説明

消化器多核体ウイルス感染症の治療のための組み換えポリクローナル抗体

消化器多核体ウイルス(RSV)を標的とする新規ポリクローナル抗体、およびRSVと反応する新規な高親和性抗体が開示される。前記ポリクローナル抗体は、RSVタンパク質RおよびRSVタンパク質Gの両方と反応する抗体分子を含んでもよく、好ましくは、前記ポリクローナル抗体は、これらのタンパク質の様々なエピトープを標的とする。本発明の単一の抗体分子は、ピコモル範囲で低い解離定数を提供する親和性を示すことが示される。本発明の抗体を産生する方法ならびにRSV感染のためのそれらの使用方法もまた開示される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
RSVサブタイプAおよびBを中和することができる抗−RSV組み換えポリクローナル抗体であって、前記ポリクローナル抗体が、少なくとも1種のRSV外被タンパク質における少なくとも3種の異なるエピトープに一緒に特異的に結合する別個の抗体メンバーを含む、抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項2】
前記ポリクローナル抗体が、少なくとも2種のRSV外被タンパク質に対する特異的な反応性を一緒に提供する別個の抗体メンバーを含む、請求項1記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項3】
RSV外被タンパク質が、RSV Gタンパク質、RSV Fタンパク質およびRSV SHタンパク質から選択される、請求項1または2記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項4】
抗−外被タンパク質の反応性が抗−Gおよび抗−F反応性であり、前記反応性が少なくとも2種の別個の抗−G抗体および少なくとも1種の別個の抗−F抗体により提供される、請求項1から3のうちのいずれか1項記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項5】
第1の抗−G抗体が、G−タンパク質における保存されたエピトープに特異的に結合でき、第2の抗−G抗体が、G−タンパク質システインリッチドメイン(GCRR)に特異的に結合でき、ならびにF−反応性が、抗原部位I、II、IV、V、VI、C、またはF1のうちの少なくとも1つに対して指向性である、請求項4記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項6】
少なくとも抗−G反応性の一部がCX3Cモチーフに対して指向性である、請求項4または5記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項7】
抗−G反応性が、さらに少なくとも1種の株特異的なエピトープに対して指向性である、請求項4から6のうちのいずれか1項記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項8】
抗−F反応性が、少なくとも抗原部位IIおよび抗原部位IVに対して指向性である、請求項4から7のうちのいずれか1項記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項9】
抗−外被タンパク質の反応性が、請求項4から8に対して、または関して指向性であって、さらにSHタンパク質に対して指向性である、請求項1から8のうちのいずれか1項記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項10】
別個の抗体メンバーの組成物が、ドナーにおけるRSV外被抗原に対する多様性、親和性および特異性に関する液性免疫応答を反映する、請求項1から9のうちのいずれか1項記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項11】
請求項1から10のうちのいずれか1項記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体であって、別個の抗体が、RSVに対する液性免疫応答を上げた一人またはそれ以上のヒトドナーから得られた核酸配列によりコードされ、前記ポリクローナル抗体が、十分にヒト抗体であるポリクローナル抗体。
【請求項12】
別個の抗体メンバーが、ドナーに元々存在するVおよびVのペアーから構成される、請求項10または11記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項13】
別個のメンバーが各々、表5に示されるVおよびVのペアーの群から選択されるCDR1、CDR2およびCDR3領域を含む、請求項1から12のうちのいずれか記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体。
【請求項14】
請求項1から13のうちのいずれか1項記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体および医薬上許容される賦形剤を活性成分として含む、医薬組成物。
【請求項15】
哺乳動物においてRSV感染に関連する1つまたはそれ以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、前記哺乳動物に請求項1から13のうちのいずれか1項記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体または請求項14記載の医薬組成物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項16】
有効量が、体重kgあたり抗体100mgまたはそれ以下であり、例えば、体重kgあたり抗体90mgまたはそれ以下、80mgまたはそれ以下、70mgまたはそれ以下、60mgまたはそれ以下、50mgまたはそれ以下、40mgまたはそれ以下、30mgまたはそれ以下、20mgまたはそれ以下、10mgまたはそれ以下、9mgまたはそれ以下、8mgまたはそれ以下、7mgまたはそれ以下、6mgまたはそれ以下、5mgまたはそれ以下、4mgまたはそれ以下、3mgまたはそれ以下、2mgまたはそれ以下、1mgまたはそれ以下、0.9mgまたはそれ以下、0.8mgまたはそれ以下、0.7mgまたはそれ以下、0.6mgまたはそれ以下、0.5mgまたはそれ以下、0.4mgまたはそれ以下、0.3mgまたはそれ以下、0.2mgまたはそれ以下および0.1mgまたはそれ以下である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
有効量が、少なくとも体重kgあたり抗体0.01mgであり、例えば、少なくとも0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8mgである、請求項15記載の方法。
【請求項18】
有効量が、体重kgあたり抗体0.1〜20mgの間である、請求項15記載の方法。
【請求項19】
抗体が、年間あたり少なくとも1回投与され、例えば、年間あたり1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19回で投与される、請求項15〜18のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
抗体が、RSV感染を誘引するリスクの高い年の間に一定間隔で投与される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
一定間隔が、1週間、2週間、1ヶ月間、または2ヶ月間である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
哺乳動物におけるRSV感染に関連した1つまたはそれ以上の症状の治療、改善または予防のための組成物の調製のための請求項1から13のうちのいずれか1項記載の抗−RSV組み換えポリクローナル抗体または請求項14記載の医薬組成物の使用。
【請求項23】
およびVをコードするペアー(pairs)のレパートリーを作成する方法であって、メンバーが、RSV感染から生じる液性免疫応答に関連する遺伝子のペアーを反映するものであって、
a.RSVに感染したドナーまたはRSV感染から回復したドナーからリンパ球を含む細胞画分を提供し;
b.任意選択的に、前記細胞画分からB細胞または血漿細胞を濃縮し;
c.前記細胞画分由来の細胞を複数の容器に個々に分配することを含む、単離された単一細胞の集団を得て;次いで
d.前記単離された単一細胞に由来する鋳型を用いて、重複伸長(overlap extension)RT−PCR法において、増幅させ、VおよびVをコードするペアーの連結を生じさせ;
e.任意選択的に、連結したVおよびVをコードするペアーのネスティド(nested)PCRを実施すること:
を含む方法。
【請求項24】
請求項1から13のうちのいずれか1項記載の組み換えポリクローナル抗−RSV抗体を発現することができる、ポリクローナル細胞株。
【請求項25】
個々の細胞が各々、単一のVおよびVをコードするペアーを発現することができ、全体としてポリクローナル細胞株がVおよびVをコードするペアーのコレクションを発現することができ、各VおよびVをコードするペアーが、抗−RSV抗体をコードする、ポリクローナル細胞株。
【請求項26】
前記VおよびVをコードするペアーのコレクションが、請求項23の方法により作成される、請求項25記載のポリクローナル細胞株。
【請求項27】
本明細書の表5に記載される抗体分子、あるいは前記抗体分子の特異的に結合するフラグメントまたは合成もしくは半合成抗体アナログから選択される単離ヒト抗RSV−抗体分子であって、前記結合するフラグメントまたはアナログが、少なくとも前記単離抗体分子の相補性決定領域(CDR)を含む単離ヒト抗RSV−抗体分子。
【請求項28】
表8に記載された抗体に由来するか、あるいは配列番号:1〜44のうちの1つに含まれる重鎖CDRアミノ酸配列および配列番号:1〜44から選択されるアミノ酸配列より88高い配列番号を有する付随の軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項27記載の抗体分子、フラグメントまたはアナログ。
【請求項29】
ヒト抗体由来のFabにおけるCDRと同一であるCDRを含み、前記Fabは、物質輸送時の制限を避けるために非常に低い密度でセンサー表面上に固定された組み換えRSV Gタンパク質を用いて、Biacore3000において表面プラズモン共鳴分析を実施して測定する場合、500nMまたはそれ以下のRSV Gタンパク質に対する解離定数Kを示す、単離された抗体分子、抗体フラグメントまたは合成もしくは半合成抗体アナログ。
【請求項30】
が、400nMまたはそれ以下であり、例えば、300nMまたはそれ以下、200nMまたはそれ以下、100nMまたはそれ以下、1nMまたはそれ以下であり、900pMまたはそれ以下、800pMまたはそれ以下、700pMまたはそれ以下、600pMまたはそれ以下、500pMまたはそれ以下、400pMまたはそれ以下、300pMまたはそれ以下、200pMまたはそれ以下、100pMまたはそれ以下、90pMまたはそれ以下、および80pMまたはそれ以下である、請求項29記載の単離された抗体分子、抗体フラグメントまたは合成もしくは半合成抗体アナログ。
【請求項31】
ヒト抗体由来のFabにおける抗原結合部位に同一である抗原結合部位を含み、前記Fabは、物質輸送時の制限を避けるために非常に低い密度でセンサー表面上に固定された組み換えRSV Gタンパク質を用いて、Biacore3000において表面プラズモン共鳴分析を実施して測定する場合、500nMまたはそれ以下のRSV Fタンパク質に対する解離定数Kを示す、単離された抗体分子、抗体フラグメントまたは合成もしくは半合成抗体アナログ。
【請求項32】
が、400nMまたはそれ以下であり、例えば、300nMまたはそれ以下、200nMまたはそれ以下、100nMまたはそれ以下、1nMまたはそれ以下であり、900pMまたはそれ以下、800pMまたはそれ以下、700pMまたはそれ以下、600pMまたはそれ以下、500pMまたはそれ以下、400pMまたはそれ以下、300pMまたはそれ以下、200pMまたはそれ以下、100pMまたはそれ以下、90pMまたはそれ以下、80pMまたはそれ以下、70pMまたはそれ以下、60pMまたはそれ以下、50pMまたはそれ以下、40pMまたはそれ以下、30pMまたはそれ以下、25pMまたはそれ以下、20pMまたはそれ以下、15pMまたはそれ以下、10pMまたはそれ以下、9pMまたはそれ以下、8pMまたはそれ以下、7pMまたはそれ以下、6pMまたはそれ以下、および5pMまたはそれ以下である、請求項31記載の単離された抗体分子、抗体フラグメントまたは合成もしくは半合成抗体アナログ。
【請求項33】
クローン番号810、818、819、824、825、827、858または894で産生されるヒト抗体のCDRを含む、請求項27〜32のうちのいずれか1項記載の抗体分子あるいは特異的に結合するフラグメントまたは合成もしくは半合成抗体アナログ。
【請求項34】
医薬上許容される担体、賦形剤、ビヒクルまたは希釈液との混合において、請求項27〜33のうちのいずれか1項記載の抗体分子あるいは特異的に結合するフラグメントまたは合成もしくは半合成抗体アナログを含む抗体組成物。
【請求項35】
請求項27〜33のうちのいずれか1項記載の2種の別個の抗体分子および/または特異的に結合するフラグメントおよび/または合成もしくは半合成抗体アナログを含む、請求項34記載の組成物。
【請求項36】
請求項27〜33のうちのいずれか1項記載の少なくとも3種の別個の抗体分子および/または特異的に結合するフラグメントおよび/または合成もしくは半合成抗体アナログを含み、かかる組成物が、4、5、6、7、9、10、11、12、13、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30種の別個の抗体分子および/またはフラグメントおよび/または合成もしくは半合成抗体アナログを含む、請求項34記載の組成物。
【請求項37】
RSV Fタンパク質に結合する少なくとも1種の抗体分子、フラグメントまたはアナログを含み、RSV Gタンパク質に結合する少なくとも1種の抗体分子、フラグメントまたはアナログを含む、請求項34〜36のうちのいずれか1項記載の組成物。
【請求項38】
請求項27〜33のうちのいずれか1項で定義される少なくとも1種のCDRのアミノ酸配列をコードする、単離核酸フラグメント。
【請求項39】
少なくとも表5に記載されたクローンのうちの1つにより産生される抗体のCDRをコードする、単離核酸フラグメント。
【請求項40】
配列番号:1〜44のうちのいずれか1つに記載される重鎖アミノ酸配列のCDR配列をコードする、単離核酸フラグメント。
【請求項41】
配列番号:89〜132のうちのいずれか1つに記載される軽鎖アミノ酸配列のCDR配列をコードする、単離核酸フラグメント。
【請求項42】
配列番号:1〜44のうちのいずれか1つに記載される重鎖アミノ酸配列のCDR配列および配列番号:1〜44から選択されるアミノ酸配列より88高い配列番号を有する付随の軽鎖CDRアミノ酸配列をコードする、単離核酸フラグメント。
【請求項43】
配列番号:45〜88および/または133〜176に含まれるコーディング配列を含む、請求項38〜42のうちのいずれか1項記載の核酸フラグメント。
【請求項44】
請求項38〜43のうちのいずれか1項に記載の核酸フラグメントを含む、ベクター。
【請求項45】
自律的に複製することができる、請求項44記載のベクター。
【請求項46】
プラスミド、ファージ、コスミド、ミニ染色体、およびウイルスからなる群から選択される、請求項44または45記載のベクター。
【請求項47】
5’→3’方向および作動可能な連結において、請求項38〜43のうちのいずれか1項に記載の第1の核酸フラグメントの発現を促進するための少なくとも1つのプロモーターであって、必須なフレームワーク領域、任意選択でリーダーペプチドをコードする核酸配列、前記第1の核酸フラグメント、任意選択で定常領域をコードする核酸配列、および任意選択で第1の転写終結領域をコードする核酸配列と一緒に少なくとも1つの軽鎖CDRをコードし、ならびに/あるいは
5’→3’方向および作動可能な連結において、請求項38〜43のうちのいずれか1項に記載の第2の核酸フラグメントの発現を促進するための少なくとも1つのプロモーターであって、必須なフレームワーク領域、任意選択でリーダーペプチドをコードする核酸配列、前記第2の核酸フラグメント、任意選択で定常領域をコードする核酸配列、および任意選択で第2の転写終結領域をコードする核酸配列と一緒に少なくとも1つの重鎖CDRをコードするもの
を含む、請求項44〜46のうちのいずれか1項記載のベクター。
【請求項48】
宿主細胞に導入される時に宿主細胞のゲノムに組み込まれる、請求項44〜47のうちのいずれか1項記載のベクター。
【請求項49】
請求項44〜48のうちのいずれか1項のベクターを有する、形質転換細胞。
【請求項50】
請求項44〜48のうちのいずれか1項記載のベクターを有し、請求項38〜43のうちのいずれか1項記載の核酸フラグメントを発現し、ならびに任意選択的にその表面上でその組み換え発現産物を分泌または保有する安定な細胞株。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−528828(P2009−528828A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557594(P2008−557594)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【国際出願番号】PCT/DK2007/000113
【国際公開番号】WO2007/101441
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(505257682)シムフォゲン・アクティーゼルスカブ (24)
【氏名又は名称原語表記】SYMPHOGEN A/S
【Fターム(参考)】