浴室用床材の施工キット
【課題】床材の施工に必要とされる材料等を集約して、作業効率を向上した浴室用床材の施工キットを提供する。
【解決手段】
浴室用床材の施工キットは、浴室の床面に貼り付けられるシート状の床材2と、浴室の床面を補修する補修剤3と、シート状の床材2を浴室の床面に接着する接着剤4と、浴室の床面と床材2との間をシールするシール剤5とが収納される収納箱11,12を備える。
【解決手段】
浴室用床材の施工キットは、浴室の床面に貼り付けられるシート状の床材2と、浴室の床面を補修する補修剤3と、シート状の床材2を浴室の床面に接着する接着剤4と、浴室の床面と床材2との間をシールするシール剤5とが収納される収納箱11,12を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、浴室の床面にシート状の床材を施工するための施工キットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、マンションやホテル等の建物において、その施工の容易性の点から、浴室にユニットバスが用いられる場合が多くなってきている。ユニットバスとは、一般に、浴室を構成するための床パネル、壁パネル、天井パネル、浴槽、洗面器等や、これらに付随する換気設備、電気設備等を適宜組み合わせ、予め一体に組み込んで構成されたものをいう(例えば特許文献1参照)。
【0003】
例えば、マンション等の建物において、経年劣化によってリフォームが必要となった場合、そのリフォームの手法として、浴室の床パネルを交換することなく、この床パネルの床面に新たに床部材を敷設するということも行われるようになっている。
【0004】
この場合、シート状の床材を床面に敷くには、経年劣化によって生じた床面の凹凸等を補修し、床材を床面に応じて所定形状に裁断し、この床材を床面に接着した後に、床材と床面との間をシールする、といった作業が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−32546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、このような床材の施工を行う場合には、それぞれの作業に必要な材料(例えば、床材、補修剤や接着剤、シール剤等)や道具があり、その施工業者は、床材の施工にあたり、前もって、これらを集めて準備する必要があった。
【0007】
この場合、床材の施工には多数の工程があることから、各作業に必要な材料や道具が多種類に及び、事前にこれらを集める準備作業に時間がかかって煩わしいものであった。また、浴室における作業においては、多種類の材料や道具を並べるスペースが充分でなく、作業に手間取る場合が多くみられた。
【0008】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、床材の施工に必要とされる材料等を集約して、施工作業効率を向上することを目的とした浴室用床材の施工キットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る浴室床材の施工キットは、上記の課題を解決するためのものであって、浴室の床面に貼り付けられるシート状の床材と、浴室の床面を補修する補修剤と、シート状の床材を浴室の床面に接着する接着剤と、浴室の床面と床材との間をシールするシール剤とが収納される収納箱を備えることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、浴室用床材の施工キットは、シート状の床材と、補修剤と、接着剤と、シール剤とを収納箱に収納することによって、床材の施工に必要な材料のほぼ全てを集約することができ、これらを別々に集めるということがなく、準備に時間をかける必要がなくなる。これによって、床材の施工作業の効率を向上することができるようになる。
【0011】
また、本発明に係る浴室用床材の施工キットは、前記補修剤と、接着剤と、シール剤を保持する保持体が収納箱に収納されてなる構成を採用できる。
【0012】
かかる構成によれば、保持体が補修剤等を保持することにより、収納箱に収納される補修剤等の位置が変わることなく、これらとシート部材が接触して損傷するということも防止できる。
【0013】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記床材を浴室の床面に施工するための道具が収納箱に収納されてなる構成を採用できる。
【0014】
かかる構成によれば、施工に必要とされる道具が収納箱に収納されることで、床材の施工に必要とされる物品をより多く集約することで、施工の準備にかかる時間をさらに短縮することができるようになる。
【0015】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記収納箱に、床材の施工要領が記載された施工説明書が付属されることが望ましい。
【0016】
かかる構成によれば、施工説明書を収納箱に収納することにより、施工の作業手順を作業者に明確に伝達して効率の良い作業を行うことができるようになる。
【0017】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、補修剤、接着剤及びシール剤を収納可能な箱形状に構成されてなる構成を採用できる。
【0018】
かかる構成によれば、保持体を箱形状に構成することで、補修剤等の各種材料を保護することができるようになる。
【0019】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、補修剤と、接着剤と、シール剤を固定する固定部を有する構成を採用できる。
【0020】
かかる構成によれば、保持体が補修剤等を固定することで、収納箱内に収納されたこれらの材料は、収納箱を移動させた場合であってもその位置が変わることがなくなる。これにより、これらの材料を、収納箱内に整然と収納することができるようになる。
【0021】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記補修剤と、接着剤と、シール剤とに、これらを識別される識別情報が付されていることが望ましい。
【0022】
かかる構成によれば、補修剤、接着剤、シール剤を識別することが可能な識別情報を付けることにより、施工作業の際に、作業者は、補修剤等の容器内を確認することなく、各作業工程において、間違うことなくこれらの材料を選択できるようになる。
【0023】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記識別情報が、補修剤と、接着剤と、シール剤とに個別に付された色情報であることが望ましい。
【0024】
かかる構成によれば、識別情報が色情報であることで、作業者は、補修剤と、接着剤と、シール剤との別を色の違いによって直感的に判断できるようになる。
【0025】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、床材の施工要領が表示される表示部を有する構成を採用できる。
【0026】
かかる構成によれば、保持体によって施工要領を表示させることによって、作業者は、この表示部の施工要領を見ながら容易に床材の施工を行うことができる。
【0027】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、表示部が、補修剤、接着剤、及びシール剤が使用される施工要領の各工程を、保持体に保持されている補修剤、接着剤、及びシール剤の保持位置に対応して表示可能に構成されてなる構成を採用できる。
【0028】
かかる構成によれば、補修剤、接着剤、及びシール剤の保持位置に対応して、これらが使用される工程を表示することで、施工を行う作業者にとって、シール剤と表示部に表示されるシール処理の工程とを関連づけて理解することができ、これによって、効率の良い作業を行うことができる。
【0029】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、補修剤、接着剤、及びシール剤を保持する本体部と、本体部に対して開閉自在に設けられる蓋部とを有し、前記表示部が蓋部に設けられてなる構成を採用できる。
【0030】
かかる構成によれば、表示部が蓋部に設けられることによって、作業者は、この表示部に表示される施工要領を見ながら、本体部に保持される補修剤等を使用して容易に施工作業を行うことができる。
【0031】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、前記表示部が所定の表示位置にて表示されるように蓋部を所定の姿勢で掛止する掛止手段を有する構成を採用できる。
【0032】
かかる構成によれば、作業者にとって最も表示部が見えやすい位置で、蓋部を掛止することができるようになる。これによって、作業者は、表示部を見ながら本体部に保持される補修剤等を使用して容易に施工作業を行うことができる。
【0033】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記固定部が、補修剤、接着剤、及びシール剤を挿通可能な開口部と、補修剤、接着剤、及びシール剤の下部を支持する支持部とを有し、支持部が、その支持位置を変更可能に構成されてなる構成を採用できる。
【0034】
かかる構成によれば、支持部の位置を変更可能にすることで、例えば補修剤等を収容する容器の大きさ(高さ)が異なる場合であっても、これらの容器を適切に固定することができるようになる。また、複数の固定部を並設した場合には、各固定部に固定されて隣り合う容器の高さを揃えて固定することもでき、保持部は、見た目にも綺麗にこれらの材料を保持することができるようになる。
【0035】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、蓋部が本体部に対して閉じた状態で、この蓋部を掛止する掛止手段を有する構成を採用できる。
【0036】
かかる構成によれば、掛止手段によって蓋部が閉じた状態を維持できるようになる。
【0037】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、その底部の上方位置に前記固定部を備え、固定部の支持部を所定の位置に配置すべく、保持体の底部と固定部の支持部との間にスペーサが設けられてなる構成を採用できる。
【0038】
かかる構成によれば、保持体の固定部に設けられる支持部を所望の位置に配置できるようになる。
【0039】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記固定部、本体部、及び蓋部が1枚の台紙に形成されてなる構成を採用できる。
【0040】
かかる構成によれば、固定部、本体部、蓋部を別体とすることなく、1枚の台紙に形成することによって、これらを連結・接続する手間を省略して保持体を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、床材の施工に必要とされる材料等を集約して、施工作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】梱包直前の床材施工キットの平面図である。
【図2】第1蓋部が開き、第2蓋部が閉じた第1の掛止姿勢における、第1収納箱の側面図である。
【図3】図2におけるA−A矢視線断面図である。
【図4】図2におけるB−B矢視線断面図である。
【図5】図2におけるC−C矢視線断面図である。
【図6】図2におけるD−D矢視線断面図である。
【図7】第1蓋部が第2の掛止姿勢で掛止され、第2蓋部が開いた状態における第1収納箱の斜視図である。
【図8】第1収納箱を形成するための台紙を示す展開図である。
【図9】第2収納箱を形成するための台紙を示す展開図である。
【図10】表示部の一部を示す正面図である。
【図11】表示部の一部を示す正面図である。
【図12】表示部の一部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図12は、本発明に係る浴室用床材の施工キット(以下、床材施工キットという)の一実施形態を示す。床材施工キット1は、施工に必要な、巻かれたシート状の床材2、床材2が施工される床面を補修する補修剤3、この床材2を床面に接着するための接着剤4、床材2と床面との間をシールするためのシール剤5、及び、床材2を施工するために必要とされる施工道具等を収納可能に構成される。尚、シート状の床材2は、必要に応じて紙管、樹脂製筒体などの芯材に巻き付けてもよいが、芯材を用いない場合は廃棄物を減らすことができて良い。
【0044】
本実施形態において、補修剤3は、いわゆる2液混合タイプのものが採用されており、第1液と、第2液は、別個に所定の容器(例えば金属製の円筒状の容器)7a,7bに収容されている。同様に、接着剤4についても2液混合タイプのものが採用され、第1液と第2液が別個に所定の容器(例えば金属製の円筒状の容器)8a,8bに収容されている。また、シール剤5についても2液混合タイプのものが採用され、第1液と第2液が別個に所定の容器(例えば金属製の円筒状の容器)9a,9bに収容されている。なお、以下では、特に説明がない限り、「補修剤」、「接着剤」、「シール剤」の用語は、各容器7a〜9bに収容された状態を前提にして記述されるものとする。
【0045】
補修剤3、接着剤4、シール剤5を収容する各容器7a〜9bの外面には、内部に収容される材料を識別するための識別情報が付されている。この識別情報は、文字情報や色情報、図形、記号その他の情報により構成される。
【0046】
本実施形態では、例えば、補修剤3を収容する各容器7a,7bには、その外面(蓋や本体の外面)に、「補修剤」の文言、商品名、成分、2液を区別する文字(例えば第1液を「A液」とし、第2液を「B液」とする)等の文字情報や、補修剤3を識別するための色情報(例えば赤色)、補修剤3を表現する図形、バーコード等の識別情報が付される。また、接着剤4を収容する各容器8a,8bには、「接着剤」の文言、商品名、成分、2液を区別する文字等の文字情報や、接着剤4を識別するための色情報(例えば緑色)、接着剤4を表現する図形、バーコード等の識別情報が付される。同様に、シール剤5を収容する各容器9a,9bには、「シール剤」の文言、商品名、成分、2液を区別する文字等の文字情報、シール剤5を識別するための色情報(例えば青色)、シール剤5を表現する図形、バーコード等の識別情報が付される。色情報は、適宜設定すれば良いが、特に取り扱いなどに注意を要するものを赤などの強調色にすると、作業者の注意を喚起することができるので望ましい。
【0047】
なお、上記の識別情報は、容器7a〜9bに直接付されてもよく、また、所定形状のラベルに識別情報を印刷等によって表示し、このラベルを各容器7a〜9bに貼り付けることによって付されてもよい。
【0048】
図1に示すように、床材施工キット1は、補修剤3、接着剤4、及びシール剤5を収納する第1収納箱(以下「第1収納箱」という)11と、床材2及び第1収納箱11を収納するための収納箱(以下「第2収納箱12」という)12とを有する。第1収納箱11は、紙管に巻き付けられているシート状の床材2と並んだ状態で、第2収納箱12に収納されて、シート状の床材2が第2収納箱12内で移動しないように固定する役割も果たしている。図1は、後述する第2収納箱12の蓋部86(86a,86b)が開いた梱包直前の状態を示している。
【0049】
なお、上記シート状の床材2の収納状態は、シート状の床材2のみを円筒形に巻いて収納すればよいが、第3収納箱12に収納され得る状態であれば特に限定されず、例えば、紙管や樹脂製筒体などに巻いた状態で収納してもよい。
【0050】
図2は、第1収納箱11を第2収納箱12から取り出して蓋部16を開放した状態を示している。第1収納箱11は、補修剤3、接着剤4、シール剤5、施工道具その他の付属品(以下「施工道具等」という)を動かないように固定して保持する本体部15と、この本体部15に対して開閉自在な蓋部16と、蓋部16を所定の姿勢で掛止する掛止手段17と、を有する。本体部15と、蓋部16とは、所定形状に構成される1枚の台紙(図8参照)を所定位置で折り曲げることによって構成される(台紙の構成については後述する)。
【0051】
図3〜図6は、本体部15の各部における断面図を示し、図3は図2におけるA−A、同様に、図4はB−B、図5はC−C、図6はD−Dの断面に各々対応している。図3〜図6に示すように、本体部15は、断面視略四角形を示す筒状に構成され、上面部21と、底部22と、上面部21及び底部22を連結する側壁部23と、上面部21と底部22との間で本体部15の一部長手方向に沿って設けられる中間板部24とで構成される。
【0052】
また、本体部15は、施工道具その他の付属品を固定する第1固定部26と、補修剤3を固定する第2固定部27と、接着剤4を固定する第3固定部28と、シール剤5を固定する第4固定部29とを有する。第1固定部26〜第4固定部29は、本体部15の上面部21に形成されている。
【0053】
図2、図3に示すように、第1固定部26は、施工道具等を挟み込んで動かないように押さえる2つの押さえ部26a,26bを有する。2つの押さえ部26a,26bは、本体部15の一部に切れ込み30が入れられることによって形成されている。2つの押さえ部26a,26bは、施工道具その他の付属品を固定していない状態では、その端部が互いに対向するように水平姿勢を維持するように構成される。
【0054】
2つの押さえ部26a,26bは、折り曲げ線31を中心に回動可能に構成されている。2つの押さえ部26a,26bは、この折り曲げ線31を介して回動させたとき、元の姿勢に戻るような弾性復元力を生じるように構成される。また、第1固定部26は、この折り曲げ線31を介して2つの押さえ部26a,26bを下方に回動させると、その間に開口部が形成されるようになっている。この開口部は、切れ込み30と折り曲げ線31とによって縁取られた部分によって、四角形状に構成される。
【0055】
第1固定部26は、上記のように、2つの押さえ部26a,26bを水平姿勢から下方に回動させて開口部を構成し、この開口部に施工道具等が入れられ、弾性復元力を生じている2つの押さえ部26a,26bで施工道具等が側方から押圧されることで、この施工道具等を動かないように固定することができるようになっている。
【0056】
第1固定部26には、床部材を切断するためのカッターその他の切断具、補修剤3、接着剤4を床面に塗布するためのハケその他の塗布具、床材2を床面に押しつけるためのローラ、2液タイプとされている補修剤3、接着剤4、シール剤5の第1液と第2液を混ぜるための混ぜ棒、シール剤5を塗布するためのコーキングガン用のケーシング34、文房具、施工要領を説明する説明書など、床材2を浴室床面に施工するのに用いる様々な道具類の一部又は全てを固定することができる。
【0057】
この実施形態では、例えば、図2に示すように、ハケ32、混ぜ棒33、コーキングガン用のケーシング34が収納袋35に収納され第1固定部26に固定されている。より具体的には、この収納袋35は、図3に示すように、第1固定部26の開口部に挿通され、2つの押さえ部26a,26bの弾性復元力によって両側から挟みこまれることによって押さえつけられる。このように、収納袋35は、本体部15の2つの押さえ部26a,26bとの間に挟まれることによって第1固定部26に固定される。
【0058】
図2、図4、図5に示すように、第2固定部27は、補修剤3を挿通する開口部27aと、開口部27aに挿通された補修剤3を押さえつける押さえ部27bと、開口部27aに挿通された補修剤3の下部を支持する支持部27cとを有する。
【0059】
本実施形態では、補修剤3の第1液(の容器7a)と第2液(の容器7b)を別々に固定すべく、第2固定部27に2つの開口部27a,27aが設けられている。図2に示すように、各開口部27a,27aは、その周縁が多角形状に構成されている。尚、図2には、各開口部27a,27aは、容器を全周面に渡って均一に固定しやすい八角形状を例示しているが、これに限らず六角形状などの他の多角形状あってもよい。
【0060】
図2に示すように、第2固定部27の押さえ部27bは、開口部27aの八角形の周縁の各辺に対応して設けられており、したがって、本実施形態において、各開口部27a,27aに対応して設けられる押さえ部27bの数は8である。各押さえ部27bは、板状に構成され、開口部27aの周縁から突出し、開口部27aの一部を覆うように形成されている。
【0061】
各押さえ部27bは、各開口部27a,27aの周縁から、その先端に向かうにつれて徐々に細くなる先細り状に形成されている。開口部27aに補修剤3が挿通されていない場合には、各押さえ部27bは、本体部15の上面部21の外面とほぼ面一になるように位置づけられる。
【0062】
各押さえ部27bは、各開口部27a,27aの周縁の各辺に相当する直線を折り曲げ線36とし、この折り曲げ線36を介して上下に回動できるように構成される。各押さえ部27bは、補修剤3が各開口部27aに挿通されたときに、この補修剤3(の容器7a,7b)の側部に当接した状態で、下方に回動する。この状態では、各押さえ部27bには、元の位置に戻ろうとする弾性復元力が生じる。これによって、押さえ部27bは、補修剤3が動かないように、その側部を押さえつけることができる。
【0063】
支持部27cは、2つの開口部27a,27aのそれぞれに対応して本体部15内に設けられている。支持部27cは、一方の開口部27aに対応して設けられる態様と、他方の開口部27aに対応して設けられる態様とが異なっている。以下、一方の開口部27aに対応する支持部27cの態様を、図4を参照して説明するとともに、他方の開口部27aに対応する支持部27cの態様を、図5を参照して説明する。
【0064】
図4に示すように、一方の開口部27aに対応する支持部27cは、本体部15内に配置される中間板部24を貫通するとともに、この開口部27aに向かって突出する2つの突出部78として構成される。この突出部78は、図8に示すように、本体部15の底部22に設けられた切れ込み76の部分を折り曲げることによって形成される。支持部27cは、突出部78が折り曲げられた状態で、その一部が中間板部24に設けられた挿通孔38を貫通して底部22から上方に突出させられることによって形成される。
【0065】
中間板部24には、この突出部78が挿通される2つの挿通孔38,38が形成されている。支持部27cとしての各突出部78は、各挿通孔38,38に挿通されることで、底部22から突出され、互いに所定間隔離れた状態を維持するように、中間板部24に支持されている。
【0066】
この開口部27aに挿通された補修剤3の容器7aは、その底部が2つの支持部27c,27cに当接することで支持される。
【0067】
図5に示すように、他方の開口部27aに対応する支持部27cは、図4に示すような突出部78を有していない。この開口部27aに対応する支持部27cは、中間板部24の一部によって構成される。すなわち、中間板部24の上面は、この開口部27aに補修剤3の容器7bが挿通されたときに、この容器7bの底部が中間板部24の上面に接触して載せられる。すなわち、中間板部24は、その上面の一部によって、この補修剤3の容器7bを支持するのである。
【0068】
図4に示す支持部27cと、図5に示す支持部27cとを比較すると、補修剤3の容器を支持する位置(高さ)が異なる。補修剤3の容器を支持する支持部27cは、異なる位置で補修剤3の容器7a,7bを支持することができる。従って、このような構成とすることで、保持する対象となる容器7a,7bの大きさが異なる場合でも、容器7a,7bの底面を保持することが可能となる。また、図4に示す支持部27cは、その形状を変更することで突出長さを変更し、底部22の近傍位置に留めておくことも可能である。すなわち、補修剤3を支持する支持部27cは、容器のサイズに合わせてその支持位置を変更可能に構成されている。
【0069】
図2に示すように、第3固定部28は、接着剤4を挿通する開口部28aと、開口部28aに挿通された接着剤4を押さえつける押さえ部28bと、開口部28aに挿通された接着剤4の下部を支持する支持部(図示せず)とを有する。
【0070】
第3固定部28の態様は、第2固定部27の態様とほぼ同じである。すなわち、開口部28aは、第2固定部27と同様に、その周縁が多角形状(図例では八角形状)に構成される。また、押さえ部28bは、開口部28aの周縁の各辺に対応して、先細り状に構成される。この第3固定部28は、支持部の構成が第2固定部27のものと若干異なる。
【0071】
上述した第2固定部27では、2つの開口部27a,27aのうち、一方の開口部27aに対応する支持部27cと、他方の開口部27aに対応する支持部27cの構成が異なっていたが、この第3固定部28では、両者が同じ構成になっている。
【0072】
第3固定部28における2つの開口部28a,28aに対応する支持部は、第2固定部27における図5の支持部と同じ構成である。すなわち、各開口部28a,28aに対応する各支持部は、本体部15内に設けられる中間板部24の一部によって構成される。
【0073】
より具体的には、この中間板部24は、本体の長手方向に沿って、長尺状に設けられている。すなわち、中間板部24は、第2固定部27の支持部27cから、後述する第4固定部29に対応する下方位置にまで達している。したがって、第3固定部28における2つの開口部28a,28aの下方には、この中間板部24が位置しており、各開口部28a,28aから挿通された接着剤4の第1液(の容器8a)及び第2液(の容器8b)の下部(底部)は、中間板部24の上面の一部によって構成される支持部に当接し、これに支持されることとなる。
【0074】
図2及び図6に示すように、第4固定部29は、第2固定部27と同様に、シール剤5を挿通する2つの開口部29a,29aと、各開口部29a,29aに挿通されたシール剤5を押さえつける押さえ部29bと、各開口部29a,29aに挿通されたシール剤5の下部を支持する支持部29cとを有する。この第4固定部29は、各開口部29a、押さえ部29b、各支持部29cの構成は、第2固定部27の場合と同じである。
【0075】
この第4固定部29において、2つの開口部29a,29aのうち、一方の開口部29aに対応する支持部29cは、図6に示すように、2つの突出部78を有する。これらの突出部78の構成は、図4において説明した2つの突出部78と同じである。また、他方の開口部29aに対応する支持部29cは、図5において説明した第2固定部27における支持部27cの構成と同じであるので、図示及び説明を割愛する。
【0076】
図2に示すように、蓋部16は、本体部15の上面部21及び側壁部23を覆う第1蓋部16aと、本体部15の長手方向の端部を覆う第2蓋部16bとを有する。
【0077】
第1蓋部16aは、本体部15の一方の側壁部23aを覆う第1被覆部41と、本体部15の上面部21を覆う第2被覆部42と、本体部15の他方の側壁部23bを覆う第3被覆部43とを有する。第1被覆部41と第2被覆部42との間には、その境界となるとともに、第1被覆部41と第2被覆部42とを互いに折り曲げ可能にする折り曲げ線44aが設けられている。また、第2被覆部42と第3被覆部43との間には、その境界となるとともに、第2被覆部42と第3被覆部43とを互いに折り曲げ可能にする折り曲げ線44bが設けられている。
【0078】
第1被覆部41〜第3被覆部43は、長方形状に構成されており、その長さが等しくなっている。第1被覆部41は、その一方の長辺の部分が本体部15と繋がっている。第1被覆部41の他方の長辺は、第2被覆部42の一方の長辺と一致しており、この一致した部分において第1被覆部41と第2被覆部42とが繋がっている。第2被覆部42の他方の長辺は、第3被覆部43の一方の長辺と一致しており、この一致している部分において、第2被覆部42と第3被覆部43とが繋がっている。
【0079】
第3被覆部43の他方の長辺には、この長辺に直交する幅方向に突出する突起部45が形成されている。本実施形態では、第3被覆部43に、第3被覆部43を固定するための2つの突起部45,45が形成されている。2つの突起部45,45を本体部15に設けられた第1挿通口61a、または第2挿通口61bに差し込むことで、第3被覆部43を本体部15に固定することができる。突起部45の数は、少ない数で第3被覆部43を安定的に固定できる2が好ましいが、1、または3以上の複数であってもよい。2つの突起部45,45は、第3被覆部43の長手方向に所定の間隔をおいて設けられている。
【0080】
第3被覆部43の外面には、図7に示すように、床材2の施工要領の工程を表示する表示部47が設けられている。床材2の施工を行う作業者は、この表示部47を見ながら施工作業を容易に行うことができる。この表示部47は、所定の工程ごとに分かれて表示されるように、所定の工程を記載した、第1表示部47a、第2表示部47b、及び第3表示部47cを有する。各表示部47は、第3被覆部43に直接印刷されてもよいし、各表示部47を印刷したラベルを第3被覆部43に貼り付けることによって構成されてもよい。表示部47の表示内容については、床材2の施工方法とともに後述する。
【0081】
第2蓋部16bは、筒状に構成される本体部15の各端部を閉塞すべく、第1蓋部16aと一体に構成されている。具体的には、第1蓋部16aには、2つの第2蓋部16bが設けられており、第2蓋部16bのそれぞれは、第1蓋部16aにおける第2被覆部42の長手方向の端部に一体に構成されている。換言すれば、第2蓋部16bは、第1蓋部16aの長手方向の一端部から突出するように設けられている。
【0082】
第2蓋部16bは、第2被覆部42の端部に繋がって構成される基部51と、基部51から突出する複数の突起部55〜59とを有する。
【0083】
基部51は、図2に示すように、四角形状に構成される。この基部51は、筒状の本体部15の端部の開口部を閉塞することができるように、この開口部の面積とほぼ同じ面積を有する。また、この基部51は、その一辺が、第2被覆部42の短辺と一致しており、この一致した部分において、基部51と第2被覆部42とが繋がっている。基部51と第2被覆部42との間には、この一致した部分に折り曲げ線52が設けられており、基部51は、この折り曲げ線52を境界線として、第2被覆部42に対して回動可能に構成されている。
【0084】
基部51において、第2被覆部42と繋がっている一辺(以下、「第1辺」という)51aとは反対の一辺(以下、「第2辺」という)51bには、1つの突起部(以下、「第1突起部」という)55が形成されている。また、第1辺51aと第2辺51bとを繋ぐ二辺(以下、それぞれを「第3辺」、「第4辺」という)51c,51dには、2つの突起部56,57、58,59が設けられている。以下、第3辺51cに設けられる2つの突起部56,57を、それぞれ第2突起部56、第3突起部57といい、第4辺51dに設けられる2つの突起部58,59を、それぞれ第4突起部58、第5突起部59という。第2突起部56と第3突起部57とは、所定の間隔をおいて第3辺51cに設けられている。同様に、第4突起部58と第5突起部59とは、所定の間隔をおいて第4辺51dに設けられている。
【0085】
第1突起部55は、第2蓋部16bの突出方向、すなわち、第1蓋部16aにおける第2被覆部42の長手方向に沿って突出形成されている。また、第2突起部56〜第5突起部59は、第1突起部55の突出する方向とは直交する方向に沿って突出形成されている。第2突起部56及び第3突起部57の突出方向と、第4突起部58及び第5突起部59の突出方向とは、逆向きになっている。
【0086】
掛止手段17は、第1蓋部16aを所定の姿勢で掛止する第1掛止手段17aと、第2蓋部16bが閉じた状態でこれを掛止する第2掛止手段17bとを有する。
【0087】
第1掛止手段17aは、第1蓋部16aを本体部15に対して閉じた状態となる第1の掛止姿勢で掛止することができるとともに、第1蓋部16aを表示部47が所定の位置で表示される第2の掛止姿勢で掛止することもできるようになっている。
【0088】
第1掛止手段17aは、第1蓋部16aに形成される2つの突起部45,45と、本体部15に設けられた突起部45が挿通可能な挿通口61と、から構成される。
【0089】
各突起部45,45は、第1蓋部16aの第3被覆部43との境界線が折り曲げ線63となっている。各突起部45,45は、この折り曲げ線63を介して第1蓋部16aに対して折れ曲がり可能に構成されている。第1掛止手段17aが、第1蓋部16aを掛止する際には、各突起部45,45は、第1蓋部16aに対して所定の角度で曲げられた状態で、挿通口61に挿通される。
【0090】
挿通口61は、第1の掛止姿勢で掛止する際に、突起部45が挿通される第1挿通口61aと、第1蓋部16aの表示部47を第2の掛止姿勢で掛止する際に、突起部45が挿通される第2挿通口61bとを有する。
【0091】
第1挿通口61aは、図2、図3に示すように、本体部15の一方の側壁部23aの下部に貫通形成されている。第1蓋部16aの2つの突起部45,45に対応して、本体部15には、2つの第1挿通口61a,61aが形成されている。第1蓋部16aが閉じられる際には、第3被覆部43が本体部15の一方に側壁部23に接触した状態で、各突起部45,45が第3被覆部43から折り曲げられた状態となり、この折り曲げられた各突起部45,45が対応する第1挿通口61aに挿通される。各突起部45,45が第1挿通口61aに挿通されると、各突起部45,45は、底部22の内面に接触して、その摩擦力と、第1挿通口61aとによって第1の掛止姿勢で掛止される。
【0092】
なお、第1挿通口61a,61aの縁部には、本体部15の側壁部23aの外面から外方に突出する突起部62aが設けられている。この突起部62aは、第1挿通口61aの下側に設けられている。第1の掛止姿勢にすべく、第1蓋部16aの突起部45を第1挿通口61aに挿通する際に、この突起部45の先端は、この突起部62aの上面に当接して、第1挿通口61a内に案内される。すなわち、この突起部62aは、第1蓋部16aの突起部45を第1挿通口61aに容易に挿通させることができるように、この突起部45を第1挿通口61aに案内する案内部として機能する。
【0093】
第2挿通口61bは、図2、図3に示すように、本体部15の上面部21に貫通形成されている。第1蓋部16aの2つの突起部45,45に対応して、本体部15には、2つの第2挿通口61b,61bが形成されている。
【0094】
また、第2挿通口61b,61bの縁部には、本体部15の上面部21から上方に突出する突起部62bが設けられている。この突起部62bは、第2挿通口61bよりも本体部の側壁部23b側に設けられている。第2の掛止姿勢にすべく、第1蓋部16aの突起部45を第2挿通口61bに挿通する際に、この突起部45の先端は、この突起部62bの側面に当接して、第2挿通口61b内に案内される。すなわち、この突起部62bは、第1蓋部16aの突起部45を第2挿通口61bに容易に挿通させることができるように、この突起部45を第2挿通口61bに案内する案内部として機能する。
【0095】
図7は、第1蓋部16aが第2の掛止姿勢で掛止された状態を側壁部23a側から見た第1収納箱11の斜視図である。第1蓋部16aの表示部47を所定の位置で表示させるべく、第1蓋部16aを所定の姿勢にしたときに、第1蓋部16aにおける第3被覆部43に対して、各突起部45,45が所定の角度で折り曲げられた状態となり、この折り曲げられた各突起部45,45が各第2挿通口61b,61bに挿通される。
【0096】
第2掛止手段17bは、第2蓋部16bに形成される第1突起部55〜第5突起部59によって構成される。各突起部55〜59は、図2に示すように、第2蓋部16bの基部51との境界線が折り曲げ線65となっており、この折り曲げ線65を介して、基部51に対して折れ曲がり可能に構成される。
【0097】
第2蓋部16bによって本体部15の長手方向の端部の開口部を閉塞する際には、第1蓋部16aによって本体部15を覆った後に、本体部15の長手方向の開口部を覆うように、第2蓋部16bの基部51が第1蓋部16aの第2被覆部42に対して所定の角度で折り曲げられる。
【0098】
このとき、各突起部は、第2蓋部16bに対して所定の角度を折り曲げられるとともに、本体部15の内側に挿入される。第1突起部55は、本体部15内に挿入されたとき、本体部15の一方の側壁部23aの内面に接触する。
【0099】
第2突起部56と第3突起部57は、本体部15内に挿入されたとき、本体部15の上面部21の内面に接触する。このとき、右側の第2突起部56と第3突起部57との間には、本体部15内の中間板部24の長手方向の端部が入った状態となる。換言すれば、本体部15の内側に挿入されたときに、右側の第2突起部56と第3突起部57は、その間に中間板部24の端部を挟んだ状態となる。
【0100】
第4突起部58と第5突起部59は、本体部15に挿入されたとき、本体部15の底部22の内面に接触する。このとき、右側の第4突起部58と第5突起部59との間には、本体部15内の中間板部24の長手方向の端部が入った状態となる。換言すれば、本体部15の内側に挿入されたときに、右側の第4突起部58と第5突起部59は、その間に中間板部24の端部を挟んだ状態となる。
【0101】
上記のように、各突起部が本体部15の内側に挿入されたとき、第1突起部55と本体部15の側壁部23の内面との接触、第2突起部56及び第3突起部57と本体部15の上面部21の内面との接触、及びこれらと中間板部24との接触、第4突起部58及び第5突起部59と本体部15の底部22の内面との接触、及びこれらと中間板部24との接触等によって生じる摩擦力によって、第2蓋部16bは本体部15の長手方向の端部を閉塞した状態で掛止される。
【0102】
上記のような第1収納箱11は、図8に示すような所定形状の1枚の台紙を所定位置で折り曲げることによって構成される。
【0103】
台紙は、本体部15を構成するための部分と、蓋部16を構成するための部分とを有する。以下、説明の便宜上、台紙において、本体部15とその構成要素に対応している部分には、上述した本体部15の各要素と同じ符号を付して説明する。例えば、台紙において上面部21に対応する部分には、同じ符号を付し、上面部21として説明する。同様に、台紙において、蓋部16とその構成要素に対応する部分には、上述した蓋部16の各要素と同じ符号を付して説明する。例えば、台紙において第1被覆部41に対応する部分には、同じ符号41を付し、第1被覆部41として説明する。
【0104】
台紙において、本体部15を構成する上面部21、底部22、側壁部23、中間板部24は、長方形状に構成されている。上面部21、底部22、及び側壁部23は、その長手方向の長さが略等しくなっている。中間板部24の長手方向の長さは、上面部21等よりも短くなっている。図8に示すように、中間板部24の長手方向の一端部は、上面部21、底部22、及び側壁部23の長手方向の一端部の位置に一致するように設けられている。中間板部24の長手方向の他端部は、上面部21、底部22、及び側壁部23の他端部に達していない。
【0105】
具体的には、中間板部24の他端部は、上面部21に形成されている第1固定部26に対応する位置まで達していない。このことから、中間板部24は、第2固定部27〜第4固定部29の各開口部27a〜29aの下方位置には重なって位置するが、第1固定部26の下方位置には存在していない。
【0106】
上面部21は、一方の側壁部23aを介して底部22と連結されている。また、上面部21は、他方の側壁部23bを介して中間板部24と連結されている。一方の側壁部23aと底部22との間には、第1挿通口61aを形成するために2つの切れ込み71,71が入れられている。それぞれの切れ込み71,71は、底部22と一方の側壁部23aとの間の境界線(折り曲げ線72)に略一致して形成されている。また、上面部21と他方の側壁部23bとの間には、第2挿通口61bを形成するために2つの切れ込み73,73が入れられている。それぞれの切れ込み73,73は、上面部21と他方の側壁部23bとの間の境界線(折り曲げ線74)に略一致して形成されている。
【0107】
底部22は、その一方の長辺に対応して位置する折り曲げ線75を介して第1蓋部16aの第1被覆部41に連結されている。底部22の長手方向の長さは、この第1被覆部41と等しくなっている。
【0108】
また、底部22には、所定位置に切れ込み76が入れられることにより、第2固定部27、第4固定部29における支持部29cを構成するための突出部78が形成されている。各突出部78は、折り曲げ線77を介して底部22に対して所定の角度を折り曲げ可能に構成される。
【0109】
中間板部24は、側壁部23bに連結されている。この中間板部24と側壁部23bとの間には、折り曲げ線79が形成されており、中間板部24は、この折り曲げ線79を介して側壁部23bに対して折り曲げ可能に構成されている。なお、折り曲げ線79の中途部分には、中間板部24を折り曲げ易くするために、切れ込み80が形成されている。
【0110】
また、中間板部24には、突出部78が挿通される挿通孔38,38が形成されている。各挿通孔38,38は、中間板部24の長手方向に沿う長孔として形成される。
【0111】
また、中間板部24には、所定位置に切れ込み81が入れられることで、底部22と中間板部24との間に配置されるスペーサ39が形成されている。このスペーサ39は、折り曲げ線82を介して、中間板部24に対して折り曲げ可能に構成される。図4〜図6に示すように、本体部15内において、このスペーサ39は、その一方の面が、中間板部24に接触するように折り曲げられるととともに、その他方の面が底部22の内面に接触するように配置される。
【0112】
以下、台紙による第1収納箱11の組み立て方法、特に本体部15の組み立て方法について説明する。
【0113】
本体部15を組み立てるには、まず、中間板部24を、隣接する一方の側壁部23aに対して略直角となるように折り曲げる。そして、この側壁部23を本体部15に対して略直角となるように折り曲げる。そうすると、上面部21と中間板部24とが重なった状態になる。
【0114】
次に、本体部15を他方の側壁部23bに対して略直角となるように折り曲げる。そして、他方の側壁部23bを底部22に対して略直角となるように折り曲げる。そうすると、中間板部24は、上面部21と、底部22のとの間に位置する状態になる。このとき、底部22に形成される各突出部78を中間板部24に形成される各挿通孔38,38に挿通する。さらに、スペーサ39を折り曲げて、中間板部24と底部22との間に介在させる。
【0115】
このように、底部22の突出部78を中間板部24の挿通孔38,38に挿通し、中間板部24と底部22との間にスペーサ39を介在させることで、中間板部24は、上面部21と底部22との相対的な位置が変化しないように位置決めされる。
【0116】
以上により、その内部に中間板部24を有した状態で本体部15が構成される。
【0117】
以下、本体部15に対して蓋部16を閉じる動作について説明する。
【0118】
本体部15に対して蓋部16を閉じるには、まず、第1蓋部16aの第1被覆部41を底部22に対して略直角となるように折り曲げる。このとき、第1被覆部41は、本体部15の側壁部23を覆った状態になる。次に、第1蓋部16aの第2被覆部42を第1被覆部41に対して略直角となるように折り曲げる。これによって、第2被覆部42は、本体部15の上面部21の上方位置でこれを覆った状態になる。この状態から、第3被覆部43を第2被覆部42に対して略直角となるように折り曲げる。これによって、第3被覆部43が本体部15の側壁部23を覆った状態となる。
【0119】
このとき、第3被覆部43に設けられている2つの突起部45,45を、この第3被覆部43に対して略直角となるように折り曲げるとともに、第1挿通孔に挿通する。これにより、2つの突起部45,45は、本体部15内で、底部22の内面に接触した状態となる。以上により、第1蓋部16aは、第1掛止手段17aによって掛止された第1の掛止姿勢となる。
【0120】
第1蓋部16aが第1掛止手段17aによって掛止された状態では、第2被覆部42に一体に設けられている第2蓋部16bは、本体部15の上面部21の上方に位置づけられる。この状態から、第2蓋部16bの基部51を第2被覆部42に対して略直角となるように折り曲げる。さらに、第2蓋部16bの第1突起部55〜第5突起部59を基部51に対して略直角となるように折り曲げるとともに、本体部15の長手方向の端部の開口部から内側に入れる。以上により、第2蓋部16bは、本体部15の長手方向の端部を閉塞した状態で、第2掛止手段17bによって掛止される。
【0121】
第2収納箱12は、その上部に設けられる4つの蓋部86(86a,86b)と、各蓋部86に対応する4つの側壁部87と、底部88(88a,88b)とを有する。この第2収納箱12は、図9に示す台紙によって構成される。
【0122】
4つの蓋部86は、それぞれ長方形状に構成される。この蓋部86は、対応する側壁部87との境界線を折り曲げ線91として、側壁部87に対して折れ曲がり可能に構成されている。
【0123】
側壁部87は、対応する蓋部86を同じ大きさの長方形状に構成される。4つの側壁部87は、それぞれの境界線が折り曲げ線92とされており、この折り曲げ線92を介して互いに折れ曲がり可能に構成されている。4つの側壁部87のうちの1つには、他の側壁部87と連結するための連結部93が設けられている。4つの側壁部87は、この連結部93を介して、環状(四角形状の環状)に構成される。
【0124】
図9に示すように、底部88は、台紙の状態において2つの小さな構成片88aと2つの大きな構成片88bを有する。各構成片88a、88bは、各蓋部86、各側壁部87に対応して設けられている。各構成片88a、88bの形状及び大きさは、対応する各蓋部86の形状及び大きさと同じになっている。各構成片88a、88bは、対応する側壁部87との境界線を折り曲げ線94として、各側壁部87に対して折り曲げ可能に構成される。
【0125】
この底部88は、以下のようにして構成される。まず、側壁部87を環状に構成した後に、各構成片88a、88bを各側壁部87に対して略直角に折り曲げる。このとき、小さな構成片88aを内側にし、大きな構成片88bをその外側から重ねた状態にする。この状態において、2つの大きな構成片88bは、その端部同士が対向した状態となる。この状態から、大きな構成片88bの端部同士を接着テープ等により接着する。以上により、底部88は、側壁部87の下部側を閉塞した状態に構成される。
【0126】
上記の状態において、床材2及び施工材料を収納した第1収納箱11が第2収納箱12内に入れられる。
【0127】
その後、蓋部86が閉られる。蓋部86による閉塞は以下のようにして行われる。図9に示すように、蓋部86は、台紙の状態において2つの小さな構成片86aと2つの大きな構成片86bを有する。蓋部86を閉じるには、まず、各蓋部86を各側壁部87に対して略直角に折り曲げる。このとき、小さな2つの蓋部86aを内側にし、大きな2つの蓋部86bをその外側から重ねた状態にする。この状態において、2つの大きな蓋部86bは、その端部同士が対向した状態となる。この状態から、大きな蓋部86bの端部同士を接着テープ等により接着する。以上により、第2収納箱12の上部が蓋部86により閉塞され、これによって施工キット1が完成される。
【0128】
以下、床材施工キット1を使用して、浴室の床面に床材2を施工する方法について説明する。この施工方法は、第1蓋部16aに設けられる第1表示部47a〜第3表示部47cによって表示されている。
【0129】
以下、図10〜図12を参照し、各表示部47を表示内容とともに、床材2の施工方法の概略を説明する。
【0130】
図10は、第1表示部47aを示す。第1表示部47aには、下地の状態の確認、床面の補修、及びシート状の床材2の裁断に係る各工程についての案内図と案内文とが表示されている。
【0131】
床材2の施工にあたり、まず、床面の経年劣化の状態を確認し、その状態に応じた補修が行われる。補修工程は、例えば、補修剤3が好適に床面に付着するように、事前にサンドペーパーによって床面が研磨される。
【0132】
補修工程では、補修剤3の第1液と第2液が混合されたのち、この補修剤3が床面の凹部等に盛られる。この補修工程によって、床面が平坦状に補修されることとなる。補修剤3の第1液と第2液との混合は、収納袋35に収納されている混ぜ棒33によって行われる。
【0133】
補修工程の後、又はその前に、床材2は、床面に応じて所定の大きさ及び形状に裁断される。
【0134】
第1表示部47aでは、補修の工程が含まれるため、この第1表示部47aと、補修剤3との関係を作業者が連想できるように、第1表示部47aは、補修剤3と同じ識別情報、例えば同じ色情報として、赤色に着色されていてもよい。
【0135】
また、第1表示部47aは、図7に示すように、本体部15の第2固定部27に保持される補修剤3の保持位置に対応するように、その後方位置に設けられている。このように、補修剤3の保持位置に対応して、補修の工程を含む第1表示部47aを配置することで、施工を行う作業者は、補修剤3と第1表示部47aに表示される補修の工程とを関連づけて理解することができ、これによって、効率の良い作業を行うことができる。
【0136】
図11は、第2表示部47bを示す。第2表示部47bには、床材2のさらなる具体的な裁断の仕方、及び、接着剤4の床面への塗布工程が、対応する案内図及び案内文によって表示されている。
【0137】
例えば、床面に配設される排水口等に対応するように床材2を裁断するための手法として、型紙法が採用され得る。型紙法は、例えば、型紙を排水口に貼り付けるとともに、この型紙に排水口の形状を筆記具によって写し取り、これを床材2に転写し、それに応じて床材2の該当部分を裁断する方法である。
【0138】
上記のような作業と併行して、または、その作業後に、接着剤4の第1液と第2液とを混ぜ棒33によって混合し、この接着剤4が収納袋35に収納されているハケ32等を使用して床面に塗布される。接着剤4が塗布される前に、補修剤3が盛られた部分をサンドペーパー等により研磨するようにしてもよい。
【0139】
第2表示部47bでは、接着剤4の塗布の工程が含まれるため、この第2表示部47bと、接着剤4との関係を作業者が連想できるように、第2表示部47bは、接着剤4と同じ識別情報、例えば同じ色情報として、緑色に着色されていてもよい。
【0140】
また、第2表示部47bは、図7に示すように、本体部15の第3固定部28に保持される接着剤4の保持位置に対応するように、その後方位置に設けられている。このように、接着剤4の保持位置に対応して、接着剤4の塗布工程を含む第2表示部47bを配置することで、施工を行う作業者は、接着剤4と第2表示部47bに表示される接着剤4の塗布工程とを関連づけて理解することができ、これによって、効率の良い作業を行うことができる。
【0141】
図12は、第3表示部47cを示す。第3表示部47cには、接着剤4が塗布された床面に所定形状に裁断された床材2を貼り付ける工程、貼り付け後に床材2の縁部と床面との間にシール剤5を塗布するシール処理の工程、及びその後の養生の工程が案内図及び案内文によって表示されている。
【0142】
接着剤4が床面に塗布され、所定時間が経過した後に、裁断された床材2が床面に載せられる。この際、床材2の表面に皺等が生じないように、ハンドーローラによって、床材2表面が押圧される。
【0143】
このように床面に床材2が貼られた後、シール剤5によるシールの状態を見栄え良くし、かつ、余計な場所にシール剤5が付着しないように、マスキングテープがシール処理近傍位置に貼られる。
【0144】
シール剤5の第1液と第2液とが混ぜ棒33によって混合された後、このシール剤5がコーキングガン用のケーシング34(コーキングガン用容器)に入れられる。そして、このケーシングがコーキングガンに装着され、床材2の縁部と床面との間にシール剤5が注入(充填)される。シール剤5が注入されると、仕上げヘラ等により、シール剤5が見栄え良く処理される。その後、マスキングテープが除去される。
【0145】
上記のようなシール処理が終わると、養生として、床材2は、接着剤4、シール剤5が硬化するまで、そのままの状態で放置される。
【0146】
以上によって、浴室の床面への床材2の施工が完了する。
【0147】
第3表示部47cでは、シール剤5によるシール処理の工程が含まれるため、この第3表示部47cと、接着剤4との関係を作業者が連想できるように、第3表示部47cは、シール剤5と同じ識別情報、例えば同じ色情報として、青色に着色されていてもよい。
【0148】
また、第3表示部47cは、図7に示すように、本体部15の第4固定部29に保持されるシール剤5の保持位置に対応するように、その後方位置に設けられている。このように、シール剤5の保持位置に対応して、シール剤5のシール処理の工程を含む第3表示部47cを配置することで、施工を行う作業者は、シール剤5と第3表示部47cに表示されるシール処理の工程とを関連づけて理解することができ、これによって、効率の良い作業を行うことができる。
【0149】
上述した本発明に係る床材施工用キット1によれば、浴室の床面に貼り付けられるシート状の床材2と、浴室の床面を補修する補修剤3と、シート状の床材2を浴室の床面に接着する接着剤4と、浴室の床面と床材2との間をシールするシール剤5とが収納される収納箱を備えることで、床材用施工キット1は、シート状の床材2と、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5とを第2収納箱12に収納することによって、床材2の施工に必要な材料のほぼ全てを集約することができ、これらを別々に集める必要がなくなる。
【0150】
また、本発明に係る床材施工用キット1によれば、多種類の材料や道具を作業に則した状態で集約して搬入することができるので、浴室に充分な作業スペースが確保できない場合でも、効率よく作業を進めることができる。これによって、施工作業の準備に時間をかける必要がなくなる上、施工作業を効率良く行うことができるようになる。
【0151】
なお、第1収納箱11は、第2収納箱12と併用されることなく、本願発明の課題を解決することができる。すなわち、第1収納箱11は、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5を集約して収納することにより、これらを別々に準備する必要がなくなり、準備にかかる時間を短縮することができる。
【0152】
また、第1収納箱11が、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5を第2固定部27〜第4固定部29によって本体部15に固定して保持することにより、第2収納箱12に収納される補修剤3等の位置が変わることなく、これらとシート部材が接触して損傷するということも防止できる。また、第1収納箱11が蓋部16を有する箱形状に構成されることから、第1収納箱11に収納される物品を確実に保護することができる。
【0153】
第1収納箱11が、第2収納箱12に収納される態様で施工キット1が構成される場合には、第1収納箱11の蓋部16を省略することができる。すなわち、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5は、蓋部16がなくても、本体部15に固定された状態で保持される。
【0154】
本実施形態では、蓋部16を有する第1収納箱11と、蓋部16を有していない第1収納箱11とを総称して、「保持体」という。
【0155】
また、前記第2固定部27〜第4固定部29の支持部27c〜29cが、その支持位置を変更可能に構成されていることから、支持部27c〜29cの位置を変更可能にすることで、例えば補修剤3等を収容する容器7a,7bの大きさ(高さ)が異なる場合であっても、これらの容器7a,7bを適切に固定することができるようになる。また、本実施形態のように、複数の固定部27〜29を並設した場合には、各固定部に固定されて隣り合う容器7a〜9bの高さを揃えて固定することもでき、保持体は、見た目にも綺麗にこれらの材料を保持することができるようになる。
【0156】
また、第1収納箱11は、床材2を浴室の床面に施工するための道具をも収納していることから、床材2の施工に必要とされる物品をより多く集約することで、施工の準備にかかる時間をさらに短縮することができるようになる。
【0157】
また、第1収納箱11の蓋部16の表示部47に、床材2の施工要領が記載された施工説明書が表示されるので、施工の作業手順を作業者に明確に伝達して効率の良い作業を行うことができるようになる。この表示部47は、第2収納箱12の蓋部16にも設けられていてもよい。また、第1収納箱11、第2収納箱12に、施工要領が記載された施工説明書が別途収納されていてもよい。本実施形態では、第1収納箱11又は第2収納箱12の蓋部16に施工説明書が固定されて表示されること、又は第1収納箱11、又は第2収納箱12に施工説明書が収納されていることを総称して、施工説明書が、第1収納箱11又は第2収納箱12に「付属されている」という。
【0158】
また、表示部47は、補修剤3、接着剤4、及びシール剤5が使用される施工要領の各工程を、保持体に保持されている補修剤3、接着剤4、及びシール剤5の保持位置に対応して表示することから、施工を行う作業者にとって、シール剤5と第3表示部47cに表示されるシール処理の工程とを関連づけて理解することができ、これによって、効率の良い作業を行うことができる。
【0159】
また、第1収納箱11の表示部47は、作業者が表示部47を見やすい位置に配置されるように、掛止手段17によって蓋部16を掛止することから、作業者は、表示部47を見ながら本体部15に保持される補修剤3等を使用して容易に施工作業を行うことができる。
【0160】
また、第1収納箱11の蓋部16は、掛止手段17によって蓋部16が閉じた状態を維持できるようになるっていることから、蓋部16が不測に開くことが防止される。
【0161】
また、第1収納箱11を掛止する掛止手段17は、台紙の一部によって構成されることから、接着テープのような手段を用いることなく、蓋部16を閉じた状態にできる。これによって、第1収納箱11の組み立て・梱包作業を効率的の行うともに、第1収納箱11の製造コストを可及的に低減できるようになる。
【0162】
また、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5とに、これらを識別される識別情報が付されていることから、施工作業の際に、作業者は、補修剤3等の容器7a〜9b内を確認することなく、各作業工程において、間違うことなくこれらの材料を選択できるようになる。識別情報として、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5とに個別に付された色情報を採用することにより、作業者は、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5との別を色の違いによって直感的に判断できるようになる。
【0163】
また、第1収納箱11の底部22と第2固定部27〜第4固定部29の支持部27c〜29cとの間にスペーサ39が設けられていることから、第1収納箱11の各支持部27c〜29cを所望の位置に配置できるようになる。
【0164】
また、本体部15、及び蓋部16が1枚の台紙に形成されていることから、本体部15、蓋部16を別体とすることなく、これらを連結・接続する手間を省略して保持体を容易に構成することができる。
【0165】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変更・変形が可能である。
【0166】
例えば、上記の実施形態では、第2固定部27〜第4固定部29の開口部27a〜29aの周縁を八角形状に構成した例を示したが、これに限らず、第1固定部26の開口部と同様な四角形状に構成してもよい。このような場合には、補修剤3、接着剤4、及びシール剤5が、金属製の円筒状容器7a〜9bではなく、袋状の容器に収容されている場合においても、これらを確実に固定して保持できるようになる。そのような容器の例が、特開2001−80681号公報に開示されている。
【0167】
上記の実施形態において、第1掛止手段17aは、第1蓋部16aを閉じた状態で掛止するとともに、表示部47が作業者にとって見やすい位置に配置されるように、第1蓋部16aを所定の姿勢で掛止可能に構成されていたが、これに限定されない。第1掛止手段17aは、第1蓋部16aが閉じた状態を掛止するだけのものであってもよい。
【0168】
上記の実施形態では、第1収納箱11に補修剤3等を収納し、この第1収納箱11と床材2とを第2収納箱12に収納する例を示したが、これに限定されず、例えば、第1収納箱11に床材2を収納する収納部を設け、第1収納箱11のみで床材施工用キット1を構成するようにしてもよい。これによって、床材2の施工に必要なほぼ全ての物品を集約し、施工作業の効率をさらに向上することができる。
【0169】
その例としては、第1収納箱11の本体部15をより大型に構成し、その内部空間(上面部21と中間板部24との間の空間、または中間板部24と底部22との間の空間)を床材2の収納部としてもよい。また、第1固定部26と同様な構成の固定部を本体部15の長手方向に沿って長く構成し、この固定部によって筒状に巻き取られた床材2を固定するようにしてもよい。
【0170】
また、第1蓋部の第1被覆部と、第2被覆部との間に、筒状に巻き取られた床材2を被覆する被覆部をさらに設け、本体部15の側壁部23bに床材2を当接させた状態で、第1被覆部41によって床材2の下側の部分を被覆し、新たに追加された被覆部で床材2の側部を被覆し、第2被覆部42によって、床材2の上側と本体部15の上面部21とを被覆するようにして、第1収納箱11に床材を収納するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0171】
1…床材施工キット、2…床材、3…補修剤、4…接着剤、5…シール剤、7a,7b…補修剤用の容器、8a,8b…接着剤用の容器、9a,9b…シール剤用の容器、11…第1収納箱、12…第2収納箱、15…本体部、16(16a,16b)…蓋部(第1蓋部,第2蓋部)、17(17a,17b)…掛止手段(第1掛止手段,第2掛止手段)、21…上面部、22…底部、23(23a,23b)…側壁部、24…中間板部、26…第1固定部、27…第2固定部、28…第3固定部、29…第4固定部、32…ハケ、33…混ぜ棒、34…ケーシング、35…収納袋、38…挿通孔、39…スペーサ、41…第1被覆部、42…第2被覆部、43…第3被覆部、45…突起部、47(47a〜47c)…表示部(第1表示部〜第3表示部)、51…基部、55〜59…第1突起部〜第5突起部、61(61a,61b)…挿通口(第1挿通口,第2挿通口)、62a,62b…突起部、78…突出部、86(86a,86b)…蓋部、87…側壁部、88…底部、88a,88b…構成片、93…連結部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、浴室の床面にシート状の床材を施工するための施工キットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、マンションやホテル等の建物において、その施工の容易性の点から、浴室にユニットバスが用いられる場合が多くなってきている。ユニットバスとは、一般に、浴室を構成するための床パネル、壁パネル、天井パネル、浴槽、洗面器等や、これらに付随する換気設備、電気設備等を適宜組み合わせ、予め一体に組み込んで構成されたものをいう(例えば特許文献1参照)。
【0003】
例えば、マンション等の建物において、経年劣化によってリフォームが必要となった場合、そのリフォームの手法として、浴室の床パネルを交換することなく、この床パネルの床面に新たに床部材を敷設するということも行われるようになっている。
【0004】
この場合、シート状の床材を床面に敷くには、経年劣化によって生じた床面の凹凸等を補修し、床材を床面に応じて所定形状に裁断し、この床材を床面に接着した後に、床材と床面との間をシールする、といった作業が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−32546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、このような床材の施工を行う場合には、それぞれの作業に必要な材料(例えば、床材、補修剤や接着剤、シール剤等)や道具があり、その施工業者は、床材の施工にあたり、前もって、これらを集めて準備する必要があった。
【0007】
この場合、床材の施工には多数の工程があることから、各作業に必要な材料や道具が多種類に及び、事前にこれらを集める準備作業に時間がかかって煩わしいものであった。また、浴室における作業においては、多種類の材料や道具を並べるスペースが充分でなく、作業に手間取る場合が多くみられた。
【0008】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、床材の施工に必要とされる材料等を集約して、施工作業効率を向上することを目的とした浴室用床材の施工キットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る浴室床材の施工キットは、上記の課題を解決するためのものであって、浴室の床面に貼り付けられるシート状の床材と、浴室の床面を補修する補修剤と、シート状の床材を浴室の床面に接着する接着剤と、浴室の床面と床材との間をシールするシール剤とが収納される収納箱を備えることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、浴室用床材の施工キットは、シート状の床材と、補修剤と、接着剤と、シール剤とを収納箱に収納することによって、床材の施工に必要な材料のほぼ全てを集約することができ、これらを別々に集めるということがなく、準備に時間をかける必要がなくなる。これによって、床材の施工作業の効率を向上することができるようになる。
【0011】
また、本発明に係る浴室用床材の施工キットは、前記補修剤と、接着剤と、シール剤を保持する保持体が収納箱に収納されてなる構成を採用できる。
【0012】
かかる構成によれば、保持体が補修剤等を保持することにより、収納箱に収納される補修剤等の位置が変わることなく、これらとシート部材が接触して損傷するということも防止できる。
【0013】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記床材を浴室の床面に施工するための道具が収納箱に収納されてなる構成を採用できる。
【0014】
かかる構成によれば、施工に必要とされる道具が収納箱に収納されることで、床材の施工に必要とされる物品をより多く集約することで、施工の準備にかかる時間をさらに短縮することができるようになる。
【0015】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記収納箱に、床材の施工要領が記載された施工説明書が付属されることが望ましい。
【0016】
かかる構成によれば、施工説明書を収納箱に収納することにより、施工の作業手順を作業者に明確に伝達して効率の良い作業を行うことができるようになる。
【0017】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、補修剤、接着剤及びシール剤を収納可能な箱形状に構成されてなる構成を採用できる。
【0018】
かかる構成によれば、保持体を箱形状に構成することで、補修剤等の各種材料を保護することができるようになる。
【0019】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、補修剤と、接着剤と、シール剤を固定する固定部を有する構成を採用できる。
【0020】
かかる構成によれば、保持体が補修剤等を固定することで、収納箱内に収納されたこれらの材料は、収納箱を移動させた場合であってもその位置が変わることがなくなる。これにより、これらの材料を、収納箱内に整然と収納することができるようになる。
【0021】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記補修剤と、接着剤と、シール剤とに、これらを識別される識別情報が付されていることが望ましい。
【0022】
かかる構成によれば、補修剤、接着剤、シール剤を識別することが可能な識別情報を付けることにより、施工作業の際に、作業者は、補修剤等の容器内を確認することなく、各作業工程において、間違うことなくこれらの材料を選択できるようになる。
【0023】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記識別情報が、補修剤と、接着剤と、シール剤とに個別に付された色情報であることが望ましい。
【0024】
かかる構成によれば、識別情報が色情報であることで、作業者は、補修剤と、接着剤と、シール剤との別を色の違いによって直感的に判断できるようになる。
【0025】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、床材の施工要領が表示される表示部を有する構成を採用できる。
【0026】
かかる構成によれば、保持体によって施工要領を表示させることによって、作業者は、この表示部の施工要領を見ながら容易に床材の施工を行うことができる。
【0027】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、表示部が、補修剤、接着剤、及びシール剤が使用される施工要領の各工程を、保持体に保持されている補修剤、接着剤、及びシール剤の保持位置に対応して表示可能に構成されてなる構成を採用できる。
【0028】
かかる構成によれば、補修剤、接着剤、及びシール剤の保持位置に対応して、これらが使用される工程を表示することで、施工を行う作業者にとって、シール剤と表示部に表示されるシール処理の工程とを関連づけて理解することができ、これによって、効率の良い作業を行うことができる。
【0029】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、補修剤、接着剤、及びシール剤を保持する本体部と、本体部に対して開閉自在に設けられる蓋部とを有し、前記表示部が蓋部に設けられてなる構成を採用できる。
【0030】
かかる構成によれば、表示部が蓋部に設けられることによって、作業者は、この表示部に表示される施工要領を見ながら、本体部に保持される補修剤等を使用して容易に施工作業を行うことができる。
【0031】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、前記表示部が所定の表示位置にて表示されるように蓋部を所定の姿勢で掛止する掛止手段を有する構成を採用できる。
【0032】
かかる構成によれば、作業者にとって最も表示部が見えやすい位置で、蓋部を掛止することができるようになる。これによって、作業者は、表示部を見ながら本体部に保持される補修剤等を使用して容易に施工作業を行うことができる。
【0033】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記固定部が、補修剤、接着剤、及びシール剤を挿通可能な開口部と、補修剤、接着剤、及びシール剤の下部を支持する支持部とを有し、支持部が、その支持位置を変更可能に構成されてなる構成を採用できる。
【0034】
かかる構成によれば、支持部の位置を変更可能にすることで、例えば補修剤等を収容する容器の大きさ(高さ)が異なる場合であっても、これらの容器を適切に固定することができるようになる。また、複数の固定部を並設した場合には、各固定部に固定されて隣り合う容器の高さを揃えて固定することもでき、保持部は、見た目にも綺麗にこれらの材料を保持することができるようになる。
【0035】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、蓋部が本体部に対して閉じた状態で、この蓋部を掛止する掛止手段を有する構成を採用できる。
【0036】
かかる構成によれば、掛止手段によって蓋部が閉じた状態を維持できるようになる。
【0037】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記保持体が、その底部の上方位置に前記固定部を備え、固定部の支持部を所定の位置に配置すべく、保持体の底部と固定部の支持部との間にスペーサが設けられてなる構成を採用できる。
【0038】
かかる構成によれば、保持体の固定部に設けられる支持部を所望の位置に配置できるようになる。
【0039】
また、本発明に係る浴室床材の施工キットは、前記固定部、本体部、及び蓋部が1枚の台紙に形成されてなる構成を採用できる。
【0040】
かかる構成によれば、固定部、本体部、蓋部を別体とすることなく、1枚の台紙に形成することによって、これらを連結・接続する手間を省略して保持体を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、床材の施工に必要とされる材料等を集約して、施工作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】梱包直前の床材施工キットの平面図である。
【図2】第1蓋部が開き、第2蓋部が閉じた第1の掛止姿勢における、第1収納箱の側面図である。
【図3】図2におけるA−A矢視線断面図である。
【図4】図2におけるB−B矢視線断面図である。
【図5】図2におけるC−C矢視線断面図である。
【図6】図2におけるD−D矢視線断面図である。
【図7】第1蓋部が第2の掛止姿勢で掛止され、第2蓋部が開いた状態における第1収納箱の斜視図である。
【図8】第1収納箱を形成するための台紙を示す展開図である。
【図9】第2収納箱を形成するための台紙を示す展開図である。
【図10】表示部の一部を示す正面図である。
【図11】表示部の一部を示す正面図である。
【図12】表示部の一部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図12は、本発明に係る浴室用床材の施工キット(以下、床材施工キットという)の一実施形態を示す。床材施工キット1は、施工に必要な、巻かれたシート状の床材2、床材2が施工される床面を補修する補修剤3、この床材2を床面に接着するための接着剤4、床材2と床面との間をシールするためのシール剤5、及び、床材2を施工するために必要とされる施工道具等を収納可能に構成される。尚、シート状の床材2は、必要に応じて紙管、樹脂製筒体などの芯材に巻き付けてもよいが、芯材を用いない場合は廃棄物を減らすことができて良い。
【0044】
本実施形態において、補修剤3は、いわゆる2液混合タイプのものが採用されており、第1液と、第2液は、別個に所定の容器(例えば金属製の円筒状の容器)7a,7bに収容されている。同様に、接着剤4についても2液混合タイプのものが採用され、第1液と第2液が別個に所定の容器(例えば金属製の円筒状の容器)8a,8bに収容されている。また、シール剤5についても2液混合タイプのものが採用され、第1液と第2液が別個に所定の容器(例えば金属製の円筒状の容器)9a,9bに収容されている。なお、以下では、特に説明がない限り、「補修剤」、「接着剤」、「シール剤」の用語は、各容器7a〜9bに収容された状態を前提にして記述されるものとする。
【0045】
補修剤3、接着剤4、シール剤5を収容する各容器7a〜9bの外面には、内部に収容される材料を識別するための識別情報が付されている。この識別情報は、文字情報や色情報、図形、記号その他の情報により構成される。
【0046】
本実施形態では、例えば、補修剤3を収容する各容器7a,7bには、その外面(蓋や本体の外面)に、「補修剤」の文言、商品名、成分、2液を区別する文字(例えば第1液を「A液」とし、第2液を「B液」とする)等の文字情報や、補修剤3を識別するための色情報(例えば赤色)、補修剤3を表現する図形、バーコード等の識別情報が付される。また、接着剤4を収容する各容器8a,8bには、「接着剤」の文言、商品名、成分、2液を区別する文字等の文字情報や、接着剤4を識別するための色情報(例えば緑色)、接着剤4を表現する図形、バーコード等の識別情報が付される。同様に、シール剤5を収容する各容器9a,9bには、「シール剤」の文言、商品名、成分、2液を区別する文字等の文字情報、シール剤5を識別するための色情報(例えば青色)、シール剤5を表現する図形、バーコード等の識別情報が付される。色情報は、適宜設定すれば良いが、特に取り扱いなどに注意を要するものを赤などの強調色にすると、作業者の注意を喚起することができるので望ましい。
【0047】
なお、上記の識別情報は、容器7a〜9bに直接付されてもよく、また、所定形状のラベルに識別情報を印刷等によって表示し、このラベルを各容器7a〜9bに貼り付けることによって付されてもよい。
【0048】
図1に示すように、床材施工キット1は、補修剤3、接着剤4、及びシール剤5を収納する第1収納箱(以下「第1収納箱」という)11と、床材2及び第1収納箱11を収納するための収納箱(以下「第2収納箱12」という)12とを有する。第1収納箱11は、紙管に巻き付けられているシート状の床材2と並んだ状態で、第2収納箱12に収納されて、シート状の床材2が第2収納箱12内で移動しないように固定する役割も果たしている。図1は、後述する第2収納箱12の蓋部86(86a,86b)が開いた梱包直前の状態を示している。
【0049】
なお、上記シート状の床材2の収納状態は、シート状の床材2のみを円筒形に巻いて収納すればよいが、第3収納箱12に収納され得る状態であれば特に限定されず、例えば、紙管や樹脂製筒体などに巻いた状態で収納してもよい。
【0050】
図2は、第1収納箱11を第2収納箱12から取り出して蓋部16を開放した状態を示している。第1収納箱11は、補修剤3、接着剤4、シール剤5、施工道具その他の付属品(以下「施工道具等」という)を動かないように固定して保持する本体部15と、この本体部15に対して開閉自在な蓋部16と、蓋部16を所定の姿勢で掛止する掛止手段17と、を有する。本体部15と、蓋部16とは、所定形状に構成される1枚の台紙(図8参照)を所定位置で折り曲げることによって構成される(台紙の構成については後述する)。
【0051】
図3〜図6は、本体部15の各部における断面図を示し、図3は図2におけるA−A、同様に、図4はB−B、図5はC−C、図6はD−Dの断面に各々対応している。図3〜図6に示すように、本体部15は、断面視略四角形を示す筒状に構成され、上面部21と、底部22と、上面部21及び底部22を連結する側壁部23と、上面部21と底部22との間で本体部15の一部長手方向に沿って設けられる中間板部24とで構成される。
【0052】
また、本体部15は、施工道具その他の付属品を固定する第1固定部26と、補修剤3を固定する第2固定部27と、接着剤4を固定する第3固定部28と、シール剤5を固定する第4固定部29とを有する。第1固定部26〜第4固定部29は、本体部15の上面部21に形成されている。
【0053】
図2、図3に示すように、第1固定部26は、施工道具等を挟み込んで動かないように押さえる2つの押さえ部26a,26bを有する。2つの押さえ部26a,26bは、本体部15の一部に切れ込み30が入れられることによって形成されている。2つの押さえ部26a,26bは、施工道具その他の付属品を固定していない状態では、その端部が互いに対向するように水平姿勢を維持するように構成される。
【0054】
2つの押さえ部26a,26bは、折り曲げ線31を中心に回動可能に構成されている。2つの押さえ部26a,26bは、この折り曲げ線31を介して回動させたとき、元の姿勢に戻るような弾性復元力を生じるように構成される。また、第1固定部26は、この折り曲げ線31を介して2つの押さえ部26a,26bを下方に回動させると、その間に開口部が形成されるようになっている。この開口部は、切れ込み30と折り曲げ線31とによって縁取られた部分によって、四角形状に構成される。
【0055】
第1固定部26は、上記のように、2つの押さえ部26a,26bを水平姿勢から下方に回動させて開口部を構成し、この開口部に施工道具等が入れられ、弾性復元力を生じている2つの押さえ部26a,26bで施工道具等が側方から押圧されることで、この施工道具等を動かないように固定することができるようになっている。
【0056】
第1固定部26には、床部材を切断するためのカッターその他の切断具、補修剤3、接着剤4を床面に塗布するためのハケその他の塗布具、床材2を床面に押しつけるためのローラ、2液タイプとされている補修剤3、接着剤4、シール剤5の第1液と第2液を混ぜるための混ぜ棒、シール剤5を塗布するためのコーキングガン用のケーシング34、文房具、施工要領を説明する説明書など、床材2を浴室床面に施工するのに用いる様々な道具類の一部又は全てを固定することができる。
【0057】
この実施形態では、例えば、図2に示すように、ハケ32、混ぜ棒33、コーキングガン用のケーシング34が収納袋35に収納され第1固定部26に固定されている。より具体的には、この収納袋35は、図3に示すように、第1固定部26の開口部に挿通され、2つの押さえ部26a,26bの弾性復元力によって両側から挟みこまれることによって押さえつけられる。このように、収納袋35は、本体部15の2つの押さえ部26a,26bとの間に挟まれることによって第1固定部26に固定される。
【0058】
図2、図4、図5に示すように、第2固定部27は、補修剤3を挿通する開口部27aと、開口部27aに挿通された補修剤3を押さえつける押さえ部27bと、開口部27aに挿通された補修剤3の下部を支持する支持部27cとを有する。
【0059】
本実施形態では、補修剤3の第1液(の容器7a)と第2液(の容器7b)を別々に固定すべく、第2固定部27に2つの開口部27a,27aが設けられている。図2に示すように、各開口部27a,27aは、その周縁が多角形状に構成されている。尚、図2には、各開口部27a,27aは、容器を全周面に渡って均一に固定しやすい八角形状を例示しているが、これに限らず六角形状などの他の多角形状あってもよい。
【0060】
図2に示すように、第2固定部27の押さえ部27bは、開口部27aの八角形の周縁の各辺に対応して設けられており、したがって、本実施形態において、各開口部27a,27aに対応して設けられる押さえ部27bの数は8である。各押さえ部27bは、板状に構成され、開口部27aの周縁から突出し、開口部27aの一部を覆うように形成されている。
【0061】
各押さえ部27bは、各開口部27a,27aの周縁から、その先端に向かうにつれて徐々に細くなる先細り状に形成されている。開口部27aに補修剤3が挿通されていない場合には、各押さえ部27bは、本体部15の上面部21の外面とほぼ面一になるように位置づけられる。
【0062】
各押さえ部27bは、各開口部27a,27aの周縁の各辺に相当する直線を折り曲げ線36とし、この折り曲げ線36を介して上下に回動できるように構成される。各押さえ部27bは、補修剤3が各開口部27aに挿通されたときに、この補修剤3(の容器7a,7b)の側部に当接した状態で、下方に回動する。この状態では、各押さえ部27bには、元の位置に戻ろうとする弾性復元力が生じる。これによって、押さえ部27bは、補修剤3が動かないように、その側部を押さえつけることができる。
【0063】
支持部27cは、2つの開口部27a,27aのそれぞれに対応して本体部15内に設けられている。支持部27cは、一方の開口部27aに対応して設けられる態様と、他方の開口部27aに対応して設けられる態様とが異なっている。以下、一方の開口部27aに対応する支持部27cの態様を、図4を参照して説明するとともに、他方の開口部27aに対応する支持部27cの態様を、図5を参照して説明する。
【0064】
図4に示すように、一方の開口部27aに対応する支持部27cは、本体部15内に配置される中間板部24を貫通するとともに、この開口部27aに向かって突出する2つの突出部78として構成される。この突出部78は、図8に示すように、本体部15の底部22に設けられた切れ込み76の部分を折り曲げることによって形成される。支持部27cは、突出部78が折り曲げられた状態で、その一部が中間板部24に設けられた挿通孔38を貫通して底部22から上方に突出させられることによって形成される。
【0065】
中間板部24には、この突出部78が挿通される2つの挿通孔38,38が形成されている。支持部27cとしての各突出部78は、各挿通孔38,38に挿通されることで、底部22から突出され、互いに所定間隔離れた状態を維持するように、中間板部24に支持されている。
【0066】
この開口部27aに挿通された補修剤3の容器7aは、その底部が2つの支持部27c,27cに当接することで支持される。
【0067】
図5に示すように、他方の開口部27aに対応する支持部27cは、図4に示すような突出部78を有していない。この開口部27aに対応する支持部27cは、中間板部24の一部によって構成される。すなわち、中間板部24の上面は、この開口部27aに補修剤3の容器7bが挿通されたときに、この容器7bの底部が中間板部24の上面に接触して載せられる。すなわち、中間板部24は、その上面の一部によって、この補修剤3の容器7bを支持するのである。
【0068】
図4に示す支持部27cと、図5に示す支持部27cとを比較すると、補修剤3の容器を支持する位置(高さ)が異なる。補修剤3の容器を支持する支持部27cは、異なる位置で補修剤3の容器7a,7bを支持することができる。従って、このような構成とすることで、保持する対象となる容器7a,7bの大きさが異なる場合でも、容器7a,7bの底面を保持することが可能となる。また、図4に示す支持部27cは、その形状を変更することで突出長さを変更し、底部22の近傍位置に留めておくことも可能である。すなわち、補修剤3を支持する支持部27cは、容器のサイズに合わせてその支持位置を変更可能に構成されている。
【0069】
図2に示すように、第3固定部28は、接着剤4を挿通する開口部28aと、開口部28aに挿通された接着剤4を押さえつける押さえ部28bと、開口部28aに挿通された接着剤4の下部を支持する支持部(図示せず)とを有する。
【0070】
第3固定部28の態様は、第2固定部27の態様とほぼ同じである。すなわち、開口部28aは、第2固定部27と同様に、その周縁が多角形状(図例では八角形状)に構成される。また、押さえ部28bは、開口部28aの周縁の各辺に対応して、先細り状に構成される。この第3固定部28は、支持部の構成が第2固定部27のものと若干異なる。
【0071】
上述した第2固定部27では、2つの開口部27a,27aのうち、一方の開口部27aに対応する支持部27cと、他方の開口部27aに対応する支持部27cの構成が異なっていたが、この第3固定部28では、両者が同じ構成になっている。
【0072】
第3固定部28における2つの開口部28a,28aに対応する支持部は、第2固定部27における図5の支持部と同じ構成である。すなわち、各開口部28a,28aに対応する各支持部は、本体部15内に設けられる中間板部24の一部によって構成される。
【0073】
より具体的には、この中間板部24は、本体の長手方向に沿って、長尺状に設けられている。すなわち、中間板部24は、第2固定部27の支持部27cから、後述する第4固定部29に対応する下方位置にまで達している。したがって、第3固定部28における2つの開口部28a,28aの下方には、この中間板部24が位置しており、各開口部28a,28aから挿通された接着剤4の第1液(の容器8a)及び第2液(の容器8b)の下部(底部)は、中間板部24の上面の一部によって構成される支持部に当接し、これに支持されることとなる。
【0074】
図2及び図6に示すように、第4固定部29は、第2固定部27と同様に、シール剤5を挿通する2つの開口部29a,29aと、各開口部29a,29aに挿通されたシール剤5を押さえつける押さえ部29bと、各開口部29a,29aに挿通されたシール剤5の下部を支持する支持部29cとを有する。この第4固定部29は、各開口部29a、押さえ部29b、各支持部29cの構成は、第2固定部27の場合と同じである。
【0075】
この第4固定部29において、2つの開口部29a,29aのうち、一方の開口部29aに対応する支持部29cは、図6に示すように、2つの突出部78を有する。これらの突出部78の構成は、図4において説明した2つの突出部78と同じである。また、他方の開口部29aに対応する支持部29cは、図5において説明した第2固定部27における支持部27cの構成と同じであるので、図示及び説明を割愛する。
【0076】
図2に示すように、蓋部16は、本体部15の上面部21及び側壁部23を覆う第1蓋部16aと、本体部15の長手方向の端部を覆う第2蓋部16bとを有する。
【0077】
第1蓋部16aは、本体部15の一方の側壁部23aを覆う第1被覆部41と、本体部15の上面部21を覆う第2被覆部42と、本体部15の他方の側壁部23bを覆う第3被覆部43とを有する。第1被覆部41と第2被覆部42との間には、その境界となるとともに、第1被覆部41と第2被覆部42とを互いに折り曲げ可能にする折り曲げ線44aが設けられている。また、第2被覆部42と第3被覆部43との間には、その境界となるとともに、第2被覆部42と第3被覆部43とを互いに折り曲げ可能にする折り曲げ線44bが設けられている。
【0078】
第1被覆部41〜第3被覆部43は、長方形状に構成されており、その長さが等しくなっている。第1被覆部41は、その一方の長辺の部分が本体部15と繋がっている。第1被覆部41の他方の長辺は、第2被覆部42の一方の長辺と一致しており、この一致した部分において第1被覆部41と第2被覆部42とが繋がっている。第2被覆部42の他方の長辺は、第3被覆部43の一方の長辺と一致しており、この一致している部分において、第2被覆部42と第3被覆部43とが繋がっている。
【0079】
第3被覆部43の他方の長辺には、この長辺に直交する幅方向に突出する突起部45が形成されている。本実施形態では、第3被覆部43に、第3被覆部43を固定するための2つの突起部45,45が形成されている。2つの突起部45,45を本体部15に設けられた第1挿通口61a、または第2挿通口61bに差し込むことで、第3被覆部43を本体部15に固定することができる。突起部45の数は、少ない数で第3被覆部43を安定的に固定できる2が好ましいが、1、または3以上の複数であってもよい。2つの突起部45,45は、第3被覆部43の長手方向に所定の間隔をおいて設けられている。
【0080】
第3被覆部43の外面には、図7に示すように、床材2の施工要領の工程を表示する表示部47が設けられている。床材2の施工を行う作業者は、この表示部47を見ながら施工作業を容易に行うことができる。この表示部47は、所定の工程ごとに分かれて表示されるように、所定の工程を記載した、第1表示部47a、第2表示部47b、及び第3表示部47cを有する。各表示部47は、第3被覆部43に直接印刷されてもよいし、各表示部47を印刷したラベルを第3被覆部43に貼り付けることによって構成されてもよい。表示部47の表示内容については、床材2の施工方法とともに後述する。
【0081】
第2蓋部16bは、筒状に構成される本体部15の各端部を閉塞すべく、第1蓋部16aと一体に構成されている。具体的には、第1蓋部16aには、2つの第2蓋部16bが設けられており、第2蓋部16bのそれぞれは、第1蓋部16aにおける第2被覆部42の長手方向の端部に一体に構成されている。換言すれば、第2蓋部16bは、第1蓋部16aの長手方向の一端部から突出するように設けられている。
【0082】
第2蓋部16bは、第2被覆部42の端部に繋がって構成される基部51と、基部51から突出する複数の突起部55〜59とを有する。
【0083】
基部51は、図2に示すように、四角形状に構成される。この基部51は、筒状の本体部15の端部の開口部を閉塞することができるように、この開口部の面積とほぼ同じ面積を有する。また、この基部51は、その一辺が、第2被覆部42の短辺と一致しており、この一致した部分において、基部51と第2被覆部42とが繋がっている。基部51と第2被覆部42との間には、この一致した部分に折り曲げ線52が設けられており、基部51は、この折り曲げ線52を境界線として、第2被覆部42に対して回動可能に構成されている。
【0084】
基部51において、第2被覆部42と繋がっている一辺(以下、「第1辺」という)51aとは反対の一辺(以下、「第2辺」という)51bには、1つの突起部(以下、「第1突起部」という)55が形成されている。また、第1辺51aと第2辺51bとを繋ぐ二辺(以下、それぞれを「第3辺」、「第4辺」という)51c,51dには、2つの突起部56,57、58,59が設けられている。以下、第3辺51cに設けられる2つの突起部56,57を、それぞれ第2突起部56、第3突起部57といい、第4辺51dに設けられる2つの突起部58,59を、それぞれ第4突起部58、第5突起部59という。第2突起部56と第3突起部57とは、所定の間隔をおいて第3辺51cに設けられている。同様に、第4突起部58と第5突起部59とは、所定の間隔をおいて第4辺51dに設けられている。
【0085】
第1突起部55は、第2蓋部16bの突出方向、すなわち、第1蓋部16aにおける第2被覆部42の長手方向に沿って突出形成されている。また、第2突起部56〜第5突起部59は、第1突起部55の突出する方向とは直交する方向に沿って突出形成されている。第2突起部56及び第3突起部57の突出方向と、第4突起部58及び第5突起部59の突出方向とは、逆向きになっている。
【0086】
掛止手段17は、第1蓋部16aを所定の姿勢で掛止する第1掛止手段17aと、第2蓋部16bが閉じた状態でこれを掛止する第2掛止手段17bとを有する。
【0087】
第1掛止手段17aは、第1蓋部16aを本体部15に対して閉じた状態となる第1の掛止姿勢で掛止することができるとともに、第1蓋部16aを表示部47が所定の位置で表示される第2の掛止姿勢で掛止することもできるようになっている。
【0088】
第1掛止手段17aは、第1蓋部16aに形成される2つの突起部45,45と、本体部15に設けられた突起部45が挿通可能な挿通口61と、から構成される。
【0089】
各突起部45,45は、第1蓋部16aの第3被覆部43との境界線が折り曲げ線63となっている。各突起部45,45は、この折り曲げ線63を介して第1蓋部16aに対して折れ曲がり可能に構成されている。第1掛止手段17aが、第1蓋部16aを掛止する際には、各突起部45,45は、第1蓋部16aに対して所定の角度で曲げられた状態で、挿通口61に挿通される。
【0090】
挿通口61は、第1の掛止姿勢で掛止する際に、突起部45が挿通される第1挿通口61aと、第1蓋部16aの表示部47を第2の掛止姿勢で掛止する際に、突起部45が挿通される第2挿通口61bとを有する。
【0091】
第1挿通口61aは、図2、図3に示すように、本体部15の一方の側壁部23aの下部に貫通形成されている。第1蓋部16aの2つの突起部45,45に対応して、本体部15には、2つの第1挿通口61a,61aが形成されている。第1蓋部16aが閉じられる際には、第3被覆部43が本体部15の一方に側壁部23に接触した状態で、各突起部45,45が第3被覆部43から折り曲げられた状態となり、この折り曲げられた各突起部45,45が対応する第1挿通口61aに挿通される。各突起部45,45が第1挿通口61aに挿通されると、各突起部45,45は、底部22の内面に接触して、その摩擦力と、第1挿通口61aとによって第1の掛止姿勢で掛止される。
【0092】
なお、第1挿通口61a,61aの縁部には、本体部15の側壁部23aの外面から外方に突出する突起部62aが設けられている。この突起部62aは、第1挿通口61aの下側に設けられている。第1の掛止姿勢にすべく、第1蓋部16aの突起部45を第1挿通口61aに挿通する際に、この突起部45の先端は、この突起部62aの上面に当接して、第1挿通口61a内に案内される。すなわち、この突起部62aは、第1蓋部16aの突起部45を第1挿通口61aに容易に挿通させることができるように、この突起部45を第1挿通口61aに案内する案内部として機能する。
【0093】
第2挿通口61bは、図2、図3に示すように、本体部15の上面部21に貫通形成されている。第1蓋部16aの2つの突起部45,45に対応して、本体部15には、2つの第2挿通口61b,61bが形成されている。
【0094】
また、第2挿通口61b,61bの縁部には、本体部15の上面部21から上方に突出する突起部62bが設けられている。この突起部62bは、第2挿通口61bよりも本体部の側壁部23b側に設けられている。第2の掛止姿勢にすべく、第1蓋部16aの突起部45を第2挿通口61bに挿通する際に、この突起部45の先端は、この突起部62bの側面に当接して、第2挿通口61b内に案内される。すなわち、この突起部62bは、第1蓋部16aの突起部45を第2挿通口61bに容易に挿通させることができるように、この突起部45を第2挿通口61bに案内する案内部として機能する。
【0095】
図7は、第1蓋部16aが第2の掛止姿勢で掛止された状態を側壁部23a側から見た第1収納箱11の斜視図である。第1蓋部16aの表示部47を所定の位置で表示させるべく、第1蓋部16aを所定の姿勢にしたときに、第1蓋部16aにおける第3被覆部43に対して、各突起部45,45が所定の角度で折り曲げられた状態となり、この折り曲げられた各突起部45,45が各第2挿通口61b,61bに挿通される。
【0096】
第2掛止手段17bは、第2蓋部16bに形成される第1突起部55〜第5突起部59によって構成される。各突起部55〜59は、図2に示すように、第2蓋部16bの基部51との境界線が折り曲げ線65となっており、この折り曲げ線65を介して、基部51に対して折れ曲がり可能に構成される。
【0097】
第2蓋部16bによって本体部15の長手方向の端部の開口部を閉塞する際には、第1蓋部16aによって本体部15を覆った後に、本体部15の長手方向の開口部を覆うように、第2蓋部16bの基部51が第1蓋部16aの第2被覆部42に対して所定の角度で折り曲げられる。
【0098】
このとき、各突起部は、第2蓋部16bに対して所定の角度を折り曲げられるとともに、本体部15の内側に挿入される。第1突起部55は、本体部15内に挿入されたとき、本体部15の一方の側壁部23aの内面に接触する。
【0099】
第2突起部56と第3突起部57は、本体部15内に挿入されたとき、本体部15の上面部21の内面に接触する。このとき、右側の第2突起部56と第3突起部57との間には、本体部15内の中間板部24の長手方向の端部が入った状態となる。換言すれば、本体部15の内側に挿入されたときに、右側の第2突起部56と第3突起部57は、その間に中間板部24の端部を挟んだ状態となる。
【0100】
第4突起部58と第5突起部59は、本体部15に挿入されたとき、本体部15の底部22の内面に接触する。このとき、右側の第4突起部58と第5突起部59との間には、本体部15内の中間板部24の長手方向の端部が入った状態となる。換言すれば、本体部15の内側に挿入されたときに、右側の第4突起部58と第5突起部59は、その間に中間板部24の端部を挟んだ状態となる。
【0101】
上記のように、各突起部が本体部15の内側に挿入されたとき、第1突起部55と本体部15の側壁部23の内面との接触、第2突起部56及び第3突起部57と本体部15の上面部21の内面との接触、及びこれらと中間板部24との接触、第4突起部58及び第5突起部59と本体部15の底部22の内面との接触、及びこれらと中間板部24との接触等によって生じる摩擦力によって、第2蓋部16bは本体部15の長手方向の端部を閉塞した状態で掛止される。
【0102】
上記のような第1収納箱11は、図8に示すような所定形状の1枚の台紙を所定位置で折り曲げることによって構成される。
【0103】
台紙は、本体部15を構成するための部分と、蓋部16を構成するための部分とを有する。以下、説明の便宜上、台紙において、本体部15とその構成要素に対応している部分には、上述した本体部15の各要素と同じ符号を付して説明する。例えば、台紙において上面部21に対応する部分には、同じ符号を付し、上面部21として説明する。同様に、台紙において、蓋部16とその構成要素に対応する部分には、上述した蓋部16の各要素と同じ符号を付して説明する。例えば、台紙において第1被覆部41に対応する部分には、同じ符号41を付し、第1被覆部41として説明する。
【0104】
台紙において、本体部15を構成する上面部21、底部22、側壁部23、中間板部24は、長方形状に構成されている。上面部21、底部22、及び側壁部23は、その長手方向の長さが略等しくなっている。中間板部24の長手方向の長さは、上面部21等よりも短くなっている。図8に示すように、中間板部24の長手方向の一端部は、上面部21、底部22、及び側壁部23の長手方向の一端部の位置に一致するように設けられている。中間板部24の長手方向の他端部は、上面部21、底部22、及び側壁部23の他端部に達していない。
【0105】
具体的には、中間板部24の他端部は、上面部21に形成されている第1固定部26に対応する位置まで達していない。このことから、中間板部24は、第2固定部27〜第4固定部29の各開口部27a〜29aの下方位置には重なって位置するが、第1固定部26の下方位置には存在していない。
【0106】
上面部21は、一方の側壁部23aを介して底部22と連結されている。また、上面部21は、他方の側壁部23bを介して中間板部24と連結されている。一方の側壁部23aと底部22との間には、第1挿通口61aを形成するために2つの切れ込み71,71が入れられている。それぞれの切れ込み71,71は、底部22と一方の側壁部23aとの間の境界線(折り曲げ線72)に略一致して形成されている。また、上面部21と他方の側壁部23bとの間には、第2挿通口61bを形成するために2つの切れ込み73,73が入れられている。それぞれの切れ込み73,73は、上面部21と他方の側壁部23bとの間の境界線(折り曲げ線74)に略一致して形成されている。
【0107】
底部22は、その一方の長辺に対応して位置する折り曲げ線75を介して第1蓋部16aの第1被覆部41に連結されている。底部22の長手方向の長さは、この第1被覆部41と等しくなっている。
【0108】
また、底部22には、所定位置に切れ込み76が入れられることにより、第2固定部27、第4固定部29における支持部29cを構成するための突出部78が形成されている。各突出部78は、折り曲げ線77を介して底部22に対して所定の角度を折り曲げ可能に構成される。
【0109】
中間板部24は、側壁部23bに連結されている。この中間板部24と側壁部23bとの間には、折り曲げ線79が形成されており、中間板部24は、この折り曲げ線79を介して側壁部23bに対して折り曲げ可能に構成されている。なお、折り曲げ線79の中途部分には、中間板部24を折り曲げ易くするために、切れ込み80が形成されている。
【0110】
また、中間板部24には、突出部78が挿通される挿通孔38,38が形成されている。各挿通孔38,38は、中間板部24の長手方向に沿う長孔として形成される。
【0111】
また、中間板部24には、所定位置に切れ込み81が入れられることで、底部22と中間板部24との間に配置されるスペーサ39が形成されている。このスペーサ39は、折り曲げ線82を介して、中間板部24に対して折り曲げ可能に構成される。図4〜図6に示すように、本体部15内において、このスペーサ39は、その一方の面が、中間板部24に接触するように折り曲げられるととともに、その他方の面が底部22の内面に接触するように配置される。
【0112】
以下、台紙による第1収納箱11の組み立て方法、特に本体部15の組み立て方法について説明する。
【0113】
本体部15を組み立てるには、まず、中間板部24を、隣接する一方の側壁部23aに対して略直角となるように折り曲げる。そして、この側壁部23を本体部15に対して略直角となるように折り曲げる。そうすると、上面部21と中間板部24とが重なった状態になる。
【0114】
次に、本体部15を他方の側壁部23bに対して略直角となるように折り曲げる。そして、他方の側壁部23bを底部22に対して略直角となるように折り曲げる。そうすると、中間板部24は、上面部21と、底部22のとの間に位置する状態になる。このとき、底部22に形成される各突出部78を中間板部24に形成される各挿通孔38,38に挿通する。さらに、スペーサ39を折り曲げて、中間板部24と底部22との間に介在させる。
【0115】
このように、底部22の突出部78を中間板部24の挿通孔38,38に挿通し、中間板部24と底部22との間にスペーサ39を介在させることで、中間板部24は、上面部21と底部22との相対的な位置が変化しないように位置決めされる。
【0116】
以上により、その内部に中間板部24を有した状態で本体部15が構成される。
【0117】
以下、本体部15に対して蓋部16を閉じる動作について説明する。
【0118】
本体部15に対して蓋部16を閉じるには、まず、第1蓋部16aの第1被覆部41を底部22に対して略直角となるように折り曲げる。このとき、第1被覆部41は、本体部15の側壁部23を覆った状態になる。次に、第1蓋部16aの第2被覆部42を第1被覆部41に対して略直角となるように折り曲げる。これによって、第2被覆部42は、本体部15の上面部21の上方位置でこれを覆った状態になる。この状態から、第3被覆部43を第2被覆部42に対して略直角となるように折り曲げる。これによって、第3被覆部43が本体部15の側壁部23を覆った状態となる。
【0119】
このとき、第3被覆部43に設けられている2つの突起部45,45を、この第3被覆部43に対して略直角となるように折り曲げるとともに、第1挿通孔に挿通する。これにより、2つの突起部45,45は、本体部15内で、底部22の内面に接触した状態となる。以上により、第1蓋部16aは、第1掛止手段17aによって掛止された第1の掛止姿勢となる。
【0120】
第1蓋部16aが第1掛止手段17aによって掛止された状態では、第2被覆部42に一体に設けられている第2蓋部16bは、本体部15の上面部21の上方に位置づけられる。この状態から、第2蓋部16bの基部51を第2被覆部42に対して略直角となるように折り曲げる。さらに、第2蓋部16bの第1突起部55〜第5突起部59を基部51に対して略直角となるように折り曲げるとともに、本体部15の長手方向の端部の開口部から内側に入れる。以上により、第2蓋部16bは、本体部15の長手方向の端部を閉塞した状態で、第2掛止手段17bによって掛止される。
【0121】
第2収納箱12は、その上部に設けられる4つの蓋部86(86a,86b)と、各蓋部86に対応する4つの側壁部87と、底部88(88a,88b)とを有する。この第2収納箱12は、図9に示す台紙によって構成される。
【0122】
4つの蓋部86は、それぞれ長方形状に構成される。この蓋部86は、対応する側壁部87との境界線を折り曲げ線91として、側壁部87に対して折れ曲がり可能に構成されている。
【0123】
側壁部87は、対応する蓋部86を同じ大きさの長方形状に構成される。4つの側壁部87は、それぞれの境界線が折り曲げ線92とされており、この折り曲げ線92を介して互いに折れ曲がり可能に構成されている。4つの側壁部87のうちの1つには、他の側壁部87と連結するための連結部93が設けられている。4つの側壁部87は、この連結部93を介して、環状(四角形状の環状)に構成される。
【0124】
図9に示すように、底部88は、台紙の状態において2つの小さな構成片88aと2つの大きな構成片88bを有する。各構成片88a、88bは、各蓋部86、各側壁部87に対応して設けられている。各構成片88a、88bの形状及び大きさは、対応する各蓋部86の形状及び大きさと同じになっている。各構成片88a、88bは、対応する側壁部87との境界線を折り曲げ線94として、各側壁部87に対して折り曲げ可能に構成される。
【0125】
この底部88は、以下のようにして構成される。まず、側壁部87を環状に構成した後に、各構成片88a、88bを各側壁部87に対して略直角に折り曲げる。このとき、小さな構成片88aを内側にし、大きな構成片88bをその外側から重ねた状態にする。この状態において、2つの大きな構成片88bは、その端部同士が対向した状態となる。この状態から、大きな構成片88bの端部同士を接着テープ等により接着する。以上により、底部88は、側壁部87の下部側を閉塞した状態に構成される。
【0126】
上記の状態において、床材2及び施工材料を収納した第1収納箱11が第2収納箱12内に入れられる。
【0127】
その後、蓋部86が閉られる。蓋部86による閉塞は以下のようにして行われる。図9に示すように、蓋部86は、台紙の状態において2つの小さな構成片86aと2つの大きな構成片86bを有する。蓋部86を閉じるには、まず、各蓋部86を各側壁部87に対して略直角に折り曲げる。このとき、小さな2つの蓋部86aを内側にし、大きな2つの蓋部86bをその外側から重ねた状態にする。この状態において、2つの大きな蓋部86bは、その端部同士が対向した状態となる。この状態から、大きな蓋部86bの端部同士を接着テープ等により接着する。以上により、第2収納箱12の上部が蓋部86により閉塞され、これによって施工キット1が完成される。
【0128】
以下、床材施工キット1を使用して、浴室の床面に床材2を施工する方法について説明する。この施工方法は、第1蓋部16aに設けられる第1表示部47a〜第3表示部47cによって表示されている。
【0129】
以下、図10〜図12を参照し、各表示部47を表示内容とともに、床材2の施工方法の概略を説明する。
【0130】
図10は、第1表示部47aを示す。第1表示部47aには、下地の状態の確認、床面の補修、及びシート状の床材2の裁断に係る各工程についての案内図と案内文とが表示されている。
【0131】
床材2の施工にあたり、まず、床面の経年劣化の状態を確認し、その状態に応じた補修が行われる。補修工程は、例えば、補修剤3が好適に床面に付着するように、事前にサンドペーパーによって床面が研磨される。
【0132】
補修工程では、補修剤3の第1液と第2液が混合されたのち、この補修剤3が床面の凹部等に盛られる。この補修工程によって、床面が平坦状に補修されることとなる。補修剤3の第1液と第2液との混合は、収納袋35に収納されている混ぜ棒33によって行われる。
【0133】
補修工程の後、又はその前に、床材2は、床面に応じて所定の大きさ及び形状に裁断される。
【0134】
第1表示部47aでは、補修の工程が含まれるため、この第1表示部47aと、補修剤3との関係を作業者が連想できるように、第1表示部47aは、補修剤3と同じ識別情報、例えば同じ色情報として、赤色に着色されていてもよい。
【0135】
また、第1表示部47aは、図7に示すように、本体部15の第2固定部27に保持される補修剤3の保持位置に対応するように、その後方位置に設けられている。このように、補修剤3の保持位置に対応して、補修の工程を含む第1表示部47aを配置することで、施工を行う作業者は、補修剤3と第1表示部47aに表示される補修の工程とを関連づけて理解することができ、これによって、効率の良い作業を行うことができる。
【0136】
図11は、第2表示部47bを示す。第2表示部47bには、床材2のさらなる具体的な裁断の仕方、及び、接着剤4の床面への塗布工程が、対応する案内図及び案内文によって表示されている。
【0137】
例えば、床面に配設される排水口等に対応するように床材2を裁断するための手法として、型紙法が採用され得る。型紙法は、例えば、型紙を排水口に貼り付けるとともに、この型紙に排水口の形状を筆記具によって写し取り、これを床材2に転写し、それに応じて床材2の該当部分を裁断する方法である。
【0138】
上記のような作業と併行して、または、その作業後に、接着剤4の第1液と第2液とを混ぜ棒33によって混合し、この接着剤4が収納袋35に収納されているハケ32等を使用して床面に塗布される。接着剤4が塗布される前に、補修剤3が盛られた部分をサンドペーパー等により研磨するようにしてもよい。
【0139】
第2表示部47bでは、接着剤4の塗布の工程が含まれるため、この第2表示部47bと、接着剤4との関係を作業者が連想できるように、第2表示部47bは、接着剤4と同じ識別情報、例えば同じ色情報として、緑色に着色されていてもよい。
【0140】
また、第2表示部47bは、図7に示すように、本体部15の第3固定部28に保持される接着剤4の保持位置に対応するように、その後方位置に設けられている。このように、接着剤4の保持位置に対応して、接着剤4の塗布工程を含む第2表示部47bを配置することで、施工を行う作業者は、接着剤4と第2表示部47bに表示される接着剤4の塗布工程とを関連づけて理解することができ、これによって、効率の良い作業を行うことができる。
【0141】
図12は、第3表示部47cを示す。第3表示部47cには、接着剤4が塗布された床面に所定形状に裁断された床材2を貼り付ける工程、貼り付け後に床材2の縁部と床面との間にシール剤5を塗布するシール処理の工程、及びその後の養生の工程が案内図及び案内文によって表示されている。
【0142】
接着剤4が床面に塗布され、所定時間が経過した後に、裁断された床材2が床面に載せられる。この際、床材2の表面に皺等が生じないように、ハンドーローラによって、床材2表面が押圧される。
【0143】
このように床面に床材2が貼られた後、シール剤5によるシールの状態を見栄え良くし、かつ、余計な場所にシール剤5が付着しないように、マスキングテープがシール処理近傍位置に貼られる。
【0144】
シール剤5の第1液と第2液とが混ぜ棒33によって混合された後、このシール剤5がコーキングガン用のケーシング34(コーキングガン用容器)に入れられる。そして、このケーシングがコーキングガンに装着され、床材2の縁部と床面との間にシール剤5が注入(充填)される。シール剤5が注入されると、仕上げヘラ等により、シール剤5が見栄え良く処理される。その後、マスキングテープが除去される。
【0145】
上記のようなシール処理が終わると、養生として、床材2は、接着剤4、シール剤5が硬化するまで、そのままの状態で放置される。
【0146】
以上によって、浴室の床面への床材2の施工が完了する。
【0147】
第3表示部47cでは、シール剤5によるシール処理の工程が含まれるため、この第3表示部47cと、接着剤4との関係を作業者が連想できるように、第3表示部47cは、シール剤5と同じ識別情報、例えば同じ色情報として、青色に着色されていてもよい。
【0148】
また、第3表示部47cは、図7に示すように、本体部15の第4固定部29に保持されるシール剤5の保持位置に対応するように、その後方位置に設けられている。このように、シール剤5の保持位置に対応して、シール剤5のシール処理の工程を含む第3表示部47cを配置することで、施工を行う作業者は、シール剤5と第3表示部47cに表示されるシール処理の工程とを関連づけて理解することができ、これによって、効率の良い作業を行うことができる。
【0149】
上述した本発明に係る床材施工用キット1によれば、浴室の床面に貼り付けられるシート状の床材2と、浴室の床面を補修する補修剤3と、シート状の床材2を浴室の床面に接着する接着剤4と、浴室の床面と床材2との間をシールするシール剤5とが収納される収納箱を備えることで、床材用施工キット1は、シート状の床材2と、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5とを第2収納箱12に収納することによって、床材2の施工に必要な材料のほぼ全てを集約することができ、これらを別々に集める必要がなくなる。
【0150】
また、本発明に係る床材施工用キット1によれば、多種類の材料や道具を作業に則した状態で集約して搬入することができるので、浴室に充分な作業スペースが確保できない場合でも、効率よく作業を進めることができる。これによって、施工作業の準備に時間をかける必要がなくなる上、施工作業を効率良く行うことができるようになる。
【0151】
なお、第1収納箱11は、第2収納箱12と併用されることなく、本願発明の課題を解決することができる。すなわち、第1収納箱11は、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5を集約して収納することにより、これらを別々に準備する必要がなくなり、準備にかかる時間を短縮することができる。
【0152】
また、第1収納箱11が、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5を第2固定部27〜第4固定部29によって本体部15に固定して保持することにより、第2収納箱12に収納される補修剤3等の位置が変わることなく、これらとシート部材が接触して損傷するということも防止できる。また、第1収納箱11が蓋部16を有する箱形状に構成されることから、第1収納箱11に収納される物品を確実に保護することができる。
【0153】
第1収納箱11が、第2収納箱12に収納される態様で施工キット1が構成される場合には、第1収納箱11の蓋部16を省略することができる。すなわち、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5は、蓋部16がなくても、本体部15に固定された状態で保持される。
【0154】
本実施形態では、蓋部16を有する第1収納箱11と、蓋部16を有していない第1収納箱11とを総称して、「保持体」という。
【0155】
また、前記第2固定部27〜第4固定部29の支持部27c〜29cが、その支持位置を変更可能に構成されていることから、支持部27c〜29cの位置を変更可能にすることで、例えば補修剤3等を収容する容器7a,7bの大きさ(高さ)が異なる場合であっても、これらの容器7a,7bを適切に固定することができるようになる。また、本実施形態のように、複数の固定部27〜29を並設した場合には、各固定部に固定されて隣り合う容器7a〜9bの高さを揃えて固定することもでき、保持体は、見た目にも綺麗にこれらの材料を保持することができるようになる。
【0156】
また、第1収納箱11は、床材2を浴室の床面に施工するための道具をも収納していることから、床材2の施工に必要とされる物品をより多く集約することで、施工の準備にかかる時間をさらに短縮することができるようになる。
【0157】
また、第1収納箱11の蓋部16の表示部47に、床材2の施工要領が記載された施工説明書が表示されるので、施工の作業手順を作業者に明確に伝達して効率の良い作業を行うことができるようになる。この表示部47は、第2収納箱12の蓋部16にも設けられていてもよい。また、第1収納箱11、第2収納箱12に、施工要領が記載された施工説明書が別途収納されていてもよい。本実施形態では、第1収納箱11又は第2収納箱12の蓋部16に施工説明書が固定されて表示されること、又は第1収納箱11、又は第2収納箱12に施工説明書が収納されていることを総称して、施工説明書が、第1収納箱11又は第2収納箱12に「付属されている」という。
【0158】
また、表示部47は、補修剤3、接着剤4、及びシール剤5が使用される施工要領の各工程を、保持体に保持されている補修剤3、接着剤4、及びシール剤5の保持位置に対応して表示することから、施工を行う作業者にとって、シール剤5と第3表示部47cに表示されるシール処理の工程とを関連づけて理解することができ、これによって、効率の良い作業を行うことができる。
【0159】
また、第1収納箱11の表示部47は、作業者が表示部47を見やすい位置に配置されるように、掛止手段17によって蓋部16を掛止することから、作業者は、表示部47を見ながら本体部15に保持される補修剤3等を使用して容易に施工作業を行うことができる。
【0160】
また、第1収納箱11の蓋部16は、掛止手段17によって蓋部16が閉じた状態を維持できるようになるっていることから、蓋部16が不測に開くことが防止される。
【0161】
また、第1収納箱11を掛止する掛止手段17は、台紙の一部によって構成されることから、接着テープのような手段を用いることなく、蓋部16を閉じた状態にできる。これによって、第1収納箱11の組み立て・梱包作業を効率的の行うともに、第1収納箱11の製造コストを可及的に低減できるようになる。
【0162】
また、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5とに、これらを識別される識別情報が付されていることから、施工作業の際に、作業者は、補修剤3等の容器7a〜9b内を確認することなく、各作業工程において、間違うことなくこれらの材料を選択できるようになる。識別情報として、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5とに個別に付された色情報を採用することにより、作業者は、補修剤3と、接着剤4と、シール剤5との別を色の違いによって直感的に判断できるようになる。
【0163】
また、第1収納箱11の底部22と第2固定部27〜第4固定部29の支持部27c〜29cとの間にスペーサ39が設けられていることから、第1収納箱11の各支持部27c〜29cを所望の位置に配置できるようになる。
【0164】
また、本体部15、及び蓋部16が1枚の台紙に形成されていることから、本体部15、蓋部16を別体とすることなく、これらを連結・接続する手間を省略して保持体を容易に構成することができる。
【0165】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変更・変形が可能である。
【0166】
例えば、上記の実施形態では、第2固定部27〜第4固定部29の開口部27a〜29aの周縁を八角形状に構成した例を示したが、これに限らず、第1固定部26の開口部と同様な四角形状に構成してもよい。このような場合には、補修剤3、接着剤4、及びシール剤5が、金属製の円筒状容器7a〜9bではなく、袋状の容器に収容されている場合においても、これらを確実に固定して保持できるようになる。そのような容器の例が、特開2001−80681号公報に開示されている。
【0167】
上記の実施形態において、第1掛止手段17aは、第1蓋部16aを閉じた状態で掛止するとともに、表示部47が作業者にとって見やすい位置に配置されるように、第1蓋部16aを所定の姿勢で掛止可能に構成されていたが、これに限定されない。第1掛止手段17aは、第1蓋部16aが閉じた状態を掛止するだけのものであってもよい。
【0168】
上記の実施形態では、第1収納箱11に補修剤3等を収納し、この第1収納箱11と床材2とを第2収納箱12に収納する例を示したが、これに限定されず、例えば、第1収納箱11に床材2を収納する収納部を設け、第1収納箱11のみで床材施工用キット1を構成するようにしてもよい。これによって、床材2の施工に必要なほぼ全ての物品を集約し、施工作業の効率をさらに向上することができる。
【0169】
その例としては、第1収納箱11の本体部15をより大型に構成し、その内部空間(上面部21と中間板部24との間の空間、または中間板部24と底部22との間の空間)を床材2の収納部としてもよい。また、第1固定部26と同様な構成の固定部を本体部15の長手方向に沿って長く構成し、この固定部によって筒状に巻き取られた床材2を固定するようにしてもよい。
【0170】
また、第1蓋部の第1被覆部と、第2被覆部との間に、筒状に巻き取られた床材2を被覆する被覆部をさらに設け、本体部15の側壁部23bに床材2を当接させた状態で、第1被覆部41によって床材2の下側の部分を被覆し、新たに追加された被覆部で床材2の側部を被覆し、第2被覆部42によって、床材2の上側と本体部15の上面部21とを被覆するようにして、第1収納箱11に床材を収納するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0171】
1…床材施工キット、2…床材、3…補修剤、4…接着剤、5…シール剤、7a,7b…補修剤用の容器、8a,8b…接着剤用の容器、9a,9b…シール剤用の容器、11…第1収納箱、12…第2収納箱、15…本体部、16(16a,16b)…蓋部(第1蓋部,第2蓋部)、17(17a,17b)…掛止手段(第1掛止手段,第2掛止手段)、21…上面部、22…底部、23(23a,23b)…側壁部、24…中間板部、26…第1固定部、27…第2固定部、28…第3固定部、29…第4固定部、32…ハケ、33…混ぜ棒、34…ケーシング、35…収納袋、38…挿通孔、39…スペーサ、41…第1被覆部、42…第2被覆部、43…第3被覆部、45…突起部、47(47a〜47c)…表示部(第1表示部〜第3表示部)、51…基部、55〜59…第1突起部〜第5突起部、61(61a,61b)…挿通口(第1挿通口,第2挿通口)、62a,62b…突起部、78…突出部、86(86a,86b)…蓋部、87…側壁部、88…底部、88a,88b…構成片、93…連結部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の床面に貼り付けられるシート状の床材と、浴室の床面を補修する補修剤と、シート状の床材を浴室の床面に接着する接着剤と、浴室の床面と床材との間をシールするシール剤とが収納される収納箱を備えることを特徴とする浴室用床材の施工キット。
【請求項2】
前記補修剤と、接着剤と、シール剤を保持する保持体が収納箱に収納されてなる請求項1に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項3】
前記床材を浴室の床面に施工するための道具が収納箱に収納されてなる請求項1または2に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項4】
前記収納箱には、床材の施工要領が記載された施工説明書が付属される請求項1から3のいずれか1項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項5】
前記保持体は、補修剤、接着剤及びシール剤を収納可能な箱形状に構成されてなる請求項2から4のいずれか1項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項6】
前記保持体は、補修剤と、接着剤と、シール剤を固定する固定部を有する請求項2から5のいずれか1項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項7】
前記補修剤と、接着剤と、シール剤とには、これらを識別される識別情報が付されている請求項1から6のいずれか1項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項8】
前記識別情報は、補修剤と、接着剤と、シール剤とに個別に付された色情報である請求項7に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項9】
前記保持体は、床材の施工要領が表示される表示部を有する請求項2から8のいずれか1項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項10】
表示部は、補修剤、接着剤、及びシール剤が使用される施工要領の各工程を、保持体に保持されている補修剤、接着剤、及びシール剤の保持位置に対応して表示可能に構成されてなる請求項9項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項11】
前記保持体は、補修剤、接着剤、シール剤を保持する本体部と、本体部に対して開閉自在に設けられる蓋部とを有し、前記表示部が蓋部に設けられてなる請求項9または10に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項12】
前記保持体は、前記表示部が所定の表示位置にて表示されるように蓋部を所定の姿勢で掛止する掛止手段を有する請求項11に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項13】
前記固定部は、補修剤、接着剤、及びシール剤を挿通可能な開口部と、補修剤、接着剤、及びシール剤の下部を支持する支持部とを有し、支持部は、その支持位置を変更可能に構成されてなる請求項6に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項14】
前記保持体は、蓋部が本体部に対して閉じた状態で、この蓋部を掛止する掛止手段を有する請求項11又は12に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項15】
前記保持体は、その底部の上方位置に前記固定部を備え、固定部の支持部を所定の位置に配置すべく、保持体の底部と固定部の支持部との間にスペーサが設けられてなる請求項6に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項16】
前記固定部、本体部、蓋部は1枚の台紙に形成されてなる請求項11に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項1】
浴室の床面に貼り付けられるシート状の床材と、浴室の床面を補修する補修剤と、シート状の床材を浴室の床面に接着する接着剤と、浴室の床面と床材との間をシールするシール剤とが収納される収納箱を備えることを特徴とする浴室用床材の施工キット。
【請求項2】
前記補修剤と、接着剤と、シール剤を保持する保持体が収納箱に収納されてなる請求項1に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項3】
前記床材を浴室の床面に施工するための道具が収納箱に収納されてなる請求項1または2に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項4】
前記収納箱には、床材の施工要領が記載された施工説明書が付属される請求項1から3のいずれか1項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項5】
前記保持体は、補修剤、接着剤及びシール剤を収納可能な箱形状に構成されてなる請求項2から4のいずれか1項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項6】
前記保持体は、補修剤と、接着剤と、シール剤を固定する固定部を有する請求項2から5のいずれか1項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項7】
前記補修剤と、接着剤と、シール剤とには、これらを識別される識別情報が付されている請求項1から6のいずれか1項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項8】
前記識別情報は、補修剤と、接着剤と、シール剤とに個別に付された色情報である請求項7に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項9】
前記保持体は、床材の施工要領が表示される表示部を有する請求項2から8のいずれか1項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項10】
表示部は、補修剤、接着剤、及びシール剤が使用される施工要領の各工程を、保持体に保持されている補修剤、接着剤、及びシール剤の保持位置に対応して表示可能に構成されてなる請求項9項に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項11】
前記保持体は、補修剤、接着剤、シール剤を保持する本体部と、本体部に対して開閉自在に設けられる蓋部とを有し、前記表示部が蓋部に設けられてなる請求項9または10に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項12】
前記保持体は、前記表示部が所定の表示位置にて表示されるように蓋部を所定の姿勢で掛止する掛止手段を有する請求項11に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項13】
前記固定部は、補修剤、接着剤、及びシール剤を挿通可能な開口部と、補修剤、接着剤、及びシール剤の下部を支持する支持部とを有し、支持部は、その支持位置を変更可能に構成されてなる請求項6に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項14】
前記保持体は、蓋部が本体部に対して閉じた状態で、この蓋部を掛止する掛止手段を有する請求項11又は12に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項15】
前記保持体は、その底部の上方位置に前記固定部を備え、固定部の支持部を所定の位置に配置すべく、保持体の底部と固定部の支持部との間にスペーサが設けられてなる請求項6に記載の浴室用床材の施工キット。
【請求項16】
前記固定部、本体部、蓋部は1枚の台紙に形成されてなる請求項11に記載の浴室用床材の施工キット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−72586(P2012−72586A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217327(P2010−217327)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000222495)東リ株式会社 (94)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000222495)東リ株式会社 (94)
【Fターム(参考)】
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