説明

液だれ防止中栓付きキャップ

【課題】 液だれ防止中栓付きキャップを搬送する際や、生産ラインで中栓リング部材が、キャップ本体から脱落するおそれがなく、閉蓋した際にボトル容器の口部に液だれ防止中栓付きキャップを簡単にかつ確実に装着できるとともに、中栓リング部材のシール性を維持することが可能な液だれ防止中栓付きキャップを提供する。
【解決手段】 中栓リング部材が、中栓リング部材本体の下端内周部に内周側に突設形成した内周側係止部を備え、ボトル係止用リング部材本体の下端に内周側に折り曲げ可能に形成されるとともに、液だれ防止中栓付きキャップをボトル容器の口部に装着した際に、内周側に折り曲げることによって、ボトル容器に口部の外周に突設形成された口部フランジ部に係止される、複数のボトル係止用フラップ片が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル容器の口部に装着され、開蓋操作を行った際に、ボトル容器の口部の開口部に、液だれ防止用の中栓リング部材を嵌合存置した状態となる液だれ防止中栓付きキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬用ボトル容器、飲料容器、その他の液体を収容するボトル容器には、ボトル容器の口部に装着され、開蓋操作を行った際に、ボトル容器の口部の開口部に、液だれ防止用の中栓リング部材を嵌合存置した状態となる液だれ防止中栓付きキャップが提供されている。
【0003】
すなわち、この種の液だれ防止中栓付きキャップとしては、特許文献1(実開平6−69163号公報)、特許文献2(実開平7−4358号公報)、特許文献3(実公平6−27562号公報)、特許文献4(実用新案登録第2509674号公報)、特許文献5(実用新案登録第2510503号公報)、特許文献6(実用新案登録第2533413号公報)、特許文献7(実用新案登録第3002903号公報)、特許文献8(特許掲載公報第3113595号公報)など種々提案されている。
【0004】
この中で、液だれ防止中栓付きキャップとして、特許文献3(実公平6−27562号公報)を一例として説明すれば、図13および図14に示したような構造となっている。
すなわち、この液だれ防止中栓付きキャップ100は、略有底筒状のキャップ本体102を備えており、このキャップ本体102の頂板部104の内面から、下方に突設するように形成された略筒状の中栓係止部材106を備えている。
【0005】
キャップ本体102の外周側壁108の内周には、ボトル容器110の口部112の外周に形成された外周ネジ114に螺合する内周ネジ116が形成されている。
そして、このキャップ本体102の中栓係止部材106の外周部に脱着自在に嵌合された、略筒状の中栓リング部材118を備えている。この中栓係止部材106と中栓リング部材118の嵌合は、中栓係止部材106の外周に形成した突部120と、中栓リング部材118の内周に設けた係合用突部122との嵌合によってなされるようになっている。
【0006】
この中栓リング部材118の上端部には、外周側に突設するフランジ部124が形成されている。
このように構成される液だれ防止中栓付きキャップ100は、図14に示したように、中栓係止部材106の外周に形成した突部120と、中栓リング部材118の内周に設けた係合用突部122とを嵌合することによって、キャップ本体102の中栓係止部材106の外周部に、中栓リング部材118を係止する。
【0007】
この状態で、キャップ本体102を閉蓋方向に回転させることによって、キャップ本体102の外周側壁108の内周の内周ネジ116を、ボトル容器110の口部112の外周の外周ネジ114に螺合することによって、キャップ本体102をボトル容器110の口部112に閉蓋する。
【0008】
これにより、図14に示したように、キャップ本体102の中栓係止部材106の外周部に嵌合した中栓リング部材118が、中栓係止部材106とともにボトル容器110の口部112内に嵌着された状態となって、中栓リング部材118により、ボトル容器110のシール性が確保されるようになっている。
【0009】
そして、開蓋の際には、キャップ本体102を開蓋方向に回転させることによって、キャップ本体102の外周側壁108の内周の内周ネジ116と、ボトル容器110の口部112の外周の外周ネジ114の螺合が解除されることによって、キャップ本体102がボトル容器110の口部112から離脱されて、開蓋されることになる。
【0010】
この際、中栓係止部材106の外周に形成した突部120と、中栓リング部材118の内周に設けた係合用突部122との嵌合力よりも、中栓リング部材118と、ボトル容器110の口部112の内壁との嵌合力が大きく設定されているので、開蓋操作を行った際に、ボトル容器110の口部112の開口部に、液だれ防止用の中栓リング部材118が嵌合存置した状態となるように構成されている。
【0011】
しかしながら、このように構成される液だれ防止中栓付きキャップ100では、開蓋操作を行ったか否かは、キャップ本体102を再度ボトル容器110の口部112に装着して、閉蓋してしまえば、利用者には判別がつかないものである。
【0012】
従って、このような液だれ防止中栓付きキャップ100では、ボトル容器110内に収容する液体が、例えば、使用期間が限定され、異物の混入、空気との接触による品質劣化などが問題となる薬液、飲料などでは、開蓋したのか否か判別ができず問題になる。
【0013】
このため、従来では、液だれ防止中栓付きキャップ100をボトル容器110の口部112に装着した初期の状態で、シュリンクフィルムなどで封止することが行われており、このため、シュリンクフィルムなどの余分なコスト、工程が必要となっている。
【0014】
このため、従来より、タンパーエビデント(TE)性と呼ばれている改竄防止機能を備えた液だれ防止中栓付きキャップが、特許文献9(特開2001−58658号公報)に開示されており、この液だれ防止中栓付きキャップ200は、図15および図16に示したような構造となっている。
【0015】
すなわち、液だれ防止中栓付きキャップ200は、略有底筒状のキャップ本体202を備えており、このキャップ本体202の頂板部204の内面から、下方に突設するように形成された略筒状の中栓係止部材206を備えている。
【0016】
キャップ本体202の外周側壁208の内周には、ボトル容器210の口部212の外周に形成された外周ネジ214に螺合する内周ネジ216が形成されている。
そして、このキャップ本体202のアンダーカット205にて、中栓部材218のツバ部207を係止(嵌合)することによって、キャップ本体202の内側に脱着自在に嵌合された、略蓋形状の中栓部材218を備えている。
【0017】
この中栓部材218の上端部には、外周側に略逆L字形状に突設するフランジ部224が形成されている。また、中栓部材218には、プルリング220に引っ張ることにより開裂可能で、注ぎ口を構成する開口部となる蓋部222が形成されている。
【0018】
そして、キャップ本体202の外周側壁208の下端に、開蓋時に破断可能な破断部226を介して連結され、開蓋時にボトル容器210の口部212の外周に嵌合存置した状態となるボトル係止用リング部材230を備えている。
【0019】
このボトル係止用リング部材230の下端に、内周側に折り曲げ可能に形成された複数のボトル係止用フラップ片234が形成されている。
このボトル係止用フラップ片234は、液だれ防止中栓付きキャップ200をボトル容
器210の口部212に装着した際に、内周側に折り曲げることによって、ボトル容器210の口部212の外周に突設形成された口部フランジ部232に係止されるものである。
【0020】
これらのボトル係止用フラップ片234の間は、略矩形状の分断用切欠部236で分断されているとともに、各ボトル係止用フラップ片234にはその下端中央部に、分断用切欠部236の切欠深さよりも小さい切欠深さを有する略矩形状の折り曲げ用切欠部238が形成されている。
【0021】
このように構成される液だれ防止中栓付きキャップ200は、図16に示したように、キャップ本体202の中栓係止部材206の外周部に、中栓部材218を嵌合することによって、中栓部材218と中栓係止部材206を液漏れしない様にシールしている。
【0022】
この状態で、キャップ本体202を閉蓋方向に回転させることによって、キャップ本体202の外周側壁208の内周の内周ネジ216を、ボトル容器210の口部212の外周の外周ネジ214に螺合することによって、キャップ本体202をボトル容器210の口部212に閉蓋する。
【0023】
これにより、図16に示したように、キャップ本体202の中栓係止部材206の外周部に嵌合した中栓部材218が、中栓係止部材206とともにボトル容器210の口部212内に嵌着された状態となって、中栓部材218により、ボトル容器210のシール性が確保されるようになっている。
【0024】
そして、この状態で、図16に示したように、ボトル係止用リング部材230の下端に形成された複数のボトル係止用フラップ片234をそれぞれ、内周側に折り曲げることによって、ボトル容器210の口部212の外周に突設形成された口部フランジ部232に係止する。
【0025】
そして、開蓋の際には、キャップ本体202を開蓋方向に回転させることによって、
キャップ本体202の外周側壁208の内周の内周ネジ216と、ボトル容器210の口部212の外周の外周ネジ214の螺合が解除されることによって、キャップ本体202が上昇する。
【0026】
しかしながら、ボトル係止用リング部材230の下端のボトル係止用フラップ片234によって、キャップ本体202は、ボトル容器210の口部212の外周に突設形成された口部フランジ部232に係止された状態であるので、キャップ本体202の外周側壁208の下端に形成された破断部226が破断することになる。
【0027】
そして、キャップ本体202がボトル容器210の口部212から離脱されて、閉蓋されると同時に、ボトル係止用リング部材230が、開蓋時にボトル容器210の口部212の外周に嵌合存置した状態となる。これによって、消費者、患者などに液だれ防止中栓付きキャップ200が開蓋したことが視認されて、タンパーエビデント(TE)性と呼ばれている改竄防止機能が付与されるようになっている。
【0028】
この際、中栓係止部材206は、中栓係止部材206の上端の外周側に略逆L字形状に突設するフランジ部224の下端に形成した突起部237と、ボトル容器210の口部212の上端の外周に形成した嵌合溝235との係合によって、ボトル容器210の口部212に係止されているとともに、中栓部材218の外周の膨出部240と、ボトル容器210の口部212の内壁との嵌合によって、ボトル容器210の口部212に係止されている。
【0029】
従って、これによって中栓係止部材206の外周と、中栓部材218の内周との嵌合力よりも、中栓部材218と、ボトル容器210の口部212との嵌合力が大きく設定されているので、開蓋操作を行った際に、ボトル容器210の口部212の開口部に、液だれ防止用の中栓部材218が嵌合存置した状態となるように構成されている。
【0030】
そして、プルリング220に引っ張ることにより、蓋部222が開裂して、注ぎ口を構成する開口部が形成され、ボトル容器210内に収容された液体を注ぐことができるように構成されている。
【特許文献1】実開平6−69163号公報
【特許文献2】実開平7−4358号公報
【特許文献3】実公平6−27562号公報
【特許文献4】実用新案登録第2509674号公報
【特許文献5】実用新案登録第2510503号公報
【特許文献6】実用新案登録第2533413号公報
【特許文献7】実用新案登録第3002903号公報
【特許文献8】特許掲載公報第3113595号公報
【特許文献9】特開2001−58658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
しかしながら、特許文献3(実公平6−27562号公報)などの従来のタンパーエビデント(TE)性と呼ばれている改竄防止機能を有しない液だれ防止中栓付きキャップ100では、上述したように、ボトル容器110内に収容する液体が、例えば、使用期間が限定され、異物の混入、空気との接触による品質劣化などが問題となる薬液、飲料などでは、開蓋したのか否か判別ができず問題になる。
【0032】
このため、従来では、液だれ防止中栓付きキャップ100をボトル容器110の口部112に装着した初期の状態で、シュリンクフィルムなどで封止することが行われており、このため、シュリンクフィルムなどの余分なコスト、工程が必要となっている。
【0033】
また、この液だれ防止中栓付きキャップ100では、図14に示されているように、キャップ本体102の中栓係止部材106の外周部に、中栓リング部材118を係止するのは、中栓係止部材106の外周に形成した突部120と、中栓リング部材118の内周に設けた係合用突部122とを嵌合することによってなされるものである。
【0034】
また、図14に示したように、中栓係止部材106の外周に形成した突部120と、中栓リング部材118の内周に設けた係合用突部122との嵌合で、中栓リング部材118を中栓係止部材106に係止しているだけであるので、この嵌合力が弱い場合には、液だれ防止中栓付きキャップ100を搬送する際や、生産ラインで中栓リング部材118が、キャップ本体102から脱落するおそれがある。
【0035】
逆に、中栓係止部材106の外周に形成した突部120と、中栓リング部材118の内周に設けた係合用突部122との嵌合力が強すぎる場合には、開蓋操作を行った際に、中栓リング部材118が中栓係止部材106から外れず、中栓リング部材118が、キャップ本体102の中栓係止部材106とともに開蓋されてしまい、ボトル容器110の口部112の開口部に、液だれ防止用の中栓リング部材118が嵌合存置した状態とならないおそれがある。
【0036】
一方、特許文献9(特開2001−58658号公報)に開示された改竄防止機能(タ
ンパーエビデント性)を備えた液だれ防止中栓付きキャップ200では、中栓部材218には、プルリング220に引っ張ることにより開裂可能で、注ぎ口を構成する開口部となる蓋部222を構成しなければならず、その構成が複雑となる。
【0037】
また、中栓係止部材206をボトル容器210の口部212に係止するために、中栓係止部材206の上端の外周側に略逆L字形状に突設するフランジ部224の下端に形成した突起部237と、ボトル容器210の口部212の上端の外周に形成した嵌合溝235との係合によって実施しているので、ボトル容器210の口部212に嵌合溝235を形成したボトル容器210への適用に限定され、汎用性に欠けることになる。また、中栓係止部材206自体も、略逆L字形状に突設するフランジ部224、突起部237を形成しなければならず、複雑な構成となる。
【0038】
しかも、プルリング220に引っ張ることにより、蓋部222が開裂して、注ぎ口を構成する開口部を形成して、ボトル容器210内に収容された液体を注ぐ必要があり、その操作に手間が必要である。
【0039】
さらに、この場合にも、図16に示したように、キャップ本体202のアンダーカット205にて、中栓部材218のツバ部207を係止(嵌合)することによって、キャップ本体202の内側に略蓋形状の中栓部材218をキャップ本体202に係止しているだけであるので、この嵌合力が弱い場合には、液だれ防止用キャップ200を搬送する際や、生産ラインで中栓部材218が、キャップ本体202から脱落するおそれがある。
【0040】
また、図15に示したように、ボトル係止用フラップ片234の間は、略矩形状の分断用切欠部236で分断されており、各ボトル係止用フラップ片234は、小さい切欠深さの折り曲げ用切欠部238が形成されているだけである。
【0041】
従って、ボトル係止用フラップ片234をそれぞれ内周側に折り曲げる際に、ボトル係止用フラップ片234同士が突き当たるとともに、ボトル係止用フラップ片234の小さい切欠深さの折り曲げ用切欠部238で隣接する部分同士が突き当たって、折り曲げ操作の邪魔になるおそれがある。
【0042】
本発明は、このような現状に鑑み、液だれ防止中栓付きキャップを搬送する際や、生産ラインで中栓リング部材が、キャップ本体から脱落するおそれがなく、閉蓋した際にボトル容器の口部に液だれ防止中栓付きキャップを簡単にかつ確実に装着できるとともに、中栓リング部材のシール性を維持することが可能な液だれ防止中栓付きキャップを提供することを目的とする。
【0043】
また、本発明は、複雑な構成とすることなく、汎用のボトル容器に装着可能で、改竄防止機能(タンパーエビデント性)を確実に発揮することができ、しかも、開蓋した際には、中栓リング部材がボトル容器の口部に確実に嵌合存置した状態となって、ボトル容器内に収容された液体を液だれを生じることなく注ぐことができる液だれ防止中栓付きキャップを提供することを目的とする。
【0044】
さらに、ボトル容器の使用が終了した際には、キャップ本体と、中栓リング部材と、ボトル係止用リング部材と、ボトル容器をそれぞれ分別回収することができる液だれ防止中栓付きキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0045】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、
ボトル容器の口部に装着され、開蓋操作を行った際に、ボトル容器の口部の開口部に、液だれ防止用の中栓リング部材を嵌合存置した状態となる液だれ防止中栓付きキャップであって、
略有底筒状のキャップ本体と、
前記キャップ本体の頂板部の内面から、下方に突設するように形成され、閉蓋時にボトル容器に口部の開口部に挿着される略筒状の中栓係止部材と、
前記キャップ本体の中栓係止部材の外周部に脱着自在に嵌合された、略筒状の中栓リング部材と、
前記キャップ本体の外周側壁の下端に、開蓋時に破断可能な破断部を介して連結され、開蓋時にボトル容器の口部の外周に嵌合存置した状態となるボトル係止用リング部材とを備え、
前記中栓リング部材が、
前記中栓係止部材の外周に嵌合されるとともに、閉蓋時にボトル容器の口部の開口部に嵌合される略筒状の中栓リング部材本体と、
前記中栓リング部材本体の上端部に外周側に突設するように形成され、液だれ防止作用を有する液だれ防止フランジ部と、
前記中栓リング部材を、キャップ本体の中栓係止部材の外周部に装着した際に、中栓リング部材の脱落を防止する、中栓リング部材本体の下端内周部に内周側に突設形成した内周側係止部とを備え、
前記ボトル係止用リング部材が、
ボトル係止用リング部材本体と、
前記ボトル係止用リング部材本体の下端に内周側に折り曲げ可能に形成されるとともに、液だれ防止中栓付きキャップをボトル容器の口部に装着した際に、内周側に折り曲げることによって、ボトル容器に口部の外周に突設形成された口部フランジ部に係止される、複数のボトル係止用フラップ片が形成されていることを特徴とする。
【0046】
このように構成することによって、中栓リング部材本体の下端内周部に内周側に突設形成した内周側係止部を備えており、中栓リング部材を、キャップ本体の中栓係止部材の外周部に装着した際に、中栓係止部材の下端にこの内周側係止部が係止される。
【0047】
従って、液だれ防止中栓付きキャップを搬送する際や、生産ラインで中栓リング部材が、キャップ本体から脱落するおそれがない。また、キャップ本体の中栓係止部材の外周部に、中栓リング部材を係止する際には、中栓係止部材の高さよりも中栓リング部材の高さが高いので、指などを使ってその挿入係止を容易に行うことができる。
【0048】
しかも、液だれ防止中栓付きキャップを開蓋操作した際には、この中栓係止部材の下端と内周側係止部との係合が容易に解除されて、中栓リング部材がボトル容器の口部に確実に嵌合存置した状態となって、直ちにボトル容器内に収容された液体を液だれを生じることなく注ぐことができる。
【0049】
また、液だれ防止中栓付きキャップをボトル容器の口部に装着した際には、ボトル係止用フラップ片を内周側に折り曲げることによって、ボトル容器に口部の外周に突設形成された口部フランジ部に確実に係止される。
【0050】
これにより、液だれ防止中栓付きキャップが、ボトル容器の口部から脱落するおそれがないので、キャップ本体とボトル容器の口部との間で、中栓リング部材のシール性を確実に維持することが可能である。
【0051】
しかも、開蓋の際には、ボトル係止用リング部材が、ボトル容器に口部の外周に突設形成された口部フランジ部に係止されているので、キャップ本体の外周側壁の下端に形成さ
れた破断部が破断することになる。
【0052】
そして、キャップ本体がボトル容器の口部から離脱されて、閉蓋されると同時に、ボトル係止用リング部材が、開蓋時にボトル容器の口部の外周に嵌合存置した状態となる。これによって、消費者、患者などに液だれ防止中栓付きキャップが開蓋したことが視認されて、タンパーエビデント(TE)性と呼ばれている改竄防止機能が確実に付与されるようになっている。
【0053】
さらに、ボトル容器の使用が終了した際には、ボトル係止用フラップ片を外周側に折り曲げ直すことによって、ボトル容器に口部の外周に突設形成された口部フランジ部との係合が解除されるので、キャップ本体と、中栓リング部材と、ボトル係止用リング部材と、ボトル容器をそれぞれ分別回収することができる
また、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、前記中栓リング部材の内周側係止部には、液だれ防止中栓付きキャップをボトル容器の口部に装着した際に変形して、キャップ本体の中栓係止部材の外周に形成された外周ネジと螺合する内周ネジが形成されるように構成されていることを特徴とする。
【0054】
このように構成することによって、液だれ防止中栓付きキャップをボトル容器の口部に装着した際に、キャップ本体の中栓係止部材の外周に形成された外周ネジと螺合する内周ネジが形成されるので、中栓リング部材を、キャップ本体の中栓係止部材の外周部に装着する際に、キャップ本体の中栓係止部材の外周ネジに、中栓リング部材の内周側係止部の内周ネジを螺合することによって、中栓係止部材の下端にこの内周側係止部が確実に係止される。
【0055】
しかも、液だれ防止中栓付きキャップを開蓋操作した際には、キャップ本体の開蓋方向への回転にともなって、キャップ本体の中栓係止部材が開蓋方向に回転して、キャップ本体の中栓係止部材の外周ネジと、中栓リング部材の内周側係止部の内周ネジを螺合が解除する方向に移動され、螺子結合がスムーズに解除される。これによって、中栓リング部材がボトル容器の口部に確実に嵌合存置した状態となって、直ちにボトル容器内に収容された液体を液だれを生じることなく注ぐことができる。
【0056】
また、開蓋操作を行った後に、再びキャップ本体を閉蓋する際には、キャップ本体を閉蓋方向に回転することによって、キャップ本体の中栓係止部材が閉蓋方向に回転して、キャップ本体の中栓係止部材の外周ネジと、中栓リング部材の内周側係止部の内周ネジとが螺合して、中栓リング部材により、ボトル容器のシール性が確実に確保される。
【0057】
そして、再び開蓋操作を行った際には、キャップ本体の開蓋方向への回転にともなって、キャップ本体の中栓係止部材が開蓋方向に回転して、キャップ本体の中栓係止部材の外周ネジと、中栓リング部材の内周側係止部の内周ネジを螺合が解除する方向に抵抗もなくスムーズに移動され、螺子結合がスムーズに解除される。これによって、中栓リング部材がキャップ本体とともにボトル容器の口部に確実に嵌合存置した状態となり、中栓リング部材がボトル容器の口部から外れてしまうのを(いわゆる「共外れ」を)防止することができる。
【0058】
また、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、前記複数のボトル係止用フラップ片の間が、分断用切欠部で分断されているとともに、
各ボトル係止用フラップ片にはその下端部に、前記分断用切欠部の切欠深さよりも小さい切欠深さを有する折り曲げ用切欠部が形成されていることを特徴とする。
【0059】
このように構成することによって、ボトル係止用フラップ片を内周側に折り曲げ易くな
り、ボトル係止用フラップ片を内周側に折り曲げた状態で、ボトル係止用リング部材の下端が略円形状になる。
【0060】
また、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、前記折り曲げ用切欠部が、各ボトル係止用フラップ片の下端部に、複数個一定間隔離間して形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、液だれ防止中栓付きキャップをボトル容器の口部に装着した際に、ボトル係止用フラップ片を内周側に折り曲げることによって、複数のボトル係止用フラップ片によって、ボトル容器の口部の外周に突設形成された口部フランジ部に、液だれ防止中栓付きキャップを均等にかつ確実に係止することができる。
【0061】
また、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、前記ボトル係止用フラップ片が略台形状であることを特徴とする。
このように構成することによって、ボトル係止用フラップ片を内周側に折り曲げる際に、ボトル係止用フラップ片同士が突き当たることがなく、折り曲げ操作の邪魔になることがない。
【0062】
しかも、ボトル係止用フラップ片を内周側に折り曲げた状態で、ボトル係止用リング部材の下端が略円形状になり易く、しかも、ボトル係止用フラップ片を内周側に折り曲げた状態を保持し易い。
【0063】
また、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、前記分断用切欠部の形状が、略台形状であることを特徴とする。
このように構成することによって、ボトル係止用フラップ片をそれぞれ内周側に折り曲げる際に、ボトル係止用フラップ片同士が突き当たることがなく、ボトル係止用フラップ片を内周側に折り曲げ易くなり、ボトル係止用フラップ片を内周側に折り曲げた状態で、ボトル係止用リング部材の下端が略円形状になる。
【0064】
また、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、前記ボトル係止用フラップ片が、ボトル係止用リング部材本体の下端に4個以上形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、液だれ防止中栓付きキャップをボトル容器の口部に装着した際に、ボトル係止用フラップ片を内周側に折り曲げることによって、複数のボトル係止用フラップ片によって、ボトル容器の口部の外周に突設形成された口部フランジ部に、液だれ防止中栓付きキャップを均等にかつ確実に係止することができる。
【0065】
また、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、前記中栓リング部材の内周面の内周側係止部の上方に、キャップ本体の中栓係止部材の外周の外周ネジと螺合する内周ネジが形成されていることを特徴とする。
【0066】
このように構成することによって、液だれ防止中栓付きキャップを開蓋操作した際には、キャップ本体の開蓋方向への回転にともなって、キャップ本体の中栓係止部材が開蓋方向に回転して、キャップ本体の中栓係止部材の外周ネジと、中栓リング部材の内周側係止部の内周ネジとの螺合が解除する方向に移動され、螺子結合がスムーズに解除される。これによって、中栓リング部材がボトル容器の口部に確実に嵌合存置した状態となって、直ちにボトル容器内に収容された液体を液だれを生じることなく注ぐことができる。
【0067】
また、開蓋操作を行った後に、再びキャップ本体を閉蓋する際には、キャップ本体を閉蓋方向に回転することによって、キャップ本体の中栓係止部材が閉蓋方向に回転して、キャップ本体の中栓係止部材の外周ネジと、中栓リング部材の内周側係止部の上方の内周ネジとが螺合して、中栓リング部材により、ボトル容器のシール性が確実に確保される。
【0068】
そして、再び開蓋操作を行った際には、キャップ本体の開蓋方向への回転にともなって、キャップ本体の中栓係止部材が開蓋方向に回転して、キャップ本体の中栓係止部材の外周ネジと、中栓リング部材の内周側係止部の上方の内周ネジとの螺合が解除する方向に抵抗もなくスムーズに移動され、螺子結合がスムーズに解除される。これによって、中栓リング部材がボトル容器の口部に確実に嵌合存置した状態となって、中栓リング部材がボトル容器の口部から外れてしまうのを(いわゆる「共外れ」を)防止することができる。
【0069】
また、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、前記中栓リング部材の内周面の内周側係止部の上方に、キャップ本体の中栓係止部材の外周の外周ネジと嵌合する内周嵌合突起が形成されていることを特徴とする。
【0070】
このように構成することによって、液だれ防止中栓付きキャップを開蓋操作した際には、キャップ本体の開蓋方向への上昇にともなって、キャップ本体の中栓係止部材が開蓋方向に上昇して、キャップ本体の中栓係止部材の外周ネジと、中栓リング部材の内周側係止部の上方の内周嵌合突起の嵌合が、中栓リング部材の可撓性によって解除される。これによって、確実に嵌合存置した状態となって、直ちにボトル容器内に収容された液体を液だれを生じることなく注ぐことができる。
【0071】
また、開蓋操作を行った後に、再びキャップ本体を閉蓋する際には、キャップ本体を閉蓋方向に上昇することによって、キャップ本体の中栓係止部材が閉蓋方向に上昇して、キャップ本体の中栓係止部材の外周ネジと、中栓リング部材の内周側係止部の上方の内周嵌合突起とが嵌合して、中栓リング部材により、ボトル容器のシール性が確実に確保される。
【0072】
そして、再び開蓋操作を行った際には、キャップ本体の開蓋方向への上昇にともなって、キャップ本体の中栓係止部材が開蓋方向に上昇して、キャップ本体の中栓係止部材の外周ネジと、中栓リング部材の内周側係止部の上方の内周嵌合突起の嵌合が、中栓リング部材の可撓性によって抵抗もなくスムーズに移動される。これによって、中栓リング部材がボトル容器の口部に、確実に嵌合存置した状態となり、中栓リング部材がキャップ本体とともにボトル容器の口部から外れてしまうのを(いわゆる「共外れ」を)防止することができる。
【0073】
また、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、前記キャップ本体の外周側壁の内周に、ボトル容器の口部の外周に形成された外周ネジに係合する内周ネジが形成されていることを特徴とする。
【0074】
このように構成することによって、液だれ防止中栓付きキャップのボトル容器の口部に装着した際に、キャップ本体の外周側壁の内周の内周ネジと、ボトル容器の口部の外周に形成された外周ネジとが螺合することによって、キャップ本体とボトル容器の口部が強固に係合されることになり、キャップ本体とボトル容器の口部との間で、中栓リング部材のシール性を確実に維持することが可能である。
【0075】
また、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、前記キャップ本体の外周側壁の下端と、ボトル係止用リング部材との間を連結する破断可能な破断部が、キャップ本体の外周側壁の下端とボトル係止用リング部材の上端部を離間するように、周方向に離間して複数個形成されていることを特徴とする。
【0076】
このように構成することによって、開蓋の際に、キャップ本体の外周側壁の下端に形成された破断部が均一にかつ力を要することなく破断して、ボトル係止用リング部材が、開蓋時にボトル容器の口部の外周に嵌合存置した状態となる。これによって、消費者、患者
などに液だれ防止中栓付きキャップが開蓋したことが視認されて、タンパーエビデント(TE)性と呼ばれている改竄防止機能を確実に付与することができる。
【0077】
また、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、前記キャップ本体の外周側壁の下端とボトル係止用リング部材の上端部にはそれぞれ、開蓋操作の際に、キャップ本体の外周側壁の下端とボトル係止用リング部材の上端部とを離間するように案内するガイド部材が形成されていることを特徴とする。
【0078】
このように構成することによって、開蓋の際に、ガイド部材によって、キャップ本体の外周側壁の下端とボトル係止用リング部材の上端部とが、相互に離間する方向に案内されるので、キャップ本体の外周側壁の下端に形成された破断部が均一にかつ力を要することなく破断して、ボトル係止用リング部材が、開蓋時にボトル容器の口部の外周に嵌合存置した状態となる。これによって、消費者、患者などに液だれ防止中栓付きキャップが開蓋したことが視認されて、タンパーエビデント(TE)性と呼ばれている改竄防止機能を確実に付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0079】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施例の液だれ防止中栓付きキャップをボトル容器の口部に装着した状態を示す正面図、図2は、図1の液だれ防止中栓付きキャップの装着状態を示す部分拡大縦断面図、図3は、図1の液だれ防止中栓付きキャップの装着状態を示す分解拡大縦断面図、図4は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップのキャップ本体のボトル容器の口部に装着する前の状態を示す縦断面図、図5は、図4のV方向の端面図、図6は、図4のVI−VI方向の端面図、図7は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップの中栓リング部材の縦断面図、図8は、図7のVIII−VIII方向の端面図、図9は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップの中栓リング部材の部分破断斜視図である。
【0080】
図1〜図4において、1は全体で本発明の液だれ防止中栓付きキャップを示している。液だれ防止中栓付きキャップ1は、図1に示したように、例えば、薬用ボトル容器、飲料容器、その他の液体を収容するボトル容器10の開口部を有する口部12に装着されるものである。
【0081】
液だれ防止中栓付きキャップ1は、図2〜図4に示したように、略有底筒状のキャップ本体2を備えており、このキャップ本体2の頂板部4の内面から、下方に突設するように形成された略筒状の中栓係止部材6を備えている。
【0082】
キャップ本体2の外周側壁8の内周には、ボトル容器10の口部12の外周に形成された外周ネジ14に螺合する内周ネジ16が形成されている。
そして、このキャップ本体2の中栓係止部材6の外周部に脱着自在に嵌合された、略蓋形状の中栓リング部材18を備えている。
【0083】
そして、キャップ本体2の外周側壁8の下端に、開蓋時に破断可能な破断部20を介して連結され、開蓋時にボトル容器10の口部12の外周に嵌合存置した状態となるボトル係止用リング部材22を備えている。
【0084】
このボトル係止用リング部材22は、ボトル係止用リング部材本体24を備えており、ボトル係止用リング部材本体24の下端に、内周側に折り曲げ可能に形成された複数のボトル係止用フラップ片26が形成されている。
【0085】
この実施例では、図5に示したように、ボトル係止用フラップ片26は、ボトル係止用
リング部材本体24の下端の内周に沿って、4個のボトル係止用フラップ片26が、略台形状の分断用切欠部30で、一定間隔に分断されて形成されている。
【0086】
このボトル係止用フラップ片26は、中栓リング部材18をキャップ本体2の中栓係止部材6の外周部に嵌合して組み立てる際に、予め内周側に折り曲げることによって、液だれ防止中栓付きキャップ1をボトル容器10の口部12に装着した際に、ボトル容器10の口部12の外周に突設形成された口部フランジ部28に係止されるものである。
【0087】
これらのボトル係止用フラップ片26の間は、略台形状の分断用切欠部30で分断されているとともに、各ボトル係止用フラップ片26にはその下端中央部に、分断用切欠部30の切欠深さよりも小さい切欠深さを有する略台形状の折り曲げ用切欠部32が形成されている。
【0088】
なお、このボトル係止用フラップ片26の数は、ボトル係止用フラップ片26をそれぞれ、内周側に折り曲げることによって、ボトル容器10の口部12の外周に突設形成された口部フランジ部28に均等にかつ確実に係止することができればよく、特に限定されるものでないが、好ましくは、ボトル係止用リング部材本体の下端に4個以上形成されているのが望ましい。
【0089】
このように構成することによって、ボトル係止用フラップ片26を内周側に折り曲げる際に、ボトル係止用フラップ片26同士が突き当たることがなく、折り曲げ操作の邪魔になることがないようになっている。
【0090】
また、このように構成することによって、ボトル係止用フラップ片26を内周側に折り曲げ易くなり、ボトル係止用フラップ片26を内周側に折り曲げた状態で、ボトル係止用リング部材22の下端が略円形状になり易く、しかも、ボトル係止用フラップ片26を内周側に折り曲げた状態を保持し易い。
【0091】
この場合、上述のボトル係止用フラップ片26による効果を奏するようにするためには、図4に示したように、分断用切欠部30の切欠深さLに対して、折り曲げ用切欠部32の切欠深さlを、0.3〜0.7、好ましくは、0.4〜0.5とするのが望ましい。
【0092】
一方、図7〜図9に示したように、中栓リング部材18は、閉蓋時にボトル容器10の口部12の開口部に嵌合される略筒状の中栓リング部材本体34と、中栓リング部材本体34の上端部に外周側に突設するように形成され、液だれ防止作用を有する液だれ防止フランジ部36とを備えている。
【0093】
また、中栓リング部材18は、中栓リング部材18を、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周部に装着した際に、中栓リング部材18の脱落を防止する、中栓リング部材本体の下端内周部に内周側に突設形成した複数の内周側係止部38を備えている。
【0094】
これらの中栓リング部材18の内周側係止部38には、液だれ防止中栓付きキャップ1をボトル容器10の口部12に装着した際に変形して、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周に形成された外周ネジ40と螺合する内周ネジ42が形成されるように構成されている。
【0095】
なお、この実施例では、液だれ防止中栓付きキャップ1をボトル容器10の口部12に装着した際に変形して、内周ネジ42が形成されるようにしたが、予め内周ネジ42を形成することもでき、内周ネジ42が装着時の変形で形成しないものであってもよいことは勿論である。
【0096】
このように構成することによって、中栓リング部材18を、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周部に装着した際に、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周に形成された外周ネジ40と螺合する内周ネジ42が形成されるので、中栓リング部材18をキャップ本体2の中栓係止部材6の外周部に装着する際に、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周ネジ40に、中栓リング部材18の内周側係止部38の内周ネジ42を螺合することによって、中栓係止部材6の下端にこの内周側係止部38が確実に係止される。
【0097】
しかも、液だれ防止中栓付きキャップ1を開蓋操作した際には、キャップ本体2の開蓋方向への回転にともなって、キャップ本体2の中栓係止部材6が開蓋方向に回転して、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周ネジ40と、中栓リング部材18の内周側係止部38の内周ネジ42を螺合が解除する方向に移動移動され、螺子結合がスムーズに解除される。これによって、中栓リング部材18がボトル容器10の口部12に確実に嵌合存置した状態となって、直ちにボトル容器10内に収容された液体を液だれを生じることなく注ぐことができる。
【0098】
また、開蓋操作を行った後に、再びキャップ本体2を閉蓋する際には、キャップ本体2を閉蓋方向に回転することによって、キャップ本体2の中栓係止部材6が閉蓋方向に回転して、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周ネジ40と、中栓リング部材18の内周側係止部38の内周ネジ42とが螺合して、中栓リング部材18により、ボトル容器10のシール性が確実に確保される。
【0099】
そして、再び開蓋操作を行った際には、キャップ本体2の開蓋方向への回転にともなって、キャップ本体2の中栓係止部材6が開蓋方向に回転して、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周ネジ40と、中栓リング部材18の内周側係止部38の内周ネジ42を螺合が解除する方向に抵抗もなくスムーズに移動され、螺子結合がスムーズに解除される。これによって、中栓リング部材18がキャップ本体2とともにボトル容器10の口部12に確実に嵌合存置した状態となり、中栓リング部材18がボトル容器10の口部12から外れてしまうのを(いわゆる「共外れ」を)防止することができる。
【0100】
この場合、内周側係止部38の数は、特に限定されるものではないが、このような内周側係止部38の効果を考慮すれば、好ましくは、この実施例のように、図8に示したように、中栓リング部材18の下端部の周方向に4個一定間隔離間して形成するのが望ましい。
【0101】
このように構成される液だれ防止中栓付きキャップ1は、図2および図3に示したように、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周ネジ40に、中栓リング部材18の内周側係止部38の内周ネジ42を螺合することによって、中栓リング部材18を中栓係止部材6に係止する。
【0102】
この状態で、キャップ本体2を閉蓋方向に回転させることによって、キャップ本体2の外周側壁8の内周の内周ネジ16を、ボトル容器10の口部12の外周の外周ネジ14に螺合することによって、キャップ本体2をボトル容器10の口部12に閉蓋する。
【0103】
これにより、図2に示したように、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周部に嵌合した中栓リング部材18が、中栓係止部材6とともにボトル容器10の口部12内に嵌着された状態となって、中栓リング部材18により、ボトル容器10のシール性が確保されるようになっている。
【0104】
そして、この状態で、図2に示したように、ボトル係止用リング部材22の下端に形成
された複数のボトル係止用フラップ片26をそれぞれ、内周側に折り曲げることによって、ボトル容器10の口部12の外周に突設形成された口部フランジ部28に係止する。
【0105】
この際、これらのボトル係止用フラップ片26の間は、略台形状の分断用切欠部30で分断されているとともに、各ボトル係止用フラップ片26にはその下端中央部に、分断用切欠部30の切欠深さよりも小さい切欠深さを有する略台形状の折り曲げ用切欠部32が形成されている。
【0106】
従って、ボトル係止用フラップ片26を内周側に折り曲げる際に、ボトル係止用フラップ片26同士が突き当たることがなく、折り曲げ操作の邪魔になることがないようになっている。
【0107】
また、ボトル係止用フラップ片26を内周側に折り曲げ易くなり、ボトル係止用フラップ片26を内周側に折り曲げた状態で、ボトル係止用リング部材22の下端が略円形状になり易く、しかも、ボトル係止用フラップ片26を内周側に折り曲げた状態を保持し易い。
【0108】
そして、開蓋の際には、キャップ本体2を開蓋方向に回転させることによって、キャップ本体2の外周側壁8の内周の内周ネジ16と、ボトル容器10の口部12の外周の外周ネジ14の螺合が解除されることによって、キャップ本体2が上昇する。
【0109】
しかしながら、ボトル係止用リング部材22の下端のボトル係止用フラップ片26によって、キャップ本体2は、ボトル容器10の口部12の外周に突設形成された口部フランジ部28に係止された状態であるので、キャップ本体2の外周側壁8の下端に形成された破断部20が破断することになる。
【0110】
そして、キャップ本体2がボトル容器10の口部12から離脱されて、閉蓋されると同時に、液だれ防止中栓付きキャップ1を開蓋操作した際には、キャップ本体2の開蓋方向への回転にともなって、キャップ本体2の中栓係止部材6が開蓋方向に回転して、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周ネジ40と、中栓リング部材18の内周側係止部38の内周ネジ42を螺合が解除する方向に移動され、螺子結合がスムーズに解除される。
【0111】
これによって、中栓リング部材18がボトル容器10の口部12に確実に嵌合存置した状態となって、直ちにボトル容器10内に収容された液体を液だれを生じることなく注ぐことができる。
【0112】
従って、ボトル係止用リング部材22が、開蓋時にボトル容器10の口部12の外周に嵌合存置した状態となり、これによって、消費者、患者などに液だれ防止中栓付きキャップ1が開蓋したことが視認されて、タンパーエビデント(TE)性と呼ばれている改竄防止機能が付与されるようになっている。
【0113】
なお、この際、中栓係止部材6は、ボトル容器10の口部12の内周との嵌合によって、ボトル容器10の口部12に係止されている。
この場合、これによって中栓係止部材6の外周の外周ネジ40と、中栓リング部材18の内周側係止部38の内周ネジ42との螺合解除力よりも、中栓リング部材18と、ボトル容器10の口部12との嵌合力が大きく設定されているので、開蓋操作を行った際に、ボトル容器10の口部12の開口部に、液だれ防止用の中栓リング部材18が嵌合存置した状態となるように構成されている。
【0114】
なお、図4に示したように、キャップ本体2の外周側壁8の下端とボトル係止用リング
部材22の上端部にはそれぞれ、開蓋操作の際に、キャップ本体2の外周側壁8の下端とボトル係止用リング部材22の上端部とを離間するように案内する、相互に相補形状のテーパー面44、46を有するガイド部材48、50が形成されている。
【0115】
このように構成することによって、開蓋の際に(図4の矢印A方向)、ガイド部材48、50の相補形状のテーパー面44、46によって、キャップ本体2の外周側壁8の下端とボトル係止用リング部材22の上端部とが、相互に離間する方向に案内されるので、キャップ本体2の外周側壁8の下端に形成された破断部20が均一にかつ力を要することなく破断して、ボトル係止用リング部材22が、開蓋時にボトル容器10の口部12の外周に嵌合存置した状態となるように構成されている。
【0116】
なお、このガイド部材48、50のテーパー面44、46と逆側の垂直面52、54は、いったん開蓋した際に、キャップ本体2を閉蓋した際に相互に当接して、ブリッジ切れ防止のためのストッパーの役割を果たすように構成されている。
【0117】
図10は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップの第2の実施例の図9と同様な中栓リング部材の部分破断斜視図、図11は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップの第2の実施例の図2と同様な液だれ防止中栓付きキャップの装着状態を示す部分拡大縦断面図、図12は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップの第2の実施例の図4と同様なキャップ本体のボトル容器の口部に装着する前の状態を示す縦断面図である。
【0118】
この第2の実施例の液だれ防止中栓付きキャップ1は、図1〜9に示した第1の実施例の液だれ防止中栓付きキャップ1と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
また、この第2の実施例の液だれ防止中栓付きキャップ1は、使用方法も、図1〜9に示した第1の実施例の液だれ防止中栓付きキャップ1と基本的には同様であり、その詳細な説明を省略し、以下にその相違のみについて説明する。
【0119】
すなわち、図1〜9に示した第1の実施例の液だれ防止中栓付きキャップ1では、中栓リング部材18の内周側係止部38には、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周に形成された外周ネジ40と螺合する内周ネジ42を形成したが、この第2の実施例の液だれ防止中栓付きキャップ1では、図10に示したように、内周側係止部38には、内周ネジ42を設けていない。
【0120】
また、図11に示したように、中栓係止部材6の下端の長さよりも、中栓リング部材18の高さを高くして、中栓係止部材6の下端に、内周側係止部38の上端がその可撓性によって、嵌合できるように構成されている。
【0121】
このように構成することによって、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周部に、中栓リング部材18を係止する際には、中栓係止部材6の高さよりも中栓リング部材18の高さが高いので、指などを使ってその挿入係止を容易に行うことができる。
【0122】
また、この第2の実施例の液だれ防止中栓付きキャップ1は、中栓リング部材18の内周面の内周側係止部38の上方に、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周の外周ネジ40と嵌合する内周嵌合突起56が形成されている。
【0123】
このように構成することによって、液だれ防止中栓付きキャップ1を開蓋操作した際には、キャップ本体2の開蓋方向への上昇にともなって、キャップ本体2の中栓係止部材6が開蓋方向に上昇して、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周ネジ40と、中栓リング部材18の内周側係止部38の上方の内周嵌合突起56の嵌合が、中栓リング部材18の
可撓性によって解除される。これによって、確実に嵌合存置した状態となって、直ちにボトル容器10内に収容された液体を液だれを生じることなく注ぐことができる。
【0124】
また、開蓋操作を行った後に、再びキャップ本体2を閉蓋する際には、キャップ本体2を閉蓋方向に上昇することによって、キャップ本体2の中栓係止部材6が閉蓋方向に上昇して、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周ネジ40と、中栓リング部材18の内周側係止部38の上方の内周嵌合突起56とが嵌合して、中栓リング部材18により、ボトル容器10のシール性が確実に確保される。
【0125】
そして、再び開蓋操作を行った際には、キャップ本体2の開蓋方向への上昇にともなって、キャップ本体2の中栓係止部材6が開蓋方向に上昇して、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周ネジ40と、中栓リング部材18の内周側係止部38の上方の内周嵌合突起56の嵌合が、中栓リング部材18の可撓性によって抵抗もなくスムーズに移動され、螺子結合がスムーズに解除される。これによって、中栓リング部材18がボトル容器10の口部12に、確実に嵌合存置した状態となり、中栓リング部材18がキャップ本体2とともにボトル容器10の口部12から外れてしまうのを(いわゆる「共外れ」を)防止することができる。
【0126】
さらに、第1の実施例の液だれ防止中栓付きキャップ1では、各ボトル係止用フラップ片26にはその下端中央部に、分断用切欠部30の切欠深さよりも小さい切欠深さを有する略台形状の折り曲げ用切欠部32を形成したが、この第2の実施例の液だれ防止中栓付きキャップ1では、ボトル係止用フラップ片26では、このような折り曲げ用切欠部32を形成していない。
【0127】
この場合には、第1の実施例の液だれ防止中栓付きキャップ1と比較すれば、ボトル係止用フラップ片26を内周側に折り曲げにくくなり、ボトル係止用フラップ片26を内周側に折り曲げた状態で、ボトル係止用リング部材22の下端が略円形状になりにくいが、ボトル係止用フラップ片26は、液だれ防止中栓付きキャップ1をボトル容器10の口部12に装着した際に、内周側に折り曲げることによって、ボトル容器10の口部12の外周に突設形成された口部フランジ部28に係止することができる。
【0128】
なお、図示しないが、この第2の実施例の液だれ防止中栓付きキャップ1において、中栓リング部材18の内周嵌合突起56の代わりに、中栓リング部材18の内周面の内周側係止部38の上方に、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周の外周ネジ40と螺合する内周ネジを形成してもよい。
【0129】
このように構成することによって、液だれ防止中栓付きキャップ1を開蓋操作した際には、キャップ本体2の開蓋方向への回転にともなって、キャップ本体2の中栓係止部材6が開蓋方向に回転して、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周ネジ40と、中栓リング部材18の内周側係止部38の上方の内周ネジとの螺合が解除する方向に移動される。これによって、中栓リング部材18がボトル容器10の口部12に嵌合する方向に移動されるとともに、確実に嵌合存置した状態となって、直ちにボトル容器10内に収容された液体を液だれを生じることなく注ぐことができる。
【0130】
また、開蓋操作を行った後に、再びキャップ本体2を閉蓋する際には、キャップ本体2を閉蓋方向に回転することによって、キャップ本体2の中栓係止部材6の外周ネジ40と、中栓リング部材18の内周側係止部38の上方の内周ネジとが螺合して、中栓リング部材18により、ボトル容器10のシール性が確実に確保される。
【0131】
そして、再び開蓋操作を行った際には、キャップ本体2の開蓋方向への回転にともなっ
て、キャップ本体2の中栓係止部材6が開蓋方向に回転して、キャップ本体2の中栓係止部材の外周ネジ40と、中栓リング部材18の内周側係止部38の上方の内周ネジとの螺合が解除する方向に抵抗もなくスムーズに移動される。これによって、中栓リング部材18がボトル容器10の口部12に嵌合する方向に移動されるとともに、確実に嵌合存置した状態となり、中栓リング部材18がボトル容器10の口部12から外れてしまうのを(いわゆる「共外れ」を)防止することができる。
【0132】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、上記の第1の実施例および第2の実施例では、キャップ本体2とボトル容器10の口部12の係合を、キャップ本体2の外周側壁8の内周ネジ16と、ボトル容器10の口部12の外周ネジ14との螺合によって係合するように構成したが、いわゆるスナップフィット方式で、キャップ本体2とボトル容器10の口部12の係合を行うものであっても構わない。
【0133】
さらに、この本発明の液だれ防止中栓付きキャップに適用するボトル容器10としては、
その材質は特に限定されるものではなく、PETボトルなどの合成樹脂容器、ガラス瓶などあらゆるボトル容器に適用可能である。
【0134】
さらに、本発明の液だれ防止中栓付きキャップは、ボトル容器10に収容する成分として、液体について説明したが、液体以外にも、錠剤状、粉状、粒状などの固体、気体などのボトル容器も適用することができるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例の液だれ防止中栓付きキャップをボトル容器の口部に装着した状態を示す正面図である。
【図2】図2は、図1の液だれ防止中栓付きキャップの装着状態を示す部分拡大縦断面図である。
【図3】図3は、図1の液だれ防止中栓付きキャップの装着状態を示す分解拡大縦断面図である。
【図4】図4は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップのキャップ本体のボトル容器の口部に装着する前の状態を示す縦断面図である。
【図5】図5は、図4のV方向の端面図である。
【図6】図6は、図4のVI−VI方向の端面図である。
【図7】図7は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップの中栓リング部材の縦断面図である。
【図8】図8は、図7のVIII−VIII方向の端面図である。
【図9】図9は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップの中栓リング部材の部分破断斜視図である。
【図10】図10は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップの第2の実施例の図9と同様な中栓リング部材の部分破断斜視図である。
【図11】図11は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップの第2の実施例の図2と同様な液だれ防止中栓付きキャップの装着状態を示す部分拡大縦断面図である。
【図12】図12は、本発明の液だれ防止中栓付きキャップの第2の実施例の図4と同様なキャップ本体のボトル容器の口部に装着する前の状態を示す縦断面図である。
【図13】図13は、従来の液だれ防止中栓付きキャップの部分破断分解斜視図である。
【図14】図14は、従来の液だれ防止中栓付きキャップの縦断面図である。
【図15】図15は、従来の液だれ防止中栓付きキャップの正面図である。
【図16】図16は、従来の液だれ防止中栓付きキャップの縦断面図である。
【符号の説明】
【0136】
1 液だれ防止中栓付きキャップ
2 キャップ本体
4 頂板部
6 中栓係止部材
8 外周側壁
10 ボトル容器
12 口部
14 外周ネジ
16 内周ネジ
18 中栓リング部材
20 破断部
22 ボトル係止用リング部材
24 ボトル係止用リング部材本体
26 ボトル係止用フラップ片
28 口部フランジ部
30 分断用切欠部
32 折り曲げ用切欠部
34 中栓リング部材本体
36 液だれ防止フランジ部
38 内周側係止部
40 外周ネジ
42 内周ネジ
44,46 テーパー面
48、50 ガイド部材
52、54 垂直面
56 内周嵌合突起
100 液だれ防止中栓付きキャップ
102 キャップ本体
104 頂板部
106 中栓係止部材
108 外周側壁
110 ボトル容器
112 口部
114 外周ネジ
116 内周ネジ
118 中栓リング部材
120 突部
122 係合用突部
124 フランジ部
200 液だれ防止中栓付きキャップ
202 キャップ本体
204 頂板部
205 アンダーカット
206 中栓係止部材
207 ツバ部207
208 外周側壁
210 ボトル容器
212 口部
214 外周ネジ
216 内周ネジ
218 中栓部材
220 プルリング
222 蓋部
224 フランジ部
226 破断部
230 ボトル係止用リング部材
232 口部フランジ部
234 ボトル係止用フラップ片
235 嵌合溝
236 分断用切欠部
237 突起部
238 折り曲げ用切欠部
240 膨出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル容器の口部に装着され、開蓋操作を行った際に、ボトル容器の口部の開口部に、液だれ防止用の中栓リング部材を嵌合存置した状態となる液だれ防止中栓付きキャップであって、
略有底筒状のキャップ本体と、
前記キャップ本体の頂板部の内面から、下方に突設するように形成され、閉蓋時にボトル容器に口部の開口部に挿着される略筒状の中栓係止部材と、
前記キャップ本体の中栓係止部材の外周部に脱着自在に嵌合された、略筒状の中栓リング部材と、
前記キャップ本体の外周側壁の下端に、開蓋時に破断可能な破断部を介して連結され、開蓋時にボトル容器の口部の外周に嵌合存置した状態となるボトル係止用リング部材とを備え、
前記中栓リング部材が、
前記中栓係止部材の外周に嵌合されるとともに、閉蓋時にボトル容器の口部の開口部に嵌合される略筒状の中栓リング部材本体と、
前記中栓リング部材本体の上端部に外周側に突設するように形成され、液だれ防止作用を有する液だれ防止フランジ部と、
前記中栓リング部材を、キャップ本体の中栓係止部材の外周部に装着した際に、中栓リング部材の脱落を防止する、中栓リング部材本体の下端内周部に内周側に突設形成した内周側係止部とを備え、
前記ボトル係止用リング部材が、
ボトル係止用リング部材本体と、
前記ボトル係止用リング部材本体の下端に内周側に折り曲げ可能に形成されるとともに、液だれ防止中栓付きキャップをボトル容器の口部に装着した際に、内周側に折り曲げることによって、ボトル容器に口部の外周に突設形成された口部フランジ部に係止される、複数のボトル係止用フラップ片が形成されていることを特徴とする液だれ防止中栓付きキャップ。
【請求項2】
前記中栓リング部材の内周側係止部には、液だれ防止中栓付きキャップをボトル容器の口部に装着した際に変形して、キャップ本体の中栓係止部材の外周に形成された外周ネジと螺合する内周ネジが形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液だれ防止中栓付きキャップ。
【請求項3】
前記複数のボトル係止用フラップ片の間が、分断用切欠部で分断されているとともに、
各ボトル係止用フラップ片にはその下端部に、前記分断用切欠部の切欠深さよりも小さい切欠深さを有する折り曲げ用切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液だれ防止中栓付きキャップ。
【請求項4】
前記折り曲げ用切欠部が、各ボトル係止用フラップ片の下端部に、複数個一定間隔離間して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液だれ防止中栓付きキャップ。
【請求項5】
前記ボトル係止用フラップ片が略台形状であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液だれ防止中栓付きキャップ。
【請求項6】
前記分断用切欠部の形状が、略台形状であることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の液だれ防止中栓付きキャップ。
【請求項7】
前記ボトル係止用フラップ片が、ボトル係止用リング部材本体の下端に4個以上形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の液だれ防止中栓付きキャッ
プ。
【請求項8】
前記中栓リング部材の内周面の内周側係止部の上方に、キャップ本体の中栓係止部材の外周の外周ネジと螺合する内周ネジが形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の液だれ防止中栓付きキャップ。
【請求項9】
前記中栓リング部材の内周面の内周側係止部の上方に、キャップ本体の中栓係止部材の外周の外周ネジと嵌合する内周嵌合突起が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の液だれ防止中栓付きキャップ。
【請求項10】
前記キャップ本体の外周側壁の内周に、ボトル容器の口部の外周に形成された外周ネジに係合する内周ネジが形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の液だれ防止中栓付きキャップ。
【請求項11】
前記キャップ本体の外周側壁の下端と、ボトル係止用リング部材との間を連結する破断可能な破断部が、キャップ本体の外周側壁の下端とボトル係止用リング部材の上端部を離間するように、周方向に離間して複数個形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の液だれ防止中栓付きキャップ。
【請求項12】
前記キャップ本体の外周側壁の下端とボトル係止用リング部材の上端部にはそれぞれ、開蓋操作の際に、キャップ本体の外周側壁の下端とボトル係止用リング部材の上端部とを離間するように案内するガイド部材が形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の液だれ防止中栓付きキャップ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の液だれ防止中栓付きキャップを、ボトル容器の口部に装着したことを特徴とするボトル容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2006−264735(P2006−264735A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−85948(P2005−85948)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】