説明

消臭液

【課題】 長期間安定して消臭効果を発揮する消臭液及び消臭液を使用した靴の中敷や臭わない靴等の提供
【解決手段】 ケイ酸系セラミックスパウダー、干しアミエキス、水系結着樹脂溶液を含有する消臭液を靴の中敷や靴の内部やサンダルの中敷に塗布することにより、臭わない靴等を作ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として靴の中敷(靴の使用者により挿入される中敷を以下、靴の中敷と言う)および靴内部に使用されている中底(靴に足を挿入した時足裏が直接接する部材)等に使用する消臭液に関する。
【背景技術】
【0002】
現存する消臭機能付き靴としては靴の中敷に、主として活性炭(特許文献1、特許文献2)、を使用したものがある。また靴の中敷として主として金属イオン等が用いられているもの(特許文献3)がある。
【特許文献1】実開平6−24507公報
【特許文献2】第3024325号公報
【特許文献3】実開平5−86207公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1や特許文献2に記載されている活性炭を用いる方法は、使用する靴の中敷に特殊な加工や工法が必要である。また特許文献3に記載されている銀や銅を用いる方法は表面から汚染されたり、酸化されたりすると効果が落ちてしまう。発明の目的は、長期にわたり消臭効果が続き、しかも特殊加工を必要しない靴の中敷及び靴、サンダルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は従来の欠点を克服し簡便で効果が持続する消臭液を説意研究し発明を完成した。すなわち、本発明はケイ酸系セラミックスパウダー、干しアミエキス、水系結着樹脂、水系媒体を含有する消臭液である。
【0005】
本発明に用いられるケイ酸系セラミックスパウダーはSiO,Alを主成分とする基材にしてCoOを含有する上薬を塗布した後、焼結粉砕して得られたケイ酸系セラミックスパウダーが用いられる。
【0006】
本発明に用いられる干しアミエキスは淡水に生息するアミを乾燥さて製造した干しアミより抽出した干しアミエキスが用いられる。
【0007】
本発明に用いられる水系結着樹脂は水系ポリウレタン樹脂が用いられる。
【0008】
本発明に用いられる水系媒体は水が用いられる
【0009】
ケイ酸系セラミックスパウダー(以下aと言う)、干しアミエキス(以下bと言う)、水系結着樹脂(以下cと言う)の割合はa:b:c=1:0.02〜0.5:0.3〜0.8であり、水系媒体(以下dと言う)との割り合いは(a+b+c):d=1:0.3〜2.0の割合で用いられる。
【0010】
靴の中敷(靴の使用者により挿入される中敷を以下、靴の中敷と言う)に用いられる。
【0011】
靴の中底(靴に足を挿入した時足裏が直接接する部材)に用いられる。
【0012】
サンダルの中敷(サンダルを履いた時足裏が直接接する部材)に用いられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の消臭液は、簡便な工法で使用でき、本発明の消臭液を使用した靴の中敷は安全で長時間消臭効果を発揮できる。靴の中敷等に使用する材料としては、布、フェルト、紙、コルク、木材、竹、革、樹脂等がある。この材料等の両面に塗布してもかまわないが、片面に塗布するだけで塗布面が足側でも靴側でも同等の消臭効果を発揮するので片面だけで充分である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に用いられるケイ酸系セラミックスパウダーとしてはSiO(73±4)Wt%,Al(15±4)Wt%,Fe(5±4)Wt%,LiO(3±2)Wt%,残部にMgO,CaOを含む基材表面に、SiO(70±4)Wt%,Al(15±4)Wt%,Fe(5±4)Wt%,LiO(3±2),CoO(3±0.5)Wt%,残部にKO,CaO,SeOを含む上薬を塗布し、1250度以下の低温度焼結体にし、それを粉砕したケイ酸系セラミックスパウダー、具体的にはフレッシュアップフレッシュパウダー(株式会社エフ・ユー・エフ社製)等が好ましく用いられる。
【0015】
本発明に用いられる干しアミエキスは特に限定されないが淡水のアミは甲殻類には属さないので淡水に生息するアミを乾燥させ製造した干しアミより抽出したアミエキスは、甲殻類にアレルギー反応を示す人にも使用できるので好ましい。淡水のアミは捕獲後体内に残る汚れた物質を排泄させる為綺麗な真水で飼育したのち乾燥させ、真水にて煮詰めエキスを抽出し用いられる。干しアミエキス(株式会社エフ・ユー・エフ社製)等が好ましく用いられる。
【0016】
本発明に用いられる水系結着樹脂としては水系ポリウレタン樹脂が好ましく用いられ。水系結着樹脂は通常水などの水系媒体に溶解又は混濁された状態(以下水系結着樹脂溶液と言う)で使用される。代表的なものとして、水系ポリウレタン樹脂量約40%の水系結着樹脂溶液エバファノールHA−107C(日華化学製)等が好ましく用いられる。
【0017】
水系ポリウレタン樹脂溶液エバファノールHA−107C(日華化学製)にはケイ酸系セラッミスパウダーを水系ポリウレタン樹脂溶液中の水系結着樹脂量より多く混合できる。ケイ酸系セラッミスパウダー200gを水系ポリウレタン樹脂溶液エバファノールHA−107C(日華化学製)200g(水系結着樹脂量約80g)に混合できた。この混合液は靴の中敷として市販のポリエステル製フェルト品等に好ましく用いられる。
【0018】
水系結着樹脂溶液中の水系結着樹脂と水系媒体の混合割合は靴、靴の中敷、サンダル等に使用される材料(靴、靴の中敷、サンダル等を構成する材料で足の直接接する部材)により選択される。水系結着樹脂溶液中の水系結着樹脂の種類により混合できるケイ酸系セラッミスパウダーの量が異なる。
【0019】
水系結着樹脂溶液はケイ酸系セラッミスパウダーや干しアミエキスを材料に定着させるために使用される。その使用量は材料の種類やケイ酸系セラッミスパウダーの種類によって異なる。材料の種類により水系結着樹脂溶液中の水系結着樹脂が選定される。
【0020】
本発明消臭液を塗布した靴では、靴を構成する部材のどの部分でもかまわないが塗布面積の大きい靴の中底の裏側に塗布する事が消臭液塗布面の汚れと塗布面の磨耗を回避できるので好ましい。
【0021】
本発明消臭液を塗布した靴の中敷では、塗布量が一定量であれば塗布形態に消臭効果は影響を受けない。靴の中敷片足に塗布する形態において。塗布形態1均一に塗布。塗布形態2上半分に塗布。塗布形態3下半分に塗布。塗布形態4右半分に塗布。塗布形態5左半分に塗布。塗布形態6縦じま模様に塗布。塗布形態7横じま模様に塗布。塗布形態8水玉模様に塗布。塗布形態9中心部に塗布。塗布形態10周辺部に塗布。塗布形態11ランダムに塗布。塗布量が同じであれば塗布形態が異なっても消臭効果には違いが生じない。靴の中敷の裏側に塗布する事が消臭液塗布面の汚れと塗布面の磨耗を回避できるので好ましい
【0022】
本発明消臭液を塗布した靴、靴の中敷、サンダル等においても本発明消臭液の塗布量が同一であれば塗布形態に関わり無く同等の消臭効果を発揮する。
製造法
本発明消臭液を製造するには、水系結着樹脂溶液にケイ酸系セラッミスパウダーを加え攪拌し均一にした後干しアミエキスを加え更に攪拌して製造する事が好ましい。
製造を変えてケイ酸系セラッミスパウダーに干しアミエキスを加えて攪拌し、水系結着樹脂溶液を加えて攪拌した場合にはケイ酸系セラッミスパウダーの種類によっては均一に拡散されにくい場合がある。
水系結着樹脂溶液、ケイ酸系セラッミスパウダー、干しアミエキスを一緒に攪拌した場合も同様である。
〔実施例1〕
【0023】
水系ポリウレタン樹脂溶液(エバファノール)HA−107C(日華化学製)200gに対し、ケイ酸系セラッミスパウダー(フレッシュアップフレッシュパウダー)(株式会社エフ・ユー・エフ社製)200gを加え常温で攪拌し均一にした後干しアミエキス(株式会社エフ・ユー・エフ社製)4gを加え更に均一に攪拌して本発明の消臭液を作成した。
【0024】
本発明の消臭液を市販の靴の中敷の裏面(靴の中に敷いた時、足裏のあたらない面)に1枚あたり10gを塗布形態1は均一に塗布した。裏面に塗布することで消臭面が汚れないなので、消臭効果が長時間持続した。72時間連続して靴を履き続けても靴下が臭うことはなかった。
〔実施例2〕
【0025】
実施例1と同じ条件で作成した消臭液を実施例1と同量靴の中敷に塗布形態を変えて塗布し消臭効果の検証を行った。塗布形態2から塗布形態11までどの形態でも基準量が塗布せれていれば実施例1と同様72時間連続して靴を履き続けても靴下が臭うことはなかった。
〔比較例〕
【0026】
実施例1と同じ条件で干しアミエキスを混合しない消臭液を作成した。この消臭液を市販の靴の中敷の裏面に実施例1と同量塗布し消臭効果の持続性を確認した。72時間連続して靴を履きつづけるテストでは靴下に臭気が残った。
【産業上の利用可能性】
【0027】
靴の中敷の他、靴の内張り材料(足裏の接しない面)や中底(足裏の直接接する材料)、サンダルの中敷(足裏の直接接する材料)に塗布すれば、臭いの残らない靴、サンダルを作る事ができる。例えば子供用運動靴に用いれば長時間履いても靴下に臭いが残らず、親にも子供にと喜ばれる。洗濯のし難い長靴や安全靴に用いればその有効性がより発揮される。
【0028】
本発明の消臭液は靴、靴の中敷以外にも、シーツ、衣類、ペット用品等に用いることがきる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ酸系セラミックスパウダー、干しアミエキス、水系結着樹脂、水系媒体を含有する消臭液。
【請求項2】
SiO,Alを主成分とする基材にしてCoOを含有する上薬を塗布した後、焼結粉砕して得られたケイ酸系セラミックスパウダーである請求項1記載の消臭液。
【請求項3】
干しアミエキスが淡水に生息するアミを乾燥さて製造した干しアミより抽出した干しアミエキスである請求項1記載の消臭液。
【請求項4】
水系結着樹脂が水系ポリウレタン樹脂である請求項1記載の消臭液。
【請求項5】
ケイ酸系セラミックスパウダー(以下aと言う)、干しアミエキス(以下bと言う)、水系結着樹脂(以下cと言う)の割り合いはa:b:c=1:0.02〜0.5:0.3〜0.5であり、水系媒体(以下dと言う)との割り合いは(a+b+c):d=1:0.3〜2.0である請求項1記載の消臭液。
【請求項6】
請求項1記載の消臭液を塗布した靴の中敷。
【請求項7】
請求項1記載の消臭液を靴の内部に塗布した靴。
【請求項8】
請求項1記載の消臭液を塗布したサンダル。

【公開番号】特開2010−36010(P2010−36010A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225273(P2008−225273)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(307033073)有限会社DREAM ENERGY (3)
【Fターム(参考)】