説明

消費電力制御装置、消費電力制御方法、およびプログラム

【課題】所定エリアの消費電力を計画的に制御すること。
【解決手段】所定エリアにあって、自身の消費電力を計測できる各家電機器と通信ネットワークを介して接続され、所定エリアの消費電力を制御する消費電力制御装置100は、各家電機器から受信した消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶部120と、記憶された時系列の消費電力に基づいて、所定エリアの消費電力推移パターンを学習する消費電力推移学習部130と、学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断するピーク判断部140と、ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する家電機器情報記憶部150と、各家電機器の種別毎に家電機器情報記憶部150取得した制御情報に基づいて、各家電機器の動作を制御する指示を送信する制御指示部160と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定エリア内の家電機器の消費電力を計画的に制御する消費電力制御装置、消費電力制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のエコ意識の高まり等により、家電機器の消費電力を抑える取り組みが行われている。具体的な取り組みとしては、電力会社管内における電力需給の推移や家庭内における消費電力量を、Webサイト等にて表示することが挙げられる。それにより、省エネの意識や電力需給バランスを考慮した家電機器の操作を行うことをユーザに促している。しかしながら、ユーザが意識して、Webサイト等にて電力需給の推移や消費電力量を確認しなければならないという問題点があった。さらに、ユーザがそれらを確認したとしても、電力需給バランスを考慮して、家電機器の操作を行うとは限らないという問題点があった。
【0003】
そこで、電量需給の急増等の事態に対応して、ユーザに対して電力需要の逼迫を確実に通知し、ユーザの緊急性を感じさせ、訴求力が高く、効率的な、家電機器の操作要求を行うことができる電力消費抑制通知システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−044883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、電力供給側における電力供給が逼迫したことに応じて通知を行うために、消費電力を計画的に制御することはできないという問題点があった。また、各家電機器の消費電力をユーザが全て把握することは困難なために、消費電力を削減するために、どの家電機器を操作するのが効果的か判断しにくいという問題点があった。さらには、音声やランプの点灯等、ユーザの緊急性を感じさせる通知を行うことができるが、ユーザが家電機器を操作する必要があるという問題点もあった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、所定エリア内の消費電力の推移を予測し、予測された推移に基づいて、所定エリア内の家電機器の消費電力を制御することにより、所定エリア内の消費電力を計画的に制御する消費電力制御装置、消費電力制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0008】
(1) 本発明は、所定エリア内にあって、自身の消費電力を計測できる各家電機器と通信ネットワークを介して接続され、当該所定エリアの消費電力を制御する消費電力制御装置であって、前記各家電機器から受信した消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶手段(例えば、図2の消費電力記憶部120)と、記憶された時系列の消費電力に基づいて、前記所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する消費電力推移学習手段(例えば、図2の消費電力推移学習部130)と、学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断するピーク判断手段(例えば、図2のピーク判断部140)と、前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する家電機器情報記憶手段(例えば、図2の家電機器情報記憶部150)と、前記各家電機器の種別に対応する制御情報を前記家電機器情報記憶手段から特定し、特定された制御情報に基づいて、前記各家電機器の動作を制御する指示を送信する制御指示手段(例えば、図2の制御指示部160、通信部110)と、を備えることを特徴とする消費電力制御装置を提案している。
【0009】
この発明によれば、消費電力記憶手段は、各家電機器から受信した消費電力を時系列に記憶する。消費電力推移学習手段は、記憶された時系列の消費電力に基づいて、所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する。ピーク判断部手段は、学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断する。家電機器情報記憶手段は、ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する。制御指示手段は、各家電機器の種別に対応する制御情報を家電機器情報記憶手段から特定し、特定された制御情報に基づいて、各家電機器の動作を制御する指示を送信する。したがって、各家電機器から収集した消費電力に基づいて所定エリアの消費電力の推移を予測し、予測された推移に基づいて消費電力の高いピーク時間帯の消費電力を制御することにより、所定エリア内の消費電力を計画的に制御することができる。
【0010】
(2) 本発明は、(1)の消費電力制御装置について、前記ピーク判断手段は、1日を複数区画に分割した各時間帯の中から、学習された消費電力推移パターンに基づいて前記ピーク時間帯、および前記所定のしきい値を超えない時間帯であるオフピーク時間帯を判断し、前記家電機器情報記憶手段は、制御情報として、動作時間のシフト可否を前記家電機器の種別毎に対応付けて記憶し、前記制御指示手段は、前記各家電機器の種別に対応する動作時間のシフト可否を前記家電機器情報記憶手段から特定し、シフト可能と特定された家電機器に対し、当該家電機器が前記ピーク時間帯で動作する際に、前記オフピーク時間帯と判断された時間帯のうち所定の条件に基づいて選択された時間帯に、動作時間をシフトする指示を送信することを特徴とする消費電力制御装置を提案している。
【0011】
この発明によれば、ピーク判断手段は、1日を複数区画に分割した各時間帯の中から、学習された消費電力推移パターンに基づいてピーク時間帯、および所定のしきい値を超えない時間帯であるオフピーク時間帯を判断する。家電機器情報記憶手段は、制御情報として、動作時間のシフト可否を前記家電機器の種別毎に対応付けて記憶する。制御指示手段は、各家電機器の種別に対応する動作時間のシフト可否を家電機器情報記憶手段から特定し、シフト可能と特定された家電機器に対し、家電機器がピーク時間帯で動作する際に、オフピーク時間帯と判断された時間帯のうち所定の条件に基づいて選択された時間帯に、動作時間をシフトする指示を送信する。したがって、動作時間のシフトが可能な家電機器に対し、ピーク時間帯における動作をオフピーク時間帯にシフトすることにより、所定エリア内の消費電力を計画的に制御することができる。
【0012】
(3) 本発明は、(1)または(2)の消費電力制御装置について、前記家電機器情報記憶手段は、制御情報として、前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための設定条件を前記家電機器の種別毎に対応付けて記憶し、前記制御指示手段は、前記家電機器情報記憶手段から設定条件を取得し、当該設定条件が前記家電機器情報記憶手段に記憶されている家電機器に、取得した設定条件に変更する指示を送信することを特徴とする消費電力制御装置を提案している。
【0013】
この発明によれば、家電機器情報記憶手段は、制御情報として、ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための設定条件を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する。制御指示手段は、家電機器情報記憶手段から設定条件を取得し、設定条件が家電機器情報記憶手段に記憶されている家電機器に、取得した設定条件に変更する指示を送信する。したがって、ピーク時間帯において、消費電力を抑制するための設定条件で家電機器を動作させることができ、所定エリア内の消費電力を計画的に制御することができる。
【0014】
(4) 本発明は、(3)の消費電力制御装置について、前記各家電機器は、周囲の環境を計測するセンサを備え、前記設定条件は、前記センサで計測される環境情報に応じて、前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための設定条件であって、前記各家電機器は、前記設定条件、および前記センサで計測された環境情報に基づいて、動作を制御することを特徴とする消費電力制御装置を提案している。
【0015】
この発明によれば、各家電機器は、周囲の環境を計測するセンサを備える。そして、設定条件は、センサで計測される環境情報に応じて、ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための設定条件であって、各家電機器は、設定条件、およびセンサで計測された環境情報に基づいて、動作を制御する。したがって、各家電機器の周囲の環境、例えば、温度や照度に応じた、消費電力を抑制するための設定条件で、家電機器を動作させることにより、所定エリア内の消費電力を計画的に制御することができる。
【0016】
(5) 本発明は、(1)から(4)の消費電力制御装置について、前記家電機器情報記憶手段は、前記制御情報に基づいて、動作を制御した際の前記各家電機器の削減電力を、前記制御情報に対応付けて記憶し、前記制御指示手段は、前記学習された消費電力推移パターンに基づいて取得した前記ピーク時間帯の消費電力が前記しきい値以下になるように、前記家電機器情報記憶手段に記憶されている削減電力に基づいて、前記指示を送信する家電機器を選択することを特徴とする消費電力制御装置を提案している。
【0017】
この発明によれば、家電機器情報記憶手段は、制御情報に基づいて、動作を制御した際の各家電機器の削減電力を、制御情報に対応付けて記憶する。制御指示手段は、学習された消費電力推移パターンに基づいて取得したピーク時間帯の消費電力がしきい値以下になるように、家電機器情報記憶手段に記憶されている削減電力に基づいて、指示を送信する家電機器を選択する。したがって、ピーク時間帯において、しきい値を超えた分の消費電力と削減電力とを考慮して、制御する家電機器を選択することができる。
【0018】
(6) 本発明は、(1)から(5)の消費電力制御装置について、前記消費電力推移学習手段は、日付と曜日との関係を示す日属性情報に基づいて、前記消費電力推移パターンを学習することを特徴とする消費電力制御装置を提案している。
【0019】
この発明によれば、消費電力推移学習手段は、日付と曜日との関係を示す日属性情報に基づいて、消費電力推移パターンを学習する。ここで、日付属性情報とは、例えば、曜日や、平日または休日を特定する情報である。したがって、例えば、曜日毎の消費電力の推移を用いて、所定エリア内の消費電力を制御することにより、制御効率を向上させることができる。
【0020】
(7) 本発明は、(1)から(6)の消費電力制御装置について、前記消費電力制御装置は、家電機器であることを特徴とする消費電力制御装置を提案している。
【0021】
この発明によれば、消費電力制御装置は、家電機器である。したがって、家庭内に備えられた家電機器によって、消費電力を計画的に制御することができる。
【0022】
(8) 本発明は、所定エリアにある各家電機器の消費電力を計測できる電源コンセントと通信ネットワークを介して接続され、当該所定エリアの消費電力を制御する消費電力制御装置であって、前記電源コンセントから受信した前記各家電機器の消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶手段(例えば、図8の消費電力記憶部120)と、記憶された時系列の消費電力に基づいて、前記所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する消費電力推移学習手段(例えば、図8の消費電力推移学習部130)と、学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断するピーク判断手段(例えば、図8のピーク判断部140)と、前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する家電機器情報記憶手段(例えば、図8の家電機器情報記憶部150)と、前記各家電機器の種別に対応する制御情報を前記家電機器情報記憶手段から特定し、特定された制御情報に基づいて、前記各家電機器の動作を制御する指示を送信する制御指示手段(例えば、図8の制御指示部160、通信部110)と、を備えることを特徴とする消費電力制御装置を提案している。
【0023】
この発明によれば、消費電力記憶部は、電源コンセントから受信した各家電機器の消費電力を時系列に記憶する。消費電力推移学習手段は、記憶された時系列の消費電力に基づいて、所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する。ピーク判断部手段は、学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断する。家電機器情報記憶手段は、ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する。制御指示手段は、各家電機器の種別に対応する制御情報を家電機器情報記憶手段から特定し、特定された制御情報に基づいて、各家電機器の動作を制御する指示を送信する。したがって、消費電力を計測できる電源コンセントを用いることにより、各家電機器に新たな機能を備えることなく、各家電機器から消費電力を収集することができる。また、各家電機器から収集した消費電力に基づいて所定エリア内の消費電力の推移を予測し、予測された推移に基づいて消費電力の高いピーク時間帯の消費電力を制御することにより、所定エリア内の消費電力を計画的に制御することができる。
【0024】
(9) 本発明は、所定エリアにあって、自身の消費電力を計測できる各家電機器と通信ネットワークを介して接続され、当該所定エリアの消費電力を制御する消費電力制御装置における電力制御方法であって、前記各家電機器から受信した消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶手段の時系列の消費電力に基づいて、前記所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する第1のステップ(例えば、図6のステップS1)と、学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断する第2のステップ(例えば、図6のステップS2)と、前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する家電機器情報記憶手段から、前記各家電機器の種別に対応する制御情報を特定し、特定された制御情報に基づいて、前記各家電機器の動作を制御する指示を送信する第3のステップ(例えば、図6のステップS3〜S7)と、を備えることを特徴とする消費電力制御方法を提案している。
【0025】
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、各家電機器から受信した消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶手段の時系列の消費電力に基づいて、所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する。次に、第2のステップにおいて、学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断する。そして、第3のステップにおいて、ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する家電機器情報記憶手段から、各家電機器の種別に対応する制御情報を特定し、特定された制御情報に基づいて、各家電機器の動作を制御する指示を送信する。したがって、各家電機器から収集した消費電力に基づいて所定エリア内の消費電力の推移を予測し、予測された推移に基づいて消費電力の高いピーク時間帯の消費電力を制御することにより、所定エリア内の消費電力を計画的に制御することができる。
【0026】
(10) 本発明は、所定エリア内にあって、自身の消費電力を計測できる各家電機器と通信ネットワークを介して接続され、当該所定エリア内の消費電力を制御する消費電力制御装置における電力制御方法を実行させるためのプログラムであって、前記各家電機器から受信した消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶手段の時系列の消費電力に基づいて、前記所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する第1のステップ(例えば、図6のステップS1)と、学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断する第2のステップ(例えば、図6のステップS2)と、前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する家電機器情報記憶手段から、前記各家電機器の種別に対応する制御情報を特定し、特定された制御情報に基づいて、前記各家電機器の動作を制御する指示を送信する第3のステップ(例えば、図6のステップS3〜S7)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0027】
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、各家電機器から受信した消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶手段の時系列の消費電力に基づいて、所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する。次に、第2のステップにおいて、学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断する。そして、第3のステップにおいて、ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する家電機器情報記憶手段から、各家電機器の種別に対応する制御情報を特定し、特定された制御情報に基づいて、各家電機器の動作を制御する指示を送信する。したがって、各家電機器から収集した消費電力に基づいて所定エリア内の消費電力の推移を予測し、予測された推移に基づいて消費電力の高いピーク時間帯の消費電力を制御することにより、所定エリア内の消費電力を計画的に制御することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、所定エリア内の消費電力の推移を予測し、予測された推移に基づいて、所定エリア内の家電機器の消費電力を制御することにより、所定エリア内の消費電力を計画的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る消費電力制御システムの概念図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る家電機器および消費電力制御装置の構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る消費電力テーブルの一例を示す図である。
【図4】消費電力推移パターンの一例をグラフ化した推移グラフを示す。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るシフト可否テーブルおよび設定条件テーブルの一例を示す。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る消費電力制御装置の処理フローを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る消費電力制御システムの概念図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る電源コンセントおよび消費電力制御装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含むさまざまなバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0031】
<第1の実施形態>
図1から図6を用いて本発明の第1の実施形態について説明する。
【0032】
<消費電力制御装置システムの概要>
図1は、本実施形態に係る消費電力制御システム1の概念図である。消費電力制御システム1は、1台以上の家電機器10a〜10cおよび消費電力制御装置100から構成される。家電機器10a〜10cと消費電力制御装置100とは、アクセスポイント50を介して、3GやWiFi等の通信方式により通信を行う。本図において、家電機器10a〜10cは、1軒の宅内にあるが、所定エリア内の複数軒の宅内にあってもよい。また、アクセスポイント50は、宅内であってもよい。さらに、消費電力制御装置100は宅内であってもよく、消費電力制御装置100を、家電機器10a〜10cが設置されているLAN上に設置し、有線または無線により消費電力制御装置100と家電機器10a〜10cとが通信を行ってもよい。
【0033】
本実施形態において、消費電力制御装置100を家電機器10a〜10cとは別に設けているが、消費電力制御装置100の機能を備えた家電機器が消費電力制御装置100として動作してもよい。
【0034】
<家電機器および消費電力制御装置の構成>
図2は、本発明の実施形態に係る家電機器10および消費電力制御装置100の構成図である。
【0035】
家電機器10は、宅内外の電源コンセントから電力を取得し動作する電気機器であって、例えば、エアコン、冷蔵庫、食洗器、照明装置等である。本実施形態において、家電機器10は、計測部11、および通信部12を備える。
【0036】
計測部11は、電流計および電圧計(図示せず)を備え、それらにより、家電機器10の消費電力を所定時間単位に計測する。なお、消費電力を計測するタイミングは、家電機器間で同じである。
【0037】
通信部12は、計測部11で計測された消費電力、消費電力が計測された日時、および種別情報を消費電力制御装置100へ送信する。ここで、種別情報とは、家電機器の種別を識別する情報であって、これにより、家電機器がエアコンか冷蔵庫か等を識別することができる。
【0038】
なお、家電機器10から消費電力制御装置100に種別情報を送信せず、消費電力制御装置100にて、家電機器10から取得した消費電力に基づいて、家電機器10の種類を特定してもよい。家電機器の種類の特定には、家庭全体の消費電力を数時間分記録し、その波形パターンから機器の種類を推定する方法(参考文献:田中昭雄、村越千春、中上英俊:「家庭の電力負荷計測値の要素分解手法について」、エネルギー・資源学会、第12回エネルギーシステム・経済コンファレンス講演論文集pp.91−94)や、家電機器の消費電力の波形を特徴ベクトル化してパターンマッチングを行うとともに、周囲環境をセンサノードで計測することにより機器の種類を特定する方法(参考文献:岩佐淳司、岩田真琴、甲斐正義、島津秀雄、「省電力プラットフォーム「グリーンタップ」の提案(4)〜電力波形および周囲環境情報による家電機器特定手法」、情報処理学会第71回全国大会、2009年3月)等の従来技術を用いて家電機器10の種類を特定する。
【0039】
消費電力制御装置100は、図1に示すように、通信部110、消費電力記憶部120、消費電力推移学習部130、ピーク判断部140、家電機器情報記憶部150、および制御指示部160から構成されている。
【0040】
通信部110は、家電機器10から消費電力、消費電力の計測時間、および種別情報を受信する。また、通信部110は、後述する制御指示部160で決定された指示を家電機器10に送信する。
【0041】
消費電力記憶部120は、通信部110を介して取得した消費電力を、予め決められた所定エリア毎に集計したエリア消費電力を時系列に記憶する消費電力テーブル200を備える。ここで、所定エリアとは、1家庭や複数家庭を含む1地域である。図3は、本発明の本実施形態に係る消費電力テーブル200の一例を示す図である。図3に示すように、消費電力テーブル200は、エリアを一意に特定するエリア201、消費電力の計測日時202、およびエリア消費電力203から構成される。なお、消費電力テーブル200に、日時ともに、平日または休日の情報、または、曜日の情報を含んでもよい。
【0042】
消費電力推移学習部130は、消費電力記憶部120に記憶されている時系列のエリア消費電力に基づいて、所定エリアの1日の電力推移を示す消費電力推移パターンを求める。なお、消費電力推移パターンは、1日の電力推移でなく、2日や3日等複数日の電力推移であってもよい。消費電力推移パターンは、具体的には、指数平滑移動平均を用いて、消費電力記憶部120に記憶されている時系列のエリア消費電力から求められる。指数平滑移動平均を用いることにより、直近のエリア消費電力に重きを置きながら、過去の消費電力推移も含めた、最適な消費電力推移パターンを求めることができる。消費電力推移パターンは、平日と休日に分けてもよいし、曜日毎の分けて求めてもよい。それにより、より最適な消費電力推移パターンを求めることができる。
【0043】
図4に、消費電力推移パターンの一例をグラフ化した推移グラフを示す。図に示すように、横軸に時刻、縦軸に消費電力とし、時間経過に伴う消費電力推移を示す。このグラフにおいて、予め設定されたしきい値を超える時間帯のエリア消費電力を、後述する制御指示部160から家電機器10に送信される制御指示により抑制する。
【0044】
ピーク判断部140は、消費電力推移学習部130で求められた消費電力推移パターンに基づいて、予め1日を複数の区画に分けて、区画毎にピーク時間帯かオフピーク時間帯かを判断する。なお、区画数は任意に設定することができる。また、本実施形態において、ピーク時間帯かオフピーク時間帯を予め1日を複数に分けた区画で特定するが、予め1日を複数区画に分けずに時刻でピーク時間帯かオフピーク時間帯を特定してもよい。
【0045】
ここで、ピーク時間帯とは、予め設定されたしきい値を超える時間帯をいい、一方、オフピーク時間帯とは予め設定されたしきい値を超えない時間帯をいう。例えば、図4に示す図を用いて説明すると、10〜13時の区画210、16〜19時の区画211、および19〜21時の区画212はピーク時間帯と判断され、その他の区画はオフピーク時間帯と判断される。なお、ピーク時間帯を判断するためのしきい値と別に、オフピーク時間帯を判断するしきい値を用いてもよい。
【0046】
家電機器情報記憶部150は、家電機器の種類毎に、ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を記憶する。具体的には、各家電機器の種別に対応する動作時間のシフト可否を記憶するシフト可否テーブル300と、ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための設定条件を記憶する設定条件テーブル400とを備える。ここで、消費電力を抑制するための設定条件とは、例えば、電源のOFFや、家電機器に備えられている省エネモードで利用することや、音量や明るさを普通で利用すること等の、家電機器の動作の際における設定条件である。
【0047】
図5に、本実施形態に係るシフト可否テーブル300および設定条件テーブル400の一例を示す。図5(a)に示すように、シフト可否テーブル300は、種別情報301および家電機器の動作時間のシフトの可否を示すシフト可否302から構成される。本図においては、食洗器と洗濯機はユーザが使用したい時間に必ずしも使用できなくてもよいのでシフト可に、エアコンと照明はユーザが使用したい時間に使用できなくてはいけないのでシフト不可に設定されている。
【0048】
また、図5(b)に示すように、設定条件テーブル400は、種別情報401および設定条件402から構成される。本図においては、冷蔵庫については、「強度を1つ下げる」、エアコンについては、「設定温度を28℃とする」と、消費電力を抑制するための家電機器の設定条件が記憶されている。
【0049】
また、家電機器10が存在する環境を表す指数である環境情報を計測するセンサを備える場合には、設定条件テーブル400に記憶される設定条件を、センサで計測される環境情報に応じて決定する条件にしてもよい。ここで、センサは、例えば、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、人感センサである。また、設定条件を環境情報に応じて決定する条件とは、例えば、エアコンの場合には、「温度センサで計測された室温が27℃未満の場合には電源をOFF、27℃以上の場合には設定温度を27℃とする」や、テレビの場合には、「人が検知されない場合には電源をOFFにする」といったように、センサで計測された環境情報に基づいて、家電機器の設定条件を制御してもよい。
【0050】
さらに、シフト可否テーブル300および設定条件テーブル400は、削減電力を記憶してもよい。ここで、削減電力とは、シフト可否テーブル300においては、動作時間をシフトした際に削減される電力であって、設定条件テーブル400においては、抑制設定にて家電機器が動作した際に削減される電力である。なお。削減電力は、予め設定されているものとする。この削減電力を利用して、後述する制御指示部160で消費電力が、ピーク時間帯を判断する際に用いたしきい値を超えないようにして、動作を制御する家電を選択する。
【0051】
制御指示部160は、所定エリアの家電機器(本実施形態においては家電機器10)に対し、ピーク判断部140で判断されたピーク時間帯およびオフピーク時間帯と、家電機器情報記憶部150に記憶されている、ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報に基づいて、前記各家電機器の動作を制御する指示を送信する。本実施形態において、制御指示部160は、シフト制御指示部161、および設定条件制御指示部162を備える。
【0052】
シフト制御指示部161は、家電機器10の種別情報に基づいて、家電機器情報記憶部150のシフト可否テーブル300からシフト可否を特定する。そして、シフト制御指示部161は、家電機器10がシフト可能な種別である場合に、ピーク判断部140で判断されたピーク時間帯に家電機器10が動作される際に、所定の時間帯に動作をシフトさせる指示を、通信部110を介して家電機器10に送信する。なお、シフト制御指示部161は、シフト先の時間帯を、ピーク判断部140でオフピーク時間帯と判断された時間帯の中から、ランダム関数等を用いて、動作時間をシフトする他の家電機器のシフト先時間帯と重ならないように決定する。一方、家電機器10がシフト可能な種別でない場合には、シフト制御指示部161は、家電機器10に対し、動作時間をシフトさせる指示を行わない。
【0053】
設定条件制御指示部162は、家電機器10の種別情報に基づいて、家電機器情報記憶部150の設定条件テーブル400から設定条件を取得する。そして、設定条件制御指示部162は、家電機器10について制御条件を取得した場合に、ピーク時間帯において、取得した設定条件に動作時の設定条件を変更する指示を、通信部110を介して家電機器10に送信する。一方、家電機器10について設定条件を取得できなかった場合には、設定条件制御指示部162は、家電機器10に動作時の設定条件を変更する指示を行わない。
【0054】
また、家電機器情報記憶部150のシフト可否テーブル300および設定条件テーブル400に削減電力が記憶されている場合には、削減電力に基づいて、動作制御の指示を送信する家電機器を決定する。具体的には、動作制御の指示を送信する家電機器を予め設定された優先順位に従って決定し、決定された家電機器の削減電力の和が、消費電力推移学習部130で学習された消費電力推移パターンから得られるピーク時間帯の消費電力としきい値との差分よりも大きくなるようにする。なお、予め設定された優先順位でなく、削減電力が大きい順や消費電力が大きい順等によって動作制御の指示を送信する家電機器を決定してもよい。
【0055】
<消費電力制御装置の処理>
図6は、本実施形態に係る消費電力制御装置の処理フローを示す図である。本処理フローは、例えば、毎日0時といったように所定の時間に行われるのが望ましい。
【0056】
まず、ステップS1において、消費電力推移学習部130は、各家電機器から受信した消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶部120の時系列の消費電力に基づいて、所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する。
【0057】
次に、ステップS2において、ピーク判断部140は、ステップS1で学習された消費電力推移パターンからピーク時間帯、およびオフピーク時間帯を判断する。
【0058】
次に、ステップS3において、シフト制御指示部161は、家電機器10の種別情報に基づいて家電機器情報記憶部150のシフト可否テーブル300から、家電機器10について動作時間のシフト可否を判断する。シフト可の場合(YES)にはステップS4に処理を進め、一方、シフト不可の場合(NO)にはステップS5に処理を進める。
【0059】
次に、ステップS4において、シフト制御指示部161は、ステップS3でシフト可と判断された場合に、家電機器10に所定の時間帯に動作時間をシフトする指示を通信部110を介して、家電機器10に送信する。
【0060】
次に、ステップS5において、設定条件制御指示部162は、家電機器10の種別情報に基づいて、家電機器情報記憶部150の設定条件テーブル400から設定条件を取得できたか否か判断する。設定条件を取得できた場合(YES)にはステップS6に処理を進め、一方、設定条件を取得できなかった場合(NO)にはステップS7に処理を進める。
【0061】
次に、ステップS6において、設定条件制御指示部162は、ステップS5で設定条件が取得できた場合に、取得した設定条件に変更する指示を通信部110を介して、家電機器10に送信する。
【0062】
次に、ステップS7において、制御指示部160は、所定エリア内の全ての家電機器について、消費電力を抑制するための動作制御の指示を行うか否かの処理(ステップS3〜S6)を行ったか否か判断する。所定エリア内の全ての家電機器について、消費電力を抑制するための動作制御の指示を行うか否かの処理を行った場合には処理を終了し、一方、全ての家電機器について行っていない場合には、ステップS3に処理を戻す。
【0063】
以上説明したように、本実施形態によれば、消費電力制御装置100が、所定エリアの消費電力の推移を予測し、予測された推移に基づいて、所定エリアの家電機器に対し、ピーク時間帯の消費電力を抑制するための動作を指示することができる。それにより、所定エリアの消費電力を計画的に制御することができる。
【0064】
<第2の実施形態>
以下、図7および図8を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0065】
<消費電力制御装置システムの概要>
図7は、本実施形態に係る消費電力制御システム2の概念図である。消費電力制御システム2は、1台以上の家電機器15a〜15c、電源コンセント20、および消費電力制御装置100から構成される。電源コンセント20と消費電力制御装置100とは、アクセスポイント50を介して、3GやWiFi等の通信方式により通信を行う。本図において、電源コンセント20は1つしか記載していないが複数であってもよい。また、家電機器15a〜15cは、1軒の宅内にあるが、所定エリア内の複数軒の宅内にあってもよく、アクセスポイント50は、宅内であってもよい。さらに、消費電力制御装置100は宅内であってもよく、消費電力制御装置100を、家電機器15a〜15cが設置されているLAN上に設置し、有線または無線により消費電力制御装置100と家電機器15a〜15cとが通信を行ってもよい。
【0066】
<家電機器および消費電力制御装置の構成>
図8は、本実施形態に係る電源コンセント20および消費電力制御装置100の構成図である。本実施形態において、家電機器15は、宅内外の電源コンセントから電力を取得し動作する電気機器であって、例えば、エアコン、冷蔵庫、食洗器、照明装置等であって、従来の家電機器である。なお、第1の実施形態と同様の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0067】
電源コンセント20は、家電機器15に電力を供給する電気配線機器であって、本実施形態においては、電源コンセント20は、計測部21および通信部22を備える。
【0068】
計測部21は、電流計および電圧計(図示せず)を備え、それらにより、家電機器15の消費電力を所定時間単位に計測する。
【0069】
通信部110は、計測部21で計測された消費電力、消費電力が計測された日時を消費電力制御装置100に送信する。なお、家電機器から家電機器種別を取得した場合には、併せて消費電力制御装置100に送信する。
【0070】
消費電力制御装置100は、図8に示すように、通信部110、消費電力記憶部120、消費電力推移学習部130、ピーク判断部140、家電機器情報記憶部150、および制御指示部160から構成されている。なお、第1の実施形態と同様の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0071】
以上説明したように、本実施形態によれば、消費電力を計測でき、通信も可能な電源コンセント20を用いることにより、従来の各家電機器に新たな機能を追加することなく、各家電機器から消費電力を収集することができる。また、各家電機器から収集した消費電力に基づいて所定エリア内の消費電力の推移を予測し、予測された推移に基づいて消費電力の高いピーク時間帯の消費電力を制御することにより、所定エリア内の消費電力を計画的に制御することができる。
【0072】
なお、消費電力制御装置の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを消費電力制御装置を構成する各機器に読み込ませ、実行することによって本発明の消費電力制御装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0073】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0074】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0075】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1 消費電力制御システム
10 家電機器
11 計測部
12 通信部
100 消費電力制御装置
110 通信部
120 消費電力記憶部
130 消費電力推移学習部
140 ピーク判断部
150 家電機器情報記憶部
160 制御指示部
161 シフト制御指示部
162 設定条件制御指示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定エリアにあって、自身の消費電力を計測できる各家電機器と通信ネットワークを介して接続され、当該所定エリアの消費電力を制御する消費電力制御装置であって、
前記各家電機器から受信した消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶手段と、
記憶された時系列の消費電力に基づいて、前記所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する消費電力推移学習手段と、
学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断するピーク判断手段と、
前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する家電機器情報記憶手段と、
前記各家電機器の種別に対応する制御情報を前記家電機器情報記憶手段から特定し、特定された制御情報に基づいて、前記各家電機器の動作を制御する指示を送信する制御指示手段と、
を備えることを特徴とする消費電力制御装置。
【請求項2】
前記ピーク判断手段は、1日を複数区画に分割した各時間帯の中から、学習された消費電力推移パターンに基づいて前記ピーク時間帯、および前記所定のしきい値を超えない時間帯であるオフピーク時間帯を判断し、
前記家電機器情報記憶手段は、制御情報として、動作時間のシフト可否を前記家電機器の種別毎に対応付けて記憶し、
前記制御指示手段は、前記各家電機器の種別に対応する動作時間のシフト可否を前記家電機器情報記憶手段から特定し、シフト可能と特定された家電機器に対し、当該家電機器が前記ピーク時間帯で動作する際に、前記オフピーク時間帯と判断された時間帯のうち所定の条件に基づいて選択された時間帯に、動作時間をシフトする指示を送信することを特徴とする請求項1に記載の消費電力制御装置。
【請求項3】
前記家電機器情報記憶手段は、制御情報として、前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための設定条件を前記家電機器の種別毎に対応付けて記憶し、
前記制御指示手段は、前記家電機器情報記憶手段から設定条件を取得し、当該設定条件が前記家電機器情報記憶手段に記憶されている家電機器に、取得した設定条件に変更する指示を送信することを特徴とする請求項1または2に記載の消費電力制御装置。
【請求項4】
前記各家電機器は、周囲の環境を計測するセンサを備え、
前記設定条件は、前記センサで計測される環境情報に応じて、前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための設定条件であって、
前記各家電機器は、前記設定条件、および前記センサで計測された環境情報に基づいて、動作を制御することを特徴とする請求項3に記載の消費電力制御装置。
【請求項5】
前記家電機器情報記憶手段は、前記制御情報に基づいて、動作を制御した際の前記各家電機器の削減電力を、前記制御情報に対応付けて記憶し、
前記制御指示手段は、前記学習された消費電力推移パターンに基づいて取得した前記ピーク時間帯の消費電力が前記しきい値以下になるように、前記家電機器情報記憶手段に記憶されている削減電力に基づいて、前記指示を送信する家電機器を選択することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の消費電力制御装置。
【請求項6】
前記消費電力推移学習手段は、日付と曜日との関係を示す日属性情報に基づいて、前記消費電力推移パターンを学習することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の消費電力制御装置。
【請求項7】
前記消費電力制御装置は、家電機器であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の消費電力制御装置。
【請求項8】
所定エリアにある各家電機器の消費電力を計測できる電源コンセントと通信ネットワークを介して接続され、当該所定エリアの消費電力を制御する消費電力制御装置であって、
前記電源コンセントから受信した前記各家電機器の消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶手段と、
記憶された時系列の消費電力に基づいて、前記所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する消費電力推移学習手段と、
学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断するピーク判断手段と、
前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する家電機器情報記憶手段と、
前記各家電機器の種別に対応する制御情報を前記家電機器情報記憶手段から特定し、特定された制御情報に基づいて、前記各家電機器の動作を制御する指示を送信する制御指示手段と、
を備えることを特徴とする消費電力制御装置。
【請求項9】
所定エリアにあって、自身の消費電力を計測できる各家電機器と通信ネットワークを介して接続され、当該所定エリアの消費電力を制御する消費電力制御装置における電力制御方法であって、
前記各家電機器から受信した消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶手段の時系列の消費電力に基づいて、前記所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する第1のステップと、
学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断する第2のステップと、
前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する家電機器情報記憶手段から、前記各家電機器の種別に対応する制御情報を特定し、特定された制御情報に基づいて、前記各家電機器の動作を制御する指示を送信する第3のステップと、
を備えることを特徴とする消費電力制御方法。
【請求項10】
所定エリアにあって、自身の消費電力を計測できる各家電機器と通信ネットワークを介して接続され、当該所定エリアの消費電力を制御する消費電力制御装置における電力制御方法を実行させるためのプログラムであって、
前記各家電機器から受信した消費電力を時系列に記憶する消費電力記憶手段の時系列の消費電力に基づいて、前記所定エリアについて、時間経過に伴う消費電力の変化予測である消費電力推移パターンを学習する第1のステップと、
学習された消費電力推移パターンから所定のしきい値を超えるピーク時間帯を判断する第2のステップと、
前記ピーク時間帯における家電機器の消費電力を抑制するための動作を制御するための制御情報を家電機器の種別毎に対応付けて記憶する家電機器情報記憶手段から、前記各家電機器の種別に対応する制御情報を特定し、特定された制御情報に基づいて、前記各家電機器の動作を制御する指示を送信する第3のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−74698(P2013−74698A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211238(P2011−211238)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】