説明

消臭装置

【課題】コンパクトであって例えば冷蔵庫や下駄箱内に配置してもスペースを大きく低減することがない上に、消臭性能にも優れた消臭装置を提供する。
【解決手段】この発明の消臭装置1は、構成壁の少なくとも一部に通気開口部11aが設けられた断面形状が扁平な第1消臭容器2と、第1消臭容器2の内部に配置された第1消臭体と、構成壁の少なくとも一部に通気開口部13aが設けられた断面形状が扁平な第2消臭容器3と、第2消臭容器3の内部に配置された第2消臭体とを備え、第1消臭容器2の一端部と第2消臭容器3の一端部とが回動可能に連結され、該回動により、第1消臭容器2と第2消臭容器3とが互いに向き合って重なる折り畳み状態及び第1消臭容器2と第2消臭容器3とが互いに略直交する開き状態のいずれの状態にも移行できるものとなされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、冷蔵庫、下駄箱、トイレ等の内部空気の消臭、或いは室内の空気の消臭等に用いられる消臭装置に関する。
【0002】
なお、この明細書及び特許請求の範囲において、消臭容器の断面形状が扁平な矩形状である場合、対向間隔の短いほうの一対の構成壁の一方を「表壁」、他方を「裏壁」と呼称するものとする。また、消臭容器の断面形状が扁平な略矩形状またはこれに近似した形状である場合でも同様である。
【背景技術】
【0003】
冷蔵庫や下駄箱内に配置されて消臭を行う消臭装置としては、直方体、立方体、半円球等の三次元立体的形状の通気性容器内に活性炭等の消臭剤を収容してなるものが公知である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−169931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の消臭装置では、消臭剤を収容した容器の形状は、直方体、立方体、半円球等の三次元立体的形状であることから、例えば冷蔵庫内に配置したときに食品等を置くスペースが大きく縮減される、或いは下駄箱内に配置したときに靴を収納するスペースが大きく縮減されるという問題があった。
【0006】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、コンパクトであって例えば冷蔵庫や下駄箱内に配置してもスペースを大きく低減することがない上に、消臭性能にも優れた消臭装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0008】
[1]構成壁の少なくとも一部に通気開口部が設けられた断面形状が扁平な第1消臭容器と、構成壁の少なくとも一部に通気開口部が設けられた断面形状が扁平な第2消臭容器とが互いに略直交する平面視略L字状に連結され、前記第1消臭容器の内部及び第2消臭容器の内部に消臭体が配置されていることを特徴とする消臭装置。
【0009】
[2]構成壁の少なくとも一部に通気開口部が設けられた断面形状が扁平な第1消臭容器と、
前記第1消臭容器の内部に配置された第1消臭体と、
構成壁の少なくとも一部に通気開口部が設けられた断面形状が扁平な第2消臭容器と、
前記第2消臭容器の内部に配置された第2消臭体とを備え、
前記第1消臭容器の一端部と前記第2消臭容器の一端部とが回動可能に連結され、該回動により、前記第1消臭容器と前記第2消臭容器とが互いに向き合って重なる折り畳み状態及び前記第1消臭容器と前記第2消臭容器とが互いに略直交する開き状態のいずれの状態にも移行できるものとなされていることを特徴とする消臭装置。
【0010】
[3]前記第1消臭容器の裏壁の外面及び前記第2消臭容器の裏壁の外面は、断面形状が一端側から他端側に向けて中間部で外方に隆起する略円弧面に形成されている前項1または2に記載の消臭装置。
【0011】
[4]前記第1消臭容器の表壁の内面又は/及び裏壁の内面に内方に向けて突出するリブが設けられ、前記第2消臭容器の表壁の内面又は/及び裏壁の内面に内方に向けて突出するリブが設けられている前項1〜3のいずれか1項に記載の消臭装置。
【0012】
[5]前記消臭体として消臭シートが用いられている前項1〜4のいずれか1項に記載の消臭装置。
【0013】
[6]前記消臭体として略波板状の消臭シートが用いられている前項1〜4のいずれか1項に記載の消臭装置。
【0014】
[7]前記消臭シートが、消臭剤を付着させた活性炭混抄紙である前項5または6に記載の消臭装置。
【0015】
[8]前記第1消臭容器の通気開口部は、該第1消臭容器の表壁に設けられた多数個の通気孔と、第1消臭容器の裏壁に設けられた多数個の通気孔とを含み、
前記第2消臭容器の通気開口部は、該第2消臭容器の表壁に設けられた多数個の通気孔と、第2消臭容器の裏壁に設けられた多数個の通気孔とを含む前項1〜7のいずれか1項に記載の消臭装置。
【発明の効果】
【0016】
[1]の発明では、断面形状が扁平な第1消臭容器と断面形状が扁平な第2消臭容器とが互いに略直交する平面視略L字状の状態で連結されているから、コンパクトであって例えば冷蔵庫や下駄箱内に配置しても収納スペースを大きく低減することがない。例えば、この消臭装置を冷蔵庫、下駄箱内の奥側のコーナー部に立て掛けるように配置すれば(図10参照)、冷蔵庫内に配置したときには食品等を置くスペースを大きく低減することがなく十分な収納スペースを確保できるし、下駄箱内に配置したときにも靴を収納するスペースを大きく低減することがなく十分な収納スペースを確保できる。また、第1消臭容器及び第2消臭容器のいずれにもその構成壁の少なくとも一部に通気開口部が設けられているから、消臭対象の空気が消臭容器内の消臭体と接触することができ、十分な消臭性能を確保できる。
【0017】
なお、[1]の発明において、第1消臭容器の内部空間と第2消臭容器の内部空間は連通状態に構成されていても良いし、それぞれが独立空間をなす非連通状態に構成されていても良い。即ち、[1]の発明は、これらいずれの構成も包含する。
【0018】
また、[1]の発明において消臭体として消臭シートを用いる場合において、1枚の消臭シートが前記第1消臭容器の内部と第2消臭容器の内部に跨って略L字状に配置された構成であっても良いし、前記第1消臭容器の内部に第1消臭シートが配置される一方、前記第2消臭容器の内部に第2消臭シートが配置された構成であっても良い。即ち、[1]の発明は、これらいずれの構成も包含する。
【0019】
[2]の発明では、第1消臭容器及び第2消臭容器のいずれにもその構成壁の少なくとも一部に通気開口部が設けられているから、消臭対象の空気が消臭容器内の消臭体と接触することができ、十分な消臭性能を確保できる。また、第1消臭容器の一端部と第2消臭容器の一端部とが回動可能に連結され、該回動により、第1消臭容器と第2消臭容器とが互いに向き合って重ねられる折り畳み状態及び第1消臭容器と第2消臭容器とが互いに略直交する状態になる開き状態のいずれの状態にも移行できるものとなされているから、例えば販売商品としてこの消臭装置を折り畳み状態で包装することが可能である一方、使用時においては前記開き状態にして例えば冷蔵庫や下駄箱内に配置することができる。しかして、第1消臭容器及び第2消臭容器のいずれも断面形状が扁平な形状であるから、この消臭装置を前記開き状態にして例えば冷蔵庫、下駄箱内の奥側のコーナー部に立て掛けるように配置すれば(図10参照)、冷蔵庫内に配置したときには食品等を置くスペースを大きく低減することがなく十分な収納スペースを確保できるし、下駄箱内に配置したときにも靴を収納するスペースを大きく低減することがなく十分な収納スペースを確保できる。即ち、コンパクトであって例えば冷蔵庫や下駄箱内に配置しても収納スペースを大きく低減することがない。
【0020】
[3]の発明では、第1消臭容器及び第2消臭容器の裏壁の外面は、いずれも断面形状が一端側から他端側に向けて中間部で外方に隆起する略円弧面に形成されているから、この消臭装置を例えば冷蔵庫、下駄箱内の奥側のコーナー部に立て掛けるように配置すれば、消臭容器の裏壁と、冷蔵庫や下駄箱の内壁面との間に空気が流れる隙間を確保することができて、該裏壁に設けられた通気開口部から空気が消臭容器内に十分に入ることができるので、消臭効率をより向上させることができる。また、略円弧面に形成されていることで、消臭容器の裏壁と冷蔵庫や下駄箱の内壁面との間の隙間における空気の流れがよりスムーズになるので、消臭効率をさらに向上させることができる。
【0021】
[4]の発明では、第1消臭容器の表壁の内面又は/及び裏壁の内面に内方に向けて突出するリブが設けられ、第2消臭容器の表壁の内面又は/及び裏壁の内面に内方に向けて突出するリブが設けられているから、消臭体(消臭シート等)と消臭容器の内面との間に隙間を十分に確保することができて、消臭効率をさらに向上させることができる。
【0022】
[5]の発明では、消臭体として消臭シートが用いられているから、消臭剤粒子を用いる場合と比べて、消臭容器への組み込み(充填)が簡便であり、消臭容器の通気開口部からの消臭体の脱落がないという利点がある。
【0023】
[6]の発明では、消臭体として略波板状の消臭シートが用いられているから、消臭体の表面積を増大させることができ、消臭効率をより一層向上させることができる。
【0024】
[7]の発明では、消臭シートとして、消臭剤を付着させた活性炭混抄紙が用いられており、消臭シートのシート部材として混抄紙が用いられているので空気との接触表面積を大幅に増大させることができ、これにより消臭効率をさらに向上させることができる。また、活性炭の存在により消臭効果において速効性を十分に発揮させることができる。
【0025】
[8]の発明では、第1消臭容器と第2消臭容器のいずれにおいてもその表裏の両壁に多数個の通気孔が設けられているから、消臭容器内への空気の移動量(導入量)を増大させることができ、消臭効率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の一実施形態に係る消臭装置の折り畳み状態を示す斜視図である。
【図2】図1の消臭装置の開き状態を示す斜視図である。
【図3】(イ)は図1におけるX−X線の断面図(消臭容器の長さ方向に沿って切断した断面図)、(ロ)は図2におけるY−Y線の断面図(消臭容器の長さ方向に沿って切断した断面図)である。
【図4】図1の消臭装置を構成部材に分離した状態で示す斜視図である。
【図5】第1表側半体を示す内方側からの斜視図である。
【図6】第2表側半体を示す内方側からの斜視図である。
【図7】この発明の他の実施形態に係る消臭装置の開き状態を示す斜視図である。
【図8】この発明のさらに他の実施形態に係る消臭装置を構成部材に分離した状態で示す斜視図である。
【図9】この発明のさらに他の実施形態に係る消臭装置を示す斜視図である。
【図10】この発明に係る消臭装置の使用状態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
この発明に係る消臭装置1の一実施形態を図1〜4に示す。この発明の消臭装置1は、断面形状が扁平な略矩形状の第1消臭容器2と、該第1消臭容器2の内部空間に配置された第1消臭体(第1消臭シート)4と、断面形状が扁平な略矩形状の第2消臭容器3と、該第2消臭容器3の内部空間に配置された第2消臭体(第2消臭シート)5とを備えてなる。
【0028】
前記第1消臭容器2は、扁平な略直方体形状であり、合成樹脂製の第1表側半体6と合成樹脂製の第1裏側半体7とが嵌合一体化されてなる(図2〜4参照)。前記第1表側半体6は、図4、5に示すように、平面視略矩形状の第1表壁11の四側辺からそれぞれ側壁が連接されて該第1表壁11の対向面側が開口された構成の合成樹脂成形体からなる。前記第1表壁11に多数個の通気孔11aが形成されている。前記第1表壁11の内面における長さ方向の一端縁部に、互いに幅方向に離間した一対の嵌合突起6a、6aが内方に(開口側に)向けて突設されている(図5参照)。また、前記第1表側半体6における長さ方向の他端側の側壁の外面に、互いに幅方向に離間した一対の嵌合突起6b、6bが突設されている(図5参照)。一方、前記第1裏側半体7は、図4に示すように、平面視略矩形状の第1裏壁12の四側辺からそれぞれ側壁が連接されて該第1裏壁12の対向面側が開口された構成の合成樹脂成形体からなる。前記第1裏壁12に多数個の通気孔12aが形成されている。前記第1裏壁12の内面における長さ方向の一端縁部に、互いに幅方向に離間した一対の嵌合孔7a、7aが設けられている。また、前記第1裏側半体7における長さ方向の他端側の側壁の内面に、互いに幅方向に離間した一対の嵌合孔7b、7bが形成されている。しかして、前記第1表側半体6と前記第1裏側半体7とが互いの開口を突き合わせて嵌合一体化されて前記第1消臭容器2が構成されている。即ち、前記第1裏側半体7の嵌合孔7a、7aに前記第1表側半体6の嵌合突起6a、6aが嵌合されると共に、前記第1裏側半体7の嵌合孔7b、7bに前記第1表側半体6の嵌合突起6b、6bが嵌合されることによって、第1表側半体6と第1裏側半体7とが抜け止め状態に嵌合一体化されている(図2、4、5参照)。
【0029】
前記第2消臭容器3は、扁平な略直方体形状であり、合成樹脂製の第2表側半体8と合成樹脂製の第2裏側半体9とが嵌合一体化されてなる(図2〜4参照)。前記第2表側半体8は、図4、6に示すように、平面視略矩形状の第2表壁13の四側辺からそれぞれ側壁が連接されて該第2表壁13の対向面側が開口された構成の合成樹脂成形体からなる。前記第2表壁13に多数個の通気孔13aが形成されている。前記第2表壁13の内面における長さ方向の一端縁部に、互いに幅方向に離間した一対の嵌合突起8a、8aが内方に(開口側に)向けて突設されている(図6参照)。また、前記第2表側半体8における長さ方向の他端側の側壁の外面に、互いに幅方向に離間した一対の嵌合突起8b、8bが突設されると共に、該他端側の側壁に受容凹陥部49が形成されている(図6参照)。一方、前記第2裏側半体9は、図4に示すように、平面視略矩形状の第2裏壁14の四側辺からそれぞれ側壁が連接されて該第2裏壁14の対向面側が開口された構成の合成樹脂成形体からなる。前記第2裏壁14に多数個の通気孔14aが形成されている。前記第2裏壁14の内面における長さ方向の一端側の縁部に、互いに幅方向に離間した一対の嵌合孔9a、9aが設けられている。また、前記第2裏側半体9における長さ方向の他端側の側壁の内面に、互いに幅方向に離間した一対の嵌合孔9b、9bが形成されている。しかして、前記第2表側半体8と前記第2裏側半体9とが互いの開口を突き合わせて嵌合一体化されて前記第2消臭容器3が構成されている。即ち、前記第2裏側半体9の嵌合孔9a、9aに前記第2表側半体8の嵌合突起8a、8aが嵌合されると共に、前記第2裏側半体9の嵌合孔9b、9bに前記第2表側半体8の嵌合突起8b、8bが嵌合されることによって、第2表側半体8と第2裏側半体9とが抜け止め状態に嵌合一体化されている(図2、4、6参照)。
【0030】
前記第1消臭容器2の第1裏壁12の外面は、その断面形状が、容器2の幅方向の一端側から他端側に向けて中間部で外方に隆起する略円弧面に形成されている(図4、10参照)。また、前記第2消臭容器3の第2裏壁14の外面は、その断面形状が、容器2の幅方向の一端側から他端側に向けて中間部で外方に隆起する略円弧面に形成されている(図4、10参照)。
【0031】
前記第1消臭シート4は、図3、4に示すように、略波板状の消臭シート4aの片面に平板状の消臭シート4bが積層一体化されたものからなる。前記第1消臭容器2の内部空間内において、略波板状の消臭シート4aが第1表壁11側に配置され、平板状の消臭シート4bが第1裏壁12側に配置されている(図3、4参照)。
【0032】
前記第2消臭シート5は、図3、4に示すように、略波板状の消臭シート5aの片面に平板状の消臭シート5bが積層一体化されたものからなる。前記第2消臭容器3の内部空間内において、略波板状の消臭シート5aが第2表壁13側に配置され、平板状の消臭シート5bが第2裏壁14側に配置されている(図3、4参照)。
【0033】
本実施形態では、前記消臭シート4a、4b、5a、5bとして、活性炭混抄紙に消臭剤を付着せしめてなるシートが用いられている。
【0034】
前記第1裏側半体7の長さ方向の一端側の側壁31の中間部から略矩形状の突出壁32が延設され、該突出壁32の長さ方向(第1裏側半体7の幅方向)の両端縁から略垂直状に内方に向けて内方突出板33、34が突設されている(図4参照)。前記一方の内方突出板33の中央部に連結用孔21が形成され、前記他方の内方突出板34の中央部に連結用孔22が形成されている(図4参照)。
【0035】
前記第2裏側半体9の長さ方向の一端側の側壁35の中間部に受容凹陥部39が形成されている(図4参照)。即ち、前記側壁35は、その長さ方向(第2裏側半体9の幅方向)の中間部領域が切り欠かれており、該切り欠きの両端縁から前記側壁35に対して略垂直状に内方に向けて内方突出壁36、37が延ばされ、これら内方突出壁36、37の内方側の先端縁同士が内方凹陥側壁部38で連結されることによって、前記受容凹陥部39が形成されている(図4参照)。前記受容凹陥部39は、前記第1裏側半体7の略矩形状の突出壁32を受容し得る大きさ、形状に構成されている(図3参照)。前記一方の内方突出壁36の中央部から第2裏側半体9の幅方向の内方に向けて連結用突起23が突設され、前記他方の内方突出壁37の中央部から第2裏側半体9の幅方向の内方に向けて連結用突起24が突設されている(図4参照)。
【0036】
前記第1消臭容器2の連結用孔21、22と前記第2消臭容器3の連結用突起23、24によって両容器2、3の連結部20が構成されている。即ち、前記第1消臭容器2の内方突出板33、34の連結用孔21、22に、前記第2消臭容器3の内方突出壁36、37の連結用突起23、24が挿嵌されることによって、前記第1消臭容器2の一端部と前記第2消臭容器3の一端部とが回動可能に連結されている。即ち、前記第1消臭容器2と前記第2消臭容器3とが前記連結部20を介して開閉自在に連結されている(図1〜3参照)。
【0037】
しかして、前記消臭装置1は、前記連結部20を備えているから、第1消臭容器2と第2消臭容器3とが互いに向き合って重ねられる折り畳み状態(図1、3(イ)参照)にすることができると共に、第1消臭容器2と第2消臭容器3とを互いに開いていくと、図3(ロ)に示すように、第1消臭容器2の第1裏側半体7の突出壁32の先端縁が第2消臭容器3の第2裏側半体9の内方凹陥側壁部38に当接することによってこれ以上の開き動作が規制されて(制止されて)、第1消臭容器2と第2消臭容器3とが互いに略直交する開き状態(図2、3(ロ)参照)にすることができる。
【0038】
このように、前記消臭装置1は、折り畳み状態及び略直交する開き状態のいずれの状態にも移行できるので、例えばこの消臭装置1を前記折り畳み状態で包装して販売することが可能である一方、使用時においては前記開き状態にして例えば冷蔵庫や下駄箱内に配置することができる。例えば、消臭装置1を前記開き状態にして冷蔵庫、下駄箱等の内部の奥側のコーナー部に立て掛けるように配置すれば(図10参照)、即ち第1消臭容器2の第1裏壁12及び第2消臭容器3の第2裏壁14を冷蔵庫、下駄箱等の内壁面に対向させて又は当接させて奥側のコーナー部に立て掛けるように配置すれば、冷蔵庫内に配置したときには食品等を置くスペースを大きく低減することがなく十分な収納スペースを確保できるし、下駄箱内に配置したときにも靴を収納するスペースを大きく低減することがなく十分な収納スペースを確保できる。勿論、これら冷蔵庫、下駄箱等の(奥側ではない)他のコーナー部に同様に設置しても良く、この場合にも同様の効果を得ることができる。
【0039】
上記実施形態では、消臭容器2、3に設けられた多数個の通気孔11a、12a、13a、14aは、壁11、12、13、14に対して略碁盤目状に整列して配置されていたが、特にこのような配置態様に限定されるものではなく、例えば図7に示すようなデザイン性に優れた配置態様を採用しても良い。
【0040】
また、図8に示すように、前記第1裏側半体7の第1裏壁12の内面に内方に向けて突出するリブ7cを設けても良い。同様に、前記第2裏側半体9の第2裏壁14の内面に内方に向けて突出するリブ9cを設けても良い(図8参照)。このようなリブを設けた場合には、消臭シート4、5と消臭容器2、3の内面との間に隙間を十分に確保できるので、さらに優れた消臭効果を得ることができる。
【0041】
また、上記実施形態では、前記第1消臭容器2の一端部と前記第2消臭容器3の一端部とが回動自在に連結されていたが、特にこのような開閉自在なものに限定されるものではなく、例えば図9に示すように第1消臭容器2と第2消臭容器3とが互いに略直交する平面視略L字状に連結されていて開閉できない(略L字状に固定された)構成であっても良い。
【0042】
また、開閉自在を可能にする構成を採用する場合において、その連結機構は、前記連結部20の構成(連結用孔21、22及び連結用突起23、24)に特に限定されるものではない。
【0043】
また、上記実施形態では、前記第1消臭容器2及び前記第2消臭容器3の幅方向に沿って切断した断面形状は、いずれも扁平な略矩形状であるが、この扁平な略矩形状(矩形状を含む)は、該略矩形状の短辺の長さが長辺の長さの3分の1以下であるのが好ましく、特に好ましいのは4分の1以下である。
【0044】
この発明において、前記第1消臭シート4及び前記第2消臭シート5としては、特に限定されるものではないが、例えば、消臭剤を付着させた繊維質シートを例示できる。
【0045】
前記繊維質シートとしては、特に限定されるものではないが、例えば、紙、不織布シート、織布シート、編布シート等が挙げられる。中でも、前記繊維質シートとしては活性炭混抄紙を用いるのが好ましく、この場合には活性炭の存在により速効性に優れた消臭効果を得ることができる。
【0046】
前記消臭剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、
A)金属フタロシアニン錯体
B)銅や亜鉛の無機塩(例えば硫酸銅、塩化亜鉛等)
C)一級アミン基を有する有機化合物(セバシン酸ジヒドラジド等)
D)ポリカルボン酸(ポリアクリル酸等)
E)リン酸、クエン酸、リン酸塩、クエン酸塩
F)炭酸カリウム
G)炭酸水素ナトリウム
H)炭酸カルシウム
I)銀コロイド
J)アスコルビン酸鉄(II)
等が挙げられる。
【0047】
中でも、前記消臭剤としては、冷蔵庫用途にはA、G及びIの物質を組み合わせて使用するのが好ましく、下駄箱用途にはA、C、D及びHの物質を組み合わせて使用するのが好ましく、トイレ用途にはA、B及びDの物質を組み合わせて使用するのが好ましい。
【0048】
前記第1消臭シート4における消臭剤の担持量は0.5〜5g/m2に設定されるのが好ましい。また、前記第2消臭シート5における消臭剤の担持量は0.5〜5g/m2に設定されるのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
この発明の消臭装置は、冷蔵庫、下駄箱、トイレ等の内部空気の消臭、或いは室内の空気の消臭等に好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0050】
1…消臭装置
2…第1消臭容器
3…第2消臭容器
4…第1消臭シート
4a…略波板状の消臭シート
5…第2消臭シート
5a…略波板状の消臭シート
7c…リブ
9c…リブ
11…第1表壁
11a…通気孔
12…第1裏壁
12a…通気孔
13…第2表壁
13a…通気孔
14…第2裏壁
14a…通気孔
20…連結部
21、22…連結用孔
23、24…連結用突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成壁の少なくとも一部に通気開口部が設けられた断面形状が扁平な第1消臭容器と、構成壁の少なくとも一部に通気開口部が設けられた断面形状が扁平な第2消臭容器とが互いに略直交する平面視略L字状に連結され、前記第1消臭容器の内部及び第2消臭容器の内部に消臭体が配置されていることを特徴とする消臭装置。
【請求項2】
構成壁の少なくとも一部に通気開口部が設けられた断面形状が扁平な第1消臭容器と、
前記第1消臭容器の内部に配置された第1消臭体と、
構成壁の少なくとも一部に通気開口部が設けられた断面形状が扁平な第2消臭容器と、
前記第2消臭容器の内部に配置された第2消臭体とを備え、
前記第1消臭容器の一端部と前記第2消臭容器の一端部とが回動可能に連結され、該回動により、前記第1消臭容器と前記第2消臭容器とが互いに向き合って重なる折り畳み状態及び前記第1消臭容器と前記第2消臭容器とが互いに略直交する開き状態のいずれの状態にも移行できるものとなされていることを特徴とする消臭装置。
【請求項3】
前記第1消臭容器の裏壁の外面及び前記第2消臭容器の裏壁の外面は、断面形状が一端側から他端側に向けて中間部で外方に隆起する略円弧面に形成されている請求項1または2に記載の消臭装置。
【請求項4】
前記第1消臭容器の表壁の内面又は/及び裏壁の内面に内方に向けて突出するリブが設けられ、前記第2消臭容器の表壁の内面又は/及び裏壁の内面に内方に向けて突出するリブが設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の消臭装置。
【請求項5】
前記消臭体として消臭シートが用いられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の消臭装置。
【請求項6】
前記消臭体として略波板状の消臭シートが用いられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の消臭装置。
【請求項7】
前記消臭シートが、消臭剤を付着させた活性炭混抄紙である請求項5または6に記載の消臭装置。
【請求項8】
前記第1消臭容器の通気開口部は、該第1消臭容器の表壁に設けられた多数個の通気孔と、第1消臭容器の裏壁に設けられた多数個の通気孔とを含み、
前記第2消臭容器の通気開口部は、該第2消臭容器の表壁に設けられた多数個の通気孔と、第2消臭容器の裏壁に設けられた多数個の通気孔とを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の消臭装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−15727(P2011−15727A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160714(P2009−160714)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(390014487)住江織物株式会社 (294)
【Fターム(参考)】