説明

消耗品発注システムとこれを用いる画像形成装置及び消耗品発注方法

【課題】対環境意識の高いユーザにとっても画像形成装置消耗品の対環境性能の情報を提供してよりいっそう地球環境に優しい消耗品発注システムとこれを用いる画像形成装置及び消耗品発注方法を提供する。
【解決手段】購入またはリースされている画像形成装置1に用いられる消耗品を発注する消耗品発注システムにおいて、画像形成装置1に用いられる消耗品の製品情報と消耗品の対環境性能情報とを入手する環境情報入手手段(通信部505)と、消耗品の製品情報と消耗品の対環境性能情報とを同時にまたは個別にリスト表示またはサムネイル表示する機能とを備える表示部101と、表示部101に表示された情報を選択するための情報選択手段(表示画面101a)と、前記情報選択手段により選択された選択結果を発注先に通知する選択結果通知手段(通信部505)とを備えることを特徴とするものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消耗品発注システムとこれを用いる画像形成装置及び消耗品発注方法に係り、特に、購入またはリースされている画像形成装置に用いられる消耗品を発注する消耗品発注システムとこれを用いる画像形成装置及び消耗品発注方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において、地球環境への配慮から、画像形成装置に用いられる消耗品容器などの再利用やリサイクルを行うことが促進されている。
【0003】
従来技術として、例えば、画像形成装置を使用するユーザからの発注に応じて、ユーザが有する消耗品容器と引き換えに新規消耗品を提供したり、少なくともユーザが有する消耗品容器の型式を表す消耗品関連情報に応じてインク提供の料金が決定するようにしたものが提案されている(特許文献1)。これにより、消耗品容器の再利用やリサイクルが促進される。また、残存するインクに応じて料金を控除することも可能なので、インクの廃棄を抑制して環境保護に貢献できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−273989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術による画像形成装置によれば、一般的なユーザが所望の消耗品(インクカートリッジやトナーカートリッジ)を発注することはできるが、対環境意識の高いユーザにとっては発注する消耗品の環境に対する影響が解らず、延いては画像形成装置を総合的な観点からの対環境性能を向上した消耗品を発注することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、対環境意識の高いユーザにとっても画像形成装置消耗品の対環境性能の情報を提供してよりいっそう地球環境に優しい消耗品発注システムとこれを用いる画像形成装置及び消耗品発注方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するための本発明に係る消耗品発注システムとこれを用いる画像形成装置及び消耗品発注方法は、次の通りである。
【0008】
本発明は、購入またはリースされている画像形成装置に用いられる消耗品を発注する消耗品発注システムにおいて、前記画像形成装置に用いられる消耗品の製品情報と前記消耗品の対環境性能情報とを入手する環境情報入手手段と、前記消耗品の製品情報と前記消耗品の対環境性能情報とを同時にまたは個別にリスト表示またはサムネイル表示する機能とを備える表示部と、前記表示部に表示された情報を選択するための情報選択手段と、前記情報選択手段により選択された選択結果(例えば、前記情報選択手段を用いてユーザが選択した選択結果)を発注先(メーカー、購入先またはリース先など)に通知する選択結果通知手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、前記消耗品の対環境性能情報として、前記消耗品が取得、認定、または検証された環境エコラベル情報を含むことが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記消耗品の対環境性能情報として、少なくとも前記消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガスの種類、または前記温室効果ガスの排出量の値を含むことが好ましい。
【0011】
また、本発明は、前記消耗品発注システムの構成として、前記表示部に前記消耗品の製品情報及び前記消耗品の対環境性能情報を表示させる情報表示手段を備え、前記情報表示手段の構成として、タッチパネルまたは操作キーを前記表示部と略一体的に備えることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、請求項1から4のうちの何れか一項に記載の消耗品発注システムを用いることを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
また、本発明は、請求項5に記載の画像形成装置を用いることを特徴とする消耗品発注方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の消耗品発注システムによれば、購入またはリースされている画像形成装置に用いられる消耗品を発注する消耗品発注システムにおいて、前記画像形成装置に用いられる消耗品の製品情報と前記消耗品の対環境性能情報とを入手する環境情報入手手段と、前記消耗品の製品情報と前記消耗品の対環境性能情報とを同時にまたは個別にリスト表示またはサムネイル表示する機能とを備える表示部と、前記表示部に表示された情報を選択するための情報選択手段と、前記情報選択手段により選択された選択結果(例えば、前記情報選択手段を用いてユーザが選択した選択結果)を発注先に通知する選択結果通知手段と、を備えることで、ユーザは、例えば、消耗品の製品情報と前記消耗品の対環境性能情報とを入手することができ、その情報に基づき新品の消耗品と再生(リサイクル)された消耗品とを比較して、より対環境性能の高い消耗品を選択することができ、ユーザへの対環境意識に応えることができる。
【0015】
また、消耗品の製品情報と前記消耗品の対環境性能情報とを入手することで、ユーザが使いきった消耗品を一般ゴミと同様に廃棄することを抑制する環境意識の向上を喚起できる。さらには、対環境意識の高いユーザにとっては、消耗品の対環境性能が一目で知ることができ、且つ該ユーザのニーズに応えることが可能で、消耗品の販売店またはリース店にとっても消耗品の受注が容易となり売り上げ向上につながる。延いては、温室効果ガスの発生量を抑制して、地球温暖化防止に貢献できる。
【0016】
また、本発明によれば、前記消耗品の対環境性能情報として、前記消耗品が取得、認定、または検証された環境エコラベル情報を含むことで、現使用中の画像形成装置の消耗品を購入(またはリースする)際、対環境性能のより向上した消耗品を簡便に選択することができ、消耗品の販売店またはリース店への発注が容易になる。
【0017】
また、本発明によれば、前記消耗品の対環境性能情報として、少なくとも前記消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガスの種類、または前記温室効果ガスの排出量の値を含むことで、消耗品の耐環境性能を把握でき、画像形成装置の総合的な対環境性能を著しく悪化することなく利便性のよい画像形成システムを検索して構築できる。
【0018】
また、本発明によれば、前記消耗品発注システムの構成として、前記表示部に前記消耗品の製品情報及び前記消耗品の対環境性能情報を表示させる情報表示手段を備え、前記情報表示手段の構成として、タッチパネルまたは操作キーを前記表示部と略一体的に備えることで、画像形成装置から直接各情報を簡便に表示させることができ、対環境性能のより向上した消耗品を簡便に選択することができ、消耗品の販売店またはリース店への発注が容易になる。
【0019】
また、本発明の画像形成装置によれば、請求項1から4のうちの何れか一項に記載の消耗品発注システムを用いることで、前記画像形成装置に用いられる消耗品の製品情報と前記消耗品の対環境性能情報とを容易に入手することができ、その情報に基づき新品の消耗品と再生された消耗品とを比較して、より対環境性能の高い消耗品を選択することができ、ユーザへの対環境意識に応えることができる。
【0020】
また、本発明の消耗品発注方法によれば、請求項5に記載の画像形成装置を用いることで、前記画像形成装置に用いられる消耗品の製品情報と前記消耗品の対環境性能情報とを容易に入手することができ、その情報に基づき新品の消耗品と再生された消耗品とを比較して、より対環境性能の高い消耗品を選択することができ、ユーザへの対環境意識に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【図2】前記画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】前記画像形成装置の消耗品発注システムを構成する操作パネルの構成を示す説明図である。
【図4】前記操作パネルを構成する表示部の初期画面を示す説明図である。
【図5】前記操作パネルの表示部に表示されるトナーカートリッジの製品情報のリスト表示とトナーカートリッジの対環境性能情報として環境エコラベル情報のサムネイル表示の一例を示す説明図である。
【図6】前記トナーカートリッジの製品情報のリスト表示とトナーカートリッジの対環境性能情報として環境エコラベル情報のサムネイル表示のうちの何れかが選択された時の表示状態の一例を示す説明図である。
【図7】前記画像形成装置の消耗品発注システムにより消耗品の環境対応取得情報を入手するととものに消耗品を発注するための通信ネットワークの一例を示す説明図である。
【図8】前記画像形成装置の消耗品発注システムによる消耗品発注する際の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【0023】
本実施形態は、図1に示すように、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置1に用いられる消耗品発注システムにおいて、本発明に係る特徴的な消耗品発注システムを採用したものである。
【0024】
まず、画像形成装置1の全体構成について説明する。
画像形成装置1は、外部から伝達される画像データに応じて所定のシート(記録用紙,記録媒体)に画像を形成するものである。画像形成装置1は、図1に示すように、主に、本体装置である電子写真プロセス部(図示省略)を備えた画像形成部3と、スキャナユニット(図示省略)を備えた画像読取部2とを備えて構成されている。
【0025】
原稿画像をスキャナユニットで読み取ることにより得られた画像データは、各種処理が施された後、メモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリから画像データを画像形成部3に出力して、感光体ドラム(図示省略)上に可視画像として再現した後、用紙上に画像を転写してトナー像を形成する。
【0026】
画像形成部3に隣接して用紙を供給する給紙部4が構成されている。
給紙部4は、第1〜3カセット31,32,33、さらにオプションとして大容量カセット34を有している。大容量カセット34は、最も使用頻度の高い、例えばA4サイズの標準紙を大量に収容することができる。
【0027】
画像読取部2と画像形成部3の間には排紙トレイ51が形成されている。
画像形成部3に隣接して後処理装置5が構成されている。
後処理装置5には、第1排紙卜レイ52,第2排紙トレイ53が設けられている。
【0028】
そして、画像形成装置1は、図示しないネットワーク回線(LAN、電話回線等)を介してPCやFAXと接続されている。
【0029】
ここで、画像形成装置1の構成についてブロック図を参照して説明する。
図2は本実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0030】
画像形成装置1は、図2に示すように、電気的構成として、画像形成装置1の動作を制御する制御部501、記憶部502、表示部503、入力部504、ネットワーク回線を介してPC等とLAN接続等を行う通信部505、画像処理を行う画像処理部507、画像形成を行う画像形成部508、トナー像の定着処理を行う定着部509、スキャナにおいて画像の読み取りを行う読取部506、後処理装置5(図2の周辺機器を指す)の動作を制御する制御部510などを備えている。
【0031】
次に、本実施形態の画像形成装置1における特徴的な消耗品発注システムについて図面を参照して説明する。
図3は本実施形態に係る画像形成装置の消耗品発注システムを構成する操作パネルの構成を示す説明図、図4は前記操作パネルを構成する表示部の初期画面を示す説明図である。
【0032】
本実施形態に係る画像形成装置1の消耗品発注システムは、画像形成装置1に用いられる消耗品を操作パネル100上での操作により画像形成装置1のメーカー、購入先またはリース先に発注するシステムである。
【0033】
この消耗品発注システムは、画像形成装置1に用いられる消耗品、例えばトナーカートリッジの製品情報とトナーカートリッジの対環境性能情報とを入手する環境情報入手手段と、トナーカートリッジの製品情報とトナーカートリッジの対環境性能情報とを同時にまたは個別にリスト表示またはサムネイル表示する機能とを備える表示部と、前記表示部に表示された情報を選択するための情報選択手段と、前記情報選択手段により選択された選択結果を発注先に通知する選択結果通知手段とを備えている。
【0034】
本実施形態では、操作パネル100の表示部101が、消耗品発注システムの表示部として機能するように構成されている。
【0035】
操作パネル100は、図3,図4に示すように、操作面(入力部)100aが略平面状に構成されて、その略中央部に表示部101が構成されている。
【0036】
表示部101には、画像形成装置1による処理モードを選択する操作キー110が表示されている。操作キー110により、COPY モード、IMAGE SEND モード、DOCUMENT FILING モードが選択可能になっている。
【0037】
表示部101は、画像形成装置1の電源をONにすると、図示しない初期画面が表示され、操作キー110によりIMAGE SEND モードを選択すると、図4に示すように、IMAGE SEND 初期画面110aが表示される。
【0038】
IMAGE SEND 初期画面110aの画面左下には、操作キーとしてのEcoviewアイコン120が表示される。Ecoviewアイコン120をタッチすると、表示部101には、画像形成装置1に用いる消耗品の製品情報及び消耗品の対環境性能情報(例えば、消耗品が取得または認定されているエコラベル)がリスト表示またはサムネイル表示で表示される。
【0039】
また、操作パネル100は、リスト表示とサムネイル表示とを切り替えるアイコン(図示省略)と、IMAGE SEND モードの初期画面110aに戻すためのアイコン(図示省略)を備えている。
【0040】
また、本実施形態では、図5,図6に示すように、表示画面101aに表示されたそれぞれの消耗品の製品情報のリスト表示や消耗品の対環境性能情報のサムネイル表示は、例えばタッチパネルを用いて画面上に表示されたリスト表示やサムネイル表示をタッチすることでそれぞれの情報を選択する情報選択手段として機能するように構成されている。すなわち、表示画面101aが情報選択手段として機能する。
【0041】
また、本実施形態では、画像形成装置1における通信部505が、ネットワーク回線を介してメーカー、購入先またはリース先から消耗品の製品情報と消耗品の対環境性能情報とを入手する環境情報入手手段として機能するように構成されるとともに、前記情報選択手段により選択された選択結果を消耗品の発注先に通知する選択結果通知手段として機能するように構成されている。
【0042】
ここで、本実施形態における操作パネル100の表示部101に表示される消耗品としてのトナーカートリッジを例に挙げて、そのトナーカートリッジの製品情報のリスト表示と、トナーカートリッジの対環境性能情報としての環境エコラベル情報のサムネイル表示について、図面を参照して詳細に説明する。
図5は本実施形態の操作パネルの表示部に表示されるトナーカートリッジの製品情報のリスト表示とトナーカートリッジの対環境性能情報としての環境エコラベル情報のサムネイル表示の一例を示す説明図、図6は前記トナーカートリッジの製品情報のリスト表示とトナーカートリッジの対環境性能情報としての環境エコラベル情報のサムネイル表示のうちの何れかが選択された時の表示状態の一例を示す説明図である。
【0043】
本実施形態では、図5に示すように、表示部101には、トナーカートリッジの製品情報をリスト表示したものと、トナーカートリッジの環境エコラベル情報をサムネイル表示したものとが同時に表示される表示画面101aが表示される。
【0044】
具体的には、表示画面101aには、図5に示すように、各色のトナーに対応したトナーカートリッジの製品情報がリスト表示されるとともに、それぞれのトナーカートリッジが取得、認定、または検証された環境エコラベル情報がサムネイル表示されている。
【0045】
本実施形態では、トナーカートリッジのリスト表示として、例えば、黒色トナーカートリッジでは、製品情報201として、新品でトナー容量が用紙50万枚相当印字可能な型番1のトナーカートリッジ、製品情報202として、新品でトナー容量が用紙25万枚相当印字可能な型番2のトナーカートリッジ、製品情報203として、再生品でトナー容量が用紙50万枚相当印字可能な型番3のトナーカートリッジ、製品情報204として、再生品でトナー容量が用紙25万枚相当印字可能な型番4のトナーカートリッジ、という内容が表示されている。
【0046】
ここで、トナー容量で50万枚相当とは、標準原稿(A4判)文字面積率4%で印刷した場合の印刷可能枚数を示す。
【0047】
そして、それぞれのトナーカートリッジに対応して、該トナーカートリッジが取得、認定、または検証された環境エコラベル情報として、エコマーク(登録商標)のサムネイル301、カーボンフットプリントラベルのサムネイル302、ブルーエンジェルのサムネイル303、ノルディックスワン(登録商標)のサムネイル304、などが表示されている。
【0048】
エコマーク(登録商標)は、ISO規格に準拠する日本国の規格に基づくもので、様々な環境影響をライフサイクルに亘って考慮して環境保全に資する商品を認定し、表示するものである。
【0049】
カーボンフットプリントラベルは、商品及びサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るライフサイクル全体を通しての環境負荷を定量的に算定するLCA(ライフサイクルアセスメント)手法を活用し、ライフサイクル全体における温室効果ガス排出量をCOに換算し表示するものである。
【0050】
ブルーエンジェルは、ドイツのエコマークであって、環境に優しい商品や企業の環境に対する姿勢等を消費者が知るための重要な指標のひとつであり、商品の生産から廃棄にいたるまで、あらゆる工程での環境への評価はもとより、同一の用途・機能の他商品と比較して、省エネ等において優秀で、しかも商品の有用性や安全性が保証される商品などに与えられる。また、ノルディックスワン(登録商標)は、北欧諸国の公認エコラベル制度に基づくエコマークである。
【0051】
そして、表示画面101aに表示されたそれぞれのカートリッジの製品情報のリスト表示や環境エコラベル情報のサムネイル表示は、例えばタッチパネルを用いて画面上でタッチすることでそれぞれの情報を選択する情報選択手段として機能するように構成されている。
【0052】
次に、本実施形態の画像形成装置1に用いるトナーカートリッジを選択して発注する場合について説明する。
【0053】
本実施形態では、例えば、製品情報203に係るトナーカートリッジを発注する場合は、図5の表示画面101aに表示されている製品情報203、または、そのカートリッジが取得、認定、または検証された環境エコラベル情報(エコマーク(登録商標)のサムネイル301、カーボンフットプリントラベルのサムネイル302、ブルーエンジェルのサムネイル303、ノルディックスワン(登録商標)のサムネイル304、など)をユーザがタッチすることで、ユーザが所望するトナーカートリッジが選択される。
【0054】
ユーザが表示画面101a上のトナーカートリッジの製品情報のリスト表示または環境エコラベル情報のサムネイル表示をタッチすると、図6に示すように、例えば、カートリッジの製品情報203およびそのカートリッジの環境エコラベル情報のサムネイルが表示される情報表示エリア101a1の色が変化して(または、明るく点灯表示して)、製品情報203に係るトナーカートリッジが選択されたことが明示される。
【0055】
なお、選択したトナーカートリッジと選択されなかったトナーカートリッジとの表示変化は、上述した態様に限定せず、例えば、選択したカートリッジのリスト表示やサムネイル表示を目立たない色に変化させたり、色調や文字図形の大きさを変化させるようにしてもよい。また、その他の例として、表示部101の所定の位置に選択したトナーカートリッジの型番を表示する領域を設定して、その領域に選択したトナーカートリッジの型番を表示するようにしてもよい。また、上述したトナーカートリッジ選択操作を引き続いて行うことができるようにしてもよい。
【0056】
本実施形態によれば、操作パネル100の表示部101にトナーカートリッジの製品情報とともに環境エコラベル情報を表示して、その表示された情報に基づき画面上でユーザが所望するトナーカートリッジを選択することができるので、ユーザは対環境性能を考慮した上で容易にトナーカートリッジを発注することができる。
【0057】
すなわち、対環境意識の高いユーザは、例えば、自身の関係する使用・維持管理に関わるCO排出量換算値を、図5,図6に示すように、表示部101に表示されるそれぞれのトナーカートリッジに対応したカーボンフットプリントラベルの表示内容より容易に知ることができる。
【0058】
なお、図6中に示すカーボンフットプリントラベルのマーク中に表示している重量(kg)は、それぞれのトナーカートリッジのライフサイクル段階における原材料調達から廃棄・リサイクルまでのCO排出量換算値の合計量を示している。
【0059】
また、本実施形態の場合は、トナーカートリッジの型番に対応してカーボンフットプリントラベルにCO排出量の値が記載されているので、それぞれのトナーカートリッジの能力とともにCO排出量を比較してユーザにとって最適なトナーカートリッジを選択することができ、延いては、地球温暖化防止に貢献できるといった満足感を得ることができる。
【0060】
また、画像形成装置1の消耗品の販売店により、ライフサイクル段階における原材料調達から廃棄・リサイクルまでのCO排出量換算値がより少ないトナーカートリッジを推奨することを試みて、結果、販売店にとってもトナーカートリッジの販売促進につながる。
【0061】
ここで、トナーカートリッジのライフサイクルにおける情報とは、トナーカートリッジの原材料調達段階に始まり、生産段階、流通段階、使用・維持管理段階、廃棄・リサイクル段階の間に排出する温室効果ガスの種類と排出量の情報である。
【0062】
温室効果ガスの種類には、京都議定書で対象となったCO、CH、NO、HFCs、PFCs、SFの6種類があるが、COに換算した値がラベルに記録されるので、Ecoviewサムネイル表示にはトナーカートリッジのCO換算値が表示される。
CO排出量は、LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を活用して、下記一般式(I)で算定される。
【0063】
CO排出量=Σ(活動量i×CO排出原単位)・・・(I)
iは上述した原材料調達から廃棄・リサイクルまでの活動量(プロセス)である。
ライフサイクルの各段階と活動量(プロセス)の例とを(1)から(5)に示す。
(1)原材料調達段階の活動量は、素材使用量である。
(2)生産段階の活動量は、組立て重量および生産時の電力消費量である。
(3)流通段階の活動量は、輸送量(輸送距離と積載率とトラックの積載量との積)である。
(4)使用・維持管理段階の活動量は、使用時の電力消費量である。
(5)廃棄・リサイクル段階の活動量は、埋立重量とリサイクル重量である。
なお、CO排出量の単位は(kg)である。
従って、ラベルには、COの文字とCO排出量(kg)との情報が記載される。
また、CO排出量の単位は、(kg)以外にも(g)や(t)といった重量を表す単位でもよい。
尚、カーボンフットプリントマークを説明する説明文を表示することもできる。
【0064】
なお、トナーカートリッジのライフサイクルにおける情報以外にも様々なエコラベルの情報を表示することができる。法定マークや自主マーク等の何れであってもよい。また、時代の趨勢に添った新しい環境基準が制定された場合であっても、同様に表示することができる。
【0065】
さらには、国や地域が異なれば取得する環境ラベルや認定される環境ラベルも異なるが、何れにおいても本発明を適応することができる。
【0066】
次に、本実施形態の画像形成装置1の消耗品発注システムによる消耗品を発注する際の操作について説明する。
図7は本実施形態の画像形成装置の消耗品発注システムにより消耗品の環境対応取得情報を入手するととものに消耗品を発注するための通信ネットワークの一例を示す説明図、図8は前記画像形成装置の消耗品発注システムによる消耗品発注する際の手順を示すフローチャートである。
【0067】
本実施形態において、画像形成装置1の全体制御は、図2に示すように、制御部501により行なわれる。また、画像形成装置1のトナーカートリッジの製品情報とトナーカートリッジの環境対応取得情報であるエコラベル情報は、記憶部502に記憶されている。
記憶部502は、HDD装置であってもよく、Blu−rayディスク装置、ROMやRAM、またはUSBメモリ、メモリカードのメモリであってもよい。
【0068】
また、トナーカートリッジの環境エコラベル情報は、例えば、通信部505におけるLAN接続によりネットワークを介してトナーカートリッジの環境エコラベル情報を持つメーカー、販売店またはリース会社などのウエブサイトにアクセスしてエコラベル情報を入手することもできる。
【0069】
例えば、図7に示すように、複数のユーザA,B,Cは、それぞれの端末機である画像形成装置1の通信部505によりLAN(ローカルエリアネットワーク)400を介して販売店やリース会社などのサーバー401にアクセスしたり、通信衛星411を利用した衛星通信インフラ410を介してアクセスすることが可能である。
【0070】
LAN(ローカルエリアネットワーク)400としては、有線の場合は、イーサネット(登録商標)IEEE規格の10BASE−T、100BASE−TX、10GBASE−T等や、それらの光マルチモードの10BASE−F、100BASE−F、1000BASE−X、10GBASE−R、10GBASE−W、10GBASE−X、無線の場合は、WiMAXのIEEE 802.16(ブロードバンド無線規格)、IEEE 802.16a(固定無線通信の標準規格、IEEE 802.16規格の使用周波数帯を変更したもの)、IEEE 802.16-2004(固定区間に用いられる方式、別名IEEE 802.16a/REVd)、WAN、そして、クラウドコンピューティングサービス(専用事業者:クラウドプロバイダー)も利用できる。
【0071】
次に、画像形成装置1において、画像形成装置1の消耗品発注システムによる消耗品を発注する場合について、操作手順をフローチャートに沿って説明する。
【0072】
図8に示すように、画像形成装置1の電源をONにすると、図示しない初期画面が表示される(ステップS1)。その初期画面において、画像形成装置1による処理モードを選択する操作キー110によりIMAGE SEND モードを選択して、IMAGE SEND モードが実行される(ステップS2)。このとき、表示部101には、IMAGE SEND 初期画面110aが表示される。
【0073】
そして、IMAGE SEND 初期画面110aに表示されたEcoviewアイコン120がタッチされたか否かが判断される(ステップS3)。
【0074】
ステップS3において、Ecoviewアイコン120がタッチされていないと判断された場合は、ステップS4に進み、初期画面110aに戻るか否かが判断される。ステップS4において、初期画面110aに戻ると判断された場合は、初期画面110aに戻って発注処理が終了する。また、ステップS4において、初期画面110aに戻らないと判断された場合は、再びステップS3に戻る。
【0075】
一方、ステップS3において、Ecoviewアイコン120がタッチされたと判断された場合は、ステップS5に進み、消耗品の製品情報と消耗品環境情報とを入手するか否かが判断される。
【0076】
ステップS5において、消耗品の製品情報と消耗品環境情報とを入手しないと判断された場合は、ステップS4に進み、初期画面110aに戻るか否かが判断される。ステップS4において、初期画面110aに戻ると判断された場合は、初期画面110aに戻って発注処理が終了する。また、ステップS4において、初期画面110aに戻らないと判断された場合は、再びステップS3に戻る。
【0077】
一方、ステップS5において、消耗品の製品情報と消耗品環境情報とを入手すると判断された場合は、通信部505におけるLAN接続によりネットワークを介して画像形成装置1のエコラベル情報を持つメーカーや販売会社、販売代理店、リース会社等のウエブサイトにアクセスして消耗品の製品情報と消耗品環境情報とを送信して貰う旨の要求メールを発信して、消耗品の製品情報と消耗品環境情報を入手する。そして、入手した消耗品の製品情報と消耗品環境情報を記憶部502に格納する(ステップS6)。
【0078】
なお、画像形成装置1のメーカーや販売会社、販売代理店、リース会社等のメールアドレスは、予め画像形成装置1に登録されており、消耗品の製品情報と消耗品環境情報とを入手することを選択することで自動的に上記メールアドレス宛に送信される。
【0079】
また、メーカーや販売会社、販売代理店、リース会社等への要求メールには、自動的に画像形成装置1本体の名称、型番等が添付されており、送信された要求メールを受信した販売会社等は、画像形成装置1の名称、型番等の情報に基づき、消耗品の製品情報と消耗品環境情報とをユーザへ送信するようにしてもよい。これは手動で送信してもよく、また、自動で送信できるように設定されていてもよい。
【0080】
なお、消耗品の製品情報と消耗品環境情報とを一旦記憶部502に記憶する理由は、消耗品の製品情報と消耗品環境情報とを再三要求せずとも記憶部502から読み込むだけで消耗品を選択発注でき、通信費用が削減できるといったメリットがある。
【0081】
ステップS6に続き、記憶部502に格納された消耗品の製品情報と消耗品環境情報とを読み出して表示部101にリスト表示およびサムネイル表示にて表示する(ステップS7)。そして、ユーザは、表示部101にリスト表示およびサムネイル表示で表示された消耗品の製品情報と消耗品環境情報を確認して、発注したい消耗品を表示部101に表示されたリスト表示またはサムネイル表示をタッチ操作することで選択する(ステップS8)。
【0082】
そして、消耗品を発注するか否かが判断される(ステップS9)。
ステップS9において、消耗品を発注しないと判断された場合は、消耗品の発注処理は終了する。一方、ステップS9において、消耗品を発注すると判断された場合は、選択された消耗品の発注指示が画像形成装置1の通信部505によりネットワークを介してトナーカートリッジの環境エコラベル情報を持つメーカーや販売会社、販売代理店、リース会社等(ここでは、販売店とする。)に送信される(ステップS10)。
【0083】
例えば、表示部101において発注したい消耗品(消耗品の製品情報と消耗品環境情報のリスト表示またはサムネイル表示)を選択して図示しない送信アイコンを選択すると、発注メールと様式が自動的に変更され、販売店等にメール若しくはFAXで送信される。
なお、発注メールと様式の変更は、消耗品選択と送信アイコンとが連動することで自動的に行なわれる。
【0084】
販売店において、消耗品の発注が受信されると(ステップS11)、販売店から消耗品の発注を受信した旨のメールを送信する(ステップS12)。
【0085】
画像形成装置1において、販売店からの発注を受信した旨のメールを受信すると(ステップS13)、再び操作パネル100の表示部101に消耗品の製品情報と消耗品環境情報とがリスト表示およびサムネイル表示にて表示される(ステップS14)。
【0086】
そして、消耗品を発注するか否かが判断され(ステップS15)、消耗品を発注しないと判断された場合は、消耗品の発注処理は終了する。一方、ステップS15において、消耗品を発注すると判断された場合は、画像形成装置1による処理モードを選択する初期画面に戻って(ステップS16)、消耗品の発注処理が終了する。
尚、上記発注処理は、画像形成装置のウォームアップから印刷可能なReady状態になるまでの間に行ってもよいし、印刷JOBの合間に行ってもよい。いずれの間に発注処理を行うことで、例えば、他のユーザが画像形成装置を使用する際の邪魔にはならないという効果を奏する。
【0087】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、画像形成装置1の消耗品発注システムの構成として、操作パネル100の表示部101を消耗品発注システムの表示部として機能するように構成し、表示部101に表示される表示画面101aに消耗品の製品情報のリスト表示や消耗品の対環境性能情報のサムネイル表示を表示して、表示画面101aに表示されたそれぞれの消耗品の製品情報のリスト表示や消耗品の対環境性能情報のサムネイル表示を、タッチパネルを用いて画面上でタッチすることでそれぞれの情報を選択する情報選択手段として機能するように構成し、画像形成装置1における通信部505を、ネットワーク回線を介してメーカー、購入先またはリース先から消耗品の製品情報と消耗品の対環境性能情報とを入手する環境情報入手手段として機能するように構成するとともに、前記情報選択手段により選択された選択結果を消耗品の発注先に通知する選択結果通知手段として機能するように構成することで、簡単に消耗品の製品情報と消耗品の対環境性能情報とを入手して、その情報に基づき、例えば新品の消耗品と再生(リサイクル)された消耗品とを比較して、より対環境性能の高い消耗品を選択することができ、ユーザへの対環境意識に応えることができる。その結果、地球温暖化防止にも貢献できる。
【0088】
なお、本実施形態では、表示部101にEcoviewアイコン120を備えて、表示切換えスイッチとしているが、画面サイズが小さく、且つ操作部(メニューキー、テンキー、プリントキー等)が小さくEcoviewアイコンが設けられない場合には、表示部101以外の箇所にEcoview操作キーを備えることもできる。また、本実施形態では、Ecoviewアイコン120を表示部101の右側下部に設けているが、特に限定せず、表示部101においての上部、下部、左側、右側の何れの箇所に設けてもよい。
【0089】
また、上述した実施形態では、本発明に係る消耗品発注システムの構成を図1に示すような画像形成装置1の操作パネル100に適用した例について説明したが、消耗品の製品情報と前記消耗品の対環境性能情報とを表示可能な表示部を備える装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、その他の装置、例えば家電製品、民生用機器(映像・音響・通信などに関連した電子機器や装置、または端末において、一般消費者による使用・一般家庭での使用を目的としていること、または、そのことを前提に開発・設計された製品・規格を指す)、および業務用機器(法人(企業や学校、官公庁)など、一般家庭以外の用途を前提として開発された製品)等に展開が可能である。
また、入力部504としてタッチパネルを用いたが、Ubi−Fingerデバイスを用いたジェスチャー入力装置等を用いてもよい。
【0090】
さらに、本実施例の画像形成装置1とLAN400を介して画像形成装置1を操作できるパーソナルコンピュータや携帯情報端末、または液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、プラズマチューブアレイディスプレイ、電気泳動等を利用した電子ペーパーディスプレイ、電子放出素子を用いたディスプレイ(FED、SED)等のディスプレイを備えた電子機器も利用可能である。
【0091】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1 画像形成装置
100 操作パネル
101 表示部(情報表示手段)
101a 表示画面(情報選択手段)
101a1 情報表示エリア
110 操作キー
110a IMAGE SEND 初期画面
120 Ecoviewアイコン
201,202,203,204 製品情報(リスト表示)
301,302,303,304 サムネイル(サムネイル表示)
400 LAN(ローカルエリアネットワーク)
410 衛星通信インフラ
501 制御部
502 記憶部
505 通信部(環境情報入手手段、選択結果通知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入またはリースされている画像形成装置に用いられる消耗品を発注する消耗品発注システムにおいて、
前記画像形成装置に用いられる消耗品の製品情報と前記消耗品の対環境性能情報とを入手する環境情報入手手段と、
前記消耗品の製品情報と前記消耗品の対環境性能情報とを同時にまたは個別にリスト表示またはサムネイル表示する機能とを備える表示部と、
前記表示部に表示された情報を選択するための情報選択手段と、
前記情報選択手段により選択された選択結果を発注先に通知する選択結果通知手段と、
を備えることを特徴とする消耗品発注システム。
【請求項2】
前記消耗品の対環境性能情報は、前記消耗品が取得、認定、または検証された環境エコラベル情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の消耗品発注システム。
【請求項3】
前記消耗品の対環境性能情報は、少なくとも前記消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガスの種類、または前記温室効果ガスの排出量の値を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の消耗品発注システム。
【請求項4】
前記消耗品発注システムは、前記表示部に前記消耗品の製品情報及び前記消耗品の対環境性能情報を表示させる情報表示手段を備え、
前記情報表示手段は、タッチパネルまたは操作キーを前記表示部と略一体的に備えることを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の消耗品発注システム。
【請求項5】
請求項1から4のうちの何れか一項に記載の消耗品発注システムを用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置を用いることを特徴とする消耗品発注方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−146140(P2012−146140A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4255(P2011−4255)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)