説明

消費者向け記録装置の制御

【課題】
本発明は記録制御方法を提供する。
【解決手段】
本発明による記録制御方法は、デジタル番組を表す圧縮デジタルビデオデータと、コピー制御データとを含むトランスポートパケットを受信するステップと、トランスポートパケットからコピー制御データを抽出するステップであって、コピー制御データは、デジタル番組のコピーを制御するデジタルコピー制御情報を表す第1の2ビットフィールド(CGMS−D)と、MACROVISION(登録商標)を用いてアナログ番組のコピーを制御するアナログコピー制御情報を表す第2の2ビットフィールド(APS)とを有し、第1の2ビットフィールドの値は第2の2ビットフィールドの値と異なり得る、前記抽出するステップと、デジタルコピー制御情報によりデジタル番組のコピーを制御するステップと、アナログコピー制御情報によりアナログ番組のコピーを制御するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルオーディオ、ビデオ、及び、データ処理システムを結合するバスインタフェースシステム/装置に係わり、特に、記録装置の制御のためのカップリング信号に関する。
【背景技術】
【0002】
地上波高品位テレビジョン放送用のGrand Alliance HDTVシステム、或いは、一般的にNTSCシステムを利用するDirecTVTM(商標)直接放送衛星テレビジョンシステムのようなデジタル圧縮オーディオ及びビデオ伝送システムの出現によって、実質的にスタジオ品質のオーディオ及びビデオ信号を視聴者に配信することが可能であることが実証された。しかし、このような典型的な品質信号は、例えば、VHS、S−VHS、8mm及びHi−8のような一般的に利用可能な消費者向けアナログ記録フォーマットを用いて後で見るため時間が経過すると直ぐに劣化する。
【0003】
消費者向け品質デジタルビデオ記録カメラ、例えば、DVCの導入は、消費者向けデジタル記録によって実質的に元の素材と識別できないサウンド及びピクチャーの品質が得られることを示す。例えば、D−VHS、ビデオディスク、DVD、デジタルカメラ、スキャナー、コンピュータのような他の消費者向け製品は、サウンド及びピクチャーの品質を元の録音ソースの品質と本質的に一致させたまま多数の世代のデジタル信号のダビング、複写、複製、若しくは、編集を行うデジタル処理能力を備えている。このような消費者向けデジタル機器によって与えられる高いレベルの技術的品質及び性能は、許可されていないコピーによる著作権侵害に関して重要な問題を生じる。“VIDEO HOME RECORDING ACT of 1996”の形で提案された制度は、著作権所有者が著作権保護された素材を視る視聴者の規模を決定し制御するため、デジタルオーディオ/ビデオ信号にコピー防止情報が含まれることを要求する。コピー防止の実施のためには、コピー制御情報が著作権保護された素材と共に、若しくは、著作権保護された素材の中に組み込まれて、引き続く処理手続きの間を通じて維持されることを要求する。また、このようなコピー制御情報は、後の処理の結果として、著作権所有者の知的財産権を制御し続けるように改められてもよい。記録を制御し、記録の次にコピー制御データを改めるため、入力データストリームからコピー制御データを取得するデジタル記録装置は、欧州特許出願公開第0498617号(特許文献1)に記載されている。著作権データ及びコピー制御データを含むPESヘッダを収容するMPEGビットストリームを受容する別のデジタル記録装置は、欧州特許出願公開第0717564号(特許文献2)に記載されている。この記録装置は、コピー防止情報を復号、解読し、それに応じて、記録のためのビットストリームを暗号化する。欧州特許出願公開第0574892号(特許文献3)に記載された第2の実施例は、アナログビデオ信号の垂直帰線消去期間の1水平間隔で重畳された情報を用いるコピー制御に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0498617号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0717564号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0574892号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明による記録制御方法は、デジタル番組を表す圧縮デジタルビデオデータと、コピー制御データとを含むトランスポートパケットを受信するステップと、前記トランスポートパケットから前記コピー制御データを抽出するステップであって、前記コピー制御データは、前記デジタル番組のコピーを制御するデジタルコピー制御情報を表す第1の2ビットフィールドと、MACROVISION(登録商標)を用いてアナログ番組のコピーを制御するアナログコピー制御情報を表す第2の2ビットフィールドとを有し、前記第1の2ビットフィールドの値は前記第2の2ビットフィールドの値と異なり得る、前記抽出するステップと、前記デジタルコピー制御情報により前記デジタル番組のコピーを制御するステップと、前記アナログコピー制御情報により前記アナログ番組のコピーを制御するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の種々の方式を利用する典型的なデジタル受信器及びデジタル複製器の構成図である。
【図2】図2A及び図2Bは、スーパーパケットを利用するバス通信用の本発明の方式を説明する図である。
【図3】図3A及び図3Bは、本発明の方式を含む典型的なバス接続されたデジタルソース及び複製システムを説明する図である。
【図4】本発明の方式を含む典型的なデジタル信号ソース及びアナログ複製装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
Grand Alliance方式HDTV地上波システム及びDirecTVTMシステムは、番組素材をトランスポートパケットで伝送するため、MPEG標準及びMPEG類似標準を利用する。トランスポートパケットは、一体的に多重化され、伝送のため処理される多数の番組を収容する。受信器側で誤り訂正が行われ、ユーザ定義番組パケットストリームは、多重化された番組の混成から分離され、組み立てられる。消費者向けデジタルオーディオ及びビデオ製品、コンピュータ、映像化装置等が次々と出現することにより、相互接続用の簡単な低コスト手段が必要とされる。例えば、直列データバスはIEEEによって標準化され、1394規格として知られている。1394規格は、多数の圧縮デジタルオーディオ、ビデオ、MIDI及び装置制御コマンドを二つの撚り線対形の導体上で多重化する。第3の導体対は、電源グランド用の1個の導体に、電力挿入若しくは電力取得のための選択的なカップリングを与える第2の導体を提供する。
【0008】
装置は、標準化されたコネクタで終端された小型の薄い柔軟性のあるケーブルを用いてデージーチェイン式に相互接続される。簡単化されたバスの一例は、図1のブロック図に示される。米国特許出願第08/292,908号及びPCT出願第PCT/US96/07581及びPCT/US96/07391に記載されている簡単化されたバスは、直列デジタルオーディオ、ビデオ及び制御トランスポートパケットストリームのカップリングを行う。
【0009】
以下、図1に示されたシステムを簡単に説明する。統合形受信器デコーダ(受信器・デコーダ統合体)又はIRD100は、例えば、アンテナ10若しくは図示しないケーブルソースから無線周波信号を受信する。無線周波信号は、ユーザ選択番組を受信するためチューナー11により同調される。チューナー出力信号はパケットソースブロック101に接続され、パケットソースブロック101は変調された伝送信号を復調し、誤り訂正する。パケットソース101からの出力は、ユーザ選択番組トランスポートストリームTPを、受信されたパケット番組中の他の番組ストリームから逆多重化若しくは分離するブロック102に接続される。ユーザ選択トランスポートストリームTPは、MPEG方式復号化のため、表示100用のオーディオ及びビデオ信号を発生するデコーダ109に結合される。
【0010】
逆多重化されたユーザ選択番組トランスポートストリームTPは、図2Bに示されるように、例えば、スーパーパケットとしてブロック108でフォーマット化される。スーパーパケットは、ユーザ選択トランスポートストリームTPと制御データヘッダとを含む。図2Bには、タイプスタンプTSと、コピー制御データビットと、記録装置の再生速度を決めるビットと、将来の使用のため確保された2ビットとを含む32ビットからなる典型的な制御データヘッダが示されている。スーパーパケットSPは、オーディオ及びデータバス500を介して、記録若しくは複製装置200に接続される。
【0011】
データバス500はインタフェースポート102によって受信され、典型的な制御データを読むデマルチプレクサ(DEMUX)30に接続される。コピー制御データビットは、例えば、無制限コピー、単1回コピー複製、又は、コピー禁止のような多数の実現可能な制御条件をアサートする。かくして、要求された制御条件を実現するため、コピー制御データビットは種々の複製装置サブシステムに制御可能式に接続されたコントローラ208に接続される。コピー制御条件から得られた種々の制御局面の詳細な説明は後述する。
【0012】
スーパーパケットSP若しくはSPaは、ブロック206Aでの記録、複製若しくはコピー処理のため接続される。スーパーパケットは、誤り検出及び訂正のため処理され、スペクトルエネルギー内容を修正するため変換される。ブロック206Aからの出力信号ストリームは、媒体299、例えば、磁化可能表面にコピー210を形成するため接続される。記録装置200が再生モードで動作されるとき、コピー210は媒体299から変換され、再生プロセッサ206Bに接続される。再生プロセッサ206Bは、記録信号エンコーディングを基本的に反転し、記録媒体299から発生したコピー210の誤りを検出、訂正する。誤り訂正信号PBSPは、デマルチプレクサ31及びスーパーパケット復元器32に供給される。再生スーパーパケットSBSPの制御データヘッダはデマルチプレクサ31によって読み出され、種々の場所に供給される。ヘッダからのタイムスタンプPBTSは、クロックコントローラ39に供給され、タイムスタンプ値がブロック32からの出力スーパーパケットRSPの出力パケットタイミング又は開始を決めるため利用される。再生され、復元されたスーパーパケットRSPは、AVDバス500を介して統合形受信器デコーダIRD100への伝送用インタフェース102に接続される。
【0013】
通信されるべき信号は、MPEG2ビデオ標準のシステムレイヤ、又は、Grand Alliance信号フォーマットのトランスポートレイヤに規定されるようなトランスポートパケットの形式で供給される。MPEG2ビデオ標準並びにGrand Alliance信号フォーマットのトランスポートレイヤの両方で、トランスポートパケットは、局部システムクロックの元のエンコーダクロック周波数への再同期を許可するタイムスタンプ又はPCRと関連する。したがって、局部システムクロック発生器を同期させた後、トランスポートパケットは、例えば、交換式バス構造及び処理などによる伝送中に累積するジッター若しくはタイミング変動を除去するため処理される。図1において、番組クロック基準PCRは、デマルチプレクサ102によって読み出され、27MHzの公称周波数を備えた同期クロック発生器17に供給される。MPEG標準は、番組クロック基準PCRがトランスポートストリーム内に断続的に出現することを許可する。結果として得られる断続的な発振器同期はMPEG方式デコーディングを行うため完全に適当である。しかし、トランスポートパケットストリームは、例えば、移動伝送から生じ信号フラッタ及び多重路伝送反射を生ずる時間ベース変調を受ける。時間ベース変調は、記録及び再生バッファリング、並びに、機械的不安定性からも生じる。このような時間ベース変動若しくは誤りは、発振器同期レンジ若しくは変化の速度を上回るので、各トランスポートパケットは、中に収容されるトランスポートパケットの出現に特有のタイムスタンプを収容するスーパーパケットを形成する。トランスポートパケット毎にタイムスタンプを設けることにより、望ましくない時間ベース変調が訂正されるようになり、トランスポートパケットが記録されず、或いは、妨害されない場合に復号化されるときと実質的に同じ時間に各トランスポートパケットのデコーダへの配信が容易に行えるようになる。
【0014】
図2Bには、32ビットの制御データヘッダと、GA或いはDirecTVTMシステムの信号を表現する188バイト若しくは144バイトのトランスポートパケットとを含むスーパーパケットが示されている。制御データヘッダは、20ビットのタイムスタンプと6ビットのコピー制御データと、4ビットの再生速度コードと、2ビットの予備データとを含む。タイムスタンプは、特定の時点、例えば、フレームクロックパルスFCの発生時に取られた発振器カウントのサンプルであり、上述の通り、各スーパーパケットに加えられるタイミングジッター及び変動の訂正のため使用される。再生速度コードは、特定の信号が記録若しくは再生されるべき速度を決めるため記録装置によって使用される。再生速度は、記録速度に対し符号化され、読み出され、AVDバスに接続された記録装置によって利用される。再生速度コードの目的は、比較的高いビットレートで記録し、通常のビットレートで再生することである。コピー制御データは、デジタルコピー制御若しくはCGMS−D、アナログコピー制御若しくはCGMS−A、並びに、MACROVISIONTM(商標)によって開発されたアナログAPSシステム用の制御情報の制御を行う3個の2ビット語を含む。以下の表1は6個のコピー制御データビットの割付及び機能を表す。
【表1】

【0015】
種々の機器システムの組合せは、例えば、アナログ若しくはデジタル記録装置・再生装置を含むと考えられ、このような機器は異なるコネクション及び制御能力を有し、記録及び/又は再生モードにおける動作を考察する必要がある。種々の組合せは、一般的に数種類の典型的なシステムに分類される。
【0016】
図1は、デジタル受信器及びディスプレイが簡単なデータバス構造によってデジタル記録装置に接続される第1の典型的なシステムを示す図である。しかし、データバス構造とは無関係に、コピー制御又はCGMSデータは、選択されたパケットストリームから復元若しくは逆多重化され、記録若しくは複製装置に供給するためフォーマット化される必要がある。記録装置若しくは複製装置はフォーマットされたコピー制御ビットを逆多重化若しくは復元し、その中に指定された制御機能を実施する必要がある。図1において、コピー制御データは、ブロック104で選択されたトランスポートパケットストリームから逆多重化され、ブロック105でコピー制御語発生器に供給される。スーパーパケットは、選択されたトランスポートパケットストリームを、ブロック105からのコピー制御語、ブロック107からのタイムスタンプ、及び、ブロック106からの再生速度コードと結合するブロック108でフォーマット化される。
【0017】
上述のように、6ビットコピー制御語は、デジタル及びアナログの両方のシステムの制御を行う。したがって、図1の第1の典型的なシステムの場合、デジタル記録装置200のデマルチプレクサブロック30は、スーパーパケットヘッダのビット6及び7として出現するデジタルコピー制御若しくはCGMS−Dコマンドを取得する。ビット6及び7は、三つの状態、すなわち、無制限コピー許可と、コピー禁止と、1回のみのコピー許可とを定義する。分離されたビット6及びビット7は、記録装置200の種々のサブシステムに制御可能的に接続された制御ブロック208に供給される。CGMS−Dのビット6及び7が無制限にコピーを許可する第1の状態を示すとき、コントローラ208による制御動作は要求されず、コピー210が媒体299上に形成される。
【0018】
CGMS−Dのビット6及び7がコピーを禁止する第2の状態を示すとき、コントローラ208は制御ラインINHを介して記録プロセッサ206Aを禁止状態にする。また、記録装置を通る電子信号路、或いは、EEモードは、ビット6及び7によるコピー禁止に応じて阻止される。コントローラ208は、ユーザ選択番組の禁止された記録状態を示すオンスクリーン表示メッセージを発生させる。オンスクリーン表示メッセージは記録装置200内で発生されてもよく、或いは、IRD100内で発生させても構わない。
【0019】
統合形受信器デコーダ100は、CGMS−Dのビット6及び7を逆多重化し、解釈する。そのため、記録禁止状態が要求されるとき、トランスポートパケット又はスーパーパケットの直列データバスへの接続はIRD100内で阻止される。
【0020】
ビット6及び7によって決まる第3の状態、すなわち、1回だけのコピー許可状態は、コピー制御ビットが記録装置200による複製の前、若しくは、複製と同時に改められることを必要とする。かくして、スーパーパケットヘッダのCGMS−Dコマンドビット7は、表1に示されるように、論理0から論理1に変更される。図1において、デマルチプレクサ30からのスーパーパケットSPは、コントローラ208により発生された制御信号RSに応じてビット7の論理状態を改めるリセットCCブロック204に供給される。かくして、更なるコピーを阻止するCGMS−Dコマンドを含む典型的なスーパーパケットSPの信号コピー210は複製される。
【0021】
他の有利な制御状況において、著作権所有者は、典型的なライブイベントの生の視聴は、ライブイベントの記録によって得られた時間的にシフトした実時間ではない視聴よりも高い価格が付けられる差分的な価格構造を設定する。かくして、CGMS−Dのビット6及び7は、例えば、再生速度領域内の少なくとも1ビット、或いは、予備データビットによって信号通知されたデコーダ抑止と共に、1回だけのコピーを許可する第3の状態を示す。しかし、ユーザ選択番組ストリームに存在する他のコピー制御又は著作権制御データは、例えば、ブロック104で逆多重化される。このようにブロック104からのフィルタ処理若しくは逆多重化処理された制御データは、ディスプレイ99での即時的な実時間視聴のため受信された信号のブロック103による暗号解読若しくはブロック109による復号化を禁止するためコントローラ111に供給される。また、コントローラ111は、この視聴禁止コマンドをデータバス500の制御導体を介して記録装置200RPに通知する。データバス500からの制御コマンドは、信号INHPBによって、入力パケット信号の記録装置出力への電子若しくはEEカップリングを阻止するコントローラ208に供給される。記録されたコピーの再生及び出力データ発生は容易に行われる。その理由は、コピーが埋め込まれた視聴阻止コマンドを含むトランスポートパケットにより構成されるとしても、コピー制御語の典型的なビット7は更なるコピーを禁止するため記録されるときに改められるからである。このようにIRD100は、典型的なビット6及び7の状態を埋め込まれた視聴禁止コマンドと論理的に比較し、再生だけのコピーが実時間ではないディスプレイ99での視聴のため復号化されることを推定する。
【0022】
図3Aは、デジタル記録・再生装置200Pが簡単なデータバス構造を介して、デジタル受信器100及びディスプレイ90に接続される第2の典型的なシステムを機能ブロックとして示す図である。
【0023】
図1に示された機能ブロックと同じ機能を表す図3Aの機能ブロックは同じ番号が付される。図3Aは、図示されない媒体からのコピー210の再生を示し、コピー210は、典型的なスーパーパケットヘッダ及びトランスポートパケットの両方に存在するデジタルコピー制御若しくはCGMS−Dコマンドを含む。
【0024】
コピー制御ビットは上記の3種類の状態を定義する。コピー制御ビットが無制限コピーを許可するとき、制御応答が再生装置200Pによって要求若しくは開始されないことは明らかである。第2及び第3のコピー制御状態は、コピーを排除し、或いは、1回だけのコピーを許可する。しかし、図3Aは再生装置200Pからデジタル受信器100及びディスプレイ99へのコピー210のデジタル再生を示すので、受信器100は複製ができないと考えられ、制御応答は再生装置200Pによって要求若しくは開始されない。
【0025】
しかし、図3Bは、デジタル再生装置200Pとデジタル複製装置200Rの間の相互接続を示し、再生装置200Pによって再生されたビットにより決定されるコピー制御応答の実行を要求する。図3A及び3Bから明らかなように、再生装置200Pは、信号の宛先及び用途、すなわち、図3Aにおける復号化及び視聴化並びに図3Bにおける複製を差別化するためコピー210を変換する。図1を参照して説明したように、デジタル複製装置200Rは、ブロック203に示されるように、典型的なスーパーパケットからコピー制御ビットを逆多重化し、要求されたコピー制御行動をコントローラ208に通信する。かくして、図1に関して説明したように、コピーの夫々のコピー制御ビットが更なるコピーを禁止するよう修正されている場合、コピーは許可、禁止、或いは、1回だけコピー許可される。
【0026】
変換されたコピー210の信号の区別された宛先及びその結果としての用途は、直列データ制御ラインCRLを用いて再生装置200よって決定される方が有利である。例えば、コピー210の再生中に、デマルチプレクサ203は、典型的なパケットヘッダのCGMS−Dビット6及び7を取得し、解釈する。ビット6及び7がコピーを禁止する場合、コントローラ208は、直列データバスを介して供給されるべきトランスポートパケット若しくはスーパーパケットの宛先を決めるため、制御ラインCRLを介してポーリングする。データバスによる制御は周知であり、種々の形式で実現され、例えば、コントローラ208は全てのバスノードからの応答を要求するメッセージを発生し、これにより、制御バスに接続された装置を識別する。かくして、トランスポートパケット若しくはスーパーパケットは、復号化及び可視化のため供給されるが、バスが記録装置に接続することを阻止する。或いは、コントローラ208は、特に、トランスポートパケット若しくはスーパーパケットの宛先として複製を行わない宛先、例えば、デコーダ100/109を指定する。かくして、コピー210はコピーが禁止され、復号化及び可視化のため供給されるが、バス上に存在する装置、例えば、デジタル複製装置200Rの決定に応じたバスカップリングを阻止する。
【0027】
図1、3A及び3Bの説明において、記録又は再生装置は、典型的なパケットヘッダから典型的なコピー制御語を逆多重化し得る場合を想定している。しかし、コピー制御データの逆多重化に失敗、若しくは、逆多重化できない複製装置において、コピー制御管理は制御ラインCRLを用いることによって容易に行われる。図1に関して説明したように、コピー制御データは、ブロック104において、選択された番組ストリームからフィルタ処理、逆多重化される。コピー制御データは、制御ラインCRLを介した周期的なバス伝送のため、コントローラ111に供給してもよい。かくして、コピー制御データは複製装置コントローラ208に供給され、要求されたコピー管理を容易に実現する。1回だけのコピー許可により要求されたコピー制御ビットの更新を行えない複製装置において、複製装置は、制御ラインを介して、正しいコピー制御データ、すなわち、コピー禁止を送信する。制御ライン上のコピー制御データは、周期的に送信され、例えば、毎秒少なくとも1回送信される。複製装置が、制御ラインを介して受信されたコピー制御データと、パケットヘッダから逆多重化されたコピー制御データとの差を決めるとき、複製装置は記録若しくは複製を禁止する。しかし、コピー制御データが所定の時間間隔、例えば、10秒間に亘って制御ラインCRLに存在しないとき、パケットヘッダCGMSデータは正しいと想定され、コピー管理が簡単に行われる。
【0028】
図4には、統合形受信器デコーダ100によってデジタル信号ソースから復号化されたアナログ信号ASに接続されたアナログ記録装置/複製装置300が示されている。アナログタッピングフラグは、典型的なDSSTM(商標)電子番組ガイドから、例えば、ブロック104により逆多重化される。逆多重化されたタッピング若しくはコピー制御データはコントローラ111に接続され、次に、コントローラ111は、例えば、MACROVISIONTM装置のようなコピー防止装置110を用いて、要求されたコピー管理制御を呼び出す。表1に示されるように、アナログCGMS−Aは、同じ3個のコピー条件、すなわち、無制限コピー、コピー禁止、及び、1回だけのコピー許可をCGMS−Dとして与える。
【0029】
無制限コピー許可条件において、アナログ出力信号ASは、信号修正若しくは信号追加を行うことなく、コピー防止ブロック110を通過する。コピーが禁止されているとき、コピー防止ブロック110は、コピーが使用不能になるが、復号化されたアナログ信号のディスプレイ99上での直接的な視聴が依然として行えるように復号化されたアナログ信号ASを修正する。この第3の制御条件、すなわち、1回だけのコピー許可は、コピーの前に、コピーが禁止されている素材を含むコピーを明示するようにアナログ信号ASを修正する。記録禁止は、例えば、ライン21を用いて、アナログ信号の垂直帰線消去期間に符号化される。図4では、逆多重化されたCGMS−Aが垂直帰線消去期間の典型的なライン21として示されるように、或いは、信号ASとして符号化される。アナログ信号ASが複製装置300によって受信されたとき、ライン21はブロック301で逆多重化される。第3のコピー管理条件がコピー制御データコントローラ311から読み出されるとき、ライン21上のデータを修正するマルチプレクサ加算器302が記録禁止状態を反映するようになる。
【0030】
本願発明の他の実施例を下記の通り例示する。
1. トランスポートパケット(101A)に現れる圧縮デジタルビデオ及び制御データ(101A)のソース(101)を処理する装置において、前記ソース(101)に応じて前記トランスポートパケット(101A)からコピー制御データ(104A)を取得する手段(104)と、前記コピー制御データ(104A)に応じてコピー制御語(CC)を発生させる手段(105)と、前記コピー制御語(CC)及び前記トランスポートパケット(TP)を含むスーパーパケット(SP)を形成する手段(108)とを有する装置。
2. 前記コピー制御語(CC)は多数回の複製を許可する制御条件を示す、前記1記載の装置。
3. 前記コピー制御語(CC)は複製を禁止する制御条件を示す、前記1記載の装置。
4. 前記コピー制御語(CC)は1回だけの複製を許可する制御条件を示す、前記1記載の装置。
5. デコーダ(109)は、前記コピー制御データ(104A)に応じて、前記コピー制御データの第1の条件でトランスポートパケット信号の復号化を許可し、前記コピー制御データの第2の条件でトランスポートパケットの復号化を禁止する、前記1記載の装置。
6. 前記スーパーパケット(SP)は、前記トランスポートパケット(TP)と、前記コピー制御語(CC)を含むヘッダとにより構成される、前記1記載の装置。
7. 複製装置(200)を制御するため前記コピー制御語(CC)を供給する手段(151)を更に有する前記1記載の装置。
8. 圧縮デジタルビデオ及び制御データを含むトランスポートパケットを表す信号(101A)を処理する装置において、コピー制御データを含むソーストランスポートパケット(101)が供給され、アナログ信号(112)を復号化する手段(102/109)と、前記ソース(101)に接続され、前記トランスポートパケット(101A)から前記コピー制御データ(104A)を読み出す手段(104)と、前記コピー制御データ(104A)に応じてコピー制御信号(CCS)を形成する手段と、前記コピー制御信号(CCS)を前記アナログ信号(112)と結合する手段とを含む装置。
9. トランスポートパケット(101A)に現れるデジタルビデオ及び制御データを処理する装置において、前記ソースに応じて前記トランスポートパケット(101A)からコピー制御データ(104A)を取得する手段(104)と、第1の条件で前記コピー制御データ(104A)がコピーの許可を表し、コピーのための前記トランスポートパケット(102A)のカップリングが許可され、第2の条件で前記コピー制御データ(104A)はコピーの禁止を表し、コピーのための前記トランスポートパケット(102A)のカップリングが禁止される形で前記コピー制御データ(104A)に応じて、コピーのため前記トランスポートパケット(102A)のカップリングを禁止する手段(111)とを含む装置。
10. 前記第1の条件において、前記コピー制御データ(104A)はコピーの許可を表し、前記制御手段(111)はトランスポートパケットの復号化を禁止する、前記9記載の装置。
11. スーパーパケット(SP)に現れる圧縮デジタルビデオ及び制御データをコピーする装置(200)において、コピー制御語(CC)及びトランスポートパケット(TP)を含む前記スーパーパケット(SP)のソース(102)に応じて、前記スーパーパケット(SP)から前記コピー制御語(CC)を読み出す手段(30)と、前記ソース(102)に接続され、前記スーパーパケット(SP)をコピーする手段(206A)と、前記コピー制御語(CC)に応じて、前記コピー手段(200)を制御する手段(208)とを有する装置。
12. 前記コピー制御語(CC)は多数回のコピーを許可する制御条件を表す、前記11記載の装置。
13. 前記コピー制御語(CC)はコピーを禁止する制御条件を表す、前記11記載の装置。
14. 前記コピー制御語(CC)は1回だけのコピーを許可する制御条件を表す、前記11記載の装置。
15. 1回だけのコピーの許可を表す前記コピー制御語(CC)に応じて、前記制御手段(208)はコピーの禁止を示すため前記コピー制御語を更新する、前記14記載の装置。
16. 1回だけのコピーの許可を表す前記コピー制御語(CC)に応じて、前記制御手段(208)はコピーのため供給されたスーパーパケット(SPa)におけるコピーの禁止を示すため前記コピー制御語を更新する、前記14記載の装置。
17. 前記1回だけのコピー(210)はコピーを禁止するため更新された前記コピー制御語(CC)を含む、前記16記載の装置。
18. 前記コピー手段(200)によって発生されたコピー(210)はスーパーパケット(SPa)及び前記コピー制御語(CC)を含む、前記11記載の装置。
19. 前記コピー制御語(CC)は1回だけのコピーを許可し、前記コピー手段(200)によって発生されたコピー(210)はスーパーパケット(SPa)及びコピーを禁止するコピー制御語(CC)を含む、前記11記載の装置。
20. コピー制御データ(104A)を示す制御信号(CTRL)を受信する手段(102)を更に有する前記11記載の装置。
21. 前記制御手段(208)は、前記コピー制御語(CC)と、前記コピー制御データ(104A)を示す前記制御信号(CTRL)の中の一方に応答する、前記20記載の装置。
22. コピーを禁止するコピー制御語(CC)は、制御信号導体(CRL)に供給する制御信号(CTRL)を発生させる、前記19記載の装置。
23. 前記コピー制御語(CC)に応じて、コピー許可条件中に、信号INHPBは、前記コピー装置(200)からの出力トランスポートパケット信号(PBSP)を抑止する、前記11記載の装置。
24. 前記制御信号(CTRL)に応じて、トランスポートパケット信号の復号化は第1の条件で許可され、トランスポートパケット信号の復号化は第2の条件で禁止される、前記11記載の装置。
25. 前記第2の条件はコピーを許可する、前記24記載の装置。
26. 記録装置(200)を制御する装置(100)において、トランスポートパケット(102A)に現れる圧縮デジタルビデオ及び制御データのソース(101)に応じて、前記トランスポートパケット(102A)からコピー制御データ(104A)を取得する手段(104)と、前記コピー制御データ(104A)に応じて、コピー制御語(CC)を発生させる手段(105)と、前記コピー制御語(CC)に応じて前記記録装置(200)を制御するため、前記コピー制御語(CC)をデータバス(CRL)を介して供給する手段(151)とを有する装置。
27. 前記コピー制御語(CC)は複数の制御条件を表す、前記26記載の装置。
28. 前記記録装置は前記コピー制御語(CC)を周期的に受信し、周期的な受信が無い場合に、前記記録装置(200)はコピー禁止状態であると判定する、前記26記載の装置。
29. トランスポートパケットに現れる圧縮デジタルビデオ及び制御データを記録する装置(200)において、コピー制御語(CC)及びトランスポートパケット(TP)を含むスーパーパケット信号(SP)を受信するため接続された第1の受信手段(102)と、コピー制御データ(104A)を表すデータを含む制御データを受信するため接続された第2の受信手段(102C)と、前記第1の受信手段に接続され、前記スーパーパケットから前記コピー制御語を読み出す手段と、前記第1の受信手段(102)に接続され、前記スーパーパケットをコピーする手段(206A)と、前記読み出す手段(30)及び前記第2の受信手段に接続され、前記コピー制御語(CC)によって表現された情報と、前記コピー制御データ(104A)を表す前記制御データ(CTRL)によって表現された情報との対応関係に応じて、前記コピーする手段(206A)を制御する制御手段(208)とを有する装置。
30. 前記第2の受信手段(102C)は、前記コピー制御データ(104A)を表す前記データ(CTRL)を周期的に受信し、周期的な受信が無い場合に、前記記録装置(200)はコピー禁止状態であると判定する、前記29記載の装置。
31. トランスポートパケット(210A)に現れるデジタルビデオ及び制御データのソース(210)を処理する装置(200P)において、前記ソース(210)に応じて、前記トランスポートパケット(210A)からコピー制御データ(CC)を取得する手段(203)と、宛先の装置を決定し、前記コピー制御データ(CC)に応じて前記トランスポートパケット(SP)の前記宛先へのカップリングを制御する、制御手段(208)とを有し、前記コピー制御データ(CC)がコピー禁止を表すとき、前記制御手段(208)は前記宛先に複製装置が存在することを判定し、前記制御手段(208)は前記トランスポートパケット(SP)の前記宛先へのカップリングを阻止し、第2の条件において、前記制御手段(208)は前記複製装置が存在しないことを判定し、前記制御手段(208)は前記トランスポートパケット(SP)の前記宛先へのカップリングを許可する装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル番組を表す圧縮デジタルビデオデータと、コピー制御データとを含むトランスポートパケットを受信するステップと、
前記トランスポートパケットから前記コピー制御データを抽出するステップであって、前記コピー制御データは、前記デジタル番組のコピーを制御するデジタルコピー制御情報を表す第1の2ビットフィールドと、MACROVISION(登録商標)を用いてアナログ番組のコピーを制御するアナログコピー制御情報を表す第2の2ビットフィールドとを有し、前記第1の2ビットフィールドの値は前記第2の2ビットフィールドの値と異なり得る、前記抽出するステップと、
前記デジタルコピー制御情報により前記デジタル番組のコピーを制御するステップと、
前記アナログコピー制御情報により前記アナログ番組のコピーを制御するステップと、
を含む記録制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−16900(P2010−16900A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241131(P2009−241131)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【分割の表示】特願2009−157514(P2009−157514)の分割
【原出願日】平成9年12月17日(1997.12.17)
【出願人】(391000818)トムソン コンシユーマ エレクトロニクス インコーポレイテツド (166)
【氏名又は名称原語表記】THOMSON CONSUMER ELECTRONICS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】