説明

浮遊溶解炉または浮遊転炉の精鉱バーナーの粉末状固形物の供給を均等にする供給装置

本発明は、浮遊溶解炉または浮遊転炉(1)の精鉱バーナー(2)に粉末状固形物を供給する装置を対象とする。精鉱バーナー(2)は、反応ガス供給手段(6)、粉末状固形物供給手段(3)、および精鉱散布装置(7)を含んでいる。本供給装置は、粉末状固形物を精鉱バーナー(2)の粉末状固形物供給手段(3)に供給する第1粉末状固形物放出パイプ(8)を含んでいる。第1粉末状固形物放出パイプ(8)は、固形物を分割する第1隔壁(10)を備え、第1隔壁は第1粉末状固形物放出パイプ(8)を2つの実質的に同じである放出パイプ部分(11)に分割するものである。精鉱バーナー(2)の粉末固形物供給手段(3)は、精鉱バーナーの精鉱散布装置(7)を取り囲む環状精鉱放出導管(4)を含んでいる。第1粉末状固形物放出パイプ(8)の各放出パイプ部分(11)は、第2隔壁(13)によって、少なくともその一部が2つの放出パイプ部分(12)に分割されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、本願特許請求項1の前段に係る、粉末状固形物を浮遊溶解炉または浮遊転炉の精鉱バーナーに供給する装置に関するものである。
【0002】
本発明は、例えばフラッシュ・スメルティング炉などの浮遊溶解炉の精鉱バーナーの粉末状固形物の供給機器に関するものであり、本供給機器を使用して、浮遊溶解炉または浮遊転炉の反応シャフトに供給される粉末状固形物の供給材を、すぐに精鉱バーナーに均等に散布できる。
【0003】
例えば精鉱、スラグ生成剤、煙塵などの粉末状固形物の浮遊溶解炉または浮遊転炉への供給は、浮遊溶解炉または浮遊転炉の反応シャフトの上に配設された精鉱バーナーを介して行われる。本明細書で後述するように、精鉱という用語は、もっぱら、浮遊溶解炉または浮遊転炉の精鉱バーナーを介して供給されるすべての粉末状固形物のことを指している。精鉱バーナーを適切に稼動させるために極めて重要なのは、精鉱およびプロセス・ガスを精鉱バーナーから反応空間に、すなわち浮遊溶解炉または浮遊転炉の反応シャフトの上部に放出する際、精鉱およびプロセス・ガスを均等に混ぜ合わせることである。さもなければ、目安とされるプロセス・ガスと精鉱の比率よりも精鉱のほうが多く、十分に精鉱が反応しない領域ができる一方で、精鉱が目安とされるプロセス・ガス/精鉱比よりも少ないために精鉱が過度に反応してしまう領域ができる。例えば、混合が不十分だと、スラグの質が悪くなる。
【0004】
精鉱の散布が不十分だと、反応シャフトの温度プロファイルにも目立った影響が及ぶ。すなわち、浮遊溶解炉内で高温の領域が発生し、精鉱によって形成される反応シャフトを保護する自生ライニングがより大きな熱応力にさらされてしまい、最悪の場合、反応シャフトの壁が破壊されることがある。また、精鉱の散布が不十分なために精鉱バーナーが正常に機能しないと、ダストの形成が著しいとの指摘もなされている。
【0005】
特許明細書WO 00/73519号では、浮遊溶解炉または浮遊転炉の精鉱バーナーへの粉末状固形物の供給を均等にする機器を開示している。
【発明の簡単な説明】
【0006】
本発明は、粉末状固形物の均等供給をさらに向上させることを目的とする。
【0007】
本発明の目的は、独立請求項1の、粉末状固形物を浮遊溶解炉または浮遊転炉の精鉱バーナーに供給する装置によって達成される。
【0008】
本発明に係る装置の好適な実施形態を、従属請求項に記載する。
【0009】
本発明は次のことを基本とする。すなわち、粉末状固形物の放出パイプ内の精鉱供給材を第1隔壁および2つの第2隔壁を用いて4分割するため、粉末状固形物の放出パイプにおいて精鉱用に4つの放出パイプ部分が形成され、放出パイプ部分は、必須ではないが好ましくは精鉱バーナーの粉末状固形物の供給手段の環状精鉱放出導管の中まで延伸している。好適な実施形態において、粉末状固形物放出パイプの第1隔壁がまず精鉱供給材を二分し、次に、粉末状固形物放出パイプの第2隔壁が2つの部分に分かれることで、第1隔壁と第2隔壁が供給材を4つに分割するよう構成されている。
【0010】
好適な実施形態では、粉末状固形物放出パイプの第1隔壁および第2隔壁は、精鉱バーナーの環状精鉱放出導管内に延伸して、環状精鉱放出導管の中央に設けられた精鉱散布装置まで達している。
【0011】
好適な実施形態では、精鉱バーナーの環状精鉱放出導管は複数のブレードを備えていて、ブレードは環状精鉱放出導管の少なくとも一部分を分割してセクタを形成する。本好適な実施形態では、粉末状固形物放出パイプの第1隔壁は、粉末状固形物供給手段の環状精鉱放出導管の内側に延伸して、環状精鉱放出導管を分割してセクタを形成するブレードまで達しているため、ブレードと第1隔壁とによって一体構造が構成される。本好適な実施形態では、粉末状固形物放出パイプの第2隔壁はそれぞれ、粉末状固形物供給手段の環状精鉱放出導管の内側に延伸して、環状精鉱放出導管を分割してセクタを形成するブレードまで達しているため、ブレードと第2隔壁とによって一体構造が構成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下に、本発明の好適な実施形態のいくつかについて、添付の図面を参照して詳細に述べる。
【図1】浮遊溶解炉または浮遊転炉およびその供給機器の基本図を示す。
【図2】浮遊溶解炉または浮遊転炉の精鉱バーナーの供給装置の第1の好適な実施形態の垂直断面図である。
【図3】および
【図4】精鉱バーナーの粉末状固形物供給手段の粉末状固形物放出パイプおよび環状精鉱放出導管の構造配列を示す垂直断面図および横断面図である。
【図5】浮遊溶解炉の精鉱バーナーの供給装置の第2の好適な実施形態の垂直断面図である。
【図6】および
【図7】精鉱バーナーの粉末状固形物供給手段の2本の粉末状固形物放出パイプおよび環状精鉱放出導管の構造配列を示す垂直断面図および横断面図である。
【図8】図7に係る精鉱バーナーの粉末状固形物供給手段の2本の粉末状固形物放出パイプおよび環状精鉱放出導管の構造配列の別の実施例を示す。
【図9】および
【図10】精鉱バーナーの粉末状固形物供給手段の粉末状固形物放出パイプおよび環状精鉱放出導管の構造配列を示す横断面図および鉛直断面図である。
【発明の詳細な説明】
【0013】
図1は浮遊溶解炉または浮遊転炉1の一例を示し、この炉に、精鉱バーナー2を介して、精鉱、スラグ生成剤、および/または煙塵などの粉末状固形物(図示せず)を供給する。
【0014】
図1において、粉末状固形物は、第1粉末状固形物放出パイプ8によって、精鉱バーナーの粉末状固形物供給手段3の環状の精鉱放出導管4の上部に移され、前述の環状精鉱放出導管4から浮遊溶解炉または浮遊転炉1の反応シャフト5の上部に連続的な流れとして流下する。図1では、反応ガス(図示せず)が、反応ガス供給手段6を通じて環状ガス放出導管9の周りから反応シャフト5の上部へと、反応シャフト5方向に運ばれる。
【0015】
図2は粉末状固形物を精鉱バーナー2に散布する装置を詳細に示すものであり、粉末状固形物も反応ガスも一方向から供給される。粉末状固形物は、第1粉末状固形物放出パイプ8、好ましくは空気コンベヤによって、粉末状固形物供給手段3の環状精鉱放出導管4に運ばれる。環状精鉱放出導管4の中央には精鉱散布装置7が配設され、その下部には複数の穴(参照符号なし)が設けられていて、この穴から、横向きに供給された散布ガス(図示せず)が精鉱の流れを外側に行き渡らせる。精鉱バーナー2に含まれる反応ガス供給手段6は環状ガス放出導管9に接続され、環状ガス放出導管は環状精鉱放出導管4を取り囲んで反応ガスを反応シャフト5の上部に放出する。このように、精鉱バーナー2はその全体として、反応ガス供給手段6、粉末状固形物供給手段3、およびこれらの手段の中心に精鉱散布装置7を備えている。
【0016】
図5は粉末状固形物を精鉱バーナー2に散布する別種の装置を示していて、本図では図2の例示から離れて、粉末状固形物も反応ガスも2方向から、2つの反応ガス供給手段6、ならびに第1粉末状固形物放出パイプ8および第2粉末状固形物放出パイプ19によって供給される。
【0017】
本発明は第1に、粉末状固形物を浮遊溶解炉または浮遊転炉1の精鉱バーナー2に供給する装置を対象とし、精鉱バーナーは例えば図1、図2、または図5における方式で使用可能である。
【0018】
本装置は、第1粉末状固形物放出パイプ8を含む。
【0019】
あるいは、本装置は、第1粉末状固形物放出パイプ8および第2粉末状固形物放出パイプ19の2つを有していてもよい。
【0020】
精鉱バーナーは、反応ガス供給手段6、粉末状固形物供給手段3、および精鉱散布装置7を含む。
【0021】
第1粉末状固形物放出パイプ8と、もし有れば第2粉末状固形物放出パイプ19とには粉末状固形物供給材を分割する第1隔壁10が設けられていて、この隔壁によって第1粉末状固形物放出パイプ8、そしてもし有れば、第2粉末状固形物放出パイプ19が2つの実質的に同じである放出パイプ部分11に分割される。
【0022】
精鉱バーナー2の粉末状固形物供給手段3は、精鉱バーナー2の精鉱散布装置7を取り囲む環状の精鉱放出導管4を備えている。
【0023】
第1粉末状固形物放出パイプ8および設けられていれば第2粉末状固形物放出パイプ19の第1隔壁10は、必須ではないが好ましくは、図4および図7に示すように、粉末状固形物供給手段3の環状精鉱放出導管4の内側に延びている。
【0024】
第1粉末状固形物放出パイプ8および、有れば第2粉末状固形物放出パイプ19の各放出パイプ部分11は、第2隔壁13によって、少なくとも一部分が2つの放出パイプ部分15に分けられているため、4つの放出パイプ部分12が第1粉末状固形物放出パイプ8および、有れば第2粉末状固形物放出パイプ19に形成される。
【0025】
第1粉末状固形物放出パイプ8および、有れば第2粉末状固形物放出パイプ19の第2隔壁13は、必須ではないが好ましくは、図4および図7に示すように、粉末状固形物供給手段3の環状精鉱放出導管4の内側まで延びている。
【0026】
図4および図7において、第1隔壁10は、粉末状固形物供給手段3の環状精鉱放出導管4内の精鉱散布装置7まで延びているか、または精鉱散布装置7の近傍あるいは精鉱散布装置7にほとんど接するあたりまで延びている。
【0027】
図4および図7において、第2隔壁13は、粉末状固形物供給手段3の環状精鉱放出導管4内の精鉱散布装置7まで延びているか、または精鉱散布装置7の近傍あるいは精鉱散布装置7にほとんど接するあたりまで延びている。
【0028】
図4、図7、および図8において、粉末状固形物供給手段3の環状精鉱放出導管4にはブレード14が設けられていて、ブレードは粉末状固形物供給材を分割し、また環状精鉱放出導管4を少なくとも部分的に分割して複数のセクタ15を形成する。図4では、第1粉末状固形物放出パイプ8の各放出パイプ部分12は、環状精鉱放出導管4の各セクタ18で終端している。図7および図8では、第1粉末状固形物放出パイプ8の各放出パイプ部分12および、有れば第2粉末状固形物放出パイプ19の各放出パイプ部分12は、環状精鉱放出導管4の各セクタ15で終端している。
【0029】
第1粉末状固形物放出パイプ8の第1隔壁10、および第2粉末状固形物放出パイプ19が有る場合その第1隔壁10が、必須ではないが好ましくは、粉末状固形物供給手段3の環状精鉱放出導管4内の、環状精鉱放出導管4を複数のセクタ15に分割するブレード14まで延びているため、ブレード14および第1隔壁10は一体構造を成している。
【0030】
第1粉末状固形物放出パイプ8の第2隔壁13、および第2粉末状固形物放出パイプ19が有る場合その第2隔壁13はそれぞれ、必須ではないが好ましくは、粉末状固形物供給手段3の環状精鉱放出導管4内の、環状精鉱放出導管4を複数のセクタ15に分割するブレード14まで延びているため、ブレード14および少なくとも1つの第2隔壁13は一体構造を成している。
【0031】
図4では、第1粉末状固形物放出パイプ8の第1隔壁10は第1粉末状固形物放出パイプ8の全長にわたって伸びていて、第1粉末状固形物放出パイプ8の第2隔壁13は第1粉末状固形物放出パイプ8の一部にだけ伸びている、つまり、第1粉末状固形物放出パイプ8の全長にはわたっていない。
【0032】
図7および図8では、第1粉末状固形物放出パイプ8の第1隔壁10は第1粉末状固形物放出パイプ8の全長にわたって伸びていて、第2粉末状固形物放出パイプ17の第1隔壁10は第2粉末状固形物放出パイプ19の全長にわたって伸びているが、第1粉末状固形物放出パイプ8および第2粉末状固形物放出パイプ17の第2隔壁13はそれぞれ第1粉末状固形物放出パイプ8および第2粉末状固形物放出パイプ19の一部にだけしか伸びていない。つまり、第1粉末状固形物放出パイプ8あるいは第2粉末状固形物放出パイプ17の全長にはわたっていない。例えば、図4の装置では、第1粉末状固形物放出パイプ8の第1隔壁13はまず粉末状固形物供給材を二分するためのものであり、次に第1粉末状固形物放出パイプ8の第2隔壁13が二分するため、第1隔壁10および第2隔壁13は粉末状固形物供給材を4分割する。
【0033】
少なくとも1つの放出パイプ部分12に、放出パイプ部分12の温度に基づいて放出パイプ部分12の詰まりを検知する温度センサ16を設けることもできる。温度センサ16による詰まりの検知は、例えば、放出パイプ部分12内の精鉱の温度が低下するために詰まっているパイプ部分12の温度も下がるという事実に基づくものでよい。
【0034】
少なくとも1つの放出パイプ部分12に、別のガス供給手段(図示せず)を設けることもできる。例えば、別のガス供給手段を使用して、加圧空気などの加圧ガスを放出パイプ部分12に供給して、例えば観測された詰まりを除去したり、空気を放出パイプ部分12に供給して空気および粉末状固形物の浮遊を起こしたりすることが可能である。
【0035】
少なくとも1つの放出パイプ部分12は、必須ではないが好ましくは、実質的に垂直な衝突板17を粉末状固形物供給手段3の環状精鉱放出導管4の隣に備えていて、実質的に垂直な衝突板17に粉末状固形物が衝突して、粉末状固形物の速度が減速するよう構成されている。本装置は、必須ではないが好ましくは、少なくとも1つの垂直衝突板17を含み、衝突板は少なくともその一部が、環状精鉱放出導管4を分割してセクタ15を形成するブレード14で構成される。本装置は、必須ではないが好ましくは、少なくとも1つの垂直衝突板17を含み、衝突板17の下部端18のように設計されていて、これにより粉末状固形物が環状精鉱放出導管4中に均等に散布される。
【0036】
本装置は少なくとも1つの放出パイプ部分12を含んでいてもよく、放出パイプ部分は垂直衝突板17を備え、衝突板は、粉末状固形物の速度を減衰させる、放出パイプ部分12に対して垂直な上部板部分20を有し、かつ、粉末状固形物を環状精鉱放出導管4中に均等に散布する下部板部分21を有し、下部板部分21は、上部板部分20に対する垂線方向に曲げられ、これにより環状精鉱放出導管4内に配設された精鉱散布装置7のパイプ22と接する平面に平行な平面内に位置する。
【0037】
本装置は少なくとも1つの放出パイプ部分12を含んでいてもよく、放出パイプ部分は垂直衝突板17を備え、衝突板は、放出パイプ部分12に対して垂直な上部板部分20を有し、かつ、上部板部分20に対する垂線方向に曲げられた下部板部分21を有し、これにより、下部板部分21は、環状精鉱放出導管4内に配設された精鉱散布装置7のパイプ22に接する。図9では、中央の2つのパイプ部分12に、同様の垂直衝突板17が設けられている。
【0038】
本装置は少なくとも1つの放出パイプ部分12を含んでいてもよく、放出パイプ部分12は垂直衝突板17を備え、衝突板は、放出パイプ部分12に対して垂直な上部板部分20を有し、かつ、上部板部分20に対する垂線方向に曲げられ湾曲する下部板部分23を有し、下部板部分21は環状精鉱放出導管4を囲繞するパイプ23と同心である。図9では、一番外側の2つのパイプ部分12に、同様の垂直衝突板17が設けられている。
【0039】
図5ないし図8は、第1粉末状固形物放出パイプ8の他に、粉末状固形物を精鉱バーナー2の粉末状固形物供給手段3に供給する第2粉末状固形物放出パイプ19を含んでいる装置を示す。図7および図8に示すように、第2粉末状固形物放出パイプ19も、当該第2粉末状固形物放出パイプを実質的に同じである2つの放出パイプ部分11に分割する第1隔壁10を備えている。第2粉末状固形物放出パイプ19の第1隔壁10も同様に、粉末状固形物供給手段3の環状精鉱放出導管4の内側に延伸可能であり、第2粉末状固形物放出パイプ19の各放出パイプ部分11は、第2隔壁13によって少なくともその一部が分割されて、2つの放出パイプ部分12が形成され、第2隔壁13は粉末状固形物供給手段3の環状精鉱放出導管4の内側に延伸可能である。
【0040】
図5および図6は、第1粉末状固形物放出パイプ8および第2粉末状固形物放出パイプ19が、実質的に同じ高さで精鉱バーナー2の粉末状固形物供給手段3に連結されている装置を示している。しかしながら、第1粉末状固形物放出パイプ8および第2粉末状固形物放出パイプ19を、高さを異ならせて精鉱バーナー2の粉末状固形物供給手段3に連結することも可能である。
【0041】
図7は、第1粉末状固形物放出パイプ8および第2粉末状固形物放出パイプ19が粉末状固形物供給手段3に同じ直径で連結されている装置を示す。
【0042】
図8は、第1粉末状固形物放出パイプ8が第2粉末状固形物放出パイプ19に対してある角度を有している装置を示す。
【0043】
技術の向上にともなって、本発明の基本的な発想をさまざまな方法で実現できることは、当業者には明白なことである。したがって、本発明ならびにその実施形態は上述の例に限定されるものでなく、本願特許請求の範囲内において変更してもよい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
精鉱バーナー(2)が反応ガス供給手段(6)、粉末状固形物供給手段(3)、および精鉱散布装置(7)を含み、
粉末状固形物を前記精鉱バーナー(2)の粉末状固形物供給手段(3)に供給する第1粉末状固形物放出パイプ(8)を含み、
該第1粉末状固形物放出パイプ(8)は固形物を分割する第1隔壁(10)を備えていて、該隔壁は第1粉末状固形物放出パイプ(8)を分割して2つの実質的に同じである放出パイプ部分(11)を形成し、
前記精鉱バーナー(2)の粉末状固形物供給手段(3)は、該精鉱バーナーの精鉱散布装置(7)を取り囲む環状精鉱放出導管(4)を含み、粉末状固形物を浮遊溶解炉または浮遊転炉(1)の精鉱バーナー(2)に供給する装置において、
前記第1粉末状固形物放出パイプ(8)の各放出パイプ部分(11)は第2隔壁(13)によって少なくともその一部が分割されて、2つの放出パイプ部分(12)を形成することを特徴とする供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の供給装置において、前記第1隔壁(10)は、前記粉末状固形物供給手段(3)の環状精鉱放出導管(4)内に延伸していることを特徴とする供給装置。
【請求項3】
請求項2に記載の供給装置において、前記第1隔壁(10)は、前記粉末状固形物供給手段(3)の環状精鉱放出導管(4)内を前記精鉱散布装置(7)まで延伸していることを特徴とする供給装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の供給装置において、前記第2隔壁(13)は、前記粉末状固形物供給手段(3)の環状精鉱放出導管(4)の内側に延伸していることを特徴とする供給装置。
【請求項5】
請求項4に記載の供給装置において、前記第2隔壁(13)は、前記粉末状固形物供給手段(3)の環状精鉱放出導管(4)内を前記精鉱散布装置(7)まで延伸していることを特徴とする供給装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の供給装置において、前記粉末状固形物供給手段(3)の環状精鉱放出導管(4)はブレード(14)を備えていて、該ブレードは固形物を分割し、かつ、環状精鉱放出導管(4)を少なくとも部分的に分割してセクタ(15)を形成することを特徴とする供給装置。
【請求項7】
請求項6に記載の供給装置において、前記第1隔壁(10)は、前記粉末状固形物供給手段(3)の環状精鉱放出導管(4)の内側を前記ブレード(14)まで延伸し、該ブレードは該環状精鉱放出導管(4)をセクタ(15)に分割し、これにより該ブレード(14)と該第1隔壁(10)とで一体構造を構成することを特徴とする供給装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の供給装置において、各第2隔壁(13)は、前記粉末状固形物供給手段(3)の環状精鉱放出導管(4)の内側を前記ブレード(14)まで延伸し、該ブレードは該環状精鉱放出導管(4)をセクタ(15)に分割し、これにより該ブレード(14)と各第1隔壁(10)がそれぞれ一体構造を構成することを特徴とする供給装置。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載の供給装置において、各放出パイプ部分(12)は、前記環状精鉱放出導管(4)の各セクタ(15)で終端していることを特徴とする供給装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の供給装置において、前記第2隔壁(13)は、前記第1粉末状固形物放出パイプ(8)の一部分にわたって伸びていることを特徴とする供給装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の供給装置において、少なくとも1つの放出パイプ部分(12)は、実質的に垂直な衝突板(17)を前記粉末状固形物供給手段(3)の前記環状精鉱放出導管(4)の隣に備えていて、粉末状固形物が該実質的に垂直な衝突板(17)に衝突して、該実質的に垂直な衝突板(17)が粉末状固形物の速度を減衰させるよう構成されることを特徴とする供給装置。
【請求項12】
請求項11に記載の供給装置において、該装置は少なくとも1つの垂直衝突板(17)を含み、該衝突板は、前記環状精鉱放出導管(4)をセクタ(15)に分割するブレード(14)を形成することを特徴とする供給装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載の供給装置において、該装置は少なくとも1つの垂直衝突板(17)を含み、該衝突板の下部端は、粉末状固形物を前記環状精鉱放出導管(4)中で均等に分割するように形成(18)されていることを特徴とする供給装置。
【請求項14】
請求項11ないし13のいずれかに記載の供給装置において、該装置は垂直衝突板(17)を備えた少なくとも1つの放出パイプ部分(12)を含み、
前記垂直衝突板(17)は、粉末状固形物の速度を低減させる上部板部分(20)を有し、該上部板部分(20)は前記放出パイプ部分(12)に対して垂直であり、
垂直衝突板(17)は、粉末状固形物を前記環状精鉱放出導管(4)中に均等に散布する下部板部分(21)を有し、該下部板部分(21)は上部板部分(20)に対する垂線方向に曲げられ、これにより下部板部分(21)は環状精鉱放出導管(4)内に配設された前記精鉱散布装置(7)のパイプ(22)と接する平面に平行な平面内に位置することを特徴とする供給装置。
【請求項15】
請求項14に記載の供給装置において、該装置は下部板部分(21)を有する垂直衝突板(17)を備えた少なくとも1つの放出パイプ部分(12)を含み、前記下部板部分(21)は前記上部板部分(20)に対する垂線方向に曲げられ、これにより下部板部分(21)は環状精鉱放出導管(4)内に配設された前記精鉱散布装置(7)のパイプ(22)に接することを特徴とする供給装置。
【請求項16】
請求項14または15のいずれかに記載の供給装置において、該装置は下部板部分(23)を有する垂直衝突板(17)を備えた少なくとも1つの放出パイプ部分(12)を含み、前記下部板部分(23)は前記上部板部分(20)に対する垂線方向に曲げられ湾曲し、前記下部板部分(21)は前記環状精鉱放出導管(4)を取り囲むパイプ(23)と同心であることを特徴とする供給装置。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれかに記載の供給装置において、前記少なくとも1つの放出パイプ部分(12)は、該放出パイプ部分(12)の詰まりを検知する温度センサ(16)を備えていることを特徴とする供給装置。
【請求項18】
請求項1ないし17のいずれかに記載の供給装置において、前記少なくとも1つの放出パイプ部分(12)は別のガス供給手段を備えていることを特徴とする供給装置。
【請求項19】
請求項1ないし18のいずれかに記載の供給装置において、
該装置はさらに、粉末状固形物を前記精鉱バーナー(2)の粉末状固形物供給手段(3)に供給する第2粉末状固形物放出パイプ(19)を含み、
該第2粉末状固形物放出パイプ(19)は固形物を分割する第1隔壁(10)を備え、該第1隔壁は第2粉末状固形物放出パイプ(19)を2つの実質的に同じである放出パイプ部分(11)に分割し、
第2粉末状固形物放出パイプ(19)の放出パイプ部分(11)はそれぞれ、第2隔壁(13)によって少なくとも一部が2つの放出パイプ部分(12)に分割されることを特徴とする供給装置。
【請求項20】
請求項19に記載の供給装置において、前記第2粉末状固形物放出パイプ(19)の第1隔壁(10)は、前記粉末状固形物供給手段(3)の環状精鉱放出導管(4)の中まで延伸していることを特徴とする供給装置。
【請求項21】
請求項19または20に記載の供給装置において、前記第2隔壁(13)は、前記粉末状固形物供給手段(3)の環状精鉱放出導管(4)の中まで延伸していることを特徴とする供給装置。
【請求項22】
請求項19ないし21のいずれかに記載の供給装置において、前記第1粉末状固形物放出パイプ(8)および前記第2粉末状固形物放出パイプ(19)は、前記精鉱バーナー(2)の粉末状固形物供給手段(3)に実質的に同じ高さで連結されることを特徴とする供給装置。
【請求項23】
請求項19ないし21のいずれかに記載の供給装置において、前記第1粉末状固形物放出パイプ(8)および前記第2粉末状固形物放出パイプ(19)は、異なる高さで前記精鉱バーナー(2)の粉末状固形物供給手段(3)に連結されることを特徴とする供給装置。
【請求項24】
請求項19ないし23のいずれかに記載の供給装置において、前記第1粉末状固形物放出パイプ(8)は、前記第2粉末状固形物放出パイプ(19)に対して直角を成していることを特徴とする供給装置。
【請求項25】
請求項19ないし23のいずれかに記載の供給装置において、前記第1粉末状固形物放出パイプ(8)および前記第2粉末状固形物放出パイプ(19)は、前記粉末状固形物供給手段(3)に同じ直径で連結されることを特徴とする供給装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−513727(P2013−513727A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542589(P2012−542589)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【国際出願番号】PCT/FI2010/051008
【国際公開番号】WO2011/070239
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(507221324)オウトテック オサケイティオ ユルキネン (33)
【氏名又は名称原語表記】OUTOTEC OYJ
【Fターム(参考)】