説明

消臭液及び靴中敷

【課題】製作が簡単で、防臭性、消臭性に優れた消臭液、及びこの消臭液を含ませることにより長期間の使用ができる防臭性、消臭性に優れた靴中敷を提供すること。
【解決手段】収穫直後の生朝鮮人参を水洗いした後、よく水切りし、アルコール消毒する。このように処理されたもの全てを目の細かい網袋の中に入れた状態で、水の中に入れ、数回に分けてときどき攪拌をして、1週間程度冷蔵庫の冷蔵室に入れて冷蔵保存する。この液体は、薄いクリーム色を帯びて、淡い酸味の芳香を放つ状態となる。このようにしてできた飽和水溶液である防臭用、消臭用液体を、一足分の靴中敷1の表層2に含ませて冷蔵乾燥させる。この乾燥により、使用できるように出来上がった靴中敷1を、靴の中に入れて使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭液及び防臭性、消臭性に優れた靴の中に敷かれる靴中敷に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の靴中敷は、例えば特許文献1などにより、開示されている。即ち、この特許文献1には、中敷の上面の足の裏の土踏まずに対応する部位に膨出部を設け、この膨出部の内部に消臭剤としてのカーボンの粉粒体入りの袋を内蔵させると共にこの膨出部の表皮には通気穴を設ける技術が開示されている。
【特許文献1】実用新案登録第3038861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、消臭剤としてのカーボンの粉粒体をわざわざ通気性の良い袋に入れ、足の裏の土踏まずに対応する部位の膨出部の内部にこの袋を内蔵しなければならないので、材料代が嵩み、製作加工も面倒なものである。更には、袋からカーボンの粉粒体が出てしまい、使用者に不快な思いをさせたり、粉粒体の減少に伴う対処も面倒なものであるという問題があった。
【0004】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑み、製作が簡単で、防臭性、消臭性に優れた消臭液、及びこの消臭液を含ませることにより長期間の使用ができる防臭性、消臭性に優れた靴中敷を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため第1の消臭液に係る発明は、生朝鮮人参をすり潰して水に入れ、攪拌をして作製したことを特徴とする。
【0006】
第2の消臭液に係る発明は、生朝鮮人参をすり潰して水に入れ、攪拌をして、冷蔵保存して作製したことを特徴とする。
【0007】
第3の消臭液に係る発明は、生朝鮮人参をすり潰して水に入れ、攪拌をして、冷蔵保存して飽和水溶液の状態にして作製したことを特徴とする。
【0008】
第4の消臭液に係る発明は、第1乃至第3の発明において、前記水は、滅菌又は殺菌処理された精製水であることを特徴とする。
【0009】
第5の靴中敷に係る発明は、第1乃至第4の発明の消臭液を靴の中に敷かれて使用される靴中敷に含ませたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製作が簡単で、防臭性、消臭性に優れた消臭液、及びこの消臭液を含ませることにより長期間の使用ができる防臭性、消臭性に優れた靴中敷を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の靴中敷を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。先ず、図1において、1は靴中敷で、2層から構成され、例えば綿のタオル地加工の表層2と、ポリエステルから成るフェルト加工の裏層3とで構成される。この表層2と、裏層3とは接着剤で張り合わせて固定されている。そして、この靴中敷1に本発明の消臭液を含ませると、特に表層2は防臭性、消臭性機能を発揮し、この表層2が吸った足裏の汗を裏層3に落して、拡散する。なお、この靴中敷は、本実施形態では2層としたが、これに限らず、1層、3層以上のものとしてもよい。
【0012】
次に、この第1の実施形態に係る靴中敷1に使用される消臭液について、説明する。初めに、収穫直後の生朝鮮人参を水洗いした後、よく水切りし、アルコール消毒する。このように処理された、例えば300グラム程度生朝鮮人参をすり潰してできたエキスと繊維状のもの全てを目の細かい網袋の中に入れた状態で、例えば3リットル程度の水の中に入れ、数回に分けてときどき攪拌をして、雑菌が発生しないように、1週間程度冷蔵庫の冷蔵室に入れて冷蔵保存する。この冷蔵する間にも時々、攪拌するが、この冷蔵保存を通じて、徐々に水分が蒸発し、濃くなる。この場合、特に冬季などには、必ずしも冷蔵しなくともよい。
【0013】
なお、前記水として、滅菌又は殺菌された中性の精製水を使用するが、例えばイオン交換膜樹脂により精製し、濾過後UV(紫外線)殺菌した精製水を使用する。
【0014】
そして、この1週間程度、冷蔵保存された液体は、薄いクリーム色を帯びて、淡い酸味の芳香を放つ状態となる。この状態が成分が一部凝固し始める直前の状態で、飽和水溶液の状態である。
【0015】
このようにしてできた飽和水溶液である防臭用、消臭用液体を、一足分の靴中敷1の表層2に含ませるが、それぞれに40ml(ミリ・リットル)程度含ませ、冷蔵乾燥させる。この含ませる程度は、靴中敷1の構造や大きさ等にもよるが、防臭用、消臭用液体が靴中敷1からにじみ出はじめる程度である。
【0016】
そして、この乾燥により、使用できるように出来上がった靴中敷1を、靴の中に入れて使用することができる。そして、この靴中敷1を1週間ほど使用し続けると、靴や使用者の足の裏は不快な臭いが消えることとなる。更に、2〜3ケ月間、使用し続けると、靴中敷1も形が崩れたりするので、この靴中敷を靴から取出して、使用をやめることとなるが、この不使用状態の期間が1年半程度であれば、まだ効果が持続することとなる。即ち、靴や使用者の足は、不快な臭いが消え、ほとんど無臭の状態が維持される。
【0017】
なお、上述したように作られた飽和水溶液の状態の防臭用、消臭用液体は2〜3ケ月経過すると、効果も期待できない状態となり、芳香を失い、前述した飽和水溶液は薄いクリーム色から薄茶色へと変わり、やがて半年経過頃には黒茶色に向かう。この2〜3ケ月経過した防臭用、消臭用液体を使用しても、使用効果が2〜3週間程度しか持続しなくなり、さほど効果も期待できない。
【0018】
また、同じく上述したように作られた飽和水溶液の状態の防臭用、消臭用液体を約5倍程度に薄めて使用した場合にも、使用効果が2〜3週間程度しか持続しなくなり、さほど効果も期待できない。
【0019】
次に、第2の実施形態に係る靴中敷1の表層2の製造方法について、説明する。初めに、第1の実施形態においては、収穫直後の生朝鮮人参を所定の処理をした後、生朝鮮人参をすり潰して飽和水溶液を作って使用したが、この第2の実施形態では、乾燥された朝鮮人参を使用する。
【0020】
この乾燥された朝鮮人参を水洗いした後の処理は、第1の実施形態と同様に行うため、説明は省略するが、前述したような精製水に入れて攪拌したときから、芳香は無く、薄い茶色である。
【0021】
このようにしてできた、飽和水溶液である防臭用、消臭用液体は、第1の実施形態で作った飽和水溶液である防臭用、消臭用液体を5倍程度に薄めた場合や、作製してから2〜3ケ月経過した場合と同様に、使用効果が2〜3週間程度しか持続しなくなり、さほど効果も期待できない。
【0022】
なお、第1又は第2の実施形態で作った防臭用、消臭用液体は、殺菌・抗菌効果はなく、消臭効果は殺菌・抗菌作用によるものではないかと考えられる。また、防臭用、消臭用液体は、以上のような靴中敷に限らず、他の製品、例えばスリッパや靴等にも使用でき、同様に防臭、消臭効果が得られるものである。
【0023】
また、生朝鮮人参をすり潰してできた液体を、靴中敷1に直接、含ませてもよく、同様な効果を得られるものと期待できるが、製造コストが高価なものとなる。
【0024】
以上のように本発明の防臭用、消臭用液体は、製作が簡単で、防臭性、消臭性に優れ、またこの防臭用、消臭用液体を含ませることにより長期間の使用ができる防臭性、消臭性に優れた靴中敷を簡単に作製できる。
【0025】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】靴中敷の斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 靴中敷
2 表層
3 裏層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生朝鮮人参をすり潰して水に入れ、攪拌をして作製したことを特徴とする消臭液。
【請求項2】
生朝鮮人参をすり潰して水に入れ、攪拌をして、冷蔵保存して作製したことを特徴とする消臭液。
【請求項3】
生朝鮮人参をすり潰して水に入れ、攪拌をして、冷蔵保存して飽和水溶液の状態にして作製したことを特徴とする消臭液。
【請求項4】
前記水は、滅菌又は殺菌処理された精製水であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の消臭液。
【請求項5】
靴の中に敷かれて使用される靴中敷であって、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の前記消臭液を含ませたことを特徴とする靴中敷。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2010−46144(P2010−46144A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210930(P2008−210930)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(508251450)
【Fターム(参考)】