説明

浮沈子玩具

【課題】浮沈子玩具の興趣性をより高めること。
【解決手段】浮沈子玩具100は、液体が充填されると共に密閉された収容部1と、操作により収容部内の液体にかかる圧力を変化させる圧力操作部2と、収容部に収容され、圧力操作部による収容部内の圧力の変化により液体中を浮沈する浮沈子3と、浮沈子に接続され、圧力操作部の操作による浮沈子の沈降時に外側に開き、浮沈子の浮上時及び静止時に内側に閉じるように構成された捕捉部5と、収容部に収容され、液体中で沈むと共に、捕捉部により捕捉された際に浮沈子に引かれて浮上する被捕捉体4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮沈子の原理を用いた浮沈子玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
浮沈子を用いた玩具が知られている。この玩具は、ペットボトル等の変形可能な容器に水を充填し、その中に少しの空気が入った浮沈子を浮かべ、密閉したものである。そして、ペットボトルを押さえると、ペットボトルの変形により内部の水にかかる圧力が増加し、浮沈子の空気が圧縮される。これにより、浮沈子の浮力が小さくなり、浮いていた浮沈子が沈むというものである(例えば、特許文献1参照)。
このような浮沈子の原理を利用した玩具として、水を入れた容器の底に予め物を沈めておき、浮沈子にフックを取り付け、浮沈子を沈めて底の物を釣り上げて遊ぶ玩具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−190660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の玩具では、浮沈子は単に浮き沈みを繰り返すだけであり、浮沈子が沈んで浮き上がる際にフックに物が引っ掛かるか否かを楽しむことができるにすぎず、興趣性に乏しいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、より興趣性の高い浮沈子玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、浮沈子玩具において、
液体が充填されると共に密閉された収容部と、
操作により前記収容部内の液体にかかる圧力を変化させる圧力操作部と、
前記収容部に収容され、前記圧力操作部による前記収容部内の圧力の変化により液体中を浮沈する浮沈子と、
前記浮沈子に接続され、前記圧力操作部の操作による前記浮沈子の沈降時に外側に開き、前記浮沈子の浮上時及び静止時に内側に閉じるように構成された捕捉部と、
前記収容部に収容され、液体中で沈むと共に、前記捕捉部により捕捉された際に前記浮沈子に引かれて浮上する被捕捉体と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の浮沈子玩具において、
前記捕捉部は、前記浮沈子との接続部と先端部との間の部分が外側に張り出すように形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の浮沈子玩具において、
前記捕捉部は、
前記浮沈子との接続部から外側に延びる第1のアーム部と、
前記第1のアーム部に接続され、前記第1のアーム部との接続部から内側に延びる第2のアーム部と、を備え、
前記第1のアーム部は、前記第2のアーム部よりも表面積が大きいことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の浮沈子玩具において、
前記捕捉部が閉じた状態において、
前記第2のアーム部は、先端部に向かうにつれて上方に傾斜していることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の浮沈子玩具において、
前記捕捉部は、前記浮沈子に複数接続され、前記圧力操作部の操作による前記浮沈子の沈降時に互いに外側に開き、前記浮沈子の浮上時及び静止時に互いに内側に閉じるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の浮沈子玩具において、
各捕捉部が閉じた状態において、
各捕捉部の前記第2のアーム部は、他の第2のアーム部に水平方向に重なり合うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、浮沈子には捕捉部が設けられているので、圧力操作部を操作することで、浮沈子の沈降時には捕捉部が外側に開き、浮沈子の浮上時及び静止時には捕捉部が内側に閉じる動作を楽しむことができる。
これにより、浮沈子が浮き沈みするだけでなく、沈んだ際に捕捉部が被捕捉体を掴もうとする動作を楽しむことができるようになり、従来の浮沈子玩具に比べて興趣性を高めることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、浮沈子との接続部と先端部との間の部分が外側に張り出すように形成されているので、浮沈子が沈む際には、その張り出した部分で液体の抵抗を受け、この抵抗力は捕捉部を開く力とすることができる。一方、浮沈子が浮かぶ際には、その張り出した部分で液体の抵抗を受け、この抵抗力は捕捉部を閉じる力とすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、第1のアーム部は、第2のアーム部よりも表面積が大きいので、浮沈子が沈む際の捕捉部の開きやすさ、浮かぶ際の捕捉部の閉じやすさをより高めることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、捕捉部が閉じた状態においては、第2のアーム部は、先端部に向かうにつれて上方に傾斜しているので、捕捉した被捕捉体が第2のアーム部の先端部から落下しにくくなる。
よって、捕捉部による被捕捉体の捕捉をより確実にすることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、捕捉部を複数備えることにより、捕捉部が単体で備えられている場合に比べて被捕捉体をより確実に捕捉することができる。
また、複数の捕捉部が連動して動作する様子を楽しむことができる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、各捕捉部が閉じた状態においては、第2のアーム部は、他の第2のアーム部に水平方向に重なり合っているので、被捕捉体を複数の第2のアーム部で支持することができ、捕捉した被捕捉体が第2のアーム部の先端部から落下しにくくなる。
よって、捕捉部による被捕捉体の捕捉をより確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】浮沈子玩具の正面図。
【図2】圧力操作部を説明する浮沈子玩具の側面図。
【図3】(a)は捕捉部が開いた状態を示す浮沈子及び捕捉部の正面図、(b)は捕捉部が閉じた状態を示す浮沈子及び捕捉部の正面図。
【図4】捕捉部により捕捉される被捕捉体の正面図。
【図5】(a)は捕捉部の先端部の斜視図、(b)は二つの捕捉部が閉じた状態の底面図、(c)は二つの捕捉部が閉じた状態の正面図。
【図6】(a)は他の形態における捕捉部が開いた状態を示す浮沈子及び捕捉部の正面図、(b)は他の形態における捕捉部が閉じた状態を示す浮沈子及び捕捉部の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜図5に示すように、浮沈子玩具100は、浮沈子の原理を用いた玩具である。ここで、浮沈子の原理について説明すると、容器に充填された水(あるいはその他の液体)に空気を含んだ浮沈子がその浮力により浮いた状態にある場合に、その容器に外力を加えて水にかかる圧力を増加させると、押された水が浮沈子の空気を圧縮して空気の体積が減少し、その結果、浮沈子の浮力が減少し、浮沈子が容器の底部に沈む。
【0020】
<浮沈子玩具の構成>
図1〜図5に示すように、浮沈子玩具100は、収容部1と、圧力操作部2と、浮沈子3と、被捕捉体4と、捕捉部5とを備えている。
【0021】
(収容部)
図1に示すように、収容部1は、水槽であり、中に液体、例えば、水が充填されると共に密閉されている。ここで、収容部1に充填される液体は、水に限らず、オイル等であってもよい。また、水についても、海をイメージして青色に着色したりしてもよい。
収容部1は、透明なアクリル等で形成され、内部の浮沈子3や被捕捉体4を視認できるようになっている。
収容部1は、その底部が土台11上に設けられており、上端には収容部1内を密閉するための蓋部12が設けられている。
収容部1内には、圧力操作部2により収容部1内に引き起こされる水流により浮沈子3の浮沈に影響を与えないようにするための壁部13が立設されている。
【0022】
(圧力操作部)
圧力操作部2は、操作により収容部1内の水にかかる圧力を変化させるものである。
図2に示すように、圧力操作部2は、操作ボタン21と、蛇腹ポンプ22と、連通管23とを備えている。
操作ボタン21は、土台11の表面から突出するように設けられ、土台11の内部に向けて押し込み可能に設けられている。操作ボタン21は、バネ等の付勢部材により、常に土台11の表面から突出しようとする方向に付勢されている。
蛇腹ポンプ22は、操作ボタン21の先端に設けられている。蛇腹ポンプ22は、収縮自在であり、収縮することで体積が変化し、内部にある水を連通管23に向けて押し出す。
連通管23は、一端が蛇腹ポンプ22に接続され、他端が収容部1の底部に連通されている。連通管23と収容部1との連通位置は、収容部1の端付近であり、浮沈子3や被捕捉体4が設けられる領域から離されている。さらに、連通管23からの水の流入口と浮沈子3や被捕捉体4が設けられる領域とが収容部1内の壁部13により分けられている。
これにより、操作ボタン21を土台11の内部に向けて押し込むと、蛇腹ポンプ22は操作ボタン21に押されて収縮し、蛇腹ポンプ22内の水は連通管23に押し出される。押し出された水は連通管23を通って収容部1内に流入する。収容部1内に水が流入することで収容部1内の水にかかる圧力が上昇する。
【0023】
(浮沈子)
図3に示すように、浮沈子3は、収容部1に収容され、圧力操作部2による収容部1内の圧力の変化により水中を浮沈する。浮沈子3は、潜水艦を模して形成され、収容部1に充填された水より比重の大きな材料で形成されている。浮沈子3の一部には、空気が含まれており、水の入った収容部1に入れて何もしなければ、浮沈子3にかかる重力よりも浮力の方が大きいので、浮いた状態を維持する。しかし、圧力操作部2の操作により、収容部1内の水にかかる圧力が増加すると、浮沈子3に含まれる空気の体積が減って浮力が小さくなり、浮沈子3にかかる重力が浮力よりも大きくなるので、収容部1の底部に向けて沈む。
浮沈子3は、直下に沈降できるよう、重心となる位置におもり等の姿勢安定部材を設けておくことが好ましい。
【0024】
(被捕捉体)
図4に示すように、被捕捉体4は、収容部1に収容され、水中に沈んでいる。被捕捉体4は、宝箱を模して形成され、収容部1に充填された水より比重の大きな材料で形成されている。被捕捉体4は、収容部1内の水に圧力を加えない状態で浮沈子3にかかる浮力で引き上げられるような重さとなるように形成されている。
すなわち、収容部1内の水に外部から圧力を加えていない状態では、浮沈子3と被捕捉体4と捕捉部5にかかる浮力の合計値が浮沈子3と被捕捉体4と捕捉部5にかかる重力の合計値よりも大きくなり、収容部1内の水に外部から圧力を加えた状態では、浮沈子3と被捕捉体4と捕捉部5にかかる浮力の合計値が浮沈子3と被捕捉体4と捕捉部5にかかる重力の合計値よりも小さくなるような条件を満たすように被捕捉体4が形成されている。
従って、被捕捉体4は、収容部1内の水に圧力を加えない状態では水中に沈んでおり、収容部1内の水に圧力を加えた状態で捕捉部5により係止された後、収容部1内の水に圧力を加えない状態にすれば、浮沈子3にかかる浮力で浮沈子3と共に浮上する。
被捕捉体4は、本体41と係止部42とを備えている。係止部42は、捕捉部5で捕捉するための部材であって、湾曲形成され、本体41と係止部42とで閉じられた空間が作られる。この部分に捕捉部5を通すことで、捕捉部5は被捕捉体4を落とすことなく引き上げることができる。
【0025】
(捕捉部)
図3、図5に示すように、捕捉部5は、互いに対向するように浮沈子3に二つ接続されている。捕捉部5は、圧力操作部2の操作による浮沈子3の沈降時に互いに外側に開き、浮沈子3の浮上時及び静止時に互いに内側に閉じるように構成されている。
捕捉部5は、第1のアーム部51と、第2のアーム部52とを備えている。
第1のアーム部51は、浮沈子3との接続部から外側(捕捉部5が開く方向)に延びるように形成されている。
第2のアーム部52は、第1のアーム部51の先端に接続され、第1のアーム部51との接続部5aから内側(捕捉部5が閉じる方向)に延びるように形成されている。
すなわち、捕捉部5は、浮沈子3との接続部(基端部)と先端部との間の部分(図3においては第1のアーム部51と第2のアーム部52との接続部5a)が最も外側に張り出すように形成されている。
【0026】
図5(a)(b)に示すように、第2のアーム部52は、被捕捉体4を保持する保持部52aの形状が相補うような形状に形成されており、二つの捕捉部5が閉じた状態において、一方の第2のアーム部52は、他方の第2のアーム部52に水平方向に重なり合うようになっている。より具体的には、保持部52aは、第2のアーム部52における他の部分の幅のほぼ半分に形成され、二つの捕捉部5が閉じた状態において、保持部52a同士が重なり合っているときの幅と第2のアーム部52の他の部分の幅とがほぼ同じとなるように形成されている。
このように、第2のアーム部52における保持部52aを重ね合わせる形状としたのは、被捕捉体4を捕捉する場合に二つの第2のアーム部52で被捕捉体4をそれぞれ逆方向から支持し、被捕捉体4の逃げ道をなくすことで捕捉をより確実にするためである。
【0027】
図3(b)、図5(c)に示すように、二つの捕捉部5が閉じた状態においては、第2のアーム部52は、先端部に向かうにつれて上方に傾斜するようになっている。これは、第2のアーム部52の先端部から被捕捉体4を遠ざけるように滑らせることで、第2のアーム部52から被捕捉体4が外れるのを抑制するためである。
【0028】
第1のアーム部51は、第2のアーム部52よりも表面積が大きくなるように形成されている。
これは、浮沈子3の沈降時には、下方から上方に向けて水の抵抗を受けることになるため、外側(捕捉部が開く方向)に向けて延びるように形成されている第1のアーム部51にかかる力を内側(捕捉部が閉じる方向)に向けて延びるように形成されている第2のアーム部52にかかる力よりも大きくすることで、水の抵抗を利用して捕捉部5を開かせるためである。
また、浮沈子3の浮上時には、上方から下方に向けて水の抵抗を受けることになるため、外側(捕捉部が開く方向)に向けて延びるように形成されている第1のアーム部51にかかる力を内側(捕捉部が閉じる方向)に向けて延びるように形成されている第2のアーム部52にかかる力よりも大きくすることで、水の抵抗を利用して捕捉部5を閉じさせるためである。
【0029】
<浮沈子玩具での遊び方>
浮沈子玩具100で遊ぶ際には、準備として、収容部1に水、捕捉部5を取り付けた浮沈子3、被捕捉体4を入れ、蓋部12で収容部1内を密封する。
この状態では、浮沈子3にかかる浮力は、浮沈子3及び捕捉部5にかかる重力よりも大きいので、収容部1の水面付近まで浮上しており、その位置で静止している。このとき、二つの捕捉部5は、自身の重力により下方に下がるので、閉じた状態となっている。
収容部1の底部に配置された被捕捉体4を釣り上げて遊ぶ際には、操作ボタン21を押す。操作ボタン21が押されると、蛇腹ポンプ22が収縮し、蛇腹ポンプ22内部の水が外に押し出される。押し出された水は連通管23を通って収容部1に進入する。このとき、収容部1には壁部13が設けられているので、収容部1に進入した水が浮沈子3の沈降を阻害することはない。
【0030】
連通管23から水が進入してくることで、収容部1内の水にかかる圧力は高まる。水圧の増加により、浮沈子3内の空気は圧縮される。浮沈子3内の空気が圧縮されることで、浮沈子3にかかる浮力は減少する。これにより、浮沈子3及び捕捉部5にかかる重力が浮沈子3にかかる浮力よりも大きくなり、浮沈子3は捕捉部5と共に収容部1の底部に向けて沈降する。
浮沈子3の沈降の際、捕捉部5は下方から上方に向けて水の抵抗を受けることになり、外側(捕捉部5が開く方向)に向けて延びるように形成されている第1のアーム部51にかかる力は、内側(捕捉部5が閉じる方向)に向けて延びるように形成されている第2のアーム部52にかかる力よりも大きいので、水の抵抗は第1のアーム部51により大きくかかる。これにより、捕捉部5は開く方向に力がかかり、捕捉部5を開かせる。
浮沈子3が収容部1の底部に到達したとき、捕捉部5は開いた状態となっている。この状態で操作ボタン21の押し込みを解放すると、操作ボタン21はバネの付勢力により元の位置に戻るため、収縮していた蛇腹ポンプ22も元の状態に戻る。蛇腹ポンプ22が元の状態に戻ることで、蛇腹ポンプ22内には収容部1から連通管23を介して水が流れ込む。
【0031】
収容部1から連通管23に水が進入してくることで、収容部1内の水にかかる圧力は低くなる。水圧の減少により、浮沈子3内の圧縮された空気は元の体積に戻る。浮沈子3内の空気が元の体積に戻ることで、浮沈子3にかかる浮力も元に戻る。これにより、浮沈子3にかかる浮力が浮沈子3及び捕捉部5にかかる重力よりも大きくなり、浮沈子3は捕捉部5と共に収容部1の水面に向けて浮上する。
浮沈子3の浮上の際、捕捉部5は上方から下方に向けて水の抵抗を受けることになり、外側(捕捉部5が開く方向)に向けて延びるように形成されている第1のアーム部51にかかる力は、内側(捕捉部5が閉じる方向)に向けて延びるように形成されている第2のアーム部52にかかる力よりも大きいので、水の抵抗は第1のアーム部51により大きくかかる。これにより、捕捉部5は閉じる方向に力がかかり、捕捉部5を閉じさせる。
【0032】
捕捉部5が閉じる際に、第2のアーム部52の先端部が被捕捉体4の係止部42に係止されていれば、捕捉部5は被捕捉体4を捕らえることができ、浮沈子3の浮上と共に被捕捉体4も捕捉部5に釣り上げられる。一方、捕捉部5が閉じる際に第2のアーム部52の先端部が被捕捉体4の係止部42に係止されなければ、捕捉部5は被捕捉体4を捕らえることができず、浮沈子3と捕捉部5のみが浮上する。
以上のようにして、ユーザが操作ボタン21の押し込みと解放を行うことで、海底に眠る財宝探しゲームとして遊ぶことができる。
【0033】
<作用・効果>
以上のように、浮沈子玩具100によれば、浮沈子3には二つの捕捉部5が設けられているので、圧力操作部2を操作することで、浮沈子3の沈降時には捕捉部5が互いに外側に開き、浮沈子3の浮上時及び静止時には捕捉部5が互いに内側に閉じる動作を楽しむことができる。
これにより、浮沈子3が浮き沈みするだけでなく、沈んだ際に捕捉部5が被捕捉体4を掴もうとする動作を楽しむことができるようになり、従来の浮沈子玩具に比べて興趣性を高めることができる。
また、捕捉部5を複数備えることにより、捕捉部5が単体で備えられている場合に比べて被捕捉体4をより確実に捕捉することができる。
また、複数の捕捉部5が連動して動作する様子を楽しむことができる。
【0034】
また、第1のアーム部51と第2のアーム部52との接続部5aが外側に張り出すように形成されているので、浮沈子3が沈む際には、各アーム部51,52が面全体で水の抵抗を受け、この抵抗力は捕捉部5を開く力とすることができる。一方、浮沈子3が浮かぶ際には、各アーム部51,52が面全体で水の抵抗を受け、この抵抗力は捕捉部5を閉じる力とすることができる。
【0035】
また、第1のアーム部51は、第2のアーム部52よりも表面積が大きいので、浮沈子3が沈む際の捕捉部5の開きやすさ、浮かぶ際の捕捉部5の閉じやすさをより高めることができる。
【0036】
また、各捕捉部5が閉じた状態においては、第2のアーム部52は、先端部に向かうにつれて上方に傾斜しているので、捕捉した被捕捉体4が第2のアーム部52の先端部から落下しにくくなる。
よって、捕捉部5による被捕捉体4の捕捉をより確実にすることができる。
【0037】
また、各捕捉部5が閉じた状態においては、第2のアーム部52は、他の第2のアーム部52に水平方向に重なり合っているので、被捕捉体4を二つの第2のアーム部52で支持することができ、捕捉した被捕捉体4が第2のアーム部52の先端部から落下しにくくなる。
よって、捕捉部5による被捕捉体4の捕捉をより確実にすることができる。
【0038】
<その他>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の本質的部分を変更しない範囲内で自由に設計変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、捕捉部は互いに対向するように二つ(一対)備えられているが、一つであっても良い。また、捕捉部は二つに限らず、三つ以上の複数備えていても良い。
また、図6に示すように、捕捉部7を一つのアーム部で形成し、かかるアーム部を湾曲形成しても良い。このような構成とした場合でも、上記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、図6に示すように、二つの捕捉部7は、閉じた状態において水平方向に重ならなくても、先端部同士が当接するような構成としても良い。この場合には、捕捉部7の先端部同士が浮沈子の浮上途中に開くことがないよう、捕捉部7にかかる水の抵抗が大きくなるような形状、例えば、捕捉部7の幅を広くして表面積を増やす等の対策を施せば良い。
また、図6に示すように、浮沈子8の形態も自由に変更可能であり、浮沈子8と被捕捉体9とを観念的に関連づけて双方を作成することも可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 収容部
2 圧力操作部
3 浮沈子
4 被捕捉体
5 捕捉部
5a 接続部
7 捕捉部
8 浮沈子
9 被捕捉体
51 第1のアーム部
52 第2のアーム部
100 浮沈子玩具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が充填されると共に密閉された収容部と、
操作により前記収容部内の液体にかかる圧力を変化させる圧力操作部と、
前記収容部に収容され、前記圧力操作部による前記収容部内の圧力の変化により液体中を浮沈する浮沈子と、
前記浮沈子に接続され、前記圧力操作部の操作による前記浮沈子の沈降時に外側に開き、前記浮沈子の浮上時及び静止時に内側に閉じるように構成された捕捉部と、
前記収容部に収容され、液体中で沈むと共に、前記捕捉部により捕捉された際に前記浮沈子に引かれて浮上する被捕捉体と、
を備えることを特徴とする浮沈子玩具。
【請求項2】
前記捕捉部は、前記浮沈子との接続部と先端部との間の部分が外側に張り出すように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の浮沈子玩具。
【請求項3】
前記捕捉部は、
前記浮沈子との接続部から外側に延びる第1のアーム部と、
前記第1のアーム部に接続され、前記第1のアーム部との接続部から内側に延びる第2のアーム部と、を備え、
前記第1のアーム部は、前記第2のアーム部よりも表面積が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の浮沈子玩具。
【請求項4】
前記捕捉部が閉じた状態において、
前記第2のアーム部は、先端部に向かうにつれて上方に傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の浮沈子玩具。
【請求項5】
前記捕捉部は、前記浮沈子に複数接続され、前記圧力操作部の操作による前記浮沈子の沈降時に互いに外側に開き、前記浮沈子の浮上時及び静止時に互いに内側に閉じるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の浮沈子玩具。
【請求項6】
各捕捉部が閉じた状態において、
各捕捉部の前記第2のアーム部は、他の第2のアーム部に水平方向に重なり合うことを特徴とする請求項5に記載の浮沈子玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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