説明

浴槽装置

【課題】入浴者に継続的に運動させることができる浴槽装置を提供する。
【解決手段】浴槽と、前記浴槽に設けられ、前記浴槽に入浴している入浴者の身体に向けて噴流を吐出する吐水部と、前記噴流の状態を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記噴流の状態を、相対的に流量の小さい第1の噴流状態と、相対的に流量の大きい第2の噴流状態と、に設定可能であり、且つ、前記第1の噴流状態と前記第2の噴流状態との間の移行時において前記噴流の作用により前記入浴者の身体が動き、前記入浴者の身体の前記噴流が当たる部分は、前記第1の噴流状態において相対的に前記噴流の進行方向とは逆の側に存在し、前記第2の噴流状態において相対的に前記噴流の進行方向の側に存在するように設定可能であることを特徴とする浴槽装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽装置に関し、より詳細には、入浴者に運動させる浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社会的に健康志向が高まり、フィットネスやエクササイズなどの運動によって健康管理を行いたいという要求が高まっている。また、入浴中に手軽に運動したいという要望もある。
【0003】
例えば、特許文献1には、浴槽内全体を一方向に流れて被施療者に対して直接的かつ連続的に当たる一様流を生成し、前記一様流中において被施療者に対して直接的かつ連続的に当たる部分的な噴流を生成したことを特徴とする水流式体表刺激装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、浴槽内の流体を循環させる流体通路を浴槽に付設した温水流発生装置において、浴槽に形成された0.02〜0.25mの流入口から、浴槽内で乱流となる加圧流体を噴出する機構を設けたことを特徴とする温水流発生装置が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に開示された装置は、入浴者に一様な噴流を当ててマッサージなどを施すものであり、入浴者に運動させるものではない。
【0006】
一方、特許文献3には、浴槽と、前記浴槽の長手方向一端部の内側面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動上体支持部、前記浴槽の底面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動腰支持部、及び前記浴槽の長手方向他端部の内側面において前記浴槽に対して揺動自在に設けられた揺動足支持部からなる群から選択された1以上の支持部と、前記浴槽の内部に水流を発生させる水流発生装置と、を備えたことを特徴とする浴槽装置が開示されている。この技術では、入浴者は例えば上体、腰及び足をそれぞれ揺動上体支持部、揺動腰支持部及び揺動足支持部に預けているため、元々姿勢が不安定であり、入浴者はバランスをとりながら姿勢を維持する補償動作を行うこととなる。この補償動作により、入浴者に運動を行わせている。そして、かかる状態で入浴者に水流を当てて入浴者の姿勢がより不安定となる状態を作り出して、入浴者により機敏且つ強力に補償動作を行わせることにより、効果的に入浴者に運動を行わせることとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2−1272号公報
【特許文献2】特開2003−38603号公報
【特許文献3】特開2008−200109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、入浴者に継続的に運動させることができる浴槽装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、浴槽と、前記浴槽に設けられ、前記浴槽に入浴している入浴者の身体に向けて噴流を吐出する吐水部と、前記噴流の状態を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記噴流の状態を、相対的に流量の小さい第1の噴流状態と、相対的に流量の大きい第2の噴流状態と、に設定可能であり、且つ、前記第1の噴流状態と前記第2の噴流状態との間の移行時において前記噴流の作用により前記入浴者の身体が動き、前記入浴者の身体の前記噴流が当たる部分は、前記第1の噴流状態において相対的に前記噴流の進行方向とは逆の側に存在し、前記第2の噴流状態において相対的に前記噴流の進行方向の側に存在するように設定可能であることを特徴とする浴槽装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入浴者に継続的に運動させることができる浴槽装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式図である。
【図2】具体例1に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
【図3】具体例1に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
【図4】時間に対するノズルからの吐水流量の具体例を例示するグラフ図である。
【図5】具体例2に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
【図6】具体例2に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
【図7】時間に対するノズルからの吐水流量の具体例を例示するグラフ図である。
【図8】具体例3に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
【図9】具体例3に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
【図10】具体例4に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
【図11】具体例4に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
【図12】具体例5に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
【図13】具体例5に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
【図14】具体例6に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
【図15】具体例6に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
【図16】具体例7に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
【図17】具体例7に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
【図18】具体例8に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
【図19】噴流状態の態様を例示する模式グラフ図である。
【図20】具体例1に係る浴槽装置1を使用したときの筋群の使用部位を例示する表及び模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、浴槽と、前記浴槽に設けられ、前記浴槽に入浴している入浴者の身体に向けて噴流を吐出する吐水部と、前記噴流の状態を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記噴流の状態を、相対的に流量の小さい第1の噴流状態と、相対的に流量の大きい第2の噴流状態と、に設定可能であり、且つ、前記第1の噴流状態と前記第2の噴流状態との間の移行時において前記噴流の作用により前記入浴者の身体が動き、前記入浴者の身体の前記噴流が当たる部分は、前記第1の噴流状態において相対的に前記噴流の進行方向とは逆の側に存在し、前記第2の噴流状態において相対的に前記噴流の進行方向の側に存在するように設定可能であることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、入浴者の身体の部位をバランスよく運動させることができる浴槽装置が提供される。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記吐水部は、前記入浴者の右足の足裏に向けて噴流を吐出する第1の吐水部と、前記入浴者の左足の足裏に向けて噴流を吐出する第2の吐水部と、を有し、前記制御部は、前記第1の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態であり且つ前記第2の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態である第1の状態と、前記第1の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態であり且つ前記第2の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態である第2の状態と、を交互に設定可能であることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、左右の足裏に噴流を交互に吐出し、これにより左右脚部の屈伸運動を実現して入浴ウォーキングのような運動などを実現することができる。
【0014】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記吐水部は、前記入浴者の右足の足裏に向けて噴流を吐出する第1の吐水部と、前記入浴者の左足の足裏に向けて噴流を吐出する第2の吐水部と、を有し、前記制御部は、前記第1及び第2の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態である第1の状態と、前記第1及び第2の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態である第2の状態と、を交互に設定可能であることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、両足裏に噴流を吐出し、これにより両脚部の同時屈伸運動を実現することができる。左右の足を同時に屈伸させることで、両足をバランスよく屈伸させることができる。
【0015】
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記吐水部は、前記入浴者の右足の下腿部に向けて噴流を吐出する第3の吐水部と、前記入浴者の左足の下腿部に向けて噴流を吐出する第4の吐水部と、を有することを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、下腿部に吐水を行うことにより、下腿部は浴槽の右側面と左側面との間で往復する内転外転運動を行うことができる。これにより、下腿部のストレッチ運動が実現する。
【0016】
第5の発明は、第2または第3の発明において、前記吐水部は、前記入浴者の右足の大腿部に向けて噴流を吐出する第5の吐水部と、前記入浴者の左足の大腿部に向けて噴流を吐出する第6の吐水部と、を有し、前記制御部は、前記第1の吐水部から吐水される噴流の状態が前記第1の噴流状態であるときは前記第5の吐水部から吐出される噴流の状態を前記第1の噴流状態とし、前記第1の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態であるときは前記第5の吐水部から吐出される噴流の状態を前記第2の噴流状態とし、前記第2の吐水部から吐水される噴流の状態が前記第1の噴流状態であるときは前記第6の吐水部から吐出される噴流の状態を前記第1の噴流状態とし、前記第2の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態であるときは前記第6の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態とする、ことを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、足裏に加え大腿部にも吐水を行うことにより、関節の自由度は低減し、股関節のみが自由となる。これにより、安定した屈伸運動を実現させることができる。
【0017】
第6の発明は、第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記吐水部は、前記入浴者の背中の右方に向けて噴流を吐出する第7の吐水部と、前記入浴者の背中の左方に向けて噴流を吐出する第8の吐水部と、を有し、前記制御部は、前記第7及び第8の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態である第3の状態と、前記第7及び第8の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態である第4の状態と、を交互に設定可能であることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、背中に対する吐水によって、体幹部を浴槽の長手方向に往復運動させることができる。この結果、脚部や体幹部における屈伸運動を行わせ、これら部位のストレッチ運動を実現することができる。
【0018】
第7の発明は、第1〜第6のいずれか1つの発明において、前記吐水部は、前記入浴者の背中の右方に向けて噴流を吐出する第7の吐水部と、前記入浴者の背中の左方に向けて噴流を吐出する第8の吐水部と、を有し、前記制御部は、前記第7の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態であり且つ前記第8の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態である第5の状態と、前記第7の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態であり且つ前記第8の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態に設定可能である第6の状態と、を交互に設定可能であることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、背中に対する吐水によって、体幹部の旋回運動を実現することができる。このため、腹直筋、腹斜筋、脊柱起立筋等へ刺激を与えることができる。また、この体幹部の運動は上肢(腕)に波及し、上肢の屈曲運動を引き起こすことができる。
【0019】
第8の発明は、第1〜第7のいずれか1つの発明において、前記吐水部は、前記入浴者の腰部の右方に向けて噴流を吐出する第9の吐水部と、前記入浴者の腰部の左方に向けて噴流を吐出する第10の吐水部と、を有し、前記制御部は、前記第9の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態であり且つ前記第10の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態である第7の状態と、前記第9の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態であり且つ前記第10の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態である第8の状態と、を交互に設定可能であることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、腰部、すなわち骨盤に対する吐水によって、骨盤を軸に体幹部の旋回運動を実現することができる。骨盤部(腰部)が旋回した後、体幹部が旋回することとなり、体幹部のねじれを大きくすることができる。これにより、腹斜筋などを積極的に刺激することができ、バランス能力などを向上させることができる。また、この体幹部の運動は上肢(腕)に波及し、上肢の屈曲運動を引き起こすことができる。
【0020】
第9の発明は、第1〜第8のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記第1及び第2の噴流状態の少なくともいずれかを変化させることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、吐水部からの噴流の状態が変更されるため、同じリズムの運動が長期に亘り継続することはない。そのため、入浴者が運動に慣れたり、飽きたりする可能性が低減し、入浴者に継続的に運動させることができる。また、入浴者の身体は変化する運動をするため、その運動の際に使用される身体の部位や筋群は、変化する。これにより、入浴者の身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。
【0021】
第10の発明は、第9の発明において、前記制御部は、前記第1及び第2の噴流状態の前記少なくともいずれかにおいて前記吐水部から吐出される噴流の流量を変更可能であることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、吐水部からの噴流の流量が変更されるため、同じ運動が長期に亘り継続することはない。そのため、入浴者が運動に慣れたり、飽きたりする可能性が低減し、入浴者に継続的に運動させることができる。また、入浴者の身体は変化する運動をするため、その運動の際に使用される身体の部位や筋群は、変化する。これにより、入浴者の身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。
【0022】
第11の発明は、第9または第10の発明において、前記制御部は、前記第1及び第2の噴流状態の前記少なくともいずれかの継続時間を変更可能であることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、第1及び第2の噴流状態の少なくともいずれかの継続時間が変更されるため、同じ運動が長期に亘り継続することはない。そのため、入浴者が運動に慣れたり、飽きたりする可能性が低減し、入浴者に継続的に運動させることができる。また、入浴者の身体は変化する運動をするため、その運動の際に使用される身体の部位や筋群は、変化する。これにより、入浴者の身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。
【0023】
第12の発明は、第9〜第11のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記吐水部から吐出される噴流の状態の変化の周期を変更可能であることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、噴流状態の周期が変更されるため、同じ運動が長期に亘り継続することはない。そのため、入浴者が運動に慣れたり、飽きたりする可能性が低減し、入浴者に継続的に運動させることができる。また、入浴者の身体は変化する運動をするため、その運動の際に使用される身体の部位や筋群は、変化する。これにより、入浴者の身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。
【0024】
第13の発明は、第9〜第12のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記吐水部から吐出される噴流の状態の変化の周期に対する前記第1及び第2の噴流状態の継続時間の割合を変更可能であることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、噴流状態の周期に対する第1及び第2の噴流状態の継続時間の割合(デューティ比)が変更されるため、同じ運動が長期に亘り継続することはない。そのため、入浴者が運動に慣れたり、飽きたりする可能性が低減し、入浴者に継続的に運動させることができる。また、入浴者の身体は変化する運動をするため、その運動の際に使用される身体の部位や筋群は、変化する。これにより、入浴者の身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。
【0025】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式図である。図1(a)は模式断面図であり、図1(b)は模式平面図である。
【0026】
図1に表したように、本実施形態に係る浴槽装置1は、浴室ユニット60内に設けられている。浴室ユニット60は、防水パン61によって床が構成されており、壁パネル62によって壁が構成されており、天井パネル(図示せず)によって天井が構成された箱形の水密ユニットである。浴槽装置1は、防水パン61上に配置されている。
【0027】
浴槽装置1には、浴槽2が設けられている。浴槽2の形状は例えば略直方体形状であり、この場合浴槽2は、背もたれ可能な背側面(第1の壁面)2aと、背側面2aに対向する足側面(第2の壁面)2bと、背側面2aの左側から足側面2bの右側にかけて延在する右側面(第3の壁面)2dと、背側面2aの右側から足側面2bの左側にかけて延在する左側面(第4の壁面)2eと、底面2cと、を有する。入浴者Mは、背側面2aに背を向け足側面2bに足を向けて浴槽2内に入浴することになる。
【0028】
また、浴槽2には、入浴者Mの身体に向けて噴流を吐出するノズル(吐水部)3が設けられている。例えば、図1に表したように、足側面2bには、ノズル31R、31Lを設けることができる。ノズル31R及び31Lは、入浴者Mが足側面2bに足裏を向けて入浴している場合において、それぞれ入浴者Mの右足及び左足の足裏m6に向けて噴流を吐出する。
【0029】
また、右側面2dには、入浴者Mの右足の下腿部m5に向けて噴流を吐出するノズル32Rを設けることができ、左側面2eには、入浴者Mの左足の下腿部m5に向けて噴流を吐出するノズル32Lを設けることができる。
【0030】
また、底面2cには、入浴者Mの右足及び左足の大腿部m4に向けてそれぞれ噴流を吐出するノズル33R及び33Lを設けることができる。
また、背側面2aには、入浴者Mの背中m2の右方及び左方に向けてそれぞれ噴流を吐出するノズル34R及び34Lを設けることができる。
【0031】
また、背側面2aと右側面2dとの境界部2fには、入浴者Mの腰部m7の右方に向けて噴流を吐出するノズル35Rを設けることができ、背側面2aと左側面2eとの境界部2gには、入浴者Mの腰部m7の左方に向けて噴流を吐出するノズル35Lを設けることができる。
【0032】
なお、以下において、ノズル31R及び31L、ノズル32R及び32L、ノズル33R及び33L、ノズル34R及び34L、並びにノズル35R及び35Lを、それぞれまとめて「ノズル31」、「ノズル32」、「ノズル33」、「ノズル34」、及び「ノズル35」と呼ぶことがある。
【0033】
これらの左右一対のノズルは、水平方向に並列して配列されており、例えば、右側面2d及び左側面2eから等距離にある中心線C(図1(b)参照)に関して対称となる位置に配置されている。なお、図1においては、図示の便宜上、ノズル31R及び31Lを相互にずらして描いているが、実際にはノズル31R及び31Lは同じ高さに配置されている。
【0034】
浴槽2の長手方向の長さ、すなわち、背側面2aから足側面2bまでの長さは、標準的な体格の入浴者Mが入浴姿勢をとったとき、すなわち、臀部を底面2cに接触させ、背中m2を背側面2aに接触させ、足裏m6を足側面2bに対向させたときに、足裏m6でノズル31を覆うことができる程度の長さである。
【0035】
また、浴槽装置1には、噴流を生成する駆動部として、ポンプ4が設けられている。ポンプ4は、ノズル3に接続している。なお、図1では、簡略化のためノズル31に接続するポンプ4のみを描いたが、他のノズルが設けられている場合には、当該ノズルには同様にポンプ4が接続している。図1に表したポンプ4は、右足用のノズル31Rに水を吐出するポンプ4Rと、左足用のノズル31Lに水を吐出するポンプ4Lと、を有する。つまり、ポンプ4Rはノズル31Rに接続しており、ポンプ4Lはノズル31Lに接続している。ポンプ4の吸入口7は、浴槽2の内部に連通している。これにより、ポンプ4は浴槽2内から水を汲み上げ、噴流を生成して吐出する。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱された温水や湯も含むものとする。また、本願明細書における「噴流」は、水の噴流のみならず、必要に応じ、空気を含んだ気泡水の噴流としてもよい。
【0036】
ポンプ4は、図示した2つのポンプ4R及び4Lを必ずしも有していなくともよく、1つのポンプであってもよい。この場合には、ポンプ4によって生成された噴流の流路を切り替えて、噴流をノズル31R及び31Lに対して交互に供給する切替部が、ノズル31とポンプ4との間に設けられる。これによれば、ポンプ4のサイズを小さくすることができ、足側面2bと壁パネル62との間の距離を短縮することができる。これにより、防水パン61、足側面2b、及び壁パネル62により囲まれ、ポンプ4等を収納する空間を小さくすることができ、浴槽ユニット内の限られた空間を有効に利用することができる。
【0037】
また、ノズル32などがさらに設けられている場合には、ノズル32などにそれぞれ接続するポンプ4を別個に設けてもよく、あるいはノズル31、ノズル32等の全部または一部が1つのポンプ4を共有する構成にしてもよい。後者の場合は、ポンプ4によって生成された噴流の流路を切り替えて、噴流をノズル31やノズル32などに対して交互に供給する切替部を設けることができる。
【0038】
図1に表した浴槽装置1によれば、ポンプ4は、ノズル31R及び31Lにそれぞれ接続したポンプ4R及び4Lを有するため、ノズル31R及び31Lからそれぞれ独立した態様で噴流を吐出することができる。例えば、ノズル31R及び31Lからは、異なる吐水流量や吐水時間の噴流を吐出できる。
【0039】
浴槽装置1には、ポンプ4の動作を制御する制御部5がさらに設けられている。制御部5は、ポンプ4に電気的に接続し、ポンプ4の動作を制御することによりノズル3からの噴流の状態を制御できる。そして、制御部5は、ノズル3からの噴流の状態を、次のように制御する。すなわち、制御部5は、噴流の状態を、相対的に流量の小さい第1の噴流状態と、相対的に流量の大きい第2の噴流状態と、に設定できる。そして、第1の噴流状態と第2の噴流状態との間の移行時において、噴流の作用により入浴者Mの身体が動くようにすることができる。より詳細には、入浴者Mの身体の噴流が当たる部分は、第1の噴流状態では相対的に噴流の進行方向とは逆の側に存在し、第2の噴流状態では相対的に噴流の進行方向の側に存在するようにすることができる。例えば、ノズル31からの噴流の状態を、入浴者Mの足を屈曲させない噴流状態(第1の噴流状態)と、第1の噴流状態よりも吐水流量が多く入浴者Mの足を屈曲させる噴流状態(第2の噴流状態)と、に設定できる。
【0040】
第1の噴流状態のときのノズル3からの吐水流量Q1は、例えば約30リットル/分程度である。一方、第2の噴流状態のときのノズル3からの吐水流量Q2は、例えば約120〜130リットル/分程度である。このように、第2の噴流状態のときの吐水流量Q2は、マッサージ用として噴出される噴流の吐水流量よりもかなり大きい。そのため、第2の噴流状態のときのノズル3からの噴流は、噴流が当たる足裏m6、下腿部m5、大腿部m4、背中m2、腰部m7などを浴槽2の中心側に押し出すことができる。これにより、入浴者Mは足関節、膝関節、股関節等を屈曲させたり、体幹部(胴体)m1を前後に動かしたり旋回させたりすることができる。
【0041】
また、浴槽装置1は、例えばリモコンなどの操作部8を備えてもよい。操作部8は、例えば、浴室ユニット60の壁パネル62に取り付けられており、入浴者Mからの操作により制御部5へ制御信号を送信できる。そして、制御部5は、操作部8からの制御信号に基づいてポンプ4の動作を制御できる。つまり、入浴者Mは、操作部8を操作することによりポンプ4の動作を制御し、ノズル3からの噴流の状態を変更できる。
【0042】
なお、前述したように、第1の噴流状態のときの吐水流量Q1は、例えば約30リットル/分程度であり、0(ゼロ)リットル/分でない。そのため、制御部5がノズル3からの噴流を第1の噴流状態から第2の噴流状態に切り替えた場合でも、ポンプ4に対して過負荷がかかるおそれは少ない。さらに、第1の噴流状態から第2の噴流状態に切り替わる時間、すなわち吐水流量Q1から吐水流量Q2の噴流が吐水されるまでの時間を短縮することができる。
【0043】
次に、浴槽装置1の構成及び動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
(具体例1)
まず、本実施形態の浴槽装置1の構成及び動作の一例(具体例1)について、図2〜図4を参照しつつ説明する。
【0044】
図2は、具体例1に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。図2(a)は、入浴者Mの右足が屈曲するときを表しており、図2(b)は、入浴者Mの右足が伸展するときを表している。
図3は、具体例1に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。図3(a)は、入浴者Mの右足が屈曲するときを表しており、図3(b)は、入浴者Mの足の保持期を表しており、図3(c)は、入浴者Mの右足が伸展するときを表している。
【0045】
図2及び図3に表したように、具体例1では、足側面2bにノズル31(ノズル31R、31L)が設けられている。
そして、制御部5は、ノズル31Rから吐出される噴流の状態を、第1の噴流状態と、第2の噴流状態と、に交互に設定するとともに、ノズル31Lから吐出される噴流の状態を、第1の噴流状態と、第2の噴流状態と、に交互に設定する。また、制御部5は、ノズル31R及びノズル31Lからの噴流状態が逆位相となるように制御する。すなわち、ノズル31Lから吐出される噴流の状態は、ノズル31Rから吐出される噴流の状態が第1の噴流状態であるときの略全期間において第2の噴流状態となり、ノズル31Rから吐出される噴流の状態が第2の噴流状態であるときの略全期間において第1の噴流状態となる。以下、浴槽装置1の動作及び入浴者Mの状態について詳細に説明する。
【0046】
まず、浴槽2内に水(湯)Wを入れた状態で、入浴者Mが浴槽2内に入り、入浴姿勢をとる(図1参照)。すなわち、入浴者Mは、臀部を底面2cに接触させ、背中m2を背側面2aに接触させ、足裏m6を足側面2bに対向させる。そして、入浴者Mは、右の足裏m6で右のノズル31Rを覆い、左の足裏m6で左のノズル31Lを覆うように左右の足を配置し、ノズル31から噴出される噴流を足裏m6で捉える初期姿勢をとる。このとき、入浴者Mはリラックスした状態にあり、足関節、膝関節、及び股関節は脱力しているものとする。
【0047】
この状態から、ポンプ4を作動させる。これにより、ポンプ4は、浴槽2内の水を吸入口7から汲み上げて噴流を生成し、ノズル31に対して供給する。このとき、ノズル31R及び31Lからそれぞれ吐出される噴流の時間に対する吐水流量は、例えば図4に表した如くである。
【0048】
図4は、時間に対するノズルからの吐水流量の具体例を例示するグラフ図である。
図4に表したグラフ図においては、周期に対する吐水流量Q2が持続する時間の割合(比率)を表すデューティ比は、「0.5」である。但し、このデューティ比(0.5)は、一例にすぎず、これだけに限定されるわけではない。なお、本願明細書において「周期」とは、第1の噴流状態(吐水流量Q1)が開始してから次の第1の噴流状態(吐水流量Q1)が開始するまでの時間、あるいは第2の噴流状態(吐水流量Q2)が開始してから次の第2の噴流状態(吐水流量Q2)が開始するまでの時間をいうものとする。
【0049】
また、第1の噴流状態(吐水流量Q1)と、第2の噴流状態(吐水流量Q2)と、は交互に切り替えられ、ノズル31R及びノズル31Lからの噴流状態は逆位相である。
【0050】
図2(a)及び図3(a)の矢印A2で示すようにノズル31Rから吐水流量Q2の噴流が噴射されると、この噴流は入浴者Mの右の足裏m6を押圧する。これにより、図2(a)及び図3(a)の矢印B1で示すように、入浴者Mの右足の足関節、膝関節、及び股関節が同時に屈曲し、右足は背側面2aに向かって移動する。このとき、ノズル31Rからの噴流は、入浴者Mの右足を包むように流れ場を生成するため、噴流から右足が外れないような力を右の足裏m6に与える。すなわち、水流で右足の周囲に水の壁を形成し、これにより右の足裏m6がノズル31Rからの噴流を受ける位置に安定して存在するようにする。これは、噴水の上にピンポン玉をのせたときに、そのピンポン玉が落ちずに噴水の略中心部で留まる現象と同じである。
【0051】
そして、図3(b)に表したように、これら関節が屈曲した状態が一定時間持続する。
一方、この間、図2(a)の矢印A1で示すように、入浴者Mの左足の足裏m6にはノズル31Lから吐水流量Q1の噴流が噴射されている。このため、左足は伸展した状態を維持している。
【0052】
その後、図2(b)及び図3(c)の矢印A1で示すようにノズル31Rから吐水流量Q1の噴流が噴射されると、右の足裏m6を押圧する圧力が低下する。そのため、図2(b)及び図3(c)の矢印B3で示すように、入浴者Mの右足の足関節、膝関節、及び股関節が自然に伸び、右足は足側面2bに向かって移動する。このとき、入浴者Mが右の足裏m6でノズル31Rを覆うように右足の位置を意識的に調節することにより、右足はノズル31Rの近傍に戻る。
【0053】
一方、ノズル31Rから吐水流量Q1の噴流が噴射されている間、図2(b)の矢印A2で示すように、入浴者Mの左足の足裏m6にはノズル31Lから吐水流量Q2の噴流が噴射されている。このため、左足は図2(a)及び図3(a)において右足に関して前述したように屈曲する。
【0054】
このように、ノズル31R及びノズル31Lが吐水流量Q1及びQ2の噴流を交互に逆位相で噴射することにより、入浴者Mの足は浴槽2の長手方向に沿って逆位相で往復運動する。これにより、入浴者Mは歩行運動のような運動を行うことが可能となる。
【0055】
噴流状態の周期は、目的や体調などに応じて適宜選択することができる。例えば、歩行(ウォーキング)運動のような運動を行うためには、周期は比較的短くして、噴流が左右足裏へリズムよく交互に吐出されるようにすることができる。具体的には、例えば周期を2秒程度とし、1秒おきに第1の噴流状態と第2の噴流状態とが実現するような構成にすることができる。この場合には、入浴者Mの右足の足関節、膝関節、及び股関節が同時に屈曲して静止した状態、すなわち図3(b)に表した保持期の状態は、ほとんど存在しない。つまり、入浴者Mの右足の状態は、図3(a)に表した屈曲期から図3(c)に表した伸展期へと略連続的に遷移し、逆に図3(c)に表した伸展期から図3(a)に表した屈曲期へと略連続的に遷移する。左足についても、同様に動く。これにより、入浴者Mの左右の足はリズムよく逆位相で往復運動し、歩行運動のような運動が実現する。
【0056】
また、ストレッチ運動を行うためには、噴流状態の周期は比較的長くすることができる。この場合には、入浴者Mの右足の足関節、膝関節、及び股関節が同時に屈曲して静止した状態、すなわち図3(b)に表した保持期の状態が、比較的長く続く。その後、入浴者Mの右足の足関節、膝関節、及び股関節は、図3(c)に表した伸展期へ遷移する。そして、この伸展期がしばらく続いた後に、再び屈曲期へ遷移する。左足についても、同様に動く。これにより、入浴者Mの左右の足は屈曲期と伸展期とを一定時間保持し、ストレッチ運動が実現する。
【0057】
このように、具体例1では、入浴姿勢における支持点(身体を支える箇所)の1つとなる足裏m6に噴流を交互に吐出し、これにより左右脚部m3の屈伸運動を実現して入浴ウォーキングのような運動などを実現することができる。噴流が左右足裏へリズムよく交互に吐出されるようにすれば、より大きな運動を誘発することができる。
【0058】
さらに、この足の運動は、図2の矢印B2で示すように、体幹部m1に波及して体幹部m1の旋回運動を引き起こすことができる。これにより、入浴者Mは脚部m3から体幹部m1にかけての広い範囲の部位の運動を行うことができる。
【0059】
また、この運動は外部から与えられる他力的な他動運動であり、入浴者の意志によって行われる自動運動ではないため、入浴者Mの意志力に依存する部分が少なく、長続きしやすい。また、この運動は入浴姿勢のまま行うことができるため、入浴者は、リラックスした状態で運動することができる。この結果、運動を継続しやすい。なお、「他動運動」とは、人が自分の筋力ではなく外力を利用して行う運動をいう。すなわち、本実施形態に係る浴槽装置は、入浴者を座らせた状態にありながら、他動的に運動を行わせることができる運動浴槽装置であると言える。
【0060】
さらに、入浴による温熱効果により、運動効果がより一層向上する。また、噴流により入浴者Mの周囲の温度境界層が常に破壊されるため、入浴者Mが温まり易く、運動効果がさらに向上する。このように、前述した運動を浴槽内で行うことにより、浴槽外で行う場合と比較して、より高い運動効果を得ることができる。
【0061】
(具体例2)
次に、本実施形態の浴槽装置1の構成及び動作の他の一例(具体例2)について、図5〜図7を参照しつつ説明する。
図5は、具体例2に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。図5(a)は、入浴者Mの両足が屈曲するときを表しており、図5(b)は、入浴者Mの両足が伸展するときを表している。
図6は、具体例2に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。図6(a)は、入浴者Mの両足が屈曲するときを表しており、図6(b)は、入浴者Mの足の保持期を表しており、図6(c)は、入浴者Mの両足が伸展するときを表している。
【0062】
図5及び図6に表したように、具体例2では、具体例1と同様に足側面2bにノズル31(ノズル31R及びノズル31L)が設けられている。また、制御部5は、ノズル31Rから吐出される噴流の状態を、第1の噴流状態と、第2の噴流状態と、に交互に設定するとともに、ノズル31Lから吐出される噴流の状態を、第1の噴流状態と、第2の噴流状態と、に交互に設定する。
【0063】
ここで、制御部5は、ノズル31R及びノズル31Lからの噴流状態が同位相となるように制御する。すなわち、ノズル31Lから吐出される噴流の状態は、ノズル31Rから吐出される噴流の状態が第1の噴流状態であるときの略全期間において第1の噴流状態となり、ノズル31Rから吐出される噴流の状態が第2の噴流状態であるときの略全期間において第2の噴流状態となる。以下、浴槽装置1の動作及び入浴者Mの状態について詳細に説明する。
【0064】
まず、具体例1に関して前述したように、浴槽2内に水(湯)Wを入れた状態で、入浴者Mが浴槽2内に入り、入浴姿勢をとる(図1参照)。そして、入浴者Mは、右の足裏m6で右のノズル31Rを覆い、左の足裏m6で左のノズル31Lを覆うように左右の足を配置し、ノズル31から噴出される噴流を足裏m6で捉える初期姿勢をとる。このとき、入浴者Mはリラックスした状態にあり、足関節、膝関節、及び股関節は脱力しているものとする。
【0065】
この状態から、ポンプ4を作動させる。これにより、ポンプ4は、浴槽2内の水を吸入口7から汲み上げて噴流を生成し、ノズル31に対して供給する。このとき、ノズル31R及び31Lからそれぞれ吐出される噴流の時間に対する吐水流量は、例えば図7に表した如くである。
【0066】
図7は、時間に対するノズルからの吐水流量の具体例を例示するグラフ図である。
図7に表したグラフ図においては、周期に対する吐水流量Q2が持続する時間の割合(比率)を表すデューティ比は、「0.5」である。但し、このデューティ比(0.5)は、一例にすぎず、これだけに限定されるわけではない。また、第1の噴流状態(吐水流量Q1)と、第2の噴流状態(吐水流量Q2)と、は交互に切り替えられ、ノズル31R及びノズル31Lからの噴流状態は同位相である。
【0067】
図5(a)及び図6(a)の矢印A2で示すようにノズル31R、31Lから吐水流量Q2の噴流が噴射されると、この噴流は入浴者Mの両足の足裏m6を押圧する。これにより、図5(a)及び図6(a)の矢印B1で示すように、入浴者Mの両足の足関節、膝関節、及び股関節が同時に屈曲し、両足は背側面2aに向かって移動する。このとき、具体例1に関して前述したように、ノズル31からの噴流は、入浴者Mの足を包むように流れ場を生成するため、足裏m6はノズル31からの噴流を受ける位置に安定して存在する。
【0068】
そして、図6(b)に表したように、これら関節が屈曲した状態が一定時間持続する。
その後、図5(b)及び図6(c)の矢印A1で示すようにノズル31R、31Lから吐水流量Q1の噴流が噴射されると、両足の足裏m6を押圧する圧力が低下する。そのため、図5(b)及び図6(c)の矢印B3で示すように、入浴者Mの両足の足関節、膝関節、及び股関節が自然に伸び、両足は足側面2bに向かって移動する。このとき、入浴者Mが足裏m6でノズル31を覆うように足の位置を意識的に調節することにより、足はノズル31の近傍に戻る。
【0069】
噴流状態の周期は、目的や体調などに応じて適宜選択することができる。例えば、周期を長くすることで、ゆっくりとした筋の伸張を行わせることができる。また、周期を短くすると筋は短時間で多くの伸張を繰り返すことができ、効率よくストレッチを行うことが可能となる。
【0070】
このように、具体例2では、入浴姿勢における支持点の1つとなる両足裏に噴流を吐出し、これにより両脚部m3の同時屈伸運動を実現している。すなわち、ノズル31R及びノズル31Lが吐水流量Q1及びQ2の噴流を交互に同位相で噴射することにより、入浴者Mの両足は浴槽2の長手方向に沿って同位相で往復運動する。左右の足を同時に屈伸させることで、両足をバランスよく屈伸させることができる。これにより、入浴者Mは脚部m3のストレッチ運動を行うことができる。
【0071】
さらに、この足の運動は、体幹部m1に波及して体幹部m1の運動を引き起こすことができる。これにより、入浴者Mは脚部m3から体幹部m1にかけての広い範囲の部位のストレッチ運動を行うことができる。
【0072】
また、具体例2でも具体例1に関して前述した各種効果、すなわち、他動運動による効果、入浴姿勢のまま行う運動による効果、及び入浴による温熱効果に伴う効果が得られる。
【0073】
(具体例3)
次に、本実施形態の浴槽装置1の構成及び動作のさらに別の一例(具体例3)について、図8及び図9を参照しつつ説明する。
図8は、具体例3に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
図9は、具体例3に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
図8(a)及び図9(a)は、入浴者Mの右足が屈曲するときを表しており、図8(b)及び図9(b)は、入浴者Mの右足が伸展するときを表している。
【0074】
図8及び図9に表したように、具体例3では、右側面2dに、入浴者Mの右足の下腿部m5に向けて噴流を吐出するノズル32Rが設けられ、左側面2eに、入浴者Mの左足の下腿部m5に向けて噴流を吐出するノズル32Lが設けられている。
【0075】
そして、制御部5は、ノズル32から吐出される噴流の状態を、第1の噴流状態と、第2の噴流状態と、に交互に設定する。ノズル32R及びノズル32Lから吐出される噴流の状態は、同位相であってもよく、逆位相であってもよく、さらに別の位相関係としてもよい。以下、入浴者Mの右足の動作を例に取り上げて説明する。
【0076】
まず、図8(a)及び図9(a)の矢印A2で示すように、制御部5はポンプ4を作動させ、ノズル32Rから吐水流量Q2の噴流を吐出させる。この噴流は、入浴者Mの右足の下腿部m5、すなわち前脛骨筋や腓腹筋の近辺を押圧する。これにより、図8(a)の矢印B1で示すように、入浴者Mの右足の膝関節が屈曲し、右足の下腿部m5は左側面2eに向かって移動する。このとき、具体例1に関して前述したように、ノズル32Rからの噴流は、入浴者Mの足を包むように流れ場を生成するため、右足の下腿部m5はノズル32Rからの噴流を受ける位置に安定して存在する。
そして、図示しないが、この関節が屈曲した状態が一定時間持続してもよい。
【0077】
その後、図8(b)及び図9(b)の矢印A1で示すように、制御部5はポンプ4を作動させ、ノズル32Rから吐水流量Q1の噴流を吐出させる。これにより、右足の下腿部m5を押圧する圧力が低下する。そのため、図8(b)の矢印B3で示すように、右足の膝関節が自然に伸び、右足の下腿部m5は右側面2dに向かって移動する。このとき、入浴者Mが右足の下腿部m5でノズル32Rを覆うように足の位置を意識的に調節することにより、右足の下腿部m5はノズル32Rの近傍に戻る。
【0078】
なお、左足についても、ノズル31Lを同様に作動させることにより、同様の屈伸運動をさせることができる。
噴流状態の周期は、目的や体調などに応じて適宜選択することができる。例えば、周期を長くすることで、ゆっくりとした筋の伸張を行わせることができる。また、周期を短くすると筋は短時間で多くの伸張を繰り返すことができ、効率よくストレッチを行うことが可能となる。
【0079】
このように、具体例3では、下腿部m5に吐水を行うことにより、下腿部m5は右側面2dと左側面2eとの間で往復する内転外転運動(図8(a)の矢印B1で示した内転運動及び図8(b)の矢印B3で示した外転運動)を行い、下腿部m5のストレッチ運動が実現する。
【0080】
また、前述したように、ノズル32R、32Lからの噴流の状態は同位相であってもよく、逆位相であってもよく、さらに別の位相関係としてもよい。これら噴流状態を同位相とすれば、左右の足を同時にバランスよくストレッチさせることができる。また、逆位相とすれば、片方の足を伸展させた状態でもう片方の足を屈曲させることができるため、スペースの点から足をより大きく屈曲させることができる。
【0081】
また、この内転外転運動により、膝関節周りのストレッチも重点的に行える。本具体例では、使用者が膝に疾患を抱える場合であっても、湯Wの温熱によって筋や腱が柔軟性を得た後に筋や腱に対してストレッチ運動を行わせることができるため、無理な運動とならない。膝関節の働きは、生活習慣や加齢の影響を受け、歩行機能へ影響することが知られている。そのため、膝関節へのケアは、運動のみならずリハビリの観点からも重要となる。
【0082】
さらに、この下腿部m5の運動は、大腿部m4や体幹部m1に波及してこれら部位の運動をも引き起こすことができる。これにより、入浴者Mは脚部m3から体幹部m1にかけての広い範囲の部位のストレッチ運動を行うことができる。
【0083】
また、具体例3でも具体例1に関して前述した各種効果、すなわち、他動運動による効果、入浴姿勢のまま行う運動による効果、及び入浴による温熱効果に伴う効果が得られる。
【0084】
(具体例4)
次に、本実施形態の浴槽装置1の構成及び動作のさらに別の一例(具体例4)について、図10及び図11を参照しつつ説明する。
図10は、具体例4に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
図11は、具体例4に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
図10(a)及び図11(a)は、入浴者Mの両足が屈曲するときを表しており、図10(b)及び図11(b)は、入浴者Mの両足が伸展するときを表している。
【0085】
図10及び図11に表したように、具体例4では、具体例1と同様に足側面2bにノズル31(ノズル31R及びノズル31L)が設けられている。ここで、底面2cには、入浴者Mの右足の大腿部m4に向けて噴流を吐出するノズル33Rと、入浴者Mの左足の大腿部m4に向けて噴流を吐出するノズル33Lと、がさらに設けられている。
【0086】
そして、制御部5は、ノズル31及びノズル33から吐出される噴流の状態を、第1の噴流状態と、第2の噴流状態と、に交互に設定する。ノズル31R及びノズル31Lから吐出される噴流の状態は、同位相であってもよく、逆位相であってもよく、さらに別の位相関係としてもよい。また、ノズル33R及びノズル33Lから吐出される噴流の状態の位相関係についても、同様である。図10及び図11では、ノズル31R、31Lから吐出される噴流の状態が同位相であり、ノズル33R、33Lから吐出される噴流の状態も同位相である場合を例に取り上げた。
【0087】
一方、ノズル31R及びノズル33Rから吐出される噴流の状態は、同位相である。また、ノズル31L及びノズル33Lから吐出される噴流の状態も、同位相である。すなわち、制御部5は、ノズル33Rから吐出される噴流の状態を、ノズル31Rから吐出される噴流の状態が第1の噴流状態であるときの略全期間において第1の噴流状態に設定し、ノズル31Rから吐出される噴流の状態が第2の噴流状態であるときの略全期間において第2の噴流状態に設定可能である。また、ノズル33Lから吐出される噴流の状態を、ノズル31Lから吐出される噴流の状態が第1の噴流状態であるときの略全期間において第1の噴流状態に設定し、ノズル31Lから吐出される噴流の状態が第2の噴流状態であるときの略全期間において第2の噴流状態に設定可能である。これにより、脚部m3の屈曲を円滑に行うことが可能となる。
【0088】
まず、図10(a)及び図11(a)の矢印A2で示すように、制御部5はポンプ4を作動させ、ノズル31及びノズル33から吐水流量Q2の噴流を吐出させる。ノズル31からの噴流は、入浴者Mの足裏m6を押圧する。また、ノズル33からの噴流は、入浴者Mの大腿部m4、すなわち大腿四頭筋の近辺を押圧する。これにより、図10(a)及び図11(a)の矢印B1で示すように、入浴者Mの足関節、膝関節、及び股関節が同時に屈曲し、足は背側面2aに向かって移動する。このとき、具体例1に関して前述したように、ノズル31及びノズル33からの噴流は、入浴者Mの足を包むように流れ場を生成するため、足裏m6及び大腿部m4はそれぞれノズル31及びノズル33からの噴流を受ける位置に安定して存在する。
そして、図示しないが、この関節が屈曲した状態が一定時間持続してもよい。
【0089】
その後、図10(b)及び図11(b)の矢印A1で示すように、制御部5はポンプ4を作動させ、ノズル31及びノズル33から吐水流量Q1の噴流を吐出させる。これにより、足裏m6及び大腿部m4を押圧する圧力が低下する。そのため、図10(b)及び図11(b)の矢印B3で示すように、両足の足関節、膝関節、及び股関節が自然に伸び、両足は足側面2bに向かって移動する。このとき、入浴者Mが足裏m6でノズル31を覆うように足の位置を意識的に調節することにより、足裏m6はノズル31の近傍に戻る。
【0090】
噴流状態の周期は、目的や体調などに応じて適宜選択することができる。例えば、周期を長くすることで、ゆっくりとした筋の伸張を行わせることができる。また、周期を短くすると筋は短時間で多くの伸張を繰り返すことができ、効率よくストレッチを行うことが可能となる。
【0091】
このように、具体例4では、足裏m6及び大腿部m4に対する吐水によって、浴槽2の長手方向における脚部m3の屈伸運動を入浴者Mに行わせることができる。これにより、入浴ウォーキングのような運動(ノズル31R、31Lに係る噴流状態が逆位相である場合)や、ストレッチ運動が実現できる。ここで、具体例1及び2においては、足裏m6にのみ吐水を行い脚部m3の屈伸運動を実現していたが、本具体例では大腿部m4にも吐水を行っている。これにより、より安定して屈伸運動を行うことが可能となる。すなわち、足裏m6のみに吐水した場合は、腰、膝、及び足関節という3つの関節が自由度を持つリンク機構に吐水することになる。このため、脚部m3の屈伸運動中に噴流から脚部m3が外れることがあり得る。しかし、大腿部m4にも安定した噴流を噴射することで、関節の自由度は低減し、股関節のみが自由となる。これにより、安定した屈伸運動を実現させることができる。
【0092】
また、前述したように、ノズル31R、31Lから吐出される噴流の状態は、同位相であってもよく、逆位相であってもよく、さらに別の位相関係としてもよい。また、ノズル33R、33Lから吐出される噴流の状態の位相関係についても、同様である。これら噴流状態を逆位相とすれば、具体例1に関して前述したように入浴ウォーキングのような運動などを実現することができる。また、これら噴流状態を同位相とすれば、左右の足を同時にバランスよくストレッチすることができる。
【0093】
また、ノズル33からの噴流は、大腿部m4の背後にある腹部(腹直筋の近辺)も押圧する。これにより、腹部のマッサージ効果を得ることもできる。
さらに、この足の運動は、体幹部m1に波及して体幹部m1の旋回運動などを引き起こすことができる。これにより、入浴者Mは脚部m3から体幹部m1にかけての広い範囲の部位のストレッチ運動を行うことができる。
また、具体例4でも具体例1に関して前述した各種効果、すなわち、他動運動による効果、入浴姿勢のまま行う運動による効果、及び入浴による温熱効果に伴う効果が得られる。
【0094】
(具体例5)
次に、本実施形態の浴槽装置1の構成及び動作のさらに別の一例(具体例5)について、図12及び図13を参照しつつ説明する。
図12は、具体例5に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
図13は、具体例5に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
図12(a)及び図13(a)は、入浴者Mの体幹部m1が前方(足側面2b側)に移動するときを表しており、図12(b)及び図13(b)は、入浴者Mの体幹部m1が後方(背側面2a側)に移動するときを表している。
【0095】
図12及び図13に表したように、具体例5では、背側面2aに、入浴者Mの背中m2の右方に向けて噴流を吐出するノズル34Rと、入浴者Mの背中m2の左方に向けて噴流を吐出するノズル34Lと、が設けられている。
【0096】
そして、制御部5は、ノズル34から吐出される噴流の状態を、第1の噴流状態と、第2の噴流状態と、に交互に設定する。また、制御部5は、ノズル34R及びノズル34Lからの噴流状態が同位相となるように制御する。すなわち、ノズル34Lから吐出される噴流の状態は、ノズル34Rから吐出される噴流の状態が第1の噴流状態であるときの略全期間において第1の噴流状態ろなり、ノズル34Rから吐出される噴流の状態が第2の噴流状態であるときの略全期間において第2の噴流状態となる。
【0097】
まず、図12(a)及び図13(a)の矢印A2で示すように、制御部5はポンプ4を作動させ、ノズル34から吐水流量Q2の噴流を吐出させる。ノズル34からの噴流は、入浴者Mの背中m2を押圧する。これにより、図12(a)及び図13(a)の矢印B1で示すように、体幹部m1は足側面2bに向かって移動する。
そして、図示しないが、この前屈状態が一定時間持続してもよい。
【0098】
その後、図12(b)及び図13(b)の矢印A1で示すように、制御部5はポンプ4を作動させ、ノズル34から吐水流量Q1の噴流を吐出させる。これにより、背中m2を押圧する圧力が低下する。そのため、図12(b)及び図13(b)の矢印B3で示すように、前屈状態にあった椎骨が自然に延び、体幹部m1は背側面2aに向かって移動する。
【0099】
噴流状態の周期は、目的や体調などに応じて適宜選択することができる。例えば、周期を長くすることで、ゆっくりとした筋の伸張を行わせることができる。また、周期を短くすると筋は短時間で多くの伸張を繰り返すことができ、効率よくストレッチを行うことが可能となる。
【0100】
このように、具体例5では、背中m2に対する吐水によって、体幹部m1を浴槽2の長手方向に往復運動させることができる。この結果、脚部m3や体幹部m1における屈伸運動を行わせ、これら広い範囲の部位のストレッチ運動を実現することができる。刺激部位としては、腹直筋、脊柱起立筋、下肢筋群などが挙げられる。
また、具体例5でも具体例1に関して前述した各種効果、すなわち、他動運動による効果、入浴姿勢のまま行う運動による効果、及び入浴による温熱効果に伴う効果が得られる。
【0101】
(具体例6)
次に、本実施形態の浴槽装置1の構成及び動作のさらに別の一例(具体例6)について、図14及び図15を参照しつつ説明する。
図14は、具体例6に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
図15は、具体例6に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
図14(a)及び図15(a)は、入浴者Mの体幹部m1が上から見て左回りに旋回するときを表しており、図14(b)及び図15(b)は、入浴者Mの体幹部m1が上から見て右回りに旋回するときを表している。
【0102】
図14及び図15に表したように、具体例6では、具体例5と同様に、背側面2aにノズル34(ノズル34R及びノズル34L)が設けられている。また、制御部5は、ノズル34から吐出される噴流の状態を、第1の噴流状態と、第2の噴流状態と、に交互に設定する。
【0103】
ここで、制御部5は、ノズル34R及びノズル34Lからの噴流状態が逆位相となるように制御する。すなわち、ノズル34Lから吐出される噴流の状態は、ノズル34Rから吐出される噴流の状態が第1の噴流状態であるときの略全期間において第2の噴流状態となり、ノズル34Rから吐出される噴流の状態が第2の噴流状態であるときの略全期間において第1の噴流状態となる。
【0104】
まず、図14(a)及び図15(a)の矢印A2で示すように、制御部5はポンプ4を作動させ、ノズル34Rから吐水流量Q2の噴流を吐出させる。また、図14(a)の矢印A1で示すように、ノズル34Lからは吐水流量Q1の噴流を吐出させる。ノズル34Rからの噴流は、入浴者Mの背中m2の右方を押圧する。一方、ノズル34Lからの噴流は流量が小さいため、背中m2の左方にはこのような押圧は行われない。これにより、図14(a)の矢印B1で示すように、体幹部m1の右方は足側面2bに向かって移動し、この結果体幹部m1は上から見て左回りに旋回する。
そして、図示しないが、この体幹部m1が旋回した状態が一定時間持続してもよい。
【0105】
その後、図14(b)及び図15(b)の矢印A1で示すように、制御部5はポンプ4を作動させ、ノズル34Rから吐水流量Q1の噴流を吐出させる。また、図14(a)の矢印A2で示すように、ノズル34Lからは吐水流量Q2の噴流を吐出させる。これにより、背中m2の右方を押圧する圧力が低下するとともに、背中m2の左方が押圧される。そのため、図14(b)の矢印B3で示すように、体幹部m1の右方は背側面2aに向かって移動し、体幹部m1の左方は足側面2bに向かって移動する。この結果、体幹部m1は上から見て右回りに旋回する。
【0106】
噴流状態の周期は、目的や体調などに応じて適宜選択することができる。例えば、周期を長くすることで、ゆっくりとした筋の伸張を行わせることができる。また、周期を短くすると筋は短時間で多くの伸張を繰り返すことができ、効率よくストレッチを行うことが可能となる。
【0107】
このように、具体例6では、背中m2に対する吐水によって、体幹部m1の旋回運動を実現することができる。このため、腹直筋、腹斜筋、脊柱起立筋等へ刺激を与えることができる。また、この体幹部m1の運動は上肢(腕)m8に波及し、上肢m8の屈曲運動を引き起こすことができる。このように、本具体例では、体幹部m1から上肢m8にかけて上半身全体に対しストレッチ運動を行わせることができる。
【0108】
また、背中m2の左右それぞれにリズムよく(例えば、1秒程度おきに)交互に吐出されるようにすることで、より大きな運動を誘発することができる。
さらに、この体幹部m1の運動は、脚部m3に波及して大腿部m4や下腿部m5の筋肉の伸縮を引き起こすことができる。これにより、入浴者Mは体幹部m1から脚部m3にかけての広い範囲の部位のストレッチ運動を行うことができる。
また、具体例6でも具体例1に関して前述した各種効果、すなわち、他動運動による効果、入浴姿勢のまま行う運動による効果、及び入浴による温熱効果に伴う効果が得られる。
【0109】
(具体例7)
次に、本実施形態の浴槽装置1の構成及び動作のさらに別の一例(具体例7)について、図16及び図17を参照しつつ説明する。
図16は、具体例7に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
図17は、具体例7に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式側面図である。
図16(a)及び図17(a)は、入浴者Mの体幹部m1が上から見て左回りに旋回するときを表しており、図16(b)及び図17(b)は、入浴者Mの体幹部m1が上から見て右回りに旋回するときを表している。
【0110】
図16及び図17に表したように、具体例7では、背側面2aと右側面2dとの境界部2fに、入浴者Mの腰部m7の右方に向けて噴流を吐出するノズル35Rが設けられている。また、背側面2aと左側面2eとの境界部2gに、入浴者Mの腰部m7の左方に向けて噴流を吐出するノズル35Lが設けられている。なお、ノズル35は境界部2fや境界部2gの他、腰部m7に噴流を吐出できる限りにおいて他の場所に設けることができ、例えば背側面2aや、右側面2d及び左側面2eに設けてもよい。
【0111】
そして、制御部5は、ノズル35から吐出される噴流の状態を、第1の噴流状態と、第2の噴流状態と、に交互に設定する。また、制御部5は、ノズル35R及びノズル35Lからの噴流状態が逆位相となるように制御する。すなわち、ノズル35Lから吐出される噴流の状態は、ノズル35Rから吐出される噴流の状態が第1の噴流状態であるときの略全期間において第2の噴流状態となり、ノズル35Rから吐出される噴流の状態が第2の噴流状態であるときの略全期間において第1の噴流状態となる。
【0112】
まず、図16(a)及び図17(a)の矢印A2で示すように、制御部5はポンプ4を作動させ、ノズル35Rから吐水流量Q2の噴流を吐出させる。また、図16(a)の矢印A1で示すように、ノズル35Lからは吐水流量Q1の噴流を吐出させる。ノズル35Rからの噴流は、入浴者Mの腰部m7の右方を押圧する。一方、ノズル35Lからの噴流は流量が小さいため、腰部m7の左方にはこのような押圧は行われない。これにより、図16(a)の矢印B1で示すように、体幹部m1の右方は足側面2bに向かって移動し、この結果体幹部m1は上から見て左回りに旋回する。
そして、図示しないが、この体幹部m1が旋回した状態が一定時間持続してもよい。
【0113】
その後、図16(b)及び図17(b)の矢印A1で示すように、制御部5はポンプ4を作動させ、ノズル35Rから吐水流量Q1の噴流を吐出させる。また、図16(a)の矢印A2で示すように、ノズル35Lからは吐水流量Q2の噴流を吐出させる。これにより、腰部m7の右方を押圧する圧力が低下するとともに、腰部m7の左方が押圧される。そのため、図16(b)の矢印B3で示すように、体幹部m1の右方は背側面2aに向かって移動し、体幹部m1の左方は足側面2bに向かって移動する。この結果、体幹部m1は上から見て右回りに旋回する。
【0114】
噴流状態の周期は、目的や体調などに応じて適宜選択することができる。例えば、周期を長くすることで、ゆっくりとした筋の伸張を行わせることができる。また、周期を短くすると筋は短時間で多くの伸張を繰り返すことができ、効率よくストレッチを行うことが可能となる。
【0115】
このように、具体例7では、腰部m7、すなわち骨盤に対する吐水によって、骨盤を軸に体幹部m1の旋回運動を実現することができる。骨盤部(腰部m7)が旋回した後、体幹部m1が旋回することとなり、体幹部m1のねじれを大きくすることができる。これにより、腹斜筋などを積極的に刺激することができ、バランス能力などを向上させることができる。また、この体幹部m1の運動は上肢(腕)m8に波及し、上肢m8の屈曲運動を引き起こすことができる。このように、本具体例でも、体幹部m1から上肢m8にかけて上半身全体に対しストレッチ運動を行わせることができる。
【0116】
また、腰部m7の左右それぞれにリズムよく(例えば、1秒程度おきに)交互に吐出されるようにすることで、より大きな運動を誘発することができる。
さらに、この体幹部m1の運動は、脚部m3に波及して大腿部m4や下腿部m5の筋肉の伸縮を引き起こすことができる。これにより、入浴者Mは体幹部m1から脚部m3にかけての広い範囲の部位のストレッチ運動を行うことができる。
また、具体例7でも具体例1に関して前述した各種効果、すなわち、他動運動による効果、入浴姿勢のまま行う運動による効果、及び入浴による温熱効果に伴う効果が得られる。
【0117】
(具体例8)
次に、本実施形態の浴槽装置1の構成及び動作のさらに別の一例(具体例8)について、図18を参照しつつ説明する。
図18は、具体例8に係る浴槽装置1の構成及び動作を例示する模式平面図である。
【0118】
本実施形態では、上述した具体的を組み合わせることができる。例えば、図18(a)に表したように、具体例1(図2〜図4)と具体例6(図14及び図15)とを組み合わせてもよく、また図18(b)に表したように、具体例1(図2〜図4)と具体例7(図16及び図17)とを組み合わせてもよい。各構成要素及び動作の詳細は、それぞれの具体例に関して前述した通りである。
【0119】
噴流状態の位相については、図18に表したように、右足側のノズル31Rに係る噴流状態と左背中側のノズル34Lまたはノズル35Lに係る噴流状態とを同位相とし、左足側のノズル31Lに係る噴流状態と右背中側のノズル34Rまたはノズル35Rに係る噴流状態とを同位相とすることができる。これにより、脚部m3の屈伸運動と体幹部m1の旋回運動とを良好に同調させることができ、効果的な運動が実現される。
【0120】
このような組合せを行うことで、体幹部m1及び上肢m8から脚部m3に至るまで全身の運動を効果的に行うことができる。すなわち、脚部m3の屈伸運動に加えて、体幹部m1における旋回運動をより高めることが可能となる。これにより、より高いストレッチ効果を得ることができる。また、浴槽2内の湯水において流れが生まれるため、入浴者Mは入浴姿勢を保持するために全身の筋を活動させることになる。この結果、消費エネルギーが増大し、入浴者Mは高い運動効果を得ることができる。
【0121】
また、吐水をリズムよく(例えば、1秒程度おきに)行うことで、より大きな運動を誘発することができる。
また、具体例8でも具体例1に関して前述した各種効果、すなわち、他動運動による効果、入浴姿勢のまま行う運動による効果、及び入浴による温熱効果に伴う効果が得られる。
【0122】
以上、各種具体例について説明した。これら具体例においては、入浴者Mはストレッチ運動の他、噴流状態の周期を高くするなどして歩行運動のような運動等の通常の運動を行うこともできる。
【0123】
なお、本実施形態では、噴流が入浴者Mの運動を支援・助長しており、噴流の進行方向と当該噴流が当たる入浴者Mの身体部位とは基本的には同じ方向に進行する。このため、特許文献3で開示された補償動作とは基本的には趣旨を異にするものである。すなわち、補償動作においては、入浴者は、噴流が当たる身体部位を当該噴流の進行方向と逆の方向に動かせ、この動作により運動効果を得ている。
しかしながら、本実施形態は補償動作を排除するものではなく、周期を長くするなど実施態様によっては補償動作を実現することもできる。
【0124】
例えば、具体例1(図2〜図4)の場合は、噴流状態の周期を比較的長くすることにより、補償動作を実現することができる。この場合には、入浴者Mの右足の足関節、膝関節、及び股関節が同時に屈曲して静止した状態、すなわち図3(b)に表した保持期の状態が、比較的長く続く。その後、入浴者Mの右足の足関節、膝関節、及び股関節は、図3(c)に表した伸展期へ遷移する。そして、この伸展期がしばらく続いた後に、再び屈曲期へ遷移する。左足についても、同様である。この運動により、入浴者Mは姿勢のバランスを崩され、不安定な姿勢となる。そのため、入浴者Mは、無意識に全身の筋肉を働かせて姿勢を安定させようとする補償動作を行う。これにより、入浴者Mは、バランストレーニングを行うことができる。
【0125】
また、本実施形態では、制御部5は、図19に表したように第1及び第2の噴流状態の少なくともいずれかを変化させてもよい。
図19は、噴流状態の態様を例示する模式グラフ図である。
図19に表したように、制御部5は、第1及び第2の噴流状態の少なくともいずれかにおいて、ノズル3から吐出される噴流の流量Qを変化させてもよい。図では、第2の噴流状態における吐水流量Q2は、Q21〜Q24の4つの値をとる。
【0126】
また、図19に表したように、制御部5は、第1及び第2の噴流状態の少なくともいずれかの継続時間を変化させてもよい。図では、第1の噴流状態の継続時間は、b1〜b4の4つの値をとる。また、第2の噴流状態の継続時間は、a1〜a4の4つの値をとる。
また、図19に表したように、制御部5は、ノズル3から吐出される噴流の状態の変化の周期を変化させてもよい。図では、周期は、T1〜T4の4つの値をとる。
【0127】
また、図19に表したように、制御部5は、ノズル3から吐出される噴流の状態の変化の周期に対する第1及び第2の噴流状態の継続時間の割合(デューティ比)を変化させてもよい。図では、周期に対する第2の噴流状態の継続時間「a/T」は、a1/T1〜a4/T4の4つの値をとる。
【0128】
周期T1〜T4の噴流状態が終了した後においては、このような周期T1〜T4の噴流状態を規則的に繰り返してもよく、あるいはさらに別の噴流状態としてランダムに噴流を吐出させてもよい。
【0129】
このような構成によれば、ノズル3からの噴流の状態が規則的または不規則的に変更されるため、入浴者Mの運動は、規則的または不規則的に変化する。すなわち、同じリズムの運動が長期に亘り継続することはない。そのため、入浴者Mは、運動に慣れたり、飽きたりするおそれは少ない。したがって、入浴者Mに継続的に運動させることができる。
【0130】
さらに、入浴者Mの身体は、規則的または不規則的に変化する運動をするため、その運動の際に使用される身体の部位や筋群は、変化する。これにより、入浴者Mの身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。
【0131】
(実施例)
本発明者は、被驗者の協力を得て、本実施形態の効果を検証するための実験を行った。この実験について、図20を参照しつつ説明する。
本実施例では、具体例1(図2〜図4)に係る浴槽装置1を用いた。
【0132】
図20は、具体例1に係る浴槽装置1を使用したときの筋群の使用部位を例示する表及び模式図である。ここでは、噴流状態のデューティ比、すなわち「第2の噴流状態の継続時間/周期」を変更して実験を行った。図20(a)は、被験者が具体例1に係る浴槽装置1を体験したことにより使用したと感じた筋群の部位を例示した表であり、図20(b)は、図20(a)に表した筋群の部位を表す模式図である。
【0133】
本発明者は、具体例1に係る浴槽装置1を7人の被験者に使用してもらい、デューティ比を変更したときに使用感のあった筋群の部位をヒアリング調査している。このヒアリング調査の結果によれば、図20(a)に表したように、被験者は、噴流状態のデューティ比が約0.3〜0.4程度と比較的小さい場合には、腹部・体幹部m11、股関節m10、大腿部m4、下腿部m5、及び足部m9の少なくともいずれかの筋群を使用したと感じていることが分かった。つまり、比較的広い範囲の筋群を使用したと感じていることが分かった。
【0134】
腹部・体幹部m11の筋群は、脊柱起立筋、腹直筋、及び腹斜筋を有する。また、下腿部m5及び足部m9の筋群は、前頸骨筋を有し、この前頸骨筋の働きは、歩行時に、地面と足部m9とのクリアランスをとるために働く筋として知られている。そのため、前頸骨筋を活動させる運動とは、転倒予防に貢献する運動を意味する。これにより、噴流状態のデューティ比が約0.3〜0.4程度と比較的小さい場合には、被験者は、ストレッチ運動に近似した運動を感じていることが分かった。
【0135】
また、被験者は、噴流状態のデューティ比が約0.5〜0.6程度である場合には、股関節m10、大腿部m4、及び下腿部m5の少なくともいずれかの筋群を使用したと感じていることが分かった。また、被験者は、噴流状態のデューティ比が約0.7〜0.8程度と比較的大きい場合には、股関節m10または大腿部m4の筋群を使用したと感じていることが分かった。つまり、噴流状態のデューティ比が約0.5〜0.6程度、及びデューティ比が約0.7〜0.8程度と比較的大きい場合には、比較的狭い範囲の筋群を使用したと感じていることが分かった。
【0136】
大腿部m4の筋群は、大腿二頭筋を有し、この大腿二頭筋の働きは、主として歩行時における蹴り出す力、推進力を生成する筋として知られている。そのため、大腿部m4のハムストリングスを刺激する運動とは、歩行速度の維持と、歩行機能の向上と、に貢献できる運動であることを意味する。これにより、噴流状態のデューティ比が約0.5〜0.6程度、及びデューティ比が約0.7〜0.8程度と比較的大きい場合には、歩行運動のように、脚部における屈曲運動と伸展運動とを連続して行う。さらに、それらの運動は湯水内に浮いている状態で行われるため、歩行時に働く主要な筋以外にも働くこととなり、バランストレーニングの要素を含んだ運動として、使用者に運動感を与えていることが分かった。
【0137】
このように、具体例1に係る浴槽装置1を用いることにより、体幹部m1から脚部m3に至るまでの広い範囲でバランスよく運動させることができるということが確認された。
【0138】
以上説明したように、本実施形態によれば、他動運動を実現し、これにより入浴者に継続的に運動させることができる浴槽装置が提供される。また、身体の部位をバランスよく運動させることができる浴槽装置が提供される。
【0139】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズ、動作などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、各種のノズル3は、図示した場所の他、本実施形態の趣旨の範囲内で他の場所に設けることができる。また、ノズル3からの噴流の噴射方向が変化するようにしてもよい。
【0140】
さらに、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0141】
1 浴槽装置、2 浴槽、2a 背側面、2b 足側面、2c 底面、2d 右側面、2e 左側面、2f 境界部、2g 境界部、3 ノズル(吐水部)、4 ポンプ、4L ポンプ、4R ポンプ、5 制御部、7 吸入口、8 操作部、31 ノズル、31L ノズル、31R ノズル、32 ノズル、32L ノズル、32R ノズル、33 ノズル、33L ノズル、33R ノズル、34 ノズル、34L ノズル、34R ノズル、35 ノズル、35L ノズル、35R ノズル、60 浴室ユニット、61 防水パン、62 壁パネル、A1、A2、A11、A12、A21、A22、B1、B2、B3、B11、B12 矢印、C 中心線、M 入浴者、m1 体幹部、m2 背中、m3 脚部、m4 大腿部、m5 下腿部、m6 足裏、m7 腰部、m8 上肢、m9 足部、m10 股関節、m11 腹部・体幹部、W 水(湯)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽と、
前記浴槽に設けられ、前記浴槽に入浴している入浴者の身体に向けて噴流を吐出する吐水部と、
前記噴流の状態を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記噴流の状態を、相対的に流量の小さい第1の噴流状態と、相対的に流量の大きい第2の噴流状態と、に設定可能であり、且つ、前記第1の噴流状態と前記第2の噴流状態との間の移行時において前記噴流の作用により前記入浴者の身体が動き、前記入浴者の身体の前記噴流が当たる部分は、前記第1の噴流状態において相対的に前記噴流の進行方向とは逆の側に存在し、前記第2の噴流状態において相対的に前記噴流の進行方向の側に存在するように設定可能であることを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
前記吐水部は、
前記入浴者の右足の足裏に向けて噴流を吐出する第1の吐水部と、
前記入浴者の左足の足裏に向けて噴流を吐出する第2の吐水部と、
を有し、
前記制御部は、
前記第1の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態であり且つ前記第2の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態である第1の状態と、前記第1の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態であり且つ前記第2の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態である第2の状態と、を交互に設定可能であることを特徴とする請求項1記載の浴槽装置。
【請求項3】
前記吐水部は、
前記入浴者の右足の足裏に向けて噴流を吐出する第1の吐水部と、
前記入浴者の左足の足裏に向けて噴流を吐出する第2の吐水部と、
を有し、
前記制御部は、
前記第1及び第2の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態である第1の状態と、前記第1及び第2の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態である第2の状態と、を交互に設定可能であることを特徴とする請求項1記載の浴槽装置。
【請求項4】
前記吐水部は、
前記入浴者の右足の下腿部に向けて噴流を吐出する第3の吐水部と、
前記入浴者の左足の下腿部に向けて噴流を吐出する第4の吐水部と、
を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項5】
前記吐水部は、
前記入浴者の右足の大腿部に向けて噴流を吐出する第5の吐水部と、
前記入浴者の左足の大腿部に向けて噴流を吐出する第6の吐水部と、
を有し、
前記制御部は、
前記第1の吐水部から吐水される噴流の状態が前記第1の噴流状態であるときは前記第5の吐水部から吐出される噴流の状態を前記第1の噴流状態とし、
前記第1の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態であるときは前記第5の吐水部から吐出される噴流の状態を前記第2の噴流状態とし、
前記第2の吐水部から吐水される噴流の状態が前記第1の噴流状態であるときは前記第6の吐水部から吐出される噴流の状態を前記第1の噴流状態とし、
前記第2の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態であるときは前記第6の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態とする、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の浴槽装置。
【請求項6】
前記吐水部は、
前記入浴者の背中の右方に向けて噴流を吐出する第7の吐水部と、
前記入浴者の背中の左方に向けて噴流を吐出する第8の吐水部と、
を有し、
前記制御部は、
前記第7及び第8の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態である第3の状態と、前記第7及び第8の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態である第4の状態と、を交互に設定可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項7】
前記吐水部は、
前記入浴者の背中の右方に向けて噴流を吐出する第7の吐水部と、
前記入浴者の背中の左方に向けて噴流を吐出する第8の吐水部と、
を有し、
前記制御部は、
前記第7の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態であり且つ前記第8の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態である第5の状態と、前記第7の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態であり且つ前記第8の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態に設定可能である第6の状態と、を交互に設定可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項8】
前記吐水部は、
前記入浴者の腰部の右方に向けて噴流を吐出する第9の吐水部と、
前記入浴者の腰部の左方に向けて噴流を吐出する第10の吐水部と、
を有し、
前記制御部は、
前記第9の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態であり且つ前記第10の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態である第7の状態と、前記第9の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第2の噴流状態であり且つ前記第10の吐水部から吐出される噴流の状態が前記第1の噴流状態である第8の状態と、を交互に設定可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1及び第2の噴流状態の少なくともいずれかを変化させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1及び第2の噴流状態の前記少なくともいずれかにおいて前記吐水部から吐出される噴流の流量を変更可能であることを特徴とする請求項9記載の浴槽装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1及び第2の噴流状態の前記少なくともいずれかの継続時間を変更可能であることを特徴とする請求項9または10に記載の浴槽装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記吐水部から吐出される噴流の状態の変化の周期を変更可能であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記吐水部から吐出される噴流の状態の変化の周期に対する前記第1及び第2の噴流状態の継続時間の割合を変更可能であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1つに記載の浴槽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−207486(P2010−207486A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58716(P2009−58716)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】