説明

浸透選択性の構造的に頑強な膜の材料

【課題】血液又は人の体の間質液における時間の実質的な周期に浸漬させられる、ブドウ糖のセンサーにおける又は酸素のセンサーにおける使用に適切な、異なるタイプの単量体の単位からなる高分子量の重合体の有機材料を提供する。
【解決手段】生体適合性のマルチポリマーは、約10重量%から約45重量%の少なくとも一つの堅固なセグメント(1)及び約55重量%から約90重量%の柔軟なセグメント(2、3及び4)を含む骨格を有する。その柔軟なセグメント(2、3及び4)は、三つの群、合計の柔軟なセグメントの重量の5重量%から25重量%の酸素の浸透可能な柔軟なセグメント(2)、合計の柔軟なセグメントの重量の5重量%から25重量%の親水性の柔軟なセグメント(3)、及び合計の柔軟なセグメントの重量の50重量%から90重量%の生物学的に安定な相対的に疎水性の柔軟なセグメント(4)へ、分割される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、内在する分析物のセンサーの一部としての使用のための浸透選択性の膜に形成してもよい生体適合性の親水性の区分された区画のマルチポリマーでする必要がある。
【背景技術】
【0002】
1995年6月27日、1996年12月31日、及び1998年5月28日に発行された特許文献1、特許文献2、及び特許文献3は、それぞれ、互いに、あるタイプの材料及びある特定の浸透選択性を有するように、この材料を工作する方式を開示する。しかしながら、内在するブドウ糖のセンサーの用途において、この材料を使用するための、努力がなされたとき、高い酸素及びブドウ糖の浸透性についての要件が、酸化性の環境への露出の後における構造的な強さ及び集結度についての要件との対立にあったことが、見いだされた。より具体的には、その材料が、十分に酸素浸透性に作られたとき、それは、数分を超える間に、体の間質液が置かれた後に、軟弱過ぎのものになったと共にそのセンサー上でばらばらに壊れる傾向があったことが、見いだされた。
【0003】
血液又は間質液のような生物学的な溶液内で、多くの反応性の材料及びそのポリマーの分子の鎖の開裂を発揮すると共にこのように膜又は繊維の強度及び集結度の喪失に帰着してもよい酵素が、存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,428,123号明細書
【特許文献2】米国特許第5,589,563号明細書
【特許文献3】米国特許第5,756,632号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それら反応性の材料並びに重合体の劣化及び開裂を発揮してもよい酵素のいくつかは、過酸化物(O)及び酸のような小さい分子、並びにその重合体における様々なタイプの連鎖と反応するタンパク質分解酵素及び酸化酵素のような酵素を含む。膜又は繊維の集結度のこの喪失は、生存する人の体の体液内におけるブドウ糖の濃さの検出のような、その重合体の材料の浸透選択性並びに固体及びより大きい生物学的な分子の排除に依存する用途には、有害なものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の別個の実施形態において、本発明は、約10重量%から約45重量%の少なくとも一つの堅固なセグメント及び約55重量%から約90重量%の柔軟なセグメントを含む骨格を有する、生体適合性の親水性の区分された区画のマルチポリマーである。その柔軟なセグメントは、三つの群、合計の柔軟なセグメントの重量の5重量%から25重量%の酸素浸透性の柔軟なセグメント、合計の柔軟なセグメントの重量の5重量%から25重量%の親水性の柔軟なセグメント、及び、合計の柔軟なセグメントの重量の50重量%から90重量%の生物学的に安定な疎水性の柔軟なセグメントへ分割される。
【0007】
第二の別個の太陽において、本発明は、ブドウ糖に対して浸透性である、生体適合性の親水性の区分された区画のマルチポリマーであると共に、ここで、それの水の吸収及び親水性の柔軟なセグメントの体積は、それの合計の乾燥した重合体の体積の75%未満である。
【0008】
本発明の前述の及び他の目的、特徴、及び利点は、添付する図面と併せて解釈される、以下の発明の詳細な説明の考慮で、より容易に理解されると思われる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
それの好適な実施形態において、本発明は、マルチポリマー10、血液又は人の体の間質液における時間の実質的な周期に浸漬させられる、ブドウ糖のセンサーにおける又は酸素のセンサーにおける使用に適切な、異なるタイプの単量体の単位からなる高分子量の重合体の有機材料である。図1を参照して、マルチポリマー10は、堅固なセグメント1、その重合体から作られた膜の物理的な引っ張り強さを提供するために、いずれかの鎖間と相互に関連する高度に結晶質の又はガラス質の性質を備えたポリウレタンのドメインを含む。個々の分子の骨格の間におけるエネルギー的に好ましい関連は、互いにそれら鎖を保持すると共に実質的なエネルギーの入力が中断することを要求する領域を提供する。それら三個の異なるタイプの柔軟なセグメント、酸素浸透性の柔軟なセグメント2、親水性の柔軟なセグメント3、及び生物学的に安定なポリカーボナートの柔軟なセグメント4は、個々の分子の鎖において無作為に適合させられる。いずれのタイプの柔軟なセグメントをも、直接的に、堅固なセグメントに、又は、別のタイプの柔軟なセグメントに、付けてもよい。重合体の材料には、各々の種類の、堅固な又は柔軟な、セグメントの多数のドメインがあってもよい。それら柔軟なセグメントは、他の柔軟なセグメントとの、又は、堅固なセグメントとの、低い連合のエネルギーを有するので、そのようにして、より低い程度の力が、その重合体から調製された膜にゴム状の又は可撓性の特性を与える、それら柔軟なセグメントを解離させるために、要求されるであろう。柔軟なセグメントを含有する領域のあまり結晶質の又はガラス質のものではない性質は、酸素及び水性の溶液が、その膜を自由に浸透してもよい領域である。そのポリカーボナートの柔軟なセグメント4は、同様に、堅固なセグメント1よりも結晶質の又はガラス質のものではないが、生存するヒトの組織液に見出された反応性の化学物質及び酵素による劣化に対するそれらの耐性は、このようなポリカーボナートのドメインを含有する本発明の重合体から調製された膜に対して、より大きい程度の生物学的安定性を与える。
【0010】
重ねて、図1を参照して、より具体的には、一つの好適な実施形態においては、そのマルチポリマーは、(1)仮に単独重合体として調製されたとすれば高い融点又はガラス転移温度を有するであろう、実質的に結晶質の又はガラス質の構造1の堅固なセグメント又はドメイン、並びに、(2)ブドウ糖のような有機の溶質を含有する水性の溶液に対して、及び、溶解した酸素に対して、浸透性のものであると共に生物学的な環境における劣化に対して実質的に安定なものである、仮に単独重合体として調製されたとすれば低い融点又はガラス転移温度を有するであろう、実質的に非晶質の構造2、3、及び4の柔軟なセグメントからなる。これらの柔軟なドメイン(2、3、4)は、三個の明瞭なタイプ又は部類の重合体の材料、(i)その材料に酸素の浸透性を付与する重合体のドメイン2、(ii)その材料に親水性を付与する重合体のドメイン3、及び、(iii)その材料に生物学的安定性を付与する重合体のドメイン4、具体的には、ポリカーボナートタイプの構造を含むドメインをさらに含む、そのマルチポリマーの堅固なドメイン1を離間すると共に分離させる材料のオリゴマーの又は重合体のセグメントである。
【0011】
そのマルチポリマーの堅固なドメイン1は、人間の体の流体に浸漬させられた時間の相対的に長い周期にわたる使用のための十分な引っ張り強さ及び弾性を備えた高密度な非多孔性の半浸透性の膜又は中空の繊維の鋳込みを可能にする、物理的な強さ及び耐久性を付与する。そのマルチポリマーの堅固なドメインは、ウレタンタイプの連鎖(N−(CO)−O)のみならず、いくつかの尿素タイプの連鎖(N−(CO)−N)もまた含有してもよいポリウレタンの構造を含む。これらのポリウレタンタイプの重合体は、二可能性のアミン(R−NH)又はアルコール類(ROH)との二官能性のイソシアナート(イソシアナート基:R−N=C=O)のさまざまタイプの反応から結果として生じるが、ここで、Rは、事実上、脂肪族の、脂環式の、アリール、ヘテロアリール、又はアルキルアリールであってもよい。このようなポリウレタンの構造は、それらが、米国特許第5,428,123号明細書に記載されたような、生存する生物体における生物学的な溶液と接触する使用に適切な強い、耐久性のある材料であることが知られる。
【0012】
そのブロック共重合体の柔軟なドメイン2,3、及び4は、化合物の水の溶液及び酸素の両方についての浸透性を付与するが、これらの重合体から鋳造された膜の高密度な非多孔性の性質は、細胞及び固体の材料の懸濁液のような不溶性の材料を排除するためには、妥当なものである。このように、本発明のマルチポリマーから作られた膜又は繊維は、米国特許第5,428,123号明細書に開示されたように、固体の材料が、通過することを可能にしない一方で、水性の溶質及び酸素が、その膜を浸透することを可能にする。
【0013】
本発明において、生物学的な劣化に対する、そのマルチポリマーの抵抗性、並びに、このように、そのマルチポリマーから調製された膜及び繊維の抵抗性は、ポリカーボナートタイプの材料(R−O−(CO)−O−R)からなる、柔軟な、生物学的に安定な、相対的に疎水性のセグメント4のドメインの含有によって増加させられる。ポリカーボナートは、二官能性のアルコールが、二官能性の炭酸エステル基を介して連結されるオリゴマーの又は重合体の材料であるが、ここで、その炭酸エステルの部位の両方の利用可能な酸素の原子を通じて二官能性のアルコール類に連結された、炭酸エステルが、形成される。
【0014】
本発明において、堅固なセグメントの材料1の及びそれら三つの別々のタイプの柔軟なセグメントの材料2、3、及び4の指定された割合で合成されたマルチポリマーが、強さ及び耐久性、水性の溶質に対する及び酸素に対する浸透性、並びに、生存する生物体における生物学的な流体との接触における一方で化学的な/物理的な安定性の所望の性質を所持することが、発見されてきた。本発明は、ブロック共重合体又はマルチポリマーを含むが、ここで、堅固なセグメント1は、その合計の10重量%−45重量%を、及び、それら柔軟なセグメントは、その合計の55重量%−90重量%を、含むが、ここで、それら柔軟なセグメントの間で、三つの必要な成分は、合計の柔軟なセグメントの乾燥重量の5重量%−25重量%の酸素浸透性の材料2、合計の柔軟なセグメントの乾燥重量の5重量%−25重量%の親水性の材料3、及び、合計の柔軟なセグメントの乾燥重量の50重量%−90重量%の生物学的に安定な、相対的に疎水性の材料4、具体的にはポリカーボナートタイプの材料を含む。
【0015】
人間の体の血液又は間質液との接触におけるブドウ糖センサーにおける使用のための本発明の第一の好適な実施形態は、そのマルチポリマーの柔軟なセグメントのドメインについての適切な柔軟なセグメントの材料のタイプのさまざまなタイプによって、特徴付けられる。これらは、酸素浸透性の柔軟なセグメント2については、オリゴマーのポリシロキサンのドメインを含むが、ここで、そのケイ素−酸素の骨格は、さまざまな炭素を含有する官能基(−O−Si(R)−)で置換されてもよいが、ここで、Rは、アルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール基であると共に、そのオリゴマーは、その重合体の骨格の他のセグメントを備えたエステル、エーテル、又はウレタンのような連鎖を介して組み合わせられてもよいシロキシ(Si−OH)の部位で終端をなされると共に、親水性の柔軟なセグメント3については、ポリ(オキシエチレン)(OCHCH−)又はポリ(オキシテトラメチレン)(OCHCHCHCH−)のオリゴマー又は重合体の材料のような、ポリ(オキシアルキレン)鎖を、生物学的に安定な相対的に疎水性の柔軟なセグメント4については、ポリカーボナート鎖を含むが、ここで二官能性のカルボン酸エステルは、エチレン、プロピレン、ブチレン類、及び、より高級なグリコール(−O(CH−O−(CO)−)のような二官能性のアルコール類を連結させる。
【0016】
それら重合体の及びそれらから調製された膜又は繊維の具体的な性質は、そのブロック共重合体のさまざまなドメインの具体的な性質及び割合に従って、変動することができる、例えば、強調された酸素の浸透性が、与えられた使用について望まれるとすれば、酸素浸透性のポリシロキサンの柔軟なセグメント2の内容物の割合を、増加させることができる、増加した生物学的安定性が、望まれるとすれば、生物学的に安定なポリカーボナートの柔軟なセグメントの材料4の割合を、そのマルチポリマーにおいて、増加させることができる。しかしながら、全ての場合において、これらの仕様に従って調製された本発明のマルチポリマーは、強さ/耐久性、水性の溶質及び酸素の選択的な浸透性、並びに、生存する生物体における生物学的な流体への長期間の露出についての適合性が要求される用途において、先に開示された重合体の組成物に対して、強調された生物学的安定性の性質を所持する。
【0017】
本発明の第二の好適な実施形態においては、そのマルチポリマーを、人間の体における様々な生物学的な流体の酸素の含有率を検出するために使用されたセンサーにおいて使用してもよい。本発明のこの実施形態においては、酸素を感知する電極を、そのマルチポリマーの被覆物内に含有してもよいが、それの酸素浸透性の柔軟なセグメントの成分2の割合は、酸素の濃さの正確な検出を可能とする高い程度の酸素浸透性を提供するために、調節されてあり、それの親水性の柔軟なセグメントの成分3の割合は、そのマルチポリマーの膜を通じて溶解した酸素を含有する体液の水性の溶液の自由な拡散を可能にするために、調節されてあり、且つ、それの生物学的に安定なポリカーボナートの柔軟なセグメントの成分4の割合は、そのセンサーが浸漬させられる体液内に含有された反応性の材料及び酵素の存在下で、膜の安定性を提供するために、調節されてある。
【0018】
これらのマルチポリマーを、例1において、以下に概略が述べられるように調製することができる。より一般的には、それらオリゴマーのポリカーボナートの柔軟なセグメントのドメインは、そのマルチポリマーを形成する反応混合物へのオリゴマーのポリカーボナートの材料の導入を通じてマルチポリマーに含まれてもよい。それらポリカーボナートのオリゴマーは、それらポリカーボナートの柔軟なセグメントの末端をそれらポリウレタンの堅固なセグメントの末端へ結びつけるウレタンの連鎖を形成する、堅固なセグメントのオリゴマーのイソシアナート基と反応することができる末端の反応性の水酸基を所持する。本発明のマルチポリマーにおけるポリカーボナートの柔軟なセグメントの割合を、ちょうど、マルチポリマーを形成する反応において、これらの成分の相対的な割合の制御を通じて、記載されたようなポリシロキサン及びポリオキシアルキレンの他の柔軟なセグメントについてのもののように、制御してもよい。
【0019】
上述したマルチポリマーは、酸素及びブドウ糖に対する十分な浸透性を、並びに、様々なタイプの生物学的なセンサーにおける使用のために、妥当な物理的な強さ及び耐久性を、並びに、人間の体における生物学的な劣化及び酸化性の破壊に対する抵抗性と共に、有してもよい。
【0020】
合成:全般的な考察
【0021】
例示的な合成の方法は、この発明の重合体をどのようにして作るかを教示するためのポリウレタンの化学に基づいて、これ以後に与えられる。しかしながら、当業者は、この開示に基づいて、他の区分されたブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及び単独重合体へ、表面を改質する末端基(SME)をどのようにして付随させるかを容易に理解すると思われる。この発明の重合体を、(有機溶剤に溶解させられた)溶液に基づいた重合体として、熱可塑性重合体(100%固体、溶剤無し)として、水で支えられた乳濁液もしくは分散系(水の相に分散させられた重合体)、又は、二成分の鋳造可能な重合体として、調製してもよい。柔軟なセグメント、イソシアナート、鎖の連鎖延長剤、及び/又は、末端基を変化させることによって、多数の重合体の調製を可能とするであろう、合成の手順が、以下に記載される。この発明のSMEを含有する重合体を作るために用いてもよい合成の方法に関係するより多くの詳細が、米国特許第5,589,563号明細書に見出されることもあり、その開示は、これによって、参照によってはっきりと組み込まれる。
【実施例1】
【0022】
合成例1−溶液に基づいた合成
この例において、それら柔軟なセグメントは、2000の分子量を有するポリヘキシル=エチル=カルボナート=ジオール(PHECD)、1500の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)、及び、1000の分子量を有するポリジメチルシロキサン=ジオール(PDMSD)であり、その堅固なセグメントは、250.26の分子量を有する4,4’−ジフェニルメタン=ジイソシアナート(MDI)及び60.1の分子量を有するエチレンジアミン(ED)で構成され、且つ、それら末端基は、2000の分子量を有するメトキシ=ポリエチレングリコール(mPEG)及び、2000の分子量を有する単官能のOHで終端がなされたポリジメチルシロキサン(mPDMS)である。反応器には、8.6モルのPHECD、6.9モルのPDMSD、0.044モルのmPDMS、及び3.8モルのPEGが装填される。それら反応物は、窒素パージと共に、真空下で乾燥させられる。そして、ジメチルアセトアミドにおける32.7モルの4,4’−ジフェニルメタン=ジイソシアナートの溶液が、その反応器に添加されると共に、その反応器の内容物は、さらに、追加のジメチルアセトアミドの溶剤で希釈される。それら構成成分は、3時間の間、55℃で攪拌される。そして、その反応器の内容物は、より多くのジメチルアセトアミドの溶剤で希釈されると共に、40℃まで冷却される。重合体の合成は、ジメチルアセトアミドの溶剤における12.5モルのエチレンジアミンを添加すること、及び、30分の間、40℃で攪拌することによって、完了される。
【0023】
結果として生じる重合体は、以下の特性を有する。
【表1】



【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、重合体の化学及び分析物のセンサーの分野における利用可能性を有する。
【0025】
前述の明細書に用いてきた用語及び表現は、記載の用語として使用されると共に、限定のものではなく、且つ、このような用語及び表現の使用において、示された及び記載された特徴又はそれらの部分の均等物を排除する意図は、ないものであり、本発明の範囲が、後に続く特許請求の範囲によってのみ、定義されると共に限定されることは、認識されることである。
【0026】
この出願は、出願人のRobert S.Wardによって、2003年5月21日に出願された米国仮出願第60/473,015号の、及び、2004年5月21日に出願された浸透選択性の構造的に頑強な膜の材料と題された米国本出願の、優先権を主張する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に従った生体適合性のマルチポリマーにおける数個の重合体の鎖の堅固なセグメント及び柔軟なセグメントの可能な配置の図説である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)約10重量%から約45重量%の少なくとも一つの堅固なセグメント、
(i)合計の柔軟なセグメントの重量の5重量%から25重量%の酸素浸透性の柔軟なセグメント、
(ii)合計の柔軟なセグメントの重量の5重量%から25重量%の親水性の柔軟なセグメント、及び
(iii)合計の柔軟なセグメントの重量の50重量%から90重量%の生物学的に安定な疎水性の柔軟なセグメント
を含む
(b)約55重量%から約90重量%の柔軟なセグメント
を含む骨格を有する、生体適合性のマルチポリマー。
【請求項2】
前記生物学的に安定な疎水性の柔軟なセグメントは、ポリカーボナートである、請求項1に記載のマルチポリマー。
【請求項3】
前記親水性の柔軟なセグメントは、[O(CHの化学的な形態をし、N<4である、請求項1に記載のマルチポリマー。
【請求項4】
前記親水性の柔軟なセグメントは、より具体的には、ポリエチレンオキシドである、請求項3に記載のマルチポリマー。
【請求項5】
前記酸素浸透性の柔軟なセグメントは、ポリジメチルシロキサンである、請求項1に記載のマルチポリマー。
【請求項6】
キャップ形成末端基をさらに含む、請求項1に記載のマルチポリマー。
【請求項7】
前記キャップ形成末端基は、当該マルチポリマーの約10重量%未満を含む、請求項6に記載のマルチポリマー。
【請求項8】
300プサイから1,000プサイまでの引っ張り強さを有する膜を形成することが可能な、請求項1に記載のマルチポリマー。
【請求項9】
100%から1,000%の極限伸びを有する膜を形成することが可能な、請求項1に記載のマルチポリマー。
【請求項10】
乾燥重量の2%から25%の水の吸収を有する膜を形成することが可能な、請求項1に記載のマルチポリマー。
【請求項11】
それの水の吸収及び親水性の柔軟なセグメントの体積が、合計の乾燥した重合体の体積の75%未満であるという特性を有する膜を形成することが可能な、請求項1に記載のマルチポリマー。
【請求項12】
ブドウ糖に対して浸透性である、生体適合性の親水性の区分された区画のマルチポリマーであって、
それの水の吸収及び親水性の柔軟なセグメントの体積は、それの合計の乾燥した重合体の体積の75%未満である、マルチポリマー。
【請求項13】
堅固なセグメント、酸素浸透性の柔軟なセグメント、親水性の柔軟なセグメント、及び、生物学的に安定な疎水性の柔軟なセグメントを有する、請求項12に記載のマルチポリマー。
【請求項14】
前記少なくとも一つの柔軟なセグメントは、より具体的には、5重量%から25重量%の前記酸素浸透性の柔軟なセグメントを含む、請求項13に記載のマルチポリマー。
【請求項15】
前記少なくとも一つの柔軟なセグメントは、より具体的には、5重量%から25重量%の前記親水性の柔軟なセグメントを含む、請求項13に記載のマルチポリマー。
【請求項16】
前記少なくとも一つの柔軟なセグメントは、より具体的には、50重量%から90重量%の前記生物学的に安定な疎水性の柔軟なセグメントを含む、請求項13に記載のマルチポリマー。
【請求項17】
酸化によってブドウ糖を感知する、及び、酸素及びブドウ糖の浸透選択性である膜を含む、ブドウ糖センサーであって、
前記膜は、ポリカーボナートの生物学的に安定な疎水性の柔軟なセグメントを含む骨格を有する、生体適合性のマルチポリマーを含む、ブドウ糖センサー。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−149953(P2011−149953A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−66207(P2011−66207)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【分割の表示】特願2006−533283(P2006−533283)の分割
【原出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】