説明

浮遊微生物捕集装置

【課題】室内に浮遊する微生物を、室外に漏洩させることなく、簡便かつ安全に、より短時間に捕集する。
【解決手段】室内に浮遊している微生物を室外において捕集する浮遊微生物捕集装置であって、空気が流入する第1開口部及び空気が流出する第2開口部が形成されると共に、前記第1開口部から流入した空気を通過させて前記微生物を捕集するフィルタを前記第1開口部と前記第2開口部との間に装着してなる微生物捕集部と、一端が前記微生物捕集部の前記第1開口部に接続され、他端が前記室内に連通する第1配管と、一端が前記微生物捕集部の前記第2開口部に接続され、他端が前記室内に連通する第2配管と、前記第2配管の流路上に設けられ、前記微生物捕集部内の空気を前記第2開口部から吸引して前記室内に排出する第1ポンプと、を備えることを特徴とする浮遊微生物捕集装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮遊微生物捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中にはカビや細菌、ウイルスなどの様々な微生物が浮遊している。近年、感染症や室内空気質に対する関心が高まっており、様々な空気清浄装置や抗菌性薬剤が商品化されている。こうした製品の性能評価あるいは有効性を検証するには、空気中に浮遊する微生物の数や密度等を正確に計測する必要がある。そのため、空気中に浮遊する微生物を捕集し検出する様々な装置や技術が開発されている(例えば特許文献1、非特許文献1、2参照)。
またこのような微生物を捕集し検出するための装置や技術は、高い空気清浄度が必要とされる医療や食品、半導体などの様々な分野において広く活用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4142974号公報
【非特許文献1】Aerosol sampling methods for the virus of foot-and-mouth disease and the measurement of virus penetration through aerosol filters ,Journal of Hygiene,1960,58:409-417
【非特許文献2】A slit sampler for collecting and counting air-borne bacteria ,Journal of Hygiene,1941,41:197-224
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば人為的に微生物を散布した微生物隔離実験室内に浮遊する微生物を捕集する場合や、感染症の患者が収容されている隔離病室内に浮遊する感染性微生物を捕集する場合などには、捕集作業を行う作業者への微生物曝露事故を防止すると共に、微生物を一般環境に漏洩させないよう充分な対策を講じなければならない。また、こうした微生物の浮遊状況は時々刻々と変化するため、微生物の浮遊状況を正確に把握するためには、経時的にモニタリングする必要がある。そのため、1回あたりの捕集作業を短時間に行えることが望まれる。
このような浮遊微生物すなわち、カビや細菌、ウイルスを網羅的に隔離回収する技術としてはインピンジャを用いた方式がある。しかしながら、インピンジャは単位時間に採取可能な空気の量や微生物の捕集効率が、インピンジャのサイズや捕集風速により制約される。そのためインピンジャ方式を室内空気質検証評価のための微生物定量試験手段として利用するには、様々な制約がある。
このため、物理的に隔離された空間(以下、室内という)に浮遊する微生物を、一般環境(以下、室外という)に漏洩させることなく、簡便かつ安全に、そしてより短時間に捕集することを可能とする技術が望まれている。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、室内に浮遊する微生物を、室外に漏洩させることなく、簡便かつ安全に、より短時間に捕集することを可能とする浮遊微生物捕集装置を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一つの側面に係る浮遊微生物捕集装置は、室内に浮遊している微生物を室外において捕集する浮遊微生物捕集装置であって、空気が流入する第1開口部及び空気が流出する第2開口部が形成されると共に、前記第1開口部から流入した空気を通過させて前記微生物を捕集するフィルタを前記第1開口部と前記第2開口部との間に装着してなる微生物捕集部と、一端が前記微生物捕集部の前記第1開口部に接続され、他端が前記室内に連通する第1配管と、一端が前記微生物捕集部の前記第2開口部に接続され、他端が前記室内に連通する第2配管と、前記第2配管の流路上に設けられ、前記微生物捕集部内の空気を前記第2開口部から吸引して前記室内に排出する第1ポンプと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
室内に浮遊する微生物を、室外に漏洩させることなく、簡便かつ安全に、より短時間に捕集することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】浮遊微生物捕集装置100の構成を示す図である。
【図2】微生物捕集部160の構成を示す図である。
【図3】浮遊微生物捕集システム1000の構成を示す図である。
【図4】アイソレータ10の構成を示す図である。
【図5】浮遊微生物捕集方法を示すフローチャートである。
【図6】平衡化モードを示す図である。
【図7】サンプリングモードを示す図である。
【図8】エアフィルタ交換モードを示す図である。
【図9】滅菌処理モードを示す図である。
【図10】エアフィルタ交換モードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
尚、本明細書では、微生物や細菌等を殺滅して無菌に近づけることを滅菌と記載する。
【0010】
==構成==
本発明の実施形態に係る浮遊微生物捕集装置100の構成を図1に示す。浮遊微生物捕集装置100は、室内に浮遊する微生物を室外において捕集する装置である。
【0011】
浮遊微生物捕集装置100は、捕集対象の微生物が浮遊する部屋(以下、微生物浮遊室とも記す)200の外部に設置される。
【0012】
浮遊微生物捕集装置100は、第1空気流入部110と、微生物捕集部160と、第1空気排出部130と、第2空気流入部140と、第2空気排出部150と、を備えて構成される。
【0013】
第1空気流入部110は、第1配管111を有する。第1配管111の一端は、微生物浮遊室200の内部に連通する。他端は、微生物捕集部160が有する第3開閉弁164を介して、捕集容器161に接続される。
【0014】
第1空気排出部130は、空気を吸引する第1ポンプ133と、第2配管132を有する。
【0015】
第2配管132は、一端側は微生物捕集部160の第2開閉弁165を介して捕集容器161と接続され、他端側は微生物浮遊室200の内部に連通する。第1ポンプ133は、第2配管132の流路上に配置され、微生物捕集部160内部の空気を吸引し、微生物浮遊室200に排出する。
【0016】
微生物捕集部160は、微生物を捕集するための捕集容器161を有する。捕集容器161は、第3開閉弁164を介して第1配管111に接続されると共に、第2開閉弁165を介して第2配管132に接続される。
【0017】
捕集容器161は、微生物を捕集するための第1エアフィルタ(微生物捕集フィルタ)162を有する。第1エアフィルタ162は、第3開閉弁164と第2開閉弁165との間に設けられ、捕集容器161の内部空間を、第3開閉弁164が設けられる側の空間と、第2開閉弁165が設けられる側の空間と、に仕切るように捕集容器161に装着される。
【0018】
このため、第1配管111から捕集容器161に流入してきた微生物浮遊室200の空気は、すべて第1エアフィルタ162を通過して、第2配管132へ流出する。このようにして第1エアフィルタ162に微生物を効率的に捕集することができる。
【0019】
なお、以下の説明において、第1エアフィルタ162により仕切られる捕集容器161内部の空間のうち、第3開閉弁164が設けられる側の空間を第1エアフィルタ162の上流側と記載し、第2開閉弁165が設けられる側の空間を第1エアフィルタ162の下流側と記載する場合がある。
【0020】
詳細は後述するが、第1エアフィルタ162の上流側には、第2空気流入部140に接続する第4開閉弁166と、第2空気排出部150に接続する第1開閉弁167と、が設けられる。
【0021】
このような構成において、第3開閉弁164及び第2開閉弁165を開放し、第4開閉弁166及び第1開閉弁167を閉塞し、第1空気排出部130の第1ポンプ133を駆動することにより、微生物浮遊室200内の空気は、第1配管111、捕集容器161、第1エアフィルタ162、第2配管132、第1ポンプ133を経由して微生物浮遊室200に排出される。
【0022】
これにより、微生物浮遊室200内の空気中に浮遊している微生物を、微生物浮遊室200の外部において、第1エアフィルタ162に捕集することができる。また、微生物浮遊室200から吸引した空気を再び微生物浮遊室200に戻すようにしているので、微生物を外部に漏洩させることもない。しかも、バブリングするインピンジャを用いた方式と違い、空気を直接第1エアフィルタ162に通して微生物を捕集するように構成されているので、より短時間で必要量の微生物を捕集することが可能となる。
【0023】
なお、以下の説明において、第3開閉弁164及び第2開閉弁165を開放し、第4開閉弁166及び第1開閉弁167を閉塞し、第1空気排出部130の第1ポンプ133を駆動し、後述する第2ポンプ154を停止することで、微生物浮遊室200内の空気を、第1配管111、捕集容器161、第1エアフィルタ162、第2配管132、第1ポンプ133を経由して微生物浮遊室200に排出することを、浮遊微生物捕集装置100を「サンプリングモード(第1モード)」で動作させる、とも記す。浮遊微生物捕集装置100が「サンプリングモード」で動作する様子を図7に示す。図7において、微生物浮遊室200から微生物捕集部160を経由して第2配管132から微生物浮遊室200に戻る矢印は、空気の流れを示している。
【0024】
図1に戻って、第2空気流入部140は、一端が微生物浮遊室200の外部に開放されている第4配管141を有する。また第2空気流入部140は、第4配管141内を流れる空気中の塵や水分等を除去する第2エアフィルタ142を有する。第4配管141の他端側は、第4開閉弁166を介して、捕集容器161内の第1エアフィルタ162の上流側の空間に連通する。
【0025】
このような構成において、第3開閉弁164及び第1開閉弁167を閉塞し、第4開閉弁166及び第2開閉弁165を開放し、第1空気排出部130の第1ポンプ133を駆動し、後述する第2ポンプ154を停止することで、微生物浮遊室200の外部の空気を、第4配管141、捕集容器161、第1エアフィルタ162、第2配管132、第1ポンプ133を経由して微生物浮遊室200に排出することができる。
【0026】
これにより、微生物浮遊室200の外部の空気を、微生物捕集部160や第1空気排出部130内に取り込み、微生物浮遊室200に排出することができるので、微生物捕集部160や第1空気排出部130内に浮遊している微生物を、外部に漏洩させることなく除去することが可能となる。
【0027】
なお、以下の説明において、第4開閉弁166及び第2開閉弁165を開放し、第3開閉弁164及び第1開閉弁167を閉塞し、第1空気排出部130の第1ポンプ133を駆動し、後述する第2ポンプ154を停止することで、微生物浮遊室200の外部の空気を、第4配管141、捕集容器161、第1エアフィルタ162、第2配管132、第1ポンプ133を経由して微生物浮遊室200に排出することを、浮遊微生物捕集装置100を「滅菌処理モード(第4モード)」で動作させる、とも記す。浮遊微生物捕集装置100が「滅菌処理モード」で動作する様子を図9に示す。図9において、第4配管141から微生物捕集部160を経由して第2配管132から微生物浮遊室200に向かう矢印は、空気の流れを示している。
【0028】
図1に戻って、第2空気排出部150は、第3配管153と、空気を吸引する第2ポンプ154と、を有する。
【0029】
第3配管153は、一端は第1開閉弁167を介して捕集容器161内の第1エアフィルタ162の上流側の空間に連通し、他端は微生物浮遊室200内に連通する。第2ポンプ154は、第3配管153の流路上に配置され、微生物捕集部160内部の空気を吸引し、微生物浮遊室200に排出する。
【0030】
また第2空気排出部150は、第3配管153内を流れる空気中の微生物や塵や水分等を除去する第3エアフィルタ152を有する。
【0031】
また捕集容器161は、第1エアフィルタ162の上流側において、第1開閉弁167を介して第3配管153と接続される。
【0032】
このような構成において、第3開閉弁164及び第2開閉弁165を閉塞し、第4開閉弁166及び第1開閉弁167を開放し、第1空気排出部130の第1ポンプ133を停止すると共に、第2空気排出部150の第2ポンプ154を駆動することにより、微生物浮遊室200の外部の空気を、第4配管141、捕集容器161、第3配管153、第2ポンプ154を経由して微生物浮遊室200に排出することができる。
【0033】
これにより、微生物浮遊室200の外部の空気を、微生物捕集部160や第2空気排出部150内に取り込み、微生物浮遊室200に排出することができるので、微生物捕集部160や第2空気排出部150内に浮遊している微生物を、外部に漏洩させることなく除去することが可能となる。
【0034】
なお、以下の説明において、第3開閉弁164及び第2開閉弁165を閉塞し、第4開閉弁166及び第1開閉弁167を開放し、第1空気排出部130の第1ポンプ133を停止すると共に、第2空気排出部150の第2ポンプ154を駆動することにより、微生物浮遊室200の外部の空気を、第4配管141、捕集容器161、第3配管153、第2ポンプ154を経由して微生物浮遊室200に排出することを、浮遊微生物捕集装置100を「エアフィルタ交換モード(第3モード)」で動作させる、とも記す。浮遊微生物捕集装置100が「エアフィルタ交換モード」で動作する様子を図8に示す。図8において、第4配管141から微生物捕集部160を経由して第3配管153から微生物浮遊室200に向かう矢印は、空気の流れを示している。
【0035】
図1に戻って、第4開閉弁166及び第2開閉弁165を閉塞し、第3開閉弁164及び第1開閉弁167を開放し、第1空気排出部130の第1ポンプ133を停止すると共に、第2空気排出部150の第2ポンプ154を駆動することにより、微生物浮遊室200の内部の空気を、第1配管111、捕集容器161、第3配管153、第2ポンプ154を経由して微生物浮遊室200に排出することができる。
【0036】
これにより、微生物浮遊室200内の空気中に浮遊している微生物を、第1エアフィルタ162を通過させることなく捕集容器161の内部に取り込むことが可能となる。このようにすることにより、捕集容器161内の空気の状態を微生物浮遊室200内の空気の状態と同様にしておくことができる。
【0037】
このため、例えば浮遊微生物捕集装置100を「サンプリングモード」で動作させる前に、捕集容器161内の空気の状態を微生物浮遊室200内の空気の状態と同様にしておくことができるので、微生物浮遊室200の外部でありながら微生物浮遊室200の内部で微生物の捕集をしているのと同様の条件で微生物の捕集を行うことができる。これにより、微生物捕集装置100に取り込んだ空気の量と、第1エアフィルタ162に捕集された微生物の量と、に基づいて、微生物浮遊室200内に浮遊している微生物の状態(浮遊量や密度など)を正確に計測することが可能となる。
【0038】
なお、以下の説明において、第4開閉弁166及び第2開閉弁165を閉塞し、第3開閉弁164及び第1開閉弁167を開放し、第1空気排出部130の第1ポンプ133を停止すると共に、第2空気排出部150の第2ポンプ154を駆動することにより、微生物浮遊室200の内部の空気を、第1配管111、捕集容器161、第3配管153、第2ポンプ154を経由して微生物浮遊室200に排出することを、浮遊微生物捕集装置100を「平衡化モード(第2モード)」で動作させる、とも記す。浮遊微生物捕集装置100が「平衡化モード」で動作する様子を図6に示す。図6において、微生物浮遊室200から微生物捕集部160を経由して第3配管153から微生物浮遊室200に戻る矢印は、空気の流れを示している。
【0039】
次に、微生物捕集部160の詳細な構成を図2に示す。
微生物捕集部160は、捕集容器161、第1エアフィルタ(微生物捕集フィルタ)162、第1エアフィルタ取り付け部163、第3開閉弁164、第2開閉弁165、第4開閉弁166、第1開閉弁167、第1開口部168、第2開口部169、第4開口部170、第3開口部171を有する。
【0040】
捕集容器161は、例えば略円筒形状をしている。捕集容器161の一方の底面は、中央部に第1開口部168が形成されている。第1開口部168には第3開閉弁164が取り付けられている。第3開閉弁164には第1配管111が接続される。
【0041】
これにより、第3開閉弁164を開放した場合には、第1配管111を介して流入してくる空気を捕集容器161の内部に取り込むことができる。また第3開閉弁164を閉塞した場合には、微生物を含んだ空気が捕集容器161の内部に入らないように遮断することができる。第3開閉弁164の開閉の操作は、図示しない制御装置からの制御信号により行うようにしてもよいし、微生物の捕集作業者が手動で行っても良い。
捕集容器161の他方の底面側には、第1エアフィルタ取り付け部163が取り付けられている。
【0042】
第1エアフィルタ取り付け部163は、前記捕集容器161の上記他方の底面となる略円盤形状の蓋部と、蓋部の中心部を貫通する円筒とから構成されている。この円盤状の蓋部は、捕集容器161の上記他方の底面として、捕集容器161に螺動することにより、取り外し可能に装着される。
【0043】
また第1エアフィルタ取り付け部163を形成する円筒の一方の底面には、第1エアフィルタ162が取り外し可能に装着される。この円筒の他方の底面は、第2開口部169として開口している。第2開口部169には、第2開閉弁165が取り付けられる。第2開閉弁165には第2配管132が接続される。
【0044】
これにより、第2開閉弁165を開放した場合には、捕集容器161の内部の空気は第1エアフィルタ162を通過し、その空気を第2配管132を介して排出することができる。また第2開閉弁165を閉塞した場合には、空気を排出しないように遮断することができる。第2開閉弁165の開閉の操作は、図示しない制御装置からの制御信号により行うようにしてもよいし、微生物の捕集作業者が手動で行っても良い。
【0045】
第1エアフィルタ取り付け部163は、図2に示すように、第1エアフィルタ162が装着される側の円筒の底面を捕集容器161内に挿入する向きにして、蓋部を捕集容器161に螺動させることで捕集容器161に取り付けられる。
【0046】
捕集容器161の側面には、第4開口部170、第3開口部171が形成されている。第4開口部170には、第4開閉弁166が取り付けられる。第4開閉弁166には第4配管141が接続される。
【0047】
これにより、第4開閉弁166を開放した場合には、第4配管141を介して流入してくる空気を捕集容器161の内部に取り込むことができる。また第4開閉弁166を閉塞した場合には、第4開口部170から空気が捕集容器161の内部に入らないように遮断することができる。第4開閉弁166の開閉の操作は、図示しない制御装置からの制御信号により行うようにしてもよいし、微生物の捕集作業者が手動で行っても良い。
【0048】
また第3開口部171には、第1開閉弁167が取り付けられる。第1開閉弁167には第3配管153が接続される。
【0049】
これにより、第1開閉弁167を開放した場合には、捕集容器161内部の空気を、第3配管153を介して排出することができる。また第1開閉弁167を閉塞した場合には、第3開口部171から空気を排出しないように遮断することができる。第1開閉弁167の開閉の操作は、図示しない制御装置からの制御信号により行うようにしてもよいし、微生物の捕集作業者が手動で行っても良い。
【0050】
また、上述したように、第4開口部166及び第3開口部171はいずれも、捕集容器161の側面において、捕集容器161内の第1エアフィルタ162よりも上流側の空間に開口するように設けられるが、第4開口部166は捕集容器161の第1開口部168により近い位置に設けられ、第3開口部167は捕集容器161の第2開口部169により近い位置に設けられる。
【0051】
また微生物捕集部160は、捕集容器161の第1開口部168から第1エアフィルタ162までの距離Lが、第1エアフィルタ162の直径Dの例えば3倍以上となるように形成されている。また微生物捕集部160は、捕集容器161の円筒の直径に比べ、第1開口部168の直径を小さくするように形成されている。
【0052】
微生物捕集部160をこのように形成することにより、第1開口部169から捕集容器161内に流入した空気の流速を低下させ、また捕集容器161の内部において空気の流れを拡散させることができる。このため、第1開口部169から捕集容器161に流入した空気は、第1エアフィルタ162の全面に均等に広がった状態で第1エアフィルタ162を通過するので、第1エアフィルタ162の表面に均一に微生物を捕集することが可能となる。このため、微生物の捕集効率を向上させることができ、より短時間で微生物を捕集することが可能となる。
【0053】
次に、浮遊微生物捕集装置100及びアイソレータ10により浮遊微生物捕集システム1000を構成して微生物浮遊室200内の微生物を捕集する場合について図3を参照しながら説明する。
【0054】
アイソレータ10は、内部を滅菌可能な作業室を有する装置である。アイソレータ10の構成例を図4に示す。
【0055】
アイソレータ10は、滅菌された環境で細胞に対する作業等を行う装置であり、供給装置21、作業室22、及び排出装置23を含んで構成される。
【0056】
供給装置21は、アイソレータ10の外部の空気を作業室22へと供給する装置であり、ファン41を含んで構成される。ファン41は空気を作業室22へと供給する。
【0057】
作業室22は、細胞に対する作業等を行う空間であり、エアフィルタ50,51、扉52、作業用グローブ53、紫外線照射器30、オゾン発生器31が設けられている。
【0058】
紫外線照射器30は、作業室22の内部に紫外線を照射することにより、作業室22及び作業室22内に収容された収納物を滅菌する装置である。オゾン発生器31は、作業室22の内部にオゾンガスを噴霧することにより、作業室22及び作業室22内の収納物を滅菌する装置である。オゾンガスを作業室22内に噴霧することにより、例えば紫外線照射器30からの紫外線が直接当たらない場所や収納物も滅菌することが可能である。なお、オゾンガスに限らず過酸化水素や過酢酸、二酸化塩素、次亜塩素酸等を噴霧する装置を用いても良い。
【0059】
エアフィルタ50は、ファン41から供給される空気に含まれる塵等を除去するためのフィルタである。エアフィルタ51は、作業室22から排出される空気やオゾンガス等に含まれる塵等を除去するためのフィルタである。なお、エアフィルタ50,51には、例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタが用いられる。
【0060】
扉52は、細胞等を作業室22に搬入するために作業室22の前面に開閉可能に設けられている。
【0061】
作業用グローブ53は、扉52が閉じられた状態で作業者が作業室22内の細胞等に対して作業を行えるよう、扉52に設けられた開口部(不図示)に取付けられている。なお、扉52が閉じられた状態では、作業室22は密閉される。
【0062】
排出装置23は、作業室22からオゾンガスや空気等のガスを排出するための装置であり、滅菌処理装置61を含んで構成される。
【0063】
滅菌処理装置61は触媒を備え、空気中のオゾンガス等を無害化および滅菌処理をしてアイソレータ10の外部へと出力する。
【0064】
図3に戻って、浮遊微生物捕集システム1000は、微生物浮遊室200の外部に設置される。そして浮遊微生物捕集システム1000は、浮遊微生物捕集装置100の構成要素のうち、少なくとも微生物捕集部160をアイソレータ10の作業室22内に収納して構成される。
【0065】
このような構成にすることにより、第1エアフィルタ162の取り外し作業や交換作業をアイソレータ10の作業室22の内部において行うことが可能となる。このため、第1エアフィルタ162の取り外し作業や交換作業の際に、第1エアフィルタ162に捕集した微生物を、外部に漏洩させないようにすることが可能となる。捕集容器161から取り外した第1エアフィルタ162は、アイソレータ10の作業室22内に事前に収納しておいた回収容器300内に密閉して収納される。
【0066】
なお、図3に例示する浮遊微生物捕集システム1000は、浮遊微生物捕集装置100の構成要素のうち、微生物捕集部160の他、第2空気流入部140、第2配管132、第3配管153、第3エアフィルタ152も、アイソレータ10の作業室22内に収納して構成される。
【0067】
またアイソレータ10の作業室22内には、紫外線照射器30及びオゾン発生器31が設けられている。紫外線照射器30及びオゾン発生器31を作業室22内において動作させることにより、作業室22内に収納されている微生物捕集部160や回収容器300等を滅菌することができる。
【0068】
また、紫外線照射器30及びオゾン発生器31を作業室22内において動作させた状態で、浮遊微生物捕集装置100を「滅菌処理モード」で動作させることにより、アイソレータ10の作業室22内部の滅菌ガスを、微生物捕集部160や第1空気排出部130内に取り込み、微生物浮遊室200に排出することができる。これにより、微生物捕集部160や第1空気排出部130の内部を滅菌することが可能となる。
【0069】
また、紫外線照射器30及びオゾン発生器31を作業室22内において動作させた状態で、浮遊微生物捕集装置100を「エアフィルタ交換モード」で動作させることにより、アイソレータ10の作業室22内部の滅菌ガスを、微生物捕集部160や第2空気排出部150内に取り込み、微生物浮遊室200に排出することができる。これにより、微生物捕集部160や第2空気排出部150の内部を滅菌することが可能となる。
【0070】
以上の構成により、本実施形態に係る浮遊微生物捕集システム1000は、微生物の捕集作業を終了し、浮遊微生物捕集装置100をアイソレータ10の作業室22から取り出す際に、アイソレータ10の作業室22内に残存する微生物を滅菌してから取り出すことが可能となる。
【0071】
つまり、微生物の捕集作業時に第1エアフィルタ162の交換作業を行う際には、捕集容器161の内部に浮遊する微生物や、第1エアフィルタ162に捕集された微生物がアイソレータ10の作業室22内に拡散する。また、微生物捕集部160や第1空気排出部130、第2空気排出部150の配管等の内部には、微生物の捕集作業の際に取り込んだ微生物浮遊室200の空気に浮遊していた微生物が残存している。
【0072】
そこで、アイソレータ10の作業室22内において紫外線照射器30やオゾン発生器31を動作させると共に、浮遊微生物捕集装置100を「滅菌処理モード」及び「エアフィルタ交換モード」で動作させることにより、これらの残存微生物を滅菌することができる。
【0073】
このため、微生物の捕集作業を終了し、浮遊微生物捕集装置100をアイソレータ10の作業室22から取り出す際に、微生物を外部に漏洩させないようにすることが可能となる。
【0074】
==処理の流れ==
次に、浮遊微生物捕集システム1000を用いて、微生物浮遊室200内の空気中に浮遊する微生物を捕集する場合の処理の流れについて、図5ないし図10を参照しながら説明する。
【0075】
まず、微生物を捕集するにあたり、微生物捕集部160と、第2空気流入部140と、第2配管132と、第3配管153と、第3エアフィルタ152と、回収容器300と、をアイソレータ10の作業室22内に収納し、紫外線照射器30及びオゾン発生器31を作業室22内において動作させることで、作業室22の内部を滅菌しておく。
【0076】
そして、作業用グローブ53を用いて、第1エアフィルタ162を第1エアフィルタ取り付け部163に取り付け、そして、この第1エアフィルタ取り付け部163を、捕集容器161に装着する(S100)。
【0077】
次に、浮遊微生物捕集装置100を所定時間「平衡化モード」で動作させる(S101)。浮遊微生物捕集装置100が「平衡化モード」で動作している様子を図6に示す。図6において、微生物浮遊室200から微生物捕集部160を経由して第3配管153から微生物浮遊室200に戻る矢印は、空気の流れを示している。
【0078】
これにより、微生物浮遊室200内の空気を、第1エアフィルタ162を通過させることなく捕集容器161の内部に取り込むことが可能となる。このようにすることにより、捕集容器161内の空気の状態を微生物浮遊室200内の空気の状態と同様にしておくことができる。
【0079】
次に、浮遊微生物捕集装置100を所定時間「サンプリングモード」で動作させる(S102)。浮遊微生物捕集装置100が「サンプリングモード」で動作している様子を図7に示す。図7において、微生物浮遊室200から微生物捕集部160を経由して第2配管132から微生物浮遊室200に戻る矢印は、空気の流れを示している。
【0080】
これにより、微生物浮遊室200内の空気中に浮遊している微生物を、微生物浮遊室200の外部において、第1エアフィルタ162に捕集することができる。
【0081】
また、微生物浮遊室200から吸引した空気を再び微生物浮遊室200に戻すようにしているので、微生物を外部に漏洩させることもない。そして、空気を直接第1エアフィルタ162に通して微生物を捕集する構成としたので、インピンジャを用いた方式と比較して短時間で格段に大量の空気をフィルタリングでき、必要量の微生物を捕集することが可能となる。しかも、微生物はインピンジャを用いた方式のように液体中に捕集されるのではなく、乾燥したフィルタに捕集されるので、その後の取り扱いが極めて容易である。
【0082】
また、浮遊微生物捕集装置100を「サンプリングモード」で動作させる前に「平衡化モード」で動作させているので、微生物浮遊室200の内部で微生物の捕集作業を行った場合と同様に微生物の捕集を行うことができる。
【0083】
次に、浮遊微生物捕集装置100を所定時間「エアフィルタ交換モード」で動作させる(S103)。浮遊微生物捕集装置100が「エアフィルタ交換モード」で動作している様子を図8に示す。図8において、第4配管141から微生物捕集部160を経由して第3配管153から微生物浮遊室200に向かう矢印は、空気の流れを示している。
【0084】
これにより、アイソレータ10の作業室22の内部の滅菌された空気を、微生物捕集部160や第2空気排出部150内に取り込み、微生物浮遊室200に排出することができるので、微生物捕集部160や第2空気排出部150内に残留している微生物を、外部に漏洩させることなく除去することが可能となる。
【0085】
次に、作業室22の内部において、捕集容器161から第1エアフィルタ取り付け部163を取り外した後、第1エアフィルタ取り付け部163から第1エアフィルタ162を取り外し、そして第1エアフィルタ162を回収容器300に回収する(S104)。
【0086】
第1エアフィルタ162の回収作業をアイソレータ10の作業室22の内部において行うことにより、第1エアフィルタ162の交換作業の際に、第1エアフィルタ162に付着した微生物を、外部に漏洩させないようにすることが可能となる。
【0087】
ここで、捕集作業を終了する場合には、S105においてYESに進み、捕集作業を継続する場合にはNOに進む(S105)。
【0088】
捕集作業を終了する場合には、アイソレータ10の作業室22内において、紫外線照射器30及びオゾン発生器31を動作させる(S106)。
【0089】
これにより、アイソレータ10の作業室22の内部において第1エアフィルタ162の交換作業を行った際に、第1エアフィルタ162等から作業室22内に拡散した微生物が付着した作業室22や、微生物捕集部160、回収容器300を滅菌することができる。
【0090】
次に、紫外線照射器30及びオゾン発生器31を動作させた状態で、浮遊微生物捕集装置100を所定時間「滅菌処理モード」で動作させる(S107)。浮遊微生物捕集装置100が「滅菌処理モード」で動作している様子を図9に示す。図9において、第4配管141から微生物捕集部160を経由して第2配管132から微生物浮遊室200に向かう矢印は、空気の流れを示している。
【0091】
これにより、アイソレータ10の作業室22の内部の滅菌された空気を、微生物捕集部160や第1空気排出部130内に取り込み、微生物浮遊室200に排出することができるので、微生物捕集部160や第1空気排出部130内に残留している微生物を、外部に漏洩させることなく除去することが可能となる。
【0092】
次に、紫外線照射器30及びオゾン発生器31を動作させた状態で、浮遊微生物捕集装置100を所定時間「エアフィルタ交換モード」で動作させる(S108)。浮遊微生物捕集装置100が「エアフィルタ交換モード」で動作している様子を図10に示す。図10において、第4配管141から微生物捕集部160を経由して第3配管153から微生物浮遊室200に向かう矢印は、空気の流れを示している。
【0093】
これにより、アイソレータ10の作業室22の内部の滅菌された空気を、微生物捕集部160や第2空気排出部150内に取り込み、微生物浮遊室200に排出することができるので、微生物捕集部160や第2空気排出部150内に残留している微生物を、外部に漏洩させることなく除去することが可能となる。
【0094】
なお、S107の処理と、S108の処理は、S108の処理を先に行ってもよいし、並行して行ってもよい。
【0095】
以上、本実施形態にかかる浮遊微生物捕集装置100について説明したが、本実施形態にかかる浮遊微生物捕集装置100によれば、微生物浮遊室200に浮遊する微生物を、微生物浮遊室200の外部に漏洩させることなく、簡便かつ安全に、より短時間に捕集することが可能になる。
【0096】
例えば、微生物浮遊室200内の空気中に浮遊している微生物を、微生物浮遊室200の外部において安全に、第1エアフィルタ162に捕集することができる。また、微生物浮遊室200から吸引した空気を再び微生物浮遊室200に戻すようにしているので、微生物を外部に漏洩させることもない。しかも、第1エアフィルタ162に空気を直接通して微生物を捕集するように構成されているので、例えばインピンジャを用いた方式と比べて、より短時間で大量の微生物を捕集することが可能となる。
【0097】
なお、本実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0098】
例えば、微生物が微生物浮遊室200の外部に漏洩しても問題ない場合には、アイソレータ10を用いずにエアフィルタ162の交換作業を行うようにすることも可能である。
【符号の説明】
【0099】
10 アイソレータ
21 供給装置
22 作業室
23 排出装置
30 紫外線照射器
31 オゾン発生器
41 ファン
50,51 エアフィルタ
52 扉
53 グローブ
61 滅菌処理装置
100 浮遊微生物捕集装置
110 第1空気流入部
111 第1配管
130 第1空気排出部
132 第2配管
133 第1ポンプ
140 第2空気流入部
141 第4配管
142 第2エアフィルタ
150 第2空気排出部
152 第3エアフィルタ
153 第3配管
154 第2ポンプ
160 微生物捕集部
161 捕集容器
162 第1エアフィルタ
163 第1エアフィルタ取付部
164 第3開閉弁
165 第2開閉弁
166 第4開閉弁
167 第1開閉弁
168 第1開口部
169 第2開口部
170 第4開口部
171 第3開口部
200 微生物浮遊室
300 回収容器
1000 浮遊微生物捕集システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に浮遊している微生物を室外において捕集する浮遊微生物捕集装置であって、
空気が流入する第1開口部及び空気が流出する第2開口部が形成されると共に、前記第1開口部から流入した空気を通過させて前記微生物を捕集するフィルタを前記第1開口部と前記第2開口部との間に装着してなる微生物捕集部と、
一端が前記微生物捕集部の前記第1開口部に接続され、他端が前記室内に連通する第1配管と、
一端が前記微生物捕集部の前記第2開口部に接続され、他端が前記室内に連通する第2配管と、
前記第2配管の流路上に設けられ、前記微生物捕集部内の空気を前記第2開口部から吸引して前記室内に排出する第1ポンプと、
を備えることを特徴とする浮遊微生物捕集装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浮遊微生物捕集装置であって、
前記微生物捕集部は、前記フィルタに対し前記第1開口部が形成される側に形成される第3開口部と、前記第3開口部を開閉する第1開閉弁と、前記第2開口部を開閉する第2開閉弁と、を有し、
一端が前記第3開口部に接続され、他端が前記室内に連通する第3配管と、
前記第3配管の流路上に設けられ、前記微生物捕集部内の空気を前記第3開口部から吸引して前記室内に排出する第2ポンプと、
を備え、
前記第2開閉弁を開放し前記第1開閉弁を閉塞することにより、前記室内の空気を前記第1開口部から前記微生物捕集部に取り込んで、前記フィルタを通過させた後に、前記第2開口部から前記室内に排出し、
前記第1開閉弁を開放し前記第2開閉弁を閉塞することにより、前記室内の空気を前記第1開口部から前記微生物捕集部に取り込んで、前記フィルタを通過させずに、前記第3開口部から前記室内に排出する
ことを特徴とする浮遊微生物捕集装置。
【請求項3】
請求項1に記載の浮遊微生物捕集装置であって、
前記微生物捕集部は、前記第1開口部を開閉する第3開閉弁と、前記フィルタに対し前記第1開口部が形成される側に形成される第4開口部と、前記第4開口部を開閉する第4開閉弁と、を有し、
一端が前記第4開口部に接続され、他端が室外に開放される第4配管と、
を備え、
前記第3開閉弁を開放し前記第4開閉弁を閉塞することにより、前記室内の空気を前記第1開口部から前記微生物捕集部に取り込んで、前記フィルタを通過させた後に、前記第2開口部から前記室内に排出し、
前記第4開閉弁を開放し前記第3開閉弁を閉塞することにより、前記室外の空気を前記第4開口部から前記微生物捕集部に取り込んで、前記フィルタを通過させた後に、前記第2開口部から前記室内に排出する
ことを特徴とする浮遊微生物捕集装置。
【請求項4】
請求項2に記載の浮遊微生物捕集装置であって、
前記微生物捕集部は、前記第1開口部を開閉する第3開閉弁と、前記フィルタに対し前記第1開口部が形成される側に形成される第4開口部と、前記第4開口部を開閉する第4開閉弁と、を有し、
一端が前記第4開口部に接続され、他端が室外に開放される第4配管と、
を備え、
前記第3開閉弁及び前記第2開閉弁を開放し、前記第4開閉弁及び前記第1開閉弁を閉塞し、前記第1ポンプを駆動し、前記第2ポンプを停止する第1モードで動作することにより、前記室内の空気を前記第1開口部から前記微生物捕集部に取り込んで、前記フィルタを通過させた後に、前記第2開口部から前記室内に排出し、
前記第3開閉弁及び前記第1開閉弁を開放し、前記第4開閉弁及び前記第2開閉弁を閉塞し、前記第1ポンプを停止し、前記第2ポンプを駆動する第2モードで動作することにより、前記室内の空気を前記第1開口部から前記微生物捕集部に取り込んで、前記フィルタを通過させずに、前記第3開口部から前記室内に排出し、
前記第4開閉弁及び前記第1開閉弁を開放し、前記第3開閉弁及び前記第2開閉弁を閉塞し、前記第1ポンプを停止し、前記第2ポンプを駆動する第3モードで動作することにより、前記室外の空気を前記第4開口部から前記微生物捕集部に取り込んで、前記フィルタを通過させずに、前記第3開口部から前記室内に排出し、
前記第4開閉弁及び前記第2開閉弁を開放し、前記第3開閉弁及び前記第1開閉弁を閉塞し、前記第1ポンプを駆動し、前記第2ポンプを停止する第4モードで動作することにより、前記室外の空気を前記第4開口部から前記微生物捕集部に取り込んで、前記フィルタを通過させた後に、前記第2開口部から前記室内に排出する
ことを特徴とする浮遊微生物捕集装置。
【請求項5】
請求項4に記載の浮遊微生物捕集装置であって、
前記第2モードで動作した後に前記第1モードで動作することにより、前記室内の空気を前記微生物捕集部に事前に取り込んでから、前記フィルタへの微生物の捕集を行う
ことを特徴とする浮遊微生物捕集装置。
【請求項6】
請求項4に記載の浮遊微生物捕集装置であって、
前記第1モードで動作した後に前記第3モードで動作することにより、前記微生物捕集部内及び前記第3配管内に残存する微生物を前記室内に排出する
ことを特徴とする浮遊微生物捕集装置。
【請求項7】
請求項5に記載の浮遊微生物捕集装置であって、
前記第1モードで動作した後に前記第4モードで動作することにより、前記微生物捕集部内及び前記第2配管内に残存する微生物を前記室内に排出する
ことを特徴とする浮遊微生物捕集装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の浮遊微生物捕集装置であって、
滅菌ガス及び紫外線の少なくともいずれかにより微生物を滅菌する滅菌装置と、
前記滅菌装置により滅菌される作業室と、
を有するアイソレータの前記作業室の内部に、少なくとも前記微生物捕集部が設置されてなる
ことを特徴とする浮遊微生物捕集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−75280(P2013−75280A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218016(P2011−218016)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】