説明

浴室床上げ構造および浴室床上げ方法

【課題】強度が高く、破損しにくく、冬場でも断熱効率が良い浴室床上げ構造および浴室床上げ方法を提供する。
【解決手段】浴室の浴槽2の脇の排水溝3および排水口4に沿って、排水溝3および排水口4と洗い場1との間に、洗い場1の床1aに対して垂直上方に立ち上がるよう区画板12を設ける。洗い場1の床1aの上に、複数の断熱ブロック11を並べて配置する。各断熱ブロック11の隙間および各断熱ブロック11と区画板12との隙間を埋めるよう、耐水性の樹脂モルタル13を打設する。各断熱ブロック11および樹脂モルタル13の上に、耐水性の接着剤により樹脂製の下地板14を貼り付ける。下地板14の上に、床板材15を設ける。浴槽2と区画板12との間に、排水溝3および排水口4を排水可能に覆うよう複数の排水蓋16を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室床上げ構造および浴室床上げ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既設のユニットバスなどの浴室をバリアフリーにするために、浴室の洗い場を床上げすることが行われている。その際、ユニットバスでは、既存の洗い場の床の強度が低いため、洗い場の上に新たに設ける構造をできるだけ軽くする必要がある。このことを考慮した浴室の床上げ構造として、浴室の洗い場の上にボルトなどから成る脚部を設け、その上に根太を架け渡し、その根太の上に床パネルを敷き詰めるものがある(例えば、特許文献1または2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−160958号公報
【特許文献2】特開2003−129643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および2に記載の浴室の床上げ構造では、床パネルの下に空洞が広く存在しているため、根太がなく強度の低い場所に人が載って荷重が加わると、床パネルが破損する恐れがあるという課題があった。また、冬場などの寒い時期には、床が温まりにくく、浴室の断熱効率が悪いという課題もあった。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、強度が高く、破損しにくく、冬場でも断熱効率が良い浴室床上げ構造および浴室床上げ方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る浴室床上げ構造は、浴室の洗い場の床の上に配置された複数の断熱ブロックと、各断熱ブロックの隙間を埋めるよう設けられた耐水性の樹脂モルタルと、各断熱ブロックおよび前記樹脂モルタルの上に耐水性の接着剤により貼り付けられた樹脂製の下地板と、前記下地板の上に設けられた床板材とを、有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る浴室床上げ構造は、既存の洗い場の床の上に、複数の断熱ブロックが配置され、各断熱ブロックの隙間を埋めるよう耐水性の樹脂モルタルが設けられているため、下地板および床板材の下に空洞を生じない。このため、床板材の上に人が載って荷重が加わっても、破損しにくく強度が高い。また、各断熱ブロックとして、発泡体などの軽量なものを使用することにより、既存の洗い場の床の強度が低くても耐えられるよう施工可能である。
【0008】
床板材の下に配置された複数の断熱ブロックの断熱効果により、冬場でも床が冷えにくく、浴室の断熱効率が良い。既存の洗い場の床が各断熱ブロックおよび耐水性の樹脂モルタルで覆われ、さらに耐水性の接着剤により貼り付けられた樹脂製の下地板と、床板材とで覆われているため、元の洗い場の床に浴室の排水が入り込みにくく、防水性が高い。また、これにより、浴室内の悪臭や腐食を防止することができる。床板材の高さを、浴室の入口の高さに揃えることにより、ユニットバスなどの既設の浴室を容易かつ安価にバリアフリー仕様とすることができる。
【0009】
下地板および床板材は、1枚から成っていても、複数枚が敷き詰められていてもよい。下地板は、複数枚からなる場合、防水性を高めるために、互いの隙間が耐水性の接着剤などで塞がれていることが好ましい。また、下地板は、複数枚からなる場合、より強度を高めるため、それぞれの境界が樹脂モルタルの上に配置されていることが好ましい。
【0010】
本発明に係る浴室床上げ構造は、前記浴室は浴槽の脇に排水溝および排水口を有するユニットバスから成り、前記排水溝および前記排水口と前記洗い場との境界に前記床から立ち上がるよう設けられた区画板と、前記浴槽と前記区画板との間に前記排水溝および前記排水口を排水可能に覆うよう設けられた複数の排水蓋とを有し、前記樹脂モルタルは各断熱ブロックと前記区画板との隙間を埋めるよう設けられていることが好ましい。この場合、ユニットバスで、既存の排水溝および排水口を利用したまま床上げすることができる。排水蓋を着脱可能に配置することにより、排水溝および排水口の点検、掃除を容易にすることができる。樹脂モルタルで各断熱ブロックと区画板との隙間を埋めるため、防水性が高められる。
【0011】
本発明に係る浴室床上げ構造で、前記区画板は可撓性の細長い板の一方の側縁に複数の切込みを形成して成る複数の脚を本体に対し垂直に折り曲げた形状を有し、各脚を前記床に沿わせて設置されていることが好ましい。この場合、浴槽の側面に沿って排水溝および排水口が湾曲して伸びていても、排水溝および排水口に沿って区画板を湾曲させて配置することができる。
【0012】
本発明に係る浴室床上げ構造で、各排水蓋は断面コの字型をなし、天板部と、前記天板部から同方向に垂直に伸びる1対の側板部とを有することが好ましい。この場合、排水溝および排水口が湾曲して伸びていても、各排水蓋を所定の長さに設定しておき、浴槽と区画板との間に排水溝および排水口を覆うよう配置することができる。なお、水が流れやすいよう、浴槽や区画板と各排水蓋の各側板部との間に隙間が形成されていてもよく、天板部に排水孔が設けられていてもよい。
【0013】
本発明に係る浴室床上げ構造で、各断熱ブロックは直方体形状の発泡体から成り、前記樹脂モルタルはセラミック質から成り、前記下地板は繊維強化プラスチックから成り、前記床板材はゴム製の化粧板から成ることが好ましい。この場合、各断熱ブロックが軽量な発泡体から成るため、既存の洗い場の床の強度が低くても耐えられるよう施工可能である。
また、樹脂モルタルに、水により固化し、乾燥が速いセラミック質のものを用いることにより、床上げの作業時間を短縮することができる。下地板が繊維強化プラスチックから成るため、軽量で強度が高められる。
【0014】
本発明に係る浴室床上げ方法は、浴槽の脇に排水溝および排水口を有する浴室の床上げ方法であって、前記排水溝および前記排水口と前記洗い場との境界に前記床から立ち上がるよう区画板を設け、前記洗い場の床の上に複数の断熱ブロックを配置し、各断熱ブロックの隙間および各断熱ブロックと前記区画板との隙間を埋めるよう耐水性の樹脂モルタルを打設し、各断熱ブロックおよび前記樹脂モルタルの上に耐水性の接着剤により樹脂製の下地板を貼り付け、前記下地板の上に床板材を設け、前記浴槽と前記区画板との間に前記排水溝および前記排水口を排水可能に覆うよう複数の排水蓋を設けることを、特徴とする。
【0015】
本発明に係る浴室床上げ方法によれば、本発明に係る浴室床上げ構造を容易に施工することができる。本発明に係る浴室床上げ方法では、既存の洗い場の床の上に、複数の断熱ブロックを配置し、各断熱ブロックの隙間を埋めるよう耐水性の樹脂モルタルを打設するため、その上に設ける下地板および床板材の下に空洞を生じない。このため、床板材の上に人が載って荷重が加わっても、破損しにくく強度が高い。また、各断熱ブロックとして、発泡体などの軽量なものを使用することにより、既存の洗い場の床の強度が低くても耐えられるよう施工可能である。
【0016】
床板材の下に配置する複数の断熱ブロックの断熱効果により、冬場でも床が冷えにくく、浴室の断熱効率が良い。既存の洗い場の床を各断熱ブロックおよび耐水性の樹脂モルタルで覆い、さらに耐水性の接着剤により樹脂製の下地板を貼り付け、その上に床板材を設けるため、元の洗い場の床に浴室の排水が入り込みにくく、防水性が高い。樹脂モルタルで各断熱ブロックと区画板との隙間を埋めるため、さらに防水性が高い。また、これにより、浴室内の悪臭や腐食を防止することができる。床板材の高さを、浴室の入口の高さに揃えることにより、ユニットバスなどの既設の浴室を容易かつ安価にバリアフリー仕様とすることができる。
【0017】
浴槽と前記区画板との間に、前記排水溝および前記排水口を覆って排水可能に複数の排水蓋を設けるため、既存の排水溝および排水口を利用したまま床上げすることができる。排水蓋を着脱可能に配置することにより、排水溝および排水口の点検、掃除を容易にすることができる。
【0018】
下地板および床板材は、1枚であっても複数枚を敷き詰めてもよい。下地板が複数枚からなる場合、防水性を高めるために、互いの隙間を耐水性の接着剤などで塞ぐことが好ましい。また、下地板が複数枚からなる場合、より強度を高めるため、それぞれの境界を樹脂モルタルの上に配置することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、強度が高く、破損しにくく、冬場でも断熱効率が良い浴室床上げ構造および浴室床上げ方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態の浴室床上げ構造および浴室床上げ方法を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の浴室床上げ構造および浴室床上げ方法の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態の浴室床上げ構造および浴室床上げ方法の区画板を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の浴室床上げ構造および浴室床上げ方法の排水蓋を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図4は、本発明の実施の形態の浴室床上げ構造および浴室床上げ方法を示している。
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態の浴室床上げ構造は、既設の浴室の洗い場1を床上げした構造であって、断熱ブロック11と区画板12と樹脂モルタル13と下地板14と床板材15と排水蓋16とを有している。既設の浴室は、浴槽2の脇に排水溝3および排水口4を有した一般のユニットバスから成っている。
【0022】
図1および図2に示すように、断熱ブロック11は、複数から成り、それぞれ発泡体から成る直方体形状の市販の押出法ポリスチレンフォームから成っている。各断熱ブロック11は、浴室の洗い場1の床1aの上に、互いに隙間をあけて並べて配置されている。
【0023】
図3に示すように、区画板12は、複数から成り、塩化ビニル製で可撓性を有する矩形状の細長い板から成っている。各区画板12は、一方の側縁に他方の側縁に向かって伸びるよう設けられた複数の切込み12aを有している。各区画板12は、各切込み12aと両端とで区分される複数の脚12bを、本体の一方の面に対して垂直になるよう、一方の面側に折り曲げて形成されている。なお、各区画板12は、各脚12bのいくつかが本体の他方の面に対して垂直になるよう、他方の面側に折り曲げられていてもよい。各区画板12は、各脚12bの折り曲げ方向や、各切込み12aの間隔を変えることにより、いずれの面側にも湾曲可能になっている。
【0024】
図1および図2に示すように、各区画板12は、浴室の浴槽2の脇の排水溝3および排水口4に沿って、排水溝3および排水口4と洗い場1との境界に床1aから立ち上がるよう並べて配置されている。各区画板12は、折り曲げた各脚12bを、床1aに沿って設置することにより、床1aに対して垂直上方に立ち上がるよう設けられている。各区画板12は、排水溝3および排水口4と洗い場1とを隔てるよう設けられている。また、各区画板12は、排水溝3および排水口4の側の面が化粧加工されている。
【0025】
樹脂モルタル13は、耐水性で、水により固化し、乾燥が速い、市販のセラミック質の樹脂モルタルから成っている。樹脂モルタル13は、各断熱ブロック11の隙間、各断熱ブロック11と各区画板12との隙間、および各断熱ブロック11と浴室の壁面との隙間を埋めるよう設けられている。
【0026】
図1に示すように、下地板14は、軽量で強度が高い、複数の繊維強化プラスチックの板から成っている。各下地板14は、各区画板12の洗い場1の側の各断熱ブロック11および樹脂モルタル13の上に、耐水性の接着剤により貼り付けられ、敷き詰められている。各下地板14は、それぞれの境界が樹脂モルタル13の上に配置されており、互いの隙間が耐水性の接着剤で塞がれている。
【0027】
床板材15は、複数の市販のゴム製の化粧板から成っている。各床板材15は、各区画板12の洗い場1の側の下地板14の上に、耐水性の接着剤により貼り付けられ、敷き詰められている。各床板材15は、それぞれの境界が下地板14の境界と直交するよう配置されており、互いの隙間が耐水性の接着剤で塞がれている。
【0028】
図4に示すように、排水蓋16は、プラスチック製で複数から成り、断面コの字型をなしている。各排水蓋16は、矩形状の天板部16aと、天板部16aの両側縁に沿って、天板部16aに対して同方向に垂直に伸びるよう設けられた1対の側板部16bとを有している。各排水蓋16は、天板部16aに、水を流すための排水孔16cを複数有している。各排水蓋16は、浴槽2と区画板12との間隔よりやや狭い幅と、所定の長さとを有している。なお、具体的な一例では、各排水蓋16は同じ形状を成し、各排水蓋16の長さと幅と高さの比は、2:1:1である。
【0029】
図1および図2に示すように、各排水蓋16は、浴槽2と区画板12との間に、排水溝3および排水口4を覆うよう、並べて配置されている。各排水蓋16は、各側板部16bを下に向けて天板部16aを上にした状態で、浴槽2の側面と区画板12との間に配置されている。各排水蓋16は、浴槽2の側面と各側板部16bとの間や、区画板12と各側板部16bとの間、各排水蓋16の間に隙間があいており、この隙間からも水が流れるようになっている。
【0030】
本発明の実施の形態の浴室床上げ構造は、本発明の実施の形態の浴室床上げ方法により容易に施工される。本発明の実施の形態の浴室床上げ方法では、まず、浴室の浴槽2の脇の排水溝3および排水口4に沿って、排水溝3および排水口4と洗い場1との境界に、洗い場1の床1aに対して垂直上方に立ち上がるよう各区画板12を設ける。このとき、図2に示すように、浴槽2の側面が湾曲し、排水溝3および排水口4が湾曲して伸びていても、各区画板12が可撓性を有して湾曲可能であるため、排水溝3および排水口4に沿って各区画板12を湾曲させて配置することができる。なお、各区画板12の長さが合わないときは、各区画板12を切断して長さを調整する。
【0031】
各区画板12で隔てられた洗い場1の床1aの上に、複数の断熱ブロック11を並べて配置する。このとき、各断熱ブロック11として軽量の発泡体を使用するため、既存の洗い場1の床1aの強度が低くても耐えられるよう施工可能である。次に、各断熱ブロック11の隙間、各断熱ブロック11と各区画板12との隙間、および各断熱ブロック11と浴室の壁面との隙間を埋めるよう樹脂モルタル13を打設する。樹脂モルタル13が、水により固化し、乾燥が速いセラミック質の樹脂モルタルから成るため、作業時間を短縮することができる。
【0032】
樹脂モルタル13を打設した後、各断熱ブロック11および樹脂モルタル13の上に、複数の下地板14を敷き詰めて、耐水性の接着剤により貼り付ける。このとき、より強度を高めるために、各下地板14の境界を樹脂モルタル13の上に配置する。また、防水性を高めるために、各下地板14の互いの隙間を耐水性の接着剤で塞ぐ。
【0033】
各下地板14を貼り付けた後、各下地板14の上に複数の床板材15を敷き詰めて、耐水性の接着剤により貼り付ける。このとき、より強度を高めるために、各床板材15の境界を各下地板14の境界と直交するよう配置する。また、防水性を高めるために、各床板材15の互いの隙間を耐水性の接着剤で塞ぐ。
【0034】
浴槽2と区画板12との間に、排水溝3および排水口4を覆うよう複数の排水蓋16を並べて配置する。このとき、浴槽2の側面と各側板部16bとの間や、区画板12と各側板部16bとの間、各排水蓋16の間に隙間があくため、排水孔16cから水が流れるとともに、この隙間からも水が流れる。これにより、既存の排水溝3および排水口4を利用したまま床上げすることができる。また、排水蓋16を着脱することにより、排水溝3および排水口4を容易に点検、掃除することができる。所定の長さで同じ形状の複数の排水蓋16を並べて配置するため、浴槽2の側面と区画板12との間の排水溝3および排水口4が真っ直ぐに伸びていても、図2に示すように湾曲して伸びていても、排水溝3および排水口4の上方を覆って、浴槽2の側面と区画板12との間に配置することができる。なお、各排水蓋16の長さが合わないときは、排水蓋16を切断して長さを調整することができる。
【0035】
本発明の実施の形態の浴室床上げ構造および浴室床上げ方法では、既存の洗い場1の床1aの上に、複数の断熱ブロック11を並べて配置し、各断熱ブロック11の隙間等を埋めるよう耐水性の樹脂モルタル13を打設するため、その上に設ける下地板14および床板材15の下に空洞が存在しない。このため、床板材15の上に人が載って荷重が加わっても、破損しにくく強度が高い。
【0036】
床板材15の下に配置する複数の断熱ブロック11の断熱効果により、冬場でも床が冷えにくく、浴室の断熱効率が良い。既存の洗い場1の床1aを各断熱ブロック11および耐水性の樹脂モルタル13で覆い、さらに耐水性の接着剤により樹脂製の下地板14および床板材15を貼り付けるため、元の洗い場1の床1aに浴室の排水が入り込むのを防ぐことができ、防水性が高い。樹脂モルタル13で各断熱ブロック11と区画板12との隙間を埋めるため、さらに防水性が高い。また、これにより、浴室内の悪臭や腐食を防止することができる。床板材15の高さを、浴室の入口の高さに揃えることにより、ユニットバスなどの既設の浴室を容易かつ安価にバリアフリー仕様とすることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 洗い場
1a 床
2 浴槽
3 排水溝
4 排水口
11 断熱ブロック
12 区画板
12a 切込み
12b 脚
13 樹脂モルタル
14 下地板
15 床板材
16 排水蓋
16a 天板部
16b 側板部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の洗い場の床の上に配置された複数の断熱ブロックと、
各断熱ブロックの隙間を埋めるよう設けられた耐水性の樹脂モルタルと、
各断熱ブロックおよび前記樹脂モルタルの上に耐水性の接着剤により貼り付けられた樹脂製の下地板と、
前記下地板の上に設けられた床板材とを、
有することを特徴とする浴室床上げ構造。
【請求項2】
前記浴室は浴槽の脇に排水溝および排水口を有するユニットバスから成り、
前記排水溝および前記排水口と前記洗い場との境界に前記床から立ち上がるよう設けられた区画板と、
前記浴槽と前記区画板との間に前記排水溝および前記排水口を排水可能に覆うよう設けられた複数の排水蓋とを有し、
前記樹脂モルタルは各断熱ブロックと前記区画板との隙間を埋めるよう設けられていることを、
特徴とする請求項1記載の浴室床上げ構造。
【請求項3】
前記区画板は可撓性の細長い板の一方の側縁に複数の切込みを形成して成る複数の脚を本体に対し垂直に折り曲げた形状を有し、各脚を前記床に沿わせて設置されていることを、特徴とする請求項2記載の浴室床上げ構造。
【請求項4】
各排水蓋は断面コの字型をなし、天板部と、前記天板部から同方向に垂直に伸びる1対の側板部とを有することを、特徴とする請求項3記載の浴室床上げ構造。
【請求項5】
浴槽の脇に排水溝および排水口を有する浴室の床上げ方法であって、
前記排水溝および前記排水口と前記洗い場との境界に前記床から立ち上がるよう区画板を設け、
前記洗い場の床の上に複数の断熱ブロックを配置し、
各断熱ブロックの隙間および各断熱ブロックと前記区画板との隙間を埋めるよう耐水性の樹脂モルタルを打設し、
各断熱ブロックおよび前記樹脂モルタルの上に耐水性の接着剤により樹脂製の下地板を貼り付け、
前記下地板の上に床板材を設け、
前記浴槽と前記区画板との間に前記排水溝および前記排水口を排水可能に覆うよう複数の排水蓋を設けることを、
特徴とする浴室床上げ方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−285833(P2010−285833A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141721(P2009−141721)
【出願日】平成21年6月13日(2009.6.13)
【出願人】(509169491)
【Fターム(参考)】