説明

浴槽のストレーナーキャップ

【課題】一般家庭、各種施設、ホテル、旅館等の浴槽において、それに使用する温水等の抗菌、抗かび、脱臭、消臭、汚れの分解、防汚、ぬめりの防止の諸処理を簡単かつ有効に行なうこと、特に、一度使用した温水等を循環ろ過、清浄処理して繰り返して使用する循環方式の浴槽の場合には、長時間同じ温水を使用するため、気付かぬ間に有害物質が発生し、或いは雑菌等が増殖して感染するなどして、発病、伝染する事例がしばしば発生して大きな課題になっていた。
【解決手段】浴槽の温水等の供給口、循環口等に着脱自在に取付け使用するストレーナーキャップにおいて、該ストレーナーキャップの全面に暗所ハイブリット光触媒酸化チタンをコーティングして、その皮膜を形成して備えると共に、該ストレーナーキャップ内に銀板、銅板の両方若しくは一方を絶縁材を介在して配置して備えた、浴槽のストレーナーキャップによって課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭、病院、学校、福祉老人ホーム等の各種施設、若しくは、ホテル、旅館等の各種の浴槽(以下、浴槽と記す。)において、該浴槽へ温水、冷水、温・冷温泉水、薬湯等(以下、温水等と記す。)を供給し、或いは循環する給湯口、循環口等に取付けて使用しているストレーナーキャップ係る。
【0002】
該キャップは、通常、温水等を浴槽へ循環供給するときに、流入する温水等(熱い、冷たい等温度差のある)が人体に直接する危険を除く作用やゴミをろ過するストレーナーの作用を果たすものであるが、本発明は、そのストレーナーキャップ全体に光触媒酸化チタンコーティング皮膜を形成すると共に銀板、銅版を併置することによって、該ストレーナーキャップ自体が、温水等の消毒、滅菌、抗菌、抗かび、脱臭、消臭、汚れの分解、防汚、ぬめりの防止の優れた作用を発揮するように備えたものである。
【背景技術】
【0003】
酸化チタンに太陽光などの光エネルギーを照射すると光触媒作用により活性酸素ができ、従来から消毒や抗菌等に広く使われている塩素、次亜鉛素酸、過酸化水素、オゾン等よりも強い酸化力により消毒や抗菌等などを行なうことができ、また、この強い酸化力は、水中に溶け込んで分解されにくい有害な化学物質を安全で簡単に分解して、無害化することができることが知られている。
【0004】
そして、上記のように太陽光などの光エネルギーの他は、有害な薬品などを使用しないで済む、極めて環境に優しい上記特性を利用して、例えば、種々の水処理の分野で、例えば、抗菌、抗かび、脱臭、消臭、汚れの分解、防汚、ぬめりの防止、など様々な目的に使用されて大きな成果をあげている。
【0005】
また、酸化チタンの水溶液を金属、プラスチック等の各種材料へ塗布し、乾燥あるいは低温で焼付けすることにより、簡単に各種材料の表面に酸化チタンをコーティングして皮膜を形成することが行なわれている。そして、この酸化チタンの皮膜は、上記の諸作用効果を発揮すると共に強固で長期間の耐久性に優れている。
【0006】
更に、近時は、屋内の浴槽の内部など、水深が深くまた暗くて太陽光などの光エネルギーが届きにくいような場所でも、有効に上記の作用を発揮する暗所ハイブリット酸化チタン水溶液も提供されている。
【0007】
一方、一般家庭、病院、学校、福祉老人ホーム等の各種施設、若しくは、ホテル、旅館等の浴槽において、それに使用する温水等の抗菌、抗かび、脱臭、消臭、汚れの分解、防汚、ぬめりの防止の諸処理を簡単かつ有効に行なうことは、従来から課題であり、
【0008】
特に、一度使用した温水等を循環ろ過、清浄処理して繰り返して使用する循環方式の浴槽の場合には、長時間同じ温水を使用するため、気付かぬ間に有害物質が発生し、或いは雑菌等が増殖して感染するなどして、発病、伝染する事例がしばしば発生して問題になっていた。
【特許文献1】特許第2875993号公報
【特許文献2】特許第2938376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、一般家庭等の各種浴槽において、それに使用する温水等の抗菌、抗かび、脱臭、消臭、汚れの分解、防汚、ぬめりの防止等を簡単かつ有効に行なうことの課題、特に、温水等を繰り返し使用する循環方式の浴槽の場合において、循環温水等の抗菌、抗かび、脱臭、消臭、汚れの分解、防汚、ぬめりの防止を簡単かつ有効に行なうことの課題である。
【0010】
而して、上記の課題を、各種浴槽の給湯口、循環口等に取付けて使用するストレーナーキャップとして、該キャップの表面全体に光触媒酸化チタンコーティング皮膜を形成すると共に銀板、銅版を併置して備えた、本発明ストレーナーキャップを提供することによって解決したものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、一般家庭等の浴槽の、温水等の供給口、循環口等に着脱自在に取付けて、人体の保護やゴミのろ過に使用するストレーナーキャップにおいて、該ストレーナーキャップの内外面及び格子、網等の全面に、太陽光などの光エネルギーで光触媒作用を発揮する光触媒酸化チタンを塗装、焼付け等の手段でコーティングして、ストレーナーキャップの全面に光触媒酸化チタンの皮膜を形成して備えたものである、浴槽のストレーナーキャップによって、課題を解決したものである。
【0012】
また、本発明は、一般家庭等の浴槽の、温水等の供給口、循環口等に着脱自在に取付けて、人体の保護やゴミのろ過に使用するストレーナーキャップにおいて、該ストレーナーキャップの内外面及び格子、網等の全面に、太陽光などの光エネルギーで光触媒作用を発揮する光触媒酸化チタン、若しくは、太陽光などの光エネルギーの少ない環境でも有効に光触媒作用を発揮する暗所ハイブリット光触媒酸化チタンを塗装、焼付け等の手段でコーティングして、ストレーナーキャップの全面に光触媒酸化チタンの皮膜を形成して備えると共に、該ストレーナーキャップ内に銀板(若しくは銀メッキ板)、銅板の両方若しくは一方を絶縁材を介在して配置して備えたものである、浴槽のストレーナーキャップによって、課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明ストレーナーキャップを一般家庭等の浴槽の、温水等の供給口、循環口等に着脱自在に取付け使用することにより、上記の酸化チタンが発揮する作用効果によって、該ストレーナーキャップに接触して、若しくは近接して流通する温水等の抗菌、抗かび、脱臭、消臭、汚れの分解、防汚、ぬめりの防止等を簡単かつ有効に行なうことができる優れた特徴がある。
【0014】
酸化チタンは光エネルギーの他は何も要せず、人体に無害であり、耐久性に優れるので、浴槽に長期間有効に使用するのに最適である。
【0015】
特に、温水等を循環してろ過、清浄処理して使用する循環方式の浴槽の場合、長時間同じ温水を使用するため、気付かぬ間に有害物質、菌等が増殖して感染する事が大きな問題になっているが、このような事例の予防、防止に最適である。
【0016】
銀板、銅板を併用した本発明ストレーナーキャップは、酸化チタンが発揮する作用効果と、銀板、銅板から出るイオンによる温水等の消毒、滅菌、抗菌、抗かび、脱臭、消臭、汚れの分解、防汚、ぬめりの防止等の作用効果が、個別に、若しくは相乗的に作用して、格段な作用効果を発揮し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
浴槽の温水等の供給口、循環口等に着脱自在に取付け使用するストレーナーキャップにおいて、該ストレーナーキャップの全面に暗所ハイブリット光触媒酸化チタンをコーティングして、その皮膜を形成して備えると共に、該ストレーナーキャップ内に銀板、銅板の両方若しくは一方を絶縁材を介在して配置して備えた、浴槽のストレーナーキャップ。
【実施例】
【0018】
図1は本発明実施例の正面図、図2は図1のA−A線断面矢視図、図3は図1の背面図、図4は他の実施例の背面図である。
以下、図面により、本発明の実施例を説明する。
【0019】
一般家庭等の浴槽2の、温水等の供給口、循環口等3に着脱自在に取付けて、人体の保護やゴミのろ過に使用するストレーナーキャップ1において、該ストレーナーキャップ1の内外面及び格子、網等の全面に、太陽光などの光エネルギーの少ない環境でも有効に光触媒作用を発揮する暗所ハイブリット光触媒酸化チタンを塗装、焼付け等の手段でコーティングして、ストレーナーキャップの全面に暗所ハイブリット光触媒酸化チタンの皮膜4を形成して備えると共に、該ストレーナーキャップ1内に銀板5(若しくは銀メッキ板)、銅板6の両方若しくは一方を絶縁材7を介在して配置して備えたものである、浴槽のストレーナーキャップ1によって、課題を解決したものである。
【0020】
図2において、符号8は、ストレーナーキャップ1の円周面に等間隔に開孔した温水等の通孔、9はストレーナーキャップ1を供給口、循環口等3に着脱自在に取付けるセット脚、10はストレーナーキャップ1を浴槽2に取付けるときの目印とするセットマーク、11はストレーナーキャップ1内に銀板5、銅板6を絶縁材7を介在して設置するのに用いる取付座板である。
【0021】
ストレーナーキャップ1内に入った温水等は、必ず、これらの通孔8を通って出入りするため、必然的に、ストレーナーキャップ1内外面の酸化チタン皮膜4、及び銀板5、銅板6に接触乃至接近して流通して、それらの作用効果を享けることになる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上、主として、一般家庭、病院、学校、福祉老人ホーム等の各種施設、若しくは、ホテル、旅館等の各種の浴槽を対象として説明したが、本発明は、例えば、本発明のストレーナーキャップ若しくはこれに類似したキャップを使用する学校その他の各種のプールや厨房の洗い槽等にも汎用できるものであり、当然、それらの場合も本発明の技術的構成範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明実施例の正面図である。
【図2】図1のA−A線断面矢視図である。
【図3】図1の背面図である。
【図4】他の実施例の背面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 実施例ストレーナーキャップ
2 浴槽
3 供給口、循環口等
4 光触媒酸化チタンの皮膜
5 銀板(若しくは銀メッキ板)
6 銅板
7 絶縁材
8 通孔
9 セット脚
10 セットマーク
11 取付座板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般家庭等の浴槽の、温水等の供給口、循環口等に着脱自在に取付けて、人体の保護やゴミのろ過に使用するストレーナーキャップにおいて、該ストレーナーキャップの内外面及び格子、網等の全面に、太陽光などの光エネルギーで光触媒作用を発揮する光触媒酸化チタンを塗装、焼付け等の手段でコーティングして、ストレーナーキャップの全面に光触媒酸化チタンの皮膜を形成して備えたものである、
浴槽のストレーナーキャップ。
【請求項2】
一般家庭等の浴槽の、温水等の供給口、循環口等に着脱自在に取付けて、人体の保護やゴミのろ過に使用するストレーナーキャップにおいて、該ストレーナーキャップの内外面及び格子、網等の全面に、太陽光などの光エネルギーで光触媒作用を発揮する光触媒酸化チタン、若しくは、太陽光などの光エネルギーの少ない環境でも有効に光触媒作用を発揮する暗所ハイブリット光触媒酸化チタンを塗装、焼付け等の手段でコーティングして、ストレーナーキャップの全面に光触媒酸化チタンの皮膜を形成して備えると共に、該ストレーナーキャップ内に銀板(若しくは銀メッキ板)、銅板の両方若しくは一方を絶縁材を介在して配置して備えたものである、
浴槽のストレーナーキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−230522(P2006−230522A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46478(P2005−46478)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(301034902)ステンレスプラント株式会社 (1)
【Fターム(参考)】