浮上防止マンホール用底版及び浮上防止マンホール用底版で構成した組立式マンホール
【課題】液状化現象が発生しても浮上しないマンホールを提供する。
【解決手段】マンホール躯体本体21と組み合わせたときにマンホール躯体本体21の外側に張り出し部を有し、外縁部に沿って連続的に内側テーパー形状の構造物11が付加された浮上防止マンホール用底版10を底版部材として用いて組立式マンホール20を構成する。組み立てられた組立式マンホール20は、マンホール躯体本体21の外側に内側テーパー形状の構造物11が付加された張り出し部を有することになる。液状化現象発生時には、浮上防止マンホール用底版10が地盤から揚圧力を受ける。一方、この内側テーパー形状の構造物11は、前記構造物11上の地盤から前記揚圧力に抵抗する方向に土圧力を受ける。その結果、浮上防止マンホール用底版10に作用する揚圧力は打ち消され又は低減され、組立式マンホール20の浮上は防止される。
【解決手段】マンホール躯体本体21と組み合わせたときにマンホール躯体本体21の外側に張り出し部を有し、外縁部に沿って連続的に内側テーパー形状の構造物11が付加された浮上防止マンホール用底版10を底版部材として用いて組立式マンホール20を構成する。組み立てられた組立式マンホール20は、マンホール躯体本体21の外側に内側テーパー形状の構造物11が付加された張り出し部を有することになる。液状化現象発生時には、浮上防止マンホール用底版10が地盤から揚圧力を受ける。一方、この内側テーパー形状の構造物11は、前記構造物11上の地盤から前記揚圧力に抵抗する方向に土圧力を受ける。その結果、浮上防止マンホール用底版10に作用する揚圧力は打ち消され又は低減され、組立式マンホール20の浮上は防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式マンホールについて、地盤の液状化現象による浮上の防止に関する。
【背景技術】
【0002】
1995年の「兵庫県南部地震」や、2007年の「平成19年(2007年)能登半島地震」では、砂丘地帯や三角州、港湾地域の埋め立て地において、道路などが陥没し、マンホールなどの地中構造物が浮上する被害が相次いだ。
【0003】
これは、液状化現象、又は液状化と呼ばれる現象が起きたことによる。地盤の液状化現象の発生原理は以下の通りである。
【0004】
まず、図11は、地盤の土粒子の状態を示すモデル図である。一番左の図は、通常時の土粒子の状態を示している。土粒子同士は接触・結合しており、地盤は安定している。地震が発生すると、中央の図に示すように、地震の振動によって土粒子同士の結合が切れて、土粒子が動き出し、土粒子の間に間隙が生まれる。そして、一番右の図に示すように、発生した間隙に水(間隙水)が流入する。このとき、個々の土粒子は水中に浮遊したような状態になっており、地盤は液体のような性質を示す。これが液状化現象である。
【0005】
図12には、地盤の液状化現象によるマンホールの浮上を説明するモデル図を示している。地盤の液状化現象が発生すると、マンホールの周囲の地盤は液体のような性質を示し、マンホール底版には浮力に相当する力(揚圧力)が作用する。この結果、マンホールのように比重が小さい構造物は地上に浮上する。
【0006】
前記地震以後、液状化現象によってこのような被害が発生することが広く知られるようになった。下水道資材メーカーにおいては、液状化現象が起きても下水道管に対する被害を小さくする技術の開発が進められてきた。その結果、今日では、以下に示すような技術が知られている。
【0007】
従来技術の例
例えば、下記特許文献1には、マンホール本体の外面に、非液状化層内に位置するように張り出し部を形成し、マンホール自重及び張り出し部上方の土砂重量及び土砂と周囲地盤との剪断抵抗によって、液状化現象によって発生する浮上作用に抵抗し、マンホールの浮上を防止しようとするものである。
【0008】
また、例えば、下記特許文献2には、マンホールの底部からマンホールの地下の非液状化層まで削孔し、マンホールの底部と非液状化層の間にアンカー引張材を挿入することによって、マンホールの浮上を防止することが記載されている。
【0009】
さらに、例えば、下記特許文献3には、マンホール底部に、地下に向かって尖状部を有する円錐形状部材を配置し、液状化現象発生時に、マンホールへの揚圧力及び水流を分散させることによって、マンホールの浮上を防止することが記載されている。
【0010】
また、さらに、例えば、下記特許文献4には、マンホールの垂直形筒型部の外表に、水平突出形をした浮上防止用ひれを取り付けて、地震による液状化現象が生じても当該ひれの地中張り出しに伴う浮上抑止作用によって、マンホールの浮上を防止することが記載されている。
【0011】
【特許文献1】特開平09−003926号公報
【特許文献2】特開2005−248496号公報
【特許文献3】特開2005−344498号公報
【特許文献4】特開2006−152542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
地震によって地盤の液状化現象が発生した場合、マンホールは地表に浮上する作用を受ける。このマンホールの浮上を防止するため、マンホールには上述のような様々な工夫がなされているが、未だ有効な対策がなされていないのが現状である。
【0013】
例えば、上記特許文献1においては、張り出し部の位置が非液状化層内に限定されるため、土質条件によって張り出し部の設置位置が拘束される。このため、マンホールごとに非液状化層の位置を確認しなければならず、マンホールのように設置数が多い埋設物に適用するのは、非効率的であった。
【0014】
また、例えば上記特許文献4においては、水平突出形のひれをマンホールの垂直形筒型部の外表に、数箇所取り付けることから、埋め戻し時に転圧を行う際には、当該ひれの下部に転圧不足を生じたり、転圧時に当該ひれを破損する可能性があった。また、当該ひれを有するマンホールを施工するに際しては、通常のマンホールの施工に加えて、水平突出形ひれをマンホールの垂直形筒型部の外表に取り付ける等の特殊作業が生じるため、施工には課題があった。
【0015】
一方、地盤の液状化現象によってマンホールの浮上が発生すると、地震後の消防活動や救援活動などにおける緊急車両の通行を妨げることとなり、救命活動に深刻な支障を及ぼす。また、マンホールが浮上すると、上下水道などのライフラインが切断され、その地域の住民の生活に長時間に渡って深刻な影響をもたらす。そのため、液状化現象によるマンホールの浮上を防止することは、緊急の課題となっていた。
【0016】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、地盤の液状化現象によるマンホールの浮上を防止する有効な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(1)本発明は、上記課題を解決するために、マンホール躯体本体と組み合わせて組立式マンホールを構成するためのマンホール用底版であって、前記マンホール躯体本体と組み合わせたときに前記マンホール躯体本体の外側に所定量張り出した張り出し部を有し、前記張り出し部上に前記マンホール用底版の中央部に向かって低くなるような内側テーパー形状の構造物が付加されたことを特徴とするマンホール用底版である。
【0018】
(2)本発明は、上記課題を解決するために、マンホール躯体本体と組み合わせて組立式マンホールを構成するためのマンホール用底版であって、前記マンホール躯体本体と組み合わせたときに前記マンホール躯体本体の外側に所定量張り出した張り出し部を有し、前記張り出し部の外縁部上に垂直上向きに壁状の部材が付加されたことを特徴とするマンホール用底版である。
【0019】
(3)本発明は、上記課題を解決するために、上記(2)に記載のマンホール用底版において、前記マンホール躯体本体と組み合わせたときに前記マンホール躯体本体の外側に張り出した部位上で前記壁状の部材の内側に中心に向かって低くなるような内側テーパー形状のリブが付加されていることを特徴とするマンホール用底版である。
【0020】
(4)本発明は、上記課題を解決するために、少なくとも、上記(1)(2)のいずれかに記載のマンホール用底版と、マンホール躯体本体と、を組み立ててなる組立式マンホールである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、浮上防止マンホール用底版は、マンホール躯体本体の外径よりも大きい外径を有し、外周に沿って連続的に内側テーパーの形状又は外周に沿って連続的に壁状の部材が設けられる。
【0022】
この浮上防止マンホール用底版、マンホール躯体本体及び取付け管を組み付けてマンホール(組立式マンホール)を構成したとき、その組み立てられたマンホールは、マンホール躯体本体の外周側に突出するテーパー形状及び壁状の張り出し部を有することになる。
【0023】
地盤の液状化現象が発生したときには、この張り出し部とマンホール躯体本体との間の地盤が圧縮・拘束されることによって、前記張り出し部には揚圧力に抵抗する方向に土圧力が作用する。
【0024】
その結果、本発明によれば、マンホールに作用する揚圧力が土圧力によって打ち消され又は低減され、マンホールの浮上を防止することができる。
【0025】
また、本発明の浮上防止マンホール用底版は、従来の底版に内側テーパーの形状を有する張り出し部を外側に付加しただけの単純な構造であり、特殊な施工を行う必要がないため施工性が良い。また、他の地下埋設物に対する障害も少ない。
【0026】
また、本発明によれば、浮上防止マンホール用底版は、液状化層内への設置を前提としていることから、土質条件に左右されることなくマンホールを設置することができる。
【0027】
また、本発明によれば、マンホールの底部にマンホールの浮上を防止する機能を付加しているので、例えば道路工事などにおいて路面を掘削することがあっても、マンホールの底部までの深さであれば、マンホールの浮上防止機能を有する部材に触れることなく、工事等を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づき説明する。
【0029】
実施の形態1:内側テーパー形状を有する浮上防止マンホール用底版
本実施の形態1における浮上防止マンホール用底版の例が、図1に示されている。まず、図1(1)は本実施の形態1における浮上防止マンホール用底版10の斜視図である。次に図1(2)は、浮上防止マンホール用底版10の平面図である。また、図1(3)は、図1(2)における直線III−III’に沿った断面図である。さらに、図1(4)は、図1(2)における直線IV−IV’に沿った断面図である。
【0030】
図1(1)に示される浮上防止マンホール用底版10には、その外周に沿って連続的に内側テーパー形状の構造体11が設けられている。この内側テーパーとは、図1(1)及び図1(3)に示されているように、浮上防止マンホール用底版10の外周部から中央方向に向かって高さが低くなるような形状をいう。接続部12は、この浮上防止マンホール用底版10の中央部分であり、本実施の形態1では、内側テーパー形状の構造物11よりも低い位置にある。インサートアンカー13は、他の部材と接合する際に用いる穴である。なお、本実施の形態1においては、浮上防止マンホール用底版10と他の部材と接合することを想定して、前記内側テーパー形状の構造体11の一部に切り込みを入れている。
【0031】
図2には、浮上防止マンホール用底版10とマンホール躯体本体21、及び取付け管22を組み合わせて組立式マンホール20を構成し、地下に埋設して下水道管のマンホールを設置したときの断面図を示している。マンホール躯体本体21は上記接続部12上に配置される。そして、浮上防止マンホール用底版10の内側テーパー形状11は、マンホール躯体本体21の直近に最も低い部分が位置し、マンホール躯体本体21から離れれば離れるほど高くなるように張り出して配置される。
【0032】
以下に、本発明における、マンホールの浮上を防止するメカニズムを説明する。
【0033】
まず、図3は、図1(3)に示した浮上防止マンホール用底版10の断面図と同様の説明図である。図3に示されているように、浮上防止マンホール用底版10は従来の底版の幅よりα分だけ大きな幅を有し、その拡幅された部位上に外縁部から中央部に向かって低くなるように内側テーパー形状の構造体11(斜線部分)が付加されている。
【0034】
次に、図3に示した浮上防止マンホール用底版10上にマンホール躯体本体21を接続して、地盤中に埋設したことを示す模式図が図4に示されている。図4に示すように、前記内側テーパー形状の構造体11はマンホール躯体本体21の外側に張り出して配置されている。そして、図5には、浮上防止マンホール用底版10とマンホール躯体本体21を組み立てて成る組立式マンホールが地中に埋設された状態で液状化現象が発生し、浮上防止マンホール用底版10に揚圧力が作用していることを示す模式図が示されている。浮上防止マンホール用底版10に作用した揚圧力は、浮上防止マンホール用底版10を通じて、前記内側テーパー形状の構造体11に接する地盤に対して、前記内側テーパー形状の構造体11の表面に垂直な方向に作用する。
【0035】
図6には、前記揚圧力によって地盤が拘束されることを説明するモデル図が示されている。前記内側テーパー形状の構造体11とマンホール躯体本体10の間に挟まれた地盤(以下、内部地盤と呼ぶ)は、内側テーパー形状の構造体11からの力とマンホール躯体本体21からの力を対角方向に受け、内部地盤は側方向への変位が抑制される。すなわち、内部地盤が拘束される。このため、内部地盤は剪断変形が抑制され、図7に示すように、内部地盤での液状化現象が防止される。
【0036】
内部地盤の液状化現象が防止されることにより、浮上防止マンホール用底版10には揚圧力に抵抗する方向に土圧力が作用する。この結果、図8に示すように、浮上防止マンホール用底版10に作用する揚圧力が打ち消され又は低減され、浮上防止マンホール用底版10を底版部材として構成する組立式マンホールの浮上が防止されることとなる。
【0037】
実施の形態2:壁状の部材が設けられた浮上防止マンホール用底版
本実施の形態2における浮上防止マンホール用底版の例が、図9に示されている。まず、図9(1)は本実施の形態2における浮上防止マンホール用底版30の斜視図である。次に、図9(2)は、浮上防止マンホール用底版30の平面図である。また、図9(3)は、図9(2)における直線III−III’に沿った断面図である。さらに、図9(4)は、図9(2)における直線IV−IV’に沿った断面図である。また、さらに、図9(5)は、図9(2)における直線V−V’に沿った断面図である。
【0038】
図9(1)に示される浮上防止マンホール用底版30の外縁部には連続的に壁31が設けられている。この壁31は浮上防止マンホール用底版30の外縁部に沿って一周しているので、全体としては円筒状の形状を形成している。この壁31の内側には、所定の間隔で内側テーパー形状のリブ34が設けられている。この内側テーパーとは、図9(1)及び図9(3)に示されているように、浮上防止マンホール用底版30の外縁部から中央部に向かって高さが低くなるような形状をいう。接続部32は、浮上防止マンホール用底版30の中央部分であり、リブ34よりも低い位置にある。そして、インサートアンカー33は、他の部材と接合する際に用いる穴である。なお、本実施の形態2においては、浮上防止マンホール用底版30と他の部材と接合することを想定して、前記壁31の一部に切り込みを入れている。
【0039】
図10には、浮上防止マンホール用底版30と、マンホール躯体本体41、及び取付け管42と、を組み合わせて組立式マンホール40を構成し、実施の形態1と同様に、地下に埋設して下水道管のマンホール40を設置したときの断面図を示している。マンホール躯体本体41は上記接続部32上に配置される。そして、浮上防止マンホール用底版30上のリブ34は、マンホール躯体本体41の直近に最も低い部分が位置し、マンホール躯体本体41から離れれば離れるほど高くなるように張り出して配置され、マンホール躯体本体41から最も遠い部分(浮上防止マンホール用底版30の外縁部)に壁31が配置される。
【0040】
地盤の液状化現象が発生した場合、浮上防止マンホール用底版30には、実施の形態1と同様に、地盤から揚圧力を受けて、浮上する方向に力が作用する。一方、リブ34とマンホール躯体本体41の間及び壁31とマンホール躯体本体41の間の地盤からは、揚圧力に抵抗する方向に土圧力を受ける。
【0041】
この結果、浮上防止マンホール用底版30に作用する揚圧力が打ち消され又は低減され、組立式マンホール40の浮上が防止される。
【0042】
また、本実施の形態2において示した浮上防止マンホール用底版の体積は、前記実施の形態1で示した浮上防止マンホール用底版のそれよりも小さくできるので、浮上防止マンホール用底版を軽く構成することができる。
【0043】
変形例
本実施の形態1及び2では、浮上防止マンホール用底版を鉄筋コンクリートで構成しているが、浮上防止マンホール用底版の材料は限定されるものではなく、例えば鋳物やプラスチックなど、種々の材料で構成することができ、それらも本発明の範囲内に含まれる。
【0044】
また、本実施の形態1及び2では、下水道管のマンホールを例として構成しているが、本発明による浮上防止マンホール用底版の使用用途はこれ以外の用途でもよく、例えば、上水道管や通信ケーブルを収納した地下埋設管等に適用してもよい。
【0045】
また、本発明による浮上防止マンホール用底版の外径や内側テーパーの構造物及び壁状部材は、その大きさは特に限定されるものではなく、使用用途やマンホールの設置場所などの使用条件によって実施者が好適な大きさで構成することができる。
【0046】
まとめ
上述した各実施例によれば、従来のマンホール用底版を浮上防止マンホール用底版に部材を変更するだけで、液状化現象が発生した場合であってもマンホールの浮上を防止することができる。
【0047】
また、上述した各実施例における浮上防止マンホール用底版を底版部材として用いて組立式マンホールを地盤中に埋設する場合には、従来から実施されていた施工方法、すなわち、地盤に組立式マンホールを埋設するための穴を掘削する工程と、掘削した穴に浮上防止マンホール用底版を設置する工程と、前記浮上防止マンホール用底版上のマンホール躯体本体との接続部にマンホール躯体本体を接続する工程と、を少なくとも含んで成る施工方法によって行うことができる。また、組立式マンホールを工場などで構成してから、組立式マンホールを掘削した穴に埋設する方法も好ましく適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】内側テーパー形状の構造物が付加された浮上防止マンホール用底版の説明図である。
【図2】内側テーパー形状の構造物が付加された浮上防止マンホール用底版を用いて構成する組立式マンホールを地中に埋設したときの断面図である。
【図3】浮上防止マンホール用底版の断面図である。
【図4】浮上防止マンホール用底版にマンホール躯体本体を接続して地盤中に埋設した概念図である。
【図5】浮上防止マンホール用底版に揚圧力が作用していることを示す説明図である。
【図6】浮上防止マンホール用底版によって地盤が拘束されることを示す説明図である。
【図7】浮上防止マンホール用底版によって地盤の液状化現象が抑制されていることを示す説明図である。
【図8】土圧力によって揚圧力が打ち消され又は低減されることを示す説明図である。
【図9】壁状の部材が付加された浮上防止マンホール用底版の説明図である。
【図10】壁状の部材が付加された浮上防止マンホール用底版を用いて構成する組立式マンホールを地中に埋設したときの断面図である。
【図11】地盤の土粒子の状態を示すモデル図である。
【図12】液状化現象が発生したときに、マンホールに揚圧力が作用することを示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
10 浮上防止マンホール用底版
11 内側テーパー形状の構造物
12 接続部
13 インサートアンカー
20 組立式マンホール
21 マンホール躯体本体
22 取付け管
23 地表面
30 浮上防止マンホール用底版
31 壁
32 接続部
33 インサートアンカー
34 リブ
40 組立式マンホール
41 マンホール躯体本体
42 取付け管
43 地表面
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式マンホールについて、地盤の液状化現象による浮上の防止に関する。
【背景技術】
【0002】
1995年の「兵庫県南部地震」や、2007年の「平成19年(2007年)能登半島地震」では、砂丘地帯や三角州、港湾地域の埋め立て地において、道路などが陥没し、マンホールなどの地中構造物が浮上する被害が相次いだ。
【0003】
これは、液状化現象、又は液状化と呼ばれる現象が起きたことによる。地盤の液状化現象の発生原理は以下の通りである。
【0004】
まず、図11は、地盤の土粒子の状態を示すモデル図である。一番左の図は、通常時の土粒子の状態を示している。土粒子同士は接触・結合しており、地盤は安定している。地震が発生すると、中央の図に示すように、地震の振動によって土粒子同士の結合が切れて、土粒子が動き出し、土粒子の間に間隙が生まれる。そして、一番右の図に示すように、発生した間隙に水(間隙水)が流入する。このとき、個々の土粒子は水中に浮遊したような状態になっており、地盤は液体のような性質を示す。これが液状化現象である。
【0005】
図12には、地盤の液状化現象によるマンホールの浮上を説明するモデル図を示している。地盤の液状化現象が発生すると、マンホールの周囲の地盤は液体のような性質を示し、マンホール底版には浮力に相当する力(揚圧力)が作用する。この結果、マンホールのように比重が小さい構造物は地上に浮上する。
【0006】
前記地震以後、液状化現象によってこのような被害が発生することが広く知られるようになった。下水道資材メーカーにおいては、液状化現象が起きても下水道管に対する被害を小さくする技術の開発が進められてきた。その結果、今日では、以下に示すような技術が知られている。
【0007】
従来技術の例
例えば、下記特許文献1には、マンホール本体の外面に、非液状化層内に位置するように張り出し部を形成し、マンホール自重及び張り出し部上方の土砂重量及び土砂と周囲地盤との剪断抵抗によって、液状化現象によって発生する浮上作用に抵抗し、マンホールの浮上を防止しようとするものである。
【0008】
また、例えば、下記特許文献2には、マンホールの底部からマンホールの地下の非液状化層まで削孔し、マンホールの底部と非液状化層の間にアンカー引張材を挿入することによって、マンホールの浮上を防止することが記載されている。
【0009】
さらに、例えば、下記特許文献3には、マンホール底部に、地下に向かって尖状部を有する円錐形状部材を配置し、液状化現象発生時に、マンホールへの揚圧力及び水流を分散させることによって、マンホールの浮上を防止することが記載されている。
【0010】
また、さらに、例えば、下記特許文献4には、マンホールの垂直形筒型部の外表に、水平突出形をした浮上防止用ひれを取り付けて、地震による液状化現象が生じても当該ひれの地中張り出しに伴う浮上抑止作用によって、マンホールの浮上を防止することが記載されている。
【0011】
【特許文献1】特開平09−003926号公報
【特許文献2】特開2005−248496号公報
【特許文献3】特開2005−344498号公報
【特許文献4】特開2006−152542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
地震によって地盤の液状化現象が発生した場合、マンホールは地表に浮上する作用を受ける。このマンホールの浮上を防止するため、マンホールには上述のような様々な工夫がなされているが、未だ有効な対策がなされていないのが現状である。
【0013】
例えば、上記特許文献1においては、張り出し部の位置が非液状化層内に限定されるため、土質条件によって張り出し部の設置位置が拘束される。このため、マンホールごとに非液状化層の位置を確認しなければならず、マンホールのように設置数が多い埋設物に適用するのは、非効率的であった。
【0014】
また、例えば上記特許文献4においては、水平突出形のひれをマンホールの垂直形筒型部の外表に、数箇所取り付けることから、埋め戻し時に転圧を行う際には、当該ひれの下部に転圧不足を生じたり、転圧時に当該ひれを破損する可能性があった。また、当該ひれを有するマンホールを施工するに際しては、通常のマンホールの施工に加えて、水平突出形ひれをマンホールの垂直形筒型部の外表に取り付ける等の特殊作業が生じるため、施工には課題があった。
【0015】
一方、地盤の液状化現象によってマンホールの浮上が発生すると、地震後の消防活動や救援活動などにおける緊急車両の通行を妨げることとなり、救命活動に深刻な支障を及ぼす。また、マンホールが浮上すると、上下水道などのライフラインが切断され、その地域の住民の生活に長時間に渡って深刻な影響をもたらす。そのため、液状化現象によるマンホールの浮上を防止することは、緊急の課題となっていた。
【0016】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、地盤の液状化現象によるマンホールの浮上を防止する有効な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(1)本発明は、上記課題を解決するために、マンホール躯体本体と組み合わせて組立式マンホールを構成するためのマンホール用底版であって、前記マンホール躯体本体と組み合わせたときに前記マンホール躯体本体の外側に所定量張り出した張り出し部を有し、前記張り出し部上に前記マンホール用底版の中央部に向かって低くなるような内側テーパー形状の構造物が付加されたことを特徴とするマンホール用底版である。
【0018】
(2)本発明は、上記課題を解決するために、マンホール躯体本体と組み合わせて組立式マンホールを構成するためのマンホール用底版であって、前記マンホール躯体本体と組み合わせたときに前記マンホール躯体本体の外側に所定量張り出した張り出し部を有し、前記張り出し部の外縁部上に垂直上向きに壁状の部材が付加されたことを特徴とするマンホール用底版である。
【0019】
(3)本発明は、上記課題を解決するために、上記(2)に記載のマンホール用底版において、前記マンホール躯体本体と組み合わせたときに前記マンホール躯体本体の外側に張り出した部位上で前記壁状の部材の内側に中心に向かって低くなるような内側テーパー形状のリブが付加されていることを特徴とするマンホール用底版である。
【0020】
(4)本発明は、上記課題を解決するために、少なくとも、上記(1)(2)のいずれかに記載のマンホール用底版と、マンホール躯体本体と、を組み立ててなる組立式マンホールである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、浮上防止マンホール用底版は、マンホール躯体本体の外径よりも大きい外径を有し、外周に沿って連続的に内側テーパーの形状又は外周に沿って連続的に壁状の部材が設けられる。
【0022】
この浮上防止マンホール用底版、マンホール躯体本体及び取付け管を組み付けてマンホール(組立式マンホール)を構成したとき、その組み立てられたマンホールは、マンホール躯体本体の外周側に突出するテーパー形状及び壁状の張り出し部を有することになる。
【0023】
地盤の液状化現象が発生したときには、この張り出し部とマンホール躯体本体との間の地盤が圧縮・拘束されることによって、前記張り出し部には揚圧力に抵抗する方向に土圧力が作用する。
【0024】
その結果、本発明によれば、マンホールに作用する揚圧力が土圧力によって打ち消され又は低減され、マンホールの浮上を防止することができる。
【0025】
また、本発明の浮上防止マンホール用底版は、従来の底版に内側テーパーの形状を有する張り出し部を外側に付加しただけの単純な構造であり、特殊な施工を行う必要がないため施工性が良い。また、他の地下埋設物に対する障害も少ない。
【0026】
また、本発明によれば、浮上防止マンホール用底版は、液状化層内への設置を前提としていることから、土質条件に左右されることなくマンホールを設置することができる。
【0027】
また、本発明によれば、マンホールの底部にマンホールの浮上を防止する機能を付加しているので、例えば道路工事などにおいて路面を掘削することがあっても、マンホールの底部までの深さであれば、マンホールの浮上防止機能を有する部材に触れることなく、工事等を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づき説明する。
【0029】
実施の形態1:内側テーパー形状を有する浮上防止マンホール用底版
本実施の形態1における浮上防止マンホール用底版の例が、図1に示されている。まず、図1(1)は本実施の形態1における浮上防止マンホール用底版10の斜視図である。次に図1(2)は、浮上防止マンホール用底版10の平面図である。また、図1(3)は、図1(2)における直線III−III’に沿った断面図である。さらに、図1(4)は、図1(2)における直線IV−IV’に沿った断面図である。
【0030】
図1(1)に示される浮上防止マンホール用底版10には、その外周に沿って連続的に内側テーパー形状の構造体11が設けられている。この内側テーパーとは、図1(1)及び図1(3)に示されているように、浮上防止マンホール用底版10の外周部から中央方向に向かって高さが低くなるような形状をいう。接続部12は、この浮上防止マンホール用底版10の中央部分であり、本実施の形態1では、内側テーパー形状の構造物11よりも低い位置にある。インサートアンカー13は、他の部材と接合する際に用いる穴である。なお、本実施の形態1においては、浮上防止マンホール用底版10と他の部材と接合することを想定して、前記内側テーパー形状の構造体11の一部に切り込みを入れている。
【0031】
図2には、浮上防止マンホール用底版10とマンホール躯体本体21、及び取付け管22を組み合わせて組立式マンホール20を構成し、地下に埋設して下水道管のマンホールを設置したときの断面図を示している。マンホール躯体本体21は上記接続部12上に配置される。そして、浮上防止マンホール用底版10の内側テーパー形状11は、マンホール躯体本体21の直近に最も低い部分が位置し、マンホール躯体本体21から離れれば離れるほど高くなるように張り出して配置される。
【0032】
以下に、本発明における、マンホールの浮上を防止するメカニズムを説明する。
【0033】
まず、図3は、図1(3)に示した浮上防止マンホール用底版10の断面図と同様の説明図である。図3に示されているように、浮上防止マンホール用底版10は従来の底版の幅よりα分だけ大きな幅を有し、その拡幅された部位上に外縁部から中央部に向かって低くなるように内側テーパー形状の構造体11(斜線部分)が付加されている。
【0034】
次に、図3に示した浮上防止マンホール用底版10上にマンホール躯体本体21を接続して、地盤中に埋設したことを示す模式図が図4に示されている。図4に示すように、前記内側テーパー形状の構造体11はマンホール躯体本体21の外側に張り出して配置されている。そして、図5には、浮上防止マンホール用底版10とマンホール躯体本体21を組み立てて成る組立式マンホールが地中に埋設された状態で液状化現象が発生し、浮上防止マンホール用底版10に揚圧力が作用していることを示す模式図が示されている。浮上防止マンホール用底版10に作用した揚圧力は、浮上防止マンホール用底版10を通じて、前記内側テーパー形状の構造体11に接する地盤に対して、前記内側テーパー形状の構造体11の表面に垂直な方向に作用する。
【0035】
図6には、前記揚圧力によって地盤が拘束されることを説明するモデル図が示されている。前記内側テーパー形状の構造体11とマンホール躯体本体10の間に挟まれた地盤(以下、内部地盤と呼ぶ)は、内側テーパー形状の構造体11からの力とマンホール躯体本体21からの力を対角方向に受け、内部地盤は側方向への変位が抑制される。すなわち、内部地盤が拘束される。このため、内部地盤は剪断変形が抑制され、図7に示すように、内部地盤での液状化現象が防止される。
【0036】
内部地盤の液状化現象が防止されることにより、浮上防止マンホール用底版10には揚圧力に抵抗する方向に土圧力が作用する。この結果、図8に示すように、浮上防止マンホール用底版10に作用する揚圧力が打ち消され又は低減され、浮上防止マンホール用底版10を底版部材として構成する組立式マンホールの浮上が防止されることとなる。
【0037】
実施の形態2:壁状の部材が設けられた浮上防止マンホール用底版
本実施の形態2における浮上防止マンホール用底版の例が、図9に示されている。まず、図9(1)は本実施の形態2における浮上防止マンホール用底版30の斜視図である。次に、図9(2)は、浮上防止マンホール用底版30の平面図である。また、図9(3)は、図9(2)における直線III−III’に沿った断面図である。さらに、図9(4)は、図9(2)における直線IV−IV’に沿った断面図である。また、さらに、図9(5)は、図9(2)における直線V−V’に沿った断面図である。
【0038】
図9(1)に示される浮上防止マンホール用底版30の外縁部には連続的に壁31が設けられている。この壁31は浮上防止マンホール用底版30の外縁部に沿って一周しているので、全体としては円筒状の形状を形成している。この壁31の内側には、所定の間隔で内側テーパー形状のリブ34が設けられている。この内側テーパーとは、図9(1)及び図9(3)に示されているように、浮上防止マンホール用底版30の外縁部から中央部に向かって高さが低くなるような形状をいう。接続部32は、浮上防止マンホール用底版30の中央部分であり、リブ34よりも低い位置にある。そして、インサートアンカー33は、他の部材と接合する際に用いる穴である。なお、本実施の形態2においては、浮上防止マンホール用底版30と他の部材と接合することを想定して、前記壁31の一部に切り込みを入れている。
【0039】
図10には、浮上防止マンホール用底版30と、マンホール躯体本体41、及び取付け管42と、を組み合わせて組立式マンホール40を構成し、実施の形態1と同様に、地下に埋設して下水道管のマンホール40を設置したときの断面図を示している。マンホール躯体本体41は上記接続部32上に配置される。そして、浮上防止マンホール用底版30上のリブ34は、マンホール躯体本体41の直近に最も低い部分が位置し、マンホール躯体本体41から離れれば離れるほど高くなるように張り出して配置され、マンホール躯体本体41から最も遠い部分(浮上防止マンホール用底版30の外縁部)に壁31が配置される。
【0040】
地盤の液状化現象が発生した場合、浮上防止マンホール用底版30には、実施の形態1と同様に、地盤から揚圧力を受けて、浮上する方向に力が作用する。一方、リブ34とマンホール躯体本体41の間及び壁31とマンホール躯体本体41の間の地盤からは、揚圧力に抵抗する方向に土圧力を受ける。
【0041】
この結果、浮上防止マンホール用底版30に作用する揚圧力が打ち消され又は低減され、組立式マンホール40の浮上が防止される。
【0042】
また、本実施の形態2において示した浮上防止マンホール用底版の体積は、前記実施の形態1で示した浮上防止マンホール用底版のそれよりも小さくできるので、浮上防止マンホール用底版を軽く構成することができる。
【0043】
変形例
本実施の形態1及び2では、浮上防止マンホール用底版を鉄筋コンクリートで構成しているが、浮上防止マンホール用底版の材料は限定されるものではなく、例えば鋳物やプラスチックなど、種々の材料で構成することができ、それらも本発明の範囲内に含まれる。
【0044】
また、本実施の形態1及び2では、下水道管のマンホールを例として構成しているが、本発明による浮上防止マンホール用底版の使用用途はこれ以外の用途でもよく、例えば、上水道管や通信ケーブルを収納した地下埋設管等に適用してもよい。
【0045】
また、本発明による浮上防止マンホール用底版の外径や内側テーパーの構造物及び壁状部材は、その大きさは特に限定されるものではなく、使用用途やマンホールの設置場所などの使用条件によって実施者が好適な大きさで構成することができる。
【0046】
まとめ
上述した各実施例によれば、従来のマンホール用底版を浮上防止マンホール用底版に部材を変更するだけで、液状化現象が発生した場合であってもマンホールの浮上を防止することができる。
【0047】
また、上述した各実施例における浮上防止マンホール用底版を底版部材として用いて組立式マンホールを地盤中に埋設する場合には、従来から実施されていた施工方法、すなわち、地盤に組立式マンホールを埋設するための穴を掘削する工程と、掘削した穴に浮上防止マンホール用底版を設置する工程と、前記浮上防止マンホール用底版上のマンホール躯体本体との接続部にマンホール躯体本体を接続する工程と、を少なくとも含んで成る施工方法によって行うことができる。また、組立式マンホールを工場などで構成してから、組立式マンホールを掘削した穴に埋設する方法も好ましく適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】内側テーパー形状の構造物が付加された浮上防止マンホール用底版の説明図である。
【図2】内側テーパー形状の構造物が付加された浮上防止マンホール用底版を用いて構成する組立式マンホールを地中に埋設したときの断面図である。
【図3】浮上防止マンホール用底版の断面図である。
【図4】浮上防止マンホール用底版にマンホール躯体本体を接続して地盤中に埋設した概念図である。
【図5】浮上防止マンホール用底版に揚圧力が作用していることを示す説明図である。
【図6】浮上防止マンホール用底版によって地盤が拘束されることを示す説明図である。
【図7】浮上防止マンホール用底版によって地盤の液状化現象が抑制されていることを示す説明図である。
【図8】土圧力によって揚圧力が打ち消され又は低減されることを示す説明図である。
【図9】壁状の部材が付加された浮上防止マンホール用底版の説明図である。
【図10】壁状の部材が付加された浮上防止マンホール用底版を用いて構成する組立式マンホールを地中に埋設したときの断面図である。
【図11】地盤の土粒子の状態を示すモデル図である。
【図12】液状化現象が発生したときに、マンホールに揚圧力が作用することを示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
10 浮上防止マンホール用底版
11 内側テーパー形状の構造物
12 接続部
13 インサートアンカー
20 組立式マンホール
21 マンホール躯体本体
22 取付け管
23 地表面
30 浮上防止マンホール用底版
31 壁
32 接続部
33 インサートアンカー
34 リブ
40 組立式マンホール
41 マンホール躯体本体
42 取付け管
43 地表面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホール躯体本体と組み合わせて組立式マンホールを構成するためのマンホール用底版であって、
前記マンホール躯体本体と組み合わせたときに前記マンホール躯体本体の外側に所定量張り出した張り出し部を有し、
前記張り出し部上に前記マンホール用底版の中央部に向かって低くなるような内側テーパー形状の構造物が付加されたことを特徴とするマンホール用底版。
【請求項2】
マンホール躯体本体と組み合わせて組立式マンホールを構成するためのマンホール用底版であって、
前記マンホール躯体本体と組み合わせたときに前記マンホール躯体本体の外側に所定量張り出した張り出し部を有し、
前記張り出し部の外縁部上に垂直上向きに壁状の部材が付加されたことを特徴とするマンホール用底版。
【請求項3】
請求項2に記載のマンホール用底版において、
前記張り出し部上に前記壁状の部材の内側に中心に向かって低くなるような内側テーパー形状のリブが付加されていることを特徴とするマンホール用底版。
【請求項4】
少なくとも、
請求項1〜3のいずれかに記載のマンホール用底版と、
前記マンホール用底版上に設けられたマンホール躯体本体との接続部上に接続されたマンホール躯体本体と、
から構成されることを特徴とする組立式マンホール。
【請求項1】
マンホール躯体本体と組み合わせて組立式マンホールを構成するためのマンホール用底版であって、
前記マンホール躯体本体と組み合わせたときに前記マンホール躯体本体の外側に所定量張り出した張り出し部を有し、
前記張り出し部上に前記マンホール用底版の中央部に向かって低くなるような内側テーパー形状の構造物が付加されたことを特徴とするマンホール用底版。
【請求項2】
マンホール躯体本体と組み合わせて組立式マンホールを構成するためのマンホール用底版であって、
前記マンホール躯体本体と組み合わせたときに前記マンホール躯体本体の外側に所定量張り出した張り出し部を有し、
前記張り出し部の外縁部上に垂直上向きに壁状の部材が付加されたことを特徴とするマンホール用底版。
【請求項3】
請求項2に記載のマンホール用底版において、
前記張り出し部上に前記壁状の部材の内側に中心に向かって低くなるような内側テーパー形状のリブが付加されていることを特徴とするマンホール用底版。
【請求項4】
少なくとも、
請求項1〜3のいずれかに記載のマンホール用底版と、
前記マンホール用底版上に設けられたマンホール躯体本体との接続部上に接続されたマンホール躯体本体と、
から構成されることを特徴とする組立式マンホール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−291563(P2008−291563A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139600(P2007−139600)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000120146)株式会社ハネックス (56)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000120146)株式会社ハネックス (56)
【Fターム(参考)】
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