説明

浴室用シャワー装置

【課題】シャワーホースが浴室の床面上に垂れて邪魔になることがなく、また掃除時には浴室の隅々まで届く掃除用シャワーとして使用できる浴室用シャワー装置を提供する。
【解決手段】水栓のシャワー用給水部6cに接続したシャワーホース7の途中に、水栓より上方に設けた固定部材10に着脱可能に掛止できるホース掛止部8を設け、このホース掛止部8を、固定部材10への掛止状態で上下方向へ回動可能で、且つ内部に通水可能な構造として構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内に設けられるシャワー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洗い場側に設けられた水栓にシャワーホースが接続されているシャワー装置において、浴室壁面の下部部位に設けられたシャワーフックにシャワー装置のシャワーヘッドを掛止して使用する場合、シャワーホースが垂れ下がって洗面器と干渉したり、シャワーホースが洗い場の床面に当たる反動でシャワーヘッドがシャワーフックから外れたりするという問題点が生じていた。このような問題を解決するためには、シャワーホースの取出口を浴室壁面の上方に設けることで解消できるが、この場合は、壁裏から配管を取り出すために施工が煩雑となるという問題点があった。
なお、壁裏に配管を設ける必要がなく、シャワーホースが浴室の床面上に垂れ下がって邪魔になることもないシャワー装置として、従来、特許文献1に開示されているように、シャワーホースの途中に延長用ホースの接続部を直線状に接続し、この接続部をシャワーフックに掛止できるように構成したものが存在する。
【特許文献1】実用新案登録第3079397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されているシャワー装置の構造は、シャワーフックから浄水器本体が脱落したり、不安定な状態にならないように固定するためのものであり、下部部位に設けられたシャワーフックにシャワー装置のシャワーヘッドを掛止して使用する場合、シャワーホースが垂れ下がって洗面器と干渉したり、シャワーホースが床に当たる反動でシャワーヘッドがシャワーフックから外れたりするのを防止するためのものではなく、また、浴室全体の清掃用に使用できるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、シャワーホースが浴室の床面上に垂れ下がって邪魔になることもなく、良好に使用することができ、また、清掃時にはシャワーホースが浴室の隅々まで届き、清掃用に使用することのできるシャワー装置を提供するものであり、その請求項1は、水栓のシャワー用給水部に接続したシャワーホースの途中に、前記水栓より上方に設けた固定部材に着脱可能に掛止できるホース掛止部を設け、該ホース掛止部を、前記固定部材への掛止状態で上下方向へ回動可能で、且つ内部に通水可能な構造としたことである。
【0005】
また、請求項2は、前記ホース掛止部にシャワーフックを設けたことである。
【0006】
また、請求項3は、前記シャワーホースにおける前記シャワー用給水部から前記ホース掛止部までの部分を収納ケース内に取出し可能に収納させたことである。
【0007】
また、請求項4は、前記収納ケースの側面にシャワーホース取出し用の開口を設けるとともに、該収納ケースの前面にシャワーフックを設けたことである。
【0008】
また、請求項5は、前記収納ケースの前面に開閉可能な扉部を設け、該扉部を開けてシャワーホースを前方側へ取出し可能にしたことである。
【0009】
また、請求項6は、前記収納ケースを、浴槽のフランジ部またはカウンターから立ち上がる円筒状に形成し、その側面にシャワーホース取出し用の縦長開口を設けたことである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の浴室用シャワー装置は、水栓のシャワー用給水部に接続したシャワーホースの途中に、前記水栓より上方に設けた固定部材に着脱可能に掛止できるホース掛止部を設け、該ホース掛止部を、前記固定部材への掛止状態で上下方向へ回動可能で、且つ内部に通水可能な構造としたことにより、シャワーホースの途中のホース掛止部が固定部材に掛止されている場合、浴室の壁面の上部部位からシャワーホースが取り出されているのと同じ状態となり、浴室の壁面の下方側に設けたシャワーフックにシャワーヘッドを固定して使用する場合にも、シャワーホースが浴室の床面に当たることがなく、良好にシャワー装置を使用できるものとなる。
また、掃除をする場合等においては、固定部材からホース掛止部を取り外して長い1本のシャワーホースとして使用でき、通常のシャワーホースでは届かない浴室の隅々まで良好に掃除することができるものとなる。
【0011】
また、前記ホース掛止部にシャワーフックを設けたことにより、シャワーホース掛止部を、浴室壁面の上方側に設けられている既存のシャワーフックに掛止し、ホース掛止部に設けられているシャワーフックにシャワーホースの先端のシャワーヘッドを掛止して使用することができ、別途浴室壁面に固定部材を設けなくても良く、既存のシャワーフックを固定部材として使用することができるものとなる。
【0012】
また、前記シャワーホースにおける前記シャワー用給水部から前記ホース掛止部までの部分を収納ケース内に取出し可能に収納させたことにより、シャワーホースの立ち上がり部分を収納ケース内に収納させて、すっきりとした設置状態を得ることができ、清掃時等には収納ケースからシャワーホースの立ち上がり部分を取り出して、長い1本のシャワーホースとして使用することができるものとなる。
【0013】
また、前記収納ケースの側面にシャワーホース取出し用の開口を設けるとともに、該収納ケースの前面にシャワーフックを設けたことにより、通常はシャワーホースの立ち上がり部分を収納ケース内に見栄え良く収納させておくことができ、清掃時等には収納ケースの側面側の開口からシャワーホースの立ち上がり部分を取り出して、長い1本のシャワーホースとして使用することができ、また、収納ケースに収納させた状態で収納ケースの前面側のシャワーフックにシャワーヘッドを掛止して良好に使用できるものとなる。
【0014】
また、前記収納ケースの前面に開閉可能な扉部を設け、該扉部を開けてシャワーホースを前方側へ取出し可能にしたことにより、通常は収納ケース内にシャワーホースの立ち上がり部をすっきりとした状態で収納させておくことができ、掃除等の際には扉を開けて前方側へシャワーホースの立ち上がり部を取り出して、1本の長いシャワーホースとして使用することができるものとなる。
【0015】
また、前記収納ケースを、浴槽のフランジ部またはカウンターから立ち上がる円筒状に形成し、その側面にシャワーホース取出し用の縦長開口を設けたことにより、円筒状に形成した収納ケースは、通常は浴槽内への出入り時に手摺りとして使用することができ、また、この円筒状の収納ケース内にシャワーホースの立ち上がり部をすっきりとした状態で収納させておくことができ、掃除の時等には、縦長開口からシャワーホースの立ち上がり部を取り出して、1本の長いシャワーホースとして良好に使用することができるものとなる。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜図6は第1実施例を示すものであり、図1に示す浴室1には浴槽2が設けられ、洗い場3側の浴室壁面4には、洗い場3側へ突出状にカウンター5が設けられており、浴室壁面4には鏡150が設置されている。
また、カウンター5内には、図示しない水栓本体が隠蔽状に設けられており、水栓本体を操作するための温調ハンドル6aとシャワー,吐水,流量切替用ハンドル6bがカウンター5上に突出され、また、水栓本体に接続されたシャワー用給水部6cがカウンター5から立ち上げられており、このシャワー用給水部6cにシャワーホース7の下端が接続されている。
【0017】
本例のシャワーホース7は、立上配管部7aと延長配管部7bがそれぞれ約1m程度の長さに設定され、立上配管部7aと延長配管部7bの途中には、両者を連通状に連結するクランク型のホース掛止部8が設けられており、シャワーホース7の全長は約2m程度に設定されている。また、延長配管部7bの先端にはシャワーヘッド9が設けられている。
このシャワーヘッド9は、鏡150の左側の浴室壁面4に固定されている上部の上シャワーフック11a、あるいは下部の下シャワーフック11bに掛止して使用できるものである。
【0018】
本例では、浴室壁面4の上方部位に、別の固定部材10が固設されており、この固定部材10にシャワーホース7のホース掛止部8を掛止できるように構成されている。
固定部材10とホース掛止部8の拡大分解斜視図を図2に示し説明すると、固定部材10は、通常のシャワーフックと同様な形状に形成されており、上方へラッパ状に開口された掛止縦孔10aが上下に貫通形成されており、その前面にはシャワーホース7を前面側から通すことのできるスリット孔10bが形成されている。
前記クランク型のホース掛止部8は、立上配管部7aの上端に接続された逆円錐形状の円錐掛止部81と、固定側エルボ82と、回動側エルボ83と、この回動側エルボ83に延長配管部7bを接続する連結リング84で構成されており、固定側エルボ82に対し回動側エルボ83が図3に示すように、上下方向に回動可能に連結されている。
なお、このホース掛止部8内は通水可能な構造となっており、立上配管部7aからの水を延長配管部7bに通水できるものである。
【0019】
図4は、このホース掛止部8の構成部材の分解斜視図を示す。
図4に示すように、円錐掛止部81の上端側内周には雌ネジ81aが形成されており、固定側エルボ82の先端には雌ネジ81aに螺合される雄ネジ部82aが垂設され、固定側エルボ82の他端側は挿着部82bとなっている。回動側エルボ83には、この挿着部82b内に螺合状に差し込まれる挿入ネジ部83aが備えられており、挿入ネジ部83aの外周にはオーリングOが外嵌されて、固定側エルボ82と回動側エルボ83間を回動可能に止水できるように構成されている。また、回動側エルボ83の他端側外周には雄ネジ部83bが形成されており、この雄ネジ部83bに、延長配管部7bの先端に設けられた連結リング84を螺合させて、回動側エルボ83に延長配管部7bを連結できるように構成されている。
【0020】
このような構造において、通常は図1に示すように、ホース掛止部8の円錐掛止部81を固定部材10の掛止縦孔10a内に掛止して、立上配管部7aを壁面4に沿って立ち上げておき、この状態でシャワーヘッド9を上シャワーフック11a、あるいは下シャワーフック11bの何れかに掛止させて使用することができるものであり、下シャワーフック11bにシャワーヘッド9を掛止して使用する際にも、延長配管部7bが洗い場3床面に垂れ下がって当接することがなく、良好な使用状態が得られるものである。
【0021】
なお、浴室1内を清掃する際等には、図5のように、ホース掛止部8を固定部材10から取り外すことにより、立上配管部7aと延長配管部7bが連続する1本の2m程度の長いシャワーホース7となり、隅々までシャワーヘッド9を到達させることができて、シャワーヘッド9からのシャワー水で良好に浴室1の隅々まで掃除できるものとなる。
【0022】
なお、シャワーヘッド9の先端を、図6に示すように、別途用意されているブラシヘッド12に差し替えることにより、このブラシヘッド12のブラシを水流で回転させて良好に洗い場3等を隅々まで清掃できるものとなる。
【0023】
なお、図7は変更例を示すものであり、図7では、固定部材101を、壁面4に固定される板状の固定板部101aと、この固定板部101aから洗い場3側へ水平に突出する突出片101bと、突出片101bの先端で上方へ立ち上がる立上片101cで構成したものである。
また、ホース掛止部8には、円錐掛止部81と回動側エルボ83をつなぐ固定側通水部85が設けられており、この固定側通水部85には上方へ突出する板状の立上板86が一体形成されており、立上板86には、前記固定部材101の立上片101cに掛止できる掛止孔86aが形成されている。なお、この固定側通水部85に対し回動側エルボ83は上下方向に回動可能である。
このような構成を採用する場合でも、通常は固定部材101に掛止孔86aを介してホース掛止部8を掛止状態にさせておき、延長配管部7bが洗い場3床面に垂れ下がって当接するのを良好に防いだ状態でシャワー装置を使用することができ、また掃除する際等には、固定部材101からホース掛止部8を取り外して長い1本のシャワーホース7として使用することができるものである。
【0024】
次に、図8に示すものは第2実施例であり、図8では、ホース掛止部8を構成する固定側エルボ82の前面に、水平に突出してシャワーフック13を設けたものであり、このシャワーフック13は通常のシャワーフックと同様な形状に形成されており、シャワーヘッド9を上方側から差し込み状に掛止できる掛止縦孔13aが形成されている。
また、図8では、円錐掛止部81の外周に、係止縦溝81bを有するゴム等の部材が嵌め込まれており、円錐掛止部81を上シャワーフック11aへ掛止した状態における水平面内での回転を規制できるように構成されている。
【0025】
この図8のようなホース掛止部8を用いる場合には、図1および図5で示した固定部材10は不要となり、既存の上シャワーフック11aに円錐掛止部81を掛止して、上シャワーフック11aにホース掛止部8を固定させることができ、この状態で、ホース掛止部8のシャワーフック13にシャワーヘッド9を掛止して使用することができるものである。
即ち、固定部材10を壁面4に別途設置する必要がないため施工が容易であり、ホース掛止部8を上シャワーフック11aに掛止させた状態で、シャワーヘッド9はシャワーフック13あるいは下シャワーフック11bの何れかに掛止して使用できるものであり、下シャワーフック11bにシャワーヘッド9を掛止して使用する場合にも、延長配管部7bは洗い場3に垂れ下がって当接するようなことはなく、良好な使用状態が得られるものである。
なお、掃除等に使用する場合には、上シャワーフック11aから円錐掛止部81を取り外して長い1本のシャワーホース7として使用でき、長いシャワーホース7で隅々まで良好に掃除できるものである。
なお、図8では、円錐掛止部81に回り止め用の係止縦溝81bを設けたものを例示しているが、この円錐掛止部81が掛止される上シャワーフック11aにも、係止縦溝81bが係合する縦溝を形成させておけば、より確実な回転止めが行えるものである。
【0026】
次に、図9はホース掛止部8の変更例を示すものであり、図9では、クランク型からU字型に変更したものであり、ホース掛止部8を構成する固定側エルボ82と回動側エルボ83の連結状態ではU字状をなし、固定側エルボ82に対し回動側エルボ83を上下方向に回動できるものである。
【0027】
次に、図10〜図12は第3実施例を示すものであり、図10では、浴室の壁面4にミラーキャビネット15が設置されており、このミラーキャビネット15は、前面に鏡150が設けられ、左側に一体状に収納ケース16が設けられたものであり、この収納ケースは、図11に水平拡大断面で示すように、前面16aと背面16bの右端側が奥側面16cで連結されており、左側面には開放された側面開口Kが形成されている。
奥側面16cの上部部位には、側面開口K側へ突出して突出片102aが形成されており、突出片102aの先端には二股状に湾曲した掛止縦孔片102bが一体形成され、掛止縦孔片102bの先端には、ラッパ状に開いたガイド片102cが形成されている。この掛止縦孔片102bとガイド片102cで固定部材102が構成されており、側面開口K側から、シャワーホース7のホース掛止部8の固定側エルボ82を、ガイド片102cに沿って掛止縦孔片102b内へ押し込んで掛止できるものであり、逆に、側面開口Kから左側方へ引き出すことで、ホース掛止部8を固定部材102から容易に取り外すことができるように構成されたものである。
【0028】
この収納ケース16の前面16aには、上部と下部にそれぞれ上シャワーフック11aと下シャワーフック11bが設けられている。
通常は、図10に示すように、収納ケース16の固定部材102にホース掛止部8を掛止させておき、その状態で、シャワーヘッド9を上シャワーフック11aあるいは下シャワーフック11bの何れかに掛止して使用することができ、下シャワーフック11bにシャワーヘッド9を掛止した場合にも、延長配管部7bが洗い場3床面に垂れ下がって当接するようなことがなく、良好な使用状態が得られるものである。
また、掃除に使用する際には、図12のように、側面開口Kからホース掛止部8を左側方へ取り外して、収納ケース16から立上配管部7aを外側へ引き出し、長い1本のシャワーホース7として使用でき、長いシャワーホース7で隅々まで良好に掃除できるものである。
【0029】
次に、図13〜図15に示すものは第4実施例であり、本例では、図14に示すように、壁面4に設けられたミラーキャビネット15には、収納ケース16が設けられており、この収納ケース16は、図15のように、前面側に開閉可能に扉部17が備えられたものである。
収納ケース16内の上部部位には、固定部材10が固設されており、収納ケース16内にはシャワーホースの立上配管部7aを立ち上げ状に収納することができるものである。立上配管部7aの下端は、カウンター5内に隠蔽状に設けられている水栓のシャワー用給水部6cに接続される給水部連結リング19となっており、立上配管部7aの上端にはホース掛止部8が設けられて延長配管部7bが連結されている。
【0030】
本例のホース掛止部8は、図13の分解斜視図で示すように、固定側エルボ82の挿着部82bの外周に外側へ突出した鍔部82cが一体形成されたものであり、その他の構成は前記図4のものと同様であり、クランク状にホース掛止部8が形成されている。
通常では、ホース掛止部8を収納ケース16内の固定部材10に掛止させておき、その状態で扉部17を閉めることで、立上配管部7aが隠蔽されてすっきりとした設置状態が得られるものであり、この時に、扉部17の上端に凹み状に形成されている凹部17a内に、固定側エルボ82を嵌め込んで鍔部82cを扉部17の前面側に配置させておき、その状態で上面蓋部材18の下端の凹部18aを固定側エルボ82に被せて図14のように設置することができ、扉部17から回動側エルボ83および延長配管部7bが露出した状態となり、回動側エルボ83を良好に上下方向に回動させることができて、シャワーヘッド9は上シャワーフック11aあるいは下シャワーフック11bの何れかに掛止して使用することができ、下シャワーフック11bにシャワーヘッド9を掛止して使用する場合でも、延長配管部7bが洗い場3床面に垂れ下がり当接することはなく、使用状態が良好なものとなる。
なお、掃除する際等には、図15に示すように、上面蓋部材18を取り外し、扉部17を開けて、シャワーホース7の立上配管部7aを収納ケース16の前面側へ引き出して、立上配管部7aと延長配管部7bを1本の長いシャワーホース7として使用することができ、浴室の隅々まで良好に掃除できるものとなる。
【0031】
次に、図16〜図19には第5実施例を示す。
図16に示すように、浴槽2の上端のフランジ部2aにおけるカウンター5側には、円筒状の握りバー20が立設されており、握りバー20の上端は、壁面4に突出状に固定された固定部材10に連結されている。
また、握りバー20の下端と浴槽のフランジ部2a上面は、化粧鍔20bで覆蓋されてすっきりとした設置状態が得られている。この化粧鍔20bの内側では、立上配管部7aの下端の給水部連結リング19が水栓のシャワー用給水部6cに連結されるものであり、この給水部連結リング19を含めた立上配管部7aがすっぽりと収納されるような内径に握りバー20は形成されており、その側面には、立上配管部7aを外側へ取り出し可能に縦方向に長い縦長開口20aが形成されている。
なお、図18は、握りバー20の水平断面構成図である。
【0032】
なお、握りバー20の上端を固定する固定部材10には、縦方向に掛止縦孔10aが形成されており、その前面にはスリット孔10bが形成されている。
従って、握りバー20内の収納空間S内に立上配管部7aを収納させて、ホース掛止部8の固定側エルボ82および円錐掛止部81を固定部材10の掛止縦孔10a内に掛止させて、図17のように回動側エルボ83のみが突出するように掛止固定することができ、固定部材10にホース掛止部8を掛止した状態で、回動側エルボ83は良好に上下方向に回動できるために、シャワーヘッド9は図16のように上シャワーフック11aあるいは下シャワーフック11bの何れかに掛止して使用することができ、下シャワーフック11bにシャワーヘッド9を掛止して使用する場合にも、延長配管部7bは洗い場3の床面に当接することはなく良好な使用状態が得られるものとなる。
なお、この握りバー20は、浴槽2内へ出入りする際に、身体を良好に支えることができるものであり、このような握りバー20を利用して、その内部にすっきりとした状態でシャワーホース7の立上配管部7aを収納させておくことができ、掃除をする際には、固定部材10からホース掛止部8を取り外して、縦長開口20aから立上配管部7aを引き出し、立上配管部7aと延長配管部7bを1本の長いシャワーホース7として使用することができ、浴室の隅々まで良好に掃除できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1実施例の浴室の斜視構成図である。
【図2】図1における固定部材とシャワーホースのホース掛止部の拡大分解斜視図である。
【図3】回動側エルボを上方側へ回動させた状態のホース掛止部の斜視構成図である。
【図4】ホース掛止部の構成部材の分解斜視図である。
【図5】ホース掛止部を固定部材から取り外して長い1本のシャワーホースとして使用する状態の斜視構成図である。
【図6】掃除する際にシャワーヘッドと交換できるブラシヘッドの拡大構成図である。
【図7】固定部材とホース掛止部の変更例を示す分解斜視図である。
【図8】第2実施例のホース掛止部の拡大斜視構成図である。
【図9】ホース掛止部をU字状に構成した場合の斜視構成図である。
【図10】収納ケース内にシャワーホースの立上配管部を収納させた第3実施例の浴室の斜視構成図である。
【図11】図10における収納ケースの上部部位の水平断面拡大構成図である。
【図12】収納ケースの側面開口からシャワーホースの立上配管部を引き出す際の拡大斜視構成図である。
【図13】第4実施例のホース掛止部の構成部材の分解斜視図である。
【図14】第4実施例の浴室の斜視構成図である。
【図15】第4実施例の収納ケースの扉部を開けてシャワーホースの立上配管部を引き出す際の要部斜視構成図である。
【図16】第5実施例の浴室の斜視構成図である。
【図17】握りバーの上端の固定部材にシャワーホースのホース掛止部を掛止した状態の要部拡大斜視図である。
【図18】握りバーを水平方向に切断した拡大断面構成図である。
【図19】握りバーの縦長開口からシャワーホースの立上配管部を引き出した状態の斜視構成図である。
【符号の説明】
【0034】
1 浴室
2 浴槽
2a フランジ部
3 洗い場
4 壁面
5 カウンター
6a 温度調節ハンドル
6b シャワー,吐水,流量切替ハンドル
6c シャワー用給水部
7 シャワーホース
7a 立上配管部
7b 延長配管部
8 ホース掛止部
9 シャワーヘッド
10 固定部材
10a 掛止縦孔
10b スリット孔
11a 上シャワーフック
11b 下シャワーフック
12 ブラシヘッド
13 シャワーフック
13a 掛止縦孔
15 ミラーキャビネット
16 収納ケース
16a 前面
17 扉部
17a 凹部
18 上面蓋部材
19 給水部連結リング
20 握りバー
20a 縦長開口
20b 化粧鍔
81 円錐掛止部
81a 雌ネジ
81b 係止縦溝
82 固定側エルボ
82a 雄ネジ部
82b 挿着部
82c 鍔部
83 回動側エルボ
83a 挿入ネジ部
83b 雄ネジ部
84 連結リング
85 固定側通水部
86 立上板
86a 掛止孔
101 固定部材
101a 固定板部
101c 立上片
102 固定部材
102a 突出片
102b 掛止縦孔片
102c ガイド片
K 側面開口
S 収納空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓のシャワー用給水部に接続したシャワーホースの途中に、
前記水栓より上方に設けた固定部材に着脱可能に掛止できるホース掛止部を設け、
該ホース掛止部を、前記固定部材への掛止状態で上下方向へ回動可能で、且つ内部に通水可能な構造とした
ことを特徴とする浴室用シャワー装置。
【請求項2】
前記ホース掛止部にシャワーフックを設けたことを特徴とする請求項1に記載の浴室用シャワー装置。
【請求項3】
前記シャワーホースにおける前記シャワー用給水部から前記ホース掛止部までの部分を、収納ケース内に取出し可能に収納させたことを特徴とする請求項1に記載の浴室用シャワー装置。
【請求項4】
前記収納ケースの側面にシャワーホース取出し用の開口を設けるとともに、該収納ケースの前面にシャワーフックを設けたことを特徴とする請求項3に記載の浴室用シャワー装置。
【請求項5】
前記収納ケースの前面に開閉可能な扉部を設け、該扉部を開けてシャワーホースを前方側へ取出し可能にしたことを特徴とする請求項3に記載の浴室用シャワー装置。
【請求項6】
前記収納ケースを、浴槽のフランジ部またはカウンターから立ち上がる円筒状に形成し、その側面にシャワーホース取出し用の縦長開口を設けたことを特徴とする請求項3に記載の浴室用シャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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