説明

海産抽出物と植物抽出物との複合組成物

【課題】老化皮膚を治療し、健康な皮膚における老化の徴候の発現を遅らせる組成物の提供。
【解決手段】際立った抗酸化効果とフリーラジカル阻害効果とを有する軟骨抽出物と、ブドウの種の抽出物と、トマトの抽出物とを含んで成る組成物。真皮内のコラーゲン合成を劇的に増大させる効果のある、親水性抗酸化剤と、親油性(疎水性)抗酸化剤と、軟骨抽出物とを含んで成る組成物。さらに、この組成物はコラゲナーゼ活性と糖化最終産物(AGE)のレベルとを低下させる。
【効果】老化皮膚を治療し、健康な皮膚における老化の徴候の発現を遅らせる作用がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口使用のための組成物に関し、該組成物は、軟骨含有組成物または軟骨から抽出可能な化合物、ならびに、親水性および親油性の抗酸化剤を含有する。
【背景技術】
【0002】
紫外線照射、汚染、アルコールなどの結果として、身体、例えば皮膚にはフリーラジカルが形成される。過剰のフリーラジカルは、皮膚構造を含む組織構造に重大な損傷をもたらし、ひいては老化の徴候を出現開始させるおそれがある。
【0003】
従って、皮膚中のフリーラジカルによって引き起こされた酸化的ストレスを低減するのに、抗酸化剤が、親水性および親油性の双方の組み合わせで使用されている(Maffei Facino他、「ヴィティス・ヴィニフェラ由来のプロシアニジンのフリーラジカル捕捉活性および抗酵素活性(Free Radical Scavenging and Anti-enzyme Activities of Procyanidines from Vitis vinifera)」Arzneim.-Forsch./Drug Res., 44(1), 第5号(1994)、第592〜601頁)。
【0004】
米国特許第5,648,277号明細書は、親水性および親油性双方の抗酸化剤含んで成る経口製剤を開示している。
【0005】
JP09241637号公報は、活性フリーラジカル捕捉剤およびウロン酸またはムコ多糖体含んで成る組成物を開示している。
【0006】
海洋軟骨源から誘導されたムコ多糖体を含有するタンパク質複合体を投与すると、皮膚をより高密度にし、より引き締めることにより、皮膚の真皮組織を改善することが可能であることが立証されている(Kiefer ME, Efsen J., J. Eur. Acad. Dermatol. Venereol, 1998年 9月; 11(2): 129-136)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本研究員は、軟骨抽出物と、植物抽出物の特定のブレンドとの独自の組み合わせが、皮膚中のコラーゲン合成を増加させるための、また、真皮内部の、ラジカルが媒介となる酸化を顕著なレベルに低減するための驚くほどに効果的な組成をもたらすことを見出した。コラーゲン合成の低減およびラジカル酸化は両方とも、皮膚の老化プロセスに関連する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴において、本発明は、植物抽出物と軟骨抽出物とを含んで成る経口投与のための組成物に関し、植物抽出物はブドウの種の抽出物とトマトの抽出物とを含んで成る。
あるいは本発明は、植物抽出物と軟骨抽出物とを含んで成る経口投与用の組成物として定義付けすることもでき、植物抽出物は約5:1〜15:1、好ましくは約10:1の重量/重量比の、ブドウの種の抽出物とリコペンとを含んで成る。
【0009】
本発明の別の特徴は、経口投与用の組成物に関し、該組成物は、i)軟骨、軟骨から抽出可能な1つまたは複数の化合物、またはこれらの誘導体と、ii)1つまたは複数の親水性抗酸化剤と、iii)1つまたは複数の親油性抗酸化剤とを含んで成り、前記組成物は、細胞モデル内で少なくとも35%だけコラーゲン合成を増大させる。
【0010】
本発明のさらに別の特徴は、健康な皮膚を全般的な維持することにより老化またはUV暴露による皮膚の退化発現を遅らせるための、また、皮膚の老化の徴候を治療するための、本明細書中に定義付けした組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明との関連において、親水性抗酸化剤に適用される「親水性」という用語は、抗酸化剤が体内の水性媒質中に充分に可溶であり、従ってこの水性媒質中で機能できることを一般的に意味する。これに関連して、抗酸化剤は、100gの水当たり0.05gを上回る水溶性を有する場合に親水性と考えられる。親水性抗酸化剤が100g当たり0.5gを上回る水溶性を有することが好ましく、1gを上回る、具体的には5gを上回る、より具体的には10gを上回る水溶性を有することがより好ましく、25gを上回る、特に50gを上回る、例えば100gを上回る水溶性を有することが最も好ましい。
【0012】
同様に、親油性抗酸化剤に適用される「親油性」という用語は、体内の脂肪性媒質中に充分に可溶であり、従ってこの脂肪性媒質中で機能できることを一般的に意味する。これは、「親油性」が極めて低い水溶性を有することをも意味する。これに関連して、抗酸化剤は、100gの水当たり0.05g未満の水溶性を有する場合に親油性と考えられる。親油性抗酸化剤が100gの水当たり0.005g未満、特に0.0005g未満の水溶性を有することが好ましい。
【0013】
「軟骨抽出物」という用語は、軟骨、軟骨から抽出された成分、およびこれらの誘導体、例えば軟骨から抽出可能な化合物の合成形および合成的に調製された誘導体を含むように意図されている。「軟骨抽出物」と呼ぶ化合物は、結合組織を含有する他の組織、例えば皮膚または皮に見出すこともでき、また、その組織から抽出することができる。軟骨は、海洋動物の軟骨、魚の軟骨、軟体動物の軟骨、および陸生哺乳動物の軟骨から成る群から選択されてよい。海洋動物は、クジラ、イルカ、およびアザラシから成る群から選択されてよい。魚は、サメ、サケ、マグロ、タラおよび他の既知の魚から成る群から選択されてよい。軟体動物はイカであってよい。さらに、陸生哺乳動物は、ウシ、ブタ、ニワトリ、アヒルおよび七面鳥から成る群から選択されてよい。軟骨または軟骨からの抽出物は、ウシの軟骨、ブタの軟骨、サメの軟骨、イカの軟骨、ニワトリの軟骨およびサケの軟骨、およびこれらの軟骨からの抽出物から選択されることが好ましい。
【0014】
軟骨自体を使用することができる。軟骨は乾燥させられた、例えば凍結乾燥させられた粉砕軟骨の形で使用されるのが典型的である。上述のタイプの軟骨または適切な成分を含有する他の組織の有益な抽出物は、煮沸された組織を部分的に酵素作用下でタンパク質加水分解し、次いで加水分解されたものをろ過し、例えば噴霧乾燥または凍結乾燥によって乾燥させることにより調製されるのが典型的である。このような抽出物の利点は、水性媒質中に部分的または完全に溶解可能であることである(米国特許第3,862,003号明細書に従って調製)。
【0015】
軟骨抽出物は、軟骨から抽出可能な1つまたは複数の化合物含んで成るのが典型的であり、任意にはペプチドと結合されたグリコサミノグリカン含んで成ることが好ましい。軟骨抽出物は、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、ヒアルロン酸またはデルマタン硫酸、またはこれらの混合物含んで成ることが好ましい。「軟骨抽出物」という用語は、軟骨から得られる化合物を含むことを意図しているが、しかし実際には他の源から得ることができる。特に好ましい軟骨抽出源はサメの軟骨である。
【0016】
「軟骨抽出物」という用語は、軟骨から抽出可能な化合物またはこれらの誘導体に関連してよい。上述のように、軟骨は他の天然源に由来してよいが、しかし、合成源に由来してもよく、すなわち、合成的または準合成的に調製されてもよい。好ましくは軟骨抽出物は天然源から抽出され、最も好ましくは抽出物は軟骨から抽出可能であり、特に好ましくは、抽出物は軟骨から抽出される。
【0017】
上述のように、本発明は第1の特徴において、植物抽出物と軟骨抽出物とを含んで成る経口投与のための組成物に関し、植物抽出物は約2:1〜1:2、好ましくは約1:1の重量/重量比の、ブドウの種の抽出物とトマトの抽出物とを含んで成る。本研究員は、軟骨抽出物と、植物抽出物の特定のブレンドとの独自の組み合わせが、皮膚中のコラーゲン合成を増加させるための、また、真皮内部の退化プロセスに関連するUV照射および酸化的ストレス、例えばラジカル酸化を顕著なレベルに低減するための驚くほどに効果的な組成をもたらすことを見出した。
【0018】
抗酸化剤としてブドウの種の抽出物とトマトの抽出物とを組み合わせることの有益な効果は、軟骨抽出物を添加することによって、予期せぬほど劇的に改善された。このような結果は驚くべきことに一部に過ぎない。それというのも軟骨抽出物それ自体は、抗酸化活性を有していないからである。
【0019】
典型的には、軟骨抽出物と植物抽出物とは、約1:2〜2:1、好ましくは約1:1の重量/重量比で存在する。
【0020】
軟骨抽出物は好ましくは、コンドロイチンエステル、ケラタンエステル、ヒアルロン酸またはそのエステル、デルマタンエステル、ヘパリン、ヘパランエステル含んで成る群から選択されたグリコサミノグリカン含んで成る。これらのグリコサミノグリカンは、タンパク質またはペプチドに結合されてよく、または、コンドロイチンエステル、ケラタンエステル、ヒアルロン酸またはそのエステル、デルマタンエステル、ヘパリン、ヘパランエステルのエピマー形またはポリマー形として、好ましくはコンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、ヒアルロン酸またはそのエステル、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸として形成されてよい。
【0021】
グリコサミノグリカンは、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、およびケラタン硫酸含んで成る群から選択されてよい。これらのうちのそれぞれは、任意にはペプチドに結合されてよい。最も好ましくは、本発明の組成物は、任意にはペプチドに結合された、コンドロイチン硫酸含んで成る軟骨抽出物含んで成る。
【0022】
本発明の典型的な実施態様の場合、軟骨抽出物は5〜100重量%のコンドロイチン硫酸含んで成る。
【0023】
好ましい実施態様の場合、本発明の組成物は、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.1重量%未満のコラーゲンタンパク質含んで成る。コラーゲン抽出物を調製する典型的な方法では、コラーゲン抽出物は感知できるほどの量のコラーゲンを含んで成らない。抽出物は好ましくは、酵素作用下のタンパク質加水分解を介して、従ってコラーゲンタンパク質をペプチド中に消化することを介して調製される。このような低コラーゲン・レベルを有するこの抽出物含んで成る組成物は、予期せぬ有益な効果を呈した。従って、本発明の組成物にコラーゲンまたはコラーゲン源をさらに添加しないことが好ましい。最も好ましい実施態様の場合、組成物は本質的にコラーゲンを含有しない。
【0024】
同様に、本発明の組成物は典型的には0.025%未満、好ましくは0.02%未満、特に0.01%未満のβカロチン含んで成る。従って、本発明の別の特徴は、極めて僅かなβカロチンで、または本質的にβカロチンを含有せずに、下記のような有益な効果を達成することができる組成物に関する。
【0025】
逆に、目下判っていることは、本発明の組成物の予期せぬ有益な効果にとって、リコペン含有量が相対的または絶対的に特に重要であることである。植物抽出物、特にトマト抽出物はリコペン含んで成る。好ましくは、トマト抽出物は約5〜12重量%、典型的には約10重量%のリコペン含んで成る。トマト抽出物は単独のトマトまたはトマトのブレンドに由来してよい。
【0026】
典型的な実施態様の場合、トマト抽出物を調製するのに使用されるトマトの品種はリコペルシカム・エスクレンタム(Lycopersicum aesculentum)であり、これにより適宜な絶対レベルおよび相対レベルのリコペンを提供する。
【0027】
本発明の好ましい実施態様の場合、組成物は、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%のリコペン、例えば0.3〜2%のリコペン、最も好ましくは0.3〜1%のリコペン、特に0.3〜0.8%、例えば0.3〜0.6%のリコペン含んで成る。
【0028】
本発明の組成物の別の定義付けにおいて、組成物は植物抽出物と軟骨抽出物とを含んで成り、植物抽出物は約5:1〜15:1、好ましくは約10:1の重量/重量比の、ブドウの種の抽出物とリコペンとを含んで成る。上述のように、本発明の目下判っている範囲によれば、前記比のリコペンは、驚くほど有益な抗酸化効果を達成するのに極めて重要である。
【0029】
適切な実施態様において、親油性抗酸化剤の抗酸化活性IC50は、水性媒質中の不飽和リン脂質の脂質過酸化反応中にR-/ROO-をスカベンジするのに際して1.2 x 10-7よりも低い。典型的には、水性媒質中の不飽和リン脂質の脂質過酸化反応中にR-/ROO-をスカベンジするのに際して最大で1.2 x 10-7の抗酸化活性IC50を呈する親油性抗酸化剤は、カロチノイド化合物リコペン(ψ,ψ−カロチン)である。リコペンは典型的には、特定の新鮮な果実、例えばトマト、スイカ、赤グレープフルーツ、またはグアバ・フルーツからそれ自体は周知の方法で抽出することにより得ることができ、または、周知の方法で合成的に調製することができる。
【0030】
本発明の経口用組成物の有益な効果は、3つの成分、すなわち軟骨抽出物、ブドウの種の抽出物およびトマトの抽出物の新規の組み合わせの結果である。ブドウの種の抽出物は、親水性抗酸化剤を提供する。トマトの抽出物は親油性抗酸化剤を提供する。従って本発明は、抗酸化剤と、軟骨から抽出可能な化合物との新規の組み合わせに関する。従って本発明の別の特徴は、経口投与用組成物に関し、該組成物は、i)軟骨、軟骨から抽出可能な1つまたは複数の化合物、またはこれらの誘導体と、ii)1つまたは複数の親水性抗酸化剤と、iii)1つまたは複数の親油性抗酸化剤とから成り、前記組成物は、試験法Aで測定して、細胞モデル内で少なくとも35%だけコラーゲン合成を増大させる。
【0031】
コラーゲン合成は、老化した皮膚細胞中で著しく減少する。皮膚のコラーゲンが減少すると、皮膚の組織およびレオロジカルな特徴が変化し、老化の典型的な徴候、例えば皺、平滑さの減少、弾性および引き締まりの損失が生じる。
【0032】
例2に示すように、本発明の組成物は、他の組み合わせおよび個々の成分と比較して、コラーゲン合成を驚くほど劇的に増加させた。プロリン含有タンパク質への放射性プロリン([14C]−プロリン)の混和度を測定することにより、コラーゲンの合成を評価した。プロリン含有タンパク質はほとんどコラーゲンと見なされ、アミノ酸の総数の30%はプロリンである。
【0033】
ブドウの種(G)の抽出物とトマト(T)の抽出物との組み合わせGT(米国特許第4,648,277号明細書に開示)を含有する培地に培養された皮膚は、対照と比較して、プロリンの混和度を減少させた。つまり、混和度は対照における4.8%と比較して3.6%であり、25%だけ減少した。魚(F)の抽出物とトマト(T)の抽出物との組み合わせFTを含有する細胞培養はプロリン混和度に対して目立った影響を与えなかった。それというのも、混和度は対照における4.8%と比較して5.0%であり、4%だけしか上昇しなかったからである。魚(F)の抽出物とブドウの種(G)の抽出物との組み合わせFGを含有する細胞培養は、プロリン混和度を僅かに増大させた。すなわち、混和度は5.5%であり、対照と比較して10%だけ上昇した。魚(F)の抽出物だけを含有する細胞培養は、プロリンの混和度を増大させ、混和度は6.2%であり、29%だけ上昇した。
【0034】
しかしながら、魚(F)の抽出物と、ブドウの種(G)の抽出物と、トマトの抽出物(T)とを含んで成る、本発明による組成物FGTで培養された細胞は、プロリン混和度を驚くほど劇的に80%も増大させた(プロリン混和度8.4%)。GT抽出物がコラーゲン合成を25%だけ減少させ、F抽出物がコラーゲン合成を29%だけ増大させることを考えれば、FとGTとの組み合わせでコラーゲン合成が80%だけ増大したことは驚くべきことである。
【0035】
本発明の組成物の1つまたは複数の親水性抗酸化剤は、天然源または合成源に、好ましくは天然源に由来してよい。典型的な実施態様の場合、天然源は、松の樹皮、ヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera)、カメリア・シネンシス(Camelia sinensis)、エスクラス・ヒポカスタナム(Aesculus hippocastanum)、イチョウ、カルダス・マリアナム(Cardus marianum)、ヴァシニアム・ミルチラス(Vaccinium myrtillus)、シリバム・マリアナム(Silybum marianum)含んで成る群から選択される。
【0036】
適切な実施態様の場合、1つまたは複数の親水性抗酸化剤はヴィティス・ヴィニフェラのブドウの種から抽出可能である。
【0037】
1つまたは複数の親水性抗酸化剤の天然源は、典型的には、最大25重量%のカテキン、エピカテキンおよび没食子酸;最大90重量%のエピカテキンの二量体、三量体および/または四量体、および/またはこれらの没食子酸塩;および最大10重量%のエピカテキンの五量体、六量体および/または七量体、および/またはこれらの没食子酸塩とを含有する。
【0038】
1つまたは複数の親水性抗酸化剤は、ポリフェノールおよびそのエステル;アスコルビン酸(ビタミンC)およびそのエステル;および製薬上許容可能なこれらの塩とを含んで成る群から選択されてよい。ポリフェノールは典型的には、カテキン;ロイコアントシアニジンおよびフラバノン;フラバニン、フラボンおよびアントシアニン;フラボノール;フラボノリグナン;およびこれらのオリゴマー含んで成る群から選択されてよい。
【0039】
好ましい実施態様の場合、親水性抗酸化剤は、プロアントシアニンA2とオリゴマープロシアニドール(OPC)とを含んで成る群から選択されたカテキンであり、最も好ましくはオリゴマープロシアニドールである。
【0040】
フラボノリグナンは典型的にはシリマリンまたはその成分のうちの1つ、例えばシリビン、シリジアニンおよびイソシリビンである。
【0041】
本発明の組成物の場合、親水性抗酸化剤は典型的には、水性媒質中の不飽和リン脂質の脂質過酸化反応中にR-/ROO-をスカベンジするのに際して最大で5 x 10-7の抗酸化活性IC50を呈するもののうちの1つである。
【0042】
上述のように、特に好ましい親水性抗酸化剤はブドウの種、すなわちヴィティス・ヴィニフェラからの抽出物である。前記抽出物は典型的には、有機溶剤、例えばアセトンおよび/または酢酸エチルなどを使用してブドウの種を抽出し、溶剤を蒸発させ、残留物を水中に再溶解させ、さらにこれをろ過してろ過物を例えば噴霧乾燥または凍結乾燥によって乾燥させることにより得られる。特に好ましい実施態様の場合、このような抽出物は典型的には、最大25重量%のカテキン、エピカテキンおよび没食子酸;最大90重量%のエピカテキンの二量体、三量体および/または四量体、および/またはこれらの没食子酸塩;および最大10重量%のエピカテキンの五量体、六量体および/または七量体、および/またはこれらの没食子酸塩とを含有する。
【0043】
1つまたは複数の親油性抗酸化剤は、天然源または合成源、典型的には天然源に由来してもよい。親油性抗酸化剤は、親油性抗酸化剤の複合混合物含んで成る、天然源に由来する抽出物のような抗酸化剤の混合物であってよい。親油性抗酸化剤に適した天然源は、トマト品種、具体的にはリコペルシカム・エスクレンタム品種である。
【0044】
1つまたは複数の親油性抗酸化剤は典型的には、カロチノイド、プロカロチノイド、トコフェロール、フィトステロールおよびユビキノンである。カロチノイドは特に興味深い親油性抗酸化剤であり、α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコペン(ψ,ψ−カロチン)、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ルテインおよびキサントフィル含んで成る群から選択されてよい。
【0045】
上述のように、カロチノイドであるリコペンは特に興味深い親油性抗酸化剤である。本発明の組成物は最も好ましくはリコペン含んで成る。親油性抗酸化剤源として役立つ抽出物は好ましくは、5〜12%のリコペン、例えば7〜12%のリコペン、好ましくはほぼ10%のリコペン含んで成る。このことは典型的には、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%のリコペン、例えば0.3〜2%のリコペン、最も好ましくは0.3〜1%のリコペン、特に0.3〜0.8%、例えば0.3〜0.6%のリコペン含んで成る本発明の組成物に置き換えられる。
【0046】
親油性抗酸化剤の天然源は好ましくは5〜12% リコペン1〜1.5% トコフェロール0.05〜0.15% β−カロチン0.5〜0.75% フィトエン0.5〜0.55% フィトフルエンを含んで成り、最も好ましくは、7〜12% リコペン1〜1.5% トコフェロール0.05〜0.15% β−カロチン0.5〜0.75% フィトエン0.5〜0.55% フィトフルエン含んで成る。
【0047】
1つまたは複数の親油性抗酸化剤の源は好ましくは、1%未満、例えば0.75%未満、例えば0.5%未満、好ましくは0.25%未満、最も好ましくは0.2%未満、特に0.15%未満のβ−カロチンを含んで成る。同様に、本発明の組成物は典型的には、0.025%未満、好ましくは0.02%未満、特に0.01%未満のβ−カロチンを含んで成る。
【0048】
従って、本発明の別の特徴は、極めて僅かなβカロチンで、または本質的にβカロチンを含有せずに、下記のような有益な効果を達成することができる組成物に関する。
【0049】
典型的な実施態様の場合、親油性抗酸化剤の唯一の源はトマト抽出物によって提供される。あるいは、親油性抗酸化剤はトマト抽出物である。
【0050】
本発明の典型的な実施態様の場合、組成物は、20〜40重量%の軟骨抽出物、例えば25〜35重量%、好ましくは27〜35重量%、例えば30〜35重量%の軟骨抽出物と;
1〜10重量%のブドウの種の抽出物、例えば2〜8重量%、好ましくは3〜7重量%、例えば3〜5重量%のブドウの種の抽出物と;
1〜10重量%のトマトの抽出物、例えば2〜8重量%、好ましくは3〜7重量%、例えば3〜5重量%のトマトの抽出物と含んで成る。
【0051】
本発明の典型的な組成物は、約5:1:1〜15:1:1、例えば約10:1:1の重量比の、魚の抽出物(F)と、ブドウの種の抽出物(G)と、トマトの抽出物(T)とを含んで成る。
【0052】
上述のように、本発明の組成物は、試験法Aにより測定して少なくとも35%だけコラーゲン合成を増大させることができる。しかし、テスト法Aの条件下で組成物を使用することにより、少なくとも40%、例えば少なくとも45%、例えば少なくとも50%、少なくとも55%、好ましくは少なくとも60%、例えば少なくとも65%、少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも75%だけコラーゲン合成が増大することが好ましい。
【0053】
従って本発明の別の特徴は、真皮におけるコラーゲン合成を増大させるか、または真皮におけるコラーゲン合成の減少を低減する方法に関し、この方法は、本明細書で定義付けした組成物の経口投与含んで成る。
【0054】
本研究員は、本発明の新規の組成物がコラーゲン合成を増大させるだけでなく、老化またはUV照射に暴露された皮膚に対するその有用性を他の点でも示している。従って、適切な実施態様では、試験法Bの条件下における対照と比較して、組成物はMMP−1活性によって測定して、フリーラジカルの有害な効果を少なくとも40%、例えば少なくとも45%、例えば少なくとも50%だけ減少させる。酸素フリーラジカルおよびその有害な効果は典型的にはUV暴露によるものであるが、しかし、他の環境因子、生理学的因子または遺伝因子から生じる場合もある。
【0055】
UVによって誘発されたMMPの過剰生成は、光老化の主要な原因の1つであると考えられる。UV照射が、MMPの過剰生成をもたらす皮膚細胞を活性化する。MMPはコラーゲン、および皮膚細胞外マトリックス含んで成る他のタンパク質を退化させる酵素である。皮膚の退化(崩壊)に続いて、不完全な修復が行われる。不完全な修復は真皮の構造的完全性を損ない、この修復はUV照射に対して間欠的に暴露される毎に繰り返され、これにより皮膚の瘢痕が蓄積し、最終的には光老化(2〜5)の徴候が視認できるようになる。MMP誘発に対するUV光線の効果は繊維芽細胞培養においてin vitroでも確認された(6,7)。UVによるMMP誘発のメカニズムに焦点を絞った他の研究が示唆したところによれば、一重項酸素(反応性酸素種)が、MMPの生成をもたらす細胞に対して直接的な効果を有する(8)。従って、抗酸化剤および特に一重項酸素をスカベンジする抗酸化剤が、UVによって刺激されたMMP合成を阻止することになる。しかし、他のフリーラジカル種がMMP合成の刺激に関与することを排除することはできない。培養内の古い細胞ならびにUVまたは日光に暴露された皮膚細胞は一層多量のMMPを生成する。このように、本発明の組成物を使用する結果としてMMP−1活性が減小することは、健康な皮膚の維持に対するその有用性を示している。
【0056】
さらに本発明の組成物は、対照との比較において試験法Cの条件下で測定して、グリコシル化最終産物(AGE)の形成を少なくとも10%だけ、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも30%、40%、50%または60%だけ、好ましくは少なくとも70%、特に少なくとも80%または90%だけ、最も好ましくは少なくとも100%または110%だけ低減する。
【0057】
AGE(グリコシル化最終産物、アマドリ産物としても知られている)は、グリケーション(グリコキシデーション)、タンパク質と炭水化物との非特異的結合反応の結果である。AGEは個々の細胞内部と、長寿命タンパク質、例えば皮膚内のコラーゲン含んで成る組織の細胞外マトリックス内との双方に蓄積する。AGE−架橋タンパク質は非機能タンパク質であり、細胞外マトリックス内および細胞の細胞質内に集まる傾向があり、タンパク質合成全体に対して有害な影響を有すると考えられる。先ず、グルコースがタンパク質と反応すると、初期段階産物(アマドリ産物)が形成される。このアマドリ産物は次いで、さらに転位させられることにより、タンパク質と架橋可能な後期段階褐色色素を形成する。転位後、後期産物はタンパク質の高度な架橋と共に長時間にわたって、長寿命タンパク質、例えばコラーゲン中に蓄積し続ける。in vivoのAGE形成が、in vivoおよびin vitro双方における生体および細胞の老化とともに増大することが判っており、AGE蓄積レベルは、血清グルコースレベルを反映すると考えられる。後期AGEの形成の重要な役割は酸化にある。それというのも、グリケーション自体が可逆的プロセスであるからである。しかしながら酸化は、永久的な架橋により永久的な化学損傷と、タンパク質の機能損失とを引き起こす(9)。AGEは、これがタンパク質合成全体に対して無効であり、また減少効果を有することの他に、発色団であることが判っている。発色団はUV光線で照射された後、顕著な量の活性酸素ラジカルを生成する(10)。従って酸化的ストレスはAGEの形成に関与する。
【0058】
UV照射(5J/cm2)に対して一回だけ暴露されると、非補充対照細胞中のAGEレベルは、非照射対照細胞と比較してほぼ20倍だけ増大した。Fを補充された培養中のAGEレベルはほぼ40倍だけ増大し、FがUV照射時のAGE形成に対する保護効果を有さないことを示した。Fで処置された細胞のAGEレベルの増大は、7.5J/cm2においてより劇的であった。図3に示すように、FGを補充された細胞のAGEレベルは72単位だけ増加した。このようなレベルは、処置を受けていない照射対照細胞と同一範囲内にある(この対照に対して10%の減少)。
【0059】
注目すべきことに、FGTで処置された細胞は、非照射細胞に対するほぼ22単位の驚くべきAGEレベル減少を示した。このことは、非処置の照射細胞に対するAGE濃度の120%の減少に置き換えられる。
【0060】
このように、本発明の組成物は、プロリン混和度を改善し、かつ、MMP−1活性およびAGE形成に関して、UV暴露細胞における有益な効果を提供する。
【0061】
従って、本発明の別の特徴は、皮膚老化の徴候の美容的な処置と、健康な皮膚の全般的な維持とに適した組成物に関する。老化の徴候は、数多くの因子、例えば日光、時間、食習慣および他の環境条件の結果である場合がある。
【0062】
典型的には、本発明の組成物は、軟骨から抽出可能な1〜80重量%の化合物と;
0.1〜75重量%のブドウの種の抽出物と;
0.002〜25%のリコペンと含んで成る。
【0063】
より好ましくは、本発明の組成物は、27〜35重量%、典型的には30〜35重量%の軟骨抽出物と;
1〜10重量%、例えば3〜5重量%のブドウの種の抽出物と;
0.1〜5重量%、典型的には0.2〜1重量%のリコペンと含んで成る。
【0064】
本研究員は100〜110mgの魚の抽出物と、95〜105mgの植物抽出物と、25〜35mgのアセロラ抽出物と、60〜90mgの微結晶性セルロースと、3.5〜4.5mgの二酸化珪素と含んで成る適切な組成物を調製し、この場合、植物抽出物は、オリゴマー・プロシアニドールとリコペンとから成り、魚の抽出物はグリコサミノグリカン含んで成る。
【0065】
本発明による別の適切な組成物は100〜110mgの魚の抽出物と、95〜105mgの植物抽出物と、60〜65mgのイヌリンと、25〜35.00mgのアスコルビン酸と、10〜20mgのグルコン酸亜鉛と、10〜15mgの二酸化珪素とを含んで成り、この場合、植物抽出物は、オリゴマープロシアニドールとリコペンとを含んで成り、魚の抽出物はグリコサミノグリカンを含んで成る。
【0066】
こうして本発明の組成物はさらに、他の成分、例えばビタミン、鉱物、アミノ酸および炭水化物のような別の栄養補給剤を含んで成ってよい。好ましい実施態様では、組成物はさらに、ビタミンCまたはビタミンCを含有する抽出物、例えばアセロラ抽出物を含んで成る。
【0067】
上述のように、構成成分の相対量および絶対量は、本発明の目下判っている範囲において、本発明の組成物の驚くほど有益な効果を達成するのに極めて重要である。従って、親水性抗酸化剤と親油性抗酸化剤とは、約1:1〜約200:1、例えば2:1〜100:1、詳細には5:1〜50:1、特に5:1〜20:1、好ましくは5:1〜15:1、最も好ましくは約7:1〜12:1、例えば約10:1の範囲の重量比で存在することが好ましい。
【0068】
同様に、軟骨、軟骨から抽出可能な1つまたは複数の化合物と、親水性抗酸化剤とは、約1:1〜約200:1、例えば2:1〜100:1、詳細には5:1〜50:1、特に5:1〜20:1、好ましくは5:1〜15:1、最も好ましくは約7:1〜12:1、例えば約10:1の範囲の重量比で存在することが好ましい。
【0069】
一般的に、本発明の重要な特徴は、i)軟骨、軟骨から抽出可能な1つまたは複数の化合物、またはこれらの誘導体と、ii)1つまたは複数の親水性抗酸化剤と、iii)1つまたは複数の親油性抗酸化剤とが、MMP−1活性を抑制し、AGE形成を抑制し、または、in vitroで培養されたヒト繊維芽細胞中のコラーゲン合成を増大させるのに充分な量で一緒に存在するような組成物に関する。
【0070】
同様に、本発明の別の重要な特徴は、i)軟骨、軟骨から抽出可能な1つまたは複数の化合物、またはこれらの誘導体と、ii)1つまたは複数の親水性抗酸化剤と、iii)1つまたは複数の親油性抗酸化剤とが、MMP−1活性を抑制し、AGE形成を抑制し、または、in vitroで培養されたヒト繊維芽細胞中のコラーゲン合成を増大させるのに適した比で存在する。
【0071】
好ましい実施態様の組み合わせにおいて、組成物は、0.25〜15mgのリコペンと2.5〜100mgのブドウの種の抽出物とを含んで成り、好ましくは0.5〜5mgのリコペンと5〜50mgのブドウの種の抽出物とを含んで成り、特に0.75〜2.5mgのリコペンと10〜30mgのブドウの種の抽出物とを含んで成り、特に1〜2.5mgのリコペンと10〜25mgのブドウの種の抽出物とを含んで成ってよい。
【0072】
実施態様の別の組み合わせでは、組成物は1〜2.5mgのリコペンと、5〜50mgのブドウの種の抽出物と、50〜200mgの軟骨抽出物とを含んで成ってよい。
【0073】
本発明の組成物は、経口投与用であり、固形投与形態、例えば錠剤、粉剤、顆粒、カプセル、薬袋の形で、または、液状投与形態、例えば溶液、懸濁液、ドリンク剤またはシロップの形で投与されてよい。このような投与形態は、製薬技術的に良く知られた方法で調製されてよく、当業者間で共通に使用される形態のいずれかの1つまたは複数の賦形剤を含有してよい。固形の組成物の場合、コンベンショナルな非毒性固体賦形剤が使用されてよい。その一例としては、薬剤等級のマンニトール、ラクトース、澱粉、大豆繊維、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、例えば微結晶性セルロース、グルコース、サッカロース、二酸化珪素、炭酸カルシウムなどが挙げられる。液状投与形態は、活性成分と任意の製薬学的な助剤とを、水または水性液、例えばジュース、オイルまたはアルコールのような賦形剤中に溶解、分解して、溶液または懸濁液を形成することにより得ることができる。所望の場合には、本発明による経口投与用組成物は、湿潤剤乳化剤または緩衝液等のような当業者によく知られた少量の添加剤を含有することもできる。このような投与形態は、当業者に良く知られた原理に従って配合されてよい。例えば「Remington's Pharmaceutical Sciences」ペンシルベニア州、イーストン、Mack Publishing Company, 第15版 1975年;またはMartindale著「The Extra Pharmacopeia」英国薬剤師会、第31版、1996年を参照されたい。
【0074】
組成物は、親油性抗酸化剤、例えばトマト抽出物、またはリコペンを含んで成る抽出物が標準的に放出するように配合され、親水性抗酸化剤、例えばブドウの種の抽出物が遅延して放出するかまたは徐々に放出するように配合されるようになっていてよい。
【0075】
例5から判るように、経口摂取された組成物は、皮膚の状態に対して視認可能な明らかな効果を有する。図4も、本発明の組成物を摂取した有志が皮膚全体の状態、柔軟さ、目の周りおよび口の周りの皮膚の質の改善に気づいたことを示す。こうして、例1〜4の結果はin vivoに首尾よく置き換えられ、組成物は経口摂取した場合に体系的に作用するように思われる。
【0076】
本発明の組成物は、経口用の化粧品、食品、補助食品、薬剤または栄養剤として使用されてよい。
【0077】
本発明の別の特徴は、健康な皮膚の全般的な維持に使用して、老化またはUV暴露による皮膚の退化開始を遅らせるための組成物、または、皮膚の老化の徴候を治療するための組成物に関する。本発明の組成物は、老化した皮膚、日光またはUV照射の他の形に暴露された皮膚、乾燥皮膚、肌あれ、変色した皮膚、にきびのある皮膚、瘢痕のある皮膚、伸展線、湿疹または乾癬のある皮膚の治療に適している。
【0078】
皮膚の老化の徴候、および、UV照射から生じる損傷に対して皮膚を美容的または予防的に処置するための、上記のように定義付けした組成物の経口投与含んで成る方法は、本発明の重要な特徴である。同様に、老化した皮膚、日光またはUV照射の他の形に暴露された皮膚、乾燥皮膚、肌あれ、変色した皮膚、にきびのある皮膚、瘢痕のある皮膚、伸展線、湿疹または乾癬のある皮膚を美容的または予防的に処置するための、上記のように定義付けした組成物の経口投与含んで成る方法が、本発明の別の特徴である。皮膚の老化の徴候を防止するかまたは遅らせ、UV照射暴露の有害な効果を防止または低減し、伸展線を治療し、にきびを治療し、湿疹の症状を低減し、瘢痕形成および創傷の治癒を助成し、瘢痕を減少させ、乾癬の症状を低減し、または肌あれ、変色した皮膚または乾燥した皮膚を治療するための薬剤を調製するのに、上記のように定義付けした組成物を使用することが期待される。
【0079】
このような用途の場合、軟骨成分と親水性抗酸化剤と親油性抗酸化剤とを含んで成る上述のように定義付けした混合物の、平均的な成人の典型的な一日の用量は、55〜3700mgである。投与は一日1回、または一日に最大4回に分けて、例えば1回、2回、3回または4回にわたって、好ましくは一日1回または2回にわたって行われてよい。
【0080】
組成物は、当業者によく知られた原理に従って、例えば錠剤容器、ブリスター・パックまたはボトル内にパッケージングされてよい。成分のうちの1つが感光性である場合、具体的には親油性抗酸化剤がリコペンである場合、組成物を光から遮蔽することが好ましい。例えばブリスター・パックの場合に、このブリスター・パックがそれぞれアルミニウム・フォイルとアルミニウムでコーティングされたプラスチック・フォイルとを含んで成る2つのシートから形成された周知のタイプであるならば、上記のような光からの遮蔽が適切に達成される。このようなブリスター・パックは例えば、それぞれプラスチック/アルミニウムの積層体(例えばPVC、アルミニウムおよび延伸ポリアミドのフォイル含んで成る積層体)と、任意にはワニス被覆された、薄いアルミニウム・フォイルとを含んで成る成形(凹部形成)シートである。
【実施例】
【0081】
本発明を以下の例により説明する。ただしこれらの例は本発明を限定するものではない。
【0082】
例1
親水性抗酸化剤、疎水性抗酸化剤および軟骨抽出物の効果的な濃度の決定
【0083】
種々の濃度のブドウの種の抽出物(1〜200μg/ml)と、軟骨抽出物(0〜1000mg/ml)と、トマト抽出物(0〜200μg/ml)とを、in vitroで培養したヒトの皮膚の繊維芽細胞中で、用量に関連して試験した。全ての培養条件下における細胞の生存・成長率を評価した後、成分毎に単一の最適な濃度を選択した。
【0084】
方法
軟骨抽出物、ブドウの種の抽出物、およびリコペンを含有するトマト・ペーストの作業溶液を以下の通り調製した:
【0085】
軟骨溶液(40mg/mL)
200mgの魚粉末(軟骨を酵素作用下でタンパク質加水分解し、加水分解されたものをろ過し、噴霧乾燥することにより調製した軟骨抽出物)を、5mLのHanks Buffered Saline Solution(ハンクス緩衝食塩水)(Hanks)中に溶解し、滅菌ろ過した。
【0086】
ブドウの種の溶液(40mg/mL)
200mgのブドウの種の抽出物(イタリー国ミラノ、インデナ)を5mLのHanks緩衝食塩水(Hanks)中に溶解し、滅菌ろ過した。
【0087】
トマト溶液(40mg/mL)
プレストック:400mgのトマト・ペースト(40mgのリコペン含有)を4mLのテトラヒドロフラン中に溶解し、滅菌ろ過し、使用するまで−80℃で貯蔵した。
【0088】
トマト作業溶液(プレストック:100μg/mL)
トマト作業溶液:プレストックを細胞培地DMEM中で使用する直前で、1:1000に稀釈した。
【0089】
ヒト繊維芽細胞を以下のように培養した:10,000個の細胞/ウェルを24個のトレイにシーディングした。細胞を一晩付着させたままにし、その後、培地を異なる濃度の軟骨抽出物(F)と、ブドウの種の抽出物(G)と、トマトの抽出物(T)とを含有する培地と交換した。細胞培地、DMEM、(10%のウシ胎仔血清、+グルタミン、ペニシリン/ストレプトマイシン)を2〜3日毎に交換した。ただしTEを含有する培地は毎日新しくした。細胞を密集成長させ(37℃、5%のCO2、95%の湿度)、細胞を引き離すために1つのウェル当たり300μLのトリプシン/EDTAを使用して、二日毎に37℃でインキュベータ内に10分間滞在している間に細胞をカウントした。この場合、1mL当たりの細胞をカウントするのに、200μLを使用した。
【0090】
最長15日後に細胞生存および細胞成長を評価した。細胞中のMTT取込みを測定することにより細胞生存を評価した。取込みレベルは、ミトコンドリア活性のレベルに相応する。ミトコンドリア活性は細胞生存能力のサインとして使用することができる。MTTを、青色に着色された化合物、ホルマザンに還元する。ホルマザンは、655nmを基準として、595nmのUV/VIS吸収によって検出される。
【0091】
1つの培養フラスコ当たりの細胞の数として、細胞の成長を評価した。細胞の数は電子カウンタ、Coulter(商標登録)を使用してカウントした。
【0092】
結果
70μg/mLの軟骨抽出物と、10μg/mLのブドウの種の抽出物と、10μg/mLのトマト抽出物(=1.0μg/mLのリコペン)とを補給された細胞培養は、細胞の成長に最適な環境を提供した。これらの濃度は、毒性効果を有さず、また細胞分裂速度を変化させなかった。この結果は、選択された組み合わせを補給された培地中の繊維芽細胞を、50日間を上回る長期間にわたって培養することによって、さらに確認された。細胞分裂の数および細胞の成長に相応する、モニタリングされた累積集団倍加レベル(CPDL)は、被験成分によって影響されることはない。これらの結果を表1および図1に示す。
【0093】
【表1】

【0094】
例2
コラーゲン合成に対する組成物の効果
【0095】
コラーゲンの合成に対するF,GおよびTの影響を試験するために、in vitroでのテスト・システムを確立した。プロリン含有タンパク質中への放射性プロリン([14C]−プロリン)の混和を測定することにより、コラーゲンの合成を評価した。これらのタンパク質は大部分がコラーゲンと見なされる。この場合プロリン残基の数はアミノ酸の総数の30%を上回る。前述のように例1において決定された最適な濃度のF,GおよびTの種々の組み合わせを、細胞培地に添加し、分泌された標識タンパク質の放射能を24時間後に測定した。
【0096】
方法
F,GおよびTの抽出物を例1の通りに製造した。
【0097】
ヒト繊維芽細胞培養内に、放射性同位体で標識付けされたプロリンを以下の通り混和した(試験法A):F,GおよびTの種々の組み合わせをシーティング後その日に添加し、細胞を密集成長させた(約1週間)。培地は毎日交換した。密集時に、培地を0.5mLの放射性溶液(25μCi)+F,GまたはTを有さない2.5mLの培地に変更した。
【0098】
細胞を次の24時間、インキュベータ内に放置し、次いで培地を捕集し、以下の手順で処置することにより放射能を測定した:TCA沈殿:5μLの培地を20μLのBSA(0.5g/L)および1mLのTCA(10%)と混合し、−20℃で30分間放置した。試料を解凍し、ニトロセルロース・フィルタを通すことにより、標識付けタンパク質から遊離放射性プロリンを分離した。フィルタをチューブに移し、このチューブには2.5mLのシンチレーション液を加えた。チューブを1時間暗所に放置し、その後、5μLのサンプルの放射能をシンチレーション・カウンタで測定した。
【0099】
結果
結果の要約を表2aおよび2bに示す。GT抽出物を含有する細胞培養は、対照と比較して、プロリンの混和度を減少させた。つまり、混和度は対照における4.8%と比較して3.6%であり、25%だけ減少した。FTを含有する細胞培養はプロリン混和度に対して目立った影響を与えなかった。それというのも、混和度は対照における4.8%と比較して5.0%であり、4%だけしか上昇しなかったからである。FGを含有する細胞培養は、プロリン混和度を僅かに増大させた。すなわち、混和度は5.5%であり、対照と比較して10%だけ上昇した。
【0100】
F抽出物だけを含有する細胞培養は、プロリンの混和度を増大させ、混和度は6.2%であり、29%だけ上昇した。しかしながら、FGT抽出物は、プロリン混和度を驚くほど劇的に80%も増大させた(プロリン混和度8.4%)。
【0101】
このようなタイプの試験において、30%を上回る際は有意なものと考えられる。
【0102】
【表2】

【0103】
例3
UV暴露時のヒト繊維芽細胞に対する組成物の効果
【0104】
UVA暴露は、皮膚の多数の退行変化の原因となり、皮膚が退行変化すると、老化の明らかな徴候が現れる(光老化)。UVによって誘発される損傷に対するF,GおよびTの抽出物およびこれらの組み合わせの潜在的な保護効果を、UV照射時に皮膚繊維芽細胞培養内で、光老化と関連する生化学的マーカーをモニタリングする(MMP−1およびAGEのレベル)ことにより試験した。
【0105】
ヒトの繊維芽細胞の細胞培養に4日間連続して毎日、UVAを一回照射した。2つの異なる照射量を使用し(5および7.5J/cm2)、これらの照射量は、細胞死が発生しないように許容される最大照射量に相当する。
【0106】
F,GおよびTの(例1において決定し記載したとおりの)最適な濃度細胞培養に、F,GおよびTの種々の組み合わせ(F,FG,FT,GTおよびFGT)を補給し、MMP−1活性およびAGE形成を1日後および4日後に測定した。
【0107】
方法
例1に記載したように抽出物を製造した。
【0108】
以下の通り、細胞の培養を行った:所与の継代を有する細胞を、F,GおよびTの種々の組み合わせを含有する培地に変更した。密集時にこれらの細胞を、処置毎に4つのフラスコを得るために、1:4に分割した。密集時に1つ(1:4分割)または2つ(1:2分割)を4つの新しいフラスコに連続的に継代培養した。
【0109】
細胞培養のUVA照射を以下の通り行った:6 x Philips 40W UVA Cleo Performanceチューブを使用してUVA照射量を生成した。Hagner UVAメーターを使用して、照射量W/m2を測定し、所望の照射量5,7.5,10および15J/cm2に達するのに必要な暴露時間を算出した。予備試験は、細胞死を引き起こさない最適な照射量が7.5J/cm2であったことを示す。
【0110】
APBiotechから商業的に入手可能なテストシステム、Code RPN 2629を用いて、MMP−1活性(内生的活性プラス潜在レベル)を突き止めた(試験法B)。
【0111】
AGEをELISA技術に基づいて突き止めた(試験法C):
【0112】
1日目:マイクロプレートに50ngのAGE/ウェルをコーティングし、炭酸塩緩衝液中に+4℃で一晩稀釈した。
【0113】
2日目:ウェルを4回、PBST(PBSおよび0.05%のTWeen 20)で洗浄し、次いで、200μL/ウェルのPBS−ミルク(6%)中に室温(RT)でブロックした。次いでウェルを4回、PBSTで洗浄してから、先ず50μLのAGE基準(20〜20,000単位/ウェル)または50μLの試料(50μgのタンパク質/mL)をウェルに添加し、次いで50μLのAGEポリクローナル抗体(稀釈率1/1000)を添加した。プレートを2時間RTで高速攪拌した。ウェルを4回、PBSTで洗浄してから、第2の抗体(ポリクローナル・ラビット、HRP、稀釈率1/1000)を50μL/ウェルで添加し、2時間RTで攪拌した。最後に、ウェルを4回、PBSTで洗浄してから、基質(1OPDタブレット/3mLのddH2O + 1/1000(v/v)の過酸化水素(35%))を100μl/ウェルで添加した。プレートを暗所に放置し、適切な色の発色後、50μLのH2SO4(1M)を添加することにより反応をストップさせた。プレートの吸収率を490nmで(基準は655nm)で読んだ。
【0114】
結果
MMP−1活性およびAGE形成の結果をそれぞれ図2および3に示す。
【0115】
1.MMP−1活性
UVA照射は、1日目および4日目の双方の試験において、非処置細胞(対照)内のMMP−1活性を誘発することが判った。これにより、UVAによる、培養繊維芽細胞内のMMP−1誘発が可能であることが確認された。対照細胞のMMP−1活性は光老化プロセス中にほぼ倍加した。
【0116】
GTで処置した細胞は1日目において34%の増加を、4日目において58%の増加を示した。
【0117】
逆に、Fを補給された細胞内ではMMP−1活性が誘発された。MMP−1活性はUV暴露後、1日目で3倍に、4日目で4倍になった。
【0118】
驚くべきことに、FとGTとを組み合わせることによりFGTを形成すると、UVに暴露された細胞のMMP−1活性は増加しなかった。従って、FGTで処置された細胞のMMP−1活性は、同一条件下での対照細胞のMMP−1活性の半分である。
【0119】
【表3】

【0120】
II. AGE形成
結果を図3および表4に示す。UVの単一照射量に暴露されると(5J/cm2)、非補給対照細胞のAGEレベルは、非照射対照細胞に比べてほぼ20倍だけ増加した。同一条件下で、Fを補給された培養のAGEレベルは40倍だけ増加した。このことは、FがUV照射時のAGE形成に対して保護効果を有さないことを示す。図3から明らかなように、FGを補給された細胞のAGEレベルは72単位だけ増加した。このレベルは、非処置の照射対照細胞と同一範囲にある(この対照に対して10%の減少)。
【0121】
注目すべきことに、FGTで処置された細胞は、非照射細胞に対するほぼ22単位の驚くべきAGEレベル減少を示した。このことは、非処置の照射細胞に対するAGE濃度の120%の減少に置き換えられる。
【0122】
このように、本発明の組成物は、プロリン混和度を改善し、MMP−1活性およびAGE形成に関して、UV暴露細胞における有益な効果を提供する。
【0123】
【表4】

【0124】
例4
上述の比率(記載の量は最終投与単位当たりの量である)で混合された以下の成分を使用して、本発明による組成物を調製した。
【0125】
リコペンは酸素に対して鋭敏であり、顆粒の混合および取り扱い、錠剤の圧縮、錠剤の保管およびアルミニウム−アルミニウム−ブリスターカード内の包装は全て保護窒素下で行う。
【0126】
組成物1(錠剤コードSF)
105mgの軟骨抽出物(軟骨を酵素作用下でタンパク質加水分解し、加水分解されたものをろ過し、噴霧乾燥することにより調製した);
100mgの植物抽出物(トマトから抽出した約1.5mgのリコペンと、ブドウの種から抽出した約14mgのフラボノイドとを含有し、残余は大豆繊維、トマト油および二酸化珪素;イタリー国ミラノ、インデナから入手可能なAlextan(登録商標));
30mgのアセロラ抽出物(約7.5mgのアスコルビン酸を含有し、残余はアセロラ成分およびマルトデキストリン);
66mgの微結晶性セルロース;
4mgの二酸化ケイ素(粒度2.4〜3.6μm)
【0127】
Loedigeミキサーで6分間、混合を行った。粉末混合物を圧縮して305mgの重量を有する錠剤にした。
【0128】
組成物2(錠剤コードSF−1)
105mgの軟骨抽出物(軟骨を酵素作用下でタンパク質加水分解し、加水分解されたものをろ過し、噴霧乾燥することにより調製した);
100mgの植物抽出物(トマトから抽出した約1.5mgのリコペンと、ブドウの種から抽出した約14mgのフラボノイドとを含有し、残余は大豆繊維、トマト油および二酸化珪素;イタリー国ミラノ、インデナから入手可能なAlextan(登録商標));
30mgのアセロラ抽出物(約7.5mgのアスコルビン酸を含有し、残余はアセロラ成分およびマルトデキストリン);
81mgの微結晶性セルロース;
4mgの二酸化ケイ素(粒度2.4〜3.6μm)
【0129】
Loedigeミキサーで6分間、混合を行った。粉末混合物を圧縮して320mgの重量を有する錠剤にした。
【0130】
組成物3(錠剤コードSS)
105mgの軟骨抽出物(軟骨を酵素作用下でタンパク質加水分解し、加水分解されたものをろ過し、噴霧乾燥することにより調製した);
100mgの植物抽出物(トマトから抽出した約1.5mgのリコペンと、ブドウの種から抽出した約14mgのフラボノイドとを含有し、残余は大豆繊維、トマト油および二酸化珪素;イタリー国ミラノ、インデナから入手可能なAlextan(登録商標));
62mgのイヌリン
30mgのアスコルビン酸;
15mgのグルコン酸亜鉛;
13mgの二酸化ケイ素(粒度2.4〜3.6μm)
【0131】
Loedigeミキサーで6分間、混合を行った。粉末混合物を圧縮して325mgの重量を有する錠剤にした。
【0132】
典型的な組成
FE:105mg GE:13.75mg TE:14.38mg(このうちリコペンは10%=1.44mg)
【0133】
例5
例1の組成物を消費者テストで試験して、皮膚の変化に関する消費者の認識を確かめた。129人の有志が3ヶ月の試験に入り、例1の組成を含有する錠剤を毎日2錠服用した。有志は、試験に入る前に自分の皮膚の様子と質とを記録した。補充の1,2および3ヶ月後、有志は皮膚の様子および質の変化を以下のコードに従って評価した:0−変化なしの状態、1−僅かに改善した状態、2−改善した状態、3−著しく改善した状態。
【0134】
図4は、パラメータ「全体的な皮膚の状態」、「柔軟さ」、「目の周りの皮膚」および「口の周りの皮膚」の質の評価結果を示す。改善度は、改善を経験した有志の百分率である。
【0135】
【表5】

【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】例1における細胞成長の評価結果である。
【図2a】例3におけるMMP−1活性の評価結果である。
【図2b】例3におけるMMP−1活性の評価結果である。
【図3】例3におけるAGE形成の評価結果である。
【図4】例5における皮膚の様子および質の変化の評価結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物抽出物と軟骨抽出物とを含んで成る経口投与のための組成物であって、前記植物抽出物がブドウの種の抽出物とトマトの抽出物とを含んで成る、経口投与のための組成物。
【請求項2】
前記植物抽出物が約2:1〜1:2、好ましくは約1:1の重量/重量比の、ブドウの種の抽出物とトマトの抽出物とを含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
植物抽出物と軟骨抽出物とを含んで成る経口投与のための組成物であって、前記植物抽出物が約5:1〜15:1、好ましくは約10:1の重量/重量比の、ブドウの種の抽出物とリコペンとを含んで成る、経口投与のための組成物。
【請求項4】
前記軟骨抽出物と前記植物抽出物とが、約1:2〜2:1、好ましくは約1:1の重量/重量比で存在する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記軟骨抽出物が、コンドロイチンエステル、ケラタンエステル、ヒアルロン酸またはそのエステル、デルマタンエステル、ヘパリン、ヘパランエステル、およびこれらのエピマーおよびポリマーから成る群から選択されたグリコサミノグリカンを含んで成り、上記グリコサミノグリカンのそれぞれが任意にはペプチドに結合可能である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記グリコサミノグリカンが、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、およびケラタン硫酸から成る群から選択され、前記グリコサミノグリカンのうちのそれぞれが、任意にはペプチドに結合されている、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記軟骨抽出物が、任意にはペプチドに結合された、コンドロイチン硫酸を含んで成る、請求項1から6までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.1重量%未満のコラーゲンから成り、最も好ましくはコラーゲン非含有である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%のリコペン、例えば0.3〜2重量%のリコペン、最も好ましくは0.3〜1重量%のリコペン、特に0.3〜0.8重量%、例えば0.3〜0.6重量%のリコペンを含んで成る、請求項1から8までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物は、試験法Aで測定して、少なくとも35%だけコラーゲン合成を増大させる、請求項1から9までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
試験法Bの条件下における対照と比較して、前記組成物がMMP−1活性によって測定して、酸素フリーラジカルの有害な効果を少なくとも40%、例えば少なくとも45%、例えば少なくとも50%だけ減少させる、請求項1から9までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、対照との比較において試験法Cの条件下で測定して、グリコシル化最終産物(AGE)の形成を少なくとも10%だけ、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも30%、40%、50%または60%だけ、好ましくは少なくとも70%、特に少なくとも80%または90%だけ、最も好ましくは少なくとも100%または110%だけ低減する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
経口投与のための組成物であって、該組成物が、i)軟骨、該軟骨から抽出可能な1つまたは複数の化合物、またはこれらの誘導体と、ii)1つまたは複数の親水性抗酸化剤と、iii)1つまたは複数の親油性抗酸化剤とを含んで成り、前記組成物は、試験法Aで測定して少なくとも35%だけコラーゲン合成を増大させる、経口投与のための組成物。
【請求項14】
前記1つまたは複数の親水性抗酸化剤が、ブドウの種の抽出物に由来する、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記1つまたは複数の親油性抗酸化剤が、トマト抽出物に由来する、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記1つまたは複数の親水性抗酸化剤が、天然源または合成源に由来する、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
前記天然源が、松の樹皮、ヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera)、カメリア・シネンシス(Camelia sinensis)、エスクラス・ヒポカスタナム(Aesculus hippocastanum)、イチョウ(Gingo biloba)、カルダス・マリアナム(Cardus marianum)、ヴァシニアム・ミルチラス(Vaccinium myrtillus)、シリバム・マリアナム(Silybum marianum)から成る群から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記1つまたは複数の親水性抗酸化剤が、オリゴマープロシアニドールである、請求項13に記載の組成物。
【請求項19】
前記1つまたは複数の親水性抗酸化剤はヴィティス・ヴィニフェラのブドウの種から抽出可能である、請求項13から18までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記1つまたは複数の親油性抗酸化剤が、天然源または合成源に由来する、請求項13に記載の組成物。
【請求項21】
前記天然源がトマト品種である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
トマト抽出物が前記親油性抗酸化剤の唯一の源である、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
前記トマト品種がリコペルシカム・エスクレンタム(Lycopersicum aesculentum)である、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
前記親油性抗酸化剤が、α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコペン(ψ,ψ−カロチン)、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ルテインおよびキサントフィルから成る群から選択されたカロチノイド含んで成る、請求項13から23までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記1つまたは複数の親油性抗酸化剤の1つがリコペンである、請求項13から24までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物が、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%のリコペン、例えば0.3〜2重量%のリコペン、最も好ましくは0.3〜1重量%のリコペン、特に0.3〜0.8重量%、例えば0.3〜0.6重量%のリコペン含んで成る、請求項13から25までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
1つまたは複数の親油性抗酸化剤の前記天然源が、
約5〜12%のリコペン;
1〜1.5%のトコフェロール;
0.05〜0.25%のβ−カロチン;
0.5〜0.75%のフィトエン;および0.5〜0.55%のフィトフルエン含んで成る、請求項20に記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物が、0.025%未満、好ましくは0.02%未満、特に0.01%未満のβ−カロチン含んで成る、請求項1から27までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
前記コラーゲン合成の増加が少なくとも40%、例えば少なくとも45%、例えば少なくとも50%、少なくとも55%、好ましくは少なくとも60%、例えば少なくとも65%、少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも75%または少なくとも80%である、請求項13から28までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
試験法Bの条件下における対照と比較して、前記組成物が、MMP−1活性によって測定して、酸素フリーラジカルの有害な効果を少なくとも40%、例えば少なくとも45%、例えば少なくとも50%だけ減少させる、請求項13から29までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
前記有害な効果がUV暴露による、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記組成物が、対照との比較において試験法Cの条件下で測定して、グリコシル化最終産物(AGE)の形成を少なくとも10%だけ、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも30%、40%、50%または60%だけ、好ましくは少なくとも70%、特に少なくとも80%または90%だけ、最も好ましくは少なくとも100%または110%だけ低減する、請求項13から31までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
前記親水性抗酸化剤と前記親油性抗酸化剤とが、約1:1〜約200:1、例えば2:1〜100:1、詳細には5:1〜50:1、特に5:1〜20:1、好ましくは5:1〜15:1、最も好ましくは約7:1〜12:1、例えば約10:1の範囲の重量比で存在する、請求項13から32までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
前記軟骨、該軟骨から抽出可能な1つまたは複数の化合物と、前記親水性抗酸化剤とが、約1:1〜約200:1、例えば2:1〜100:1、詳細には5:1〜50:1、特に5:1〜20:1、好ましくは5:1〜15:1、最も好ましくは約7:1〜12:1、例えば約10:1の範囲の重量比で存在する、請求項13から33までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
前記組成物が、0.25〜15mgのリコペンと2.5〜100mgのブドウの種の抽出物とを含んで成り、好ましくは0.5〜5mgのリコペンと5〜50mgのブドウの種の抽出物とを含んで成り、特に0.75〜2.5mgのリコペンと10〜30mgのブドウの種の抽出物とを含んで成り、特に1〜2.5mgのリコペンと10〜25mgのブドウの種の抽出物とを含んで成る、請求項13から34までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
前記組成物が1〜2.5mgのリコペンと、5〜50mgのブドウの種の抽出物と、50〜200mgの軟骨抽出物とを含んで成る、請求項13から35までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
前記組成物が、
20〜40重量%の軟骨抽出物、例えば25〜35重量%、好ましくは27〜35重量%、例えば30〜35重量%の軟骨抽出物と;
1〜10重量%のブドウの種の抽出物、例えば2〜8重量%、好ましくは3〜7重量%、例えば3〜5重量%のブドウの種の抽出物と;
1〜10重量%のトマトの抽出物、例えば2〜8重量%、好ましくは3〜7重量%、例えば3〜5重量%のトマトの抽出物と含んで成る、請求項1から36までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物がさらに、アセロラ抽出物含んで成る、請求項1から37までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
前記組成物が、100〜110mgの魚の抽出物と、95〜105mgの植物抽出物と、25〜35.00mgのアセロラ抽出物と、60〜90mgの微結晶性セルロースと、3.5〜4.5mgの二酸化珪素とを含んで成り、前記植物抽出物は、オリゴマープロシアニドールとリコペンとを含んで成り、前記魚の抽出物はグリコサミノグリカンを含んで成る、請求項1から38までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
前記組成物が、100〜110mgの魚の抽出物と、95〜105mgの植物抽出物と、60〜65mgのイヌリンと、25〜35.00mgのアスコルビン酸と、10〜20mgのグルコン酸亜鉛と、10〜15mgの二酸化珪素とを含んで成り、前記植物抽出物は、オリゴマープロシアニドールとリコペンとを含んで成り、前記魚の抽出物はグリコサミノグリカンを含んで成る、請求項1から38までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
前記ブドウの種の抽出物が徐々に放出するように配合され、前記リコペンが標準的に放出するように配合される、請求項1から40までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項42】
前記組成物が、経口用の化粧品、食品、補助食品、薬剤または栄養剤として使用される、請求項1から41までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
前記組成物が、健康な皮膚の全般的な維持に使用して老化またはUV暴露による皮膚の退化開始を遅らせ、また、皮膚の老化の徴候を治療するのに適する、請求項1から42までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項44】
前記組成物が、老化した皮膚、日光またはUV照射の他の形に暴露された皮膚、乾燥皮膚、肌あれ、変色した皮膚、にきびのある皮膚、瘢痕のある皮膚、伸展線、湿疹または乾癬のある皮膚の治療に使用される、請求項1から43までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項45】
前記組成物が、錠剤、粉剤、顆粒、カプセル、薬袋のような固形投与形態で、または、溶液、懸濁液、ドリンク剤またはシロップのような液状投与形態で投与される、請求項1から44までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項46】
請求項1から41までのいずれか1項に記載の組成物の経口投与含んで成る、老化した皮膚、日光またはUV照射の他の形に暴露された皮膚、乾燥皮膚、肌あれ、変色した皮膚、にきびのある皮膚、瘢痕のある皮膚、伸展線、湿疹または乾癬のある皮膚の美容的または予防的な処置法。
【請求項47】
請求項1から41までのいずれか1項に記載の組成物の経口投与含んで成る、皮膚の老化の徴候、および、UV照射への暴露から生じる損傷に対する皮膚の美容的または予防的な処置法。
【請求項48】
請求項1から41までのいずれか1項に記載の組成物の経口投与含んで成る、真皮におけるコラーゲン合成を増大させるか、または真皮におけるコラーゲン合成の減少を低減する方法。
【請求項49】
請求項1から41までのいずれか1項に記載の組成物の使用であって、皮膚の老化の徴候を防止するかまたは遅らせ、UV照射暴露の有害な効果を防止または低減し、伸展線を治療し、にきびを治療し、湿疹の症状を低減し、瘢痕形成の治癒を助成し、瘢痕を減少させ、乾癬の症状を低減し、またはざらついた皮膚、変色した皮膚または乾燥した皮膚を治療するための薬剤を調製するのに使用する、組成物の使用。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−273963(P2008−273963A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106972(P2008−106972)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【分割の表示】特願2001−581835(P2001−581835)の分割
【原出願日】平成13年5月10日(2001.5.10)
【出願人】(502409569)
【Fターム(参考)】