを穿設した軸結合部150eとからなる。
【0042】
弁軸151a側の弾性係止部151e,151eを軸結合部150eの嵌合孔150dに挿入する際、シャワープレート121に形成された軸孔124に外方(下流側)から弾性係止部151e,151eを挿入して、軸孔124に弁軸151aを嵌合し、その後、弁体150a側の嵌合孔150dに弾性係止部151e,151eを抜け防止可能になるまで挿入して、弁体150aと切換レバー151とをシャワープレート121に組み付けるとともに吐出切換弁150の可動部材を一体に結合して形成する。
【0043】
〔作用効果〕
このように構成した第1実施形態では、流路切換弁140の突出部141を把持部110の外周面に沿って回動することによって浄水と原水とを切り換えることができ、また、浄水と原水との切換えとは独立に、吐出切換弁150の切換レバー151を操作することによってストレート吐出とシャワー吐出とを切り換えることができるようになる。
【0044】
いま、流路切換弁140の設定位置を図4〜6に示すように外周側流路131を閉状態にするとともに中央空間部132を頭部120の空間120aと連通させた開状態にすると、把持部110のホース接続部114側から流入した混合水は、水質浄化用カートリッジ130の外周側流路131から水質浄化材133を透過して中央空間部132に流出することにより水質を浄化し、さらに浄化された混合水が中央空間部132から流路切換弁140に設けられたカートリッジ受け116の内面側の流路116b、弁体側に穿設された孔143eおよび弁座側に穿設された孔142eを介して頭部120の空間120aに流出し、この空間120aから集合通過部材126を介して吐出切換弁150の設定に従いストレート吐出流路127bまたはシャワー吐出面上流側空間120cに流入して、ストレート吐出またはシャワー吐出する。
【0045】
次に、この浄水吐出をしている場合に、流路切換弁140の突出部141を把持部110の外周面に沿い所定方向へ必要角度回動して、流路切換弁140を図40〜42に示すように外周側流路131を流路切換弁140に設けられたカートリッジ受け116の外面側の流路116a、弁体側に穿設された孔143fおよび弁座側に穿設された孔142eを介して頭部120の空間120aと連通した開状態にするとともに中央空間部132を閉状態にすると、把持部110のホース接続部114側から流入した混合水が、外周側流路131から流路切換弁140に設けられたカートリッジ受け116の外面側の流路116a、弁体側に穿設された孔143fおよび弁座側に穿設された孔142eを介して頭部120の空間120aに流出し、この空間120aから集合通過部材126を介して吐出切換弁150の設定に従いストレート吐出流路127bまたはシャワー吐出面上流側空間120cに流入して、ストレート吐出またはシャワー吐出する。
その後、流路切換弁140の突出部141を把持部110の外周面に沿って、原水吐出の場合と逆方向へ同じ角度回動すると、図4〜6に示すような浄水吐出の場合に戻り、浄水を吐出することができるようになる。
【0046】
また、吐出切換弁150の操作については、流路切換弁140の操作とは独立にでき、ストレート吐出とシャワー吐出とを任意に設定することができる。
まず、切換レバー151を操作して弁軸151aの軸心を中心にしてストレート吐出側に回動すると、弁体150aがストレート吐出用流路形成部材127の開口127aの位置から外れ、集合通過部材126から流出する混合水がストレート吐出用流路形成部材127の開口127aへ流入し、ストレート吐出流路127bの内部を通過してストレート吐出口122から吐出するようになる。
【0047】
そして、切換レバー151がストレート吐出側に設定されている場合に、切換レバー151を反対方向へ操作して、弁軸151aの軸心を中心にしてシャワー吐出側に回動すると、図4または41に示すように、弁体150aの皿部150bがストレート吐出用流路形成部材127の開口127aの上部に位置して開口127aを塞ぎ、集合通過部材126から流出する混合水が弁体150aの皿部150bに阻まれてストレート吐出用流路形成部材127の周囲に流出し、仕切部材125とシャワープレート121によって形成されたシャワー吐出面上流側空間120cを介してシャワー吐出口123から吐出するようになる。
その後、切換レバー151を操作して弁軸151aの軸心を中心にしてストレート吐出側に回動すると、前述のように、ストレート吐出口122から吐出するようになる。
【0048】
これにより、流路切換弁140の突出部141を把持部110の中心軸回りかつ外周面に沿って回動することにより、浄水吐出と原水吐出とを容易に切り換えることができ、浄水吐出時には、混合水が水質浄化用カートリッジ130の外周側流路131から中央空間部132へと、水質浄化材133を通過する際に浄化されるようになり、また、原水吐出時には、水質浄化用カートリッジ130の水質浄化材133よりも上流側の流路が、フィルタ134の表面側を通過する混合水によって、浄水吐出時に溜まったフィルタ表面の蓄積物が洗い流され、目詰りを起こりにくくするとともに水質浄化材133の劣化を防止するようになり、長期間、水質浄化性能を高レベルに維持できるようになる。
これに加えて、吐出切換弁150が流路切換弁140と完全に独立しているため、原水と浄水のどちらが吐出される場合であっても、ストレート吐出またはシャワー吐出のいずれかを選択して吐出させることができ、4種類の利用可能な形態が選択できるようになる。
【0049】
〔第2実施形態〕
前記第1実施形態は水質浄化用カートリッジの外周側を浄化前の上流側流路として形成されているが、この第2実施形態では、水質浄化用カートリッジの中央空間部を浄化前の上流側流路として形成した場合について具体的に説明する。
以下の説明では、各部材の符号は200番台の番号にして第1実施形態と識別することにし、また、流路切換弁の構成に係る部材以外の部材については、第1実施形態と同じ構成にするとともに符号を200番台の下2桁の番号を同じにして説明を省略する。
【0050】
〔構成〕
浄水機能付きシャワーヘッド200は、図43〜45の矢視断面図に示すように、図示しない混合水栓または混合水栓に設けられたホースに取付けできる端部を有する把持部210と、この把持部210の混合水栓取付側とは反対側の端部でシャワー吐出することができるようにした頭部220とを備える。
【0051】
把持部210は、頭部220側に直結した筒部211と混合水栓取付側の筒部212とに分け、これらを着脱自在かつ一体的に組み合わせることができるようにするねじ結合部を形成した中継部213により分離結合自在に形成する。
この中継部213の螺合を解除して筒部211と筒部212を分離することにより、把持部210の内部に水質浄化用カートリッジ230を収容することができるようになる。
また、混合水栓取付側の端部には厚肉円筒状のホース接続部214を設け、その先端部にホース取付ねじ215を形成して、ホースとの着脱を容易にする。
また、把持部210の筒部211の上端部には流路切換弁240の突出部241を突出して、把持部210の外部から流路切換弁240を操作できるように形成する。
【0052】
頭部220は、把持部210から流入した混合水が滞留する空間(空洞)220aを形成するとともに混合水が一様に吐出する吐出面を有するシャワープレート221を着脱自在に形成し、そのシャワープレート221の中央部にストレート吐出口222を設け、その周囲を囲むようにシャワー吐出口223を設け、ストレート吐出とシャワー吐出とを切り換える吐出切換弁250を内設し、その吐出切換弁250の操作部となる切換レバー251をシャワープレート221の外部に突出配置する。
【0053】
水質浄化用カートリッジ230は、中心軸と同心的に軸方向に長い貫通孔(中央空間部232)を設けて筒状に形成した活性炭を主成分とする水質浄化材233と、その内周面に不織布、スポンジまたは網等からなるフィルタ235を周設したものとする。
水質浄化用カートリッジ230を把持部210に収容して形成される流路のうち、水質浄化用カートリッジ230の外周側流路231を浄水流路の一部とし、水質浄化用カートリッジ230の中央空間部232を原水流路の一部として利用する。
【0054】
把持部210の頭部220側に位置する筒部211には、内部に水質浄化用カートリッジ230の下流側(頭部側)の端部を差し込み固定する円筒状のカートリッジ受け216を突設した流路切換弁240を内蔵し、カートリッジ受け216に水質浄化用カートリッジ230に設けられた下流側の端部用キャップ230aの挿入端を差し込むことにより水質浄化用カートリッジ230の下流側の端部を芯出しおよび位置固定し、中継部213を螺合して筒部212を筒部211に組付けることにより、水質浄化用カートリッジ230の上流側(ホース接続側)の端部が筒部212の上流側に位置する端部の内側に設けられた円筒状のカートリッジ受け217によって芯出しおよび位置固定されて、把持部210の中に水質浄化用カートリッジ230を略同軸的に収容する。
【0055】
カートリッジ受け216の外周側の流路216aは水質浄化用カートリッジ230の外周側流路231と連通して浄水流路の一部となり、さらにカートリッジ受け216の内面側の流路216bは水質浄化用カートリッジ230の中央空間部232と連通することにより、原水流路の一部として利用される。
また、カートリッジ受け217の外周側の流路(空間)217aは水質浄化用カートリッジ230の外周側流路231の端部となり、カートリッジ受け217の内面側の流路217bは水質浄化用カートリッジ230の中央空間部232と連通して原水流路の一部として利用される。
【0056】
これにより、流路切換弁240の突出部241を浄水吐出位置に合わせた浄水吐出の場合には、流路切換弁240のカートリッジ受け216の内面側に形成された流路216bに連通する流路が閉鎖状態となり、把持部210内に流入した混合水が、水質浄化用カートリッジ230の中央空間部232から水質浄化用カートリッジ230の水質浄化材233を通過して水質を浄化しつつ外周側流路231に流出して、カートリッジ受け216の外周側の流路216aを介して頭部220に形成された空間220aに流出し、吐出切換弁250の選択に従って、空間220aからストレート吐出口222またはシャワー吐出口223を介してシャワープレート221の外部に吐出する。
【0057】
また、流路切換弁240の突出部241を原水吐出位置に合わせた原水吐出の場合には、流路切換弁240のカートリッジ受け216の内面側に形成された流路216bに連通する流路が開放状態となり、把持部210内に流入した混合水が、水質浄化用カートリッジ230の中央空間部232を通過し、カートリッジ受け216の内面側の流路216bを介して頭部220に形成された空間220aに流出し、吐出切換弁250の選択に従って、ストレート吐出口222またはシャワー吐出口223を介してシャワープレート221の外部に吐出する。
【0058】
頭部220の内部に形成された空間220aの下流側であって吐出切換弁250を収容する部分の上流側には、空間220aとシャワー吐出面上流側空間220cとの間を仕切る仕切部材225を設け、その仕切部材225の円盤状仕切板225aの中央部に集合通過部材226を設ける。
仕切部材225の下流側に設けられる吐出切換弁250の弁体250aは、その弁体250aが集合通過部材226の直下に位置できるように配置する。
集合通過部材226および吐出切換弁250の弁体250aが上下に配置された位置の、さらに下流側には、シャワープレート221に形成されたストレート吐出口222に連通するストレート吐出用流路形成部材227を立設する。
【0059】
吐出切換弁250は、弁体250aが仕切部材225の下流側で集合通過部材226から僅かに隙間をあけた直近の下流に配置され、弁体250aの下面をストレート吐出用流路形成部材227の上端に形成された開口227aに接触できる直近の位置に配置して、ストレート吐出用流路形成部材227の蓋として上部から覆いかぶさることができるようにし、また、切換レバー251の操作によって、弁体250aが開口227aの真上の位置から弁体250aの全体が開口227aの位置から外れるまでの範囲で、弁体250aがストレート吐出用流路形成部材227の上端に出入り自在に回動できるように、切換レバー251の回動角度を設定する。
【0060】
頭部220は、第1実施態様と同様に、把持部側に筒部211を突出し、その突出した筒部211の先端部には中継部213の雌側を形成して筒部212と着脱自在に結合できるようにし、筒部211の中継部213と空間220aとの中間位置に、流路切換弁240の操作端となる突出部241を貫通させる周方向に長辺を向けた平面形状が長方形の孔211aを穿設し、この孔211aの長辺の長さは流路切換弁240の操作角に従う突出部241の最大移動距離に合わせて規定する。
そして、頭部220の吐出側には頂部が曲面に形成され主要部が略円筒状に形成されて内部に特別な突出部が設けられていない空洞となっている頭部外皮220bにより略円筒状に形成し、仕切板や吐出切換弁等を収容することができるようにする。
【0061】
筒部211と分離結合可能に形成されるホース接続側の筒部212は、図46〜49に示すように、略円筒形状で、ホース接続側の端部に円形の孔を設けた端面212bを有し、その端面から外方に向けて厚肉円筒状のホース接続部214を同軸的に突出し、その先端部外周側にホース取付ねじ215を形成し、ホース接続部214を設けた端部の反対側に位置する端部には、外面側に雄ねじ213cと筒部211に嵌合するための円筒外面213eとを形成して中継部213の雄側を形成する。
【0062】
筒部212の内面側には、上流側の端部および端面212bに水質浄化用カートリッジ230のホース接続側の端部用キャップ230bの小径側の端縁部の寸法に合わせて内側の寸法を形成した円筒形状のカートリッジ受け217を突出し、水質浄化用カートリッジ230の収容時に端部用キャップ230bの上流側の端縁部を支持して、水質浄化用カートリッジ230を同心的に位置固定することができるようにする。
また、ホース接続部214の外周側には突起部214aを突出し、水栓本体のホルダ部または吐出口に嵌め込み支持する際の位置決めリブとする。
【0063】
原水と浄水とを切り換える流路切換弁240は、図43〜45に示すように、弁開閉動作を行うための操作部材となる突出部241と、筒部211に固定する弁座形成部材242と、突出部241により動かされる弁体形成部材243とからなる。
突出部241は、第1実施形態と同様に、中央部に指掛部241aを放射方向外方に突設し、筒部211の外周に沿って湾曲させて、操作時の動作範囲全域について筒部211に穿設された長方形の孔211aを覆うことができる湾曲板状に形成された操作部材241bと、この操作部材241bの指掛部突設側とは反対側の位置(湾曲面の内側中央部)に突設した弁体形成部材243に対する係止部241cとからなる。
【0064】
弁座形成部材242は、図50,51に示すように、筒部211の水質浄化用カートリッジ収容部側と頭部220の空間形成側との間を仕切る仕切板を形成する円板部242aと、その外周縁の一面側に筒部211に内嵌する嵌合用の外形を形成してリング状に突出した周縁突出部242bと、他面側に弁体形成部材243を内嵌する円筒状に形成された弁体嵌合部242cと、円板部242aの中心と周辺との中間位置に穿設した流路となる孔242eとを形成する。
【0065】
弁体形成部材243は、図52〜55に示すように、弁座形成部材242の円板部242aに当接する面を有する厚肉円板部243aを形成し、その厚肉円板部243aの一面側を弁座形成部材242の円板部242aに当接する面とし、他面側には中央部に内筒部となるカートリッジ受け216を円板中心に対して同心的に突出し、厚肉円板部243aの周縁部に円筒状の外筒部243bを同心的に突出して一端側が閉じられた二重円筒形に形成する。
この二重円筒の外筒部243bの端縁部には筒部211が内嵌するために必要な外形寸法を有し外周側に厚みが厚くなるように形成された厚肉部243cを設け、この厚肉部243cの外周面にOリング溝243dを刻設する。
【0066】
そして、厚肉円板部243aの中心と周辺との中間位置に同一円周上で中心角で約 90 度離れた位置に各1つの流路となる孔243e,243fを穿設し、弁座形成部材242の円板部242aに当接しない面の孔周辺部をカートリッジ受け216の厚みと同じ厚みの有底円筒の一部を形成する壁面により、孔243eの周辺であってカートリッジ受け216の外周側の位置を覆い、孔243fのカートリッジ受け216の内周側を同様に覆うことにより、カートリッジ受け216の内面側と外面側とのそれぞれに対する孔243e,243fに連通する流路を形成する。
【0067】
さらに、外筒部243bの外周側には、厚肉部243cの厚肉円板部配置側に向いた端面を背にして逆T字形の溝243gを形成する互いに突出側を向き合わせた鍵形部材243h,243iを突出して、突出部241側の係止部241cを係合可能かつ弁体形成部材243の軸方向に出入自在に形成する。
また、厚肉円板部243aの弁座形成部材当接側の面には外周縁部にOリング溝の代わりにOリングを嵌め込むことができるように形成した段差部243jを設ける。
【0068】
これにより、弁体形成部材243の鍵形部材243h,243i間に突出部241の係止部241cを係合し、弁座形成部材242の水質浄化用カートリッジ収容側の面に弁体形成部材243の円板部242aに当接する面を密着して、厚肉円板部243aの中心軸回りに 90 度時計回りまたは反時計回りに回動すると、弁座形成部材242に設けられた孔242eに弁体形成部材243の孔243eまたは孔243fが同一中心軸上に揃うことにより、それぞれ浄水または原水の流路に対する弁開状態となり、浄水または原水が通過できるようになる。
【0069】
〔作用効果〕
このように構成した第2実施形態では、流路切換弁240の突出部241を把持部210の外周面に沿って回動することによって浄水と原水とを切り換えることができ、また、浄水と原水との切換えとは独立に、吐出切換弁250の切換レバー251を操作することによってストレート吐出とシャワー吐出とを切り換えることができるようになる。
【0070】
いま、流路切換弁240の設定位置が図43〜45に示すように中央空間部232を閉状態にするとともに外周側流路231を頭部220の空間220aと連通させた開状態にすると、把持部210のホース接続部214側から流入した混合水が、水質浄化用カートリッジ230の中央空間部232から水質浄化材233を透過して外周側流路231に流出することにより水質を浄化し、さらに浄化された混合水が外周側流路231から流路切換弁240に設けられたカートリッジ受け外面側の流路216a、弁体側に形成された孔243fおよび弁座側に形成された孔242eを介して頭部220の空間220aに流出し、この空間220aから集合通過部材226を介して吐出切換弁250の設定に従いシャワー吐出面上流側空間220cまたはストレート吐出流路227bに流入して、浄化された混合水がストレート吐出またはシャワー吐出する。
【0071】
次に、この浄水吐出をしている場合に、流路切換弁240の突出部241を把持部210の外周面に沿い所定方向へ必要角度回動して、図56〜58に示すように、中央空間部232、流路切換弁240に設けられたカートリッジ受け内面側の流路216b、弁体側に形成された孔243eおよび弁座側に形成された孔242eを頭部220の空間220aと連通させて開状態にするとともに外周側流路231を閉状態にすると、把持部210のホース接続部214側から流入した混合水が、中央空間部232から流路切換弁240に設けられたカートリッジ受け内面側の流路216b、弁体側に形成された孔243eおよび弁座側に形成された孔242eを介して頭部220の空間220aに流出し、この空間220aから集合通過部材226を介して吐出切換弁250の設定に従いシャワー吐出面上流側空間220cまたはストレート吐出流路227bに流入して、混合水が浄化されずに、原水のままストレート吐出またはシャワー吐出する。
その後、流路切換弁240の突出部241を把持部210の外周面に沿って、原水吐出の場合と逆方向へ同じ角度回動すると、図43〜45に示すような浄水吐出の場合に戻り、浄水を吐出することができるようになる。
【0072】
また、吐出切換弁250の操作については、第1実施形態の場合と同様に切換レバー251を操作して混合水をストレート吐出またはシャワー吐出させることができる。
まず、切換レバー251を操作してストレート吐出側に回動すると、弁体250aがストレート吐出用流路形成部材227の開口227aの位置から外れ、集合通過部材226から流出する混合水がストレート吐出用流路形成部材227の開口227aへ流入し、ストレート吐出流路227bを通過してストレート吐出口222から吐出するようになる。
【0073】
そして、切換レバー251がストレート吐出側に設定されている場合に、切換レバー251を反対方向へ操作してシャワー吐出側に回動すると、図44または57に示すように、弁体250aの皿部250bがストレート吐出用流路形成部材227の開口227aの上部に位置して開口227aを塞ぎ、集合通過部材226から流出する混合水が弁体250aの皿部250bに阻まれてストレート吐出用流路形成部材227の周囲に流出し、仕切部材225とシャワープレート221によって形成されたシャワー吐出面上流側空間220cを介してシャワー吐出口223から吐出するようになる。
その後、切換レバー251を操作してストレート吐出側に回動すると、前述のように、ストレート吐出口222からの吐出に変わる。
【0074】
これにより、流路切換弁240の突出部241を把持部210の中心軸回りかつ外周面に沿って回動することにより、浄水吐出と原水吐出とを容易に切り換えることができ、浄水吐出時には、混合水が水質浄化用カートリッジ230の中央空間部232から外周側流路231へと水質浄化材233を通過する際に浄化されるようになり、また、原水吐出時には、水質浄化用カートリッジ230の水質浄化材233よりも上流側の流路が、フィルタ235の表面側を通過する混合水によって、浄水吐出時に溜まったフィルタ表面の蓄積物が洗い流され、目詰りを起こりにくくするとともに水質浄化材233の劣化を防止するようになり、長期間、水質浄化性能を高レベルに維持できるようになる。
これに加えて、吐出切換弁250が流路切換弁240と完全に独立しているため、原水と浄水のどちらが吐出される場合であっても、ストレート吐出またはシャワー吐出のいずれかを選択して吐出させることができ、4種類の利用可能な形態が選択できるようになる。
【0075】
〔第3実施形態〕
前記の第1実施形態または第2実施形態は水質浄化用カートリッジの下流側に原水と浄水との吐出を選択する流路切換弁を設けているが、この第3実施形態では水質浄化用カートリッジの上流側に流路切換弁を設け、原水を水質浄化用カートリッジの外周側に形成された流路まで導き入れて外周側から中心部の中央空間部まで通過する間に浄化されるようにした場合について具体的に説明する。
以下の説明では、各部材の符号は300番台の番号にして第1実施形態と識別することにし、また、流路切換弁の構成に係る部材以外の部材については、第1実施形態と同じ構成にするとともに符号を300番台の下2桁の番号を同じにして説明を省略する。
【0076】
〔構成〕
浄水機能付きシャワーヘッド300は、図59〜61の外観図に示すように、図示しない混合水栓または混合水栓に設けられたホースに取付けできる端部を有する把持部310と、この把持部310の混合水栓取付側とは反対側の端部に一体的に形成されてシャワー吐出することができるようにした頭部320とを備える。
【0077】
把持部310は、頭部320側に直結した筒部311と混合水栓取付側の筒部312とに分け、この両筒部311,312の結合部分には着脱自在かつ一体的に組み合わせることができるようにするねじ結合部を形成した中継部313を形成し、この中継部313の螺合を解除して筒部311と筒部312を分離することにより、把持部310の内部に水質浄化用カートリッジ330(図62,63参照)を収容することができるようになる。また、混合水栓取付側の端部には円筒状のホース接続部314を設け、その先端部にホース取付ねじ315を形成して、ホースとの着脱を容易にする。
また、把持部310の水質浄化用カートリッジ330の上流側となるホース取付側の端部には、流路切換弁340の操作端である突出部341を突き出して、把持部310の外部から流路切換弁340を操作できるように形成する。
【0078】
頭部320は、内部に把持部310から流入した混合水が滞留する空間(空洞)320a(図63参照)を形成し、吐出端に混合水が一様に吐出する吐出面を有して着脱自在なシャワープレート321を形成し、そのシャワープレート321の中央部にストレート吐出口322を設け、その周囲を囲むようにシャワー吐出口323を設け、ストレート吐出とシャワー吐出とを切り換える吐出切換弁350を内設し、その吐出切換弁350の操作部となる切換レバー351をシャワープレート321の外部に突出配置する。
【0079】
この浄水機能付きシャワーヘッド300では、図62〜64に示すように、把持部310に内蔵した水質浄化用カートリッジ330の外周側流路331を原水流路の一部とし、水質浄化用カートリッジ330の中央空間部332を浄水流路または原水流路の一部として利用する。
この場合の水質浄化用カートリッジ330は、中心軸と同心的に軸方向に長い貫通孔(中央空間部332)を設けて筒状に形成した活性炭を主成分とする水質浄化材333と、その外周面に不織布、スポンジまたは網等からなるフィルタ334を周設したものに、把持部内で同心的に嵌め合い位置固定するための端部用キャップ330a,330bを各端部に取り付けたものである。
【0080】
把持部310の頭部320側に位置する筒部311には、筒部311の内部の頭部側端面に水質浄化用カートリッジ330の下流側(頭部側)の端部を差し込み固定する円筒状のカートリッジ受け316を突設し、このカートリッジ受け316に水質浄化用カートリッジ330に設けられた下流側の端部用キャップ330aの挿入端を差し込むことによって、水質浄化用カートリッジ330の下流側端部を芯出しおよび位置固定できるようにする。
【0081】
筒部311と筒部312との中継部313を螺合して、筒部312を筒部311に組付けることによって、水質浄化用カートリッジ330の上流側(ホース接続側)の端部を、筒部312の上流側に位置する端部の内側に配設された流路切換弁340に設けられた円筒状のカートリッジ受け317に嵌合し、芯出しおよび位置固定して、把持部310の中に水質浄化用カートリッジ330を略同軸的に収容する。
【0082】
これにより、カートリッジ受け316の外周側の流路316aは、水質浄化用カートリッジ330の外周側流路331と連通して原水流路の閉鎖端部となり、さらにカートリッジ受け316の内面側の流路316bは、水質浄化用カートリッジ330の中央空間部332と連通して浄水流路の一部を形成するとともに原水流路の一部を形成する。
また、流路切換弁340に設けられた円筒状のカートリッジ受け317の内面側の流路317bは、水質浄化用カートリッジ330の中央空間部332と連通して浄水流路の端部を形成するとともに原水流路の入口部を形成し、カートリッジ受け317の外周側の流路317aは、水質浄化用カートリッジ330の外周側流路331と連通して原水流路の入口部を形成する。
【0083】
頭部320の内部に形成された空間320aの下流側であって吐出切換弁350を収容する部分の上流側には、空間320aとシャワー吐出面上流側空間320cとの間を仕切る仕切部材325を設け、その仕切部材325の円盤状仕切板325aの中央部に集合通過部材326を設ける。
仕切部材325の下流側に設けられる吐出切換弁350は、その弁体350aが集合通過部材326の直下に位置できるように配置する。
そして、集合通過部材326および吐出切換弁350の弁体350aが上下に配置された位置の、さらに下流側には、シャワープレート321に形成されたストレート吐出口322に連通するストレート吐出用流路形成部材327を立設する。
【0084】
頭部320は、図65,66に示すように、把持部側に筒部311を突出し、その突出した筒部311の先端部には筒部312とねじ結合するための雄ねじ313cと、結合時の芯出し用の円筒外面313eとを外面側に形成して中継部313の雄側を形成し、円筒外面313eの軸方向の中央部には、この中継部313の漏止めに必要なOリング(図62,63参照)を嵌め込むOリング溝313fを刻設する。
そして、頭部320の吐出側には頂部が曲面に形成され主要部が略円筒状に形成されて内部に特別な突出部が設けられていない空洞となっている頭部外皮320bを形成し、仕切板や吐出切換弁等を収容することができるようにする。
【0085】
筒部311と分離結合可能に形成される筒部312は、図67〜70に示すように、略円筒形状で、ホース接続側の端部に円形の孔を設けた端面312bを有し、その端面から円筒状のホース接続部314を突出し、その先端部にホース取付ねじ315を形成する。
筒部312の最下流側の端部には、内面側に雌ねじ313bと、嵌合用の円筒内面313a,313dとを雌ねじ形成箇所の軸方向の前後位置にそれぞれ形成して、中継部313の雌側を形成し、筒部311側の雄側の中継部313に螺着して結合することができるようにする。
これに対して、筒部312の上流側の端部には、端面312bから所定距離離れた箇所に、流路切換弁340の操作端となる突出部341を貫通させる周方向に長辺を向けた平面形状が長方形の孔312cを穿設する。この長方形の孔312cの長辺の長さは流路切換弁340の操作角に従う突出部341の最大移動距離に合わせて規定する。
【0086】
この筒部312の上流側の端部には、水質浄化用カートリッジ330のホース接続側の端部用キャップ330bの端縁部(挿入端部)の寸法に合わせて内径側の寸法を形成したカートリッジ受け317を形成した流路切換弁340を内蔵し、筒部312に設けられた長方形の孔312cを介して流路切換弁340の突出部341を筒部312の外部に突出させる。
また、ホース接続部314の外周側には突起部314aを突出し、水栓本体のホルダ部に嵌め込み支持する際の位置決めリブとする。
【0087】
原水と浄水とを切り換える流路切換弁340は、図62〜64に示すように、弁開閉動作を行うための操作部材となる突出部341と、筒部312に固定する弁座形成部材342と、突出部341により動かされる弁体形成部材343とからなる。
突出部341は、図71〜73に示すように、中央部に指掛部341aを放射方向外方に突設し、筒部312の長方形の孔312cを穿設した位置の外周に沿って湾曲させて、操作時の動作範囲全域について筒部312に穿設された長方形の孔312cを覆うことができる湾曲板状に形成された操作部材341bと、この操作部材341bの指掛部突設側とは反対側の位置(湾曲面の内側中央部)に突設した弁体形成部材343に対する係止部341cとからなる。
【0088】
弁座形成部材342は、図74〜76に示すように、筒部312の水質浄化用カートリッジ収容部側と流入側の端部との間を仕切る仕切板を形成する円板部342aと、その外周縁に筒部312に内嵌する嵌合用の外形を形成してリング状に突出した周縁突出部342bと、一面側に弁体形成部材343を内嵌する円筒内面を形成した弁体嵌合部342cと、円板部342aの中心と周辺との中間位置に厚肉部342dを形成してその中心位置に穿設した流路となる孔342eと、弁体内嵌側の面における孔342eを穿設した位置の周囲に刻設したOリング溝342fとを形成する。
【0089】
弁体形成部材343は、図77〜80に示すように、弁座形成部材342の円板部342aに当接する面を有する厚肉円板部343aを形成し、その厚肉円板部343aの一面側を弁座形成部材342の円板部342aに当接する面とし、他面側には中央部に内筒部となるカートリッジ受け317を円板中心に対して同心的に突出し、厚肉円板部343aの周縁部に円筒状の外筒部343bを同心的に突出して一端側が閉じられた二重円筒形に形成する。
この二重円筒の外筒部343bの端縁部には筒部312に内嵌するために必要な外形寸法を有し外周側に厚みが厚くなるように形成された厚肉部343cを設け、この厚肉部343cの外周面にOリング溝343dを刻設する。
【0090】
そして、厚肉円板部343aの中心と周辺との中間位置に同一円周上で中心角で約 90 度離れた位置に各1つの流路となる孔343e,343fを穿設し、弁座形成部材342の円板部342aに当接しない面の孔周辺部をカートリッジ受け317の厚みと同じ厚みの有底円筒の一部を形成する壁面により、孔343eの周辺であってカートリッジ受け317の外周側の位置を覆い、孔343fのカートリッジ受け317の内周側を同様に覆うことにより、カートリッジ受け317の内面側と外面側とのそれぞれに対する孔343e,343fに連通する流路を形成する。
【0091】
さらに、外筒部343bの外周側には、厚肉部343cの厚肉円板部343aの配置側に向いた端面を背にして逆T字形の溝343gを形成する互いに突出側を向き合わせた鍵形部材343h,343iを突出して、突出部341側の係止部341cを係合可能かつ弁体形成部材343の軸方向に出入自在に形成する。
また、厚肉円板部343aの弁座形成部材当接側の面には外周縁部にOリング溝の代わりにOリングを嵌め込むことができるように形成した段差部343jを設ける。
【0092】
これにより、弁体形成部材343の鍵形部材343h,343i間に突出部341の係止部341cを係合し、弁座形成部材342の水質浄化用カートリッジ収容側の面に弁体形成部材343の円板部342aの当接面を密着して、厚肉円板部343aの中心軸回りに 90 度時計回りまたは反時計回りに回動すると、弁座形成部材342に穿設された孔342eに弁体形成部材343の孔343eまたは孔343fが同軸上に揃うことにより、それぞれ浄水側流路または原水側流路に対する弁開状態となり、開弁側の流路を混合水が通過するようになる。
【0093】
頭部320の内部に組み込まれる仕切部材325は、円盤状仕切板325aの中央部にシャワー吐出側またはストレート吐出側への入口部へ移行するための集合通過部材326を嵌合する。そして、外周縁の下側にシャワープレート321を螺合できるようにするとともに、ねじ形成箇所の上側にはOリングにより漏止めができるようにする。
仕切部材325の中央部に設けられる集合通過部材326の嵌合孔は、径が2段に分けられて、上部には円形の軸方向に対して同一径の孔が形成され、下部には軸方向下方に向けて縮径される孔に形成され、それらの中間には段差を設けて上方から集合通過部材326を嵌め込めるように形成する。
【0094】
集合通過部材326は、鍔側の端面を浅く削り込んで外縁付き平面形にした有鍔円柱に、環状の溝と、この環状の溝の外周に多数の光芒を刻設し、この光芒を有する環状の溝を設けた円柱部の外径を鍔部の外径よりも小さくして、光芒の外側の下端部が側方に開口した形状に形成する。
この集合通過部材326が仕切部材325の嵌合孔に形成された下方に縮径される孔の位置に達するように軸方向の寸法を調節して、開口から径方向外側の下方へ流出する原水または浄水を、縮径される孔により中心部下方に集中するように流出させる。
【0095】
仕切部材325の下流側に位置する吐出面形成部材としてのシャワープレート321は、平板状の円板部から外周縁を立ち上げた形状に形成し、円板部の中央部にストレート吐出口322を穿設し、このストレート吐出口322に隣接して吐出切換弁350の軸を貫通させて軸支し、ストレート吐出口322と軸支箇所とを除いた面のストレート吐出口322の周囲にシャワー吐出口323となる小孔を多数個略均等な間隔で穿設する。
【0096】
このシャワープレート321は、各孔を穿設した円板部外周の張出部形成側を混合水の流入側(上流側)とし、張出部形成側の内周面側には雌ねじにより、仕切部材325に設けた雄ねじに螺合できるようにする。
また、張出部の上端部内側にはOリングに対する押圧面を形成し、仕切部材325に取り付けたOリング(図63参照)を外側から押圧して仕切部材325との螺合時に漏止めができるようにする。
【0097】
さらに、ストレート吐出口322の上部には、ストレート吐出用流路形成部材327を設け、シャワープレート中央部にストレート吐出用流路形成部材327を立設して、ストレート吐出側の流路(ストレート吐出流路327b)とシャワー吐出側の流路(シャワー吐出面上流側空間320c)とを仕切ることができるようにする。
さらにまた、シャワープレート321の張出部外周面には、切換レバー351を設けた位置の近傍に、切換レバー351の外周面を挟むように2つの突出部を突設して、吐出切換弁350の切換レバー351が2つの突出部の間に設けられたとき、切換レバー351の操作範囲を2つの突出部の間隔によって与えられた回動角に規制できるようにする。
【0098】
シャワープレート中央部に立設するストレート吐出用流路形成部材327は、上端縁が内面側に縮径された端部を有する円筒形状に形成され、円筒部の内部がストレート吐出流路327bとして利用される。
上端に形成された開口327aの開口径が円筒部分の内径よりも小さくなるように形成して、吐出切換弁350の弁体350aを載置し易くする。また、下端部の外径はシャワープレート321の中央部に嵌合できる大きさを有し、嵌合後にシャワープレート321の中央部に立設できるように嵌合状態が緊密になるように形成する。
【0099】
吐出切換弁350は、シャワープレート321を貫通して軸回りに回動自在に支持される弁軸を一体に設けた切換レバー351と、集合通過部材326とストレート吐出用流路形成部材327との間に設けられた隙間に配置できるように上面を浅い凹面に形成した薄い皿状に形成した弁体350aとに分割される。
切換レバー351は、弁体側に形成された嵌合孔に挿入して弁体350aと結合し、結合後の抜けを防止するための拡張側に付勢されている断面が矩形に形成された弾性係止部により結合される。
【0100】
弁体350aは、上面を浅い凹面に形成し、下面を板厚分長くした曲率半径で湾曲した凸面にした皿部350bを形成し、この皿部350bから一方向へアーム部を延設し、このアーム部の先端部に弁軸側の弾性係止部を挿入して内嵌する矩形断面の嵌合孔を穿設する。
切換レバー351の弾性係止部を弁体350a側の嵌合孔に抜け防止可能になるまで挿入して、切換レバー351と弁体350aとを一体化して、弁体350aと切換レバー351とをシャワープレート321に組み付けるとともに吐出切換弁350の可動部材を一体に結合する。
【0101】
この吐出切換弁350は、弁体350aを集合通過部材326から僅かに隙間をあけた直近の下流に配置し、弁体350aの下面をストレート吐出用流路形成部材327の上端に形成された開口327aに接触できる直近の位置に配置して、ストレート吐出用流路形成部材327の蓋として上部から覆い被さることができるようにし、また、切換レバー351の操作によって、弁体350aが開口327aの真上の位置から弁体350aの全体が開口327aの位置から外れるまでの範囲で、弁体350aがストレート吐出用流路形成部材327の上端に出入り自在に回動できるように、切換レバー351の回動角度を設定する。
【0102】
〔作用効果〕
このように構成した第3実施形態では、把持部310のホース接続側の端部に設けられた流路切換弁340の突出部341を把持部310の外周面に沿って回動することによって浄水と原水とを切り換えることができ、また、浄水と原水との切換えとは独立に、吐出切換弁350の切換レバー351を操作することによってストレート吐出とシャワー吐出とを切り換えることができるようになる。
【0103】
いま、流路切換弁340の設定位置を図62〜64に示すように流路切換弁340の突出部341を浄水吐出位置に合わせた場合、流路切換弁340の弁座側に穿設された孔342eに弁体側に穿設された孔343eの位置が同軸的に一致して、水質浄化用カートリッジ330の外周側流路331を流路切換弁340の入口側と連通した開状態にする。このとき、混合水が把持部310のホース接続部314側から把持部310内に流入し、流入した混合水が流路切換弁340の弁座側に穿設された孔342e、弁体側に穿設された孔343eおよびカートリッジ受け317の外面側の流路317aを介して水質浄化用カートリッジ330の外周側流路331からフィルタ334および水質浄化材333を透過して中央空間部332に流出し、水質を浄化し、中央空間部332が頭部320の空間320aと連通しているから、浄化された混合水が中央空間部332からカートリッジ受け316の内面側の流路316bを介して頭部320の空間320aに流出する。そして、この空間320aから集合通過部材326を介して吐出切換弁350の設定に従い、ストレート吐出流路327bまたはシャワー吐出面上流側空間320cに流入して、ストレート吐出またはシャワー吐出する。
【0104】
次に、この浄水吐出をしている場合に、流路切換弁340の突出部341を把持部310の外周面に沿い所定方向へ必要角度回動して、図81〜83に示すように流路切換弁340を原水吐出位置に合わせた場合、流路切換弁340の弁座側に穿設された孔342eに弁体側に穿設された孔343fの位置が同軸的に一致して、水質浄化用カートリッジ330の外周側流路331を流路切換弁340の入口側と遮断した閉状態にし、水質浄化用カートリッジ330の中央空間部332を流路切換弁340の入口側と連通した開状態にする。
【0105】
このとき、把持部310のホース接続部314側から混合水が流入してくると、流路切換弁340の弁座側に穿設された孔342e、弁体側に穿設された孔343f、およびカートリッジ受け317の内面側の流路317bを介して中央空間部332に流入し、中央空間部332が頭部320の空間320aと連通しているから、混合水が浄化されずに、そのままカートリッジ受け316の内面側の流路316bを介して頭部320の空間320aに流出する。
【0106】
そして、この空間320aから集合通過部材326を介して吐出切換弁350の設定に従いストレート吐出流路327bまたはシャワー吐出面上流側空間320cに流入して、ストレート吐出またはシャワー吐出する。
その後、流路切換弁340の突出部341を把持部310の外周面に沿って、原水吐出の場合と逆方向へ同じ角度回動すると、図62〜63に示すような浄水吐出の場合に戻り、浄水を吐出することができるようになる。
【0107】
また、吐出切換弁350の操作については、流路切換弁340の操作とは独立にでき、ストレート吐出とシャワー吐出とを任意に設定することができる。
まず、切換レバー351を操作して弁軸の軸心を中心にしてストレート吐出側に回動すると、弁体350aがストレート吐出用流路形成部材327の開口327aの位置から外れ、集合通過部材326から流出する混合水がストレート吐出用流路形成部材327の開口327aへ流入し、ストレート吐出流路327bの内部を通過してストレート吐出口322から吐出するようになる。
【0108】
そして、切換レバー351がストレート吐出側に設定されている場合に、切換レバー351を反対方向へ操作して、弁軸の軸心を中心にしてシャワー吐出側に回動すると、図63または82に示すように、弁体350aの皿部350bがストレート吐出用流路形成部材327の開口327aの上部に位置して開口327aを塞ぎ、集合通過部材326から流出する混合水が弁体350aの皿部350bに阻まれてストレート吐出用流路形成部材327の周囲に流出し、仕切部材325とシャワープレート321によって形成されたシャワー吐出面上流側空間320cを介してシャワー吐出口323から吐出するようになる。
その後、切換レバー351を操作して弁軸の軸心を中心にしてストレート吐出側に回動すると、前述のように、ストレート吐出口322から吐出するようになる。
【0109】
これにより、流路切換弁340の突出部341を把持部310の中心軸回りかつ外周面に沿って回動することにより、浄水吐出と原水吐出とを容易に切り換えることができ、浄水吐出時には、混合水が水質浄化用カートリッジ330の外周側流路331から中央空間部332へと、水質浄化材333を通過する際に浄化されるようになる。
これに加えて、吐出切換弁350が流路切換弁340と完全に独立しているため、原水と浄水のどちらが吐出される場合であっても、ストレート吐出またはシャワー吐出のいずれかを選択して吐出させることができ、4種類の利用可能な形態が選択できるようになる。
【0110】
〔第4実施形態〕
前記第3実施形態は水質浄化用カートリッジの外周側を浄化前の上流側流路として形成されているが、この第4実施形態では、水質浄化用カートリッジの上流側に流路切換弁を設けるとともに水質浄化用カートリッジの中央空間部を浄化前の上流側流路として形成した場合について具体的に説明する。
以下の説明では、各部材の符号は400番台の番号にして第3実施形態と識別することにし、また、流路切換弁の構成に係る部材以外の部材については、第3実施形態と同じ構成にするとともに符号を400番台の下2桁の番号を同じにして説明を省略する。
【0111】
〔構成〕
浄水機能付きシャワーヘッド400は、図84〜86の矢視断面図に示すように、図示しない混合水栓または混合水栓に設けられたホースに取付けできる端部を有する把持部410と、この把持部410の混合水栓取付側とは反対側の端部でシャワー吐出することができるようにした頭部420とを備える。
【0112】
把持部410は、頭部420側に直結した筒部411と混合水栓取付側の筒部412とに分け、この両筒部411,412の結合部分には着脱自在かつ一体的に組み合わせることができるようにするねじ結合部を形成した中継部413を形成し、この中継部413の螺合を解除して筒部411と筒部412を分離することにより、把持部410の内部に水質浄化用カートリッジ430を収容することができるようになる。また、混合水栓取付側の端部には円筒状のホース接続部414を設け、その先端部にホース取付ねじ415を形成して、ホースとの着脱を容易にする。
また、把持部410の水質浄化用カートリッジ430の上流側となるホース取付側の端部には、流路切換弁440の操作端である突出部441を突き出して、把持部410の外部から流路切換弁440を操作できるように形成する。
【0113】
頭部420は、内部に把持部410から流入した混合水が滞留する空間(空洞)420aを形成するとともに吐出端に混合水が一様に吐出する吐出面を有するシャワープレート421を着脱自在に形成し、そのシャワープレート421の中央部にストレート吐出口422を設け、その周囲を囲むようにシャワー吐出口423を設け、ストレート吐出とシャワー吐出とを切り換える吐出切換弁450を内設し、その吐出切換弁450の操作部となる切換レバー451をシャワープレート421の外部に突出配置する。
【0114】
水質浄化用カートリッジ430は、中心軸と同心的に軸方向に長い貫通孔(中央空間部432)を設けて筒状に形成した活性炭を主成分とする水質浄化材433と、その内周面に不織布、スポンジまたは網等からなるフィルタ435を周設したものとする。
水質浄化用カートリッジ430を把持部410に収容して形成される流路のうち、水質浄化用カートリッジ430の外周側流路431を浄水流路の一部とし、水質浄化用カートリッジ430の中央空間部432を原水流路の一部として利用する。
【0115】
把持部410の頭部420側に位置する筒部411には、内部に水質浄化用カートリッジ430の下流側(頭部側)の端部を固定するカートリッジ受けとしての複数のリブ411bを把持部410の軸方向に平行な平板状に形成されて突設し、このリブ411bの上流側の端面に水質浄化用カートリッジ430に設けられた下流側の端部用キャップ430aを当接することによって、水質浄化用カートリッジ430の下流側の端部を芯出しおよび位置固定し、筒部411と筒部412との中継部413を螺合して、筒部412を筒部411に組付けることによって、水質浄化用カートリッジ430の上流側(ホース接続側)の端部を、筒部412の上流側に位置する端部の内側に配設された流路切換弁440に設けられた円筒状のカートリッジ受け417に嵌合し、芯出しおよび位置固定して、把持部410の中に水質浄化用カートリッジ430を略同軸的に収容する。
【0116】
これにより、水質浄化用カートリッジ430の下流側ではリブ411bによって支持されるため流路を遮るものがなく、水質浄化用カートリッジ430の外周側流路431と頭部420の空間420aとが連通して浄水流路の一部または原水流路の一部となり、さらに水質浄化用カートリッジ430の中央空間部432が下流側で端部用キャップ430aにより閉鎖されて通過不能に形成されているため、原水流路の一部としてのみ利用される。
また、カートリッジ受け417の外周側の流路(空間)417aは水質浄化用カートリッジ430の外周側流路431と連通して浄水流路の端部または原水流路の一部となり、カートリッジ受け417の内面側の流路417bは水質浄化用カートリッジ430の中央空間部432と連通して原水流路の一部として利用される。
【0117】
頭部420の内部に形成された空間420aの下流側であって吐出切換弁450を収容する部分の上流側には、空間420aとシャワー吐出面上流側空間420cとの間を仕切る仕切部材425を設け、その仕切部材425の円盤状仕切板425aの中央部に集合通過部材426を設ける。
仕切部材425の下流側に設けられる吐出切換弁450の弁体450aは、その弁体450aが集合通過部材426の直下に位置できるように配置する。
集合通過部材426および吐出切換弁450の弁体450aが上下に配置された位置の、さらに下流側には、シャワープレート421に形成されたストレート吐出口422に連通するストレート吐出用流路形成部材427を立設する。
【0118】
頭部420は、図87〜89に示すように、把持部側に筒部411を突出し、その突出した筒部411の先端部には筒部412とねじ結合するための雄ねじ413cと、結合時の芯出し用の円筒外面413eとを外面側に形成して中継部413の雄側を形成し、円筒外面413eの軸方向の中央部には、この中継部413の漏止めに必要なOリング(図84,85参照)を嵌め込むOリング溝413fを刻設する。
筒部411の頭部側の端部には、軸方向に平行な板状に形成されたリブ411bを、周上等ピッチに3個、内壁に垂直に立設する。このリブ411bの中継部413側に面した端面は、壁面から水質浄化用カートリッジ430の下流側の端部用キャップ430aの外端縁の径が嵌め込まれて止まるために必要な高さの位置になるまで緩い斜面により立ち上がり、水質浄化用カートリッジ430の下流側の端部用キャップ430aが嵌め込まれて止まるために必要なる壁面からの高さに達してからは壁面に対して垂直な面に形成される。
そして、頭部420の吐出側には頂部が曲面に形成され主要部が略円筒状に形成されて内部に特別な突出部が設けられていない空洞となっている頭部外皮420bを形成し、仕切板や吐出切換弁等を収容することができるようにする。
【0119】
筒部411と分離結合可能に形成されるホース接続側の筒部412は、第3実施例と同様に、最下流側の端部には、内面側に雌ねじと、嵌合用の円筒内面とを雌ねじ形成箇所の軸方向の前後位置にそれぞれ形成して、中継部413の雌側を形成し、筒部411側の雄側の中継部413に螺着して結合することができるようにする。
筒部412の上流側の端部には、端面から所定距離離れた箇所に、流路切換弁440の操作端となる突出部441を貫通させる周方向に長辺を向けた平面形状が長方形の孔412cを穿設する。この孔412cの長辺の長さは流路切換弁440の操作角に従う突出部441の最大移動距離に合わせて規定する。
この筒部412の上流側の端部には、水質浄化用カートリッジ430のホース接続側の端部用キャップ430bの端縁部(挿入端部)の寸法に合わせて内径側の寸法を形成したカートリッジ受け417を形成した流路切換弁440を内蔵し、筒部412に設けられた長方形の孔412cを介して流路切換弁440の突出部441を筒部412の外部に突出させる。
【0120】
原水と浄水とを切り換える流路切換弁440は、第3実施形態と同様に、弁開閉動作を行うための操作部材となる突出部441と、筒部412に固定する弁座形成部材442と、突出部441により動かされる弁体形成部材443とからなる。
突出部441は、中央部に指掛部を放射方向外方に突設し、操作時の動作範囲全域について筒部412に穿設された長方形の孔412cを覆うことができる湾曲板状に形成された操作部材と、この操作部材の指掛部突設側とは反対側の位置(湾曲面の内側中央部)に突設した弁体形成部材443に対する係止部とからなる。
【0121】
弁座形成部材442は、筒部412の水質浄化用カートリッジ収容部側と流入側の端部との間を仕切る仕切板を形成する円板部と、その外周縁に筒部412に内嵌する嵌合用の外形を形成してリング状に突出した周縁突出部と、一面側に弁体形成部材443を内嵌する円筒内面を形成した弁体嵌合部と、円板部の中心と周辺との中間位置に厚肉部を形成してその中心位置に穿設した流路となる孔442eと、弁体内嵌側の面における孔442eを穿設した位置の周囲に刻設したOリング溝とを形成する。
弁体形成部材443は、弁座形成部材442の円板部に当接する面を有する厚肉円板部を形成し、その厚肉円板部の一面側を弁座形成部材442の円板部に当接する面とし、他面側には中央部に内筒部となるカートリッジ受け417を円板中心に対して同心的に突出し、厚肉円板部の周縁部に円筒状の外筒部を同心的に突出して一端側が閉じられた二重円筒形に形成する。この二重円筒の外筒部の端縁部には筒部412に内嵌するために必要な外形寸法を有し外周側に厚みが厚くなるように形成された厚肉部を設け、この厚肉部の外周面にOリング溝を刻設する。
【0122】
そして、厚肉円板部の中心と周辺との中間位置に同一円周上で中心角で約 90 度離れた位置に各1つの流路となる孔443e,443fを穿設し、弁座形成部材442の円板部に当接しない面の孔周辺部をカートリッジ受け417の厚みと同じ厚みの有底円筒の一部を形成する壁面により、孔443eの周辺であってカートリッジ受け417の外周側の位置を覆い、孔443fのカートリッジ受け417の内周側を同様に覆うことにより、カートリッジ受け417の内面側と外面側とのそれぞれに対する孔443e,443fに連通する流路を形成する。
さらに、外筒部の外周側には、厚肉部の厚肉円板部配置側に向いた端面を背にして逆T字形の溝を形成する互いに突出側を向き合わせた鍵形部材を突出して、突出部441側の係止部を係合可能かつ弁体形成部材443の軸方向に出入自在に形成する。
また、厚肉円板部の弁座形成部材当接側の面には外周縁部にOリング溝の代わりにOリングを嵌め込むことができるように形成した段差部を設ける。
【0123】
これにより、弁体形成部材443の鍵形部材間に突出部441の内側に位置する係止部を係合し、弁座形成部材442の水質浄化用カートリッジ収容側の面に弁体形成部材443の円板部に当接する面を密着して、厚肉円板部の中心軸回りに 90 度時計回りまたは反時計回りに回動すると、弁座形成部材442に設けられた孔442eに弁体形成部材443の孔443eまたは孔443fが同一中心軸上に揃うことにより、それぞれ浄水側流路または原水側流路に対する弁開状態となり、混合水が開弁側の流路を通過するようになる。
【0124】
吐出切換弁450は、弁体450aが仕切部材425の下流側で集合通過部材426から僅かに隙間をあけた直近の下流に配置され、弁体450aの下面をストレート吐出用流路形成部材427の上端に形成された開口427aに接触できる直近の位置に配置して、ストレート吐出用流路形成部材427の蓋として上部から覆いかぶさることができるようにし、また、切換レバー451の操作によって、弁体450aが開口427aの真上の位置から弁体450aの全体が開口427aの位置から外れるまでの範囲で、弁体450aがストレート吐出用流路形成部材427の上端に出入り自在に回動できるように、切換レバー451の回動角度を設定する。
【0125】
〔作用効果〕
このように構成した第4実施形態では、把持部410のホース接続部414側の端部に設けられた流路切換弁440の突出部441を把持部410の外周面に沿って回動することにより浄水と原水とを切り換えることができ、また、吐出切換弁450の切換レバー451を操作することにより、浄水と原水との切換えとは独立に、ストレート吐出とシャワー吐出とを切り換えることができるようになる。
【0126】
いま、流路切換弁440の突出部441を操作して、図84〜86に示すように、流路切換弁440を浄水吐出位置に設定した場合、流路切換弁440の弁座側に穿設された孔442eに弁体側に穿設された孔443eの位置が同軸的に一致して、水質浄化用カートリッジ430の中央空間部432を流路切換弁440の入口側と連通した開状態にする。このとき、混合水が把持部410のホース接続部414側から把持部410内に流入し、流入した混合水が流路切換弁440の弁座側に穿設された孔442e、弁体側に穿設された孔443eおよびカートリッジ受け417の内面側の流路417bを介して水質浄化用カートリッジ430の中央空間部432に達し、この中央空間部432からフィルタ435および水質浄化材433を透過して水質を浄化しつつ外周側流路431に流出し、この外周側流路431が頭部420の空間420aと連通しているから、浄化された混合水が外周側流路431からリブ411b,…,411bの間を通り抜けて頭部420の空間420aに流出する。そして、この空間420aから集合通過部材426を介して吐出切換弁450の設定に従い、ストレート吐出流路427bまたはシャワー吐出面上流側空間420cに流入して、ストレート吐出またはシャワー吐出する。
【0127】
次に、この浄水吐出をしている場合に、流路切換弁440の突出部441を把持部410の外周面に沿い所定方向へ必要角度回動して、図90〜92に示すように、流路切換弁440を原水吐出位置に設定した場合、流路切換弁440の弁座側に穿設された孔442eに弁体側に穿設された孔443fの位置が同軸的に一致して、水質浄化用カートリッジ430の外周側流路431を流路切換弁440の入口側と連通した開状態にし、水質浄化用カートリッジ430の中央空間部432を流路切換弁440の入口側と遮断した閉状態にする。
【0128】
このときには、把持部410のホース接続側から混合水が流入してくると、流路切換弁440の弁座側に穿設された孔442e、弁体側に穿設された孔443f、およびカートリッジ受け417の外周側の流路417aを介して水質浄化用カートリッジ430の外周側流路431に流入し、混合水が浄化されずに、そのまま外周側流路431から頭部420の空間420aに流出する。そして、この空間420aから集合通過部材426を介して吐出切換弁450の設定に従いストレート吐出流路427bまたはシャワー吐出面上流側空間420cに流入して、ストレート吐出またはシャワー吐出する。
その後、流路切換弁440の突出部441を把持部410の外周面に沿って、原水吐出の場合と逆方向へ同じ角度回動すると、図84〜86に示すような浄水吐出の場合に戻り、浄水を吐出することができるようになる。
【0129】
また、吐出切換弁450の操作については、流路切換弁440の操作とは独立にでき、ストレート吐出とシャワー吐出とを任意に設定することができる。
まず、切換レバー451を操作して弁軸の軸心を中心にしてストレート吐出側に回動すると、弁体450aがストレート吐出用流路形成部材427の開口427aの位置から外れ、集合通過部材426から流出する混合水がストレート吐出用流路形成部材427の開口427aへ流入し、ストレート吐出流路427bの内部を通過してストレート吐出口422から吐出するようになる。
【0130】
そして、切換レバー451がストレート吐出側に設定されている場合に、切換レバー451を反対方向へ操作して、弁軸の軸心を中心にしてシャワー吐出側に回動すると、図85または91に示すように、弁体450aの皿部450bがストレート吐出用流路形成部材427の開口427aの上部に位置して開口427aを塞ぎ、集合通過部材426から流出する混合水が弁体450aの皿部450bに阻まれてストレート吐出用流路形成部材427の周囲に流出し、仕切部材425とシャワープレート421によって形成されたシャワー吐出面上流側空間420cを介してシャワー吐出口423から吐出するようになる。
その後、切換レバー451を操作して弁軸の軸心を中心にしてストレート吐出側に回動すると、前述のように、ストレート吐出口422から吐出するようになる。
【0131】
これにより、流路切換弁440の突出部441を把持部410の中心軸回りかつ外周面に沿って回動することにより、浄水吐出と原水吐出とを容易に切り換えることができ、浄水吐出時には、混合水が水質浄化用カートリッジ430の中央空間部432から外周側流路431へと、水質浄化材433を通過する際に浄化されるようになる。
これに加えて、吐出切換弁450が流路切換弁440と完全に独立しているため、原水と浄水のどちらが吐出される場合であっても、ストレート吐出またはシャワー吐出のいずれかを選択して吐出させることができ、4種類の利用可能な形態が選択できるようになる。
【符号の説明】
【0132】
100,200,300,400 浄水機能付きシャワーヘッド
110,210,310,410 把持部
111,112,211,212,311,312,411,412 筒部
111a,211a,311a,411a (長方形の)孔
112a,411b リブ
112b,212b 端面
113,213,313,413 中継部
113a,313a 円筒内面
113b,313b 雌ねじ
113c,213c,313c,413c 雄ねじ
113d,313d 円筒内面
113e,213e,313e,413e 円筒外面
114,214,314,414 ホース接続部
114a,214a,314a,414a 突起部
115,215,315,315 ホース取付ねじ
116,216,217,316,317,417 カートリッジ受け
116a,216a,316a (外周側の)流路
116b,216b,316b (内面側の)流路
217a,317a,417a (外周側の)流路
217b,317b,417b (内面側の)流路
120,220,320,420 頭部
120a,220a,320a,420a 空間(空洞)
120b,220b,320b,420b 頭部外皮
120c,220c,320c,420c シャワー吐出面上流側空間(吐出切換弁収容空間)
121,221,321,421 シャワープレート
121a 円板部
121b 張出部
121c 多条雌ねじ
121d 段差部
121e 凹部
121f 突出部
122,222,322,422 ストレート吐出口
123,223,323,423 シャワー吐出口
124 軸孔
125,225,325,425 仕切部材
125a 円盤状仕切板
125b,125c 環状部材
125d 嵌合孔
125e 多条雄ねじ
125f Oリング溝
126,226,326,426 集合通過部材
126a 円柱部
126b 溝
126c 光芒
126d 鍔部
127,227,327,427 ストレート吐出用流路形成部材
127a,227a,327a,427a 開口
127b,227b,327b,427b ストレート吐出流路
130,230,330,430 水質浄化用カートリッジ
131,231,331,431 外周側流路
132,232,332,432 中央空間部
133,233,333,433 水質浄化材
134,235,334,435 フィルタ
140,240,340,440 流路切換弁
141,241,341,441 突出部
141a,241a 指掛部
141b,241b 操作部材
141c,241c 係止部
142,242,342,442 弁座形成部材
142a,242a 円板部
142b,242b 周縁突出部
142c,242c 弁体嵌合部
142d,242d 厚肉部
142e,242e 孔
142f,242f,342f,442f Oリング溝
143,243,343,443 弁体形成部材
143a,243a 厚肉円板部
143b,243b 外筒部
143c,243c 厚肉部
143d,243d Oリング溝
143e,243e,343e,443e 孔
143f,243f,343f,443f 孔
143g,243g,343g 溝
143h,143i,243h,243i,343h,343i 鍵形部材
150,250,350,450 吐出切換弁
150a,250a,350a,450a 弁体
150b,250b,350b,450b 皿部
150c アーム部
150d 嵌合孔
150e 軸結合部
151,251,351,451 切換レバー
151a 弁軸
151b レバー部
151c 指掛け部
151d 凹部
151e 弾性係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワー吐出口を有する頭部と水質浄化用カートリッジを交換可能に収容する把持部とを一体に形成し、この把持部の水質浄化用カートリッジ収容箇所の上流側または下流側に浄水と原水とを切り換える流路切換弁を設け、この流路切換弁を弁座流路に対して平行な軸の軸回りに弁体を回動する回動式遮断弁として形成するとともに前記把持部の外部に前記流路切換弁の操作部を配置して前記把持部の外部より操作可能に形成し、さらに前記頭部の吐出口の上流側に前記流路切換弁とは独立に機能してシャワー吐出とストレート吐出とを切り換える吐出切換弁を設け、この吐出切換弁を弁座流路に対して交差方向に弁体が移動する遮断弁として形成するとともに前記頭部の外部に前記吐出切換弁の操作部を配置して前記頭部の外部より操作可能に形成したことを特徴とする浄水機能付きシャワーヘッド。
【請求項2】
前記流路切換弁を把持部に固定されて把持部を軸方向に2分割する板状部材に弁座流路を穿設して弁座を形成し、この弁座と同心的に形成された板状回動部材を前記弁座に回動自在に取り付け、取り付けた板状回動部材に浄水用流路と原水用流路とをそれぞれ穿設したことを特徴とする請求項1記載の浄水機能付きシャワーヘッド。
【請求項3】
前記水質浄化用カートリッジには外周面にフィルタを設け、外周側から内面側へ抜ける浄化流路を形成したことを特徴とする請求項1記載の浄水機能付きシャワーヘッド。
【請求項4】
前記水質浄化用カートリッジには内面にフィルタを設け、内面側から外周面側へ抜ける浄化流路を形成したことを特徴とする請求項1記載の浄水機能付きシャワーヘッド。
【請求項5】
前記吐出切換弁を弁座流路に対して平行な軸の回りに弁体を回動する回動式遮断弁として形成したことを特徴とする請求項1記載の浄水機能付きシャワーヘッド。
【請求項6】
前記吐出切換弁を弁軸に対して前記弁体の板面を略垂直に向け、アーム部を介して前記弁軸から離間した位置に前記板面を配置して、前記弁体を弁軸回りに回動する回動式遮断弁として形成したことを特徴とする請求項6記載の浄水機能付きシャワーヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【公開番号】特開2010−207586(P2010−207586A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95625(P2010−95625)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【分割の表示】特願2000−142461(P2000−142461)の分割
【原出願日】平成12年5月15日(2000.5.15)
【出願人】(597147980)有限会社寿通商 (8)
【Fターム(参考)】