消火器収納装置
【課題】火災発生時の気が急いた状態でも消火器を円滑にかつ速やかに取り出すことができる消火器収納装置を供する。
【解決手段】消火器Eを収納する筐体11または同筐体11の近傍に表示灯40が設けられた消火器収納装置において、消火器Eを搭載して移動可能で搭載した消火器Eを筐体11の内部に収納したり外部に露出することができる移動台20と、消火器Eを外部に露出する方向に移動台20を付勢する付勢手段30と、付勢力に抗して消火器Eを筐体11の内部に収納した状態を保持するように移動台20を保持する保持手段35,36と、火災感知器61からの検知信号に基づいて保持手段35,36の保持を解除する保持解除手段66を備えた消火器収納装置。
【解決手段】消火器Eを収納する筐体11または同筐体11の近傍に表示灯40が設けられた消火器収納装置において、消火器Eを搭載して移動可能で搭載した消火器Eを筐体11の内部に収納したり外部に露出することができる移動台20と、消火器Eを外部に露出する方向に移動台20を付勢する付勢手段30と、付勢力に抗して消火器Eを筐体11の内部に収納した状態を保持するように移動台20を保持する保持手段35,36と、火災感知器61からの検知信号に基づいて保持手段35,36の保持を解除する保持解除手段66を備えた消火器収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火器の収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
消火器は、一般に火災発生時以外の平常時に不必要に取り扱われないように筐体に収納されて扉で閉塞されている。
このように消火器を筐体内に隠すようにしておくと、火災が発生した緊急時に消火器を直ぐに見つけ難いという問題がある。
そこで、筐体にフラッシュランプを取り付け、火災報知器に連動して点滅させるようにした例がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−276572号公報
【0004】
同特許文献1には、消火器が収納される筐体の正面上部にフランシュランプが取り付けられており、通常筐体内に消火器が収納され扉が閉じられた状態にあり、火災発生時には火災報知器に連動してフラッシュランプが点滅することで、夜間の暗い場所でも消火器の収納された筐体を容易に見つけることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、筐体を見つけても、消火器を取り出すためには、取っ手を探して操作して扉を開け、筐体の内部に手を突っ込んで収納された消火器を外部に取り出さなければならない。
【0006】
これらの過程で、例えば取っ手が容易に見つからなかったり、操作の方法が分からなかったり、筐体内に収納された消火器がガタ防止のためバンドなどで固定されていたりすると、緊急時ということで気が急いた状態で消火器を円滑に取り出すことができず、時間を要してしまうことがある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、火災発生時の気が急いた状態でも消火器を円滑にかつ速やかに取り出すことができる消火器収納装置を供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、消火器を収納する筐体または同筐体の近傍に表示灯が設けられた消火器収納装置において、消火器を搭載して移動可能で搭載した消火器を筐体の内部に収納したり外部に露出することができる移動台と、前記消火器を外部に露出する方向に前記移動台を付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力に抗して前記消火器を前記筐体の内部に収納した状態を保持するように前記移動台を保持する保持手段と、火災感知器からの検知信号に基づいて前記保持手段の保持を解除する保持解除手段とを備えた消火器収納装置とした。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の消火器収納装置において、前記移動台が、共に矩形板である基板と扉板をL字に組み合わせて形成されたL字板部材であり、前記基板を前記筐体の内部に向けて前記L字板部材の折曲部が前記筐体の矩形開口の下端縁に軸支され、前記基板と一体に揺動する前記扉板が筐体の矩形開口を閉じた閉成位置と該筐体の外部に開いた開成位置との間を揺動可能とされ、前記基板の上に前記消火器が着脱自在に固定されることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の消火器収納装置において、前記筐体が、棚の棚小間に嵌装されることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の消火器収納装置において、前記付勢手段は、定荷重スプリングであることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項2から請求項4までのいずれか1項記載の消火器収納装置において、前記保持手段が、前記筐体に固定された電磁石と前記扉板が前記矩形開口を閉じたときに前記電磁石に吸着可能に前記扉板に固着された磁性体部材とからなり、前記保持解除手段が、電源から前記電磁石に電流を供給する回路に介装されたスイッチ手段であることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の消火器収納装置において、前記消火器を外部に露出する方向への前記移動台の移動で前記表示灯を点灯する表示切換手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の消火器収納装置によれば、消火器を搭載した移動台が消火器を外部に露出する方向に付勢され、同付勢力に抗して保持手段が消火器を筐体の内部に収納した状態で保持するので、火災感知器からの検知信号があると、保持解除手段が保持手段の保持を解除し、保持解除された移動台は付勢手段の付勢力により自動的に移動して消火器を外部に露出することができる。
【0015】
火災発生時には消火器は外部に露出した状態に置かれるので、気が急いた状態でも消火器を円滑にかつ速やかに取り出すことができる。
夜間でも表示灯の明かりにより消火器の場所は見つけ易く、露出した消火器が移動台に固定手段により固定されていても表示灯の明かりにより固定手段の解除も容易にでき速やかに消火器を取り出すことができる。
【0016】
請求項2記載の消火器収納装置によれば、移動台が共に矩形板である基板と扉板をL字に組み合わせて形成されたL字板部材であり、基板を筐体の内部に向けてL字板部材の折曲部が筐体の矩形開口の下端縁に軸支され、基板と一体に揺動する扉板が筐体の矩形開口を閉じた閉成位置と該筐体の外部に開いた開成位置との間を揺動可能とされ、基板の上に消火器が着脱自在に固定されるので、通常は基板上の消火器は筐体内に収容されて筐体の矩形開口は扉板で閉じられており、火災発生時には保持手段の保持が解除されて付勢手段の付勢力によりL字板部材が揺動して扉板が自動的に開くとともに、基板上に着脱自在に固定された消火器が基板と一体に揺動して外部に露出するため、気が急いた状態でも消火器を円滑にかつ速やかに取り出すことができる。
扉板を一側片とするL字板部材を移動台として利用しているので、別体の扉を別途設ける必要はなく、部品点数を少なくし構造を簡単にしてコストの低減を図ることができる。
【0017】
請求項3記載の消火器収納装置によれば、消火器を収納する筐体が、棚の棚小間に嵌装されるので、物品保管棚や書架などの棚小間に邪魔にならないように配置でき、火災発生時には裏面に消火器が着脱自在に固定された扉板が、棚間口面より外側に開いて消火器を外部に露出するので、消火器を見つけ易い。
【0018】
請求項4記載の消火器収納装置によれば、付勢手段が定荷重スプリングであるので、定荷重スプリングは移動台を大きな加速度なしに略定速度で移動させ、急に飛び出させるようなことを防止して安全性を図っている。
【0019】
請求項5記載の消火器収納装置によれば、保持手段が筐体に固定された電磁石と扉板が前記矩形開口を閉じたときに前記電磁石に吸着可能に前記扉板に固着された磁性体部材とからなり、保持解除手段が電源から電磁石に電流を供給する回路に介装されたスイッチ手段であるので、電磁石に磁性体部材が吸着して扉板が筐体の開口を閉じた状態で、火災が発生するとスイッチ手段を切ることで電磁石を消磁して磁性体部材との吸着を解除でき、付勢手段により移動棚が移動されて自動的に消火器を外部に露出することができる。
【0020】
電磁石に磁性体部材が吸着して扉板が閉じた状態にあるときに、比較的大きな力を扉板に加えると、電磁石から磁性体部材を離すことが可能で扉板を強制的に開くことができ、メンテナンスなどの作業が容易にできる。
【0021】
請求項6記載の消火器収納装置によれば、消火器を外部に露出する方向への移動台の移動で前記表示灯を点灯する表示切換手段を備えるので、火災発生時に移動台が移動すると同時に表示灯が点灯して消火器の場所を示すとともに、消火器を照らして取り付け状態を確認することができる。
なお、表示灯には、懐中電灯等も含むものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図10に基づいて説明する。
本実施の形態に係る消火器収納装置10は、図書館の開架式書棚1に配設されたものであり、図1に示すように、該書棚1は、棚板2が上下11段にわたり架設され、各段は複数の袖板3により等間隔に仕切られて複数の棚小間4が形成されている。
【0023】
この書棚1の最下段の棚小間4の1つとその上段の棚小間4がその間の棚板2を外して共通の棚小間空間とした場所に本消火器収納装置10が嵌装されている。
消火器収納装置10は、消火器Eを収納する筐体11が、左右に長尺矩形の底板12,背板13,上板14がコ字状に組み合わされ、左右の開口を仕切り側板15,15が塞いで構成されている。
なお、筐体11の左右外側は収納ボックス9,9が形成されており、収納ボックス9の上板9aと前板9bが一体となって外すことができるようになっている。
【0024】
左右の仕切り側板15,15の間に挟まれて長尺矩形の基板21と扉板22がL字に組み合わされてL字板部材20が形成されており、基板21を筐体11の内部に向けてL字板部材20の折曲部が筐体11の前側の矩形開口16の下端縁に蝶番17によって軸支されてL字板部材20は揺動自在に取り付けられている。
【0025】
筐体11の底板12上の所定位置には弾性板18が固着され、基板21が筐体11内に入る方向に揺動し略水平になったところで弾性板18に当接して基板21は水平に支持される。
左右の仕切り側板15,15の前側上部の互いに対称な所定位置にストッパピン19,19が内側に向けて突設されている。
【0026】
L字板部材20の基板21と一体に揺動する扉板22は、揺動先端部が上板14の前端面に当接して垂直姿勢で前側の矩形開口16を閉じ(閉成位置)、筐体11の外側に揺動して基板21がストッパピン19,19に当接して矩形開口16を開く(開成位置)。
扉板22の開成位置では、図5および図7に示すように、扉板22は水平に近い傾斜姿勢にあり、基板21はストッパピン19,19に規制されて鉛直に近い傾斜姿勢にある。
【0027】
扉板22の左右中央で揺動先端側に寄って取っ手部材23が嵌着されている。
このL字板部材20の基板21の上に左右に長尺の支持部材25が固着されている。
支持部材25は、左右2か所に支持台25a,25bが膨出して形成され、支持台25a,25bの上面は円弧状に凹んでいて、載置された円筒状をした消火器Eを安定して支持することができる。
支持部材25の一端は上方に屈曲して規制部位25cとし、支持台25a,25bに支持された消火器Eの底部に当接して消火器Eの左右方向の位置決めとしている。
【0028】
一方の支持台25aの前後にベルト26,27の一端が固着されており、ベルト26,27の他端には互いに着脱自在に係合する係合金具26a,27aが設けられており、支持台25a,25aに支持された消火器Eにベルト26,27を巻き付け、係合金具26aを係合することで、ベルト26,27が消火器Eを締めつけ支持台25a,25aを介して基板21に確固として固定することができる。
なお、係合金具26a,27aは、一方の係合金具27aの端部を引き起こせば、簡単に係合が外れるようになっており、即座に消火器Eを取り出すことができる。
【0029】
筐体11の上板14の下面には、前後方向の前方寄りの所定位置に定荷重ワイヤ巻取り装置30が固着されている。
定荷重ワイヤ巻取り装置30の巻取りロールから延出するワイヤ31の先端が、L字板部材20の基板21の揺動先端部に突設された掛止突起21pに結合されている。
【0030】
したがって、定荷重ワイヤ巻取り装置30がワイヤ31を巻き取ることにより基板21を引き上げる方向に、すなわち扉板22を開く方向にL字板部材20を揺動すべく一定荷重で付勢する。
定荷重ワイヤ巻取り装置30はワイヤ31を巻き取る力が強く、基板21に消火器Eが載置された状態でも基板21を上方に揺動させることができる。
【0031】
また、筐体11の上板14の前端部下面の左右中央位置に電磁石35が取り付けられている。
電磁石35の吸着面に対向する扉板22の揺動端部には磁性体板36が貼着されている。
したがって、電磁石35が励磁状態で扉板22を閉じると、磁性体板36が電磁石35に吸着して前記定荷重ワイヤ巻取り装置30による付勢力に抗して扉板22を閉じ状態に保持することができる。
【0032】
この扉板22を閉じ状態に保持しているときに、電磁石35を消磁すると、定荷重ワイヤ巻取り装置30の付勢力により扉板22は自動的に開き、そのとき定荷重でワイヤ31が引っ張られて緩やかに扉板22が揺動して開くことができ、一気に開くことはなく安全である。
【0033】
扉板22は、基板21がストッパピン19,19に当接して規制されるまで揺動し、水平に近い傾斜姿勢で開成状態となる。
この開成状態で鉛直に近い傾斜姿勢にある基板21に固定された消火器Eは、図5および図7に示すように、筐体11の矩形開口16より外部に露出している。
【0034】
電磁石35の制御システムを図10に示す。
火災感知器61と警報器62を組み合わせた火災報知装置60が、無線による発信機63を備えており、火災感知器61が火災を感知すると警報器62が警報音を発すると同時に、発信機63が火災発生を知らせる無線信号を発信し、離れた場所の警告灯や警報器を駆動させることができるようになっている。
火災感知器61は煙を感知するもので、図書館の天井に設置される。
なお、火災感知器としては、熱を感知するものでもよい。
【0035】
この火災報知装置60の発信機63の無線信号を利用して電磁石35を制御する電磁石制御回路65が構成されている。
電磁石35は電磁スイッチ(リレー)66の作動で制御され、電磁スイッチ66のブレーク接点66bが電磁石35とともに電源に直列に接続されて、電磁スイッチ66のコイル66cが受信スイッチ67とともに電源に直列に接続されている。
受信スイッチ67は無線の受信機68と回路を構成しており、受信機68が発信機63からの無線信号を受信すると、受信スイッチ67はオンし接点を短絡する。
【0036】
通常受信スイッチ67はオフで接点を開放しており、電磁スイッチ66のブレーク接点66bは接点を短絡しているので、電磁石35に電流が流れ励磁されているため、筐体11の矩形開口16を閉じた扉板22は、その揺動端部の磁性体板36が電磁石35に吸着されて扉板22の閉成状態が維持されている。
【0037】
この通常の状態にあって、火災が発生し火災感知器61が感知し警報器62が警報音を発するとともに、発信機63により火災発生を知らせる無線信号が発信されると、この無線信号を受信機68が受信し、受信スイッチ67がオンすることで電磁スイッチ66のコイル66cに電流が流れ励磁するので、ブレーク接点66bが開放され電流が遮断されて電磁石35が消磁される。
電磁石35が消磁されると、磁性体板36との吸着が解除され、前記したように定荷重ワイヤ巻取り装置30の付勢力により扉板22は自動的に開くことになる。
【0038】
筐体11の上板14の上面には前端に沿って表示灯40が取り付けられており、表示灯40の近傍には前端に沿って左右に長尺の電池ボックス45が設けられている。
電池ボックス45は、乾電池Bが2個直列に嵌め込むことができる四角筒状をなし、左右に対向する内面の一方にプラス側接点47、他方にマイナス側バネ接点48が設けられている。
プラス側接点47とマイナス側バネ接点48は、図示されない電線により表示灯40に接続されている。
【0039】
また、電池ボックス45は、上方が開口して同開口部を蓋部材49が開閉自在に閉塞するとともに、電池ボックス45の長尺矩形の前壁45fの中央付近所定箇所に縦孔46が形成されている。
この縦孔46は、前面視で電池ボックス45に直列に嵌め込まれた2個の乾電池B,Bの間に位置する。
【0040】
扉板22の裏面の前記縦孔46に対応する位置には、表示切換手段であるスペーサ50が突設されている。
スペーサ50は、縦孔46に嵌入し貫通することができる板部材であり、先端が上面視で先細に形成されるとともに、先端縁から中央部が大きく抉り取られた凹部50dが形成されている。
スペーサ50の板の厚みは、直列に接続された乾電池B,Bの間の間隔より幾らか大きい。
【0041】
扉板22が上板14の前端面に当接して矩形開口16を閉じたとき、スペーサ50は、電池ボックス45の前壁45fの縦孔46に嵌入して貫通し、直列に嵌め込まれた2個の乾電池B,Bの間に割り込み、図9に示すように、マイナス側バネ接点48で付勢された側の乾電池Bをバネ付勢力に抗して押圧移動して両乾電池B,B間の間隔を拡げ電気的接続を解除する。
なお、スペーサ50の凹部50dは乾電池Bの突出したプラス端子を避けるためのものである。
【0042】
扉板22が開けば、スペーサ50は、両乾電池B,B間および前壁45fの縦孔46から抜けるので、マイナス側バネ接点48のバネ付勢力により両乾電池B,B間の間隔が縮まり接して電気的に接続する。
【0043】
すなわち、扉板22が矩形開口16を閉じているときは、スペーサ50により両乾電池B,Bが離れ電気的接続は解除された状態にあり表示灯40は消灯しており、扉板22が開くとスペーサ50が抜けて両乾電池B,Bが接して電気的に接続され表示灯40は点灯する。
【0044】
本消火器収納装置10は、以上のように構成されており、平常時には筐体11内に消化器Eが収納されて、励磁された電磁石35が磁性体板36を吸着して扉板22が閉じた状態で保持され、書棚1の下方の棚小間4内に簡単に配設することができ、棚小間面から突出する部位がないので邪魔になることはない(図1,図4参照)。
【0045】
火災が発生すると、火災感知器61が感知し発信機63が発信した無線信号を受信機68が受信し、電磁石制御回路65が電磁石35を消磁するので、磁性体板36の吸着を解除して定荷重ワイヤ巻取り装置30の付勢力により扉板22が外側に自動的に開くと同時に、スペーサ50が電池ボックス45内の両乾電池B,B間から抜けて両乾電池B,Bを電気的に接続し表示灯40を点灯する。
【0046】
扉板22が開くと、基板21に固定された消火器Eは、図5および図7に示すように、筐体11の矩形開口16より外部に露出するので、目立つとともに、上板14上で表示灯40を点灯するので、消火器Eの場所を容易に見つけることができる。
【0047】
また、表示灯40の点灯は、夜間には基板21に固定された消火器Eを照らすことができるので、夜間でも消火器Eの取り付け状態を確認することができ、本消火器収納装置10の場合は、係合金具26a,27aを確認して一方の係合金具27aの端部を引き起して、係合を外して消火器Eを容易に取り出すことができ、気が急いていても即座に対処することができる。
【0048】
消火器Eを固定支持する基板21と扉板22をL字板部材20として一体に構成しているので、扉板22が開くとともに基板21上に着脱自在に固定された消火器Eが基板21と一体に揺動して外部に露出することが、部品点数の少ない簡単な構造で実現でき、コストの低減を図ることができる。
【0049】
定荷重ワイヤ巻取り装置30によりL字板部材20を揺動するので、扉板22および消化器Eを大きな加速度なしに略定速度で外側に緩やかに突出させ、急に飛び出させるようなことを防止して安全性を図っている。
【0050】
電磁石35に磁性体板36が吸着して扉板22が閉じた状態にあるときに、比較的大きな力を扉板22に加えて開こうとすると、電磁石35から磁性体板36を離すことが可能で扉板22を簡単に開くことができ、メンテナンスなどの作業が容易にできる。
【0051】
次に別の実施の形態に係る消火器収納装置80について図11および図12に基づいて説明する。
本消火器収納装置80は、前記消火器収納装置10と殆ど同じ構造をしており、扉板を閉じ状態で保持する保持手段と保持解除手段および表示灯だけが異なるものなので、その他大部分の同じ部材は同じ符号を用いることとする。
【0052】
前記電磁石35が取り付けられた筐体11の上板14の前端部下面の左右中央位置に、左右一対のブラケット81,81が垂設され、同ブラケット81,81の下端間に架設された支軸82に基端部を軸支された係止爪部材83が矩形開口16側に延び上下に揺動自在に取り付けられている。
【0053】
係止爪部材83の矩形開口16側に延びた揺動先端部に下方に屈曲した爪部83cが形成されている。
爪部83cは屈曲した内側が直角な面をなし、外側が傾斜面をなしている。
係止爪部材83の揺動先端部と上板14との間に圧縮バネ84が介装され、係止爪部材83を下方に弱い力で付勢している。
なお、係止爪部材83は重力により下方に付勢された状態にあるので、圧縮バネ84は必ずしも必要ではないが、係止爪部材83の揺動を確実にすることができる。
【0054】
そして、係止爪部材83の下方にはプッシュ形のソレノイド85が可動ロッド85rを上方に向けて配設されている。
ソレノイド85が消磁状態で、可動ロッド85rは係止爪部材83に上端を当接して係止爪部材83を水平に支持しており、ソレノイド85が励磁すると可動ロッド85rが突出して係止爪部材83を上方に揺動する。
【0055】
他方、係止爪部材83に対応する扉板22の揺動端部の裏面には係止爪部材87が突設されている。
係止爪部材87は、先端部が揺動先端側に屈曲して爪部87cを形成しており、爪部87cは屈曲した内側が直角な面をなし、外側が傾斜面をなしている。
【0056】
したがって、扉板22を閉じると、扉板22側の係止爪部材87の爪部87cの外側傾斜面が、上板14側の係止爪部材83の爪部83cの外側傾斜面に接して係止爪部材83を上方に揺動し、係止爪部材87の爪部83cを乗り越えたところで下方に揺動して戻り爪部87cと爪部83cが係止し、扉板22を垂直姿勢で保持する(図11参照)。
【0057】
扉板22は、定荷重ワイヤ巻取り装置30により開く方向に付勢された状態にある。
そこで、ソレノイド85が励磁し可動ロッド85rが突出して係止爪部材83を上方に揺動すると、爪部83cが爪部87cから外れ係止が解除されるので、扉板22は定荷重ワイヤ巻取り装置30の付勢力により自動的に開く。
【0058】
ソレノイド85の制御は、図10に示す制御システムにおいて、電磁石制御回路65のところを、ソレノイド85が受信スイッチ67とともに電源に直列に接続されるようにすればよい。
【0059】
平常時には、ソレノイド85に電流は流れず消磁状態で、係止爪部材83,87が互いに係止して扉板22の閉成状態が維持されているが、火災が発生すると、火災感知器61が感知し、発信した無線信号を受信して受信スイッチ67がオンするので、ソレノイド85に電流が流れて励磁し、可動ロッド85rが突出して係止爪部材83,87の係止が解除され、扉板22は定荷重ワイヤ巻取り装置30の付勢力により自動的に開くことになる。
【0060】
また、本消火器収納装置80は、前記表示灯40の代わりに、懐中電灯90が扉板22の裏面にホルダー91により着脱自在に装着されている。
懐中電灯90は、2個の乾電池B,Bが直列に挿入される胴体部の所定箇所に周方向に長尺の長孔90hが形成されており、同長孔90hから挿入された矩形の絶縁板95が2個の乾電池B,Bの間に差し込まれて両乾電池B,Bを電気的に遮断するようにしている。
【0061】
絶縁板95は上板14の下面から吊り下げられた所定長のワイヤ96の下端に結合されている。
図11に示すように、扉板22が閉じているときに、表示切換手段である絶縁板95が2個の乾電池B,Bの間に挟まれて、上板14の下面から吊り下げられたワイヤ96は弛んだ状態にあり、懐中電灯90は消灯状態にある。
【0062】
火災が発生し、ソレノイド85が働き係止爪部材83,87の係止が解除され、扉板22が開くと、扉板22とともに懐中電灯90が絶縁板95とともに揺動するので、所定長のワイヤ96は緊張し、絶縁板95を2個の乾電池の間から抜き去ることになり、よって両乾電池が電気的に接続されて懐中電灯90は点灯する。
【0063】
扉板22が開くとともに扉板22の裏面に装着された懐中電灯90が点灯するので、消火器Eの場所を容易に見つけることができるとともに、基板21に固定された消火器Eを照らすことができ、夜間でも消火器Eの取り付け状態を確認して消火器Eを容易に取り出すことができる。
【0064】
本懐中電灯90は、通常の懐中電灯と同様に操作スイッチが設けられており、ホルダー91から外して通常の懐中電灯として使用することができるので便利である。
なお、ホルダー91に装着しておくときは、操作スイッチをオンにして絶縁板95を2個の乾電池の間に差し込んでおくようにする。
【0065】
以上の実施の形態では、扉板22を開くのに、定荷重ワイヤ巻取り装置30を用いたが、その他ガススプリングやコイルバネなどを使用してもよい。
また、火災感知の情報を無線で送信していたが、有線で送信して電磁石35やソレノイド85を駆動制御するようにしてもよい。
【0066】
さらに、表示灯40や懐中電灯90とともに筐体11の近傍に表示灯40や懐中電灯90の点灯と同時に警報を発する警報器を設置するようにしてもよい。
また、本消火器収納装置は、実施の形態に示すように消化器を水平に倒して筐体を横長に使用していたが、消火器を立てた状態で筐体を縦長に使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施の形態に係る消火器収納装置を配設した書棚の全体斜視図である。
【図2】同消火器収納装置の平面図である。
【図3】同前正面図である。
【図4】書棚に配設された消火器収納装置の扉板が閉じた状態の斜視図である。
【図5】書棚に配設された消火器収納装置の扉板が開いた状態の斜視図である。
【図6】同消火器収納装置の扉板が閉じた状態の側断面図である。
【図7】同消火器収納装置の扉板が開いた状態の側断面図である。
【図8】同消火器収納装置の扉板が開いた状態の要部斜視図である。
【図9】同消火器収納装置の扉板が開いた状態の電池ボックスの平面図である。
【図10】電磁石の制御システムを示す図である。
【図11】別の実施の形態に係る消火器収納装置の扉板が閉じた状態の側断面図である。
【図12】同消火器収納装置の扉板が開いた状態の側断面図である。
【符号の説明】
【0068】
E…消火器、B…乾電池、
1…書棚、2…棚板、3…袖板、4…棚小間、
10…消火器収納装置、11…筐体、12…底板、13…背板、14…上板、15…仕切り側板、16…矩形開口、17…蝶番、18…弾性板、19…ストッパピン、
20…L字板部材、21…基板、21p…係止突起、22…扉板、23…取っ手部材、25…支持部材、25a…支持台、26,27…ベルト、26a,27a…係合金具、
30…定荷重ワイヤ巻取り装置、31…ワイヤ、35…電磁石、36…磁性体板、
40…表示灯、45…電池ボックス、46…縦孔、47…プラス側接点、48…マイナス側バネ接点、50…スペーサ、
60…火災報知装置、61…火災感知器、62…警報器、63…発信機、65…電磁石制御回路、66…電磁スイッチ、66b…ブレーク接点、66c…コイル、67…受信スイッチ、68…受信機、
80…消火器収納装置、81…ブラケット、82…支軸、83…係止爪部材、84…圧縮バネ、85…ソレノイド、85r…可動ロッド、87…係止爪部材、
90…懐中電灯、91…ホルダー、95…絶縁板、96…ワイヤ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火器の収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
消火器は、一般に火災発生時以外の平常時に不必要に取り扱われないように筐体に収納されて扉で閉塞されている。
このように消火器を筐体内に隠すようにしておくと、火災が発生した緊急時に消火器を直ぐに見つけ難いという問題がある。
そこで、筐体にフラッシュランプを取り付け、火災報知器に連動して点滅させるようにした例がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−276572号公報
【0004】
同特許文献1には、消火器が収納される筐体の正面上部にフランシュランプが取り付けられており、通常筐体内に消火器が収納され扉が閉じられた状態にあり、火災発生時には火災報知器に連動してフラッシュランプが点滅することで、夜間の暗い場所でも消火器の収納された筐体を容易に見つけることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、筐体を見つけても、消火器を取り出すためには、取っ手を探して操作して扉を開け、筐体の内部に手を突っ込んで収納された消火器を外部に取り出さなければならない。
【0006】
これらの過程で、例えば取っ手が容易に見つからなかったり、操作の方法が分からなかったり、筐体内に収納された消火器がガタ防止のためバンドなどで固定されていたりすると、緊急時ということで気が急いた状態で消火器を円滑に取り出すことができず、時間を要してしまうことがある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、火災発生時の気が急いた状態でも消火器を円滑にかつ速やかに取り出すことができる消火器収納装置を供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、消火器を収納する筐体または同筐体の近傍に表示灯が設けられた消火器収納装置において、消火器を搭載して移動可能で搭載した消火器を筐体の内部に収納したり外部に露出することができる移動台と、前記消火器を外部に露出する方向に前記移動台を付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力に抗して前記消火器を前記筐体の内部に収納した状態を保持するように前記移動台を保持する保持手段と、火災感知器からの検知信号に基づいて前記保持手段の保持を解除する保持解除手段とを備えた消火器収納装置とした。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の消火器収納装置において、前記移動台が、共に矩形板である基板と扉板をL字に組み合わせて形成されたL字板部材であり、前記基板を前記筐体の内部に向けて前記L字板部材の折曲部が前記筐体の矩形開口の下端縁に軸支され、前記基板と一体に揺動する前記扉板が筐体の矩形開口を閉じた閉成位置と該筐体の外部に開いた開成位置との間を揺動可能とされ、前記基板の上に前記消火器が着脱自在に固定されることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の消火器収納装置において、前記筐体が、棚の棚小間に嵌装されることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の消火器収納装置において、前記付勢手段は、定荷重スプリングであることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項2から請求項4までのいずれか1項記載の消火器収納装置において、前記保持手段が、前記筐体に固定された電磁石と前記扉板が前記矩形開口を閉じたときに前記電磁石に吸着可能に前記扉板に固着された磁性体部材とからなり、前記保持解除手段が、電源から前記電磁石に電流を供給する回路に介装されたスイッチ手段であることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の消火器収納装置において、前記消火器を外部に露出する方向への前記移動台の移動で前記表示灯を点灯する表示切換手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の消火器収納装置によれば、消火器を搭載した移動台が消火器を外部に露出する方向に付勢され、同付勢力に抗して保持手段が消火器を筐体の内部に収納した状態で保持するので、火災感知器からの検知信号があると、保持解除手段が保持手段の保持を解除し、保持解除された移動台は付勢手段の付勢力により自動的に移動して消火器を外部に露出することができる。
【0015】
火災発生時には消火器は外部に露出した状態に置かれるので、気が急いた状態でも消火器を円滑にかつ速やかに取り出すことができる。
夜間でも表示灯の明かりにより消火器の場所は見つけ易く、露出した消火器が移動台に固定手段により固定されていても表示灯の明かりにより固定手段の解除も容易にでき速やかに消火器を取り出すことができる。
【0016】
請求項2記載の消火器収納装置によれば、移動台が共に矩形板である基板と扉板をL字に組み合わせて形成されたL字板部材であり、基板を筐体の内部に向けてL字板部材の折曲部が筐体の矩形開口の下端縁に軸支され、基板と一体に揺動する扉板が筐体の矩形開口を閉じた閉成位置と該筐体の外部に開いた開成位置との間を揺動可能とされ、基板の上に消火器が着脱自在に固定されるので、通常は基板上の消火器は筐体内に収容されて筐体の矩形開口は扉板で閉じられており、火災発生時には保持手段の保持が解除されて付勢手段の付勢力によりL字板部材が揺動して扉板が自動的に開くとともに、基板上に着脱自在に固定された消火器が基板と一体に揺動して外部に露出するため、気が急いた状態でも消火器を円滑にかつ速やかに取り出すことができる。
扉板を一側片とするL字板部材を移動台として利用しているので、別体の扉を別途設ける必要はなく、部品点数を少なくし構造を簡単にしてコストの低減を図ることができる。
【0017】
請求項3記載の消火器収納装置によれば、消火器を収納する筐体が、棚の棚小間に嵌装されるので、物品保管棚や書架などの棚小間に邪魔にならないように配置でき、火災発生時には裏面に消火器が着脱自在に固定された扉板が、棚間口面より外側に開いて消火器を外部に露出するので、消火器を見つけ易い。
【0018】
請求項4記載の消火器収納装置によれば、付勢手段が定荷重スプリングであるので、定荷重スプリングは移動台を大きな加速度なしに略定速度で移動させ、急に飛び出させるようなことを防止して安全性を図っている。
【0019】
請求項5記載の消火器収納装置によれば、保持手段が筐体に固定された電磁石と扉板が前記矩形開口を閉じたときに前記電磁石に吸着可能に前記扉板に固着された磁性体部材とからなり、保持解除手段が電源から電磁石に電流を供給する回路に介装されたスイッチ手段であるので、電磁石に磁性体部材が吸着して扉板が筐体の開口を閉じた状態で、火災が発生するとスイッチ手段を切ることで電磁石を消磁して磁性体部材との吸着を解除でき、付勢手段により移動棚が移動されて自動的に消火器を外部に露出することができる。
【0020】
電磁石に磁性体部材が吸着して扉板が閉じた状態にあるときに、比較的大きな力を扉板に加えると、電磁石から磁性体部材を離すことが可能で扉板を強制的に開くことができ、メンテナンスなどの作業が容易にできる。
【0021】
請求項6記載の消火器収納装置によれば、消火器を外部に露出する方向への移動台の移動で前記表示灯を点灯する表示切換手段を備えるので、火災発生時に移動台が移動すると同時に表示灯が点灯して消火器の場所を示すとともに、消火器を照らして取り付け状態を確認することができる。
なお、表示灯には、懐中電灯等も含むものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図10に基づいて説明する。
本実施の形態に係る消火器収納装置10は、図書館の開架式書棚1に配設されたものであり、図1に示すように、該書棚1は、棚板2が上下11段にわたり架設され、各段は複数の袖板3により等間隔に仕切られて複数の棚小間4が形成されている。
【0023】
この書棚1の最下段の棚小間4の1つとその上段の棚小間4がその間の棚板2を外して共通の棚小間空間とした場所に本消火器収納装置10が嵌装されている。
消火器収納装置10は、消火器Eを収納する筐体11が、左右に長尺矩形の底板12,背板13,上板14がコ字状に組み合わされ、左右の開口を仕切り側板15,15が塞いで構成されている。
なお、筐体11の左右外側は収納ボックス9,9が形成されており、収納ボックス9の上板9aと前板9bが一体となって外すことができるようになっている。
【0024】
左右の仕切り側板15,15の間に挟まれて長尺矩形の基板21と扉板22がL字に組み合わされてL字板部材20が形成されており、基板21を筐体11の内部に向けてL字板部材20の折曲部が筐体11の前側の矩形開口16の下端縁に蝶番17によって軸支されてL字板部材20は揺動自在に取り付けられている。
【0025】
筐体11の底板12上の所定位置には弾性板18が固着され、基板21が筐体11内に入る方向に揺動し略水平になったところで弾性板18に当接して基板21は水平に支持される。
左右の仕切り側板15,15の前側上部の互いに対称な所定位置にストッパピン19,19が内側に向けて突設されている。
【0026】
L字板部材20の基板21と一体に揺動する扉板22は、揺動先端部が上板14の前端面に当接して垂直姿勢で前側の矩形開口16を閉じ(閉成位置)、筐体11の外側に揺動して基板21がストッパピン19,19に当接して矩形開口16を開く(開成位置)。
扉板22の開成位置では、図5および図7に示すように、扉板22は水平に近い傾斜姿勢にあり、基板21はストッパピン19,19に規制されて鉛直に近い傾斜姿勢にある。
【0027】
扉板22の左右中央で揺動先端側に寄って取っ手部材23が嵌着されている。
このL字板部材20の基板21の上に左右に長尺の支持部材25が固着されている。
支持部材25は、左右2か所に支持台25a,25bが膨出して形成され、支持台25a,25bの上面は円弧状に凹んでいて、載置された円筒状をした消火器Eを安定して支持することができる。
支持部材25の一端は上方に屈曲して規制部位25cとし、支持台25a,25bに支持された消火器Eの底部に当接して消火器Eの左右方向の位置決めとしている。
【0028】
一方の支持台25aの前後にベルト26,27の一端が固着されており、ベルト26,27の他端には互いに着脱自在に係合する係合金具26a,27aが設けられており、支持台25a,25aに支持された消火器Eにベルト26,27を巻き付け、係合金具26aを係合することで、ベルト26,27が消火器Eを締めつけ支持台25a,25aを介して基板21に確固として固定することができる。
なお、係合金具26a,27aは、一方の係合金具27aの端部を引き起こせば、簡単に係合が外れるようになっており、即座に消火器Eを取り出すことができる。
【0029】
筐体11の上板14の下面には、前後方向の前方寄りの所定位置に定荷重ワイヤ巻取り装置30が固着されている。
定荷重ワイヤ巻取り装置30の巻取りロールから延出するワイヤ31の先端が、L字板部材20の基板21の揺動先端部に突設された掛止突起21pに結合されている。
【0030】
したがって、定荷重ワイヤ巻取り装置30がワイヤ31を巻き取ることにより基板21を引き上げる方向に、すなわち扉板22を開く方向にL字板部材20を揺動すべく一定荷重で付勢する。
定荷重ワイヤ巻取り装置30はワイヤ31を巻き取る力が強く、基板21に消火器Eが載置された状態でも基板21を上方に揺動させることができる。
【0031】
また、筐体11の上板14の前端部下面の左右中央位置に電磁石35が取り付けられている。
電磁石35の吸着面に対向する扉板22の揺動端部には磁性体板36が貼着されている。
したがって、電磁石35が励磁状態で扉板22を閉じると、磁性体板36が電磁石35に吸着して前記定荷重ワイヤ巻取り装置30による付勢力に抗して扉板22を閉じ状態に保持することができる。
【0032】
この扉板22を閉じ状態に保持しているときに、電磁石35を消磁すると、定荷重ワイヤ巻取り装置30の付勢力により扉板22は自動的に開き、そのとき定荷重でワイヤ31が引っ張られて緩やかに扉板22が揺動して開くことができ、一気に開くことはなく安全である。
【0033】
扉板22は、基板21がストッパピン19,19に当接して規制されるまで揺動し、水平に近い傾斜姿勢で開成状態となる。
この開成状態で鉛直に近い傾斜姿勢にある基板21に固定された消火器Eは、図5および図7に示すように、筐体11の矩形開口16より外部に露出している。
【0034】
電磁石35の制御システムを図10に示す。
火災感知器61と警報器62を組み合わせた火災報知装置60が、無線による発信機63を備えており、火災感知器61が火災を感知すると警報器62が警報音を発すると同時に、発信機63が火災発生を知らせる無線信号を発信し、離れた場所の警告灯や警報器を駆動させることができるようになっている。
火災感知器61は煙を感知するもので、図書館の天井に設置される。
なお、火災感知器としては、熱を感知するものでもよい。
【0035】
この火災報知装置60の発信機63の無線信号を利用して電磁石35を制御する電磁石制御回路65が構成されている。
電磁石35は電磁スイッチ(リレー)66の作動で制御され、電磁スイッチ66のブレーク接点66bが電磁石35とともに電源に直列に接続されて、電磁スイッチ66のコイル66cが受信スイッチ67とともに電源に直列に接続されている。
受信スイッチ67は無線の受信機68と回路を構成しており、受信機68が発信機63からの無線信号を受信すると、受信スイッチ67はオンし接点を短絡する。
【0036】
通常受信スイッチ67はオフで接点を開放しており、電磁スイッチ66のブレーク接点66bは接点を短絡しているので、電磁石35に電流が流れ励磁されているため、筐体11の矩形開口16を閉じた扉板22は、その揺動端部の磁性体板36が電磁石35に吸着されて扉板22の閉成状態が維持されている。
【0037】
この通常の状態にあって、火災が発生し火災感知器61が感知し警報器62が警報音を発するとともに、発信機63により火災発生を知らせる無線信号が発信されると、この無線信号を受信機68が受信し、受信スイッチ67がオンすることで電磁スイッチ66のコイル66cに電流が流れ励磁するので、ブレーク接点66bが開放され電流が遮断されて電磁石35が消磁される。
電磁石35が消磁されると、磁性体板36との吸着が解除され、前記したように定荷重ワイヤ巻取り装置30の付勢力により扉板22は自動的に開くことになる。
【0038】
筐体11の上板14の上面には前端に沿って表示灯40が取り付けられており、表示灯40の近傍には前端に沿って左右に長尺の電池ボックス45が設けられている。
電池ボックス45は、乾電池Bが2個直列に嵌め込むことができる四角筒状をなし、左右に対向する内面の一方にプラス側接点47、他方にマイナス側バネ接点48が設けられている。
プラス側接点47とマイナス側バネ接点48は、図示されない電線により表示灯40に接続されている。
【0039】
また、電池ボックス45は、上方が開口して同開口部を蓋部材49が開閉自在に閉塞するとともに、電池ボックス45の長尺矩形の前壁45fの中央付近所定箇所に縦孔46が形成されている。
この縦孔46は、前面視で電池ボックス45に直列に嵌め込まれた2個の乾電池B,Bの間に位置する。
【0040】
扉板22の裏面の前記縦孔46に対応する位置には、表示切換手段であるスペーサ50が突設されている。
スペーサ50は、縦孔46に嵌入し貫通することができる板部材であり、先端が上面視で先細に形成されるとともに、先端縁から中央部が大きく抉り取られた凹部50dが形成されている。
スペーサ50の板の厚みは、直列に接続された乾電池B,Bの間の間隔より幾らか大きい。
【0041】
扉板22が上板14の前端面に当接して矩形開口16を閉じたとき、スペーサ50は、電池ボックス45の前壁45fの縦孔46に嵌入して貫通し、直列に嵌め込まれた2個の乾電池B,Bの間に割り込み、図9に示すように、マイナス側バネ接点48で付勢された側の乾電池Bをバネ付勢力に抗して押圧移動して両乾電池B,B間の間隔を拡げ電気的接続を解除する。
なお、スペーサ50の凹部50dは乾電池Bの突出したプラス端子を避けるためのものである。
【0042】
扉板22が開けば、スペーサ50は、両乾電池B,B間および前壁45fの縦孔46から抜けるので、マイナス側バネ接点48のバネ付勢力により両乾電池B,B間の間隔が縮まり接して電気的に接続する。
【0043】
すなわち、扉板22が矩形開口16を閉じているときは、スペーサ50により両乾電池B,Bが離れ電気的接続は解除された状態にあり表示灯40は消灯しており、扉板22が開くとスペーサ50が抜けて両乾電池B,Bが接して電気的に接続され表示灯40は点灯する。
【0044】
本消火器収納装置10は、以上のように構成されており、平常時には筐体11内に消化器Eが収納されて、励磁された電磁石35が磁性体板36を吸着して扉板22が閉じた状態で保持され、書棚1の下方の棚小間4内に簡単に配設することができ、棚小間面から突出する部位がないので邪魔になることはない(図1,図4参照)。
【0045】
火災が発生すると、火災感知器61が感知し発信機63が発信した無線信号を受信機68が受信し、電磁石制御回路65が電磁石35を消磁するので、磁性体板36の吸着を解除して定荷重ワイヤ巻取り装置30の付勢力により扉板22が外側に自動的に開くと同時に、スペーサ50が電池ボックス45内の両乾電池B,B間から抜けて両乾電池B,Bを電気的に接続し表示灯40を点灯する。
【0046】
扉板22が開くと、基板21に固定された消火器Eは、図5および図7に示すように、筐体11の矩形開口16より外部に露出するので、目立つとともに、上板14上で表示灯40を点灯するので、消火器Eの場所を容易に見つけることができる。
【0047】
また、表示灯40の点灯は、夜間には基板21に固定された消火器Eを照らすことができるので、夜間でも消火器Eの取り付け状態を確認することができ、本消火器収納装置10の場合は、係合金具26a,27aを確認して一方の係合金具27aの端部を引き起して、係合を外して消火器Eを容易に取り出すことができ、気が急いていても即座に対処することができる。
【0048】
消火器Eを固定支持する基板21と扉板22をL字板部材20として一体に構成しているので、扉板22が開くとともに基板21上に着脱自在に固定された消火器Eが基板21と一体に揺動して外部に露出することが、部品点数の少ない簡単な構造で実現でき、コストの低減を図ることができる。
【0049】
定荷重ワイヤ巻取り装置30によりL字板部材20を揺動するので、扉板22および消化器Eを大きな加速度なしに略定速度で外側に緩やかに突出させ、急に飛び出させるようなことを防止して安全性を図っている。
【0050】
電磁石35に磁性体板36が吸着して扉板22が閉じた状態にあるときに、比較的大きな力を扉板22に加えて開こうとすると、電磁石35から磁性体板36を離すことが可能で扉板22を簡単に開くことができ、メンテナンスなどの作業が容易にできる。
【0051】
次に別の実施の形態に係る消火器収納装置80について図11および図12に基づいて説明する。
本消火器収納装置80は、前記消火器収納装置10と殆ど同じ構造をしており、扉板を閉じ状態で保持する保持手段と保持解除手段および表示灯だけが異なるものなので、その他大部分の同じ部材は同じ符号を用いることとする。
【0052】
前記電磁石35が取り付けられた筐体11の上板14の前端部下面の左右中央位置に、左右一対のブラケット81,81が垂設され、同ブラケット81,81の下端間に架設された支軸82に基端部を軸支された係止爪部材83が矩形開口16側に延び上下に揺動自在に取り付けられている。
【0053】
係止爪部材83の矩形開口16側に延びた揺動先端部に下方に屈曲した爪部83cが形成されている。
爪部83cは屈曲した内側が直角な面をなし、外側が傾斜面をなしている。
係止爪部材83の揺動先端部と上板14との間に圧縮バネ84が介装され、係止爪部材83を下方に弱い力で付勢している。
なお、係止爪部材83は重力により下方に付勢された状態にあるので、圧縮バネ84は必ずしも必要ではないが、係止爪部材83の揺動を確実にすることができる。
【0054】
そして、係止爪部材83の下方にはプッシュ形のソレノイド85が可動ロッド85rを上方に向けて配設されている。
ソレノイド85が消磁状態で、可動ロッド85rは係止爪部材83に上端を当接して係止爪部材83を水平に支持しており、ソレノイド85が励磁すると可動ロッド85rが突出して係止爪部材83を上方に揺動する。
【0055】
他方、係止爪部材83に対応する扉板22の揺動端部の裏面には係止爪部材87が突設されている。
係止爪部材87は、先端部が揺動先端側に屈曲して爪部87cを形成しており、爪部87cは屈曲した内側が直角な面をなし、外側が傾斜面をなしている。
【0056】
したがって、扉板22を閉じると、扉板22側の係止爪部材87の爪部87cの外側傾斜面が、上板14側の係止爪部材83の爪部83cの外側傾斜面に接して係止爪部材83を上方に揺動し、係止爪部材87の爪部83cを乗り越えたところで下方に揺動して戻り爪部87cと爪部83cが係止し、扉板22を垂直姿勢で保持する(図11参照)。
【0057】
扉板22は、定荷重ワイヤ巻取り装置30により開く方向に付勢された状態にある。
そこで、ソレノイド85が励磁し可動ロッド85rが突出して係止爪部材83を上方に揺動すると、爪部83cが爪部87cから外れ係止が解除されるので、扉板22は定荷重ワイヤ巻取り装置30の付勢力により自動的に開く。
【0058】
ソレノイド85の制御は、図10に示す制御システムにおいて、電磁石制御回路65のところを、ソレノイド85が受信スイッチ67とともに電源に直列に接続されるようにすればよい。
【0059】
平常時には、ソレノイド85に電流は流れず消磁状態で、係止爪部材83,87が互いに係止して扉板22の閉成状態が維持されているが、火災が発生すると、火災感知器61が感知し、発信した無線信号を受信して受信スイッチ67がオンするので、ソレノイド85に電流が流れて励磁し、可動ロッド85rが突出して係止爪部材83,87の係止が解除され、扉板22は定荷重ワイヤ巻取り装置30の付勢力により自動的に開くことになる。
【0060】
また、本消火器収納装置80は、前記表示灯40の代わりに、懐中電灯90が扉板22の裏面にホルダー91により着脱自在に装着されている。
懐中電灯90は、2個の乾電池B,Bが直列に挿入される胴体部の所定箇所に周方向に長尺の長孔90hが形成されており、同長孔90hから挿入された矩形の絶縁板95が2個の乾電池B,Bの間に差し込まれて両乾電池B,Bを電気的に遮断するようにしている。
【0061】
絶縁板95は上板14の下面から吊り下げられた所定長のワイヤ96の下端に結合されている。
図11に示すように、扉板22が閉じているときに、表示切換手段である絶縁板95が2個の乾電池B,Bの間に挟まれて、上板14の下面から吊り下げられたワイヤ96は弛んだ状態にあり、懐中電灯90は消灯状態にある。
【0062】
火災が発生し、ソレノイド85が働き係止爪部材83,87の係止が解除され、扉板22が開くと、扉板22とともに懐中電灯90が絶縁板95とともに揺動するので、所定長のワイヤ96は緊張し、絶縁板95を2個の乾電池の間から抜き去ることになり、よって両乾電池が電気的に接続されて懐中電灯90は点灯する。
【0063】
扉板22が開くとともに扉板22の裏面に装着された懐中電灯90が点灯するので、消火器Eの場所を容易に見つけることができるとともに、基板21に固定された消火器Eを照らすことができ、夜間でも消火器Eの取り付け状態を確認して消火器Eを容易に取り出すことができる。
【0064】
本懐中電灯90は、通常の懐中電灯と同様に操作スイッチが設けられており、ホルダー91から外して通常の懐中電灯として使用することができるので便利である。
なお、ホルダー91に装着しておくときは、操作スイッチをオンにして絶縁板95を2個の乾電池の間に差し込んでおくようにする。
【0065】
以上の実施の形態では、扉板22を開くのに、定荷重ワイヤ巻取り装置30を用いたが、その他ガススプリングやコイルバネなどを使用してもよい。
また、火災感知の情報を無線で送信していたが、有線で送信して電磁石35やソレノイド85を駆動制御するようにしてもよい。
【0066】
さらに、表示灯40や懐中電灯90とともに筐体11の近傍に表示灯40や懐中電灯90の点灯と同時に警報を発する警報器を設置するようにしてもよい。
また、本消火器収納装置は、実施の形態に示すように消化器を水平に倒して筐体を横長に使用していたが、消火器を立てた状態で筐体を縦長に使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施の形態に係る消火器収納装置を配設した書棚の全体斜視図である。
【図2】同消火器収納装置の平面図である。
【図3】同前正面図である。
【図4】書棚に配設された消火器収納装置の扉板が閉じた状態の斜視図である。
【図5】書棚に配設された消火器収納装置の扉板が開いた状態の斜視図である。
【図6】同消火器収納装置の扉板が閉じた状態の側断面図である。
【図7】同消火器収納装置の扉板が開いた状態の側断面図である。
【図8】同消火器収納装置の扉板が開いた状態の要部斜視図である。
【図9】同消火器収納装置の扉板が開いた状態の電池ボックスの平面図である。
【図10】電磁石の制御システムを示す図である。
【図11】別の実施の形態に係る消火器収納装置の扉板が閉じた状態の側断面図である。
【図12】同消火器収納装置の扉板が開いた状態の側断面図である。
【符号の説明】
【0068】
E…消火器、B…乾電池、
1…書棚、2…棚板、3…袖板、4…棚小間、
10…消火器収納装置、11…筐体、12…底板、13…背板、14…上板、15…仕切り側板、16…矩形開口、17…蝶番、18…弾性板、19…ストッパピン、
20…L字板部材、21…基板、21p…係止突起、22…扉板、23…取っ手部材、25…支持部材、25a…支持台、26,27…ベルト、26a,27a…係合金具、
30…定荷重ワイヤ巻取り装置、31…ワイヤ、35…電磁石、36…磁性体板、
40…表示灯、45…電池ボックス、46…縦孔、47…プラス側接点、48…マイナス側バネ接点、50…スペーサ、
60…火災報知装置、61…火災感知器、62…警報器、63…発信機、65…電磁石制御回路、66…電磁スイッチ、66b…ブレーク接点、66c…コイル、67…受信スイッチ、68…受信機、
80…消火器収納装置、81…ブラケット、82…支軸、83…係止爪部材、84…圧縮バネ、85…ソレノイド、85r…可動ロッド、87…係止爪部材、
90…懐中電灯、91…ホルダー、95…絶縁板、96…ワイヤ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火器を収納する筐体または同筐体の近傍に表示灯が設けられた消火器収納装置において、
消火器を搭載して移動可能で搭載した消火器を筐体の内部に収納したり外部に露出することができる移動台と、
前記消火器を外部に露出する方向に前記移動台を付勢する付勢手段と、
前記付勢手段の付勢力に抗して前記消火器を前記筐体の内部に収納した状態を保持するように前記移動台を保持する保持手段と、
火災感知器からの検知信号に基づいて前記保持手段の保持を解除する保持解除手段と、
を備えたことを特徴とする消火器収納装置。
【請求項2】
前記移動台が、共に矩形板である基板と扉板をL字に組み合わせて形成されたL字板部材であり、
前記基板を前記筐体の内部に向けて前記L字板部材の折曲部が前記筐体の矩形開口の下端縁に軸支され、
前記基板と一体に揺動する前記扉板が筐体の矩形開口を閉じた閉成位置と該筐体の外部に開いた開成位置との間を揺動可能とされ、
前記基板の上に前記消火器が着脱自在に固定されることを特徴とする請求項1記載の消火器収納装置。
【請求項3】
前記筐体が、棚の棚小間に嵌装されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の消火器収納装置。
【請求項4】
前記付勢手段は、定荷重スプリングであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の消火器収納装置。
【請求項5】
前記保持手段が、前記筐体に固定された電磁石と前記扉板が前記矩形開口を閉じたときに前記電磁石に吸着可能に前記扉板に固着された磁性体部材とからなり、
前記保持解除手段が、電源から前記電磁石に電流を供給する回路に介装されたスイッチ手段であることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項記載の消火器収納装置。
【請求項6】
前記消火器を外部に露出する方向への前記移動台の移動で前記表示灯を点灯する表示切換手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の消火器収納装置。
【請求項1】
消火器を収納する筐体または同筐体の近傍に表示灯が設けられた消火器収納装置において、
消火器を搭載して移動可能で搭載した消火器を筐体の内部に収納したり外部に露出することができる移動台と、
前記消火器を外部に露出する方向に前記移動台を付勢する付勢手段と、
前記付勢手段の付勢力に抗して前記消火器を前記筐体の内部に収納した状態を保持するように前記移動台を保持する保持手段と、
火災感知器からの検知信号に基づいて前記保持手段の保持を解除する保持解除手段と、
を備えたことを特徴とする消火器収納装置。
【請求項2】
前記移動台が、共に矩形板である基板と扉板をL字に組み合わせて形成されたL字板部材であり、
前記基板を前記筐体の内部に向けて前記L字板部材の折曲部が前記筐体の矩形開口の下端縁に軸支され、
前記基板と一体に揺動する前記扉板が筐体の矩形開口を閉じた閉成位置と該筐体の外部に開いた開成位置との間を揺動可能とされ、
前記基板の上に前記消火器が着脱自在に固定されることを特徴とする請求項1記載の消火器収納装置。
【請求項3】
前記筐体が、棚の棚小間に嵌装されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の消火器収納装置。
【請求項4】
前記付勢手段は、定荷重スプリングであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の消火器収納装置。
【請求項5】
前記保持手段が、前記筐体に固定された電磁石と前記扉板が前記矩形開口を閉じたときに前記電磁石に吸着可能に前記扉板に固着された磁性体部材とからなり、
前記保持解除手段が、電源から前記電磁石に電流を供給する回路に介装されたスイッチ手段であることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項記載の消火器収納装置。
【請求項6】
前記消火器を外部に露出する方向への前記移動台の移動で前記表示灯を点灯する表示切換手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の消火器収納装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−12017(P2010−12017A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174425(P2008−174425)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000229759)日本ファイリング株式会社 (21)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000229759)日本ファイリング株式会社 (21)
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