説明

消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物の製造方法、及びその応用

消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物で、当漢方薬草組成物が第1類漢方薬材料と第2類漢方薬材料を含む;前記第1類漢方薬材料がビャクキュウ、肉桂、ビャクシ、当帰、芍薬、羌活、烏薬、甘草、独活、大黄を含み、前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる組から選択される少なくとも1種の漢方薬材料である。本発明の漢方薬草組成物が添加漢方薬材料(姜、ニュウコウと没薬)を含み、その治療効果を増加する。また、本発明が漢方薬草組成物の抽出と製造過程の関連工程を提供し、例えば第1と第2類漢方薬材料及び有機溶剤を容器の内に入れ、加熱・抽出を行い、熱いうちに濾過し、それから抽出の濾液を浸膏に濃縮する。万応膏の固有成分と比較する場合、本発明に提供された漢方薬草組成物及び抽出と製造過程の関連工程が万応膏の固有成分の欠点を持たない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物、更に具体的には、消炎・消腫・止痛用の漢方薬草エキスの製造方法及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の生活における、多忙、緊張、運動不足、及び長時間にわたる立ちっぱなし、又は座りっぱなしなどの原因により、現代人は、例えば神経、又は筋骨に炎症を起こし、筋肉酸痛などの文明病にもなりやすい。また、もし治療をおろそかにすると、循環が悪くなり、血気不順をもたらす。
【0003】
昔から、中国人は漢方薬草を疾病の治療に応用し、既に数千年の経験を有し、固本抗邪の方法で外来の疾病を治療し、且つ、内在の炎症又は酸痛の問題を解決してきており、そのため漢方薬草が今も尚、効果を発揮している。
【0004】
現在、漢方薬草業者は、現代人の便宜需要に適応するために、次から次へと漢方薬草貼付を研究開発している。この漢方薬草貼付は、外用治療便利性を有し、体の酸痛又は不調な部位の皮膚に貼り付け、この漢方薬草貼付の成分を、人体の皮膚内に沁みこませ、ゆっくりと薬の効果を発揮する。
【0005】
万応膏は、昔から体の酸痛又は不調などの病状の治療に用い、その治療効果は既に長期にわたり認可され、その成分は、漢方薬草の川烏(Radix Aconiti)、木鼈子(Momordica Cochinchinensis)、草烏(Radix Aconiti Kusnezoffii)、生地黄(Radix Rehmanniae)、ビャクレン(Ampelopsis Japonica)、ビャクキュウ(Rhizoma Bletillae)、肉桂(Cortex Cinnamon)、ビャクシ(Radix Angelicae Formosanae)、当帰(Radix Angelicae Sinensis)、赤芍(Radix Paeoniae Rubra)、羌活(Rhizoma Notopterygii)、苦参(Radix Sophorae Flavescentis)、烏薬(Radix Linderae)、甘草(Glycyrrhiza)、独活(Radix Angelicae Pubescentis)、元参(Radix Scrophulariae)、大黄(Radix Et Rhizoma Rhei)など17類漢方薬材料である。しかしながら、その中の川烏、木鼈子と草烏という一部の漢方薬材料が毒性と皮膚刺激性を有し、使用後に皮膚に不調をもたらすことが実証されたため、その結果を具体的に下記の表1に示す。
【表1】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また従来から処方されている万応膏は、通常ゴマ油で漢方薬材料成分を抽出するが、温度が高すぎると漢方薬材料成分を破壊しやすく、又は、有効成分の抽出が完結されず、品質管理が困難であり、成型時に酸化亜鉛を大量添加することによる重金属の残存などの問題を有する。
【0007】
上述の問題を解決するために、消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物を提供し、前記漢方薬草組成物が第1類漢方薬草材料及び第2類漢方薬草材料を含み;前記第1類漢方薬草材料は、ビャクキュウ、肉桂、ビャクシ、当帰、芍薬(Paeonia Lactiflora)、羌活、烏薬、甘草、独活、大黄を含み;前記第2類漢方薬草材料は、姜、ニュウコウ(Olibanum)及び没薬(Myrrha)からなる群から選択される、少なくとも1種の漢方薬材料である。
【0009】
本発明は、漢方薬草エキスを提供し、前記エキスは、下記の工程を含む製造過程により製造した物である:第1類漢方薬材料と第2類漢方薬材料を提供し、前記第1類漢方薬材料がビャクキュウ、肉桂、ビャクシ、当帰、芍薬、羌活、烏薬、甘草、独活、大黄を含み、前記第1類漢方薬材料が基礎漢方薬材料で、且つ前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる群から選択される少なくとも1種の漢方薬材料であり、前記第2類漢方薬材料が添加漢方薬材料である;前記第1類と第2類漢方薬材料及び有機溶剤を容器の内に入れ、前記第1類と第2類漢方薬材料と前記有機溶剤との重量パーセントが1:Nになるようにし、第1混合液を形成し、ここでNは、3〜12の間に介在する数値である;前記第1混合液を第1予定温度まで加熱し、且つ第1予定時間で抽出する第1回の抽出を行う;及び熱いうちに前記第1混合液を濾過し、第1回の抽出濾液を取る。
【0010】
さらに、本発明は漢方薬草エキスの製造方法を提供し、当該製造方法が下記の工程を含む:第1類漢方薬材料と第2類漢方薬材料を提供し、前記第1類漢方薬材料がビャクキュウ、肉桂、ビャクシ、当帰、芍薬、羌活、烏薬、甘草、独活、大黄を含み、前記第1類漢方薬材料が基礎漢方薬材料で、且つ前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる群から選択される少なくとも1種の漢方薬材料であり、前記漢方薬材料が添加漢方薬材料である;;前記第1類と第2類漢方薬材料及び有機溶剤を容器の内に入れ、前記漢方薬草組成物と前記有機溶剤との重量パーセントが1:Nになるようにし、第1混合液を形成し、ここでNは、3〜12の間に介在する数値である;前記第1混合液を第1予定温度まで加熱し、且つ第1予定時間で抽出する第1回の抽出を行う;及び熱いうちに前記第1混合液を濾過し、第1回の抽出濾液を取る。
【0011】
さらに、本発明は前記漢方薬草組成物の応用を提供し、例えば、前記漢方薬草組成物を漢方薬草貼布、漢方薬草軟膏と内服製剤に用いる。
【発明の効果】
【0012】
本発明において提供された消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物には、川烏、木鼈子、草烏、生地黄、ビャクレン、苦参と元参を含まない。そのため、本発明の消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物は、万応膏の固有成分と完全に異なっていた。その上、川烏、木鼈子と草烏がすでに毒性と皮膚刺激性を有することが実証されたため、本発明の漢方薬草組成物は、万応膏の固有成分の有する欠点を持たない。また、万応膏の固有成分と比較する場合、本発明の漢方薬草組成物は、更に添加漢方薬材料(例えば姜、ニュウコウと没薬)を含み、その治療効果を増加することができる。
【0013】
本発明は皮膚と人体に対し刺激及びアレルギー性を有さない有効漢方薬草処方から構成したものである;特殊な抽出、製造方法及び動物試験法により消炎・消腫・止痛の効果を検証し、一般的な従来の万応膏及び市販の漢方薬貼布とは異なる。次に図面を用いて、本発明に対する詳しい説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の製造方法のフローチャートである。
【図2】本発明の第2実施形態の製造方法のフローチャートである。
【図3】本発明により提供された漢方薬草組成物を含んだ漢方薬草貼布の立体説明図である。
【図4】本発明により提供された漢方薬草組成物を含んだ漢方薬草スプレーの断面説明図である。
【図5】本発明により提供された漢方薬草組成物を含んだ漢方薬草軟膏の立体説明図である。
【図6A】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図6B】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図6C】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図6D】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図6E】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図6F】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図6G】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図6H】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図6I】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図6J】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図6K】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図6L】各種の漢方薬材料のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図7】本発明の漢方薬草組成物のHPLC分析のフィンガープリントである。
【図8】本発明の漢方薬材料成分の浸膏経皮吸収試験のHPLC分析結果の説明図である。
【図9】マウス酢酸ライジング試験で測定した、マウスのライジング平均値である。
【図10】ホルマリン試験で測定した、マウスの足舐め行動時間である。
【図11】本発明の漢方薬草貼布消炎消腫実験の結果である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物を提供し、当該漢方薬草組成物が第1類漢方薬材料と第2類漢方薬材料を含む;前記第1類漢方薬材料がビャクキュウ、肉桂、ビャクシ、当帰、芍薬(例えば赤芍)、羌活、烏薬、甘草、独活、大黄を含み、前記第1類漢方薬材料が基礎漢方薬材料である。前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる群から選択される少なくとも1種の漢方薬材料であり、且つ前記第2類漢方薬材料が添加漢方薬材料である。具体的に、本発明の漢方薬草組成物が下記の表2の7種類の配合の組合せの漢方薬材料を含んでいる。
【表2】

【0016】
前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる群から選択される1種の漢方薬材料である場合、前記漢方薬草組成物が11種の漢方薬材料を含み、各種の漢方薬材料の重量パーセントが9.09±5%の範囲内にある。前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる組から選択される2種の漢方薬材料である場合、前記漢方薬草組成物が12種の漢方薬材料を含み、各種の漢方薬材料の重量パーセントが8.33%±5%の範囲内にある。前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる群から選択される3種の漢方薬材料である場合、前記漢方薬草組成物が13種の漢方薬材料を含み、各種の漢方薬材料の重量パーセントが7.69%±5%の範囲内にある。
【0017】
本発明の第1類漢方薬材料が基礎漢方薬材料で、前記第2類漢方薬材料が添加漢方薬材料である。表2の7種類配列組合せの漢方薬材料が、すべて本発明の治療効果を獲得することができる。下記に、第7種類の組合せ:漢方薬草組成物に13類漢方薬材料(ビャクキュウ、肉桂、ビャクシ、当帰、芍薬、羌活、烏薬、甘草、独活、大黄、姜、ニュウコウと没薬)を含んだものを代表例として説明し、残りの6種類の組合せも類似の方法により実施することができるため、更なる説明は割愛する。
【0018】
本発明の1種の実施形態の消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物の成分と万応膏の固有成分の比較を下記の表3に示す。
【表3】

【0019】
本発明の消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物には川烏、木鼈子、草烏、生地黄、ビャクレン、苦参及び元参を含まない。そのため、本発明の消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物が万応膏の固有成分と完全に異なっていた。更に、川烏、木鼈子と草烏がすでに毒性と皮膚刺激性を持ったことを実証されたため、本発明の漢方薬草組成物は、万応膏の固有成分の欠点を持たない。また、万応膏の固有成分と比較する場合、本発明の漢方薬草組成物が更に添加漢方薬材料(例えば姜、ニュウコウと没薬)を含み、その治療効果を増加することができる。
【0020】
本発明の消炎・消腫・止痛用の漢方薬草組成物により、その漢方薬材料について、文献に記載された効果を下記の表4に示す。
【表4】







【0021】
本発明の第1実施形態の製造方法により、本発明の漢方薬草エキスを得ることができる。図1に示されるように、前記第1実施形態の製造方法は下記の工程を含む:工程100の中に、第1類漢方薬材料と第2類漢方薬材料を提供し、前記第1類漢方薬材料がビャクキュウ、肉桂、ビャクシ、当帰、芍薬(例えば赤芍、白芍)、羌活、烏薬、甘草、独活、大黄を含み、且つ前記第1類漢方薬材料が基礎漢方薬材料である。前記第2類漢方薬材料は姜(例えば、乾姜、生姜)、ニュウコウ及び没薬からなる群から選択される少なくとも1種の漢方薬材料であり、且つ前記第2類漢方薬材料が添加漢方薬材料である。工程102の中に、有機溶剤(例えばメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、コールオイル(石油エーテル)及びヘキサンなどの1種類或いは多種)を添加し、且つ前記第1と第2類漢方薬材料及び有機溶剤を第1容器(つまり抽出桶)の内に入れ、前記第1と第2類漢方薬材料と前記有機溶剤との重量パーセントが1:Nになるようにし、混合液を形成し、ここでNは3〜12の間に介在する数値であり、好ましくは、Nが8である。工程104の中に、前記混合液を予定温度まで加熱し、且つ予定時間で抽出する抽出を行い、ここで前記予定温度が30℃〜100℃の間に介在する。前記有機溶剤がエタノール(つまりアルコール)の場合、前記予定温度の好ましくはエタノール沸点の±5℃の範囲に介在する。前記予定時間が1〜6時間の間に介在する。工程106の中に、熱いうちに前記混合液を濾過して抽出濾液を得る、抽出濾液を第2容器(つまり計量コップ)に入れる。工程108の中に、抽出濾液を含水量の10−40重量%、前記有機溶剤含有量の3−30重量%の浸膏に濃縮する。好ましくは、抽出濾液を含水量の10−20重量%、前記有機溶剤含有量の5−10重量%の浸膏に濃縮する。前記浸膏が中間製品で、輸送と販売に便利し、後の最終製品製造に用いる。工程110の中に、抽出残渣を前記容器から除去する。
【0022】
本発明の第2実施形態の製造方法により、本発明の漢方薬草エキスを得ることもできる。図2に示されるように、前記第2実施形態の製造方法が下記の工程を含む:工程200の中に、第1類漢方薬材料と第2類漢方薬材料を提供し、前記第1類漢方薬材料がビャクキュウ、肉桂、ビャクシ、当帰、芍薬、羌活、烏薬、甘草、独活、大黄を含み、且つ前記第1類漢方薬材料が基礎漢方薬材料である;前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる群から選択される少なくとも1種の漢方薬材料であり、且つ前記第2類漢方薬材料が添加漢方薬材料である。工程202の中に、有機溶剤を添加し、且つ前記第1と第2類漢方薬材料及び有機溶剤を第1容器(つまり抽出桶)の内に入れ、前記第1と第2類漢方薬材料と前記有機溶剤との重量パーセントが1:Nになるようにし、第1混合液を形成し、ここでNが3〜12の間に介在する数値であり、好ましくは、Nが8である。工程204の中に、前記第1混合液を第1予定温度まで加熱し、且つ第1予定時間で抽出する第1回の抽出を行い、その中に前記第1予定温度が30℃〜100℃の間に介在する。前記有機溶剤がエタノールの場合、前記第1予定温度の好ましくはエタノール沸点の±5℃の範囲に介在する。前記第1予定時間が1〜6時間の間に介在する。工程206の中に、熱いうちに前記第1混合液を濾過して第1回の抽出濾液を得る、第1回の抽出濾液を第2容器(つまり計量コップ)に入れる。工程208の中に、第1回の抽出残渣を保留する。工程210の中に、再び前記有機溶剤を添加し、前記漢方薬材料と前記有機溶剤との重量パーセントが1:Nに復帰し、第2混合液を形成し、そこでNは3〜12の間に介在する数値であり、好ましくは、Nが8である。工程212の中に、前記第2混合液を第2予定温度まで加熱し、且つ第2予定時間で抽出する第2回の抽出を行い、前記第2予定温度が30℃〜100℃の間に介在する。前記有機溶剤がエタノールの場合、前記第2予定温度の好ましくはエタノール沸点の±5℃の範囲に介在する。前記第2予定時間が1〜6時間の間に介在する。工程214の中に、熱いうちに前記第2混合液を濾過して第2回の抽出濾液を得る。工程216の中に、第1回の抽出濾液と第2回の抽出濾液を混合する。工程218の中に、前記混合濾液を含水量の10−40重量%、前記有機溶剤含有量の3−30重量%の浸膏に濃縮する。好ましくは、混合濾液を含水量の10−20重量%、前記有機溶剤含有量の5−10重量%の浸膏に濃縮する。前記浸膏が中間製品で、輸送と販売に便利し、後の最終製品製造に用いる。工程220の中に、第2回の抽出残渣を前記容器から除去する。
【0023】
図3に示されるように、本発明の漢方薬草エキスを漢方薬草貼布300に応用することができる。前記漢方薬草貼布300は、粘着テープ層310と漢方薬草薬剤層320を含む。前記漢方薬草薬剤層320が前記粘着テープ層310の上に位置する。本実施形態の中に、前記漢方薬草薬剤層が希釈剤と本発明の漢方薬草の浸膏を含む。前記漢方薬草の浸膏(中間製品)が前記希釈剤に組込み、このように前記漢方薬草薬剤層(最終製品)を形成する。前記希釈剤がエタノール、水と水性ビスコースを含む。前記漢方薬草貼布300中の漢方薬草エキス含有量が50−3500mg/14g(一枚の漢方薬草貼布)である。
【0024】
図4に示されるように、本発明の漢方薬草エキスは、漢方薬草スプレーに応用することができる。本実施形態の中に、前記漢方薬草スプレー400が希釈剤と本発明の漢方薬草の浸膏を含む。前記漢方薬草の浸膏(中間製品)が前記希釈剤に組込み、このように前記漢方薬草スプレー(最終製品)を形成する。前記希釈剤はエタノール、ボリオール系、水を含む。前記漢方薬草スプレー400中の漢方薬草エキス含有量が10−500mg/gである。もう一つの実施例の中に、前記漢方薬草スプレーが濃縮した浸膏(中間製品)を含む必要なく、濃縮する前の抽出濾液(中間製品でもある)を含み、このように濃縮工程を減少し、製造時間の短縮と製造コストの降下を実現することができる。
【0025】
図5に示されるように、本発明のこのような実施形態の中において、漢方薬草エキスを漢方薬草軟膏500に応用することができ、軟膏はまた油膏、水性ゲルと乳膏に分けることができる。前記漢方薬草軟膏500が希釈剤と本発明の漢方薬草の浸膏を含む。前記漢方薬草の浸膏(中間製品)を希釈剤に組込み、このように前記漢方薬草軟膏(最終製品)を形成する。前記希釈剤の油膏がワセリン、パラフィン油、非イオン界面活性剤を含む;水性ゲルがエタノール、水と非イオン界面活性剤を含む;乳膏は油脂、ろう、及び乳化剤を含む。前記漢方薬草軟膏500中の漢方薬草エキス含有量が10−500mg/gである。
【0026】
さらに、本発明の漢方薬草エキスを内服製剤に応用することができ、内服製剤は散剤、丸薬と錠剤に分けることができる。本実施例の中に、前記内服製剤が希釈剤と本発明の漢方薬草の浸膏を含む。前記漢方薬草の浸膏(中間製品)を前記希釈剤に組込み、このように前記内服製剤(最終製品)を形成する。散剤及び丸薬の希釈剤は、澱粉と炭水化物(例えば糖或いは蜂蜜)を含む;錠剤の希釈剤は、主に結晶性セルロースを含む。内服製剤中の漢方薬草エキス含有量は、3−250mg/gである。
【0027】
また、上述の漢方薬草エキスが下記の9種類主要指標成分:ペオニフロリン(Paeoniflorin)、フェルラ酸(Ferulic acid)、桂皮アルデヒド(Cinnamaldehyde)、グリシルリチン(Glycyrrhizin)、レイン(Rhein)、インペラトリン(Imperatorin)、オストール(Osthol)、イソインペラトリン(Isoimperatorin)とジンジェロール(Gingerol)を含み、ここで、1gの前記漢方薬草エキスに含まれた指標成分の含有量はそれぞれ:ペオニフロリン(Paeoniflorin)が4.466−1.488mg、フェルラ酸(Ferulic acid)が0.382−0.127mg、桂皮アルデヒド(Cinnamaldehyde)が2.159−0.720mg、グリシルリチン(Glycyrrhizin)が9.677−3.226mg、レイン(Rhein)が1.013−0.338mg、インペラトリン(Imperatorin)が0.727−0.242mg、オストール(Osthol)が1.389−0.463mg、イソインペラトリン(Isoimperatorin)が0.709−0.236mg、ジンジェロール(Gingerol)が0.144−0.432mgである。
【0028】
以下で、実施例及び試験データにより、本発明に対し更に説明を行う。
実施例1
【0029】
各漢方薬材料から抽出した浸膏の動物皮膚に対する刺激性をテストする:
万応膏の固有成分と本発明の漢方薬草組成物成分の各漢方薬材料をそれぞれ濃度の95重量%のエタノール溶液と1:8の重量配分比で還流抽出装置に入れ、且つ80℃で3時間抽出し、2回繰り返し、2回の抽出液体を収集し、それからそれぞれ濾過を行い、減圧濃縮機械で濾過したろ液を浸膏に濃縮する。それぞれ25ulの浸膏及び陽性と陰性対照品を背中の毛を取り除いた動物皮膚に貼り、24時間の刺激を経た後に、貼った後の24、48、78時間の皮膚反応を観察・記録し、皮膚刺激性得点システム採点法(下記の表5に示す)と皮膚刺激性指標(Primary Dermal Irritation Index)(下記の表6に示す)により、前記皮膚の刺激程度を評価する(下記の表7に示す)。
【表5】

【表6】

【表7】

【0030】
表7によると、本発明の漢方薬草組成物成分の部分漢方薬材料が弱い刺激性を持ち、本発明の浸膏が刺激性を持たない;しかしながら、万応膏が中等度の刺激性を有した。
実施例2
【0031】
本発明の漢方薬草組成物成分の漢方薬材料の適切な抽出条件:
本発明の漢方薬草組成物成分の13種類漢方薬材料を等比例或いは各種比例で混合した後に、異なる条件(温度、有機溶剤)で抽出と濃縮を行い、適切に希釈した後に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)試験を行い、そして(芍薬、当帰、肉桂、甘草、大黄、ビャクシ、独活、羌活)指標成分の含有量を算出し、異なる条件の漢方薬材料抽出結果を比較すると、最適の漢方薬材料抽出条件を選び出す、その結果を下記の表8に示す。
【表8】

【0032】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、異なる条件の1gの処方漢方薬材料の抽出液体に含まれた指標成分の平均含有量(n=3回)を算出し、単位がmgで、その結果を下記の表9に示す。下記の表9により、95重量%−50重量%のエタノール或いは温度が高いほど、より多い指標成分を抽出することができる。
【表9】

【0033】
実施例3
本発明の漢方薬草組成物成分の各種漢方薬材料の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析図
【0034】
各種漢方薬材料をそれぞれ1g取り、そして95重量%のエタノールを8g添加し、還流抽出装置に入れ、且つ80℃で3時間抽出し、2回繰り返し、2回の抽出液体を収集し、それからそれぞれ濾過を行い、減圧濃縮機械で濾過したろ液を浸膏に濃縮し、メタノール(MeOH)で150.0mlに定量し試験液を製造した、10ulの試験液を取り、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により成分分析を行い、そして図6A〜図6Lに示すフィンガープリントを作成する。
【0035】
ここで、
図6Aは赤芍のHPLCフィンガープリントを表示し、指標成分がペオニフロリンである;
図6Bは当帰のHPLCフィンガープリントを表示し、指標成分がフェルラ酸である;
図6Cは肉桂のHPLCフィンガープリントを表示し、指標成分が桂皮アルデヒドである;
図6Dは甘草のHPLCフィンガープリントを表示し、指標成分がグリシルリチンである;
図6Eは大黄のHPLCフィンガープリントを表示し、指標成分がレインである;
図6FはビャクシのHPLCフィンガープリントを表示し、指標成分がインペラトリン或いはアンゲリシンである;
図6Gは独活のHPLCフィンガープリントを表示し、指標成分がオストール或いは7−メトキシ−8−プレニル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(Osthole)である;
図6Hは羌活のHPLCフィンガープリントを表示し、指標成分がイソインペラトリンである;
図6Iは乾姜のHPLCフィンガープリントを表示する;
図6JはビャクキュウのHPLCフィンガープリントを表示する;
図6KはニュウコウのHPLCフィンガープリントを表示する;
図6Lは烏薬のHPLCフィンガープリントを表示する。
実施例4
【0036】
本発明の漢方薬草組成物成分の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析図
【0037】
本発明の漢方薬草組成物成分の各漢方薬材料をそれぞれ1g取り、13gに混合した後に、濃度の95重量%のエタノールを104g添加し、還流抽出装置に入れ、且つ80℃で3時間抽出し、それから濾過し濾液を取り出し、得られた残渣を再び以上の工程により1回繰り返し、2回の抽出液体を収集し濾過を行い、減圧濃縮機械で濾過したろ液を浸膏に濃縮し、メタノール(MeOH)で150.0mlに定量し試験液を製造した、10ulの試験液を取り、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により成分分析を行い、そして図7に示すフィンガープリントを作成する。
実施例5
【0038】
本発明の漢方薬材料成分の浸膏経皮吸収試験:
試験動物がウィスター(Wistar)ラット(重さが約250g)である。試験期間に、試験動物が自由に飼料と飲用水を摂取する。試験試料が漢方薬草組成物成分抽出濃縮の浸膏である。先に頸椎脱臼法でラットを死亡させ、再び電動シェーバーで腹部の毛髪を剃り、腹部の皮膚を取り出す。皮膚を取り出し、内部に生理塩水で湿らせた後に、縦式経皮吸収システム(Transdermal Franz Cell System)の蓋帽区(Donor cell)と本体区(Receptor cell)の間に挟み、測定試料をそれぞれ適切な溶剤に溶かし、そして蓋帽区に置く。本体区に生理食塩水(20重量%のポリエチレングリコール400を含む)を充満し、37℃恒温と500 rpm固定スピード攪拌で皮膚の経皮吸収試験を行い、そして3、6、12、24、36と72時間にサンプリングし、サンプリングした試料を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の中に注ぎ込み、漢方薬草貼布の指標成分の含有量を測定する。
【0039】
結果、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定された成分が当帰、芍薬、肉桂など漢方薬材料成分で、しかも上述の3種類漢方薬材料の指標成分を含み、そのHPLCフィンガープリントを図8に示す。
実施例6
【0040】
本発明の漢方薬草貼布鎮痛実験:
【0041】
(1) 酢酸ライジング法:
原理:化学物質で動物を刺激する、例えば、酢酸、ブラジキニン或いはK+などで腹腔に注射し腹膜を刺激するまたは皮膚に接触し、化学物質過敏型受容体を刺激し疼痛反応を誘発させると、腹部の収縮陥凹、後肢の伸び、体の曲がり或いはワームなどライジングを表現する。
【0042】
試験動物は、ICRマウス(雄、6−8週間)である。試験期間に、試験動物が自由に飼料と飲用水を摂取する。そして試験の前に、24時間断食する。試験が共に3群に分け、それぞれ陰性対照群(いかなる薬物を含まない薬貼布)、陽性対照群(市販するインドメタシン(Indomethacin)或いはジクロフェナクナトリウム(Diclofenac sodium)薬貼布)と実験群(実験の中に異なる分量の4種類薬貼布を使用する)で、群ごとに12匹である。
【0043】
マウスの重量を測り、番号を付け、それから四肢をフラットパネルに固定し腹部の毛を剃った後に、薬貼布(2センチメートル×3センチメートル)をマウスの腹部に貼る。3時間後に薬貼布を取り除き(或いは薬貼布を取り除かない)、0.6重量%の酢酸溶液(つまり20ml/kgで腹腔注射を行う。10分以内に、マウスのライジング回数を観察し、そしてライジング平均値を記録し、その結果を図9に示す。
【0044】
結果、本発明の漢方薬草貼布群のライジング平均値が陰性対照群(いかなる薬物を含まない薬貼布)より小さく、そのため、本発明の漢方薬草貼布が確かに鎮痛の治療効果を有していた。
【0045】
(2) ホルマリン試験法:
原理:ラット、ハツカネズミの皮下に希釈したホルマリンを注射すると、中枢と周辺神経系の疼痛反応を観察することができ、このホルマリン足舐め実験は最初にDubuissonとDennisにより1977年に発表されたので、前記実験が多数の鎮痛薬物のふるい分けにとって有効・信頼できる模型であり、ヒトの皮膚の皮下にホルマリンを注射すると、4〜5分の後に激しく鋭い灼熱感を引き起こし、次の30〜60分に疼痛感が続くが、ハツカネズミの場合、注射したホルマリンの刺激で足の疼痛を引き起こしたことにより、足舐め或いは足踏み行為表現を出現し、注射したホルマリンにより最初の0〜5分にもたらされた疼痛反応(initial pain)による足舐め時間を前期と称し、主に痛覚反応を直接刺激し受容体がP物質(substance P)とブラジキニンを放出し疼痛反応を出現する;15〜40分に生じた足舐め時間を後期と称し、主に炎症起こし反応で、損害された細胞組織からいくつかトランスミッター例えばヒスタミン(histamine)、セロトニン(serotonin)、プロスタグランジン(prostaglandin)とキニン(kinin)などを放出したことにより引き起こされた。要するに、ホルマリンでマウスの疼痛を誘発し足舐めの行為反応が出現することによって、炎症性と非炎症性疼痛の鎮痛活性と作用メカニズムに対し有効の評価を行うことができる。また、ホルマリンで誘発した疼痛反応は、その濃度の大きさがとても重要な原因を占め、0.02〜0.2重量%の場合に前期の足舐め反応だけを誘発し、光学顕微鏡で組織鑑定を行い、その変化が微小である;1重量%或いはもっと高いホルマリン濃度の場合、前期と後期の足舐め反応を誘発することができ、注射したホルマリンが5重量%の場合、30分後に組織鑑定において急性炎症反応を発見し、粒子破壊と腫れをすべてのサンプルにおいて見ることができる。
【0046】
試験動物は、ICRマウス(雄、6−8週間)である。試験期間に、試験動物が自由に飼料と飲用水を摂取する。そして試験の前に、24時間断食する。試験は、共に3群に分け、それぞれ陰性対照群(いかなる薬物を含まない薬貼布)、陽性対照群(市販するインドメタシン或いはジクロフェナクナトリウム薬貼布)と実験群(実験の中に異なる分量の4種類薬貼布を使用する)で、群ごとに12匹である。
【0047】
マウスの重量を測り、番号を付け、薬貼布(2センチメートル×3センチメートル)を4等分し、マウスの足の甲に貼り、再び通気性粘着テープで巻き付けて固定し、3時間後に薬貼布を取り除き、当日に調製した1重量%のホルマリン溶液で足の甲の皮下に20ulを注射し、0〜5分と15〜40分の期間にマウスの足舐め時間を計算し、その結果を図10に示す。
【0048】
結果、本発明の漢方薬草貼布の足舐め時間は、陰性対照群(いかなる薬物を含まない薬貼布)より小さく、そのため、本発明の漢方薬草貼布が確かに鎮痛の治療効果を有していた。
実施例7
【0049】
本発明の漢方薬草貼布消炎消腫試験:
原理:γ−カラゲニンを足底に注射してから引き起こされた浮腫みは二相性反応であり、γ−カラゲニンを注射した後に、異なる時間に異なる物質を釈放し、炎症腫れを引き起し、0−1.5時間或いは20分〜1時間以内(第1段階)に、ヒスタミン、セロトニンと血小板活性化因子(PAF、platelet activating factor)が遊離し出す;1.5−2.5時間(第2段階)に、キニン類物質が釈放し出す;2.5時間以後(第3段階)にプロスタグランジンとロイコトリエン(leukotriens)が釈放し出し、炎症腫れを起こす。
試験動物がSDラット(雄、6−8週間)である。試験期間に、試験動物が自由に飼料と飲用水を摂取する。そして試験の前に、24時間断食する。試験が共に3群に分け、それぞれ陰性対照群(いかなる薬物を含まない薬貼布)、陽性対照群(市販するインドメタシン或いはジクロフェナクナトリウム薬貼布)と実験群(実験の中に異なる分量の4種類薬貼布を使用する)で、群ごとに8匹である。
【0050】
ラットの重量を測り、番号を付け、そしてラットの足底にサインペンで測量線を引く。腫れ測定装置で前記足底の体積を測定する。先にマウスが漢方薬草貼布のかみ切りを防止するために、コルセット弾力性包帯でマウスを着る。各群ラットの足底に0.1mlのカラゲナン(Carrageenan、生理食塩水の中に10mg/ml)を皮下注射する。陽性対照群と実験群に対し、漢方薬草貼布(2センチメートル×3センチメートル)を足底に貼り、そして通気性粘着テープで巻き付き固定し、腫れ測定装置で0、2、4、6と24時間の腫れパーセンテージ(異なる時間に測定した後に再び漢方薬草貼布を更新する必要がある)を測量し、各時間点の消腫状況を観察し、そして実験群と対照群の腫れ曲線に生物統計区別があるかどうかを引き、その結果は図11に示した通りである。
【0051】
結果、本発明の漢方薬草貼布の腫れパーセンテージが陰性対照群(いかなる薬物を含まない薬貼布)より小さく、そのため、本発明の漢方薬草貼布が確かに消炎消腫の治療効果を有していた。
【0052】
本発明はすでに上述の実施例を説明したが、これらの実施例は決して本発明の制限に用いるのではなく、いかなる公知常識を知った本分野の技術者は、本発明の精神を離れない範囲の内に、各種の変更と改正を行うことができる。そのため、本発明の保護範囲は請求の範囲に定義する範囲を正確とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1類漢方薬材料と第2類漢方薬材料からなる漢方薬草組成物であって、前記第1類漢方薬材料がビャクキュウ、肉桂、ビャクシ、当帰、芍薬、羌活、烏薬、甘草、独活、大黄であり;
前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる組から選択される少なくとも1種の漢方薬材料であることを特徴とする漢方薬草組成物。
【請求項2】
前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる群から選択される1種の漢方薬材料である場合、前記漢方薬草組成物が11種の漢方薬材料を含み、各種の漢方薬材料の重量パーセンテージが9.09%±5%の範囲にある請求項1に記載の漢方薬草組成物。
【請求項3】
前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる群から選択される2種の漢方薬材料である場合、前記漢方薬草組成物が12種の漢方薬材料を含み、各種の漢方薬材料の重量パーセンテージが8.33%±5%の範囲にある請求項1に記載の漢方薬草組成物。
【請求項4】
前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる組から選択される3種の漢方薬材料である場合、前記漢方薬草組成物が13種の漢方薬材料を含み、各種の漢方薬材料の重量パーセンテージが7.69%±5%の範囲にある請求項1に記載の漢方薬草組成物。
【請求項5】
前記第1類漢方薬材料が基礎漢方薬材料で、且つ前記第2類漢方薬材料が添加漢方薬材料である請求項1〜4のいずれか1項に記載の漢方薬草組成物。
【請求項6】
下記の工程を含む製造過程により製造した物であって:
第1類漢方薬材料と第2類漢方薬材料を提供し、前記第1類漢方薬材料がビャクキュウ、肉桂、ビャクシ、当帰、芍薬、羌活、烏薬、甘草、独活、大黄であり、前記第1類漢方薬材料が基礎漢方薬材料で、且つ前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる群から選択される少なくとも1種の漢方薬材料であり、前記第2類漢方薬材料が添加漢方薬材料であり;
前記第1と第2類漢方薬材料及び有機溶剤を容器の内に入れ、前記第1と第2類漢方薬材料と前記有機溶剤との重量パーセントを1:Nにし、第1混合液を形成し、その中のNが3〜12の間に介在する数値であり;
前記第1混合液を第1予定温度まで加熱し、且つ第1予定時間で抽出する第1回の抽出を行い;及び
熱いうちに前記第1混合液を濾過し、第1回の抽出濾液を取ること
を特徴とする漢方薬草エキス。
【請求項7】
前記第1予定温度が30℃〜100℃の間に介在する請求項6に記載の漢方薬草エキス。
【請求項8】
前記第1予定温度が前記有機溶剤沸点の±5℃の範囲に介在する請求項6に記載の漢方薬草エキス。
【請求項9】
前記有機溶剤がエタノールの場合、前記第1予定温度がエタノール沸点の±5℃の範囲に介在する請求項8に記載の漢方薬草エキス。
【請求項10】
前記第1予定時間が1〜6時間の間に介在する請求項6に記載の漢方薬草エキス。
【請求項11】
前記製造過程が更に、第1回の抽出濾液を含水量の10−40重量%、前記有機溶剤含有量の3−30重量%の浸膏に濃縮する工程を含む、請求項6に前記漢方薬草エキス。
【請求項12】
前記含水量が10−20重量%、前記有機溶剤含有量が5−10重量%である請求項11に記載の漢方薬草エキス。
【請求項13】
前記製造過程が、
第1回の抽出残渣を保留する工程と;
再び前記有機溶剤を添加し、前記漢方薬材料と前記有機溶剤との重量パーセントが1:Nに復帰し、第2混合液を形成し、その中のNが3〜12の間に介在する数値である工程と;
前記第2混合液を第2予定温度まで加熱し、且つ第2予定時間で抽出する第2回の抽出を行う工程;及び
熱いうちに前記第2混合液を濾過し、第2回の抽出濾液を取る工程
とを、更に含む、請求項11に記載の漢方薬草エキス。
【請求項14】
前記第2予定温度が30℃〜100℃の間に介在する請求項13に記載の漢方薬草エキス。
【請求項15】
前記第2予定温度が前記有機溶剤沸点の±5℃の範囲に介在する請求項13に記載の漢方薬草エキス。
【請求項16】
前記有機溶剤がエタノールの場合、前記第2予定温度がエタノール沸点の±5℃の範囲に介在する請求項15に記載の漢方薬草エキス。
【請求項17】
前記第2予定時間が1〜6時間の間に介在する請求項13に記載の漢方薬草エキス。
【請求項18】
前記製造過程が、第1回の抽出濾液と第2回の抽出濾液を混合し、前記混合濾液を含水量の10−40重量%、前記有機溶剤含有量の3−30重量%の浸膏に濃縮する工程をさらに含む、請求項13に記載の漢方薬草エキス。
【請求項19】
前記含水量が10−20重量%、前記有機溶剤含有量が5−10重量%である請求項18に記載の漢方薬草エキス。
【請求項20】
前記製造過程が、第2回の抽出残渣を前記容器から除去する工程をさらに含む、請求項18に記載の漢方薬草エキス。
【請求項21】
前記有機溶剤がメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、コールオイル(石油エーテル)及びヘキサンからなる群から選択される少なくとも一種の溶剤である請求項6に記載の漢方薬草エキス。
【請求項22】
Nが8である請求項6に記載の漢方薬草エキス。
【請求項23】
第1類漢方薬材料と第2類漢方薬材料を提供し、前記第1類漢方薬材料がビャクキュウ、肉桂、ビャクシ、当帰、芍薬、羌活、烏薬、甘草、独活、大黄であり、前記第1類漢方薬材料が基礎漢方薬材料であり、且つ前記第2類漢方薬材料が姜、ニュウコウ及び没薬からなる群から選択される少なくとも1種の漢方薬材料であり、前記漢方薬材料が添加漢方薬材料であり;
前記第1と第2類漢方薬材料及び有機溶剤を容器の内に入れ、前記漢方薬草組成物と前記有機溶剤との重量パーセントを1:Nにし、第1混合液を形成し、その中のNが3〜12の間に介在する数値であり;
前記第1混合液を第1予定温度まで加熱し、且つ第1予定時間で抽出する第1回の抽出を行うこと;及び
熱いうちに前記第1混合液を濾過し、第1回の抽出濾液を取ることを特徴とする漢方薬草エキスの製造方法。
【請求項24】
前記第1予定温度が30℃〜100℃の間に介在する請求項23に記載の製造方法。
【請求項25】
前記第1予定温度が前記有機溶剤沸点の±5℃の範囲に介在する請求項23に記載の製造方法。
【請求項26】
前記有機溶剤がエタノールの場合、前記第1予定温度がエタノール沸点の±5℃の範囲に介在する請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記第1予定時間が1〜6時間の間に介在する請求項23に記載の製造方法。
【請求項28】
前記製造方法が、第1回の抽出濾液を含水量の10−40重量%、前記有機溶剤含有量の3−30重量%の浸膏に濃縮する工程をさらに含む、請求項23に記載の製造方法。
【請求項29】
前記含水量が10−20重量%、前記有機溶剤含有量が5−10重量%である請求項28に記載の製造方法。
【請求項30】
前記製造過程が、
第1回の抽出残渣を保留する工程;
再び前記有機溶剤を添加し、前記漢方薬材料と前記有機溶剤との重量パーセントが1:Nに復帰し、第2混合液を形成し、その中のNが3〜12の間に介在する数値である工程;
前記第2混合液を第2予定温度まで加熱し、且つ第2予定時間で抽出する第2回の抽出を行う工程;及び
熱いうちに前記第2混合液を濾過し、第2回の抽出濾液を取る工程と
をさらに含む、請求項23に記載の製造方法。
【請求項31】
前記有機溶剤の沸点がT℃で、且つ前記第2予定温度が30℃〜100℃の間に介在するに介在する請求項30に記載の製造方法。
【請求項32】
前記第2予定温度が前記有機溶剤沸点の±5℃の範囲に介在する請求項30に記載の製造方法。
【請求項33】
前記有機溶剤がエタノールの場合、前記第2予定温度がエタノール沸点の±5℃の範囲に介在する請求項32に記載の製造方法。
【請求項34】
前記第1予定時間が1〜6時間の間に介在する請求項23に記載の製造方法。
【請求項35】
前記製造方法が、第1回の抽出濾液と第2回の抽出濾液を混合し、前記混合濾液を含水量の10−40重量%、前記有機溶剤含有量の3−30重量%の浸膏に濃縮する工程をさらに含む、請求項30に記載の製造方法。
【請求項36】
前記含水量が10−20重量%、前記有機溶剤含有量が5−10重量%である請求項35に記載の製造方法。
【請求項37】
前記製造方法が、第2回の抽出残渣を前記容器から除去する工程をさらに含む、請求項35に記載の製造方法。
【請求項38】
前記有機溶剤がメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、コールオイル(石油エーテル)及びヘキサンからなる群から選択される少なくとも1種の溶剤である請求項23に記載の製造方法。
【請求項39】
Nが8である請求項23に記載の製造方法。
【請求項40】
粘着テープ層;及び
前記粘着テープ層の上に位置する漢方薬草薬剤層を含み、前記漢方薬草薬剤層が請求項11に記載の漢方薬草の浸膏を含むことを特徴とする漢方薬草貼布。
【請求項41】
さらに、前記漢方薬草薬剤層が希釈剤を含み、且つ前記浸膏が前記希釈剤に組込む請求項40に記載の漢方薬草貼布。
【請求項42】
前記希釈剤がエタノール、水と水性ビスコースを含む請求項41に記載の漢方薬草貼布。
【請求項43】
前記漢方薬草貼布中の漢方薬草エキス含有量が50−3500mg/14gである請求項42に記載の漢方薬草貼布。
【請求項44】
粘着テープ層;及び
前記粘着テープ層の上に位置する漢方薬草薬剤層を含み、前記漢方薬草薬剤層が請求項18に記載の浸膏を含むことを特徴とする漢方薬草貼布。
【請求項45】
さらに、前記漢方薬草薬剤層が希釈剤を含み、且つ前記浸膏が前記希釈剤に組込む請求項44に記載の漢方薬草貼布。
【請求項46】
前記希釈剤がエタノール、水と水性ビスコースを含む請求項45に記載の漢方薬草貼布。
【請求項47】
前記漢方薬草貼布中の漢方薬草エキス含有量が50−3500mg/14gである請求項46に記載の漢方薬草貼布。
【請求項48】
請求項6に記載の抽出濾液を含むことを特徴とする漢方薬草スプレー。
【請求項49】
さらに、前記漢方薬草スプレーが希釈剤を含み、前記浸膏が前記希釈剤に組込む請求項48に記載の漢方薬草スプレー。
【請求項50】
前記希釈剤がエタノール、ポリオール系、水を含む請求項49に記載の漢方薬草スプレー。
【請求項51】
前記漢方薬草スプレー中の漢方薬草エキス含有量が10−500mg/gである請求項50に記載の漢方薬草スプレー。
【請求項52】
請求項11に記載の浸膏を含むことを特徴とする漢方薬草スプレー。
【請求項53】
さらに、前記漢方薬草スプレーが希釈剤を含み、前記浸膏が前記希釈剤に組込む請求項52に記載の漢方薬草スプレー。
【請求項54】
前記希釈剤がエタノール、ポリオール系、水を含む請求項53に記載の漢方薬草スプレー。
【請求項55】
前記漢方薬草スプレー中の漢方薬草エキス含有量が10−500mg/gである請求項54に記載の漢方薬草スプレー。
【請求項56】
請求項11に記載の浸膏を含むことを特徴とする漢方薬草軟膏。
【請求項57】
さらに、前記漢方薬草軟膏が希釈剤を含み、前記浸膏が前記希釈剤に組込む請求項56に記載の漢方薬草軟膏。
【請求項58】
前記漢方薬草軟膏が油膏、水性ゲルと乳膏中の1種である請求項57に記載の漢方薬草軟膏。
【請求項59】
前記漢方薬草軟膏中の漢方薬草エキス含有量が10−500mg/gである請求項58に記載の漢方薬草軟膏。
【請求項60】
請求項18に記載の浸膏を含むことを特徴とする漢方薬草軟膏。
【請求項61】
さらに、前記漢方薬草軟膏が希釈剤を含み、前記浸膏が前記希釈剤に組込む請求項60に記載の漢方薬草軟膏。
【請求項62】
前記漢方薬草軟膏が油膏、水性ゲルと乳膏中の1種である請求項61に記載の漢方薬草軟膏。
【請求項63】
前記漢方薬草軟膏中の漢方薬草エキス含有量が10−500mg/gである請求項62に記載の漢方薬草軟膏。
【請求項64】
請求項11に記載の浸膏を含むことを特徴とする内服製剤。
【請求項65】
さらに、前記内服製剤が希釈剤を含み、前記浸膏が前記希釈剤に組込む請求項64に記載の内服製剤。
【請求項66】
前記内服製剤が散剤、丸薬と錠剤中の1種である請求項65に記載の内服製剤。
【請求項67】
前記内服製剤中の漢方薬草エキス含有量が3−250mg/gである請求項66に記載の内服製剤。
【請求項68】
請求項18に記載の浸膏を含むことを特徴とする内服製剤。
【請求項69】
さらに、前記内服製剤が希釈剤を含み、前記浸膏が前記希釈剤に組込む請求項68に記載の内服製剤。
【請求項70】
前記内服製剤が散剤、丸薬と錠剤中の1種である請求項69に記載の内服製剤。
【請求項71】
前記内服製剤中の漢方薬草エキス含有量が3−250mg/gである請求項70に記載の内服製剤。
【請求項72】
下記の9種類主要指標成分:
ペオニフロリン、フェルラ酸、桂皮アルデヒド、グリシルリチン、レイン、インペラトリン、オストール、イソインペラトリンとジンジェロールを含む漢方薬草エキス。
【請求項73】
1gの前記漢方薬草エキスに含まれた指標成分の含有量はそれぞれ:ペオニフロリンが4.466〜1.488mg、フェルラ酸が0.382〜0.127mg、桂皮アルデヒドが2.159〜0.720mg、グリシルリチンが9.677〜3.226mg、レインが1.013〜0.338mg、インペラトリンが0.727〜0.242mg、オストールが1.389〜0.463mg、イソインペラトリンが0.709〜0.236mg、ジンジェロールが0.144〜0.432mgである請求項72に記載の漢方薬草エキス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図6K】
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【図6L】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−503114(P2013−503114A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525842(P2012−525842)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【国際出願番号】PCT/CN2009/073664
【国際公開番号】WO2011/026267
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(512047003)ユニ‐プレジデント バイオテック カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】