説明

浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置

【課題】フィルターに付着堆積する塵埃を煩わしさのない状態で取り除くことが可能な浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置を提供する。
【解決手段】湯水供給路41を通して供給される湯水を加熱してミストノズルに供給する加熱手段42と、ミストノズルに供給される湯水を濾過するフィルター43とを備えて構成され、ミスト用温水供給路5から分岐する状態で排水路44が設けられ、フィルター43がミスト用温水供給路5における排水路44の分岐箇所よりもミストノズル側に位置する状態で設けられ、排水路44からの湯水排出を停止して、加熱手段42にて加熱された湯水をミストノズルに供給する湯水供給状態と、加熱手段42からのミスト用温水供給路5への温水供給を停止して、そのミスト用温水供給路5における排水路44の分岐箇所よりもミストノズルの存在側に位置する先端側供給路部分内の湯水を排水路44から排出する排出状態とに切り換え自在な流路切換手段Kが備えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯水をミスト対象空間内にミスト状態で噴出するミストノズルと、湯水供給路を通して供給される湯水を加熱してミスト用温水供給路を通して前記ミストノズルに供給する加熱手段と、前記ミストノズルに供給される湯水を濾過するフィルターとを備えて構成されている浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる浴用ミスト装置は、例えば浴室等のミスト対象空間の天井等に設置される前記ミストノズルから加熱された湯水をミスト状に噴出させることで、ミスト対象空間内でミストサウナ浴を行えるようにしたものであるが、このような浴用ミスト装置において、従来では、前記湯水供給路における湯水入口部分に前記フィルターが備えられる構成となっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−6933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記浴用ミスト装置は、前記ミストノズルに供給される湯水に含まれる塵埃がミストノズルに形成された小径の湯水噴出孔を塞いでその湯水噴出孔が早期に目詰りしないように前記フィルターを設けて濾過するようにしたものであるが、上記従来構成では、前記温水供給ユニットにおける前記湯水供給路に前記フィルターが備えられるので、所定の使用期間が経過する毎に定期的にフィルターを取り外して塵埃を取り除く等のメンテナンス作業が必要である。すなわち、浴用ミスト装置の使用に伴って湯水がフィルターによって濾過されるので、湯水に含まれる塵埃がフィルターにおける湯水通流方向上手側に堆積することになる。そして、例えば使用時間が設定時間に達する毎に、湯水供給路に備えられているフィルターを手作業により取り外してフィルターに付着堆積する塵埃を取り除く必要があり、使用者にとって煩わしいものとなる不利があった。
【0005】
本発明の目的は、フィルターに付着堆積する塵埃を煩わしさのない状態で取り除くことが可能な浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置は、湯水をミスト対象空間内にミスト状態で噴出するミストノズルと、湯水供給路を通して供給される湯水を加熱してミスト用温水供給路を通して前記ミストノズルに供給する加熱手段と、前記ミストノズルに供給される湯水を濾過するフィルターとを備えて構成されているものであって、
その第1特徴構成は、前記ミスト用温水供給路から分岐する状態で湯水を排出自在な排水路が設けられ、
前記フィルターが、前記ミスト用温水供給路における前記排水路の分岐箇所よりも前記ミストノズル側に位置する状態で設けられ、
前記排水路からの湯水排出を停止して、前記加熱手段にて加熱された湯水を前記ミスト用温水供給路を通して前記ミストノズルに供給する湯水供給状態と、前記加熱手段からの前記ミスト用温水供給路への温水供給を停止して、そのミスト用温水供給路における前記排水路の分岐箇所よりも前記ミストノズルの存在側に位置する先端側供給路部分内の湯水を前記排水路から排出する排出状態とに切り換え自在な流路切換手段が備えられている点にある。
【0007】
第1特徴構成によれば、前記流路切換手段が前記湯水供給状態に切り換えられると、湯水供給路を通して供給される湯水が前記加熱手段にて加熱されて前記ミスト用温水供給路を通して前記ミストノズルに供給され、ミストノズルから湯水がミスト対象空間内にミスト状態で噴出される。そのとき、前記ミスト用温水供給路における前記排水路の分岐箇所よりも前記ミストノズル側に位置する状態で設けられたフィルターを通過することにより、ミストノズルに供給される湯水がフィルターによって濾過され、塵埃の少ない湯水がミストノズルから噴出してスト対象空間内でミストサウナ浴を行うことができる。
【0008】
そして、前記ミスト用温水供給路における排水路の分岐箇所よりもミストノズルの存在側に位置する先端側供給路部分に湯水が残っているときに、前記流路切換手段が前記排出状態に切り換えられると、加熱手段からの前記ミスト用温水供給路への温水供給を停止して、ミスト用温水供給路における排水路の分岐箇所よりもミストノズルの存在側に位置する先端側供給路部分内の湯水が排水路から排出される。このとき、ミストノズルの存在側に位置する先端側供給路部分内の湯水は、前記湯水供給状態における湯水通流方向とは逆方向にフィルターを通過して排水路から排出される。
【0009】
その結果、前記湯水供給状態において湯水が通流するときにフィルターの通流方向上手側に付着堆積した塵埃が、前記先端側供給路部分内の湯水が逆方向に通流するときに除去されて湯水と共に排水される。このように前記流路切換手段を排水状態に切り換えるだけでフィルターに付着堆積した塵埃を除去することができる。
【0010】
従って、フィルターを取り外して清掃する等の煩わしい作業は不要となって、フィルターに付着堆積する塵埃を煩わしさのない状態で取り除くことが可能な浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置を提供できるに至った。
【0011】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記流路切換手段の作動を制御する切換制御手段と、この切換制御手段に運転状態の切り換えを指令する指令手段とが備えられ、
前記流路切換手段が、
前記湯水供給路の途中箇所又は前記ミスト用温水供給路における前記排水路の分岐箇所よりも前記加熱手段側の途中箇所に設置されるミスト用通路断続弁と、前記排水路に設置される排水用通路断続弁とを備えて構成され、
前記切換制御手段が、
前記指令手段にてミストサウナ運転が指令されると、前記ミスト用通路断続弁を開弁し且つ前記排水用通路断続弁を閉弁する前記湯水供給状態に切り換えてその状態を維持する温水供給処理を実行し、
前記指令手段にて前記ミストサウナ運転の停止が指令されると、前記ミスト用通路断続弁を閉弁し且つ前記排水用通路断続弁を開弁する前記排水状態に切り換える排水処理を実行するように構成されている点にある。
【0012】
第2特徴構成によれば、前記指令手段にてミストサウナ運転が指令されると、前記切換制御手段が、前記ミスト用通路断続弁を開弁し且つ前記排水用通路断続弁を閉弁する前記湯水供給状態に切り換えてその状態を維持する温水供給処理を実行する。この温水供給処理を実行することで、加熱手段にて加熱された湯水がミストノズルに供給されて、ミストノズルから噴出してミスト対象空間内でミストサウナ浴を行うことができる。
【0013】
そして、前記指令手段にて前記ミストサウナ運転の停止が指令されると、前記切換制御手段が、前記ミスト用通路断続弁を閉弁し且つ前記排水用通路断続弁を開弁する前記排水状態に切り換える排水処理を実行する。つまり、前記ミスト用通路断続弁を閉弁することによって加熱手段からの前記ミスト用温水供給路への温水供給を停止され、且つ、前記排水用通路断続弁を開弁することで、前記ミスト用温水供給路における排水路の分岐箇所よりもミストノズルの存在側に位置する先端側供給路部分に残っている湯水が、排水路を通過した排出され、そのときフィルターの通流方向上手側に付着堆積した塵埃が除去されて湯水と共に排水される。
【0014】
従って、第2特徴構成によれば、指令手段にてミストサウナ運転の停止を指令するだけの簡単な操作で、ミスト用温水供給路における前記先端側供給路部分に残っている湯水を利用してフィルターの塵埃の除去をミストサウナ運転が行われる毎に定期的に行うことが可能となる。
【0015】
本発明の第3特徴構成は、湯水をミスト対象空間内にミスト状態で噴出するミストノズルと、湯水供給路を通して供給される湯水を加熱してミスト用温水供給路を通して前記ミストノズルに供給する加熱手段と、前記ミストノズルに供給される湯水を濾過するフィルターとを備えて構成されている浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置であって、
前記ミスト用温水供給路から分岐する状態で湯水を排出自在な排水路が設けられ、
前記ミスト用温水供給路における前記排水路の分岐箇所よりも流路上手側部分と前記フィルターの設置箇所よりも流路下手側部分とを接続する迂回路が設けられ、
前記排水路からの湯水排出を停止しかつ前記迂回路を通した湯水流動を停止して、前記加熱手段にて加熱された湯水を前記ミスト用温水供給路を通して前記ミストノズルに供給する湯水供給状態と、前記加熱手段から前記ミスト用温水供給路の始端部に供給される湯水が前記フィルター及び前記排水路に流動するのを停止し、且つ、前記ミスト用温水供給路における前記フィルターの設置箇所よりも流路下手側部分の湯水が前記ミストノズル側に流動するのを停止して、前記加熱手段から前記ミスト用温水供給路の始端部に供給される湯水を前記迂回路を通して前記ミスト用温水供給路に導いて、前記フィルターを通流させた後に前記排水路を通して排出する逆流洗浄状態とに切り換え自在な流路切換手段が備えられている点にある。
【0016】
第3特徴構成によれば、前記流路切換手段が、前記湯水供給状態に切り換えられると、前記排水路からの湯水排出を停止しかつ前記迂回路を通した湯水流動を停止して、前記加熱手段にて加熱された湯水が前記ミスト用温水供給路を通して前記ミストノズルに供給され、そのとき、前記ミスト用温水供給路における前記排水路の分岐箇所よりも前記ミストノズル側に位置する状態で設けられたフィルターを通過することにより、ミストノズルに供給される湯水がフィルターによって濾過され、塵埃の少ない湯水がミストノズルから噴出してスト対象空間内でミストサウナ浴を行うことができる。
【0017】
そして、前記流路切換手段が前記逆流洗浄状態に切り換えられると、前記加熱手段から前記ミスト用温水供給路の始端部に供給される湯水が前記フィルター及び前記排水路に流動するのを停止し、且つ、前記ミスト用温水供給路における前記フィルターの設置箇所よりも流路下手側部分の湯水が前記ミストノズル側に流動するのを停止して、前記加熱手段から前記ミスト用温水供給路の始端部に供給される湯水を前記迂回路を通して前記ミスト用温水供給路に導いて、前記フィルターを通流させた後に前記排水路を通して排出するのである。
【0018】
つまり、例えば、水道水による供給圧等により前記湯水供給路を通して供給される湯水が、前記加熱手段、前記迂回路、前記フィルター及び前記排水路を順次通過して排水されることになり、そのとき、湯水は前記湯水供給状態における湯水通流方向とは逆方向にフィルターを通過して排水路から排出される。その結果、前記湯水供給状態において湯水が通流するときにフィルターの通流方向上手側に付着堆積した塵埃が、湯水供給路を通して供給される湯水と共に排水される。このように前記流路切換手段を逆流洗浄状態に切り換えるだけでフィルターに付着堆積した塵埃を除去することができる。
【0019】
従って、フィルターを取り外して清掃する等の煩わしい作業は不要となって、フィルターに付着堆積する塵埃を煩わしさのない状態で取り除くことが可能な浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置を提供できるに至った。
【0020】
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成に加えて、前記流路切換手段の作動を制御する切換制御手段と、この切換制御手段に運転状態の切り換えを指令する指令手段とが備えられ、
前記流路切換手段が、
前記湯水供給路を断続自在な湯水供給路断続弁と、前記ミスト用温水供給路における前記排水路の分岐箇所よりも前記加熱手段側の箇所に設置される堰止用断続弁と、前記排水路を断続自在な排水用通路断続弁と、前記迂回路を断続自在な迂回路断続弁とを備えて構成され、
前記切換制御手段が、
前記指令手段にてミストサウナ運転が指令されると、前記湯水供給路断続弁及び前記堰止用断続弁を開弁し且つ前記排水用通路断続弁及び前記迂回路断続弁を閉弁する前記温水供給状態に切り換えてその状態を維持する温水供給処理を実行し、
前記指令手段にて洗浄運転が指令されると、前記湯水供給路断続弁、前記迂回路断続弁及び前記排水用通路断続弁を開弁し且つ前記堰止用断続弁を閉弁する前記逆流洗浄状態に切り換えて設定時間が経過するまでその状態を維持するフィルター洗浄処理を実行するように構成されている点にある。
【0021】
第4特徴構成によれば、前記指令手段にてミストサウナ運転が指令されると、前記切換制御手段が温水供給処理を実行する。つまり、前記排水用通路断続弁及び前記迂回路断続弁を閉弁することで迂回路や排水路を通流することがなく、前記湯水供給路断続弁及び前記堰止用断続弁を開弁することにより、湯水供給路を通して供給される湯水が加熱手段にて加熱されたのちにミストノズルに供給され、ミストノズルから噴出してスト対象空間内でミストサウナ浴を行うことができる。
【0022】
そして、前記指令手段にて前記洗浄運転が指令されると、前記湯水供給路断続弁、前記迂回路断続弁及び前記排水用通路断続弁を開弁し且つ前記堰止用断続弁を閉弁する前記逆流洗浄状態に切り換えて設定時間が経過するまでその状態を維持するフィルター洗浄処理を実行する。つまり、前記湯水供給路断続弁、前記迂回路断続弁及び前記排水用通路断続弁を開弁するので、湯水供給路を通して供給される湯水が前記加熱手段、前記迂回路を通して前記ミスト用温水供給路に導いて、前記フィルターを通流させた後に前記排水路を通して排出することになる。
【0023】
従って、第4特徴構成によれば、指令手段にて洗浄運転を指令するだけの簡単な操作で、湯水供給路から供給される湯水の供給圧を利用してフィルターの塵埃の除去を適切に行うことが可能となる。
【0024】
本発明の第5特徴構成は、第4特徴構成に加えて、前記流路切換手段が、前記迂回路断続弁として前記フィルター側に位置する第1迂回路断続弁と前記フィルターとは反対側に位置する第2迂回路断続弁とを備え、且つ、前記ミスト用温水供給路における迂回路並設領域よりも前記ミストノズル側箇所を断続するノズル側断続弁、前記迂回路における前記第1迂回路断続弁配設箇所と前記第2迂回路断続弁配設箇所との中間位置と前記排水路の排水用通路断続弁よりも排水方向下手側箇所とを連通する排出用連通路、及び、前記排出用連通路を断続する連通路断続弁を備えて構成され、
前記切換制御手段が、前記洗浄運転が指令されると、前記フィルター洗浄運転を実行した後に、前記湯水供給路断続弁、前記堰止用断続弁、前記第1迂回路断続弁及び前記連通路断続弁を開弁し、且つ、前記排水用通路断続弁及び前記ノズル側断続弁を閉弁して、前記湯水供給路を通して供給される湯水を前記フィルター、前記迂回路、前記排出用連通路及び前記排水路を通して排出させる迂回路洗浄処理を実行するように構成されている点にある。
【0025】
第5特徴構成によれば、前記洗浄運転が指令されると、前記切換制御手段は前記フィルター洗浄運転を実行した後に迂回路洗浄処理を実行する。つまり、前記湯水供給路断続弁、前記堰止用断続弁、前記第1迂回路断続弁及び前記連通路断続弁を開弁し、且つ、前記排水用通路断続弁及び前記ノズル側断続弁を閉弁して、前記湯水供給路を通して供給される湯水を前記フィルター、前記迂回路、前記排出用連通路及び前記排水路を通して排出させるのである。
【0026】
前記洗浄処理を実行することで前記湯水供給状態において湯水が通流するときにフィルターの湯水通流方向上手側に付着堆積した塵埃を除去することができるが、その洗浄処理を実行することにより前記湯水供給路を通して供給される湯水がフィルターを通過するときに、湯水に含まれる塵埃がフィルターの湯水通流方向上手側に付着堆積することがある。そこで、このように前記洗浄処理を実行するときに付着堆積する塵埃を迂回路洗浄処理を実行することにより除去することができるのである。
【0027】
本発明の第6特徴構成は、第1特徴構成〜第5特徴構成のいずれかに加えて、前記湯水供給路として水道水を供給する水供給路及び熱源機にて加熱された湯を供給する給湯路が備えられ、
前記流路切換手段が、前記湯水供給路断続弁として前記水供給路を断続する水供給路断続弁及び前記給湯路を断続する給湯路断続弁を備えて、水道水を前記加熱手段に供給する状態と前記熱源機にて加熱された湯を前記加熱手段に供給する状態とに切り換え自在に構成されている点にある。
【0028】
第6特徴構成によれば、前記水供給路断続弁を開弁し前記給湯路を閉弁すると、前記水供給路を通して供給される水道水を加熱手段にて加熱してミストノズルに供給したり、洗浄用の水として利用することができる。又、前記水供給路断続弁を開弁し前記給湯路を閉弁すると、前記給湯路を通して供給される熱源機にて加熱された湯を加熱手段にて加熱してミストノズルに供給したり、洗浄用の水として利用することができる。
【0029】
例えば、外気温度が低く水温が低いときに熱源機にて加熱された湯を用いることで適切にミストサウナ運転を行うことができ、又、前記洗浄運転を行う場合であれば、熱源機にて加熱された湯を加熱手段にて加熱して高温となった湯を用いることで、フィルターや給湯用湯路の内部を殺菌処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】浴用ミスト装置の全体構成図
【図2】熱源機の構成図
【図3】ミストユニットの構成図
【図4】ミストユニットの動作を示す説明図
【図5】ミストユニットの動作を示す説明図
【図6】ミストユニットの動作を示す説明図
【図7】ミストユニットの動作を示す説明図
【図8】制御動作のフローチャート
【図9】別実施形態のミストユニットの構成図
【図10】別実施形態のミストユニットの構成図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
この浴用ミスト装置は、湯水をミスト対象空間としての浴室1内にミスト状態で噴出させるミストノズル2を浴室1内に臨む状態で備えた室内ユニット3、湯水供給路4を通して供給される湯水を加熱してミスト用温水供給路5を通して前記ミストノズル2に供給するミストユニット6、前記室内ユニット3及び前記ミストユニット6に熱媒を循環供給するとともに給湯用の温水を供給する熱源機7、及び、各種の運転の開始及び停止を指令する手動操作式のリモコン操作部R等を備えて構成され、浴室1内に温水をミスト状態で噴出させるミストサウナ運転、浴室1内を暖房する暖房運転、浴室1を換気する換気運転等を実行するように構成されている。
【0032】
前記室内ユニット3は、浴室1の天井裏に入り込ませた状態もしくは壁に取り付けた状態で設置され、浴室1内に向けて湯水をミスト状に噴出するミストノズル2と、空気加熱用の加熱手段としての熱交換器10と、浴室1に臨む状態で設置されたグリル板8における吸気部8Aを通して浴室1内の空気を吸気し熱交換器10を経由してグリル板8における可動ルーバー付きの吹き出し部8Bから浴室1に吹き出すように通風する通風手段としての循環ファン11と、浴室1内の空気を図示しない排気路を通して外部に排気して換気を行う換気ファン12と、前記熱交換器10への熱媒の循環通流を断続する熱媒用断続弁13と、各部の運転を制御する室内ユニット制御部H1とを備えて構成されている。
【0033】
前記熱源機7は、図2に示すように、熱媒用熱交換器14及びこの熱媒用熱交換器14を加熱するバーナ15等からなる熱媒加熱部16を備えて構成され、前記熱媒加熱部16は、外部開放型の膨張タンク17に貯留される熱媒としての湯水を熱媒用熱交換器14にて加熱したのちに熱媒循環用の外部配管路18を通して、室内ユニット3及びミストユニット6に循環させる循環ポンプ19などが備えられている。
【0034】
説明を加えると、外部配管路18の一方の管路18aに接続される熱媒戻り路20が膨張タンク17の入口側に接続され、外部配管路18の他方18bの管路に接続される熱媒往き路21が熱媒用熱交換器14の出口側に接続され、膨張タンク17の出口側と熱媒用熱交換器14の入口側を連通する熱媒連通路22が設けられ、この熱媒連通路22の途中箇所に循環ポンプ19が設けられている。又、前記熱媒往き路21を流動する熱媒を熱媒戻り路20にバイパス流動させるバイパス路23が設けられ、熱媒往き路21には熱媒の温度を検出する熱媒往きサーミスタ24が設けられている。
【0035】
前記熱源機7は、前記熱媒加熱部16とは別に、バーナ25と給湯用熱交換器26等からなる給湯用加熱部27が備えられ、給水路28を通して供給される湯水が前記バーナ25にて加熱される給湯用熱交換器26により熱交換されて所望の温度の湯水が給湯路29を通して供給されるように構成されている。又、図1に示すように、給湯路29から分岐して前記ミストユニット6にも温水を供給することができるように構成されている。
【0036】
給水路28には、給水温度を検出する給水サーミスタ30と給水量を検出する水量センサ31とが設けられ、又、給湯用熱交換器26を迂回するように給水バイパス路32が設けられている。さらに、給湯路29には、上流側から順に、給湯用熱交換器26からの湯水の温度を検出する給湯サーミスタ33と、給水バイパス路32からの水量を調整するバイパス弁34と、混合された後の湯水の温度を検出する出湯サーミスタ35と、湯水の流量を設定量に調整する水量調整弁36とが設けられている。
【0037】
前記バーナ15、25に燃料ガスを供給する燃料供給路37には、燃料供給を断続する電磁操作式の断続弁38、前記各バーナ15、25の燃焼量すなわち燃料供給量を変更調節自在な2つの電磁操作式のガス量調節弁39が備えられ、バーナ15、25に燃焼用空気を供給するファン40も設けられている。尚、図示はしないが、バーナ15、25の近くには、バーナ15、25に対する点火動作を実行するイグナイタと、バーナ15、25が着火されているか否かを検出するフレームロッドとがそれぞれ備えられている。
【0038】
そして、この熱源機7には、各部の運転を制御する熱源機制御部H2が備えられ、浴室1を暖房する暖房運転、ミストサウナ浴を行うためのミストサウナ運転等を実行するときは、循環ポンプ19を循環作動させ、熱媒往きサーミスタ24にて検出される熱媒の温度が設定目標温度(例えば、80℃)になるようにバーナ15の燃焼状態が制御するように構成となっている。
【0039】
次に、前記ミストユニット6の構成について説明する。
このミストユニット6は、図1に示すように、浴室1の側壁の外側に設置される状態で、室内ユニット3よりも下方側に上下方向に間隔をあけた状態で設けられている。そして、図3に示すように、湯水供給路41を通して供給される湯水を加熱してミスト用温水供給路5を通して前記ミストノズル2に供給する加熱手段としての液液熱交換器42、前記ミストノズル2に供給される湯水を濾過するフィルター43とを備えて構成され、さらに、ミスト用温水供給路5から分岐する状態で湯水を排出自在な排水路44が設けられ、前記フィルター43が、ミスト用温水供給路5における排水路44の分岐箇所よりもミストノズル2側に位置する状態で設けられ、排水路44からの湯水排出を停止して、液液熱交換器42にて加熱された湯水をミスト用温水供給路5を通してミストノズル2に供給する湯水供給状態と、液液熱交換器42からのミスト用温水供給路5への温水供給を停止して、そのミスト用温水供給路5における排水路44の分岐箇所よりもミストノズル2の存在側に位置する先端側供給路部分内の湯水を排水路44から排出する排出状態とに切り換え自在な流路切換手段Kが備えられている。
【0040】
前記フィルター43は、前記ミストノズル2に供給される湯水に含まれる塵埃がミストノズル2に形成された小径の湯水噴出孔を塞いでその湯水噴出孔が早期に目詰りしないように細かな塵埃を受け止めることができるように湯水を濾過する構成となっている。
【0041】
前記ミスト用温水供給路5における前記排水路44の分岐箇所よりも流路上手側部分とフィルター43の設置箇所よりも流路下手側部分とを接続する迂回路45が設けられ、前記流路切換手段Kが、前記湯水供給状態においては、排水路44からの湯水排出を停止しかつ迂回路45を通した湯水流動を停止して、液液熱交換器42にて加熱された湯水をミスト用温水供給路5を通してミストノズル2に供給するようになっており、さらに、液液熱交換器42からミスト用温水供給路5の始端部に供給される湯水がフィルター43及び排水路44に流動するのを停止し、且つ、ミスト用温水供給路5におけるフィルター43の設置箇所よりも流路下手側部分の湯水がミストノズル2側に流動するのを停止して、液液熱交換器42からミスト用温水供給路5の始端部に供給される湯水を迂回路45を通してミスト用温水供給路5に導いて、フィルター43を通流させた後に排水路44を通して排出する逆流洗浄状態とに切り換え自在に構成されている。
【0042】
以下、ミストユニット6の具体的な構成について説明する。
ミストユニット6は、前記湯水供給路41として水道水を供給する水供給路41a及び熱源機7にて加熱された湯を供給する給湯路41bが備えられ、水道水を液液熱交換器42に供給する状態と熱源機7にて加熱された湯を液液熱交換器42に供給する状態とに切り換え自在に構成されている。そして、水供給路41a及び給湯路41bのいずれかより供給される湯水を液液熱交換器42にて加熱して、ミスト用温水供給路5を通してミストノズル2に供給するように構成され、ミスト用温水供給路5の途中から排水路44が分岐される構成となっており、この排水路44には、その排水路44を断続自在な排水用通路断続弁51が設けられている。又、ミストノズル2に供給される湯水を濾過するフィルター43がミスト用温水供給路5における排水路44との分岐接続箇所よりもミストノズル2側に位置する状態で設けられている。
【0043】
そして、ミスト用温水供給路5における排水路44との分岐箇所よりも液液熱交換器42側の箇所を断続自在な堰止用断続弁48と、ミスト用温水供給路5における堰止用断続弁48配設箇所よりも液液熱交換器42側の箇所及びミスト用温水供給路5におけるフィルター43配設箇所よりもミストノズル2側箇所の間を迂回する迂回路45と、その迂回路45を断続自在な迂回路断続弁49とを備えて構成されている。
【0044】
さらに、前記迂回路断続弁49としてフィルター43側に位置する第1迂回路断続弁49aとフィルター43とは反対側に位置する第2迂回路断続弁49bとが備えられ、前記ミスト用温水供給路5における迂回路並設領域よりもミストノズル2側箇所を断続するノズル側断続弁50、迂回路45における第1迂回路断続弁49a配設箇所と第2迂回路断続弁49b配設箇所との中間位置と排水路44における排水用通路断続弁51よりも排水方向下手側箇所とを連通する排出用連通路52、及び、その排出用連通路52を断続する連通路断続弁53が備えられている。又、ミスト用温水供給路5には、液液熱交換器42にて加熱された後の湯水の温度を検出する温度センサ54が備えられている。
尚、図示は省略しているが、ミストユニット6における前記水供給路41a及び前記給湯路41bにおける湯水入口部分には前記フィルター43よりも目が粗いストレーナが備えられ、上記した複数の断続弁が噛み込んで不具合を発生させるおそれがあるような大きめの塵埃が通過するのを回避させるようにしている。
【0045】
従って、前記各断続弁、迂回路45、排出用連通路52等により前記流路切換手段Kが構成されている。又、前記水供給路断続弁46及び前記給湯路断続弁47により前記湯水供給路断続弁100が構成され、前記堰止用断続弁48が、ミスト用温水供給路における排水路44の分岐箇所よりも液液熱交換器42側の途中箇所に設置されるミスト用通路断続弁V1を構成することになる。
【0046】
そして、ミストユニット6には、前記流路切換手段Kの作動を制御する切換制御手段としてのミストユニット用制御部H3が備えられ、このミストユニット用制御部H3、前記熱源機制御部H2、及び、前記室内ユニット制御部H1は、有線または無線式の通信手段を介して互いに情報を通信可能に構成されている。又、前記各制御部H1,H2,H3とリモコン操作部Rとは無線または有線式の通信手段にて互いに情報を通信可能に構成され、リモコン操作部Rの指令情報に応じて熱源機7、室内ユニット3、ミストユニット6の夫々が対応する運転状態になるように制御される構成となっている。
【0047】
説明を加えると、図1に示すように、リモコン操作部Rには、暖房運転の開始及び停止を指令する暖房スイッチ55、換気運転の開始及び停止を指令する換気スイッチ56、ミストサウナ運転の開始及び停止を指令するミストサウナスイッチ57、後述する洗浄運転の開始を指令する洗浄スイッチ58等が備えられている。
【0048】
前記リモコン操作部Rの暖房スイッチ55が操作されると、外部配管路18を通して設定目標温度の熱媒を循環供給するように熱源機制御部H2が熱源機7の運転状態を制御し、室内ユニット制御部H1が熱媒用断続弁13を開弁して循環ファン12を作動させて、熱交換器10にて熱媒の熱によって加熱される空気を浴室1に吹き出して浴室を暖房する暖房運転を実行する。又、リモコン操作部Rの換気スイッチ56が操作されると、室内ユニット制御部H1が換気ファン12を作動させて浴室を換気する換気運転を実行する。
【0049】
前記リモコン操作部Rのミストサウナスイッチ57が操作されると、ミストユニット用制御部H3はミストサウナ運転を実行し、リモコン操作部Rの洗浄スイッチ58が操作されると、ミストユニット用制御部H3は洗浄運転並びに迂回路洗浄処理を実行するように構成されている。
【0050】
次に、ミストユニット制御部H3の具体的な制御動作について以下に説明する。
図4に示すように、リモコン操作部Rのミストスイッチ57によりミストサウナ運転が指令されると、ミストユニット制御部H3は、熱源機制御部H2に熱媒の供給を指令する(ステップ1、2)。熱源機制御部H2は、循環ポンプ13を循環作動させ、熱媒往きサーミスタ24にて検出される熱媒の温度が設定目標温度(例えば、80℃)になるようにバーナ15の燃焼状態を制御する。その結果、設定目標温度に加熱された熱媒が外部配管路18を通して液液熱交換器42に循環供給される。
【0051】
前記ミストユニット制御部H3は、熱源機制御部H2に熱媒の供給を指令したのち、湯温立上げ処理を実行する(ステップ3)。すなわち、温度センサ54にて検出される液液熱交換器42により加熱される湯の温度が設定温度未満の場合には、水供給路断続弁46、堰止用断続弁48、排水用通路断続弁51を開弁し、ノズル側断続弁50、第1迂回路断続弁49a及び第2迂回路断続弁49bを閉弁して、低温の湯水を排水路44を通して排出させ、液液熱交換器42により加熱される湯の温度が設定温度以上になるまでその状態を維持する。
【0052】
そして、液液熱交換器42により加熱される湯の温度が設定温度以上になると温水供給処理を実行する(ステップ4)。すなわち、水供給路断続弁46、堰止用断続弁48及びノズル側断続弁50を開弁し且つ排水用通路断続弁51、第1迂回路断続弁49a、第2迂回路断続弁49bを閉弁する温水供給状態に切り換えてその状態を維持する温水供給処理を実行する。この温水供給処理を実行することで、図5に示すように、水供給路41aを通して水道圧により供給される水が、水供給路41aを介して液液熱交換器42に供給され、この液液熱交換器42にて高温の熱媒によって加熱されたのちフィルター43にて濾過されてミスト用温水供給路5を通してミストノズル2に供給されることになる。
【0053】
その後、リモコン操作部Rのミストサウナスイッチ57が再度操作されることによりミストサウナ運転の停止が指令されると、熱源機制御部H2に熱媒の供給停止を指令し、ミスト用温水供給路5内の残湯を排水する排水処理を実行する(ステップ5、6、7)。すなわち、堰止用断続弁48、第1迂回路断続弁49a、第2迂回路断続弁49bを閉弁し、且つ、排水用通路断続弁51及びノズル側断続弁50を開弁する排水状態に切り換える排水処理を実行する。この排水処理を実行することで、ミスト用温水供給路5内部に残っている残湯を排水路44を通して排水させる。そのとき、図6に示すように、前記ミスト用温水供給路5内の湯水が前記湯水供給状態における通流方向とは反対の方向にフィルター43を通過して排水路44から自然落下にて排出され、前記湯水供給状態における通流方向上手側に付着堆積した塵埃が除去されてフィルター43が洗浄されることになる。ミストサウナ運転の停止が指令されてから残湯の排水に要する経過時間よりも少し長めに設定された第1設定時間が経過すると、全ての断続弁を閉弁して排水処理を終了する(ステップ8、9)。
【0054】
そして、ミストサウナ運転が指令されていない状態で、リモコン操作部Rの洗浄スイッチ58が操作されると、熱源機制御部H2に熱媒の供給を指令したのちフィルター洗浄処理を実行する(ステップ10、11)。すなわち、給湯給断続弁47、第1迂回路断続弁49a、第2迂回路断続弁49b及び排水用通路断続弁51を開弁し、且つ、水供給路断続弁46、堰止用断続弁48、連通路断続弁53及びノズル側断続弁50を閉弁する逆流洗浄状態に切り換えて第2設定時間が経過するまでその状態を維持するフィルター洗浄処理を実行する。このフィルター洗浄処理を実行することで、図7に示すように、給湯路41bを通して熱源機7にて加熱されたのちに供給される湯水が、給湯路41b、迂回路45、フィルタ43、排水路44を順次通過して、ミストサウナ運転における湯水供給状態における通流方向とは反対の方向にフィルター43を通過して排水路44から排出させることになり、前記湯水供給状態における通流方向上手側に付着堆積した塵埃が除去されてフィルター43が洗浄されることになる。しかも、そのとき、熱源機7にて予め加熱された給湯用の湯が液液熱交換器42にて再度加熱されて高温の湯となるので、この高温の湯によりフィルター43並びに迂回路45内部を殺菌処理することができる。
【0055】
洗浄スイッチ58が操作されてから前記第2設定時間が経過するとフィルター洗浄処理を終了して迂回路洗浄処理を実行する(ステップ12、13)。この迂回路洗浄処理は、給湯路断続弁47、堰止用断続弁48、第1迂回路断続弁49a及び連通路断続弁53を開弁し、且つ、排水用通路断続弁51及びノズル側断続弁50を閉弁して、給湯路41aaを通して供給される湯水をフィルター43、迂回路45、排出用連通路52及び排水路44を通して排出させることになる。この迂回路洗浄処理を実行することで、図8に示すように、洗浄運転が行われるときの湯水通流方向上手側、言い換えると、ミストサウナ運転が行われるときの湯水通流方向下手側に付着堆積した塵埃が除去されてフィルターが洗浄され、さらに迂回路45の内部の洗浄も行われることになる。この迂回路洗浄処理の実行を開始してから第3設定時間が経過すると、全ての断続弁を閉弁して迂回路洗浄処理を終了する(ステップ14、15)。
【0056】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0057】
(1)上記実施形態では、前記迂回路断続弁として前記フィルター側に位置する第1迂回路断続弁と前記フィルターとは反対側に位置する第2迂回路断続弁とを備え、且つ、前記迂回路45における前記第1迂回路断続弁配設箇所と前記第2迂回路断続弁配設箇所との中間位置と前記排水路44の排水用通路断続弁51よりも排水方向下手側箇所とを連通する排出用連通路52、及び、前記排出用連通路52を断続する連通路断続弁53を備えて構成されるものを例示したが、このような構成に代えて、図9に示すように、前記迂回路45に1つの迂回路断続弁49を備えて、前記排出用連通路52及び前記連通路断続弁53を備えない構成としてもよい。この構成では、上記実施形態における迂回路洗浄処理は行えない。
【0058】
(2)上記実施形態では、前記流路切換手段Kが、前記湯水供給路を通して供給される湯水を前記湯水供給状態における通流方向とは反対の方向に前記フィルターを通過させて前記排水路から排出させる逆流洗浄状態に切り換え自在に構成されるものを例示したが、このような構成に代えて、前記加熱手段にて加熱された湯水を前記ミスト用温水供給路を通して前記ミストノズルに供給する湯水供給状態、及び、前記ミスト用温水供給路内の湯水を前記湯水供給状態における通流方向とは反対の方向に前記フィルターを通過して前記排水路から排出する排出状態のみに切り換え自在な構成、すなわち、図10に示すように、前記実施形態における前記排水用通路断続弁51、前記ノズル側断続弁50、前記水供給路断続弁46、及び、前記給湯路断続弁47を備え、前記堰止用断続弁48、前記迂回路45及び迂回路断続弁49を備えない構成としてもよい。この構成では、前記水供給路断続弁46及び前記給湯路断続弁47が前記湯水供給路の途中箇所に設置されるミスト用通路断続弁V1を構成することになる。但し、この構成では、上記実施形態におけるフィルター洗浄処理及び迂回路洗浄処理は行えない。
【0059】
(3)上記実施形態では、前記流路切換手段の作動を制御する切換制御手段としてのミストユニット用制御部が備えられる構成を例示したが、このような切換制御手段を備えることなく、前記各断続弁を手動操作にて開閉させることにより、前記湯水供給状態と前記排出状態とに切り換え自在な構成としてもよく、又、前記各断続弁を手動操作にて開閉させることにより、前記湯水供給状態と前記逆流洗浄状態とに切り換え自在な構成としてもよい。
【0060】
(4)上記実施形態では、前記ミストサウナ運転においては前記水供給路から供給される水道水を加熱手段にて加熱してミストノズルに供給する構成としたが、前記ミストサウナ運転においても前記給湯路から供給される温水を加熱手段にて加熱してミストノズルに供給するようにしてよく、前記水供給路から供給される水道水と前記給湯路から供給される温水を混合させて加熱手段にて加熱してミストノズルに供給するようにしてよい。
【0061】
(5)上記実施形態では、加熱手段として液液熱交換器を例示したが、液液熱交換器に限らず、通路内を通流しながらバーナにて加熱される構成の熱交換器でもよく、又、電力ヒータにて加熱されるもの等種々の加熱手段を用いることができる。
【0062】
(6)上記実施形態では、前記加熱手段、前記フィルター、前記流路切換手段等を備えたミストユニットが、ミスト対象空間としての浴室の側壁の外側に設置される状態で、ミストノズルを備えた室内ユニットよりも下方側に上下方向に間隔をあけた状態で設けられるものを例示したが、このような構成に代えて、前記ミストユニットを前記室内ユニットと一体化させる状態で浴室の天井部に備える構成としてもよい。
【符号の説明】
【0063】
2 ミストノズル
5 ミスト用温水供給路
41 湯水供給路
41a 水供給路
41b 給湯路
43 フィルター
44 排水路
45 迂回路
46 水供給路断続弁
47 給湯路断続弁
48 堰止用断続弁
49 迂回路断続弁
49a 第1迂回路断続弁
49b 第2迂回路断続弁
50 ノズル側断続弁
51 排水用通路断続弁
52 排出用連通路
53 連通路断続弁
100 湯水供給路断続弁
K 流路切換手段
H3 切換制御手段
R 指令手段
V1 ミスト用通路断続弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水をミスト対象空間内にミスト状態で噴出するミストノズルと、湯水供給路を通して供給される湯水を加熱してミスト用温水供給路を通して前記ミストノズルに供給する加熱手段と、前記ミストノズルに供給される湯水を濾過するフィルターとを備えて構成されている浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置であって、
前記ミスト用温水供給路から分岐する状態で湯水を排出自在な排水路が設けられ、
前記フィルターが、前記ミスト用温水供給路における前記排水路の分岐箇所よりも前記ミストノズル側に位置する状態で設けられ、
前記排水路からの湯水排出を停止して、前記加熱手段にて加熱された湯水を前記ミスト用温水供給路を通して前記ミストノズルに供給する湯水供給状態と、前記加熱手段からの前記ミスト用温水供給路への温水供給を停止して、そのミスト用温水供給路における前記排水路の分岐箇所よりも前記ミストノズルの存在側に位置する先端側供給路部分内の湯水を前記排水路から排出する排出状態とに切り換え自在な流路切換手段が備えられ、
前記流路切換手段の作動を制御する切換制御手段と、この切換制御手段に運転状態の切り換えを指令する指令手段とが備えられ、
前記流路切換手段が、
前記湯水供給路の途中箇所又は前記ミスト用温水供給路における前記排水路の分岐箇所よりも前記加熱手段側の途中箇所に設置されるミスト用通路断続弁と、前記排水路に設置される排水用通路断続弁とを備えて構成され、
前記切換制御手段が、
前記指令手段にてミストサウナ運転が指令されると、前記ミスト用通路断続弁を開弁し且つ前記排水用通路断続弁を閉弁する前記湯水供給状態に切り換えてその状態を維持する温水供給処理を実行し、
前記指令手段にて前記ミストサウナ運転の停止が指令されると、前記ミスト用通路断続弁を閉弁し且つ前記排水用通路断続弁を開弁する前記排水状態に切り換える排水処理を実行するように構成されている浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置。
【請求項2】
前記湯水供給路として水道水を供給する水供給路及び熱源機にて加熱された湯を供給する給湯路が備えられ、
前記流路切換手段が、前記湯水供給路断続弁として前記水供給路を断続する水供給路断続弁及び前記給湯路を断続する給湯路断続弁を備えて、水道水を前記加熱手段に供給する状態と前記熱源機にて加熱された湯を前記加熱手段に供給する状態とに切り換え自在に構成されている請求項1記載の浴用ミスト発生装置におけるフィルター洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−192211(P2012−192211A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−149809(P2012−149809)
【出願日】平成24年7月3日(2012.7.3)
【分割の表示】特願2008−29366(P2008−29366)の分割
【原出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】