説明

消音器及びその製造方法

【課題】外筒の周面外側に突出する突出部を無くし、高い自由度の排気系のレイアウトを可能にすることができると共に、軽量化することができる消音器を提供する。
【解決手段】内筒20と、内筒20の外側に設けられる外筒30と、外筒30の軸方向の端部に設けられ、内筒20と外筒30に固着される端板40と、内筒20と外筒30との間に内装される消音材である長繊維材50とを備え、外筒30の端部に内側に凹んだ段差部31を形成し、端板40の外側端部に嵌合部43を形成し、嵌合部43を段差部31の外側に嵌合して嵌合部43と段差部31をレーザー溶接により固着する消音器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の排気系等に装備される消音器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の排気系に装備される消音器として、外筒の軸方向の端部に端板を固定するものが知られている。この外筒と端板との固定は、外筒の軸方向の端部に端板の端部を全周に亘って重ね巻きし、その重ね巻き部分にプレス加工を施す等によりカシメ部を形成し、更に、カシメ部の筒体軸方向に於ける内端と外筒を溶接して行われるのが一般的である(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−21237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記消音器の外筒と端板との固定構造では、外筒の周面外側にカシメ部が突出して突出部が生じ、その突出部のために排気系のレイアウトの自由度が損なわれるという問題がある。また、車体の軽量化等の観点から、消音器にも軽量化が強く求められているが、前記カシメ部は外筒と端板を巻き重ねて形成されるために重量が重くなり、軽量化の要望に対応することができないという問題もある。
【0005】
本発明は上記問題点を解消するために提案するものであって、外筒の周面外側に突出する突出部を無くし、高い自由度の排気系のレイアウトを可能にすることができると共に、軽量化することができる消音器及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の消音器は、内筒と、前記内筒の外側に設けられる外筒と、前記外筒の軸方向の端部に設けられ、前記内筒と前記外筒に固着される端板とを備え、前記外筒の端部に内側に凹んだ段差部を形成し、前記端板の外側端部に嵌合部を形成し、前記嵌合部を前記段差部の外側に嵌合して前記嵌合部と前記段差部を固着することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の消音器は、前記外筒の軸方向の先端部を内側に屈曲することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の消音器は、前記内筒と前記外筒との間に、長繊維材である消音材を内装することを特徴とする。前記長繊維材は、例えばガラス繊維とすると好適であるが、それ以外の長繊維材を用いてもよい。また、本発明では、消音材を用いる場合に、長繊維材以外の消音材を用いることも可能である。
【0009】
また、本発明の消音器は、前記嵌合部と前記段差部とをレーザー溶接により固着することを特徴とする。尚、本発明では、嵌合部と段差部の溶接は、レーザー溶接とすると好適であるが、それ以外の溶接によることも可能である。
【0010】
また、本発明の消音器は、前記端板の基板に湾曲部を形成することを特徴とする。前記湾曲部は、複数箇所に形成するとより好適である。
【0011】
また、本発明の消音器の製造方法は、前記内筒の軸方向の一端側が一方の前記端板の略中央に形成されているスリーブに挿入されるようにして前記一方の端板を配置し、前記一方の端板の前記スリーブと前記内筒を固着する第1工程と、前記外筒の軸方向の一端側における前記段差部を前記一方の端板における前記嵌合部の内側に嵌合するようにして圧入し、前記外筒を前記内筒の外側に配置する第2工程と、前記内筒の軸方向の他端側が他方の前記端板の略中央に形成されているスリーブに挿入されるようにし、且つ前記他方の端板における前記嵌合部を前記外筒の軸方向の他端側における前記段差部の外側に嵌合するようにして、前記他方の端板を圧入して配置する第3工程と、前記他方の端板の前記スリーブと前記内筒を固着すると共に、前記一方の端板の前記嵌合部と前記外筒の一端側の前記段差部とを固着し、前記他方の端板の前記嵌合部と前記外筒の他端側の前記段差部とを固着する第4工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の消音器の製造方法は、前記第2工程の後で前記第3工程の前に、前記内筒と前記外筒との間に、長繊維材である消音材を充填する工程を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の自動車は、本発明の消音器、又は本発明の消音器の製造方法で製造された消音器を装備することを特徴とする。本発明の自動車には、自動四輪車、自動二輪車など適宜の自動車が含まれる。
【0014】
尚、本明細書開示の発明には、各発明や各実施形態の構成の他に、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものも含まれる。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、外筒端部の段差部の外側に端板の嵌合部を嵌合して嵌合部と段差部を固着することで、外筒の周面外側に突出する突出部を無くしてフラット化することが可能となり、高い自由度の排気系のレイアウトが可能となる。更に、前記フラット化により、外筒や端板の形状を受ける治具に段差を設けないことも可能となり、治具類の簡略化を図ることも可能となる。更に、前記フラット化により、美観や手触りの感触を向上することができる。また、重量の嵩む、外筒と端板を巻き重ねるカシメ部を設けないことから、消音器を軽量化し、軽量化に対する要望に対応することができる。また、カシメ部に必要な部材を削減でき、カシメ工程を無くすことができることから、製造コストの低減や製造工程の簡略化を図ることができる。
【0016】
また、外筒の軸方向の先端部を内側に屈曲することにより、段差部の外側への嵌合部の嵌め込み、圧入を容易化することができる。また、内筒と前記外筒との間に長繊維材である消音材を内装する場合等には、前記屈曲する外筒の先端部により、長繊維材の充填時等に長繊維材を押えることが可能となり、長繊維材が溶接合わせ面など意図しない箇所に巻き込まれることを防止できる。
【0017】
また、レーザー溶接は、非常に深い溶け込み深さが得られて高強度の固着が可能であるものの、対象部材間に隙間が生ずると良好な溶接が困難となるが、嵌合状態の嵌合部と段差部をレーザー溶接することにより、合わせ精度を向上し、確実に密接した状態の嵌合部と段差部をレーザー溶接することが可能となり、レーザー溶接による確実な固着を行うことができる。
【0018】
また、端板の基板に湾曲部を形成することにより、端板の強度を高めることができると共に、内筒の熱膨張、熱収縮による変形を吸収することが可能となり、ひいては消音器の強度や耐久性を向上することができる。更に、湾曲部を形成することにより、端板の嵌合部を外筒の段差部に嵌め込み易くし、嵌合部と段差部の嵌合するための設定寸法に要求される精度を緩和することができる。
【0019】
また、本発明の消音器の製造方法では、内筒と固着して一方の端板を内筒に配置し、その後に外筒の段差部を一方の端板の嵌合部に圧入して外筒を配置することにより、外筒を正確な位置に簡単に配置することができる。更に、前記配置された外筒の段差部に対し、他方の端板の嵌合部を圧入して他方の端板を配置することにより、他方の端板も正確な位置に簡単に配置することができる。更に、正確に配置された内筒と外筒に対し、端板を固着することにより、確実な固着が可能となる。また、外筒の配置後で他方の端板を配置する前に、内筒と外筒との間に長繊維材を充填することにより、簡単に所要の長繊維材を内装することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態の消音器及びその製造方法について説明する。
【0021】
〔実施形態の消音器及びその製造方法〕
本実施形態の消音器10は、自動車の内燃機関の排気系に設けられるチャンバーであり、図1及び図2に示すように、内筒20と、内筒20の外側に設けられる外筒30と、外筒30の軸方向の両端部にそれぞれ設けられ、内筒20と外筒30とに固着される端板40と、内筒20と外筒30との間に内装される消音材の長繊維材50とを備える。
【0022】
内筒20は、円筒状の基部21を有し、その中間部である基部21の周面には多数の孔211が形成されており、内筒20を通る排気中の騒音が孔211を介して長繊維材50に達して消音されるようになっている。基部21の両側には、断面視テーパ状の傾斜部22・22が先細りとなるようにそれぞれ形成されており、また、傾斜部22の先端部には、基部21より小径の筒状のスリーブ23が形成されている。
【0023】
外筒30は、略円筒形の筒体であり、その中間部である基部31の軸方向の両端部にそれぞれ段差部32を有する。段差部32は、基部31の外周面よりも、端板40の嵌合部43の板厚分程度で内側に凹んだ位置に設けられ、基部31の外周面よりも内側に位置する縮径された面状部分である。外筒30の軸方向の両方の先端部、即ち段差部32の各先端部には、先窄まりとなるように内側に傾斜して屈曲した屈曲部33が形成されている。
【0024】
端板40は、略円形の基板41を有し、基板41の略中央に貫通する筒状のスリーブ42が、基板41に対する垂直軸方向の一方側(外側)に突出するように形成され、端板40の外側端部に相当する基板41の外側端部には略直角に折り曲げて嵌合部43が形成され、嵌合部43はスリーブ42と逆側である基板41に対する垂直軸方向の他方側(内側)に突出して延設されている。基板41のスリーブ42と嵌合部43との間の中間部には、他方側(内側)に突出するようにして断面視弧状の湾曲部44が形成され、湾曲部44は略円形の基板41に沿って一周するように周状に形成されている。本実施形態では、断面視において、2箇所に湾曲部44・44が形成されているが、湾曲部44は3箇所以上の複数箇所或いは単一の箇所に形成することが可能である。
【0025】
消音材である長繊維材50には、ガラス繊維材を用いると好適であるが、ガラス繊維材以外の消音材として機能する長繊維材を用いてもよい。尚、本発明では長繊維材以外の消音材を用いることも可能である。
【0026】
消音器10の外筒30は、内筒20の基部21及び傾斜部22の外側に位置するように配置され、その外筒30と内筒20との間には長繊維材50が充填されている。そして、外筒30の軸方向の両端部に端板40・40がそれぞれ配設され、外筒30の軸方向の先端部と内筒20との間の開口が端板40で閉塞される。
【0027】
端板40は、嵌合部43が内筒20の軸方向の内側、スリーブ42が内筒20の軸方向の外側になるようにして、スリーブ42が内筒20のスリーブ23の外側に嵌合され、且つ嵌合部43が外筒30の段差部32の外側に嵌合されている。スリーブ42とスリーブ23は溶接部位W1のMIG溶接或いはスポット溶接等により固着され、嵌合部43と段差部32は好適には溶接部位W2のレーザー溶接等により固着されており、端板40は内筒20と外筒30とにそれぞれ固着されている。
【0028】
本実施形態の消音器10を製造する工程の例としては、図3に示すように、先ず内筒20の軸方向の一端側に一方の端板40を配置する。一方の端板40を配置する際には、一方の端板40のスリーブ42が内筒20の軸方向の外側、嵌合部43が前記軸方向の内側になるように配置して、内筒20の軸方向の一端側から、内筒20の一端側のスリーブ23に一方の端板40のスリーブ42を外嵌めし、換言すれば一端側の内筒20のスリーブ23が一方の端板40のスリーブ42に挿入されるようにする。そして、一方の端板40のスリーブ42と内筒20のスリーブ23とを、溶接部位W1におけるMIG溶接或いはスポット溶接の溶接等により固着し、内筒20の軸方向の内側に嵌合部43が延設されるようにして、一方の端板40と内筒20とを固着する。
【0029】
その後、図4に示すように、内筒20の軸方向の他端側から外筒30を内筒20の外側に外挿し、外筒30の軸方向の一端側における段差部32を一方の端板40における嵌合部43の内側に嵌合するようにして圧入して、外筒30を内筒20の外側に位置決めして配置する。嵌合して密接される一方の端板40の嵌合部43と外筒30の段差部32との接触面は、後述する一方の端板40と外筒30とを溶接して固着する際の溶接合わせ面となる。
【0030】
次いで、図5に示すように、内筒20と外筒30との間の空間、即ち内筒20と外筒30と一方の端板40で囲まれた空間内に、消音材である長繊維材50を吹き込み等により充填する。長繊維材50の充填工程では、外筒30の軸方向端部に形成されている内側に屈曲する屈曲部33により、長繊維材50を押え、密接する一方の端板40の嵌合部43と段差部32による溶接合わせ面等に長繊維材50が入り込むことを防止することができる。
【0031】
その後、図6に示すように、内筒20の軸方向の他端側に他方の端板40を配置する。他方の端板40を配置する際には、他方の端板40のスリーブ42が内筒20の軸方向の外側、嵌合部43が前記軸方向の内側になるように配置して、内筒20の軸方向の他端側から、内筒20の他端側のスリーブ23に他方の端板40のスリーブ42を外嵌めし、換言すれば他端側の内筒20のスリーブ23が他方の端板40のスリーブ42に挿入されるようにする。同時に、他方の端板40の嵌合部43を、位置決めされている外筒30の軸方向の他端側における段差部32の外側に圧入して外嵌めし、他方の端板40を内筒20の外側に位置決めして配置する。嵌合して密接される他方の端板40の嵌合部43と外筒30の段差部32との接触面は、後述する一方の端板40と外筒30とを溶接して固着する際の溶接合わせ面となる。
【0032】
その後、他方の端板40のスリーブ42と内筒20のスリーブ23とを、溶接部位W1におけるMIG溶接或いはスポット溶接の溶接等により固着すると共に、一方の端板40の嵌合部43と外筒30の一端側の段差部32との溶接合わせ面を、溶接部位W2におけるレーザー溶接により固着し、他方の端板40の嵌合部43と外筒30の他端側の段差部32との溶接合わせ面を、溶接部位W2におけるレーザー溶接により固着する。これにより、消音器10が完成する。
【0033】
本実施形態の消音器10は、外筒30の端部の段差部32の外側に端板40の嵌合部43を嵌合して嵌合部43と段差部32を固着することにより、外筒30の基部31の外周面と嵌合部43の外周面とを略面一にしてフラット化する等で、外筒30の周面外側に突出する突出部を無くすことが可能となり、これにより高い自由度の排気系のレイアウトが可能となる。更に、前記フラット化により、外筒30や端板40の形状を受ける治具に段差を設けないことも可能となり、治具類の簡略化を図ることも可能となると共に、美観や手触りの感触を向上することができる。また、重量の嵩む、外筒20と端板40を巻き重ねるカシメ部を設けないことから、消音器10を軽量化することができ、また、カシメ部に必要な部材を削減でき、カシメ工程を無くすことができることから、製造コストの低減や製造工程の簡略化を図ることができる。
【0034】
また、外筒30の軸方向の先端部に内側に屈曲する屈曲部33を設けることにより、段差部31の外側への嵌合部43の嵌め込み、圧入を容易化することができる。また、内筒20と外筒30との間の長繊維材50の内装において、屈曲部33により、長繊維材50の充填時等に長繊維材50を押えることが可能となり、長繊維材50が溶接合わせ面など意図しない箇所に巻き込まれることを防止できる。また、嵌合部43と段差部32とをレーザー溶接で固着する場合には、嵌合状態の嵌合部43と段差部32をレーザー溶接することにより、合わせ精度を向上し、確実に密接した状態の嵌合部43と段差部32をレーザー溶接することが可能となり、確実な固着を行うことができる。また、端板40の基板41に湾曲部44を形成することにより、端板40の強度を高めることができると共に、内筒20の熱膨張、熱収縮による変形を吸収することが可能となり、ひいては消音器10の強度や耐久性を向上することができる。
【0035】
また、上記消音器の製造方法では、内筒20と固着して一方の端板40を内筒に配置し、その後に外筒30の段差部31を一方の端板40の嵌合部43に圧入して外筒30を配置することにより、外筒30を正確な位置に簡単に配置することができる。更に、前記配置された外筒30の段差部32に対し、他方の端板40の嵌合部43を圧入して他方の端板40を配置することにより、他方の端板40も正確な位置に簡単に配置することができる。更に、正確に配置された内筒20と外筒30に対し、端板40を固着することにより、確実な固着が可能となる。また、外筒30の配置後で他方の端板40を配置する前に、内筒20と外筒30との間に長繊維材50を充填することにより、簡単に所要の長繊維材50を内装することができる。
【0036】
〔実施形態の変形例等〕
本発明は上記実施形態の消音器10や消音器10の製造方法に限定されず、各種の変形が可能である。例えば上記実施形態の消音器は、チャンバーとしたが、本発明にはサイレンサーなど適宜の消音器が含まれ、又、長繊維材50を設けない消音器も含まれる。また、内筒20、外筒30は、その基本的な形状を円筒、楕円筒、四角筒・六角筒など多角形の筒体等、適宜の筒形状とすることが可能である。また、内筒20と端板40との固着、又は外筒30と端板40の固着は、上記溶接による固着に限定されず、適宜の方法で固着することが可能であり、又、内筒20又は外筒30の周方向に沿って周状に固着すると強度が高まって好適であるが、前記周方向に沿って点状に固着することも可能である。また、消音器10は、自動二輪車、自動四輪車など適宜の自動車の排気系に設置することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、自動車の排気系等に装備される消音器やその製造に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施形態の消音器を示す一部縦断側面図。
【図2】図1の消音器の端板とその周辺領域を示す縦断側面図。
【図3】内筒の一端側に一方の端板を取り付けた状態を示す縦断側面図。
【図4】内筒と一方の端板で構成される構造体に外筒を取り付けた状態を示す縦断側面図。
【図5】内筒と一方の端板と外筒で構成される構造体に長繊維材を充填した状態を示す縦断側面図。
【図6】内筒と一方の端板と外筒で構成され、長繊維材を充填された構造体に他方の端板を取り付けた状態を示す縦断側面図。
【符号の説明】
【0039】
10…消音器 20…内筒 21…基部 211…孔 22…傾斜部 23…スリーブ 30…外筒 31…基部 32…段差部 33…屈曲部 40…端板 41…基板 42…スリーブ 43…嵌合部 44…湾曲部 50…長繊維材 W1、W2…溶接部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内筒と、
前記内筒の外側に設けられる外筒と、
前記外筒の軸方向の端部に設けられ、前記内筒と前記外筒に固着される端板とを備え、
前記外筒の端部に内側に凹んだ段差部を形成し、
前記端板の外側端部に嵌合部を形成し、
前記嵌合部を前記段差部の外側に嵌合して前記嵌合部と前記段差部を固着することを特徴とする消音器。
【請求項2】
前記外筒の軸方向の先端部を内側に屈曲することを特徴とする請求項1記載の消音器。
【請求項3】
前記内筒と前記外筒との間に、長繊維材である消音材を内装することを特徴とする請求項2記載の消音器。
【請求項4】
前記嵌合部と前記段差部とをレーザー溶接により固着することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の消音器。
【請求項5】
前記端板の基板に湾曲部を形成することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の消音器。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の消音器の製造方法であって、
前記内筒の軸方向の一端側が一方の前記端板の略中央に形成されているスリーブに挿入されるようにして前記一方の端板を配置し、前記一方の端板の前記スリーブと前記内筒を固着する第1工程と、
前記外筒の軸方向の一端側における前記段差部を前記一方の端板における前記嵌合部の内側に嵌合するようにして圧入し、前記外筒を前記内筒の外側に配置する第2工程と、
前記内筒の軸方向の他端側が他方の前記端板の略中央に形成されているスリーブに挿入されるようにし、且つ前記他方の端板における前記嵌合部を前記外筒の軸方向の他端側における前記段差部の外側に嵌合するようにして、前記他方の端板を圧入して配置する第3工程と、
前記他方の端板の前記スリーブと前記内筒を固着すると共に、前記一方の端板の前記嵌合部と前記外筒の一端側の前記段差部とを固着し、前記他方の端板の前記嵌合部と前記外筒の他端側の前記段差部とを固着する第4工程とを備えることを特徴とする消音器の製造方法。
【請求項7】
前記第2工程の後で前記第3工程の前に、前記内筒と前記外筒との間に、長繊維材である消音材を充填する工程を備えることを特徴とする請求項6記載の消音器の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜5の何れかに記載の消音器、又は請求項6〜7の何れかに記載の消音器の製造方法で製造された消音器を装備することを特徴とする自動車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−169003(P2010−169003A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12659(P2009−12659)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000175766)三恵技研工業株式会社 (50)
【Fターム(参考)】