説明

消臭・芳香剤およびこれを利用する消臭・芳香器具

【課題】 使用期間中にわたって、揮散性が低下することなく、空間や対象物に噴霧した場合でも、周囲がべとつかず、しかも安全性の高い消臭・芳香剤を提供すること。
【解決手段】 下記成分(a)ないし(c)を含有し、
(1)成分(a)を固形担持体に担持させた薬剤担持体が、成分(b)を含む成分(c)中に浸漬または分散された消臭・芳香剤、(2)成分(a)を固形担持体に担持させた薬剤担持体と、成分(b)を固形担持体に担持させた抗菌剤担持体とが成分(c)中に浸漬または分散された消臭・芳香剤または(3)成分(a)および成分(b)を固形担持体に担持させた薬剤・抗菌剤担持体を、成分(c)に浸漬または分散された消臭・芳香剤ならびにこれら消臭・芳香剤を噴霧器または吸液芯により吸い上げて揮散させる消臭・芳香剤容器に収納してなる消臭・芳香器具。
(a)沸点300℃未満の低沸点香料成分の含有量が80質量%以上である芳香成分
(b)金属イオン
(c)沸点200℃未満の水性溶剤

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭・芳香剤に関し、更に詳細には、スプレーや吸い上げ揮散方式の揮散器等により、空間及び薬剤付与対象物に対して揮散・噴霧し、薬効を発揮させる消臭・芳香剤ならびにこれを利用する消臭・芳香器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、部屋、トイレ、玄関等の生活空間や衣類、ソファ、カーテン等の繊維製品等の固体表面の悪臭を消臭し、周囲に芳香を付与するために噴霧タイプや吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香器具が広く利用されている。
【0003】
これらの消臭・芳香器具に用いられる消臭・芳香剤としては、水をベースに、油性成分である香料や消臭剤等の各種薬剤を、界面活性剤やアルコール類、グリコールエーテル類等の水溶性溶剤を用いて可溶化させているのもが用いられている。
【0004】
しかし、このような水をベースにした消臭・芳香剤は、消臭基材や香料等の薬剤の分散ないしは可溶化を目的に界面活性剤が配合されるが、このものは不揮発成分であるため、これを含む消臭・芳香剤をスプレー器を使用して噴霧した場合には、何れも、少なからず床や噴霧対象物である繊維製品に付着し、それらの表面がべたついてしまったり、固体表面を劣化させてしまうといった問題点を有していた。また、吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香器具に用いた場合には、界面活性剤が吸い上げ芯や揮散体に蓄積してしまい、使用期間中の均一な揮散ができなくなってしまったり、途中で揮散しなくなってしまうといった問題点を有していた。
【0005】
このような問題点を解決するものとして、界面活性剤を一切使用することなく薬剤等を水に徐々に溶解させ、揮散させる液体組成物が特許文献1に開示されている。
【0006】
しかし、このような液体組成物は、従来の消臭剤等に比べ香料の配合量が少なくなってしまうため、長期間の使用により液体組成物に菌が発生したり、黴が発生してしまうといった問題点が生じやすい。
【0007】
そこで、このような問題を解決するために、抗菌剤、防カビ剤等を配合することが想定されるが、従来から消臭・芳香剤に用いられている抗菌剤、防カビ剤等はいずれも水に不溶性や、不揮発性のものである場合が多く、それらを抗菌、防カビ効果を有する量を添加する場合には、結局、界面活性剤が必要になっていた。また、あえて界面活性剤を用いない場合であっても、不揮発成分である抗菌、防カビ成分が揮散を妨げたり、噴霧対象物に残留したりしてしまうという問題があった。
【0008】
【特許文献1】特開2006−182817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、使用期間中にわたって、揮散性が低下することなく、空間や対象物に噴霧した場合でも、周囲がべとつかず、しかも安全性の高い消臭・芳香剤の提供が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、消臭・芳香剤について、鋭意検討を行っていたところ、特定の芳香成分と抗菌剤を選択し、これらの一方または双方を担持した担持体を特定の溶媒中に浸漬することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、下記成分(a)ないし(c)
(a)沸点300℃未満の低沸点香料成分の含有量が80質量%以上である芳香成分
(b)金属イオン
(c)沸点200℃未満の水性溶剤
を含有し、成分(a)を固形担持体に担持させた薬剤担持体が、成分(b)を含む成分(c)中に浸漬または分散されたことを特徴とする消臭・芳香剤である。
【0012】
また本発明は、上記成分(a)ないし(c)を含有し、成分(a)を固形担持体に担持させた薬剤担持体と、成分(b)を固形担持体に担持させた抗菌剤担持体とが成分(c)中に浸漬または分散されたことを特徴とする消臭・芳香剤である。
【0013】
更に本発明は、上記成分(a)ないし(c)を含有し、成分(a)および成分(b)を固形担持体に担持させた薬剤・抗菌剤担持体を、成分(c)に浸漬または分散されたことを特徴とする消臭・芳香剤である。
【0014】
更にまた本発明は、上記消臭・芳香剤を噴霧器または吸液芯により吸い上げて揮散させる消臭・芳香剤容器に収納してなる消臭・芳香器具である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の消臭・芳香剤は、界面活性剤等の不揮発成分をほとんど含有しないため、噴霧された周囲や噴霧対象物に噴霧した場合でも、べたつくことがなく、噴霧対象物等を劣化させることもなく、しかも健康被害の心配がないものである。
【0016】
また、本発明の消臭・芳香器具を用いて、消臭・芳香剤を噴霧した場合は、空間へミスト化されて噴霧されたり、非常に表面積の広い対象物に噴霧されそこから揮散されるため、配合比率が低い芳香成分でも十分な消臭・芳香効果を発揮することができる。
【0017】
さらに、吸い上げタイプの消臭・芳香器具に用いた場合でも、消臭・芳香剤を均一に揮散させることができ、揮散が止まってしまうこともない。
【0018】
加えて、メッシュタイプやホーンタイプの超音波噴霧装置に用いた場合であっては、メッシュ穴を塞いでしまったり、ホーンに蓄積してしまうようなことがなく、長期間の使用であっても安定して噴霧することができるとともに、不揮発成分の蓄積による健康被害が生じる危険性もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明で使用される、芳香成分(成分(a))は、沸点300℃未満の低沸点香料を芳香成分中、80質量%(以下、単に「%」で示す)以下で配合するものである。このような沸点300℃未満の低沸点香料としては、従来公知の香料成分を用いることができる。この低沸点香料としては、例えば、アニスアルコール、アニスアルデヒド、アセトフェノン、イソオイゲノール、イソアミルアセテート、イソメチルヨノン、エチルアセテート、エチルバニリン、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン、オシメン、カンファー、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、サイメン、シクロヘキサン、シトロネロール、シネオール、ジヒドロミルセノール、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、ターピネオール、デカラクトン、デカン、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、トリデカン、ネロール、ノナン、ピネン、ブチルアセテート、フェネチルアルコール、ヘキサナール、ヘキサノール、ヘキサデカン、ヘキサラクトン、ヘキセノール、ヘプタデカン、プレゴン、ヘリオトロピン、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、ボルネオール、ボルニルアセテート、ミルセノール、ミルセン、メチルサリシレート、メントール メントン、ヨノン、リナリルアセテート、リナロール、リモネン等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。また、これらは、1種若しくは2種以上を混合して用いることもできる。
【0020】
なお、沸点が300℃以上の高沸点香料を含有しないことは本発明の効果の点で有利ではあるが、高沸点香料を少量含有することは、かおりの嗜好性及び強さの点からこのましい場合がある。高沸点香料としては、パチュリアルコール、サンタロール、ネロリドール、フェルギノール、スクラレオール等が例示できる。
【0021】
また、成分(a)を構成する香料成分は、上記条件に加え、水/オクタノール分配係数が1〜4.5の条件を満たす香料成分であることが好ましい。この水/オクタノール分配係数とは、一定量の被検物質を1−オクタノールに溶解し、1−オクタノールと水の二つの溶媒相中に加えて十分に混合した後、二相に分離し、各相中の被験物質濃度を測定することで求めることができるものである。上記水/オクタノール分配係数が1〜4.5の条件を満たす香料成分を用いることにより、消臭・芳香剤中の芳香成分の含有率を増加させることができる。
【0022】
このような分配係数の条件を満たす香料成分としては、上記した低沸点香料のうち、アニスアルコール、アニスアルデヒド、アセトフェノン、イソオイゲノール、イソアミルアセテート、イソメチルヨノン、エチルバニリン、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オシメン、カンファー、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、サイメン、シトロネロール、シネオール、ジヒドロミルセノール、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、ターピネオール、デカラクトン、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、ネロール、ピネン、ブチルアセテート、フェネチルアルコール、ヘキサナール、ヘキサノール、ヘキセノール、プレゴン、ヘリオトロピン、 ベンジルアセテート ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、ボルネオール、ボルニルアセテート、ミルセノール、ミルセン、メチルサリシレート、メントール メントン、ヨノン、リナリルアセテート、リナロール、リモネン等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0023】
また、本発明の成分(b)である金属イオンは、従来より抗菌効果を発揮するとされるものであれば特に限定なく使用することができるが、例えば、銀、亜鉛、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫、鉛等の1種または2種以上を選択して用いることができる。これらのうちでも、安全性および抗菌効果の点で銀イオンを用いることが好ましい。
【0024】
これら金属イオンを担持させる固形担持体は、消臭・芳香液中に金属イオンを放出できれば特に限定されないが、ゼオライト等の多孔性担持体を用いることが好ましい。
【0025】
更に、本発明の成分(c)である沸点200℃未満の水性溶剤としては、水、沸点200℃未満の親水性溶媒およびこれらの混液が挙げられる。沸点200℃未満の親水性溶媒としては、水と任意に混合することができる有機溶媒であれば特に限定されず、使用することができる。具体的な親水性溶媒の例としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系溶媒、プロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコールエーテル系溶媒等が挙げられ、その1種若しくは2種以上を混合して用いることができる。
【0026】
これら成分(c)のうち、対物安全性、対人安全性、引火点、容器劣化影響、原材料コスト等を考慮して、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系溶媒、あるいはこれと水の混液を用いることが好ましく、特にエチルアルコールと水の混液を用いることが好ましい。
【0027】
本発明の消臭・芳香剤中において生成される消臭・芳香液においては、成分(c)中に、成分(a)を0.1〜0.5%、成分(b)を0.001〜1ppm、含有するものである。この消臭・芳香液は、成分(a)または成分(b)を別々に固形担持体に担持させて薬剤担持体および抗菌剤担持体を調製するか、成分(a)および(b)を同時に固形担持体に担持させて薬剤・抗菌剤担持体を調製した後、これらを成分(c)に浸漬し、これらから担持した成分を溶出させることによって製造することもできる。
【0028】
上記成分(a)や成分(b)を担持する固形担持体としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等のペレット、セルロース成型物などの有機担体や、シリカゲル、ゼオライト、フロリジル、フローライト等の無機担体のいずれも用いることができる。このうち、成分(a)の担持体としては、香料成分の担持性やハンドリングから、ポリプロピレン、ポリエチレン、EVA等の有機担体を用いることが好ましい。また成分(b)の担持体としては、ゼオライト等の無機担体を用いることが好ましい。
【0029】
また、この固形担持体の形状は、特に限定されることなく、粒状、粉状、フイルム状等任意の形状の担体を用いることができる。
【0030】
成分(a)を、上記固形担持体に担持させるにあたっての芳香成分等の配合量は、固形担持体の種類、成分(c)での水性溶剤の種類、使用する芳香成分により相違するが、最終的な消臭・芳香剤中の液組成物での濃度が前記した範囲となるように適宜選択すれば良い。また、固形担持体に担持させる成分(b)の担持量も、固形担持体の種類等により相違するが、消臭・芳香剤の液組成物中での濃度が前記した範囲となるように適宜選択すれば良い。
【0031】
固形担持体に芳香成分等を担持させる方法は、従来公知の方法で担持させることができ、例えば、担持される成分(a)と固形担持体を混合し攪拌する方法等により担持させることができる。また、固形担持体に金属イオンを担持させる方法も、例えば特開昭63−222058号等に記載の方法等が挙げられる。更にこれら金属イオンを多孔性担体に担持させたものをプラスチックに練り込んだものを抗菌剤担持体とすることも可能である。なお、金属イオンを固形担体に担持させた抗菌剤担持体として、市販品であるゼオミック(シナネンゼオミック社製)を用いることもできる。
【0032】
本発明の消臭・芳香剤の製造法は、成分(a)と成分(b)を別々に固形担持体に担持させた薬剤担持体と抗菌剤担持体を利用するか、成分(a)および(b)を同時に固形担持体に担持させた薬剤・抗菌剤担持体を利用するかで相違するが、これらの製造法を示せば次の通りである。
【0033】
薬剤担持体と抗菌剤担持体を利用する方法(以下、「製造方法1」という)では、以下の工程を含む方法により、消臭・芳香剤を製造することができる。
(1)固形担持体に芳香成分(成分(a))を担持させ薬剤担持体を得る工程、
(2)固形担持体に金属イオン(成分(b))を担持させ抗菌剤担持体を得る工程、
(3)沸点200℃未満の水性溶剤(成分(c))を調製する工程、
(4)前記工程(3)で調製した溶液中に、前記工程(1)で作成した薬剤担持体及び
前記工程(2)で作成した抗菌担持体を浸漬させる工程
【0034】
また、薬剤・抗菌剤担持体を利用する方法(以下、「製造方法2」という)では、以下の工程を含む方法により、消臭・芳香剤を製造することができる。
(5)固形担持体に芳香成分を担持させ薬剤担持体を得る工程、
(6)工程(5)で得た薬剤担持体にさらに金属イオンを担持させ薬剤兼抗菌担持体を
得る工程、
(7)沸点200℃未満の水性溶剤を調製する工程、
(8)前記工程(7)で調製した水性溶剤中に前記工程(6)で作成した薬剤・抗菌剤
担持体を浸漬させる工程
【0035】
更に、本発明の消臭・芳香剤の製造方法を利用し、消臭・芳香組成物を製造することもできる。すなわち、次の工程(9)ないし(13)
(9)固形担持体に芳香成分を担持させて薬剤担持体を得る工程
(10)固形担持体に金属イオンを担持させて抗菌剤担持体を得る工程
(11)沸点200℃未満の水性溶剤を調製する工程
(12)前記工程(3)で用意した溶媒中に前記工程(1)で作成した薬剤担持体及び
前記工程(2)で調製した抗菌担持体を浸漬ないし分散させ、芳香成分および
金属イオンを沸点200℃未満の水性溶剤中に溶出させる工程
(13)固形担持体を沸点200℃未満の水性溶剤中から取り去る工程
を含む方法によって、固形担持体を含まない消臭・芳香剤組成物を製造することができる。
【0036】
本発明の消臭・芳香剤には、必要に応じて少量の界面活性剤を添加することができる。この界面活性剤は、成分(c)中に添加することが一般的で、その際の添加量は、0〜0.1%程度であり、好ましくは0〜0.05%である。0.1%より多く含有すると、本発明の効果が得られない場合がある。
【0037】
本発明において、添加されうる界面活性剤としては、従来公知の、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤または両性界面活性剤の1種若しくは2種以上が挙げられ、これらは混合して用いることもできる。
【0038】
上記アニオン系界面活性剤としては、例えば、石けん(高級脂肪酸石けん)、石けん用素地、金属石けん、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、N−アシル−L−グルタミン酸トリエチルアルコールアミン、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(N−ココイル−N−メチルタウリンナトリウム)、ラウリル硫酸トリエチルアルコールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルβ−アラニンナトリウム液、ラウロイルメチルタウリンナトリウム等の1種若しくは2種以上を混合して用いることができる。
【0039】
また、カチオン系界面活性剤としては、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の1種若しくは2種以上を混合して用いることができる。
【0040】
上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル、脂肪酸アルカノールアミド、第3級アミンオキサイド等の1種若しくは2種以上を混合して用いることができる。
【0041】
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルはポリオキシエチレン鎖が3から18好ましくは7から12であり、アルキル鎖は直鎖または分岐のどちらでも良く、アルキル鎖長は8〜22好ましくは12〜14である。
【0042】
また、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルはポリオキシエチレン鎖が3から18好ましくは5から12であり、アルキル鎖は直鎖または分岐のどちらでも良く、アルキル鎖長は8〜22好ましくは12〜14である。
【0043】
上記脂肪酸アルカノールアミドは、椰子油脂肪酸、ステアリン酸、ラウリン酸、のモノエチルアルコールアミド、ジエチルアルコールアミド等が挙げられ、第3級アミンオキサイドとしては、ラウリルジメチルアミンオキサイド、椰子油脂肪酸ジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0044】
また、上記両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の1種若しくは2種以上を混合して用いることができる。なお、金属イオンはプラスに帯電することから、金属イオンの反応性を考慮し、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤または両性界面活性剤を用いることが好ましく、特にノニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。
【0045】
更に、本発明の消臭・芳香剤には、本発明の効果に影響を与えない範囲内で、必要に応じて可溶化助剤、消臭剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、色素、他の防腐剤等を配合することも可能である。
【0046】
このようにして製造された本発明の消臭・芳香剤は、従来から使用されている噴霧器、例えば、ポンプ式や蓄圧式のトリガー式のスプレー式噴霧器や、エアゾール容器、メッシュタイプやホーンタイプの超音波噴霧器等に収納して噴霧式消臭・芳香器具とすることができる。その際、消臭・芳香剤を、薬剤担持体等を利用して調製した場合は、薬剤担持体を取り除いた組成物のみを収納しても良いが、薬剤担持体等を成分(c)に浸漬した状態(消臭・芳香剤)で収容してもよい。
【0047】
消臭・芳香剤の状態で噴霧式装置等の容器に収納することにより、温度変化等により一度溶液内に溶解した芳香成分等が分離した場合でも、これが再度固形担持体に担持されるため、溶液表面に芳香成分の層が形成されてしまうことがなく、また、芳香成分や金属イオンが、収容容器を透過したり、収容容器に吸着され、芳香成分や金属イオンが損失した場合でも、薬剤担持体、抗菌剤担持体等から損失分が供給されるため、消臭・芳香液中の芳香成分や金属イオンの量を常に一定にできるという効果を有する。
【0048】
また、消臭・芳香剤の状態で噴霧式装置等に収納する場合は、薬剤担持体の比重が成分(c)の比重より小さいことが好ましい。そうすることにより、薬剤担持体が成分(c)の表面に浮くことになる(図1および図2参照)。そして、分離した芳香成分等は一般的には水より比重が小さいため、薬剤担持体が効率よく再吸着を行うことができるとともに、薬剤担持体によりスプレーチューブの吸液口を塞いでしまう虞もない。
【0049】
さらに、本発明の消臭・芳香剤は、従来から使用されている吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香剤容器に収納し、吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香器具とすることができる。その際も上記噴霧式消臭・芳香器具の場合と同様、薬剤担持体を取り除いて消臭・芳香剤の組成物のみを収納しても良いが、薬剤担持体を成分(c)に浸漬した状態(消臭・芳香剤)で収容してもよい。
【0050】
本発明の消臭・芳香剤を吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香剤容器に収容することにより、途中で揮散しなくなってしまうことがなく、使用開始から終了まで一定の量で揮散させることができるいといった効果を奏する。また、従来の界面活性剤を使用した吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香器具では、詰め替えを行う際は、一緒に吸液芯や濾紙も新しい物に替える必要があったが、本発明の消臭・芳香剤を用いた場合は、吸液芯や濾紙も新しい物に替える必要がないか、代える頻度を減らすことができるので、廃棄物が少なくなる。
【0051】
以上説明した本発明の噴霧式消臭・芳香器具は、部屋、トイレ、居間、寝室、介護室、ペット飼育場所等の室内空間や、カーテン、ソファ、寝具、衣類、布製靴、布製帽子、マフラー、くつしたなどの繊維製品、ペット飼育容器、ペット飼育マット、猫砂、等のペット周囲対象物、オムツ、簡易便器、生ゴミ、ゴミ箱、灰皿、吸殻集積場所などの排泄・廃棄物周囲対象物に噴霧器により噴霧して使用することができる。
【0052】
また、本発明の吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香剤器具、部屋、トイレ、玄関、寝室、リビングや車の中等で使用することができ、生活空間に消臭するともに、芳香を付与することができる
【実施例】
【0053】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら製造例、実施例等に何ら制約されるものではない。
【0054】
製 造 例 1
消臭・芳香剤の製造(1):
下記の組成の香料成分(a)25重量部と、EVAペレット(エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率28%);ウルトラセン 東ソー社製)75重量部とを混合し、室温で3時間攪拌してEVAペレットに香料を担持させ、薬剤担持体を調製した。
【0055】
香料成分(a):
【表1】

【0056】
一方、金属イオン担持体として銀担持ゼオライト(商品名:ゼオミックBG02N)5gを水1000ml中に投入し、24時間浸漬後濾過して濾液を得た。
【0057】
香料成分を担持させたEVAペレット(薬剤担持体)2.5gを濾液50g中に浸漬して混合し、室温で72時間放置して本発明の消臭・芳香剤を得た。
【0058】
製 造 例 2
消臭・芳香剤の製造(2):
上記製造例1の香料成分25重量部とEVAペレット(エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率28%);ウルトラセン 東ソー社製)75重量部を混合し、室温で
3時間撹拌してEVAペレットに香料を担持させ、薬剤担持体を調製した。
【0059】
香料成分を担持させたEVAペレット(薬剤担持体)2.5gと、金属イオン担持体として銀担持ゼオライト(商品名:ゼオミックBG02N)5gを、エタノール10質量%水溶液50g中に混合し、室温で72時間放置し、その後両担体を取り出し、本発明の消臭・芳香剤を得た。
【0060】
製 造 例 3
消臭・芳香剤の製造(3):
上記製造例1の香料成分(a)25重量部とEVAペレット(エチレン・酢酸ビニル共重合体 酢酸ビニル含有率:28% 商品名:ウルトラセン 東ソー社製)75重量部とを混合し、攪拌してEVAペレットに香料成分を担持させて薬剤担持体を得た。
【0061】
ポリアミド樹脂を加熱して溶融後、銀を添加して十分に撹拌、冷却して銀含有量0.5質量%のポリアミド樹脂ペレット(抗菌剤担持体)を得た。
【0062】
香料成分を含浸したEVAペレット(薬剤担持体)5gと、銀担持ゼオライト含有ポリアミド樹脂ペレット(抗菌剤担持体)3gを水50g中に加え、室温で72時間放置し、本発明の消臭・芳香剤を得た。
【0063】
製 造 例 4
消臭・芳香剤の製造(4):
上記製造例1の香料成分(a)25重量部とEVAペレット(エチレン・酢酸ビニル共重合体 酢酸ビニル含有率:28% 商品名:ウルトラセン 東ソー社製)75重量部とを混合し、室温で3時間攪拌してEVAペレットに香料成分を担持させて薬剤担持体を得た。
【0064】
EVAペレット(エチレン・酢酸ビニル共重合体 酢酸ビニル含有率:28% 商品名:ウルトラセン 東ソー社製)90重量部を高速回転させた後、銀担持ゼオライト(商品名:ゼオミックBG02N)粉末 0.5重量部を投入した。次にリモネン10重量部を投入し、ペレット表面を溶解させた。混合撹拌を継続し、表面には銀担持ゼオライトが、内部にはリモネンを含浸担持体を得た。
【0065】
香料成分を含浸したEVAペレット(薬剤担持体)5gと、銀担持ゼオライトコーティングリモネン含有ペレット(薬剤・抗菌剤担持体)3gとを水50g中に加え、室温で72時間放置し、本発明の消臭・芳香剤を得た。
【0066】
製 造 例 5
消臭・芳香剤の製造(5):
EVAペレット(エチレン・酢酸ビニル共重合体 酢酸ビニル含有率:28% 商品名:ウルトラセン 東ソー社製)90重量部を高速回転させた後、銀担持ゼオライト(商品名:ゼオミックBG02N)粉末 0.5重量部を投入した。次に前記製造例1の香料成分(a)25重量部を投入し、混合撹拌し、表面には銀担持ゼオライトが、内部にはリモネンを含浸担持体を得た。
【0067】
銀ゼオライト・香料成分を担持させたEVAペレット(薬剤・抗菌剤担持体)3gをエタノール10%水溶液50g中に混合し、室温で72時間放置し、本発明の消臭・芳香剤を得た。
【0068】
比較製造例 1
比較消臭・芳香剤の製造:
上記製造例1の香料成分(a)0.25gと、界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.25gおよび水2.5gとを混合し、充分攪拌したのち水47gを追加し、比較品の噴霧用薬剤組成物50gを得た。
【0069】
実 施 例 1
噴 射 試 験:
上記製造例1〜5で得られた消臭・芳香液100mlを、それぞれポンプスプレー容器(容量100ml、一回のストロークで0.3g噴射、ボトル部はポリエステル製)に入れスプレー式消臭・芳香器具を調製した(本発明品1ないし5、なお本発明品1、3〜5は薬剤担持体および/または抗菌剤担持体ごと入れた)。また、比較のため、比較製造例1で得られた消臭・芳香剤組成物を、上記と同じポンプスプレー容器に入れたものも調製した(比較品1)。
【0070】
これらの本発明品1ないし5および比較品1について下記の試験項目について評価を行った。
【0071】
( 試験1: 噴霧面の質感評価(1))
本発明品1ないし5および比較品1を、各々布製ソファーに10ストローク噴霧した後、10分放置した。これを1サイクルとして10回繰り返した後、噴霧したソファー面の質感を評価した。
【0072】
その結果、本発明品1ないし5では、確認できる程度の成分残渣はなく、ソファーの散布前の風合いを維持していた。これに対し、比較品1においては、スプレー後の湿った状態ではべとつきが発生し、また乾燥時ではゴワゴワ感が残り、散布前の風合いが損なわれていた。
【0073】
( 試験2:噴霧面の質感評価(2))
本発明品1ないし5および比較品1を、各々学生服に5ストローク噴霧した後、10分放置した。これを1サイクルとして10回繰り返した後、噴霧した学生服の質感を評価した。
【0074】
その結果、本発明品1ないし5では、確認できる程度の成分残渣はなく、学生服の散布前の風合いを維持していた。これに対し、比較品1においては、スプレー後の湿った状態ではべとつきが発生し、また乾燥時ではゴワゴワ感が残り、散布前の風合いが損なわれていた。また、濡らすと泡が発生し、使用することが困難だった。
【0075】
( 試験3:噴霧面の質感評価(3))
本発明品1ないし5および比較品1を、各々塩化ビニル製床張りの室内で、高さ1mで空間に5ストローク噴霧した。
【0076】
その結果、本発明品1ないし5は、乾燥後は成分残渣が確認できず、もとの状態に復元した。これに対し、比較品1においては、スプレー後の湿った状態では泡が発生し、乾燥とともにべとつきが発生し、乾燥に時間を要した。更に、再度濡らすと泡が発生してしまうため、拭き取りが必要であった。
【0077】
( 試験4:プラスチックの対薬剤試験)
本発明品1および比較品1を、それぞれ1cm×7cm(厚さ1mm)のABS樹脂の試験片に1ストローク噴霧し、10分間乾燥するという工程を10回繰り返した。その後、図1のような試験器(d=5.5cm)にかけ、24時間放置し、樹脂の様子について観察した。
【0078】
その結果、本発明品1は割れ等は生じなかったが比較品1は試験片に、細かいヒビが確認された。
【0079】
( 試験5:消臭試験(1))
直径5cmのろ紙に犬の糞アルコール抽出液(糞1g相当分)を含浸させ試験片とした
。この試験片を200mlビーカーに入れ、本発明品1ないし5及び比較品1を3回スプレーし、糞臭の認知程度をモニターにより評価した。
【0080】
その結果、上記本発明品1ないし5及び比較品1ともに糞臭の認知度は減少していた。
【0081】
( 試験6:消臭試験(2))
2mのブース(たて1m×横1m×高さ2m)中、直径10cmのろ紙に犬の糞アルコール抽出液(糞5g相当分)を含浸させたものを、試験片として30分放置した。次いで、同ブース内に、上記実施例1ないし5および比較品1を噴霧器で10回スプレーし、5分放置後に糞臭の認知程度をモニターにより評価した。
【0082】
その結果、上記本発明品1ないし5および比較品1ともに糞臭の認知度は減少していた。
【0083】
( 試験7:防腐試験)
本発明品1ないし5および比較品1を25℃の保存した。6ヵ月後に薬液の状況を確認したところ、本発明品1ないし5では異常が無かったものの、比較品1においては水カビ様の微生物が確認できた。微生物発生の原因となる栄養源混入については由来を明確にできなかったが、比較品1においては、何らかの栄養源混入により微生物汚染が発生する可能性があることが判明した。
【0084】
実 施 例 2
メッシュタイプ超音波噴霧器による耐久性試験:
上記製造例1ないし5で得られた消臭・芳香剤組成物を、メッシュタイプの超音波噴霧器(超音波噴霧器ミストくん;株式会社ミクニ製)に入れ、本発明の超音波式消臭・芳香器具(本発明品6ないし10、なお本発明品6、8ないし10は、薬剤担持体および/または抗菌剤担持体ごと入れた)を製造した。また、比較として上記比較製造例1で得られた消臭・芳香剤を上記同様のメッシュタイプの超音波噴霧器に入れ、比較超音波式消臭・芳香器具(比較品2)を製造した。
【0085】
本発明品6〜10及び比較品2を連続して噴霧を続けたところ(容器中の消臭・芳香剤組成物が終了したときは注ぎ足した)、本発明品6〜10はいずれも1ヶ月後も噴霧を続けていたが、比較品2は1ヵ月後にはほとんど噴霧しない状態になっていた。
【0086】
実 施 例 3
吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香剤による持続性試験:
上記製造例1〜5で得られた消臭・芳香剤を、図2に示す吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香器に入れ、本発明の吸い上げ揮散タイプ消臭・芳香器具(本発明品11〜15、なお本発明品11、13ないし15は薬剤担持体および/または抗菌剤担持体ごと入れた)を製造した。また、比較として上記製造例4で得られた消臭・芳香剤組成物を上記同様の吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香器に入れ、比較吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香器具(比較品3)を製造した。
【0087】
本発明品11〜15及び比較品3を25℃で連続して揮散を続けたところ(容器中の消臭・芳香剤組成物が終了したときは濾紙、吸い上げ芯は代えずに組成物のみ注ぎ足した。)、本発明品11〜15はいずれも4ヶ月後も噴霧を続けていたが、比較品3は3ヵ月後には揮散しない状態になっていた。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の消臭・芳香剤は、噴霧対象物に対して噴霧しても、これらをべとつかせたり劣化させることがない。また、吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香剤として揮散させた場合も使用初期から終期にわたって一定の揮散させることができるため、極めて有利に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】トリガー式スプレータイプの消臭・芳香器具の正面図を示す図面
【図2】吸い上げ揮散タイプの消臭・芳香器具の断面図を示す図面
【図3】試験4における試験器を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0090】
1……トリガー式スプレータイプ消臭・芳香器具
2……薬剤担持体
3……抗菌剤担持体
4……芳香・消臭液
5……チューブ
6……ノズル
7……トリガー
11……吸い上げ揮散タイプの消臭芳香器具
12……吸い上げ芯
13……ろ紙
14……揮散口
15……薬剤担持体
16……抗菌剤担持体
17……芳香・消臭液
21……試験片
22……試験器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(a)ないし(c)
(a)沸点300℃未満の低沸点香料成分の含有量が80質量%以上である芳香成分
(b)金属イオン
(c)沸点200℃未満の水性溶剤
を含有し、成分(a)を固形担持体に担持させた薬剤担持体が、成分(b)を含む成分(c)中に浸漬または分散されたことを特徴とする消臭・芳香剤。
【請求項2】
下記成分(a)ないし(c)
(a)沸点300℃未満の低沸点香料成分の含有量が80質量%以上である芳香成分
(b)金属イオン
(c)沸点200℃未満の水性溶剤
を含有し、成分(a)を固形担持体に担持させた薬剤担持体と、成分(b)を固形担持体に担持させた抗菌剤担持体とが成分(c)中に浸漬または分散されたことを特徴とする消臭・芳香剤。
【請求項3】
下記成分(a)ないし(c)
(a)沸点300℃未満の低沸点香料成分の含有量が80質量%以上である芳香成分
(b)金属イオン
(c)沸点200℃未満の水性溶剤
を含有し、成分(a)および成分(b)を固形担持体に担持させた薬剤・抗菌剤担持体を、成分(c)に浸漬または分散されたことを特徴とする消臭・芳香剤。
【請求項4】
成分(a)の芳香成分を構成する香料成分が、水/オクタノール分配係数が1〜4.5のものである請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載の消臭・芳香剤。
【請求項5】
成分(a)の固形担持体が、有機系高分子化合物である請求項1ないし4の何れかの項記載の消臭・芳香剤。
【請求項6】
有機系高分子化合物が、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレンビニルアセテート共重合体である請求項5項記載の消臭・芳香剤。
【請求項7】
成分(b)の金属イオンが、銀、亜鉛、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫および鉛よりなる群から選ばれた金属イオンである請求項第1項ないし第6項の何れかの項記載の消臭・芳香剤。
【請求項8】
成分(b)の金属イオンの固形担持体が、ゼオライト、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレンビニルアセテート共重合体からなる群から選ばれたものである請求項第2項ないし第7項の何れかの項記載の消臭・芳香剤。
【請求項9】
成分(c)の沸点200℃未満の水性溶剤が、水または水と沸点200℃未満の親水性溶媒の混液である請求項1ないし8の何れかに記載の消臭・芳香剤。
【請求項10】
成分(c)の沸点200℃未満の水性溶剤が、水またはこれと低級アルコールの混液である請求項1ないし8のいずれかの項記載の消臭・芳香剤。
【請求項11】
低級アルコールが、エチルアルコール、イソプロピルアルコールおよびプロピルアルコールよりなる群から選ばれたものである請求項10記載の消臭・芳香剤。
【請求項12】
薬剤担持体の比重が、成分(b)を含む成分(c)の比重以下である請求項1、第4項ないし第11項の何れかの項記載の消臭・芳香剤。
【請求項13】
薬剤担持体および抗菌剤担持体の比重が成分(c)の比重以下である請求項第2項、第4項ないし第11項の何れかの項記載の消臭・芳香剤。
【請求項14】
薬剤・抗菌剤担持体の比重が成分(c)の比重以下である第3項ないし第12項の何れかの項記載の消臭・芳香剤。
【請求項15】
さらに界面活性剤を0.01ないし0.1質量%含有する請求項1項ないし第14項のいずれかの項記載の記載の消臭・芳香剤。
【請求項16】
成分(a)を担持した薬剤担持体を、浸漬または分散させる、成分(b)を含む成分(c)において、成分(b)の含有量が、0.001ないし10ppmである請求項1、請求項4ないし15の何れかの項に記載の消臭・芳香剤。
【請求項17】
請求項第1項から請求項第16項の何れかの項に記載の消臭・芳香剤を、噴霧器に収納したことを特徴とする消臭・芳香器具。
【請求項18】
噴霧器が、メッシュタイプ又はホーンタイプの超音波式噴霧器である請求項第17項記載の消臭・芳香器具。
【請求項19】
請求項第1項から請求項第16の何れかの項に記載の消臭・芳香剤を、吸液芯により吸い上げて揮散させる消臭・芳香剤容器に収納したことを特徴とする消臭・芳香器具。
【請求項20】
次の工程(1)ないし(4)
(1)固形担持体に芳香成分を担持させて薬剤担持体を得る工程
(2)固形担持体に金属イオンを担持させて抗菌剤担持体を得る工程
(3)沸点200℃未満の水性溶剤を調製する工程
(4)前記工程(3)で用意した溶媒中に前記工程(1)で作成した薬剤担持体及び前 記工程(2)で調製した抗菌担持体を浸漬ないし分散させる工程
を含むことを特徴とする消臭・芳香剤の製造方法。
【請求項21】
次の工程(5)ないし(8)
(5)固形担持体に芳香成分を担持させ薬剤担持体を得る工程
(6)工程(5)で得た薬剤担持体にさらに金属イオンを担持させ薬剤・抗菌剤担持体 を得る工程
(7)沸点200℃未満の水性溶剤を調製する工程
(8)前記工程(7)で調製した溶剤中に前記工程(6)で作成した薬・抗菌剤担持体
を浸漬ないし分散させる工程
を含むことを特徴とする消臭・芳香剤の製造方法。
【請求項22】
次の工程(9)ないし(13)
(9)固形担持体に芳香成分を担持させて薬剤担持体を得る工程
(10)固形担持体に金属イオンを担持させて抗菌剤担持体を得る工程
(11)沸点200℃未満の水性溶剤を調製する工程
(12)前記工程(3)で用意した溶媒中に前記工程(1)で作成した薬剤担持体及び
前記工程(2)で調製した抗菌担持体を浸漬ないし分散させ、芳香成分および
金属イオンを沸点200℃未満の水性溶剤中に溶出させる工程
(13)固形担持体を沸点200℃未満の水性溶剤中から取り去る工程
を含むことを特徴とする消臭・芳香剤組成物の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−165686(P2009−165686A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7753(P2008−7753)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000102544)エステー株式会社 (127)
【Fターム(参考)】