説明

浴槽装置

【課題】 入浴者に継続的に運動させることができる浴槽装置を提供する
【解決手段】
本発明の一様態によれば、第一の浴槽壁面と、前記第一の浴槽壁面に対向して設けられた第二の浴槽壁面と、を有する浴槽と、前記第二の浴槽壁面に設けられ、前記浴槽に入浴する入浴者の足裏に噴流を吐水する吐水部と、前記吐水部に接続され、前記吐水部から吐水される噴流の水量を調節する吐水駆動部と、前記吐水駆動部を制御する制御部と、前記噴流の状態を入浴者へ伝えるための誘導音を発する音源部と、を備え、前記制御部は、前記吐水駆動部を制御して前記入浴者の脚部を屈曲させる強さの噴流を前記吐水部から間欠的に吐水させ、前記音源部は、前記吐水部からの吐水の状態に応じて音を発することを特徴とする浴槽装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、浴槽装置に関し、具体的には入浴者に運動させる浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社会的に健康志向が高まり、フィットネスやエクササイズなどの運動によって健康管理を行いたいという要求が高まっている。また、入浴中に手軽に運動したいという要望もある。
【0003】
例えば、特許文献1には、浴槽内に踏み込み可能な踏み台を設ける技術が開示されている。踏み台にはバネによって踏み込み負荷が与えられており、入浴者は座位姿勢のまま片足で踏み台を踏み込むことにより、運動することができる。しかしながら、普段から運動習慣の無い人が運動を行うには、相当な意志の力を要する。特に、入浴時はリラックスした精神状態になっているため、意志の力を発揮することは困難である。このため、浴槽内に運動器具を設置しても、運動が長続きしないことが予想される。また、同じ動作を繰り返すため、その動作に慣れたり飽きたりして、運動が長続きしないことが予想される。
【0004】
一方、特許文献2には、内部に足置き部が設けられ、この足置き部に噴流を噴出する吐出口が設けられた循環式浴槽が開示されている。特許文献2には、入浴者が足置き部に足を載せた状態で、吐出口から噴流を噴出させることにより、入浴者の足裏を刺激して、マッサージを施すことができると記載されている。しかしながら、この循環式浴槽は、入浴者が足置き部に足を載せて使用するものであり、入浴者に身体の広範囲を運動させるものではない。
【0005】
また、特許文献3には、噴出ノズルからの噴流を制御部によって噴出・停止を制御する気泡発生装置が開示されている。特許文献3には、両噴出個所により浴湯が噴出する一定のオーバーラップ時間が生じ、噴出個所の移行が円滑に行えて、入浴者に不快感を与えることがなくなると記載されている。しかしながら、この気泡発生装置は、特許文献2に開示された循環式浴槽と同様に、入浴者に身体の広範囲を運動させるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−236014号公報
【特許文献2】特開2005−287541号公報
【特許文献3】特許第2710829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、入浴者に継続的に運動させることができる、あるいは身体の部位をバランスよく運動させることができる浴槽装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、第一の浴槽壁面と、前記第一の浴槽壁面に対向して設けられた第二の浴槽壁面と、を有する浴槽と、前記第二の浴槽壁面に設けられ、前記浴槽に入浴する入浴者の足裏に噴流を吐水する吐水部と、前記吐水部に接続され、前記吐水部から吐水される噴流の水量を調節する吐水駆動部と、前記吐水駆動部を制御する制御部と、前記噴流の状態を入浴者へ伝えるための誘導音を発する音源部と、を備え、前記制御部は、前記吐水駆動部を制御して前記入浴者の脚部を屈曲させる強さの噴流を前記吐水部から間欠的に吐水させ、前記音源部は、前記吐水部からの吐水の状態に応じて音を発することを特徴とする浴槽装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様によれば、入浴者に継続的かつ、より安定して入浴中の運動を脚部屈伸運動をさせることができる浴槽装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態にかかる浴槽装置を例示する模式的断面図である。
【図2】入浴者がノズルからの噴流を足に受けているときの状態を表す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る浴槽装置の具体例にかかる浴槽装置の動作を表す平面模式図である。
【図4】時間に対するノズルからの吐水される流量と音源部から発せられる誘導音の具体例を例示するグラフ図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る浴槽装置の具体例にかかる浴槽装置の動作を表す平面模式図である。
【図6】時間に対するノズルからの吐水される流量と音源部から発せられる誘導音の具体例を例示するグラフ図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る浴槽装置の具体例にかかる浴槽装置の動作を表す平面模式図である。
【図8】時間に対するノズルからの吐水される流量と音源部から発せられる誘導音の具体例を例示するグラフ図である。
【図9】本具体例にかかる浴槽装置を使用したときの足側面から足裏までの距離(実測値)を例示するグラフ図である。
【図10】本具体例にかかる浴槽装置を使用したときの足側面から足裏までの距離(実測値)を例示するグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、第一の浴槽壁面と、前記第一の浴槽壁面に対向して設けられた第二の浴槽壁面と、を有する浴槽と、前記第二の浴槽壁面に設けられ、前記浴槽に入浴する入浴者の足裏に噴流を吐水する吐水部と、前記吐水部に接続され、前記吐水部から吐水される噴流の水量を調節する吐水駆動部と、前記吐水駆動部を制御する制御部と、前記噴流の状態を入浴者へ伝えるための誘導音を発する音源部と、を備え、前記制御部は、前記吐水駆動部を制御して前記入浴者の脚部を屈曲させる強さの噴流を前記吐水部から間欠的に吐水させ、前記音源部は、前記吐水部からの吐水の状態に応じて音を発することを特徴とする浴槽装置である。
【0012】
この浴槽装置によれば、入浴者は、吐水部より吐水される脚部を屈曲させない強さの噴流(第一の噴流状態)と、脚部を屈曲させる強さの噴流(第二の噴流状態)を足裏で受けることとなる。第一の噴流状態と第二の噴流状態を受けることで、入浴者は、他動的に脚部を屈伸運動させることができる。この時、音源部は、水流による屈伸運動をより快適に誘導するため、噴流の状態に合わせて誘導音を発する。そして、入浴者は、音源部が発する誘導音に無意識に動作を合わせる。この現象は、引込み現象の一種である。誘導音によって動作が誘導されることで、水流による脚部の屈伸運動は、安定して繰り返し行うことが可能となる。
【0013】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記音源部は、少なくとも前記吐水部が前記入浴者の脚部を屈曲させる強さの噴流を吐水させている間は、誘導音を発することを特徴とする浴槽装置である。この浴槽装置によれば、入浴者の脚部が屈曲する、すなわち脚部を屈曲させる強さの噴流(第二の噴流状態)の際に、音源部が誘導音を発する。これにより、入浴者は、脚部の屈曲という比較的タイミングの取りづらい運動を行う際に、誘導音を聞くことで、より安定した屈伸運動を行うことができる。制御部が、吐水部より吐水される第一の噴流状態と第二の噴流状態の切替え、その切替に応じて、音源部より誘導音を発するように制御する。即ち、入浴者は、第一の噴流状態と第二の噴流状態の切替によって起こる屈伸運動に応じて音源より発せされる誘導音を聞くこととなる。それによって、入浴者は音源部より発せされる誘導音の時間間隔に沿って屈伸運動を行う。即ち、上記制御を制御部が行うことで、入浴者が屈伸運動をより安定して繰り返し行うことでき、効果的な運動を入浴者へ提供することが出来るようになる。
【0014】
また、第3の発明は、第1の発明において、前記音源部は、間欠的な吐水の切り替え時において、前記制御部が前記吐水部からの吐水を前記入浴者の脚部を屈曲させる強さの噴流へと切り替える際に、誘導音を発することを特徴とする浴槽装置である。この浴槽装置によれば、制御部の働きによって、吐水部から吐水される噴流が、第一の噴流状態から第二の噴流状態へ移行する。この噴流状態の移行によって、入浴者の脚部は伸展状態から屈曲状態となる。この屈曲状態を生み出す、第一の噴流状態から第二の噴流状態への切替わる際に、誘導音を音源部より発する。そうすることにより、屈曲状態になる際の動作感覚を使用者へ伝えることができ、脚部の屈曲期におけるバラツキを小さくすることで、より安定した屈曲動作を使用者へ提供することとなる。
【0015】
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記吐水部は、前記入浴者の左足裏に噴流を吐水する第一の吐水部と、前記入浴者の右足裏に噴流を吐水する第二の吐水部と、を有し、前記吐水駆動部は、第一の吐水駆動部と第二の吐水駆動部とを有し、第一の吐水駆動部は、前記第一の吐水部に接続され、第二の吐水駆動部は、前記第二の吐水部に接続され、前記制御部は、前記第一及び第二の吐水駆動部を制御して前記入浴者の左右の脚部を屈曲させる強さの噴流を前記第一及び第二の吐水部から吐水させる
ことを特徴とする浴槽装置である。この浴槽装置によれば、浴槽内に座った状態で、左右の脚部を屈曲させるという他動運動を入浴者に行わせることができる。また、脚部の運動のみならず、全身運動への波及効果もある。
【0016】
また、第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記入浴者の左右の脚部を屈曲させる強さの噴流を前記第一及び第二の吐水部から交互に吐水させることを特徴とする浴槽装置である。この浴槽装置によれば、入浴者の左右の脚部を交互に運動させるという、歩行に似た運動を、浴槽内で座った状態にて行える。そのため、入浴者に過度の負担を強いることなく、適切な運動を行わせることができる。
【0017】
また、第6の発明は、第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記音源部を制御し、吐水の開始から一定時間の後、前記音源部からの誘導音の発生を停止することを特徴とする浴槽装置である。この浴槽装置によれば、第一の噴流状態から第二の噴流状態へ移行する移行区間で脚部の屈曲を誘導する誘導音を一定時間、もしくは一定回数のみ音源より発することで、入浴者に水流による脚部の屈伸運動を慣れるまで音によって誘導し、安定した屈伸運動を提供する。そして、一定時間、もしくかは回数繰り返すことで、使用者が水流による脚部動作の動きを学習し、意識することなく安定して繰り返し脚部の屈伸運動を実現出来るようになったとき、音源部から発信させる誘導音を停止し、水流の音を楽しみながら、もしくは、音源部を利用して使用者の好みの音楽を聴きながら、快適に運動を行うことができるようになる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明は適宣省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る浴槽装置を例示する模式断面図である。
【0019】
図1に表したように、本実施形態にかかる浴槽装置1は、浴室ユニット60内に設けられている。浴室ユニット60は、防水パン61によって床が構成されており、壁パネル62によって壁が構成されており、天井パネル(図示せず)によって天井が構成された箱形の水密ユニットである。浴槽装置1は、防水パン61上に配置されている。
【0020】
浴槽装置1には、浴槽2が設けられている。浴槽2の形状は例えば略直方体形状であり、長手方向の一端部の内側面は、入浴者Mの背中m1が接触する背側面(第1の浴槽壁面)2aとなっており、長手方向の他端部の内側面は、入浴者Mが入浴姿勢をとったときにその足裏m2が対向する足側面(第2の浴槽壁面)2bとなっている。つまり、入浴者Mは、背側面2aに背をもたれることができる。また、背側面2aと足側面2bとは、底面2cを挟んで相互に対向している。
【0021】
浴槽2の足側面2bには、入浴者Mの足に噴流を吐水するノズル(吐水部)3が設けられている。ノズル3は、浴槽2の内部に向けて水流(噴流)を噴射するものであり、この噴流の方向は足側面2bから背側面2aに向かう方向である。また、背側浴槽壁面2aの上部に備わるヘッドレストhに音源部9を備えられている。音源部9は、背側浴槽壁面2aにもたれる入浴者Mに、動作を誘導する誘導音を伝える。
【0022】
浴槽2の長手方向の長さ、すなわち、浴槽2における足側面2bと背側面2aとの間の長さは、標準的な体格の入浴者Mが入浴姿勢をとったとき、すなわち、臀部を浴槽2の底面2cに接触させ、背中m1を浴槽2の背側面2aに接触させ、足裏m2を足側面2bに対向させたときに、足裏m2でノズル3を覆うことができる程度の長さである。
【0023】
また、浴槽装置1には、噴流を生成する駆動部として、ポンプ4が設けられている。このポンプ4は、ノズル3に接続されている。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。ポンプ4の吸入口7は浴槽2の内部に連通されている。これにより、ポンプ4は浴槽2内から水を汲み上げ、噴流を生成して吐出する。
【0024】
浴槽装置1には、ポンプ4と音源部9の動作を制御する制御部5がさらに設けられている。この制御部5は、ポンプ4と音源部9に電気的に接続され、ポンプ4と音源部9の動作を制御することによりノズル3からの噴流の状態を制御するとともに、音源部9より発せられる誘導音を制御できる。また、制御部5は、ノズル3からの噴流の状態を、入浴者Mの脚部を屈曲させない噴流状態(第1の噴流状態)と、第1の噴流状態よりも吐水流量が多く入浴者Mの脚部を屈曲させる噴流状態(第2の噴流状態)と、に設定できる。音源部9は、第2の噴流状態となり、水流で入浴者の脚部が屈曲したときに誘導音を発するよう設定できる。
【0025】
音源部9は、入浴者へ向かって誘導音を発する。誘導音は、本実施例においては、吐水部3から吐水される噴流状態(第一の噴流状態と第二の噴流状態)の変化に合わせて発せられる。それによって、脚部の屈伸運動のうち、屈曲期を聴覚からも入浴者へ認識させることで他動運動の再現性を高める。すなわち、水流によって起こる脚部動作を安定させ、より快適な他動運動を入浴者Mへ提供することが可能となる。
【0026】
これまで、制御部4が、吐水部3から吐水される噴流状態を制御するとともに、音源部9から出力される誘導音についても制御することを説明した。しかし、上述したように噴流状態と誘導音をそれぞれ独立して制御するものであっても良い。
【0027】
脚部が屈曲しない噴流状態(第1の噴流状態)と脚部が屈曲する噴流状態(第2の噴流状態)とを間欠的に切り替えながら吐水することで屈伸運動を行う。本実施例において、脚部を屈曲しない第1の噴流状態とは、例えば、0リットル/分であってもよいし、脚部が屈曲しない程度の噴流、例えば、30リットル/分であってもよい。第1の噴流状態を、脚部を屈曲しない程度の噴流とすると、第2の噴流状態までの立上り時間を短くすることができ、ポンプ4の負荷を少なくすることが出来る。
【0028】
第1の噴流状態のとき、ノズル3からの吐水される流量Q1は、例えば約30リットル/分程度である。一方、第2の噴流状態のとき、ノズル3からの吐水される流量Q2は、例えば約130リットル/分程度である。このように、第2の噴流状態のとき、吐水される流量Q2は、マッサージ用として噴出される噴流の流量と比較してかなり多い。そのため、ノズル3から吐水される流量が第2の噴流状態のとき、入浴者Mは背中m1を背側面2aに接触させ、足裏m2をノズル3に対向させたときに、入浴者Mの脚部(足関節、膝関節及び股関節)を同時に屈曲させることが可能である。
【0029】
また、本実施形態にかかる浴槽装置1は、例えばリモコンなどの操作部8を備える。この操作部8は、例えば、浴室ユニット60の壁パネル62に取り付けられており、入浴者Mからの操作により制御部5や音源部9へ制御信号を送信できる。そして、制御部5と音源部9は、操作部8からの制御信号に基づいてポンプ4やスピーカー9の動作を制御できる。つまり、入浴者Mは、操作部8を操作することによりポンプ4やスピーカー9の動作を制御し、ノズル3からの噴流の状態を変更するとともに、噴流の状態を音として入浴者へ伝達することが出来る。
【0030】
図2は、入浴者がノズルからの噴流を足に受けているときの状態を表す模式図である。 なお、図2(a)は、入浴者の足の屈曲期を表しており、図2(b)は、入浴者の足の保持期を表しており、図2(c)は、入浴者の足の伸展期を表している。
また、図3は、本具体例にかかる浴槽装置の動作を表す平面模式図である。
図4は、時間に対するノズルから吐水される流量と音源部から発する誘導音の発現と噴流によって足側浴槽壁面から離間した足裏までの距離をの具体例を例示するグラフ図である。
【0031】
まず、浴槽2内に水(湯)Wを入れた状態で、入浴者Mが浴槽2内に入り、入浴姿勢をとる(図1参照)。すなわち、入浴者Mは、臀部を浴槽2の底面2cに接触させ、背中m1を浴槽2の背側面2aに接触させ、足裏m2を足側面2bに対向させる。そして、入浴者Mは、足裏m2でノズルを覆うように足を配置し、ノズル3から噴出される噴流を足裏で捉える初期姿勢をとる。このとき、入浴者Mはリラックスした状態にあり、足関節、膝関節及び股関節は脱力されているものとする。
【0032】
この状態から、ポンプ4を作動させる。これにより、ポンプ4は、浴槽2内の水を吸入口7から汲み上げて噴流を生成し、ノズル3に対して供給する。そして、ノズル3は、ポンプ4より供給された水流を吐水することとなる。ノズル3の時間に対する噴流状態(メータ/秒)は、図3あるいは図4に表した如くである。
【0033】
ノズル3から吐水される流量Q2は入浴者Mの足裏m2を押圧する。これにより、図2(a)の状態から図2(b)に表したように入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が同時に屈曲し、足は背側面2aに向かって移動する。このとき、ノズル3からの噴流は、入浴者Mの足部を包むように流れ場を生成するため、噴流から足部が外れないような力を足裏m2に与える。これは、噴水の上にピンポン玉をのせたときに、そのピンポン玉が落ちずに噴水の略中心部で留まる現象と同じである。
【0034】
一方、ノズル3から吐水される流量Q1の噴流は、足裏m2を押圧する圧力が低下する。そのため、図2(c)に表した伸展期ように、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が自然に伸び、足は足側面2bに向かって移動する。このとき、入浴者Mが足裏m2でノズル3を覆うように足の位置を意識的に調節することにより、足はノズル3の近傍に戻る。従って、ノズル3が吐水流量Q1の噴流を交互に噴射することで、入浴者Mの足が浴槽2の長手方向に沿って往復運動することとなる。
【0035】
この運動は外部から与えられる他力的な他動運動であり、入浴者の意志によって行われる自動運動ではないため、入浴者Mの意志力に依存する部分が少なく、長続きしやすい。また、この運動は入浴姿勢のまま行うことができるため、入浴者は、リラックスした状態で運動することができる。この結果、運動を継続しやすい。なお、「他動運動」とは、人が自分の筋力ではなく外力を利用して行う運動をいい、本願明細書においては、上述の如く姿勢を崩された場合の補償動作も含むものとする。
【0036】
本実施形態にかかる第一具体例に関して図3を用いて説明する。
図3に例示する様に、ノズルより吐水されるい噴流状態が第二噴流状態において、音源部より誘導音が発せられる。そして、図4は、図3に例示したノズルから吐水される噴流の流量と音源部から発せられる誘導音が、足側壁面と足裏間距離に働きかける様子をタイムチャートで図示したものである。
【0037】
図3と図4に示されるように、t1、t3においてノズル3から吐水される流量が第一の噴流状態Q1から第二の噴流状態Q2へ切替わって水量が増える。このノズル3から吐水される流量が、第二の噴流状態Q2となる時、音源部9より入浴者Mへ向けて誘導音が発せられることとなる。一方、第二の噴流状態Q2から第一の噴流状態Q1へ吐水される流量が、減少するt2、t3では、音源部9より入浴者Mへ向けて誘導音は発せられない、もしくは第二の噴流状態Q2において発せられる音よりも小さい音が発せられる。
【0038】
図4に例示されるように、時間t1では、第一の噴流状態Q1から第二の噴流状態Q2へ吐水部3から吐水される流量が変更し、音源部9から発せられる誘導音がV2で出力されることが示されている。さらに、時間t1からt2に移る過程で、第二の噴流状態Q2と誘導音V2を入浴者Mが受けることで、浴槽の足側壁面から足裏までの距離がL1からL2へと変化することとなる。即ち、入浴者Mの脚部が、図2(a)のように脚部を伸展させている状態から図2(b)のように脚部を屈曲させている状態となることを説明している。
【0039】
次に、時間t2では、第二噴流状態Q2から第一の噴流状態Q1へと吐水部3から吐水される水量が減少し、音源部9からは、誘導音が出力されない、もしくは第二の噴流状態Q2時よりも小さい音であることが示されている。さらに時間t2からt3に移る過程で、入浴者Mは、浴槽の足側壁面から足裏までの距離がL2からL1へと変化することとなる。即ち、入浴者Mの脚部が、図2(b)のように脚部を屈曲させている状態から図2(c)のように脚部を伸展させている状態となることを説明している。
【0040】
上述したように、ノズル3は、足を屈曲させるような噴流を、入浴者Mの足裏に向けて吐水する。そして入浴者Mの脚部は、浴槽の長手方向において屈伸運動を実施する。その屈伸運動を15回繰り返した際、足側面2bから離間した入浴者Mの足裏までの距離を計測し、その変化の範囲を示したものが図9である。この図9において、屈伸運動中の屈曲期における位相X1におけるバラツキ範囲a1が、伸展期における位相X1で示すバラツキ範囲a2に比べて広がりを持っていることが観測された。即ち、入浴者Mは、ノズル3より足を屈曲させる噴流を足裏で受ける屈曲期において、試行毎の軌道が異なりばらつくことを意味している。
【0041】
そこで、図3、4に表示したように、噴流によって入浴者Mの脚部が、屈曲するときに、音源部9より、屈曲動作を入浴者Mへ伝えて動作を誘導する誘導音が発せられるようにした。この音源部9より発せられる誘導音によって屈曲運動を使用者へ認識させる。そして、動作への引込みによって屈伸運動中の屈曲期位相X1で示すバラツキ範囲a3を伸展期位相X2で示すバラツキ範囲a4と同等まで小さく抑えることが出来ることを示している(図10参照)。すなわち、水流によって起こる脚部動作を安定させ、より快適な他動運動を入浴者Mへ提供することが可能となる。
【0042】
本実施形態にかかる第一具体例の変形例に関して図5を用いて説明する。
図5に例示する様に、ノズルより吐水されるい噴流状態が第二噴流状態において、音源部より誘導音が発せられる。そして、図5は、図6に例示したノズルから吐水される噴流の流量と音源部から発せられる誘導音が、足側壁面と足裏間距離に働きかける様子をタイムチャートで図示したものである。
【0043】
図5と図6に示されるように、t1、t3においてノズル3から吐水される流量が第一の噴流状態Q1から第二の噴流状態Q2へ間欠的に切り替わって水量が増える。このノズル3から吐水される流量が、第二の噴流状態Q2となる時、すなわち、制御部4によって間欠的に制御された吐水部が、脚部を屈曲する強さの噴流(第二の噴流状態)へと切り替わる際に、音源部9より入浴者Mへ向けて誘導音が発せられる。本実施例において、具体的には、第一の噴流状態Q1から第二の噴流状態Q2の移り変わりに応じて、音源部9より入浴者Mへ向けて誘導音が発せられることとなる。一方、第二の噴流状態Q2から第一の噴流状態Q1へ吐水される流量が、減少するt2、t3では、音源部9より入浴者Mへ向けて誘導音は発せられない、もしくは第二の噴流状態Q2時よりも小さい音である。
【0044】
図5に例示されるように、時間t1では、第一の噴流状態Q1から第二の噴流状態Q2へ吐水部3から吐水される流量が変更し、音源部9から発せられる誘導音は、吐水部3から噴射される噴流に応じて、V2で出力されることを示している。さらに、時間t1からt2に移る過程で、第二の噴流状態Q2と噴流の変化に応じて出力される誘導音V2を入浴者Mが受けることで、浴槽の足側壁面から足裏までの距離がL1からL2へと変化することとなる。即ち、入浴者Mの脚部が、図2(a)のように脚部を伸展させている状態から図2(b)のように脚部を屈曲させている状態となることを説明している。
【0045】
次に、時間t2では、第二噴流状態Q2から第一の噴流状態Q1へと吐水部3から吐水される水量が減少し、音源部9からは、誘導音が出力されないこと、もしくは第二の噴流状態Q2時よりも小さい音であることが示されている。さらに時間t2からt3に移る過程で、入浴者Mは、浴槽の足側壁面から足裏までの距離がL2からL1へと変化することとなる。即ち、入浴者Mの脚部が、図2(b)のように脚部を屈曲させている状態から図2(c)のように脚部を伸展させている状態となることを説明している。
【0046】
上述するように、ノズル3から吐水される噴流状態の変化に応じて、音源部9より誘導音が発せられる。これにより、水流による脚部の屈曲時を入浴者Mが、的確に認識することとなる。また、その際、音源部9より発せられる誘導音は、パルス信号の入力によって出力されるため、入浴者Mが音質としても明確に聞き取れる。即ち、入浴者Mは、音源部9からの誘導音によって、水流による快適な脚部の屈伸運動を実現することが可能となる。
【0047】
本実施形態にかかる第一具体例の変形例に関して図7を用いて説明する。
図7に例示する様に、左右のノズルより吐水されるい噴流状態が第二噴流状態において、音源部より誘導音が発せられる。そして、図7は、図8に例示した左右のノズルから吐水される噴流の流量と音源部から発せられる誘導音が、足側壁面と左右の足裏間距離に働きかける様子をタイムチャートで図示したものである。
【0048】
図5と図6に示されるように、時間t1、t3において左足裏に備わるノズル3Lから吐水される流量が第一の噴流状態Q1から第二の噴流状態Q2へ切替わって水量が増える。一方、右足裏に備わるノズル3Rから吐水される流量は、第二の噴流状態Q2から第一の噴流状態Q1へ切替わって水量が減少する。また、時間t2、t4においては、左足裏に備わるノズル3Lから吐水される噴流が第二の噴流状態Q2から第一の噴流状態Q1へ切替わって水量げ減少する。一方、右足裏に備わるノズル3Rから吐水される流量は、第一の噴流状態Q1から第二の噴流状態Q2へ切替わって水量が増加する。
【0049】
そして、ノズル3L、3Rから吐水される噴流状態の変化に応じて、音源部9より誘導音が、発せられる。音源部9からの誘導音の出力は、左右足裏に配置されたノズル3L、3Rより吐水される噴流の状態が、第一の噴流状態Q1から第二の噴流状態Q2へ切替わり吐水量が増加することに応じて出力される。一方、ノズル3L、3Rより吐水される噴流状態が、第二の噴流状態Q2から第一の噴流状態Q1へ切替わり、吐水される水量が減少する場合、音源部9より誘導音は出力されない。
【0050】
上述したように、ノズル3L、3Rより吐水される噴流状態に応じて、入浴者Mの左右脚部は、屈伸運動を繰り返し行う。その際、第二の噴流状態へ吐水の流量が増加え、入浴者Mの脚部が屈曲となるのに応じて、音源部9より脚部の屈曲を誘導する誘導音が出力される。この誘導音は、左右脚部の屈曲期をより明確に知らせるために入浴者Mへ向けて発せられる。
【0051】
その際、左右脚での屈曲状態を、使用者Mへ伝えるために、音源部9を入浴者Mの左右耳の近傍に備えることで、より明確に誘導音を入浴者Mへ認識さえることが可能となる。さらに、音源部9より出力される誘導音の音質、例えば、周波数域、db域、音量などを変えることでも左右脚部の屈曲状態をより明確に入浴者Mへ伝えることが可能となり、より快適な水流による他動的屈伸運動を実現することが可能となる。
【0052】
ノズル3L、3Rは、両足を交互に屈曲させるような噴流を、間欠的に入浴者Mの足裏に向けて吐水する。すると入浴者Mの両脚部は、浴槽の長手方向において交互に屈伸運動を実施することとなる。そして、音源部9より、屈伸運動を誘導する誘導音を出力することで安定した屈伸運動を繰り返し入浴者Mへ提供できる。この、両脚部における交互屈伸運動が繰り返し安定して行われることと、誘導音によって、入浴者Mは、運動を持続的行うことができるともに、歩行のような運動感覚を得ることが出来る。
【0053】
誘導音を使用する際の具体例を以下に説明する。ノズル3は、間欠的に足を屈曲させるような噴流を入浴者Mの足裏に吐水し、脚部において屈伸運動を起こしている。その際、誘導音を入浴者Mが聞きながら屈伸運動を行うと屈伸運動のバラツキが少なくなることを図10で説明した。
【0054】
入浴者Mは、屈伸運動をある程度長い時間や回数行うと学習し、運動の振る舞いが継続される。この様になった場合、誘導音が無くとも適切な運動が出来る。なので、誘導音は、間欠的な吐水が開始されてから一定時間、もしくは規定回数を超えた後は、消音しても良い。消音は、使用者が自らの意志で判断して、音源部9から出力される誘導音を停止させればよく、また、プログラムによって制御部3が音源部9を操作して一定時間もしくは指定回数の吐水の後に、自動的に消音させても良い。学習後に消音することで、入浴者Mは、間欠的吐水によって脚部を安定した屈伸運動を行いながら、水流の音を楽しむ、もしくは、音源部9を利用して使用者の好みの音楽を聴くことができる。これにより入浴者Mは、より快適に運動を行うことが出来るようになる。
【0055】
また、ヒトは、パターンジェネレータと呼ばれる、リズム発生器を備えると言われている。そして、そのリズム発生器の働きによって2足歩行などが調節されていると考えられている。例えば、除脳猫を用いた実験では、足裏の受容器を一定リズムでタッピングすると四肢を動かし歩行を振舞うとの結果が知られている。即ち、感覚器(固有受容器)へ一定リズムの刺激を印加することで、運動を調節することが出来ることを示唆している。本発明においても吐水のリズムに応じて、誘導音を発することで、上述した効果を含んで両足の屈伸運動などの安定、やり易さ向上を狙っている。
【0056】
なお、背側浴槽壁面2bと入浴者Mの足裏間距離と吐水の流量には相関関係があり、吐水量が多くなると脚部移動量が増える。足部の異動距離が第二の浴槽壁面より離れるのは80リットル/分程度からであり、80リットル/分程度以上の吐水量になると、足部の移動が開始され屈伸運動を行える。より効果的な運動を入浴者が行うには、吐水量を110リットル/分とするとよい。
【0057】
また、足裏と足側浴槽壁面との距離は、140mm程度を中に噴流の流量が調節させる。さらにより効果的な運動を得ようとすると、入浴者は吐水量、180リットル/分を選択し、さらに高い効果的な運動を得ようとすると、200リットル/分となるように水量を調節してもよい。その際の脚部の移動距離は250mm〜300mm程度となっていることが実験より分かっている。
【0058】
本具体例においては、浴槽2内に水(湯)Wを溜めた状態で、入浴者Mが浴槽2内に入り、入浴姿勢をとる。そして、制御部5の操作ボタンを操作することにより、浴槽装置1による運動の実行時間及び屈伸運動の周期を任意に設定する。なお、制御部5の中に予め複数の種類の運動モードが設定されており、入浴者が好みの運動モードを選択するようにしてもよい。
【0059】
例えば、入浴者が、運動負荷の高いモードを選択すると、タイマーが比較的短い周期で吐水する状態、吐水しない状態へと水量を切替える制御を、制御部5から吐水駆動部4と音源部9に対して出力する。又は、運動時間及び運動周期はタイマーが自動的に設定してもよい。例えば、湯の設定温度が39℃であるとき、タイマーは、1セットの運動時間を5分間に設定する。
このように、本具体例によれば、運動の負荷を入浴者の好みに応じて任意に設定することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の実施形態と同様である。
【0060】
吐水駆動部4は、羽根車をモータによって回転させることで湯水を吸入し、吐水部3より吐水する噴流を作り出す回転式のポンプなどが用いられる。また、吐水駆動部4の制御には、シーケンサー、タイマー、AD/DA変換機と計算機などを用いてポンプの駆動状態を制御する。そして、音源部9は、音を発するスピーカーなどが用いられる。スピーカー以外に、トランスデューサーなどをもちいて、浴槽、浴室壁面などから音を出力する技術を用いることもある。
【0061】
また、トランスデューサを用いなくとも、吐水部3へ通過する噴流によって振動する振動子を設け、その振動を浴槽外に伝えることで音を鳴らす機構を設けても良い。このような構成とすると、電気的制御の必要のない音源部9を設けることが可能となる。即ち、電気的制御が無くとも吐水部3から吐水される噴流状態に応じて音源部9より誘導音を出力することができる。
【0062】
また、吐水駆動部4によって吐水部3へ噴流を送るとき、ブローの原理で左右の吐水部3から空気を引込む事が可能である。そして、空気を吸込み口に、空気が引込まれることで筐体を揺らし音を出す笛をつけることで、電気的制御の必要のない音源部9を設けることが可能となる。即ち、電気的制御が無くとも吐水部3から吐水される噴流状態に応じて音源部9より誘導音を出力することができる。
【0063】
尚、回転式ポンプを想定して説明したが、本実施例は上記内容に限られるものではない。例えば、プランジャー、もしくはピストンなど容積型の電磁式往復ポンプを用いて吐水部3から噴流を作り出しても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 浴槽装置、2 浴槽、2a 足側面、2b 背側面、2c底面、3 3L 3R ノズル、4 ポンプ、5 制御部、 7 吸入口、 9 音源部、 60 浴室ユニット、61 防水パン、 62 壁パネル、 M 入浴者、m1 背中、m2 足裏、m7 足部、 W 水 Y 吐水方向、 a1 a2 バラツキの程度、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の浴槽壁面と、前記第一の浴槽壁面に対向して設けられた第二の浴槽壁面と、を有する浴槽と、
前記第二の浴槽壁面に設けられ、前記浴槽に入浴する入浴者の足裏に噴流を吐水する吐水部と、
前記吐水部に接続され、前記吐水部から吐水される噴流の水量を調節する吐水駆動部と、
前記吐水駆動部を制御する制御部と、
前記噴流の状態を入浴者へ伝えるための誘導音を発する音源部と、
を備え、
前記制御部は、前記吐水駆動部を制御して前記入浴者の脚部を屈曲させる強さの噴流を前記吐水部から間欠的に吐水させ、
前記音源部は、前記吐水部からの吐水の状態に応じて音を発する
ことを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
前記音源部は、少なくとも前記吐水部が前記入浴者の脚部を屈曲させる強さの噴流を吐水させている間は、誘導音を発する
ことを特徴とする請求項1に記載の浴槽装置。
【請求項3】
前記音源部は、間欠的な吐水の切り替え時において、前記制御部が前記吐水部からの吐水を前記入浴者の脚部を屈曲させる強さの噴流へと切り替える際に、誘導音を発する
ことを特徴とする請求項1に記載の浴槽装置。
【請求項4】
前記吐水部は、前記入浴者の左足裏に噴流を吐水する第一の吐水部と、前記入浴者の右足裏に噴流を吐水する第二の吐水部と、を有し、
前記吐水駆動部は、第一の吐水駆動部と第二の吐水駆動部とを有し、
第一の吐水駆動部は、前記第一の吐水部に接続され、
第二の吐水駆動部は、前記第二の吐水部に接続され、
前記制御部は、
前記第一及び第二の吐水駆動部を制御して前記入浴者の左右の脚部を屈曲させる強さの噴流を前記第一及び第二の吐水部から吐水させる
ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の浴槽装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記入浴者の左右の脚部を屈曲させる強さの噴流を前記第一及び第二の吐水部から交互に吐水させることを特徴とする請求項1乃至4に記載の浴槽装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記音源部を制御し、
吐水の開始から一定時間の後、前記音源部からの誘導音の発生を停止する
ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の浴槽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−207487(P2010−207487A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58809(P2009−58809)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】