説明

消毒手段を備えた地下水用ラドン低減装置

【課題】消毒手段を備えた地下水用ラドン低減装置を提供する。
【解決手段】本発明の地下水用ラドン低減装置は、地下水供給配管を介して供給される地下水が地下水貯留タンクに流入する前に経由するようになり、上部には地下水が満たされない水車設置空間を形成している撹拌空間形成本体;水車設置空間に位置しており、供給される地下水が落下しながら当たって飛散し、当たる地下水により回転する水車;撹拌空間形成本体に流入する前状態の地下水に酸素を供給する酸素供給手段;水車の回転力の伝達を受けて回転し、水車設置空間と連結されており、水車設置空間の空気を排出する換気ファン;及び、地下水に消毒液が含まれるように消毒液を供給する消毒液供給手段;を含んで構成される。従って、本発明の地下水用ラドン低減装置は、優れるラドン低減効果を有するだけでなく、地下水の消毒も行われる特徴がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揚水された地下水に含まれたラドンを低減させ、地下水を消毒する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水を飲用水として使用する所帯が持続的に増加しているが、農漁村の小規模村などでは、相変らず、地下水を食水源として使用している実情である。
【0003】
しかしながら、水道水の供給方式のように中央供給式水供給システムを好む実情により浄水処理場を具えることができない農漁村地域では、村単位に大型地下水貯留タンクを設置しておき、大型筒井で揚水された水を高地帯の大型地下水貯留タンクに貯留しておくことによって、村の各所帯で地下水の供給を受けることができるようにしているのが実情である。
【0004】
また、地下水を殺菌、消毒するために、揚水された地下水に次亜塩素酸水などの消毒液を投入する地下水消毒装置が案出されているのが実情である。
【0005】
ところが、従来の地下水消毒装置は、単純に消毒液を揚水された地下水に供給して地下水の消毒が行われるようにするものであるため、地下水に消毒液が等しく分布されない現象が発生され、これによって殺菌、消毒効果が期待に及ばない現象が頻繁に発生された。
【0006】
また、単純に消毒液のみを供給するだけであり、酸素まで供給することではなかった。
【0007】
一方、揚水された地下水には相当量のラドンが含まれている場合が多く、含有量が許容値以上である場合も相当ある。
【0008】
ラドンは、無色、無臭、無味の不活性気体でありあって、ウラニウム(U-238)の自然崩壊生成物質のうち一つである。
【0009】
また、半減期が約3.8日である放射性同位元素の一つとして、放射性崩壊の際、アルファ(α)粒子を放出する人体に有害な物質であると知られている。
【0010】
ラドンは、発ガン物質として、呼吸器を介して人体に流入する場合、肺ガンを誘発し、消火器官を介して流入する場合、胃ガンを誘発すると知られている。
【0011】
従って、ラドンが含まれた地下水を飲用水として使用する場合、胃ガンの発生可能性が高まるという問題点があり、生活用水として使用する場合、室内空気の2次汚染による肺ガン可能性が高まるという問題点がある。
【0012】
特に、ラドンの人間に対する危害性は、気体状態のラドンを吸入して発生される肺ガン誘発がもっとも大きいと知られており、米国環境庁(U.S.EPA)資料によると、喫煙の次に大きい比重を占める肺ガン誘発の要因として知られている。
【0013】
ラドンに対する主要国家別規制動向を見ると、米国は4,000pCi/L(ガイドライン)、フィンランドは、8,100pCi/L(飲用水基準)、ノルウェーは、13,500pCi/L(ガイドライン)などである。
【0014】
発表された韓国内地下水のラドン測定結果によると、約10%程度が米国ガイドラインを超過する状態であり、一部地域の地下水は、飲用水として適しない数値のラドンが含まれているという。
【0015】
即ち、韓国内でも1998年以来環境部主管の下に地下水のうち、自然放射性物質含有実態調査事業を遂行中であり、2008年度調査結果によると、地質特性上、自然放射性物質含有量が高いと予想される全国523ケ所の村の上水道など地下水を調べた結果、ラドンは、124個の地点が米国の飲用水提案数値を超えると確認され、これに対する管理を強化する計画である。
【0016】
また、環境部は、ラドン高含量の村の上水道(15、000pCi/L以上)を対象にラドン低減施設を示範運営した結果、曝気施設、活性炭などの効果を確認し、低減管理の可能性を確認したことがある。(以上、2009年2月、環境部報道資料根拠)
【0017】
このような理由で本出願の発明者により韓国特許出願第10-2009-0068476号などのラドン低減装置が案出された。
【0018】
しかしながら、前記のような技術は、地下水の消毒手段を備えていないことであった。
【0019】
また、地下水に含まれたラドンの低減効果が期待に及ばないという問題点と、地下水のラドン低減に充分な動力を確保することができないという短所があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、前記のような問題点を解決するためのものであって、より詳しくは、地下水消毒手段を有し、地下水に含まれたラドンを低減する効果が優れる消毒手段を備えた地下水用ラドン低減装置を提供することである。
【0021】
また、他の目的は、地下水の流動力を介して動力を得る場合、ラドン低減及び地下水消毒手段の駆動に充分な動力を得ることができるようにすることである。
【0022】
また、他の目的は、地下水消毒手段を介して供給される消毒液が揚水された地下水に等しく分布するようにし、優れる殺菌、消毒効果を得ることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明では流動する地下水に消毒液を供給して地下水に消毒液が含まれる(地下水と消毒液とが混合される)ようにすることができる手段(地下水消毒手段)を備え、ラドン低減のためには地下水が水車に当たって飛散するだけでなく、供給される地下水に酸素が供給され、地下水に含まれたラドンが地下水から円滑に分離、排出するようにすることによって、優れるラドン低減機能を有し、且つ地下水の消毒も行われることができるようにする。
【0024】
また、地下水が当たる水車を具現するにあたって、前後左右がふさがっており、落下した水が溜まってあふれることを繰り返すようになっている地下水収容空間が外周面に複数個形成された形態で具現することによって、地下水の流動力を介してラドン低減及び地下水消毒手段の駆動のための動力を十分に得ることができるようにする。
【0025】
また、揚水された地下水が地下水貯留タンクに供給される前に撹拌空間を経由して一定量停滞され、撹拌空間で回転する撹拌スクリューにより地下水と消毒液とが混合されることによって、地下水に消毒液が等しく分布し、優れる殺菌、消毒効果を得ることができるようにする。
【0026】
このような本発明の地下水用ラドン低減装置は、地下水供給配管を介して供給される地下水が地下水貯留タンクに流入する前に経由する所であって、上部には地下水が満たされない水車設置空間を形成している撹拌空間形成本体(撹拌空間形成体)を有する。
【0027】
また、水車設置空間に位置しており、供給される地下水が落下しながら当たって飛散し、当たる地下水により回転する水車を有する。
【0028】
また、撹拌空間形成本体に流入する前の地下水に酸素を供給する酸素供給手段を有する。
【0029】
また、水車の回転力の伝達を受けて回転し、水車設置空間と連結されており、水車設置空間の空気(ラドンが含まれた空気)を排出する換気ファンを有する。
【0030】
また、地下水に消毒液が含まれる(地下水と消毒液とが混合される)ように消毒液を供給する消毒液供給手段を有する。
【発明の効果】
【0031】
本発明の地下水用ラドン低減装置は、流動する地下水に消毒液を供給して地下水に消毒液が含まれるようにすることができる手段(地下水消毒手段)が備えられている。
【0032】
また、供給される地下水が水車に当たって飛散しながら地下水に含まれたラドンが分離され、地下水に酸素を供給する酸素供給手段が備えられており、地下水に含まれたラドンが地下水から一層円滑に分離され、換気ファンを介して排出する。
【0033】
従って、本発明の地下水用ラドン低減装置は、優れるラドン低減機能を有するだけでなく、地下水の消毒も行われる特徴がある。
【0034】
また、前記水車が前後左右がふさがっており、落下した水が溜まってあふれることを繰り返すようになっている地下水収容空間が外周面に複数個形成された形態である場合、地下水の流動力を介してラドン低減及び地下水消毒手段の駆動のための動力を十分に得ることができる。
【0035】
また、撹拌空間形成本体のうち、水車設置空間の下部には供給される地下水が地下水貯留タンクに流入する前に経由して一定量停滞される撹拌空間が形成されており、前記撹拌空間に位置しており、前記水車の回転力の伝達を受けて回転して撹拌空間内の地下水と消毒液とをかき回す撹拌スクリューがさらに備えられた場合、地下水に消毒液が等しく分布し、優れる殺菌、消毒効果を得ることができる。
【0036】
前述した構造において、オリフィスにより消毒液が地下水供給配管に流入するようにし、消毒液の供給量を調節することができるように設けられた流量制御バルブを有し、オリフィスにより空気が地下水供給配管に流入するようにし、酸素の供給量を調節することができるように設けられた酸素供給量制御バルブを有する場合、地下水貯留タンクに供給される地下水の量と該地下水に含まれた細菌などの量に対応される適正量の消毒液と酸素を自動に供給することができる特徴がある。
【0037】
撹拌空間に設定された量の地下水が満たされる場合、あふれて地下水貯留タンクに流入するように撹拌空間のうち、底から離隔した部分にオーバーフロー管が連結されており、地下水が地下水貯留タンクに流入するように撹拌空間の底に連結されている排水管を有し、前記排水管の内径断面積は、地下水供給配管及びオーバーフロー管の内径断面積より小さい場合、消毒液と地下水との混合が十分に行われるだけでなく、撹拌空間に地下水が長時間停滞されないようにすることができるため、汚染を防止することができ、且つ凍破を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の消毒手段を有する地下水用ラドン低減装置を説明するための概略図である。
【図2】本発明の構成要素である水車の形態を示す概略図である。(A)翼のみを有する水車の斜視図である。(B)地下水収容空間31を有する水車の斜視図である。(C)地下水収容空間31を有する水車の断面図である。
【図3】撹拌スクリュー及び仕切りにより地下水が所定の経路に沿って流動することを説明するための概略図である。
【符号の説明】
【0039】
1 地下水貯留タンク
2 地下水供給配管
10 撹拌空間形成本体
11 撹拌空間
12 仕切り
13 水車設置空間
20 撹拌スクリュー
30 水車
31 地下水収容空間
32 傾斜
40 消毒液供給手段
41 流量制御バルブ
42 消毒液供給配管
43 消毒液貯留タンク
44 オリフィス
50 酸素供給手段
51 酸素供給量制御バルブ
52 オリフィス
60 オーバーフロー管
70 排水管
80 排水量調節バルブ
90 流量調節装置
100 換気ファン
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の技術的思想を添付図面を使用して一層具体的に説明する。
【0041】
しかしながら、添付図面は、本発明の技術的思想を一層具体的に説明するために示す一例に過ぎず、本発明の技術的思想が添付図面の形態に限定されることではない。
【0042】
本発明は、地下水用ラドン低減装置に関し、より詳しくは、本出願の発明者により案出された先出願技術と同様に、水車に地下水が当たりながら地下水に含まれたラドンが地下水から分離されるようにする地下水用ラドン低減装置に関する。
【0043】
従って、本発明の地下水用ラドン低減装置は、地下水供給配管2を介して供給される地下水が地下水貯留タンク1に流入する前に経由する所であって、上部には地下水が満たされない水車設置空間13を形成している撹拌空間形成本体10を有する。
【0044】
また、水車設置空間13に位置しており、供給される地下水が落下しながら当たって飛散し、当たる地下水により回転する水車30を有する。
【0045】
また、水車30の回転力の伝達を受けて回転し、水車設置空間13と連結されており、水車設置空間13の空気を排出する換気ファン100を有する。
【0046】
前記のような撹拌空間形成本体10、水車30及び換気ファン100は、韓国特許出願第10-2009-0068476号を介して既に公知されいるものであるため、この部分に対する一般的構造などに対する具体的な説明は省略する。
【0047】
ところが、本発明は、地下水消毒手段を有し、地下水に含まれたラドンを低減する効果が優れる地下水用ラドン低減装置を提供しようとする目的を有する。
【0048】
このために、本発明のラドン低減装置は、撹拌空間形成本体10に流入する前の地下水に酸素を供給する酸素供給手段50を有する。
【0049】
また、地下水に消毒液が含まれるように消毒液を供給する消毒液供給手段40を有する。
【0050】
即ち、従来技術では、単純に地下水が水車に当たって飛散しながら地下水に含まれたラドンが地下水から分離されるようにし、このように分離されたラドンが含まれた空気を換気ファン100を介して換気させることであった。
【0051】
このような構造は、ラドンが含まれた空気の排出が円滑に行われないだけでなく、地下水に含まれたラドンの分離効果も期待に及ばないことであった。
【0052】
本出願の発明者は、多様な研究と実験を介してラドンが含まれた地下水に多量の空気を注入した後、該地下水が水車に当たるようにすると、ラドンの分離効率が優れることを知るようになった。
【0053】
このような理由で、本発明では撹拌空間形成本体10に流入する前の地下水に酸素を供給する酸素供給手段50を備えることである。
【0054】
このような酸素供給手段50を有するため、水車設置空間13に別途の空気流入口を穿孔しなくても水車設置空間13に位置する空気の円滑な排出が行われることができる。
【0055】
本発明では地下水に消毒液を含ませる消毒液供給手段40が備えられるため、ラドンを低減することができるだけでなく、地下水の消毒も実施することができる。
【0056】
前記のような地下水供給手段40は、公知の多様な形態などで具現することができる。
【0057】
しかしながら、単純に地下水に消毒液が供給されるようにする方式は、供給された消毒液が地下水に等しく分布されることができないため、殺菌、消毒効果が期待に及ばない現象が発生するおそれがある。
【0058】
このような問題点の解消のために、揚水された地下水が地下水貯留タンク1に供給される前に、撹拌空間11を経由して一定量停滞されるようにし、撹拌空間11で回転する撹拌スクリュー20により地下水と消毒液とが混合されるようにする構造を案出した。
【0059】
具体的に説明すると、添付図面のように、撹拌空間形成本体10のうち、水車設置空間13の下部には、供給される地下水が地下水貯留タンク1に流入する前に経由しながら一定量停滞される撹拌空間11を形成することである。
【0060】
また、撹拌空間11に位置しており、前記水車30の回転力の伝達を受けて回転し、撹拌空間11内の地下水と消毒液とをかき回す撹拌スクリュー20を備えることである。
【0061】
前記のように構成する理由は、大きさが比較的小さい撹拌スクリュー20を介して撹拌効率を極大化するためである。
【0062】
即ち、大容量の地下水貯留タンク1に撹拌スクリュー20を位置させておいて回転させることは、撹拌スクリュー20の回転のための大きい力が必要であるだけでなく、撹拌効率も期待に及ばないため、比較的小さい空間で小さい撹拌スクリュー20を介して消毒液と地下水とを効果的に混合した後、地下水貯留タンク1に供給することである。
【0063】
前記のような構造を有するため、撹拌スクリュー20を地下水の流動力の伝達を受けて回転させることが可能である。
【0064】
本発明で水車30の回転力を撹拌スクリュー20に伝達することは、ベルト、ギア、チェーンなどの各種動力伝達機構を用いた方式により具現可能である。
【0065】
また、水車30の回転力を換気ファン100が伝達を受けて換気ファン100を回転させる方式でもベルト、ギア、チェーンなどの各種動力伝達機構を用いた方式により具現することができる。
【0066】
このような構成によると、別途の動力を用いなくても撹拌スクリュー20の回転が円滑である。
【0067】
本発明で消毒液供給手段40は、撹拌空間11に地下水を供給する地下水供給配管2と連結され、地下水供給配管2を経由する地下水に消毒液を供給するようにすることができる。
【0068】
このような場合、地下水が水車30に当たって飛散するため、消毒液と地下水との撹拌効率が一層高くなる。
【0069】
本発明において、消毒液供給手段40を介して供給される消毒液が次亜塩素酸水などの塩素系消毒液である場合、供給される酸素との反応により殺菌、消毒効果が一層優れる特徴がある。
【0070】
本発明の消毒液供給手段40は、地下水の供給の際、自動に供給されるようにすることが好ましい。
【0071】
このために、消毒液供給手段40を具現するにあたって、オリフィス(44)により消毒液が地下水供給配管2に流入するようにすることができる。
【0072】
即ち、地下水供給配管2を流動する地下水の流動力により消毒液が地下水に自動に供給されるようにすることである。
【0073】
このとき、消毒液の供給量を調節することができるように流量制御バルブ41を設置することが好ましい。
【0074】
このような流量制御バルブ41は、消毒液供給配管(42)に設置することができる。
【0075】
前記のような流量制御バルブ41を有する場合、供給される地下水の量と該地下水に含まれた細菌などの量を考慮した適正量の消毒液が供給されるように消毒液供給量を調節することができる。
【0076】
本発明の構成要素である酸素供給手段50もオリフィス52により空気が地下水供給配管2に自動流入するようにし、酸素の供給量を調節することができるように設けられた酸素供給量制御バルブ51を有する形態で具現することができる。
【0077】
即ち、オリフィスを有する前述した説明の消毒液供給手段40と同様の方式により具現することができることである。
【0078】
前記のような酸素供給手段50を有する場合、供給される地下水の量と該地下水に含まれた細菌などの量を考慮した適正量の酸素が供給されるように酸素供給量を調節することができる。
【0079】
オリフィス、流量制御バルブ41及び酸素供給量制御バルブ51などは、既に広く公知であって多様な産業分野に適用されているため、この部分に対する具体的な説明は省略する。
【0080】
流量制御バルブ41や酸素供給量制御バルブ51は、流量ゲージを介して流量を確認することができるように具現されることが好ましい。
【0081】
本発明において、撹拌空間11に流入した地下水が撹拌空間11で消毒液と十分に撹拌された後、地下水貯留タンク1に流動するようにすることが好ましい。
【0082】
このために、撹拌空間11に、設定された量の地下水が満たされる場合、地下水があふれて地下水貯留タンク1に流入するようにする必要がある。
【0083】
即ち、添付図面のように、撹拌空間11にオーバーフロー管60を連結し、撹拌空間11の底から離隔した部分にオーバーフロー管60を連結することによって、オーバーフロー管60により撹拌空間11に満たされた地下水があふれて、地下水貯留タンク1に流入するようになっている。
【0084】
ところが、このような構造で別途の手段を備えなければ、撹拌空間11のうち、オーバーフロー管60の下部には地下水が停滞される現象が発生する。
【0085】
撹拌空間11に地下水が停滞される現象は、地下水の汚染につながる可能性があり、冬季には凍破につながる問題をもたらす。
【0086】
従って、これを防止することができる手段が要求される。
【0087】
このような理由で、撹拌空間11の底に排水管70を連結して、オーバーフロー管60に排出されることができない地下水が、排水管70を介して徐々に地下水貯留タンク1に排出されるようにすることができる。
【0088】
即ち、地下水の供給が停止され、オーバーフロー管60の下部に地下水が停滞されても、この停滞された地下水は、排水管70を介して徐々に排水されるようにし、結果的に、撹拌空間11に長時間停滞される地下水は存在しないようにすることである。
【0089】
ところが、地下水供給配管2を介して地下水が供給される場合、地下水が撹拌空間11で停滞されながらあふれる現象が発生しければならないため、拌空間11の底に連結されている排水管70の内径断面積は、地下水供給配管2及びオーバーフロー管60の内径断面積より小さくすべきである。
【0090】
もちろん、排水管70を介する流体の流動量を調節することができる排水量調節バルブ80を有する形態とすることができる。
【0091】
即ち、排水管70の直径に関係なく排水管を介して排水量の調節が可能になるようにすることである。
【0092】
また、排水管70を介する排水が行われないようにする方法又は排水が行われるようにする方法で排水を制御することが可能である。
【0093】
本発明の撹拌空間11に流入した地下水が所定の経路に沿って流動した後、撹拌空間11で排出されるように撹拌空間11に仕切り12を設置する場合、消毒液と地下水とが一層十分に撹拌されるようにすることができる。
【0094】
即ち、撹拌空間11に流入した地下水が十分に撹拌された後、排出されるようにすることである。
【0095】
このような構成で撹拌スクリュー20は、撹拌空間11の地下水が、所定の経路に沿って流動することができるように地下水の流動方向に地下水を押すことができる形態で具現されることが好ましい。
【0096】
添付図面では撹拌空間11に流入した地下水が仕切り12の下部に形成された空間を経由して右側に流動した後、オーバーフロー管60を介して地下水貯留タンクに流出されるようになっている。(図3ご参照)
【0097】
本発明の構成要素である水車は、図2のように多様な形態で具現可能である。
【0098】
しかしながら、消毒効果を高めるための撹拌スクリューの駆動及びラドンの低減のための換気ファン100などの駆動に充分なエネルギーを得ることができるように具現することが好ましい。
【0099】
このために、前後左右がふさがっており(上方だけが開放しており)、落下した水が溜まってあふれることを繰り返すようになっている地下水収容空間(凹部)31は、外周面に複数個形成された図2の(B)及び(C)のような形態で具現することが好ましい。
【0100】
即ち、落下した水が溜まって、そのように溜まった水が水車の回転によりあふれる時、水車を強く回転させる力を発生させるようにすることである。
【0101】
前記のような地下水収容空間31を形成する後面は、地下水収容空間31の下段部に行くほど地下水収容空間31の面積が狭くなるように傾斜32を形成していることが好ましい。
【0102】
これは溜まった地下水が前方にのみあふれる力を有するようにし、水車の円滑な回転が可能にするためである。
【0103】
本発明において、添付図面のように、地下水貯留タンクに満たされる流量によって地下水供給配管を介する地下水の供給が自動にオン(on)、オフ(off)になるように流量調節装置90を有する形態で具現することができる。
【0104】
前記のような流量調節装置90は、トイレの便器などに使われる浮力使用方式などで具現することができる。
【0105】
本発明において、消毒液として次亜塩素酸水などの塩素系消毒液を使用する場合、消毒液と接触する部分は、酸化が速く進行することがある。
【0106】
これを防止するために、本発明の構成要素のうち、消毒液と接触する構成要素は、テフロンのように耐腐食性に優れる材質で具現したり、或いは耐腐食性に優れるテフロンなどがコーティングされた形態で具現することができる。
【0107】
オリフィスのように金属で加工し難い材料は、テフロン材質で具現し、全体をテフロンで具現する場合、費用がたくさんかかる部分は、テフロンがコーティングされた形態などで具現することが好ましい。
【0108】
未説明符号43は、消毒液貯留タンクである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下水に含まれたラドンを低減する装置において、
地下水供給配管2を介して供給される地下水が地下水貯留タンク1に流入する前に経由する所であって、上部に地下水が満たされない水車設置空間13を形成している撹拌空間形成本体10;
前記水車設置空間13に位置しており、供給される地下水が落下しながら当たって飛散し、当たる地下水により回転する水車30;
前記撹拌空間形成本体10に流入する前の地下水に酸素を供給する酸素供給手段50;
前記水車30の回転力の伝達を受けて回転し、前記水車設置空間13と連結されており、前記水車設置空間13の空気を排出する換気ファン100;及び、
地下水に消毒液が含まれるように消毒液を供給する消毒液供給手段40;
を含んで構成された、消毒手段を備えた地下水用ラドン低減装置。
【請求項2】
前記水車は、前後左右がふさがっており、落下した水が溜まってあふれることを繰り返すようになっている地下水収容空間31が外周面に複数個形成されたものであることを特徴とする、請求項1に記載の消毒手段を備えた地下水用ラドン低減装置。
【請求項3】
前記撹拌空間形成本体のうち、水車設置空間13の下部には、供給される地下水が地下水貯留タンク1に流入する前に経由して一定量停滞される撹拌空間11が形成されており、
前記撹拌空間11に位置しており、前記水車30の回転力の伝達を受けて回転し、撹拌空間11内の地下水と消毒液とをかき回す撹拌スクリュー20がさらに備えられていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の消毒手段を備えた地下水用ラドン低減装置。
【請求項4】
前記消毒液供給手段40においては、オリフィスにより消毒液が地下水供給配管2に流入するようにし、
前記酸素供給手段50においては、オリフィスにより空気が地下水供給配管2に流入するようにすることを特徴とする、請求項3に記載の消毒手段を備えた地下水用ラドン低減装置。
【請求項5】
前記消毒液供給手段40は、消毒液の供給量を調節することができるように設けられた流量制御バルブ41を有し、
前記酸素供給手段50は、酸素の供給量を調節することができるように設けられた酸素供給量制御バルブ51を有することを特徴とする、請求項3に記載の消毒手段を備えた地下水用ラドン低減装置。
【請求項6】
撹拌空間11の底から離隔した部分にオーバーフロー管60が連結されており、前記撹拌空間11の地下水が地下水貯留タンク1に流入するように撹拌空間11の底に連結されている排水管70が備えられることを特徴とする、請求項3に記載の消毒手段を備えた地下水用ラドン低減装置。
【請求項7】
前記排水管70の内径断面積は、地下水供給配管2及びオーバーフロー管60の内径断面積より小さい、或いは排水管70を介する排水を調節することができる排水量調節バルブ80がさらに備えられていることを特徴とする、請求項6に記載の消毒手段を備えた地下水用ラドン低減装置。
【請求項8】
前記撹拌空間11に流入した地下水が所定の経路に沿って流動した後、撹拌空間11で排出されるように、撹拌空間11に仕切り12が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の消毒手段を備えた地下水用ラドン低減装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−189336(P2011−189336A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278370(P2010−278370)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(506081530)コリア インスティチュート オブ ジオサイエンス アンド ミネラル リソースズ (21)
【Fターム(参考)】