説明

消臭剤及び消臭性製品

平均粒径が0.1〜30μmの、リン系無機酸のアミン塩粉末を含む消臭剤。リン系無機酸のアミン塩がアンモニウム塩であることが好ましい。この消臭剤を含む消臭性製品、例えば、接着剤、塗料、発泡材等は、製品からのホルムアルデヒドの放出を大幅に低減でき、また、環境中のホルムアルデヒドを消臭できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭剤及びこの消臭剤を配合してなる消臭性製品に関する。さらに詳しくは、ホルムアルデヒド消臭性を有する消臭剤及びこれを適用した製品、具体的には、接着剤、塗料、インキ、発泡材、繊維処理剤、繊維製品、合成樹脂製品、建材、紙等に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤、塗料、インキ、発泡材、繊維処理剤、繊維製品、合成樹脂製品、建材、紙等の分野では、ホルムアルデヒド成分を含有する樹脂、具体的には、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素−ホルマリン系樹脂、アミノアルキッド樹脂、アクリル樹脂含有原料が使用されている。これらの樹脂からなる製品は、その使用時にホルムアルデヒドを放出するため、目がちかちかする、又は頭痛がする等、人により気分を害するいわゆるシックハウス症の原因となっている。
シックハウス症への対策のため、最近では換気の義務付け又は合板の使用制限を法規制した建築基準法が施行されるに及んでいる。
また、これらの製品自体が消臭性を有することを要望する声が高くなっている。
【0003】
上記の観点から、ホルムアルデヒドの放出を抑制した各種製品が検討されている。例えば、特開平10−237403号公報及び特開2003−96430号公報では、ホルムアルデヒドの発生量が少ない接着剤組成物が提案されている。
また、特開2003−128982号公報では、ホルムアルデヒドの発生量の少ない印刷インキの製造方法が提案されている。
さらに、特開2002−187757号公報では、消臭性のある建築内装材が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの技術では、ホルムアルデヒドの放出を防止する効果が充分であるとは言えなかった。さらに、ホルムアルデヒド成分を含有しない物質を使用しない製品であっても、他の製品からの放出されたホルムアルデヒドを消臭する製品が希望されている。
【0005】
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、優れたホルムアルデヒド消臭性を有する消臭剤を提供すること、及び製品自体からのホルムアルデヒドの発生を防止するとともに、他の製品から放出されるホルムアルデヒドを消臭する機能を付与した消臭性製品を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意研究をした結果、各種製品を構成する基材に、消臭剤としてリン系無機酸のアミン塩粉末を含有させることにより、基材が含んでいるホルムアルデヒドの放出が抑制できること、及び環境中のホルムアルデヒドを消臭できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の消臭剤及び消臭性製品が提供される。
1. 平均粒径が0.1〜30μmの、リン系無機酸のアミン塩粉末を含む消臭剤。
2. 前記リン系無機酸のアミン塩がアンモニウム塩である1に記載の消臭剤。
3. 1又は2に記載の消臭剤を含む消臭性製品。
4. 接着剤100質量部に対し、1又は2に記載の消臭剤を1〜100質量部含有する消臭性接着剤。
5. 塗料100質量部に対し、1又は2に記載の消臭剤を1〜100質量部含有する消臭性塗料。
6. 発泡樹脂100質量部に対し、1又は2に記載の消臭剤を1〜100質量部含有する消臭性発泡材。
7. 1又は2に記載の消臭剤を1〜60質量%含有する消臭性繊維処理剤。
8. 7に記載の消臭性繊維処理剤を使用して加工された繊維製品。
9. 前記繊維製品が、繊維、織物又は不織布である8に記載の繊維製品。
10. 乾燥インキ樹脂100質量部に対し、1又は2に記載の消臭剤を1〜100質量部含有する消臭性インキ。
11. 絶乾パルプ100質量部に対し、1又は2に記載の消臭剤を0.001〜100質量部含有する消臭性紙。
12. 石膏97〜70質量%と、1又は2に記載の消臭剤3〜30質量%からなる組成物を含む消臭性石膏ボード。
13. 合成樹脂100質量部に対し、1又は2に記載の消臭剤を1〜100質量部含有する消臭性合成樹脂製品。
14. 1又は2に記載の消臭剤を塗布してなる合板。
15. ホットメルト剤100質量部に対し、1又は2に記載の消臭剤を1〜30質量部含有するホットメルト製品。
【0007】
本発明によって、優れたホルムアルデヒド消臭性を有する消臭剤を提供できる。また、この消臭剤を添加することによって、製品自体からのホルムアルデヒドの発生を防止するとともに、他の製品から放出されるホルムアルデヒドを消臭できる消臭性製品を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の消臭剤及び消臭性製品を具体的に説明する。
本発明の消臭剤は、平均粒径0.1〜30μmのリン系無機酸のアミン塩を含む。尚、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定器で測定した値である。
本発明で使用するリン系無機酸のアミン塩としては、リン系無機酸、例えば、リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、次亜リン酸又はメタリン酸のアミン塩等が挙げられる。
上記リン系無機酸とアミン塩を構成するアミン化合物としては、例えば、アンモニア、フェニルヒドラジン、ヒドラジルフェノール、尿素、チオ尿素、セミカルバジド、カルバゾン、1,5−ジフェニルカルバノヒドラジド、チオカルバゾン、エチレンジアミン、ヘキサメチレントリアミンメラミン、シクロヘキサンジアミン、ナフタレンジアミン、アニリン、テトラメチレンジアミン、1,2,5−ペンタントリアミン、2−アミノー1,3,5−トリアジン、トリエチルアミントリエタノールアミン、1−アミノピペラジン、アセタミジン、ベンザミドラゾン、3,5−ジフェニルホルマゾン、カルボジイミド、グアニジン、1,1,3−トリメチルグアニジン、3,4−ジメチルイソセミカルバジド、チオカルバゾン、チオカルボジアゾン等が挙げられる。
また、アミン化合物として、リジン、アルギニン、オルニチン、プロリン等のアミノ基を有するアミノ酸が好ましく使用できる。
【0009】
これらリン系無機酸のアミン塩のうち、安全性の点からリン系無機酸のアンモニウム塩が好ましい。特に、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム又はシクロヘキサリン酸アンモニウム等のアンモニウム塩が熱的安定性にも優れ、消臭剤としての機能の他、難燃性も付与できるため好ましい。これらアンモニウム塩の中でもポリリン酸アンモニウム塩、特に、20℃での水不溶解分85%以上、好ましくは90%以上のポリリン酸アンモニウム塩が、合板用途以外は、常温での水溶性も少なく適用製品での耐久性が確保可能で特に好適である。
上記のリン系無機酸のアミン塩は通常市販されているものを使用できる。
【0010】
上記のリン系無機酸のアミン塩粉末の平均粒径は、0.1〜30μmである。0.1μm未満では、消臭性能が低下し、また、加工工程での飛散防護上、不適である。
一方、30μmを超えると、アミン塩の表面積が小さくなるため、性能が発揮されにくくなる。また、消臭剤が配合される製品によっては、表面が粗面となる問題が生じる。具体的な製品について、接着剤の場合は接着性が低下する原因となり、塗料、紙、繊維処理剤の場合は、それぞれ塗装物、印刷物、繊維製品の外観不良の原因となる。
アミン塩粉末の平均粒径は、3〜30μmが好ましく、5〜20μmが特に好ましい。3μm未満では、粉末が凝集しやすいため取扱いが難しくなり、また、アミン塩の微粉化も困難になるからである。
本発明の消臭剤には、上記のリン系無機酸のアミン塩の他に、多孔質シリカ、活性炭、ゼオライト、活性白土、シリカゲル、アルミナ、モンモリロナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の無機物質、及び有機珪素アミン、芳香族アミン、ヒドラジン誘導体等のアミン化合物を添加することができる。
【0011】
本発明の消臭剤は、リン系無機酸のアミン塩粉末を含むことによって、優れたホルムアルデヒド消臭性を発揮する。従って、ホルムアルデヒドを含んでいる基材成分を使用した各種製品、例えば、接着剤や建材等に配合することにより、基材成分からのホルムアルデヒドの放出を大幅に抑制できる。また、ホルムアルデヒドの製品からの放出防止の他、他の製品から放出されたホルムアルデヒドを消臭する効果もある。
以下、本発明の消臭剤を使用した消臭性製品の例について説明する。尚、本発明の消臭性製品は下記の例に限定されない。
【0012】
[消臭性接着剤]
本発明の消臭性接着剤は、接着剤樹脂と上記の消臭剤を含む。
接着剤樹脂としては、ポリビニルアルコール系樹脂、ユリア系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、イソシアネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系エポキシ系樹脂、ゴム系及びエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリ酢酸ビニル系、アクリル酸エステル系重合体等の樹脂が挙げられる。
特に、ホルムアルデヒドを含有している、メチロール基を有するユリア系、フェノール系、メラミン系、アクリル系樹脂材料に好適に使用される。
これら樹脂と上記の消臭剤を水や溶剤に配合して、消臭性接着剤を調製できる。
接着剤は常法によって調製でき、また、使用される溶剤や各種添加剤は、一般に使用されているものを適用できる。例えば、特開平10−237403号公報、特開2003−96430号公報の記載を参考することができる。
尚、市販されている接着剤に上記の消臭剤を添加することによっても、本発明の消臭性接着剤を作製できる。
【0013】
接着剤(本発明の消臭剤を除く全成分を意味する)100質量部に対する、上記のリン系無機酸のアミン塩消臭剤の添加量は、1〜100質量部、好ましくは3〜40質量部、特に好ましくは、5〜30質量部である。1質量部未満では、消臭・抗菌効果が期待できず、100質量部を超えると、消臭剤が過剰となるため接着性が低下し、また、経済的な観点から好ましくない。
【0014】
[消臭性塗料]
本発明の消臭性塗料は、塗料樹脂と上記の消臭剤を含む。
塗料樹脂としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルスチレン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルアセタール系樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。特に、メチロール基を有するエポキシ樹脂、アクリル樹脂及びホルムアルデヒド縮合物が添加されている材料が好適に使用される。
これら樹脂と上記の消臭剤を水や溶剤に配合して、消臭性塗料を調製できる。
塗料は常法によって調製でき、溶剤や各種添加剤は、塗料分野で一般に使用されているものを適用できる。例えば、特開2002−322424号公報の記載を参考することができる。
尚、市販されている塗料に上記の消臭剤を添加することによっても、本発明の消臭性塗料を作製できる。
用途は、合板、紙、金属板、プラスチック板等にコーティングして使用できる。
塗料(本発明の消臭剤を除く全成分を意味する)100質量部に対する、上記のリン系無機酸のアミン塩消臭剤の添加量は、上述した消臭性接着剤の場合と同様である。
【0015】
[消臭性発泡材]
発泡材を製造するときに使用できる発泡樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンの各種汎用樹脂が挙げられる。特に、ウレタン樹脂でメチロール基所有ホルムアルデヒド縮合物が添加されている材料が好適に使用される。
これら樹脂又は樹脂原料に上記の消臭剤を混合して、発泡させることによって消臭性発泡材が作製できる。
発泡材は常法によって製造でき、また、発泡材分野で一般に使用されている各種添加剤を使用できる。例えば、ウレタンフォームの製造について特開平8−269157号公報の記載を参考することができる。
発泡樹脂100質量部に対する、上記のリン系無機酸のアミン塩消臭剤の添加量は、上述した消臭性接着剤の場合と同様である。
【0016】
[消臭性繊維処理剤]
繊維処理剤を製造するときに使用できる基材成分としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、又はこれらの共重合体等の水エマルジョンが挙げられる。特に、メチロール基を有するアクリル樹脂及びその共重合体使用材料が好適に使用される。
これら樹脂に上記の消臭剤を混合して、消臭性繊維処理剤が作製できる。
繊維処理剤は常法によって調製できる。また、繊維処理剤分野で一般に使用されている各種添加剤を適用できる。
【0017】
消臭繊維処理剤における上記のリン系無機酸のアミン塩消臭剤の添加量は、1〜60質量%、好ましくは3〜50質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
尚、水エマルジョン加工の他、繊維製品の染色工程にて、1μm以下の微粉で吸じん加工することによっても消臭処理が可能である。
この消臭繊維処理剤を使用して加工した繊維製品、例えば、繊維、織物、不織布等は、優れたホルムアルデヒド消臭性を発揮する。
【0018】
[消臭性インキ]
インキを製造するときに使用できる基材成分としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルトルエン系樹脂、ロジンエステル系樹脂ゴム系及びエチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン、アクリル酸エステル系重合体エマルジョン等の水性エマルジョン、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
特に、メチロール基を有するロジン変性フェノール樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、アルキッド樹脂、アクリル系樹脂材料が好適に使用される。
これら樹脂に上記の消臭剤を混合して、消臭性インキが作製できる。
インキは常法によって調製できる。また、インキ分野で一般に使用されている各種添加剤を使用できる。例えば、特開2001−164169号公報の記載を参考することができる。
尚、市販されているインキに、上記の消臭剤を添加することによっても、本発明の消臭性インキを作製できる。
上記の樹脂を乾燥した乾燥インキ樹脂100質量部に対する、上記のリン系無機酸のアミン塩消臭剤の添加量は、上述した消臭性接着剤の場合と同様である。
【0019】
[消臭性紙]
新聞紙又は電話用紙の抄紙工程においては、歩留まり向上、濾水性向上のため、ポリエチレンオキサイドの他にフェノール樹脂が使用される(例えば、特開平09−188993号公報参照)。そのため、紙製品からホルムアルデヒドが発生し問題となる。
本発明においては、絶乾紙パルプを基材成分として、これに上記リン系無機酸のアミン塩粉末を0.001〜20質量%、好ましくは0.002〜15質量%、特に好ましくは0.003〜10質量%添加することにより、紙からのホルムアルデヒドの発生を防止できる。
尚、製紙は常法により行なえる。例えば、特開平09−188993号公報の記載を参考することができる。
【0020】
[消臭性石膏ボード]
本発明の消臭性石膏ボードは、石膏と本発明の消臭剤からなる組成物含む。尚、石膏ボードには、通常の内装用建材に使用される石膏ボードの他、吸音用穴あき石膏ボード、木毛石膏ボード、ガラス繊維強化石膏ボード等が含まれる。
石膏としては、天然石膏、化学石膏を用いて焼成処理された半水石膏が主材として用いられる。これに水を加えて混合した後、成型、硬化することによって、石膏ボードが作製できる。尚、場合により焼成前の二水石膏が使用される。
石膏ボードの製造工程において、上記リン系無機酸のアミン塩粉末の消臭剤を添加することにより、消臭性石膏ボードが製造できる。消臭剤は、水スラリーの状態で添加してもよく、また、粉末の状態で、水と石膏を混合するときに添加できる。
尚、本発明の消臭性石膏ボードには、石膏ボードに一般に使用されている各種添加剤を添加できる。例えば、特開2002−187757号公報の記載を参考することができる。
【0021】
石膏への上記消臭剤の配合量は3〜30質量%であり、好ましくは5〜15質量%、特に好ましくは、5〜10質量%である。3質量%未満では、消臭効果が期待できず、30質量%を超えると、過剰になり物性、経済的な観点から好ましくない。
本発明の石膏ボードは、断熱性とともに通気性がある他、合板、家具から発生するホルムアルデヒドを消臭する効果を有する。
尚、本発明の消臭剤は、石膏ボードの他、内装用建材としてセメント板にも適用できる。
【0022】
[消臭性合成樹脂製品]
消臭性合成樹脂製品を製造するときに使用できる合成樹脂としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンの各種汎用樹脂アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の各種樹脂が挙げられる。
これら合成樹脂に、上記のリン系無機酸のアミン塩粉末を要求特性に応じて配合し、押出成形、射出成形等、常法の加工法によって、射出成型品、フィルム、不織布、中空成型品、熱成型品等に成形することによって、消臭性合成樹脂製品が得られる。
【0023】
上記合成樹脂100質量部に対する、上記のリン系無機酸のアミン塩消臭剤の添加量は、上述した消臭性接着剤の場合と同様である。
尚、本発明の消臭性合成樹脂製品には、一般に使用される各種添加剤を配合してもよい。
また、上記の消臭剤は、メチロール基所有ホルムアルデヒド縮合物が添加されている材料にも好適に使用される。
本発明の消臭性合成樹脂製品の用途としては、インストルメンタルパネル、ドアトリム等の自動車材料成型品、表皮シート材及び樹脂壁紙、建築下地防水フィルム等のフィルム材料が挙げられる。
【0024】
製品からのホルムアルデヒドの発生を防止する用途として、さらに建材の内装等に使用される合板、自動車用途等のホットメルト剤が挙げられる。
本用途では法的規制もなされており、工業上、これらの用途でのホルムアルデヒドの発生低減剤であって安全性の高いものは、極めて有用である。
従来、これらの用途には、主としてヒドラジド化合物が使用され安全上問題視されている。
【0025】
[合板]
本発明の合板は、合板に上記の消臭剤を塗布したものである。
合板への塗工については、本発明の消臭剤を、水等の溶液、塗料等に溶解もしくは界面活性剤で水エマルジョン化し、合板にスプレー法等で簡易に塗布し、ホルムアルデヒドの発生を防止することができる。塗布液に含有させる量として、0.5〜20質量%程度配合して、溶液、塗料もしくは水エマルジョンを合板にスプレー塗工すればよい。塗工量については、合板からのホルムアルデヒドの発生量によって適宜調整する。
塗布量は、乾燥固形分換算で1〜5g/mの塗布が好ましい。
本発明の消臭剤のなかでも、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素二アンモニウム等が水溶性で好適に使用され得る。中でも水に対する溶解度が40%(20℃)以上のリン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウムが特に好適である。
【0026】
[ホットメルト剤]
本発明のホットメルト剤は、通常のホットメルト剤に上記消臭剤又は一般消臭剤を併用配合して用いられる。
本発明のホットメルト剤は、自動車内装材用途、建築用内装ボード等に用いられ、特に自動車用途に用いられる。自動車用途では、主に自動車室内の天井材用途のプラスチック内装ボードと内装不織布、内装布との熱接着用途に好適に使用される。
ホットメルト剤については、オレフィン系、ポリウレタン系、エチレン・酢酸ビニル樹脂共重合体系、スチレン系共重合体系、ナイロン系、ポリエステル系が挙げられる。本用途には、内装ボードと内装布、内装紙、内装不織布との熱接着シートとして使用され、ホルムアルデヒド濃度を低減することができる。本消臭性ホットメルト剤組成物の熱接着シートは、延伸加工することにより、より消臭性を向上できる。
ホットメルト剤100質量部に対する、上記のリン系無機酸のアミン塩の添加量は、1〜30質量部、好ましくは5〜20質量部である。
[実施例]
【0027】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
実施例1
アクリル樹脂系接着剤(セメダイン社製、Y650:A剤、B剤混合物)100質量部に、平均粒径5μmのリン酸二水素アンモニウム(和光純薬社製)10質量部を加え、混合し消臭性接着剤を作製した。
尚、リン酸二水素アンモニウムの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定機(セイシン企業(株)製、LMS−24)で測定した。
この接着剤のホルムアルデヒド放出性を以下の方法にて評価した。
接着剤5ml使用して、A4版の普通紙を10mm厚の合板に貼り合わせたもの測定試料とした。この試料から4×4cmの試験片を切り取り、試験片1枚を500mlの広口ビンに入れ、蓋をした。
このビンを60℃で5分間加熱し、放置した後、ビン内部のホルムアルデヒド濃度を北川式検知管で測定した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は0.5ppm以下であった。
実施例1及び以下に示す実施例2、比較例1−3で作製した接着剤の配合及びホルムアルデヒド放出試験の結果を表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
実施例2
リン酸二水素アンモニウムの添加量を6質量部とした他は、実施例1と同様にして接着剤を作製し、評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は0.5ppm以下であった。
【0030】
比較例1
実施例1において、リン酸二水素アンモニウムを添加しない接着剤について、実施例1と同様のホルムアルデヒド放出性を測定した。その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は2ppmであった。
【0031】
比較例2
リン酸二水素アンモニウムに代えて、平均粒径5μmのリン酸二水素ナトリウム粉末(和光純薬社製)5質量部を加えた他は実施例1と同様にして接着剤を作製し、評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は3ppmであった。
【0032】
比較例3
平均粒径5μmのリン酸二水素アンモニウムに代えて、分級した平均粒径34μmのリン酸二水素アンモニウムを5質量部加えた他は、実施例1と同様にして接着剤を作製し、評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は2ppmであった。
【0033】
実施例3
アクリル樹脂系塗料(大日本塗料社製、水性フレッシュ21)100質量部に、実施例1と同じ平均粒径5μmのリン酸二水素アンモニウム30質量部を加え、混合し塗料を作製した。
この塗料100mlを、A4版の10mm厚の合板にスプレー塗布したものを測定試料とし、実施例1と同様にして、この塗料のホルムアルデヒド放出性を評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は0.5ppm以下であった。
実施例3及び以下に示す実施例4、比較例4,5で作製した塗料の配合及びホルムアルデヒド放出試験の結果を表2に示す。
【0034】
【表2】

【0035】
実施例4
リン酸二水素アンモニウムの添加量を20質量部とした他は、実施例3と同様にして塗料を作製し、評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は0.5ppm以下であった。
【0036】
比較例4
実施例3において、リン酸二水素アンモニウムを添加しない塗料について、実施例1と同様のホルムアルデヒド放出性を測定した。その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は4ppmであった。
【0037】
比較例5
リン酸二水素アンモニウムに代えて、比較例2と同じリン酸二水素ナトリウム粉末5質量部を加えた他は、実施例3と同様にして塗料を作製し、評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は3ppmであった。
【0038】
実施例5
ロジンフェノール樹脂使用インキ(大日本インキ社製:樹脂分23重量%)100質量部に、実施例1と同じリン酸二水素アンモニウム5質量部を加え、混合しインキを作製した。
このインキを100ml使用してA4版の普通紙に塗布したものを測定試料とし、実施例1と同様にして、このインキのホルムアルデヒド放出性を評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は0.5ppm以下であった。
実施例5及び以下に示す比較例6で作製したインキについて、リン酸二水素アンモニウムの配合量及びホルムアルデヒド放出試験の結果を表3に示す。
【0039】
【表3】

【0040】
比較例6
実施例5において、リン酸二水素アンモニウムを添加しないインキについて、実施例1と同様のホルムアルデヒド放出性を測定した。その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は4ppmであった。
【0041】
実施例6
ポリオール(ダウポリウレタン社製、#3000)100質量部、イソシアネート(ダウポリウレタン社製、T−80)40質量部、水3質量部、アミン系触媒(エアプロダクト社製、33LV)0.3質量部、アミン系触媒(エアプロダクト社製、AT33)0.3質量部、すず系触媒(日東化成社製、T−9)0.3質量部、整泡剤(日本ユニカー製)3質量部、実施例1と同じリン酸二水素アンモニウム8質量部及びメラミン系ホルムアルデヒド縮合物塩3質量部の割合で配合し、ウレタンフォームを作製した。
このウレタンフォームを5cm角に切りだしたものを測定試料とし、実施例1と同様にして、ホルムアルデヒド放出性を評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は0.5ppm以下であった。
実施例6及び以下に示す比較例7で作製したウレタンフォームについて、リン酸二水素アンモニウムの配合量及びホルムアルデヒド放出試験の結果を表4に示す。
【0042】
【表4】

【0043】
比較例7
リン酸二水素アンモニウムを使用しなかった他は、実施例6と同様にウレタンフォームを作製し、評価した。その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は5ppmであった。
【0044】
実施例7
繊維処理剤であるアクリルエマルジョン(ガンツ化成(株)、T−15:樹脂分50質量%の水エマルジョン)に、その乾燥重量100質量部に対し、実施例1と同じリン酸二水素アンモニウムを、50質量%の水エマルジョンとしたものを100質量部配合し、消臭性繊維処理剤(リン酸二水素アンモニウム25質量%含有)を作製した。
この消臭性繊維処理剤を、バーコーターを使用してA4サイズのポリエステル基布に100g/mとなるように塗布した物を測定試料とした。この基布から5×5cmの寸法サイズに切り出したものを試料とし、実施例1と同様にして、ホルムアルデヒド放出性を評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は0.5ppm以下であった。
実施例7及び以下に示す比較例8で作製した繊維処理剤について、リン酸二水素アンモニウムの配合量及びホルムアルデヒド放出試験の結果を表5に示す。
【0045】
【表5】

【0046】
比較例8
リン酸二水素アンモニウムを使用しないアクリルエマルジョンについて、繊維処理を実施例7と同様に行ない、評価した。その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は10ppmであった。
【0047】
実施例8
実施例1と同じリン酸二水素アンモニウムを、石膏100質量部に対し10質量部配合し、特開2002−187757号公報に記載の方法により、厚さ10mm、巾910mm、比重0.7の消臭性石膏ボードを作製した。
この石膏ボードのホルムアルデヒド消臭能力を、以下の方法で評価した。
石膏ボードから、4cm角に切断したものを試料とし、500mlの広口ビンに入れた。広口ビンに1%のホルムアルデヒド水溶液をマイクロシリンジにて2μmlを導入後、蓋をし密封した。室温で2時間放置した後、このビン内部のホルムアルデヒド濃度を測定した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は0.5ppm以下に低下していた。
実施例8及び以下に示す比較例9で作製した石膏ボードについて、リン酸二水素アンモニウムの配合量及びホルムアルデヒド消臭能力試験の結果を表6に示す。
【0048】
【表6】

【0049】
比較例9
リン酸二水素アンモニウムを配合しない他は、実施例8と同様にして作製した石膏ボードについて、実施例8と同様の評価をした。その結果、ホルムアルデヒドの濃度は20ppm以下であった。
【0050】
実施例9
広葉樹系パルプ/針葉樹系パルプ=8/2(質量比)の混合パルプの水性パルプスラリー(絶乾パルプ1質量%含有)100質量部に、タルク10質量部、カチオン化澱粉1質量部、サイズ剤0.3質量部、フェノール系サイズ助剤0.3質量部、部留まり剤0.01質量部及び実施例1と同じリン酸二水素アンモニウム0.05質量部を加え、製紙原料スラリーとした。
このスラリーを、シーティングマシンを用いて65g/mとなるよう抄紙した。その後、圧縮脱水し、100℃で80秒間乾燥させて消臭性紙を作製した。
この紙から5×5cmの寸法サイズの試験片を切りだし、実施例1と同様にして、ホルムアルデヒド放出性を評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は0.8ppmであった。
実施例9及び以下に示す比較例10で作製した紙について、リン酸二水素アンモニウムの配合量及びホルムアルデヒド放出試験の結果を表7に示す。
【0051】
【表7】

【0052】
比較例10
リン酸二水素アンモニウムを配合しない他は、実施例9と同様に紙を作製し、評価した。その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は3ppmであった。
【0053】
実施例10
高圧染色試験機に、未染色のポリエステル布、平均粒径0.2μmのリン酸二水素アンモニウム(和光純薬社製)3質量%水エマルジョンを加え、さらに、パラニルブリアントブルーBGF染料(BASF社製)を1質量%に調整添加し、浴温度120℃、60分間でポリエステル布を作製した。その後、特公平5−12475号公報記載の方法で、還元洗浄、風乾、染色、消臭処理して、ポリエステル布重量に対し、リン酸二水素アンモニウムを1質量%含む消臭性布巾を作製した。
この布巾を4cm角に切断した試料について、実施例8と同様にしてホルムアルデヒド消臭性を評価した。その結果、ビン内部のホルムアルデヒドの濃度は0.5ppm以下に低下していた。
尚、消臭布をビン内に入れずに行なった空試験でのホルムアルデヒド濃度は21ppmであった。
【0054】
実施例11
ポリプロピレン(出光石油化学社製、出光PP F740N)90質量%、平均粒径24μmのリン酸二水素アンモニウム10質量%の割合で20Kgをドライブレンドした。このブレンド物を、押出機(池貝鐵工製、径50mm)を使用し、240℃で混練してポリプロピレン樹脂組成物を得た。
この組成物を50mmのシート成形機を使用して、230℃にて巾30cm厚さ200μmの消臭性ポリプロピレンシートを得た。
この消臭性シートを4cm角に切断したものを、実施例8と同様にしてホルムアルデヒド消臭性を評価した。その結果、ビン内部のホルムアルデヒドの濃度は3ppmに低下していた。
尚、消臭性シートをビン内に入れずに行なった空試験でのホルムアルデヒド濃度は22ppmであった。
【0055】
さらに、このシートを、ホルムアルデヒド含有接着剤を使用して貼り合わせ、4cm角に切断したものを、500mlの広口ビンに入れ、オーブンで80℃、24時間に加熱した後、北川式検知管にてビン内のホルムアルデヒド濃度を測定した結果、0.5ppm以下であった。
このシートに代えて、ブランクPPを使用した場合、ビン内のホルムアルデヒド濃度は1ppmであった。
【0056】
実施例12
平均粒系20μmのリン酸アンモニウム(和光純薬製)の10%水溶液を作製し、15×50cm角、3mm厚さのベニヤ板に25g/m(Wet重量)になるように簡易スプレーで塗布し、ホルムアルデヒド発生を防止する処理を施した。
塗布後3日間放置乾燥し、処理板及び未処理板を15cm×5cm10片に切断し、日本農林規格普通合板ホルムアルデヒド放散量の測定法に従い、合板から放散するホルムアルデヒドを蒸留水に吸収させ、吸収液のホルムアルデヒド濃度をアセチルアセトン法により分光光度計で比色定量した。処理板0.5mg/lに対し、未処理板は0.8mg/lであった。
【0057】
実施例13
エチレン・酢酸ビニル系樹脂共重合体(酢酸ビニル含有量30重量%)に10質量%の平均粒径20μmのポリリン酸アンモニウム(大平化学産業製)をロール混練機にて130℃で混練配合し、200μm厚・20cm巾/20cm長のシートを得た。
このシートと150g/mのポリエステル不織布とプレス成形機にて130℃、2分間熱積層し、消臭性ホットメルト剤付き不織布を得た。
この消臭性不織布シートとさらにプレス成形機にて3mm厚発泡ポリプロピレンボードと130℃、2分で積層し、積層板を得た。
得られた積層板を10cm角に切断し、ホルムアルデヒド濃度30ppmに調節した内容積2lのデシケータに入れ、2時間後のデシケータ内のホルムアルデヒド濃度を測定した。その結果、10ppmであった。
【0058】
実施例14
アクリル樹脂系塗料(大日本塗料社製、水性フレッシュ21;樹脂分20質量%)100質量部に、平均粒径5μmのリン酸水素アンモニウム(和光純薬製)4質量部を加え混合し、塗料を作製した。
この塗料を使用してA4版の10mm厚の合板にスプレー塗装した。
この合板を4×4cmに切断し、500mlの広口ビンに入れ、蓋をした。60℃で5分間放置した後、北川式検知管でホルムアルデヒド濃度を測定した。その結果、0.5ppm以下であった。
【0059】
実施例15
アクリル樹脂系接着剤(セメダイン社製、Y650;樹脂分40質量%)100質量部に、平均粒径20μm、20℃の水不溶解分90%のポリ燐酸アンモニウム10質量部を加え混合し、接着剤組成物を作製した。
この接着剤を使用してA4版の普通紙を10mm厚の合板に貼り合わせた。
この合板を4×4cmに切断し、500mlの広口ビンに入れ、蓋をした。60℃で5分間放置した後、北川式検知管でホルムアルデヒド濃度を測定した。その結果、0.5ppm以下であった。
【0060】
比較例11
アクリル樹脂系接着剤(セメダイン社製、Y650;樹脂分40質量%)100質量部に、平均粒径20μmのポリリン酸アンモニウム0.5質量部を加え混合し、接着剤組成物を作製した。
この接着剤を使用してA4版の普通紙を10mm厚の合板に貼り合わせた。
この合板を4×4cmに切断し、500mlの広口ビンに入れ、蓋をした。60℃で5分間放置した後、北川式検知管でホルムアルデヒド濃度を測定した。その結果、2ppmであった。
【0061】
実施例16
リン酸二水素アンモニウムに代えて、平均粒径6μmのポリリン酸アンモニウム
(大平化学産業製)を使用した他は、実施例7と同様に実験し、評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は0.5ppmであった。
【0062】
実施例17
平均粒径5μmのリン酸二水素アンモニウムに代えて、分級した平均粒径15μmのリン酸二水素アンモニウムを5質量部加えた他は、実施例1と同様にして接着剤を作製し、評価した。
その結果、ビン内部のホルムアルデヒド濃度は0.5ppmであった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の消臭剤は、優れたホルムアルデヒド消臭性を有するため、接着剤や建材等、ホルムアルデヒドを放出する可能性のある製品に好適に使用できる。
また、本発明の消臭剤を使用した消臭性製品は、製品から放出するホルムアルデヒドの量を大幅に抑制できるので、人体に対する安全性が高い製品である。さらに、他の製品から放出されたホルムアルデヒドを消臭する機能も有するため、人の生活空間で使用される広範な製品分野において使用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒径が0.1〜30μmの、リン系無機酸のアミン塩粉末を含む消臭剤。
【請求項2】
前記リン系無機酸のアミン塩がアンモニウム塩である請求項1に記載の消臭剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の消臭剤を含む消臭性製品。
【請求項4】
接着剤100質量部に対し、請求項1又は2に記載の消臭剤を1〜100質量部含有する消臭性接着剤。
【請求項5】
塗料100質量部に対し、請求項1又は2に記載の消臭剤を1〜100質量部含有する消臭性塗料。
【請求項6】
発泡樹脂100質量部に対し、請求項1又は2に記載の消臭剤を1〜100質量部含有する消臭性発泡材。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の消臭剤を1〜60質量%含有する消臭性繊維処理剤。
【請求項8】
請求項7に記載の消臭性繊維処理剤を使用して加工された繊維製品。
【請求項9】
前記繊維製品が、繊維、織物又は不織布である請求項8に記載の繊維製品。
【請求項10】
乾燥インキ樹脂100質量部に対し、請求項1又は2に記載の消臭剤を1〜100質量部含有する消臭性インキ。
【請求項11】
絶乾パルプ100質量部に対し、請求項1又は2に記載の消臭剤を0.001〜100質量部含有する消臭性紙。
【請求項12】
石膏97〜70質量%と、請求項1又は2に記載の消臭剤3〜30質量%からなる組成物を含む消臭性石膏ボード。
【請求項13】
合成樹脂100質量部に対し、請求項1又は2に記載の消臭剤を1〜100質量部含有する消臭性合成樹脂製品。
【請求項14】
請求項1又は2に記載の消臭剤を塗布してなる合板。
【請求項15】
ホットメルト剤100質量部に対し、請求項1又は2に記載の消臭剤を1〜30質量部含有するホットメルト製品。

【国際公開番号】WO2005/046744
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【発行日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515452(P2005−515452)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016826
【国際出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(500242384)出光テクノファイン株式会社 (55)
【Fターム(参考)】