消費電力量管理システム及び消費電力量計測デバイス
【課題】デバイスの消費電力量を計測できない場合でも、その状況に応じて適切に消費電力量を管理可能とする。
【解決手段】消費電力量管理システムを構成する消費電力量計測デバイスでは、消費電力量計測手段が消費電力量を計測する。計測エラー判定手段は、動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値を比較し、消費電力の計測が、比較結果が閾値以下の場合成功、閾値以上の場合失敗と判定する。消費電力量履歴通知手段は、消費電力量計測手段によって計測された消費電力量の情報と計測エラー判定手段によって判定された計測エラー判定結果とを管理装置に通知する。管理装置は、消費電力量履歴受信手段が、デバイスからの消費電力量履歴通知手段による通知を受信する。管理装置の消費電力量情報補正手段は、消費電力量履歴受信手段によって受信した計測エラー判定結果を参照し消費電力量の情報を補正する。
【解決手段】消費電力量管理システムを構成する消費電力量計測デバイスでは、消費電力量計測手段が消費電力量を計測する。計測エラー判定手段は、動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値を比較し、消費電力の計測が、比較結果が閾値以下の場合成功、閾値以上の場合失敗と判定する。消費電力量履歴通知手段は、消費電力量計測手段によって計測された消費電力量の情報と計測エラー判定手段によって判定された計測エラー判定結果とを管理装置に通知する。管理装置は、消費電力量履歴受信手段が、デバイスからの消費電力量履歴通知手段による通知を受信する。管理装置の消費電力量情報補正手段は、消費電力量履歴受信手段によって受信した計測エラー判定結果を参照し消費電力量の情報を補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費電力量を算出又は計測することができる消費電力量計測デバイス及び消費電力量計測デバイスの消費電力量を算出し管理する消費電力量管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量を低減するために、プリンタや複合機等のデバイス使用時における消費電力量を低減することが求められている。このため、デバイス使用時における消費電力量をユーザが認識可能にすること(いわゆる「見える化」)が求められている。
【0003】
また、一般に、消費電力量を計測可能な複数の複写機(画像形成装置)と、その管理装置がネットワークに接続されたシステムが用いられている。このような従来のシステムでは、管理装置の要求に応じて各複写機が計測した消費電力量に関するデータを送出するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムによれば、例えば1か月毎の各複写機の消費電力量の履歴を管理装置で一元的に把握することが可能になる。
【0004】
また、従来、複数の機器と消費電力量算出装置がネットワークに接続されたシステムが用いられている。このようなシステムでは、消費電力算出装置が消費電力を計測可能な機器から消費電力情報を受信し、他の機器の消費電力量の算出(推定)に適用するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−335026号公報(第6頁、図2)
【特許文献2】特開2010−072870号公報(第6頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した従来のシステムでは、消費電力計測部が故障してしまうと、デバイスの消費電力量の情報を適切に管理することができなくなってしまう。例えば、従来のシステムでは、消費電力計測部の部品交換や整備による修理対応が完了するまでの間の消費電力量のデータが抜け落ちることがある。さらに、消費電力量計測部が外されてしまった場合、電力計の特性が不良となった場合又は経年劣化等により特定の出力範囲が正常でなくなる故障が発生した場合には、消費電力量の情報を適切に管理できなくなる。このため従来のシステムでは、消費電力量の情報を詳細に管理し、幅広く利用するのが困難となるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、消費電力量を計測する計測部がデバイスの消費電力量を計測できない場合に、その状況に応じて適切に消費電力量を管理することのできる消費電力量管理システム及び消費電力量計測デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の消費電力量管理システムは、デバイスと、前記デバイスの消費電力量を管理する管理装置とがネットワークに接続されたデバイス管理システムであって、前記デバイスに設けられ、消費電力量を計測する消費電力量計測手段と前記デバイスに設けられ、動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値を比較し、比較結果が閾値以下の場合消費電力の計測が成功したと判定し、比較結果が閾値以上の場合消費電力の計測が失敗したと判定する計測エラー判定手段と前記デバイスに設けられ、前記消費電力量計測手段によって計測された消費電力量の情報と前記計測エラー判定手段によって判定された計測エラー判定結果とを通知する消費電力量履歴通知手段と前記管理装置に設けられ、前記デバイスからの消費電力量履歴通知手段による通知を受信する消費電力量履歴受信手段と前記管理装置に設けられ、前記消費電力量履歴受信手段によって受信した前記デバイスの計測エラー判定結果を参照し前記デバイスの消費電力量の情報を補正する消費電力量情報補正手段とを備える。
【0009】
また、本発明の消費電力量計測デバイスは、消費電力量を計測する消費電力量計測手段と前記消費電力量計測手段による消費電力量の計測が成功したか否かを判定する計測エラー判定手段と前記消費電力量計測手段によって計測された消費電力量の情報と前記計測エラー判定手段によって判定された計測エラー判定結果とを通知する消費電力量履歴通知手段と前記消費電力量履歴通知手段による通知を受信する消費電力量履歴受信手段と前記計測エラー判定結果を参照し前記消費電力量の情報を補正する消費電力量情報補正手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、消費電力量計測デバイスが、計測不可の状態に陥った場合でも適切にデバイスの消費電力量を推定算出できる消費電力量管理システムを構築できる。また、消費電力量管理システムでは、消費電力量計測デバイスで特定の出力範囲が正常でなくなるような故障が発生しても、正常な範囲においてはなるべく実測値を用いることで、消費電力履歴情報をより正確にできる。さらに、このように構成された消費電力量管理システムでは、消費電力量の推定値と実測値の双方を用いて適切な消費電力量管理が実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の本第1実施の形態に係る、各画像形成装置の消費電力量を管理するネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の本第1実施の形態に係る、画像形成装置全体の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の本第1実施の形態に係る、画像形成装置の操作部を示す正面図である。
【図4】本発明の本第1実施の形態に係る、画像形成装置の電力量計測部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量の計測動作を行うための電力量計測処理の手順を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の本第1実施の形態に係る、画像形成装置の消費電力量管理プログラムを示す説明図である。
【図7】(a)(b)は、本発明の本第1実施の形態に係る、動作履歴情報テーブルを示す表である。
【図8】本発明の本第1実施の形態に係る、画像形成装置の動作履歴情報の生成を行うコントローラの動作履歴情報生成処理の手順を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量管理プログラムの機能構成を示すブロック図である。
【図11】(a)(b)(c)(d)は、本発明の本第1実施の形態に係る、デバイス構成情報を示す表である。
【図12】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量の表示例を示す説明図である。
【図13】本発明の本第1実施の形態に係る、動作履歴情報収集処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量推定処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の本第1実施の形態に係る、推定消費電力量の更新処理を示すフローチャートである。
【図16】(a)(b)は、本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量の表示変化例を示す説明図である。
【図17】本発明の本第2実施の形態に係る、画像形成装置の消費電力量管理プログラムを示すブロック図である。
【図18】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量計測デバイスのエラー判定処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量の遷移例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の消費電力量管理システム及び消費電力量計測デバイスに係る第1実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
(第1実施の形態)
<システム構成図>
図1は、本第1実施の形態に係る、各画像形成装置の消費電力量を主に管理するネットワークシステムの構成を示すブロック図で、100、101、102は、それぞれ画像形成装置である。これら画像形成装置100、101、102は、プリンタ、複合機又はFAX等である。
【0014】
このネットワークシステムは、画像形成装置100、101、102に対して、プリントデータの送信が可能なクライアントPC110、111と、消費電力管理サーバ200を備える。この消費電力管理サーバ200は、これら画像形成装置100、101、102等のネットワーク機器対する消費電力量の管理を行う。また、クライアントPC110、111と、画像形成装置100、101、102と、消費電力管理サーバ200とは、それぞれLAN3000により相互に通信可能に接続されている。
【0015】
この消費電力管理サーバ200は、画像形成装置100、101、102から動作状況を記録した情報(以下動作履歴情報と呼ぶ)を受信する。この動作履歴情報には、誰が、いつ、どのような設定で画像形成装置を使用したかを判別できる情報など、画像形成装置の動作実行に関わる情報が記録されている。例えば、クライアントPC110から受信したプリント命令を画像形成装置100が実行した場合には、ジョブの種類、プリント枚数、片面/両面設定の種別、記録紙のサイズ等の履歴情報が動作履歴情報として記録される。さらに、本実施の形態では、この動作履歴情報に画像形成装置が動作実行時に消費した電力量に関わる情報も付随する。
【0016】
このように消費電力管理サーバ200は、受信した動作履歴情報と、それに付随する消費電力量の情報とを管理することで、ネットワーク上の機器に対して消費電力管理サーバとしての役割を果たすよう構成されている。
【0017】
<画像形成装置の全体構成>
次に、画像形成装置の全体構成について、図2を参照して説明する。なお、以下の説明では、画像形成装置100について説明するが、画像形成装置101、102も同様に構成してもよい。
【0018】
本実施の形態に係る、消費電力量を算出又は計測可能な画像形成装置の構成を示す図2で、10は、画像形成装置100を使用するユーザが各種の操作を行うための操作部である。この画像形成装置100は、操作部10からの指示に従って画像情報を読み取るスキャナ部20と、画像データを用紙に印刷するプリンタ部30とを有する。このスキャナ部20は、スキャナ部20を制御するCPU2001や原稿読取を行うための図示しない照明ランプや走査ミラーなどを有する。またプリンタ部30は、プリンタ部の制御を行うCPU3001や画像形成や定着を行うための図示しない感光体ドラムや定着器を有する。
【0019】
この画像形成装置100は、消費電力量を計測する電力量計測部50を備える。また、画像形成装置100は、スキャナ部20、プリンタ部30、LAN3000及び公衆回線(WAN)3001と接続されている。さらに、この画像形成装置100は、画像形成装置100の動作を統括的に制御するコントローラ1200を備える。このコントローラ1200は、画像情報やデバイス情報、消費電力量に関わる情報等の入出力制御を行う。
【0020】
<画像形成装置のコントローラの構成>
次に、コントローラについて、図2を参照して説明する。このコントローラ1200は、LAN3000を介してLAN上のクライアントPC110から受信した印刷ジョブに含まれるPDLコードをビットマップイメージに展開するラスタイメージプロセッサ(RIP)1250を有する。このコントローラ1200は、スキャナ部20から入力された画像データに対して、補正、加工及び編集を行うスキャナ画像処理部1260を有する。
【0021】
このコントローラ1200は、プリンタ部30で出力(印刷)される画像データに対して補正、解像度変換等を行うプリンタ画像処理部1270と、画像データの回転を行う画像回転部1230とを有する。このコントローラ1200は、多値画像データをJPEGとし、2値画像データをJBIGとし、MMR又はMHの圧縮伸張処理を行う画像圧縮部1240とを有する。
【0022】
このコントローラ1200は、スキャナ部20及びプリンタ部30とコントローラ1200を接続して画像データの同期系/非同期系の変換を行うデバイスI/F1220を有する。このコントローラ1200は、画像データを高速で転送するために相互に接続された画像バス1212を備えている。このコントローラ1200は、画像形成装置100を統括的に制御する制御部としてのCPU1201を有する。このコントローラ1200は、CPU1201が動作するためのシステムワークメモリとして機能すると共に、画像データを一時記憶するための画像メモリとして機能するRAM1202を有する。
【0023】
このコントローラ1200は、操作部10に表示する画像データを操作部10に対して出力するための操作部I/F1206を有する。この操作部I/F1206は、本画像形成装置を使用するユーザが操作部10を操作して入力した情報を、CPU1201に伝える役割を有する。
【0024】
このコントローラ1200は、LAN3000に接続されるネットワーク部1210を有する。このコントローラ1200は、ネットワーク部1210を通じて、消費電力管理サーバ200、クライアントPC110及び図示しないその他のコンピュータ端末との通信(送受信)を行う。
【0025】
このコントローラ1200は、公衆回線3010に接続されるモデム部1211を介して、図示しない外部のファクシミリ装置とのデータの通信(送受信)を行うよう構成されている。
【0026】
このコントローラ1200は、CPU1201が実行するブートプログラムが格納されているROM1203を備える。このコントローラ1200は、システムソフトウェア、画像データ、ソフトウェアカウンタ値、消費電力量の予想値などを格納するハードディスクドライブ(HDD)1204を備える。このコントローラ1200は、スキャナ部20及びプリンタ部30とそれぞれ通信を行う内部通信I/F1208と、これらを相互に接続するシステムバス1207とを備える。このコントローラ1200は、データ構造を変換するバスブリッジであるImageBusI/F1205を備える。このImageBusI/F1205は、システムバス1207と画像バス1212とを接続するよう配設されている。
【0027】
<画像形成装置の操作部の構成>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置における操作部の構成について、図3の要部正面図を参照して説明する。図3に示す操作部10は、液晶操作パネル11で構成されている。この液晶操作パネル11は、液晶とタッチパネルを組み合わせて構成されている。この液晶操作パネル11は、操作画面を表示するよう構成されている。この液晶操作パネル11は、表示した操作画面上にある表示キーがユーザに押されると、これを検知して、その情報信号をコントローラ1200に送信するよう構成されている。
【0028】
この液晶操作パネル11にあるスタートキー12は、原稿画像の読み取り印刷の動作を開始する指令の入力と、その他機能の開始指示の指令の入力とを行えるように構成されている。このスタートキー12には、緑色と赤色の2色のLEDが組み込まれ、所定の動作の開始可能な状態で緑色に点灯し、所定の動作の開始不可の状態で赤色に点灯表示を行うように構成されている。
【0029】
この液晶操作パネル11にあるストップキー13は、稼動中の動作を止める指令の入力を行えるよう構成されている。この液晶操作パネル11上に設けられたハードキー群14には、テンキー、クリアキー、リセットキー、ガイドキー、ユーザーモードキーが配設されている。この液晶操作パネル11にある節電キー15は、画像形成装置を操作部10からスリープモードに移行又は復帰させる指令の入力を行えるよう構成されている。
【0030】
この画像形成装置では、通常モードで動作中に節電キー15がユーザによって押下されるとスリープモードへ移行し、スリープモードで節電キー15がユーザによって押下されると通常モードへ移行するよう構成されている。
【0031】
また、操作部10は、ユーザが液晶操作パネル11を用いて入力したユーザ名、印刷/コピー枚数及び出力属性情報等の動作情報作成に必要な情報を、操作部I/F1206に送信するよう構成されている。
【0032】
<プリントジョブの実行>
次に、前述した図2に示すように構成された画像形成装置100で実行される印刷処理について説明する。
【0033】
この画像形成装置100は、LAN3000に接続されたクライアントPC110から送信されたプリントジョブに基づいて以下のように印刷処理を実行する。この画像形成装置100では、LAN3000に接続されたクライアントPC110からネットワーク部1210を介して印刷用の画像データである印刷データを受信する。すると、CPU1201は、受信した印刷データをRAM1202に記憶させる。
【0034】
そして、CPU1201は、この画像データを、ImageBusI/F1205を介してRIP1250に供給する。このRIP1250は、画像データ(PDLコード)をビットマップデータに展開し、画像圧縮部1240へ送信する。このビットマップデータを受信した画像圧縮部1240は、圧縮処理を行った画像データ(圧縮されたビットマップデータ)をHDD1204に蓄積する。
【0035】
次に、CPU1201は、HDD1204に蓄積された画像データ(圧縮されたビットマップデータ)を、イメージバスI/F1205を介して画像圧縮部1240に供給する。この画像圧縮部1240では、供給された画像データ(圧縮されたビットマップデータ)を伸張し、プリンタ画像処理部1270へ送信する。プリンタ画像処理部1270は、受信した画像データに対するプリンタの補正及び解像度変換等を行い、画像回転部1230へ送信する。画像回転部1230は、必要な場合に受信した画像データに回転処理を施す。
【0036】
次に、CPU1201は、各種処理が施された画像データを、印刷データとしてデバイスI/F1220を介してプリンタ部30に送信する。すると、プリンタ部30は、受信した画像データに基づいて、用紙にプリント処理を行う。
【0037】
なお、詳細は後述するが、プリンタ部30は、上述した印刷ジョブ実行中も一定時間毎に電力計測部50の計測値を取得し、消費電力量を算出しており、コントローラ1200からの要求に従い送信可能な状態となっている。
【0038】
<画像形成装置の電力計測部の構成>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置100内の電源を供給するための構成及び電力計測部50内の構成について、図4を参照して説明する。
【0039】
この画像形成装置100では、商用電源70が、その主電源スイッチ71及び電力計測部50を介し電源供給部80に接続されている。この電源供給部80では、スキャナ部20、プリンタ部30、電力計測部50、コントローラ1200、操作部10等の画像形成装置100の各部に対して、商用電源70を元にして内部生成した電力を供給する。
【0040】
次に、本実施の形態の画像形成装置における電力計測部について、図4を参照して説明する。
【0041】
画像形成装置100における電力計測部50内部には、電圧検出部51と電流検出部52があり、それぞれ電圧と電流の2つの値を読み取る。ここで、電圧の検出に当たっては、例えば、一般的な商用電源のL(ライン)とN(ニュートラル)を全波整流し、それをトランスなどで低圧化して、その数値をA/D変換部53で読み取る方法を用いることができる。また、電流の検出に当たっては、例えば、L(ライン)に流れる電流値を磁束に変換し、それを電圧に変換して、A/D変換部54で読み取っても良いし、電流値検出抵抗を挿入して読み取っても良い。また、流れる電流により温度が変化する素子を挿入して、読み取る方法でも良い。上述した方法で検出され、A/D変換された電圧レベルと電流レベルは、プリンタ部30に入力され、プリンタ部30内で消費電力量が算出される。
【0042】
また、この画像形成装置100では、消費電力量を算出するその他の手法を用いることができる。例えば、この画像形成装置100では、電力計測部50内部にデジタルデータを高速に演算処理するDSP(デジタルシグナルプロセッサ)を搭載し、電力計測部50内部で消費電力量を算出する構成としてもよい。その場合、電力計測部50は、直接コントローラ1200に内部通信I/F1208を通して接続する構成としてもよい。
【0043】
<画像形成装置のプリンタ部の消費電力量演算処理>
次に、画像形成装置100で実行するプリンタ部の消費電力量演算処理の内容について説明する。
【0044】
前述した電力計測部で検出され、A/D変換された電圧レベルと電流レベルは、プリンタ部30に入力される。すると、プリンタ部30内部のCPU3001は、電圧レベルと電流レベルとを読み取って、2つの値を掛け算した結果を消費電力としてプリンタ部30内に保持する。CPU3001は、直前の読み取り時間からの経過時間を検出し、消費電力×時間の演算をして所定時間内の消費電力量を算出する。このようにしてプリンタ部30内部で算出された消費電力量は、プリンタ部30がコントローラ1200内の内部通信I/F1208と通信することでコントローラ1200内のCPU1201に送信される。
【0045】
さらに、プリンタ部30内部のCPU3001は、プリンタ部30内部で算出した所定時間内の消費電力量を複数回分積算保持する。そして、CPU3001は、コントローラ1200から内部通信I/F1208を介して電力計測値の要求があった場合に、その積算保持分を通知し、内部の積算保持内容をクリアする。
【0046】
この画像形成装置100では、CPU3001が上述のような処理を行うことによってコントローラ1200からの要求間隔内の消費電力量をコントローラ1200に効率的に通知できる構成としている。
【0047】
なお、消費電力量のプリンタ部30における算出間隔であるプリンタ部30による電力計測部50の出力値の読取間隔は、前述の印刷ジョブやその他のプリント処理に影響のない範囲で自由に設定できるものとする。
【0048】
<プリンタ部の電力計測処理>
次に、プリンタ部30内のCPU3001が実行する画像形成装置100での消費電力量の計測に関わるプリンタ部の電力量計測処理の動作の手順を図5のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
この画像形成装置100では、電源スイッチがオン動作されると、CPU3001が初期化処理を実行する(ステップS101)。この初期化処理では、例えば、消費電力量に関する内部保持データ(累積消費電力量など)を初期化する。
【0050】
次に、CPU3001は、計測値の読取を行う(ステップS102)。ここで計測値とは、電力計測部50で読み取られ、A/D変換された電圧レベルと電流レベルの値である。
【0051】
次に、CPU3001は、消費電力量を求める演算を実行する(ステップS103)。この演算では、ステップS102で読み取った計測値と前回の計測値読取からの経過時間を用いて消費電力量を求める。すなわち、この演算では、計測値の電圧レベルと電流レベルを積算し、消費電力を求め、さらに経過時間を積算することで消費電力量を求める。
【0052】
次に、CPU3001は、ステップS103で求めた消費電力量を累積加算し、内部保持するよう制御する(ステップS104)。具体的に言うと、CPU3001は、前回求めた消費電力量に今回求めた消費電力量を加算する処理を行う。そして、CPU3001は、これを繰り返すことにより、累積経過時間の消費電力量を情報として保持するよう制御する。
【0053】
次に、CPU3001は、前述したステップS104で内部保持した累積消費電力量の通知要求があるかどうかを判定する(ステップS105)。ここで、通知の要求元は、コントローラ1200のCPU1201である。このCPU1201は、内部通信I/F1208を介して要求を行う。CPU1201からの要求があった場合には、ステップS106へ進む。また、CPU1201からの要求がなかった場合には、ステップS108へ進む。
【0054】
次に、CPU3001は、要求があったと判定した場合(ステップS105でYES)に、コントローラ1200のCPU1201からの要求に対する応答を行う(ステップS106)。具体的には、CPU3001が、内部に累積保持している消費電力量を内部通信I/F1208を介して要求元へ通知する。この通知を受けたコントローラ1200側のCPU1201は、要求を出したときまでの消費電力量の情報を得る。
【0055】
次に、CPU3001は、内部に累積保持している消費電力量のクリア処理を行う(ステップS107)。この消費電力量のクリア処理は、ステップS106でコントローラ1200に対して累積消費電力量を通知した後に、新たに消費電力量を累積し始めるためのクリア処理である。
【0056】
また、CPU3001は、前述したステップS105で要求が無かったと判定した場合(ステップS105でNO)には、CPU3001が現在の消費電力の通知要求があるかどうかを判定する(ステップS108)。ここで、要求元は、コントローラ1200のCPU1201であって、内部通信I/F1208を介して要求してくることとなる。CPU3001は、コントローラ1200の要求があったと判定した場合(ステップS108でYES)に、ステップS109へ進む。また、CPU3001は、要求がなかったと判定した場合(ステップS108でNO)は、ステップS110へ進む。
【0057】
CPU3001は、コントローラ1200の要求があったと判定した場合に、このコントローラ1200のCPU1201からの要求に応答して、現在の消費電力を内部通信I/F1208を介して要求元へ通知する。これにより、コントローラ1200側のCPU1201は、現在の消費電力の情報を得ることができる。
【0058】
次に、ステップS110では、CPU3001が、処理を継続するかどうかの判断を行う。処理を継続する場合(ステップS110でYES)には、ステップS102に戻り、引き続き電力計測フローを実施する。またCPU3001は、処理を継続しないと判断した場合(ステップS110でNO)に、電力計測フローを終了する。
【0059】
<計測エラー判定処理>
次に、画像形成装置100で実行される計測エラー判定処理における動作の手順について、図18のフローチャートを参照して説明する。この画像形成装置100では、プリンタ部の消費電力量演算処理の開始に伴って、コントローラ1200のCPU1201が、電力計測部50のエラーを調べるための計測エラー判定処理を開始する。
【0060】
この計測エラー判定処理が開始すると、CPU1201は、動作状態に変化があったかどうかの判定を行う(ステップS1801)。この動作状態の変化の判定では、CPU1201が、画像形成装置100の状態が待機からスリープ若しくはスリープから待機へ変化があったか又はジョブ受信により受信したジョブの実行に移ったかを監視する。これと共に、この動作状態の変化の判定では、CPU1201が、実行しているジョブが終了し待機状態となったか等を監視し、動作状態の変化の有無を判断している。
【0061】
次に、CPU1201は、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30のCPU3001に対して、現在の消費電力を要求する。この要求動作は、CPU1201が前述の消費電力量管理プログラム1290内の計測消費電力量取得部1291の機能を用いて実施する。
【0062】
次に、CPU1201は、プリンタ部30のCPU3001から内部通信I/F1208を介して消費電力を受信し、RAM1202に格納する(ステップS1803)。次に、CPU1201は、HDD1204に格納された消費電力予測値を取得し、RAM1202に格納する(ステップS1804)。ここで、消費電力予測値は、予め計測された動作状態変化時の消費電力典型値であり、その動作状態での代表的な消費電力を表すタイミングで取得された消費電力である。この消費電力予測値は、具体的に言うと、プリントジョブ開始直後の定着器が作動中の消費電力等がこれに当たる。なお消費電力予測値には、典型値取得時のばらつきに基づいた誤差情報も付加される。
【0063】
次に、CPU1201は、RAM1202に格納された現在の消費電力と消費電力予測値の比較を行う(ステップS1805)。そして、CPU1201は、現在の消費電力が消費電力予測値の誤差範囲内であると判断した場合(ステップS1805でYES)に、ステップS1806に移行する。また、CPU1201は、現在の消費電力が消費電力予測値の誤差範囲外であると判断した場合(ステップS1805でNO)ステップS1807に移行する。
【0064】
次に、CPU1201は、現在の動作状態において電力計測部50が正常と判定した場合に、RAM1202にエラー判定結果を正常として現在の動作状態に結び付けて格納する(ステップS1806)。また、CPU1201は、現在の動作状態において電力計測部50が異常と判定した場合に、RAM1202にエラー判定結果を異常として現在の動作状態に結び付けて格納する。
【0065】
次に、図19に例示した消費電力の具体的な事例に対応して実行された場合の計測エラー判定処理の動作の手順について説明する。
【0066】
なお、この動作状態の変化と、各状態での消費電力の遷移を例示した図19で、1901は、消費電力の遷移を示す。また、図19で、1905〜1907は、それぞれプリント、スタンバイ、スキャン時の消費電力予想値とその誤差範囲を示す。また図19で、1908〜1910は、それぞれプリント、スタンバイ、スキャン時の状態変化時の消費電力値である消費電力瞬時値を示す。
【0067】
この図19の事例に則した計測エラー判定処理は、画像形成装置100でプリンタ部の消費電力量演算処理が開始されたときに開始される。この消費電力量演算処理の開始後のプリント状態1902において、CPU1201は、動作状態の変化を検知する(ステップS1801)。次に、CPU1201は、消費電力瞬時値1908が消費電力予想値1905の誤差範囲内に含まれるかを調べる(ステップS1805)。図19の場合には、消費電力瞬時値1908が消費電力予想値1905の誤差範囲内に含まれない(ステップS1805でNO)ため、エラー判定結果は「異常」となる(ステップS1807)。
【0068】
次に、図19のスタンバイ状態1903において、CPU1201は、動作状態の変化を検知する(ステップS1801)。前述したその後の処理に続いて、CPU1201は、消費電力瞬時値1909が消費電力予想値1906の誤差範囲内に含まれるかを調べる(ステップS1805)。この場合、消費電力瞬時値1909が消費電力予想値1906の誤差範囲内に含まれる(ステップS1805でYES)ため、エラー判定結果は「正常」となる(ステップS18060)。
【0069】
次に、図19のスキャン状態1904において、CPU1201は、動作状態の変化を検知する(ステップS1801)。前述したその後の処理に続いて、CPU1201は、消費電力瞬時値1910が消費電力予想値1907の誤差範囲内に含まれるかを調べる(ステップS1805)。この場合、消費電力瞬時値1910が消費電力予想値1907の誤差範囲内に含まれる(ステップS1805でYES)ため、エラー判定結果は「正常」となる(ステップS1806)。
【0070】
<消費電力量管理プログラムにおける動作管理制御>
次に、画像形成装置が実行する消費電力量管理プログラムにおける動作管理制御について、図6を参照して説明する。この図6に例示する消費電力量管理プログラム1290は、印刷やコピーなどのジョブを実行するジョブ制御プログラム等と共にHDD1204内に格納されている。消費電力量管理プログラム1290は、CPU1201がブートプログラムを実行することにより、HDD1204からRAM1202へ読み出される。そして消費電力量管理プログラム1290は、CPU1201がRAM1202上に読み出して実行することで処理される。
【0071】
図6に示すように消費電力量管理プログラム1290における計測消費電力量取得部1291は、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30に対して、計測し内部保持している消費電力量、あるいは消費電力を要求する。そして、計測消費電力量取得部1291は、この要求に応答してもらうことによって消費電力量又は消費電力を取得する。計測消費電力量取得部1291は、プリントのジョブの終了時に内部通信I/F1208を介してプリンタ部30に消費電力量を要求すれば、そのジョブの消費電力量を取得できる。また、計測消費電力量取得部1291は、その後のプリントのジョブの開始時に消費電力量を要求すれば、ジョブとジョブの間の消費電力量を取得できる。このように計測消費電力量取得部1291は、消費電力を要求すればその時点での消費電力を要求できる。
【0072】
この消費電力量管理プログラム1290における計測エラー判定部1293では、前述の計測エラー判定フローによって消費電力量が電力計測部50によって正常に計測されたかどうかの判定を行っている。計測エラーの原因としては、電力計測部50の故障が想定できるが、その他に電力計測部50が着脱可能な構成だった場合に、電力計測部50が外されてしまった場合等も想定できる。
【0073】
なお、本実施の形態では、計測エラーの原因が問題となることはない。
【0074】
この消費電力量管理プログラム1290におけるジョブ管理部1292は、印刷やコピージョブを解析し、ユーザ名や印刷部数、カラー印刷等の出力属性情報、消費電力量などを取得し、動作情報として管理する。このジョブ管理部1292は、動作情報が操作部10から発行されたジョブ(例えば、コピージョブ)であれば、操作部I/F1206から取得する。また、ジョブ管理部1292は、動作情報がクライアントPC110や他の端末から発行されたジョブ(例えばプリントジョブ)であれば、ネットワーク部1210から取得する。また、ジョブ管理部1292は、動作情報を管理する際に、計測消費電力量取得部1291を用いて、そのジョブ処理中の消費電力量を取得する。さらに、ジョブ管理部1292は、ジョブとジョブの間の消費電力量を取得することも可能である。ジョブ管理部1292がジョブとジョブの間の消費電力量を取得した場合には、その間の動作状態(待機やスリープ)と共にジョブの動作情報と同様の形式で管理することで効率的に管理する。
【0075】
同様にジョブ管理部1292は、動作情報を管理する際に、前述の計測エラー判定部1293を用いることによって、取得した消費電力量が正常かどうか(計測エラーかどうか)の判定を行い、動作情報に紐付けしている。このジョブ管理部1292は、このようにして管理している動作情報をジョブ履歴管理部1294に送信する。
【0076】
この動作情報をジョブ管理部1292から受信したジョブ履歴管理部1294は、ジョブ開始時または終了時等のタイミングで受信した動作情報を動作履歴情報テーブルとして保持する。
【0077】
このジョブ履歴管理部1294で保持される動作履歴情報テーブルは、図7(a)に例示する画像形成装置100の動作履歴情報テーブル及び図7(b)に例示する動作履歴情報テーブルのように構成されている。これらの動作履歴情報テーブルは、消費電力管理サーバ200が、これらを個別の表にまとめ一括管理する。
【0078】
この図7に例示する動作履歴情報テーブルにおける動作履歴ID601は、ジョブ等の動作履歴を一意に識別するIDである。但し、上述したように、消費電力管理サーバ200は、ジョブではない動作状態(待機やスリープ)も効率的に一括管理している。
【0079】
この動作履歴情報テーブルにおけるユーザ名602は、ジョブの実行を指示したユーザ名を示す。但し、ジョブではない動作状態では、non−userと表示している。この動作履歴情報テーブルにおける動作タイプ603は、実行されたジョブの種別や動作状態等を示し、クライアントPC110からのプリントジョブやコピー、スキャン等が例として挙げられる。さらに、この動作タイプ603は、待機やスリープといった動作状態も含んでいる。
【0080】
この動作履歴情報テーブルにおける開始時刻604及び終了時刻605は、動作状態(ジョブ含む)の開始時刻および終了時刻を示す。さらに、カラーページ数606は、該当ジョブによりカラー印刷/コピーされたページ数を示す。白黒ページ数607は、該当ジョブにより白黒印刷/コピーされたページ数を示す。スキャンページ数608は、スキャナ部20によりスキャンされたページ数を示し、カラースキャンページ数、白黒スキャンページ数等を区別して記録することも可能である。
【0081】
この動作履歴情報テーブルにおける消費電力量609は、該当動作によって消費された電力量を示す。さらに消費電力量609は、待機やスリープといった状態で電力を何Wh消費したかも同時に記録している。この動作履歴情報テーブルにおける計測エラー属性610は、該当動作によって消費された電力量を正常に計測できたかどうかの判定結果を示す。
【0082】
ジョブ履歴管理部1294は、これらの情報により、誰によってどのようなジョブがどの時刻に開始され終了し、何Wh消費されたかというジョブ履歴情報を記録する。例えば、動作履歴ID1000は、2010/6/2_18:33に開始し、2010/6/2_18:50に終了したコピージョブが実行されたことを示している。更に、このジョブでは、10ページスキャンされ、10ページのカラー印刷が行われ、1000Whの電力が消費されたことを示している。なお、動作履歴情報テーブルは、ジョブ種毎に作成するようにしてもよい。
【0083】
また、図7に示す動作履歴情報テーブルは、同時に消費電力量の計測が正常に行われたかどうかも管理する。図7を例にしてみると、動作履歴ID1000〜1003は、正常に計測できている。しかし、動作履歴ID1004〜1005は、消費電力量0Whとなり、計測エラー判定部1293によって計測エラーとなっている。よって、計測エラー属性は、1になっている。なお、計測エラーとなっている場合には、計測した消費電力量が0Whとなっている場合もあるし、これ以外にも、そもそも電力計測部50が外されていることにより消費電力量を取得できない場合もある。また、電力計測部50自体に電力が供給されていないことにより消費電力量を取得できない場合もある。本実施形態では、計測した消費電力量が0Whである場合も、消費電力量を電力計測部50から取得できない場合も、「0Wh」の値が図7に示すテーブルに書き込まれるものとする。 この動作履歴情報テーブルにおけるインタフェース部1295では、ジョブ履歴管理部1294で保持している動作情報である動作履歴情報テーブルを操作部10の液晶操作パネル11に表示する。また、インタフェース部1295は、ネットワーク部1210を介してLAN3000上に接続されたクライアントPC110やその他の外部装置に出力する制御を行う。
【0084】
<コントローラの動作履歴情報生成処理>
次に、コントローラ1200のCPU1201が実行する画像形成装置100の動作履歴情報の生成に関わるコントローラの動作履歴情報生成処理の動作の手順について、図8のフローチャートを参照して説明する。この画像形成装置100では、プリンタ部の消費電力量演算処理の開始に伴って、コントローラ1200のCPU1201が、コントローラの動作履歴情報生成処理を開始する。
【0085】
このCPU1201は、動作状態に変化があったかどうかの判定を行う(ステップS201)。具体的判定方法は、前述したステップS1801と同等であるのでその説明を省略する。このCPU1201は、動作状態に変化が生じるまで、待機する(ステップS201でNO)。そして、このCPU1201は、動作状態に変化を生じたとき(ステップS201でYES)にステップS202へ進む。
【0086】
次に、CPU1201は、ステップS201で変化した動作状態の変化前の情報を収集する(ステップS202)。CPU1201は、変化前の動作状態が待機やスリープであった場合に、何時間その状態であったかの期間情報を取得する。また、CPU1201は、変化前の動作状態がジョブ実行であった場合に、ジョブ実行に関わる情報を取得する。なお、本処理は、CPU1201が前述の消費電力量管理プログラム1290内のジョブ管理部1292の機能を用いて実施する。
【0087】
次に、CPU1201は、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30のCPU3001に対して、計測し内部保持している消費電力量を要求する(ステップS203)。CPU1201は、この要求を前述の消費電力量管理プログラム1290内の計測消費電力量取得部1291の機能を用いて実施する。次に、CPU1201は、プリンタ部30のCPU3001から内部通信I/F1208を介して消費電力量を受信し、ジョブ管理部1292の機能を用いて動作状態の情報と共に保持する(ステップS204)。
【0088】
次に、CPU1201は、消費電力量が電力計測部50にて正常に計測されたかどうかの判定結果を取得する(ステップS205)。CPU1201は、この判定結果を、RAM1202に格納された計測エラー判定部1293の計測エラー判定結果から取得する。この取得された判定結果は、動作状態の情報に付与される。
【0089】
CPU1201は、前述したステップS202〜S205で取得した情報を用いて、動作履歴情報テーブルを生成し、情報の追加を実行する(ステップS206)。すなわち、CPU1201は、消費電力量管理プログラム1290内のジョブ履歴管理部1294の機能を用いて、図7に示す如き動作履歴情報テーブルを生成する。さらに、CPU1201は、新たな動作状態の情報が生成された場合に、この動作履歴情報テーブルに情報を追加する。
【0090】
次に、CPU1201は、処理を継続するかどうかの判断を行う。CPU1201は、処理を継続すると判断した場合(ステップS207でYES)は、ステップS201に戻り、引き続き動作履歴情報生成フローを実施する。CPU1201は、処理を継続しないと判断した場合(ステップS207でNO)は、この動作履歴情報生成処理を終了する。
【0091】
<消費電力管理サーバのハード構成>
次に、消費電力管理サーバのハードウェアの構成について、図9のブロック図を参照して説明する。
【0092】
図9に示すように、消費電力管理サーバ200は、CPU1301、RAM1302、ROM1303、HDD1304、ネットワーク部1307、IO部1305、操作部1306を有する。これらは、システムバス1308で相互に接続されている。
【0093】
このCPU1301は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトなどのプログラムをHDD1304から読み出して実行することで種々の機能を提供する。さらにCPU1301は、消費電力管理サーバ200が行う消費電力管理処理を統括的に制御する。
【0094】
また、RAM1302は、CPU1301がプログラムを実行する際のシステムワークメモリである。ROM1303は、BIOS(Basic Input Output System)やOSを起動するためのプログラム、設定ファイルを記憶している。HDD1304は、ハードディスクドライブであって、システムソフトウェアや、後述する各手段を実現するためのプログラムが記憶されている。本プログラムは、記憶媒体に記憶され配布されたり、LAN3000を介して接続された所定のサーバからダウンロードされ、HDD1304にインストールされる。
【0095】
ネットワーク部1307は、LAN3000に接続され、クライアントPC110、111や画像形成装置100、101、102等の外部機器と通信(送受信)を行う。IO部1305は、液晶ディスプレイやマウスなど図示しない入出力デバイスとから構成する操作部1306との情報を入出力するインターフェースである。液晶ディスプレイには、プログラムが指示する画面情報に基づき所定の解像度や色数等で所定の情報が描画される。例えば、GUI(Graphical User Interface)画面を形成し、操作に必要な各種ウィンドウやデータ等が表示される。
【0096】
消費電力管理サーバ200のハード構成は、上述の通りであるが、クライアントPC110、111も同様のハード構成となっている。
【0097】
<消費電力管理サーバの機能構成>
次に、消費電力管理サーバが実行する消費電力量管理プログラムについて、図10を参照して説明する。
【0098】
この消費電力管理サーバ200における消費電力管理プログラム1340は、HDD1304内に本サーバが実現すべき機能として格納されている。消費電力管理プログラム1340は、CPU1301がブートプログラムを実行することにより、HDD1304からRAM1302へ読み出される。そしてCPU1301は、RAM1302上に読み出したプログラムを実行することで処理を行う。
【0099】
この消費電力管理サーバ200におけるインタフェース部1341は、後述する機能部からの指示に従って外部装置にアクセスする制御を行う。すなわち、インタフェース部1341は、ネットワーク部1307を介してLAN3000上に接続されたクライアントPC110、111や画像形成装置100、101、102等にアクセスする制御を行う。さらに、インタフェース部1341は、消費電力量表示生成部1345によってグラフなどにビジュアル化された消費電力量の情報をIO部1305を介して操作部1306の液晶ディスプレイ等のモニタに表示する。
【0100】
この消費電力管理サーバ200におけるデバイス動作履歴情報収集部1342は、インタフェース部1341を介してネットワーク上に接続されている消費電力量を管理すべき各デバイスの動作履歴情報を収集し、管理する。ここで、各デバイスとは、画像形成装置100、101、102を指す。また、動作履歴情報とは、図7に示したような動作履歴情報テーブルを指す。よって、消費電力管理サーバ200には、全ての画像形成装置のジョブ実行等を含めた動作履歴情報が集約され、管理される。
【0101】
この消費電力管理サーバ200におけるデバイス構成情報管理部1343では、各デバイスの種類と各デバイスがどのようなハードウェアで構成されているかの情報及び各デバイスの消費電力量に関する情報を管理する。ここで、本デバイス構成情報管理部1343で記載される消費電力量とは、動作状態やデバイス情報を元として算出している推定値である。
【0102】
このデバイス構成情報管理部1343では、管理する情報を図11(a)に例示するようなデバイス構成情報テーブルにして管理している。このデバイス構成情報テーブルにおける機器ID701は、消費電力管理サーバ200が管理すべきデバイスを一意に識別するIDである。図示するように本実施の形態では、画像形成装置100、101、102を管理している。このデバイス構成情報テーブルにおける更新時刻702は、各機器のデバイス構成が変更された時刻を示している。また、機種ID703は、機器ID701におけるそれぞれのデバイスの種類を示している。本デバイス構成情報テーブルでは、画像形成装置100と画像形成装置101がAという機種IDの同一機種装置であることを示している。さらに、画像形成装置102は、Bという機種IDであって画像形成装置100、101とは別の機種であることを示している。このデバイス構成情報テーブルにおけるオプション1〜オプション4には、実際に各デバイスに付属しているハードウェア構成情報が登録されている。
【0103】
このデバイス構成情報テーブルでは、画像形成装置100、101は、フィニッシャXというオプションユニットが付属した構成であることを示している。さらに、画像形成装置102は、フィニッシャXと排紙ユニットZが付属した構成であることを示している。
【0104】
次に、デバイス構成情報管理部1343が管理するオプションユニットの消費電力量の情報に係るオプションユニットの消費電力量情報テーブルについて、図11(b)を参照して説明する。このオプションユニットの消費電力量情報テーブルにおけるオプションID711は、オプションユニットを一意に識別するIDである。この図11(b)で712は、用紙サイズがA4の場合の消費電力量の情報を示し、713は用紙サイズがA3の場合の消費電力量の情報を示している。
【0105】
次に、デバイス構成情報管理部1343が管理する各デバイスのジョブに関わる消費電力量算出補正情報に係る消費電力量算出補正情報テーブルについて、図11(c)を参照して説明する。消費電力量算出補正情報テーブルにおける機器ID721は、消費電力管理サーバ200が管理すべきデバイスを一意に識別するIDである。この図11(c)に示す722は、1ページ目の印刷を行うための消費電力量であり、723はカラー印刷を行う為の1ページ分の消費電力量であり、724は白黒印刷を行う為の1ページ分の消費電力量である。この図11(c)に示す725はスキャンを行う為の1ページ分の消費電力量である。なお、本実施の形態において消費電力量算出補正情報テーブルのそれぞれの値(消費電力量)は前述した図11(a)のデバイス構成情報テーブルと図11(b)のオプションユニットの消費電力量情報テーブルの情報を反映した値となっている。つまり、どのような機種でどのようなオプションユニット構成をしているか、またそのオプションユニット構成による消費電力量の増加分はどの程度かを図11(a)と図11(b)から求め、図11(c)の値を算出している。例えば、図(c)の画像形成装置102の722〜725の数値は、機種Bの消費電力量を基準として、フィニッシャXと排紙ユニットZの消費電力量の値をそれぞれが関わる動作部に上乗せした値となっている。このようにすることでデバイスそれぞれに対して適切な消費電力量算出補正情報を算出している。
【0106】
次に、デバイス構成情報管理部1343が管理する各デバイスの各動作状態における消費電力量算出情報に係る消費電力量算出情報テーブルについて、図11(d)を参照して説明する。
【0107】
この消費電力量算出情報テーブルで、機器ID731は、消費電力管理サーバ200が管理すべきデバイスを一意に識別するIDである。この図11(d)で732は、各デバイスの動作状態が待機モードである場合の単位時間当たりの消費電力を示し、733はスリープモードなどの省電力状態における単位時間当たりの消費電力を示している。また、この図11(d)で734は、プリントジョブ処理における単位時間当たりの消費電力を示しており、735はスキャンジョブ処理における単位時間当たりの消費電力を示している。ここで、本実施の形態では、画像形成装置がFAX送信を行う場合にスキャンジョブ処理735と同様の情報で消費電力情報を扱うものとする。またコピージョブ等スキャンとプリントが同時に実施されるジョブでは、プリントジョブ処理734とスキャンジョブ処理735の合算値で消費電力情報を扱うものとする。なお、本消費電力量算出情報テーブルを含めた図11の各テーブル情報は、上述した構成に限定されるものではなくデバイスの仕様に合わせて柔軟にテーブルの列と行を設定可能である。
【0108】
次に、図10に示すように消費電力管理サーバ200における消費電力推定部について説明する。この消費電力推定部1344は、各デバイスの消費電力量を推定する処理を行う。なお、推定処理の適用は、計測エラー属性を1として送ってきた動作状態履歴に対して行われる。計測エラーの場合とは、例えばデバイスの消費電力計測部が故障した場合や、消費電力計測部が外れた場合などが該当する。さらに、元々消費電力計測機構を持っていないデバイスが計測エラー属性を1として動作状態履歴を消費電力管理サーバ200に送信してきた場合も計測エラーに該当する。
【0109】
この消費電力推定部1344では、計測エラーの場合に、消費電力量情報を補完する。このため、消費電力推定部1344では、計測エラー属性が1の動作履歴を分析し、同様の動作状態を示すものが計測エラー属性0の過去の動作履歴の中にあるかどうかを検索する。例えば、“カラースキャン1枚”という動作状態を示す動作履歴IDが計測エラー属性1であった場合、同様のデバイスの中で同じ“カラースキャン1枚”という動作履歴IDが計測エラー属性0で存在しないかを検索する。
【0110】
存在した場合は、計測エラー属性0の動作履歴IDの消費電力量情報で計測エラー属性1の消費電力量情報を置き換える処理を実施する。ここで同様のデバイスとは、図11の機器ID701が同一のものだけでなく、機器ID701が別であっても機種ID703が同一でオプション1〜オプション4の構成が同一のものも含んでいる。
【0111】
次に同様にデバイスの中に同様の動作状態を示すものが計測エラー属性0で過去の動作履歴の中に存在しなかった場合は、図11(c)の消費電力量算出補正情報テーブルと図11(d)の消費電力量算出情報テーブルを用いて推定演算処理を実行する。なお、推定演算処理は例えばカラー印刷ジョブの場合には以下のような計算式で行う。この推定演算処理では、図7の動作履歴情報テーブルにおける終了時刻605/開始時刻604から動作時間を計算する。
【0112】
[動作処理時間]=[終了時刻]−[開始時刻]
[推定消費電力量]=[プリントジョブ処理中734]×[動作処理時間]+[印刷1ページ目722]+[カラー印刷723]×[カラー印刷ページ数]
上述の計算式で求めた推定消費電力量は、動作履歴情報テーブルの中の消費電力量の情報として置き換える。
【0113】
また、図11(a)で示される各機器のデバイス構成情報テーブルなどに変更があった場合には、図11(c)の消費電力量算出補正情報テーブルの消費電力量情報が変化する場合がある。この場合には、実際にオプション構成などに変更があった更新時刻702とデバイス動作履歴情報収集部1342の動作履歴情報テーブルのジョブ開始時刻を比較する。そして、更新時刻702以降の動作状態の中に計測エラー属性1のものがあった場合には、消費電力量推定処理を実施しなおす。
【0114】
次に、消費電力量表示生成部1345は、各デバイスの消費電力量の情報をグラフなどによりビジュアル化し、インタフェース部1341を介して操作部1306の液晶ディスプレイ等のモニタに表示する。このモニタに表示される表示例は、図12に示す如くである。この図12の表示例では、特に棒グラフの斜線部が計測エラー属性が0の実測ベースの消費電力量の情報を示しており、棒グラフの網線部が計測エラー属性が1の推定演算処理ベースの消費電力量の情報を示している。上述のようにモニタに表示するための表示処理は、消費電力管理サーバ200を管理する管理者が操作部1306を操作することによって実行され、液晶ディスプレイ等に消費電力量の情報を表示する。
【0115】
この図12で、81は、表示内容のタイトルである。図12に示す表示例では、一日分の消費電力量の情報をグラフ化表示していることから、消費電力量(日)と表示している。この図12で80は、表示している区間におけるトータル消費電力量を示す。この図12に示す消費電力量グラフ82では、管理者からの指示を受けて、ある区間の消費電力量をグラフ化して表示している。この場合、縦軸は単位当りの消費電力量であり横軸は時刻である。
【0116】
これらの表示処理は、管理者が操作部1306を操作して入力した表示要求がCPU1301に伝えられることによって実行される。これらの表示処理は、CPU1301が前述した消費電力管理プログラム1340におけるインタフェース部1341と消費電力量表示生成部1345とを実行することによって実現される。
【0117】
また、上述した本実施の形態では、表示処理により、操作部1306の液晶ディスプレイ上に表示するものについて説明した。しかし、この表示処理では、LAN3000上のクライアントPC110等の外部機器からの要求を受けてネットワーク部1307を介してクライアントPC110等の外部機器内の表示部に表示するよう構成しても良い。
【0118】
<消費電力管理サーバの動作履歴情報収集処理>
次に、消費電力管理サーバ200内のCPU1301が実行する各デバイスの動作履歴情報の収集に関わる消費電力管理サーバの動作履歴情報収集処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。ここで、各デバイスとは、画像形成装置100、101、102を指すものとする。
【0119】
CPU1301は、動作履歴情報の要求を行う(ステップS301)。すなわち、CPU1301は、画像形成装置100、101、102に対して個別に動作履歴情報の要求をLAN3000を介して行う。このときCPU1301は、消費電力管理プログラム1340内のデバイス動作履歴情報収集部1342を実行することになる。
【0120】
次に、画像形成装置100、101、102の各CPU1201は、前述したステップS301の動作履歴情報の要求を受けて、ネットワーク部1210を介して動作履歴情報を送信する(ステップS302)。この動作履歴情報とは、図7に示す動作履歴情報テーブルを指す。なお、各画像形成装置100、101、102は、一度動作履歴情報を送信すると、次回以降は差分情報のみを送信するものとする。
【0121】
次に、消費電力管理サーバ200内のCPU1301は、各画像形成装置100、101、102の動作履歴情報をLAN3000を介して受信する(ステップS303)。この受信した動作履歴情報は、デバイス動作履歴情報収集部1342内のプログラムで管理される。
【0122】
次に、CPU1301は、ステップS303で取得した動作履歴情報テーブルの中に計測エラー属性が1のものがあるかないか検索する(ステップS304)。計測エラー属性が1のものがないと判断した場合(ステップS304でNO)に本動作履歴情報収集処理を終了し、計測エラー属性が1のものがあると判別した場合(ステップS304でYES)にステップS305に進む。
【0123】
次に、計測エラー属性が1のものがあると判別した場合にCPU1301は、計測エラー属性が1の動作履歴に対して消費電力量推定算出処理を実行する(ステップS305)。この消費電力量推定算出処理は、CPU1301が消費電力管理プログラム1340内の消費電力推定部1344を実行することによって処理される。この後、CPU1301は、動作履歴情報収集処理を、終了する。
【0124】
<消費電力管理サーバの消費電力量推定算出処理>
次に、前述した図13に示すステップS305の消費電力量推定算出処理の動作手順について、図14を参照して説明する。
【0125】
この消費電力量推定算出処理が開始すると、CPU1301は、取得した各デバイスの動作状態履歴テーブルの中から検索されたデバイスの消費電力量の計測エラー属性が1のものを抽出する(ステップS401)。ここでは、例えば、CPU1301が、図7の(a)、(b)の動作状態履歴テーブルを画像形成装置100、101から取得して利用する。そしてCPU1301は、画像形成装置100の動作状態履歴テーブルの中からの動作履歴ID1004、1005を計測エラー属性が1の動作履歴として抽出したものとして利用する。
【0126】
次に、CPU1301は、抽出した計測エラー属性が1のデバイスの構成情報を含めたLAN3000上の全てのデバイスの構成情報を取得する(ステップS402)。ここでCPU1301は、消費電力管理プログラム1340内のデバイス構成情報管理部1343で管理しているデバイス構成情報を参照することで全てのデバイスの構成情報を取得する。例えば、CPU1301は、図11(a)〜(d)の全てのデバイスの構成情報を取得する。
【0127】
次に、CPU1301は、消費電力量の計測エラー属性が1となっている情報履歴元のデバイス構成と同一のデバイス構成のデバイスが存在するかを検索する(ステップS403)。ここで、CPU1301は、ステップS402で取得したデバイスの構成情報を元として、検索するものとする。例えば、CPU1301は、計測エラー属性が1となっている画像形成装置100と同一のデバイス構成となるデバイスが消費電力管理サーバ200の管理内に存在するか否かを検索する。例えば、図11(a)に示す場合には、画像形成装置100と画像形成装置101は、機種ID、オプション構成ともに同一となっている場合(ステップS403でYES)であるので、ステップS404へ進む。また消費電力量の計測エラー属性が1となっている情報履歴元のデバイス構成と同一構成のデバイスが存在しない場合(ステップS403でNO)は、ステップS406へ進む。
【0128】
次に、CPU1301は、計測エラー属性が1となっている動作状態と同一の動作状態履歴情報がステップS403で該当した同一構成デバイスの動作状態履歴情報テーブル内に存在するかどうかを検索する(ステップS404)。なお、この検索は、同一構成デバイスの動作状態履歴情報テーブルの中で、計測エラー属性が0となっている動作履歴に対してのみ実行される。
【0129】
例えば、図7の動作状態履歴テーブルに示す場合では、CPU1301が、動作履歴ID1004、1005について、まず画像形成装置100の動作履歴ID1000〜1003に対して検索を行う。さらに、CPU1301は、同一構成デバイスとなる画像形成装置101の動作履歴情報テーブルに対しても検索を行い、動作履歴ID2000〜2005に対しても検索を行う。この図7の動作状態履歴テーブルに示す場合に、CPU1301は、動作履歴ID1004が同一動作に該当するものなしと判別する。しかし、動作履歴ID1005に対して、CPU1301は、動作履歴ID2003を同一動作として抽出する。このとき、CPU1301は、同一動作として該当するか否かの判断を、動作タイプがジョブのものに関しては動作タイプとカラーページ数606〜スキャンページ数608の情報で判断する。またCPU1301は、動作タイプが待機やスリープといったものの場合に、終了時刻―開始時刻で求まる動作時間の情報で判断する。なお、この判断基準は、管理者が自由に設定可能に構成する。
【0130】
次に、CPU1301は、同一動作を抽出した場合(ステップS404でYES)は、ステップS405へ進む。また、CPU1301は、同一動作を抽出しなかった場合(ステップS404でNO)は、ステップS406へ進む。
【0131】
次に、CPU1301は、同一動作を抽出した場合に、計測エラー属性が1となっている動作状態の消費電力量の情報をステップS404で抽出した同一動作の消費電力量の情報に置き換える処理を実行する(ステップS405)。例えば、図7の動作状態履歴テーブルに示す場合では、動作履歴ID1005のプリント動作の消費電力量情報0Whを動作履歴ID2003の消費電力量情報500Whに置き換える。これにより、推定演算式を元とした消費電力量の置き換えよりも信頼性の高い実測ベースの消費電力量情報に置き換えることが可能となる。なおステップS405とステップS406は、CPU1301が消費電力管理プログラム1340内の消費電力推定部1344を実行することで処理される。
【0132】
次に、CPU1301は、計測エラー属性が1となっている動作状態の消費電力量の情報を推定演算処理によって求める(ステップS406)。すなわちCPU1301は、ステップS402で取得した図11(c)、(d)のようなデバイス構成情報を元に推定演算により求める。この処理は、前述した消費電力管理プログラム1340内の消費電力推定部1344の処理動作と同等である。
【0133】
次に、CPU1301は、全ての動作状態の情報をチェックしたかどうかの判断を行う(ステップS407)。CPU1301は、動作状態の情報のチェックが全て終了していないと判断した場合(ステップS407でNO)には、ステップS401に戻り、引き続き消費電力量推定算出処理を継続して実施する。また、CPU1301は、全ての動作状態の情報のチェックを終了したと判断した場合(ステップS407でYES)には、消費電力量推定算出処理を終了する。
【0134】
<消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理>
次に、デバイス構成情報管理部1343で管理するデバイス構成情報テーブル等に変更があった場合に実行される消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。このデバイス構成情報テーブル等に変更があった場合としては、例えば、図11(a)に示す場合がある。この図11(a)に示す変更があった場合には、図11(c)に例示する如く消費電力量算出補正情報テーブルの消費電力量情報が変化する。このような場合には、消費電力管理サーバ200内のCPU1301が、消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理を開始する。
【0135】
この消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理が開始されると、CPU1301は、消費電力管理サーバ200の管理者からのデータ入力を受けてデバイス構成情報を更新する(ステップS501)。このデバイス構成情報テーブル等に変更があった場合には、例えば、画像形成装置100にオプションで排紙ユニットYが装着された場合等が該当する。さらに、このデバイス構成情報テーブル等に変更があった場合には、図11(c)に示された各デバイスの動作処理に対する消費電力量の推定値が、より正確な値のものに更新された場合等も該当する。
【0136】
なお、本実施の形態では、デバイス構成情報の変更をLAN3000経由で各デバイスから受信し、管理者を介さずに自動でCPU1301が構成情報を書き換える処理としてもよい。このような変更が実行された場合には、更新時刻702が適切に変更される。
【0137】
次に、CPU1301は、消費電力量の推定処理を実施して(ステップS502)、この消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理を終了する。ここで、この消費電力量の推定処理は、前述した図14に示す消費電力量推定算出処理と同様であるので、その説明を省略する。但し、この消費電力量の推定処理では、CPU1301が、図11(a)のデバイス構成情報テーブルの更新時刻702を参照し、この更新時刻以降の計測エラー属性が1の動作履歴情報(動作履歴ID)に対してのみ再処理を行う。
【0138】
この消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理を実行する場合には、計測エラー属性が1の動作履歴情報の消費電力量の推定値を常に信頼性の高い値として維持することが可能となる。
【0139】
<消費電力量表示処理>
次に、消費電力量を計測するデバイスが、計測不可の状態に陥った場合に消費電力量を推定算出した推定値と、実測値を利用して、消費電力量の表示を行うようにした消費電力量表示処理について説明する。
【0140】
消費電力管理サーバ200内のCPU1301は、前述した図15に示す推定消費電力量更新処理により得た消費電力量の変化を、図16に例示するようにグラフにして表示させる消費電力量表示処理を実行する。これは、CPU1301が消費電力管理プログラム1340内の消費電力量表示生成部1345を実行することでインタフェース部1341を介して操作部1306の液晶ディスプレイ等のモニタに表示させるものである。
【0141】
図16(a)に示す表示内容において、86は、表示内容のタイトルである。本表示例の場合は、一ヶ月分の消費電力量の情報をグラフ化表示していることから、消費電力量(月)と表示している。また、図16(a)で85は、表示している区間におけるトータル消費電力量を示している。この場合は、2010年8月のトータル消費電力量を示している。消費電力量グラフ87では、管理者からの指示を受けて、一ヶ月分の消費電力量をグラフ化して表示している。
【0142】
この消費電力量グラフ87では、縦軸が単位当りの消費電力量であり、横軸が日にち(1〜31日)である。この消費電力量グラフ87では、棒グラフの斜線部が、計測エラー属性が0の実測ベースでの消費電力量の情報を示している。棒グラフの網線部は、計測エラー属性が1の推定演算処理ベースでの消費電力量の情報を示している。
【0143】
図16(a)に示すものでは、22日から電力計測部の故障等、何らかの要因により計測エラー属性が1の推定演算処理ベースの消費電力量の表示に切り替わっている。この状態で2010年9月になってから図11(a)に示す各機器のデバイス構成情報テーブルが変更された場合には、図16(b)のようにグラフが変化することとなる。この場合には、例えば、図11(a)の更新時刻702が2010年8月20日だった場合等が該当する。すなわち、オプション構成が実際に変更されたのが2010年8月20日であって、それを消費電力管理サーバが認識したのが2010年9月の場合等である。
【0144】
また、消費電力管理サーバ200内のCPU1301は、図11(c)に示すように、各デバイスの動作処理に対する消費電力量の推定値が、より正確な値のものに更新された場合も同様に消費電力量表示処理を実行する。このときのグラフの変化は、図16(b)に示す如くなる。図16(b)では、基本的に図16(a)と同様であるが、棒グラフの網線部の量が変化している。これは、機器のデバイス構成情報テーブルの変更を受けて、計測エラー属性が1の推定演算処理ベースの消費電力量の情報が、より信頼できる値に変化したことを示している。これにより消費電力管理サーバ200の管理者は、消費電力量の計測エラーが発生した場合でも常に、推定演算処理ベースの信頼性の高い消費電力量の情報を得ることができるという効果がある。
【0145】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態について、図面を参照し、前述した第1実施の形態と異なる所を主に説明する。本第2実施の形態は、第1実施の形態において消費電力管理サーバ200が実行していた消費電力量管理プログラムを、画像形成装置内で実行するよう構成したものである。このように構成した場合には、画像形成装置の単独で、前述した消費電力管理サーバ200の機能を実現することができる。画像形成装置内で消費電力管理機能を実現する場合には、図10に示す消費電力量管理プログラムを画像形成装置のHDD1204又はRAM1202に記録保持させておき、この消費電力量管理プログラムをCPU1201で実行する。
【0146】
また、この画像形成装置は、その操作部10の画面(図3の液晶操作パネル11)に、図12及び図16に示した表示内容を表示して、ユーザによる指令の入力を受け付けるよう構成されている。
【0147】
さらに、この消費電力管理機能を備える画像形成装置では、自機のみならず複数の他の画像形成装置の消費電力量を管理することが可能に構成されている。このため、この画像形成装置では、操作部10の表示に対応してユーザが必要なデータを入力することによって、消費電力管理機能を実行可能に構成されている。
【0148】
また、本実施形態では、電力計測部50による実測値が誤差の範囲内でないと判定した場合(すなわち計測エラーであると判定した場合)、推定した消費電力量で更新するように構成した。ただし、計測エラーと判定した場合だけでなく、画像形成装置の状態がスリープに移行したなどが原因で電力計測部50が動作しなくなった場合に、上記推定した消費電力量を用いるように構成してもよい。
【0149】
また、本実施の形態では、エラー属性「1」が付加された動作状態情報に対する推定消費電力量を算出する処理を、消費電力管理サーバ200が行うものとして説明した。ただし、当該処理を各画像形成装置が行うように構成してもよい。
【0150】
<画像形成装置のハード構成>
本第2実施の形態における画像形成装置100、101、102のハード構成は、前述した第1実施の形態に係る図2で説明した内容と同様である。さらに、本第2実施の形態における画像形成装置では、前述した第1実施の形態に係る図3に示す操作部及び図4に示す電力計測部の構成も、同様である。本第2実施の形態における画像形成装置では、消費電力量管理プログラムの内容が前述した第1実施の形態に係る画像形成装置と異なるものである。
【0151】
<画像形成装置の消費電力量管理制御>
次に、本第2実施の形態における各画像形成装置の消費電力量管理プログラムについて、図17を用いて説明する。
【0152】
図17に示す消費電力量管理プログラム1400内には、計測消費電力量取得部1401〜ジョブ履歴管理部1404を備える。これら計測消費電力量取得部1401〜ジョブ履歴管理部1404は、第1実施の形態における同名の各ブロック1291〜1294と同様の機能を持っている。
【0153】
本第2実施の形態に係るインタフェース部1405は、第1実施の形態に係るインタフェース部1295と消費電力管理サーバ200のインタフェース部1341とを兼ねた機能を持ち合わせるよう構成されている。
【0154】
本第2実施の形態のデバイス動作履歴情報収集部1406〜消費電力量表示生成部1409は、図10の消費電力管理サーバ200のデバイス動作履歴情報収集部1342〜消費電力量表示生成部1345と同様に構成されている。
【0155】
本第2実施の形態の消費電力量管理プログラム1400内の表示機能は、前述した第1実施の形態と同様に全て画像形成装置内の操作部10の画面(図4の液晶操作パネル11)にて表示する機能となっている。上述のように、本第2実施の形態によれば、消費電力管理サーバ200の機能を画像形成装置で実現できる。
【0156】
要するに、本実施の形態に係るデバイス管理システムは、各画像形成装置の消費電力の情報を主に管理するネットワークシステムとして構成されている。このため、このデバイス管理システムでは、画像形成装置100、101、102と消費電力管理サーバ200とが、ネットワークを介して相互に接続されている。なお、このデバイス管理システムでは、消費電力管理サーバ200の機能を備えた画像形成装置を、消費電力管理サーバ200の代わりに用いて構成する(第2実施の形態)ことができる。
【0157】
このデバイス管理システムを構成するデバイスとしての画像形成装置100、101、102は、消費電力量を計測する消費電力量計測手段としての、電圧検出部51と電流検出部52とを内蔵した電力計測部50を備える。
【0158】
この画像形成装置100、101、102は、電力計測部50による消費電力量の計測が成功したか否かを判定するため、計測エラー判定手段としての計測エラー判定部1293を備える。この計測エラー判定部1293は、動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値とを比較して、比較結果が閾値以下の場合に消費電力の計測が成功したと判定し、比較結果が閾値以上の場合に消費電力の計測が失敗したと判定する。
【0159】
この画像形成装置100、101、102では、電力計測部50で計測した消費電力量の情報と、計測エラー判定部1293で判定した計測エラー判定結果と、動作履歴情報テーブル上でジョブ履歴情報を得る。このジョブ履歴情報には、動作履歴ID601、ユーザ名602、動作タイプ603、開始時刻604、終了時刻605、カラーページ数606、白黒ページ数607及びスキャンページ数608が含まれる。
【0160】
この画像形成装置100、101、102では、ジョブ履歴情報が記載された動作履歴情報テーブルが、操作部10の液晶操作パネル11に表示される。これと共に、この画像形成装置100、101、102では、消費電力量計測手段としての電力計測部50で計測された消費電力量の情報が、消費電力量表示手段としての操作部10の液晶操作パネル11に表示される。
【0161】
また、この画像形成装置100、101、102では、電力計測部50によって計測された消費電力量の情報が、消費電力量履歴通知手段であるインタフェース部1295によって、消費電力管理サーバ200へ通知される。これと共に、この画像形成装置100、101、102では、計測エラー判定部1293によって判定された計測エラー判定結果が、インタフェース部1295によって、消費電力管理サーバ200へ通知される。このインタフェース部1295は、ジョブ履歴管理部1294で保持している動作情報である動作履歴情報テーブルを、操作部10の液晶操作パネル11に表示する。これと共に、インタフェース部1295は、電力計測部50で計測した消費電力量の情報を、消費電力量表示手段である操作部10の液晶操作パネル11に表示するよう構成されている。
【0162】
この管理装置である消費電力管理サーバ200は、画像形成装置100のインタフェース部1295から送信された通知を受信する消費電力量履歴受信手段としてのデバイス動作履歴情報収集部1342を備える。
【0163】
この管理装置は、デバイス動作履歴情報収集部1342によって受信したデバイスの計測エラー判定結果を参照し、デバイスの消費電力量の情報を補正する消費電力量情報補正手段としての消費電力推定部1344を備える。
【0164】
この管理装置は、デバイス動作履歴情報収集部1342により受信された消費電力量の情報と、消費電力推定部1344によって補正された消費電力量の情報を表示する消費電力量表示手段としての操作部1306を備える。
【0165】
この管理装置は、画像形成装置100、101、102の構成情報を管理するデバイス構成情報管理部としてのデバイス構成情報管理部1343を備える。
【0166】
この管理装置では、消費電力推定部1344が、画像形成装置100、101、102の構成情報を参照し、構成が同一である全ての画像形成装置100、101、102の消費電力量の情報を参照するよう構成する。そして、消費電力推定部1344は、情報補正元の消費電力量の情報を、計測エラー判定結果が成功を示す消費電力量の情報に置換するよう構成する。
【0167】
また、この管理装置では、消費電力推定部1344が、消費電力量の推定演算処理を実行し、情報補正元の消費電力量の情報を置換するように構成しても良い。
【0168】
この管理装置では、計測エラー判定部1293が、ジョブの動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値を比較し、比較結果が閾値以下の場合消費電力の計測が成功したと判定するよう構成する。これと共に、計測エラー判定部1293は、比較結果が閾値以上の場合消費電力の計測が失敗したと判定するよう構成しても良い。
【0169】
このように構成されたデバイス管理システムでは、各画像形成装置100、101、102において、ジョブを行う毎に、消費電力値と消費電力予想値を比較する。
【0170】
そして、各画像形成装置100、101、102の計測エラー判定部1293は、比較結果が閾値以上であった場合に、消費電力の計測が失敗したと判定する。すると、画像形成装置100、101、102は、インタフェース部1295によって、消費電力管理サーバ200へ、消費電力の計測が失敗したことを通知する。
【0171】
この消費電力計測が失敗したことの通知を受けた管理装置では、その消費電力推定部1344が、画像形成装置の構成情報を参照し、構成が同一である全ての画像形成装置での消費電力量の情報を参照する。そして、消費電力推定部1344は、構成が同一である画像形成装置における計測エラー判定結果が成功を示す消費電力量の情報を取得する。次に、この消費電力推定部1344は、画像形成装置100、101、102における情報補正元の消費電力量の情報を、計測エラー判定結果が成功を示す消費電力量の情報に置換する。
【0172】
このデバイス管理システムでは、消費電力量を計測可能な画像形成装置100、101、102が、計測不可の状態に陥った場合でも、適切に画像形成装置の消費電力量を推定して置き換えることができる。これにより、このデバイス管理システムでは、消費電力履歴情報の正確性を向上し、適切な消費電力量管理システムを構築することが可能となる。
【符号の説明】
【0173】
1290 消費電力量管理プログラム
1291 計測消費電力量取得部
1292 ジョブ管理部
1293 計測エラー判定部
1294 ジョブ履歴管理部
1295 インタフェース部
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費電力量を算出又は計測することができる消費電力量計測デバイス及び消費電力量計測デバイスの消費電力量を算出し管理する消費電力量管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量を低減するために、プリンタや複合機等のデバイス使用時における消費電力量を低減することが求められている。このため、デバイス使用時における消費電力量をユーザが認識可能にすること(いわゆる「見える化」)が求められている。
【0003】
また、一般に、消費電力量を計測可能な複数の複写機(画像形成装置)と、その管理装置がネットワークに接続されたシステムが用いられている。このような従来のシステムでは、管理装置の要求に応じて各複写機が計測した消費電力量に関するデータを送出するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムによれば、例えば1か月毎の各複写機の消費電力量の履歴を管理装置で一元的に把握することが可能になる。
【0004】
また、従来、複数の機器と消費電力量算出装置がネットワークに接続されたシステムが用いられている。このようなシステムでは、消費電力算出装置が消費電力を計測可能な機器から消費電力情報を受信し、他の機器の消費電力量の算出(推定)に適用するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−335026号公報(第6頁、図2)
【特許文献2】特開2010−072870号公報(第6頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した従来のシステムでは、消費電力計測部が故障してしまうと、デバイスの消費電力量の情報を適切に管理することができなくなってしまう。例えば、従来のシステムでは、消費電力計測部の部品交換や整備による修理対応が完了するまでの間の消費電力量のデータが抜け落ちることがある。さらに、消費電力量計測部が外されてしまった場合、電力計の特性が不良となった場合又は経年劣化等により特定の出力範囲が正常でなくなる故障が発生した場合には、消費電力量の情報を適切に管理できなくなる。このため従来のシステムでは、消費電力量の情報を詳細に管理し、幅広く利用するのが困難となるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、消費電力量を計測する計測部がデバイスの消費電力量を計測できない場合に、その状況に応じて適切に消費電力量を管理することのできる消費電力量管理システム及び消費電力量計測デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の消費電力量管理システムは、デバイスと、前記デバイスの消費電力量を管理する管理装置とがネットワークに接続されたデバイス管理システムであって、前記デバイスに設けられ、消費電力量を計測する消費電力量計測手段と前記デバイスに設けられ、動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値を比較し、比較結果が閾値以下の場合消費電力の計測が成功したと判定し、比較結果が閾値以上の場合消費電力の計測が失敗したと判定する計測エラー判定手段と前記デバイスに設けられ、前記消費電力量計測手段によって計測された消費電力量の情報と前記計測エラー判定手段によって判定された計測エラー判定結果とを通知する消費電力量履歴通知手段と前記管理装置に設けられ、前記デバイスからの消費電力量履歴通知手段による通知を受信する消費電力量履歴受信手段と前記管理装置に設けられ、前記消費電力量履歴受信手段によって受信した前記デバイスの計測エラー判定結果を参照し前記デバイスの消費電力量の情報を補正する消費電力量情報補正手段とを備える。
【0009】
また、本発明の消費電力量計測デバイスは、消費電力量を計測する消費電力量計測手段と前記消費電力量計測手段による消費電力量の計測が成功したか否かを判定する計測エラー判定手段と前記消費電力量計測手段によって計測された消費電力量の情報と前記計測エラー判定手段によって判定された計測エラー判定結果とを通知する消費電力量履歴通知手段と前記消費電力量履歴通知手段による通知を受信する消費電力量履歴受信手段と前記計測エラー判定結果を参照し前記消費電力量の情報を補正する消費電力量情報補正手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、消費電力量計測デバイスが、計測不可の状態に陥った場合でも適切にデバイスの消費電力量を推定算出できる消費電力量管理システムを構築できる。また、消費電力量管理システムでは、消費電力量計測デバイスで特定の出力範囲が正常でなくなるような故障が発生しても、正常な範囲においてはなるべく実測値を用いることで、消費電力履歴情報をより正確にできる。さらに、このように構成された消費電力量管理システムでは、消費電力量の推定値と実測値の双方を用いて適切な消費電力量管理が実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の本第1実施の形態に係る、各画像形成装置の消費電力量を管理するネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の本第1実施の形態に係る、画像形成装置全体の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の本第1実施の形態に係る、画像形成装置の操作部を示す正面図である。
【図4】本発明の本第1実施の形態に係る、画像形成装置の電力量計測部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量の計測動作を行うための電力量計測処理の手順を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の本第1実施の形態に係る、画像形成装置の消費電力量管理プログラムを示す説明図である。
【図7】(a)(b)は、本発明の本第1実施の形態に係る、動作履歴情報テーブルを示す表である。
【図8】本発明の本第1実施の形態に係る、画像形成装置の動作履歴情報の生成を行うコントローラの動作履歴情報生成処理の手順を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量管理プログラムの機能構成を示すブロック図である。
【図11】(a)(b)(c)(d)は、本発明の本第1実施の形態に係る、デバイス構成情報を示す表である。
【図12】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量の表示例を示す説明図である。
【図13】本発明の本第1実施の形態に係る、動作履歴情報収集処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量推定処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の本第1実施の形態に係る、推定消費電力量の更新処理を示すフローチャートである。
【図16】(a)(b)は、本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量の表示変化例を示す説明図である。
【図17】本発明の本第2実施の形態に係る、画像形成装置の消費電力量管理プログラムを示すブロック図である。
【図18】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量計測デバイスのエラー判定処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の本第1実施の形態に係る、消費電力量の遷移例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の消費電力量管理システム及び消費電力量計測デバイスに係る第1実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
(第1実施の形態)
<システム構成図>
図1は、本第1実施の形態に係る、各画像形成装置の消費電力量を主に管理するネットワークシステムの構成を示すブロック図で、100、101、102は、それぞれ画像形成装置である。これら画像形成装置100、101、102は、プリンタ、複合機又はFAX等である。
【0014】
このネットワークシステムは、画像形成装置100、101、102に対して、プリントデータの送信が可能なクライアントPC110、111と、消費電力管理サーバ200を備える。この消費電力管理サーバ200は、これら画像形成装置100、101、102等のネットワーク機器対する消費電力量の管理を行う。また、クライアントPC110、111と、画像形成装置100、101、102と、消費電力管理サーバ200とは、それぞれLAN3000により相互に通信可能に接続されている。
【0015】
この消費電力管理サーバ200は、画像形成装置100、101、102から動作状況を記録した情報(以下動作履歴情報と呼ぶ)を受信する。この動作履歴情報には、誰が、いつ、どのような設定で画像形成装置を使用したかを判別できる情報など、画像形成装置の動作実行に関わる情報が記録されている。例えば、クライアントPC110から受信したプリント命令を画像形成装置100が実行した場合には、ジョブの種類、プリント枚数、片面/両面設定の種別、記録紙のサイズ等の履歴情報が動作履歴情報として記録される。さらに、本実施の形態では、この動作履歴情報に画像形成装置が動作実行時に消費した電力量に関わる情報も付随する。
【0016】
このように消費電力管理サーバ200は、受信した動作履歴情報と、それに付随する消費電力量の情報とを管理することで、ネットワーク上の機器に対して消費電力管理サーバとしての役割を果たすよう構成されている。
【0017】
<画像形成装置の全体構成>
次に、画像形成装置の全体構成について、図2を参照して説明する。なお、以下の説明では、画像形成装置100について説明するが、画像形成装置101、102も同様に構成してもよい。
【0018】
本実施の形態に係る、消費電力量を算出又は計測可能な画像形成装置の構成を示す図2で、10は、画像形成装置100を使用するユーザが各種の操作を行うための操作部である。この画像形成装置100は、操作部10からの指示に従って画像情報を読み取るスキャナ部20と、画像データを用紙に印刷するプリンタ部30とを有する。このスキャナ部20は、スキャナ部20を制御するCPU2001や原稿読取を行うための図示しない照明ランプや走査ミラーなどを有する。またプリンタ部30は、プリンタ部の制御を行うCPU3001や画像形成や定着を行うための図示しない感光体ドラムや定着器を有する。
【0019】
この画像形成装置100は、消費電力量を計測する電力量計測部50を備える。また、画像形成装置100は、スキャナ部20、プリンタ部30、LAN3000及び公衆回線(WAN)3001と接続されている。さらに、この画像形成装置100は、画像形成装置100の動作を統括的に制御するコントローラ1200を備える。このコントローラ1200は、画像情報やデバイス情報、消費電力量に関わる情報等の入出力制御を行う。
【0020】
<画像形成装置のコントローラの構成>
次に、コントローラについて、図2を参照して説明する。このコントローラ1200は、LAN3000を介してLAN上のクライアントPC110から受信した印刷ジョブに含まれるPDLコードをビットマップイメージに展開するラスタイメージプロセッサ(RIP)1250を有する。このコントローラ1200は、スキャナ部20から入力された画像データに対して、補正、加工及び編集を行うスキャナ画像処理部1260を有する。
【0021】
このコントローラ1200は、プリンタ部30で出力(印刷)される画像データに対して補正、解像度変換等を行うプリンタ画像処理部1270と、画像データの回転を行う画像回転部1230とを有する。このコントローラ1200は、多値画像データをJPEGとし、2値画像データをJBIGとし、MMR又はMHの圧縮伸張処理を行う画像圧縮部1240とを有する。
【0022】
このコントローラ1200は、スキャナ部20及びプリンタ部30とコントローラ1200を接続して画像データの同期系/非同期系の変換を行うデバイスI/F1220を有する。このコントローラ1200は、画像データを高速で転送するために相互に接続された画像バス1212を備えている。このコントローラ1200は、画像形成装置100を統括的に制御する制御部としてのCPU1201を有する。このコントローラ1200は、CPU1201が動作するためのシステムワークメモリとして機能すると共に、画像データを一時記憶するための画像メモリとして機能するRAM1202を有する。
【0023】
このコントローラ1200は、操作部10に表示する画像データを操作部10に対して出力するための操作部I/F1206を有する。この操作部I/F1206は、本画像形成装置を使用するユーザが操作部10を操作して入力した情報を、CPU1201に伝える役割を有する。
【0024】
このコントローラ1200は、LAN3000に接続されるネットワーク部1210を有する。このコントローラ1200は、ネットワーク部1210を通じて、消費電力管理サーバ200、クライアントPC110及び図示しないその他のコンピュータ端末との通信(送受信)を行う。
【0025】
このコントローラ1200は、公衆回線3010に接続されるモデム部1211を介して、図示しない外部のファクシミリ装置とのデータの通信(送受信)を行うよう構成されている。
【0026】
このコントローラ1200は、CPU1201が実行するブートプログラムが格納されているROM1203を備える。このコントローラ1200は、システムソフトウェア、画像データ、ソフトウェアカウンタ値、消費電力量の予想値などを格納するハードディスクドライブ(HDD)1204を備える。このコントローラ1200は、スキャナ部20及びプリンタ部30とそれぞれ通信を行う内部通信I/F1208と、これらを相互に接続するシステムバス1207とを備える。このコントローラ1200は、データ構造を変換するバスブリッジであるImageBusI/F1205を備える。このImageBusI/F1205は、システムバス1207と画像バス1212とを接続するよう配設されている。
【0027】
<画像形成装置の操作部の構成>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置における操作部の構成について、図3の要部正面図を参照して説明する。図3に示す操作部10は、液晶操作パネル11で構成されている。この液晶操作パネル11は、液晶とタッチパネルを組み合わせて構成されている。この液晶操作パネル11は、操作画面を表示するよう構成されている。この液晶操作パネル11は、表示した操作画面上にある表示キーがユーザに押されると、これを検知して、その情報信号をコントローラ1200に送信するよう構成されている。
【0028】
この液晶操作パネル11にあるスタートキー12は、原稿画像の読み取り印刷の動作を開始する指令の入力と、その他機能の開始指示の指令の入力とを行えるように構成されている。このスタートキー12には、緑色と赤色の2色のLEDが組み込まれ、所定の動作の開始可能な状態で緑色に点灯し、所定の動作の開始不可の状態で赤色に点灯表示を行うように構成されている。
【0029】
この液晶操作パネル11にあるストップキー13は、稼動中の動作を止める指令の入力を行えるよう構成されている。この液晶操作パネル11上に設けられたハードキー群14には、テンキー、クリアキー、リセットキー、ガイドキー、ユーザーモードキーが配設されている。この液晶操作パネル11にある節電キー15は、画像形成装置を操作部10からスリープモードに移行又は復帰させる指令の入力を行えるよう構成されている。
【0030】
この画像形成装置では、通常モードで動作中に節電キー15がユーザによって押下されるとスリープモードへ移行し、スリープモードで節電キー15がユーザによって押下されると通常モードへ移行するよう構成されている。
【0031】
また、操作部10は、ユーザが液晶操作パネル11を用いて入力したユーザ名、印刷/コピー枚数及び出力属性情報等の動作情報作成に必要な情報を、操作部I/F1206に送信するよう構成されている。
【0032】
<プリントジョブの実行>
次に、前述した図2に示すように構成された画像形成装置100で実行される印刷処理について説明する。
【0033】
この画像形成装置100は、LAN3000に接続されたクライアントPC110から送信されたプリントジョブに基づいて以下のように印刷処理を実行する。この画像形成装置100では、LAN3000に接続されたクライアントPC110からネットワーク部1210を介して印刷用の画像データである印刷データを受信する。すると、CPU1201は、受信した印刷データをRAM1202に記憶させる。
【0034】
そして、CPU1201は、この画像データを、ImageBusI/F1205を介してRIP1250に供給する。このRIP1250は、画像データ(PDLコード)をビットマップデータに展開し、画像圧縮部1240へ送信する。このビットマップデータを受信した画像圧縮部1240は、圧縮処理を行った画像データ(圧縮されたビットマップデータ)をHDD1204に蓄積する。
【0035】
次に、CPU1201は、HDD1204に蓄積された画像データ(圧縮されたビットマップデータ)を、イメージバスI/F1205を介して画像圧縮部1240に供給する。この画像圧縮部1240では、供給された画像データ(圧縮されたビットマップデータ)を伸張し、プリンタ画像処理部1270へ送信する。プリンタ画像処理部1270は、受信した画像データに対するプリンタの補正及び解像度変換等を行い、画像回転部1230へ送信する。画像回転部1230は、必要な場合に受信した画像データに回転処理を施す。
【0036】
次に、CPU1201は、各種処理が施された画像データを、印刷データとしてデバイスI/F1220を介してプリンタ部30に送信する。すると、プリンタ部30は、受信した画像データに基づいて、用紙にプリント処理を行う。
【0037】
なお、詳細は後述するが、プリンタ部30は、上述した印刷ジョブ実行中も一定時間毎に電力計測部50の計測値を取得し、消費電力量を算出しており、コントローラ1200からの要求に従い送信可能な状態となっている。
【0038】
<画像形成装置の電力計測部の構成>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置100内の電源を供給するための構成及び電力計測部50内の構成について、図4を参照して説明する。
【0039】
この画像形成装置100では、商用電源70が、その主電源スイッチ71及び電力計測部50を介し電源供給部80に接続されている。この電源供給部80では、スキャナ部20、プリンタ部30、電力計測部50、コントローラ1200、操作部10等の画像形成装置100の各部に対して、商用電源70を元にして内部生成した電力を供給する。
【0040】
次に、本実施の形態の画像形成装置における電力計測部について、図4を参照して説明する。
【0041】
画像形成装置100における電力計測部50内部には、電圧検出部51と電流検出部52があり、それぞれ電圧と電流の2つの値を読み取る。ここで、電圧の検出に当たっては、例えば、一般的な商用電源のL(ライン)とN(ニュートラル)を全波整流し、それをトランスなどで低圧化して、その数値をA/D変換部53で読み取る方法を用いることができる。また、電流の検出に当たっては、例えば、L(ライン)に流れる電流値を磁束に変換し、それを電圧に変換して、A/D変換部54で読み取っても良いし、電流値検出抵抗を挿入して読み取っても良い。また、流れる電流により温度が変化する素子を挿入して、読み取る方法でも良い。上述した方法で検出され、A/D変換された電圧レベルと電流レベルは、プリンタ部30に入力され、プリンタ部30内で消費電力量が算出される。
【0042】
また、この画像形成装置100では、消費電力量を算出するその他の手法を用いることができる。例えば、この画像形成装置100では、電力計測部50内部にデジタルデータを高速に演算処理するDSP(デジタルシグナルプロセッサ)を搭載し、電力計測部50内部で消費電力量を算出する構成としてもよい。その場合、電力計測部50は、直接コントローラ1200に内部通信I/F1208を通して接続する構成としてもよい。
【0043】
<画像形成装置のプリンタ部の消費電力量演算処理>
次に、画像形成装置100で実行するプリンタ部の消費電力量演算処理の内容について説明する。
【0044】
前述した電力計測部で検出され、A/D変換された電圧レベルと電流レベルは、プリンタ部30に入力される。すると、プリンタ部30内部のCPU3001は、電圧レベルと電流レベルとを読み取って、2つの値を掛け算した結果を消費電力としてプリンタ部30内に保持する。CPU3001は、直前の読み取り時間からの経過時間を検出し、消費電力×時間の演算をして所定時間内の消費電力量を算出する。このようにしてプリンタ部30内部で算出された消費電力量は、プリンタ部30がコントローラ1200内の内部通信I/F1208と通信することでコントローラ1200内のCPU1201に送信される。
【0045】
さらに、プリンタ部30内部のCPU3001は、プリンタ部30内部で算出した所定時間内の消費電力量を複数回分積算保持する。そして、CPU3001は、コントローラ1200から内部通信I/F1208を介して電力計測値の要求があった場合に、その積算保持分を通知し、内部の積算保持内容をクリアする。
【0046】
この画像形成装置100では、CPU3001が上述のような処理を行うことによってコントローラ1200からの要求間隔内の消費電力量をコントローラ1200に効率的に通知できる構成としている。
【0047】
なお、消費電力量のプリンタ部30における算出間隔であるプリンタ部30による電力計測部50の出力値の読取間隔は、前述の印刷ジョブやその他のプリント処理に影響のない範囲で自由に設定できるものとする。
【0048】
<プリンタ部の電力計測処理>
次に、プリンタ部30内のCPU3001が実行する画像形成装置100での消費電力量の計測に関わるプリンタ部の電力量計測処理の動作の手順を図5のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
この画像形成装置100では、電源スイッチがオン動作されると、CPU3001が初期化処理を実行する(ステップS101)。この初期化処理では、例えば、消費電力量に関する内部保持データ(累積消費電力量など)を初期化する。
【0050】
次に、CPU3001は、計測値の読取を行う(ステップS102)。ここで計測値とは、電力計測部50で読み取られ、A/D変換された電圧レベルと電流レベルの値である。
【0051】
次に、CPU3001は、消費電力量を求める演算を実行する(ステップS103)。この演算では、ステップS102で読み取った計測値と前回の計測値読取からの経過時間を用いて消費電力量を求める。すなわち、この演算では、計測値の電圧レベルと電流レベルを積算し、消費電力を求め、さらに経過時間を積算することで消費電力量を求める。
【0052】
次に、CPU3001は、ステップS103で求めた消費電力量を累積加算し、内部保持するよう制御する(ステップS104)。具体的に言うと、CPU3001は、前回求めた消費電力量に今回求めた消費電力量を加算する処理を行う。そして、CPU3001は、これを繰り返すことにより、累積経過時間の消費電力量を情報として保持するよう制御する。
【0053】
次に、CPU3001は、前述したステップS104で内部保持した累積消費電力量の通知要求があるかどうかを判定する(ステップS105)。ここで、通知の要求元は、コントローラ1200のCPU1201である。このCPU1201は、内部通信I/F1208を介して要求を行う。CPU1201からの要求があった場合には、ステップS106へ進む。また、CPU1201からの要求がなかった場合には、ステップS108へ進む。
【0054】
次に、CPU3001は、要求があったと判定した場合(ステップS105でYES)に、コントローラ1200のCPU1201からの要求に対する応答を行う(ステップS106)。具体的には、CPU3001が、内部に累積保持している消費電力量を内部通信I/F1208を介して要求元へ通知する。この通知を受けたコントローラ1200側のCPU1201は、要求を出したときまでの消費電力量の情報を得る。
【0055】
次に、CPU3001は、内部に累積保持している消費電力量のクリア処理を行う(ステップS107)。この消費電力量のクリア処理は、ステップS106でコントローラ1200に対して累積消費電力量を通知した後に、新たに消費電力量を累積し始めるためのクリア処理である。
【0056】
また、CPU3001は、前述したステップS105で要求が無かったと判定した場合(ステップS105でNO)には、CPU3001が現在の消費電力の通知要求があるかどうかを判定する(ステップS108)。ここで、要求元は、コントローラ1200のCPU1201であって、内部通信I/F1208を介して要求してくることとなる。CPU3001は、コントローラ1200の要求があったと判定した場合(ステップS108でYES)に、ステップS109へ進む。また、CPU3001は、要求がなかったと判定した場合(ステップS108でNO)は、ステップS110へ進む。
【0057】
CPU3001は、コントローラ1200の要求があったと判定した場合に、このコントローラ1200のCPU1201からの要求に応答して、現在の消費電力を内部通信I/F1208を介して要求元へ通知する。これにより、コントローラ1200側のCPU1201は、現在の消費電力の情報を得ることができる。
【0058】
次に、ステップS110では、CPU3001が、処理を継続するかどうかの判断を行う。処理を継続する場合(ステップS110でYES)には、ステップS102に戻り、引き続き電力計測フローを実施する。またCPU3001は、処理を継続しないと判断した場合(ステップS110でNO)に、電力計測フローを終了する。
【0059】
<計測エラー判定処理>
次に、画像形成装置100で実行される計測エラー判定処理における動作の手順について、図18のフローチャートを参照して説明する。この画像形成装置100では、プリンタ部の消費電力量演算処理の開始に伴って、コントローラ1200のCPU1201が、電力計測部50のエラーを調べるための計測エラー判定処理を開始する。
【0060】
この計測エラー判定処理が開始すると、CPU1201は、動作状態に変化があったかどうかの判定を行う(ステップS1801)。この動作状態の変化の判定では、CPU1201が、画像形成装置100の状態が待機からスリープ若しくはスリープから待機へ変化があったか又はジョブ受信により受信したジョブの実行に移ったかを監視する。これと共に、この動作状態の変化の判定では、CPU1201が、実行しているジョブが終了し待機状態となったか等を監視し、動作状態の変化の有無を判断している。
【0061】
次に、CPU1201は、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30のCPU3001に対して、現在の消費電力を要求する。この要求動作は、CPU1201が前述の消費電力量管理プログラム1290内の計測消費電力量取得部1291の機能を用いて実施する。
【0062】
次に、CPU1201は、プリンタ部30のCPU3001から内部通信I/F1208を介して消費電力を受信し、RAM1202に格納する(ステップS1803)。次に、CPU1201は、HDD1204に格納された消費電力予測値を取得し、RAM1202に格納する(ステップS1804)。ここで、消費電力予測値は、予め計測された動作状態変化時の消費電力典型値であり、その動作状態での代表的な消費電力を表すタイミングで取得された消費電力である。この消費電力予測値は、具体的に言うと、プリントジョブ開始直後の定着器が作動中の消費電力等がこれに当たる。なお消費電力予測値には、典型値取得時のばらつきに基づいた誤差情報も付加される。
【0063】
次に、CPU1201は、RAM1202に格納された現在の消費電力と消費電力予測値の比較を行う(ステップS1805)。そして、CPU1201は、現在の消費電力が消費電力予測値の誤差範囲内であると判断した場合(ステップS1805でYES)に、ステップS1806に移行する。また、CPU1201は、現在の消費電力が消費電力予測値の誤差範囲外であると判断した場合(ステップS1805でNO)ステップS1807に移行する。
【0064】
次に、CPU1201は、現在の動作状態において電力計測部50が正常と判定した場合に、RAM1202にエラー判定結果を正常として現在の動作状態に結び付けて格納する(ステップS1806)。また、CPU1201は、現在の動作状態において電力計測部50が異常と判定した場合に、RAM1202にエラー判定結果を異常として現在の動作状態に結び付けて格納する。
【0065】
次に、図19に例示した消費電力の具体的な事例に対応して実行された場合の計測エラー判定処理の動作の手順について説明する。
【0066】
なお、この動作状態の変化と、各状態での消費電力の遷移を例示した図19で、1901は、消費電力の遷移を示す。また、図19で、1905〜1907は、それぞれプリント、スタンバイ、スキャン時の消費電力予想値とその誤差範囲を示す。また図19で、1908〜1910は、それぞれプリント、スタンバイ、スキャン時の状態変化時の消費電力値である消費電力瞬時値を示す。
【0067】
この図19の事例に則した計測エラー判定処理は、画像形成装置100でプリンタ部の消費電力量演算処理が開始されたときに開始される。この消費電力量演算処理の開始後のプリント状態1902において、CPU1201は、動作状態の変化を検知する(ステップS1801)。次に、CPU1201は、消費電力瞬時値1908が消費電力予想値1905の誤差範囲内に含まれるかを調べる(ステップS1805)。図19の場合には、消費電力瞬時値1908が消費電力予想値1905の誤差範囲内に含まれない(ステップS1805でNO)ため、エラー判定結果は「異常」となる(ステップS1807)。
【0068】
次に、図19のスタンバイ状態1903において、CPU1201は、動作状態の変化を検知する(ステップS1801)。前述したその後の処理に続いて、CPU1201は、消費電力瞬時値1909が消費電力予想値1906の誤差範囲内に含まれるかを調べる(ステップS1805)。この場合、消費電力瞬時値1909が消費電力予想値1906の誤差範囲内に含まれる(ステップS1805でYES)ため、エラー判定結果は「正常」となる(ステップS18060)。
【0069】
次に、図19のスキャン状態1904において、CPU1201は、動作状態の変化を検知する(ステップS1801)。前述したその後の処理に続いて、CPU1201は、消費電力瞬時値1910が消費電力予想値1907の誤差範囲内に含まれるかを調べる(ステップS1805)。この場合、消費電力瞬時値1910が消費電力予想値1907の誤差範囲内に含まれる(ステップS1805でYES)ため、エラー判定結果は「正常」となる(ステップS1806)。
【0070】
<消費電力量管理プログラムにおける動作管理制御>
次に、画像形成装置が実行する消費電力量管理プログラムにおける動作管理制御について、図6を参照して説明する。この図6に例示する消費電力量管理プログラム1290は、印刷やコピーなどのジョブを実行するジョブ制御プログラム等と共にHDD1204内に格納されている。消費電力量管理プログラム1290は、CPU1201がブートプログラムを実行することにより、HDD1204からRAM1202へ読み出される。そして消費電力量管理プログラム1290は、CPU1201がRAM1202上に読み出して実行することで処理される。
【0071】
図6に示すように消費電力量管理プログラム1290における計測消費電力量取得部1291は、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30に対して、計測し内部保持している消費電力量、あるいは消費電力を要求する。そして、計測消費電力量取得部1291は、この要求に応答してもらうことによって消費電力量又は消費電力を取得する。計測消費電力量取得部1291は、プリントのジョブの終了時に内部通信I/F1208を介してプリンタ部30に消費電力量を要求すれば、そのジョブの消費電力量を取得できる。また、計測消費電力量取得部1291は、その後のプリントのジョブの開始時に消費電力量を要求すれば、ジョブとジョブの間の消費電力量を取得できる。このように計測消費電力量取得部1291は、消費電力を要求すればその時点での消費電力を要求できる。
【0072】
この消費電力量管理プログラム1290における計測エラー判定部1293では、前述の計測エラー判定フローによって消費電力量が電力計測部50によって正常に計測されたかどうかの判定を行っている。計測エラーの原因としては、電力計測部50の故障が想定できるが、その他に電力計測部50が着脱可能な構成だった場合に、電力計測部50が外されてしまった場合等も想定できる。
【0073】
なお、本実施の形態では、計測エラーの原因が問題となることはない。
【0074】
この消費電力量管理プログラム1290におけるジョブ管理部1292は、印刷やコピージョブを解析し、ユーザ名や印刷部数、カラー印刷等の出力属性情報、消費電力量などを取得し、動作情報として管理する。このジョブ管理部1292は、動作情報が操作部10から発行されたジョブ(例えば、コピージョブ)であれば、操作部I/F1206から取得する。また、ジョブ管理部1292は、動作情報がクライアントPC110や他の端末から発行されたジョブ(例えばプリントジョブ)であれば、ネットワーク部1210から取得する。また、ジョブ管理部1292は、動作情報を管理する際に、計測消費電力量取得部1291を用いて、そのジョブ処理中の消費電力量を取得する。さらに、ジョブ管理部1292は、ジョブとジョブの間の消費電力量を取得することも可能である。ジョブ管理部1292がジョブとジョブの間の消費電力量を取得した場合には、その間の動作状態(待機やスリープ)と共にジョブの動作情報と同様の形式で管理することで効率的に管理する。
【0075】
同様にジョブ管理部1292は、動作情報を管理する際に、前述の計測エラー判定部1293を用いることによって、取得した消費電力量が正常かどうか(計測エラーかどうか)の判定を行い、動作情報に紐付けしている。このジョブ管理部1292は、このようにして管理している動作情報をジョブ履歴管理部1294に送信する。
【0076】
この動作情報をジョブ管理部1292から受信したジョブ履歴管理部1294は、ジョブ開始時または終了時等のタイミングで受信した動作情報を動作履歴情報テーブルとして保持する。
【0077】
このジョブ履歴管理部1294で保持される動作履歴情報テーブルは、図7(a)に例示する画像形成装置100の動作履歴情報テーブル及び図7(b)に例示する動作履歴情報テーブルのように構成されている。これらの動作履歴情報テーブルは、消費電力管理サーバ200が、これらを個別の表にまとめ一括管理する。
【0078】
この図7に例示する動作履歴情報テーブルにおける動作履歴ID601は、ジョブ等の動作履歴を一意に識別するIDである。但し、上述したように、消費電力管理サーバ200は、ジョブではない動作状態(待機やスリープ)も効率的に一括管理している。
【0079】
この動作履歴情報テーブルにおけるユーザ名602は、ジョブの実行を指示したユーザ名を示す。但し、ジョブではない動作状態では、non−userと表示している。この動作履歴情報テーブルにおける動作タイプ603は、実行されたジョブの種別や動作状態等を示し、クライアントPC110からのプリントジョブやコピー、スキャン等が例として挙げられる。さらに、この動作タイプ603は、待機やスリープといった動作状態も含んでいる。
【0080】
この動作履歴情報テーブルにおける開始時刻604及び終了時刻605は、動作状態(ジョブ含む)の開始時刻および終了時刻を示す。さらに、カラーページ数606は、該当ジョブによりカラー印刷/コピーされたページ数を示す。白黒ページ数607は、該当ジョブにより白黒印刷/コピーされたページ数を示す。スキャンページ数608は、スキャナ部20によりスキャンされたページ数を示し、カラースキャンページ数、白黒スキャンページ数等を区別して記録することも可能である。
【0081】
この動作履歴情報テーブルにおける消費電力量609は、該当動作によって消費された電力量を示す。さらに消費電力量609は、待機やスリープといった状態で電力を何Wh消費したかも同時に記録している。この動作履歴情報テーブルにおける計測エラー属性610は、該当動作によって消費された電力量を正常に計測できたかどうかの判定結果を示す。
【0082】
ジョブ履歴管理部1294は、これらの情報により、誰によってどのようなジョブがどの時刻に開始され終了し、何Wh消費されたかというジョブ履歴情報を記録する。例えば、動作履歴ID1000は、2010/6/2_18:33に開始し、2010/6/2_18:50に終了したコピージョブが実行されたことを示している。更に、このジョブでは、10ページスキャンされ、10ページのカラー印刷が行われ、1000Whの電力が消費されたことを示している。なお、動作履歴情報テーブルは、ジョブ種毎に作成するようにしてもよい。
【0083】
また、図7に示す動作履歴情報テーブルは、同時に消費電力量の計測が正常に行われたかどうかも管理する。図7を例にしてみると、動作履歴ID1000〜1003は、正常に計測できている。しかし、動作履歴ID1004〜1005は、消費電力量0Whとなり、計測エラー判定部1293によって計測エラーとなっている。よって、計測エラー属性は、1になっている。なお、計測エラーとなっている場合には、計測した消費電力量が0Whとなっている場合もあるし、これ以外にも、そもそも電力計測部50が外されていることにより消費電力量を取得できない場合もある。また、電力計測部50自体に電力が供給されていないことにより消費電力量を取得できない場合もある。本実施形態では、計測した消費電力量が0Whである場合も、消費電力量を電力計測部50から取得できない場合も、「0Wh」の値が図7に示すテーブルに書き込まれるものとする。 この動作履歴情報テーブルにおけるインタフェース部1295では、ジョブ履歴管理部1294で保持している動作情報である動作履歴情報テーブルを操作部10の液晶操作パネル11に表示する。また、インタフェース部1295は、ネットワーク部1210を介してLAN3000上に接続されたクライアントPC110やその他の外部装置に出力する制御を行う。
【0084】
<コントローラの動作履歴情報生成処理>
次に、コントローラ1200のCPU1201が実行する画像形成装置100の動作履歴情報の生成に関わるコントローラの動作履歴情報生成処理の動作の手順について、図8のフローチャートを参照して説明する。この画像形成装置100では、プリンタ部の消費電力量演算処理の開始に伴って、コントローラ1200のCPU1201が、コントローラの動作履歴情報生成処理を開始する。
【0085】
このCPU1201は、動作状態に変化があったかどうかの判定を行う(ステップS201)。具体的判定方法は、前述したステップS1801と同等であるのでその説明を省略する。このCPU1201は、動作状態に変化が生じるまで、待機する(ステップS201でNO)。そして、このCPU1201は、動作状態に変化を生じたとき(ステップS201でYES)にステップS202へ進む。
【0086】
次に、CPU1201は、ステップS201で変化した動作状態の変化前の情報を収集する(ステップS202)。CPU1201は、変化前の動作状態が待機やスリープであった場合に、何時間その状態であったかの期間情報を取得する。また、CPU1201は、変化前の動作状態がジョブ実行であった場合に、ジョブ実行に関わる情報を取得する。なお、本処理は、CPU1201が前述の消費電力量管理プログラム1290内のジョブ管理部1292の機能を用いて実施する。
【0087】
次に、CPU1201は、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30のCPU3001に対して、計測し内部保持している消費電力量を要求する(ステップS203)。CPU1201は、この要求を前述の消費電力量管理プログラム1290内の計測消費電力量取得部1291の機能を用いて実施する。次に、CPU1201は、プリンタ部30のCPU3001から内部通信I/F1208を介して消費電力量を受信し、ジョブ管理部1292の機能を用いて動作状態の情報と共に保持する(ステップS204)。
【0088】
次に、CPU1201は、消費電力量が電力計測部50にて正常に計測されたかどうかの判定結果を取得する(ステップS205)。CPU1201は、この判定結果を、RAM1202に格納された計測エラー判定部1293の計測エラー判定結果から取得する。この取得された判定結果は、動作状態の情報に付与される。
【0089】
CPU1201は、前述したステップS202〜S205で取得した情報を用いて、動作履歴情報テーブルを生成し、情報の追加を実行する(ステップS206)。すなわち、CPU1201は、消費電力量管理プログラム1290内のジョブ履歴管理部1294の機能を用いて、図7に示す如き動作履歴情報テーブルを生成する。さらに、CPU1201は、新たな動作状態の情報が生成された場合に、この動作履歴情報テーブルに情報を追加する。
【0090】
次に、CPU1201は、処理を継続するかどうかの判断を行う。CPU1201は、処理を継続すると判断した場合(ステップS207でYES)は、ステップS201に戻り、引き続き動作履歴情報生成フローを実施する。CPU1201は、処理を継続しないと判断した場合(ステップS207でNO)は、この動作履歴情報生成処理を終了する。
【0091】
<消費電力管理サーバのハード構成>
次に、消費電力管理サーバのハードウェアの構成について、図9のブロック図を参照して説明する。
【0092】
図9に示すように、消費電力管理サーバ200は、CPU1301、RAM1302、ROM1303、HDD1304、ネットワーク部1307、IO部1305、操作部1306を有する。これらは、システムバス1308で相互に接続されている。
【0093】
このCPU1301は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトなどのプログラムをHDD1304から読み出して実行することで種々の機能を提供する。さらにCPU1301は、消費電力管理サーバ200が行う消費電力管理処理を統括的に制御する。
【0094】
また、RAM1302は、CPU1301がプログラムを実行する際のシステムワークメモリである。ROM1303は、BIOS(Basic Input Output System)やOSを起動するためのプログラム、設定ファイルを記憶している。HDD1304は、ハードディスクドライブであって、システムソフトウェアや、後述する各手段を実現するためのプログラムが記憶されている。本プログラムは、記憶媒体に記憶され配布されたり、LAN3000を介して接続された所定のサーバからダウンロードされ、HDD1304にインストールされる。
【0095】
ネットワーク部1307は、LAN3000に接続され、クライアントPC110、111や画像形成装置100、101、102等の外部機器と通信(送受信)を行う。IO部1305は、液晶ディスプレイやマウスなど図示しない入出力デバイスとから構成する操作部1306との情報を入出力するインターフェースである。液晶ディスプレイには、プログラムが指示する画面情報に基づき所定の解像度や色数等で所定の情報が描画される。例えば、GUI(Graphical User Interface)画面を形成し、操作に必要な各種ウィンドウやデータ等が表示される。
【0096】
消費電力管理サーバ200のハード構成は、上述の通りであるが、クライアントPC110、111も同様のハード構成となっている。
【0097】
<消費電力管理サーバの機能構成>
次に、消費電力管理サーバが実行する消費電力量管理プログラムについて、図10を参照して説明する。
【0098】
この消費電力管理サーバ200における消費電力管理プログラム1340は、HDD1304内に本サーバが実現すべき機能として格納されている。消費電力管理プログラム1340は、CPU1301がブートプログラムを実行することにより、HDD1304からRAM1302へ読み出される。そしてCPU1301は、RAM1302上に読み出したプログラムを実行することで処理を行う。
【0099】
この消費電力管理サーバ200におけるインタフェース部1341は、後述する機能部からの指示に従って外部装置にアクセスする制御を行う。すなわち、インタフェース部1341は、ネットワーク部1307を介してLAN3000上に接続されたクライアントPC110、111や画像形成装置100、101、102等にアクセスする制御を行う。さらに、インタフェース部1341は、消費電力量表示生成部1345によってグラフなどにビジュアル化された消費電力量の情報をIO部1305を介して操作部1306の液晶ディスプレイ等のモニタに表示する。
【0100】
この消費電力管理サーバ200におけるデバイス動作履歴情報収集部1342は、インタフェース部1341を介してネットワーク上に接続されている消費電力量を管理すべき各デバイスの動作履歴情報を収集し、管理する。ここで、各デバイスとは、画像形成装置100、101、102を指す。また、動作履歴情報とは、図7に示したような動作履歴情報テーブルを指す。よって、消費電力管理サーバ200には、全ての画像形成装置のジョブ実行等を含めた動作履歴情報が集約され、管理される。
【0101】
この消費電力管理サーバ200におけるデバイス構成情報管理部1343では、各デバイスの種類と各デバイスがどのようなハードウェアで構成されているかの情報及び各デバイスの消費電力量に関する情報を管理する。ここで、本デバイス構成情報管理部1343で記載される消費電力量とは、動作状態やデバイス情報を元として算出している推定値である。
【0102】
このデバイス構成情報管理部1343では、管理する情報を図11(a)に例示するようなデバイス構成情報テーブルにして管理している。このデバイス構成情報テーブルにおける機器ID701は、消費電力管理サーバ200が管理すべきデバイスを一意に識別するIDである。図示するように本実施の形態では、画像形成装置100、101、102を管理している。このデバイス構成情報テーブルにおける更新時刻702は、各機器のデバイス構成が変更された時刻を示している。また、機種ID703は、機器ID701におけるそれぞれのデバイスの種類を示している。本デバイス構成情報テーブルでは、画像形成装置100と画像形成装置101がAという機種IDの同一機種装置であることを示している。さらに、画像形成装置102は、Bという機種IDであって画像形成装置100、101とは別の機種であることを示している。このデバイス構成情報テーブルにおけるオプション1〜オプション4には、実際に各デバイスに付属しているハードウェア構成情報が登録されている。
【0103】
このデバイス構成情報テーブルでは、画像形成装置100、101は、フィニッシャXというオプションユニットが付属した構成であることを示している。さらに、画像形成装置102は、フィニッシャXと排紙ユニットZが付属した構成であることを示している。
【0104】
次に、デバイス構成情報管理部1343が管理するオプションユニットの消費電力量の情報に係るオプションユニットの消費電力量情報テーブルについて、図11(b)を参照して説明する。このオプションユニットの消費電力量情報テーブルにおけるオプションID711は、オプションユニットを一意に識別するIDである。この図11(b)で712は、用紙サイズがA4の場合の消費電力量の情報を示し、713は用紙サイズがA3の場合の消費電力量の情報を示している。
【0105】
次に、デバイス構成情報管理部1343が管理する各デバイスのジョブに関わる消費電力量算出補正情報に係る消費電力量算出補正情報テーブルについて、図11(c)を参照して説明する。消費電力量算出補正情報テーブルにおける機器ID721は、消費電力管理サーバ200が管理すべきデバイスを一意に識別するIDである。この図11(c)に示す722は、1ページ目の印刷を行うための消費電力量であり、723はカラー印刷を行う為の1ページ分の消費電力量であり、724は白黒印刷を行う為の1ページ分の消費電力量である。この図11(c)に示す725はスキャンを行う為の1ページ分の消費電力量である。なお、本実施の形態において消費電力量算出補正情報テーブルのそれぞれの値(消費電力量)は前述した図11(a)のデバイス構成情報テーブルと図11(b)のオプションユニットの消費電力量情報テーブルの情報を反映した値となっている。つまり、どのような機種でどのようなオプションユニット構成をしているか、またそのオプションユニット構成による消費電力量の増加分はどの程度かを図11(a)と図11(b)から求め、図11(c)の値を算出している。例えば、図(c)の画像形成装置102の722〜725の数値は、機種Bの消費電力量を基準として、フィニッシャXと排紙ユニットZの消費電力量の値をそれぞれが関わる動作部に上乗せした値となっている。このようにすることでデバイスそれぞれに対して適切な消費電力量算出補正情報を算出している。
【0106】
次に、デバイス構成情報管理部1343が管理する各デバイスの各動作状態における消費電力量算出情報に係る消費電力量算出情報テーブルについて、図11(d)を参照して説明する。
【0107】
この消費電力量算出情報テーブルで、機器ID731は、消費電力管理サーバ200が管理すべきデバイスを一意に識別するIDである。この図11(d)で732は、各デバイスの動作状態が待機モードである場合の単位時間当たりの消費電力を示し、733はスリープモードなどの省電力状態における単位時間当たりの消費電力を示している。また、この図11(d)で734は、プリントジョブ処理における単位時間当たりの消費電力を示しており、735はスキャンジョブ処理における単位時間当たりの消費電力を示している。ここで、本実施の形態では、画像形成装置がFAX送信を行う場合にスキャンジョブ処理735と同様の情報で消費電力情報を扱うものとする。またコピージョブ等スキャンとプリントが同時に実施されるジョブでは、プリントジョブ処理734とスキャンジョブ処理735の合算値で消費電力情報を扱うものとする。なお、本消費電力量算出情報テーブルを含めた図11の各テーブル情報は、上述した構成に限定されるものではなくデバイスの仕様に合わせて柔軟にテーブルの列と行を設定可能である。
【0108】
次に、図10に示すように消費電力管理サーバ200における消費電力推定部について説明する。この消費電力推定部1344は、各デバイスの消費電力量を推定する処理を行う。なお、推定処理の適用は、計測エラー属性を1として送ってきた動作状態履歴に対して行われる。計測エラーの場合とは、例えばデバイスの消費電力計測部が故障した場合や、消費電力計測部が外れた場合などが該当する。さらに、元々消費電力計測機構を持っていないデバイスが計測エラー属性を1として動作状態履歴を消費電力管理サーバ200に送信してきた場合も計測エラーに該当する。
【0109】
この消費電力推定部1344では、計測エラーの場合に、消費電力量情報を補完する。このため、消費電力推定部1344では、計測エラー属性が1の動作履歴を分析し、同様の動作状態を示すものが計測エラー属性0の過去の動作履歴の中にあるかどうかを検索する。例えば、“カラースキャン1枚”という動作状態を示す動作履歴IDが計測エラー属性1であった場合、同様のデバイスの中で同じ“カラースキャン1枚”という動作履歴IDが計測エラー属性0で存在しないかを検索する。
【0110】
存在した場合は、計測エラー属性0の動作履歴IDの消費電力量情報で計測エラー属性1の消費電力量情報を置き換える処理を実施する。ここで同様のデバイスとは、図11の機器ID701が同一のものだけでなく、機器ID701が別であっても機種ID703が同一でオプション1〜オプション4の構成が同一のものも含んでいる。
【0111】
次に同様にデバイスの中に同様の動作状態を示すものが計測エラー属性0で過去の動作履歴の中に存在しなかった場合は、図11(c)の消費電力量算出補正情報テーブルと図11(d)の消費電力量算出情報テーブルを用いて推定演算処理を実行する。なお、推定演算処理は例えばカラー印刷ジョブの場合には以下のような計算式で行う。この推定演算処理では、図7の動作履歴情報テーブルにおける終了時刻605/開始時刻604から動作時間を計算する。
【0112】
[動作処理時間]=[終了時刻]−[開始時刻]
[推定消費電力量]=[プリントジョブ処理中734]×[動作処理時間]+[印刷1ページ目722]+[カラー印刷723]×[カラー印刷ページ数]
上述の計算式で求めた推定消費電力量は、動作履歴情報テーブルの中の消費電力量の情報として置き換える。
【0113】
また、図11(a)で示される各機器のデバイス構成情報テーブルなどに変更があった場合には、図11(c)の消費電力量算出補正情報テーブルの消費電力量情報が変化する場合がある。この場合には、実際にオプション構成などに変更があった更新時刻702とデバイス動作履歴情報収集部1342の動作履歴情報テーブルのジョブ開始時刻を比較する。そして、更新時刻702以降の動作状態の中に計測エラー属性1のものがあった場合には、消費電力量推定処理を実施しなおす。
【0114】
次に、消費電力量表示生成部1345は、各デバイスの消費電力量の情報をグラフなどによりビジュアル化し、インタフェース部1341を介して操作部1306の液晶ディスプレイ等のモニタに表示する。このモニタに表示される表示例は、図12に示す如くである。この図12の表示例では、特に棒グラフの斜線部が計測エラー属性が0の実測ベースの消費電力量の情報を示しており、棒グラフの網線部が計測エラー属性が1の推定演算処理ベースの消費電力量の情報を示している。上述のようにモニタに表示するための表示処理は、消費電力管理サーバ200を管理する管理者が操作部1306を操作することによって実行され、液晶ディスプレイ等に消費電力量の情報を表示する。
【0115】
この図12で、81は、表示内容のタイトルである。図12に示す表示例では、一日分の消費電力量の情報をグラフ化表示していることから、消費電力量(日)と表示している。この図12で80は、表示している区間におけるトータル消費電力量を示す。この図12に示す消費電力量グラフ82では、管理者からの指示を受けて、ある区間の消費電力量をグラフ化して表示している。この場合、縦軸は単位当りの消費電力量であり横軸は時刻である。
【0116】
これらの表示処理は、管理者が操作部1306を操作して入力した表示要求がCPU1301に伝えられることによって実行される。これらの表示処理は、CPU1301が前述した消費電力管理プログラム1340におけるインタフェース部1341と消費電力量表示生成部1345とを実行することによって実現される。
【0117】
また、上述した本実施の形態では、表示処理により、操作部1306の液晶ディスプレイ上に表示するものについて説明した。しかし、この表示処理では、LAN3000上のクライアントPC110等の外部機器からの要求を受けてネットワーク部1307を介してクライアントPC110等の外部機器内の表示部に表示するよう構成しても良い。
【0118】
<消費電力管理サーバの動作履歴情報収集処理>
次に、消費電力管理サーバ200内のCPU1301が実行する各デバイスの動作履歴情報の収集に関わる消費電力管理サーバの動作履歴情報収集処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。ここで、各デバイスとは、画像形成装置100、101、102を指すものとする。
【0119】
CPU1301は、動作履歴情報の要求を行う(ステップS301)。すなわち、CPU1301は、画像形成装置100、101、102に対して個別に動作履歴情報の要求をLAN3000を介して行う。このときCPU1301は、消費電力管理プログラム1340内のデバイス動作履歴情報収集部1342を実行することになる。
【0120】
次に、画像形成装置100、101、102の各CPU1201は、前述したステップS301の動作履歴情報の要求を受けて、ネットワーク部1210を介して動作履歴情報を送信する(ステップS302)。この動作履歴情報とは、図7に示す動作履歴情報テーブルを指す。なお、各画像形成装置100、101、102は、一度動作履歴情報を送信すると、次回以降は差分情報のみを送信するものとする。
【0121】
次に、消費電力管理サーバ200内のCPU1301は、各画像形成装置100、101、102の動作履歴情報をLAN3000を介して受信する(ステップS303)。この受信した動作履歴情報は、デバイス動作履歴情報収集部1342内のプログラムで管理される。
【0122】
次に、CPU1301は、ステップS303で取得した動作履歴情報テーブルの中に計測エラー属性が1のものがあるかないか検索する(ステップS304)。計測エラー属性が1のものがないと判断した場合(ステップS304でNO)に本動作履歴情報収集処理を終了し、計測エラー属性が1のものがあると判別した場合(ステップS304でYES)にステップS305に進む。
【0123】
次に、計測エラー属性が1のものがあると判別した場合にCPU1301は、計測エラー属性が1の動作履歴に対して消費電力量推定算出処理を実行する(ステップS305)。この消費電力量推定算出処理は、CPU1301が消費電力管理プログラム1340内の消費電力推定部1344を実行することによって処理される。この後、CPU1301は、動作履歴情報収集処理を、終了する。
【0124】
<消費電力管理サーバの消費電力量推定算出処理>
次に、前述した図13に示すステップS305の消費電力量推定算出処理の動作手順について、図14を参照して説明する。
【0125】
この消費電力量推定算出処理が開始すると、CPU1301は、取得した各デバイスの動作状態履歴テーブルの中から検索されたデバイスの消費電力量の計測エラー属性が1のものを抽出する(ステップS401)。ここでは、例えば、CPU1301が、図7の(a)、(b)の動作状態履歴テーブルを画像形成装置100、101から取得して利用する。そしてCPU1301は、画像形成装置100の動作状態履歴テーブルの中からの動作履歴ID1004、1005を計測エラー属性が1の動作履歴として抽出したものとして利用する。
【0126】
次に、CPU1301は、抽出した計測エラー属性が1のデバイスの構成情報を含めたLAN3000上の全てのデバイスの構成情報を取得する(ステップS402)。ここでCPU1301は、消費電力管理プログラム1340内のデバイス構成情報管理部1343で管理しているデバイス構成情報を参照することで全てのデバイスの構成情報を取得する。例えば、CPU1301は、図11(a)〜(d)の全てのデバイスの構成情報を取得する。
【0127】
次に、CPU1301は、消費電力量の計測エラー属性が1となっている情報履歴元のデバイス構成と同一のデバイス構成のデバイスが存在するかを検索する(ステップS403)。ここで、CPU1301は、ステップS402で取得したデバイスの構成情報を元として、検索するものとする。例えば、CPU1301は、計測エラー属性が1となっている画像形成装置100と同一のデバイス構成となるデバイスが消費電力管理サーバ200の管理内に存在するか否かを検索する。例えば、図11(a)に示す場合には、画像形成装置100と画像形成装置101は、機種ID、オプション構成ともに同一となっている場合(ステップS403でYES)であるので、ステップS404へ進む。また消費電力量の計測エラー属性が1となっている情報履歴元のデバイス構成と同一構成のデバイスが存在しない場合(ステップS403でNO)は、ステップS406へ進む。
【0128】
次に、CPU1301は、計測エラー属性が1となっている動作状態と同一の動作状態履歴情報がステップS403で該当した同一構成デバイスの動作状態履歴情報テーブル内に存在するかどうかを検索する(ステップS404)。なお、この検索は、同一構成デバイスの動作状態履歴情報テーブルの中で、計測エラー属性が0となっている動作履歴に対してのみ実行される。
【0129】
例えば、図7の動作状態履歴テーブルに示す場合では、CPU1301が、動作履歴ID1004、1005について、まず画像形成装置100の動作履歴ID1000〜1003に対して検索を行う。さらに、CPU1301は、同一構成デバイスとなる画像形成装置101の動作履歴情報テーブルに対しても検索を行い、動作履歴ID2000〜2005に対しても検索を行う。この図7の動作状態履歴テーブルに示す場合に、CPU1301は、動作履歴ID1004が同一動作に該当するものなしと判別する。しかし、動作履歴ID1005に対して、CPU1301は、動作履歴ID2003を同一動作として抽出する。このとき、CPU1301は、同一動作として該当するか否かの判断を、動作タイプがジョブのものに関しては動作タイプとカラーページ数606〜スキャンページ数608の情報で判断する。またCPU1301は、動作タイプが待機やスリープといったものの場合に、終了時刻―開始時刻で求まる動作時間の情報で判断する。なお、この判断基準は、管理者が自由に設定可能に構成する。
【0130】
次に、CPU1301は、同一動作を抽出した場合(ステップS404でYES)は、ステップS405へ進む。また、CPU1301は、同一動作を抽出しなかった場合(ステップS404でNO)は、ステップS406へ進む。
【0131】
次に、CPU1301は、同一動作を抽出した場合に、計測エラー属性が1となっている動作状態の消費電力量の情報をステップS404で抽出した同一動作の消費電力量の情報に置き換える処理を実行する(ステップS405)。例えば、図7の動作状態履歴テーブルに示す場合では、動作履歴ID1005のプリント動作の消費電力量情報0Whを動作履歴ID2003の消費電力量情報500Whに置き換える。これにより、推定演算式を元とした消費電力量の置き換えよりも信頼性の高い実測ベースの消費電力量情報に置き換えることが可能となる。なおステップS405とステップS406は、CPU1301が消費電力管理プログラム1340内の消費電力推定部1344を実行することで処理される。
【0132】
次に、CPU1301は、計測エラー属性が1となっている動作状態の消費電力量の情報を推定演算処理によって求める(ステップS406)。すなわちCPU1301は、ステップS402で取得した図11(c)、(d)のようなデバイス構成情報を元に推定演算により求める。この処理は、前述した消費電力管理プログラム1340内の消費電力推定部1344の処理動作と同等である。
【0133】
次に、CPU1301は、全ての動作状態の情報をチェックしたかどうかの判断を行う(ステップS407)。CPU1301は、動作状態の情報のチェックが全て終了していないと判断した場合(ステップS407でNO)には、ステップS401に戻り、引き続き消費電力量推定算出処理を継続して実施する。また、CPU1301は、全ての動作状態の情報のチェックを終了したと判断した場合(ステップS407でYES)には、消費電力量推定算出処理を終了する。
【0134】
<消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理>
次に、デバイス構成情報管理部1343で管理するデバイス構成情報テーブル等に変更があった場合に実行される消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。このデバイス構成情報テーブル等に変更があった場合としては、例えば、図11(a)に示す場合がある。この図11(a)に示す変更があった場合には、図11(c)に例示する如く消費電力量算出補正情報テーブルの消費電力量情報が変化する。このような場合には、消費電力管理サーバ200内のCPU1301が、消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理を開始する。
【0135】
この消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理が開始されると、CPU1301は、消費電力管理サーバ200の管理者からのデータ入力を受けてデバイス構成情報を更新する(ステップS501)。このデバイス構成情報テーブル等に変更があった場合には、例えば、画像形成装置100にオプションで排紙ユニットYが装着された場合等が該当する。さらに、このデバイス構成情報テーブル等に変更があった場合には、図11(c)に示された各デバイスの動作処理に対する消費電力量の推定値が、より正確な値のものに更新された場合等も該当する。
【0136】
なお、本実施の形態では、デバイス構成情報の変更をLAN3000経由で各デバイスから受信し、管理者を介さずに自動でCPU1301が構成情報を書き換える処理としてもよい。このような変更が実行された場合には、更新時刻702が適切に変更される。
【0137】
次に、CPU1301は、消費電力量の推定処理を実施して(ステップS502)、この消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理を終了する。ここで、この消費電力量の推定処理は、前述した図14に示す消費電力量推定算出処理と同様であるので、その説明を省略する。但し、この消費電力量の推定処理では、CPU1301が、図11(a)のデバイス構成情報テーブルの更新時刻702を参照し、この更新時刻以降の計測エラー属性が1の動作履歴情報(動作履歴ID)に対してのみ再処理を行う。
【0138】
この消費電力管理サーバの推定消費電力量更新処理を実行する場合には、計測エラー属性が1の動作履歴情報の消費電力量の推定値を常に信頼性の高い値として維持することが可能となる。
【0139】
<消費電力量表示処理>
次に、消費電力量を計測するデバイスが、計測不可の状態に陥った場合に消費電力量を推定算出した推定値と、実測値を利用して、消費電力量の表示を行うようにした消費電力量表示処理について説明する。
【0140】
消費電力管理サーバ200内のCPU1301は、前述した図15に示す推定消費電力量更新処理により得た消費電力量の変化を、図16に例示するようにグラフにして表示させる消費電力量表示処理を実行する。これは、CPU1301が消費電力管理プログラム1340内の消費電力量表示生成部1345を実行することでインタフェース部1341を介して操作部1306の液晶ディスプレイ等のモニタに表示させるものである。
【0141】
図16(a)に示す表示内容において、86は、表示内容のタイトルである。本表示例の場合は、一ヶ月分の消費電力量の情報をグラフ化表示していることから、消費電力量(月)と表示している。また、図16(a)で85は、表示している区間におけるトータル消費電力量を示している。この場合は、2010年8月のトータル消費電力量を示している。消費電力量グラフ87では、管理者からの指示を受けて、一ヶ月分の消費電力量をグラフ化して表示している。
【0142】
この消費電力量グラフ87では、縦軸が単位当りの消費電力量であり、横軸が日にち(1〜31日)である。この消費電力量グラフ87では、棒グラフの斜線部が、計測エラー属性が0の実測ベースでの消費電力量の情報を示している。棒グラフの網線部は、計測エラー属性が1の推定演算処理ベースでの消費電力量の情報を示している。
【0143】
図16(a)に示すものでは、22日から電力計測部の故障等、何らかの要因により計測エラー属性が1の推定演算処理ベースの消費電力量の表示に切り替わっている。この状態で2010年9月になってから図11(a)に示す各機器のデバイス構成情報テーブルが変更された場合には、図16(b)のようにグラフが変化することとなる。この場合には、例えば、図11(a)の更新時刻702が2010年8月20日だった場合等が該当する。すなわち、オプション構成が実際に変更されたのが2010年8月20日であって、それを消費電力管理サーバが認識したのが2010年9月の場合等である。
【0144】
また、消費電力管理サーバ200内のCPU1301は、図11(c)に示すように、各デバイスの動作処理に対する消費電力量の推定値が、より正確な値のものに更新された場合も同様に消費電力量表示処理を実行する。このときのグラフの変化は、図16(b)に示す如くなる。図16(b)では、基本的に図16(a)と同様であるが、棒グラフの網線部の量が変化している。これは、機器のデバイス構成情報テーブルの変更を受けて、計測エラー属性が1の推定演算処理ベースの消費電力量の情報が、より信頼できる値に変化したことを示している。これにより消費電力管理サーバ200の管理者は、消費電力量の計測エラーが発生した場合でも常に、推定演算処理ベースの信頼性の高い消費電力量の情報を得ることができるという効果がある。
【0145】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態について、図面を参照し、前述した第1実施の形態と異なる所を主に説明する。本第2実施の形態は、第1実施の形態において消費電力管理サーバ200が実行していた消費電力量管理プログラムを、画像形成装置内で実行するよう構成したものである。このように構成した場合には、画像形成装置の単独で、前述した消費電力管理サーバ200の機能を実現することができる。画像形成装置内で消費電力管理機能を実現する場合には、図10に示す消費電力量管理プログラムを画像形成装置のHDD1204又はRAM1202に記録保持させておき、この消費電力量管理プログラムをCPU1201で実行する。
【0146】
また、この画像形成装置は、その操作部10の画面(図3の液晶操作パネル11)に、図12及び図16に示した表示内容を表示して、ユーザによる指令の入力を受け付けるよう構成されている。
【0147】
さらに、この消費電力管理機能を備える画像形成装置では、自機のみならず複数の他の画像形成装置の消費電力量を管理することが可能に構成されている。このため、この画像形成装置では、操作部10の表示に対応してユーザが必要なデータを入力することによって、消費電力管理機能を実行可能に構成されている。
【0148】
また、本実施形態では、電力計測部50による実測値が誤差の範囲内でないと判定した場合(すなわち計測エラーであると判定した場合)、推定した消費電力量で更新するように構成した。ただし、計測エラーと判定した場合だけでなく、画像形成装置の状態がスリープに移行したなどが原因で電力計測部50が動作しなくなった場合に、上記推定した消費電力量を用いるように構成してもよい。
【0149】
また、本実施の形態では、エラー属性「1」が付加された動作状態情報に対する推定消費電力量を算出する処理を、消費電力管理サーバ200が行うものとして説明した。ただし、当該処理を各画像形成装置が行うように構成してもよい。
【0150】
<画像形成装置のハード構成>
本第2実施の形態における画像形成装置100、101、102のハード構成は、前述した第1実施の形態に係る図2で説明した内容と同様である。さらに、本第2実施の形態における画像形成装置では、前述した第1実施の形態に係る図3に示す操作部及び図4に示す電力計測部の構成も、同様である。本第2実施の形態における画像形成装置では、消費電力量管理プログラムの内容が前述した第1実施の形態に係る画像形成装置と異なるものである。
【0151】
<画像形成装置の消費電力量管理制御>
次に、本第2実施の形態における各画像形成装置の消費電力量管理プログラムについて、図17を用いて説明する。
【0152】
図17に示す消費電力量管理プログラム1400内には、計測消費電力量取得部1401〜ジョブ履歴管理部1404を備える。これら計測消費電力量取得部1401〜ジョブ履歴管理部1404は、第1実施の形態における同名の各ブロック1291〜1294と同様の機能を持っている。
【0153】
本第2実施の形態に係るインタフェース部1405は、第1実施の形態に係るインタフェース部1295と消費電力管理サーバ200のインタフェース部1341とを兼ねた機能を持ち合わせるよう構成されている。
【0154】
本第2実施の形態のデバイス動作履歴情報収集部1406〜消費電力量表示生成部1409は、図10の消費電力管理サーバ200のデバイス動作履歴情報収集部1342〜消費電力量表示生成部1345と同様に構成されている。
【0155】
本第2実施の形態の消費電力量管理プログラム1400内の表示機能は、前述した第1実施の形態と同様に全て画像形成装置内の操作部10の画面(図4の液晶操作パネル11)にて表示する機能となっている。上述のように、本第2実施の形態によれば、消費電力管理サーバ200の機能を画像形成装置で実現できる。
【0156】
要するに、本実施の形態に係るデバイス管理システムは、各画像形成装置の消費電力の情報を主に管理するネットワークシステムとして構成されている。このため、このデバイス管理システムでは、画像形成装置100、101、102と消費電力管理サーバ200とが、ネットワークを介して相互に接続されている。なお、このデバイス管理システムでは、消費電力管理サーバ200の機能を備えた画像形成装置を、消費電力管理サーバ200の代わりに用いて構成する(第2実施の形態)ことができる。
【0157】
このデバイス管理システムを構成するデバイスとしての画像形成装置100、101、102は、消費電力量を計測する消費電力量計測手段としての、電圧検出部51と電流検出部52とを内蔵した電力計測部50を備える。
【0158】
この画像形成装置100、101、102は、電力計測部50による消費電力量の計測が成功したか否かを判定するため、計測エラー判定手段としての計測エラー判定部1293を備える。この計測エラー判定部1293は、動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値とを比較して、比較結果が閾値以下の場合に消費電力の計測が成功したと判定し、比較結果が閾値以上の場合に消費電力の計測が失敗したと判定する。
【0159】
この画像形成装置100、101、102では、電力計測部50で計測した消費電力量の情報と、計測エラー判定部1293で判定した計測エラー判定結果と、動作履歴情報テーブル上でジョブ履歴情報を得る。このジョブ履歴情報には、動作履歴ID601、ユーザ名602、動作タイプ603、開始時刻604、終了時刻605、カラーページ数606、白黒ページ数607及びスキャンページ数608が含まれる。
【0160】
この画像形成装置100、101、102では、ジョブ履歴情報が記載された動作履歴情報テーブルが、操作部10の液晶操作パネル11に表示される。これと共に、この画像形成装置100、101、102では、消費電力量計測手段としての電力計測部50で計測された消費電力量の情報が、消費電力量表示手段としての操作部10の液晶操作パネル11に表示される。
【0161】
また、この画像形成装置100、101、102では、電力計測部50によって計測された消費電力量の情報が、消費電力量履歴通知手段であるインタフェース部1295によって、消費電力管理サーバ200へ通知される。これと共に、この画像形成装置100、101、102では、計測エラー判定部1293によって判定された計測エラー判定結果が、インタフェース部1295によって、消費電力管理サーバ200へ通知される。このインタフェース部1295は、ジョブ履歴管理部1294で保持している動作情報である動作履歴情報テーブルを、操作部10の液晶操作パネル11に表示する。これと共に、インタフェース部1295は、電力計測部50で計測した消費電力量の情報を、消費電力量表示手段である操作部10の液晶操作パネル11に表示するよう構成されている。
【0162】
この管理装置である消費電力管理サーバ200は、画像形成装置100のインタフェース部1295から送信された通知を受信する消費電力量履歴受信手段としてのデバイス動作履歴情報収集部1342を備える。
【0163】
この管理装置は、デバイス動作履歴情報収集部1342によって受信したデバイスの計測エラー判定結果を参照し、デバイスの消費電力量の情報を補正する消費電力量情報補正手段としての消費電力推定部1344を備える。
【0164】
この管理装置は、デバイス動作履歴情報収集部1342により受信された消費電力量の情報と、消費電力推定部1344によって補正された消費電力量の情報を表示する消費電力量表示手段としての操作部1306を備える。
【0165】
この管理装置は、画像形成装置100、101、102の構成情報を管理するデバイス構成情報管理部としてのデバイス構成情報管理部1343を備える。
【0166】
この管理装置では、消費電力推定部1344が、画像形成装置100、101、102の構成情報を参照し、構成が同一である全ての画像形成装置100、101、102の消費電力量の情報を参照するよう構成する。そして、消費電力推定部1344は、情報補正元の消費電力量の情報を、計測エラー判定結果が成功を示す消費電力量の情報に置換するよう構成する。
【0167】
また、この管理装置では、消費電力推定部1344が、消費電力量の推定演算処理を実行し、情報補正元の消費電力量の情報を置換するように構成しても良い。
【0168】
この管理装置では、計測エラー判定部1293が、ジョブの動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値を比較し、比較結果が閾値以下の場合消費電力の計測が成功したと判定するよう構成する。これと共に、計測エラー判定部1293は、比較結果が閾値以上の場合消費電力の計測が失敗したと判定するよう構成しても良い。
【0169】
このように構成されたデバイス管理システムでは、各画像形成装置100、101、102において、ジョブを行う毎に、消費電力値と消費電力予想値を比較する。
【0170】
そして、各画像形成装置100、101、102の計測エラー判定部1293は、比較結果が閾値以上であった場合に、消費電力の計測が失敗したと判定する。すると、画像形成装置100、101、102は、インタフェース部1295によって、消費電力管理サーバ200へ、消費電力の計測が失敗したことを通知する。
【0171】
この消費電力計測が失敗したことの通知を受けた管理装置では、その消費電力推定部1344が、画像形成装置の構成情報を参照し、構成が同一である全ての画像形成装置での消費電力量の情報を参照する。そして、消費電力推定部1344は、構成が同一である画像形成装置における計測エラー判定結果が成功を示す消費電力量の情報を取得する。次に、この消費電力推定部1344は、画像形成装置100、101、102における情報補正元の消費電力量の情報を、計測エラー判定結果が成功を示す消費電力量の情報に置換する。
【0172】
このデバイス管理システムでは、消費電力量を計測可能な画像形成装置100、101、102が、計測不可の状態に陥った場合でも、適切に画像形成装置の消費電力量を推定して置き換えることができる。これにより、このデバイス管理システムでは、消費電力履歴情報の正確性を向上し、適切な消費電力量管理システムを構築することが可能となる。
【符号の説明】
【0173】
1290 消費電力量管理プログラム
1291 計測消費電力量取得部
1292 ジョブ管理部
1293 計測エラー判定部
1294 ジョブ履歴管理部
1295 インタフェース部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスと、前記デバイスを管理する管理装置とがネットワークに接続されたデバイス管理システムであって、
前記デバイスに設けられ、消費電力量を計測する消費電力量計測手段と、
前記デバイスに設けられ、前記消費電力量計測手段による消費電力量の計測が成功したか否かを判定する計測エラー判定手段と、
前記デバイスに設けられ、前記消費電力量計測手段によって計測された消費電力量の情報と前記計測エラー判定手段によって判定された計測エラー判定結果とを通知する消費電力量履歴通知手段と、
前記管理装置に設けられ、前記デバイスからの消費電力量履歴通知手段による通知を受信する消費電力量履歴受信手段と、
前記管理装置に設けられ、前記消費電力量履歴受信手段によって受信した前記デバイスの計測エラー判定結果を参照し前記デバイスの消費電力量の情報を補正する消費電力量情報補正手段と、
を備えることを特徴とするデバイス管理システム。
【請求項2】
前記デバイスが画像形成装置であって、前記消費電力量履歴通知手段が画像形成装置の実行したジョブ履歴情報を含むことを特徴とする請求項1記載のデバイス管理システム。
【請求項3】
前記消費電力量計測手段により計測された消費電力量の情報を表示する消費電力量表示手段を有することを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項4】
前記消費電力量履歴受信手段により受信された消費電力量の情報と前記消費電力量情報補正手段によって補正された消費電力量の情報を表示する消費電力量表示手段を有することを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【請求項5】
前記デバイスの構成情報を管理するデバイス構成情報管理部を有することを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【請求項6】
前記消費電力量情報補正手段が前記デバイスの構成情報を参照し、デバイス構成が同一であるすべてのデバイスの消費電力量の情報を参照し、計測エラー判定結果が成功を示す消費電力量の情報と情報補正元の消費電力量の情報を置換することを特徴とする請求項5記載の管理装置。
【請求項7】
前記消費電力量情報補正手段が消費電力量の推定演算処理を実行し、情報補正元の消費電力量の情報を置換することを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【請求項8】
前記計測エラー判定手段が、動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値を比較し、比較結果が閾値以下の場合消費電力の計測が成功したと判定し、比較結果が閾値以上の場合消費電力の計測が失敗したと判定することを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【請求項9】
消費電力量を計測する消費電力量計測手段と、
計測エラー判定手段と、
前記消費電力量計測手段によって計測された消費電力量の情報と前記計測エラー判定手段によって判定された計測エラー判定結果とを通知する消費電力量履歴通知手段と、
前記消費電力量履歴通知手段による通知を受信する消費電力量履歴受信手段と、
前記計測エラー判定結果を参照し前記消費電力量の情報を補正する消費電力量情報補正手段と、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
前記デバイスが画像形成装置であって、前記消費電力量履歴通知手段が画像形成装置の実行したジョブ履歴情報を含むことを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項11】
前記消費電力量履歴受信手段により受信された消費電力量の情報と前記消費電力量情報補正手段によって補正された消費電力量の情報を表示する消費電力量表示手段を有することを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスの構成情報を管理するデバイス構成情報管理部を有することを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項13】
前記消費電力量情報補正手段が前記デバイスの構成情報を参照し、デバイス構成が同一であるすべてのデバイスの消費電力量の情報を参照し、計測エラー判定結果が成功を示す消費電力量の情報と情報補正元の消費電力量の情報を置換することを特徴とする請求項11記載のデバイス。
【請求項14】
前記消費電力量情報補正手段が消費電力量の推定演算処理を実行し、情報補正元の消費電力量の情報を置換することを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項15】
前記計測エラー判定手段が、動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値を比較し、比較結果が閾値以下の場合消費電力の計測が成功したと判定し、比較結果が閾値以上の場合消費電力の計測が失敗したと判定することを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項1】
デバイスと、前記デバイスを管理する管理装置とがネットワークに接続されたデバイス管理システムであって、
前記デバイスに設けられ、消費電力量を計測する消費電力量計測手段と、
前記デバイスに設けられ、前記消費電力量計測手段による消費電力量の計測が成功したか否かを判定する計測エラー判定手段と、
前記デバイスに設けられ、前記消費電力量計測手段によって計測された消費電力量の情報と前記計測エラー判定手段によって判定された計測エラー判定結果とを通知する消費電力量履歴通知手段と、
前記管理装置に設けられ、前記デバイスからの消費電力量履歴通知手段による通知を受信する消費電力量履歴受信手段と、
前記管理装置に設けられ、前記消費電力量履歴受信手段によって受信した前記デバイスの計測エラー判定結果を参照し前記デバイスの消費電力量の情報を補正する消費電力量情報補正手段と、
を備えることを特徴とするデバイス管理システム。
【請求項2】
前記デバイスが画像形成装置であって、前記消費電力量履歴通知手段が画像形成装置の実行したジョブ履歴情報を含むことを特徴とする請求項1記載のデバイス管理システム。
【請求項3】
前記消費電力量計測手段により計測された消費電力量の情報を表示する消費電力量表示手段を有することを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項4】
前記消費電力量履歴受信手段により受信された消費電力量の情報と前記消費電力量情報補正手段によって補正された消費電力量の情報を表示する消費電力量表示手段を有することを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【請求項5】
前記デバイスの構成情報を管理するデバイス構成情報管理部を有することを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【請求項6】
前記消費電力量情報補正手段が前記デバイスの構成情報を参照し、デバイス構成が同一であるすべてのデバイスの消費電力量の情報を参照し、計測エラー判定結果が成功を示す消費電力量の情報と情報補正元の消費電力量の情報を置換することを特徴とする請求項5記載の管理装置。
【請求項7】
前記消費電力量情報補正手段が消費電力量の推定演算処理を実行し、情報補正元の消費電力量の情報を置換することを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【請求項8】
前記計測エラー判定手段が、動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値を比較し、比較結果が閾値以下の場合消費電力の計測が成功したと判定し、比較結果が閾値以上の場合消費電力の計測が失敗したと判定することを特徴とする請求項1記載の管理装置。
【請求項9】
消費電力量を計測する消費電力量計測手段と、
計測エラー判定手段と、
前記消費電力量計測手段によって計測された消費電力量の情報と前記計測エラー判定手段によって判定された計測エラー判定結果とを通知する消費電力量履歴通知手段と、
前記消費電力量履歴通知手段による通知を受信する消費電力量履歴受信手段と、
前記計測エラー判定結果を参照し前記消費電力量の情報を補正する消費電力量情報補正手段と、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
前記デバイスが画像形成装置であって、前記消費電力量履歴通知手段が画像形成装置の実行したジョブ履歴情報を含むことを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項11】
前記消費電力量履歴受信手段により受信された消費電力量の情報と前記消費電力量情報補正手段によって補正された消費電力量の情報を表示する消費電力量表示手段を有することを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスの構成情報を管理するデバイス構成情報管理部を有することを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項13】
前記消費電力量情報補正手段が前記デバイスの構成情報を参照し、デバイス構成が同一であるすべてのデバイスの消費電力量の情報を参照し、計測エラー判定結果が成功を示す消費電力量の情報と情報補正元の消費電力量の情報を置換することを特徴とする請求項11記載のデバイス。
【請求項14】
前記消費電力量情報補正手段が消費電力量の推定演算処理を実行し、情報補正元の消費電力量の情報を置換することを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項15】
前記計測エラー判定手段が、動作状態毎に消費電力値と消費電力予想値を比較し、比較結果が閾値以下の場合消費電力の計測が成功したと判定し、比較結果が閾値以上の場合消費電力の計測が失敗したと判定することを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−29929(P2013−29929A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164431(P2011−164431)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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