説明

浮遊性放出制御医薬組成物

本発明は、少なくとも1種の活性成分を含有する層が表面に堆積している浮遊コアをそれぞれ含む多数の放出制御コーティング微小粒子を含む医薬組成物であって、前記層が放出制御コーティングで被覆されており、前記浮遊コアがセルロースアセテートフタレートからなり、かつ0.6g/mL以下の嵩密度を有することを特徴とし、かつ、前記コーティング微小粒子が0.7g/mL以下の密度を有する、医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮遊性医薬組成物又は浮遊多粒子系及びそれらの製造方法に関する。本発明はまた、医薬活性成分、特に吸収ウィンドウ(absorption window)が胃上部に位置する医薬活性成分の放出制御へのこれらの浮遊系(floating system)の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬組成物の有効性を、特に医薬組成物に含まれる医薬活性成分の放出プロファイルを制御することによって向上させるために、多くの研究が行われている。しかし、放出持続時間を大幅に延長又は遅延させることができたとしても、特に活性成分が胃腸管の上部でしか吸収されない場合には、これらの医薬製剤の作用時間、ひいてはそれらの有効性は胃内滞留時間に大きく依存する。比較的短い持続時間、並びに胃内滞留時間の高い変動率及び予測不能性は、これらの剤形の有効性の最適化において大きな障害となっている。
【0003】
胃内滞留時間を増加させるために、種々の解決法が提案されている。例えば、胃液の存在下で十分に拡大し又は膨張して幽門開口部より大きいサイズに達する胃内滞留(gastroretentive)系、胃壁に付着する粘膜付着系、高比重のために胃袋の下部に保たれる系が挙げられる。最後に、低密度のために胃内容物上部に保たれる浮遊系が挙げられる。
【0004】
国際公開WO01/58424号(West Pharma)は、活性成分を含有するコアと、次に腸溶性ポリマーフィルム-コーティングと、次に混合によって堆積されたキトサン粉末の層と、ステアリン酸マグネシウムとによって構成される疎水性層とを含む浮遊粒子系を記載している。浮遊性能は、0.1N塩酸500mL中での30分間の試験によって界面活性剤の不存在下で撹拌せずに評価されている。
【0005】
他の研究は、多粒子浮遊系に関するものである。Rouge N.ら、Pharm. Acta Helv. 73(2) 81〜87(1998)は、ゼラチンカプセル剤に組み入れられた直径3mmの膨潤性親水性ポリマー(HPMC)を基材とするミニ錠剤(minitablet)を記載している。他の研究もまた、種々の低密度多孔質担体、例えば、ポリカーボネート微小球(Joseph N. J.ら(Journal of Controlled Released (2002)79、71〜79))、ケイ酸カルシウム微小球(Jain Sunil K.ら(Drug Development and Industrial Pharmacy (2007) 33、381〜391頁))、ポリプロピレン粒子(Streubel A.ら(International Journal of Pharmaceutics 198 (2002)、279〜292))、アルギン酸カルシウムビーズ(Choi B. Y.ら(International Journal of Pharmaceutics 239 (2002) 81〜91))又はゼラチン及びカゼインビーズ(Bulgarelli E.ら、International Journal of Pharmaceutics 198 (2000)、157〜165)を用いることによって微小粒子を製造している。
【0006】
仏国特許第2263744号(エーザイ株式会社)においては、ポリスチレンミニ錠剤(6mm×9mm)又は膨化米粒が浮遊担体として使用されているが、これらの製品の体積は比較的大きいため、投与当たり多数の担体を使用できない。また、これらの物質は、医薬用途として認可されていない。
【0007】
米国特許第5,626,876号(Muller-Lohmann Therapie Systeme-1997)の出願人は、浮遊性剤形を得るために多孔質要素を使用している。詳細には、その実施形態の1つは、医薬活性成分を含む層と、放出を制御するフィルム-コーティングの第2の任意の層とで被覆された発泡粒子によって構成される、多数の浮遊性サブシステムが記載されている。これらの発泡粒子は、商標Accurel(Armak Company((Chicago)、現在はAkzo Chemicals))として市販されている、ポリスチレン、ポリアミド、又はポリプロピレン型の発泡ポリマーを基材としている。これらのポリマーは、経口投与用としては認可されておらず、製造業者は、それらの重量の数倍の液体(水であることができる)を吸収できるマイクロスポンジと考えている。したがって、それらは非浮遊性である。実際に、液体媒体の存在下においては、開放気孔である気孔が満たされ、材料の密度が増加し、粒子は沈む。このため、それらの表面に、この特許文献の第2欄、第55〜57行に記載されている防水層を予め堆積させるのでなければ、活性成分は乾式法でしか堆積させることができない。加えて、この特許文献に記載されている種々の最終製品の浮遊能力については、定量的指標が示されていない。
【0008】
少なくとも1種の不溶性(疎水性又は脂肪性)且つ多孔質の賦形剤、好ましくはグリセロールベヘネート又は第二リン酸カルシウムを含む中間層によって囲まれている、医薬活性成分及びポリマーマトリックスを含むコアと、活性成分の放出制御を可能にするポリマーによって構成されるフィルムとによって構成される浮遊微小球が、国際公開WO2006/063858号(米国特許出願公開第2008/0317841号、Grenierら)に記載されている。この特許出願中にも、これらの微小粒子の浮遊持続時間の定量的指標は示されていない。
【0009】
浮遊系を製造するための別の解決法は、錠剤又は顆粒剤の密度を低下させるためにその場で気体を発生させることからなる(US4,844,905、US4,101,650、WO2007/010400、US6,261,601)。一般に、これらの系は、酸性の胃液との接触時に及び場合によっては製剤時の酸の存在の結果として、その場で二酸化炭素を発生するアルカリ炭酸塩を含む。アルカリ炭酸は、ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)又は多糖類(例えばキサンタン、カロブ、グアーガム又はキトサン誘導体など)を基材とする、剤形を構成するゲル化親水マトリックス内に捕捉される。国際公開WO02/105415号は、ガーデンクレスLepidiuin sativumの種子粉末のみを基材とする発泡性浮遊モノリス又は多粒子系を記載している。発泡レベル、特に微小粒子内の発泡レベルを正確に調整すること、したがって異なる粒子間の浮力を一定で再現性のあるものとすることが常に非常に困難なので、このような発泡系は望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開WO01/58424号
【特許文献2】仏国特許第2263744号
【特許文献3】米国特許第5,626,876号
【特許文献4】国際公開WO2006/063858号(米国特許出願公開第2008/0317841号)
【特許文献5】US4,844,905
【特許文献6】US4,101,650
【特許文献7】WO2007/010400
【特許文献8】US6,261,601
【特許文献9】国際公開WO02/105415号
【特許文献10】EP0709087
【特許文献11】WO03/030878
【特許文献12】EP1524968
【特許文献13】EP1524969
【特許文献14】PCT/FR2009/050719
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Rouge N.ら、Pharm. Acta Helv. 73(2) 81〜87(1998)
【非特許文献2】Joseph N. J.ら、Journal of Controlled Released (2002)79、71〜79
【非特許文献3】Jain Sunil K.ら、Drug Development and Industrial Pharmacy(2007)33、381〜391頁
【非特許文献4】Streubel A.ら、International Journal of Pharmaceutics 198 (2002)、279〜292
【非特許文献5】Choi B. Y.ら、International Journal of Pharmaceutics 239 (2002) 81〜91
【非特許文献6】Bulgarelli E.ら、International Journal of Pharmaceutics 198 (2000)、157〜165
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、実施が容易で、低コストであり、簡易、正確、かつ再現性のある方法で放出プロファイルが延張された胃内滞留時間に適合させることができる多粒子浮遊系が現に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本出願人の功績は、その上に放出制御コーティング層で被覆された活性成分の層がそれぞれ堆積されている浮遊コアを含む多数の微小粒子を含む医薬組成物によって、この要求に応えたことである。
【0014】
発明の医薬組成物は、多粒子である、即ち、多数の微小粒子(例えば数百個又は更には数千個)によって構成される。このように多数の粒子から構成されることにより、胃腸管全体における活性成分の輸送動態の良好な再現性が統計学的に確実となり、バイオアベイラビリティの制御が改善され、ひいては有効性が改善される。このように多数の微小粒子を含む結果として、それぞれが互いに独立して異なる動態で放出され得る異なる活性成分を含む微小粒子を容易に組み合わせることできる。
【0015】
経口経路によって投与されると、発明による組成物はコーティング微小粒子(又は顆粒)を放出し、それらは胃内容物上部の中に残るので、それらの胃内滞留時間が延長される。顆粒のコーティングは、この胃内滞留時間を考慮した活性成分の放出制御に好適である。
【発明の効果】
【0016】
発明による組成物は、膨潤性ゲル化マトリックスを基材とする系又は胃内で発泡する系と比較して、有利である。一方では、コーティング粒子の寸法は実質的に一定のままであり、放出の制御及び再現性が可能となるため、他方では、浮遊が速やかであり、その間剤形が浮遊しないために幽門から排出されるおそれがある、水和、膨潤、又は発泡反応のための時間を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1(Figure 1)は、本発明の医薬組成物中に使用されるコーティング微小粒子の横断面図である。1はコーティング微小粒子であり、2は浮遊コアであり、3は活性成分を含む層であり、4は放出制御コーティングである。
【図2】図2(Figure 2)は、本発明の実施例1において特性決定した、セルロースアセテートフタレート顆粒「Cellacefate Pellet」の双眼顕微鏡写真(倍率0.6×1.6)である。
【図3】図3(Figure 3)は、本発明の実施例2の、セルロースアセテートフタレート「Cellacefate Powder」を篩い分けすることよって得られた500〜1000μmの画分の双眼顕微鏡写真(倍率0.6×1.6)である。
【図4】図4(Figure 4)は、本発明の実施例4に従って製造した、フィルム-コーティング比20%でコーティングされているセルロースアセテートフタレート顆粒の双眼顕微鏡写真である。
【図5】図5(Figure 5)は、実施例4の浮遊粒子に関して、0.1N HCl中に溶出したリン酸カルベジロールの百分率を時間の関数として示すグラフである。
【図6】図6(Figure 6)は、本発明の実施例6に従って製造した、フィルム-コーティング比20%でコーティングされているセルロースアセテートフタレート顆粒の双眼顕微鏡写真である。
【図7】図7(Figure 7)は、実施例6においてフィルム-コーティング比20%(黒丸を伴う曲線)及びフィルム-コーティング比15%(黒四角を伴う曲線)で製造した浮遊粒子に関して、0.1N HCl中に溶出したリン酸カルベジロールの百分率を時間の関数として示すグラフである。
【図8】図8(Figure 8)は、実施例8において製造した浮遊粒子に関して、0.1N HCl中に溶出したイブプロフェンの百分率を時間の関数として示すグラフである(×印を伴う曲線)。
【図9】図9(Figure 9)は、本発明の実施例10に従って製造した、フィルム-コーティング比28%でコーティングされているセルロースアセテートフタレート顆粒の双眼顕微鏡写真である。
【図10】図10(Figure 10)は、実施例10においてフィルム-コーティング比15%(黒三角を伴う曲線)及びフィルム-コーティング比28%(黒四角を伴う曲線)で製造した浮遊粒子に関して、0.1N HCl+0.5% Tween20中に溶出した塩酸メトホルミンの百分率を時間の関数として示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
したがって、発明の主題は、少なくとも1種の活性成分を含有する層が表面に堆積している浮遊コアをそれぞれ含む多数の放出制御コーティング微小粒子を含む医薬組成物であって、前記層が放出制御コーティングで被覆されており、前記の浮遊コアが、0.6 g/mL以下、好ましくは0.5g/mL以下、更に好ましくは0.4g/mL以下の見掛け密度を有しており、かつ、前記コーティング微小粒子が0.7g/mL以下、好ましくは0.6g/mL以下、更に好ましくは0.5g/mL以下の見掛け密度を有する医薬組成物である。
【0019】
本発明の主題は、より特定すれば、少なくとも1種の活性成分を含む層が表面に堆積している浮遊コアをそれぞれ含む多数の放出制御コーティング微小粒子を含む医薬組成物であって、前記層が放出制御コーティングで被覆されており、前記浮遊コアが、セルロースアセテートフタレートからなり且つ0.6g/mL以下の見掛け密度を有し、かつ、前記コーティング微小粒子が0.7g/mL以下の見掛け密度を有することを特徴とする医薬組成物である。
【0020】
本発明の主題はまた、少なくとも1種の活性成分を含む層が表面に堆積している浮遊コアをそれぞれ含む多数の放出制御コーティング微小粒子を含む医薬組成物であって、前記層が放出制御コーティングで被覆されており、前記浮遊コアがセルロースアセテートフタレートからなることを特徴とする医薬組成物である。
【0021】
本発明による浮遊コアは有利には、0.2以上、好ましくは0.4以上の、好ましくは0.6以上の閉気孔率を有する。
【0022】
浮遊コアは有利には、「試験」の部分で後述する浮遊試験によって測定した場合に、1時間後に50%以上、好ましくは4時間後に50%以上、より好ましくは6時間後に50%以上、更に好ましくは8時間後に50%以上の浮遊度Fを有する。
【0023】
種々の密度は、ヨーロッパ薬局方、第6版第4追補、モノグラフ02.02.42に示される定義によって理解される。より具体的には、以下の定義を示す:
【0024】
真密度(ρv):この密度は、粒子内空隙又は粒子間空隙を含まない、固体が占める体積のみを考慮する。この密度は、ヘリウム比重瓶を用いて測定し、ヘリウムガスは閉気孔を透過する。
【0025】
有効粒子密度(ρp):この密度は、固体が占める体積及び粒子の閉気孔の体積を考慮する。これは、「試験」の部分に関連して後述する、有効粒子密度を測定するための試験に従って、液体比重瓶を用いて得られる。
【0026】
見掛け密度(ρa):見掛け密度は、「試験」の部分に関連して後述する、沈降後の見掛け密度を測定するための試験に従って、粉体床の沈降後に得られる。考慮する体積は、粒子の体積及び沈降した粉体床の粒子間体積を含む。
【0027】
本発明の意味の範囲内及び本開示全体において、用語「活性成分」は、活性成分自体だけでなく、その塩、エナンチオマー、異性体、溶媒和物又は多形も網羅する。
【0028】
用語「コーティング」又は「フィルム-コーティング」は、同義で使用して、活性成分の放出を制御する層を意味する。
【0029】
コーティングは、活性成分の放出を調節、遅延又は持続できる場合には、「放出制御」と称する。このようなコーティングは文献に広範に記載されており、本発明に特に適するコーティングは、特許出願EP0709087、WO03/030878、EP1524968、EP1524969及びPCT/FR2009/050719中に具体的に記載されているものである。
【0030】
本発明によれば、「セルロースアセテートフタレートからなる浮遊コア」とは、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは最低70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも98重量%のセルロースアセテートフタレートを含む浮遊コアを意味する。特に有利な一実施形態において、浮遊コアは、セルロースアセテートフタレートによって本質的に構成される。
【0031】
浮遊コア:
前記浮遊コアは、経口投与剤形に適合する。
【0032】
使用する浮遊コアは、0.6g/mL以下、好ましくは0.5g/mL以下、更に好ましくは0.4g/mL以下の見掛け密度を有する。
【0033】
特定の一実施形態によれば、発明による浮遊コアは、有効粒子密度が常に真密度未満となるような閉気孔率を有する。閉気孔率は、以下のようにして算出する:
【0034】
【数1】

【0035】
別の特定の実施形態によれば、発明による浮遊コアは、0.2以上、好ましくは0.4以上、好ましくは0.6以上の閉気孔率を有する。
【0036】
発明の別の実施形態によれば、浮遊コアは多孔質である。
【0037】
発明の別の実施形態によれば、浮遊コアは、「試験」の部分で後述する浮遊試験によって測定された場合に、1時間後に50%以上、好ましくは4時間後に50%以上、より好ましくは6時間後に50%以上、更に好ましくは8時間後に50%以上の浮遊度Fを有する。
【0038】
本発明の組成物の微小粒子中に使用する浮遊コアは、実質的には開気孔率を有さないので、中間層を用いずに湿式法によって活性成分を直接堆積させることが可能である。
【0039】
好ましい一実施形態によれば、浮遊コアの等体積球相当平均径は、50μm〜4000μmである。当業者に知られている標準的な技術による篩分け操作により、規定された粒度部分を選択可能である。より詳しくは、前記浮遊コアは、以下の範囲:50〜500μm、500〜1000μm又は1000〜4000μmの1つの範囲内の等体積球相当平均径を有することができる。
【0040】
特定の一実施形態において、浮遊コアは、本発明による医薬組成物の製造過程においてそれらが受ける、特に剪断力、摩擦及び衝撃に耐える充分な機械的強度を有する。詳細には、有利な一実施形態によれば、活性成分の層は、標準的な技術を用いて、Wurster管又はロータリー式造粒器(例えばGlatt(Germany)製のGPCG1)を装着した流動床装置中で噴霧によって堆積させる。したがって、有利な一実施形態によれば、浮遊コアは、「摩損度試験(friability test)」によるそれらの摩損度(以下の「試験」の部分において定義する)によって測定した場合に、30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満の機械的強度を有する。
【0041】
一部の医薬賦形剤は、それらの製造過程の結果として、0.6g/mL以下の見掛け密度、少なくとも1時間にわたって少なくとも50%の水性媒体中浮遊度、30%未満の摩損度、50μm〜4000μmの体積平均粒径、0.2以上の閉気孔率を有することができ、容易に篩い分けすることができる。
【0042】
特に、Eastman Chemical Companyによって商標Eastman(登録商標) C-A-P Cellulose Ester NF(登録商標)として顆粒又は粉末の形態で市販されているセルロースアセテートフタレート(セラセフェート)(FDA Drug Master File #8)がこれに該当する。Eastman Chemicalによって市販されているセルロースアセテートフタレートを、医薬組成物中のコーティングポリマーとして使用することは知られている。
【0043】
本発明者らの功績は、顆粒又は粉体の形態で市販されているこのポリマーを、フィルム形成腸溶性ポリマーとしてではなく、本発明の浮遊系の浮遊コアとして使用可能なことを発見したことである。
【0044】
したがって、有利な一実施形態によれば、発明の医薬組成物において、浮遊コアは、セルロースアセテートフタレートからなり、即ち、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60%重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも98重量%のセルロースアセテートフタレートを含む。特に有利な一実施形態において、本発明による浮遊コアは、セルロースアセテートフタレートによって構成され、即ち、約100重量%のセルロースアセテートフタレートを含む。例えば、本発明による浮遊コアは、セルロースアセテートフタレートの顆粒であることができる。これらのセルロースアセテートフタレート顆粒は、pH5.5未満の媒体に不溶性なので、胃液に不溶性であり、本発明の意味の範囲内で浮遊系である。これらの顆粒は、それら自体が浮遊し、それらの表面に液体法によって活性成分を堆積させることを可能とし、中間防水フィルムを堆積させる必要なしに浮遊系を得ることを可能にする。
【0045】
好ましい一実施形態によれば、前記浮遊コアは、Eastman Chemical Companyによって商標Eastman(商標) C-A-P Cellulose Ester NF (FDA Drug Master File # 8) として粉末又は顆粒の形態で市販されているセルロースアセテートフタレート顆粒である。
【0046】
有利には、本発明による微小粒子は、発泡性賦形剤を含まない。
【0047】
活性成分:
このような医薬組成物は、短い吸収ウィンドウを有するか又は胃内で優先的に吸収される活性成分に特に有利である。これらはまた、胃内で局所活性を有する活性成分、例えば、胃酸過多及び胃又は十二指腸潰瘍の局所治療のための、特にピロリ菌(Helicobacter pylori)の治療のための活性成分に有利であることができる。本発明によって実現される胃内滞留時間の増加により、これらの活性分子の有効性を増大することができ、したがって、これらの細菌の根絶に必要な最小用量を減少させることが可能となる。
【0048】
活性成分を、任意選択で結合剤を用いて、浮遊コアの表面に配置することによって活性成分層を形成させ、この活性成分層を放出制御コーティングで被覆する。この結合剤は、浮遊コアへの活性成分の付着をより良好にする。本発明の有利な一実施形態によれば、当業者に知られている種々の結合剤のうち、水溶性ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、多糖類、アラビアガム、寒天、カロブガムなどのポリマーを使用する。選択される結合剤の性質は、活性成分とのその化学的適合性によって異なり得る。定量的な観点では、この結合剤を、活性成分層の5〜95%、好ましくは5〜50%、更に好ましくは5〜20%の割合で使用する。活性成分層は、当業者によって標準的に使用されている他の賦形剤を含むこともできる。特に、分散剤、界面活性剤、保存剤、緩衝剤、保護剤、着色剤及びそれらの混合物が挙げられる。
【0049】
放出制御コーティング
放出制御コーティングは、当業者に知られている技術によって、例えば、流動床内でのスプレーコーティングの技術によって、活性成分の層が被覆された浮遊コア上に適用する。
【0050】
本発明の医薬組成物においては、放出制御をもたらす任意の型のコーティングを使用することができる。特に、参照によって本明細書中に組み込む特許出願EP0709087、WO03/030878、EP1,524,968、EP1,524,969及びPCT/FR2009/050719に詳述されているコーティングが挙げられる。当業者ならば、望ましい溶出プロファイルを得るために、コーティングの性質及びフィルム-コーティング比を調整することができる。
【0051】
したがって、本発明の変形形態によれば、放出制御コーティングは、
- 少なくとも1種の水不溶性フィルム形成ポリマーP1と、
- 少なくとも1種の水溶性ポリマーP2と、
- 少なくとも1種の可塑剤PLと
を含む。
【0052】
水不溶性フィルム形成ポリマーP1は、水不溶性セルロース誘導体、特にエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート;アンモニオ(メタ)アクリレートコポリマー、特にA型(例えば、Eudragit RL)又はB型(例えば:Eudragit RS);エチレン及び酢酸ビニルのコポリマー;並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0053】
水溶性ポリマーP2は、ポリビニルピロリドン(PVP);可溶性セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース;イソマルト;マルトデキストリン;ポロキサマー;ポリエチレングリコール;ポリビニルアルコール;ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー;キサンタンガム;アラビアガム;カラギーナンガム;グアーガム;カロブガム;寒天;ポリデキストロース;メチルビニルエーテル及び無水マレイン酸又はマレイン酸のコポリマー;並びにそれらの混合物からなる群から選択することができ、このポリマーは好ましくはポリビニルピロリドンである。
【0054】
可塑剤PLは、グリセリルエステル、フタル酸エステル、クエン酸エステル、セバシン酸エステル、特にセバシン酸ジブチル、セチルアルコールエステル、ヒマシ油、ポリエチレングリコール;及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0055】
より具体的には、このコーティングは、
- 不溶性フィルム形成ポリマーP1 50〜90%と、
- 水溶性ポリマーP2 2〜25%、好ましくは5〜15%と、
- 可塑剤PL 2〜20%、好ましくは4〜15%と
を含むことができる。
【0056】
より詳しくは、このコーティングにおいて、P1はエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、アンモニオ(メタ)アクリレートコポリマー、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマーからなる群から選択され、P2は好ましくはポリビニルピロリドンであり、可塑剤PLは好ましくはヒマシ油又はセバシン酸ジブチルである。
【0057】
一例として、このようなコーティングは、エチルセルロース50〜90%、ポリビニルピロリドン2〜25%及びヒマシ油2〜20%を含むことができる。
【0058】
P1、P2及びPLの量は好ましくは、以下の特性を満たす:コーティングの総質量に対するP1の乾燥重量としての質量分率は40〜90%であり、乾燥重量としての質量分率P2/P1+P2は15〜60%であり、乾燥重量としての質量分率PL/P1+PLは1〜30%である。
【0059】
本発明の別の変形形態によれば、放出制御コーティングは、
- セルロース誘導体:セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート;カルボキシメチルエチルセルロース;(メタ)アクリル酸コポリマー(EUDRAGIT(登録商標)S又はL);ポリビニルアセテートフタレート;及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーAと、
- 水素化植物油、トリグリセリド及びそれらの混合物からなる群から選択される化合物Bと
を含む。トリグリセリドは変性された天然物であるため、トリグリセリドが特にモノ-及び/又はジグリセリドを少量含む可能性があることがわかっており、重量比B/Aは0.25〜1.5、好ましくは0.5〜1である。
【0060】
このコーティングは、遅延及び制御の両方が行われる 活性成分の放出を可能にする。
【0061】
更に別の変形形態によれば、放出制御コーティングは、少なくとも、
- 前記コーティングの総重量に対して10〜75重量%の、水不溶性の少なくとも1種のポリマー、
- 前記コーティングの総重量に対して25〜90重量%の、遊離カルボキシル基を有する少なくとも1種のコポリマー、及び
- 前記コーティングの総重量に対して0〜25重量%の少なくとも1種の可塑剤
からなる物質を含み、前記ポリマーに存在する遊離カルボキシル基を有するポリマー/水不溶性ポリマーの重量比は、少なくとも0.25である。
【0062】
水不溶性ポリマーは、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート、アンモニオ(メタ)アクリレートコポリマー、特にA型及びB型、ポリ(メタ)アクリル酸エステル並びにそれらの混合物から選択することができ、遊離カルボキシル基を有するポリマーは、メタアクリル酸とメタクリル酸メチルとのコポリマー、メタアクリル酸とアクリル酸エチルとのコポリマー、セルロース誘導体、例えば、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース;セラックガム、ポリビニルアセテートフタレート;及びそれらの混合物から選択することができる。
【0063】
好ましくは、このコーティングは、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレート又は「A」型又は「B」型のアンモニオ(メタ)アクリレートコポリマーと、メタクリル酸とアクリル酸エチルとのコポリマー若しくはメタクリル酸とメタクリル酸メチルとのコポリマー又はそれらの混合物のうち少なくとも1種との、少なくとも1種の混合物によって形成される。
【0064】
放出制御コーティングは、どのような型が選択されるにせよ、当業者によって現在使用されている添加剤、例えば、滑沢剤又は界面活性剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム又はポリオキシエチレン化硬化ヒマシ油を更に含むことができる。
【0065】
本発明の特定の一実施形態によれば、活性成分層と放出制御コーティングの層との間に、活性成分を特に空気の酸素若しくは水分及び/又はコーティング層の成分の1つから保護するように作用する追加の層を適用することが必要な場合がある。この追加層は、当業者に知られている技術によって、例えば、流動床中におけるスプレーコーティングの技術によって数質量%の比率で適用でき、主として、その保護作用が当業者に知られているポリマーから選択されるフィルム形成ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はColorcon Limited (Dartford、UK)から入手可能なポリビニルアルコールポリマーから構成される。
【0066】
フィルム-コーティング比:
本発明による組成物において、コーティング微小粒子は、前記コーティングフィルムが、制御された透過性と工業的再現性を提供できる十分な厚さを有し、見掛け密度を著しく変化させず且つ微小粒子を数時間浮遊させることができる十分な薄さを有するようなものである。したがって、望ましい見掛け密度及び活性成分の望ましい放出プロファイルの両方を得るために、当業者は放出制御コーティングのフィルム-コーティング比を調整することができる。ここで、「フィルム-コーティング比Tp」は、コーティング微小粒子の総質量に対する放出制御コーティング層の質量分率であり、以下のように算出される:
【0067】
【数2】

【0068】
本発明の特定の一実施形態によれば、活性成分の放出制御を可能にするコーティング層のフィルム-コーティング比Tpは、5〜50%、好ましくは10〜40%、更に好ましくは15〜30%である。
【0069】
このようなフィルム-コーティング比は、工業的に再現性のある方法で活性成分の望ましい放出プロファイルを提供しつつ、他方では良好な浮遊度を確実にするためにコーティング微小粒子の見掛け密度を0.7g/mL超に、好ましくは0.6g/mL超に、更に好ましくは0.5g/mL超に増加させないために十分な比である。
【0070】
したがって、コーティングとその組成の選択によって、活性成分の放出を調整し、同時にその浮遊能を保持することができ、その結果、この放出を活性成分の胃内滞留時間及び吸収動態とよりよく同期させることができる。
【0071】
本発明の医薬組成物中に使用するコーティング微小粒子の構造から見て、一方では、その見掛け密度及び/又はその浮遊度及び/又はその閉気孔率によって浮遊コアを選択することよって浮遊コアの浮遊を調整することが可能であり、他方では、放出制御コーティングの性質及びフィルム-コーティング比によって活性成分の放出制御を調整することが可能であり、胃内滞留時間と放出持続時間とを容易に同期させて、活性成分の有効性を最適化することができる。
【0072】
本発明による医薬組成物は、経口投与用の分包(sachet)、懸濁剤、ゼラチンカプセル剤、錠剤又は口腔内崩壊錠(orodispersible tablet)の形態で提供される。前述した微小粒子は別に、この医薬組成物は、当業者に知られている賦形剤、例えば、特に圧縮剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、粘稠化剤(viscosifier)、流動化剤(fluidifier)、着色剤、甘味剤などを含むことができる。
【0073】
本発明の主題はまた、少なくとも1種の活性成分を含む層が表面に堆積しているコアを含み、0.7g/mL以下の見掛け密度を有する放出制御コーティング微小粒子であって、前記層が放出制御コーティングで被覆されており、前記コアがセルロースアセテートフタレートからなり、0.6g/mL以下の見掛け密度を有していることを特徴とする、放出制御コーティング微小粒子である。
【0074】
本発明の主題はまた、少なくとも1種の活性成分を含む層が表面に堆積している浮遊コアを含む放出制御コーティング微小粒子であって、前記層が放出制御コーティングで被覆されており、前記浮遊コアがセルロースアセテートフタレートからなることを特徴とする、放出制御コーティング微小粒子である。
【0075】
本発明による微小粒子は、有利には、「試験」の部分で後述する浮遊試験に従って測定した場合に、1時間後に50%以上、好ましくは4時間後に50%以上、より好ましくは6時間後に50%以上、更に好ましくは8時間後に50%以上の浮遊度Fを有する。
【0076】
本発明の主題はまた、セルロースアセテートフタレートからなるコアを使用して、「試験」の部分で後述する浮遊試験に従って測定した場合に、少なくとも1時間後に50%以上の浮遊度Fを有する前記コアを含む、微小粒子を提供することである。
【0077】
本発明はまた、本発明の組成物を経口経路によって投与することから本質的になる治療方法に関する。
【0078】
医薬組成物の製造
本発明の組成物の製造方法は、
a)浮遊コアを選択する工程と
b)選択的に篩分けする任意の工程と
c)活性成分を前記浮遊コア表面に、任意に結合剤が存在していてもよい条件下で適用する工程と
d)保護フィルムを適用する任意の工程と
e)放出制御コーティングを適用する工程と
からなる順次の工程を含む。
【0079】
この方法は、賦形剤と混合する任意の追加工程と、それに続く任意の圧縮工程とを含むことができる。
【0080】
浮遊粒子を選択する工程a)は、前述した性質に従って、即ち、それらの見掛け密度、粒度、機械的強度及び/又は閉気孔率に従って実施する。
【0081】
工程c)、d)及びe)は、粒子をコーティングするための標準的な粒子技術によって、特に流動床内におけるスプレーコーティングによって実施する。
【0082】
この製造方法は、微小粒子をコーティングするための任意の型の設備において容易に実施することができる。
【0083】
非限定的でない、実例としてのみ記載する後述の実施例及び図を用いて、本発明をより詳細に説明する。
【実施例】
【0084】
試験:
沈降後の見掛け密度の測定(ρa)
測定方法は、ヨーロッパ薬局方(第6版第4追補、02.09.34章)に記載された見掛け体積の試験に基づく。装置は、高さ3mmから250回/分の落下を行える沈降装置及び250mLメスシリンダーによって構成される。粉末100.0gを乾燥シリンダー中に投入する。対応する体積が250cm3より大きい場合には、質量50gのみを投入する。1250回の落下を実施後に、粉末の体積の読み取りを行った。投入された質量対体積読み取り値の比が、g/mLで表される沈降見掛け密度(settled apparent density)に相当する。
【0085】
有効粒子密度(ρp)の測定
使用する装置は、液体比重瓶である。使用する液体は、周囲温度でTween 20界面活性剤0.5重量%を含んでいる規定度0.1Nの塩酸溶液である。液を満たした比重瓶(M1)を正確に秤量する。測定のために採取した粉末サンプル(M2)を秤量する。測定しようとする粉末サンプルを含み、液体が補充された比重瓶(M3)を、正確に秤量する。有効粒子密度は以下のようにして算出する(ρeは液体の密度である)。
【0086】
【数3】

【0087】
浮遊度Fの測定
医薬組成物又はそれらの成分(コーティング微小粒子、浮遊コア)の性能を、浮遊試験を用いて測定する。この浮遊試験は、それらが浸漬された水性媒体の表面に浮遊する能力だけでなく、容器の底部に沈められた後に媒体の撹拌によって表面に戻る能力を評価することができる。このような試験は、試験期間中37℃に保持される、0.5重量%のTween 80界面活性剤を含む規定度0.1 Nの塩酸溶液500mL中に、試験すべき生成物300〜500mgを注ぐことからなる。ヨーロッパ薬局方に記載されたパドル溶解試験(paddle dissolutest)の装置などの溶出装置を使用する。スパチュラを用いて媒体を激しく撹拌することによって、生成物全体を浸漬させる。次いで、観察の間じゅう、撹拌を50rpmに調節する。1時間後、4時間後、6時間後及び/又は8時間後に、浮遊粒子を取り出して秤量し(質量Mfが得られる)、かつ、沈んだ粒子を収集して秤量し(質量Mcが得られる)、下記の値を計算する:
【0088】
【数4】

【0089】
本発明の医薬組成物は、1時間後に、好ましくは4時間後に、更に好ましくは6時間後に、更に好ましくは8時間後にFが50%以上である場合に、「浮遊系」とする。
【0090】
等体積球相当径D[4;3]の測定
平均径は、特性決定しようとする粒度の大きさに応じて、レーザー回折又は篩い分け分析によって測定する。
【0091】
1000μm以下の粒度の場合には、乾燥粉末サンプラーを装着したMastersizer 2000装置を用いてレーザー回折によって粒度分布を測定する。等体積球相当平均径すなわちD(4;3)は、広範囲にわたって測定された粒度分布から、下記式:
D(4;3)=Σ(d4)/Σ(d3)
に従って算出する。
【0092】
1000μm超の粒度の場合には、篩い分け分析法を用いる。篩の選択は、当業者ならば、ヨーロッパ薬局方(第6版第4追補、02.09.38章)を参照することによって容易に行うことができる。
【0093】
摩損度の測定
摩損度試験は、乾式レーザー粒度計を用いて0.1バールの圧力で(即ち、D0.1)、次いで2バールの圧力で(即ち、D2)で径D(4;3)を測定することからなり、摩損度は
【0094】
【数5】

【0095】
に等しい。
【0096】
(実施例)
実施例中において、以下の略語を使用する:
- CAP又はCellacefate:Eastman Chemicals Company (UK)によって商標Eastman(商標)C-A-P Cellulose Ester NFとして市販されているセルロースアセテートフタレート
- Plasdone K29/32:ISPよって市販されているポリビニルピロリドン
- Ethocel 7 premium:Dow Chemicalsよって市販されているエチルセルロース
- TEC:Morflexよって市販されているクエン酸トリエチル
- Eudragit L100-55:Evonikよって市販されているメタアクリル酸/メタクリル酸メチルコポリマー
- Lubritab:JRS Pharmaよって市販されている水素化植物油/水素化油
【0097】
(実施例1):CAP「Cellacefate Pellet」の特性決定
「Cellacefatete Pellet」を双眼顕微鏡で観察し、写真に撮る(図2)。それらの形状は、滑らかな表面を有する卵形である。
【0098】
「Cellacefate Pellet」の見掛け密度ρaは、前述の方法に従って求め、0.324g/cm3に等しい。
【0099】
比重瓶を用いて水中で測定された有効粒子密度ρpは、0.514g/cm3に等しい。
【0100】
ヘリウム比重瓶を用いて測定された真密度ρvは、1.3932g/cm3に等しい。
【0101】
閉気孔率は、0.631=1-(ρpv)である。
【0102】
「Cellacefate Pellet」の浮遊度は、前記試験に従って評価する。24時間後に、全粒子が水性媒体表面に残る。
【0103】
粒度が機械の使用範囲の上限を超える(>1000μm)ため、これらのペレットの摩損度は測定できなかった。摩損度は「Cellacefate Powder」と同様と推定される。
【0104】
(実施例2):CAP「Cellacefate Powder」の特性決定
CAP「Cellacefate Powder」100gを、開口サイズ1000〜50μmの1組の篩に通して篩い分けする。各篩の上に残っている物質を測定し、累積オーバーサイズ率を算出する(表)。篩分けによるD50は、約550μmに等しい。
【0105】
【表1】

【0106】
「Cellacefate Powder」955gを、50μm、500μm及び1000μmの篩布を装着した篩中で手動で篩い分けする。500〜1000μmの部分が499g単離される。
【0107】
「Cellacefate Powder」のこの500〜1000μmの画分を、双眼顕微鏡(倍率0.6×1.6)で観察し、写真に撮る(図3)。それらの形状は、滑らかな表面を有する卵形である。
【0108】
「Cellacefate Powder」500〜1000μmの0.1バール及び2バールにおける体積平均径並びに摩損度は、レーザー粒度測定法によってMalvern Scirocco 2000乾式モジュールで前記試験に従って得られる。
【0109】
【表2】

【0110】
「Cellacefate Powder」500〜1000μmの見掛け密度は、前記方法に従って求め、0.290g/cm3に等しい。
【0111】
「Cellacefate Powder」500〜1000μmの浮遊度は、前記浮遊試験を用いて評価した:粒子の50%が、1時間後に水性媒体表面に残っている。
【0112】
(実施例3):リン酸カルベジロールの浮遊顆粒の製造
リン酸カルベジロールの浮遊顆粒は、以下のようにして製造する:脱イオン水360mL、次いでエタノール540mLを、ステンレス鋼ビーカー中に投入する。Plasdone K29/32 60gをこの混合物中に投入し、600rpm(回転/分)で15分間撹拌する。次いで、リン酸カルベジロール240gを添加し、混合物をホモジネートする。Eastman Chemicalsによって商標「Cellacefate Pellet」として市販されているペレットの形態のCAP 300gを、GLATT GPCG1-1型の流動床反応器中に投入し、予め調製した溶液全てを噴霧する。
【0113】
浮遊リン酸カルベジロール顆粒531gが得られる。
【0114】
(実施例4):浮遊性放出制御リン酸カルベジロール粒子の製造
ヒマシ油2.12g及びTEC5.29gをステンレス鋼ビーカー中に投入し、次いでエタノール426.18gを投入し、600rpmで15分間撹拌する。次に、Plasdone K29/32 9.53g、Ethocel 7 premium 36gを、溶解するまで激しく撹拌しながら添加する。次いて、脱イオン水182.65gを添加する。
【0115】
実施例3で得られたリン酸カルベジロールの浮遊顆粒300gを、Glatt GPCG1-1型の流動床反応器中に投入し、調製した溶液全てを、前記説明において定義したフィルム-コーティング比15%が得られるように噴霧する。浮遊性放出制御粒子328gが得られる。
【0116】
これらの粒子を、図1に図示する。粒子1は、活性成分の層3が堆積している基材2を含み、この活性成分の層3が堆積している基材2自体は、放出制御層4でコーティングされている。実施例1に関連して記載したが、この図は、本発明の組成物中に使用される粒子を一般的に表す。
【0117】
これらの粒子を、双眼顕微鏡下で写真に撮る(図4)。得られたフィルム-コーティングは、粒子の全表面にわたって均一である。
【0118】
これらの粒子の見掛け密度は、前記方法に従って求め、0.429g/cm3に等しい。
【0119】
これらの粒子を、前記試験に従って浮遊度に関して試験する。結果を下記表に示す:6時間後に、粒子の75%が依然として水性媒体表面に浮遊している。
【0120】
【表3】

【0121】
リン酸カルベジロールの溶出の測定
0.1N HCl媒体中へのリン酸カルベジロールの溶出を、0.5cmのセル中において波長285nmにてUV吸光度を測定することによって、予め作成した試験グラフと比較して監視する。100rpmで回転する撹拌パドルを装着した溶出装置(ヨーロッパ薬局方の溶出装置II)の容器当たり900mlの媒体中に、リン酸カルベジロール約80mgに相当する量の粒子を投入し、37℃に保持する。自動サンプリングを所定の間隔で実施し、吸光度の読み取った後に再利用する。溶出したカルベジロールの割合を時間の関数として示す曲線を、図5に示す。
【0122】
(実施例5):リン酸カルベジロールの浮遊顆粒の製造
CAP「Cellacefate Pellet」の顆粒の代わりに、「Cellacefate Powder」を篩い分けすることによって得た500〜1000μmの画分を用いる以外は、手順は実施例3と同じである。
【0123】
浮遊リン酸カルベジロール顆粒507gが、コーティング比50%で得られる。
【0124】
(実施例6):放出制御リン酸カルベジロールの浮遊微小粒子の製造
実施例5において得られた浮遊リン酸カルベジロール顆粒を用い、最終フィルム-コーティング比20%に相当する量のフィルム-コーティング溶液を噴霧する以外は、手順は実施例4と同じである。
【0125】
フィルム-コーティングは、微小粒子の表面全体にわたって均一である。こうして得られたコーティング微小粒子を、双眼顕微鏡で観察した。対応する写真を、図6に示す。
【0126】
前記方法に従って求めたこれらの粒子の見掛け密度は、0.457g/cm3に等しい。
【0127】
体積平均径は、約1027μmである。
【0128】
これらの粒子を、前記試験に従って浮遊度に関して試験する。得られた結果を、下記表に示す。
【0129】
【表4】

【0130】
0.1N HCl媒体へのリン酸カルベジロールの溶出を、実施例4と同一条件下で監視する。溶出したカルベジロールの割合を時間の関数として示す曲線を、図7に黒丸を伴う曲線として示す。
【0131】
最終フィルム-コーティング比15%に相当する量のフィルム-コーティング溶液を噴霧する以外は、前記と同じ手順を用いる。リン酸カルベジロールの溶出を前述のようにして監視し、結果を、図7に黒四角を伴う曲線として示す。
【0132】
(実施例7):イブプロフェンの浮遊顆粒の製造
イブプロフェンの浮遊顆粒を、以下のようにして製造する。アセトン175g、Klucel EF 11.25gをステンレス鋼ビーカー中に撹拌しながら投入し、次いでにイブプロフェン63.75gを添加し、混合物をホモジネートする。「Cellacefate Pellet」300gを、Glatt GPCG1-1型の流動床反応器中に投入し、予め調製した溶液全てを噴霧する。イブプロフェン浮遊顆粒360gが得られる。
【0133】
これらの顆粒を、前記試験に従って浮遊度に関して試験する。
【0134】
20時間後、顆粒は全て、水性媒体表面に浮遊している。
【0135】
(実施例8):放出制御イブプロフェンの浮遊微小粒子の製造
ヒマシ油6g及びCremophor RH40 1.5gを、好適なステンレス鋼ビーカー中のアセトン517.5 g 及びイソプロパノール345g中に撹拌しながら投入する。次いで、Plasdone K29/32 7.5gを添加する。溶解後、Ethocel 20 60gを添加し、溶解するまで激しく撹拌しながら放置する。
【0136】
上の実施例7で得られた顆粒を、Glatt GPCG1-1型の流動床反応器中に投入し、予め調製した溶液を、フィルム-コーティング比20%が得られるように噴霧する。次いで、イブプロフェンの放出制御微小粒子が得られる。
【0137】
求めた見掛け密度は、0.363g/cm3に等しい。
【0138】
これらの粒子を、前記試験に従って浮遊度に関して試験する:これらは全て、少なくとも20時間にわたって媒体表面に残っている。
【0139】
0.1N HCl媒体へのイブプロフェンの溶出を、実施例4と同一条件下で監視する。溶出したイブプロフェンの割合を時間の関数として示す曲線を、図8に示す。
【0140】
(実施例9):塩酸メトホルミンの浮遊顆粒の製造
塩酸メトホルミンの浮遊顆粒を、以下のようにして製造する。塩酸メトホルミン500.0gを、ステンレス鋼ビーカー中の水690.5g中に撹拌しながら溶解させる。「Cellacefate Pellet」500gをGlatt GPCG1-1型の流動床反応器中に投入し、予め調製した溶液全てを噴霧する。塩酸メトホルミン顆粒960gが得られる。
【0141】
(実施例10): 塩酸メトホルミンの浮遊性放出制御微小粒子の製造
Eudragit L100-55 30.0g、Eudragit S100 15.0g及びLubritab 30.0gを、好適なステンレス鋼ビーカー中のイソプロパノール675.0g中に撹拌しながら溶解させる。
【0142】
上の実施例9で得られた顆粒425.0gを、Glatt GPCG1-1型の流動床反応器中に投入し、予め調製した溶液を噴霧する。次いで、放出制御塩酸メトホルミン微小粒子が、コーティング比15%で得られる。
【0143】
続いて、得られた微小粒子の画分に同じ溶液を、最終コーティング比28%が得られるように噴霧する。
【0144】
こうして得られたコーティング微小粒子を、双眼顕微鏡で観察した。対応する写真を、図9に示す。
【0145】
求めた見掛け密度は、0.52g/cm3に等しい。
【0146】
これら2つのバッチの粒子を、前記試験に従って浮遊度に関して試験する:粒子の95%が8時間にわたって媒体表面に残り、70%が24時間後に依然として表面に存在する。
【0147】
0.1N HCl+0.5% Tween 20媒体への塩酸メトホルミンの溶出を、0.1cmのセル中において波長232nmにおけるUV吸光度を測定することによって、予め作成した試験グラフと比較して監視する。100rpmで回転する撹拌パドルを装着した溶出装置(ヨーロッパ薬局方の溶出装置II)の容器当たり900mLの媒体中に、分量の粒子を投入し、37℃に保持する。自動サンプリングを所定の間隔で実施し、吸光度を読み取った後に再利用する。
【0148】
溶出した塩酸メトホルミンの累積比率を時間の関数として示す曲線を、図10に示す(黒三角はコーティング比15%;黒四角はコーティング比28%)。
【符号の説明】
【0149】
1 コーティング微小粒子
2 浮遊コア
3 活性成分を含む層
4 放出制御コーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の活性成分を含む層が表面に堆積している浮遊コアをそれぞれ含む多数の放出制御コーティング微小粒子を含む医薬組成物であって、前記層が放出制御コーティングで被覆されており、前記浮遊コアがセルロースアセテートフタレートからなり且つ0.6g/mL以下の見掛け密度を有することを特徴とし、かつ、前記コーティング微小粒子が0.7g/mL以下の見掛け密度を有する、医薬組成物。
【請求項2】
前記浮遊コアが多孔質であり、浮遊試験に従って測定した場合に、1時間後に50%以上の浮遊度Fを有することを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記浮遊コアが0.2以上の閉気孔率を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記浮遊コアが、明細書中で定義した摩損度試験によって測定した場合に30%未満である機械的強度を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記浮遊コアの等体積球相当平均径が、50〜500μm、500〜1000μm又は1000〜4000μmのうちの1つの範囲内であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記浮遊コアがセルロースアセテートフタレート顆粒であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記浮遊コアが、Eastman Chemical Companyによって商標Eastman(登録商標)C-A-P Cellulose Ester NF (FDA Drug Master File # 8)として市販されているセルロースアセテートフタレート顆粒であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記放出制御コーティングが、
- 50〜90%の水不溶性ポリマーP1と、
- 2〜25%の水溶性ポリマーP2と、
- 2〜20%の可塑剤PLと
を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
- 前記水不溶性フィルム形成ポリマーP1が、水不溶性セルロース誘導体、特にエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート;アンモニオ(メタ)アクリレートコポリマー;エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー;及びそれらの混合物からなる群から選択され、
- 前記水溶性ポリマーP2が、ポリビニルピロリドン(PVP);可溶性セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース;イソマルト;マルトデキストリン;ポロキサマー;ポリエチレングリコール;ポリビニルアルコール;ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー;キサンタンガム;アラビアガム;カラギーナンガム;グアーガム;カロブガム;寒天;ポリデキストロース;メチルビニルエーテルと無水マレイン酸又はマレイン酸とのコポリマー;及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはポリビニルピロリドンであり、
- 前記可塑剤PLが、グリセリルエステル、フタル酸エステル、クエン酸エステル、セバシン酸エステル、特にセバシン酸ジブチル、セチルアルコールエステル、ヒマシ油、ポリエチレングリコール及びそれらの混合物からなる群から選択される
ことを特徴とする、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
P1、P2及びPLの量が、コーティングの総質量に対するP1の乾燥重量としての質量分率が40〜90%であり、乾燥重量としての質量分率P2/P1+P2が15〜60%であり、かつ、乾燥重量としての質量分率PL/P1+PLが1〜30%であるという特性を満たすことを特徴とする、請求項8又は9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記放出制御コーティングが、
- セルロース誘導体:セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート;カルボキシメチルエチルセルロース;(メタ)アクリル酸コポリマー;ポリビニルアセテートフタレート;及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーAと、
- 水素化植物油、トリグリセリド及びそれらの混合物からなる群から選択される化合物Bと
を含み、
- 重量比B/Aが0.25〜1.5、好ましくは0.5〜1である
ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記放出制御コーティングが、少なくとも、
- 前記コーティングの総重量に対して10〜75重量%の、好ましくはエチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート、アンモニオ(メタ)アクリレートコポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸エステル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種の水不溶性ポリマーと、
- 前記コーティングの総重量に対して25〜90重量%の、好ましくはメタアクリル酸とメタクリル酸メチルとのコポリマー、メタアクリル酸とアクリル酸エチルとのコポリマー、セルロース誘導体、例えば、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート;カルボキシメチルエチルセルロース;セラックガム;ポリビニルアセテートフタレート;及びそれらの混合物から選択される、遊離カルボキシル基を有する少なくとも1種のポリマーと、
- 前記コーティングの総重量に対して0〜25重量%の少なくとも1種の可塑剤と
からなる材料を含み、
前記ポリマーの[遊離カルボキシル基を有するポリマー/水不溶性ポリマー]の重量比が、0.25以上であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
少なくとも1種の活性成分を含む層が表面に堆積している浮遊コアを含む放出制御コーティング微小粒子であって、前記層が放出制御コーティングで被覆されており、前記コアがセルロースアセテートフタレートからなることを特徴とする、放出制御コーティング微小粒子。
【請求項14】
明細書中で定義された浮遊試験に従って測定した場合に、1時間後に50%以上の浮遊度Fを有することを特徴とする、請求項13に記載の放出制御コーティング微小粒子。
【請求項15】
コアを含む微小粒子に、明細書中で定義した浮遊試験に従って測定して、1時間後に50%以上の浮遊度Fを与える、セルロースアセテートフタレートからなるコアの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−528134(P2012−528134A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512441(P2012−512441)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【国際出願番号】PCT/FR2010/051038
【国際公開番号】WO2010/136739
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(505437321)フラメル・テクノロジーズ (14)
【Fターム(参考)】