浴室用ミスト発生装置
【課題】 浴室の壁又は天井(2)に設置される機器本体(20)内に引き込まれる温水供給管(10)と、その下流端に設けられるミスト噴霧部(1)とを備えた浴室用ミスト発生装置に関し、ミスト噴霧部(1)の位置を機器本体(20)の設置場所の状況や入浴者の好み等に合わせて、上下に調整できるようにすること。
【解決手段】 温水供給管(10)は、機器本体(20)内にて固定される固定配管(11)と、その下流端に接続される調整配管(12)とからなり、調整配管(12)の下流端は高さ方向に位置調整可能に構成されており、ミスト噴霧部(1)は調整配管(12)の前記下流端に設けられていること。
【解決手段】 温水供給管(10)は、機器本体(20)内にて固定される固定配管(11)と、その下流端に接続される調整配管(12)とからなり、調整配管(12)の下流端は高さ方向に位置調整可能に構成されており、ミスト噴霧部(1)は調整配管(12)の前記下流端に設けられていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室用ミスト発生装置、特に、浴室内に設置されて湯水をミスト状に噴霧させる浴室用ミスト発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、加熱した温水をミスト噴霧部からミスト状に浴室内に噴霧させるミスト発生装置が普及されつつある。
特に、前記ミスト発生装置を搭載させる機器本体として、浴室暖房機が採用されており、前記浴室暖房機を浴室内の天井又は壁面に設置した場合、前記機器本体の下部に設けられている風吹出部から発生される温風によって入浴前の浴室内を予め温めておくことができ、冬季でも寒さを感じることのない入浴が可能となると共に、前記ミスト発生装置のミスト噴霧部から高温ミストを浴室内に噴霧させれば、浴室内をミストサウナ室として楽しむことができる。又、夏場では、ミスト噴霧部から冷水を噴霧させることにより、冷水ミスト機能による清涼感を味わうことができる。
【0003】
これら浴室暖房機に搭載させたミスト発生装置では、ミスト噴霧部は浴室の天井又は壁面内に固定されているため、ミスト噴霧部からのミストの噴霧方向は、前記風吹出部から吹き出される温風の吹き出し方向によって変更させることはできるが、ミスト噴霧部の高さ自体は変えることが出来なかった(特許文献1)。このため、天井設置型の浴室暖房機では、天井板の厚みによって、ミスト噴霧部の天井からの露出度合いが異なり、天井板が厚肉の場合では、ミスト噴霧部が奥まって配設されてしまい、ミスト噴霧に支障を来たす不都合があるほか、天井板が薄肉の場合では、ミスト噴霧部が天井から突出した状態で設置されてしまい見苦しいといった不都合があった。
【0004】
図11の(a)(b)は、天井設置型の浴室暖房機を機器本体(20)として採用したもので、それに搭載させたミスト発生装置の概略図を示している。機器本体(20)の下方開放部には、天井(2)を介して取り付けられているカバー体(22)によって閉塞されており、前記カバー体(22)から風吹出部(21)やミスト噴霧部(1)が突出するように構成されている。
前記ミスト発生装置を構成している温水供給管(10)は、銅管により構成されていると共に、機器本体(20)内において、図12に示すように、上流端のみが固定板(3)によって固定された構造となっている。
【0005】
図11の(a)又は、図12の実線で示した状態で温水供給管(10)が収納されている機器本体(20)を、図11の(b)に示すように、板厚の厚い天井(2)に取り付ける場合、カバー体(22)から前記風吹出部(21)とミスト噴霧部(1)が露出するように、これらの高さを調節しなければならない。
カバー体(22)に設けられた開口(23)からミスト噴霧部(1)が突出するように、ミスト噴霧部(1)を下方に引っ張ると、温水供給管(10)は、上記したように比較的柔軟な銅管であることから、図12に示すように、前記温水供給管(10)を強制的に撓ませて、ミスト噴霧部(1)を引き下げることができる。このように、銅製の温水供給管(10)では、配管の撓みを利用してミスト噴霧部(1)の高さを変えることができる。
【特許文献1】特開2002―336327号公報
【特許文献2】特開平7―55172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来のミスト発生装置では、ミスト噴霧部(1)の高さを変えるために、銅管を無理に撓ませているため、ミスト噴霧部(1)の位置が安定せず、施工時にカバー体(22)に設けた前記開口(23)に合わせ難い。又、銅製の温水供給管(10)に、不自然な曲がりや捻れ等のストレスがかかり、温水供給管(10)の損傷の原因になるといった不都合があった。
又、ミスト噴霧部(1)の高さ変更は、銅管の撓みを利用して行われる程度であるから、例えば、入浴者の身長や好み等に応じて、上下に大きく高さ変更することはできなかった。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みて成されたもので、『浴室の壁又は天井に設置される機器本体内に引き込まれる温水供給管と、前記温水供給管の下流端に設けられ且つ前記温水供給管内の湯水を浴室内に噴霧させるミスト噴霧部とを備えた浴室用ミスト発生装置』において、ミスト噴霧部の位置を機器本体の設置場所の状況や入浴者の好み等に合わせて、上下に調整できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[請求項1に係る発明]
上記課題を解決する為の請求項1に係る発明の技術的手段は、『前記温水供給管は、前記機器本体内にて固定される固定配管と、前記固定配管の下流端に接続される調整配管とからなり、
調整配管の下流端は、高さ方向に位置調整可能に構成されており、
前記ミスト噴霧部は前記調整配管の前記下流端に設けられている』ことである。
上記技術的手段は次のように作用する。
機器本体内にて、固定配管を固定させた状態で、調整配管の下流端の高さを調整することによって、調整配管の下流端に設けられているミスト噴霧部の高さを変更することができる。例えば、機器本体を設置する天井の厚みに応じて、機器本体からミスト噴霧部が常に安定した位置に露出するように調整することができる。又、調整配管の下流端が高く位置するように調整配管を調整すると、ミスト噴霧部は高い位置に設置されることとなり、逆に、調整配管の下流端が低く位置するように調整配管を調整すると、ミスト噴霧部は低い位置に設置されることとなる。よって、入浴者の身長が高い場合や頭からミストをかぶりたい場合には、ミスト噴霧部の高さを高く設定すればよく、逆に、入浴者の身長が低い場合や頭や顔にミストを掛けたくない場合には、ミスト噴霧部の高さを低く設定すれば良い。
【0009】
[請求項2に係る発明]
請求項1に係る発明のミスト発生装置において、『前記調整配管は上下方向に伸縮自在に構成され、
前記機器本体内で加熱された温風を浴室内に吹き出させる風吹出部が前記調整配管と並列して設けられ、
前記風吹出部の下流端には出口筒部が上下方向に移動自在に設けられると共に、前記出口筒部と前記調整配管とは同期的に移動可能に連結されている』ものでは、調整配管を、風吹出部の出口筒部と共に上下させることができ、天井板の厚みに応じて、両者を同時に所望の高さに位置調整することができる。
【0010】
[請求項3に係る発明]
請求項1に記載の浴室用ミスト発生装置において、『前記調整配管は、前記固定配管の下流端に、直接又は間接的に接続されると共に、その接続部を回動支点として上下方向に回動自在に設けられている』ものでは、調整配管が固定配管の下流端に直接的に又は継手等を介して間接的に接続されており、前記調整配管をその接続部から垂下させた回動姿勢のときが、ミスト噴霧部は最下位置となる。その姿勢から、前記調整配管を上方へ回動させることにより、前記ミスト噴霧部の高さを調整することができる。
【0011】
[請求項4に係る発明]
上記各請求項に記載の浴室用ミスト発生装置において、『前記調整配管は、不使用時には前記機器本体内に収納可能に構成されている』ものでは、ミスト使用時に、下流端のミスト噴霧部を所望の高さに達するまで引き下げ、ミスト使用後には、前記ミスト噴霧部を引き上げて、調整配管と共に機器本体内に収納することができる。
【0012】
[請求項5に係る発明]
請求項5に係る発明の技術的手段は、上記各請求項の浴室用ミスト発生装置において、『前記ミスト噴霧部は、前記調整配管の下流端に対して首振り自在に取り付けられている』ものでは、例えば、ミスト噴霧部に、湯水をミスト状に噴霧する噴霧口としてのミストノズルが複数設けられている場合に、前記調整配管の姿勢にかかわらず、前記ミストノズル群の向きを所望の方向に設定することができる。
尚、上記各請求項に係る発明において、請求項6のように、『前記機器本体は浴室暖房機である』ものでは、ミスト発生装置は浴室暖房機内に搭載されることとなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は次の特有の効果を有する。
請求項1に係る発明では、機器本体内にて、調整配管の下流端に設けられているミスト噴霧部の高さを調整できるようにしたから、ミスト発生装置を搭載させる機器本体の設置条件に応じて、機器本体からのミスト噴霧部の露出度合いを調整することができる。このように、機器本体の設置条件が変わっても、施工方法が変更されたり複雑になったりすることもなく、容易にそれに対応させることができる上に、ミスト噴霧部の高さ調整を行っても、温水供給管自体に捻れや曲げ等のストレスを与えることがない。
又、入浴者の身長や入浴者の好み等に応じて、ミスト噴霧部の高さを所望の高さに変更することできるから、より快適で且つ使い勝手の良いミスト発生装置を提供することができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、上記効果に加えて、天井板の厚みに応じて調整配管と出口筒部とを同時に上下させて所望の高さに設定することができるようにしたから、設置条件に応じた機器本体の設置作業が一層円滑に且つ容易に行うことができる。
請求項3に係る発明では、上記効果に加えて、さらに、ミスト噴霧部は、調整配管を回動させることにより上下方向に高さ変更できるようにしたから、ミスト噴霧部の高さ変更のための作業が一層容易となる。
請求項4に係る発明では、ミスト不使用時には、調整配管及びミスト噴霧部は機器本体内に収納できるようにしたから、機器本体から常時配管が露出する見苦しさを解消することができ、浴室内をスッキリさせることができる。
【0015】
請求項5に係る発明では、ミスト噴霧部は、高さに加えて向きも調整可能としたから、一層、使い勝手の良いミスト発生装置を提供することができる。
請求項6に係る発明では、設置場所や入浴者の好みに応じてミスト噴霧部の高さを調整可能なミスト発生装置付きの浴室暖房機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
第1実施形態のものは、ミスト発生装置を搭載させる機器本体(20)として、天井設置型の浴室暖房機を採用したものであり、図1は機器本体(20)の内部構造を一部省略した断面図である。機器本体(20)内には、暖房乾燥機能を有する浴室空調装置(C)と、ミスト機能を有するミスト発生装置(M)とが内蔵されている。
【0017】
前記機器本体(20)は、浴室の天井(2)に設けた開口(24)内に収納された状態で支持されており、前記開口(24)は、天井(2)に取り付けられるカバー板(22)によって閉塞されている。尚、カバー板(22)には、外部の空気を機器本体(20)内に取り入れる吸気口(25)と、機器本体(20)内で加熱された空気を浴室内に吹き出させる風吹出部(21)の下流端が対応する温風吹出口(26)と、ミスト発生装置(M)のミスト噴霧部(1)が突出するミスト用開口(23)が浴室内に開放するように形成されている。
【0018】
前記浴室空調装置(C)は、前記吸気口(25)から前記風吹出部(21)へ空気を循環させる循環通路(30)と、前記循環通路(30)内に設置され且つ前記吸気口(25)から吸引された前記循環通路(30)内の空気を風吹出部(21)の下流端へ送り出す循環ファン(31)と、前記循環通路(30)内の空気を加熱する加熱手段としての熱交換器(32)等からなり、風吹出部(21)の下流端には、出口筒部(13)がスライド可能に装着されている。
【0019】
又、ミスト発生装置(M)は、温水を機器本体(20)内に導く温水供給管(10)と、その下流端に接続されるミスト噴霧部(1)とを具備し、前記温水供給管(10)は、外部の配管に直結されて機器本体(20)内にて固定される固定配管(11)と、前記固定配管(11)の下流端に接続される調整配管(12)とから構成されている。同図のものでは、前記固定配管(11)は、水平配管(11a)とこれの下流端から垂下する垂直配管(11b)とによって略L字状に構成されており、前記垂直配管(11b)に前記調整配管(12)が上下方向にスライド自在に抜け止め状態に差し込まれた構成となっている。尚、調整配管(12)にはシール用のOリング(16)を具備させてあり、垂直配管(11b)と調整配管(12)とのシール性を確保している。
【0020】
特に、この実施の形態では、調整配管(12)と前記出口筒部(13)とが、連結板(33)によって連結されており、両者は同時に上下にスライド可能に構成されている。
この実施の形態で採用した浴室暖房機では、吸気口(25)からミスト噴霧部(1)の循環通路(30)内に取り入れた空気を熱交換器(32)で加熱し、加熱された温風を風吹出部(21)から浴室内に吹き出させることにより、浴室暖房効果が得られ、又、温水供給管(10)を通して加熱又は非加熱状態の湯水をミスト噴霧部(1)から浴室内に噴霧することにより、ミストサウナ効果や、夏場では、冷水ミスト効果を得ることができる。
【0021】
この種の浴室暖房機を設置する浴室の天井(2)の板厚が薄い場合は、図1に示すように、垂直配管(11b)と調整配管(12)との重なり部分、及び、出口筒部(13)と風吹出部(21)の下流端との重なり部分が多くなるようにそれぞれ接続されており、図2のように、天井(2)の板厚が厚い場合には、機器本体(20)の開放端からカバー板(22)までの距離が遠くなるため、カバー板(22)の開口(23)からミスト噴霧部(1)を、温風吹出口(26)から出口筒部(13)を露出させるには、図1で示した接続態様よりも、調整配管(12)及び出口筒部(13)を下方へ引っ張り出さなければならない。調整配管(12)及び出口筒部(13)は、連結板(33)によって連結されているため、どちらか一方を下方へ引き出すことにより、他方も同時に引き出され、調整配管(12)は垂直配管(11b)に、出口筒部(13)は風吹出部(21)の下端部に対してそれぞれスライド式に引っ張り出されることとなる。
尚、上記実施の形態では、調整配管(12)は固定配管(11)の垂直配管(11b)に対してスライド自在とすることにより、ミスト噴霧部(1)の高さ調節を可能としたが、図3に示すもののように、調整配管(12)として蛇腹管を採用することにより、蛇腹の伸縮によってミスト噴霧部(1)の上下方向に高さ調節を可能としてもよい。
【0022】
又、図4に示すものは、ミスト噴霧部(1)の高さ調節手段として、前記固定配管(11)の垂直配管(11b)の上流端近傍と調整配管(12)の下流端近傍にそれぞれバネ受け部(14)(15)を設け、前記バネ受け部(14)(15)間に押し出しバネ(4)を介在させることにより、調整配管(12)を押し出しバネ(4)の付勢力によって押し出し方向に常時付勢されるようにしたものである。尚、カバー板(22)に設けた開口(23)の周縁には、ミスト噴霧部(1)を受けるストッパ(27)が設けられており、前記ミスト噴霧部(1)を抜け止め状態に保持している。このものでは、天井(2)の板厚が厚くなれば、カバー板(22)に設けたストッパ(27)が下方へ移動するため、これに伴って、調整配管(12)の下流端が押し出しバネ(4)の付勢力によって自動的に押し出されてくる。このように、天井(2)の板厚に合うように、施工者が調整配管(12)を引っ張り出さなくても、ミスト噴霧部(1)は押し出しバネ(4)に押されて自動的に開口(23)から露出する態様となるから、施工性がさらに向上する。
【0023】
尚、上記した天井設置型の浴室暖房機の各実施の形態において、調整配管(12)の伸縮自在な構造を利用して、ミスト発生装置(M)の運転時のみ、ミスト噴霧部(1)と風吹出部(21)の出口筒部(13)とがカバー体(22)から下方へ突出し、運転終了後には、両者共が前記機器本体(20)内に収納されるようにしておくと、不使用時における浴室暖房機の外観が向上する上に、浴室空調装置(C)のみの運転時にミスト噴霧部(1)が邪魔になることがない。
又、ミスト噴霧部(1)と風吹出部(21)の出口筒部(13)とを同時に運転させることによって、ミスト噴霧部(1)から噴霧されるミストを、前記風吹出部(21)の出口筒部(13)からの吹き出される温風、冷風、又は送風に乗せて、浴室内全体に効率良く噴霧させることができる。
【0024】
温水ミストを温風に乗せて噴霧させることにより、家庭の浴室をミストサウナ室として様変わりさせることができ、ドライサウナよりも低めの室温で高湿度状態の環境を作り出すことができるから、体への負担も少なく、発汗を促進させて新陳代謝を高めることができる。又、冷水ミストを冷風にのせて噴霧させれば、浴室内を高原のように涼しく快適な環境に整えることができる。これを利用して、夏場などの蒸し暑くべたつく季節においては、爽やかな清涼感を楽しむことができる。
これらミスト温度及び風の温度は、季節や気分に合わせて適宜コントロールできるように設定されているものとする。
尚、出口筒部(13)と調整配管(12)とは必ずしも一体化しておく必要はなく、図4に示すもののように、別体に構成されていても良い。
【0025】
上記各実施の形態のミスト発生装置を搭載させる浴室暖房機は、浴室の天井(2)に設置するタイプのものとしたが、壁面設置型の浴室暖房機にも採用可能である。
図5に示すものは、調整配管(12)が固定配管(11)に対して下方へスライド式に伸縮自在に取り付けられた構成の温水供給管(10)の下流端に、ミスト噴霧部(1)を接続させた構成のものであり、同図の(a)及び図6の(a)に示すものは、浴室の壁面(40)に取り付けた機器本体(20)に対して、ミスト噴霧部(1)を最上位置にセットした状態であり、図5の(b)及び図6の(b)に示すものはミスト噴霧部(1)を所望の位置まで引き下げた状態である。
【0026】
身長の高い入浴者や、頭から全身にミストをかけたい場合は、図5の(a)及び図6の(a)のように、ミスト噴霧部(1)の位置を床面(41)から高く設定しておけば良く、身長の低い人や、頭や顔にミストをかけたくない場合には、図5の(b)や図6の(b)のように、ミスト噴霧部(1)を引き下げて、床面(41)から低い位置にセットしておけば良い。
このように、壁面(40)に設置させた機器本体(20)からのミスト噴霧部(1)の、床面(41)からの高さを入浴者の身長や好みに応じて所定の高さに設定することができるから、各人毎に快適なミスト入浴を選択して実施することができる。
又、ミスト噴霧部(1)の高さを変更させる手段としては、図7に示すように、蛇腹状の調整配管(12)を採用したり、図8に示すように、複数の調整配管(12)を回動自在に接続させて接続部で屈曲可能なパンタグラフ状に構成したりすることも可能である。
【0027】
図9に示すものは、調整配管(12)を固定配管(11)の下流端に、上下方向に回動自在に接続させた構成のものであり、固定配管(11)の下流端は横長の機器本体(20)の一側方寄りの下部域に固定されており、調整配管(12)を固定配管(11)の下流端から垂下させた垂直姿勢となるように回動させたときに、調整配管(12)の下流端のミスト噴霧部(1)の高さは、最も低く設定され、この状態から、調整配管(12)を上方へ回動させて水平姿勢としたときには、同図の二点鎖線に示すように、ミスト噴霧部(1)を含む調整配管(12)全体が機器本体(20)内に収納されるように設定されている。
【0028】
調整配管(12)が機器本体(20)内に収納されたとき、前記調整配管(12)の下側となる面と、機器本体(20)の下面とが面一となるように設定しておけば、ミスト発生装置(M)の不使用時における浴室暖房機の外観が向上する上に、前記調整配管(12)の回動範囲が広がることとなる。又、機器本体(20)内における前記調整配管(12)を含む温水供給管の配設スペースが広がることにより、機器本体(20)内における配管の配設構成が簡単となり、施工作業がし易くなる。
【0029】
尚、図9に示したものでは、前記調整配管(12)自体を固定配管(11)に対して回動自在に接続させる構成としたが、固定配管(11)又はそれに沿って設けられている支持体に対して支持棒を回動自在に接続させ、前記支持棒に、調整配管(12)としての配管を沿わせたり一体的に設けたりする構成としても良い。
尚、上記図5から図9に示すミスト噴霧部(1)は、横長のミスト噴霧部(1)に、ミストが噴霧されるミストノズル(17a)(17b)を水平方向に並列されているものとし、ミスト噴霧部(1)は、図10に示すように、調整配管(12)の下流端に回動自在に接続させているものとする。
【0030】
ミスト噴霧部(1)の姿勢を調整配管(12)に対して回動自在に設定しておくことにより、ミストノズル(17a)(17b)からのミストの噴霧方向を変えることができ、さらに、幅広く快適なミスト入浴を楽しむことができる。又、図9に示した実施形態のように、調整配管(12)の水平姿勢にあわせてミスト噴霧部(1)のミストノズル(17a)(17b)が水平に位置するように回動させることにより、ミスト噴霧部(1)も調整配管(12)と共に機器本体(20)内に収納することができる。
【0031】
尚、上記した各実施の形態に示した調整配管(12)も、ミスト発生装置(M)の不使用時には、ミスト噴霧部(1)と共に機器本体(20)内に収納できるようにしてもよく、さらに、前記調整配管(12)の伸縮又は回動操作、及び、ミスト噴霧部(1)の調整配管(12)に対する回動操作は、それぞれ、リモコンにより遠隔操作可能としても良い。
又、高さ調節後のミスト噴霧部(1)の位置決めについては、ミスト噴霧時に前記ミスト噴霧部(1)にかかる水圧(噴霧圧)に耐え得る構成であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態における浴室用ミスト発生装置を搭載させた天井設置型の浴室暖房機の内部構造を省略した断面図。
【図2】図1の状態から調整配管(12)を引き下げた状態を示す断面図。
【図3】本発明の第2実施形態における浴室用ミスト発生装置の説明図。
【図4】本発明の第3実施形態における浴室用ミスト発生装置の説明図。
【図5】本発明の浴室用ミスト発生装置を搭載させた壁面設置型の浴室暖房機の正面図であり、(a)はミスト噴霧部(1)を上げた状態であり、(b)はミスト噴霧部(1)を下げた状態を示す一部切欠正面図。
【図6】図5の使用状態を示す説明図であり、(a)はミスト噴霧部(1)を上げた状態であり、(b)はミスト噴霧部(1)を下げた状態を示す。
【図7】本発明の浴室用ミスト発生装置を搭載させた壁面設置型の浴室暖房機の他の例の説明図。
【図8】本発明の浴室用ミスト発生装置を搭載させた壁面設置型の浴室暖房機の他の例の説明図。
【図9】本発明の浴室用ミスト発生装置を搭載させた壁面設置型の浴室暖房機の他の例の説明図。
【図10】ミスト噴霧部(1)の説明図。
【図11】従来の浴室用ミスト発生装置を搭載させた天井設置型の浴室暖房機の内部構造を省略した断面図であり、(a)はミスト噴霧部(1)を上げた状態であり、(b)はミスト噴霧部(1)を下げた状態を示す。
【図12】従来の浴室用ミスト発生装置のミスト噴霧部(1)を下げた状態を示す温水供給管の説明図。
【符号の説明】
【0033】
(1) ・・・・・・ミスト噴霧部
(10)・・・・・・温水供給管
(11)・・・・・・固定配管
(12)・・・・・・調整配管
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室用ミスト発生装置、特に、浴室内に設置されて湯水をミスト状に噴霧させる浴室用ミスト発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、加熱した温水をミスト噴霧部からミスト状に浴室内に噴霧させるミスト発生装置が普及されつつある。
特に、前記ミスト発生装置を搭載させる機器本体として、浴室暖房機が採用されており、前記浴室暖房機を浴室内の天井又は壁面に設置した場合、前記機器本体の下部に設けられている風吹出部から発生される温風によって入浴前の浴室内を予め温めておくことができ、冬季でも寒さを感じることのない入浴が可能となると共に、前記ミスト発生装置のミスト噴霧部から高温ミストを浴室内に噴霧させれば、浴室内をミストサウナ室として楽しむことができる。又、夏場では、ミスト噴霧部から冷水を噴霧させることにより、冷水ミスト機能による清涼感を味わうことができる。
【0003】
これら浴室暖房機に搭載させたミスト発生装置では、ミスト噴霧部は浴室の天井又は壁面内に固定されているため、ミスト噴霧部からのミストの噴霧方向は、前記風吹出部から吹き出される温風の吹き出し方向によって変更させることはできるが、ミスト噴霧部の高さ自体は変えることが出来なかった(特許文献1)。このため、天井設置型の浴室暖房機では、天井板の厚みによって、ミスト噴霧部の天井からの露出度合いが異なり、天井板が厚肉の場合では、ミスト噴霧部が奥まって配設されてしまい、ミスト噴霧に支障を来たす不都合があるほか、天井板が薄肉の場合では、ミスト噴霧部が天井から突出した状態で設置されてしまい見苦しいといった不都合があった。
【0004】
図11の(a)(b)は、天井設置型の浴室暖房機を機器本体(20)として採用したもので、それに搭載させたミスト発生装置の概略図を示している。機器本体(20)の下方開放部には、天井(2)を介して取り付けられているカバー体(22)によって閉塞されており、前記カバー体(22)から風吹出部(21)やミスト噴霧部(1)が突出するように構成されている。
前記ミスト発生装置を構成している温水供給管(10)は、銅管により構成されていると共に、機器本体(20)内において、図12に示すように、上流端のみが固定板(3)によって固定された構造となっている。
【0005】
図11の(a)又は、図12の実線で示した状態で温水供給管(10)が収納されている機器本体(20)を、図11の(b)に示すように、板厚の厚い天井(2)に取り付ける場合、カバー体(22)から前記風吹出部(21)とミスト噴霧部(1)が露出するように、これらの高さを調節しなければならない。
カバー体(22)に設けられた開口(23)からミスト噴霧部(1)が突出するように、ミスト噴霧部(1)を下方に引っ張ると、温水供給管(10)は、上記したように比較的柔軟な銅管であることから、図12に示すように、前記温水供給管(10)を強制的に撓ませて、ミスト噴霧部(1)を引き下げることができる。このように、銅製の温水供給管(10)では、配管の撓みを利用してミスト噴霧部(1)の高さを変えることができる。
【特許文献1】特開2002―336327号公報
【特許文献2】特開平7―55172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来のミスト発生装置では、ミスト噴霧部(1)の高さを変えるために、銅管を無理に撓ませているため、ミスト噴霧部(1)の位置が安定せず、施工時にカバー体(22)に設けた前記開口(23)に合わせ難い。又、銅製の温水供給管(10)に、不自然な曲がりや捻れ等のストレスがかかり、温水供給管(10)の損傷の原因になるといった不都合があった。
又、ミスト噴霧部(1)の高さ変更は、銅管の撓みを利用して行われる程度であるから、例えば、入浴者の身長や好み等に応じて、上下に大きく高さ変更することはできなかった。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みて成されたもので、『浴室の壁又は天井に設置される機器本体内に引き込まれる温水供給管と、前記温水供給管の下流端に設けられ且つ前記温水供給管内の湯水を浴室内に噴霧させるミスト噴霧部とを備えた浴室用ミスト発生装置』において、ミスト噴霧部の位置を機器本体の設置場所の状況や入浴者の好み等に合わせて、上下に調整できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[請求項1に係る発明]
上記課題を解決する為の請求項1に係る発明の技術的手段は、『前記温水供給管は、前記機器本体内にて固定される固定配管と、前記固定配管の下流端に接続される調整配管とからなり、
調整配管の下流端は、高さ方向に位置調整可能に構成されており、
前記ミスト噴霧部は前記調整配管の前記下流端に設けられている』ことである。
上記技術的手段は次のように作用する。
機器本体内にて、固定配管を固定させた状態で、調整配管の下流端の高さを調整することによって、調整配管の下流端に設けられているミスト噴霧部の高さを変更することができる。例えば、機器本体を設置する天井の厚みに応じて、機器本体からミスト噴霧部が常に安定した位置に露出するように調整することができる。又、調整配管の下流端が高く位置するように調整配管を調整すると、ミスト噴霧部は高い位置に設置されることとなり、逆に、調整配管の下流端が低く位置するように調整配管を調整すると、ミスト噴霧部は低い位置に設置されることとなる。よって、入浴者の身長が高い場合や頭からミストをかぶりたい場合には、ミスト噴霧部の高さを高く設定すればよく、逆に、入浴者の身長が低い場合や頭や顔にミストを掛けたくない場合には、ミスト噴霧部の高さを低く設定すれば良い。
【0009】
[請求項2に係る発明]
請求項1に係る発明のミスト発生装置において、『前記調整配管は上下方向に伸縮自在に構成され、
前記機器本体内で加熱された温風を浴室内に吹き出させる風吹出部が前記調整配管と並列して設けられ、
前記風吹出部の下流端には出口筒部が上下方向に移動自在に設けられると共に、前記出口筒部と前記調整配管とは同期的に移動可能に連結されている』ものでは、調整配管を、風吹出部の出口筒部と共に上下させることができ、天井板の厚みに応じて、両者を同時に所望の高さに位置調整することができる。
【0010】
[請求項3に係る発明]
請求項1に記載の浴室用ミスト発生装置において、『前記調整配管は、前記固定配管の下流端に、直接又は間接的に接続されると共に、その接続部を回動支点として上下方向に回動自在に設けられている』ものでは、調整配管が固定配管の下流端に直接的に又は継手等を介して間接的に接続されており、前記調整配管をその接続部から垂下させた回動姿勢のときが、ミスト噴霧部は最下位置となる。その姿勢から、前記調整配管を上方へ回動させることにより、前記ミスト噴霧部の高さを調整することができる。
【0011】
[請求項4に係る発明]
上記各請求項に記載の浴室用ミスト発生装置において、『前記調整配管は、不使用時には前記機器本体内に収納可能に構成されている』ものでは、ミスト使用時に、下流端のミスト噴霧部を所望の高さに達するまで引き下げ、ミスト使用後には、前記ミスト噴霧部を引き上げて、調整配管と共に機器本体内に収納することができる。
【0012】
[請求項5に係る発明]
請求項5に係る発明の技術的手段は、上記各請求項の浴室用ミスト発生装置において、『前記ミスト噴霧部は、前記調整配管の下流端に対して首振り自在に取り付けられている』ものでは、例えば、ミスト噴霧部に、湯水をミスト状に噴霧する噴霧口としてのミストノズルが複数設けられている場合に、前記調整配管の姿勢にかかわらず、前記ミストノズル群の向きを所望の方向に設定することができる。
尚、上記各請求項に係る発明において、請求項6のように、『前記機器本体は浴室暖房機である』ものでは、ミスト発生装置は浴室暖房機内に搭載されることとなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は次の特有の効果を有する。
請求項1に係る発明では、機器本体内にて、調整配管の下流端に設けられているミスト噴霧部の高さを調整できるようにしたから、ミスト発生装置を搭載させる機器本体の設置条件に応じて、機器本体からのミスト噴霧部の露出度合いを調整することができる。このように、機器本体の設置条件が変わっても、施工方法が変更されたり複雑になったりすることもなく、容易にそれに対応させることができる上に、ミスト噴霧部の高さ調整を行っても、温水供給管自体に捻れや曲げ等のストレスを与えることがない。
又、入浴者の身長や入浴者の好み等に応じて、ミスト噴霧部の高さを所望の高さに変更することできるから、より快適で且つ使い勝手の良いミスト発生装置を提供することができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、上記効果に加えて、天井板の厚みに応じて調整配管と出口筒部とを同時に上下させて所望の高さに設定することができるようにしたから、設置条件に応じた機器本体の設置作業が一層円滑に且つ容易に行うことができる。
請求項3に係る発明では、上記効果に加えて、さらに、ミスト噴霧部は、調整配管を回動させることにより上下方向に高さ変更できるようにしたから、ミスト噴霧部の高さ変更のための作業が一層容易となる。
請求項4に係る発明では、ミスト不使用時には、調整配管及びミスト噴霧部は機器本体内に収納できるようにしたから、機器本体から常時配管が露出する見苦しさを解消することができ、浴室内をスッキリさせることができる。
【0015】
請求項5に係る発明では、ミスト噴霧部は、高さに加えて向きも調整可能としたから、一層、使い勝手の良いミスト発生装置を提供することができる。
請求項6に係る発明では、設置場所や入浴者の好みに応じてミスト噴霧部の高さを調整可能なミスト発生装置付きの浴室暖房機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
第1実施形態のものは、ミスト発生装置を搭載させる機器本体(20)として、天井設置型の浴室暖房機を採用したものであり、図1は機器本体(20)の内部構造を一部省略した断面図である。機器本体(20)内には、暖房乾燥機能を有する浴室空調装置(C)と、ミスト機能を有するミスト発生装置(M)とが内蔵されている。
【0017】
前記機器本体(20)は、浴室の天井(2)に設けた開口(24)内に収納された状態で支持されており、前記開口(24)は、天井(2)に取り付けられるカバー板(22)によって閉塞されている。尚、カバー板(22)には、外部の空気を機器本体(20)内に取り入れる吸気口(25)と、機器本体(20)内で加熱された空気を浴室内に吹き出させる風吹出部(21)の下流端が対応する温風吹出口(26)と、ミスト発生装置(M)のミスト噴霧部(1)が突出するミスト用開口(23)が浴室内に開放するように形成されている。
【0018】
前記浴室空調装置(C)は、前記吸気口(25)から前記風吹出部(21)へ空気を循環させる循環通路(30)と、前記循環通路(30)内に設置され且つ前記吸気口(25)から吸引された前記循環通路(30)内の空気を風吹出部(21)の下流端へ送り出す循環ファン(31)と、前記循環通路(30)内の空気を加熱する加熱手段としての熱交換器(32)等からなり、風吹出部(21)の下流端には、出口筒部(13)がスライド可能に装着されている。
【0019】
又、ミスト発生装置(M)は、温水を機器本体(20)内に導く温水供給管(10)と、その下流端に接続されるミスト噴霧部(1)とを具備し、前記温水供給管(10)は、外部の配管に直結されて機器本体(20)内にて固定される固定配管(11)と、前記固定配管(11)の下流端に接続される調整配管(12)とから構成されている。同図のものでは、前記固定配管(11)は、水平配管(11a)とこれの下流端から垂下する垂直配管(11b)とによって略L字状に構成されており、前記垂直配管(11b)に前記調整配管(12)が上下方向にスライド自在に抜け止め状態に差し込まれた構成となっている。尚、調整配管(12)にはシール用のOリング(16)を具備させてあり、垂直配管(11b)と調整配管(12)とのシール性を確保している。
【0020】
特に、この実施の形態では、調整配管(12)と前記出口筒部(13)とが、連結板(33)によって連結されており、両者は同時に上下にスライド可能に構成されている。
この実施の形態で採用した浴室暖房機では、吸気口(25)からミスト噴霧部(1)の循環通路(30)内に取り入れた空気を熱交換器(32)で加熱し、加熱された温風を風吹出部(21)から浴室内に吹き出させることにより、浴室暖房効果が得られ、又、温水供給管(10)を通して加熱又は非加熱状態の湯水をミスト噴霧部(1)から浴室内に噴霧することにより、ミストサウナ効果や、夏場では、冷水ミスト効果を得ることができる。
【0021】
この種の浴室暖房機を設置する浴室の天井(2)の板厚が薄い場合は、図1に示すように、垂直配管(11b)と調整配管(12)との重なり部分、及び、出口筒部(13)と風吹出部(21)の下流端との重なり部分が多くなるようにそれぞれ接続されており、図2のように、天井(2)の板厚が厚い場合には、機器本体(20)の開放端からカバー板(22)までの距離が遠くなるため、カバー板(22)の開口(23)からミスト噴霧部(1)を、温風吹出口(26)から出口筒部(13)を露出させるには、図1で示した接続態様よりも、調整配管(12)及び出口筒部(13)を下方へ引っ張り出さなければならない。調整配管(12)及び出口筒部(13)は、連結板(33)によって連結されているため、どちらか一方を下方へ引き出すことにより、他方も同時に引き出され、調整配管(12)は垂直配管(11b)に、出口筒部(13)は風吹出部(21)の下端部に対してそれぞれスライド式に引っ張り出されることとなる。
尚、上記実施の形態では、調整配管(12)は固定配管(11)の垂直配管(11b)に対してスライド自在とすることにより、ミスト噴霧部(1)の高さ調節を可能としたが、図3に示すもののように、調整配管(12)として蛇腹管を採用することにより、蛇腹の伸縮によってミスト噴霧部(1)の上下方向に高さ調節を可能としてもよい。
【0022】
又、図4に示すものは、ミスト噴霧部(1)の高さ調節手段として、前記固定配管(11)の垂直配管(11b)の上流端近傍と調整配管(12)の下流端近傍にそれぞれバネ受け部(14)(15)を設け、前記バネ受け部(14)(15)間に押し出しバネ(4)を介在させることにより、調整配管(12)を押し出しバネ(4)の付勢力によって押し出し方向に常時付勢されるようにしたものである。尚、カバー板(22)に設けた開口(23)の周縁には、ミスト噴霧部(1)を受けるストッパ(27)が設けられており、前記ミスト噴霧部(1)を抜け止め状態に保持している。このものでは、天井(2)の板厚が厚くなれば、カバー板(22)に設けたストッパ(27)が下方へ移動するため、これに伴って、調整配管(12)の下流端が押し出しバネ(4)の付勢力によって自動的に押し出されてくる。このように、天井(2)の板厚に合うように、施工者が調整配管(12)を引っ張り出さなくても、ミスト噴霧部(1)は押し出しバネ(4)に押されて自動的に開口(23)から露出する態様となるから、施工性がさらに向上する。
【0023】
尚、上記した天井設置型の浴室暖房機の各実施の形態において、調整配管(12)の伸縮自在な構造を利用して、ミスト発生装置(M)の運転時のみ、ミスト噴霧部(1)と風吹出部(21)の出口筒部(13)とがカバー体(22)から下方へ突出し、運転終了後には、両者共が前記機器本体(20)内に収納されるようにしておくと、不使用時における浴室暖房機の外観が向上する上に、浴室空調装置(C)のみの運転時にミスト噴霧部(1)が邪魔になることがない。
又、ミスト噴霧部(1)と風吹出部(21)の出口筒部(13)とを同時に運転させることによって、ミスト噴霧部(1)から噴霧されるミストを、前記風吹出部(21)の出口筒部(13)からの吹き出される温風、冷風、又は送風に乗せて、浴室内全体に効率良く噴霧させることができる。
【0024】
温水ミストを温風に乗せて噴霧させることにより、家庭の浴室をミストサウナ室として様変わりさせることができ、ドライサウナよりも低めの室温で高湿度状態の環境を作り出すことができるから、体への負担も少なく、発汗を促進させて新陳代謝を高めることができる。又、冷水ミストを冷風にのせて噴霧させれば、浴室内を高原のように涼しく快適な環境に整えることができる。これを利用して、夏場などの蒸し暑くべたつく季節においては、爽やかな清涼感を楽しむことができる。
これらミスト温度及び風の温度は、季節や気分に合わせて適宜コントロールできるように設定されているものとする。
尚、出口筒部(13)と調整配管(12)とは必ずしも一体化しておく必要はなく、図4に示すもののように、別体に構成されていても良い。
【0025】
上記各実施の形態のミスト発生装置を搭載させる浴室暖房機は、浴室の天井(2)に設置するタイプのものとしたが、壁面設置型の浴室暖房機にも採用可能である。
図5に示すものは、調整配管(12)が固定配管(11)に対して下方へスライド式に伸縮自在に取り付けられた構成の温水供給管(10)の下流端に、ミスト噴霧部(1)を接続させた構成のものであり、同図の(a)及び図6の(a)に示すものは、浴室の壁面(40)に取り付けた機器本体(20)に対して、ミスト噴霧部(1)を最上位置にセットした状態であり、図5の(b)及び図6の(b)に示すものはミスト噴霧部(1)を所望の位置まで引き下げた状態である。
【0026】
身長の高い入浴者や、頭から全身にミストをかけたい場合は、図5の(a)及び図6の(a)のように、ミスト噴霧部(1)の位置を床面(41)から高く設定しておけば良く、身長の低い人や、頭や顔にミストをかけたくない場合には、図5の(b)や図6の(b)のように、ミスト噴霧部(1)を引き下げて、床面(41)から低い位置にセットしておけば良い。
このように、壁面(40)に設置させた機器本体(20)からのミスト噴霧部(1)の、床面(41)からの高さを入浴者の身長や好みに応じて所定の高さに設定することができるから、各人毎に快適なミスト入浴を選択して実施することができる。
又、ミスト噴霧部(1)の高さを変更させる手段としては、図7に示すように、蛇腹状の調整配管(12)を採用したり、図8に示すように、複数の調整配管(12)を回動自在に接続させて接続部で屈曲可能なパンタグラフ状に構成したりすることも可能である。
【0027】
図9に示すものは、調整配管(12)を固定配管(11)の下流端に、上下方向に回動自在に接続させた構成のものであり、固定配管(11)の下流端は横長の機器本体(20)の一側方寄りの下部域に固定されており、調整配管(12)を固定配管(11)の下流端から垂下させた垂直姿勢となるように回動させたときに、調整配管(12)の下流端のミスト噴霧部(1)の高さは、最も低く設定され、この状態から、調整配管(12)を上方へ回動させて水平姿勢としたときには、同図の二点鎖線に示すように、ミスト噴霧部(1)を含む調整配管(12)全体が機器本体(20)内に収納されるように設定されている。
【0028】
調整配管(12)が機器本体(20)内に収納されたとき、前記調整配管(12)の下側となる面と、機器本体(20)の下面とが面一となるように設定しておけば、ミスト発生装置(M)の不使用時における浴室暖房機の外観が向上する上に、前記調整配管(12)の回動範囲が広がることとなる。又、機器本体(20)内における前記調整配管(12)を含む温水供給管の配設スペースが広がることにより、機器本体(20)内における配管の配設構成が簡単となり、施工作業がし易くなる。
【0029】
尚、図9に示したものでは、前記調整配管(12)自体を固定配管(11)に対して回動自在に接続させる構成としたが、固定配管(11)又はそれに沿って設けられている支持体に対して支持棒を回動自在に接続させ、前記支持棒に、調整配管(12)としての配管を沿わせたり一体的に設けたりする構成としても良い。
尚、上記図5から図9に示すミスト噴霧部(1)は、横長のミスト噴霧部(1)に、ミストが噴霧されるミストノズル(17a)(17b)を水平方向に並列されているものとし、ミスト噴霧部(1)は、図10に示すように、調整配管(12)の下流端に回動自在に接続させているものとする。
【0030】
ミスト噴霧部(1)の姿勢を調整配管(12)に対して回動自在に設定しておくことにより、ミストノズル(17a)(17b)からのミストの噴霧方向を変えることができ、さらに、幅広く快適なミスト入浴を楽しむことができる。又、図9に示した実施形態のように、調整配管(12)の水平姿勢にあわせてミスト噴霧部(1)のミストノズル(17a)(17b)が水平に位置するように回動させることにより、ミスト噴霧部(1)も調整配管(12)と共に機器本体(20)内に収納することができる。
【0031】
尚、上記した各実施の形態に示した調整配管(12)も、ミスト発生装置(M)の不使用時には、ミスト噴霧部(1)と共に機器本体(20)内に収納できるようにしてもよく、さらに、前記調整配管(12)の伸縮又は回動操作、及び、ミスト噴霧部(1)の調整配管(12)に対する回動操作は、それぞれ、リモコンにより遠隔操作可能としても良い。
又、高さ調節後のミスト噴霧部(1)の位置決めについては、ミスト噴霧時に前記ミスト噴霧部(1)にかかる水圧(噴霧圧)に耐え得る構成であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態における浴室用ミスト発生装置を搭載させた天井設置型の浴室暖房機の内部構造を省略した断面図。
【図2】図1の状態から調整配管(12)を引き下げた状態を示す断面図。
【図3】本発明の第2実施形態における浴室用ミスト発生装置の説明図。
【図4】本発明の第3実施形態における浴室用ミスト発生装置の説明図。
【図5】本発明の浴室用ミスト発生装置を搭載させた壁面設置型の浴室暖房機の正面図であり、(a)はミスト噴霧部(1)を上げた状態であり、(b)はミスト噴霧部(1)を下げた状態を示す一部切欠正面図。
【図6】図5の使用状態を示す説明図であり、(a)はミスト噴霧部(1)を上げた状態であり、(b)はミスト噴霧部(1)を下げた状態を示す。
【図7】本発明の浴室用ミスト発生装置を搭載させた壁面設置型の浴室暖房機の他の例の説明図。
【図8】本発明の浴室用ミスト発生装置を搭載させた壁面設置型の浴室暖房機の他の例の説明図。
【図9】本発明の浴室用ミスト発生装置を搭載させた壁面設置型の浴室暖房機の他の例の説明図。
【図10】ミスト噴霧部(1)の説明図。
【図11】従来の浴室用ミスト発生装置を搭載させた天井設置型の浴室暖房機の内部構造を省略した断面図であり、(a)はミスト噴霧部(1)を上げた状態であり、(b)はミスト噴霧部(1)を下げた状態を示す。
【図12】従来の浴室用ミスト発生装置のミスト噴霧部(1)を下げた状態を示す温水供給管の説明図。
【符号の説明】
【0033】
(1) ・・・・・・ミスト噴霧部
(10)・・・・・・温水供給管
(11)・・・・・・固定配管
(12)・・・・・・調整配管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の壁又は天井に設置される機器本体内に引き込まれる温水供給管と、前記温水供給管の下流端に設けられ且つ前記温水供給管内の湯水を浴室内に噴霧させるミスト噴霧部とを備えた浴室用ミスト発生装置において、
前記温水供給管は、前記機器本体内にて固定される固定配管と、前記固定配管の下流端に接続される調整配管とからなり、
調整配管の下流端は、高さ方向に位置調整可能に構成されており、
前記ミスト噴霧部は前記調整配管の前記下流端に設けられていることを特徴とする浴室用ミスト発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室用ミスト発生装置において、前記調整配管は上下方向に伸縮自在に構成され、
前記機器本体には温風又は冷風を浴室内に吹き出させる風吹出部が設けられ、
前記風吹出部の下流端には出口筒部が上下方向に移動自在に設けられると共に、前記出口筒部と前記調整配管とは同期的に移動可能に連結されていることを特徴とする浴室用ミスト発生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の浴室用ミスト発生装置において、前記調整配管は、前記固定配管の下流端に、直接又は間接的に接続されると共に、その接続部を回動支点として上下方向に回動自在に設けられていることを特徴とする浴室用ミスト発生装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の浴室用ミスト発生装置において、前記調整配管は、不使用時には前記機器本体内に収納可能に構成されていることを特徴とする浴室用ミスト発生装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の浴室用ミスト発生装置において、前記ミスト噴霧部は、前記調整配管の下流端に対して首振り自在に取り付けられていることを特徴とする浴室用ミスト発生装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の浴室用ミスト発生装置において、前記機器本体は浴室暖房機である浴室用ミスト発生装置。
【請求項1】
浴室の壁又は天井に設置される機器本体内に引き込まれる温水供給管と、前記温水供給管の下流端に設けられ且つ前記温水供給管内の湯水を浴室内に噴霧させるミスト噴霧部とを備えた浴室用ミスト発生装置において、
前記温水供給管は、前記機器本体内にて固定される固定配管と、前記固定配管の下流端に接続される調整配管とからなり、
調整配管の下流端は、高さ方向に位置調整可能に構成されており、
前記ミスト噴霧部は前記調整配管の前記下流端に設けられていることを特徴とする浴室用ミスト発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室用ミスト発生装置において、前記調整配管は上下方向に伸縮自在に構成され、
前記機器本体には温風又は冷風を浴室内に吹き出させる風吹出部が設けられ、
前記風吹出部の下流端には出口筒部が上下方向に移動自在に設けられると共に、前記出口筒部と前記調整配管とは同期的に移動可能に連結されていることを特徴とする浴室用ミスト発生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の浴室用ミスト発生装置において、前記調整配管は、前記固定配管の下流端に、直接又は間接的に接続されると共に、その接続部を回動支点として上下方向に回動自在に設けられていることを特徴とする浴室用ミスト発生装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の浴室用ミスト発生装置において、前記調整配管は、不使用時には前記機器本体内に収納可能に構成されていることを特徴とする浴室用ミスト発生装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の浴室用ミスト発生装置において、前記ミスト噴霧部は、前記調整配管の下流端に対して首振り自在に取り付けられていることを特徴とする浴室用ミスト発生装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の浴室用ミスト発生装置において、前記機器本体は浴室暖房機である浴室用ミスト発生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−296749(P2006−296749A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−122795(P2005−122795)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】
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