説明

海苔の容器

【課題】食用乾燥海苔の収納、保管及び、取出して使用するに便利な容器を提供する。
【解決手段】ロール状、又は、重畳に成形した食用乾燥海苔体を収納する収容部(2)と、該海苔を乾燥状態とする乾燥剤の格納部(3)及び、この海苔を外部へ導く、引出し通路又は、案内路(30)を備え、更に、外部へ引出した該海苔を、適宜切裁する切断部(6)を設けた本体からなり、開口部には、冠着、密閉できる蓋体(8)(9)を装着したことを特徴とする海苔の容器ならびに、帯状、長尺に成形し、ロール状、又は、重畳に形成した海苔体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食用乾燥海苔の収納容器に関し、帯状で長尺なシートに成型した食用乾燥海苔の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、食用乾燥海苔の形状は板状で、四つ切り、八つ切り、十二切りなどに代表されるように使用する用途に応じて正方形、又は、長方形の規格サイズの他、きざみ海苔と呼ぶ千切で小片形状のものがあり、それぞれに適した容器に収納されている。
【0003】
海苔は、高温や、多湿な外気に晒されると劣化、変質しやすく、品質保持のため乾燥状態を保つ密閉容器で保存することが好ましく、使用する際も必要量のみ容器から取出すなどの注意を要する他、一度、容器から取出した海苔は、他の海苔への変質等の影響を避けるため、再び同容器内に戻すことを避ける等の、管理上の配慮も必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
栄養価も高く、健康に良いとされ、さまざまな形態で所用される海苔は、用途別に各種サイズがあり、必要に応じて数種類の海苔を取り揃え保存するには、品質管理上、又経済的にも好ましくない。又、海苔を収納する容器のうち、袋形状でパウチ式については袋を破裁し取出すことから、使い残り海苔の処理について困惑することが往々にしてあることは否めない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本容器はロール状に成型した帯状で長尺な海苔、又は、折畳み、重畳に成形した海苔を収納し、収納した海苔を本容器に設けた切断部で、所望する適宜な大きさに切断し、且つ任意の枚数を取出すことができる機能を有する収納容器である。
【発明の効果】
【0006】
本発明による海苔の容器は、帯状、長尺でロール、又は、重畳のいずれの乾燥食用海苔の収納に適しており、又、収納した該海苔を、適宜な大きさに切り取り、取出す数量も任意のままであるから、従来にみられる容器取出し後の残り海苔の保管、収納に戸惑うことなく安心して利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(イ)本発明の請求項1の容器は、図1、図2に示すような実施例からなり、上部開口の矩形状箱体の底部中央から、左右の内壁の定位置に、斜面壁となる仕切り板(1)を設け、クサビ形状となる該海苔の収容部(2)を構成すると共に、この斜面壁で隔てる容器底部の左右2箇所に形成されるコーナー空間を、乾燥剤を収納する乾燥剤格納部(3)とする。尚、仕切り板(1)は、容器内の湿気を有効に吸収するため、複数の開孔(4)を有する多孔形状が好ましく、矩形や、櫛形の開口でもよい。
(ロ)収容部(2)の上部には、内壁との間に、収容部(2)からの該海苔の引出し通路となる開口を保有する台座(5)を設け、この台座には、収容部(2)から引出した該海苔を、切裁する切断部(6)を設ける。
(ハ)収容部(2)の一壁面には、該海苔を出し入れするための、矩形状の開口(7)と共に、冠着する蓋体(8)を構成するが、本体上部の開口部分についても、冠着する蓋体(9)を設け、本容器を密閉状態とし、格納部(3)に収納の乾燥剤と合せ本容器内を乾燥状態に保つ。
(ニ)容器上部の蓋体(9)は、上述の引出し通路用開口に接する壁面上部に、開閉自在となる周知の系合部を設け、該蓋体に取付けの系合体(10)を嵌め合せ装着し、上端口縁部の四辺に冠着する構成とし、壁面開口(7)の蓋体(8)についても、同種の系合部を、壁面下部に設け、蓋体の系合体(11)を嵌め合せ、矩形開口の四辺に冠着する構成とする。尚、該蓋体が冠着する上部口縁部、及び壁面開口(7)の口縁部のそれぞれには、回り縁を設け、冠着する蓋体(8)(9)の密着力の向上を図り、本容器内を、いつそう乾燥状態とする構成である。
(ホ)海苔の収容部(2)がクサビ形状である本容器は、収納した該海苔が、常に仕切り板(1)からなる斜面壁に接し、系止状態を保つことから、本容器への外力や、振動に伴い発生する滑動や、回転による、引出し端部の巻き戻りの不具合の発生は阻止され、該海苔は、端部の引張り力に対してのみ回転をしながら送りだしができる構造である。
【0008】
つぎに本発明の請求項2の別異の容器について、図3、図4、図5、を用いて説明する。
(ヘ)上部が開放の矩形箱体の底部から垂直に立ち上げた、間仕切り板(12)で仕切る、一の区画を、ロール状、又は、重畳な海苔を収納する収容部(13)とし、他方の区画を、乾燥剤の格納部(14)とする。
(ト)この格納部上部で、壁面どうしがむかい合う定点に、一対となる軸受け(15)を設け、円筒体(16)の中心軸(17)を嵌め合せ、収容部に収納した該海苔を外部へ導く案内路(30)を構成する他、間仕切り板(12)とむかい合う壁面外部には、収容部(13)から案内路(30)を経て引出す該海苔を、適宜切裁する切断部(18)を設ける。尚、この切断部(18)は、外壁面に固着の二対の支軸(19)に周知の切断歯を取付け構成するが、この支軸(19)は、平板状の形状でも機能上支障はない。
(チ)又、壁面の上部口縁部に沿い、かもいを設け、保持枠(20)を構成し、本体上部及び、切断部(18)のある側壁面に、冠着する蓋体(21)(22)の受け枠とする。
(リ)容器上部の蓋体(21)は、軸受けのある一壁面の上部に、開閉自在となる周知の系合部を設け、蓋体に取付けた系合体(23)を嵌め合せ装着し、口縁部の三辺と、前述の保持枠を一辺とする四辺に冠着する構成とする他、側壁面の蓋体(22)は、切断部(18)のある壁面の下部に前述同様に系合部を設け、蓋体の系合体(24)を嵌め合せ装着し、側面部、底部と、前述の保持枠(20)の四辺に冠着する構成とする。尚、蓋体が冠着する保持枠(20)及び、開口部口縁部、並びに、側面部、底部は、回り縁を設けた構造とし、冠着する蓋体の密着力の向上を図り、乾燥剤と合せ本容器内を乾燥状態とする構成である。
(ヌ)蓋体(21)は、壁面どうしがむかい合う定点に、一対となる軸受け(25)を設け、新たに設ける円筒体(26)の中心軸を嵌め合せ、前述の格納部の上部に設けた円筒体(16)と、平行に重なり合い、一体に動作する案内路(30)を構成し、収容部の該海苔の端部を引出し、この二体の円筒体の間に挟み外部へ送り出す機能を助勢する。
(ル)上記、二組の軸受けの内、格納部上部の軸受け(15)は、円形の凹部形とし、蓋(21)に設けた軸受け(25)は、上下に楕円形の凹部形状からなり、嵌合する円筒体(26)に上下運動を与え、重なり合う二体の円筒体の柔軟な接触を図り、滑らかな回転を得るものである。
(ヲ)収容部(13)と格納部(14)を隔てる間仕切り板(12)は、収納した乾燥剤の湿気を有効に吸収するための開孔(27)で、多孔形状とするが、丸形、矩形、櫛形開口いずれでも良い。
【0009】
本発明の請求項3の別異の容器について、図6を用いて説明する。
(ワ)本容器は、請求項2の容器からなり、海苔収容部の内壁どうしの向かい合う定点に、一対となるU字型の凹部を有する軸受け(28)を設け、ロール状海苔を、その中心位置にある中心軸(29)を嵌め合せ収納し、海苔を取出す際の、端部の引っ張りに対し、回転をし、送りだす機能を備えた構造である。尚、円形の凹部の上部を切り欠くU字形状の該軸受けは、嵌め合す軸の着脱が容易となるもので、一般的に周知されている。尚、本容器にも重畳に成形した海苔を収納、保存するに、なんら支障はない。
【0010】
本発明の請求項4について説明する。
(カ)帯状で長尺に成形した食用乾燥海苔を、連続に巻き込み、ロール形海苔(図7)又は、折畳み積み重ねた重畳形状海苔(図8)に形成したもので、請求項1、2、3の各項の容器に収納、保存、取出しまでを目的とする。又、芯材を用いて巻き込み、中心位置に軸となる芯材を有する芯入りロール形の海苔(図9)も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の請求項1の実施例の斜視図
【図2】本発明の請求項1の実施例の側面図
【図3】本発明の請求項2の実施例の側面図
【図4】本発明の請求項2の実施例のA−Aから内部を透視した図
【図5】本発明の請求項2の実施例の一部分の斜視図
【図6】本発明の請求項3の実施例の説明図
【図7】本発明の請求項4のロール形海苔体の外観図
【図8】本発明の請求項4の重畳形状海苔体の外観図
【図9】本発明の請求項4の芯入りロール形海苔体の外観図
【符号の説明】
【0012】
1 仕切り板
2 収容部
3 格納部
4 開孔
5 台座
6 切断部
7 開口
8、9 蓋体
10、11 系合体
12 間仕切り板
13 収容部
14 格納部
15 軸受け
16 円筒体
17 中心軸
18 切断部
19 支軸
20 保持枠
21、22 蓋体
23、24 系合体
25 軸受け
26 円筒体
27 開孔
28 軸受け
29 中心軸
30 案内路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状、又は、重畳に成形する帯状で長尺な食用乾燥海苔を収納する収容部と、収納した海苔を乾燥状態に保つ乾燥剤の格納部及び、収容部から外部へ引出した該海苔を、適宜切裁する切断部を形成した本体からなり、開口部には、冠着、密閉できる蓋体を装着する海苔の容器。
【請求項2】
ロール状、又は、重畳に成形する帯状で長尺な食用乾燥海苔を収納する収容部と、収納した海苔を乾燥状態に保つ乾燥剤の格納部及び、この海苔を外部へ導く案内路となる円筒体を備え、更に、案内路を経て引出した該海苔を、適宜切裁する切断部を設けた本体からなり、開口部には、冠着、密閉できる蓋体を装着する海苔の容器。
【請求項3】
前記、請求項2の容器の海苔収容部の内壁に、海苔の中心部に形成される中心軸を保持する一対となる軸受けを設けた海苔の容器。
【請求項4】
前記、請求項1から請求項3のいずれかに記載の容器に供されるロール状、又は、重畳に形成する帯状で長尺な海苔体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−13252(P2008−13252A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−212600(P2006−212600)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(395016903)
【Fターム(参考)】