説明

浴槽装置

【課題】温浴者が服を着たまま温浴ができる上に足部のマッサージ効果が得られる浴槽装置を提供する。
【解決手段】入浴者が着座する座部22と、座部22に着座した入浴者の身体を温めるヒータ4と、座部22に着座した入浴者の足部に向けて湯水を噴出するシャワー装置5と、を備える。ポンプ54の駆動によりノズル56から湯水を前方に向けて噴出する。噴出した湯水が温浴者の足部(ふくらはぎ)に衝突して、温浴者は足部のマッサージ効果を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、岩盤浴が行われており、この岩盤浴は、岩盤浴者が服を着たまま、岩盤の上に寝て温浴を行うものである。(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−18076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の岩盤浴にあっては、岩盤浴者は服を着たまま温浴ができるものの、足部のマッサージ効果は得られないものであった。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、温浴者が服を着たまま温浴ができる上に足部のマッサージ効果が得られる浴槽装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成とする。
【0007】
入浴者が着座する座部と、前記座部に着座した前記入浴者の身体を温めるヒータと、前記座部に着座した前記入浴者の足部に向けて湯水を噴出するシャワー装置と、を備えて成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の浴槽装置は、温浴者が服を着たまま温浴ができる上に足部のマッサージ効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態の浴槽装置を示し、(a)は温浴者を含む概略側断面図であり、(b)は平面図であり、(c)は前方からみた正面図である。
【図2】同上の浴槽装置において、乾式の温浴を行う場合を説明する側断面図である。
【図3】同上において、足浴を行う場合を説明する側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0011】
浴槽装置は、本実施形態では図1に示すように、上下を軸方向とする、平面視において略楕円筒状をした覆い部1を備えている。この覆い部1は、本実施形態では図1(a)(c)に示すように、上端縁が平面視における長径方向(前後方向とする)に傾斜しているが、上端縁が水平になっていてもよく、また、覆い部1はなくてもよい。覆い部1の下端の開口は底面部で閉塞されて、覆い部1は上方に開口するものである。この覆い部1は、温浴者(入浴者)が浴湯を張らない乾式の温浴を行う際に、温浴者の全身を覆うためのものであり、内部に座部22が形成されるための台座部20が設けられる。
【0012】
台座部20は、図1(b)に示すように、覆い部1の前後方向の上端縁が高い方(後方Bとする)の端部から上端縁が低い方(前方Fとする)の端部の手前(前後長さの前端から1/3あたり)にかけて、底面部から20〜40cm程度の高さを有するものである。そして、この台座部20の上面が座部22となり、前側面が、前方を向いて座部22に着座した温浴者のふくらはぎが位置するふくらはぎ部23となる。また、覆い部1の後端部の台座部20よりも上側に位置する内面が、着座した温浴者の背中が位置する背もたれ部21となり、底面部の前部の台座部20が形成されていない部分の上面が、着座した温浴者の足裏が位置する足裏部24となる。
【0013】
また、覆い部1の台座部20よりも前側の部分と、ふくらはぎ部23とで囲まれた空間は、図3に示すように、浴湯が張られる湯溜まり部となり、且つ、着座した温浴者の足部(ふくらはぎ以下の部分)が収容される足浴部3となる。足浴部3は、覆い部1の上端縁が最も低くなった前端部がオーバーフロー部31となり、オーバーフロー部31は座部22よりも下方に位置している。また、足浴部3に溜まっている湯を排出する排出口(不図示)が形成され、排出口には開閉自在な栓(不図示)が設けられる。
【0014】
本実施形態の浴槽装置には、ヒータ4が設けられるもので、ヒータ4は、PTCヒータをはじめ様々なものが利用可能で、特に限定されない。このヒータ4は、背もたれ部21内に設けられる背もたれ部ヒータ41と、座部22に設けられる座部ヒータ42と、ふくらはぎ部23内に設けられるふくらはぎ部ヒータ43と、足裏部24内に設けられる足裏部ヒータ44とからなり、ヒータ4は表面には露出しない。なお、覆い部1がない場合には背もたれ部21および背もたれ部ヒータ41はない。これらヒータ4は、台座部20内に備える電源部(不図示)に電気的に接続され、電源部から供給される電力で発熱を行い、電源部は商用電源等を電力供給源としている。
【0015】
また本実施形態の浴槽装置には、シャワー装置5が設けられる。シャワー装置5は、本実施形態では、給水管51および給湯管52と、湯水混合装置53と、ポンプ54と、切替弁55と、ノズル56と、これらを接続する配管と、を備えている。給水管51は上流側が水道等に接続され、給湯管52は上流側が給湯器等に接続され、それぞれ途中に開閉弁(不図示)や流量調整弁(不図示)が適宜設けられる。湯水混合装置53は、給水管51からの水と給湯管52からの湯を混合して湯水を作るもので、マイクロコンピュータからなる制御部(不図示)を備え、該制御部が前記開閉弁や前記流量調整弁を制御して、所望の温度の湯を所望の量作成する。
【0016】
ノズル56は、少なくともふくらはぎ部23に設けられるふくらはぎ部ノズル562を備えるが、本実施形態ではさらに背もたれ部21に設けられる背もたれ部ノズル561も備えており、ポンプ54の駆動によりノズル56から湯水を前方に向けて噴出する。また、切替弁55により、背もたれ部ノズル561とふくらはぎ部ノズル562の任意の一方または両方から噴出させることができ、ポンプ54と切替弁55はマイクロコンピュータからなる制御部(不図示)により制御される。この制御部は、湯水混合装置53の制御部と同じであってもよい。また、配管の途中にフィルター等を備えてもよい。
【0017】
上記のような浴槽装置にあっては、図2に示すように、温浴者が服を着たまま座部22に着座した状態で、任意の一つまたは複数のヒータ4を適宜使用して、乾式の温浴を行うことができる。
【0018】
また、温浴者が服を着たまま裸足になって座部22に着座し、ふくらはぎ部ノズル562から湯水を噴出させる足シャワーを行う。これにより、噴出した湯水が温浴者の足部(ふくらはぎ)に衝突して、温浴者は足部のマッサージ効果を得ることができる。
【0019】
また、ヒータ4での温浴と足シャワーを行うことで、温浴者は服を着たまま温浴ができる上に足部のマッサージ効果が得られる。
【0020】
また、図3に示すように、ふくらはぎ部ノズル562から湯水を噴出させて足浴部3に湯を張り、足浴を行ってもよく、これにより、温浴に加えて足浴も行える。
【0021】
また本実施形態では覆い部1に覆われるため、温浴者は身体が露出せずにすみ、落ち着いて温浴を行うことができるものである。
【0022】
また、図1に示すように、覆い部1を平面視略楕円筒状に形成することで、温浴者が繭やゆりかごを想起して、優しく包まれる感じや、リラックス感が得られる、という視覚的な効果も得られるものである。
【符号の説明】
【0023】
1 覆い部
20 台座部
21 背もたれ部
22 座部
23 ふくらはぎ部
24 足裏部
3 足浴部
4 ヒータ
41 背もたれ部ヒータ
42 座部ヒータ
43 ふくらはぎ部ヒータ
44 足裏部ヒータ
5 シャワー装置
51 給水管
52 給湯管
53 湯水混合装置
54 ポンプ
55 切替弁
56 ノズル
561 背もたれ部ノズル
562 ふくらはぎ部ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入浴者が着座する座部と、前記座部に着座した前記入浴者の身体を温めるヒータと、前記座部に着座した前記入浴者の足部に向けて湯水を噴出するシャワー装置と、を備えて成ることを特徴とする浴槽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−42946(P2013−42946A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182887(P2011−182887)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】